(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】焼結鉱の製造方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
C22B 1/20 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
C22B1/20 K
(21)【出願番号】P 2023544613
(86)(22)【出願日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2023008886
(87)【国際公開番号】W WO2023189329
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】P 2022051819
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【氏名又は名称】川原 敬祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】馬場 晴久
(72)【発明者】
【氏名】岩見 友司
(72)【発明者】
【氏名】大屋 憲司
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-100137(JP,A)
【文献】特開2013-140548(JP,A)
【文献】特開2022-002111(JP,A)
【文献】特開2019-196515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00-1/26
F27B 21/00-21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄含有原料及び炭素含有原料を含む焼結原料から造粒した造粒粒子を焼結機の無端移動式のパレットに装入して装入層を形成し、前記装入層を焼結して焼結鉱を製造する、焼結鉱の製造方法であって、
前記焼結鉱の製造に関する複数の中間指標を入力とし、前記焼結鉱の生産性に関する指標を出力とする生産性推定モデルを生成するステップと、
前記生産性推定モデルを用いて、前記複数の中間指標のうちから前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定するステップと、
を含
み、
前記複数の中間指標は、排ガス温度、排ガスCO
2
(二酸化炭素)濃度、排ガスCO(一酸化炭素)濃度、排ガス酸素濃度、排ガス流量、BTP(Burn Through Point)及びBRP(Burn Rising Point)のうちの少なくとも2つを含み、
前記生産性推定モデルを生成するステップは、前記複数の中間指標の実績値と前記生産性に関する指標の実績値とを1組としたデータセットを格納し、格納された所定数の前記データセットを用いて機械学習を行って前記生産性推定モデルを生成し、
前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定するステップは、前記複数の中間指標のそれぞれの中間指標について、前記中間指標と前記生産性に関する指標との相関を算出し、相関係数が最も大きい前記中間指標を、前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標として特定する、焼結鉱の製造方法。
【請求項2】
前記焼結鉱の生産性に関する指標が第1目標値を上回るように、前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標の第2目標値を特定する、請求項
1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項3】
焼結鉱の製造条件を入力とし、前記複数の中間指標を出力とする中間指標推定モデルを生成するステップと、
前記中間指標推定モデルを用いて、前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を前記第2目標値とするための前記製造条件の設定値を特定するステップと、
をさらに含
み、
前記中間指標推定モデルを生成するステップは、前記製造条件を変更したときに前記複数の中間指標の各中間指標がどのように変化するかの実験結果のデータを格納し、格納された前記実験結果のデータを用いて機械学習を行って、前記中間指標推定モデルを生成する、請求項
2に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項4】
前記焼結鉱の生産性に関する指標は、前記焼結鉱の歩留又は前記パレットの速度である、請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項5】
鉄含有原料及び炭素含有原料を含む焼結原料から造粒した造粒粒子を焼結機の無端移動式のパレットに装入して装入層を形成し、前記装入層を焼結して焼結鉱を製造する焼結設備に用いられる制御装置であって、
前記焼結鉱の製造に関する複数の中間指標を入力とし、前記焼結鉱の生産性に関する指標を出力とする生産性推定モデルを生成し、
前記生産性推定モデルを用いて、前記複数の中間指標のうちから前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定する、制御部
と、
記憶部と、
を備え
、
前記複数の中間指標は、排ガス温度、排ガスCO
2
(二酸化炭素)濃度、排ガスCO(一酸化炭素)濃度、排ガス酸素濃度、排ガス流量、BTP(Burn Through Point)及びBRP(Burn Rising Point)のうちの少なくとも2つを含み、
前記制御部は、前記複数の中間指標の実績値と前記生産性に関する指標の実績値とを1組としたデータセットを前記記憶部に格納し、前記記憶部に格納された所定数の前記データセットを用いて機械学習を行って前記生産性推定モデルを生成し、
前記制御部は、前記複数の中間指標のそれぞれの中間指標について、前記中間指標と前記生産性に関する指標との相関を算出し、相関係数が最も大きい前記中間指標を、前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標として特定する、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、焼結鉱の製造方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉製鉄法では、鉄源として焼結鉱などを用いる。焼結鉱は、鉄含有原料及び炭素含有原料などを含む焼結原料を造粒して製造された造粒粒子を焼結機によって焼結することによって製造される。
【0003】
焼結機による焼結鉱の製造においては、焼結鉱を安定して生産するために、操業を監視しながら生産することが行われている。
【0004】
例えば特許文献1は、焼結原料を焼結機に装入する際に形成される焼結原料層内における特定領域の温度分布をオンラインで測定し、測定した温度分布に基づいて焼結機の操業を監視する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
焼結鉱の生産性の維持及び向上を目的として、特定の指標に基づいて焼結機の操業を監視したとしても、その指標が焼結鉱の生産性に最も影響を与えているとは限らない。
【0007】
例えば、特許文献1は、特定領域の温度分布に基づいて焼結鉱の操業を監視する技術を開示しているが、特定領域の温度分布が焼結鉱の生産性に最も影響を与えているとは限らない。
【0008】
このように、特定の指標に基づいて焼結機の操業を監視したとしても、焼結鉱の生産性を効率的に監視できるとは限らないという課題があった。
【0009】
本開示の目的は、焼結鉱の生産性を効率的に監視することができる焼結鉱の製造方法及び制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施形態に係る焼結鉱の製造方法は、
鉄含有原料及び炭素含有原料を含む焼結原料から造粒した造粒粒子を焼結機の無端移動式のパレットに装入して装入層を形成し、前記装入層を焼結して焼結鉱を製造する、焼結鉱の製造方法であって、
前記焼結鉱の製造に関する複数の中間指標を入力とし、前記焼結鉱の生産性に関する指標を出力とする生産性推定モデルを生成するステップと、
前記生産性推定モデルを用いて、前記複数の中間指標のうちから前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定するステップと、
を含む。
【0011】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
鉄含有原料及び炭素含有原料を含む焼結原料から造粒した造粒粒子を焼結機の無端移動式のパレットに装入して装入層を形成し、前記装入層を焼結して焼結鉱を製造する焼結設備に用いられる制御装置であって、
前記焼結鉱の製造に関する複数の中間指標を入力とし、前記焼結鉱の生産性に関する指標を出力とする生産性推定モデルを生成し、
前記生産性推定モデルを用いて、前記複数の中間指標のうちから前記生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定する、制御部、
を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る焼結鉱の製造方法及び制御装置によれば、焼結鉱の生産性への影響が最も高い中間指標を特定できるので、特定された中間指標を用いることで焼結鉱の生産性を効率的に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一実施形態に係る焼結設備の構成例を模式的に示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る制御装置の構成例を模式的に示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る焼結鉱の製造方法の手順例を示すフローチャートである。
【
図4A】実施例における排ガス酸素濃度と焼結鉱の歩留との相関を示すグラフである。
【
図4B】実施例における排ガス温度と焼結鉱の歩留との相関を示すグラフである。
【
図5】実施例における排ガス酸素濃度と焼結鉱の歩留との相関を示すグラフである。
【
図6】実施例における焼結機の点火炉の炭素ガス流量と排ガス酸素濃度との相関を示すグラフである。
【
図7】実施例における点火炉の炭素ガス流量、排ガス酸素濃度及び返鉱発生率の時間変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態に係る焼結設備1の構成例を模式的に示す図である。焼結設備1は、鉄含有原料及び炭素含有原料を含む焼結原料から焼結鉱を製造することができる設備である。
【0016】
焼結設備1は、制御装置10と、造粒機20と、焼結機30と、破砕機40と、クーラー50と、篩分装置60とを備える。
【0017】
制御装置10は、造粒機20、焼結機30、破砕機40、クーラー50及び篩分装置60と通信可能である。制御装置10は、造粒機20、焼結機30、破砕機40、クーラー50及び篩分装置60を制御する。
【0018】
制御装置10の構成及び機能の詳細については後述する。
【0019】
造粒機20は、鉄含有原料及び炭素含有原料を含む焼結原料から造粒粒子を造粒する。造粒機20が造粒粒子を造粒する際、焼結原料には造粒水が添加される。焼結原料は、副原料として、さらに酸化カルシウム(CaO)含有原料を含んでもよい。造粒機20が造粒した造粒粒子は、焼結機30に搬送される。鉄含有原料は、例えば鉄鉱石であってよい。炭素含有原料は、例えば粉コークスであってよい。CaO含有原料は、例えば石灰石であってよい。
【0020】
造粒機20は、造粒粒子を製造可能な任意の造粒機であってよいが、例えば、ドラムミキサであってよい。
【0021】
焼結機30は、造粒粒子を焼結する任意の焼結機であってよいが、例えば、ドワイトロイド式の焼結機であってよい。焼結機30は、焼結原料供給装置31と、パレット32と、点火炉33と、ウインドボックス34とを備える。
【0022】
焼結原料供給装置31は、造粒機20から供給された造粒粒子を、パレット32に装入する。
【0023】
パレット32は、無端移動式のパレットである。パレット32は、焼結原料供給装置31から造粒粒子を装入されると、パレット32上に焼結原料の装入層を形成する。
【0024】
点火炉33は、パレット32上に形成されている装入層の表層に含まれている炭素含有原料に点火する。
【0025】
ウインドボックス34は、パレット32上に形成されている装入層の空気を下方に吸引する。ウインドボックス34によって装入層の空気が下方に吸引されると、装入層内の燃焼及び溶融体は、装入層の下方に移動する。このように、装入層内において燃焼及び溶融体が移動することにより、装入層は焼結される。装入層が焼結されることによって焼結ケーキが得られる。
【0026】
破砕機40は、焼結機30から供給される焼結ケーキを破砕する。破砕機40は、焼結ケーキの破砕物をクーラー50に供給する。
【0027】
クーラー50は、破砕機40から供給された焼結ケーキの破砕物を冷却する。クーラー50によって冷却された焼結ケーキの破砕物は、篩分装置60に供給される。
【0028】
篩分装置60は、クーラー50によって冷却された焼結ケーキの破砕物を、破砕物の粒径に応じて篩い分ける。例えば、篩分装置60は、焼結ケーキの破砕物を、粒径が5mm以上の焼結鉱と粒径が5mm未満の返鉱とに篩い分ける。
【0029】
このように、最終的に篩分装置60によって篩い分けられることによって、焼結鉱が製造される。また、篩分装置60によって篩い分けられた返鉱は、焼結原料として再び利用されてよい。
【0030】
続いて、制御装置10の構成及び機能について説明する。最初に、制御装置10の機能の概要について説明する。
【0031】
制御装置10は、焼結鉱の製造条件を取得する。また、制御装置10は、焼結機30に設置されている種々のセンサから、センサ情報を取得する。
【0032】
制御装置10は、取得した製造条件及びセンサ情報に基づいて、焼結鉱の製造に関する複数の中間指標を算出する。複数の中間指標は、製造条件及びセンサ情報に基づいて推定される中間指標の推定値を含んでいてよい。
【0033】
制御装置10は、複数の中間指標のうちから、焼結鉱の生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定する。
【0034】
焼結鉱の生産性に関する指標は、例えば、焼結鉱の歩留であってよい。焼結鉱の歩留は、例えば、下記の式(1)によって算出される値であってよい。
(粒径5mm以上の焼結鉱の質量×100)/(粒径5mm以上の焼結鉱の質量+粒径5mm未満の返鉱の質量) (1)
【0035】
本実施形態においては、焼結鉱の生産性に関する指標が焼結鉱の歩留である場合を例に挙げて説明するが、焼結鉱の生産性に関する指標は、焼結鉱の歩留に限らない。焼結鉱の生産性に関する指標は、パレット32の速度、焼結鉱の強度などであってもよい。
【0036】
制御装置10は、焼結鉱の生産性に関する指標が目標値を上回るように、生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標の目標値を特定する。以後、焼結鉱の生産性に関する指標の目標値を、「第1目標値」とも称する。また、生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標の目標値を、「第2目標値」とも称する。すなわち、制御装置10は、焼結鉱の生産性に関する指標が第1目標値を上回るように、生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標の第2目標値を特定する。
【0037】
制御装置10は、さらに、生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を第2目標値とするための焼結鉱の製造条件の設定値を特定してもよい。焼結鉱の製造条件は、例えば、パレット32の速度、造粒時の焼結原料の水分含有量、焼結原料中のCaO含有原料の含有割合、焼結原料中の炭素含有原料の含有割合などであってよい。
【0038】
続いて、制御装置10の構成について説明する。
【0039】
図2は、本開示の一実施形態に係る制御装置10の構成例を模式的に示す図である。制御装置10は、ワークステーション、パソコンなどのような汎用のコンピュータであってもよいし、焼結設備1の制御装置10として機能するように構成された専用のコンピュータであってもよい。
【0040】
制御装置10は、制御部11と、入力部12と、出力部13と、記憶部14と、通信部15とを備える。
【0041】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
【0042】
制御部11は、記憶部14に記憶されているプログラム、データなどを読み込み、各種機能を実行する。制御部11は、造粒機20、焼結機30、破砕機40、クーラー50及び篩分装置60を制御する。
【0043】
制御部11は、記憶部14から読み込んだプログラムを実行することにより、制御部11を、センサ情報取得部111、中間指標取得部112、中間指標特定部113、目標値取得部114及びガイダンス情報取得部115として機能させることができる。
【0044】
センサ情報取得部111、中間指標取得部112、中間指標特定部113、目標値取得部114及びガイダンス情報取得部115が実行する処理については後述する。
【0045】
入力部12は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インターフェースを含む。入力部12は、例えば、物理キー、静電容量キー、出力部13のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等を含む。
【0046】
出力部13は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力用インターフェースを含む。出力部13は、例えば、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音声で出力するスピーカ等を含む。出力部13が含むディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどであってよい。
【0047】
記憶部14は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、光メモリ等である。記憶部14の一部は、制御装置10の外部にあってもよい。この場合、記憶部14の一部は、制御装置10と任意のインターフェースを介して接続されたハードディスク、メモリーカード等であってよい。
【0048】
記憶部14は、制御部11が各機能を実行するためのプログラム、当該プログラムが使用するデータなどを格納している。
【0049】
通信部15は、有線通信に対応する通信モジュール及び無線通信に対応する通信モジュールの少なくとも一方を含む。制御装置10は、通信部15を介して他の端末装置などと通信可能である。
【0050】
続いて、センサ情報取得部111、中間指標取得部112、中間指標特定部113、目標値取得部114及びガイダンス情報取得部115が実行する処理について説明する。
【0051】
センサ情報取得部111は、焼結機30から焼結鉱の製造条件の情報を取得する。センサ情報取得部111は、製造条件の情報を、オペレータによる入力部12への入力操作によって取得してよい。また、センサ情報取得部111は、他の端末装置にオペレータが入力した製造条件の情報を、通信部15を介して受信することによって取得してもよい。
【0052】
また、センサ情報取得部111は、センサ情報として、例えば、排ガスの温度情報、排ガスの成分情報及び排ガスの流量情報を取得する。センサ情報取得部111は、センサ情報を、焼結機30に設置されている種々のセンサから所得してよい。あるいは、センサ情報取得部111は、センサ情報を、オペレータによる入力部12への入力操作によって取得してよい。また、センサ情報取得部111は、他の端末装置にオペレータが入力したセンサ情報を、通信部15を介して受信することによって取得してもよい。
【0053】
例えば、センサ情報取得部111は、排ガスの温度情報を、ウインドボックス34に設置されている温度センサから取得してよい。また、センサ情報取得部111は、排ガスの流量情報を、ウインドボックス34の端部に設置されているガス流量計から取得してよい。
【0054】
また、排ガスの成分情報は、ウインドボックス34内の排ガスをサンプリングし、サンプリングした排ガスについてガスクロマトグラフィーのような化学分析をすることで求めることができる。センサ情報取得部111は、このようにして求められた排ガスの成分情報を、オペレータによる入力部12への入力操作によって取得してよい。
【0055】
センサ情報取得部111は、取得した焼結鉱の製造条件の情報と、取得したセンサ情報とを中間指標取得部112に出力する。
【0056】
中間指標取得部112は、センサ情報取得部111から取得した、焼結鉱の製造条件の情報及びセンサ情報に基づいて、複数の中間指標を算出する。中間指標は、焼結機30における焼結鉱の製造に関する指標である。
【0057】
本実施形態において、中間指標取得部112は、焼結機30において焼結鉱が製造されている際の複数の中間指標として、排ガス温度、排ガスCO2(二酸化炭素)濃度、排ガスCO(一酸化炭素)濃度、排ガス酸素濃度、排ガス流量、BTP(Burn Through Point)及びBRP(Burn Rising Point)を算出する。BTPは、焼結機30の機長方向における排ガスの最高温度の位置を意味する。BRPは、焼結機30の機長方向において、排ガスが100~300℃の範囲内の任意の温度に到達した位置を意味する。
【0058】
中間指標取得部112は、センサ情報取得部111から取得した排ガスの温度情報に基づいて、排ガス温度、BTP及びBRPを求めることができる。また、中間指標取得部112は、センサ情報取得部111から取得した排ガスの成分情報に基づいて、排ガスCO2濃度、排ガスCO濃度及び排ガス酸素濃度を求めることができる。また、中間指標取得部112は、センサ情報取得部111から取得した排ガスの流量情報に基づいて、排ガス流量を求めることができる。
【0059】
中間指標取得部112は、BTP及びBRPの推定値を、例えば、以下に示す参考文献1が開示している物理モデルと、センサ情報取得部111から取得した焼結鉱の製造条件の情報とを用いて求めてよい。
(参考文献1:Yamaoka et al. ISIJ International,Vol.45,No.4,pp.522)
【0060】
また、中間指標取得部112は、BTP及びBRPの推定値を、例えば、以下に示す参考文献2が開示している伝熱モデルと、センサ情報取得部111から取得した焼結鉱の製造条件の情報とを用いて求めてよい。
(参考文献2:大野光一郎 外4名、焼結プロセス層内の温度分布推定数値シミュレーションに及ぼすコークスの燃焼速度式の影響、鉄と鋼、Vol.101、(2015)、No.1、P19~P24)
【0061】
中間指標特定部113は、中間指標取得部112が求めた複数の中間指標のうちから、焼結鉱の生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定する。
【0062】
中間指標特定部113は、焼結機30から焼結鉱の歩留の実績値を取得すると、そのときの複数の中間指標と焼結鉱の歩留の実績値とを1組としたデータセットを記憶部14に格納する。
【0063】
中間指標特定部113は、所定数のセットのデータセットが記憶部14に格納されると、格納されたデータセットを用いて機械学習を行い、学習済の機械学習モデルである生産性推定モデルを生成する。中間指標特定部113は、複数の中間指標を入力とし、焼結鉱の生産性に関する指標である焼結鉱の歩留を出力として機械学習を行うことによって、生産性推定モデルを生成する。所定数のセットのデータセットは、例えば、50セットのデータセットであってよい。中間指標特定部113は、生成した生産性推定モデルを記憶部14に格納する。機械学習モデルとしては、例えば、IBM社製のSPSSを用いてよい。
【0064】
中間指標特定部113は、このようにして生成した生産性推定モデルを用いて、複数の中間指標のうちから焼結鉱の生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定する。
【0065】
例えば、中間指標特定部113は、それぞれの中間指標について、焼結鉱の歩留との関係を示すグラフを作成し、当該グラフから中間指標と焼結鉱の歩留との相関を算出する。中間指標特定部113は、相関係数が最も大きい中間指標を、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標として特定する。相関係数が大きいということは、当該中間指標の変化と焼結鉱の歩留の変化との相関が高いことを意味するので、当該中間指標は、焼結鉱の歩留への影響度が高いといえる。一方、相関係数が小さいということは、当該中間指標の変化と焼結鉱の歩留の変化との相関が低い、すなわち、当該中間指標と焼結鉱の歩留とが関連せずに変化することを意味するので、当該中間指標は、焼結鉱の歩留への影響度が低いといえる。
【0066】
また、例えば、複数の中間指標の単位が同じ単位である場合、中間指標特定部113は、それぞれの中間指標について、焼結鉱の歩留との関係を示すグラフを作成し、当該グラフから回帰線の傾きを算出してもよい。中間指標特定部113は、回帰線の傾きが最も大きい中間指標を、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標として特定してもよい。
【0067】
中間指標特定部113は、特定した中間指標を出力部13に出力する。
【0068】
出力部13は、中間指標特定部113から取得した中間指標を出力する。例えば、出力部13がディスプレイを含む場合、出力部13は、中間指標特定部113から取得した中間指標をディスプレイに表示する。
【0069】
ディスプレイに表示された、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標を視認したオペレータは、当該中間指標に基づいて、焼結機30による焼結鉱の製造を監視することができる。
【0070】
例えば、オペレータは、焼結鉱の歩留が目標値よりも高い場合は、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標が変化しないように、焼結機30による焼結鉱の製造条件を維持する。これにより、焼結鉱の歩留が目標値よりも高い状態を維持することができる。一方、オペレータは、焼結鉱の歩留が目標値よりも低い場合は、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標を変化させる。この際、オペレータは、焼結機30による焼結鉱の製造条件を調整することによって、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標を変化させることができる。
【0071】
制御装置10は、焼結鉱の歩留が目標値(第1目標値)を上回るように、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標の目標値(第2目標値)を特定してもよい。
【0072】
この場合、中間指標特定部113は、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標として特定した中間指標を目標値取得部114に出力する。
【0073】
目標値取得部114は、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標として特定された中間指標を中間指標特定部113から取得すると、記憶部14に格納されている生産性推定モデルを記憶部14から読み出すとともに第1目標値を取得する。第1目標値は、予め定められて記憶部14に格納されていてもよく、オペレータによる入力部12への入力操作によって取得されてもよい。
【0074】
目標値取得部114は、生産性推定モデルに入力する中間指標の値を変更しながら焼結鉱の歩留を推定し、推定した焼結鉱の歩留が第1目標値を上回るか否かを判定する。目標値取得部114は、中間指標の値を、予め定められた範囲内において1単位刻みで変更して生産性推定モデルに入力し、推定された焼結鉱の歩留が第1目標値を上回ったときの中間指標の値を、中間指標の第2目標値として特定してよい。
【0075】
目標値取得部114は、特定した中間指標の第2目標値をガイダンス情報取得部115に出力する。なお、予め定められた範囲内において中間指標の値を変更しても、焼結鉱の歩留が第1目標値を上回ることがない場合、目標値取得部114は、第2目標値を取得できなかったことを示す情報を、ガイダンス情報取得部115に出力してもよい。
【0076】
ガイダンス情報取得部115は、中間指標の第2目標値を目標値取得部114から取得すると、当該中間指標を第2目標値とするための、焼結鉱の製造条件の設定値を特定する。ガイダンス情報取得部115は、焼結鉱の製造条件の設定値として、少なくとも1つの設定値を特定する。
【0077】
例えば、中間指標がBTP、BRP、排ガスの成分濃度及び排ガス温度である場合、ガイダンス情報取得部115は、上述した参考文献1に開示されている物理モデルに、原料嵩密度、排ガス流量、パレット32の速度、造粒時の焼結原料の水分含有量、焼結原料中のCaO含有原料の含有割合及び焼結原料中の炭素含有原料の含有割合などを入力することによって、上記中間指標の値を算出することができる。
【0078】
このため、ガイダンス情報取得部115は、物理モデルに入力する項目のうち、パレット32の速度、造粒時の焼結原料の水分含有量、焼結原料中のCaO含有原料の含有割合及び焼結原料中の炭素含有原料の含有割合を変更しながら、BTP、BRP、排ガスの成分濃度及び排ガス温度などのような中間指標の値を算出し、算出した中間指標の値が第2目標値以上になったときのパレット32の速度、造粒時の焼結原料の水分含有量、焼結原料中のCaO含有原料の含有割合及び焼結原料中の炭素含有原料の含有割合を特定する。
【0079】
ガイダンス情報取得部115は、特定したパレット32の速度、造粒時の焼結原料の水分含有量、焼結原料中のCaO含有原料の含有割合及び焼結原料中の炭素含有原料の含有割合に基づいて、これら焼結鉱の製造条件のうちの少なくとも1つの設定値を求めることができる。
【0080】
なお、各中間指標に対する焼結鉱の製造条件の影響は、物理モデルによって表されていなくてもよい。例えば、実際に製造条件を変更したときに各中間指標がどのように変化するかを確認する実験を予め行い、実験結果のデータを記憶部14に格納しておいてもよい。制御部11は、焼結鉱の製造条件を入力とし、複数の中間指標のうち、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標を出力とする機械学習モデルを機械学習させた中間指標推定モデルを生成してもよい。この場合、ガイダンス情報取得部115は、当該中間指標推定モデルを用いて、生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を第2目標値とするための製造条件の設定値を特定する。
【0081】
ガイダンス情報取得部115は、焼結鉱の製造条件のうちの少なくとも1つの設定値を特定すると、特定した設定値を出力部13に出力する。
【0082】
出力部13は、ガイダンス情報取得部115から取得した製造条件の設定値を出力する。例えば、出力部13がディスプレイを含む場合、出力部13は、ガイダンス情報取得部115から取得した製造条件の設定値をディスプレイに表示する。
【0083】
ディスプレイに表示された製造条件の設置値を視認したオペレータは、焼結鉱の製造条件を当該設定値に調整して焼結機30を動作させることによって、焼結鉱の歩留が第1目標値を満たすように焼結鉱を製造することができる。
【0084】
あるいは、ガイダンス情報取得部115は、特定した設定値を、焼結鉱の製造条件の設定値として自動的に設定してもよい。これにより、焼結機30は、焼結鉱の歩留が第1目標値を満たすように焼結鉱を自動的に製造することができる。
【0085】
なお、ガイダンス情報取得部115は、第2目標値を取得できなかったことを示す情報を目標値取得部114から取得した場合、焼結鉱の製造条件の設定値を特定せずに、エラー情報を出力部13に出力して、エラー情報を出力部13に表示させてもよい。
【0086】
図3に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る焼結設備1が実行する焼結鉱の製造方法について説明する。
【0087】
ステップS101において、制御装置10の制御部11は、焼結鉱の製造に関する複数の中間指標を入力とし、焼結鉱の生産性に関する指標を出力とする生産性推定モデルを生成する。
【0088】
ステップS102において、制御部11は、生産性推定モデルを用いて、複数の中間指標のうちから生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定する。制御部11は、特定した、生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を出力部13に出力し、出力部13に表示させてよい。
【0089】
(実施例)
図4A~
図7を参照して、本実施形態に係る焼結設備1における焼結鉱の製造方法の実施例について説明する。
【0090】
図4Aは、排ガス酸素濃度と焼結鉱の歩留との相関を示すグラフである。
図4Bは、排ガス温度と焼結鉱の歩留との相関を示すグラフである。
【0091】
図4A及び
図4Bを参照すると、排ガス酸素濃度と焼結鉱の歩留との相関の相関係数の方が、排ガス温度と焼結鉱の歩留との相関の相関係数よりも大きい。これから、中間指標として、排ガス酸素濃度の方が排ガス温度よりも、焼結鉱の歩留に対する影響度が高いことがわかる。
【0092】
また、中間指標である、排ガス温度、排ガスCO2濃度、排ガスCO濃度、排ガス酸素濃度、排ガス流量、BTP及びBRPのそれぞれと、焼結鉱の歩留との相関係数を確認したところ、焼結鉱の歩留に対する影響度が最も高い中間指標は、排ガス酸素濃度であった。
【0093】
図5は、排ガス酸素濃度と焼結鉱の歩留との相関が、パレット32上に形成される装入層の厚みにどのように依存するかを示すグラフである。
図5は、装入層の厚みが650.0mm、647.5mm、645.0mm、642.5mm及び640.0mmの場合のプロットを示している。装入層の厚みは、焼結鉱の製造条件のうちの1つである。
【0094】
それぞれの装入層の厚みの場合について、排ガス酸素濃度と焼結鉱の歩留との回帰直線の傾きを算出したところ、以下のようになった。
装入層の厚み[mm] 回帰直線の傾き
650.0 -1.01
647.5 -1.48
645.0 -1.36
642.5 -1.73
640.0 -1.72
【0095】
このように、焼結鉱の製造条件である装入層の厚みが変わると、中間指標である排ガス酸素濃度の焼結鉱の歩留への影響度が変化することがわかった。また、この結果から、焼結鉱の製造条件が変わると、焼結鉱の歩留への影響度が最も高い中間指標が変わり得ることがわかった。
【0096】
図6は、焼結機30の点火炉33の炭素ガス流量(Cガス流量)と、排ガス酸素濃度との相関を示すグラフである。
【0097】
図6から、焼結鉱の製造条件である点火炉33の炭素ガス流量を変化させることで、中間指標である排ガス酸素濃度を変化させることができることがわかる。すなわち、焼結鉱の歩留を第1目標値とすることができる排ガス酸素濃度の第2目標値が求められれば、排ガス酸素濃度を第2目標値にすることができる点火炉33の炭素ガス流量の設定値を特定することができる。
【0098】
図7は、点火炉33の炭素ガス流量(Cガス流量)、排ガス酸素濃度及び返鉱発生率の時間変化を示す図である。なお、返鉱発生率は、返鉱発生率が低いほど焼結鉱の歩留が高いことを意味する。
【0099】
図7に示す例においては、焼結鉱の製造条件の1つである点火炉33の炭素ガス流量を1300[Nm
3/hr]に調整することによって、中間指標である排ガス酸素濃度を第2目標値とすることができた。このとき、返鉱発生率は20.0質量%であり、焼結鉱の歩留を80質量%に向上させることができた。このときの焼結鉱の歩留は、第1目標値を達成できている。
【0100】
上述のように、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法及び本実施形態に係る制御装置10において、制御装置10は、焼結鉱の製造に関する複数の中間指標を入力とし、焼結鉱の生産性に関する指標を出力とする生産性推定モデルを生成するステップと、生産性推定モデルを用いて、複数の中間指標のうちから生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定するステップとを実行する。これにより、制御装置10は、焼結鉱の製造に関する複数の中間指標のうちから、焼結鉱の生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定することができる。この結果、オペレータは、焼結鉱の生産性に最も影響を与える中間指標を用いて焼結鉱の製造を監視できるようになるので、焼結鉱の生産性を維持及び向上させるという観点で、焼結鉱の製造を効率的に監視することができる。したがって、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法及び本実施形態に係る制御装置10は、焼結鉱の生産性を効率的に監視することができる。
【0101】
また、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法及び本実施形態に係る制御装置10において、制御装置10は、焼結鉱の生産性に関する指標が第1目標値を上回るように、生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標の第2目標値を特定し、当該中間指標を第2目標値とするための製造条件の設定値を特定することができる。これにより、オペレータは、生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標が第2目標値になるように、焼結鉱の製造条件の設定値を調整することができる。したがって、目標とする焼結鉱の生産性が達成できるように焼結鉱を製造することが可能となる。
【0102】
焼結鉱の製造に関する複数の中間指標の全てについて管理を行うことは負荷が大きい。そのため、通常、特定の中間指標に基づいて焼結鉱の製造を管理することが多い。従来は、焼結鉱の生産性への影響度を把握せずに、特定の中間指標に基づいて焼結鉱の製造を管理することが多かったため、焼結鉱の生産性への影響度が小さい中間指標に基づいて焼結鉱の製造を管理したり、製造条件の調整を行ったりすることがあった。このやり方では、目標とする焼結鉱の生産性が達成できるように焼結鉱の製造をすることは困難である。これに対し、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法は、焼結鉱の生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標を特定するので、当該中間指標に基づいて焼結鉱の製造を効率的に管理することができる。また、焼結鉱の生産性に関する指標への影響度が最も高い中間指標が目標値になるように焼結鉱の製造条件を調整することによって、目標とする焼結鉱の歩留を達成するように焼結鉱を製造することが実現できる。
【0103】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0104】
例えば、上述の実施形態において、中間指標取得部112が、複数の中間指標として、排ガス温度、排ガスCO2濃度、排ガスCO濃度、排ガス酸素濃度、排ガス流量、BTP及びBRPを算出する場合を例に挙げて説明したが、中間指標取得部112は、排ガス温度、排ガスCO2濃度、排ガスCO濃度、排ガス酸素濃度、排ガス流量、BTP及びBRPのうちの少なくとも2つ以上を算出すればよい。
【0105】
さらに、上述の実施形態において、制御部11がガイダンス情報取得部115の機能を有する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、これに限らず、制御部11は、ガイダンス情報取得部115の機能を有していなくてもよい。ただし、制御部11がガイダンス情報取得部115の機能を有すると、目標とする焼結鉱の歩留を達成するように焼結鉱を製造できるようになるので、制御部11は、ガイダンス情報取得部115の機能を有していることが好ましい。
【符号の説明】
【0106】
1 焼結設備
10 制御装置
11 制御部
12 入力部
13 出力部
14 記憶部
15 通信部
20 造粒機
30 焼結機
31 焼結原料供給装置
32 パレット
33 点火炉
34 ウインドボックス
40 破砕機
50 クーラー
60 篩分装置
111 センサ情報取得部
112 中間指標取得部
113 中間指標特定部
114 目標値取得部
115 ガイダンス情報取得部