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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B25C 7/00 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
B25C7/00 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022555588
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 JP2021037328
(87)【国際公開番号】W WO2022075449
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2020171099
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】田子 達寛
(72)【発明者】
【氏名】安富 俊徳
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-068357(JP,A)
【文献】特開2020-019075(JP,A)
【文献】特開2018-103291(JP,A)
【文献】特開2019-025577(JP,A)
【文献】特開2003-136431(JP,A)
【文献】特開2005-288607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 1/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
止具が供給される射出部を有する本体部と、
第1方向の一方側に移動することで前記射出部に保持された前記止具を打撃する打撃部と、
前記射出部に組付けられ且つ前記止具を収容するケースと、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能に前記ケースに設けられ且つ前記第2方向の一方側へ移動することで前記射出部に前記止具を供給するフィーダと、を有するマガジン部と、
前記フィーダの位置を検出するフィーダ検出部と、
被打込材に押し付けられることで前記第1方向に移動可能に前記射出部に連結されている押付部と、
前記押付部の前記第1方向における位置を検出可能に構成された押付検出部と、
前記フィーダ検出部及び前記押付検出部の検出結果を用いて前記打撃部の駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記フィーダ検出部及び前記押付検出部は、前記射出部に設けられる共通の収容部に収容され
前記射出部は、前記打撃部が前記止具を打撃するときに前記打撃部及び前記止具が通過する射出路を有し、
前記押付部の少なくとも一部が、前記射出路よりも前記第2方向の一方側に位置し、
前記フィーダの少なくとも一部が、前記射出路よりも前記第2方向の他方側に位置し、
前記収容部は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向に前記射出路と重なるように配置されている作業機。
【請求項3】
前記制御部は、前記フィーダ検出部によって前記フィーダが禁止位置にあることを検出したときに前記打撃部の打撃を禁止し、
前記射出部には、フィーダ被検出部が前記フィーダ検出部に対して接離する方向に相対移動可能に設けられ、
前記フィーダ被検出部は、付勢部材によって付勢されて前記フィーダ検出部から離間した離間位置に配置されると共に、前記フィーダが前記禁止位置に移動することで、前記フィーダ検出部に接近した接近位置に移動し、
前記フィーダ検出部は、前記フィーダ被検出部が前記接近位置にあることを検出することで、前記フィーダが前記禁止位置にあることを検出する請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記フィーダ被検出部は、前記フィーダとフィーダ検出部との間に配置されており、
前記フィーダの前記禁止位置への移動時に前記フィーダが前記フィーダ被検出部を押圧することで、前記フィーダ被検出部が前記離間位置から前記接近位置へ移動する請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記制御部は、
前記押付部が前記射出部から前記第1方向の一方側へ突出した初期位置に位置することを前記押付検出部の検出信号に基づいて検知すると、前記打撃部の打撃を禁止し、
前記押付部が前記初期位置から前記第1方向の他方側へ移動した許可位置に位置することを前記押付検出部の検出信号に基づいて検知すると、前記打撃部の打撃を許可する請求項1~請求項4の何れか1項に記載の作業機。
【請求項7】
止具が供給される射出部を有する本体部と、
第1方向の一方側に移動することで前記射出部に保持された前記止具を打撃する打撃部と、
前記射出部に組付けられ且つ前記止具を収容するケースと、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能に前記ケースに設けられ且つ前記第2方向の一方側へ移動することで前記射出部に前記止具を供給するフィーダと、を有するマガジン部と、
前記フィーダの位置を検出するフィーダ検出部と、
被打込材に押し付けられることで前記第1方向に移動可能に前記射出部に連結されている押付部と、
前記押付部の前記第1方向における位置を検出可能に構成された押付検出部と、
前記フィーダ検出部及び前記押付検出部の検出結果を用いて前記打撃部の駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記フィーダ検出部及び前記押付検出部は、前記射出部に設けられる共通の収容部に収容され、
前記フィーダ検出部及び前記押付検出部が、検出基板に設けられ、
前記フィーダ検出部は、前記検出基板の第1の面に設けられており、
前記押付検出部は、前記検出基板の第2の面に設けられている作業機。
【請求項8】
前記押付部には、押付被検出部が前記第1方向に一体移動可能に連結されており、前記押付検出部は、前記押付被検出部の前記許可位置への移動を検出し、
前記射出部には、前記押付被検出部の前記第1方向への移動をガイドするガイド部が設けられている請求項5に記載の作業機。
【請求項9】
前記ガイド部は、一対のレール部を有しており、
一対の前記レール部は、前記第1方向に延在されると共に、前記第1方向に直交する第3方向に対向配置されており、
前記押付被検出部の一部が、前記第3方向において一対の前記レール部の間に配置されている請求項8に記載の作業機。
【請求項10】
前記押付被検出部には、磁石が設けられており、
前記押付検出部は、磁気センサであり、前記磁石の接近を検出することで、前記押付部の前記許可位置を検出する請求項8又は請求項9に記載の作業機。
【請求項11】
前記押付部は、
前記止具の打撃時に被打込材に当接する第1押付部と、
前記初期位置において前記射出部に当接して前記押付部の前記第1方向の一方側への移動を阻止する第2押付部と、
前記第1方向における前記第1押付部と前記第2押付部との相対位置を変更する調整部材と、
を含んで構成されており、
前記押付被検出部が、前記第1方向に一体移動可能に前記調整部材に連結されている請求項8~請求項10の何れか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の打込機(作業機)は、空打防止機構を有しており、止具の残量が所定本数未満になった場合には、空打防止機構によって打込機の打込み動作を禁止するようになっている。この打込機について簡単に説明すると、打込機は、プッシュレバーを有しており、プッシュレバーを被打込材に押し付けて、制御部が、プッシュレバーの上方への移動を検知すると、打込機の打込み動作を行う。一方、マガジンにおいて止具の残量が所定本数未満になった場合には、マガジンから止具を供給するフィーダが、プッシュレバーと干渉する。これにより、プッシュレバーの上方への移動が禁止されて、打込機の打込み動作が禁止された状態になる。その結果、打込機の空打ちを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-167340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記打込機では、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、上記打込機では、上述のように、マガジンにおいて止具の残量が所定本数未満になった場合には、フィーダとプッシュレバーとが当接する。このため、プッシュレバーを被打込材に強く押付けると、プッシュレバーやフィーダが破損する虞があった。これに対して、例えば、フィーダの位置を検出するセンサ(検出部)をマガジンに設けることで、プッシュレバーやフィーダの破損を抑制しつつ、止具の残量を検出することができる。
【0005】
しかしながら、この場合には、打込機本体に取付けられるマガジンにセンサを設けるため、例えば、センサと打込機本体の制御部とを接続するための線材等を、打込機のハウジングの外部に引き回すと共に、当該線材を処理できる構造にする必要がある。これにより、打込機の構造が複雑化する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、簡易な構成で空打ちを防止することができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、止具が供給される射出部を有する本体部と、第1方向の一方側に移動することで前記射出部に保持された前記止具を打撃する打撃部と、前記射出部に組付けられ且つ前記止具を収容するケースと、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能に前記ケースに設けられ且つ前記第2方向の一方側へ移動することで前記射出部に前記止具を供給するフィーダと、を有するマガジン部と、前記フィーダの位置を検出するフィーダ検出部と、被打込材に押し付けられることで前記第1方向に移動可能に前記射出部に連結されている押付部と、前記押付部の前記第1方向における位置を検出可能に構成された押付検出部と、前記フィーダ検出部及び前記押付検出部の検出結果を用いて前記打撃部の駆動を制御する制御部と、を備え、前記フィーダ検出部及び前記押付検出部は、前記射出部に設けられる共通の収容部に収容され、前記射出部は、前記打撃部が前記止具を打撃するときに前記打撃部及び前記止具が通過する射出路を有し、前記押付部の少なくとも一部が、前記射出路よりも前記第2方向の一方側に位置し、前記フィーダの少なくとも一部が、前記射出路よりも前記第2方向の他方側に位置し、前記収容部は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向に前記射出路と重なるように配置されている作業機である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記フィーダ検出部は、前記第2方向視で前記フィーダと重なる位置に配置されている作業機である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記制御部は、前記フィーダ検出部によって前記フィーダが禁止位置にあることを検出したときに前記打撃部の打撃を禁止し、前記射出部には、フィーダ被検出部が前記フィーダ検出部に対して接離する方向に相対移動可能に設けられ、前記フィーダ被検出部は、付勢部材によって付勢されて前記フィーダ検出部から離間した離間位置に配置されると共に、前記フィーダが前記禁止位置に移動することで、前記フィーダ検出部に接近した接近位置に移動し、前記フィーダ検出部は、前記フィーダ被検出部が前記接近位置にあることを検出することで、前記フィーダが前記禁止位置にあることを検出する作業機である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記フィーダ被検出部は、前記フィーダとフィーダ検出部との間に配置されており、前記フィーダの前記禁止位置への移動時に前記フィーダが前記フィーダ被検出部を押圧することで、前記フィーダ被検出部が前記離間位置から前記接近位置へ移動する作業機である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記制御部は、前記押付部が前記射出部から前記第1方向の一方側へ突出した初期位置に位置することを前記押付検出部の検出信号に基づいて検知すると、前記打撃部の打撃を禁止し、前記押付部が前記初期位置から前記第1方向の他方側へ移動した許可位置に位置することを前記押付検出部の検出信号に基づいて検知すると、前記打撃部の打撃を許可する作業機である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記フィーダ検出部及び前記押付検出部が、検出基板に設けられている作業機である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記フィーダ検出部は、前記検出基板の第1の面に設けられており、前記押付検出部は、前記検出基板の第2の面に設けられている作業機である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記押付部には、押付被検出部が前記第1方向に一体移動可能に連結されており、前記押付検出部は、前記押付被検出部の前記許可位置への移動を検出し、前記射出部には、前記押付被検出部の前記第1方向への移動をガイドするガイド部が設けられている作業機である。
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ガイド部は、一対のレール部を有しており、一対の前記レール部は、前記第1方向に延在されると共に、前記第1方向に直交する第3方向に対向配置されており、前記押付被検出部の一部が、前記第3方向において一対の前記レール部の間に配置されている作業機である。
【0016】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記押付被検出部には、磁石が設けられており、前記押付検出部は、磁気センサであり、前記磁石の接近を検出することで、前記押付部の前記許可位置を検出する作業機である。
【0017】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記押付部は、前記止具の打撃時に被打込材に当接する第1押付部と、前記初期位置において前記射出部に当接して前記押付部の前記第1方向の一方側への移動を阻止する第2押付部と、前記第1方向における前記第1押付部と前記第2押付部との相対位置を変更する調整部材と、を含んで構成されており、前記押付被検出部が、前記第1方向に一体移動可能に前記調整部材に連結されている作業機である
【発明の効果】
【0018】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、簡易な構成で空打ちを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態に係る打込機を示す左側から見た側面図である
図2図1に示される打込機の前側から見た正面図である。
図3図1に示される打込機のハウジング内を示す左側から見た側面図である。
図4図3に示されるノーズ、シリンダ、及び蓄圧容器の結合状態を示す左側から見た断面図である。
図5図1に示される打込機の射出部周辺を示す前側から見た断面図(図1の5-5線断面図)である。
図6図3に示される打込機のハウジング本体部の上部における平断面図である(図3の6-6線断面図)である。
図7】シリンダ及び蓄圧容器が、図6に示される状態からハウジング本体に対して相対回転した状態を示す平断面図である。
図8図3に示される打込機の射出部周辺を示す斜視図である。
図9図8に示される射出部周辺の一部を破断した斜視図である。
図10図9に示される射出部周辺の一部を右側から見た断面図である。
図11図10に示されるプッシュレバーユニットが上側へ移動して許可位置に配置された状態を示す右側から見た断面図である。
図12図1に示される打込機の射出部周辺を示す上側から見た断面図(図1の12-12線断面図)である。
図13図12に示されるマガジンのフィーダが釘によって禁止位置から傾斜方向他方側に変位した状態を示す図12に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る作業機としての打込機10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、それぞれ打込機10の上側、前側、右側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、打込機10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。そして、上下方向が本発明の第1方向に対応し、下側が、本発明の第1方向一方側に対応する。
【0021】
図1図3に示されるように、打込機10は、本体部としての打込機本体12を有しており、打込機本体12には、マガジン60が組付けられている。そして、マガジン60に装填された止具としての釘Nを、打込機本体12に供給し、打込機本体12によって被打込材Wに打ち込むようになっている。
【0022】
打込機本体12は、ハウジング14、ノーズ30、シリンダ40、蓄圧容器42、及び駆動機構50を含んで構成されている。また、打込機本体12は、緩み防止機構70(図6参照)、打込深さ調整機構80(図8図11参照)、及び空打防止機構100(図12及び図13参照)を有している。以下、打込機10の各構成について説明する。
【0023】
(ハウジング14について)ハウジング14は、左側から見た側面視で、中空の略逆P字形状に形成されている。具体的には、ハウジング14は、上下方向に延在された本体ハウジング部14Aと、本体ハウジング部14Aの上下方向中間部から後斜め上方へ延出されたハンドル部14Bと、本体ハウジング部14Aの下端部から後側へ延出されたモータハウジング部14Cと、を含んで構成されている。また、モータハウジング部14Cの後端部は、上側へ屈曲されて、ハンドル部14Bの後端部と接続されている。また、ハウジング14は、左右方向に2分割されたハウジング部材16によって構成されており、ハウジング部材16を互いに組付けることで、ハウジング14を構成している。
【0024】
モータハウジング部14Cの後端部内には、後述するモータ52を制御して、後述する打撃部44の駆動を制御する制御部20が設けられている。また、ハンドル部14Bの後端部は、バッテリ装着部14Dとして構成されており、バッテリ装着部14Dには、バッテリ22が着脱可能に装着されている。バッテリ22は、制御部20と電気的に接続されており、バッテリ22から制御部20へ電力を供給する構成になっている。
【0025】
ハンドル部14Bの前端部内には、トリガ24が設けられている。トリガ24は、ハンドル部14Bから下側へ突出すると共に、上側へ引き操作可能に構成されている。また、ハンドル部14Bの前端部内には、トリガ24の上側において、図示しないトリガスイッチが設けられている。トリガ24が引き操作されると、トリガスイッチが押圧されて、トリガスイッチから制御部20に検出信号が出力される構成になっている。そして、制御部20が、トリガスイッチからの検出信号に基づいて、トリガ24に対する操作を検知する構成になっている。
【0026】
(ノーズ30について)図1図5、及び図8図13に示されるように、ノーズ30は、金属製とされて、本体ハウジング部14Aの下端部内に配置されている。ノーズ30は、ノーズ30の上端部を構成するノーズ取付筒部30Aと、ノーズ取付筒部30Aから下側へ延出された射出部本体30Bと、を含んで構成されている。ノーズ取付筒部30Aは、上側へ開放された有底円筒状に形成されており、ノーズ取付筒部30Aの側壁の内周面には、雌ねじ30Hが形成されている。ノーズ取付筒部30Aの底壁の中央部には、射出孔30Cが貫通形成されている。ノーズ取付筒部30Aの内部には、略円筒状のバンパ36(図4及び図5参照)が収容されている。そして、後述する打撃部44の上死点から下死点への下降時に、打撃部44がバンパ36に衝突して、打撃部44の運動エネルギーをバンパ36によって吸収するようになっている。
【0027】
射出部本体30Bは、ノーズ取付筒部30Aから下側へ延出されると共に、本体ハウジング部14Aから下側へ突出している。射出部本体30Bには、ブレードガイド32が設けられている。すなわち、射出部本体30B及びブレードガイド32によって、釘Nを下側へ射出する射出部34が構成されている。ブレードガイド32は、上下方向に延在された略矩形筒状に形成されると共に、射出孔30Cの下側に配置されている。また、ブレードガイド32は、ブレードガイド32の前部を構成する前側ブレードガイド部材32Aと、ブレードガイド32の後部を構成する後側ブレードガイド部材32Bと、で構成されており、前側ブレードガイド部材32A及び後側ブレードガイド部材32Bが、射出部本体30Bに締結固定されている。図12及び図13に示されるように、ブレードガイド32の内部が射出路32Cとして構成されており、前述の射出孔30Cが射出路32Cの上側に配置されている。また、後側ブレードガイド部材32Bには、上下方向に延在されたガイドスリット32Dが貫通形成されており、ガイドスリット32Dによって射出路32Cが後側へ開放されている。詳しくは、ガイドスリット32Dは、平面視で、後斜め左側へ若干傾斜する方向に開放している。
【0028】
図9図12及び図13に示されるように、後側ブレードガイド部材32Bには、射出路32Cの左側において、後述するフィーダ検知レバー101を収容するためのレバー収容部32Eが設けられており、レバー収容部32Eは、後側へ開放された略有底矩形筒状に形成されている。また、レバー収容部32Eは、射出部本体30Bの後側に隣接配置されている。レバー収容部32Eの底壁(前壁)には、円形状の挿通孔32Fが貫通形成されている。なお、レバー収容部32Eの軸線が、平面視で、後斜め左側へ若干傾斜している。
【0029】
また、射出部本体30Bには、レバー収容部32Eの前側において、後述するセンサ基板95を収容するための基板収容部30Dが形成されている。基板収容部30Dは、後側へ開放された凹状に形成されて、基板収容部30Dの内部とレバー収容部32Eの内部とが挿通孔32Fによって連通されている。さらに、射出部本体30Bの前面には、基板収容部30Dの前側において、前側へ突出したガイド部としてのガイドレール30Eが形成されており、ガイドレール30Eは、後述する打込深さ調整機構80の一部を構成している。ガイドレール30Eは、前側から見て、上下方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。ガイドレール30Eには、ガイド溝30E1が形成されている。ガイド溝30E1は、上下方向に延在され且つ前側へ開放されると共に、下側から見て略T字形溝に形成されている。これにより、ガイドレール30Eには、ガイド溝30E1の開口部の左右方向両側において、一対のレール部30E2が形成されている。また、ガイド溝30E1は、下側へ開放されている。さらに、射出部本体30Bには、ガイド溝30E1と基板収容部30Dとを連通するセンサ孔30F(図9図11参照)が貫通形成されており、センサ孔30Fは、上下方向に延在された略長孔状に形成されている。
【0030】
図5及び図8に示されるように、射出部本体30Bの上端部における右部には、後述する変換機を収容する変換部収容部30Gが形成されており、変換部収容部30Gは、前後方向を軸方向とする円筒状に形成されている。そして、ノーズ30の本体ハウジング部14Aへの収容状態では、ハウジング14が、ノーズ取付筒部30Aの中心軸ALの軸回りに相対移動不能にノーズ30に組付けられている。なお、ハウジング14とノーズ30との間には、ゴムなどの合成樹脂からなる弾性体15が介在している。
【0031】
(シリンダ40について)図3図5に示されるように、シリンダ40は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されると共に、ノーズ30の上側において本体ハウジング部14A内に配置されている。具体的には、シリンダ40は、ノーズ取付筒部30Aと同軸上に配置されており、シリンダ40の中心軸が、ノーズ取付筒部30Aの中心軸ALと一致している。シリンダ40の上端部の外周部には、雄ねじ40Bが形成されており、シリンダ40の下端部の外周部には、雄ねじ40Cが形成されている。そして、シリンダ40の下端部の雄ねじ40Cが、ノーズ取付筒部30Aの雌ねじ30Hに螺合されて、シリンダ40がノーズ取付筒部30Aに連結されている。具体的には、シリンダ40が、ノーズ30に対して、中心軸ALの軸回りに回転方向一方側(上側から見て、時計回り)に回転して、シリンダ40が、ノーズ取付筒部30Aに螺合されている。これにより、ねじ結合によって、シリンダ40がノーズ30に連結されている。
【0032】
(蓄圧容器42について)図3及び図4に示されるように、蓄圧容器42は、下側へ開放された有底円筒状に形成されている。蓄圧容器42の下部は、容器取付筒部42Aとして構成されており、容器取付筒部42Aは、上下方向を軸方向とする円筒状に形成されている。容器取付筒部42Aの内周面には、雌ねじ42Dが形成されている。そして、容器取付筒部42Aの雌ねじ42Dが、シリンダ40の上端部の雄ねじ40Bに螺合されて、蓄圧容器42がシリンダ40に連結されている。具体的には、蓄圧容器42が、シリンダ40に対して、中心軸ALの軸回りに回転方向一方側に回転して、蓄圧容器42が、シリンダ40に螺合されている。これにより、ねじ結合によって、蓄圧容器42がシリンダ40に連結されている。また、蓄圧容器42がシリンダ40と同軸上に配置されており、蓄圧容器42の中心軸が、中心軸ALと一致している。
【0033】
蓄圧容器42の上部は、容器取付筒部42Aよりも拡径に形成されている。また、蓄圧容器42の内部は、圧力室42Bとして構成されており、圧力室42Bには、気体が充填されている。圧力室42B内に充填される気体は、空気、不活性ガス等であり、本実施の形態では、空気が圧力室42B内に充填されている。また、蓄圧容器42の頂壁における中心部には、下側へ突出した補充バルブ取付部42Cが形成されている。これにより、補充バルブ取付部42Cに補充用バルブを取付けて、圧力室42B内に気体を補充できる構成になっている。
【0034】
さらに、蓄圧容器42では、中心軸ALを通過する縦断面視の形状が、後述する係合凹部72を除く部分において、蓄圧容器42の周方向において同一形状になっている。つまり、蓄圧容器42の平断面形状が、上下方向の何れの位置において、円形に形成されている。また、蓄圧容器42の本体ハウジング部14Aの収容状態では、蓄圧容器42が、中心軸ALの軸回りに相対移動可能に構成されている。
【0035】
(打撃部44について)図4及び図5に示されるように、打撃部44は、上下方向に延在された長尺状に形成されると共に、上下方向に移動可能にシリンダ40内に収容されている。具体的には、打撃部44は、上死点(図4において2点鎖線にて示される位置)と、上死点から下側へ移動した下死点(図4及び図5において実線にて示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。打撃部44は、打撃部44の上端部を構成するピストン46と、ピストン46から下側へ延出されたドライバブレード48と、を含んで構成されている。
【0036】
ピストン46は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されており、ピストン46の外径がシリンダ40の内径よりも僅かに小さく設定されている。ピストン46の中央部には、後述するドライバブレード48を取付けるための取付部46Aが形成されており、取付部46Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ピストン46から下側へ延出されている。
【0037】
ドライバブレード48は、上下方向に延在された略長尺状に形成されている。ドライバブレード48の上端部が取付部46A内に嵌入されて、ドライバブレード48がピストン46から下側へ延出している。そして、ドライバブレード48は、ノーズ30の射出路32C内を移動可能に構成されており、打撃部44が上死点から下死点へ移動することで、射出路32C内の釘Nをドライバブレード48によって上側から打撃するように構成されている。
【0038】
(駆動機構50について)図3及び図5に示されるように、駆動機構50は、モータ52、減速機構部53、及び変換部55を有している。モータ52は、ブラシレスモータとして構成されており、モータハウジング部14Cの後端側内に収容されると共に、制御部20に電気的に接続されている。モータ52は、前後方向を軸方向とする駆動軸52Aを有しており、駆動軸52Aの前端部が、モータ52の前側に配置された減速機構部53に連結されている。また、減速機構部53は、ノーズ30の変換部収容部30G内に設けられた回転軸54に連結されており、モータ52の回転力が減速機構部53を介して回転軸54に伝達される構成になっている。
【0039】
変換部55は、変換部収容部30G内に配置されている。変換部55は、回転軸54の回転力をドライバブレード48に伝達して、ドライバブレード48を上側へ移動させる機構部として構成されている。変換部55は、回転軸54に固定されたピンホイール56と、ピンホイール56に設けられた複数のピニオンピン57と、ドライバブレード48に形成された複数のラック部48Aとを含んで構成されている。ピニオンピン57は、回転軸54の周方向に所定の間隔を空けて配置されており、ラック部48Aは、上下方向に所定の間隔を空けて配置されている。
【0040】
また、ピニオンピン57は、ラック部48Aに係合及び係合解除可能に構成されている。そして、ピンホイール56が回転して、ピニオンピン57がラック部48Aに係合することで、ドライバブレード48が上側へ移動するように構成されている。一方、ピニオンピン57とラック部48Aとの係合状態が解除されることで、打撃部44が圧力室42B内の圧力によって下降するように構成されている。
【0041】
(マガジン60について)図1図2図4図8図12、及び図13に示されるように、マガジン60は、ケースとしてのマガジンケース62と、マガジンケース62に設けられたフィーダ64と、を含んで構成されている。マガジンケース62は、左右方向を厚み方向とする略長尺偏平状に形成されており、左側から見て、後側へ向かうに従い上側へ傾斜する方向(以下、この方向を傾斜方向という)に延在されている。マガジンケース62は、モータハウジング部14Cの左側に隣接配置されており、マガジンケース62の前端部が、ノーズ30の射出部本体30Bに取付けられ、マガジン60の後端部が、モータハウジング部14Cに固定されている。なお、マガジンケース62は、上側から見て、後斜め左に若干傾斜している(図12及び図13参照)。
【0042】
マガジンケース62には、傾斜方向に沿って延在された第1ガイドレール62A及び第2ガイドレール62Bが形成されている。第1ガイドレール62Aには、釘Nが装填されて、第1ガイドレール62Aの内部が釘Nを収容する収容部として構成されている(図12及び図13参照)。また、第1ガイドレール62Aの内部は、射出部34のガイドスリット32Dを介して射出路32Cと連通されている。第2ガイドレール62Bには、釘Nを射出路32Cに供給するためのフィーダ64が相対移動可能に組付けられている。フィーダ64は、図示しない付勢バネによって前端側(傾斜方向一方側であり、射出部34に接近する方向)に付勢されている。これにより、釘Nが、フィーダ64によって射出部本体30Bの射出路32C内に供給される構成になっている。
【0043】
また、フィーダ64の前端部には、後述するフィーダ検知レバー101を押圧するための押圧部64Aが形成されている。さらに、前述したレバー収容部32Eが、第2ガイドレール62Bの前端部内に配置されている。そして、釘Nの残量が所定本数(本実施の形態では、4本)以下になったときには、押圧部64Aが、後述するフィーダ検知レバー101を傾斜方向一方側へ押圧して、レバー収容部32Eに当接するようになっている(図1図8、及び図12に示される位置であり、このフィーダ64の位置を禁止位置という)。一方、釘Nの残量が所定本数よりも多いときには、釘Nによってフィーダ64が禁止位置よりも傾斜方向他方側に配置されて、押圧部64Aがレバー収容部32Eに対して離間するようになっている(図13参照)。
【0044】
(緩み防止機構70について)緩み防止機構70は、ノーズ30とシリンダ40との結合状態、シリンダ40と蓄圧容器42との結合状態を良好に維持させる機構として構成されている。図6に示されるように、緩み防止機構70は、ハウジング14の本体ハウジング部14Aに設けられた係合部材としての係合ピン71と、蓄圧容器42の容器取付筒部42Aの外周部に形成された一対の被係合部としての係合凹部72と、含んで構成されている。
【0045】
本体ハウジング部14Aの内周面には、蓄圧容器42における容器取付筒部42Aの径方向外側において、係合ピン71を収容するためのピン収容部73が形成されている。ピン収容部73は、蓄圧容器42の径方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。ピン収容部73は、ハウジング14の一方(右側)のハウジング部材16に形成されており、本体ハウジング部14Aの右端部に配置されている。
【0046】
係合ピン71は、蓄圧容器42の径方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、本体ハウジング部14Aのピン収容部73内に相対移動可能に収容されている。また、ピン収容部73内には、係合ピン71を蓄圧容器42の径方向内側へ付勢するための弾性体74が収容されている。弾性体74は、圧縮バネやゴム等の弾性部材によって構成されている。これにより、係合ピン71の一端部(蓄圧容器42側の端部)が、蓄圧容器42の容器取付筒部42Aの外周部に当接する構成になっている。
【0047】
係合凹部72は、蓄圧容器42の容器取付筒部42Aの外周部に形成されている。係合凹部72は、平坦部72Aと、容器取付筒部42Aの周方向において平坦部72Aの両側に配置される壁部72Bを含み、蓄圧容器42の径方向外側へ開放された凹状に形成されると共に、上下方向に延在された溝状に形成されている(図3参照)。平坦部72Aは容器取付筒部42Aの径方向へ面するように周方向に延在する。壁部72Bは容器取付筒部42Aの周方向へ面するように径方向に延在し、平坦部72Aに対して垂直に立設する。一対の係合凹部72は、蓄圧容器42の周方向に180度離間して配置されており、蓄圧容器42の周方向(回転方向)における所定位置(以下、この位置を係合位置という)において、係合凹部72及び係合ピン71が、蓄圧容器42の径方向に対向配置される設定されている。すなわち、本実施の形態では、図6に示されるように、蓄圧容器42の係合位置では、一方の係合凹部72が右側へ開放された位置になる。そして、この位置では、係合ピン71の一端部が係合凹部72に係合して、蓄圧容器42における中心軸ALの軸回りの回転が規制される構成になっている。具体的には、仮に蓄圧容器42がハウジング14に対して相対回転しようとすると、係合ピン71が壁部72Bに当接する。壁部72Bは平坦部72Aに対して垂直に立設しており、係合ピン71は壁部72Bを乗り越えることができないため、係合凹部72外部へ移動することが規制され、蓄圧容器42における中心軸ALの軸回りの回転が規制される。
【0048】
また、係合凹部72における外周縁部は、蓄圧容器42の径方向外側へ若干隆起した隆起部72Cと、容器取付筒部42Aの外周面における係合凹部72以外の部分と隆起部72Cとを接続する傾斜部72Dとを含む。隆起部72Cは容器取付筒部42Aの径方向へ面するように周方向に延在する。傾斜部72Dは容器取付筒部42Aの周方向に対して傾斜しており、容器取付筒部42Aに対する角度は壁部72Bよりも小さい。そして、図7に示されるように、組付状態における蓄圧容器42の位置が、係合位置から蓄圧容器42の周方向にずれている場合には、係合ピン71が容器取付筒部42Aの外周部によって押圧されて径方向外側へ変位すると共に、弾性体74が圧縮変形するようになっている。
【0049】
また、図5に示されるように、シリンダ40の下端部の外周部には、ノーズ30のノーズ取付筒部30Aの上端部と径方向に対向する位置において、溝部40Aが形成されており、溝部40Aは、シリンダ40の周方向に沿って形成されると共に、シリンダ40の周方向全体に亘って形成されている。溝部40Aには、リング状の回転抑制部材75が設けられており、回転抑制部材75は、弾性を有する部材によって構成されている。そして、回転抑制部材75が圧縮変形した状態で、シリンダ40とノーズ取付筒部30Aとの間に配置されている。
【0050】
(打込深さ調整機構80について)図8図11に示されるように、打込深さ調整機構80は、釘Nの被打込材Wへの打込み深さを調節する機構として構成されている。打込深さ調整機構80は、押付部としてのプッシュレバーユニット81と、押付被検出部としての検知スライダ92と、押付検出部としてのレバー用ポジションセンサ94と、を含んで構成されている。
【0051】
プッシュレバーユニット81は、全体として上下方向に延在された略長尺状に形成されている。また、プッシュレバーユニット81は、ノーズ30の射出部本体30Bの前側に配置されると共に、上下方向に相対移動可能に射出部本体30Bに連結されている。具体的には、プッシュレバーユニット81は、初期位置(図3及び図10に示される位置)と、初期位置から上側へ移動した許可位置(図11に示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。以下、プッシュレバーユニット81が初期位置に配置された状態として説明する。
【0052】
プッシュレバーユニット81は、連結軸82と、調整部材としてのアジャスタ86と、第2押付部としてのストッパプレート88と、第1押付部としてのプッシュレバー90と、を含んで構成されている。連結軸82は、プッシュレバーユニット81の上端部を構成している。連結軸82は、上下方向に延在された略矩形柱状に形成されて、射出部本体30Bの上端部の前側に配置されている。そして、連結軸82の上端部が、ノーズ30に固定された筒状の支持筒83内に、上下方向に相対移動可能に挿入されている。これにより、連結軸82がノーズ30に上下方向に相対移動可能に連結されている。連結軸82の下端側部分には、バネ受け部材84が設けられている。バネ受け部材84は、上下方向を厚み方向とする略円環板状に形成されており、連結軸82がバネ受け部材84内に嵌入されて、バネ受け部材84が連結軸82に固定されている。
【0053】
アジャスタ86は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成され、バネ受け部材84の下側において、連結軸82と同軸上に配置されている。そして、連結軸82の下端部がアジャスタ86の上端部内に挿入されて、アジャスタ86が連結軸82に回転可能に支持されている。なお、連結軸82の下端部には、連結ピン87が設けられており、連結ピン87によってアジャスタ86の連結軸82への連結状態が維持されている。アジャスタ86の内周面の下部には、雌ネジが形成されている。さらに、アジャスタ86の外周部の下端側部分には、溝部86Aが形成されている。溝部86Aは、アジャスタ86の径方向外側へ開放されると共に、アジャスタ86の周方向の全周に亘って延在されている。これにより、アジャスタ86の下端部が、溝部86Aに対して径方向外側へ突出している。
【0054】
ストッパプレート88は、上下方向を板厚方向とする略円環板状に形成されている。そして、連結軸82の下端部が、ストッパプレート88内に挿入されると共に、ストッパプレート88がバネ受け部材84とアジャスタ86との間に配置されている。ストッパプレート88には、後側へ延出された当接片88Aが一体に形成されている。そして、当接片88Aの先端部(後端部)が、ノーズ30における射出部本体30Bのガイドレール30Eの上面に当接している。これにより、初期位置におけるプッシュレバーユニット81の下側への移動が制限されている。
【0055】
また、連結軸82には、プッシュバネ89(広義には、押付付勢部材として把握される要素であり、図3及び図10参照)が装着されており、プッシュバネ89は、圧縮コイルスプリングとして構成されている。プッシュバネ89の上端部は、支持筒83に係止され、プッシュバネ89の下端部が、バネ受け部材84に係止されて、プッシュバネ89がプッシュレバーユニット81を下側へ付勢している。これにより、プッシュレバーユニット81が初期位置に保持されている。
【0056】
プッシュレバー90は、プッシュレバーユニット81の下部を構成している。プッシュレバー90は、前後方向を板厚方向とし、且つ上下方向に延在された略長尺板状に形成されている。プッシュレバー90の上端部は、屈曲されて、アジャスタ86の下側に配置されている。プッシュレバー90の上端部には、上側へ突出した調整軸91が設けられている。調整軸91は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されており、調整軸91の外周部には、雄ネジが形成されている。そして、調整軸91が、アジャスタ86の内部に下側から挿入されて、アジャスタ86の内周面に螺合されている。
【0057】
これにより、プッシュレバー90がアジャスタ86にねじ結合によって連結されている。よって、アジャスタ86を軸回りに回転させることで、プッシュレバー90がアジャスタ86に対して上下方向に相対移動する構成になっている。すなわち、アジャスタ86を回転させることで、プッシュレバーユニット81が上下方向に伸縮するように構成されている。
【0058】
プッシュレバー90の下端部は、下側から見て、後側へ開放された略U字形状に形成されており、ブレードガイド32がプッシュレバー90の下端部内に上下方向に相対移動可能に挿入されている。すなわち、プッシュレバー90の下端部がブレードガイド32に相対移動可能に連結されている。
【0059】
そして、プッシュレバーユニット81の初期位置では、プッシュレバー90の下端部が、射出部34(ブレードガイド32)よりも下側へ突出している。また、前述のように、アジャスタ86を軸回りに回転させることで、プッシュレバー90がアジャスタ86に対して上下方向に相対移動する。このため、アジャスタ86によって、初期位置におけるプッシュレバー90の突出量を調整可能に構成されている。さらに、プッシュバネ89の付勢力に抗して、プッシュレバー90を上側へ移動させることで、プッシュレバーユニット81が許可位置に配置される設定になっている。すなわち、プッシュレバー90の突出量に応じて、プッシュレバー90の初期位置から許可位置までの移動距離が変化する構成になっている。これにより、釘Nの被打込材Wへの打込み深さを調節するように構成されている。
【0060】
図12及び図13にも示されるように、検知スライダ92は、金属製もしくは樹脂製とされると共に、上側から見て略T字形ブロック状に形成されている。具体的には、検知スライダ92は、左右一対のフランジ部92Aを有しており、フランジ部92Aは、前後方向を板厚方向とする略矩形状に形成されて、検知スライダ92の後端部から左右方向外側へ突出している。そして、検知スライダ92の後端部が、射出部34におけるガイドレール30Eのガイド溝30E1内に下側から挿入されて、上下方向に相対移動可能に射出部本体30Bに連結されている。また、検知スライダ92の射出部本体30Bへの連結状態では、ガイドレール30Eによって検知スライダ92の前後方向及び左右方向の相対移動が制限されている。
【0061】
検知スライダ92の前面には、前側へ開放された連結溝92Bが形成されており、連結溝92Bは、左右方向に延在されると共に、左右方向に貫通している。そして、連結溝92B内に、アジャスタ86の下端部が挿入されて、アジャスタ86の溝部86Aと連結溝92Bとが上下方向に係合している。これにより、検知スライダ92とアジャスタ86とが上下方向に一体移動可能に連結されると共に、アジャスタ86が検知スライダ92に対して相対回転可能に構成されている。
【0062】
また、検知スライダ92の後部には、磁石93が埋設されている。磁石93は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。そして、プッシュレバーユニット81の許可位置では、磁石93が、射出部34のセンサ孔30Fの前側に対向して配置される設定になっている(図11参照)。
【0063】
レバー用ポジションセンサ94は、射出部34の基板収容部30Dに収容された検出基板としてのセンサ基板95に設けられている。センサ基板95は、前後方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されて、樹脂製の基板ホルダ96を介して射出部本体30Bに取付けられている。レバー用ポジションセンサ94は、センサ基板95の前面(第2の面)の上部に設けられると共に、センサ孔30Fの後側に配置されている。レバー用ポジションセンサ94は、ホール素子として構成された磁気センサであり、制御部20に電気的に接続されている。そして、プッシュレバーユニット81の許可位置では、磁石93が、センサ孔30Fを介してレバー用ポジションセンサ94と前後方向に対向配置される構成になっている。これにより、レバー用ポジションセンサ94は、磁石93の磁束密度に応じた検出信号を制御部20へ出力して、制御部20がレバー用ポジションセンサ94の検出信号に基づいて、プッシュレバーユニット81の許可位置を検知するように構成されている。
【0064】
(空打防止機構100について)図9図13に示されるように、空打防止機構100は、フィーダ被検出部としてのフィーダ検知レバー101と、フィーダ検出部としてのフィーダ用ポジションセンサ105と、を含んで構成されている。フィーダ検知レバー101は、略円柱状に形成されて、射出部本体30Bのレバー収容部32Eの軸方向に沿ってレバー収容部32E内に収容されている。フィーダ検知レバー101の前端側部分は、レバー収容部32Eの挿通孔32F内を挿通すると共に、軸方向に相対移動可能に構成されている。すなわち、フィーダ検知レバー101がセンサ基板95に対して接離する方向に相対移動可能に構成されている。具体的には、フィーダ検知レバー101は、センサ基板95に対して最も離間した離間位置(図13に示される位置)と、離間位置からセンサ基板95に接近した接近位置(図12に示される位置)と、の間を移動するように構成されている。
【0065】
フィーダ検知レバー101の後端部には、径方向外側へ張り出されたフランジ部101Aが形成されている。そして、フランジ部101Aが、レバー収容部32Eの開口部に設けられた止め輪104に前側から当接して、離間位置におけるフィーダ検知レバー101の後側への移動が制限されている。また、フィーダ検知レバー101には、圧縮コイルバネとして構成された付勢部材としてのリターンスプリング103が装着されている。リターンスプリング103の前端部は、レバー収容部32Eの前壁に係止され、リターンスプリング103の後端部は、フランジ部101Aに係止されて、リターンスプリング103がフィーダ検知レバー101を後側(離間位置側)へ付勢している。これにより、フィーダ検知レバー101が、離間位置に保持されている。
【0066】
また、フィーダ検知レバー101の離間位置では、フィーダ検知レバー101の後端部がレバー収容部32Eから後側へ突出して、マガジンケース62の第2ガイドレール62Bの前端部内に配置されている。そして、マガジン60のフィーダ64が禁止位置に配置されたときには、フィーダ検知レバー101が、フィーダ64によって前側へ押圧されて、接近位置に配置される構成になっている。
【0067】
フィーダ検知レバー101の前端部には、磁石102が埋設されている。磁石102は、フィーダ検知レバー101と同軸上に配置された略円柱状に形成されており、磁石102の前面が、フィーダ検知レバー101の前面と面一に配置されると共に、前側へ露出している。
【0068】
フィーダ用ポジションセンサ105は、センサ基板95の後面(第1の面)の下部に設けられると共に、フィーダ検知レバー101の前側に配置されている。具体的には、フィーダ検知レバー101の軸方向おいて、磁石102とフィーダ用ポジションセンサ105とが対向配置されている。また、傾斜方向視で、フィーダ用ポジションセンサ105が、マガジンケース62と重なるように配置されている。フィーダ用ポジションセンサ105は、レバー用ポジションセンサ94と同様に、ホール素子として構成された磁気センサであり、制御部20に電気的に接続されている。これにより、フィーダ用ポジションセンサ105は、磁石102の磁束密度に応じた検出信号を制御部20へ出力して、制御部20がフィーダ用ポジションセンサ105の検出信号に基づいて、フィーダ検知レバー101の接近位置を検知するように構成されている。
【0069】
(打込機10の動作について)次に、打込機10の動作について説明する。打込機10の非作動状態では、プッシュレバーユニット81が、初期位置に配置されており、プッシュレバー90の下端部が、射出部34のブレードガイド32よりも下側へ突出している。また、この状態では、打込深さ調整機構80の磁石93が、レバー用ポジションセンサ94よりも下側に配置されており、制御部20は、レバー用ポジションセンサ94の検出信号に基づいて、プッシュレバー90の初期位置を検知する。また、制御部20は、トリガスイッチの出力信号に基づいて、トリガ24の非操作を検知する。
【0070】
さらに、制御部20は、プッシュレバー90の初期位置又はトリガ24の非操作を検知すると、モータ52に対する駆動を停止(禁止)する。このため、打込機10の非作動状態では、モータ52の駆動が停止されている。また、この状態では、ピニオンピン57とラック部48Aとが係合して、打撃部44が下死点と上死点との間の待機位置に配置されている。また、この待機位置では、打撃部44の下端部が、釘Nの上下方向中間部に対応する位置に配置されて、射出路32C内に釘Nが供給されていない。
【0071】
そして、制御部20は、プッシュレバーユニット81の許可位置及びトリガ24に対する操作を検知すると、モータ52を駆動する。具体的には、打込機10を下側(被打込材W側)へ押込むと、プッシュレバーユニット81がプッシュバネ89の付勢力に抗して初期位置から上側へ移動する。これにより、検知スライダ92がプッシュレバーユニット81と共に上側へ移動する。そして、プッシュレバーユニット81が許可位置に到達すると、磁石93とレバー用ポジションセンサ94とが前後方向に対向配置されて、制御部20がプッシュレバーユニット81の許可位置を検知する。また、制御部20は、トリガスイッチからの出力信号に基づいて、トリガ24の操作を検知する。
【0072】
モータ52が駆動すると、モータ52の駆動力によってピンホイール56が回転して、打撃部44が上死点に上昇する。そして、打撃部44の上死点では、ピニオンピン57とラック部48Aとの係合状態が解除される。また、この状態では、ドライバブレード48の下端が釘Nより上側に配置されて、釘Nが射出路32C内に供給される。そして、打撃部44は、圧力室42Bの圧力によって下死点に下降すると共に、釘Nを下側へ打撃する。これにより、釘Nが射出部34から下側へ射出して、被打込材Wに打ち込まれる。
【0073】
制御部20は、釘Nの被打込材Wへの打込み後もモータ52を駆動している。このため、ピニオンピン57がラック部48Aに再び係合して、打撃部44が、下死点から上昇して、待機位置に配置される。なお、制御部20には、打撃部44の上下位置を検出する位置センサ(図示省略)が接続されており、制御部20は、位置センサからの出力信号に基づいて、打撃部44の待機位置を検知する。そして、制御部20が、打撃部44の待機位置への到達を検知すると、モータ52を停止させる。
【0074】
(作用効果)次に、空打防止機構100の動作を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0075】
マガジン60に装填された釘Nの本数が所定本数よりも多い状態では、釘Nによって、フィーダ64が射出部34に対して傾斜方向他方側に離間して配置されている。具体的には、図13に示されるように、フィーダ64の押圧部64Aが、離間位置に配置されたフィーダ検知レバー101の後端部に対して、傾斜方向他方側に離間して配置されている。これにより、制御部20は、フィーダ用ポジションセンサ105からの検出信号に基づいて、フィーダ検知レバー101の離間位置を検知する。すなわち、制御部20は、マガジン60内に装填された釘Nの残量が所定本数以下ではなく、釘Nがマガジン60に装填されていることを検知する。したがって、制御部20は、打込機10を作動許可状態にする。
【0076】
打込機10が作動して、釘Nが射出部34に供給される度に、フィーダ64が付勢バネの付勢力によって傾斜方向一方側へ移動する。そして、マガジン60内における釘Nの残量が所定本数以下になると、フィーダ64が禁止位置に配置される。このときには、フィーダ64の押圧部64Aが、フィーダ検知レバー101の一端部に当接すると共に、この当接位置から傾斜方向一方側へさらに移動する。これにより、図12に示されるように、フィーダ検知レバー101が、リターンスプリング103の付勢力に抗して、前側へ移動して、接近位置に配置される。このため、磁石102が、フィーダ用ポジションセンサ105に接近する。その結果、制御部20が、フィーダ用ポジションセンサ105の検出信号に基づいて、フィーダ検知レバー101の接近位置を検知する。換言すると、制御部20が、マガジン60内に装填された釘Nの残量が所定本数以下であることを検知する。したがって、制御部20は、打込機10を作動禁止状態にする。すなわち、モータ52に対する駆動を禁止する。したがって、打込機10における空打ちが防止される。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態の打込機10では、マガジンケース62にフィーダ64が移動可能に設けられており、フィーダ64が傾斜方向一方側へ移動することで、マガジンケース62に装填された釘Nが射出部34に供給される。そして、マガジンケース62内の釘Nの残量が所定本数以下の場合には、フィーダ64が禁止位置に配置される。
【0078】
ここで、空打防止機構100は、マガジン60のフィーダ64の位置を検出するフィーダ用ポジションセンサ105を有している。具体的には、フィーダ用ポジションセンサ105は、フィーダ64の禁止位置への移動を検出可能に構成されている。そして、制御部20がフィーダ用ポジションセンサ105の検出信号に基づいて、フィーダ64の禁止位置を検知すると、モータ52の駆動を禁止する。これにより、打撃部44の空打ちを防止できる。しかも、フィーダ用ポジションセンサ105が射出部34に設けられている。これにより、例えば、フィーダ用ポジションセンサ105をマガジン60のマガジンケース62に設ける構成と比べて、制御部20とフィーダ用ポジションセンサ105とを接続する線材を、ハウジング14の外部に引き回す必要がなくなる。したがって、上記構成と比べて、簡易な構成で釘Nに対する空打ちを防止できる。
【0079】
また、フィーダ用ポジションセンサ105は、傾斜方向視でフィーダ64と重なる位置に配置されている。具体的には、フィーダ用ポジションセンサ105は、フィーダ64に対して、傾斜方向一方側に配置されている。このため、フィーダ用ポジションセンサ105が、傾斜方向視でフィーダ64と重ならない位置に配置された構成と比べて、空打防止機構100の小型化を図ることができると共に、ひいては射出部34の小型化を図ることができる。なお、傾斜方向が、本発明の第2方向に対応する。
【0080】
また、射出部34(ブレードガイド32)には、フィーダ検知レバー101が設けられており、フィーダ検知レバー101は、フィーダ用ポジションセンサ105に対して接離する方向に相対移動可能に構成されている。さらに、フィーダ検知レバー101は、リターンスプリング103によって、フィーダ用ポジションセンサ105に対して離間した離間位置に配置されている。そして、フィーダ64が禁止位置に移動することで、フィーダ64によってフィーダ検知レバー101がフィーダ用ポジションセンサ105に接近した接近位置に移動して、フィーダ用ポジションセンサ105がフィーダ64の禁止位置を検出する。このため、例えば、フィーダ検知レバー101を省略して、磁石102をフィーダ64に設けて、フィーダ用ポジションセンサ105によってフィーダ64の接近を検出する構成と比べて、フィーダ用ポジションセンサ105が外部に露出されることを抑制できる。すなわち、フィーダ用ポジションセンサ105の外部への露出をフィーダ検知レバー101によって抑制できる。これにより、フィーダ用ポジションセンサ105の保護性能を向上することができる。また、フィーダ検知レバー101を省略して、磁石102をフィーダ64に設けて、フィーダ用ポジションセンサ105によってフィーダ64の接近を検出する構成とした場合、フィーダ用ポジションセンサ105とフィーダ64との間には比較的大型の部材であるマガジンケース62とノーズ30とが介在することになるため、製造公差が比較的大きく、フィーダ用ポジションセンサ105によってフィーダ64の接近を正確に検出できない可能性が有る。これに対して本実施の形態によれば、フィーダ用ポジションセンサ105とフィーダ検知レバー101との間には比較的小型の部材であるレバー収容部32Eとノーズ30のみが介在するため、製造公差が小さく、フィーダ用ポジションセンサ105によってフィーダ64の接近を正確に検出できる。
【0081】
また、フィーダ64とフィーダ検知レバー101とを別部材として構成することで、フィーダ64が禁止位置に移動したときに、フィーダ64を射出部34の内部に挿入させる必要がなくなる。これにより、フィーダ64を簡易な形状にしつつ、フィーダ64の小型化に寄与することができる。
【0082】
また、射出部34には、釘Nの被打込材Wへの打込み深さを調節する打込深さ調整機構80が設けられている。打込深さ調整機構80は、上下方向に移動可能に構成されたプッシュレバーユニット81と、プッシュレバーユニット81の上下位置を検出するレバー用ポジションセンサ94と、を含んで構成されている。そして、制御部20が、プッシュレバーユニット81の初期位置をレバー用ポジションセンサ94によって検知すると、モータ52の駆動を禁止して、打撃部44の釘Nに対する打撃が禁止された状態になる。一方、制御部20が、プッシュレバーユニット81の許可位置をレバー用ポジションセンサ94によって検知すると、モータ52の駆動を許可して、打撃部44の釘Nに対する打撃を許可した状態にする。これにより、釘Nの被打込材Wへの打込み深さを調節する打込深さ調整機構80と、釘Nの残量を検出して空打ちを防止する空打防止機構100と、を射出部34に集約して配置することができる。
【0083】
また、打込深さ調整機構80のレバー用ポジションセンサ94及び空打防止機構100のフィーダ64のフィーダ用ポジションセンサ105が、センサ基板95に設けられている。つまり、センサ基板95が、レバー用ポジションセンサ94及びフィーダ用ポジションセンサ105の共通基板として構成されている。これにより、レバー用ポジションセンサ94及びフィーダ用ポジションセンサ105を、それぞれ別基板に設ける構成と比べて、射出部34の小型化を図ることができると共に、射出部34を簡易な構造にすることができる。
【0084】
また、フィーダ用ポジションセンサ105が、センサ基板95の後面に設けられており、レバー用ポジションセンサ94が、センサ基板95の前面に設けられている。これにより、センサ基板95の板厚方向両側において、フィーダ64及びプッシュレバー90の位置をそれぞれ検出することができる。したがって、射出部34において、打込深さ調整機構80及び空打防止機構100に対して効率のよい配置構造を実現することができる。
【0085】
また、プッシュレバーユニット81には、検知スライダ92が連結されており、検知スライダ92は、プッシュレバーユニット81と上下方向に一体移動可能に構成されている。そして、レバー用ポジションセンサ94が、検知スライダ92の許可位置への移動を検出する。さらに、検知スライダ92の上下方向の移動が、射出部34のガイドレール30Eによってガイドされている。具体的には、ガイドレール30Eは、左右一対のレール部30E2を有しており、検知スライダ92の一部が、一対のレール部30E2の間に配置されている。これにより、左右方向における検知スライダ92のガタを、ガイドレール30Eによって抑制できる。したがって、プッシュレバーユニット81の位置を、レバー用ポジションセンサ94によって精度よく検出することができる。なお、左右方向が本発明の第3方向に対応する。
【0086】
また、ガイドレール30Eには、ガイド溝30E1が形成されており、検知スライダ92の検知スライダ92が、ガイド溝30E1に前後方向(センサ基板95の板厚方向)に係合して、検知スライダ92の前後方向の移動を制限している。これにより、前後方向における検知スライダ92のガタを、ガイドレール30Eによって抑制できる。したがって、プッシュレバーユニット81の位置を、レバー用ポジションセンサ94によって精度よく検出することができる。
【0087】
また、打込深さ調整機構80では、アジャスタ86の下端部が、検知スライダ92の連結溝92B内に挿入されて、アジャスタ86の溝部86Aと連結溝92Bとが上下方向に係合している。これにより、検知スライダ92とアジャスタ86とが上下方向に一体移動可能に連結されると共に、アジャスタ86が検知スライダ92に対して相対回転可能に構成されている。したがって、ストッパプレート88とプッシュレバー90との上下方向における相対位置をアジャスタ86によって調整しつつ、検知スライダ92とアジャスタ86とを上下方向に一体移動可能に連結することができる。
【0088】
なお、本実施の形態では、釘Nの残量が所定本数以下になった場合に、フィーダ64が禁止位置に配置されて、空打防止機構100によって打撃部44の空打ちを防止するようになっているが、フィーダ64の禁止位置における釘Nの残量数は任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0089】
10…打込機(作業機)、12…打込機本体(本体部)、20…制御部、34…射出部、44…打撃部、60…マガジン、62…マガジンケース(ケース)、64…フィーダ、81…プッシュレバーユニット(押付部)、86…アジャスタ(調整部材)、88…ストッパプレート(第2押付部)、90…プッシュレバー(第1押付部)、92…検知スライダ(押付被検出部)、93…磁石、94…レバー用ポジションセンサ(押付検出部)、95…センサ基板(検出基板)、101…フィーダ検知レバー(フィーダ被検出部)、103…リターンスプリング(付勢部材)、105…フィーダ用ポジションセンサ(フィーダ検出部)、N…釘(止具)
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