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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】画像処理装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
A61B1/045 622
A61B1/045 610
A61B1/045 623
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022524803
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 JP2020020112
(87)【国際公開番号】W WO2021234907
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】志野 亮作
(72)【発明者】
【氏名】上條 憲一
(72)【発明者】
【氏名】大塚 翔太
(72)【発明者】
【氏名】木村 達
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/049962(WO,A1)
【文献】特表2010-516305(JP,A)
【文献】国際公開第2014/148184(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/194242(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、
前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、
前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段と、
を有し、
前記出力制御手段は、前記撮影済み領域において撮影時間が閾値よりも低い部分領域が存在する場合、当該部分領域に関する警告を出力する、画像処理装置。
【請求項2】
内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、
前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、
前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段と、
を有し、
前記出力制御手段は、前記撮影済み領域内の表示態様を、前記撮影済み領域内での撮影時間の差異に基づき変化させる、画像処理装置。
【請求項3】
内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、
前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、
前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段と、
を有し、
前記出力制御手段は、前記撮影の進捗率を示す情報を、前記表示装置に表示させる、画像処理装置。
【請求項4】
前記出力制御手段は、前記撮影部から取得された最新の前記撮影画像と、前記撮影領域明示画像とを並べて前記表示装置に表示させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、前記撮影時間に基づき前記撮影済み領域の分割を行い、分割された領域を色分けして前記表示装置に表示させる、請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記出力制御手段は、前記撮影部の移動に関する案内情報を、前記表示装置に表示させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記出力制御手段は、前記案内情報として、前記撮影が必要な前記検査対象の部位を示す要撮影部位情報を、前記撮影領域明示画像上に表示する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータにより、
内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成し、
前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行い、
前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させ
前記撮影済み領域において撮影時間が閾値よりも低い部分領域が存在する場合、当該部分領域に関する警告を出力する、制御方法。
【請求項9】
内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、
前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、
前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段
としてコンピュータを機能させ
前記出力制御手段は、前記撮影済み領域において撮影時間が閾値よりも低い部分領域が存在する場合、当該部分領域に関する警告を出力する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡検査において取得される画像の処理を行う画像処理装置、制御方法及び記憶媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、臓器の管腔内を撮影した画像を表示する内視鏡システムが知られている。例えば、特許文献1には、内視鏡により撮影した画像に基づき、検査対象の3次元モデルデータを生成し、3次元モデル画像として表示する技術が開示されている。また、非特許文献1には、SfM(Structure from Motion)を用いて撮影画像から胃の3次元形状を復元する手法が開示されている。さらに、非特許文献2には、3次元形状同士の非剛体の位置合わせ手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開WO2017/203814
【非特許文献】
【0004】
【文献】Aji Resindra Widya et al. “3D Reconstruction of Whole Stomach from Endoscope Video Using Structure-from-Motion”,2019 41st Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society, pp. 3900-3904.
【文献】Dai,H et al. “Non-rigid 3D Shape Registration using an Adaptive Template”, The European Conference on Computer Vision (ECCV) Workshops, 2018.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内視鏡検査では、検査者は、検査対象に対して撮影が行われていない領域に内視鏡の撮影部を移動させる必要があるが、撮影済みの領域と撮影が行われていない領域とを正確に識別することは困難であった。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、内視鏡検査において、検査対象の撮影済みの領域を好適に表示することが可能な画像処理装置、制御方法及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
画像処理装置の一の態様は、内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段と、を有し、前記出力制御手段は、前記撮影済み領域において撮影時間が閾値よりも低い部分領域が存在する場合、当該部分領域に関する警告を出力する
画像処理装置の他の態様は、内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段と、を有し、前記出力制御手段は、前記撮影済み領域内の表示態様を、前記撮影済み領域内での撮影時間の差異に基づき変化させる。
画像処理装置の他の態様は、内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段と、を有し、前記出力制御手段は、前記撮影の進捗率を示す情報を、前記表示装置に表示させる。
【0008】
制御方法の一の態様は、コンピュータにより、内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成し、前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行い、前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させ、前記撮影済み領域において撮影時間が閾値よりも低い部分領域が存在する場合、当該部分領域に関する警告を出力する、制御方法である。
【0009】
プログラムの一の態様は、内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段としてコンピュータを機能させ、前記出力制御手段は、前記撮影済み領域において撮影時間が閾値よりも低い部分領域が存在する場合、当該部分領域に関する警告を出力する、プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、内視鏡検査において、検査対象の撮影済みの領域を好適に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】内視鏡検査システムの概略構成を示す。
図2】画像処理装置のハードウェア構成を示す。
図3】画像処理装置の機能ブロック図である。
図4】3次元再構成部及びマッチング部の処理の概要を示す図である。
図5】第1実施形態において内視鏡検査時に画像処理装置が実行する表示処理の概要を示すフローチャートの一例である。
図6】標準モデル生成処理の手順を示すフローチャートの一例である。
図7】マッチング処理の手順を示すフローチャートの一例である。
図8】再構成データの特徴抽出処理の手順を示すフローチャートの一例である。
図9】(A)再構成データの一部の拡大図である。(B)孤立点除去後の再構成データの一部の拡大図である。(C)ドロネー分割後の再構成データの一部の拡大図である。
図10】検査者確認画面の第1表示例を示す。
図11】検査者確認画面の第2表示例を示す。
図12】検査者確認画面の第3表示例を示す。
図13】検査者確認画面の第4表示例を示す。
図14】検査者確認画面の第5表示例を示す。
図15】検査者確認画面の第6表示例を示す。
図16】第2実施形態における画像処理装置のブロック図である。
図17】第2実施形態における画像処理装置の処理手順を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、画像処理装置、制御方法及び記憶媒体の実施形態について説明する。
【0013】
<第1実施形態>
(1)システム構成
図1は、内視鏡検査システム100の概略構成を示す。図1に示すように、内視鏡検査システム100は、主に、画像処理装置1と、表示装置2と、画像処理装置1に接続された内視鏡スコープ3と、を備える。以後では、代表例として、検査対象を胃とする内視鏡検査における処理の説明を行う。
【0014】
画像処理装置1は、内視鏡スコープ3が時系列により撮影する画像(「撮影画像Ic」とも呼ぶ。)を内視鏡スコープ3から取得し、撮影画像Icに基づく画面(「検査者確認画面」とも呼ぶ。)を表示装置2に表示させる。撮影画像Icは、検査中において、撮影対象である被検者の胃壁を、所定の時間間隔により撮影した画像である。本実施形態においては、画像処理装置1は、撮影画像Icから被検者の胃の3次元形状を再構成したデータ(「再構成データMr」とも呼ぶ。)を生成し、予め生成した標準的な胃の3次元モデル(「標準モデルMs」とも呼ぶ。)とのマッチングを行う。そして、画像処理装置1は、マッチング結果に基づき、標準モデルMs上で内視鏡スコープ3での撮影済み領域を明示した画像(「撮影領域明示画像Im」とも呼ぶ。)を生成し、当該撮影領域明示画像Imを表示装置2に表示させる。なお、撮影領域明示画像Imは、3次元コンピュータグラフィックスにより3次元空間内の仮想的な検査対象及びその撮影済み箇所を2次元平面上の情報に変換した奥行き感(立体感)のある画像となっている。
【0015】
表示装置2は、画像処理装置1から供給される表示信号に基づき所定の表示を行うディスプレイ等である。
【0016】
内視鏡スコープ3は、被検者の大腸に挿入されることで大腸の管腔を撮影する機器である。内視鏡スコープ3は、主に、画像処理装置1と接続するための接続部35と、検査者が所定の入力を行うための操作部36と、管腔内に挿入され、柔軟性を有するシャフト37と、超小型撮像素子などの撮影部を内蔵した先端部38とを有する。
【0017】
(2)ハードウェア構成
図2は、画像処理装置1のハードウェア構成を示す。画像処理装置1は、主に、プロセッサ11と、メモリ12と、インターフェース13と、入力部14と、光源部15と、音出力部16と、を含む。これらの各要素は、データバス19を介して接続されている。
【0018】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているプログラム等を実行することにより、所定の処理を実行する。プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、量子プロセッサなどのプロセッサである。
【0019】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの、主に作業メモリとして使用される各種の揮発性メモリ及び画像処理装置1の処理に必要な情報を記憶する不揮発性メモリにより構成される。なお、メモリ12は、画像処理装置1に接続又は内蔵されたハードディスクなどの外部記憶装置を含んでもよく、着脱自在なフラッシュメモリなどの記憶媒体を含んでもよい。メモリ12には、画像処理装置1が本実施形態における各処理を実行するためのプログラムが記憶される。また、メモリ12は、撮影画像記憶部21と、標準モデル記憶部22とを含んでいる。
【0020】
撮影画像記憶部21は、プロセッサ11の制御に基づき、内視鏡検査において内視鏡スコープ3が撮影した一連の撮影画像Icを記憶する。これらの撮影画像Icは、再構成データMrの生成に用いられる画像であり、例えば、被検者の識別情報(例えば患者ID)、及び、タイムスタンプの情報等と関連付けられて撮影画像記憶部21に記憶される。標準モデル記憶部22は、複数の被検者を対象としたCT画像などを用いて予め生成された標準モデルMsを記憶する。標準モデル情報の生成については図5を参照して後述する。なお、撮影画像記憶部21及び標準モデル記憶部22の少なくともいずれかは、メモリ12に代えて、画像処理装置1と有線又は無線によりデータ通信が可能な外部装置に設けられてもよい。なお、外部装置は、画像処理装置1と通信網を介してデータ通信が可能な1又は複数のサーバ装置であってもよい。
【0021】
インターフェース13は、画像処理装置1と外部装置とのインターフェース動作を行う。例えば、インターフェース13は、プロセッサ11が生成した表示情報「Id」を表示装置2に供給する。また、インターフェース13は、光源部15が生成する光等を内視鏡スコープ3に供給する。また、インターフェース13は、内視鏡スコープ3から供給される撮影画像Icを示す電気信号をプロセッサ11に供給する。インターフェース13は、外部装置と有線又は無線により通信を行うためのネットワークアダプタなどの通信インターフェースであってもよく、USB(Universal Serial Bus)、SATA(Serial AT Attachment)などに準拠したハードウェアインターフェースであってもよい。
【0022】
入力部14は、検査者による操作に基づく入力信号を生成する。入力部14は、例えば、ボタン、タッチパネル、リモートコントローラ、音声入力装置等である。光源部15は、内視鏡スコープ3の先端部38に供給するための光を生成する。また、光源部15は、内視鏡スコープ3に供給する水や空気を送り出すためのポンプ等も内蔵してもよい。音出力部16は、プロセッサ11の制御に基づき音を出力する。
【0023】
(3)機能ブロック
図3は、画像処理装置1の機能ブロック図である。図3に示すように、画像処理装置1のプロセッサ11は、機能的には、撮影画像取得部30と、3次元再構成部31と、マッチング部32と、出力制御部33とを有する。
【0024】
撮影画像取得部30は、インターフェース13を介して内視鏡スコープ3が撮影した撮影画像Icを所定間隔により取得する。そして、撮影画像取得部30は、取得した撮影画像Icを、3次元再構成部31に供給する。また、撮影画像取得部30は、取得した撮影画像Icを、タイムスタンプや患者IDなどと関連付けて撮影画像記憶部21に記憶する。
【0025】
3次元再構成部31は、撮影画像取得部30が内視鏡検査時に取得した複数の撮影画像Icに基づいて、撮影された胃の3次元形状を示す再構成データMrを生成する。再構成データMrは、例えば、3次元位置情報を有する点群データを含む。
【0026】
この場合、例えば、再構成データMrの生成に必要な枚数の撮影画像Icを取得後、3次元再構成部31は、複数枚の画像から被写体の3次元形状、及び撮影部の相対位置を復元する手法を用いて、再構成データMrを構成する。このような手法として、例えば、Structure from Motion(SfM)などの手法が存在する。その後、3次元再構成部31は、例えば、所定枚数の撮影画像Icを取得する度に、生成した再構成データMrを更新する。上記の所定枚数は、1枚以上であればよく、例えば画像処理装置1の処理能力等を勘案した値に予め定められている。そして、3次元再構成部31は、生成(更新も含む)した再構成データMrを、マッチング部32に供給する。再構成データMrの生成方法については後述する。
【0027】
マッチング部32は、3次元再構成部31から供給される再構成データMrと、標準モデル記憶部22に記憶された標準モデルMsとのマッチングを行い、マッチングの結果であるマッチング結果「Rm」を、出力制御部33に供給する。この場合、マッチング部32は、非剛体位置合わせを行い、非剛体位置合わせがなされた再構成データMr及び再構成データMrを共通の3次元座標系で表したデータを、マッチング結果Rmとして生成する。
【0028】
出力制御部33は、マッチング部32が生成したマッチング結果Rmに基づき、3次元座標上で位置合わせが行われた再構成データMrと標準モデルMsとを、所定の2次元座標系に投影した撮影領域明示画像Imを生成する。そして、出力制御部33は、撮影領域明示画像Imと、撮影画像取得部30が取得した最新の撮影画像Icとを並べた検査者確認画面を表示するための表示情報Idを生成し、生成した表示情報Idを表示装置2に供給する。また、出力制御部33は、検査者による内視鏡スコープ3の撮影に関する案内又は警告をするための情報を出力する。この情報の出力は、検査者確認画面上に行ってもよく、音出力部16により行ってもよい。出力制御部33の具体的な処理については後述する。
【0029】
図4は、3次元再構成部31及びマッチング部32の処理の概要を示す図である。図4に示すように、3次元再構成部31は、内視鏡検査時において現在までに取得された複数の撮影画像Icに基づき、撮影済み領域の3次元形状に相当する再構成データMrを生成する。そして、マッチング部32は、標準モデル記憶部22を参照することで構成した標準モデルMsと、再構成データMrとのマッチング(非剛体位置合わせ)を行う。これにより、マッチング部32は、胃の全体を表す標準モデルMsと撮影済み領域に相当する再構成データMrとを3次元空間において対応付けたマッチング結果Rmを生成する。このようなマッチング結果Rmに基づき、出力制御部33は、撮影領域明示画像Imを好適に生成することができる。
【0030】
なお、図3及び図4において説明した撮影画像取得部30、3次元再構成部31、マッチング部32及び出力制御部33の各構成要素は、例えば、プロセッサ11がプログラムを実行することによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、メモリ12に格納されたプログラムを、プロセッサ11が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記憶媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。なお、これらの各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、これらの各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。このように、各構成要素は、プロセッサ以外のハードウェアを含む任意のコンピュータ(コントローラ)により実現されてもよい。以上のことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
【0031】
(4)処理フロー
次に、第1実施形態における処理フローについて説明する。
【0032】
(4-1)概要
図5は、第1実施形態において内視鏡検査時に画像処理装置1が実行する表示処理の概要を示すフローチャートの一例である。
【0033】
まず、画像処理装置1は、撮影画像Icを取得する(ステップS11)。この場合、画像処理装置1の撮影画像取得部30は、インターフェース13を介して内視鏡スコープ3から撮影画像Icを受信する。
【0034】
次に、画像処理装置1は、ステップS11で取得した複数の撮影画像Icから、検査対象を3次元再構成した再構成データMrを生成する(ステップS12)。この場合、画像処理装置1の3次元再構成部31は、検査開始から現処理時点までに取得した撮影画像Icに基づき、SfMなどの手法を用いて、撮影済み領域に相当する再構成データMrを生成する。
【0035】
次に、画像処理装置1は、標準モデルMsと再構成データMrとのマッチングを行う(ステップS13)。この場合、画像処理装置1のマッチング部32は、標準モデル記憶部22から取得した標準モデルMsと、3次元再構成部31が生成した再構成データMrとの非剛体位置合わせを行うことで、マッチング結果Rmを生成する。ステップS13の処理については、図7を参照して詳しく説明する。
【0036】
そして、画像処理装置1は、撮影領域明示画像Imを表示装置2に表示する(ステップS14)。この場合、画像処理装置1の出力制御部33は、後述するように、撮影領域明示画像Imを最新の撮影画像Icと並べた検査者確認画面を表示するための表示情報Idを生成し、表示情報Idを表示装置2に供給する。また、出力制御部33は、検査対象となる胃における撮影済み領域内において撮影時間が短い領域の存在を検査者に知らせるための所定の出力を行ったり、内視鏡スコープ3を移動させるべき方向又は撮影すべき箇所等を示す情報を検査者確認画面上に表示したりする。
【0037】
次に、画像処理装置1は、内視鏡検査が終了したか否か判定する(ステップS15)。例えば、画像処理装置1は、入力部14又は操作部36への所定の入力等を検知した場合に、内視鏡検査が終了したと判定する。そして、画像処理装置1は、内視鏡検査が終了したと判定した場合(ステップS15;Yes)、フローチャートの処理を終了する。一方、画像処理装置1は、内視鏡検査が終了していないと判定した場合(ステップS15;No)、ステップS11へ処理を戻す。そして、画像処理装置1は、ステップS11において、内視鏡スコープ3が新たに生成する撮影画像Icを取得し、当該撮影画像Icを処理対象に含めて、ステップS12~ステップS15の処理を再実行する。
【0038】
(4-2)標準モデル生成処理
図6は、標準モデル記憶部22に記憶する標準モデルMsの生成処理の一例を示すフローチャートである。以後では、説明の便宜上、画像処理装置1を処理主体として説明するが、画像処理装置1以外の任意の装置が処理主体であってもよい。その場合、任意の装置で標準モデルMsが生成された後、生成された標準モデルMsがデータ通信又は着脱自在な記憶媒体等を介してメモリ12に記憶される。
【0039】
まず、画像処理装置1は、腹部を撮影した3D-CT画像を取得する(ステップS21)。そして、画像処理装置1は、ユーザ入力に基づき、3D-CT画像から胃の領域を抽出する(ステップS22)。この場合、画像処理装置1は、表示装置2に3D-CT画像を表示し、胃の領域を指定するユーザ入力を入力部14により受け付ける。そして、画像処理装置1は、ステップS21及びステップS22の処理を、複数の被検者の3D-CT画像に対して実行し、複数の被検者の胃領域を抽出する。
【0040】
次に、画像処理装置1は、複数の被検者の3D-CT画像から抽出した胃領域を表す胃ボリュームデータを平均し、3次元の標準胃ボリュームモデルを生成する(ステップS23)。胃ボリュームデータは、例えば、胃の領域を0及び1の2値により表した3次元ボクセルデータである。ステップS23では、画像処理装置1は、ユーザ入力に基づき各被検者の胃ボリュームデータの位置合わせを行った後、位置合わせ後の胃ボリュームデータの相加平均により3次元の標準胃ボリュームモデルを生成する。
【0041】
次に、画像処理装置1は、ステップS23で生成した3次元の標準胃ボリュームモデルから、サーフェスモデルである3次元の標準モデルMsを作成する(ステップS24)。この場合、画像処理装置1は、ボクセルデータをポリゴンデータに変換する任意のアルゴリズムを用いて、標準胃ボリュームモデルを標準モデルMsに変換する。上記アルゴリズムは、例えば、マーチングキューブ法、マーチングテトラヘドラ法などが存在する。ステップS24の後、生成された標準モデルMsは、画像処理装置1が参照可能なメモリ12に記憶される。
【0042】
(4-3)マッチング処理
図7は、ステップS13で実行する標準モデルMsと再構成データMrとのマッチング処理の手順を示すフローチャートの一例である。
【0043】
まず、マッチング部32は、標準モデルMs及び再構成データMrから、それぞれ、ランドマークとなる特徴点の抽出を行う(ステップS31)。再構成データMrの特徴点抽出処理については、図8及び図9を参照して後述する。なお、標準モデルMsには、抽出すべき特徴点に対して所定の識別ラベル等が予め付されていてもよい。
【0044】
そして、マッチング部32は、標準モデルMs及び再構成データMrから夫々抽出した特徴点同士の対応を取り、標準モデルMsと再構成データMrとの剛体マッチングを行う(ステップS32)。この場合、マッチング部32は、対応する特徴点同士の距離が最小となるように、標準モデルMs又は再構成データMrの少なくとも一方を並進移動(回転を含む)させる。
【0045】
次に、マッチング部32は、再構成データMrを基準として標準モデルMsのモーフィングを行う(ステップS33)。この場合、マッチング部32は、ICPD(Iterative Coherent Point Drift)などの点群同士のマッチング手法を用いることで、標準モデルMsと再構成データMrとのマッチングを行い、標準モデルMsにおいて特徴点(ランドマーク)とみなされた点以外の点を移動させる。
【0046】
さらに、マッチング部32は、標準モデルMsの点の補間を行う(ステップS34)。この場合、例えば、マッチング部32は、ラプラス・ベルトラミ作用素(Laplace-Beltrami operator)を用いた頂点の投影(プロジェクション)を行うことで、モーフィング後の標準モデルMsの点を補間する。
【0047】
図8は、図7のステップS31で実行される再構成データMrの特徴抽出処理の手順を示すフローチャートの一例である。
【0048】
まず、マッチング部32は、3次元再構成部31が生成した3次元形状を示す再構成データMrの3次元での平滑化を行う(ステップS41)。この3次元での平滑化については後述する。
【0049】
次に、マッチング部32は、平滑化した再構成データMrを構成する点群とその連結グラフに基づき、点群において特徴的な点となる特徴点の抽出を行う(ステップS42)。この場合、マッチング部32は、例えば、点群の主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)やDoCoG(Difference of Center of Gravity)などの種々の点群特徴抽出手法を用いることで、上述の特徴点の抽出を行う。
【0050】
次に、ステップS41の3次元平滑化について図9(A)~(C)を参照して説明する。
【0051】
図9(A)は、3次元再構成部31が生成した再構成データMrの一部の拡大図である。図9(A)に示すように、3次元再構成部31が生成する再構成データMrには、接続する他の頂点から離れた頂点「P1」が孤立して存在している。図9(B)は、頂点P1を孤立点とみなして除去した後の再構成データMrの一部の状態を示す。
【0052】
この場合、マッチング部32は、まず、再構成データMrを構成する頂点に対し、接続されている2頂点間の距離の平均値「Lm」を算出する。この場合、マッチング部32は、全ての頂点に対して全ての接続する頂点との距離の平均値を平均値Lmとして算出する代わりに、一部の頂点に対し、当該頂点と接続する全部又は所定個数の頂点との距離の平均値を、平均値Lmとして算出してもよい。
【0053】
次に、マッチング部32は、再構成データMrを構成する各頂点について、算出した平均値Lmに対して「α」倍の距離(αL)以内に接続された他の頂点の数(「近傍他頂点数」とも呼ぶ。)を算出する。そして、マッチング部32は、近傍他頂点数が閾値個数未満しか存在しない頂点を孤立点とみなし、当該孤立点を除去する。上述の係数α及び閾値個数は、例えば、メモリ12等に予め記憶された適合値である。図9(A)の例では、頂点P1が接続する他の頂点P2~P5との距離がいずれも距離αLよりも長くなっており、近傍他頂点数が閾値未満となることから、マッチング部32は、頂点P1を孤立点とみなす。そして、マッチング部32は、図9(B)に示すように、孤立点とみなした頂点P1を除去する。
【0054】
その後、マッチング部32は、除去した頂点に接続されていた頂点同士をドロネー分割する。図9(C)は、ドロネー分割後の再構成データMrの一部の状態を示す。図9(C)では、マッチング部32は、除去した頂点P1に接続されていた頂点P2~P5同士をドロネー分割し、頂点P2と頂点P5とを新たに接続させている。これにより、マッチング部32は、孤立点を除去し、3次元形状となる再構成データMrを好適に平滑化することができる。
【0055】
(5)検査者確認画面
次に、出力制御部33が表示装置2に表示させる検査者確認画面について詳しく説明する。出力制御部33は、撮影領域明示画像Imと最新の撮影画像Icとを並べた検査者確認画面を表示するための表示情報Idを生成し、当該表示情報Idを表示装置2に供給することで、上記の検査者確認画面を表示装置2に表示させる。また、出力制御部33は、撮影済み領域内において撮影時間が短い領域の存在を検査者に通知したり、内視鏡スコープ3を移動させる方向又は撮影すべき箇所を案内したりする制御を行う。
【0056】
図10は、検査者確認画面の第1表示例を示す。第1表示例では、出力制御部33は、撮影領域明示画像Im内の撮影済み領域内の表示態様を、撮影済み領域内での撮影時間の差異に基づき変化させる。また、出力制御部33は、撮影時間が閾値よりも低い撮影済み領域に対する警告を出力する。
【0057】
図10では、出力制御部33は、検査者確認画面上に、内視鏡スコープ3が撮影した最新の撮影画像Icと、検査中に内視鏡スコープ3に撮影された撮影済み領域を明示した撮影領域明示画像Imと、検査者への通知内容を表示する通知ウィンドウ44とを表示している。
【0058】
ここで、出力制御部33は、撮影領域明示画像Im上において、マッチング後の標準モデルMsを2次元座標に投影した投影標準モデル40を表示する。そして、出力制御部33は、マッチング後の再構成データMrを標準モデルMsと同じ2次元座標に投影した領域を示す撮影済み投影領域41を、投影標準モデル40に重ねて表示している。ここでは、撮影済み投影領域41は、重ねられた投影標準モデル40が視認できるように所定の透過率を有している。さらに、出力制御部33は、撮影領域明示画像Im上に、内視鏡スコープ3の一部を模式的に表した内視鏡アイコン42と、内視鏡スコープ3の撮影範囲を模式的に表した撮影領域アイコン43とを、投影標準モデル40に重ねて表示している。この場合、出力制御部33は、再構成データMrの生成時に実行するSfMの実行結果として得られる内視鏡スコープ3の撮影部の相対位置及び姿勢に基づき、標準モデルMs内での内視鏡スコープ3の位置及び撮影領域を推定する。そして、出力制御部33は、その推定結果に基づき内視鏡アイコン42と撮影領域アイコン43とを表示する。
【0059】
なお、出力制御部33は、ユーザによる撮影領域明示画像Im上でのタッチ操作等に基づき、再構成データMr及び標準モデルMsを投影する視点位置を移動する入力を受け付けてもよい。この場合、出力制御部33は、入力により指定された視点位置により再構成データMr及び標準モデルMs等を二次元座標に投影することで撮影領域明示画像Imを再生成し、当該撮影領域明示画像Imを表示装置2に再表示させる。これにより、出力制御部33は、あらゆる視点から検査対象の胃を観察した場合の撮影済み領域を検査者に確認させることができる。
【0060】
さらに、出力制御部33は、撮影時間に基づき撮影済み投影領域41の分割を行い、分割された領域を色分け表示する。図10の例では、出力制御部33は、撮影時間が第1閾値未満かつ第2閾値以上となる第1領域50Aと、撮影時間が第2閾値未満となる第2領域50Bと、それ以外の領域とに撮影済み投影領域41を分割し、これらの分割領域を色分け(濃淡又は透過率の違いを含む)して表示している。
【0061】
ここで、第1閾値、第2閾値は、撮影時間が十分であるか否かを判定するための2段階閾値であり、第1閾値は第2閾値より大きい値に設定されている。この場合、出力制御部33は、例えば、再構成データMrの面(頂点又は特徴点等であってもよい)ごとに、再構成データMrの生成に用いた撮影画像Icのうち撮影された撮影画像Icの数をカウントし、カウントした撮影画像Icの数に応じて再構成データMrの面ごとの撮影時間を推定する。その後、出力制御部33は、上述の第1閾値及び第2閾値に基づき撮影済み投影領域41を分割する。
【0062】
そして、出力制御部33は、撮影時間が第1閾値未満かつ第2閾値以上となる第1領域50Aについては、撮影時間がやや足りていない領域であると判定し、比較的薄く又は目立たない色により塗りつぶしている。一方、出力制御部33は、撮影時間が第2閾値未満となる第2領域50Bについては、撮影時間が大幅に足りていない領域であると判定し、比較的濃く又は目立つ色により塗りつぶしている。また、出力制御部33は、第1領域50A及び第2領域50B以外の撮影済み投影領域41については、第1領域50A及び第2領域50Bよりも目立たない色(又は高い透過率)により表示する。
【0063】
さらに、出力制御部33は、撮影時間が不足する第1領域50A及び第2領域50Bの存在を検査者に通知するため、通知ウィンドウ44において、「観察時間が不十分な領域があります。塗りつぶし領域を撮影してください」とのテキスト情報を表示する。これにより、出力制御部33は、撮影済み領域のうち撮影時間が不足している領域の存在を好適に検査者に認識させ、当該領域の再撮影を好適に検査者に促すことができる。
【0064】
なお、出力制御部33は、第1表示例において、通知ウィンドウ44において、観察時間が不十分な領域の存在を通知する代わりに、又は、これに加えて、観察時間が不十分な領域の存在を音声又は警告音により通知してもよい。この場合、出力制御部33は、音出力部16に所定の音声又は警告音を出力させるための音声出力情報を供給する。
【0065】
また、撮影領域明示画像Imの撮影済み投影領域41内の表示態様を、撮影済み投影領域41内での撮影時間の差異に基づき変化させる態様は、図10に示す態様に限られない。例えば、出力制御部33は、撮影時間に応じて撮影済み投影領域41内の濃淡又は色を、ヒートマップのように連続的に変化させてもよい。他の例では、出力制御部33は、第1閾値及び第2閾値を用いる代わりに、1つまたは3つ以上の閾値を用い、用いた閾値との関係によって撮影済み投影領域41内の領域の表示態様を段階的に異ならせてもよい。
【0066】
図11は、検査者確認画面の第2表示例を示す。第2表示例では、出力制御部33は、内視鏡スコープ3の移動に関する案内情報として、内視鏡検査において撮影が必要な部位(「撮影必要部位」とも呼ぶ。)に関する情報を撮影領域明示画像Im上で明示する。
【0067】
図11では、出力制御部33は、検査者確認画面上に、撮影画像Icと、撮影領域明示画像Imと、通知ウィンドウ44と、進捗率ゲージ45とを表示している。出力制御部33は、図10に示す第1表示例と同様、撮影領域明示画像Imにおいて、投影標準モデル40と、撮影済み投影領域41と、内視鏡アイコン42と、撮影領域アイコン43とを表示している。
【0068】
第2表示例では、出力制御部33は、撮影領域明示画像Imにおいて、撮影必要部位の位置を示すマーク51A~51Eを、投影標準モデル40上において明示している。ここでは、出力制御部33は、一例として、マーク51A~51Eのサイズを、夫々が対応する撮影必要部位の大きさに応じて定めている。なお、標準モデルMsを対象とした撮影必要部位の位置及び大きさに関する情報は、例えば予めメモリ12等に記憶されている。なお、検査対象が胃の場合、撮影必要部位は、例えば、(A)胃体上部の後壁/前壁/小彎、(B)胃体中部の後壁/大彎/前壁/小彎、(C)胃体下部の後壁/大彎/前壁/小彎、(D)角小彎/大彎、(E)穹窿部、(F)前庭部、(G)角裏 小彎/後壁/前壁、(H)噴門部小彎、(I)幽門部などが該当する。
【0069】
また、出力制御部33は、通知ウィンドウ44において、マーク51A~51Eが示す撮影必要部位の撮影を行うべき旨のテキスト情報、及び、推奨される撮影順を提示している。なお、撮影必要部位の推奨撮影順に関する情報は、例えば、メモリ12等に予め記憶されている。
【0070】
さらに、出力制御部33は、設定されている全ての撮影必要部位のうち、内視鏡スコープ3による撮影済みの撮影必要部位の割合(パーセンテージ)を示す進捗率を、進捗率ゲージ45により明示している。図11の例では、出力制御部33は、撮影必要部位が5個存在し、そのうちの4割に相当する2個の撮影必要部位の位置が再構成データMrと重なることから、進捗率が40%であることを示す進捗率ゲージ45を表示している。
【0071】
このように、第2表示例では、出力制御部33は、撮影必要部位を撮影領域明示画像Im上で明示する。これにより、検査者は、撮影必要部位を網羅的に把握し、かつ、現在の撮影位置及び撮影済み領域との比較を好適に行うことができる。また、出力制御部33は、撮影必要部位の推奨撮影順を提示することで、検査者による検査を円滑に実行させることができる。また、出力制御部33は、進捗率ゲージ45を表示することで、撮影必要部位に基づく進捗度を検査者に容易に把握させることができる。なお、出力制御部33は、進捗率を、撮影済みの撮影必要部位の割合に基づき定める代わりに、撮影済みの胃壁の割合(即ち標準モデルMsと再構成データMrとの重複の度合)に基づき決定してもよい。
【0072】
図12は、検査者確認画面の第3表示例を示す。第3表示例では、出力制御部33は、内視鏡スコープ3の移動に関する案内情報として、検査対象内での推奨される内視鏡スコープ3の撮影部の推奨経路を示す経路情報を撮影領域明示画像Im上において明示する。
【0073】
図12では、出力制御部33は、第1表示例等と同様、撮影領域明示画像Imにおいて、投影標準モデル40と、撮影済み投影領域41と、内視鏡アイコン42と、撮影領域アイコン43とを表示している。
【0074】
また、第3表示例では、内視鏡スコープ3(詳しくは撮影部)が通るべき手本となる推奨経路を示す経路線53を投影標準モデル40上に表示する。この場合、例えば、エキスパート医師の検査履歴を集計することで作成された標準モデルMsを基準とする3次元の撮影部の推奨経路を示す経路情報が、メモリ12に予め記憶されている。そして、出力制御部33は、この経路情報が示す3次元の推奨経路を標準モデルMsと同様の2次元座標に投影することで、撮影領域明示画像Im上に表示すべき経路線53を生成する。
【0075】
また、出力制御部33は、SfM等により推定された撮影部の位置が推奨経路から所定距離以上離れたと判定した場合、所定の警告を出力する。図12の例では、出力制御部33は、推定された現在の撮影部の位置及び向きと、推奨経路とを比較し、3cmだけ撮影部の位置を戻す必要があると判定し、通知ウィンドウ44において、「3cm戻してください。」とのテキスト情報を表示することで警告を行う。なお、出力制御部33は、検査者確認画面上において上記の警告を行う代わりに、音声又は警告音を音出力部16に出力させてもよい。
【0076】
このように、第3表示例では、出力制御部33は、撮影領域明示画像Im上での推奨経路の提示及び推奨経路から外れた場合の警告により、内視鏡スコープ3の移動を好適に支援するように案内(ナビゲーション)を行うことができる。
【0077】
図13は、検査者確認画面の第4表示例を示す。第4表示例では、出力制御部33は、内視鏡スコープ3による撮影に関する案内情報として、未撮影領域への方向を案内する情報を出力する。図13では、出力制御部33は、第1表示例等と同様、撮影領域明示画像Imにおいて、投影標準モデル40と、撮影済み投影領域41と、内視鏡アイコン42と、撮影領域アイコン43とを表示している。
【0078】
第4表示例では、出力制御部33は、標準モデルMsと再構成データMrが重なっていない未撮影領域を特定する。そして、出力制御部33は、SfM等により推定された現在の撮影位置に対する、未撮影領域(例えば、最も近い未撮影領域の位置又は未撮影領域の中心位置)の方向を、撮影領域明示画像Im上において明示する。
【0079】
図13の例では、出力制御部33は、胃体中部及び胃体下部が未撮影領域であることから、撮影位置からの胃体中部及び胃体下部の方向を示す矢印54を、撮影位置に相当する内視鏡アイコン42の先端位置付近において表示する。さらに、出力制御部33は、撮影画像Icにおいても同様に、未撮影領域である胃体中部及び胃体下部の方向を示す矢印55を重ねて表示する。そして、出力制御部33は、通知ウィンドウ44において、矢印(ここでは矢印54及び矢印55)の方向に撮影部を移動させるべき旨のテキスト情報を表示する。
【0080】
第4表示例によれば、出力制御部33は、未撮影領域へ撮影部が移動するように好適に案内を行い、内視鏡検査を円滑に実行させることができる。
【0081】
図14は、検査者確認画面の第5表示例を示す。第5表示例では、出力制御部33は、内視鏡スコープ3による撮影に関する案内情報として、検査対象において目印となる部位(目印部位)を示す目印情報を、撮影領域明示画像Im上において表示する。図14では、出力制御部33は、第1表示例等と同様、撮影領域明示画像Imにおいて、投影標準モデル40と、撮影済み投影領域41とを表示している。
【0082】
第5表示例では、出力制御部33は、主要なリンパ管、血管、神経などの目印部位を示す目印線56を、投影標準モデル40上に重ねて表示する。この場合、例えば、標準モデルMsに対する目印部位の相対的な3次元位置情報等が予めメモリ12に記憶されており、出力制御部33は、目印部位の3次元情報を標準モデルMs等と同様の2次元座標に投影することで、目印線56を投影標準モデル40での目印部位と重なる位置に表示する。また、出力制御部33は、被検者の過去の検査履歴をメモリ12等から参照し、過去の検査において検出された病変部位の位置を目印部位の位置として示す目印領域57を、撮影領域明示画像Im上に表示する。この場合、例えば、過去の検査履歴には、検出された病変部位の標準モデルMs上での位置及び大きさ(又は該当範囲)を示す情報が含まれている。そして、出力制御部33は、通知ウィンドウ44において、過去に検出された病変部位が存在する旨のテキスト情報及び当該病変部位を示す目印領域57を明示する。
【0083】
第5表示例によれば、出力制御部33は、検査対象の検査において目印となる部位を好適に撮影領域明示画像Im上で明示し、検査者による内視鏡スコープ3での撮影を円滑に実行させることができる。
【0084】
図15は、検査者確認画面の第6表示例を示す。第6表示例では、出力制御部33は、内視鏡検査の終了後、撮影領域明示画像Im上における撮影済み領域を示す撮影済み投影領域41の任意の位置がユーザ入力により指定された場合に、指定された位置に対応する撮影画像Icを表示する。
【0085】
図15では、出力制御部33は、第1表示例等と同様、撮影領域明示画像Imにおいて、投影標準モデル40と、撮影済み投影領域41とを表示している。そして、出力制御部33は、マウスなどの入力部14により撮影済み投影領域41上の任意の位置を指定する入力を受け付ける。図15では、出力制御部33は、一例として、カーソルを表示し、カーソルにより撮影済み投影領域41上の任意の位置を指定する入力を受け付けている。
【0086】
そして、出力制御部33は、撮影済み投影領域41上の任意の位置が指定された場合、指定された位置に対応する撮影画像Icを、撮影画像記憶部21から抽出し、抽出した撮影画像Icを、指定された位置と対応付けて表示する。図15では、出力制御部33は、指定された位置を指し示す吹き出し58を表示し、吹き出し内において撮影画像Icを表示している。なお、例えば、画像処理装置1は、内視鏡検査時において、再構成データMrの生成時に推定される各撮影画像Icの撮影位置等の情報を、撮影画像Icと関連付けて撮影画像記憶部21に記憶しておく。そして、出力制御部33は、図15の表示を行う場合に、ユーザにより指定された標準モデルMs上での位置に基づき、撮影画像記憶部21から該当する撮影画像Icを検索することで、吹き出し58に表示すべき撮影画像Icを取得する。なお、出力制御部33は、ユーザにより指定された位置を撮影部の撮影位置とする撮影画像Icを吹き出し58に表示する撮影画像Icとして取得する代わりに、ユーザにより指定された位置を被写体として含む撮影画像Icを取得してもよい。
【0087】
このように、第6表示例では、画像処理装置1は、検査終了後において撮影領域明示画像Imに明示された撮影済み領域の任意の位置を指定する入力を受け付け、その位置の詳細な状況を示す撮影画像Icを好適に検査者に提示することができる。
【0088】
(6)変形例
次に、第1実施形態において好適な変形例について説明する。以下の変形例は、組み合わせて上述の実施形態に適用してもよい。
【0089】
(変形例1)
画像処理装置1は、内視鏡検査において要した検査時間を、検査の履歴情報(即ちログ情報)として記録してもよい。
【0090】
この場合、例えば、画像処理装置1は、図5のフローチャートのステップS11での撮影画像Icの取得を開始してからステップS15において内視鏡検査が終了したと判定するまでの時間長を、上述の検査時間として計測する。そして、画像処理装置1の出力制御部33は、ステップS15において内視鏡検査が終了したと判定した場合、計測した検査時間を、被検者の識別情報(例えば患者ID)や日付などの情報と関連付けてメモリ12に記憶する。これにより、画像処理装置1は、内視鏡検査の検査に要した時間を、ログ情報としてメモリ12(記憶装置)に好適に記憶することができる。
【0091】
(変形例2)
画像処理装置1は、内視鏡検査後に、終了した内視鏡検査に関する実施状況又は実績を示すレポート情報を生成してもよい。
【0092】
この場合、例えば、内視鏡検査終了の判定後、画像処理装置1の出力制御部18は、内視鏡検査において要した検査時間に関する情報、又は/及び、内視鏡検査において内視鏡スコープ3の撮影部が実際に移動した経路に関する情報等を、レポート情報として生成する。経路に関する情報は、例えば、標準モデルMs又は再構成データMrの少なくとも一方を基準とし、内視鏡スコープ3の撮影部の移動履歴を示す3次元位置情報の時系列データである。この場合、レポート情報は、内視鏡スコープ3の撮影部の経路を、胃の3次元モデル上で表示することが可能な情報であってもよい。その他、レポート情報は、検査終了時点までに生成された最新の再構成データMrなどの、実施された内視鏡検査の状況又は実績を示す種々の情報を含んでもよい。そして、出力制御部18は、例えば、生成したレポート情報を、被検者の識別情報(例えば患者ID)や日付などの情報と関連付けてメモリ12に記憶する。
【0093】
本変形例によれば、画像処理装置1は、内視鏡検査後に有用な情報を好適に生成することができる。
【0094】
<第2実施形態>
図16は、第2実施形態における画像処理装置1Xのブロック図である。画像処理装置1Xは、3次元再構成手段31Xと、マッチング手段32Xと、出力制御手段33Xとを備える。
【0095】
3次元再構成手段31Xは、内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像「Ic」に基づき、検査対象を3次元再構成した再構成データ「Mr」を生成する。この場合、3次元再構成手段31Xは、撮影画像Icを撮影部から直接受信してもよく、撮影部が撮影した画像を蓄積する記憶装置から撮影画像Icを取得してもよい。また、「検査対象」は、胃であってもよく、大腸などの他の臓器であってもよい。3次元再構成手段31Xは、第1実施形態における3次元再構成部31とすることができる。
【0096】
マッチング手段32Xは、検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデル「Ms」と再構成データMrとのマッチングを行う。ここで、マッチング手段32Xは、標準モデルMsを画像処理装置1Xが有するメモリから取得してもよく、画像処理装置1Xとは異なる外部装置から取得してもよい。マッチング手段32Xは、第1実施形態におけるマッチング部32とすることができる。
【0097】
出力制御手段33Xは、マッチングの結果に基づき、標準モデル上での検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置2Xに表示させる。出力制御手段33Xは、第1実施形態における出力制御部33とすることができる。
【0098】
図17は、第2実施形態において画像処理装置1Xが実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。まず、3次元再構成手段31Xは、内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像Icに基づき、検査対象を3次元再構成した再構成データMrを生成する(ステップS51)。マッチング手段32Xは、検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルMsと再構成データMrとのマッチングを行う(ステップS52)。出力制御手段33Xは、マッチングの結果に基づき、標準モデル上での検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置2Xに表示させる(ステップS53)。
【0099】
第2実施形態によれば、画像処理装置1Xは、検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルMs上において撮影済み領域を好適に明示することができる。
【0100】
その他、上記の各実施形態(変形例を含む、以下同じ)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0101】
[付記1]
内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、
前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、
前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段と、
を有する画像処理装置。
【0102】
[付記2]
前記出力制御手段は、前記撮影部から取得された最新の前記撮影画像と、前記撮影領域明示画像とを並べて前記表示装置に表示させる、付記1に記載の画像処理装置。
【0103】
[付記3]
前記出力制御手段は、前記撮影済み領域において撮影時間が閾値よりも低い部分領域が存在する場合、当該部分領域に関する警告を出力する、付記1または2に記載の画像処理装置。
【0104】
[付記4]
前記出力制御手段は、前記撮影済み領域内の表示態様を、前記撮影済み領域内での撮影時間の差異に基づき変化させる、付記1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【0105】
[付記5]
前記出力制御手段は、前記撮影時間に基づき前記撮影済み領域の分割を行い、分割された領域を色分けして前記表示装置に表示させる、付記4に記載の画像処理装置。
【0106】
[付記6]
前記出力制御手段は、前記撮影部の移動に関する案内情報を、前記表示装置に表示させる、付記1~5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【0107】
[付記7]
前記出力制御手段は、前記案内情報として、前記撮影が必要な前記検査対象の部位を示す要撮影部位情報を、前記撮影領域明示画像上に表示する、付記6に記載の画像処理装置。
【0108】
[付記8]
前記出力制御手段は、前記撮影の進捗率を示す情報を、前記表示装置に表示させる、付記6または7に記載の画像処理装置。
【0109】
[付記9]
前記出力制御手段は、前記撮影が必要な前記検査対象の部位のうち前記撮影が行われた部位の割合に基づき、前記進捗率を決定する、付記8に記載の画像処理装置。
【0110】
[付記10]
前記出力制御手段は、前記案内情報として、前記標準モデル上での推奨される前記撮影部の経路を示す経路情報を、前記撮影領域明示画像上に表示する、付記6~9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【0111】
[付記11]
前記出力制御手段は、前記経路から前記撮影部の位置が外れたと判定した場合に警告を出力する、付記10に記載の画像処理装置。
【0112】
[付記12]
前記出力制御手段は、前記案内情報として、前記検査対象において目印となる部位を示す目印情報を、前記撮影領域明示画像上に表示する、付記6~11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【0113】
[付記13]
前記目印情報は、過去に検知された病変部位、リンパ管、血管又は神経の少なくともいずれかを前記標準モデル上において示す情報である、付記12に記載の画像処理装置。
【0114】
[付記14]
前記出力制御手段は、前記案内情報として、前記検査対象の未撮影領域への方向を案内する情報を出力する、付記6~13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【0115】
[付記15]
前記撮影領域明示画像において、前記撮影済み領域内の位置が指定された場合に、当該位置に対応する前記撮影画像を、前記表示装置に表示させる、付記1~14のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【0116】
[付記16]
前記マッチング手段は、前記撮影画像に基づき生成された再構成データを構成する頂点から孤立点を除去することで平滑化した再構成データと前記標準モデルとのマッチングを行う、付記1~15のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【0117】
[付記17]
前記出力制御手段は、前記内視鏡による検査に要した時間に関するログ情報を記憶装置に記憶する、付記1~16のいずれか一項に記載の画像処理装置。なお、「記憶装置」は、画像処理装置内のメモリであってもよく、画像処理装置とは別の外部装置であってもよい。
【0118】
[付記18]
前記出力制御手段は、前記内視鏡による検査の終了後、当該検査に関するレポート情報を生成する、付記1~17のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【0119】
[付記19]
コンピュータにより、
内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成し、
前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行い、
前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる、
制御方法。
【0120】
[付記20]
内視鏡に設けられた撮影部により検査対象を撮影した撮影画像に基づき、前記検査対象を3次元再構成した再構成データを生成する3次元再構成手段と、
前記検査対象の標準的な3次元モデルである標準モデルと前記再構成データとのマッチングを行うマッチング手段と、
前記マッチングの結果に基づき、前記標準モデル上での前記検査対象の撮影済み領域を示す撮影領域明示画像を、表示装置に表示させる出力制御手段
としてコンピュータを機能させるプログラムを格納した記憶媒体。
【0121】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0122】
1、1X 画像処理装置
2、2X 表示装置
3 内視鏡スコープ
4 サーバ装置
11 プロセッサ
12 メモリ
13 インターフェース
14 入力部
15 光源部
16 音出力部
100、100A 内視鏡検査システム
図1
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