(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】自転車レスキューシステム、自転車レスキュー方法、サーバ装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241119BHJP
【FI】
G06Q10/20
(21)【出願番号】P 2024106683
(22)【出願日】2024-07-02
【審査請求日】2024-07-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509206132
【氏名又は名称】株式会社ジェイアイズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】弁理士法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 哲史
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-216759(JP,A)
【文献】特開2005-067499(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0104732(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1349935(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0050564(KR,A)
【文献】特表2019-501465(JP,A)
【文献】特開2002-183162(JP,A)
【文献】特開2015-060396(JP,A)
【文献】特開2009-230248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置から送信されたレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を少なくとも受信する受信部と、
前記アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価する評価部と、
前記自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶する記憶部と、
前記リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザに最適な業者を選択する業者選択部と、
前記選択された業者を紹介する表示データを生成する生成部と、
前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、を備え、
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、前記記憶部を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成
し、
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がランキングによる選択であるときには、ユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者のうち評価点数の高い業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する
サーバ装置。
【請求項2】
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法が距離による選択であるときには、ユーザの現在位置から最も近くに所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記評価部は、アンケートの各回答項目ごとに付与された評価点数の重み付け加算により案件ごとの評価を実行し、全ての評価点数の合計を案件数で除算することで各自転車修理業者の評価を行う
請求項1
又は請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
受信部が、ユーザの端末装置から送信されたレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を少なくとも受信し、
評価部が、前記アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価し、
記憶部が、前記自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶し、
業者選択部が、前記リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザに最適な業者を選択し、
生成部が、前記選択された業者を紹介する表示データを生成し、
送信部が、前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信し、
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、前記記憶部を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成
し、
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がランキングによる選択であるときには、ユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者のうち評価点数の高い業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する
自転車レスキュー方法。
【請求項5】
コンピュータを、
ユーザの端末装置から送信されたレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を少なくとも受信する受信部、
前記アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価する評価部、
前記自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶する記憶部、
前記リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザに最適な業者を選択する業者選択部、
前記選択された業者を紹介する表示データを生成する生成部、
前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信する送信部、として機能させ、
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、前記記憶部を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成
し、
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がランキングによる選択であるときには、ユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者のうち評価点数の高い業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する
プログラム。
【請求項6】
ユーザの端末装置とサーバ装置とからなる自転車レスキューシステムにおいて、
前記ユーザの端末装置は、
前記サーバ装置にレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を送信する第1送信部と、
前記サーバ装置からの表示データを受信する第1受信部と、
前記表示データに基づく表示を行う表示部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの端末装置から送信されたレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を少なくとも受信する第2受信部と、
前記アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価する評価部と、
前記自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶する記憶部と、
前記リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザに最適な業者を選択する業者選択部と、
前記選択された業者を紹介する表示データを生成する生成部と、
前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信する第2送信部と、
を備え、
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、前記記憶部を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成
し、
前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がランキングによる選択であるときには、ユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者のうち評価点数の高い業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する
自転車レスキューシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車が故障したユーザと自転車修理業者とをマッチングする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自転車で走行中に自転車がパンクするなどの事態が生じた場合には、自転車を引いて自宅まで持ち帰り、近隣の自転車店に当該自転車を預けて修理を依頼するのが一般的であった。この場合、走行経路が自宅周辺であれば、故障した自転車を自宅まで持ち帰ることはできるものの、走行経路が自宅より遠方である場合には、修理キットを携帯していれば自身で修理できるが、携帯していない場合、関係者に頼み、車で自転車を引き取りに迎えに来てもらう必要があった。昨今では、ロードバイクによるツーリングも流行しており、このような事態を解決することが嘱望されている。
【0003】
ここで、例えば、特許文献1では、携帯電話等の移動端末から提供される情報を受信して近傍位置検出ロジックによりデータベースに登録された業者の中から近傍業者を迅速に特定して発信者と業者の双方に情報提供する自転車レスキュー情報提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、自転車の故障種別、地理的条件、及び自転車修理業者の評価に基づいて、好適な自転車修理業者を選定可能とし、ユーザと自転車修理業者とをマッチングすることについては、開示されていない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自転車の故障種別、地理的条件、及び自転車修理業者の評価に基づいて、好適な自転車修理業者を選定可能とし、ユーザと自転車修理業者とをマッチングする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係るサーバ装置は、ユーザの端末装置から送信されたレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を少なくとも受信する受信部と、前記アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価する評価部と、前記自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶する記憶部と、前記リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザに最適な業者を選択する業者選択部と、前記選択された業者を紹介する表示データを生成する生成部と、前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、を備え、前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、前記記憶部を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成し、前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がランキングによる選択であるときには、ユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者のうち評価点数の高い業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する。
【0008】
本発明の第2の態様に係る自転車レスキュー方法は、受信部が、ユーザの端末装置から送信されたレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を少なくとも受信し、評価部が、前記アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価し、記憶部が、前記自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶し、業者選択部が、前記リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザに最適な業者を選択し、生成部が、前記選択された業者を紹介する表示データを生成し、送信部が、前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信し、前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、前記記憶部を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成し、前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がランキングによる選択であるときには、ユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者のうち評価点数の高い業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する。
【0009】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザの端末装置から送信されたレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を少なくとも受信する受信部、前記アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価する評価部、前記自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶する記憶部、前記リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザに最適な業者を選択する業者選択部、前記選択された業者を紹介する表示データを生成する生成部、前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信する送信部、として機能させ、前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、前記記憶部を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成し、前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がランキングによる選択であるときには、ユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者のうち評価点数の高い業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する。
【0010】
本発明の第4の態様に係る自転車レスキューシステムは、ユーザの端末装置とサーバ装置とからなる自転車レスキューシステムにおいて、前記ユーザの端末装置は、前記サーバ装置にレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を送信する第1送信部と、前記サーバ装置からの表示データを受信する第1受信部と、前記表示データに基づく表示を行う表示部と、を備え、前記サーバ装置は、前記ユーザの端末装置から送信されたレスキューのリクエスト、アンケートの回答情報を少なくとも受信する第2受信部と、前記アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価する評価部と、前記自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶する記憶部と、前記リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザに最適な業者を選択する業者選択部と、前記選択された業者を紹介する表示データを生成する生成部と、前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信する第2送信部と、を備え、前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、前記記憶部を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、前記生成部は、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成し、前記業者選択部は、前記レスキュー選択方法がランキングによる選択であるときには、ユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者のうち評価点数の高い業者を選択し、前記生成部は、当該業者をマップ上に示す表示データを生成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自転車の故障種別、地理的条件、及び自転車修理業者の評価に基づいて、好適な自転車修理業者を選定可能とし、ユーザと自転車修理業者とをマッチングする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る自転車レスキューシステムの構成図である。
【
図2】
図2は、同システムのサーバ装置の構成図である。
【
図3】
図3は、同システムの端末装置の構成図である。
【
図4】
図4は、同システムによるマッチングに係る処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、同システムによる自転車業者の評価に関わる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6(a)、
図6(b)は、画面表示例を示す図である。
【
図8】
図8(a)、
図8(b)は、画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1には、本発明の実施形態に係る自転車レスキューシステムの構成を示し説明する。
【0015】
同図に示されるように、本発明の実施形態に係る自転車レスキューシステムは、サーバ装置1と、ユーザの端末装置2と、自転車修理業者(以下、単に「業者」という)の端末装置3とは、インターネットなどの通信網4を介して、無線又は有線で接続され、構成されている。ユーザの端末装置2としては、スマートフォンやタブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ等、各種のものが含まれる。業者の端末装置3としては、スマートフォンやタブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等、各種のものが含まれる。
【0016】
このような構成において、ユーザの端末装置2は、自転車の走行過程で当該自転車にパンクなどの故障が発生した場合には、予めインストールされたアプリケーションソフトウェアを起動して、サーバ装置1の提供するWebサイトにアクセスして、故障種別、レスキュー選択方法などを選択し、サーバ装置1にレスキューのリクエストを送信する。サーバ装置1では、このリクエストを受信すると、故障種別、レスキュー選択方法、及びユーザの位置情報に基づいて、好適な業者を選択し、業者紹介画面の表示データをユーザの端末装置2に送信する。
【0017】
例えば、レスキュー方法として、業者の評価(ランキング)(自動選択)が選択されている場合には、ユーザの現在位置の近傍(例えば半径何km以内など)の業者のうち、評価の高い業者を選択し、当該業者の紹介画面の表示データを送信する。レスキュー方法として、近い距離で選ぶ(自動選択)、が選択されている場合には、ユーザの現在位置から最も近い業者を選択し、当該業者の紹介画面の表示データを送信する。そして、レスキュー方法として、マップから選択する(手動選択)が選択されている場合には、地図上に、ユーザの所在位置から所定範囲内に所在する業者を評価点と共に紹介する画面の表示データを送信する。
【0018】
ユーザの端末装置2は、サーバ装置1からの表示データを受信すると、画面表示し、業者の選定が行われると、選定情報がサーバ装置1に送信される。サーバ装置1では、この選定情報に基づいて、登録を行うと共に、選定された業者に対して、レスキューの要請を電子メールなどにより実施する。こうして、レスキューが実施された後においては、ユーザの端末装置2にアンケート画面の表示データを送信し、アンケート回答がなされると業者の評価が実施され、評価情報が登録更新される。
【0019】
図2には、本発明の実施形態に係る自転車レスキューシステムにおけるサーバ装置の構成を示し説明する。
【0020】
同図に示されるように、サーバ1は、制御部11と、通信I/F12と、記憶部13とを有する。制御部11と、通信I/F12と、記憶部13とは、バスを介して通信可能に接続されている。これら構成のほか、キーボードやマウス等の入力部や、各種表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部を有してもよい。
【0021】
通信I/F12は、例えばNIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、端末装置2、3等との間で通信を行う通信インタフェースである。記憶部13は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを予め記憶している。記憶部13は、ユーザ情報記憶部14、業者情報記憶部15、及び評価用記憶部16を有する。
【0022】
より詳細には、ユーザ情報記憶部14には、ユーザIDと紐づけて、ユーザの氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス等の属性情報と、決済情報(年額契約/月額契約、支払い方法など)と、認証用のID及びパスワードと、利用履歴情報と、評価条件などが記憶されている。業者情報記憶部15には、業者IDを紐づけて、業者の会社名、住所、電話番号、代表者名、担当者名、メールアドレス、対応種別、稼働ステータス、評価情報などを記憶されている。
【0023】
評価用記憶部16には、第1にユーザの端末装置から送られてきたアンケートの回答情報が記憶されている。具体的には、案件ごとに、故障種別と各回答項目に係る評価点数が回答情報として記憶されている。評価用記憶部16には、第2に業者ごとの評価点数が記憶されている。具体的には、業者IDと評価点数とが対応付けられて記憶されている。さらに、評価用記憶部16には、第3に、業者ランキング情報が記憶されている。具体的には、故障種別ごとに、評価点の高い順に業者IDと評価点とが対応付けられて業者ランニング情報として記憶されている。
【0024】
ここで、この実施形態では、回答項目として、「到着までのスピード」、「作業完了までのスピード」、「担当者の対応」、「技術・仕上がり」、「説明のわかりやすさ」、「担当者の清潔感」、「おすすめ度」などが含まれ、それぞれ「良い」場合には+5点、「悪い」場合には-5点を付するようになっている。案件ごとの業者の評価点数を選定するにあたっては、各回答項目に重み付けを行い、各点数に重み付け係数を乗算して合算する。ランキングに際しては、累積の評価点数を案件数で除算した平均点数を用いる。尚、各回答項目に対する重み付け係数を故障種別ごとに、あるいはユーザごとに設定することもできる。ユーザごとの重み付け係数は、評価条件としてユーザ情報記憶部14に記憶されている。故障種別ごとの重み付け係数は、評価用記憶部16に記憶されている。
【0025】
この実施形態では、回答項目について、「良い」場合には+5点、「悪い」場合には-5点の二択の回答となっていたが、これには限定されずに、更に複数段階での回答としてもよい。例えば、5段階評価であれば、ユーザに評価を星の数で回答してもらうように設計して、星5つの場合には+5点、星4つの場合には+3点、星3つの場合には0点、星2つの場合には-3点、星1つの場合には-5点を付するようにして、案件ごとの業者の評価点数を選定するにあたっては、各回答項目に重み付けを行い、各点数に重み付け係数を乗算して合算するようにしてもよい。この場合も、ランキングに際しては、累積の評価点数を案件数で除算した平均点数を用いてよく、更に各回答項目に対する重み付け係数を故障種別ごとに、あるいはユーザごとに設定してもよい。
【0026】
制御部11は、CPUやMPU等で実現される。制御部11は、ASICやFPGA等の集積回路で構成される。制御部11は、記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、通信制御部11a、管理部11b、業者選択部11c、評価部11d、決済部11e、生成部11f、及び主制御部11gとして機能する。
【0027】
このような構成において、通信制御部11aは、ユーザの端末装置2からのレスキューのリクエストやアンケートの回答情報を受信する受信部、及びユーザの端末装置2や業者の端末装置3に表示データを送信する送信部、として機能する。管理部11bは、ユーザ情報をユーザ情報記憶部14に記憶、更新し、業者情報を業者情報記憶部15に記憶、更新し管理する。
【0028】
業者選択部11cは、ユーザの端末装置2から送られてきたレスキューのリクエストに含まれる、故障種別、レスキュー選択方法、及びユーザの位置情報等に基づいて、当該ユーザのレスキューに好適な業者を選択する。
【0029】
業者選択部11cは、レスキュー選択方法として、ランキングで選ぶ(自動選択)が選択されている場合には、業者情報記憶部15を参照して、ユーザの所在位置の近傍(例えば半径何km以内など)の業者のうち、評価の高い業者を選択する。レスキュー選択方法として、近い距離で選ぶ(自動選択)、が選択されている場合には、業者情報記憶部15を参照して、ユーザの所在位置から最も近い業者を選択する。そして、レスキュー選択方法として、マップから選択する(手動選択)が選択されている場合には、業者情報記憶部15を参照して、ユーザの所在位置から所定範囲内に所在する業者を選択する。
【0030】
評価部11dは、評価用記憶部16に記憶されている案件ごとのアンケート回答情報に基づいて、各業者の評価を行う。この実施形態では、アンケートの回答項目として、「到着までのスピード」、「作業完了までのスピード」、「担当者の対応」、「技術・仕上がり」、「説明のわかりやすさ」、「担当者の清潔感」、「おすすめ度」などが含まれ、それぞれ「良い」場合には+5点、「悪い」場合には-5点を付するようになっている。案件ごとの業者の評価点数を算定するにあたっては、評価部11dは、各回答項目に重み付けを行い、各点数に重み付け係数を乗算して合算する。そして、評価部11dは、ランキングに際しては累積の評価点数を案件数で除算した平均点数を各業者の評価点数とする。尚、各回答項目に対する重み付け係数を故障種別ごとに、あるいはユーザごとに設定することもできる。ユーザごとの重み付け係数は、評価条件としてユーザ情報記憶部14に記憶されている。故障種別ごとの重み付け係数は、評価用記憶部16に記憶されている。
【0031】
決済部1eは、ユーザ情報記憶部14を参照して、各年ごと、あるいは各月ごとに所定の決済日に会費の電子決済を実行する。そして、予めユーザにより選択された決済方法によりレスキュー完了ごとに当該レスキューの対価を電子決済する。
【0032】
生成部11fは、業者選択部11cにより選択された業者を紹介する画面等の表示データを生成する。このほか、主制御部11gは、業者へのレスキューの要請など、その他の制御を司る。
【0033】
図3は、自転車レスキューシステムにおける端末装置の構成を示し説明する。ここではユーザの端末装置2の構成を例示するが、業者の端末装置3の構成も略同様である。
【0034】
同図に示されるように、端末装置2(3)は、制御部21と、通信I/F22と、表示部23と、操作入力部24と、位置情報取得部25と、記憶部26とを有する。各部21~26は、バスを介して通信自在に接続されている。通信I/F22は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、サーバ装置1等との間で通信を行う通信インタフェースである。表示部23は、液晶ディスプレイ等により実現されるもので各種表示を行う。操作入力部24は、マウスやキーボード等で実現されユーザによる各種操作入力を受け付ける。表示部23と操作入力部24とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。記憶部26は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現され、制御部21で実行されるプログラムを記憶している。
【0035】
制御部21は、CPUやMPU等で実現されるもので、ASICやFPGA等の集積回路で構成されてよい。制御部21は、記憶部26に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、通信制御部21a、表示制御部21b、及び主制御部21cとして機能する。通信制御部21aは、サーバ装置1にレスキューのリクエストやアンケートの回答情報を送信する送信部、サーバ装置1から表示データ等を受信する受信部、として機能する。表示制御部21bは、表示データに基づく表示部23における表示を制御する。このほか、主制御部21cは、端末装置2の制御を司る。
【0036】
以下、
図4のフローチャートを参照して、本発明の実施形態に係る自転車レスキューシステムによるマッチングの処理の流れを詳細に説明する。尚、ここでは、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)、
図7(b)、
図8(a)、
図8(b)を適宜参照する。
【0037】
ユーザの端末装置2は、サーバ装置1の提供するWebサイトにアプリケーションソフトウェアの起動によりログインし、本サービスの提供を受ける。先ず、ユーザの端末装置2には、
図6(a)に示されるような画面100が表示部23に表示され、操作入力部24の操作により故障種別を選択する(S1)。この例では、故障種別として、領域100aにおいて、パンク、チェーン外れ、チェーン故障、ブレーキ故障、バッテリー切れ、その他を選択できるようになっている。続いて、画面100で「レスキュー選択へ」のボタン100bが選択されると、
図6(b)に示されるような画面101に切り替わり、レスキュー選択方法を選択する(S2)。この例では、「ランキングで選ぶ」ボタン101a、「近い距離で選ぶ」ボタン101b、「マップからタップして選ぶ」ボタン101cのいずれかを選択できるようになっている。こうして、故障種別、レスキュー選択方法が選択されると、主制御部21cの制御の下、通信制御部21aが送信部として機能し、レスキューのリクエストを通信I/F22を介して、サーバ装置1に送信する(S3)。
【0038】
サーバ装置1では、通信制御部11aが受信部として機能し、ユーザの端末装置2からのレスキューのリクエストを受け付け(S4)、業者選択部11cが、リクエストに含まれる、故障種別、レスキュー選択方法、ユーザの端末装置2の位置情報に基づいて、ユーザ情報記憶部14、業者情報記憶部15を参照して、業者の選択を行う(S5)。そして、選択された業者を紹介する画面の表示データを生成部11fが生成し、通信制御部11aが送信部として機能し、当該表示データをユーザの端末装置2に送信する(S6)。
【0039】
例えば、レスキュー方法として、業者の評価(ランキング)(自動選択)が選択されている場合には、ユーザの所在位置の近傍(例えば半径何km以内など)の業者のうち、評価の高い業者を選択し、当該業者の紹介画面の表示データを送信する。レスキュー方法として、近い距離で選ぶ(自動選択)、が選択されている場合には、ユーザの所在位置から最も近い業者を選択し、当該業者の紹介画面の表示データを送信する。そして、レスキュー方法として、マップから選択する(手動選択)が選択されている場合には、地図上に、ユーザの所在位置から所定範囲内に所在する業者を評価点と共に紹介する画面の表示データを送信する。
【0040】
ユーザの端末装置2では、通信制御部21aが受信部として機能して、サーバ装置1からの表示データを受信し、表示制御部21bの制御の下、表示部23に画面表示がなされる。レスキュー方法として、「ランキングで選ぶ(自動選択)」が選択されている場合には
図7(a)に示される画面102が表示され、ユーザの所在位置の近傍(例えば半径何km以内など)の業者のうち、評価の高い業者が紹介される。レスキュー方法として、「近い距離で選ぶ(自動選択)」が選択されている場合には、
図7(b)に示される画面103が表示され、ユーザの所在位置から最も近い業者が紹介される。そして、レスキュー方法として、「マップから選択する(手動選択)」が選択されている場合には、
図8(a)に示される画面104が表示され、地図上に、ユーザの現在地104aから所定範囲内に所在する業者104b~104eが評価点と共に紹介される。この
図8(a)の画面上で業者の表示位置をタップすると、
図8(b)に示されるように、当該業者の詳細紹介画面104fが重ねて表示される。これら画面で、操作入力部24の操作により「レスキュー要請する」ボタン102a、103a、104fが選択されると、通信制御部21aが送信部として機能し、選択情報がサーバ装置1に送信される(S8)。
【0041】
サーバ装置1では、通信制御部11aが受信部として機能し、このユーザの端末装置2からの選択情報を受け付け(S9)、主制御部11gが選択された業者に向けてレスキュー要請を電子メールの送信などにより実行する(S10)。そして、主制御部11gが、ユーザ情報記憶部14、業者情報記憶部15、及び評価用記憶部16に、案件の情報を追加登録(更新)する。
【0042】
次に、
図5のフローチャートを参照して、レスキュー完了後のアンケート実行の流れを詳細に説明する。ここでは、
図9を適宜参照する。
【0043】
レスキュー完了後、ユーザの端末装置2では、表示部23に
図9に示されるようなアンケート画面105が表示される。この例では、「到着までのスピードが速い/遅い」、「作業完了までのスピードが速い/遅い」、「担当者の対応が良い/悪い」、「技術・仕上がりが良い/悪い」、「説明が分かりやすい/にくい」、「担当者に清潔感がある/ない」、「おすすめしたい/したくない」の各項目につき、二択でいずれかを選ぶようになっており、選択が完了すると、評価合計が再下段に示される(S21)。ユーザの端末装置2は、主制御部21cの制御の下、通信制御部21aが送信部として機能し、この回答情報をサーバ装置に送信する(S22)。
【0044】
サーバ装置1では、通信制御部11aが受信部として機能して、アンケートの回答情報を受け付け(S23)、評価部11dが評価を実行する(S24)。この実施形態では、アンケートの回答項目として、「到着までのスピード」、「作業完了までのスピード」、「担当者の対応」、「技術・仕上がり」、「説明のわかりやすさ」、「担当者の清潔感」、「おすすめ度」などが含まれ、それぞれ「良い」場合には+5点、「悪い」場合には-5点を付するようになっている。案件ごとの業者の評価点数を算定するにあたっては、評価部11dは、各回答項目に重み付けを行い、各点数に重み付け係数を乗算して合算する。そして、評価部11dは、ランキングに際しては累積の評価点数を案件数で除算した平均点数を各業者の評価点数とする。尚、重み付け係数は、各ユーザ固有の設定とすることもでき、その場合には、ユーザ情報記憶部14に評価条件が記憶される。
【0045】
こうして、評価部11dが評価を実行すると、業者情報記憶部15,評価用記憶部16に評価情報が登録(更新)される(S25)。
【0046】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、故障種別、ユーザの位置情報(現在位置)に基づいて、当該ユーザに最適な業者を選択し、紹介し、修理の受付、業者への要請を行うことができるので、走行過程で自転車が故障したユーザを迅速にレスキューすることが可能となる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0048】
例えば、評価の方法については、前述した手法に限定されず、種々の手法を採用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
1…サーバ装置、2…ユーザの端末装置、3…自転車修理業者の端末装置、4…ネットワーク、11…制御部、11a…通信制御部、11b…管理部、11c…業者選択部、11d…評価部、11e…決済部、11f…生成部、11g…主制御部、12…通信I/F、13…記憶部、14…ユーザ情報記憶部、15…業者情報記憶部、16…評価用記憶部、21…制御部、21a…通信制御部、21b…表示制御部、21c…主制御部、22…通信I/F、23…表示部、24…操作入力部、25…位置情報取得部、26…記憶部。
【要約】
【課題】自転車の故障種別、地理的条件、及び自転車修理業者の評価に基づいて、好適な自転車修理業者を選定可能とし、ユーザと自転車修理業者とをマッチングする技術を提供することにある。
【解決手段】本発明は、アンケートの回答情報に基づいて自転車修理業者を評価する評価部11dと、自転車修理業者の所在地、評価点数の情報を少なくとも記憶する記憶部13と、リクエストに含まれる自転車の故障種別情報、レスキュー選択方法、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザに最適な業者を選択する業者選択部11cとを備え、業者選択部11cは、レスキュー選択方法がマップからの選択であるときには、記憶部13を参照してユーザの現在位置から所定範囲内に所在する業者を選択し、生成部11fは、当該業者を前記評価点数と共にマップ上に示す表示データを生成するサーバ装置1である。
【選択図】
図2