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特許7589769印刷装置、印刷装置の制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷装置の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/21 20060101AFI20241119BHJP
   A45D 29/00 20060101ALI20241119BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B41J2/21
A45D29/00
B41J2/01 107
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023098166
(22)【出願日】2023-06-15
(62)【分割の表示】P 2021005748の分割
【原出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2023145427
(43)【公開日】2023-10-11
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 修一
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-098099(JP,A)
【文献】特開2014-050565(JP,A)
【文献】特開2016-112840(JP,A)
【文献】特開2012-232039(JP,A)
【文献】特開2013-123806(JP,A)
【文献】特開2020-185395(JP,A)
【文献】特開2007-028873(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0345708(US,A1)
【文献】特開2011-232848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
A45D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪の画像を取得する取得手段と、
複数のデザインと各デザインの下地濃度設定値とが対応付けられた第1の下地濃度テーブルを予め記憶する記憶手段と、
前記複数のデザインから1つのデザインを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたデザインに対応する前記下地濃度設定値をデザインの下地の濃度として設定する下地濃度設定手段と、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度に基づいて、前記爪に下地を印刷する印刷手段と、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度で下地印刷した場合の、前記爪に印刷するデザインをプレビュー表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度を変更する濃度変更手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
コンピュータが、
爪の画像を取得する取得工程と、
複数のデザインと各デザインの下地濃度設定値とが対応付けられた第1の下地濃度テーブルを予め記憶する記憶工程と、
前記複数のデザインから1つのデザインを選択する選択工程と、
前記選択工程において選択されたデザインに対応する前記下地濃度設定値をデザインの下地の濃度として設定する下地濃度設定工程と、
前記下地濃度設定工程で設定された下地の濃度に基づいて、印刷装置の印刷部により前記爪に下地を印刷する印刷工程と、
前記下地濃度設定工程により設定された下地の濃度で下地印刷した場合の、前記爪に印刷するデザインをプレビュー表示する表示工程と、
ユーザ操作に基づいて、前記下地濃度設定工程により設定された下地の濃度を変更する濃度変更工程と、
を実行することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項3】
コンピュータを、
爪の画像を取得する取得手段と、
複数のデザインと各デザインの下地濃度設定値とが対応付けられた第1の下地濃度テーブルを予め記憶する記憶手段と、
前記複数のデザインから1つのデザインを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたデザインに対応する前記下地濃度設定値をデザインの下地の濃度として設定する下地濃度設定手段、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度に基づいて、印刷装置の印刷部により前記爪に下地を印刷する印刷手段、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度で下地印刷した場合の、前記爪に印刷するデザインをプレビュー表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度を変更する濃度変更手段と、
として機能させることを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
【請求項4】
爪の画像を取得する取得手段と、
複数のデザインと各デザインの下地濃度設定値とが対応付けられた第1の下地濃度テーブルと、複数のデザイン濃度値と複数の下地濃度設定値とが対応付けられた第2の下地濃度テーブルと、を予め記憶する記憶手段と、
前記複数のデザインから1つのデザインを選択する選択手段と、
前記爪に印刷するデザインの濃度を取得するデザイン濃度取得手段を備え、
前記第1の下地濃度テーブル又は前記第2の下地濃度テーブルに基づいて、前記選択手段によって選択されたデザインに対応する下地濃度設定値をデザインの下地の濃度として設定する下地濃度設定手段と、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度に基づいて、前記爪に下地を印刷する印刷手段と、
を備え、
前記下地濃度設定手段は、前記第2の下地濃度テーブルに基づいて、隣り合う2つのデザイン濃度値間の数値に対応する下地濃度設定値を線形補完により算出することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項5】
コンピュータが、
爪の画像を取得する取得工程と、
複数のデザインと各デザインの下地濃度設定値とが対応付けられた第1の下地濃度テーブルと、複数のデザイン濃度値と複数の下地濃度設定値とが対応付けられた第2の下地濃度テーブルと、を予め記憶する記憶工程と、
前記複数のデザインから1つのデザインを選択する選択工程と、
前記爪に印刷するデザインの濃度を取得するデザイン濃度取得工程を備え、
前記第1の下地濃度テーブル又は前記第2の下地濃度テーブルに基づいて、前記選択工程によって選択されたデザインに対応する下地濃度設定値をデザインの下地の濃度として設定する下地濃度設定工程と、
前記下地濃度設定工程により設定された下地の濃度に基づいて、前記爪に下地を印刷する印刷工程と、
を実行し、
前記下地濃度設定工程は、前記第2の下地濃度テーブルに基づいて、隣り合う2つのデザイン濃度値間の数値に対応する下地濃度設定値を線形補完により算出することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
コンピュータを、
爪の画像を取得する取得手段と、
複数のデザインと各デザインの下地濃度設定値とが対応付けられた第1の下地濃度テーブルと、複数のデザイン濃度値と複数の下地濃度設定値とが対応付けられた第2の下地濃度テーブルと、を予め記憶する記憶手段と、
前記複数のデザインから1つのデザインを選択する選択手段と、
前記爪に印刷するデザインの濃度を取得するデザイン濃度取得手段を備え、
前記第1の下地濃度テーブル又は前記第2の下地濃度テーブルに基づいて、前記選択手段によって選択されたデザインに対応する下地濃度設定値をデザインの下地の濃度として設定する下地濃度設定手段と、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度に基づいて、前記爪に下地を印刷する印刷手段と、
として機能させ、
前記下地濃度設定手段は、前記第2の下地濃度テーブルに基づいて、隣り合う2つのデザイン濃度値間の数値に対応する下地濃度設定値を線形補完により算出することを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光透過性のインクを吐出して人の指の爪等の印刷対象にデザインを印刷する印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の印刷装置において、予め爪に白インク等で下地印刷を行い、カラーインクで色印刷(デザイン印刷)を行う場合がある。下地印刷では、カラーインクの発色をさせるために、所定濃度の下地が得られるよう白インク等の塗布量が一定値に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-67127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、下地の濃度はデザイン印刷後の見栄えに影響する。また、この影響度合いは、カラー印刷において濃度の薄い色を印刷する場合と濃度の濃い印刷をする場合とで異なる。薄い色の場合は下地の色が強く影響するが、濃い色の場合は薄い色ほど下地の影響が出ない。
そのため、下地の濃度を一定としてしまうと、色合いや透け感といった見栄えが必ずしも好適なものとならないおそれがある。
【0005】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、好適な見栄えを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の印刷装置は、
爪の画像を取得する取得手段と、
前記爪に下地を印刷する印刷部と、
複数のデザインと各デザインの下地濃度設定値とが対応付けられた第1の下地濃度テーブルを予め記憶する記憶手段と、
前記複数のデザインから1つのデザインを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたデザインに対応する前記下地濃度設定値をデザインの下地の濃度として設定する下地濃度設定手段と、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度で前記爪における印刷領域全域に下地を印刷する印刷手段と、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度で下地印刷した場合の、前記爪に印刷するデザインをプレビュー表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度を変更する濃度変更手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、好適な見栄えを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態におけるネイルプリント装置の要部外観構成を示す斜視図である。
図2】実施形態におけるネイルプリント装置と端末装置の概略の制御構成を示す制御ブロック図である。
図3】実施形態における下地濃度テーブルの一例を示す図である。
図4】実施形態における印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図5】実施形態における下地濃度テーブルの変形例を示す図である。
図6】実施形態における下地濃度テーブルの他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から図6を参照しつつ、本発明に係る印刷装置の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、印刷装置が手の指の爪を印刷対象としてこれに印刷するネイルプリント装置である場合を例に説明するが、本発明における印刷装置の印刷対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を印刷対象としてもよい。また、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、爪以外のものを印刷対象としてもよい。
【0010】
図1は、ネイルプリント装置1の要部外観構成を示す斜視図である。
なお、以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、図1に示した向きをいうものとする。また、X方向は左右方向、Y方向は前後方向をいうものとする。
【0011】
図1に示すように、ネイルプリント装置1は、ほぼ箱形に形成された筐体2を有している。
筐体2は、前面側(ネイルプリント装置1の正面側、図1において前側)の下側部分に、左右方向(ネイルプリント装置1の横方向、図1において左右方向、X方向)のほぼ全面に亘って形成された開口部21を有している。また、筐体2の左右方向のほぼ中央部には、開口部21の上側に連続して切り欠き部22が形成されている。切り欠き部22は、後述する印刷ヘッド41を装置に対して着脱する際の出入口として機能する。
なお、図示はしないが、筐体2は、開口部21や切り欠き部22を覆うカバー部材等を備えていてもよい。カバー部材は、筐体2とは別体に分離されたものであってもよいし、例えば筐体2に対してヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられていてもよい。
【0012】
また、筐体2の上面(天板)には、ネイルプリント装置1の操作部12が設けられている。操作部12は、例えばネイルプリント装置1の電源をON/OFFする操作ボタン(電源スイッチボタン)である。操作部12が操作されると、操作信号が後述の制御装置80に出力され、制御装置80が操作信号に従った制御を行い、ネイルプリント装置1の各部を動作させる。例えば操作部12が電源スイッチボタンである場合、ボタン操作に応じてネイルプリント装置1の電源がON/OFFされる。
なお、操作部12に代えて、後述する端末装置9の操作部91から入力された操作信号に従ってネイルプリント装置1の各部が動作するようにしてもよい。
筐体2各部の形状や各部の配置等は、図示例に限定されず、適宜設定可能である。例えば、操作部12は、筐体2の上面ではなく側面や背面等に設けられていてもよい。また、筐体2にはその他各種の操作ボタンが操作部12として設けられていてもよいし、各種表示部やインジケータ等が設けられていてもよい。
【0013】
筐体2の内部には、装置本体10が収容されている。
装置本体10は、基台11と、これに取り付けられた指固定部6、印刷部40等を備えている。
【0014】
指固定部6は、基台11における装置前面側の左右方向(X方向)のほぼ中央部に配置されており、本実施形態における印刷対象である爪を有する指(印刷指)を印刷に適した領域内に固定する。
指固定部6は、装置前面側に開口部61を有している。また指固定部6の内部には、指固定部材62が設けられている。指固定部材62は、開口部61から挿入された指を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。
指固定部6の上面には開口部61から挿入され指固定部材62により保持された指の爪部分を露出させる窓部63が形成されている。
【0015】
印刷部40は、印刷対象である爪に印刷を施す印刷手段である。
印刷部40は、印刷動作を行う印刷ヘッド41及びこれを備えた印刷ヘッドユニット42を移動させるためのヘッド移動機構49(図2参照)を備えている。
【0016】
本実施形態の印刷ヘッド41は、爪表面に対向する面がインクを吐出させる複数のノズル口を備えたインク吐出面(いずれも図示せず)となっており、インクを微滴化し、インク吐出面から印刷対象(爪)の被印刷面である爪表面に対して直接にインクを吹き付けて印刷を行うインクジェット方式のインクジェットヘッドである。印刷ヘッド41の構成は特に限定されないが、例えばインク吐出面等の吐出機構部とインクカートリッジ(いずれも図示せず)とが一体となったカートリッジ一体型のヘッドである。
印刷ヘッド41は、例えば、シアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW)のインクを吐出可能となっている。また、本実施形態の印刷ヘッド41は、下地塗料としての白インクも吐出可能となっている。インクジェット印刷では、色合いに下地の色が大きく影響するため、白色の下地を印刷しておくと綺麗な発色を得ることができる。なお、印刷ヘッド41に備えられるインクの種類はこれに限定されない。
【0017】
ヘッド移動機構49は、印刷ヘッド41を装置の左右方向(X方向)に移動させるための図示しないX方向移動機構及び印刷ヘッド41を装置の前後方向(Y方向)に移動させるための図示しないY方向移動機構からなる。
X方向移動機構は、X方向移動モータ46(図2参照)を含んでおり、X方向移動モータ46が駆動することにより印刷ヘッド41を装置の左右方向(X方向)に移動させる。また、Y方向移動機構は、Y方向移動モータ48(図2参照)を含んでおり、Y方向移動モータ48が駆動することにより印刷ヘッド41を装置の前後方向(Y方向)に移動させる。
【0018】
また、筐体2の上面(天板)の内側であって、指固定部6の窓部63の上方位置には、窓部63から露出する爪(爪を含む指)を撮影して爪の画像(爪を含む指の画像、以下「爪画像」という。)を取得する撮影部50が設けられている。
撮影部50は、例えばカメラ等である撮影装置51と、撮影対象である爪を照明する白色LED等で構成された照明装置52とを備えている(図2参照)。
撮影装置51は、例えば、200万画素以上の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)型やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型等の固体撮影素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。
なお、撮影部50は、指固定部6に載置された指の爪を撮影可能な位置に設けられていればよく、具体的な配置は特に限定されない。例えば、撮影部50は、印刷ヘッド41を移動させるヘッド移動機構49によってXY方向に移動可能に構成されていてもよい。
【0019】
図2は、ネイルプリント装置1と後述の端末装置9の概略の制御構成を示す制御ブロック図である。
この図に示すように、ネイルプリント装置1は、上述した印刷部40及び撮影部50のほかに、通信部55と、制御装置80とを備えている。
【0020】
通信部55は、ネイルプリント装置1と連携して動作する後述の端末装置9との間で情報の送受信が可能に構成されたものである。
ネイルプリント装置1と端末装置9との間での通信は、例えば無線LAN等により行われる。なお、ネイルプリント装置1と端末装置9との間での通信はこれに限定されず、いかなる方式によるものでもよい。例えば、インターネット等のネットワーク回線を使うものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信規格に基づく無線通信を行うものであってもよい。また、この通信は無線に限定されず、有線接続により両者間で各種データの送受信が可能な構成としてもよい。通信部55は端末装置9の通信方式に対応するアンテナチップ等を備えている。
【0021】
制御装置80は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)821及びRAM(Random Access Memory)822等を有して構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
【0022】
記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROM821には、例えば印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御される。
【0023】
制御部81は、撮影制御部811、印刷制御部813、通信制御部814等の機能部を備えている。これら各機能部の機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROM821に記憶されたプログラムとの協働によって実現される。
【0024】
撮影制御部811は、撮影部50の撮影装置51及び照明装置52を制御し、撮影装置51により、指固定部6に固定された印刷指の爪の画像を含む指の画像(爪画像)を撮影させる。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、通信部55を介して後述の端末装置9に送信される。なお、画像データは記憶部82に記憶されてもよい。
【0025】
印刷制御部813は、後述の端末装置9から送信された印刷用データに基づいて印刷部40に制御信号を出力し、爪に対してこの印刷用データにしたがった印刷を施すように印刷部40のX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48、印刷ヘッド41等を制御する。
【0026】
通信制御部814は、通信部55の動作を制御するものである。本実施形態では、通信制御部814は、後述の端末装置9との間での通信を制御し、当該端末装置9から印刷用データ等が送信された場合にこれを受信する。
【0027】
また、本実施形態のネイルプリント装置1は、端末装置9との間で通信可能に構成されており、端末装置9からの動作指令に基づいて印刷動作等を実行する。
【0028】
端末装置9は、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末である。ただし、端末装置9は、ネイルプリント装置1と通信可能なものであれば特に限定されず、例えばノート型又は定置型のパソコンや、ゲーム用の端末装置等であってもよい。
具体的に、端末装置9は、操作部91、表示部92、通信部94、制御装置95等を備えている。
【0029】
操作部91は、ユーザの操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、操作部91が操作されると、当該操作に対応する入力信号が制御装置95に送信される。なお、本実施形態では表示部92の表面にタッチパネルが一体的に設けられており、ユーザはタッチパネルへのタッチ操作によっても各種の入力・設定等の操作を行うことができるようになっている。
なお、各種の入力・設定等の操作を行う操作部91はタッチパネルである場合に限定されない。例えば各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等が操作部91として設けられていてもよい。
本実施形態では、ユーザが操作部91を操作することで、爪に印刷するネイルデザインの選択等ができる。
【0030】
表示部92に構成されているタッチパネルは、後述する制御部96の制御にしたがって各種の表示画面を表示させる。
本実施形態では、表示部92には、ユーザが操作部91から入力・選択したネイルデザインや、ネイルプリント装置1から送信された画像等が表示可能となっている。
【0031】
通信部94は、ネイルプリント装置1に対して印刷用データを送信することが可能となっている。また、通信部94は、ネイルプリント装置1から爪画像等のデータが送信されたときには、これを受信する。通信部94は、ネイルプリント装置1の通信部55との間で通信可能な無線通信モジュール等を備えている。
なお、通信部94は、ネイルプリント装置1との間で通信を行うことのできるものであればよく、ネイルプリント装置1の通信部55の通信規格と合致するものが適用される。
【0032】
制御装置95は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等により構成される制御部96と、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶部97とを備えるコンピュータである。
【0033】
制御部96は、端末装置9の各部の動作を統合的に制御する。制御部96は、記憶部97に記憶されたプログラムとの協働により、爪への印刷を行うための各種機能を実現する。
【0034】
記憶部97には、端末装置9の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的に、本実施形態の記憶部97には、端末装置9の各部を統括制御するための動作プログラムの他、ネイルプリント装置1を用いたネイルプリントを行うためのネイルプリントアプリケーションプログラム等の各種プログラムが格納されており、制御装置95がこれらのプログラムを例えば記憶部97の作業領域に展開して実行することによって、端末装置9が制御される。
【0035】
また、本実施形態の記憶部97には、デザインデータ971と下地濃度テーブル972が予め記憶されている。
デザインデータ971は、複数のネイルデザイン(装飾)のデータであり、各ネイルデザインの画素ごとのCMYの濃度情報等を含む。
下地濃度テーブル972は、図3に示すように、複数のネイルデザインと、各装飾の下地濃度設定値とが対応付けられたテーブルである。下地濃度設定値とは、或る基準の下地濃度を100とした場合における下地濃度の設定値である。図3の例では、下地濃度設定値として印字割合が設定されている。例えば、デザインAが選択された場合は100%の塗布量(全面ベタで1回印刷)で、デザインBが選択された場合は200%の塗布量(全面ベタで2回分の印刷)で、下地の印刷が行われる。ただし、下地濃度設定値は、下地の塗布量が取得できるものであれば、数値でなく記号等であってもよい。また、下地濃度値が下地塗布量と比例する場合(比例しない場合であって、多少の数値のずれが印刷品位に影響を及ぼさないような場合を含む)には、下地濃度設定値に代えて下地塗布量を用いてもよい。また、下地濃度テーブル972は、デザインデータ971に含まれていてもよい。
【0036】
続いて、爪への印刷を実行する際のネイルプリント装置1の動作について説明する。
図4は、ネイルプリント装置1の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
この図に示すように、印刷処理が実行されると、まず端末装置9の制御部96は、ユーザ操作に基づいて、ネイルデザインを選択する(ステップS1)。ここでは、制御部96は、デザインデータ971内の複数のネイルデザインの画像を表示部92に表示させる。ユーザは、操作部91を操作して、表示された複数のデザイン画像のなかから所望のネイルデザインを選択する。
【0037】
次に、制御部96は、下地濃度設定値を取得する(ステップS2)。
ここでは、制御部96は、記憶部97から下地濃度テーブル972を読み出し、ステップS1で選択されたネイルデザインに対応する下地濃度設定値を下地濃度テーブル972から取得して設定する。
なお、ここでは、下地濃度設定値(下地の濃度)が設定されれば、それがネイルデザインに対応したものでなくともよく、例えば後述するように爪の色(の濃度)に対応したものであってもよい。
【0038】
次に、制御部96は、設定された下地濃度設定値で下地印刷したときのネイルデザインを表示部92にプレビュー表示する(ステップS3)。
【0039】
次に、制御部96は、ユーザ操作に基づいて、下地濃度設定値が変更操作されるか否かを判定する(ステップS4)。
ここでは、ユーザは、プレビュー表示されたネイルデザインを見ながら、例えばデザインをより明瞭にしたり、より透明感を出したりして、その色合いや透け感などを変化させたい場合に、操作部91を操作して下地の濃度を設定値から増減させる。
そして、下地濃度設定値が変更操作されたと判定した場合(ステップS4;Yes)、制御部96は、ユーザ操作に応じて下地濃度設定値を変更した後に(ステップS5)、上述のステップS3に処理を移行して、変更後の下地濃度設定値で下地印刷したときのネイルデザインをプレビュー表示する。
【0040】
また、ステップS4において、下地濃度設定値が変更操作されないと判定した場合(ステップS4;No)、制御部96は、設定された下地濃度設定値から下地の塗布量を決定する(ステップS6)。決定された下地の塗布量の情報は、通信部94を通じてネイルプリント装置1に送信される。
【0041】
次に、ネイルプリント装置1の制御部81は、ユーザにより指固定部6に配置された指(印刷指)の爪を撮影部50により撮影する(ステップS7)。制御部81は、この撮影により印刷指の爪画像を取得し、この爪画像から爪の形状(爪領域)を認識(検出)して記憶部82に記憶させる。
【0042】
次に、制御部81は、印刷指に白色の下地塗料(白インク)を印刷する(ステップS8)。
ここでは、制御部81は、ステップS7で認識した爪領域のうち、予め設定されている印刷領域(ネイルデザインを施す領域)に対して、印刷部40により下地印刷を実行する。下地印刷を施す下地領域の範囲は特に限定されず、爪の全部でも一部でもよいし、検出された爪領域と一対一で対応していなくともよい。
なお、下地印刷後に、必要に応じて、白インクの乾燥や、白インク上への色インク用の受容層の塗布を行ってもよい。これらを行う際に印刷指が指固定部6から外された場合には、印刷指が指固定部6に再び配置されたときに、撮影部50により印刷指の爪を再度撮影して爪画像を取得し、白色の下地領域を認識してもよい。
【0043】
次に、制御部81は、印刷領域(下地領域)に対して所定のデザイン印刷が実行されるように、ネイルデザインのデータに基づいて印刷データを生成し、印刷部40によりデザイン印刷を実行する(ステップS9)。
その後、制御部81は、印刷処理を終了させる。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、ネイルデザインの下地の濃度が設定され、この下地の濃度に基づいて下地が印刷される。
これにより、下地の濃度で変化する色合いや透け感といった見栄えを、好適なものとすることができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、ネイルデザインに基づいて下地の濃度が設定され、この下地の濃度に基づいて下地が印刷される。
これにより、ネイルデザインに対応した濃度で下地を印刷できる。したがって、下地の濃度で変化する色合いや透け感といった見栄えを、デザインに対応した好適なものとすることができる。
また、従来は、薄い色のデザイン印刷であっても綺麗に発色させるために比較的に多くの下地塗料を塗布しており、この量が基準となっていた。そのため、下地の影響が相対的に小さい濃い色のデザイン印刷の場合には、無駄な量の下地塗料を塗布することになっていた。この点、本実施形態では、デザインに対応した濃度の下地が塗布されるため、従来に比べて下地塗料を節約でき、ひいては、その塗布に係る分だけ印刷時間を短縮できる。
【0046】
また、本実施形態によれば、設定された下地の濃度で下地印刷した場合のネイルデザインが表示部にプレビュー表示され、ユーザは、これを見ながら下地の濃度を変更できる。
したがって、ユーザは、色合いや透け感といったネイルデザインの見栄えを、簡便に所望のものに調整できる。
【0047】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0048】
例えば、本実施形態では、印刷処理のステップS2において、ネイルデザインと下地濃度設定値とが対応付けられた下地濃度テーブル972を用いて下地濃度設定値を取得することとした。しかし、このステップでは、ネイルデザインの濃度に応じて下地濃度設定値を設定してもよい。
これにより、例えばユーザが自作したものなど、下地濃度が設定されていないネイルデザインに対しても、好適な下地濃度を設定できる。ひいては、色合いや透け感といった見栄えをこのネイルデザインに適したものとすることができ、さらに、下地塗料が一定であった従来に比べて下地塗料をより一層節約できる。
この場合、まず制御部96は、選択されたネイルデザインのデータから、当該ネイルデザインの基準濃度値を取得する。基準濃度値は、デザインデータ971に含まれる画素ごとの濃度情報を用いて算出する。このときには、デザイン全体の濃度平均値を基準濃度値としてもよいし、デザインとして支配的な領域の濃度値(例えば最も面積の多い濃度値)を基準濃度値としてもよいし、ネイルデザインの濃度分布に応じて複数の領域に基準濃度値を分布させてもよい。基準濃度値を分布させる場合には、デザインの所定の濃度範囲ごとに複数の領域に区分してもよい。また、各画素の濃度の算出手法は特に限定されず、例えばCMYの3色の場合には、各色の濃度の平均値又は合算値を用いてもよいし、CMだけの濃度の平均値又は合算値を用いてもよいし、各色の濃度のうちの最高濃度を用いるなどしてもよい。なお、これに先立って爪の画像を撮影して爪領域を取得しておき、ネイルデザインを爪領域にフィッティングしてから、この爪領域内のデザインの基準濃度値を取得してもよい。
次に、制御部96は、例えば図5に示すような下地濃度テーブル972Aに基づいて、取得したネイルデザインの基準濃度値から下地濃度設定値を取得して設定する。下地濃度テーブル972Aは、基準濃度値の範囲と、そのときの下地濃度設定値とが対応付けられたテーブルであり、記憶部97に予め記憶されている。図5の例では、基準濃度値が30未満の場合は300%の塗布量(全面ベタで3回分の印刷)、30以上60未満の場合は200%の塗布量(全面ベタで2回分の印刷)、60以上90未満の場合は100%の塗布量(全面ベタで1回印刷)、90以上の場合は50%の塗布量となるように、下地濃度設定値が設定される。塗布量を減らす場合には、その割合だけ噴射数を減らしてもよいし、噴射する1ドットの量を減らしてもよい。また、塗布量を増やす場合には、複数回の重ね塗りに代えて、マルチパス方式などを利用して複数回重ね塗り相当のインク噴射量を実現してもよい。
【0049】
また、ネイルデザインの基準濃度値から下地濃度設定値を設定する場合、基準濃度値に応じて下地濃度設定値を補間して求めてもよい。この場合には、例えば図6に示すように、複数の基準濃度値と複数の下地濃度設定値とが対応付けられた下地濃度テーブル972Bを用いる。下地濃度テーブル972Bは記憶部97に予め記憶されている。この下地濃度テーブル972Bに基づいて、隣り合う2つの基準濃度値間の数値に対応する下地濃度設定値を、線形補完により算出する。図6の例では、例えば基準濃度値が0と30の中間の15であった場合、下地濃度設定値を300と200の中間の250に線形補間する。ただし、補間手法は線形補間に限定されない。
これにより、よりネイルデザインの濃度分布に適した下地濃度の設定を行うことができ、デザインが変化する部分における色合いや透け感の連続性を好適に表現できる。
【0050】
また、下地濃度設定値の取得に用いる下地濃度テーブル972、972A、972Bは、全てが記憶部97に予め記憶されていて、いずれか使用するテーブルをユーザが選択できるようにしてもよい。また、下地濃度テーブル972A、972Bは、ネイルデザインの基準濃度値から下地濃度値を取得できればよく、テーブルでなく換算式などであってもよい。
【0051】
また、爪の色(の濃度)に応じて下地の濃度を調整してもよい。具体的には、爪画像から爪の色の情報を取得し、この色の情報に基づいて下地の濃度を変更してもよい。例えば、爪の色が黒め(濃い目)の場合には下地濃度を濃くするなどとしてもよい。これにより、爪の色にも対応した好適な色合いのネイルデザインを実現できる。
【0052】
また、本実施形態では、ユーザが、プレビュー表示されたネイルデザインを見ながら下地の濃度を変更できることとした。しかし、プレビュー表示等に依らず、ユーザがネイルデザインに応じて下地の濃度を適宜調整(選択)できるように構成してもよい。
【0053】
また、本実施形態では、下地塗料に白インクを用いることとしたが、白色以外の下地色を用いてもよい。例えば、薄ピンク色や薄青色など、白色の入った不透明色を下地色としてもよい。この場合、下地濃度テーブルは下地色に対応した下地濃度設定値を有するものとする。
【0054】
また、本実施形態では、ネイルプリント装置1が端末装置9と連携して印刷システムを構成し、ネイルデザインの選択等を端末装置9側で行った上で、印刷動作をネイルプリント装置1側で実行する場合を例示したが、ネイルプリント装置1はここに示すようなものに限定されない。
例えば、ユーザがネイルプリント装置1の操作部や表示部により各種操作等を行い、ネイルプリント装置1の制御装置がこれらの処理を行うようにしてもよい。このように構成した場合には、端末装置9と連携することなく、ネイルプリント装置1が単体で印刷動作を完結できるように構成することもできる。また、ネイルプリント装置1と端末装置9との連携の度合い(処理の分担程度)を本実施形態のものから変更してもよく、例えば撮影や印刷以外の殆どの処理を端末装置9が担ってもよい。
【0055】
また、ネイルデザインや撮影された爪の画像、爪の形状情報等の各種データは、端末装置の記憶部に記憶されてもよいし、ネイルプリント装置1の記憶部に記憶されていてもよい。
あるいは、ネットワーク回線等を介して接続可能なサーバ装置等に各種データを記憶させておき、端末装置又はネイルプリント装置1がサーバ装置等にアクセスしてこのデータを参照可能に構成してもよい。このようにすることで、より多くのネイルデザインの中から印刷するデザインを選択することなどが可能となる。
【0056】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
インクを吐出する印刷部と、
前記印刷部により印刷対象に印刷するデザインの下地の濃度を設定する下地濃度設定手段と、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度に基づいて、前記印刷部により前記印刷対象に下地を印刷する下地印刷手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
前記下地濃度設定手段は、前記デザインに基づいて下地の濃度を設定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
ユーザ操作に基づいて前記デザインを選択する選択手段を備え、
前記下地濃度設定手段は、前記選択手段により選択されたデザインに基づいて、下地の濃度を設定することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
複数のデザインと各デザインの下地濃度設定値とが対応付けられた第1の下地濃度テーブルを予め記憶する記憶手段を備え、
前記下地濃度設定手段は、前記第1の下地濃度テーブルに基づいて、前記印刷対象に印刷するデザインに対応する下地濃度設定値を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項5>
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度で下地印刷した場合の、前記印刷対象に印刷するデザインをプレビュー表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度を変更する濃度変更手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項6>
前記印刷対象に印刷するデザインの濃度を取得するデザイン濃度取得手段を備え、
前記下地濃度設定手段は、前記デザイン濃度取得手段により取得されたデザインの濃度に基づいて、下地の濃度を設定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項7>
デザインの濃度と下地濃度設定値とが対応付けられた第2の下地濃度テーブルを予め記憶する記憶手段を備え、
前記下地濃度設定手段は、前記第2の下地濃度テーブルに基づいて、前記デザイン濃度取得手段により取得されたデザインの濃度に対応する下地濃度設定値を取得することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
<請求項8>
前記第2の下地濃度テーブルは、複数のデザイン濃度値と、複数の下地濃度設定値とが対応付けられており、
前記下地濃度設定手段は、前記第2の下地濃度テーブルに基づいて、隣り合う2つのデザイン濃度値間の数値に対応する下地濃度設定値を線形補完により算出することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
<請求項9>
前記下地濃度設定手段は、デザインの濃度分布に応じて、前記印刷対象の複数の領域に下地の濃度を分布させることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項10>
インクを吐出する印刷部を備える印刷装置の制御方法であって、
制御手段が、
前記印刷部により印刷対象に印刷するデザインの下地の濃度を設定する下地濃度設定工程と、
前記下地濃度設定工程で設定された下地の濃度に基づいて、前記印刷部により前記印刷対象に下地を印刷する下地印刷工程と、
を実行することを特徴とする印刷装置の制御方法。
<請求項11>
インクを吐出する印刷部を備える印刷装置の制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記印刷部により印刷対象に印刷するデザインの下地の濃度を設定する下地濃度設定手段、
前記下地濃度設定手段により設定された下地の濃度に基づいて、前記印刷部により前記印刷対象に下地を印刷する下地印刷手段、
として機能させることを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
【符号の説明】
【0057】
1 ネイルプリント装置
9 端末装置
40 印刷部
80 制御装置
81 制御部
82 記憶部
91 操作部
92 表示部
95 制御装置
96 制御部
97 記憶部
971 デザインデータ
972、972A、972B 下地濃度テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6