(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】フロースイッチ及びフロースイッチ取付方法
(51)【国際特許分類】
G01F 1/00 20220101AFI20241119BHJP
G01F 1/80 20060101ALI20241119BHJP
G01P 13/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
G01F1/00 U
G01F1/80
G01P13/00 C
(21)【出願番号】P 2024514927
(86)(22)【出願日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 JP2023014223
(87)【国際公開番号】W WO2023199838
(87)【国際公開日】2023-10-19
【審査請求日】2024-09-18
(31)【優先権主張番号】P 2022066733
(32)【優先日】2022-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 芽衣
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-150671(JP,A)
【文献】特開2010-066184(JP,A)
【文献】特開2018-179754(JP,A)
【文献】特表2019-521350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00- 9/02
G01F 15/00-15/18
G01P 13/00-13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有し、かつ、湾曲部を有するチューブ内を流れる流体の流れを検出するフロースイッチであって、
前記フロースイッチは、
前記チューブの変形を検出するセンサ部を備え、
前記チューブの外周面は、前記流体が流れる第1方向に視て、前記チューブの中心より第2方向に位置する第1領域、及び、前記チューブの中心より第3方向に位置する第2領域、を有し、
前記第2方向及び前記第3方向は、前記第1方向に直交し、
前記第3方向は、前記第2方向の反対方向であり、
前記湾曲部は、前記第2方向に突出するように湾曲する形状を含み、
前記センサ部は
、前記湾曲部に
おいて、前記第1領域と、前記第2領域と、に跨って固定さ
れ、
前記第1領域の前記センサ部が固定される部分の面積は、前記第2領域の前記センサ部が固定される部分の面積より大きい、
フロースイッチ。
【請求項2】
前記センサ部は、圧電フィルムを含む、
請求項
1に記載のフロースイッチ。
【請求項3】
前記圧電フィルムの主面は、前記圧電フィルムが平面に展開された状態で、前記圧電フィルムの主面の法線方向に視て、矩形状を有する、
請求項
2に記載のフロースイッチ。
【請求項4】
前記圧電フィルムが左右方向に伸張されたときに前記圧電フィルムが発生する電荷の極性は、前記圧電フィルムが前後方向に伸張されたときに前記圧電フィルムが発生する電荷の極性と異なる、
請求項
2又は請求項
3に記載のフロースイッチ。
【請求項5】
前記圧電フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸されているポリ乳酸を有するフィルムである、
請求項
2又は請求項3に記載のフロースイッチ。
【請求項6】
前記圧電フィルムの主面は、前記圧電フィルムが平面に展開された状態で、左右方向に延びる長手方向を有し、かつ、前後方向に延びる短手方向を有し、
前記圧電フィルムの一軸延伸方向は、前記圧電フィルムが平面に展開された状態で、前記左右方向及び前記前後方向に対して45度の角度を形成する、
請求項
5に記載のフロースイッチ。
【請求項7】
前記センサ部が検出する前記チューブの変形は、前記チューブの曲げである、
請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のフロースイッチ。
【請求項8】
前記湾曲部は、弾性変形、又は、弾性変形及び塑性変形により、変形する、
請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のフロースイッチ。
【請求項9】
前記チューブの
前記第1方向に垂直な断面の外縁は、円形状を含む、
請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のフロースイッチ。
【請求項10】
前記流体は、水である、
請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のフロースイッチ。
【請求項11】
可撓性を有し、かつ、湾曲部を有するチューブ内を流れる流体の流れを検出するフロースイッチであって、
前記フロースイッチは、
前記チューブの変形を検出するセンサ部を備え、
前記チューブの外周面は、前記流体が流れる第1方向に視て、前記チューブの中心より第2方向に位置する第1領域、及び、前記チューブの中心より第3方向に位置する第2領域、を有し、
前記第2方向及び前記第3方向は、前記第1方向に直交し、
前記第3方向は、前記第2方向の反対方向であり、
前記湾曲部は、前記第2方向に突出するように湾曲する形状を含み、
前記センサ部は、前記湾曲部において、前記第1領域と、前記第2領域と、に跨って固定され、
前記第2領域の前記センサ部が固定される部分の面積は、前記第1領域の前記センサ部が固定される部分の面積より大きい、
フロースイッチ。
【請求項12】
可撓性を有し、かつ、湾曲部を有するチューブに対して、センサ部を取り付けるフロースイッチ取付方法であって、
前記チューブの外周面は、前記チューブ内の流体が流れる第1方向に視て、前記チューブの中心より第2方向に位置する第1領域、及び、前記チューブの中心より第3方向に位置する第2領域、を有し、
前記第2方向及び前記第3方向は、前記第1方向に直交し、
前記第3方向は、前記第2方向の反対方向であり、
前記湾曲部は、前記第2方向に突出するように湾曲する形状を含み、
前記センサ部が前記チューブの変形を検出するように、前記センサ部
を前記湾曲部に
おいて、前記第1領域と、前記第2領域と、に跨って固定
し、
前記第1領域の前記センサ部が固定される部分の面積は、前記第2領域の前記センサ部が固定される部分の面積より大きい、
フロースイッチ取付方法。
【請求項13】
可撓性を有し、かつ、湾曲部を有するチューブに対して、センサ部を取り付けるフロースイッチ取付方法であって、
前記チューブの外周面は、前記チューブ内の流体が流れる第1方向に視て、前記チューブの中心より第2方向に位置する第1領域、及び、前記チューブの中心より第3方向に位置する第2領域、を有し、
前記第2方向及び前記第3方向は、前記第1方向に直交し、
前記第3方向は、前記第2方向の反対方向であり、
前記湾曲部は、前記第2方向に突出するように湾曲する形状を含み、
前記センサ部が前記チューブの変形を検出するように、前記センサ部を前記湾曲部において、前記第1領域と、前記第2領域と、に跨って固定し、
前記第2領域の前記センサ部が固定される部分の面積は、前記第1領域の前記センサ部が固定される部分の面積より大きい、
フロースイッチ取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流れを検出するフロースイッチ及びフロースイッチ取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフロースイッチ及びフロースイッチ取付方法に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の水流スイッチが知られている。この水流スイッチは、流量スイッチ及び差圧動作開閉部を備えている。流量スイッチは、流路における小流量の流れを検出する。また、差圧動作開閉部は、流量スイッチによる検出時の流量に基づいて流路を開く。このような水流スイッチは、水が流れる流路に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の水流スイッチにおいて、検出対象の流体と接触せずに、流体の流れを検出したいという要望がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、検出対象の流体と接触せずに、流体の流れを検出できるフロースイッチ及びフロースイッチ取付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係るフロースイッチは、
可撓性を有し、かつ、湾曲部を有するチューブ内を流れる流体の流れを検出するフロースイッチであって、
前記フロースイッチは、
前記チューブの変形を検出するセンサ部を備え、
前記センサ部は、前記チューブの外周面、かつ、前記湾曲部に固定される。
【0007】
本発明の一形態に係るフロースイッチ取付方法は、
可撓性を有し、かつ、湾曲部を有するチューブに対して、センサ部を取り付けるフロースイッチ取付方法であって、
前記センサ部が前記チューブの変形を検出するように、前記センサ部を前記チューブの外周面、かつ、前記湾曲部に固定する。
【0008】
本明細書において、方向を以下のように定義する。流体が流れる方向を第1方向DIR1と定義する。また、第1方向DIR1に直交する方向を第2方向DIR2と定義する。また、第3方向DIR3を第2方向DIR2の反対方向と定義する。第2方向DIR2及び第3方向DIR3は、第1方向DIR1に直交する。また、フロースイッチ1において、圧電フィルム11が平面に展開された状態で、圧電フィルム11の第1上主面US1及び第1下主面LS1が並ぶ方向を上下方向と定義する。また、上下方向に視て、圧電フィルム11の長辺が延びる方向を左右方向と定義する。上下方向に視て、圧電フィルム11の短辺が延びる方向を前後方向と定義する。上下方向、左右方向及び前後方向は、互いに直交している。なお、本明細書における方向の定義は、一例である。従って、フロースイッチ1の実使用時における方向と本明細書における方向とが一致している必要はない。また、
図1乃至
図15において上下方向が反転してもよい。
図1乃至
図15において左右方向が反転してもよい。
図1乃至
図15において前後方向が反転してもよい。
【0009】
以下では、X,Yは、フロースイッチ1の部品又は部材である。本明細書において、特に断りのない場合には、Xの各部について以下のように定義する。Xの上部とは、Xの上半分を意味する。Xの上端とは、Xの上方向の端を意味する。Xの上端部とは、Xの上端及びその近傍を意味する。この定義は、上方向以外の方向にも適用される。
【0010】
また、「Xは、Yの上に位置している。」とは、XがYの真上に位置していることを意味する。従って、上下方向に視て、Xは、Yと重なっている。「Xは、Yより上に位置している。」とは、XがYの真上に位置していること、及び、XがYの斜め上に位置していることを意味する。従って、上下方向に視て、Xは、Yと重なっていてもよいし、Yと重なっていなくてもよい。この定義は、上方向以外の方向にも適用される。
【0011】
本明細書において、「XとYとが電気的に接続される」とは、XとYとの間で電気が導通していることを意味する。従って、XとYとが接触していてもよいし、XとYとが接触していなくてもよい。XとYとが接触していない場合には、XとYとの間に導電性を有するZが配置されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検出対象の流体と接触せずに、流体の流れを検出できるフロースイッチ及びフロースイッチ取付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るフロースイッチ1の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るセンサ部3を下方向に視た平面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るセンサ部3のA-Aにおける断面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るチューブ2、センサ部3及び接着材4のB-Bにおける断面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係るセンサ部3がチューブ2に固定されていない状態におけるチューブ2及びセンサ部3を前方向に視た側面図である。
【
図7】
図7は、水5がチューブ2内を流れていない状態における第1の実施形態に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
【
図8】
図8は、水5がチューブ2内を流れている状態における第1の実施形態に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
【
図9】
図9は、第1の変形例に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
【
図10】
図10は、第1の変形例に係るチューブ2、センサ部3及び接着材4のB-Bにおける断面図である。
【
図11】
図11は、第1の変形例に係るセンサ部3がチューブ2に固定されていない状態におけるチューブ2及びセンサ部3を前方向に視た側面図である。
【
図12】
図12は、水5がチューブ2内を流れていない状態における第1の変形例に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
【
図13】
図13は、水5がチューブ2内を流れている状態における第1の変形例に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
【
図14】
図14は、第2の変形例に係るチューブ2、センサ部3及び接着材4のB-Bにおける断面図である。
【
図15】
図15は、第3の変形例に係るチューブ2、センサ部3及び接着材4のB-Bにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施形態]
以下に、本発明の第1の実施形態に係るフロースイッチ1の構成について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係るフロースイッチ1の斜視図である。
図2は、第1の実施形態に係るセンサ部3を下方向に視た平面図である。
図3は、第1の実施形態に係るセンサ部3のA-Aにおける断面図である。
図4は、第1の実施形態に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
図5は、第1の実施形態に係るチューブ2、センサ部3及び接着材4のB-Bにおける断面図である。
【0015】
フロースイッチ1は、可撓性を有するチューブ2内を流れる流体の流れを検出する。チューブ2の材料は、例えば、金属又は樹脂である。従って、チューブ2は、弾性変形する。
【0016】
フロースイッチ1は、
図1に示すように、センサ部3を備えている。センサ部3は、チューブ2の変形を検出する。本実施形態では、センサ部3が検出するチューブ2の変形は、チューブ2の曲げである。また、センサ部3は、可撓性を有している。センサ部3は、上下方向に並ぶ第1上主面US1及び第1下主面LS1を有している。第1上主面US1及び第1下主面LS1の法線方向は、上下方向である。第1上主面US1は、第1下主面LS1の上に位置している。
【0017】
センサ部3は、
図1に示すように、上下方向に視て、矩形状を有している。センサ部3は、左右方向に延びる長手方向を有している。また、センサ部3は、前後方向に延びる短手方向を有している。すなわち、センサ部3の左右方向の長さは、センサ部3の前後方向の長さより長い。
【0018】
センサ部3は、
図2に示すように、圧電フィルム11、上電極12a及び電極部材13を含んでいる。圧電フィルム11は、シート形状を有している。従って、圧電フィルム11は、
図3に示すように、上下方向に並ぶ第2上主面US2及び第2下主面LS2を有している。第2上主面US2及び第2下主面LS2の法線方向は、上下方向である。第2上主面US2は、第2下主面LS2の上に位置している。また、圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2は、
図2に示すように、圧電フィルム11が平面に展開された状態で、左右方向に延びる長手方向を有している。また、圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2は、圧電フィルム11が平面に展開された状態で、前後方向に延びる短手方向を有している。すなわち、圧電フィルム11の左右方向の長さは、圧電フィルム11の前後方向の長さより長い。
【0019】
本実施形態では、圧電フィルム11は、
図2に示すように、上下方向に視て、矩形状を有している。すなわち、圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2は、圧電フィルム11が平面に展開された状態で、上下方向(圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2の法線方向)に視て、矩形状を有している。また、圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2は、圧電フィルム11が平面に展開された状態で、左右方向に延びる長辺、及び、前後方向に延びる短辺を有している。圧電フィルム11は、圧電フィルム11の変形量に応じた電荷を発生する。本実施形態では、圧電フィルム11は、PLAフィルムである。以下に、圧電フィルム11について、より詳細に説明する。
【0020】
圧電フィルム11は、圧電フィルム11が左右方向に伸張されたときに発生する電荷の極性が、圧電フィルム11が前後方向に伸張されたときに発生する電荷の極性と逆となる特性を有している。具体的には、圧電フィルム11は、キラル高分子から形成されるフィルムである。キラル高分子とは、例えば、ポリ乳酸(PLA)、特にL型ポリ乳酸(PLLA)である。キラル高分子からなるPLLAは、主鎖が螺旋構造を有する。PLLAは、一軸延伸されて分子が配向する圧電性を有する。圧電フィルム11は、d14の圧電定数を有している。圧電フィルム11の一軸延伸方向ODは、
図2に示すように、圧電フィルム11が平面に展開された状態で、左右方向及び前後方向のそれぞれに対して45度の角度を形成している。この45度は、例えば、45度±10度程度を含む角度を含む。これにより、圧電フィルム11は、圧電フィルム11が左右方向に伸張されること又は前後方向に伸張されることにより、電荷を発生する。圧電フィルム11が左右方向に伸張されたときに圧電フィルム11が発生する電荷の極性は、圧電フィルム11が前後方向に伸張されたときに圧電フィルム11が発生する電荷の極性と異なる。圧電フィルム11は、例えば、左右方向に伸張されると負の電荷を発生する。圧電フィルム11は、例えば、前後方向に伸張されると正の電荷を発生する。電荷の大きさは、伸張又は圧縮による圧電フィルム11の変形量に依存する。より正確には、電荷の大きさは、伸張又は圧縮による圧電フィルム11の変形量の微分値に比例する。
【0021】
上電極12aは、グランド電極である。上電極12aは、上下方向に並ぶ上主面及び下主面を有している。上電極12aは、グランドに接続される。上電極12aは、
図3に示すように、圧電フィルム11の第2上主面US2に設けられている。上電極12aは、圧電フィルム11の第2上主面US2の全体を覆っている。上電極12aは、図示しない粘着層を含んでいる。そして、この粘着層により、上電極12aが圧電フィルム11の第2上主面US2に固定されている。上電極12aの上主面は、センサ部3の第1上主面US1である。
【0022】
電極部材13は、
図3に示すように、圧電フィルム11の第2下主面LS2に設けられている。また、電極部材13は、下電極12b及びフレキシブルプリント基板14を有している。
【0023】
下電極12bは、信号電極である。下電極12bから検知信号が出力される。本実施形態では、下電極12bは、
図3に示すように、後述するフレキシブルプリント基板14の上主面に設けられている。すなわち、下電極12bは、後述するフレキシブルプリント基板14の複数の絶縁体層の内の最も上に位置する絶縁体層の上主面に設けられている導体層である。
【0024】
フレキシブルプリント基板14は、可撓性を有する回路基板である。フレキシブルプリント基板14は、上下方向に並ぶ上主面及び下主面を有している。フレキシブルプリント基板14は、信号線、グランド線及び複数の絶縁体層を含んでいる。複数の絶縁体層は、上下方向に積層されている。信号線及びグランド線は、絶縁体層に設けられている導体層である。信号線は、下電極12bと電気的に接続されている。信号線には、下電極12bが出力する検知信号が伝送される。グランド線は、上電極12aと電気的に接続されている。グランド線は、グランド電位に接続されている。フレキシブルプリント基板14の下主面は、センサ部3の第1下主面LS1である。
【0025】
このようなセンサ部3は、
図4に示すように、接着材4を介して、チューブ2の外周面OSに固定される。より詳細には、接着材4は、センサ部3の第1下主面LS1の全体を覆っている。また、接着材4は、チューブ2の外周面OSに固定される。本実施形態では、センサ部3は、圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2の長辺が第1方向DIR1に延びるように、チューブ2の外周面OSに固定される。圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2の短辺は、左右方向に視て、チューブ2の周囲を周回している。
【0026】
本実施形態では、チューブ2は、
図4に示すように、左直線部21L、右直線部21R及び湾曲部22を有する。左直線部21Lは、左下方向から右上方向に延びる形状を有し、かつ、曲がっていない。右直線部21Rは、左上方向から右下方向に延びる形状を有し、かつ、曲がっていない。湾曲部22は、左右方向に延びる形状を有し、かつ、上方向に突出するように湾曲する形状を含んでいる。センサ部3は、湾曲部22に固定される。
【0027】
より詳細には、本実施形態では、
図4に示すように、水5がチューブ2内を流れる。水5は、本発明の流体の一例である。本実施形態では、水5は、チューブ2内を、左直線部21Lの左端から右直線部21Rの右端に流れる。すなわち、左直線部21Lにおいて、第1方向DIR1は、右上方向である。また、右直線部21Rにおいて、第1方向DIR1は、右下方向である。また、湾曲部22において、水5は、チューブ2内を、湾曲部22の左端から湾曲部22の右端に流れる。すなわち、本実施形態では、湾曲部22の左部において、第1方向DIR1は、右上方向である。また、湾曲部22の右部において、第1方向DIR1は、右下方向である。また、湾曲部22の左右方向の中央の位置において、第1方向DIR1は、右方向である。
【0028】
湾曲部22は、
図4に示すように、第2方向DIR2に突出するように湾曲する形状を含んでいる。具体的には、第2方向DIR2は、上方向である。第3方向DIR3は、下方向である。
【0029】
また、チューブ2の第1方向DIR1に垂直な断面の外縁は、
図5に示すように、円形状を含んでいる。また、チューブ2の第1方向DIR1に垂直な断面の内縁は、円形状を含んでいる。外周面OSは、第1方向DIR1に視て、チューブ2の中心Oより第2方向DIR2に位置する第1領域A1、及び、チューブ2の中心Oより第3方向DIR3に位置する第2領域A2を有している。本実施形態では、センサ部3は、第1領域A1に固定されている。
【0030】
ところで、フロースイッチ1は、検出対象の流体と接触せずに、流体の流れを検出できる構造を有している。以下にこの構造について説明する。
図6は、第1の実施形態に係るセンサ部3がチューブ2に固定されていない状態におけるチューブ2及びセンサ部3を前方向に視た側面図である。
図7は、水5がチューブ2内を流れていない状態における第1の実施形態に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
図8は、水5がチューブ2内を流れている状態における第1の実施形態に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。なお、
図8では、チューブ2及びセンサ部3が変形する様子を説明するため、チューブ2及びセンサ部3の変形を強調して示している。
【0031】
センサ部3がチューブ2に固定されていない状態で、圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2の長手方向は、左右方向に延びている。また、センサ部3がチューブ2に固定されていない状態で、圧電フィルム11の第2上主面US2及び第2下主面LS2の短手方向は、前後方向に延びている。また、圧電フィルム11は、センサ部3がチューブ2に固定されていない状態で、僅かに左右方向に延ばされている。センサ部3を、
図6に示すように、湾曲部22の上から湾曲部22に向けて下方向に移動させることにより、センサ部3を、
図7に示すように、チューブ2の外周面OS、かつ、湾曲部22に固定する。本実施形態では、センサ部3を、第1領域A1かつ湾曲部22に固定する。センサ部3は、チューブ2に固定されている状態で、僅かに左右方向に延ばされている。これにより、センサ部3がチューブ2に固定されている状態で、センサ部3には、第1方向DIR1及び第1方向DIR1の反対方向に縮む張力が発生している。これにより、センサ部3は、チューブ2の変形を検出することができる。
【0032】
圧電フィルム11が発生する電荷の大きさは、伸張又は圧縮による圧電フィルム11の変形量の微分値に比例する。すなわち、センサ部3がチューブ2に固定されている状態、かつ、水5がチューブ2内を流れていない状態で、圧電フィルム11は、電荷を発生しない。信号線には、チューブ2が変形していないことを示す検知信号が伝送される。
【0033】
水5がチューブ2内を流れている状態では、チューブ2の中心Oより第2方向DIR2に位置する水5の流速は、チューブ2の中心Oより第3方向DIR3に位置する水5の流速より大きい。従って、水5がチューブ2内を流れ始めると、湾曲部22は、弾性変形により、変形する。より詳細には、水5がチューブ2内を流れ始めると、湾曲部22は、
図8に示すように、水5から力Fを受ける。具体的には、左直線部21Lでは、水5は、右上方向に進行する。湾曲部22は、第2方向DIR2に突出するように湾曲する形状を含んでいる。そのため、水5は、湾曲部22の内周面の内のチューブ2の中心Oより第2方向DIR2に位置する部分に衝突する。これにより、水5の進行方向が変化して、水5は、湾曲部22に沿って流れる。このとき、水5は、湾曲部22に力Fを与える。力Fの方向は、湾曲部22が上方向に突出するように湾曲する形状を含んでいることにより、第2方向DIR2である。これにより、湾曲部22は、弾性変形により、変形する。より詳細には、湾曲部22は、弾性変形により、湾曲部22の直径が大きくなるように変形する。これにより、センサ部3は、第1方向DIR1に伸張するように変形する。従って、圧電フィルム11は、左右方向に伸張される。その結果、圧電フィルム11は、負の電荷を発生する。信号線には、チューブ2が変形したことを示す検知信号が伝送される。
【0034】
チューブ2内を流れていた水5が停止し始めると、湾曲部22が水5から受けていた力Fが小さくなる。チューブ2内を流れていた水5が完全に停止すると、湾曲部22が水5から受けていた力Fは、零になる。これにより、湾曲部22は、弾性変形により、変形する。より詳細には、湾曲部22は、弾性変形により、水5がチューブ2内を流れていない状態の形状に戻る。具体的には、湾曲部22は、弾性変形により、湾曲部22の直径が小さくなるように変形する。これにより、センサ部3は、第1方向DIR1に縮むように変形する。従って、圧電フィルム11は、左右方向に圧縮される。その結果、圧電フィルム11は、正の電荷を発生する。信号線には、チューブ2が変形したことを示す検知信号が伝送される。
【0035】
[効果]
フロースイッチ1によれば、検出対象の流体と接触せずに、流体の流れを検出することができる。より詳細には、チューブ2は、可撓性を有し、かつ、湾曲部22を有する。これにより、流体がチューブ2内を流れ始めると、湾曲部22は、流体から力Fを受ける。その結果、流体がチューブ2内を流れ始めると、湾曲部22は、変形する。また、チューブ2内を流れていた流体が完全に停止すると、湾曲部22が流体から受けていた力Fは、零になる。その結果、流体がチューブ2内を流れ始めると、湾曲部22は、変形する。そこで、フロースイッチ1は、チューブ2の変形を検出するセンサ部3を備えている。センサ部3は、チューブ2の外周面OS、かつ、湾曲部22に固定される。これにより、フロースイッチ1は、検出対象の流体と接触しない。また、フロースイッチ1は、センサ部3が湾曲部22の変形を検出することにより、流体の流れを検出する。その結果、フロースイッチ1によれば、検出対象の流体と接触せずに、流体の流れを検出することができる。
【0036】
フロースイッチ1によれば、流体の流れを検出する感度を向上させることができる。より詳細には、チューブ2の湾曲部22は、第2方向DIR2に突出するように湾曲する形状を含んでいる。また、チューブ2の外周面OSは、流体が流れる第1方向DIR1に視て、チューブ2の中心Oより第2方向DIR2に位置する第1領域A1、及び、チューブ2の中心Oより第3方向DIR3に位置する第2領域A2を有している。これにより、流体がチューブ2内を流れ始めると、第1領域A1かつ湾曲部22には引張応力が働く。一方、流体がチューブ2内を流れ始めると、第2領域A2かつ湾曲部22には圧縮応力が働く。そこで、センサ部3は、第1領域A1に固定されている。これにより、引張応力により圧電フィルム11が変形することによって圧電フィルム11が発生する電荷と圧縮応力により圧電フィルム11が変形することによって圧電フィルム11が発生する電荷とが打ち消し合うことがない。従って、センサ部3の感度が向上する。その結果、フロースイッチ1によれば、流体の流れを検出する感度を向上させることができる。
【0037】
フロースイッチ1によれば、センサ部3をチューブ2の外周面OS、かつ、湾曲部22に固定しやすくなる。より詳細には、センサ部3は、圧電フィルム11を含んでいる。また、圧電フィルム11は、シート形状を有している。これにより、センサ部3は、可撓性を有している。その結果、フロースイッチ1によれば、センサ部3をチューブ2の外周面OS、かつ、湾曲部22に固定しやすくなる。
【0038】
フロースイッチ取付方法によれば、検出対象の流体と接触せずに、流体の流れを検出できるフロースイッチ1をチューブ2に取り付けることができる。より詳細には、チューブ2は、可撓性を有し、かつ、湾曲部22を有する。センサ部3がチューブ2の変形を検出するように、センサ部3をチューブ2の外周面OS、かつ、湾曲部22に固定する。その結果、フロースイッチ取付方法によれば、検出対象の流体と接触せずに、流体の流れを検出できるフロースイッチ1をチューブ2に取り付けることができる。
【0039】
[第1の変形例]
以下に、本発明の第1の変形例に係るフロースイッチ1aについて、図を参照しながら説明する。
図9は、第1の変形例に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
図10は、第1の変形例に係るチューブ2、センサ部3及び接着材4のB-Bにおける断面図である。
図11は、第1の変形例に係るセンサ部3がチューブ2に固定されていない状態におけるチューブ2及びセンサ部3を前方向に視た側面図である。
図12は、水5がチューブ2内を流れていない状態における第1の変形例に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。
図13は、水5がチューブ2内を流れている状態における第1の変形例に係るセンサ部3を固定したチューブ2を前方向に視た側面図である。なお、
図13では、チューブ2及びセンサ部3が変形する様子を説明するため、チューブ2及びセンサ部3の変形を強調して示している。なお、第1の変形例に係るフロースイッチ1aについては、第1の実施形態に係るフロースイッチ1と異なる部分のみ説明し、後は省略する。
【0040】
フロースイッチ1aは、
図9及び
図10に示すように、センサ部3がチューブ2の外周面OSの第2領域A2に固定されている点において、フロースイッチ1と相違する。
【0041】
センサ部3を、
図11に示すように、湾曲部22の下から湾曲部22に向けて上方向に移動させることにより、センサ部3を、
図12に示すように、チューブ2の外周面OS、かつ、湾曲部22に固定する。本実施形態では、センサ部3を、第2領域A2かつ湾曲部22に固定する。センサ部3は、チューブ2に固定されている状態で、僅かに左右方向に延ばされている。これにより、センサ部3がチューブ2に固定されている状態で、センサ部3には、第1方向DIR1及び第1方向DIR1の反対方向に縮む張力が発生している。これにより、センサ部3は、チューブ2の変形を検出することができる。
【0042】
圧電フィルム11が発生する電荷の大きさは、伸張又は圧縮による圧電フィルム11の変形量の微分値に比例する。すなわち、センサ部3がチューブ2に固定されている状態、かつ、水5がチューブ2内を流れていない状態で、圧電フィルム11は、電荷を発生しない。信号線には、チューブ2が変形していないことを示す検知信号が伝送される。
【0043】
水5がチューブ2内を流れ始めると、湾曲部22は、
図13に示すように、弾性変形により、変形する。これにより、センサ部3は、第1方向DIR1に縮むように変形する。従って、圧電フィルム11は、左右方向に圧縮される。その結果、圧電フィルム11は、正の電荷を発生する。信号線には、チューブ2が変形したことを示す検知信号が伝送される。
【0044】
チューブ2内を流れていた水5が停止し始めると、湾曲部22が水5から受けていた力Fが小さくなる。チューブ2内を流れていた水5が完全に停止すると、湾曲部22が水5から受けていた力Fは、零になる。これにより、湾曲部22は、弾性変形により、変形する。より詳細には、湾曲部22は、弾性変形により、水5がチューブ2内を流れていない状態の形状に戻る。具体的には、湾曲部22は、弾性変形により、湾曲部22の直径が小さくなるように変形する。これにより、センサ部3は、第1方向DIR1に伸張するように変形する。従って、圧電フィルム11は、左右方向に伸張される。その結果、圧電フィルム11は、負の電荷を発生する。信号線には、チューブ2が変形したことを示す検知信号が伝送される。
【0045】
以上のようなフロースイッチ1aにおいても、フロースイッチ1と同じ効果を奏する。
【0046】
[第2の変形例]
以下に、本発明の第2の変形例に係るフロースイッチ1bについて、図を参照しながら説明する。
図14は、第2の変形例に係るチューブ2、センサ部3及び接着材4のB-Bにおける断面図である。なお、第2の変形例に係るフロースイッチ1bについては、第1の実施形態に係るフロースイッチ1と異なる部分のみ説明し、後は省略する。
【0047】
フロースイッチ1bは、
図14に示すように、センサ部3がチューブ2の外周面OSの第1領域A1と、第2領域A2と、に跨って固定されている点において、フロースイッチ1と相違する。
【0048】
チューブ2の外周面OSの第1領域A1のセンサ部3が固定される部分の面積は、
図14に示すように、チューブ2の外周面OSの第2領域A2のセンサ部3が固定される部分の面積より大きい。
【0049】
水5がチューブ2内を流れ始めると、湾曲部22は、弾性変形により、変形する。これにより、チューブ2の外周面OSの第1領域A1に固定されている圧電フィルム11の部分は、第1方向DIR1に伸張するように変形する。一方、チューブ2の外周面OSの第2領域A2に固定されている圧電フィルム11の部分は、第1方向DIR1に縮むように変形する。チューブ2の外周面OSの第1領域A1のセンサ部3が固定される部分の面積が、チューブ2の外周面OSの第2領域A2のセンサ部3が固定される部分の面積より大きいため、圧電フィルム11は、負の電荷を発生する。信号線には、チューブ2が変形したことを示す検知信号が伝送される。
【0050】
チューブ2内を流れていた水5が停止し始めると、湾曲部22が水5から受けていた力Fが小さくなる。チューブ2内を流れていた水5が完全に停止すると、湾曲部22が水5から受けていた力Fは、零になる。これにより、湾曲部22は、弾性変形により、変形する。より詳細には、湾曲部22は、弾性変形により、水5がチューブ2内を流れていない状態の形状に戻る。具体的には、湾曲部22は、弾性変形により、湾曲部22の直径が小さくなるように変形する。これにより、チューブ2の外周面OSの第1領域A1に固定されている圧電フィルム11の部分は、第1方向DIR1に縮むように変形する。一方、チューブ2の外周面OSの第2領域A2に固定されている圧電フィルム11の部分は、第1方向DIR1に伸張するように変形する。チューブ2の外周面OSの第1領域A1のセンサ部3が固定される部分の面積が、チューブ2の外周面OSの第2領域A2のセンサ部3が固定される部分の面積より大きいため、圧電フィルム11は、正の電荷を発生する。信号線には、チューブ2が変形したことを示す検知信号が伝送される。
【0051】
以上のようなフロースイッチ1bにおいても、フロースイッチ1と同じ効果を奏する。
【0052】
[第3の変形例]
以下に、本発明の第3の変形例に係るフロースイッチ1cについて、図を参照しながら説明する。
図15は、第3の変形例に係るチューブ2、センサ部3及び接着材4のB-Bにおける断面図である。なお、第3の変形例に係るフロースイッチ1cについては、第1の実施形態に係るフロースイッチ1aと異なる部分のみ説明し、後は省略する。
【0053】
フロースイッチ1cは、
図15に示すように、センサ部3がチューブ2の外周面OSの第1領域A1と、第2領域A2と、に跨って固定されている点において、フロースイッチ1aと相違する。
【0054】
チューブ2の外周面OSの第2領域A2のセンサ部3が固定される部分の面積は、
図15に示すように、チューブ2の外周面OSの第1領域A1のセンサ部3が固定される部分の面積より大きい。
【0055】
水5がチューブ2内を流れ始めると、湾曲部22は、弾性変形により、変形する。これにより、チューブ2の外周面OSの第1領域A1に固定されている圧電フィルム11の部分は、第1方向DIR1に伸張するように変形する。一方、チューブ2の外周面OSの第2領域A2に固定されている圧電フィルム11の部分は、第1方向DIR1に縮むように変形する。チューブ2の外周面OSの第2領域A2のセンサ部3が固定される部分の面積が、チューブ2の外周面OSの第1領域A1のセンサ部3が固定される部分の面積より大きいため、圧電フィルム11は、正の電荷を発生する。信号線には、チューブ2が変形したことを示す検知信号が伝送される。
【0056】
チューブ2内を流れていた水5が停止し始めると、湾曲部22が水5から受けていた力Fが小さくなる。チューブ2内を流れていた水5が完全に停止すると、湾曲部22が水5から受けていた力Fは、零になる。これにより、湾曲部22は、弾性変形により、変形する。より詳細には、湾曲部22は、弾性変形により、水5がチューブ2内を流れていない状態の形状に戻る。具体的には、湾曲部22は、弾性変形により、湾曲部22の直径が小さくなるように変形する。これにより、チューブ2の外周面OSの第1領域A1に固定されている圧電フィルム11の部分は、第1方向DIR1に縮むように変形する。一方、チューブ2の外周面OSの第2領域A2に固定されている圧電フィルム11の部分は、第1方向DIR1に伸張するように変形する。チューブ2の外周面OSの第2領域A2のセンサ部3が固定される部分の面積が、チューブ2の外周面OSの第1領域A1のセンサ部3が固定される部分の面積より大きいため、圧電フィルム11は、負の電荷を発生する。信号線には、チューブ2が変形したことを示す検知信号が伝送される。
【0057】
以上のようなフロースイッチ1cにおいても、フロースイッチ1aと同じ効果を奏する。
【0058】
[その他の実施形態]
本発明に係るフロースイッチは、フロースイッチ1,1a~1cに限らず、その要旨の範囲において変更可能である。また、フロースイッチ1,1a~1cの構造を任意に組み合わせてもよい。
【0059】
なお、センサ部3は、上下方向に視て、矩形状を有していなくてもよい。矩形状とは、矩形及び矩形を僅かに変形した形状を含む。この場合、センサ部3は、左右方向に延びる長手方向を有していればよい。例えば、第1上主面US1及び第1下主面LS1のそれぞれは、センサ部3が平面に展開された状態で、第1上主面US1及び第1下主面LS1のそれぞれの法線方向に見て、楕円状を有していてもよい。
【0060】
なお、圧電フィルム11は、上下方向に視て、矩形状を有していなくてもよい。この場合、圧電フィルム11は、左右方向に延びる長手方向を有していればよい。例えば、第2上主面US2及び第2下主面LS2のそれぞれは、圧電フィルム11が平面に展開された状態で、第2上主面US2及び第2下主面LS2のそれぞれの法線方向に見て、楕円状を有していてもよい。
【0061】
なお、センサ部3の左右方向の長さは、センサ部3の前後方向の長さと同じであってもよい。例えば、第1上主面US1及び第1下主面LS1のそれぞれは、センサ部3が平面に展開された状態で、第1上主面US1及び第1下主面LS1のそれぞれの法線方向に見て、正方形状又は円形状を有していてもよい。
【0062】
なお、圧電フィルム11の左右方向の長さは、圧電フィルム11の前後方向の長さと同じであってもよい。例えば、第2上主面US2及び第2下主面LS2のそれぞれは、圧電フィルム11が平面に展開された状態で、第2上主面US2及び第2下主面LS2のそれぞれの法線方向に見て、正方形状又は円形状を有していてもよい。
【0063】
なお、圧電フィルム11は、少なくとも一軸方向に延伸されているポリ乳酸を有するフィルムであってもよい。
【0064】
なお、圧電フィルム11は、d31の圧電定数を有していてもよい。d31の圧電定数を有する圧電フィルム11は、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)フィルムである。また、圧電フィルム11は、圧電セラミックであってもよい。
【0065】
なお、圧電フィルム11が左右方向に伸張されたときに圧電フィルム11が発生する電荷の極性は、圧電フィルム11が前後方向に伸張されたときに圧電フィルム11が発生する電荷の極性と同じであってもよい。
【0066】
なお、圧電フィルム11の一軸延伸方向ODと前後方向及び左右方向のそれぞれとが形成する角度は、45度に限られない。
【0067】
なお、上電極12aが信号電極であり、下電極12bがグランド電極であってもよい。
【0068】
なお、下電極12bは、フレキシブルプリント基板14の上主面と下主面との間に設けられていてもよい。すなわち、下電極12bは、フレキシブルプリント基板14内に位置していてもよい。
【0069】
なお、フレキシブルプリント基板14は、必須の構成要件ではない。
【0070】
なお、チューブ2は、左直線部21L及び右直線部21Rを有していなくてもよい。
【0071】
なお、流体は、水5に限られない。流体は、例えば、油又は空気等であってもよい。
【0072】
なお、接着材4は、必須の構成要件ではない。
【0073】
なお、湾曲部22は、弾性変形により、変形することに限られない。湾曲部22は、塑性変形により、変形してもよい。また、湾曲部22は、弾性変形及び塑性変形により、変形してもよい。これらの場合においても、フロースイッチ1と同じ効果を奏する。また、チューブ2の先端にノズルが設けられていてもよい。この場合、湾曲部22は、ノズルの位置が変化できるように、チューブ2に設けられる。ノズルの位置が変化すると、湾曲部22が弾性変形する。これにより、湾曲部22の曲率半径が変化する。この場合においても、フロースイッチ1と同じ効果を奏する。
【0074】
なお、センサ部3は、チューブ2の左右方向周りの捻れを検出してもよい。また、センサ部3が検出するチューブ2の変形方向は、左右方向に限らず、上下方向又は前後方向であってもよく、任意の方向であってもよい。また、センサ部3が検出するチューブ2の変形方向は、複数の方向であってもよい。
【0075】
なお、センサ部3は、チューブ2の変形量又は応力を検出してもよい。また、センサ部3は、例えば、歪ゲージを含んでいてもよい。
【0076】
なお、チューブ2の第1方向DIR1に垂直な断面の外縁は、円形状を含んでいなくてもよい。
【0077】
なお、チューブ2の第1方向DIR1に垂直な断面の内縁は、円形状を含んでいなくてもよい。
【0078】
なお、フロースイッチ1,1a~1cは、下電極12bから出力された検知信号に基づいて、流体の流れ始めの時刻及び流体の停止し始めの時刻を演算する演算回路を更に備えてもよい。例えば、あらかじめ、判定値を演算回路に設定する。流体が流れ始める前において、チューブ2の先端に設けられる外部機器の動作により、湾曲部22が大きく変形する場合、演算回路は、検知信号が判定値以上になった時刻がある場合に、検知信号が判定値以上になった時刻の検知信号をマスクしてもよい。
【0079】
本発明は、以下の構造を有する。
【0080】
(1)
可撓性を有し、かつ、湾曲部を有するチューブ内を流れる流体の流れを検出するフロースイッチであって、
前記フロースイッチは、
前記チューブの変形を検出するセンサ部を備え、
前記センサ部は、前記チューブの外周面、かつ、前記湾曲部に固定される、
フロースイッチ。
【0081】
(2)
前記外周面は、前記流体が流れる第1方向に視て、前記チューブの中心より第2方向に位置する第1領域、及び、前記チューブの中心より第3方向に位置する第2領域、を有し、
前記第2方向及び前記第3方向は、前記第1方向に直交し、
前記第3方向は、前記第2方向の反対方向であり、
前記湾曲部は、前記第2方向に突出するように湾曲する形状を含み、
前記センサ部は、前記第1領域に固定される、
(1)に記載のフロースイッチ。
【0082】
(3)
前記センサ部は、前記第1領域と、前記第2領域と、に跨って固定され、
前記第1領域の前記センサ部が固定される部分の面積は、前記第2領域の前記センサ部が固定される部分の面積より大きい、
(2)に記載のフロースイッチ。
【0083】
(4)
前記外周面は、前記流体が流れる第1方向に視て、前記チューブの中心より第2方向に位置する第1領域、及び、前記チューブの中心より第3方向に位置する第2領域、を有し、
前記第2方向及び前記第3方向は、前記第1方向に直交し、
前記第3方向は、前記第2方向の反対方向であり、
前記湾曲部は、前記第2方向に突出するように湾曲する形状を含み、
前記センサ部は、前記第2領域に固定される、
(1)に記載のフロースイッチ。
【0084】
(5)
前記センサ部は、前記第1領域と、前記第2領域と、に跨って固定され、
前記第2領域の前記センサ部が固定される部分の面積は、前記第1領域の前記センサ部が固定される部分の面積より大きい、
(4)に記載のフロースイッチ。
【0085】
(6)
前記センサ部は、圧電フィルムを含む、
(1)乃至(5)のいずれかに記載のフロースイッチ。
【0086】
(7)
前記圧電フィルムの主面は、前記圧電フィルムが平面に展開された状態で、前記圧電フィルムの主面の法線方向に視て、矩形状を有する、
(6)に記載のフロースイッチ。
【0087】
(8)
前記圧電フィルムが左右方向に伸張されたときに前記圧電フィルムが発生する電荷の極性は、前記圧電フィルムが前後方向に伸張されたときに前記圧電フィルムが発生する電荷の極性と異なる、
(6)又は(7)に記載のフロースイッチ。
【0088】
(9)
前記圧電フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸されているポリ乳酸を有するフィルムである、
(6)乃至(8)のいずれかに記載のフロースイッチ。
【0089】
(10)
前記圧電フィルムの主面は、前記圧電フィルムが平面に展開された状態で、左右方向に延びる長手方向を有し、かつ、前後方向に延びる短手方向を有し、
前記圧電フィルムの一軸延伸方向は、前記圧電フィルムが平面に展開された状態で、前記左右方向及び前記前後方向に対して45度の角度を形成する、
(9)に記載のフロースイッチ。
【0090】
(11)
前記センサ部が検出する前記チューブの変形は、前記チューブの曲げである、
(1)乃至(10)のいずれかに記載のフロースイッチ。
【0091】
(12)
前記湾曲部は、弾性変形、又は、弾性変形及び塑性変形により、変形する、
(1)乃至(11)のいずれかに記載のフロースイッチ。
【0092】
(13)
前記チューブの前記流体が流れる第1方向に垂直な断面の外縁は、円形状を含む、
(1)乃至(12)のいずれかに記載のフロースイッチ。
【0093】
(14)
前記流体は、水である、
(1)乃至(13)のいずれかに記載のフロースイッチ。
【0094】
(15)
可撓性を有し、かつ、湾曲部を有するチューブに対して、センサ部を取り付けるフロースイッチ取付方法であって、
前記センサ部が前記チューブの変形を検出するように、前記センサ部を前記チューブの外周面、かつ、前記湾曲部に固定する、
フロースイッチ取付方法。
【符号の説明】
【0095】
1,1a,1b,1c:フロースイッチ
2:チューブ
3:センサ部
4:接着材
5:水
11:圧電フィルム
12a:上電極
12b:下電極
13:電極部材
14:フレキシブルプリント基板
21L:左直線部
21R:右直線部
22:湾曲部
A1:第1領域
A2:第2領域
DIR1:第1方向
DIR2:第2方向
DIR3:第3方向
F:力
LS1:第1下主面
LS2:第2下主面
O:中心
OD:一軸延伸方向
OS:外周面
US1:第1上主面
US2:第2上主面