IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特許7589797証跡収集システム、証跡収集方法、証跡提供装置、証跡提供方法、及びプログラム
<>
  • 特許-証跡収集システム、証跡収集方法、証跡提供装置、証跡提供方法、及びプログラム 図1
  • 特許-証跡収集システム、証跡収集方法、証跡提供装置、証跡提供方法、及びプログラム 図2
  • 特許-証跡収集システム、証跡収集方法、証跡提供装置、証跡提供方法、及びプログラム 図3
  • 特許-証跡収集システム、証跡収集方法、証跡提供装置、証跡提供方法、及びプログラム 図4
  • 特許-証跡収集システム、証跡収集方法、証跡提供装置、証跡提供方法、及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】証跡収集システム、証跡収集方法、証跡提供装置、証跡提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20241119BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241119BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023506645
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2021011211
(87)【国際公開番号】W WO2022195824
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】伊奈 圭介
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2005/098696(JP,A1)
【文献】国際公開第2018/230305(WO,A1)
【文献】特開2009-027543(JP,A)
【文献】特開2017-117396(JP,A)
【文献】特開2009-212570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証跡提供装置と証跡取得装置を有し、
前記証跡取得装置は、
被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取る読取部と、
前記第1識別情報を含むリクエストを送信する送信部と、
レスポンスを受信する受信部と、を有し、
前記証跡提供装置は、
前記リクエストを受信する受信部と、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含む前記レスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含む前記レスポンスを送信する送信部と、を有し、
前記証跡提供装置は、前記被管理物体であるか、又は、前記被管理物体の内部に設けられている、証跡収集システム。
【請求項2】
前記証跡取得装置は、無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記証跡取得装置の前記送信部は、前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記証跡提供装置の前記受信部は、前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエスト及び前記レスポンスは、前記無線 LAN を介して送信される、請求項1に記載の証跡収集システム。
【請求項3】
証跡提供装置と証跡取得装置を有し、
前記証跡取得装置は、
被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取る読取部と、
前記第1識別情報を含むリクエストを送信する送信部と、
レスポンスを受信する受信部と、を有し、
前記証跡提供装置は、
前記リクエストを受信する受信部と、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含む前記レスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含む前記レスポンスを送信する送信部と、を有し、
前記証跡取得装置の前記送信部は、前記第1識別情報に対応する公開鍵で前記リクエストを暗号化し、
前記証跡提供装置の前記受信部は、前記証跡提供装置の秘密鍵で前記リクエストを復号する、証跡収集システム。
【請求項4】
証跡提供装置と証跡取得装置を有し、
前記証跡取得装置は、
被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取る読取部と、
前記第1識別情報を含むリクエストを送信する送信部と、
レスポンスを受信する受信部と、を有し、
前記証跡提供装置は、
前記リクエストを受信する受信部と、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含む前記レスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含む前記レスポンスを送信する送信部と、を有し、
前記証跡提供装置の前記送信部は、
前記証跡提供装置の秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、
その電子署名を前記レスポンスに含めて送信し、
前記証跡取得装置の前記受信部は、
前記レスポンスに含まれている前記電子署名を、前記第1識別情報に対応する公開鍵で復号し、
前記復号によって得られたデータが、前記レスポンスに含まれる前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値と一致するか否かを判定する、証跡収集システム。
【請求項5】
証跡提供装置と証跡取得装置によって実行される証跡収集方法であって、
前記証跡取得装置が、被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取り、
前記証跡取得装置が、前記第1識別情報を含むリクエストを送信し、
前記証跡提供装置が、前記リクエストを受信し、
前記証跡提供装置が、前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定し、
前記証跡提供装置が、前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信し、
前記証跡取得装置が、前記レスポンスを受信し、
前記証跡提供装置は、前記被管理物体であるか、又は、前記被管理物体の内部に設けられている、証跡収集方法。
【請求項6】
前記証跡取得装置は、無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記証跡取得装置が、前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記証跡提供装置が、前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエスト及び前記レスポンスは、前記無線 LAN を介して送信される、請求項5に記載の証跡収集方法。
【請求項7】
証跡提供装置と証跡取得装置によって実行される証跡収集方法であって、
前記証跡取得装置が、被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取り、
前記証跡取得装置が、前記第1識別情報を含むリクエストを送信し、
前記証跡提供装置が、前記リクエストを受信し、
前記証跡提供装置が、前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定し、
前記証跡提供装置が、前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信し、
前記証跡取得装置が、前記レスポンスを受信し、
前記証跡取得装置が、前記第1識別情報に対応する公開鍵で前記リクエストを暗号化し、
前記証跡提供装置が、前記証跡提供装置の秘密鍵で前記リクエストを復号する、証跡収集方法。
【請求項8】
証跡提供装置と証跡取得装置によって実行される証跡収集方法であって、
前記証跡取得装置が、被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取り、
前記証跡取得装置が、前記第1識別情報を含むリクエストを送信し、
前記証跡提供装置が、前記リクエストを受信し、
前記証跡提供装置が、前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定し、
前記証跡提供装置が、前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信し、
前記証跡取得装置が、前記レスポンスを受信し、
前記証跡提供装置が、
前記証跡提供装置の秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、
その電子署名を前記レスポンスに含めて送信し、
前記証跡取得装置が、
前記レスポンスに含まれている前記電子署名を、前記第1識別情報に対応する公開鍵で復号し、
前記復号によって得られたデータが、前記レスポンスに含まれる前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値と一致するか否かを判定する、証跡収集方法。
【請求項9】
証跡提供装置であって、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信部と、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、当該証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、当該証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信部と、を有し、
前記証跡提供装置は、前記被管理物体であるか、又は、前記被管理物体の内部に設けられている、証跡提供装置。
【請求項10】
前記リクエストを送信する装置は、
無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記受信部は、
前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエストを前記無線 LAN を介して受信する、請求項に記載の証跡提供装置。
【請求項11】
証跡提供装置であって、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信部と、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、当該証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、当該証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信部と、を有し、
前記リクエストは、前記第1識別情報に対応する公開鍵で暗号化されており、
前記受信部は、当該証跡提供装置の秘密鍵で前記リクエストを復号する、証跡提供装置。
【請求項12】
証跡提供装置であって、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信部と、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、当該証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、当該証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信部と、を有し、
前記送信部は、前記証跡提供装置の秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、その電子署名を前記レスポンスに含めて送信する、証跡提供装置。
【請求項13】
コンピュータによって実行される証跡提供方法であって、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を有し、
前記コンピュータは、前記被管理物体であるか、又は、前記被管理物体の内部に設けられている、証跡提供方法。
【請求項14】
前記リクエストを送信する装置は、
無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記受信ステップにおいて、
前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエストを前記無線 LAN を介して受信する、請求項13に記載の証跡提供方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行される証跡提供方法であって、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を有し、
前記リクエストは、前記第1識別情報に対応する公開鍵で暗号化されており、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータの秘密鍵で前記リクエストを復号する、証跡提供方法。
【請求項16】
コンピュータによって実行される証跡提供方法であって、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を有し、
前記送信ステップにおいて、前記コンピュータの秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、その電子署名を前記レスポンスに含めて送信する、証跡提供方法。
【請求項17】
コンピュータに、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を実行させ
前記コンピュータは、前記被管理物体であるか、又は、前記被管理物体の内部に設けられている、プログラム。
【請求項18】
前記リクエストを送信する装置は、
無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記受信ステップにおいて、
前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエストを前記無線 LAN を介して受信する、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を実行させ、
前記リクエストは、前記第1識別情報に対応する公開鍵で暗号化されており、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータの秘密鍵で前記リクエストを復号する、プログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を実行させ、
前記送信ステップにおいて、前記コンピュータの秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、その電子署名を前記レスポンスに含めて送信する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は被管理物体の証跡を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスなどの証跡を管理するシステムが開発されている。例えば特許文献1は、各デバイスの証跡をブロックチェーンで管理するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-004391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、デバイスの証跡の登録を行うサーバが、そのデバイスから送信される識別データを受信することを前提としている。本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、被管理物体の証跡を収集するための新たな技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の証跡収集システムは、証跡提供装置と証跡取得装置を有する。
前記証跡取得装置は、被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取る読取部と、前記第1識別情報を含むリクエストを送信する送信部と、レスポンスを受信する受信部と、を有する。
前記証跡提供装置は、前記リクエストを受信する受信部と、前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含む前記レスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含む前記レスポンスを送信する送信部と、を有する。
【0006】
本開示の証跡収集方法は、証跡提供装置と証跡取得装置によって実行される。当該証跡収集方法では、前記証跡取得装置が、被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取る。前記証跡取得装置が、前記第1識別情報を含むリクエストを送信する。前記証跡提供装置が、前記リクエストを受信する。前記証跡提供装置が、前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する。前記証跡提供装置が、前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する。前記証跡取得装置が、前記レスポンスを受信する。
【0007】
本開示の証跡提供装置は、被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信部と、前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、当該証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、当該証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信部と、を有する。
【0008】
本開示の証跡提供方法は、コンピュータによって実行される。当該証跡提供方法は、被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を有する。
【0009】
本開示のコンピュータ可読媒体は、本開示の証跡提供方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納している。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、被管理物体の証跡を収集するための新たな技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1の証跡収集システムの動作の概要を例示する図である。
図2】実施形態1の証跡収集システムの機能構成を例示するブロック図である。
図3】証跡取得装置2100を実現するコンピュータのハードウエア構成を例示するブロック図である。
図4】証跡提供装置2200を実現するコンピュータのハードウエア構成を例示するブロック図である。
図5】実施形態1の証跡収集システムによって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。また、特に説明しない限り、所定値や閾値などといった予め定められている値は、その値を利用する装置からアクセス可能な記憶装置などに予め格納されている。
【0013】
図1は、実施形態1の証跡収集システム2000の動作の概要を例示する図である。ここで、図1は、証跡収集システム2000の概要の理解を容易にするための図であり、証跡収集システム2000の動作は、図1に示したものに限定されない。
【0014】
証跡収集システム2000は、被管理物体10の証跡を管理するためのシステムである。被管理物体10は、その証跡の管理が求められる任意の製品である。例えばこのような製品は、工場やオフィスなどといった種々の施設で運用されている IoT(Internet of Things)機器などである。
【0015】
証跡収集システム2000は、証跡取得装置2100及び証跡提供装置2200を有する。証跡提供装置2200は、被管理物体10に関する証跡を示す証跡情報又はそのハッシュ値を証跡取得装置2100に提供する。ここで、「被管理物体10に関する証跡」とは、被管理物体10がどのように生産されてきたかや、どのように運用されてきたかなどを示す情報(すなわち、被管理物体10の生産過程や運用過程に関する種々の履歴を表す情報)である。被管理物体10に関する証跡の具体例としては、被管理物体10を構成する各部品の品番や製造時刻、被管理物体10の内部に書き込まれているソフトウェア情報やソフトウェアの変更履歴、又は被管理物体10の運用時の操作ログや内部のソフトウェアの動作ログなどが挙げられる。
【0016】
証跡収集システム2000は、被管理物体10そのものであってもよいし、被管理物体10以外であってもよい。被管理物体10が何らかのコンピュータである場合、被管理物体10そのもので証跡収集システム2000を実現することができる。被管理物体10がコンピュータでない場合、例えば、被管理物体10の内部に設けられているコンピュータ(例えば IC(Integrated Circuit)チップなど)で証跡収集システム2000を実現することができる。なお、被管理物体10がコンピュータである場合でも、被管理物体10そのものではなく、被管理物体10の内部に設けられている別のコンピュータで証跡収集システム2000が実現されてもよい。
【0017】
ここで、被管理物体10は複数存在しうる。この場合、複数の被管理物体10それぞれに対応する証跡提供装置2200が存在する。例えば、複数の被管理物体10それぞれの内部に、その被管理物体10に対応する証跡提供装置2200が設けられている。その他にも例えば、各被管理物体10そのもので、その被管理物体10に対応する証跡提供装置2200が実現されている。
【0018】
被管理物体10にはシンボル20が付されている。シンボル20は、被管理物体10の識別情報を表す。例えばシンボル20は、符号化された識別情報を表す任意のコード(バーコードや二次元コードなど)である。その他にも例えば、シンボル20は、被管理物体10の識別情報を表す文字列であってもよい。
【0019】
シンボル20は、シンボル20によって表されている識別情報を読み取り可能な態様で被管理物体10に付されている。そのようにシンボル20を被管理物体10に付す方法は任意である。例えばシンボル20は、被管理物体10の表面に貼り付け、描画、又は印字されている。その他にも例えば、シンボル20は、被管理物体10の表面に刻まれていてもよい。
【0020】
ここで、被管理物体10の識別情報は、証跡提供装置2200の内部に設けられている記憶部2280にも格納されている。そこで、シンボル20によって表されている識別情報を「第1識別情報」と呼び、記憶部2280に格納されている識別情報を「第2識別情報」と呼ぶ。
【0021】
また、証跡提供装置2200の内部に設けられている記憶部2290には、対応する被管理物体10の証跡を表す証跡情報が格納されている。記憶部2280と記憶部2290は、互いに同一の記憶装置で実現されてもよいし、互いに異なる記憶装置で実現されてもよい。
【0022】
証跡取得装置2100は、その証跡を取得したい被管理物体10のシンボル20から第1識別情報を読み取り、その第1識別情報を含むリクエスト40を送信する。リクエスト40は、証跡の提供を要求するリクエストである。
【0023】
前述したように、被管理物体10は複数存在しうる。そこで以下、証跡取得装置2100によって第1識別情報が読み取られた被管理物体10を「対象物体」とも呼び、他の被管理物体10と区別する。
【0024】
各証跡提供装置2200は、リクエスト40を取得し、そのリクエスト40に含まれている第1識別情報が、記憶部2280に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する。これらが一致する場合、証跡提供装置2200は、証跡情報又は証跡情報のハッシュ値を含むレスポンス50を送信する。証跡情報は、証跡の種類、証跡の作成者、証跡の生成日時、及び証跡の内容などといった情報を含む。
【0025】
証跡取得装置2100は、当該レスポンスを受信することで、証跡情報又は証跡情報のハッシュ値を取得する。なお、レスポンス50には、証跡情報と証跡情報のハッシュ値の双方が含まれていてもよい。以下、記載を簡潔にするため、証跡情報又は証跡情報のハッシュ値のことを総称して、証跡関連情報と呼ぶ。
【0026】
<作用効果の一例>
製品の証跡を管理する際、その製品の識別情報とその製品の証跡とを対応づけて管理することが考えられる。また、製品の識別情報を表すシンボルを製品に付しておき、そのシンボルから識別情報を読み取って、証跡の登録に利用することが考えられる。
【0027】
このような運用では、シンボルの付け替えなどによって製品の置き換えが行われてしまう可能性がある。そして、このような置き換えに気づかずに、製品から取得した証跡を登録してしまうと、製品の識別情報と製品の証跡との対応関係が不正になってしまう。すなわち、製品の証跡が不正なものとなってしまう。そのため、シンボルによって表されている識別情報が、そのシンボルが付されている製品の識別情報を正しく表していることを確認した上で、証跡の登録を行えることが好ましい。
【0028】
この点、証跡取得装置2100は、被管理物体10に付されているシンボル20から読み取った第1識別情報を含むリクエスト40を送信する。また、リクエスト40を受信した証跡提供装置2200は、自身の内部に格納されている第2識別情報と、リクエスト40に含まれている第1識別情報とが一致した場合に、証跡関連情報を含むレスポンス50を送信する。このようにすることで、被管理物体10に付されているシンボル20によって表されている識別情報と、被管理物体10に対応する証跡提供装置2200の内部に格納されている識別情報とが一致していることを確認した上で、証跡を取得することができる。よって、製品の証跡の真正性を担保することができる。
【0029】
以下、本実施形態の証跡収集システム2000について、より詳細に説明する。
【0030】
<機能構成の例>
図2は、実施形態1の証跡収集システム2000の機能構成を例示するブロック図である。証跡収集システム2000は、証跡取得装置2100及び証跡提供装置2200を有する。証跡取得装置2100は、読取部2120、送信部2140、及び受信部2160を有する。読取部2120は、被管理物体10のシンボル20から第1識別情報を読み取る。送信部2140は、第1識別情報を含むリクエスト40を送信する。受信部2160は、証跡関連情報を含むレスポンス50を受信する。
【0031】
証跡提供装置2200は、受信部2220、判定部2240、及び送信部2260を有する。受信部2220は、リクエスト40を受信する。判定部2240は、リクエスト40に含まれている第1識別情報と記憶部2280に格納されている第2識別情報とが一致するか否かを判定する。第1識別情報と第2識別情報とが一致する場合、送信部2260は、証跡関連情報を含むレスポンス50を送信する。
【0032】
<証跡取得装置2100のハードウエア構成の例>
証跡取得装置2100の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、証跡取得装置2100の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0033】
図3は、証跡取得装置2100を実現するコンピュータ500のハードウエア構成を例示するブロック図である。コンピュータ500は、任意のコンピュータである。例えばコンピュータ500は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータである。コンピュータ500は、証跡取得装置2100を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。
【0034】
コンピュータ500は、バス502、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及び無線通信インタフェース512を有する。バス502は、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及び無線通信インタフェース512が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ504などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0035】
プロセッサ504は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ506は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス508は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0036】
入出力インタフェース510は、コンピュータ500と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース510には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0037】
無線通信インタフェース512は、コンピュータ500が他のコンピュータと無線通信を行うためのインタフェースである。例えば無線通信インタフェース512は、LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)などのネットワークに無線で接続するためのインタフェースである。その他にも例えば、無線通信インタフェース512は、Bluetooth(登録商標)などの通信規格に従って無線通信を行うためのインタフェースであってもよい。
【0038】
ストレージデバイス508は、証跡取得装置2100の各機能構成部を実現するプログラムを記憶している。プロセッサ504は、このプログラムをメモリ506に読み出して実行することで、証跡取得装置2100の各機能構成部を実現する。
【0039】
このプログラムの取得方法は任意である。例えば、当該プログラムが格納されている記憶媒体(DVD ディスクや USB メモリなど)から、当該プログラムを取得することができる。その他にも例えば、当該プログラムが格納されている記憶装置を管理しているサーバ装置から、当該プログラムをダウンロードすることにより、当該プログラムを取得することができる。
【0040】
証跡取得装置2100は、1つのコンピュータ500で実現されてもよいし、複数のコンピュータ500で実現されてもよい。後者の場合において、各コンピュータ500の構成は同一である必要はなく、それぞれ異なるものとすることができる。
【0041】
<証跡提供装置2200のハードウエア構成の例>
証跡提供装置2200の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、証跡提供装置2200の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0042】
図4は、証跡提供装置2200を実現するコンピュータ600のハードウエア構成を例示するブロック図である。コンピュータ600は、任意のコンピュータである。例えばコンピュータ600は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータである。その他にも、コンピュータ600は、PC(Personal Computer)やサーバマシンなどといった据え置き型のコンピュータである。その他に例えば、コンピュータ600が被管理物体10の内部に設けられているものである場合、コンピュータ600は、SoC(System on a chip)などといった IC チップであってもよい。コンピュータ600は、証跡提供装置2200を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。
【0043】
コンピュータ600は、バス602、プロセッサ604、メモリ606、ストレージデバイス608、入出力インタフェース610、及び無線通信インタフェース612を有する。バス602は、プロセッサ604、メモリ606、ストレージデバイス608、入出力インタフェース610、及び無線通信インタフェース612が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ604などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0044】
プロセッサ604は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ606は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス608は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0045】
入出力インタフェース610は、コンピュータ600と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース610には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0046】
無線通信インタフェース612は、コンピュータ600が他のコンピュータと無線通信を行うためのインタフェースである。例えば無線通信インタフェース612は、LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)などのネットワークに無線で接続するためのインタフェースである。その他にも例えば、無線通信インタフェース612は、Bluetooth(登録商標)などの通信規格に従って無線通信を行うためのインタフェースであってもよい。
【0047】
ここで、無線通信インタフェース512と無線通信インタフェース612は、互いに通信可能に構成される。例えば、無線通信インタフェース512と無線通信インタフェース612は、互いに同じ無線 LAN に接続して、互いに無線通信を行う。その他にも例えば、無線通信インタフェース512と無線通信インタフェース612は、Bluetooth(登録商標)など、同一の無線通信の規格に従って、互いに無線通信を行う。
【0048】
ストレージデバイス608は、証跡提供装置2200の各機能構成部を実現するプログラムを記憶している。プロセッサ604は、このプログラムをメモリ606に読み出して実行することで、証跡提供装置2200の各機能構成部を実現する。
【0049】
このプログラムの取得方法は任意である。例えば、当該プログラムが格納されている記憶媒体(DVD ディスクや USB メモリなど)から、当該プログラムを取得することができる。その他にも例えば、当該プログラムが格納されている記憶装置を管理しているサーバ装置から、当該プログラムをダウンロードすることにより、当該プログラムを取得することができる。
【0050】
記憶部2280や記憶部2290は、証跡提供装置2200が有する任意の記憶装置で実現される。この記憶装置は、ストレージデバイス608であってもよいし、その他の記憶装置であってもよい。ここで、記憶部2280に格納されている第2識別情報が書き換えられたり、記憶部2280が別の記憶装置に置き換えられたりすることを防ぐことが好ましい。そのため、記憶部2280は、耐タンパー性の高い記憶装置で実現されることが好ましい。このような記憶装置としては、例えば、HSM(Hardware security module)を用いて実現された記憶装置が挙げられる。
【0051】
証跡提供装置2200は、1つのコンピュータ600で実現されてもよいし、複数のコンピュータ600で実現されてもよい。後者の場合において、各コンピュータ600の構成は同一である必要はなく、それぞれ異なるものとすることができる。
【0052】
<処理の流れ>
図5は、実施形態1の証跡収集システム2000によって実行される処理の流れを例示するフロー図である。読取部2120は、シンボル20から第1識別情報を読み取る(S102)。送信部2140は、第1識別情報を含むリクエスト40を送信する(S104)。
【0053】
受信部2220は、リクエスト40を受信する(S106)。判定部2240は、リクエスト40に含まれている第1識別情報と、記憶部2280に格納されている第2識別情報とが一致するか否かを判定する(S108)。これらが一致しない場合(S108:NO)、図4のフローは終了する。これらが一致する場合(S108:YES)、送信部2260は、証跡関連情報を含むレスポンス50を送信する(S110)。
【0054】
受信部2160はレスポンス50を受信することで、証跡情報を取得する(S112)。
【0055】
<第1識別情報の読み取り:S102>
読取部2120は、シンボル20から第1識別情報を読み取る(S102)。ここで、シンボルによって表されているデータをそのシンボルから読み取る技術には、種々の既存の技術を利用することができる。例えばシンボル20が、符号化された識別情報を表すコードであるとする。この場合、読取部2120は、当該コードをカメラで撮像することによって得られた画像を取得し、その画像を対象として、当該コードから識別情報を特定するためのデコード処理を行うことにより、第1識別情報を特定する。その他にも例えば、シンボル20が、第1識別情報を表す文字列であるとする。この場合、読取部2120は、当該文字列をカメラで撮像することによって得られた画像を取得し、その画像を対象として文字列認識処理を行うことで、第1識別情報を特定する。
【0056】
このようにシンボル20の画像を取得してその解析を行う場合、証跡取得装置2100は、シンボル20を撮像してその画像を生成するためのカメラを有する。証跡取得装置2100のユーザは、例えば、証跡取得装置2100に設けられているカメラを操作して、そのカメラにシンボル20を撮像させることで、シンボル20から第1識別情報を読み取る処理を証跡取得装置2100に行わせる。
【0057】
その他にも例えば、証跡取得装置2100は、コードから識別情報を読み取ってその識別情報を出力するように構成されているリーダ(バーコードリーダ、二次元コードリーダ、又は OCR(Optical Character Recognition)リーダなど)を有していてもよい。この場合、証跡取得装置2100のユーザは、リーダを操作することで、シンボル20から第1識別情報を読み取る処理をリーダに行わせる。その結果、読取部2120は、リーダから第1識別情報を取得する。
【0058】
<リクエスト40の送信:S104>
送信部2140は、第1識別情報を含むリクエスト40を送信する(S104)。送信部2140は、読取部2120によって第1識別情報が読み取られたことを契機としてリクエスト40の生成及び送信を行ってもよいし、その他のこと(例えば所定のユーザ操作)を契機としてリクエスト40の生成及び送信を行ってもよい。
【0059】
例えば送信部2140は、無線通信でリクエスト40をブロードキャストする。送信部2140が利用する無線通信の方式は任意である。例えば送信部2140は、Bluetooth(登録商標)のアドバタイズパケットとして、リクエスト40をブロードキャストする。その結果、各証跡提供装置2200がリクエスト40を受信する。
【0060】
その他にも例えば、証跡取得装置2100は、無線 LAN 上でリクエスト40をブロードキャストしてもよい。この場合、例えば、証跡取得装置2100が無線 LAN のアクセスポイントとして機能し、各証跡提供装置2200がこのアクセスポイントに接続するようにする。例えば送信部2140は、無線 LAN を介さずに送信可能な方法で(例えば前述した Bluetooth(登録商標)のアドバタイズパケットで)、当該アクセスポイントに接続するための接続情報をブロードキャストする。具体的には、接続情報は、SSID(Service Set Identifier)とキー(パスワード)のペアを示す。各証跡提供装置2200は、接続情報を受信したことに応じ、接続情報に示されているSSID で特定されるアクセスポイントに対し、接続情報に示されているキーを利用して接続するように予め構成されている。
【0061】
このように各証跡提供装置2200がアクセスポイント(証跡取得装置2100)に対して接続すると、その結果として、証跡取得装置2100と各証跡提供装置2200とが、同一の無線 LAN に接続されている状態となる。そこで送信部2140は、当該無線 LAN 上においてリクエスト40をブロードキャストする。各証跡提供装置2200は、このようにしてブロードキャストされたリクエスト40を受信する。なお、このブロードキャストは、L2 レイヤのブロードキャストであってもよいし、L3 レイヤのブロードキャストであってもよい。
【0062】
その他にも例えば、証跡取得装置2100は、証跡提供装置2200が予め接続されている無線 LAN に対して接続し、その後にリクエスト40をブロードキャストしてもよい。例えば、証跡提供装置2200の設置場所の周辺に無線 LAN のアクセスポイントが設けられており、証跡提供装置2200が常時そのアクセスポイントに接続されているとする。この場合、証跡取得装置2100がこのアクセスポイントに接続することにより、証跡取得装置2100と証跡提供装置2200とが同一の無線 LAN に接続されることとなる。そこで送信部2140は、当該無線 LAN 上でリクエスト40をブロードキャストする。
【0063】
このように証跡取得装置2100が無線 LAN への接続を行う場合、証跡取得装置2100は、対象物体に対応する証跡提供装置2200が接続されている無線 LAN について、その無線 LAN に接続するための SSID 及びキーを特定する必要がある。例えば、証跡提供装置2200の識別情報と、その証跡提供装置2200が接続している無線 LAN に接続するための SSID 及びキーとを対応づけた情報を、証跡取得装置2100からアクセス可能な記憶装置に予め格納しておく。送信部2140は、読取部2120によって読み取られた証跡提供装置2200の第1識別情報に対応づけられている SSID 及びキーをこの記憶装置から取得し、これらを利用して無線 LAN に接続する。
【0064】
リクエスト40には、第1識別情報以外の情報がさらに含まれてもよい。例えば送信部2140は、証跡取得装置2100の識別情報をリクエスト40に含める。例えばこのような識別情報には、証跡取得装置2100が予め保持している Bluetooth(登録商標)デバイスアドレス、MAC(Media Accecc Control)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレス、又は UUID(Universally Unique Identifier)などを利用できる。その他にも例えば、送信部2140は、ユニークになる蓋然性が十分に高いデータ(例えば乱数)を生成し、当該データを証跡取得装置2100の識別情報として利用してもよい。
【0065】
その他にも例えば、リクエスト40には、証跡提供装置2200から取得したい証跡情報に関する条件を示す情報(以下、条件情報)が含まれていてもよい。証跡情報に関する条件は、例えば、証跡情報の種々の属性に関する条件とすることができる。証跡情報の属性は、例えば、証跡情報の種類、証跡情報の作成者、又は証跡情報の生成日時などである。
【0066】
送信部2140は、リクエスト40を暗号化してもよい。例えばリクエスト40の暗号化には、読取部2120によって読み取られた第1識別情報に対応づけられている公開鍵が利用される。この場合、証跡提供装置2200の識別情報と、その証跡提供装置2200の公開鍵とを対応づけた情報を、証跡取得装置2100からアクセス可能な記憶装置に予め格納しておく。送信部2140は、この記憶装置から、読取部2120によって読み取られた第1識別情報に対応づけられている公開鍵を取得し、当該公開鍵でリクエスト40を暗号化する。
【0067】
<リクエスト40の受信:S106>
受信部2220は、リクエスト40を受信する(S106)。ここで、ブロードキャストされたデータを受信する技術については、既存の技術を利用することができる。なお、対象物体以外の被管理物体10も証跡取得装置2100の近くに存在する場合、リクエスト40は、対象物体以外の被管理物体10に対応する証跡提供装置2200によっても受信されうる。そのため、以下で説明される証跡提供装置2200の動作は、リクエスト40を受信した各証跡提供装置2200によって実行される。
【0068】
リクエスト40が暗号化されている場合、受信部2220は、リクエスト40の復号を行う。ここで、証跡提供装置2200は、自身の秘密鍵を利用してリクエスト40を復号する。秘密鍵は、証跡提供装置2200が持つ任意の記憶装置(例えば記憶部2280)に格納されている。証跡提供装置2200が自身の秘密鍵でリクエスト40を復号できなかった場合、そのリクエスト40はその証跡提供装置2200を対象としたものではないと考えられる。そこで、リクエスト40を復号できなかった場合、証跡提供装置2200は、リクエスト40に対してそれ以上の処理を行わなくてよい。
【0069】
<識別情報の一致判定:S108>
判定部2240は、リクエスト40が示す第1識別情報と、記憶部2280に格納されている第2識別情報とが一致するか否かを判定する(S108)。これらが一致する場合(S108:YES)、レスポンス50が送信される(すなわち、証跡情報が証跡取得装置2100に対して提供される)。一方、これらが一致しなかった場合(S108:NO)、レスポンス50が送信されない(すなわち、証跡情報が証跡取得装置2100に対して提供されない)。
【0070】
前述したように、リクエスト40は複数の証跡提供装置2200によって受信されうる。ただし、対象物体に対応する証跡提供装置2200以外の証跡提供装置2200では、第1識別情報と第2識別情報とが一致しない。そのため、対象物体以外の被管理物体10についての証跡関連情報は、証跡取得装置2100に対して送信されない。
【0071】
さらに、対象物体に付されているシンボル20が真正なものでない場合(シンボル20が不正に貼り替えられている場合など)、対象物体に対応する証跡提供装置2200であっても、第1識別情報と第2識別情報とが一致せず、証跡関連情報が送信されない。よって、証跡取得装置2100は、対象物体に真正なシンボル20が付されている場合のみ、証跡関連情報を得ることができる。このことから、証跡取得装置2100は、対象物体について、真正な証跡関連情報を取得することができる。言い換えれば、対象物体と証跡関連情報との対応付けについて、その真正性が担保されることになる。
【0072】
<レスポンス50の送信:S110>
第1識別情報と第2識別情報とが一致する場合(S108:YES)、送信部2260は、証跡関連情報を含むレスポンス50を送信する(S110)。レスポンス50を生成するために、送信部2260は、記憶部2290から証跡情報を取得する。ここで、レスポンス50の生成に利用される証跡情報は、記憶部2290に格納されている全ての証跡情報であってもよいし、一部の証跡情報であってもよい。後者の場合、例えば送信部2260は、リクエスト40に含まれている条件情報が示す条件に合致する証跡情報、又はそのハッシュ値を、レスポンス50に含める。その他にも例えば、送信部2260は、事前に定められている条件に合致する証跡情報、又はそのハッシュ値を、レスポンス50に含めてもよい。
【0073】
事前に定める条件としては、任意の条件を採用できる。例えば、「現在を基準として過去所定期間(例えば過去1ヶ月間や過去1年間)に生成された」という条件を採用することが考えられる。
【0074】
証跡情報のハッシュ値をレスポンス50に含める場合、送信部2260は、所定のハッシュ関数を利用して、取得した証跡情報のハッシュ値を算出する。そして、算出したハッシュ値を含むレスポンス50を生成する。なお、レスポンス50には、証跡情報と、証跡情報のハッシュ値の双方が含まれてもよい。
【0075】
レスポンス50は、リクエスト40をブロードキャストした方法と同様の方法でブロードキャストされてもよいし、証跡取得装置2100に対してユニキャストされてもよい。後者の場合、例えば送信部2260は、リクエスト40を受信した際に取得した証跡取得装置2100のアドレスを、宛先のアドレスとして利用する。
【0076】
ここで、レスポンス50がブロードキャストされる場合、証跡取得装置2100は、受信したレスポンス50が、自身が送信したリクエスト40に対するレスポンスであるか否かを判別できる必要がある。そこで例えば、リクエスト40に証跡取得装置2100の識別情報が含まれている場合、送信部2260は、その識別情報をレスポンス50に含める。証跡取得装置2100は、受信したレスポンス50に示されている証跡取得装置2100の識別情報が、自身の識別情報に一致するものであるか否かを判定する。これにより、受信したレスポンス50が、自身が送信したリクエスト40に対するレスポンスであるか否かを判別することができる。
【0077】
なお、証跡関連情報のデータサイズが大きい場合、大きなデータサイズを扱うことが容易な無線通信の方法(例えば無線 LAN を介した通信)を採用することが好ましい。例えば、証跡情報のハッシュ値ではなく、証跡情報自体をレスポンス50に含める場合、データサイズが大きくなる可能性がある。また、このようにデータサイズが大きい場合、1つのリクエスト40に対して複数のレスポンス50が送信されてもよい。
【0078】
送信部2260は、レスポンス50に電子署名を含めてもよい。例えば送信部2260は、当該送信部2260を有する証跡提供装置2200の秘密鍵を利用して、レスポンス50に含める証跡関連情報から、電子署名を生成する。
【0079】
その他にも例えば、送信部2260は、証跡取得装置2100の公開鍵を利用して、レスポンス50を暗号化してもよい。レスポンス50を暗号化するか否かは、予め固定で定められていてもよいし、送信部2260によってその都度判断されてもよい。後者の場合、例えば送信部2260は、受信部2220によって受信されたリクエスト40が暗号化されていた場合には、レスポンス50を暗号化する。一方、受信部2220によって受信されたリクエスト40が暗号化されていなかった場合、送信部2260は、レスポンス50を暗号化しない。
【0080】
レスポンス50の暗号化は、証跡取得装置2100の公開鍵を利用して行われる。例えば証跡取得装置2100の公開鍵は、証跡取得装置2100の識別情報と対応づけて、証跡提供装置2200からアクセス可能な記憶装置に格納されている。送信部2260は、リクエスト40から証跡取得装置2100の識別情報を取得し、上記記憶装置から、その識別情報と対応づけられている公開鍵を取得する。そして、送信部2260は、取得した公開鍵でレスポンス50を暗号化する。
【0081】
<レスポンス50の受信:S112>
受信部2160は、レスポンス50を受信する(S112)。その結果、受信部2160は、レスポンス50に含まれている証跡関連情報を得ることができる。
【0082】
ここで、リクエスト40に証跡取得装置2100の識別情報が含まれる場合、証跡取得装置2100は、レスポンス50に含まれる証跡取得装置2100の識別情報が自身の識別情報と一致する場合のみ、そのレスポンス50に含まれる証跡関連情報を利用するようにしてもよい。こうすることで、複数の証跡取得装置2100が運用されている状況において、各証跡取得装置2100は、自身から送信したリクエスト40に対するレスポンス50を、他の証跡取得装置2100によって送信されたリクエスト40に対するレスポンス50と区別することができる。
【0083】
レスポンス50に電子署名が含まれている場合、受信部2160は、読取部2120によって取得された第1識別情報に対応づけられている証跡提供装置2200の公開鍵を利用して、電子署名を復号する。そして、受信部2160は、復号して得られたデータと、レスポンス50に含まれている証跡関連情報とが一致するか否かを判定する。これらが一致しない場合、証跡関連情報が改ざんされている可能性がある。そのため、証跡取得装置2100は、これらが一致する場合のみ、レスポンス50に含まれている証跡関連情報を利用するようにしてもよい。また、これらが一致しない場合、証跡取得装置2100は、証跡関連情報が改ざんされている可能性がある旨の警告を出力してもよい。
【0084】
レスポンス50が暗号化されている場合、受信部2160は、レスポンス50の復号を行う。レスポンス50の復号には、証跡取得装置2100の秘密鍵が利用される。
【0085】
<その他の機能>
被管理物体10の証跡の真正性をより確実に担保するために、証跡取得装置2100は、レスポンス50を表す無線信号の電波強度に基づいて、そのレスポンス50が対象物体に対応する証跡提供装置2200から送信されたものであるか否かを判別してもよい。ここで、対象物体に付されているシンボル20から第1識別情報を読み取る際、証跡取得装置2100と対象物体に対応する証跡提供装置2200とは互いに近い距離に位置することになる。よって、証跡取得装置2100によって受信される際、対象物体に対応する証跡提供装置2200から送信された無線信号の電波強度は、他の被管理物体10に対応する証跡提供装置2200から送信された無線信号の電波強度と比較して強いと考えられる。
【0086】
そこで証跡取得装置2100は、証跡提供装置2200からレスポンス50を受信した際、そのレスポンス50を表す無線信号の電波強度が閾値以上であるか否かを判定する。無線信号の電波強度が閾値以上ではないと判定された場合、証跡取得装置2100は、受信したレスポンス50が、自身が送信したリクエスト40に対するレスポンスではないと判定する。
【0087】
一方、無線信号の電波強度が閾値以上であると判定された場合、例えば証跡取得装置2100は、受信したレスポンス50が、自身が送信したリクエスト40に対するレスポンスであると判定する。ただしこの場合、証跡取得装置2100は、レスポンス50に含まれる証跡取得装置2100の識別情報などといった他の情報も考慮して、受信したレスポンス50が、自身が送信したリクエスト40に対するレスポンスであるか否かを、さらに精度良く判定してもよい。
【0088】
<取得した証跡の利用例>
証跡提供装置2200から取得した証跡情報又は証跡情報のハッシュ値の利用方法は任意である。例えば、被管理物体10の証跡を、ブロックチェーンなどのセキュアな共有ストレージシステムに格納して共有するシステムが運用されるとする。この場合、証跡取得装置2100を利用して、各被管理物体10についての証跡情報又は証跡情報のハッシュ値を取得し、取得したこれらの情報を上記共有ストレージシステムに格納する。こうすることで、共有ストレージシステムで管理されている証跡の真正性を担保することができる。
【0089】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0090】
なお、上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに提供することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスク ROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに提供されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0091】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
証跡提供装置と証跡取得装置を有し、
前記証跡取得装置は、
被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取る読取部と、
前記第1識別情報を含むリクエストを送信する送信部と、
レスポンスを受信する受信部と、を有し、
前記証跡提供装置は、
前記リクエストを受信する受信部と、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含む前記レスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含む前記レスポンスを送信する送信部と、を有する証跡収集システム。
(付記2)
前記証跡提供装置は、前記被管理物体であるか、又は、前記被管理物体の内部に設けられている、付記1に記載の証跡収集システム。
(付記3)
前記証跡取得装置は、無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記証跡取得装置の前記送信部は、前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記証跡提供装置の前記受信部は、前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエスト及び前記レスポンスは、前記無線 LAN を介して送信される、付記1又は2に記載の証跡収集システム。
(付記4)
前記証跡取得装置の前記送信部は、前記第1識別情報に対応する公開鍵で前記リクエストを暗号化し、
前記証跡提供装置の前記受信部は、前記証跡提供装置の秘密鍵で前記リクエストを復号する、付記1から3いずれか一項に記載の証跡収集システム。
(付記5)
前記証跡提供装置の前記送信部は、
前記証跡提供装置の秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、
その電子署名を前記リクエストに含めて送信し、
前記証跡取得装置の前記受信部は、
前記リクエストに含まれている前記電子署名を、前記第1識別情報に対応する公開鍵で復号し、
前記復号によって得られたデータが、前記レスポンスに含まれる前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値と一致するか否かを判定する、付記1から4いずれか一項に記載の証跡収集システム。
(付記6)
証跡提供装置と証跡取得装置によって実行される証跡収集方法であって、
前記証跡取得装置が、被管理物体に付されているシンボルから、そのシンボルによって表されている第1識別情報を読み取り、
前記証跡取得装置が、前記第1識別情報を含むリクエストを送信し、
前記証跡提供装置が、前記リクエストを受信し、
前記証跡提供装置が、前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定し、
前記証跡提供装置が、前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信し、
前記証跡取得装置が、前記レスポンスを受信する、証跡収集方法。
(付記7)
前記証跡提供装置は、前記被管理物体であるか、又は、前記被管理物体の内部に設けられている、付記6に記載の証跡収集方法。
(付記8)
前記証跡取得装置は、無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記証跡取得装置が、前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記証跡提供装置が、前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエスト及び前記レスポンスは、前記無線 LAN を介して送信される、付記6又は7に記載の証跡収集方法。
(付記9)
前記証跡取得装置が、前記第1識別情報に対応する公開鍵で前記リクエストを暗号化し、
前記証跡提供装置が、前記証跡提供装置の秘密鍵で前記リクエストを復号する、付記6から8いずれか一項に記載の証跡収集方法。
(付記10)
前記証跡提供装置が、
前記証跡提供装置の秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、
その電子署名を前記リクエストに含めて送信し、
前記証跡取得装置が、
前記リクエストに含まれている前記電子署名を、前記第1識別情報に対応する公開鍵で復号し、
前記復号によって得られたデータが、前記レスポンスに含まれる前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値と一致するか否かを判定する、付記6から9いずれか一項に記載の証跡収集方法。
(付記11)
証跡提供装置であって、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信部と、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、当該証跡提供装置に格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、当該証跡提供装置に格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信部と、を有する証跡提供装置。
(付記12)
前記リクエストを送信する装置は、
無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記受信部は、
前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエストを前記無線 LAN を介して受信する、付記11に記載の証跡提供装置。
(付記13)
前記リクエストは、前記第1識別情報に対応する公開鍵で暗号化されており、
前記受信部は、当該証跡提供装置の秘密鍵で前記リクエストを復号する、付記11又は12に記載の証跡提供装置。
(付記14)
前記送信部は、前記証跡提供装置の秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、その電子署名を前記リクエストに含めて送信する、付記11から13いずれか一項に記載の証跡提供装置。
(付記15)
コンピュータによって実行される証跡提供方法であって、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を有する証跡提供方法。
(付記16)
前記リクエストを送信する装置は、
無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記受信ステップにおいて、
前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエストを前記無線 LAN を介して受信する、付記15に記載の証跡提供方法。
(付記17)
前記リクエストは、前記第1識別情報に対応する公開鍵で暗号化されており、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータの秘密鍵で前記リクエストを復号する、付記15又は16に記載の証跡提供方法。
(付記18)
前記送信ステップにおいて、前記コンピュータの秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、その電子署名を前記リクエストに含めて送信する、付記15から17いずれか一項に記載の証跡提供方法。
(付記19)
コンピュータに、
被管理物体に付されているシンボルから読み取られた第1識別情報を含むリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストに含まれる前記第1識別情報が、前記コンピュータに格納されている第2識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記第1識別情報が前記第2識別情報と一致する場合に、前記コンピュータに格納されている証跡情報を含むレスポンス又は前記証跡情報のハッシュ値を含むレスポンスを送信する送信ステップと、を実行させるプログラムを格納しているコンピュータ可読媒体。
(付記20)
前記リクエストを送信する装置は、
無線 LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能し、
前記アクセスポイントへの接続に利用する接続情報を送信し、
前記受信ステップにおいて、
前記接続情報を受信して、その接続情報を利用して前記アクセスポイントへ接続し、
前記リクエストを前記無線 LAN を介して受信する、付記19に記載のコンピュータ可読媒体。
(付記21)
前記リクエストは、前記第1識別情報に対応する公開鍵で暗号化されており、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータの秘密鍵で前記リクエストを復号する、付記19又は20に記載のコンピュータ可読媒体。
(付記22)
前記送信ステップにおいて、前記コンピュータの秘密鍵を利用して、前記証跡情報又は前記証跡情報のハッシュ値から電子署名を生成し、その電子署名を前記リクエストに含めて送信する、付記19から21いずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0092】
10 被管理物体
20 シンボル
40 リクエスト
50 レスポンス
500 コンピュータ
502 バス
504 プロセッサ
506 メモリ
508 ストレージデバイス
510 入出力インタフェース
512 無線通信インタフェース
600 コンピュータ
602 バス
604 プロセッサ
606 メモリ
608 ストレージデバイス
610 入出力インタフェース
612 無線通信インタフェース
2000 証跡収集システム
2100 証跡取得装置
2120 読取部
2140 送信部
2160 受信部
2200 証跡提供装置
2220 受信部
2240 判定部
2260 送信部
2280 記憶部
2290 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5