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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】スタッド溶接ガン用治具及び溶接機
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/20 20060101AFI20241119BHJP
   B23K 9/16 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B23K9/20 D
B23K9/16 M
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024015410
(22)【出願日】2024-02-05
【審査請求日】2024-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】和賀井 洋平
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-141447(JP,A)
【文献】登録実用新案第3006384(JP,U)
【文献】特開平9-29439(JP,A)
【文献】特開平9-24472(JP,A)
【文献】特開平8-309541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/20
B23K 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体治具と、上記本体治具をスタッド溶接ガンと連結する連結機構と、を備えており、
上記本体治具は、
スタッドの下端部が収容される内部空間を区画する上内側壁及び下内側壁と、
下端面に位置しており、上記内部空間と外部とを連通する溝と、
上記上内側壁に開口しており、シールドガスが流通する流路と、を有しており、
上記連結機構は、
上記スタッド溶接ガンと連結されており、貫通孔を有する支持部材と、
上記支持部材の貫通孔に挿通されて上記本体治具に連結された連結部材と、
上記本体治具と上記支持部材との間に位置して上記本体治具を上記支持部材に対して離間する方向へ付勢する弾性部材と、を有するスタッド溶接ガン用治具。
【請求項2】
上記流路の開口は、上記上内側壁の周方向に複数が並んでおり、
上記溝は、上記下端面において放射状に延びる複数である請求項1に記載のスタッド溶接ガン用治具。
【請求項3】
上記下内側壁は、上記下端面へ向かって上記内部空間が拡がるテーパ部を有する請求項1又は2に記載のスタッド溶接ガン用治具。
【請求項4】
上記本体治具は、上記内部空間と繋がる開口を上面に有しており、
上記本体治具の上面の開口を塞ぎ、かつ上記スタッドが挿入可能な切り込みを有するシートを更に有する請求項1又は2に記載のスタッド溶接ガン用治具。
【請求項5】
請求項1に記載のスタッド溶接ガン用治具と、スタッド溶接ガンと、移動機構と、を備える溶接機であって、
上記移動機構は、上記スタッド溶接ガン及び上記スタッド溶接ガン用治具を、ワークの表面に対して接離する方向へ移動する溶接機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッド溶接ガンに装着される治具及びこれを備える溶接機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のスタッド溶接装置は、スタッドを装填するチャッキング装置を上方から受け入れるガス封入容器が設けられている。ガス封入容器は、多数のガス噴出孔が開口した円環状のガス導入室と、ガス導入室内にガスを導入するガス導入管とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3006384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スタッド溶接装置においては、ガス導入管から導入したシールドガスが、ガス導入室からガス噴出孔を通ってガス封入容器内に導入される。このとき、シールドガスは、ガス噴出孔から導入されガス封入容器を満たす。
【0005】
例えばシールドガスが空気より重たい場合には、ガス封入容器内に導入されたシールドガスが、内部空気と混ざりつつガス封入容器の底から上方へ満たされるので、内部空間の空気をシールドガスに完全に置換するには長い時間を要する。また、シールドガスが空気より軽い場合には、ガス噴出孔からガス封入容器内に導入されたシールドガスが、内部空間を上方へ移動しつつ上方の開口から流出する。このため、ガス封入容器の内部空間、特に溶接箇所である下方に空気が残りやすいという問題が生じる。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶接箇所が迅速且つ確実にシールドガスで覆われるスタッド溶接ガン用治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 請求項1に係るスタッド溶接ガン用治具は、本体治具と、上記本体治具をスタッド溶接ガンと連結する連結機構と、を備えており、上記本体治具は、スタッドの下端部が収容される内部空間を区画する上内側壁及び下内側壁と、下端面に位置しており、上記内部空間と外部とを連通する溝と、上記上内側壁に開口しており、シールドガスが流通する流路と、を有しており、上記連結機構は、上記スタッド溶接ガンと連結されており、貫通孔を有する支持部材と、上記支持部材の貫通孔に挿通されて上記本体治具に連結された連結部材と、上記本体治具と上記支持部材との間に位置して上記本体治具を上記支持部材に対して離間する方向へ付勢する弾性部材と、を有する。
【0008】
本体治具がスタッド溶接ガンに対して上方へ移動可能なので、本体治具の下端面をワークの表面に密着させることが容易である。また、本体治具の内部空間において、上方から下方へ向かってシールドガスが流れるので、内部空間が迅速且つ確実にシールドガスで満たされる。
【0009】
(2) 請求項2に係るスタッド溶接ガン用治具は、上記流路の開口が、上記上内側壁の周方向に複数が並んでおり、上記溝が、上記下端面において放射状に延びる複数である請求項1に記載のスタッド溶接ガン用治具。
【0010】
スタッドの下端部の周囲にシールドガスの流れができるので、スタッドの下端部の周囲が確実にシールドガスで覆われる。
【0011】
(3) 請求項3に係るスタッド溶接ガン用治具は、上記下内側壁が、上記下端面へ向かって上記内部空間が拡がるテーパ部を有する請求項1又は2に記載のスタッド溶接ガン用治具。
【0012】
スタッドの下端とワーク表面との間でスパークなどにより溶融物が飛び散っても、下内側壁に付着し難い。
【0013】
(4) 請求項4に係るスタッド溶接ガン用治具は、上記本体治具が、上記内部空間と繋がる開口を上面に有しており、上記本体治具の上面の開口を塞ぎ、かつ上記スタッドが挿入可能な切り込みを有するシートを更に有する請求項1から3のいずれかに記載のスタッド溶接ガン用治具。
【0014】
内部空間に導入されたシールドガスが上面の開口から外部へ流出することがシートにより抑制される。
【0015】
(5) 請求項5に係る溶接機は、請求項1から4のいずれかに記載のスタッド溶接ガン用治具と、スタッド溶接ガンと、移動機構と、を備える溶接機であって、上記移動機構は、上記スタッド溶接ガン及び上記スタッド溶接ガン用治具を、ワークの表面に対して接離する方向へ移動する溶接機。
【0016】
移動機構により、スタッド及びスタット溶接ガン用治具をワークの表面に当接させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、溶接箇所を迅速且つ確実にシールドガスで覆うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、スタッド溶接ガン用治具16が装着されたスタッド溶接ガン14を備える溶接機10の一例を示す図である。
図2図2は、スタッド溶接ガン用治具16を示す断面図である。
図3図3は、連結機構30の支持部材32を示す平面図である。
図4図4は、本体治具31の平面図である。
図5図5は、本体治具31の底面図である。
図6図6は、本体治具31及びシート55を示す断面図である。
図7図7は、スタッドボルト11が収容された本体治具31を示す断面図である。
図8図8は、シート55を本体治具31とともに示す平面図である。
図9図9は(a)、(b)及び(c)は、スタッド溶接ガン14をワーク12に位置決めする動作について示す図である。
図10図10(a)は、溶接箇所24が周囲より盛り上がるワーク12にスタッドボルト11を当接させたときの本体治具31を示す図であり、図10(b)は、溶接箇所24が凹んでいるワーク12にスタッドボルト11を当接させたときの本体治具31を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るスタッド溶接ガン用治具16について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0020】
また、以下の説明において、図1に示されるようにスタッドボルト(スタッドの一例)11がスタッド溶接ガン14に装着された状態において、紙面上方向を上方とし、下方向を下方として上下方向7と称する。上下方向7は、スタッドボルト11の軸芯11aと平行である。図1において紙面右方向を右方とし、その逆を左方として左右方向8と称する。図1において紙面手前方向を前方とし、その逆を後方として前後方向9と称する。
【0021】
溶接機10は、ワーク12の表面13の複数箇所にスタッドボルト11を溶接する。図1に示されるように、溶接機10は、スタッド溶接ガン14と、移動機構15と、スタッド溶接ガン用治具16と、を備える。溶接機10は、図示しない制御部によって制御され、端末装置などの外部機器(不図示)から入力された信号やデータに基づいて移動機構15の駆動、シールドガス17の供給(図7において矢印で示す。)、及び電流の供給を制御する。
【0022】
スタッド溶接ガン14は、ガン本体25と、中間部材26と、先端部材20と、当接部材21と、を有している。ガン本体25は、移動機構15と連結されている。中間部材26は、ガン本体25から下方へ延びている。中間部材26は、先端部材20の上方に位置しており、当接部材21の上端に連結されている。中間部材26は、ガン本体25に対して上下方向7に沿って摺動可能な状態で支持されている。中間部材26は、ガン本体25との間に第1コイルバネ(不図示)を有している。第1コイルバネは、中間部材26をガン本体25に対して下方へ付勢している。
【0023】
先端部材20は、スタッドボルト11を、軸芯11aが上下方向7に沿う姿勢で保持する。スタッドボルト11は、略円柱形状である。ワーク12は、例えば、建物の構造部材として使用されるH型鋼などである。
【0024】
当接部材21は、先端部材20に保持された状態のスタッドボルト11が先端部材20に対して上方へ移動することを規制する。当接部材21は、中間部材26の下方、且つ、先端部材20に支持されたスタッドボルト11の上方に位置している。当接部材21は、スタッドボルト11の軸芯11aの延長線上に位置する。当接部材21は、ボルト22と、ナット23と、を有している。ボルト22は、中間部材26に対して上下方向7において位置調整可能に支持されている。ボルト22は、ナット23が螺合されることによって上下方向7における所望の位置で固定される。
【0025】
移動機構15は、スタッド溶接ガン14を所望の位置へ移動するものである。移動機構15が駆動されることにより、スタッド溶接ガン14に保持されたスタッドボルト11がワーク12の表面13における溶接箇所24へ移動される。移動機構15は、スタッド溶接ガン14をスタッドボルト11とともに、上下方向7、左右方向8、および前後方向9に移動する。移動機構15は、公知の機構であり、例えば、制御部によって駆動制御されるモータ(不図示)によって駆動されるギヤ及び伝達ベルトで構成されるもの、或いは、油圧シリンダ、エアシリンダ等によって駆動されるもの等が使用される。
【0026】
スタッド溶接ガン用治具16は、溶接時に溶接池の周囲に発生するアークを保護する。スタッド溶接ガン用治具16は、連結機構30と、本体治具31と、を備えている。
【0027】
連結機構30は、本体治具31をスタッド溶接ガン14に連結する。連結機構30により、本体治具31がスタッドボルト11に対して上下方向7へ移動可能である。図2に示されるように、連結機構30は、支持部材32と、棒状部材33と、連結部材34と、第2コイルバネ(弾性部材の一例)35と、を有している。
【0028】
図3に示されるように、支持部材32は、上下方向7に厚みを有する金属製の板形状である。支持部材32は、上下方向7から視て外形が六角形である。支持部材32は、第1貫通孔38と、第2貫通孔(貫通孔の一例)39と、連結孔40と、を有している。
【0029】
第1貫通孔38は、支持部材32を上下方向7に貫通する円形の孔である。第1貫通孔38は、支持部材32の上面32aにおける前後方向9及び左右方向8の概ね中央に位置している。第2貫通孔39は、支持部材32を上下方向7に貫通する円形の孔である。第2貫通孔39は、上面32aにおいて第1貫通孔38の径方向の外方に位置している。上面32aにおいて、第2貫通孔39の開口径は、第1貫通孔38の開口径よりも小さい。第2貫通孔39は、第1貫通孔38を中心とする周方向において3つが等間隔で位置している。
【0030】
図2図3に示されるように、3つの第2貫通孔39の下端はそれぞれ、窪み39aと連続している。窪み39aは、支持部材32の下面32bから上方へ凹んでいる。窪み39aは、下方から視て円形である。窪み39aの内径は、第2貫通孔39の内径よりも大きい。
【0031】
連結孔40は、支持部材32の右端付近において、前後方向9に離間して2つが位置している。連結孔40には、棒状部材33の下端33aが連結されている。
【0032】
棒状部材33は、スタッド溶接ガン14と支持部材32とを連結する(図1参照)。棒状部材33は円柱形状である。2本の棒状部材33が、スタッド溶接ガン14から下方へ延びている。棒状部材33の下端33aは、それぞれ連結孔40に連結されている。棒状部材33は、移動機構15によってスタッド溶接ガン14とともに、上下方向7、左右方向8、および前後方向9に移動する。
【0033】
図2に示されるように、連結部材34は、第2貫通孔39に挿通された状態で本体治具31と連結されている。連結部材34は、第2貫通孔39に対して上下方向7へ移動可能である。連結部材34は、3つのストリッパボルトである。連結部材34は、頭部45と、段部46と、ネジ部47とを有する。
【0034】
頭部45は、連結部材34の上端に位置する部分である。頭部45は、外形が略円柱形状であり、外径が第2貫通孔39の開口径よりも大きい。頭部45と支持部材32の上面32aとの間にはワッシャWが位置している。ワッシャWには連結部材34が挿通されている。頭部45がワッシャWを介して上面32aと当接することにより、本体治具31が支持部材32に対して寸法hより下方へ離れることが規制される。
【0035】
段部46は、連結部材34において、頭部45の下方に位置する部分である。段部46は円柱形状であり、外径が頭部45の外径よりも小さい。段部46の外径は、第2貫通孔39の開口径及びワッシャWの開口径よりも小さい。段部46の下部46aは、本体治具31の上面48に位置する窪み31aに嵌められている。
【0036】
ネジ部47は、連結部材34において段部46の下方に位置する部分である。ネジ部47の外径は、段部46の外径よりも小さい。ネジ部47は、窪み31aの下方に位置するネジ孔44に螺合されている。
【0037】
第2コイルバネ35は、支持部材32と本体治具31との間に位置している。第2コイルバネ35には、連結部材34が挿通されている。第2コイルバネ35は、上端が窪み39a内に位置している。第2コイルバネ35の自然長は寸法h1より長い。第2コイルバネ35は、本体治具31を支持部材32に対して下方へ付勢する。本体治具31は、下方から押されたとき、第2コイルバネ35の付勢力に抗して棒状部材33に対して上方へ移動可能である。
【0038】
図1図2に示されるように、本体治具31は、溶接時においてアーク及び溶接池の周囲を囲む。本体治具31は、金属製である。図4図5に示されるように、本体治具31は、略八角柱である。図2に示されるように、本体治具31には、前後方向9及び左右方向8の中央において、上下方向7に沿って拡がる内部空間50が位置している。内部空間50には、スタッドボルト11の下端部11dが収容される。
【0039】
図6に示されるように、本体治具31は、流路51と、上内側壁52と、下内側壁53と、下端溝(溝の一例)54と、シート55と、を有している。内部空間50、流路51、および下端溝54には、シールドガス17が流通する(図7参照)。
【0040】
図6に示されるように、流路51は、第1流路60と、第2流路61と、第3流路62と、を有している。第1流路60にはシールドガス17を供給する管など(不図示)が接続される。第1流路60は、内部空間50の軸芯50a(図6において一点鎖線で示す。)を中心とする径方向(以下、内部空間50の径方向とも称する。)に沿って延びる空間であり、一端が外部63に開口している。第1流路60は、本体治具31において1つが位置している。
【0041】
第2流路61は、第1流路60に対して、内部空間50の径方向における内方に位置している。本体治具31の上面48には、円形に凹んだ上端溝64が位置する。第2流路61は、上端溝64の下方に位置している。図4図6に示されるように、第2流路61は、軸芯50aを中心とする環状の空間である。第2流路61は、第1流路60の他端と繋がっている。第2流路61は、本体治具31、及び本体治具31内に位置する略円筒形状の環状治具65によって区画されている。
【0042】
環状治具65は、本体治具31内における上寄りの位置であって、且つ、上端溝64の下方に位置している。図6に示されるように、環状治具65は、後述する円周部70の上端に位置する溝66に嵌められている。環状治具65の軸芯は、内部空間50の軸芯50aと一致している。
【0043】
第3流路62は、第2流路61に対して、内部空間50の径方向における内方に位置している。第3流路62は、環状治具65を、軸芯50aを中心とする径方向に沿って貫通する。第3流路62は、第2流路61及び内部空間50と繋がっている。第3流路62は、軸芯50aを中心とする周方向において複数が位置している。第3流路62は、環状治具65の上寄りの位置と下寄りの位置とにそれぞれ位置している。環状治具65の上寄りに位置する第3流路62は、下寄りに位置する第3流路62に対して、上下方向7から視て周方向における位置が異なる。第3流路62の開口径は、第1流路60の開口径よりも小さい。
【0044】
環状治具65の内壁が上内側壁52である。上内側壁52には、第3流路62の開口67が周方向に複数並んでいる。下内側壁53は、環状治具65よりも下方の本体治具31の内壁である。下内側壁53は、上内側壁52の下方に位置している。内部空間50は、上内側壁52および下内側壁53により区画されている。
【0045】
下内側壁53は、円周部70と、テーパ部71とを有している。円周部70は、上内側壁52の下方に位置しており、上内側壁52と連続している。円周部70は、内径が上内側壁52の内径と同じである。テーパ部71は、円周部70の下方に位置する。テーパ部71は、円周部70と連続している。テーパ部71は、円周部70の下端から本体治具31の下端面72へ向かって内部空間50が径方向へ連続して拡がるように形成されている。
【0046】
下端溝54は、本体治具31の下端面72がワーク12の表面13に当接した状態において、内部空間50と外部63とを繋ぐ。図5図6に示されるように、下端溝54は、本体治具31の下端面72において上方へ凹んだ空間である。下端溝54は、下方から視て、内部空間50の径方向に沿って延びている。下端溝54は、軸芯50aを中心として放射状に4つが延びている。下端溝54は、軸芯50aを中心とする周方向において等間隔に位置している。
【0047】
図7図8に示されるように、シート55は、内部空間50へ導入されたシールドガス17が上面48の開口48aから外部63へ流出するのを抑制する。シート55は、円形の板状であり、中央において穴75を有している。シート55は、例えば可撓性のガラスクロスである。シート55の外径は、上端溝64の内径よりも小さく、第2流路61の外径よりも大きい。穴75の内径は、スタッドボルト11の外径と同じである。
【0048】
シート55は、嵌合部材76によって本体治具31に固定されている。嵌合部材76の外径は、上端溝64の内径と同じである。嵌合部材76の内径は、環状治具65の内径と同じである。シート55は、嵌合部材76に上下から挟まれている。シート55は、径方向に沿う方向に延びる切り込み77を有している。切り込み77は、シート55の内側の縁から径方向の外側へ向かって延びている。切り込み77は、周方向に8つが位置する。
【0049】
[スタッド溶接ガン用治具16の動作]
次に、スタッドボルト11がワーク12の平坦な表面13に溶接される場合のスタッド溶接ガン用治具16の動作について、図1、並びに、図9(a)、(b)及び(c)を参照しつつ説明する。
【0050】
図1に示されるように、溶接が行われる際、先ず、スタッド溶接ガン14にスタッド溶接ガン用治具16が取り付けられた状態で、先端部材20にスタッドボルト11が挟持される。スタッドボルト11の軸芯11aは、内部空間50の軸芯50aと一致する。また、当接部材21の下端の上下方向7における位置は、ボルト22に対するナット23の締め付けによって調節される。スタッドボルト11は、下端11cが本体治具31の下端面72より下方に位置するように調節される。スタッド溶接ガン14にスタッドボルト11を組み付ける際には、スタッドボルト11がシート55に当接してもシート55が湾曲するので、スタッドボルト11の損傷が抑制される。
【0051】
次に、移動機構15が制御部により駆動されて、図9(a)に示されるように、スタッド溶接ガン14が溶接箇所24の上方に位置する。続いて、移動機構15により、スタッド溶接ガン14が下方へ移動すると、スタッドボルト11及び本体治具31がともに下方へ移動し、スタッドボルト11の下端11cがワーク12の表面13の溶接箇所24と当接する。このとき、スタッドボルト11の上端11bは当接部材21の下端21a(図1参照)に当接している。本体治具31の下端面72はワーク12の表面13から離間しており、頭部45はワッシャWを介して支持部材32に当接した状態である。
【0052】
スタッドボルト11の下端11cがワーク12の表面13に当接した後、引き続き移動機構15によってスタッド溶接ガン14が下方へ移動する。このとき、スタッドボルト11はワーク12上に静止したまま、スタッド溶接ガン14が第1コイルバネの付勢力に抗してスタッドボルト11へ近づく方(下方)へ移動する。このとき、第1コイルバネが圧縮されてスタッドボルト11が本体治具31に対して上方へ移動する。図9(b)に示されるように、スタッドボルト11は、スタッド溶接ガン14に対して、本体治具31の下端面72がワーク12と当接するまで移動される。
【0053】
本体治具31の下端面72がワーク12の表面13と当接した後、移動機構15によってスタッド溶接ガン14が更に下方へと移動される。下端面72がワーク12の表面13に当接した後、スタッド溶接ガン14が下方へ移動すると、本体治具31がワーク12上に静止したまま、支持部材32が第2コイルバネ35の付勢力に抗して本体治具31へ近づく方(下方)へ移動する。また、スタッドボルト11は、ワーク12上に静止したままであるが、第1コイルバネの付勢力に抗してスタッド溶接ガン14に対して近づく方へ移動する。このとき、図9(c)に示されるように、第2コイルバネ35は圧縮されて頭部45が支持部材32の上面32a上に位置するワッシャWから離間する。ワーク12の表面13は、第1コイルバネ及び第2コイルバネ35の付勢力によって、スタッドボルト11の下端11c及び本体治具31の下端面72によって圧接される。
【0054】
制御部は、棒状部材33を予め設定された変位量だけ下方に移動したと判断したことに基づいて移動機構15の駆動を停止する。これにより、スタッドボルト11の下端11cは、本体治具31のテーパ部71によって囲まれる。また、下端溝54により、内部空間50と外部とが連通される。
【0055】
不図示のシールドガス17を供給する管から第1流路60にシールドガス17が流入すると、シールドガス17は、第2流路61を通じて内部空間50の上部を囲むように流れ、複数の第3流路62を通じて内部空間50の上部へ流れ込む。内部空間50の上部に存在した空気は、シールドガス17に押し出されて、内部空間50の下部へ移動し、下端溝54を通じて外部63へ流出する。なお、シート55により、内部空間50へ流入したシールドガス17が上面48の開口48aから外部63へ流出することが抑制される。これにより、シールドガス17が内部空間50へ導入されたときに溶接箇所24の周囲がシールドガス17で満たされる状態になる。その後、スタッドボルト11のワーク12への溶接が行われる。
【0056】
仮に、図10(a)に示されるように、ワーク12の溶接箇所24付近が表面13から上方へ盛り上がっている場合、下端面72がワーク12の表面13に当接した状態において、スタッドボルト11の下端11cが本体治具31の下端面72よりも上方に位置する。このとき、内部空間50に導入されたシールドガス17は、比較的狭い流路となっている円周部70を通った後にテーパ部71のスタッドボルト11の近い位置へと流れる。このため、シールドガス17は、上方から溶接箇所24の周囲を通って流れ溶接箇所24が確実にシールドガス17によって覆われる。その後、シールドガス17は、ワーク12の表面13に沿いつつテーパ部71に案内されて下端溝54から流出する。
【0057】
また、仮に図10(b)に示されるように、ワーク12の溶接箇所24付近が表面13より下方へ凹んでいる場合、下端面72がワーク12の表面13に当接した状態において、スタッドボルト11の下端11cが本体治具31の下端面72よりも下方に位置する。このとき、内部空間50に導入されたシールドガス17は、比較的狭い流路となっている円周部70を通った後にテーパ部71のスタッドボルト11の近い位置へと流れる。このため、シールドガス17は、上方から溶接箇所24の周囲を通って流れ溶接箇所24が確実にシールドガス17によって覆われる。その後、シールドガス17は、軸芯50aの径方向外方へと流れて下端溝54から流出する。
【0058】
[実施形態の作用効果]
本体治具31が連結機構30によってスタッド溶接ガン14に対して上方へ移動可能に支持されているので、スタッドボルト11を溶接箇所24に位置させたときに本体治具31がワーク12の表面13に当接するような場合であっても、スタッドボルト11とともに本体治具31の下端面72をワーク12の表面13に密着させることが容易である。また、本体治具31では、シールドガス17が外部63から流路51を通って内部空間50へ導入され、内部空間50から下端溝54を通って外部63へ流出する。このとき、シールドガス17は内部空間50において上方から下方へ向かって流れるので、内部空間50は迅速且つ確実にシールドガス17で満たされる。
【0059】
シールドガス17を上内側壁52の周方向に並ぶ複数の開口67から流入させて、下端面72において放射状に延びる複数の下端溝54から流出させるため、スタッドボルト11の下端11cの周囲にシールドガス17の流れができる。このため、スタッドボルト11の下端11cの周囲が確実にシールドガス17で覆われる。
【0060】
本体治具31の下内側壁53にテーパ部71があるため本体治具31をアーク及び溶接池から離した状態で溶接できる。これにより、スタッドボルト11の下端11cとワーク12の表面13との間でスパークなどにより溶融物が飛び散っても、下内側壁53に溶融物が付着し難い。
【0061】
内部空間50の上方において、スタッドボルト11と本体治具31との間にシート55が位置するため、流路51から内部空間50に導入されたシールドガス17が本体治具31の上面48の開口から外部へ流出することがシート55により抑制される。
【0062】
溶接機10に備えられた移動機構15により、スタッド溶接ガン14を、前後方向9及び左右方向8に平行な方向と、上下方向7とに移動させ、スタッドボルト11及びスタット溶接ガン用治具16をワーク12の表面13に当接させることができる。また、連続して複数の溶接箇所24を移動させつつ溶接ができる。
【0063】
[変形例]
上述の実施形態においては、環状治具65が、本体治具31とは別体の治具であって、本体治具31内に形成された溝66に嵌め込まれることによって固定されている場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。環状治具65は、本体治具31と一体のものであってもよい。
【0064】
上述の実施形態において、環状治具65の上寄りに位置する第3流路62は、下寄りに位置する第3流路62に対して、上下方向7から視て周方向にずれて位置している場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。環状治具65の上寄りに位置する第3流路62および下寄りに位置する第3流路62は、上下方向7から視て周方向において重なっていてもよい。
【0065】
上述の実施形態においては、上内側壁52に第3流路62の開口67が周方向に複数並んでいる場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。第3流路62は上内側壁52に1つのみ位置するものであってもよい。
【0066】
上述の実施形態において、下端溝54は、内部空間50の軸芯50aを中心として放射状に4つが延びており、周方向にそれぞれが等しい角度を隔てて位置している場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。下端溝54は、内部空間50の軸芯50aを中心とする周方向に3つ以下が位置するものであってもよいし、5つ以上が位置するものであってもよい。また、下端溝54は、それぞれ周方向に等間隔に隔てて位置するものでなくてもよい。下端溝54は、本体治具31がワーク12の表面13に当接した状態において、内部空間50と外部63とを連通するものであればよい。
【0067】
上述の実施形態において、下内側壁53は、円周部70の下方においてテーパ部71を有しており、テーパ部71は、円周部70の下端から本体治具31の下端面72へ向かって内部空間50が径方向へ連続して拡がるように形成されている。しかしながら、下内側壁53はこの構成に限らない。下内側壁53は、溶接箇所24の周囲において内径が円筒部よりも大きいものであればよい。例えば、下内側壁53は、円周部70の下方において、当該円周部70よりも内径の大きい環状の溝が下方に向けて開口していてもよい。
【0068】
上述の実施形態において、シート55には、可撓性のガラスクロスが使用される場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。シート55は、アルミガラスクロス、断熱ガラスクロス等、その他の溶接火花受け可能な素材が使用されてもよい。
【0069】
上述の実施形態において、シート55には、可撓性のガラスクロスが使用されており、嵌合部材76に上下から挟まれた状態で上端溝64に嵌められている場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、シート55は、1つの嵌合部材76によって上方から上端溝64に嵌められていてもよい。また、シート55は可撓性のものに限定されない。更に、シート55は、本体治具31と別体である必要はなく、本体治具31の一部であって、上面48からスタッドボルト11の外周面に向かって延びていてもよい。
【0070】
上述の実施形態においては、シート55の穴75の開口径がスタッドボルト11の外径と同じである場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。シート55の穴75の開口径は、スタッドボルト11の外径よりも大きくてもよい。また、シート55の穴75の開口径は、スタッドボルト11の外径よりも小さくてもよい。この場合、シート55は、切り込み77によって複数に分割された状態で撓みつつ、スタッドボルト11の外周面に当接する。穴75の開口径は、シールドガス17が本体治具31の上面48の開口48aから外部63へ流出するのを抑制できればよく、シールドガス17がアーク及び溶接池を覆う程度に内部空間50の下方へと流れるものであればよい。
【0071】
上述の実施形態において、シート55が切り込み77を有する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。スタッドボルト11の下端11cを内部空間50に収容できるものであればよく、切り込み77を有しないものであってもよい。
【0072】
上述の実施形態においては、連結部材34がストリッパボルトである場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。連結部材34は、六角ボルト、六角穴付丸頭ボルト等であってもよい。連結部材34は、支持部材32に対する本体治具31の下方への移動を規制出来るものであればよい趣旨である。
【0073】
上述の実施形態においては、本体治具31が第2コイルバネ35によって支持部材32に対して下方へ付勢される場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、第2コイルバネ35は、ゴム或いはシリコンなどであってもよい。
【0074】
上述の実施形態においては、スタッドボルト11を溶接する際、スタッドボルト11の下端11cが本体治具31の下端面72より下方に位置するように調整して先端部材20に取り付けられる場合を例にあげて説明した。しかしながら、スタッドボルト11の下端11cは、本体治具31の下端面72と上下方向7において同じ位置になるように調整されてもよい。この場合、スタッドボルト11が移動機構15によって溶接箇所24へ当接されるときに、本体治具31の下端面72も同時にワーク12の表面13と当接する。また、スタッドボルト11の下端11cは、先端部材20に取り付けられる際に本体治具31の下端面72よりも若干上方に位置するように調整されてもよい。この場合、制御部によって移動機構15が駆動されてスタッド溶接ガン14が下方へと移動すると、先ず、本体治具31の下端面72がワーク12の表面13に当接する。下端面72がワーク12に当接した後は、本体治具31がワーク12上に静止したまま、支持部材32が第2コイルバネ35の付勢力に抗して本体治具31へ近づく方へ移動する。更に、支持部材32とともにスタッドボルト11が下方へと移動し、スタッドボルト11の下端11cがワーク12の溶接箇所24と当接する。
【0075】
上述の実施形態においては、棒状部材33の下方への移動において、制御部が棒状部材33を予め設定された所定変位量だけ下方に移動したと判断したことに基づいて移動機構15の駆動を停止する場合を例にあげて説明した。しかしながら、この構成に限らない。制御部は、棒状部材33に位置する荷重センサから所定以上の負荷を受けた信号を受信したことに基づいて移動機構15の駆動を停止するものであってもよい。また、制御部は、棒状部材33を予め設定された所定時間だけ下方に移動したと判断したことに基づいて移動機構15の駆動を停止するものであってもよい。
【0076】
[付記1]
本体治具と、上記本体治具をスタッド溶接ガンと連結する連結機構と、を備えており、
上記本体治具は、
スタッドの下端部が収容される内部空間を区画する上内側壁及び下内側壁と、
下端面に位置しており、上記内部空間と外部とを連通する溝と、
上記上内側壁に開口しており、シールドガスが流通する流路と、を有しており、
上記連結機構は、
上記スタッド溶接ガンと連結されており、貫通孔を有する支持部材と、
上記支持部材の貫通孔に挿通されて上記本体治具に連結された連結部材と、
上記本体治具と上記支持部材との間に位置して上記本体治具を上記支持部材に対して離間する方向へ付勢する弾性部材と、を有するスタッド溶接ガン用治具。
【0077】
[付記2]
上記流路の開口は、上記上内側壁の周方向に複数が並んでおり、
上記溝は、上記下端面において放射状に延びる複数である付記1に記載のスタッド溶接ガン用治具。
[付記3]
上記下内側壁は、上記下端面へ向かって上記内部空間が拡がるテーパ部を有する付記1又は2に記載のスタッド溶接ガン用治具。
【0078】
[付記4]
上記本体治具は、上記内部空間と繋がる開口を上面に有しており、
上記本体治具の上面の開口を塞ぎ、かつ上記スタッドが挿入可能な切り込みを有するシートを更に有する付記1または2に記載のスタッド溶接ガン用治具。
【0079】
[付記5]
付記1に記載のスタッド溶接ガン用治具と、スタッド溶接ガンと、移動機構と、を備える溶接機であって、
上記移動機構は、上記スタッド溶接ガン及び上記スタッド溶接ガン用治具を、ワークの表面に対して接離する方向へ移動する溶接機。
【符号の説明】
【0080】
10・・・溶接機
11・・・スタッドボルト(スタッド)
11d・・・スタッドボルト11の下端部(スタッドの下端部)
13・・・ワーク12の表面
14・・・スタッド溶接ガン
15・・・移動機構
16・・・スタッド溶接ガン用治具
17・・・シールドガス
30・・・連結機構
31・・・本体治具
32・・・支持部材
35・・・第2コイルバネ(弾性部材)
39・・・第2貫通孔(貫通孔)
48・・・本体治具31の上面
48a・・・内部空間50と繋がる開口
50・・・内部空間
51・・・流路
52・・・上内側壁
53・・・下内側壁
54・・・下端溝(溝)
55・・・シート
63・・・外部
67・・・第3流路62の開口(流路の開口)
71・・・テーパ部
72・・・下端面
【要約】
【課題】溶接箇所が迅速且つ確実にシールドガスで覆われるスタッド溶接ガン用治具を提供すること。
【解決手段】スタッド溶接ガン用治具16は、本体治具31と、本体治具31をスタッド溶接ガン14と連結する連結機構30とを備えている。本体治具31は、スタッドボルト11の下端部11dが収容される内部空間50を区画する上内側壁52及び下内側壁53と、下端面72に位置し内部空間50と外部63とを連通する下端溝54と、上内側壁52に開口しシールドガス17が流通する流路51とを有しており、連結機構30は、スタッド溶接ガン14と連結されており第2貫通孔39を有する支持部材32と、第2貫通孔39に挿通されて本体治具31に連結された連結部材34と、本体治具31と支持部材32との間に位置して本体治具31を支持部材32に対して離間する方向へ付勢する第2コイルバネ35とを有する。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10