(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】分配器及び通信装置
(51)【国際特許分類】
H03H 7/48 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
H03H7/48 C
(21)【出願番号】P 2022580582
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 JP2022004152
(87)【国際公開番号】W WO2022172836
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2021020380
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重松 悟史
(72)【発明者】
【氏名】石塚 健一
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-154138(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0364077(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0063045(US,A1)
【文献】特開2002-208875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通ポートと、
第1ポートと、
第2ポートと、
前記共通ポートと前記第1ポートとの間に接続された第1移相器と、
前記共通ポートと前記第2ポートとの間に接続された第2移相器と、
を備え、
前記第1移相器は、前記共通ポートと前記第1ポートとの間に直列接続された第1キャパシタと、前記共通ポートと前記第1キャパシタの前記共通ポート側端部とグランドとの間に接続された第1インダクタと、前記第1ポートと前記第1キャパシタの前記第1ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第2インダクタと、を有し、
前記第1インダクタと前記第2インダクタは互いに磁界結合し、
前記第2移相器は、前記共通ポートと前記第2ポートとの間に直列接続された第2キャパシタと、前記共通ポートと前記第2キャパシタの前記共通ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第3インダクタと、前記第2ポートと前記第2キャパシタの前記第2ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第4インダクタと、を有し、
前記第3インダクタと前記第4インダクタは互いに磁界結合し、
前記第1インダクタ及び前記第3インダクタは単一のインダクタである、
分配器。
【請求項2】
複数の誘電体層を積層して形成した積層体をさらに備え、
前記第1インダクタ、前記第2インダクタ、前記第3インダクタ、前記第4インダクタ、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは前記積層体に形成されている、
請求項1に記載の分配器。
【請求項3】
前記積層体は第1の誘電体層、第2の誘電体層、第3の誘電体層、および第4の誘電体層を含み、前記誘電体層の積層方向において一方主面と他方主面とを備え、
前記第1インダクタと第3インダクタとを構成する導体パターンが第1の誘電体層と第2の誘電体層の主面上に形成され、
前記第2インダクタを構成する導体パターンが第3の誘電体層の主面上に形成され、
前記第4インダクタを構成する導体パターンが第4の誘電体層の主面上に形成され、
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層とは前記積層体内において前記積層方向に隣接して配置され、
前記第3の誘電体層は、前記第1の誘電体層からみて前記一方主面側に配置され、
前記第4の誘電体層は、前記第2の誘電体層からみて前記他方主面側に配置されている、
請求項
2に記載の分配器。
【請求項4】
共通ポートと、
第1ポートと、
第2ポートと、
前記共通ポートと前記第1ポートとの間に接続された第1移相器と、
前記共通ポートと前記第2ポートとの間に接続された第2移相器と、
を備え、
前記第1移相器は、前記共通ポートと前記第1ポートとの間に直列接続された第1キャパシタと、前記共通ポートと前記第1キャパシタの前記共通ポート側端部とグランドとの間に接続された第1インダクタと、前記第1ポートと前記第1キャパシタの前記第1ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第2インダクタと、を有し、
前記第1インダクタと前記第2インダクタは互いに磁界結合し、
前記第2移相器は、前記共通ポートと前記第2ポートとの間に直列接続された第2キャパシタと、前記共通ポートと前記第2キャパシタの前記共通ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第3インダクタと、前記第2ポートと前記第2キャパシタの前記第2ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第4インダクタと、を有し、
前記第3インダクタと前記第4インダクタは互いに磁界結合し、
複数の誘電体層を積層して形成した積層体をさらに備え、
前記第1インダクタ、前記第2インダクタ、前記第3インダクタ、前記第4インダクタ、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは前記積層体に形成され、
前記積層体は第1の誘電体層、第2の誘電体層、第3の誘電体層、および第4の誘電体層を含み、前記誘電体層の積層方向において一方主面と他方主面とを備え、
前記第1インダクタと第3インダクタとを構成する導体パターンが第1の誘電体層と第2の誘電体層の主面上に形成され、
前記第2インダクタを構成する導体パターンが第3の誘電体層の主面上に形成され、
前記第4インダクタを構成する導体パターンが第4の誘電体層の主面上に形成され、
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層とは前記積層体内において前記積層方向に隣接して配置され、
前記第3の誘電体層は、前記第1の誘電体層からみて前記一方主面側に配置され、
前記第4の誘電体層は、前記第2の誘電体層からみて前記他方主面側に配置され、
前記積層体の前記一方主面側から平面視したとき、前記第1
インダクタと前記第3
インダクタを構成する導体パターンは、前記第2
インダクタを構成する導体パターンと前記導体パターンの線路長方向において少なくとも一部が重なるように配置されている、
分配器。
【請求項5】
共通ポートと、
第1ポートと、
第2ポートと、
前記共通ポートと前記第1ポートとの間に接続された第1移相器と、
前記共通ポートと前記第2ポートとの間に接続された第2移相器と、
を備え、
前記第1移相器は、前記共通ポートと前記第1ポートとの間に直列接続された第1キャパシタと、前記共通ポートと前記第1キャパシタの前記共通ポート側端部とグランドとの間に接続された第1インダクタと、前記第1ポートと前記第1キャパシタの前記第1ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第2インダクタと、を有し、
前記第1インダクタと前記第2インダクタは互いに磁界結合し、
前記第2移相器は、前記共通ポートと前記第2ポートとの間に直列接続された第2キャパシタと、前記共通ポートと前記第2キャパシタの前記共通ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第3インダクタと、前記第2ポートと前記第2キャパシタの前記第2ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第4インダクタと、を有し、
前記第3インダクタと前記第4インダクタは互いに磁界結合し、
複数の誘電体層を積層して形成した積層体をさらに備え、
前記第1インダクタ、前記第2インダクタ、前記第3インダクタ、前記第4インダクタ、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは前記積層体に形成され、
前記積層体は第1の誘電体層、第2の誘電体層、第3の誘電体層、および第4の誘電体層を含み、前記誘電体層の積層方向において一方主面と他方主面とを備え、
前記第1インダクタと第3インダクタとを構成する導体パターンが第1の誘電体層と第2の誘電体層の主面上に形成され、
前記第2インダクタを構成する導体パターンが第3の誘電体層の主面上に形成され、
前記第4インダクタを構成する導体パターンが第4の誘電体層の主面上に形成され、
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層とは前記積層体内において前記積層方向に隣接して配置され、
前記第3の誘電体層は、前記第1の誘電体層からみて前記一方主面側に配置され、
前記第4の誘電体層は、前記第2の誘電体層からみて前記他方主面側に配置され、
前記積層体の前記一方主面側から平面視したとき、前記第1
インダクタと前記第3
インダクタを構成する導体パターンは、前記第4
インダクタを構成する導体パターンと前記導体パターンの線路長方向において少なくとも一部が重なるように配置されている、
分配器。
【請求項6】
高周波回路と、当該高周波回路に接続されるアンテナとを備える通信装置であって、
前記高周波回路と前記アンテナとの間に、請求項1から5のいずれかに記載の分配器を備えた、通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通ポートに入出力される信号を複数のポートへ分配する分配器及びこの分配器を備えた通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話をはじめとする通信端末装置においては、一般に小型で高アイソレーションの分配器が構成されることが望まれる。
【0003】
従来の典型的な分配器として、一般的にウィルキンソン型分配器(Wilkinson coupler)が用いられる。特許文献1にはこのウィルキンソン型の分配器が示されている。
【0004】
図10はウィルキンソン型分配器の回路図である。この分配器は、伝送線路TL1,TL2と抵抗素子R0とで構成されている。この分配器は、共通ポートP0に入力される信号を第1ポートP1及び第2ポートP2に等分配する。または、第1ポートP1に入力される信号と第2ポートP2に入力される信号を合成して共通ポートP0へ出力する。
【0005】
共通ポートP0、第1ポートP1及び第2ポートP2のインピーダンスをZ0で表すと、伝送線路TL1,TL2は、特性インピーダンスが√2Z0の1/4波長の伝送線路であり、抵抗素子R0のインピーダンスは2Z0である。第1ポートP1と第2ポートP2との間で抵抗素子R0の両端に生じる電位は、抵抗素子R0に流れる0degの電圧と伝送線路TL1,TL2を経由して伝搬する180degの電圧とで打ち消されるので、第1ポートP1と第2ポートP2とはアイソレーションされる。
【0006】
図11は、
図10に示したウィルキンソン型分配器の伝送線路TL1,TL2をLC回路LC1,LC2に置換した分配器の回路図である。LC回路LC1,LC2は所定周波数において位相をそれぞれ90deg回転させるように、インダクタンス及びキャパシタンスが定められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図10に示したように伝送線路TL1,TL2を用いる分配器においては、伝送線路TL1,TL2を形成するための大きなスペースを要する。また、伝送線路の線路長は所定の中心周波数においてλ/4であるので、その所定の中心周波数からずれるほど位相回転量がずれる。そのため、広帯域に亘って高いアイソレーションを得ることができない。
【0009】
一方、
図11に示したようにLC回路で移相回路を構成すると、LC回路LC1,LC2の周波数-移相特性により、中心周波数からずれるとアイソレーションが劣化する。
【0010】
本発明の目的は、広帯域に亘ってアイソレーションが確保された分配器及びそれを備えた通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の分配器は、共通ポートと、第1ポートと、第2ポートと、前記共通ポートと前記第1ポートとの間に接続された第1移相器と、前記共通ポートと前記第2ポートとの間に接続された第2移相器と、を備える。そして、前記第1移相器は、前記共通ポートと前記第1ポートとの間に直列接続された第1キャパシタと、前記共通ポートと前記第1キャパシタの前記共通ポート側端部とグランドとの間に接続された第1インダクタと、前記第1ポートと前記第1キャパシタの前記第1ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第2インダクタと、を有し、前記第1インダクタと前記第2インダクタは互いに磁界結合し、前記第2移相器は、前記共通ポートと前記第2ポートとの間に直列接続された第2キャパシタと、前記共通ポートと前記第2キャパシタの前記共通ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第3インダクタと、前記第2ポートと前記第2キャパシタの前記第2ポート側端部と前記グランドとの間に接続された第4インダクタと、を有し、前記第3インダクタと前記第4インダクタは互いに磁界結合する、ことを特徴とする。
【0012】
この構成により、第1移相器及び第2移相器の、移相量(位相の変動量)の周波数依存性を小さくでき、広帯域に亘って所定の移相量を保つことができる。
【0013】
(2)本発明の通信装置は、高周波回路と、当該高周波回路に接続されるアンテナとを備え、前記高周波回路と前記アンテナとの間に、前記分配器を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、広帯域に亘ってアイソレーションが確保された分配器及びそれを備えた通信装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は第1の実施形態に係る分配器101Aの回路図である。
【
図2】
図2は第1の実施形態に係る別の分配器101Bの回路図である。
【
図3】
図3は第2の実施形態に係る分配器102の回路図である。
【
図4】
図4は分配器102の内部構成を表す透視斜視図である。
【
図6】
図6中のAは本実施形態の分配器102の第1ポートP1と第2ポートP2とのアイソレーションの周波数特性を示す図である。
図6中のBは比較例としての分配器の第1ポートP1と第2ポートP2とのアイソレーションの周波数特性を示す図である。
【
図7】
図7は第3の実施形態に係る分配器103の回路図である。
【
図8】
図8は第4の実施形態に係る分配器104の回路図である。
【
図9】
図9は第5の実施形態に係る通信装置201のブロック図である。
【
図11】
図11は、
図10に示したウィルキンソン型の分配器の伝送線路TL1,TL2をLC回路LC1,LC2に置換した分配器の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付す。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点について説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0017】
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係る分配器101Aの回路図である。分配器101Aは、共通ポートP0、第1ポートP1及び第2ポートP2を備え、共通ポートP0に入力される信号を第1ポートP1及び第2ポートP2に分配する。また、第1ポートP1及び第2ポートP2に入力される信号を共通ポートP0へ合成する。
【0018】
共通ポートP0は共通信号ラインSL0に接続され、第1ポートP1は第1信号ラインSL1に接続され、第2ポートP2は第2信号ラインSL2に接続されている。
【0019】
図1において、矩形で囲んだ抵抗素子は線路の特性インピーダンスを表している。これらはそれぞれ例えば50Ωである。なお、矩形で囲んだ抵抗素子は、分配器101Aとしては必須の構成要素では無く、各ポートでの特性インピーダンスを示すために記載しているものである。
【0020】
分配器101Aは、共通ポートP0と第1ポートP1との間に接続された第1移相器11と、共通ポートP0と第2ポートP2との間に接続された第2移相器12と、を備える。第1ポートP1及び第2ポートP2に接続される線路の特性インピーダンスをZ0で表すと、抵抗素子R0のインピーダンスは2Z0(例えば100Ω)である。
【0021】
第1移相器11は、共通ポートP0と第1ポートP1との間に直列接続された第1キャパシタC1と、共通ポートP0と第1キャパシタC1の共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続された第1インダクタL1と、第1ポートP1と第1キャパシタC1の第1ポートP1側端部とグランドとの間に接続された第2インダクタL2と、を有し、第1インダクタと第2インダクタは和動接続されている。なお、第1インダクタと第2インダクタが和動接続されている状態とは、第1インダクタと第2インダクタとで発生する磁界の向きが同じ方向になる構成をしている接続状態である。
【0022】
同様に、第2移相器12は、共通ポートP0と第2ポートP2との間に直列接続された第2キャパシタC2と、共通ポートP0と第2キャパシタC2の共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続された第3インダクタL3と、第2ポートP2と第2キャパシタC2との間の点とグランドとの間に接続された第4インダクタL4と、を有し、第3インダクタと第4インダクタは和動接続されている。
【0023】
第1インダクタL1と第2インダクタL2とは結合係数k12で磁界結合し、第1インダクタL1と第2インダクタL2とは和動接続されている。第3インダクタL3と第4インダクタL4とは結合係数k34で磁界結合し、第3インダクタL3と第4インダクタL4とは和動接続されている。
【0024】
第1インダクタL1と第2インダクタL2とはトランスを構成するので、移相量の周波数依存性は小さい。つまり、広帯域に亘って変動量の少ない位相及びインピーダンス変換が行われる。同様に、第3インダクタL3と第4インダクタL4とはトランスを構成するので、移相量の周波数依存性が小さく、広帯域に亘って位相及びインピーダンス変換が行われる。
【0025】
各素子の値は例えば次のとおりである。
【0026】
L1:4.4nH
L2:3.2nH
C1:0.15pF
C2:0.15pF
第1移相器11及び第2移相器12は所定周波数において位相をそれぞれ90度回転させる。第1ポートP1と第2ポートP2との間で抵抗素子R0の両端に生じる電位は、抵抗素子R0に生じる0度の電圧と、第1移相器11及び第2移相器12を経由して伝搬する180度の電圧とで打ち消されるので、第1ポートP1と第2ポートP2とのアイソレーション特性が向上する。
【0027】
上述のとおり、第1移相器11及び第2移相器12の移相量の周波数依存性は小さいので、広帯域に亘ってアイソレーション特性を向上できる。
【0028】
図2は第1の実施形態に係る別の分配器101Bの回路図である。この分配器101Bは共通ポートP0、第1ポートP1及び第2ポートP2を備え、共通ポートP0に入力される信号を第1ポートP1及び第2ポートP2に分配する。また、第1ポートP1及び第2ポートP2に入力される信号を共通ポートP0へ合成する。
【0029】
共通ポートP0は共通信号ラインSL0に接続され、第1ポートP1は第1信号ラインSL1に接続され、第2ポートP2は第2信号ラインSL2に接続されている。
【0030】
図2において、矩形で囲んだ抵抗素子は線路の特性インピーダンスを表している。これらはそれぞれ例えば50Ωであり、
図1と同様に分配器101Bの必須の構成要素では無い。
【0031】
分配器101Bは、共通ポートP0と第1ポートP1との間に接続された第1移相器11と、共通ポートP0と第2ポートP2との間に接続された第2移相器12と、を備える。
【0032】
第1移相器11は、共通ポートP0と第1ポートP1との間に直列接続された第1キャパシタC1と、共通ポートP0と第1キャパシタC1の共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続された第1インダクタL1と、第1ポートP1と第1キャパシタC1の第1ポートP1側端部とグランドとの間に接続された第2インダクタL2と、を有する。キャパシタC11は第1インダクタL1と第2インダクタL2とで構成されるトランスにおいて、第1インダクタと第2インダクタとの間に生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0033】
同様に、第2移相器12は、共通ポートP0と第2ポートP2との間に直列接続された第2キャパシタC2と、共通ポートP0と第2キャパシタC2の共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続された第3インダクタL3と、第2ポートP2と第2キャパシタC2の第2ポートP2側端部とグランドとの間に接続された第4インダクタL4と、を有する。キャパシタC12は第3インダクタL3と第4インダクタL4とで構成されるトランスにおいて、第3インダクタと第4インダクタとの間に生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0034】
図2に示す分配器101Bは、
図1に示した分配器101Aに対して、LC回路10を備えている。
【0035】
各素子の値は例えば次のとおりである。
【0036】
L1:3.7nH
L2:3.8nH
C1:0.2pF
C2:0.2pF
L0:0.7nH
C0:0.4pF
C11:0.1pF
C12:0.1pF
ウィルキンソン型分配器は、入力側のインピーダンス整合をとるために、λ/4長の線路を入力側に設ける場合があるが、
図2に示すLC回路10は、上記λ/4長の線路をLC回路に変換した回路である。このLC回路によるインピーダンス整合回路でインピーダンス整合をとることによって、アイソレーション特性が向上する。
【0037】
なお、
図2に示した例では、第1信号ラインSL1とグランドとの間に接続されるキャパシタC11を、第1インダクタL1と第2インダクタL2によるトランスの寄生キャパシタンスで構成した例を示したが、トランスとは別にキャパシタを設けてもよい。同様に、第2信号ラインSL2とグランドとの間に接続されるキャパシタC12を、第3インダクタL3と第4インダクタL4によるトランスの寄生キャパシタンスで構成した例を示したが、トランスとは別にキャパシタを設けてもよい。これらのことは以降に示す他の実施形態についても同様である。
【0038】
キャパシタC11,C12は、それらのキャパシタンスによって、第1ポートP1と第2ポートP2に分配される信号の分配比を微調整することができるので、キャパシタC11,C12のキャパシタンスによって、第1ポートP1と第2ポートP2への信号の出力バランスを調整してもよい。
【0039】
以上に示した実施形態では、第1インダクタL1と第2インダクタL2とが和動接続されていて、第3インダクタL3と第4インダクタL4とが和動接続されている例を示したが、第1インダクタL1と第2インダクタL2とが差動接続されていて、第3インダクタL3と第4インダクタL4とが差動接続されていてもよい。このことは以降に示す実施形態においても同様である。なお、インダクタ同士が差動接続されるとは、各インダクタで発生する磁界の向きが逆になる構成をしている接続状態である。
【0040】
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、移相器を構成するインダクタの数を削減した分配器について例示する。
【0041】
図3は第2の実施形態に係る分配器102の回路図である。この分配器102は共通ポートP0、第1ポートP1及び第2ポートP2を備え、共通ポートP0に入力される信号を第1ポートP1及び第2ポートP2に分配する。また、第1ポートP1及び第2ポートP2に入力される信号を共通ポートP0へ合成する。
【0042】
共通ポートP0は共通信号ラインSL0に接続され、第1ポートP1は第1信号ラインSL1に接続され、第2ポートP2は第2信号ラインSL2に接続されている。
図3において、矩形で囲んだ抵抗素子は線路の特性インピーダンスを表しており、分配器102の必須の構成要素では無い。
【0043】
分配器102は、共通ポートP0と第1ポートP1との間に接続された第1移相器11と、共通ポートP0と第2ポートP2との間に接続された第2移相器12と、を備える。
【0044】
第1移相器11は、共通ポートP0と第1ポートP1との間に直列接続された第1キャパシタC1と、共通ポートP0と第1キャパシタC1の共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続されたインダクタL13と、第1ポートP1と第1キャパシタC1の第1ポートP1側端部の点とグランドとの間に接続された第2インダクタL2と、を有する。キャパシタC11はインダクタL13と第2インダクタL2とで構成されるトランスに生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0045】
同様に、第2移相器12は、共通ポートP0と第2ポートP2との間に直列接続された第2キャパシタC2と、共通ポートP0と第2キャパシタC2の共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続されたインダクタL13と、第2ポートP2と第2キャパシタC2の第2ポートP2側端部とグランドとの間に接続された第4インダクタL4と、を有する。キャパシタC12はインダクタL13と第4インダクタL4とで構成されるトランスに生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0046】
この分配器102において、インダクタL13は本発明に係る第1インダクタと第3インダクタとを兼ねる。インダクタL13と第2インダクタL2とは結合係数k12で磁界結合し、インダクタL13と第2インダクタL2とは和動接続されている。インダクタL13と第4インダクタL4とは結合係数k34で磁界結合し、インダクタL13と第4インダクタL4とは和動接続されている。
【0047】
本実施形態のように、インダクタL13が第1インダクタと第3インダクタとを兼ねることにより、インダクタの数が削減され、インダクタL13と第2インダクタL2との結合、及びインダクタL13と第4インダクタL4との結合の調整が容易となる。
【0048】
図4は分配器102の内部構成を表す透視斜視図である。この分配器102は、複数の誘電体層を積層して形成した積層体である。この積層体の底面にはポートP0,P1,P2,GNDを実現する端子が露出している。積層体の内部には、各誘電体層の主面上にAgやCuなどの金属を用いて形成した導体パターンによりインダクタL2,L13,L4、キャパシタC0,C1,C2等が形成されている。
【0049】
また、
図4に示す分配器では、積層体の底面に形成した各端子は、積層体の側面に形成した側面電極と電気的に接続されている。このような構造にすることにより、分配器102を別に用意する回路基板などにハンダ付けなどで実装した際、実装面積を大きくできるため、実装強度を向上することができる。また、積層体の側面と底面に電極を形成しているが、積層体の天面には電極を形成していない。このような構造により、積層体内部に配置したインダクタで発生する磁界の広がりが積層体天面の電極で乱されることが無くなり、インダクタのQ値などの特性を向上することができる。
【0050】
図5は分配器102を構成する各誘電体層の導体パターンを示す分解平面図である。
図5においてS1層は最下面の層であり、S12層は、導体パターンが形成されている層のうちの最上面の層である。このS12層より上部にある層については図示を省略している。S1層の下面にはポート
P0,P1,P2,GNDが形成されている。S2層とS3層にはキャパシタC0の電極が形成されている。S4層からS9層にはインダクタL0の導体パターンが形成されている。S10層とS11層にはキャパシタC1及びキャパシタC2の電極が形成されている。S7層とS8層にはインダクタL2の導体パターンが形成されていて、S9層とS10層にはインダクタL13の導体パターンが形成されていて、S11層とS12層にはインダクタL4の導体パターンが形成されている。
【0051】
分配器102は、S1層の下面に形成したポートP0,P1,P2,GNDを実現する端子により、別に用意される回路基板などにハンダなどで実装し、回路基板と電気的に導通接続される。また、
図5のように、分配器102では、そのチップの積層方向において回路基板に実装する層に近い側にキャパシタを配置し、回路基板から遠い側にインダクタを配置している。このような構成により、インダクタで発生する磁界が分配器102内部のキャパシタ電極や、回路基板に形成されるグランド電極などで乱されることが無くなり、インダクタとしての特性劣化を低減することができる。
【0052】
また、
図4と
図5から分かるように、分配器102に含まれる2つのトランスに共通して使用される一方側のインダクタであるインダクタL13のインダクタ用導体パターンは、積層体の積層方向において各トランスを構成する他方側のインダクタであるインダクタL2のインダクタ用導体パターンと、インダクタL4のインダクタ用導体パターンとの間に配置されている。このような構成により、インダクタL13とインダクタL2との磁界結合およびインダクタL13とインダクタL4との磁界結合を強められる。また、それぞれ別のトランスを構成するインダクタL2の導体パターンとインダクタL4の導体パターンが、インダクタL13の導体パターンを挟んで配置されるため、別のトランスを構成するインダクタ間の磁界結合を低減することができ、第1ポートP1と第2ポートP2との間のアイソレーション特性を向上することができる。
【0053】
また、インダクタL13を構成する導体パターンは、S9層とS10層とに分かれて配置され、S9層に形成された導体パターンの積層方向において隣接してインダクタL2用の導体パターンが形成されている。また、S10層に形成された導体パターンの積層方向において隣接してインダクタL4用の導体パターンが形成されている。このように、インダクタL13用の導体パターンが2つに分かれ、それぞれに別のトランスを構成するインダクタL2とインダクタL4の導体パターンが隣接配置されるので、トランスとしての磁界結合を強くできるとともに、第1ポートP1と第2ポートとの間のアイソレーション特性を向上することができる。
【0054】
図5において、S9層に形成したインダクタL13の導体パターンと、それに隣接するS8層に形成したインダクタL2の導体パターンとは、積層体の主面から平面視してスパイラル状に形成され、それらの導体パターンがその線路長方向において重なるように配置されている。このようにトランスを構成するインダクタの導体パターン同士が重なるように配置されることで、各インダクタに発生する磁界が結合しやすくなり、トランスとしての磁界結合を強くできる。
【0055】
図6中のAは本実施形態の分配器102の第1ポートP1と第2ポートP2とのアイソレーションの周波数特性を示す図である。
図6中のBは比較例としての分配器の第1ポートP1と第2ポートP2とのアイソレーションの周波数特性を示す図である。この比較例としての分配器は
図11に示したLC回路LC1,LC2で移相を行う分配器である。この比較例としての分配器では、使用周波数
帯である5.6GHz帯において第1ポートP1と第2ポートP2とのアイソレーションは-21dB程度である。一方、本実施形態の分配器102では、使用周波数帯である5.6GHz帯において第1ポートP1と第2ポートP2とのアイソレーションは-50dBである。このように、本実施形態によれば、高アイソレーション特性が得られる。
【0056】
第1の実施形態で記述したとおり、インダクタL13と第2インダクタL2とが差動接続されていて、インダクタL13と第4インダクタL4とが差動接続されていてもよいが、この分配器102を直方体の素子として一体形成する場合には、互いに和動接続されている方が、設計が容易である。
【0057】
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、移相器を構成する2つのトランスのそれぞれの一方のインダクタ同士が結合する構成の分配器について例示する。
【0058】
図7は第3の実施形態に係る分配器103の回路図である。この分配器103は共通ポートP0、第1ポートP1及び第2ポートP2を備え、共通ポートP0に入力される信号を第1ポートP1及び第2ポートP2に分配する。また、第1ポートP1及び第2ポートP2に入力される信号を共通ポートP0へ合成する。
【0059】
共通ポートP0は共通信号ラインSL0に接続され、第1ポートP1は第1信号ラインSL1に接続され、第2ポートP2は第2信号ラインSL2に接続されている。
図7において、矩形で囲んだ抵抗素子は線路の特性インピーダンスを表しており、分配器103の必須の構成要素では無い。
【0060】
分配器103は、共通ポートP0と第1ポートP1との間に接続された第1移相器11と、共通ポートP0と第2ポートP2との間に接続された第2移相器12と、を備える。
【0061】
第1移相器11は、第1キャパシタC1、第1インダクタL1、第2インダクタL2及びキャパシタC11を有する。第1キャパシタC1は、共通ポートP0と第1ポートP1との間に接続され、第1インダクタL1および第2インダクタL2に並列接続されている。第1インダクタL1は、共通ポートP0とグランドとの間に接続されている。第2インダクタL2は、第1ポートP1とグランドとの間に接続されている。キャパシタC11は第1インダクタL1と第2インダクタL2とで構成されるトランスに生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0062】
同様に、第2移相器12は、第2キャパシタC2、第3インダクタL3、第4インダクタL4及びキャパシタC12を有する。第2キャパシタC2は、共通ポートP0と第2ポートP2との間に接続されて、第3インダクタL3および第4インダクタL4に並列接続されている。第3インダクタL3は、共通ポートP0とグランドとの間に接続されている。第4インダクタL4は、第2ポートP2とグランドとの間に接続されている。キャパシタC12は第3インダクタL3と第4インダクタL4とで構成されるトランスに生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0063】
第1インダクタL1と第2インダクタL2とは結合係数k12で磁界結合し、第1インダクタL1と第2インダクタL2とは和動接続されている。第3インダクタL3と第4インダクタL4とは結合係数k34で磁界結合し、第3インダクタL3と第4インダクタL4とは和動接続されている。第1インダクタL1と第3インダクタL3とは結合係数k13で磁界結合する。この第1インダクタL1と第3インダクタL3との磁界結合は差動接続になり、それによって相互インダクタンスMが生じる。
図7中に示すインダクタMはこの相互インダクタンスを回路素子として表したものである。分配器103においてはこのインダクタMとキャパシタC0とでLC回路10が構成されている。
【0064】
本実施形態で示すように、移相器を構成する2つのトランスのそれぞれの一方のインダクタ同士が結合することによって生じる相互インダクタンスを利用してもよい。このことにより、等価直列抵抗が削減され、通過損失(I.L.)を低減できる。
【0065】
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、複数段の移相器を備える不等分配比で分配を行う分配器について例示する。
【0066】
図8は第4の実施形態に係る分配器104の回路図である。この分配器104は共通ポートP0、第1ポートP1及び第2ポートP2を備え、共通ポートP0に入力される信号を第1ポートP1及び第2ポートP2に分配する。また、第1ポートP1及び第2ポートP2に入力される信号を共通ポートP0へ合成する。
【0067】
共通ポートP0は共通信号ラインSL0に接続され、第1ポートP1は第1信号ラインSL1に接続され、第2ポートP2は第2信号ラインSL2に接続されている。
図8において、矩形で囲んだ抵抗素子は線路の特性インピーダンスを表しており、分配器104の必須の構成要素では無い。
【0068】
分配器104は、共通ポートP0と第1ポートP1との間に接続された第1移相器11A,11Bと、共通ポートP0と第2ポートP2との間に接続された第2移相器12A,12Bと、を備える。
【0069】
第1移相器11Aは、共通ポートP0と第1ポートP1との間に直列接続された第1キャパシタC1Aと、共通ポートP0と第1キャパシタC1Aの共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続された第1インダクタL1Aと、第1ポートP1と第1キャパシタC1Aの第1ポートP1側端部とグランドとの間に接続された第2インダクタL2Aと、を有する。キャパシタC11Aは第1インダクタL1Aと第2インダクタL2Aとで構成されるトランスに生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0070】
別の第1移相器11Bは、共通ポートP0と第1ポートP1との間に直列接続された第1キャパシタC1Bと、共通ポートP0と第1キャパシタC1Bの共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続された第1インダクタL1Bと、第1ポートP1と第1キャパシタC1Bの第1ポートP1側端部とグランドとの間に接続された第2インダクタL2Bと、を有する。キャパシタC11Bは第1インダクタL1Bと第2インダクタL2Bとで構成されるトランスに生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0071】
第2移相器12Aは、共通ポートP0と第2ポートP2との間に直列接続された第2キャパシタC2Aと、共通ポートP0と第2キャパシタC2Aの共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続された第3インダクタL3Aと、第2ポートP2と第2キャパシタC2Aの第2ポートP2側端部とグランドとの間に接続された第4インダクタL4Aと、を有する。キャパシタC12Aは第3インダクタL3Aと第4インダクタL4Aとで構成されるトランスに生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0072】
別の第2移相器12Bは、共通ポートP0と第2ポートP2との間に直列接続された第2キャパシタC2Bと、共通ポートP0と第2キャパシタC2Bの共通ポートP0側端部とグランドとの間に接続された第3インダクタL3Bと、第2ポートP2と第2キャパシタC2Bの第2ポートP2側端部とグランドとの間に接続された第4インダクタL4Bと、を有する。キャパシタC12Bは第3インダクタL3Bと第4インダクタL4Bとで構成されるトランスに生じる寄生キャパシタンス成分を回路素子として表したものである。
【0073】
本実施形態のように、各信号経路に複数の移相器を配置することで、各移相器の位相変化量を細かく設定でき、各信号経路での位相変化の精度を向上することができる。
【0074】
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、分配器を備える通信装置について例示する。
図9は第5の実施形態に係る通信装置201のブロック図である。この通信装置201は、デュプレクサ20、スイッチ21、バンドパスフィルタ22,23、分配器24、RFIC25、無線LAN用回路26、スイッチやBPFを含むフィルタ回路27を備える。
図9において、無線LAN用回路26は本発明に係る「高周波回路」に対応する。この高周波回路とアンテナとの間に分配器24を備える。RFIC25はローバンドLB、ミドルバンドMB、ハイバンドHB、超ハイバンドUHB、免許不要帯域でLTE(LTE-U)及びLAA(License Assisted Access)の各帯域の通信を行う。
【0075】
分配器24はLTE-U/LAAの通信信号及び無線LAN用通信信号の分配及び合成を行う。以上に示した例のように、分配器24を備える通信装置201が得られる。
【0076】
最後に、上述の各実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。例えば、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
C0,C11,C12,C11A,C11B,C12A,C12B…キャパシタ
C1,C1A,C1B…第1キャパシタ
C2,C2A,C2B…第2キャパシタ
GND…グランド端子
L0,L13…インダクタ
L1,L1A,L1B…第1インダクタ
L2,L2A,L2B…第2インダクタ
L3,L3A,L3B…第3インダクタ
L4,L4A,L4B…第4インダクタ
LC1,LC2…LC回路
M…インダクタ
P0…共通ポート
P1…第1ポート
P2…第2ポート
R0…抵抗素子
SL0…共通信号ライン
SL1…第1信号ライン
SL2…第2信号ライン
TL1,TL2…伝送線路
10…LC回路
11,11A,11B…第1移相器
12,12A,12B…第2移相器
20…デュプレクサ
21…スイッチ
22,23…バンドパスフィルタ
24…分配器
25…RFIC
26…無線LAN用回路
27…フィルタ回路
101A,101B,102,103,104…分配器
201…通信装置