(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】電子機器、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 15/02 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
G06F15/02 360D
(21)【出願番号】P 2024001183
(22)【出願日】2024-01-09
(62)【分割の表示】P 2020052741の分割
【原出願日】2020-03-24
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 博明
【審査官】田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-298258(JP,A)
【文献】特開平11-25080(JP,A)
【文献】特開2017-124581(JP,A)
【文献】特開2014-213085(JP,A)
【文献】登録実用新案第3176165(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の計算式での計算結果を表示させた後に、前記計算結果を得るために前記計算式における複数の変数項目のそれぞれに代入された数値をユーザ操作に基づいて所定の順番で表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記代入された数値が前記ユーザによって入力された数値とは異なる数値に変換されている特定変数項目が前記複数の変数項目のなかにある場合には、前記ユーザによって入力された数値が変換されていることを示す情報を、前記特定変数項目に代入された数値を表示させるときに付加して表示させる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記計算式での計算に先立って前記複数の変数項目のそれぞれに前記所定の順番で前記ユーザに数値を入力させる場合に、前記ユーザに入力された数値が前記変数項目に対応付けて予め設定されている範囲内にない場合に、前記ユーザに入力された数値が前記変数項目に対応付けられている第1の単位とは異なる第2の単位で入力されたとものとして、所定の対応関係情報に基づいて前記ユーザに入力された数値を前記第1の単位に対応させた数値に変換する変換手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
電子機器が実行する表示方法であって、
所定の計算式での計算結果を表示させた後に、前記計算結果を得るために前記計算式における複数の変数項目のそれぞれに代入された数値をユーザ操作に基づいて所定の順番で表示させる表示制御処理を含み、
前記表示制御処理は、前記代入された数値が前記ユーザによって入力された数値とは異なる数値に変換されている特定変数項目が前記複数の変数項目のなかにある場合には、前記ユーザによって入力された数値が変換されていることを示す情報を、前記特定変数項目に代入された数値を表示させるときに付加して表示させる、
ことを特徴とする表示方法。
【請求項4】
コンピュータを、
所定の計算式での計算結果を表示させた後に、前記計算結果を得るために前記計算式における複数の変数項目のそれぞれに代入された数値をユーザ操作に基づいて所定の順番で表示させる表示制御手段として機能させ、
前記表示制御手段は、前記代入された数値が前記ユーザによって入力された数値とは異なる数値に変換されている特定変数項目が前記複数の変数項目のなかにある場合には、前記ユーザによって入力された数値が変換されていることを示す情報を、前記特定変数項目に代入された数値を表示させるときに付加して表示させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、数値や単位が入力される電卓等の電子機器において、数値や単位の誤りを判別する技術が知られている。この種の技術について記載されているものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、入力された物理単位付きの計算式を演算し、演算された解の単位が適正な物理単位であるか否かを判別し、判別結果を表示する演算装置及びプログラムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、予め単位が設定された入力項目に値を入力する電子機器において、設定された単位を誤認すると大きく異なる結果が出力される。例えば、単位がmに設定された入力項目にcmに換算した数値を入力すると、桁数が異なる結果が出力されてしまう。特許文献1の技術では、単位の種類の正誤判定を行うことはできるが、入力された数値や単位の大きさに誤りがあってもその誤りを検出することはできなかった。
【0005】
本発明は、例えば設定された単位の誤認に基づく数値の誤入力を検出して修正したような場合に、その修正結果をユーザに認識させることが可能な電子機器、表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る電子機器は、所定の計算式での計算結果を表示させた後に、前記計算結果を得るために前記計算式における複数の変数項目のそれぞれに代入された数値をユーザ操作に基づいて所定の順番で表示させる表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記代入された数値が前記ユーザによって入力された数値とは異なる数値に変換されている特定変数項目が前記複数の変数項目のなかにある場合には、前記ユーザによって入力された数値が変換されていることを示す情報を、前記特定変数項目に代入された数値を表示させるときに付加して表示させる、ことを特徴とする。
また、本発明に係る表示方法は、電子機器が実行する表示方法であって、所定の計算式での計算結果を表示させた後に、前記計算結果を得るために前記計算式における複数の変数項目のそれぞれに代入された数値をユーザ操作に基づいて所定の順番で表示させる表示制御処理を含み、前記表示制御処理は、前記代入された数値が前記ユーザによって入力された数値とは異なる数値に変換されている特定変数項目が前記複数の変数項目のなかにある場合には、前記ユーザによって入力された数値が変換されていることを示す情報を、前記特定変数項目に代入された数値を表示させるときに付加して表示させる、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、所定の計算式での計算結果を表示させた後に、前記計算結果を得るために前記計算式における複数の変数項目のそれぞれに代入された数値をユーザ操作に基づいて所定の順番で表示させる表示制御手段として機能させ、前記表示制御手段は、前記代入された数値が前記ユーザによって入力された数値とは異なる数値に変換されている特定変数項目が前記複数の変数項目のなかにある場合には、前記ユーザによって入力された数値が変換されていることを示す情報を、前記特定変数項目に代入された数値を表示させるときに付加して表示させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば設定された単位の誤認に基づく数値の誤入力を検出して修正したような場合に、その修正結果をユーザに認識させることが可能な電子機器、表示方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電卓1の構成を示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電卓1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の電卓1の機能的構成のうち、BMI計算処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図3の機能的構成を有する
図1の電卓1が実行するBMI計算処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電卓1におけるキー操作に応じてディスプレイ3に表示される表示内容の一例を示す模式図である。
【
図6】従来の電卓におけるキー操作に応じてディスプレイ3に表示される表示内容の一例を示す模式図である。
【
図7】
図3の機能的構成を有する
図1の電卓1が実行するBMI計算処理における補正値再表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る電卓1におけるキー操作に応じてディスプレイ3に表示される表示内容の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
[電卓の概要]
まず、本発明の実施形態に係る電卓1について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電卓1を示す概略図である。
【0011】
本実施形態に係る電卓1は、薬剤の調剤時等に必要な計算機能を有する計算機器である。電卓1は、各種キーを有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備える。本実施形態の電卓1は、物理的な実体を持ったハードウェアであってもよいし、パーソナルコンピュータや携帯電話等のハードウェアで実行されるアプリケーションソフトウェアであってもよい。
【0012】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の入力操作、各種処理の選択等の指示操作を受け付けるためのキー群である。具体的には、入力キー群2は、テンキー20と、入力キー21、削除キー22、小数点表示選択キー23、モード切替キー24を含んで構成される。
【0013】
テンキー20は、数値や各種演算記号の入力操作を受けるキーである。入力キー21は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーである。削除キー22は、ディスプレイ3に表示されている数値や後述する記憶部12に記憶されたデータを削除する指示の入力操作を受けるキーである。小数点表示選択キー23は、小数点以下の桁の表示方法の切替指示の入力操作を受けるキーである。モード切替キー24は、各種計算処理を行うモードに切り替える入力操作を受けるキーである。
【0014】
本実施形態の電卓1で使用可能な計算処理としては、クレアチニン・クリアランス算出処理、糸球体ろ過量計算処理、%換算処理、日数計算処理、散薬を分包する場合に使用する計算処理、BMI計算処理、体表面積計算処理、余り計算を行う処理等が挙げられる。
【0015】
また、本実施形態の電卓1は、入力された所定の入力項目の数値が不合理なものである場合、より適切な数値に自動で変換する機能を有する。例えば、BMI計算処理において、入力された第1の数値が不合理である場合、当該第1の数値から変換された補正値である第2の数値によってBMIが算出される。
【0016】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成される。ディスプレイ3は、入力キー群2の操作に応じた文字や符号、数式、演算結果等の電卓1の使用に必要な各種データを表示する。
【0017】
[ハードウェア構成]
次に、電卓1のハードウェアの構成について説明する。
図2は、電卓1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、電卓1は、CPU(Central
Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)4やRAM(Random Access Memory)5を備える記憶部12と、入力部13と、表示部14と、を備える。
【0018】
CPU11は、入力されたキーに対応する操作信号を入力部13から受け、ディスプレイ3上への数値や文字列等の表示、入力値の変換、計算の実行等の種々の処理を行う。CPU11は、記憶部12のROM4に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。記憶部12のRAM5には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0019】
入力部13は、入力キー群2を備え、押下されたキーに対応する操作信号をCPU11に出力する。
【0020】
表示部14は、ディスプレイ3と、DD6(Display Driver)を備える。表示部14は、CPU11から出力される表示信号に従ってディスプレイ3に数値や文字列を表示する。具体的には、CPU11からDD6に表示信号が出力され、DD6が表示信号に基づきディスプレイ3を制御して各種情報を表示させる。
【0021】
表示部14は、状態表示部141と、数値表示部142と、単位表示部143と、を備える。状態表示部141は、
図1におけるディスプレイ3の左側の領域に数値の入力項目や出力項目、補正の有無等の数値の状態等を表示し、数値表示部142はディスプレイ3の中央の領域に数値を表示し、単位表示部143はディスプレイ3の右側の領域に数値表示部142が表示した数値の単位を表示する。
【0022】
[機能ブロック]
次に、電卓1に含まれる機能ブロックについて
図3を参照しながら説明する。
図3は、電卓1の機能的構成のうち、必要に応じて入力値である第1の数値の変換を行うとともに、BMI計算処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。BMI計算処理とは、BMIを計算する一連の処理をいう。
【0023】
本実施形態では、CPU11において、モード切替部111と、記憶制御部112と、合理性判定部113と、変換部114と、BMI算出部115と、表示制御部116と、補正値読出部117が機能し、BMIを計算する処理が実現される。
【0024】
モード切替部111は、ユーザが押下したモード切替キー24に応じて各種計算処理を行うモードに切り替える。各種計算処理を行うモードに切り替わると、モード切替部111は、第1の数値が入力される入力項目と当該入力項目に予め設定される単位を定める。入力項目には、例えば、身長や体重等の入力される情報の属性が設定される。本実施形態のBMI計算処理モードでは、属性が身長であって予め設定される単位がmである入力項目と、属性が体重であって単位がkgである入力項目が設定される。また、BMI計算処理モードでは、身長の入力項目が変換部114による変換対象に設定される対象入力項目であり、体重の入力項目が変換部114による変換対象に設定されていない非対象入力項目である。BMI計算処理を行う場合、モード切替キー24の[BMI]キーが押下されて入力部13が操作信号を受け付けると、モード切替部111はBMI計算処理モードに切り替える。そして、身長の入力項目に第1の数値である身長H1が入力された場合、CPU11は身長H1が合理的であるか否かを判定する。一方、体重の入力項目に第1の数値である体重Wが入力された場合、CPU11は体重Wが合理的であるか否かを判定しない。
【0025】
記憶制御部112は、ユーザの操作により入力された第1の数値や変換部114によって変換された第2の数値等の記憶部12への記憶を制御する。記憶部12は、入力された値が記憶される入力値記憶部121と、BMIの計算に用いる値が記憶されるBMI計算用記憶部122とを有する。本実施形態では、記憶制御部112は、ユーザの操作により体重の入力項目に体重Wが入力されると、当該体重Wを入力値記憶部121の一領域である体重メモリ123に記憶する。また、記憶制御部112は、ユーザの操作により身長の入力項目に身長H1が入力されると、当該身長H1を入力値記憶部121の一領域である身長メモリ124に記憶する。また、記憶制御部112は、BMIの計算を実行するために、体重メモリ123に記憶された体重WをBMI計算用記憶部122の一領域である第1計算メモリ125に移動する。また、記憶制御部112は、身長メモリ124に記憶された身長H1をBMI計算用記憶部122の一領域である第2計算メモリ126に移動する。記憶制御部112は、身長H1が変換部114によって第2の数値である身長H2に変換されると、当該身長H2をBMI計算用記憶部122の一領域である補正値メモリ127に記憶する。
【0026】
合理性判定部113は、ユーザの操作により入力された身長H1が当該身長H1に対応する単位において合理的な範囲であるか否かを判定する。本実施形態では、合理性判定部113は、身長H1が数値範囲の条件を満たすか否かを判定する。数値範囲は、身長H1が入力される入力項目の属性と単位に応じて定まる。即ち、合理性判定部113は、身長H1に対応する単位以外にも入力項目を参照し、身長H1が入力項目に入力される数値としても合理的な範囲であるか否かを判定する。合理性判定部113は、身長H1が数値範囲の条件を満たす場合に、当該身長H1が合理的であると判定する。反対に、合理性判定部113は、身長H1が数値範囲の条件を満たさない場合に、当該身長H1が不合理であると判定する。具体的には、合理性判定部113は、身長H1の整数部分が1桁である場合に当該身長H1が合理的であると判定し、身長H1の整数部分が2桁以上又は0である場合に当該身長H1が不合理であると判定する。なお、本明細書において「合理的な範囲」とは、入力値が当該入力値に対応する単位と照らし合わせて所定の基準を逸脱していない範囲をいう。例えば、本実施形態の変換対象である身長では、単位であるmと照らし合わせて1桁を超える場合や1桁未満である場合に、成人の身長における基準を逸脱するので不合理と判定される。
【0027】
変換部114は、合理性判定部113によって第1の数値が不合理であると判定された場合に、当該第1の数値を予め設定された対応関係により第2の数値に変換する。本明細書において「対応関係」とは、第1の数値と当該第1の数値が変換された第2の数値との間の関係である。例えば、本実施形態では、第1の数値は第2の数値の100倍の値であるという対応関係である。即ち、合理性判定部113によって身長H1が不合理であると判定された場合に、変換部114は当該身長H1を100で割って身長H2に変換する。
【0028】
BMI算出部115は、合理性判定部113によって合理的であると判定された第1の数値又は不合理であると判定され、変換部114によって変換された第2の数値を変数の1つとして所定の計算式に基づいて計算を行う。具体的には、BMI算出部115は、(1)式に体重の入力項目に入力した体重Wを(体重kg)に代入し、身長の入力項目に入力した身長H1又は変換部114によって変換された身長H2を(身長m)に代入して計算を行う。
BMI=(体重kg)/(身長m)2・・・(1)
【0029】
表示制御部116は、数値や計算結果等の情報をBMI計算用記憶部122の一領域である表示メモリ128に記憶し、表示部14に表示信号を送信して表示部14の機能を制御する。
【0030】
補正値読出部117は、BMI算出部115の一部であり、BMIが計算された後で補正値メモリ127に記憶された身長H2を読み出す。
【0031】
次に、
図4を参照して電卓1のCPU11によるBMI計算処理の流れについて説明する。
図4は機能的構成を有する電卓1が実行するBMI計算処理の流れを説明するフローチャートである。
【0032】
ユーザがモード切替キー24の[BMI]キーを押下すると、入力部13からの操作信号をモード切替部111が受けて、BMI計算処理モードに切り替わり、BMI計算処理が開始される。
【0033】
ステップS11において、記憶制御部112は、体重メモリ123に記憶された体重Wを読み出し、第1計算メモリ125に格納する。
【0034】
ステップS12において、記憶制御部112は、身長メモリ124に記憶された身長H1を読み出し、第2計算メモリ126に格納する。
【0035】
ステップS13において、合理性判定部113は、身長H1の整数部分の桁数に基づき、身長H1が合理的であるか否かを判定する。合理性判定部113は、身長H1の整数部分の桁数が1桁である場合(ステップS13でYes)に、身長H1が合理的であると判定し、処理をステップ18に進める。一方、合理性判定部113は、身長H1の整数部分の桁数が1桁でない場合(ステップS13でNo)に、身長H1が不合理であると判定し、処理をステップS14に進める。
【0036】
ステップS14において、変換部114は、第2計算メモリ126から身長H1を読み出し、身長H1を100で割ることで身長H2に変換する。
【0037】
ステップS15において、合理性判定部113は、身長H2の整数部分の桁数に基づき、身長H2が合理的であるか否かを判定する。合理性判定部113は、身長H2の整数部分の桁数が1桁である場合(ステップS15でYes)に、身長H2が合理的であると判定し、処理をステップS17に進める。一方、合理性判定部113は、身長H1の整数部分の桁数が1桁でない場合(ステップS15でNo)に、身長H2が不合理であると判定し、ステップS18に処理を進める。このとき、合理性判定部113は、表示部14に表示信号を送信し、状態表示部141に「(補正範囲外)」と表示される。
【0038】
ステップS16において、記憶制御部112は、身長H1から変換した身長H2を第2計算メモリ126に記憶する。また、記憶制御部112は、身長H2を補正値メモリ127に記憶する。
【0039】
ステップS17において、変換部114は、身長H1を身長H2に変換したことを示す補正済みフラグをオンにする。
【0040】
ステップS18において、BMI算出部115は、第1計算メモリ125に記憶された体重Wと、第2計算メモリ126に記憶された身長H1又は身長H2を変数とした式(1)に基づきBMIを算出する。
【0041】
ステップS19において、表示制御部116は、BMIの計算結果を表示メモリ128に格納し、表示部14に表示信号を送信することで、数値表示部142にBMIの計算結果を表示させる。このとき、ステップS17を経由してBMIの計算が行われた場合には、表示制御部116は補正済みフラグがオンであることを読み取り、BMI計算結果が補正済みであるという情報を表示メモリ128に格納し、状態表示部141に「BMI(補正済み)」と表示させる。一方、ステップS13において合理性判定部113によって身長H1が合理的であると判定された場合には、表示制御部116は状態表示部141に「BMI」と表示させる。
【0042】
次に、電卓1のBMI計算処理モードにおけるキー操作に応じてディスプレイ3に表示される表示内容の一例について
図5を参照しながら説明する。
図5は、左側の列から順にキー操作の内容、状態表示部141の表示、数値表示部142の表示、単位表示部143の表示を示している。
図5においてキー操作によって表示される表示内容は同一の行に示される。
図5は、身長の入力項目に「1.75」と数値を入力すべきところ、設定された単位を「m」ではなく「cm」であると誤認し、「175」と誤入力するパターンを示している。
【0043】
ユーザは[AC]キーを押下して入力値記憶部121やBMI計算用記憶部122等に格納された情報を消去した後、[BMI]キーを押下する。[BMI]キーが押下されると、状態表示部141に入力項目の属性が身長であることを示す「身長?」が表示され、数値表示部142に「0」が表示され、単位表示部143に「m」が表示される。
【0044】
図5に示すように、テンキー20の[1][7][5]が押下されると、数値表示部142の表示が「0」から「175」に変更される。そして、入力キー21の[入力]が押下されると、身長H1である「175」が身長メモリ124に記憶されるとともに、状態表示部141に入力項目の属性が体重であることを示す「体重?」が表示され、数値表示部142に「0」が表示され、単位表示部143に「kg」が表示される。
【0045】
図5に示すように、テンキー20の[7][0]が押下されると、数値表示部142の表示が「0」から「70」に変更される。そして、入力キー21の[入力]が押下されると、体重Wである「70」が体重メモリ123に記憶されるとともに、BMI計算処理が開始される。BMI計算処理は、
図4に示す上述した処理の流れで実行される。
【0046】
図5の例では、身長の入力項目に2桁以上の整数部分を有する身長H1である「175」が入力されたので、合理性判定部113が身長H1を不合理であると判定し、変換部114が身長H2である「1.75」に変換する。そして、体重Wである「70kg」と身長H2である「1.75m」を用いた(1)式に基づきBMIが算出される。この結果、
図5に示すように、状態表示部141に「BMI(補正済み)」が表示され、数値表示部142にBMIの計算結果である「22.285714285」が表示される。
【0047】
ここで、従来の電卓でBMI計算処理を行う場合のキー操作の内容と当該キー操作に応じてディスプレイ3に表示される表示内容について
図6を参照しながら説明する。従来の電卓は電卓1と比べて合理性判定部113及び変換部114を備えていない点が主に異なる。
図5と重複するキー操作及び表示内容については、説明を省略する。
【0048】
図6に示すように、テンキー20の[1][7][5]を押下して身長の入力項目に身長H1を入力すると、数値表示部142の表示が「0」から「175」に変更される。入力キー21の[入力]を押下すると、身長H1である「175」が身長メモリ124に記憶されるとともに、状態表示部141に体重の入力項目であることを示す「体重?」が表示され、数値表示部142に「0」が表示され、単位表示部143に「kg」が表示される。
【0049】
テンキー20の[7][0]を押下すると、数値表示部142の表示が「0」から「70」に変更される。入力キー21の[入力]を押下すると、体重Wである「70」が体重メモリ123に記憶されるとともに、BMI計算処理が開始される。
【0050】
図6の例では、電卓1のように身長H1を身長H2に変換せずに、体重Wである「70kg」と身長H1である「175m」を用いた(1)式に基づきBMIが算出される。この結果、
図6に示すように、状態表示部141に「BMI」が表示され、数値表示部142にBMIの算出結果である「0.002285714」が表示される。
【0051】
図6に示すように、従来の電卓では、ユーザが設定された単位を誤って身長H1を入力した場合、実際の100倍の数値が身長H1として入力され、実際の1/10000の数値がBMIとして出力される。
【0052】
一方、
図5に示すように、本実施形態の電卓1では、ユーザが設定された単位を誤認して身長H1を入力した場合であっても、その整数部分の桁数から身長H1の合理性を判定し、100で割った値に自動変換するので、適切なBMIを得ることができる。
【0053】
次に、
図7を参照しながら電卓1のCPU11による補正値表示処理の流れについて説明する。
図7は
図3の機能的構成を有する電卓1が実行するBMI計算処理における補正値再表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
補正値再表示処理とは、電卓1のBMI計算処理において変換部114による第1の数値から第2の数値への変換が行われ、BMIが算出された後で、第2の数値を再度読み出し、ディスプレイ3に表示する処理である。
【0055】
ステップS21において、補正値読出部117は、補正値メモリ127に記憶された身長H2を読み出し、表示メモリ128に記憶する。このとき、補正値読出部117は、補正済みフラグがオンであることを読み取り、表示メモリ128に「値が補正済み」であるという情報を記憶する。
【0056】
ステップS22において、補正値読出部117は、身長H1を身長H2に変換したことを示す補正済みフラグをオフにする。
【0057】
ステップS23において、表示制御部116は、表示メモリ128に記憶された身長H2と「値が補正済み」であるという情報を読み出し、表示部14に表示信号を送信する。この結果、表示部14の状態表示部141に「身長?(補正済み)」と表示され、数値表示部142に身長H2が表示される。
【0058】
次に、電卓1のBMI計算処理モードにおいて補正値再表示処理を実行し、再びBMI計算処理を実行した場合のキー操作に応じてディスプレイ3に表示される表示内容の一例について
図8を参照しながら説明する。
図8は、
図5の例と同様に身長の入力項目に「1.75」と数値を入力すべきところ、設定された単位を「m」ではなく「cm」であると誤認し、「175」と誤入力するパターンである。なお、1度目のBMIが算出されるまでの流れは、
図5の場合と重複するので説明を省略する。
【0059】
図8に示すように、身長の入力項目に身長H1である「175」を入力し、体重の入力項目に体重Wである「70」を入力してBMI計算処理を実行すると、変換部114によって身長H1である「175」が身長H2である「1.75」に変換される。そして、状態表示部141に「BMI(補正済み)」が表示され、数値表示部142にBMIの計算結果である「22.285714285」が表示される。
【0060】
図8に示すように、入力キー21の[入力]が押下されると、補正値読出部117によって補正値メモリ127に記憶された身長H2が読み出され、状態表示部141に「身長?(補正済み)」が表示され、数値表示部142に身長H2である「1.75」が表示される。
【0061】
入力キー21の[入力]が押下されると、身長H2が第2計算メモリ126に記憶されるとともに、状態表示部141に体重の入力項目であることを示す「体重?」が表示され、数値表示部142に前回入力された「70」が表示され、単位表示部143に「kg」が表示される。
【0062】
図8に示すように、テンキー20の[6][5]が押下されると、数値表示部142の表示が「70」から「65」に変更される。そして、入力キー21の[入力]が押下されると、体重Wである「65」が体重メモリ123に記憶されるとともに、BMI計算処理が開始される。BMI計算処理は、
図4に示す上述した処理の流れで実行される。
【0063】
図8の例では、BMI算出部115の補正値読出部117によって補正値メモリ127から読み出された身長H2である「1.75」と新たに入力された体重Wである「65」を変数とした(1)式に基づきBMIが算出される。この結果、
図5に示すように、状態表示部141に「BMI(補正済み)」が表示され、数値表示部142にBMIの算出結果である「21.22448979」が表示される。
【0064】
以上、説明したように、電卓は以下の効果を奏する。
即ち、本実施形態の電卓1は、ユーザの操作により入力された身長H1が当該身長H1に対応する単位に対して合理的な範囲であるか否かを判定する合理性判定部113と、合理性判定部113によって身長H1が不合理であると判定された場合に、身長H1が当該身長H1に対応する単位に対して合理的な範囲となるように、予め設定された対応関係によって前記第1の数値を第2の数値に変換するか又は前記第1の数値の単位を変換する変換手段と、を備える。これにより、入力された数値が設定された単位に対して合理的な範囲であるか否か判定し、不合理である場合に身長H2に変換できるので、設定された単位を誤認して数値を誤入力した場合であっても、より適切な数値に自動的に修正できる。
【0065】
合理性判定部113は、身長H1が入力される入力項目を参照し、当該入力項目に入力される数値として合理的な範囲であるか否かを判定する。これにより、数値と単位の関係だけでなく、数値が入力される入力項目を考慮に入れて合理的な範囲であるか否かを判定するため、より精度の高い合理性の判定が可能となる。
【0066】
また、合理性判定部113は、身長H1が入力項目に設定される属性と単位に基いて設定される数値範囲の条件を満たさない場合に身長H1が不合理であると判定し、身長H1が数値範囲の条件を満たす場合に身長H1が合理的であると判定する。これにより、数値範囲の条件を満たさないと不合理であると判定されるので、設定した範囲から外れた入力値を確実に修正できる。
【0067】
また、合理性判定部113は、身長H1の桁数に基づいて身長H1が数値範囲の条件に入るか否かを判定する。これにより、桁数を誤って入力した場合であっても、より適切な数値に修正できる。
【0068】
また、電卓1は、合理性判定部113によって合理的であると判定された身長H1、不合理であると判定され、変換部114によって変換された身長H2、又は不合理であると判定され、変換部114によって変換された単位が設定された身長H1を用いた式(1)に基いて計算を行うBMI算出部115を更に備える。これにより、設定された単位を誤認して数値を誤入力した場合であっても、より適切な計算結果を得ることができる。
【0069】
また、電卓1は、変換部114によって変換された身長H2を記憶する補正値メモリ127を更に備え、BMI算出部115は、式(1)に基づく計算に用いられ、補正値メモリ127に記憶された身長H2を読み出して、式(1)に基づいて計算に用いる。これにより、身長の値が同じBMIを繰り返し測定する場合に、適正な値に補正された数値を使用できるので、再び数値を入力し合理性を判定する処理を省くことができ、処理の効率化を実現できる。
【0070】
また、電卓1は、複数の入力項目を表示する表示部14を更に備え、合理性判定部113は、複数の入力項目のうち、変換対象に設定される対象入力項目に身長H1が入力された場合に合理的であるか否かを判定し、複数の入力項目のうち、変換対象に設定されていない非対象入力項目に体重Wが入力された場合には合理的であるか否かを判定しない。これにより、入力項目の属性によって合理性の判定対象を選択できるので、ユーザが誤入力する可能性の低い入力項目を合理性の判定対象から除外できる。よって、CPU11の処理負担を軽減し、処理の効率化を実現できる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0072】
上述の実施形態では、ユーザの操作により入力部13に第1の数値が入力されるが、第1の数値とともに当該第1の数値に対応する単位が入力され、合理性判定部113は単位が第1の数値に対して合理的な範囲か否か判定する構成としてもよい。
【0073】
また、上述の実施形態では、合理性判定部113によって第1の数値が不合理であると判定された場合に、変換部114は第1の数値を第2の数値に変換するが、第1の数値の単位を変換してもよい。例えば、入力部13に身長H1を「175m」と誤って入力した場合に、変換部114は、身長H1の単位をcmに変換して「175cm」としてもよい。これにより、入力された数値が対応する単位に対して不合理であっても、入力された数値に単位を合せることができ、より適正なデータに自動的に修正できる。また、BMI算出部115は、変換部114によって変換された単位が設定された身長H1である「175cm」を用いた式(1)に基いてBMIを計算してもよい。また、記憶制御部112は、変換部114によって変換された身長H1の単位を補正値メモリ127に記憶してもよい。また、BMI算出部115は、補正値メモリ127に記憶された単位が設定された身長H1を読み出して、式(1)に基くBMI計算に用いてもよい。さらに、表示部14は、身長の入力項目に記憶部に記憶された単位が設定された身長H1を表示してもよい。
【0074】
また、上述の実施形態では、合理性判定部113は、第1の数値の整数部分の桁数に基づいて第1の数値が数値範囲の条件に入るか否かを判定したが、小数部分の桁数に基づいて判定してもよく、数値範囲の条件は特に制限されない。例えば、1~10である場合に数値範囲の条件を満たし、それ以外の場合に条件を満たさないとしてもよい。
【0075】
上述の実施形態では、合理性判定部113によって第1の数値が不合理であると判定された場合に、変換部114が第1の数値を100で割って第2の数値に変換したが、第1の数値と第2の数値の対応関係は特に限定されない。例えば、第1の数値は第2の数値の0.5倍であっても、2倍であっても、100倍であってもよい。
【0076】
また、上述の実施形態では、BMIが計算される前に合理性判定部113が身長の入力値である身長H1の合理性を判定したが、合理性判定部113がBMIの計算値が当該計算値に対応する単位に対して合理的であるか否かを判定し、計算値が不合理であった場合に入力値である第1の数値を第2の数値に変換してもよいし、第1の数値の単位を変換してもよい。これにより、BMIの計算値に対して合理性を判定するので、誤った計算結果の出力をより確実に防止できる。
【0077】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される電子機器は、電卓1を例として説明したが、特にこれに限定されない。例えば、本発明は、値が入力される電子機器一般に適用することができる。具体的には、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機、電子レンジ、時計等に適用可能である。
【0078】
[他の変形例]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が電卓1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図の例に限定されない。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0079】
本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0080】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0081】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図のROM4や、図の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0082】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0083】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0084】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
ユーザの操作により入力された第1の数値が当該第1の数値に対応する単位に対して合理的な範囲であるか否かを判定する合理性判定手段と、
前記合理性判定手段によって前記第1の数値が不合理であると判定された場合に、前記第1の数値が当該第1の数値に対応する単位に対して合理的な範囲となるように、予め設定された対応関係によって前記第1の数値を第2の数値に変換するか又は前記第1の数値の単位を変換する変換手段と、
を備える電子機器。
[付記2]
前記合理性判定手段は、
前記第1の数値が入力される入力項目を参照し、前記入力項目に入力される数値として合理的な範囲であるか否かを判定する請求項1に記載の電子機器。
[付記3]
前記合理性判定手段は、前記第1の数値が入力される入力項目に設定される属性と単位に基いて設定される数値範囲の条件を満たさない場合に、前記第1の数値が不合理であると判定し、前記第1の数値が前記数値範囲の条件を満たす場合に、前記第1の数値が合理的であると判定する請求項1に記載の電子機器。
[付記4]
前記合理性判定手段は、前記第1の数値の桁数に基づいて前記第1の数値が前記数値範囲の条件に入るか否かを判定する請求項3に記載の電子機器。
[付記5]
前記合理性判定手段によって合理的であると判定された前記第1の数値、不合理であると判定され、前記変換手段によって変換された第2の数値、又は不合理であると判定され、前記変換手段によって変換された単位が設定された前記第1の数値を用いて、所定の計算式に基いて計算を行う算出手段を更に備える請求項1から4の何れかに記載の電子機器。
[付記6]
前記変換手段によって変換された前記第2の数値又は前記変換手段によって変換された前記第1の数値の単位を記憶する記憶部を更に備え、
前記算出手段は、前記計算式に基く計算に用いられ、前記記憶部に記憶された前記第2の数値、又は前記計算式に基く計算に用いられ、前記記憶部に記憶された前記変換された単位が設定された前記第1の数値を読み出して、前記計算式に基く計算に用いる請求項5に記載の電子機器。
[付記7]
複数の入力項目を表示する表示手段を更に備え、
前記合理性判定手段は、
複数の入力項目のうち、変換対象に設定される対象入力項目に前記第1の数値が入力された場合に合理的であるか否かを判定し、
前記複数の入力項目のうち、変換対象に設定されていない非対象入力項目に前記第1の数値が入力された場合には合理的であるか否かを判定しない請求項1から6の何れかに記載の電子機器。
[付記8]
ユーザの操作により入力された第1の数値を用いて、所定の計算式に基づいて計算を行う算出手段と、
前記算出手段によって算出された計算値が当該計算値に対応する単位に対して合理的な範囲であるか否かを判定する計算値合理性判定手段と、
前記計算値合理性判定手段によって前記計算値が不合理であると判定された場合に、前記計算値が当該計算値に対応する単位に対して合理的な範囲となるように、予め設定された対応関係によって前記第1の数値を第2の数値に変換するか又は前記第1の数値の単位を変換する変換手段と、
を備える電子機器。
[付記9]
電子機器のコンピュータを制御して値を計算する計算方法であって、
ユーザの操作により入力された第1の数値が当該第1の数値に対応する単位に対して合理的な範囲であるか否かを判定する合理性判定ステップと、
前記合理性判定ステップによって前記第1の数値が不合理であると判定された場合に、前記第1の数値が当該第1の数値に対応する単位に対して合理的な範囲となるように、予め設定された対応関係によって前記第1の数値を第2の数値に変換するか又は前記第1の数値の単位を変換する変換ステップと、
を含む計算方法。
[付記10]
ユーザの操作により入力された第1の数値が当該第1の数値に対応する単位に対して合理的な範囲であるか否かを判定する合理性判定機能と、
前記合理性判定機能によって前記第1の数値が不合理であると判定された場合に、前記第1の数値が当該第1の数値に対応する単位に対して合理的な範囲となるように、予め設定された対応関係によって前記第1の数値を第2の数値に変換するか又は前記第1の数値の単位を変換する変換機能と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0085】
1 電卓(電子機器)
113 合理性判定部(合理性判定手段)
114 変換部(変換手段)
H1 身長(第1の数値)
H2 身長(第2の数値)