IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジの特許一覧

特許7589997遺伝子の発現のための変異体リバーステトラサイクリントランスアクチベーター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】遺伝子の発現のための変異体リバーステトラサイクリントランスアクチベーター
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/195 20060101AFI20241119BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 15/867 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 15/861 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 15/869 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20241119BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20241119BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20241119BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20241119BHJP
   A61K 35/763 20150101ALI20241119BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241119BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
C07K14/195 ZNA
C12N15/31
C12N15/864 100Z
C12N15/86 Z
C12N15/867 Z
C12N15/861 Z
C12N15/869 Z
C12N7/01
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K48/00
A61K38/16
A61K35/761
A61K35/76
A61K35/763
A61P25/00
A61P9/00
A61P29/00
A61P37/06
A61P7/00
A61P25/04
A61P3/00
A61P35/00
A61P43/00 107
C12N15/63 Z
【請求項の数】 43
(21)【出願番号】P 2021517702
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019053492
(87)【国際公開番号】W WO2020069339
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】62/738,894
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507044516
【氏名又は名称】プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】シンクレア,デイビッド,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ユェンチョン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッドソン,ノア,ジャスティン
【審査官】齋藤 光介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/152607(WO,A2)
【文献】特表2014-500022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
PubMed
Google/Google Scholar
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
列番号11と比べて、下記変異:
G72V、G12S、F67S、およびR171K
を含む、変異体リバーステトラサイクリントランスアクチベーター(rtTAであって、
ここで、変異体rtTAは、配列番号13と少なくとも90%同一である配列を含み、および、rtTA3(配列番号11)よりも漏出性が低い、
前記変異体rtTA。
【請求項2】
変異体rtTAが配列番号13に記載の配列を含む、請求項1に記載の変異体rtTA。
【請求項3】
請求項1または2に記載の変異体rtTAをコードする第1の核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含む、操作された核酸。
【請求項4】
第1の核酸が、配列番号12と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項に記載の操作された核酸。
【請求項5】
プロモーターが構成的プロモーターである;または、プロモーターが、組織特異的プロモーターである、請求項またはに記載の操作された核酸。
【請求項6】
構成的プロモーターは、CP1、CMV、EF1a、SV40、PGK1、Ubc、ヒトベータアクチン、CAG、Ac5、ポリヘドリン、TEF1、GDS、CaM3 5S、Ubi、H1、およびU6からなる群から選択されるプロモーターである;または、組織特異的プロモーターは、耳、鼻、口、骨、肺、乳房(breast)、乳房(udder)、膵臓、胃、食道、筋肉、肝臓、血管、毛皮膚、心臓、脳、神経組織、腎臓、精巣、前立腺、陰茎、排泄腔、ひれ(fin)、卵巣、もしくは腸に特異的である、請求項に記載の操作された核酸。
【請求項7】
(i)テトラサイクリンリプレッサーをコードする第2の核酸配列;
(ii)セパレーター配列;
(iii)ウッドチャック肝炎ウイルス(WHP)転写後調節要素3(WPRE3)配列;
(iv)ターミネーター配列;および/または
(v)テトラサイクリン応答性要素(TRE)を含む誘導性プロモーターに作動可能に連結された導入遺伝子配列、
の1以上をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の操作された核酸。
【請求項8】
(i)テトラサイクリンリプレッサーが、tetRKRABである;
(ii)セパレーター配列が、配列内リボソーム進入部位(IRES)または2Aペプチドをコードする;
(iii)WPRE3配列が、配列番号21と少なくとも90%同一である配列を含む;
(iv)ターミネーター配列が、SV40ターミネーター配列であり、配列番号8と少なくとも90%同一である配列を含む;および/または
(v)TREプロモーターが、配列番号19と少なくとも90%同一である配列を含む、
請求項に記載の操作された核酸。
【請求項9】
TREプロモーターが、TRE3Gプロモーターである、請求項またはに記載の操作された核酸。
【請求項10】
TREプロモーターが、配列番号7と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項のいずれか一項に記載の操作された核酸。
【請求項11】
操作された核酸が、ウイルスベクターであるか、または、非ウイルスベクターである、請求項10のいずれか一項に記載の操作された核酸。
【請求項12】
ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはヘルペスウイルスベクターである、請求項11に記載の操作された核酸。
【請求項13】
ウイルスベクターが、1以上の核酸に隣接する逆位末端反復(ITR)を含む、請求項11または12に記載の操作された核酸。
【請求項14】
少なくとも1つのITRが、配列番号22と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項13に記載の操作された核酸。
【請求項15】
操作された核酸が、配列番号17または配列番号30と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項14のいずれか一項に記載の操作された核酸。
【請求項16】
請求項15のいずれか一項に記載の操作された核酸を含む、組換えウイルス。
【請求項17】
(a)請求項1または2に記載の変異体rtTA;
(b)請求項15のいずれか一項に記載の操作された核酸である、第1の操作された核酸あるいは
(c)請求項16に記載の組換えウイルス;
)薬学的に許容し得る賦形剤と
を含む、医薬組成物。
【請求項18】
第2の操作された核酸をさらに含み、ここで第2の操作された核酸は、
(i)テトラサイクリンリプレッサーをコードする核酸配列;
(ii)ターミネーター配列;および/または
(iii)テトラサイクリン応答性要素(TRE)を含む誘導性プロモーターに作動可能に連結された導入遺伝子配列;
の1以上を含む、
請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
(i)テトラサイクリンリプレッサーが、tetRKRABである;
(ii)第2の操作された核酸におけるターミネーター配列が、SV40ターミネーター配列であり、配列番号8と少なくとも90%同一である配列を含む;および/または
(iii)TREプロモーターを含む第2の操作された核酸の誘導性プロモーターが、配列番号19と少なくとも90%同一である配列を含む、
請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
TREプロモーターが、TRE3Gプロモーターである、請求項18または19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
TREプロモーターが、配列番号7と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項1820のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
第2の操作された核酸が、ウイルスベクターであるか、または、非ウイルスベクターである、請求項1821のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはヘルペスウイルスベクターである、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
ウイルスベクターが、1以上の核酸に隣接する逆位末端反復(ITR)を含む、請求項22または23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
少なくとも1つのITRが、配列番号22と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
第2の操作された核酸が、配列番号17または配列番号30と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項1825のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
(i)第2の操作された核酸におけるTREが、配列番号19と少なくとも90%同一である配列を含む;および/または
(ii)第2の操作された核酸におけるターミネーター配列が、SV40ターミネーター配列であり、配列番号8と少なくとも90%同一である配列を含む、
請求項1826のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
第2の操作された核酸が、逆位末端反復(ITR)を含み、ここで逆位末端反復(ITR)間の距離は、4.7kb以下である、請求項1827のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
第1または第2の操作された核酸が、1つ以上のタンパク質をコードし、および、第1または第2の操作された核酸が、少なくとも2つのタンパク質配列間に位置するセパレーター配列をさらにコードする、請求項1728のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
第1または第2の操作された核酸が、タンパク質をコードする核酸、および/または遺伝子標的化核酸を含む、請求項1729のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
第2の操作された核酸が、テトラサイクリンリプレッサーをコードする核酸配列を含む、請求項1830のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
請求項1731のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、遺伝子発現を促進することにおける使用のための医薬組成物であって、
遺伝子発現を促進することが、
(a)前記医薬組成物;および
(b)テトラサイクリン
を細胞、組織、または臓器に投与することを含み、
ここで、細胞、組織、または臓器は、テトラサイクリン応答性要素(TRE)を含む誘導性プロモーターに作動可能に連結された導入遺伝子配列を含む、
前記医薬組成物。
【請求項33】
テトラサイクリンが、ドキシサイクリンである、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
使用が、細胞の再プログラミングの調節、組織修復、組織再生、疾患の処置、臓器再生、老化の逆転、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項32または33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
医薬として使用するための、請求項1または2に記載の変異体rtTA、請求項15のいずれか一項に記載の操作された核酸、請求項16に記載の組換えウイルス、または請求項1734のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項36】
請求項1または2に記載の変異体rtTA、請求項15のいずれか一項に記載の操作された核酸、請求項16に記載の組換えウイルス、または請求項1734のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、細胞。
【請求項37】
請求項1または2に記載の変異体rtTA、請求項3~15のいずれか一項に記載の操作された核酸、あるいは請求項16に記載の組換えウイルスを含み、さらに、テトラサイクリンリプレッサーをコードする第2の核酸配列を含む、細胞。
【請求項38】
真核細胞または原核細胞である、請求項36または37に記載の細胞。
【請求項39】
哺乳動物細胞である、請求項36~38のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項40】
請求項1または2に記載の変異体rtTA、請求項15のいずれか一項に記載の操作された核酸、請求項16に記載の組換えウイルス、請求項1734のいずれか一項に記載の医薬組成物、または請求項3639のいずれか一項に記載の細胞を含む、システム。
【請求項41】
請求項1または2に記載の変異体rtTA、請求項3~15のいずれか一項に記載の操作された核酸、あるいは請求項16に記載の組換えウイルスを含み、さらに、テトラサイクリンリプレッサーをコードする第2の核酸配列を含む、システム。
【請求項42】
テトラサイクリンリプレッサーが、tetRKRABである、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
請求項1または2に記載の変異体rtTA、請求項15のいずれか一項に記載の操作された核酸、請求項16に記載の組換えウイルス、請求項1734のいずれか一項に記載の医薬組成物、請求項3639のいずれか一項に記載の細胞、請求項41または42に記載のシステム、またはそれらの任意の組み合わせを含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2018年9月28日に出願された米国仮出願番号62/738,894の35 U.S.C.§119(e)下の利益を主張し、これは、その全体が本明細書に参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
誘導性遺伝子発現は、遺伝子治療および他の生物医学適用について大きな見込みがある。オンディマンドのおよび緊密に調節された遺伝子発現は、外来性遺伝子の持続的な発現に関連する毒性、または、過生理学的な発現に関連する毒性を除去することができる。
【0003】
一例として、テトラサイクリンオン(Tet-On)システムはしばしば、リバーステトラサイクリントランスアクチベーターを使用して、遺伝子発現を誘導する。リバーステトラサイクリントランスアクチベーター(rtTA)は、変異体テトラサイクリンリプレッサーDNA結合タンパク質(TetR)およびトランス活性化ドメインを含む(例として、Gossen et al., Science. 1995 Jun 23;268(5218):1766-9)。これらのトランスアクチベーターは、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の存在下で活性化され得、および続いて、テトラサイクリン応答性要素(TRE)を含むプロモーターに結合し、遺伝子発現を誘導する(Gossen et al., Science. 1995 Jun 23;268(5218):1766-9);Baron et al., Methods Enzymol. 2000;327:401-21。TREは、少なくとも1のTetオペレーター(Tet-O)配列(例として、複数のTet-O反復配列)を含み、および、最小限のプロモーター(例として、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)極初期プロモーターに由来する最小限のプロモーター配列)の上流に位置し得る。
しかしながら、Tet-Onシステムが、テトラサイクリンの不在下でさえも、遺伝子発現を活性化する傾向(「漏出性」である)は、それらの使用を妨げている。したがって、ほとんど~全く漏出がなく、高いテトラサイクリン感度を有する改善されたTet-Onシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、rtTA3(配列番号11)における位置G72、G12、F67、およびR171に対応する残基における4つの変異が、インビボでTet-Onシステムの感度を有意に改善し、および、漏出を低下させるという予想外の発見に由来する。本明細書に提供されるのは、いくつかの態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)、これをコードする操作された核酸(例として、ウイルスのおよび非ウイルスベクターを含む発現ベクター)、操作された核酸(例として、発現ベクター)を含む組換えウイルス(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)、それらの医薬組成物、およびキットである。いくつかの態様において、変異体rtTA4をコードする操作された核酸はさらに、テトラサイクリン応答性要素(TRE)プロモーターに作動可能に連結された導入遺伝子(例として、タンパク質をコードする配列、遺伝子標的化核酸および/または治療的配列)をコードする。いくつかの態様において、医薬組成物およびキットはさらに、導入遺伝子に作動可能に連結されたテトラサイクリン応答性要素(TRE)プロモーターを含む、第2のベクター(例として、複数の第2のベクター)または第2の組換えウイルス(例として、複数の第2の組換えウイルス)(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)を含む。いくつかの態様において、医薬組成物およびキットはさらに、導入遺伝子に作動可能に連結されたテトラサイクリン応答性要素(TRE)プロモーターを含む、複数のベクターまたは複数の組換えウイルス(例として、レンチウイルス、ワクシニアウイルス、アルファウイルス、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはアデノ随伴ウイルス(AAV))を含む。(1)変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする本明細書に記載の操作された核酸(例として、発現ベクター)のいずれか、および、(2)テトラサイクリンを、それを必要とする細胞、組織、または対象に投与することを含む、遺伝子発現を促進する方法はまた、本明細書に提供される。ある態様において、方法はさらに、(3)導入遺伝子に作動可能に連結されたTREプロモーターを含む第2の核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)を投与することを含む。ある態様において、複数の第2の操作された核酸(例として、発現ベクター)が投与される。
【0005】
本明細書に記載の変異体rtTA(例として、rtTA4)、操作された核酸(例として、発現ベクター)、組換えウイルス、医薬組成物、キット、および方法は、インビトロでの遺伝子発現を調節するのに有用である。具体的な理論に束縛されることなく、漏出の低減は、rtTA3 Tet-Onシステムと比較して、rtTA4 Tet-Onシステムの毒性プロファイルを改善し、および、導入遺伝子の一過的な発現を可能にする。
【0006】
本開示の側面は、変異体rtTA(例として、rtTA4)を提供する。本開示の変異体rtTAは、rtTA3(配列番号11)の位置G72、G12、F67、およびR171に対応する4つの変異を含み、および、これらの位置における4つの変異を含むかかる変異体rtTAは、rtTA4と称される。ある態様において、変異体rtTAはさらに、G72、G12、F67、またはR171ではない、rtTA3(配列番号11)における位置に対応する残基において、少なくとも1(例として、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、または240)の変異を含む。ある態様において、位置G72、G12、F67、またはR171ではない、rtTA3(配列番号11)における位置に対応する残基における変異は、点変異、トランケーション変異、欠失、または挿入である。
【0007】
ある態様において、G72変異は、G72V、G72I、G72L、またはG72Pであり;G12変異は、G12SまたはG12Tであり;F67変異は、F67SまたはF67Tであり;およびR171変異は、R171KまたはR171Hである。
【0008】
ある態様において、4つの変異は、G72VまたはG72P、G12S、F67S、およびR171Kである。変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードするアミノ酸配列は、配列番号13と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含み、および、rtTA3(配列番号11)における以下の位置:G72、G12、F67、およびR171に対応する残基において変異を含む。変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸は、コドン最適化されていてもよいし、配列番号12と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含んでいてもよい。
【0009】
本開示の別の側面において、核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)(例として、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、またはアデノ随伴ウイルス(AAV)を含む、ウイルス発現ベクター)は、プロモーター(例として、構成的または組織特異的プロモーター)に作動可能に連結された、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸配列を含む。ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)は、配列番号17と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)は、配列番号17からなる。ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)は、デスミン-rtTA4ベクター(配列番号30)と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)は、配列番号30からなる。
【0010】
変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターは、構成的プロモーター(例として、CP1、CMV、EF1a、SV40、PGK1、Ubc、ヒトベータアクチン、CAG、Ac5、ポリヘドリン、TEF1、GDS、CaM3 5S、Ubi、H1、またはU6プロモーター)であり得る。rtTAの組織特異的発現を可能にするために、プロモーターは、組織特異的(例として、目特異的プロモーター、骨特異的プロモーター、肺特異的プロモーター、乳房特異的プロモーター、膵臓特異的プロモーター、筋肉特異的プロモーター、肝臓特異的プロモーター、皮膚特異的プロモーター、心臓特異的プロモーター、脳特異的プロモーター、神経組織特異的プロモーター、腎臓特異的プロモーター、精巣特異的プロモーター、卵巣特異的プロモーター、または腸特異的プロモーター)であり得る。
【0011】
ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)はさらに、テトラサイクリンの不在下でTREプロモーターにrtTAが結合するのを妨げ得る、テトラサイクリンリプレッサー(例として、tetR、tetRKRAB、TRSID)をコードする。ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸配列およびテトラサイクリンリプレッサー(例として、tetRKRAB)をコードする核酸配列は、同じプロモーターに作動可能に連結されている。ある態様において、セパレーター配列(例として、配列内リボソーム進入部位(IRES)または2Aペプチド)は、核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)中に存在し、および少なくとも2の 核酸配列を分離し、これは、1つの発現ベクターから2つの別々のアミノ酸配列を産生するのに役立ち得る。
【0012】
ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)はさらに、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHP)転写後調節要素(WPRE)を含み、これは、導入遺伝子発現の増強において(例として、ウイルスベクターからの)有用であり得る。ある態様において、WPRE配列は、配列番号21と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%)同一である。
【0013】
ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)は、ウイルスベクター(例として、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ワクシニアウイルス、アルファウイルス、アデノ随伴ウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、またはレトロウイルスベクター)である。ある態様において、AAVベクターは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、またはAAV10ベクターである。ウイルスベクター(例として、AAVベクター)はさらに、逆位末端反復配列(ITR)を含み得る。ある態様において、ITRは、配列番号22と、少なくとも70%同一の(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%)同一の配列を含む。
【0014】
本開示の別の側面は、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする、任意の操作された核酸(例として、発現ベクター)を内包する組換えウイルスを提供する。
【0015】
本開示のもう1つの側面において、変異体rtTA(例として、rtTA4)のいずれかおよび薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物が提供される。医薬組成物はさらに、導入遺伝子をコードする第2の核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)を含み得る。第2の核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)は、導入遺伝子に作動可能に連結された、テトラサイクリン応答性要素(TRE)プロモーター(例として、配列番号7と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%同一であるTRE3G配列)を含む。いくつかの態様において、TREプロモーターは、TRE2またはP tightプロモーターである。いくつかの態様において、TREプロモーターは、TRE2プロモーターであり、配列番号23と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%同一である配列を含む。いくつかの態様において、TREプロモーターは、P tightプロモーターであり、配列番号24と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%同一である配列を含む。
【0016】
ある態様において、導入遺伝子は、任意のタンパク質コーディング遺伝子である。ある態様において、導入遺伝子は、遺伝子標的化核酸である。ある態様において、導入遺伝子は、治療的配列である。ある態様において、治療的配列は、急性傷害、神経変性疾患、慢性疾患、増殖性疾患、心血管疾患、遺伝的疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患、血液病、疼痛状態、精神障害、代謝障害、がん、老化、加齢性疾患、および対象における任意の組織に影響を与える疾患を処置する際に有用であり得る。
【0017】
ある態様において、誘導性核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)(例として、ウイルスベクター)は、OCT4、SOX2、およびKLF4をコードする。例として、2018年9月28日に出願された、弁護士事件整理番号H0824.70296US00、U.S.S.N. 62/738,922の米国仮出願表題CELLULAR REOROGRAMMING TO REVERSE AGING AND PROMOTE ORGAN AND TISSUE REGENERATION、2019年1月14日に出願された、U.S.S.N. 62/792,283、表題CELLULAR REPROGRAMMING TO REVERSE AGING AND PROMOTE ORGAN AND TISSUE REGNERANRATION、2019年6月24日に出願された、U.S.S.N. 62/865,877、表題CELLULAR REPROGRAMMING TO REVERSE AGING AND PROMOTE ORGAN AND TISSUE REGNERANRATION、および2019年7月30日に出願された、U.S.S.N. 62/880,488、表題CELLULAR REPROGRAMMING TO REVERSE AGING AND PROMOTE ORGAN AND TISSUE REGNERANRATION、および本願と同日に出願された、弁護士事件整理番号H0824.70296WO00のPCT出願、表題CELLULAR REPROGRAMMING TO REVERSE AGING AND PROMOTE ORGAN AND TISSUE REGNERANRATIONを参照のこと、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0018】
ある態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)およびTREプロモーターに作動可能に連結された導入遺伝子をコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)は共に、ウイルスベクターであり、および、ウイルス(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)中に存在する。ある態様において、医薬組成物は、両方のウイルスベクターおよび/または両方のウイルスを含む。
【0019】
本開示のもう1つの側面において、いずれかの変異体rtTA(例として、rtTA4)、変異体rtTAおよび/またはTREプロモーターに作動可能に連結された導入遺伝子をコードする、いずれかの操作された核酸(例として、発現ベクター)、および/または、いずれかのウイルス(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)を含む、細胞および/またはシステムが、提供される。
【0020】
本開示のもう1つの側面において、本明細書に記載の、いずれかの変異体rtTA(例として、rtTA4)、変異体rtTAをコードする、いずれかの操作された核酸(例として、発現ベクター)、いずれかのウイルス(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)、細胞、システム、および/またはいずれかの医薬組成物を含むキットが提供される。
【0021】
本開示の別の側面は、(1)いずれかの変異体rtTA(例として、rtTA4)、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードする、いずれかの操作された核酸(例として、発現ベクター)、または変異体rtTAをコードする、いずれかの操作された核酸(例として、発現ベクター)を含む組換えウイルス;(2)TREプロモーターに作動可能に連結された導入遺伝子をコードする、いずれかの操作された核酸(例として、発現ベクター);および(3)テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)を、それを必要とする細胞、組織、または対象に投与することを含む、遺伝子発現を促進するための方法を提供する。ある態様において、本明細書に記載の、変異体rtTAをコードする操作された核酸(例として、発現ベクター)、または、変異体rtTA発現ベクターのいずれかを含む組換えウイルスはさらに、テトラサイクリンリプレッサー(例として、tetRKRAB)をコードする。ある態様において、本開示の変異体rtTAをコードする核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)または組換えウイルスはさらに、TREプロモーター(例として、TRE3G、TRE2、またはP tightプロモーター)に作動可能に連結された導入遺伝子を含む。方法は、テトラサイクリンを取り除くこと(すなわち、投与をやめること)をさらに含んでいてもよい。
【0022】
ある態様において、対象は、哺乳動物(例として、ヒトまたは非ヒト)である。ある態様において、対象は、疾患(例として、急性傷害、神経変性疾患、慢性疾患、増殖性疾患、心血管疾患、遺伝的疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患、血液病、有痛性状態、精神障害、代謝障害、がん、老化、加齢性疾患、および対象における任意の組織に影響を与えるいずれかの疾患)を有する。ある態様において、方法は、細胞の再プログラミングを調節すること、組織修復、疾患(例として、急性傷害、神経変性疾患、慢性疾患、増殖性疾患、心血管疾患、遺伝的疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患、血液病、有痛性状態、精神障害、代謝障害、がん、老化、加齢性疾患、および対象における任意の組織に影響を与えるいずれかの疾患)を処置すること、組織再生、臓器再生、老化を逆転させること、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0023】
本発明の1以上の態様の詳細は、本明細書に記載される。本発明の他の特色、目的、および利点は、発明の詳細な説明、実施例、図面および請求項から明らかであろう。
【0024】
本出願において引用される参考文献は、本明細書に参照により援用される。
【0025】
定義
「AAV」または「アデノ随伴ウイルス」は、核酸(例として、導入遺伝子、変異体rtTA4、またはそれらの任意の組み合わせをコードする核酸)を運搬および送達することができる、非エンベロープ型ウイルスであり、および、ディペンドパルボウイルス属に属する。一般に、AAVは、ゲノム中に組み込まれない。AAVの組織特異的標的化能力は、しばしば、AAVカプシド血清型(例として、AAV血清型の例および組織特異的送達におけるそれらの実用性について、以下の表1を参照のこと)によって決定される。AAVの非限定的な血清型は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、およびそれらのバリアントを包含する。ある態様において、AAV血清型は、AAV9のバリアント(例として、AAV PHP.b)である。
【0026】
「組換えウイルス」は、その天然の環境から(例として、宿主細胞、組織、または対象から)単離されたか、または、人工的に産生された、ウイルス(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはアデノ随伴(AAV))である。
【0027】
用語「AAVベクター」は、本明細書に使用されるとき、発現カセット(例として、導入遺伝子を単独でまたは組み合わせてコードする核酸を含む発現カセット、または、rtTAまたはtTAをコードする発現カセット)に隣接するAAV逆位末端反復(ITR)を含む核酸である。AAVベクターはさらに、プロモーター配列を含み得る。
【0028】
用語「投与する」、「投与すること」または「投与」は、本明細書に使用されるとき、核酸(例として、導入遺伝子をコードするおよび/または変異体rtTAをコードする操作された核酸)、組換え細胞、組換えウイルス(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)、変異体rtTA(例として、rtTA4)、またはそれらの任意の組み合わせ、またはその医薬組成物の導入を指す。操作された核酸、組換え細胞、変異体rtTA4、ウイルス(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)、またはそれらの医薬組成物は、静脈内に、皮内に、動脈内に、病巣内に、腫瘍内に、頭蓋内に、関節内に、前立腺内に、胸膜内に、鼻腔内に、硝子体内に、膣内に、直腸内に、局所的に、腫瘍内に、筋肉内に、腹腔内に、皮下に、結膜下に(subconjunctival)、血管内に(intravesicularlly)、粘膜に、心膜内に、臍下に(intraumbilically)、眼内に、経口的に、局所的に、局部的に、全身的に、注射、注入、連続的な注入、細胞を直接標的とする局所灌流浸漬(localized perfusion bathing target cells directly)、カテーテルを介して、クリームで、脂質組成物(例として、リポソーム)で、または、当業者に公知であろう他の方法または前述の任意の組み合わせ(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences (1990)を参照のこと、これは、本明細書に参照により援用される)。本開示の核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)、組換え細胞、変異体rtTAタンパク質、または組換えウイルス(例として、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)は、任意の組織、細胞、臓器、または対象に投与され得る。
【0029】
用語「エピゲノム」または「エピジェネティックス」は、核酸(例として、操作された核酸)の発現を制御する細胞内の修飾および構造変化、または、細胞内のゲノム情報を指す。エピゲノムに対する変化は、胚発生、疾患進行、および老化のプロセスの間に生じ、および、このプロセスを駆動する。
【0030】
用語「細胞の老化」は、細胞周期を出て、老化と一貫するエピジェネティックなマーカーを表示し、または、老化細胞マーカー(例として、老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ、または炎症性サイトカイン)を発現する細胞を指す。細胞の老化は、部分的であってもよいし、完全であってもよい。
【0031】
用語「遺伝子発現」は、細胞または組織中の、ある遺伝子またはすべての遺伝子がRNAに転写される程度を指す。いくつかの場合において、RNAは、細胞によって、タンパク質へ翻訳される。エピゲノムは、遺伝子発現パターンを指示する。
【0032】
用語「細胞の再プログラミング」は、再プログラミング因子を使用する、細胞のエピゲノムを変更する(例として、機能障害、劣化、細胞死、老化または老化の原因である細胞中のエピゲノム変化を逆転させるかまたはこれを防止する)プロセスを指す。細胞の再プログラミングは、分化した細胞(例として、体細胞)が多能性幹細胞に再プログラムされるような、完全な再プログラミングであり得る。細胞の再プログラミングは、分化した細胞(例として、体細胞)がその細胞同一性(例として、系列特異的幹細胞)を保持するように、不完全であってもよい。細胞の再プログラミングは、細胞が若返らせるように、または、より多くの若い特質(例として、増大した生存、低減した炎症、または分割する能力)を帯びるように、不完全であってもよい(例として、幹細胞が作製されない)。細胞の再プログラミングは、追加の細胞機能を提供してもよいし、細胞の老化(例として、分化転換、または細胞の老化への移行)を防止してもよい。細胞の再プログラミングは、一過性または持続性の遺伝子発現変化を誘導してもよい。いくつかの態様において、不完全な細胞の再プログラミングは、Nanog発現の欠如によって示される。いくつかの態様において、細胞の再プログラミングは、老化が生じるのを妨げる。
【0033】
用語「状態」、「疾患」および「障害」は、互換的に使用される。状態、疾患、および障害の非限定例は、急性傷害、神経変性疾患、慢性疾患、増殖性疾患、心血管疾患、遺伝的疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患、血液病、疼痛状態、精神障害、代謝障害、がん、老化、加齢性疾患、および対象における任意の組織に影響を与える疾患を包含する。例えば、加齢性状態は、心不全、脳卒中、心臓疾患、アテローム性動脈硬化、神経変性疾患(例として、パーキンソン病およびアルツハイマー病)、認知低下、記憶喪失、糖尿病、骨粗鬆症、関節炎、筋肉喪失、聴覚喪失(部分的または完全)、眼に関する状態(例として、弱視(poor eye sight)または網膜疾患)、緑内障、およびがんを包含する。ある態様において、疾患は、網膜疾患(例として、黄斑変性症)である。いくつかの態様において、加齢性状態は、老化である。非限定例として、グリア細胞の老化は、アルツハイマー病の原因であり得る。例として、Bussian, et al., Nature. 2018 Sep 19を参照のこと。
【0034】
本明細書に使用されるとき、「眼疾患」または「目疾患」は、目の疾患または状態である。目に影響する状態の非限定例は、外反、兎眼、眼瞼皮膚弛緩症、眼瞼下垂、物もらい(Stye)、黄色板腫、皮膚炎、ニキビダニ属(Demodex)、リーシュマニア症、ロア糸状虫症、オンコセルカ症、シラミ症(phthiriasis)、(単純ヘルペス)、らい病、伝染性軟属腫、結核、いちご腫、帯状疱疹、膿痂疹、涙腺炎、流涙症、眼球突出、結膜炎、強膜炎、角膜炎、角膜潰瘍/角膜擦過傷、雪眼炎/アークアイ(Arc eye)、タイゲソンの表在性点状角膜症(Thygeson’s superficial punctate keratopathy)、角膜新血管新生、フックスジストロフィー、円錐角膜、乾性角結膜炎、虹彩炎、虹彩、ブドウ膜炎、交感性眼炎、白内障、水晶体、脈絡網膜炎症(chorioretinal inflammation)、局所的脈絡網膜炎症(Focal chorioretinal inflammation)、脈絡網膜炎、脈絡膜炎、網膜炎、脈絡網膜炎、播種性脈絡網膜炎症、漏出性網膜症、後毛様体炎(Posterior cyclitis)、毛様体扁平部炎、脈絡網膜炎症、原田病、脈絡網膜炎症、脈絡膜、脈絡網膜瘢痕、黄斑部瘢痕、後極(炎症後)(外傷後)、日光網膜症、脈絡膜変性、萎縮、硬化症、網膜色素線条症、脈絡膜ジストロフィー、脈絡膜欠如、脈絡膜、乳輪、(乳頭周囲)、脳回転状萎縮、脈絡膜、オルニチン血症(ornithinaemia)、脈絡膜出血、脈絡膜出血、NOS(他に特定されないもの)、脈絡膜剥離、脈絡網膜、脈絡網膜炎症、感染性および寄生性疾患、脈絡網膜炎、梅毒性、トキソプラズマ、結核、脈絡網膜性、網膜剥離、網膜、脈絡膜、乱視、網膜分離症、高血圧性網膜症、糖尿病網膜症、網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性症、網膜黄斑、黄斑変性症、標的黄斑症(Bull’s Eye Maculopathy)、網膜上膜、末梢網膜変性、遺伝性の網膜ジストロフィー、網膜色素変性症、網膜出血、レチナール層、中心性漿液性網脈絡膜症、網膜剥離、網膜障害、黄斑浮腫、網膜黄斑、網膜障害、糖尿病網膜症、緑内障、視神経症、高眼圧症、開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障、開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、飛蚊症、レーバー遺伝性視神経萎縮、視神経乳頭ドルーゼン、斜視、眼麻痺、眼筋、進行性外眼筋麻痺、内斜視、外斜視、屈折障害、遠近調節(accommodation)、遠視、近視、乱視、不同視、老視、眼筋麻痺、弱視、レーバー先天黒内障、暗点、視覚消失、色失明、色覚異常/一色型色覚異常(Maskun)、錐体細胞、夜盲症、失明、河川盲目症、小眼球症/コロボーマ、視神経、脳、脊髄、充血した目、アーガイル・ロバートソン瞳孔、瞳孔、角膜真菌症、眼球乾燥症、および無虹彩症を包含する。いくつかの態様において、眼疾患は、急性または慢性の目外傷である。
【0035】
いくつかの態様において、眼疾患は、引っ掻かれた角膜(scratched cornea)である。
【0036】
いくつかの態様において、眼疾患は、角膜疾患(例として、角膜または角膜細胞に影響を与える疾患)である。いくつかの態様において、眼疾患は、アカントアメーバ角膜炎、眼瞼外反、兎眼弱視(lagoph amblyopia)、瞳孔不同、乱視、ベルまひ(Bell’s Palsy)、眼臉炎、霧視、焼けるような目の痛み(burning eyes)、白内障、黄斑変性症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性眼疾患、緑内障、ドライアイ、視覚低下(poor vision)(例として、低視力)、乱視、眼臉炎、白内障、霰粒腫、結膜炎、糖尿病網膜症、ドライアイ、緑内障、角膜炎、円錐角膜(keratonconus)、黄斑変性症、高眼圧症、瞼裂班(pinquecula)、翼状片、網膜色素変性症、または眼のがん(例として、網膜芽腫、目の黒色腫、目のリンパ腫、髄上皮腫、結膜の扁平上皮細胞がん)である。角膜疾患の例は、これらに限定されないが、角膜新血管新生(NV)、角膜ジストロフィー、角膜炎症、角膜擦過傷、および角膜線維症を包含する。いくつかの態様において、眼疾患は、円錐角膜(Keritaconus)である。いくつかの態様において、眼疾患は、黄斑変性症である。目疾患の追加の非限定例は、疾病及び関連保健問題の国際統計分類(例として、VII 目および付属器の疾患)において見出され得る。
【0037】
眼疾患は、目および/または付属器の任意の一部に影響を与え得る。いくつかの態様において、眼疾患は、眼瞼、涙液系、および/または眼窩の障害である。いくつかの態様において、眼疾患は、結膜の障害である。いくつかの態様において、眼疾患は、強膜、角膜、虹彩および/または毛様体の障害である。いくつかの態様において、眼疾患は、水晶体の障害である。いくつかの態様において、眼疾患は、脈絡膜および/または網膜の障害である。いくつかの態様において、眼疾患は、緑内障である。いくつかの態様において、眼疾患は、硝子体および/または眼球の障害である。いくつかの態様において、眼疾患は、視神経および/または視覚路の障害である。いくつかの態様において、眼疾患は、眼筋肉、両眼球運動、遠近調節および/または屈折の障害である。いくつかの態様において、眼疾患は、眼筋肉、両眼球運動、遠近調節および屈折である。いくつかの態様において、眼疾患は、視覚障害および/または失明である。
【0038】
用語「遺伝的疾患」は、対照の誕生から存在する疾患などの、対照のゲノムにおける1以上の異常によって引き起こされる疾患を指す。遺伝的疾患は、遺伝性であってもよいし、親の遺伝子から伝えられてもよい。遺伝的疾患はまた、対照のDNAおよび/またはRNAの変異または変化によって引き起こされてもよい。かかるケースにおいて、遺伝的疾患は、生殖細胞系列において生じる場合、遺伝性であろう。例示の遺伝的疾患は、これらに限定されないが、Aarskog-Scott症候群、Aase症候群、軟骨無形成症、先端骨形成不全、嗜癖、副腎白質ジストロフィー、白皮症、ablepharon-macrostomia症候群、アラジール症候群、アルカプトン尿症、アルファ-1抗トリプシン欠乏、アルポート症候群、アルツハイマー病、喘息、自己免疫多腺性症候群、アンドロゲン不感性症候群、アンジェルマン症候群、運動失調症、毛細血管拡張性運動失調症、アテローム性動脈硬化、注意欠陥多動障害(ADHD)、自閉症、脱毛症、バッテン病、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群、ベスト病、双極性障害、短指症)、乳房がん、バーキットリンパ腫、慢性骨髄性白血病、シャルコー・マリー・トゥース病、クローン病、口唇裂、コケイン症候群、コフィン・ローリー症候群、結腸がん、先天性副腎皮質過形成症、コルネリア・デ・ランゲ症候群、コステロ症候群、カウデン病、頭蓋前頭鼻骨異形成(craniofrontonasal dysplasia)、クリグラー・ナジャー症候群、クロイツフェルト・ヤコブ病、嚢胞性線維症、聴覚消失、うつ病、糖尿病、捻曲性骨異形成症、ディジョージ症候群、ダウン症、失読症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、デュボヴィッツ症候群、外胚葉異形成症 エリス・ファンクレフェルト症候群、エーラース・ダンロス症候群、表皮水疱症、てんかん、本態性振戦、家族性高コレステロール血症、家族性地中海熱、脆弱X症候群、フリートライヒ運動失調症、ゴーシェ病、緑内障、グルコースガラクトース吸収障害、グルタル酸血症、脳回転状萎縮症、ゴールドバーグ・シュプリンツェン症候群(口蓋心臓顔面症候群)、ゴーリン症候群、ヘイリー・ヘイリー病、片側肥大症、ヘモクロマトーシス、血友病、遺伝性運動感覚性ニューロパシー(HMSN)、遺伝性非ポリープ性結腸直腸がん(HNPCC)、ハンチントン病、高IgMを伴う免疫不全症、若年発症糖尿病、クラインフェルター症候群、歌舞伎症候群、リー症候群、QT延長症候群、肺がん、悪性黒色腫、躁うつ病、マルファン症候群、メンケス症候群、流産、ムコ多糖症、多発性内分泌腫瘍症、多発性硬化症、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症(myotrophic lateral scloresis)、筋強直症ジストロフィー、神経線維腫症、ニーマン・ピック病、ヌーナン症候群、肥満、卵巣がん、膵臓がん、パーキンソン病、発作性夜間ヘモグロビン尿、ペンドレッド症候群、腓骨筋萎縮症、フェニルケトン尿症(PKU)、ポリ嚢胞性腎疾患、プラダー・ウィリー症候群、原発性胆汁性肝硬変、前立腺がん、REAR症候群、レフサム病、網膜色素変性症、網膜芽腫、レット症候群、サンフィリポ症候群、統合失調症、重症複合免疫不全、鎌状赤血球貧血、二分脊椎、脊髄性筋萎縮症、脊髄小脳萎縮、成人の突然死(sudden adult death)症候群、タンジール病、テイ・サックス病、血小板減少-橈骨欠損症候群(thrombocytopenia absent radius syndrome)、タウンズブロックス症候群、結節性硬化症、ターナー症候群、アッシャー症候群、フォンヒッペル・リンダウ病、ワールデンブルグ症候群、ウィーバー症候群、ウェルナー症候群、ウィリアムズ症候群、ウィルソン病、色素性乾皮症、およびツェルウェガー症候群を包含する。
【0039】
用語「筋骨格疾患」または「MSD」は、対象の関節、靱帯、筋肉、神経、腱、ならびに肢、首、および背中を支持する構造における傷害および/または疼痛を指す。ある態様において、MSDは、変性疾患である。ある態様において、MSDは、炎症状態を含む。MSDに関連し得る対象の身体部分は、上背部および下背部、首、肩、および四肢(腕、脚、足、および手)を包含する。ある態様において、MSDは、軟骨無形成症、先端巨大症、骨カルス(bone callus)、骨脱ミネラル化、骨折、骨髄疾患、骨髄新生物、先天性角化異常症、白血病(例として、有毛細胞白血病、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、フィラデルフィア染色体陽性白血病、形質細胞白血病、幹細胞白血病)、全身性肥満細胞症、骨髄異形成症候群、発作性夜間ヘモグロビン尿、骨髄肉腫、骨髄増殖性障害、多発性骨髄腫、真性赤血球増加症、ピアソン骨髄膵症候群、骨新生物、骨髄新生物、ユーイング肉腫、骨軟骨腫、骨巨細胞腫、骨肉腫、短指症、カムラチ・エンゲルマン症候群、頭蓋縫合早期癒合症、クルゾン頭蓋顔面骨化骨異常、低身長症、軟骨無形成症、ブルーム症候群、コケイン症候群、エリス・ファンクレフェルト症候群、ゼッケル症候群、脊椎骨端異形成症、先天性脊椎骨端異形成症、ウェルナー症候群、骨増殖症、骨棘、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群、マルファン症候群、マキューン・オルブライト症候群、骨炎、骨関節炎、骨軟骨炎、骨軟骨異形成症、カシン・ベック病、Leri-Weill軟骨骨異形成症、骨軟骨症、骨異栄養症、骨形成不全症、骨溶解、ゴーハム・スタウト病、骨軟化症、骨髄炎、骨壊死、骨減少症、大理石骨病、骨粗鬆症、骨硬化症、耳脊椎巨大骨端異形成、肥厚性皮膚骨膜症、骨パジェット病、多指症、メッケル症候群、くる病、ロスムンド・トムソン症候群、ソトス症候群、脊椎骨端異形成症、先天性脊椎骨端異形成症、合指症、アペール症候群、合指症II型、またはウェルナー症候群などの骨疾患である。ある態様において、MSDは、軟骨新生物、骨軟骨炎、骨軟骨異形成症、カシン・ベック病、またはLeri-Weill軟骨骨異形成症などの軟骨疾患である。ある態様において、MSDは、椎間板ヘルニアなどのヘルニアである。ある態様において、MSDは、関節痛、関節炎(例として、痛風(例として、ケリー・シーグミラー症候群、レッシュ・ナイハン症候群)、ライム病、骨関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、リウマチ熱、リウマチ性関節炎、フェルティ症候群、滑膜炎、ブラウ症候群、爪膝蓋骨症候群、脊椎関節症、反応性関節炎、スティックラー症候群、滑膜疾患、滑膜炎、またはブラウ症候群などの関節疾患である。ある態様において、MSDは、ランガー・ギデオン症候群である。ある態様において、MSDは、バース症候群、ミトコンドリア脳筋症、MELAS症候群、MERRF症候群、MNGIE症候群、ミトコンドリアミオパチー、カーンズ・セイヤー症候群、筋肉痛、線維筋痛症、リウマチ性多発筋痛症、筋腫、筋炎、皮膚筋炎、神経筋疾患、カーンズ・セイヤー症候群、筋ジストロフィー、筋無重力症、先天性筋無重力症候群、ランバート・イートン筋無重力症症候群、重症筋無力症、筋強直症、先天性筋強直症、脊髄性筋萎縮症、テタニー、眼筋麻痺、または横紋筋融解症などの筋疾患である。ある態様において、MSDは、プロテウス症候群である。ある態様において、MSDは、関節炎(例として、痛風(例として、ケリー・シーグミラー症候群、レッシュ・ナイハンライム病))、骨関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、リウマチ熱、リウマチ性関節炎、フェルティ症候群、滑膜炎、ブラウ症候群、痛風(例として、ケリー・シーグミラー症候群、レッシュ・ナイハン症候群)、リウマチ性多発筋痛症、リウマチ熱、リウマチ性心疾患、またはシェーグレン症候群などのリウマチ性疾患である。ある態様において、MSDは、シュワルツ・ヤンペル症候群である。ある態様において、MSDは、Leri-Weill軟骨骨異形成症、骨格形成異常(skeleton malformation)、メルニック・ニードルズ症候群、肥厚性皮膚骨膜症、リーガー症候群、脊椎カラム疾患(spinal column disease)、椎間板ヘルニア、脊柱側弯症、二分脊椎、脊椎炎、強直性脊椎炎、脊椎関節症、反応性関節炎、脊椎骨端異形成症、先天性脊椎骨端異形成症、または脊椎症などの骨格疾患である。いくつかの態様において、疾患は、筋骨格疾患である。
【0040】
「増殖性疾患」は、正常ではない成長または細胞の増殖による拡大に起因して生じる疾患を指す(Walker, Cambridge Dictionary of Biology; Cambridge University Press: Cambridge, UK, 1990)。増殖性疾患は、以下に関連し得る:1)通常静止状態の細胞の病的な増殖;2)それらの正常な場所からの細胞の病的な遊走(例として、新生物細胞の転移);3)マトリックスメタロプロテイナーゼ(例として、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ)などのタンパク質分解酵素の病的な発現;または4)増殖性網膜症および腫瘍転移におけるような病的な血管新生。例示の増殖性疾患は、がん(すなわち、「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、および自己免疫疾患を包含する。
【0041】
用語「新生物」および「腫瘍」は、本明細書で互換的に使用され、および、正常でない組織の塊を指し、ここで、塊の成長は、正常組織の成長を抑制し、および、これとは協調していない。新生物または腫瘍は、以下の特徴に応じて、「良性の」または「悪性」であり得る:細胞分化の程度(形態学および機能性を含む)、成長速度、局部浸潤、および転移。「良性新生物」は、一般に十分に分化しており、悪性新生物よりも遅い成長を特徴的に有し、および、元の部位に局在したままである。加えて、良性新生物は、遠位部位に、浸潤し、侵入し、および、転移する能力を有していない。例示の良性新生物は、これらに限定されないが、脂肪腫、軟骨腫、腺腫、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、および脂腺過形成を包含する。いくつかのケースにおいて、ある「良性の」腫瘍は、後に悪性新生物(これは、腫瘍新生物細胞の亜集団における追加の遺伝子変化から生じ得る)を生じてもよく、および、これらの腫瘍は、「前悪性新生物」と称される。例示の前悪性新生物は、奇形腫である。対照的に、「悪性新生物」は、一般に低分化(退形成)であり、および、進行性浸潤、浸潤、および周囲組織の破壊を伴う、迅速な成長を特徴的に有する。さらにまた、悪性新生物は、一般に、遠位部位に転移する能力を有する。用語「転移」、「転移性」または「転移する」は、原発性または元の腫瘍の別の臓器または組織へのがん性細胞の拡散または遊走を指し、および、典型的には、二級(転移性)腫瘍が位置する臓器または組織の存在ではなく、原発性または元の腫瘍の組織型の「二級腫瘍」または「二級細胞塊」の存在によって同定される。例えば、骨へ遊走した前立腺がんは、転移前立腺がんといわれ、および、骨組織において増殖するがん性前立腺がん細胞を包含する。
【0042】
用語「がん」は、制御不能に増殖し、および、正常な身体組織に浸潤し破壊する能力を有する、正常でない細胞の発生によって特徴づけられるクラスの疾患を指す。例として、Stedman’s Medical Dictionary, 25th ed.; Hensyl ed.; Williams & Wilkins: Philadelphia, 1990を参照のこと。例示のがんは、これらに限定されないが、聴神経腫;腺癌;副腎がん;肛門がん;血管肉腫(例として、リンパ管腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、血管肉腫);虫垂がん;良性のモノクローナル高ガンマグロブリン血症;胆道がん(例として、胆管癌);膀胱がん;乳房がん(例として、乳房腺癌、乳房の乳頭癌、乳癌、乳房髄様癌);脳がん(例として、髄膜腫、膠芽腫、神経膠腫(例として、星状細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頸部のがん(例として、子宮頸部の腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結腸直腸がん(例として、結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺癌);結合組織がん;上皮の癌;上衣腫;内皮肉腫(例として、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例として、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例として、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼のがん(例として、眼内の黒色腫、網膜芽腫);家族性(familiar)高好酸球増加症;胆嚢がん;胃がん(例として、胃腺癌);消化管間質性腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例として、頭頸部扁平上皮細胞癌、口腔がん(例として、口腔扁平上皮細胞癌)、咽頭がん(例として、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、中咽頭がん));造血がん(例として、急性リンパ球性白血病(ALL)(例として、B細胞ALL、T-細胞ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)(例として、B細胞AML、T-細胞AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)(例として、B細胞CML、T-細胞CML)、および慢性リンパ球性白血病(CLL)(例として、B細胞CLL、T-細胞CLL)などの白血病);ホジキンリンパ腫(HL)(例として、B細胞HL、T-細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例として、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例として、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)などのB細胞NHL、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小さいリンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例として、粘膜内リンパ組織(MALT)リンパ腫、筋性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓周辺帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆体B-リンパ芽球性リンパ腫および原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫などのリンパ腫;および前駆体T-リンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例として、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)(例として、菌状息肉種、セザリー症候群)、血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞リンパ腫)などのT細胞NHL;上に記載のとおりの1以上の白血病/リンパ腫の混合物;および多発性骨髄腫(MM))、重鎖疾患(例として、アルファ鎖疾患、ガンマ鎖疾患、ミュー鎖疾患);血球血管芽細胞;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫細胞アミロイドーシス;腎臓がん(例として、腎芽細胞腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);肝臓がん(例として、肝細胞がん(HCC)、悪性肝がん);肺がん(例として、気管支原性肺癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺腺癌);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例として、全身性肥満細胞症);筋肉がん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性障害(MPD)(例として、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、原発性骨髄線維症(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増加症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例として、神経線維腫症(NF)1型または2型、神経鞘腫症);神経内分泌がん(例として、膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例として、骨がん);卵巣がん(例として、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵臓がん(例として、膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、島細胞腫瘍);陰茎がん(例として、陰茎および陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新形成;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例として、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺がん;皮膚がん(例として、扁平上皮細胞癌(SCC)、ケラトアカントーマ(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例として、虫垂がん);軟組織肉腫(例として、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺癌;小腸がん;汗腺癌(sweat gland carcinoma);滑膜腫;精巣がん(例として、精上皮腫、精巣胎児性癌);甲状腺がん(例として、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣がん;および外陰部がん(例として、外陰部のパジェット病)を包含する。
【0043】
用語「炎症性疾患」は、炎症によって引き起こされ、炎症から生じる、または、炎症を結果として生じる、疾患を指す。用語「炎症性疾患」はまた、マクロファージ、顆粒球、および/またはTリンパ球によって悪化する応答を引き起こし、正常でない組織の損傷および/または細胞死を導く、調節不全の炎症反応を指し得る。炎症性疾患は、急性または慢性の炎症性状態のいずれかであり得、および、感染性または非感染性の原因から結果として生じ得る。炎症性疾患は、限定せずに、アテローム性動脈硬化、動脈硬化症、自己免疫障害、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、通風性関節炎、変形性関節炎、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、リウマチ性関節炎、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性全身性硬化症(強皮症)、強直性脊椎炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、天疱瘡、類天疱瘡、糖尿病(例として、I型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー症候群、混合性結合組織疾患、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常型間質性肺炎(UIP)、石綿症、珪肺症、気管支拡張症、ベリリウム中毒、滑石肺、塵肺、サルコイドーシス、剥離性の間質性肺炎、リンパ球様間質性肺炎間質性肺炎、巨細胞間質性肺炎、細胞性間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症および血管炎の関連形態(側頭動脈炎および結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚疾患、肝炎、遅延型過敏症反応(例として、毒ツタ皮膚炎)、肺炎、気道炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳炎、即時型過敏症反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性アナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血性傷害)、再灌流傷害、同種移植片拒絶、宿主対移植片拒絶、虫垂炎、動脈炎、眼臉炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸炎、胆管炎、絨毛羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、咽頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、精巣炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、および壊死性小腸結腸炎を包含する。眼の炎症性疾患は、これに限定されないが、術後の炎症を含む。いくつかの態様において、炎症性疾患は、炎症老化(例として、老化の副作用である炎症)である。
【0044】
「自己免疫疾患」は、対象の身体に通常存在する物質および組織に対する対象の身体の不適切な免疫応答から生じる疾患を指す。換言すれば、免疫系は、身体のいくつかの部分を病原体として誤解し、および、それ自身の細胞を攻撃する。これは、ある臓器に制限されてもよいし(例として、自己免疫甲状腺炎における)、異なる場所における具体的な組織を伴ってもよい(例として、肺および腎臓の両方における基底膜に影響を与え得るグッドパスチャー症候群)。自己免疫疾患の処置は、典型的には、免疫抑制、例として、免疫応答を減少させる薬を用いる。例示の自己免疫疾患は、これらに限定されないが、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、皮膚筋炎/多発筋炎、抗ホスホ脂質抗体症候群、強皮症、尋常性天疱瘡、ANCA関連血管炎(例として、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎)、ブドウ膜炎、シェーグレン症候群、クローン病、ライター症候群、強直性脊椎炎、ライム病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、および心筋症を含む。
【0045】
用語「肝臓疾患」または「肝疾患」は、肝臓に対する損傷または肝臓の疾患を指す。肝臓疾患の非限定例は、肝内胆汁うっ滞(例として、アラジール症候群、胆汁性肝硬変)、脂肪肝(例として、アルコール性脂肪肝、ライ症候群)、肝静脈血栓症、肝レンズ核変性症(すなわち、ウィルソン病)、肝腫大、肝膿瘍(例として、アメーバ性肝膿瘍)、肝硬変(例として、アルコール性、胆汁性、および実験的肝硬変)、アルコール性肝疾患(例として、脂肪肝、肝炎、肝硬変)、肝寄生虫症(例として、肝包虫症、肝蛭症、アメーバ性肝膿瘍)、黄疸(例として、溶血性、肝細胞、胆汁うっ滞性黄疸)、胆汁うっ滞、門脈高血圧症、肝腫大、腹水、肝炎(例として、アルコール性肝炎、動物肝炎、慢性肝炎(例として、自己免疫、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、薬物誘導性慢性肝炎)、中毒性肝炎、ウイルスのヒト肝炎(例として、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎)、肉芽腫性肝炎、二次性胆汁性肝硬変、肝性脳症、静脈瘤、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、肝細胞腺腫、血管腫、胆石(bile stones)、肝不全(例として、肝性脳症、急性肝不全)、血管筋脂肪腫、石灰化肝転移、嚢胞性肝転移、線維層板型肝細胞癌、肝腺腫、肝がん、肝嚢胞(例として、単純嚢胞、多嚢胞肝、肝胆道嚢胞腺腫(hepatobiliary cystadenoma)、総胆管嚢胞)、間葉系腫瘍(間葉系過誤腫、乳児血管内皮腫、血管腫、肝臓紫斑病、脂肪腫、炎症性偽腫瘍)、上皮腫瘍(例として、胆管過誤腫、胆管腺腫)、限局性結節性過形成、結節性再生過形成(nodular regenerative hyperplasia)、肝芽腫、肝細胞癌、胆管癌、嚢胞腺癌、血管の腫瘍、血管肉腫、カポジ(Karposi’s)肉腫、血管内皮腫、胚肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、癌肉腫、奇形腫、カルチノイド、扁平上皮癌、原発リンパ腫、肝臓紫斑病、赤芽肝性(erythrohepatic)ポルフィリン症、肝性ポルフィリン症(例として、急性間欠性ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症(porphyria cutanea tarda)、およびツェルウェガー症候群を包含する。
【0046】
用語「脾臓疾患」は、脾臓の疾患を指す。脾臓疾患の例は、これらに限定されないが、脾腫、脾臓がん、無脾症、脾臓外傷、特発性紫斑病、フェルティ症候群、ホジキン病、および免疫媒介性の脾臓の破壊を包含する。
【0047】
用語「肺疾患」または「肺の疾患」は、肺の疾患を指す。肺疾患の例は、これらに限定されないが、気管支拡張症、気管支炎、気管支肺異形成症、間質性肺疾患、職業性肺疾患、気腫、嚢胞性線維症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、喘息(例として、間欠性喘息、軽度持続型喘息、中程度持続型喘息、重度の持続型喘息)、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、間質性肺疾患、サルコイドーシス、石綿症、アスペルギルス腫、アスペルギルス症、肺炎(例として、大葉性肺炎、多葉性肺炎、気管支肺炎、間質性肺炎)、肺線維症、肺結核、リウマチ性肺疾患、肺塞栓症、および肺がん(例として、非小細胞肺癌(例として、腺癌、扁平上皮癌、肺大細胞癌)、小細胞肺癌)を包含する。
【0048】
「血液病」は、造血細胞または組織に影響を与える疾患を含む。血液病は、異常な血液学的内容物および/または機能に関連する疾患を包含する。血液病の例は、骨髄照射または癌の化学治療処置から結果として生じる疾患、悪性貧血、出血性貧血症、溶血性貧血、再生不良性貧血、鎌状赤血球貧血、鉄芽球性貧血などの疾患、マラリア、トリパノソーマ症、HTV、肝炎ウイルスまたは他のウイルスなどの慢性感染症に関連する貧血症、骨髄欠乏症によって引き起こされる骨髄癆性貧血、貧血から結果として生じる腎不全、貧血症、赤血球増加症、感染性単核球症(EVI)、急性非リンパ球性白血病(ANLL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、急性骨髄単球性白血病(AMMoL)、真性赤血球増加症、リンパ腫、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、網膜芽腫、血友病、血栓症の増大したリスクに関連する障害、ヘルペス、サラセミア、輸血反応および赤芽球症などの抗体媒介性障害、マイクロ-血管障害性溶血性貧血などの血液細胞に対する機械的外傷、血栓性血小板減少性紫斑病および播種性血管内凝固、マラリア原虫などの寄生体による感染症、例として、鉛中毒からの化学的傷害、および脾機能亢進を包含する。
【0049】
用語「神経学的疾患」は、中枢神経系(脳、脳幹および小脳)、末梢神経系(脳神経を含む)、および自律神経系(その一部は、中枢神経系および末梢神経系の両方に位置付けられる)に関与する疾患を含む、神経系の任意の疾患を指す。神経変性疾患は、これらに限定されないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、タウオパチー(前頭側頭型認知症を含む)、およびハンチントン病を含む、神経細胞の喪失によって特徴づけられるタイプの神経学的疾患を指す。神経学的疾患の例は、これらに限定されないが、頭痛、昏迷および昏睡、認知症、発作、睡眠障害、外傷、感染、新生物、神経眼科学、運動障害、脱髄性疾患、脊髄障害、ならびに末梢神経、筋肉および神経筋接合部の障害を包含する。嗜癖および精神疾患は、これらに限定されないが、双極性障害および統合失調症を包含し、また、神経学的疾患の定義に含まれる。神経学的疾患のさらなる例は、後天性てんかん性失語症;急性播種性脳脊髄炎;副腎白質ジストロフィー;脳梁欠損症;失認;アイカルディ症候群;アレキサンダー疾患;アルパーズ疾患;交代性片麻痺;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症;無脳症;アンジェルマン症候群;血管腫症;無酸素症;失語症;失行症;くも膜嚢胞;くも膜炎;アーノルド・キアリ奇形;動静脈奇形;アスペルガー症候群;毛細血管拡張性運動失調症;注意欠陥多動障害;自閉症;自律神経障害;背部疼痛;バッテン病;ベーチェット病;ベルまひ;良性本態性眼瞼けいれん;良性局所性;筋委縮症;良性頭蓋内圧亢進;ビンスワンガー病;眼瞼痙攣;ブロッホ・ズルツベルガー症候群;腕神経叢傷害;脳膿瘍;脳傷害;脳腫瘍(多形膠芽腫を含む);脊椎の腫瘍;ブラウン・セカール症候群;カナバン病;手根管症候群(CTS);灼熱痛;中枢性疼痛症候群;橋中心髄鞘崩壊症;頭蓋骨障害;脳の動脈瘤;脳の動脈硬化症;脳の萎縮;脳の巨人症;脳の麻痺;シャルコー・マリー・トゥース病;化学療法誘発性の神経障害および神経障害性疼痛;キアリ奇形;舞踏病;慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP);慢性疼痛;慢性局部疼痛症候群;コフィン・ローリー症候群;持続的植物状態を含む昏睡;先天性両側顔面神経麻痺(congenital facial diplegia);大脳皮質基底核変性症;頭蓋動脈炎;頭蓋縫合早期癒合症;クロイツフェルト・ヤコブ病;累積外傷性障害;クッシング症候群;巨大細胞性封入体症(CIBD);サイトメガロウイルス感染;dancing eyes-dancing feet症候群;ダンディ・ウォーカー症候群;ドーソン病;ドモルシア症候群;Dejerine-Klumpke麻痺;認知症;皮膚筋炎;糖尿病性神経障害;びまん性硬化症;自律神経失調症;書字障害;失読症;ジストニア;早期乳児てんかん性脳症;トルコ鞍空洞症候群;脳炎;脳瘤;脳三叉神経領域血管腫症;てんかん;エルブまひ;本態性振戦;ファブリー病;ファール症候群;失神;家族性痙性対麻痺;熱性発作;フィッシャー症候群;フリートライヒ運動失調症;前頭側頭型認知症および他の「タウオパチー」;ゴーシェ病;ゲスルトマン症候群;巨細胞性動脈炎;巨細胞性封入体病;グロボイド細胞白質ジストロフィー;ギラン・バレー症候群;HTLV-1関連脊髄症;ハラーホルデン・スパッツ症候群;頭部傷害;頭痛;片側顔面痙攣;遺伝性の痙性対麻痺;遺伝性多発神経炎性失調;耳帯状疱疹;帯状疱疹;平山病;HIV関連認知症および神経障害(AIDSの神経学的な兆候もまた参照のこと);全前脳症;ハンチントン病および他のポリグルタミン反復疾患;水無脳症;水頭症;副腎皮質ホルモン過剰症;低酸素症;免疫媒介性脳脊髄炎;封入体筋炎;色素失調症;乳児;フィタン酸蓄積症;乳児レフサム病;点頭てんかん;炎症性ミオパチー;頭蓋内嚢胞;頭蓋内圧亢進;ジュベール症候群;カーンズ・セイヤー症候群;ケネディ病;キンスボーン症候群;クリッペル・ファイル症候群;クラッベ疾患;クーゲルベルク・ヴェランダー病;クールー病;ラフォラ病;ランバート・イートン筋無力症症候群;ランドウ・クレフナー症候群;延髄外側(ワレンベルグ)症候群;学習障害;レイ脳症(Leigh’s disease);レノックス・ガストー症候群;レッシュ・ナイハン症候群;白質ジストロフィー;レビー小体認知症;脳回欠損;閉じ込め症候群;ルー・ゲーリック病(別名運動ニューロン疾患または筋萎縮性側索硬化症);腰部椎間板症;ライム病-神経学的後遺症;マシャド・ジョセフ病;大脳症;巨脳症;メルカーソン・ローゼンタール症候群;メニエール病;髄膜炎;メンケス病;異染性白質ジストロフィー;小頭症;片頭痛;ミラー・フィッシャー症候群;軽度の脳卒中(mini-strokes);ミトコンドリア筋症;メビウス症候群;一側筋萎縮症;運動ニューロン疾患;もやもや病;ムコ多糖症;多発脳梗塞性認知症;多巣性運動ニューロパチー;多発性硬化症および他の脱髄性障害;体位性低血圧を伴う多系統萎縮症;筋ジストロフィー;重症筋無力症;骨髄破壊性びまん性硬化症;乳児ミオクロニー脳症;ミオクローヌス;ミオパチー;先天性筋強直症;ナルコレプシー;神経線維腫症;悪性症候群;AIDSの神経学的兆候;ループスの神経学的後遺症;神経ミオトニー;神経セロイドリポフスチン症;ニューロンの遊走障害;ニーマン・ピック病;O’Sullivan-McLeod症候群;後頭神経痛;潜在的脊椎閉鎖不全症(occult spinal dysraphism sequence);大田原症候群;オリーブ橋小脳萎縮症;眼球クローヌス・ミオクローヌス運動失調;視神経炎;起立性低血圧症;乱用症候群;錯感覚;パーキンソン病;先天性異常筋強直症;腫瘍随伴疾患;発作(paroxysmal attacks);パリーロンバーグ病;ペリツェウス・メルツバッハ病;周期性四肢麻痺;末梢神経障害;有痛性ニューロパチーおよび神経障害性疼痛;持続的植物状態;広汎性発達障害;光くしゃみ反射;フィタン酸蓄積症;ピック病;圧迫神経(pinched nerve);下垂体腫瘍;多発性筋炎;孔脳症;ポリオ後症候群;帯状疱疹後神経痛(PHN);麻疹後脳脊髄炎;体位性低血圧;プラダー・ウィリー症候群;原発性側索硬化症;プリオン疾患;進行性;顔面半側萎縮;進行性多巣性白質脳症;進行性硬化性ポリオジストロフィー;進行性核上性麻痺;偽脳腫瘍;ラムゼイ・ハント症候群(I型およびII型);ラスムッセン脳炎;反射性交感神経性ジストロフィー;レフサム病;反復性運動障害(repetitive motion disorders);反復過多損傷;下肢静止不能症候群;レトロウイルス関連脊髄症;レット症候群;ライ症候群;舞踏病;サンドホフ病;シルダー病;裂脳症;中隔視神経形成異常症;揺さぶられっ子症候群;帯状疱疹;シャイ・ドレーガー症候群;シェーグレン症候群;睡眠時無呼吸;ソトス症候群;痙縮;二分脊椎;脊髄傷害;脊髄腫瘍;脊髄性筋萎縮症;全身強直症候群;脳卒中;スタージ・ウェーバー症候群;亜急性硬化性全脳炎;くも膜下出血;皮質下動脈硬化性脳症;シデナム舞踏病;失神;脊髄空洞症;遅発性ジスキネジア;テイ・サックス病;側頭動脈炎;脊髄係留症候群;トムゼン病;胸郭出口症候群;三叉神経痛;トッドまひ;トゥレット症候群;一過性脳虚血発作;伝染性海綿状脳症;横断性脊髄炎;外傷性脳傷害;振戦;三叉神経痛;熱帯性痙性不全対麻痺症;結節性硬化症;血管性認知症(多発梗塞性認知症);側頭動脈炎を含む血管炎;フォンヒッペル・リンダウ病(VHL);ワレンベルグ症候群;ウェルドニッヒ・ホフマン病疾患;ウエスト症候群;むち打ち症;ウィリアムズ症候群;ウィルソン病;およびツェルウェガー症候群を包含する。
【0050】
「疼痛性状態」は、これらに限定されないが、神経障害性疼痛(例として、末梢神経障害性疼痛)、中枢神経性疼痛、求心路遮断性(deafferentiation)疼痛、慢性疼痛(例として、慢性侵害受容性疼痛、および術後疼痛(例として、臀部、膝、または他の置き換え外科手術後の疼痛)などの他の形態の慢性疼痛)、手術前疼痛、侵害受容の受容体の刺激(侵害受容の疼痛)、急性疼痛(例として、幻痛および一過的な急性疼痛)、非炎症性疼痛、炎症性疼痛、がんに関連する疼痛、創傷疼痛、灼熱痛、術後の疼痛、医療処置に関連する疼痛、掻痒から結果として生じる疼痛、膀胱痛症候群、月経前不快気分障害および/または月経前症候群に関連する疼痛、慢性疲労症候群に関連する疼痛、早期分娩に関連する疼痛、薬物中毒からの離脱症状に関連する疼痛、関節疼痛、関節炎疼痛(例として、クリスタリン関節炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、通風性関節炎、反応性関節炎、リウマチ性関節炎またはライター関節炎に関連する疼痛)、腰仙部疼痛、筋骨格疼痛、頭痛、片頭痛、筋肉痛、腰痛、頸部痛、歯痛、歯/顎顔面疼痛、内臓痛等が挙げられる。本明細書で企図される1以上の疼痛状態は、上記および本明細書に提供される様々なタイプの疼痛の混合物(例として侵害受容の疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛等々)を含み得る。いくつかの態様において、具体的な疼痛が支配し得る。他の態様において、疼痛状態は、1つが支配することなく、2以上のタイプの疼痛を含む。熟練臨床医は、疼痛状態に基づき、具体的な対象のための治療的に有効な量を達成するために投与量を決定することができる。
【0051】
用語「精神障害」は、精神の疾患を指し、および、the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders - Fourth Edition (DSM-IV), published by the American Psychiatric Association, Washington D. C. (1994)に挙げられた疾患および障害を含む。精神障害は、これらに限定されないが、不安障害(例として、急性ストレス障害広場恐怖症、全般不安症、強迫性障害、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会恐怖症、および特定の恐怖症)、小児病(childhood disorder)(例として、注意欠陥/多動性障害、行動障害、および反抗挑戦性障害)、摂食障害(例として、神経性食欲不振症および神経性過食症)、気分障害(例として、うつ病、双極性障害、気分循環性障害、気分変調性障害、および大うつ病性障害)、パーソナリティ障害(例として、反社会性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害、情緒不安定性パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、妄想性パーソナリティ障害、スキゾイドパーソナリティ障害、および統合失調型パーソナリティ障害)、精神障害(例として、短期精神病性障害、妄想性障害、統合失調感情障害、統合失調症様障害、統合失調症、および共有精神病性障害)、物質に関する障害(例として、アルコール依存症、アンフェタミン依存症、大麻依存、コカイン依存症、幻覚剤依存症、吸入剤依存症、ニコチン依存症、オピオイド依存症、フェンシクリジン依存、および鎮静薬依存症)、調整障害、自閉症、せん妄、認知症、多発梗塞性認知症、学習障害および記憶障害(例として、健忘症および加齢性記憶喪失)、およびトゥレット障害を包含する。
【0052】
用語「代謝障害」は、炭水化物、脂質、タンパク質、核酸、またはそれらの組み合わせの正常な代謝における変更を含む任意の障害を指す。代謝障害は、核酸、タンパク質、脂質および/または炭水化物の代謝の不均衡を結果として生じる、代謝経路における欠乏または過剰のいずれかに関連する。代謝に影響する因子は、これに限定されないが、内分泌(ホルモン)制御システム(例として、インスリン経路、GLP-1、PYYまたは同種のものを含む腸内分泌ホルモン)、神経調節システム(例として、脳のGLP-1)、または同種のものを含む。代謝障害の例は、これらに限定されないが、糖尿病(例として、I型糖尿病、II型糖尿病、妊娠糖尿病)、高血糖症、高インスリン血症、インスリン抵抗性、および肥満を含む。
【0053】
いくつかの態様において、疾患は、細胞の機能障害によって特徴づけられる。例えば、疾患は、ミトコンドリア疾患であり得る。非限定的なミトコンドリア疾患は、フリートライヒ運動失調症、アルパーズ(alphers)疾患、バース症候群、ベータ酸化欠陥、カルニチン欠乏症、CPT I欠乏症、およびミトコンドリアDNA欠乏を包含する。細胞の機能障害は、ミトコンドリア機能障害、RNA複製機能障害、DNA複製機能障害、翻訳機能障害、および/またはタンパク質折り畳み機能障害を包含し得る。
【0054】
いくつかの態様において、疾患または状態は、材木(a wood)、出血(bleeding out)、傷害(例として、骨折、銃創、切断、外科手術(例として、帝王切開)間の瘢痕による。
【0055】
いくつかの態様において、疾患は、感染性疾患(例として、病原体および/またはウイルスによって引き起こされる疾患)である。感染性疾患の非制限例は、結核、HIV/AIDS、狂犬病、ペスト、コレラ、デング熱、麻疹、マラリア、髄膜炎、百日咳、ライム病、インフルエンザ、C型肝炎、腸チフス熱、および灰白髄炎を包含する。
【0056】
用語「有効量」および「治療的に有効な量」は、本明細書に使用されるとき、対象に投与するとき、対象が罹患している状態を少なくとも部分的に処置するのに有効な、本発明の化合物の量または濃度を指す。
【0057】
本明細書に使用されるとき、「機能的」または「活性な」タンパク質は、は、その生物活性を保持する(例として、転写因子として、または、誘導剤として、作用することができる)タンパク質である。逆に言うと、機能的でないかまたは不活性なタンパク質は、その野生型機能の1以上を実施することができないタンパク質である。
【0058】
「真核生物細胞」は、膜に封入される核を含む細胞である。真核細胞の非制限例は、動物細胞、植物細胞、菌類または原生生物細胞を包含し、任意にここで、動物細胞は、哺乳動物細胞である。
【0059】
用語「遺伝子」は、タンパク質(コード配列に先行する調節配列(5’ノンコーディング配列)およびこれに続く(3’ノンコーディング配列)を含む)を発現する核酸フラグメントを指す。「ネイティブな遺伝子」は、その自身の調節配列と共に自然界に見出されるような遺伝子を指す。「キメラ遺伝子」または「キメラ構築物」は、天然に一緒に見出されない、調節配列およびコード配列を含む、ネイティブな遺伝子ではない、任意の遺伝子または構築物を指す。結果的に、キメラ遺伝子またはキメラ構築物は、異なる供給源に由来する調節配列およびコード配列を含んでもよいし、同じ供給源に由来するが、天然に見出される様式とは異なる様式で配置される調節配列およびコード配列を含んでもよい。「内在性遺伝子」は、生物のゲノム中のその天然の場所にあるネイティブな遺伝子を指す。「外来」遺伝子は、宿主生物中に通常見出されないが、遺伝子導入によって宿主生物に導入された、遺伝子を指す。外来遺伝子は、非ネイティブな生物に挿入されたネイティブな遺伝子または、キメラ遺伝子を含み得る。「導入遺伝子」は、形質転換手順によってゲノム中に導入された遺伝子である。
【0060】
「ホモログ」または「相同の」は、あるパーセント同一性(例として、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%パーセント同一性)を共有する配列(例として、核酸またはアミノ酸配列)を指す。相同配列は、これらに限定されないが、パラロガスなまたはオルソロガスな配列を含む。パラロガスな配列は、ある種のゲノム内の遺伝子の複製から生じ、オルソロガスな配列は、種形成事象後に分岐する。機能的ホモログは、野生型タンパク質の1以上の生物活性を保持する。ある態様において、導入遺伝子によってコードされるタンパク質の機能的ホモログは、野生型カウンターパートの、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の生物活性(例として、転写因子活性)を保持する。
【0061】
「逆位末端反復」または「ITR」は、相互に逆転した相補体である核酸配列である。一般に、AAVベクターにおいて、ITRは、カセット(例として、導入遺伝子、変異体rtTA、またはそれらの任意の組み合わせをコードする核酸を含む発現カセット)のいずれかの側において見出される。AAV ITRは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、およびそのAAVバリアントからのITRを包含する。
【0062】
用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド配列」、「核酸分子」、「核酸配列」、および「オリゴヌクレオチド」は、DNAおよびRNA中の一連のヌクレオチド塩基(「ヌクレオチド」とも呼ばれる)を指し、および2以上のヌクレオチドの任意の鎖を意味する。用語「核酸」または「核酸配列」、「核酸分子」、「核酸フラグメント」または「ポリヌクレオチド」は、「遺伝子」、「遺伝子によってコードされるmRNA」および「cDNA」と交換可能に使用され得る。
【0063】
核酸は、一本鎖または二本鎖の、キメラ混合物または誘導体またはその改変バージョンであり得る。オリゴヌクレオチドは、例えば、分子の安定性、そのハイブリダイゼーションパラメータ等々を改善するために、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格において改変されてもよい。ヌクレオチド配列は、典型的には、タンパク質および酵素を作製するために、細胞機構によって使用される情報を含む、遺伝子情報を保有する。これらの用語は、二本鎖または一本鎖ゲノムおよびcDNA、RNA、任意の合成および遺伝子的に操作されたポリヌクレオチド、およびセンスおよびアンチセンスの両方のポリヌクレオチドを包含する。これは、一本鎖および二本鎖分子、すなわち、DNA-DNA、DNA-RNAおよびRNA-RNAハイブリッド、ならびにアミノ酸主鎖への塩基の結合体化によって形成された「タンパク質核酸」(PNA)を包含する。これはまた、炭水化物または脂質を含有する核酸を包含する。例示のDNAは、一本鎖DNA(ssDNA)、二本鎖DNA(dsDNA)、プラスミドDNA(pDNA)、ゲノムDNA(gDNA)、相補的DNA(cDNA)、アンチセンスDNA、葉緑体DNA(ctDNAまたはcpDNA)、マイクロサテライトDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNAまたはmDNA)、キネトプラストDNA(kDNA)、プロウイルス、溶原菌、反復DNA、サテライトDNA、およびウイルスDNAを包含する。例示のRNAは、一本鎖RNA(ssRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、前駆体メッセンジャーRNA(pre-mRNA)、小さいヘアピンRNAまたは低分子ヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、ガイドRNA(gRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、アンチセンスRNA(asRNA)、ヘテロ核RNA(hnRNA)、コーディングRNA、ノンコーディングRNA(ncRNA)、長鎖ノンコーディングRNA(長鎖ncRNAまたはlncRNA)、サテライトRNA、ウイルスのサテライトRNA、シグナル認識粒子RNA、低分子量細胞質RNA、核内低分子RNA(snRNA)、リボソームRNA(rRNA)、Piwi結合RNA(piRNA)、ポリイノシン酸、リボザイム、フレキシザイム、核小体低分子RNA(snoRNA)、スプライスリーダーRNA、ウイルスRNA、およびウイルスのサテライトRNAを包含する。
【0064】
本明細書に記載の核酸は、当該技術分野において知られている標準的な方法、例として、自動DNAシンセサイザー(Biosearch, Applied Biosystemsから市販されているものなど)の使用によって、合成され得る。例として、ホスホロチオアートオリゴヌクレオチドは、Stein et al., Nucl. Acids Res., 16, 3209, (1988)の方法によって合成され得、メチルホスホナートオリゴヌクレオチドは、制御された細孔ガラス(controlled pore glass)ポリマー支持体の使用によって調製され得る(Sarin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85, 7448-7451,(1988))。アンチセンスDNAまたはRNAを細胞に送達するための、数多の方法が、開発されている(例として、アンチセンス分子は、組織部位に直接注射され得る、または、所望される細胞を標的にするように設計された、改変されたアンチセンス分子(標的細胞表面上に発現されるレセプターまたは抗原に特異的に結合するペプチドまたは抗原に連結されたアンチセンス)は、全身投与され得る)。代替的に、RNA分子は、アンチセンスRNA分子をコードするDNA配列のインビトロおよびインビボ転写によって産生され得る。かかるDNA配列は、T7またはSP6ポリメラーゼプロモーターなどの好適なRNAポリメラーゼプロモーターを組み込む多種多様のベクターに組み込まれ得る。代替的に、使用されるプロモーターに応じて、構成的にまたは誘導的にアンチセンスRNAを合成する、アンチセンスcDNA構築物は、細胞株に安定的に導入され得る。しかしながら、しばしば、内在性mRNAの翻訳を抑制するのに充分な細胞内濃度のアンチセンスを達成することは困難である。したがって、好ましいアプローチは、アンチセンスオリゴヌクレオチドが強力なプロモーターの制御下に配置される組換えDNA構築物を利用する。患者において標的細胞をトランスフェクトするためのかかる構築物の使用は、内在性標的遺伝子転写産物と相補的な塩基対を形成するであろう充分な量の一本鎖RNAの転写を結果として生じ、およびそれによって標的遺伝子mRNAの翻訳を阻害する。例えば、ベクターは、細胞によって取り込まれて、アンチセンスRNAの転写を指示するように、インビボで導入され得る。かかるベクターは、所望されるアンチセンスRNAを産生するように転写される限り、エピソームのままであってもよいし、染色体に組み込まれてもよい。かかるベクターは、当該技術分野で標準的な組換えDNA技術方法によって、構築され得る。ベクターは、哺乳動物細胞中の複製および発現のために使用される、プラスミド、ウイルス、または当該技術分野において知られている他のものであり得る。アンチセンスRNAをコードする配列の発現は、哺乳類の動物、好ましくはヒトの細胞中で作用するための、当該分野で公知の任意のプロモーターによって、なされ得る。かかるプロモーターは、誘導性または構成的であり得る。任意のタイプのプラスミド、コスミド、酵母人工染色体、またはウイルスベクターは、組織部位に直接導入することができる組換えDNA構築物を調製するために使用することができる。
【0065】
核酸は、天然の調節(発現制御)配列によって隣接されてもよいし、プロモーター、配列内リボソーム進入部位(IRES)および他のリボソーム結合部位配列、エンハンサー、応答要素、サプレッサー、シグナル配列、ポリアデニル化配列、イントロン、5’および3’非コード領域等を含む、異種配列と関連してもよい。核酸はまた、当該技術分野において知られている多くの手段によって改変されてもよい。かかる改変の非限定例は、メチル化、「キャップ」、1以上の天然に存在するヌクレオチドの類似体での置換、および例えば、帯電していない連結を用いるもの(例として、メチルホスホナート、ホスホトリエステル、ホスホロアミド酸、カルバマート等々)および帯電した連結を用いるもの(例として、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート等々)などの、ヌクレオチド間の改変を包含する。ポリヌクレオチドは、例えば、タンパク質(例として、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リシン等々)、干渉物質(例として、アクリジン、ソラレン等々)、キレーター(例として、金属、放射性金属、鉄、酸化的金属等々)、およびアルキル化剤などの、1以上の追加の共有結合された部分を含有し得る。ポリヌクレオチドは、メチルまたはエチルホスホトリエステルまたはアルキルホスホロアミダート連結の形成によって誘導体化され得る。さらにまた、本明細書に記載のポリヌクレオチドはまた、検出可能なシグナルを提供することができるラベルで、直接的にまたは間接的に、のいずれかで改変され得る。例示のラベルは、放射性同位体、蛍光分子、同位体(例として、放射性同位体)、ビオチン等を包含する。
【0066】
「組換え核酸分子」または「操作された核酸」は、分子的生物学的操作を経験した核酸分子、すなわち、非天然に存在する核酸分子または遺伝子学的に操作された核酸分子である。さらにまた、用語「組換えDNA分子」または「操作された核酸」は、天然に存在しないか、または、2つのその他別々の核酸配列のセグメントの人工的な組み合わせによって(すなわち、通常連続的ではないDNAの断片を一緒に連結することにより)作成され得る核酸配列を指す。「組換えで産生」は、化学合成手段のいずれかによって、または、核酸の単離されたセグメントの人工的な操作によって、例として、制限酵素、リガーゼ、および同様の組換え技術(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning, second edition, Cold Spring Harbor Laboratory, Plainview, N.Y.; (1989)、またはAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocols (1989)、およびDNA Cloning: A Practical Approach, Volumes I and II (ed. D. N. Glover) IREL Press, Oxford, (1985)に記載されるような;これらの各々は、参照により本明細書に援用される)を使用する遺伝子工学技法によって、しばしば達成される人工的な組み合わせを意味する。
【0067】
かかる操作は、あるコドンを、同じまたは保存的アミノ酸をコードする重複コドンと置き換えるために行われ得るが、典型的には、配列認識部位を導入または除去する。代替的に、自然界に見出されない所望される機能の組み合わせを含む、単一の遺伝子実体を作製するために、所望される機能の核酸セグメントを一緒に結合することが実施され得る。制限酵素認識部位は、しばしば、かかる人工操作の標的であるが、他の部位特異的標的(例として、プロモーター、DNA複製部位、調節配列、制御配列、オープンリーディングフレーム)、または他の有用な特色は、設計により組み込まれ得る。
【0068】
本明細書に使用されるとき、「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸置換が行われるタンパク質の相対的な電荷またはサイズ特徴を変更しないアミノ酸置換を指す。バリアントは、かかる方法を編集する文献(例としてMolecular Cloning: A Laboratory Mannual, J. Sambrook, et al., eds., Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989、またはCurrent Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubel, et al., eds., John Wiley & Sons, Inc., New York)において見出されるような、当業者に知られているポリペプチド配列を変更するための方法に従って、調製され得る。アミノ酸の保存的置換は、以下の群内のアミノ酸間で行われる置換を含む:(a)M、I、L、V;(b)F、Y、W;(c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N;および(g)E、D。
【0069】
「組換え細胞」または「操作された細胞」は、組換え核酸を含む細胞である。
【0070】
「配列Yにおける位置aに対応する配列Xにおける残基」は、当該技術分野において知られているアミノ酸配列アライメントツール(例えば、Clustal OmegaまたはBLAST(登録商標))を使用して配列XおよびYが整列されたときに、配列Xにおけるaの対応位置における残基を指す。
【0071】
用語「漏出性(leaky)」または「漏出(leakiness)」は、誘導性システム(例として、Tet-OnシステムまたはTet-Off)を参照して使用されるとき、遺伝子誘導の不在下での誘導性プロモーターからの導入遺伝子の発現を指す。例えば、Tet-Onシステムにおいて、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の不在下での導入遺伝子の発現は、「漏出性」システムと考えられる。別の例として、Tet-Offシステムにおいて、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の存在下での導入遺伝子の発現は、「漏出性」システムと考えられる。誘導性システムの「漏出」のレベルは、遺伝子誘導の不在下(例として、Tet-Onシステムにおけるテトラサイクリンの不在下、または、Tet-Offシステムにおけるテトラサイクリンの存在下)での遺伝子発現のレベルを測定することによって(例として、ウェスタンブロット、RNA分析またはELISAによって)決定され得る。
【0072】
用語「プロモーター」は、核酸配列の残りの転写の開始および速度が制御される核酸配列の制御領域を指す。プロモーターはまた、RNAポリメラーゼおよび他の転写因子などの、調節性タンパク質および分子が結合し得るサブ領域を含有し得る。プロモーターは、構成的、誘導性、活性化可能、抑制可能、組織特異的、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。プロモーターは、それが調節する核酸配列の発現または転写を駆動する。本明細書では、プロモーターは、それが核酸配列に関係して正確な機能的場所および配向で存在し、それが、配列の転写開始、配列の発現、またはその組み合わせを制御(「駆動」)するとき、「作動可能に連結」されたとみなされる。
【0073】
プロモーターは、ヒトを含む任意の種からの作動可能に連結された核酸配列の偏在的な発現または組織特異的発現を促進し得る。いくつかの態様において、プロモーターは、真核生物のプロモーターである。真核生物のプロモーターの非制限例は、当業者に公知であろう、TDH3、PGK1、PKC1、TDH2、PYK1、TPI1、AT1、CMV、EF1a、SV40、PGK1(ヒトまたはマウス)、Ubc、ヒトベータアクチン、CAG、TRE、UAS、Ac5、ポリヘドリン、CaMKIIa、GAL1、GAL10、TEF1、GDS、ADH1、CaMV35S、Ubi、H1、およびU6(例として、Addgene website: blog.addgene.org/plasmids-101-the-promoter-regionを参照)を包含する。
【0074】
偏在的なプロモーターの非制限例は、テトラサイクリン応答性プロモーター(関係のある条件下)、CMV、EF1アルファ、SV40プロモーター、PGK1、Ubc、CAG、ヒトベータアクチン遺伝子プロモーター、および上流活性化配列(UAS)を含むプロモーターを包含する。ある態様において、プロモーターは、哺乳類の動物のプロモーターである。組織特異的プロモーターの非制限例は、脳特異的、肝臓特異的、筋肉特異的、神経細胞特異的、肺特異的、心臓特異的、骨特異的、腸特異的、皮膚特異的プロモーター、脳特異的プロモーター、および目特異的プロモーターを包含する。例として、筋肉特異的プロモーターは、デスミンプロモーター(例として、配列番号29と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列)である。
【0075】
構成的プロモーターの非制限例は、CP1、CMV、EF1アルファ、SV40、PGK1、Ubc、ヒトベータアクチン、ベータチューブリン、CAG、Ac5、ポリヘドリン、TEF1、GDS、CaM3 5S、Ubi、H1、およびU6を包含する。Ubcプロモーターは、配列番号18と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含み得る。
【0076】
「誘導性プロモーター」は、誘導剤(inducing agent)の存在下、誘導剤によって影響される、または、誘導剤によって接触されるときに、転写活性を開始または増強することによって特徴づけられるプロモーターである。誘導剤は、誘導性プロモーターから転写活性を誘導する際に活性であるように操作された核酸と接触する、内在性または通常外来性の条件、化合物、物質、またはタンパク質であってもよい。ある態様において、誘導剤は、テトラサイクリン感受性のタンパク質(例として、rtTA)である。
【0077】
本開示に従う使用のための誘導性プロモーターは、本明細書に記載のまたは当業者に知られている任意の誘導性プロモーターを包含する。誘導性プロモーターの例は、限定せずに、アルコール調節性プロモーター、テトラサイクリン調節性プロモーター(例として、アンヒドロテトラサイクリン(aTc)応答性プロモーターおよび他のテトラサイクリン応答性プロモーターシステム、これらは、テトラサイクリンリプレッサータンパク質(tetRTetR、例として、配列番号26またはTetRKRAB、例として、配列番号27)、テトラサイクリンオペレーター配列(tetO)、およびテトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質(tTA)、およびテトラサイクリンオペレーター配列(tetO)およびリバーステトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質(rtTA)を含む)、ステロイド調節性プロモーター(例として、ラットグルココルチコイド受容体、ヒトエストロゲン受容体、ガ(moth)エクジソン受容体に基づくプロモーター、およびステロイド/レチノイド/甲状腺25受容体スーパーファミリーからのプロモーター)、金属調節性プロモーター(例として、酵母、マウスおよびヒトからのメタロチオネイン(金属イオンに結合および捕捉するタンパク質)遺伝子に由来するプロモーター)、病因調節性プロモーター(例として、サリチル酸、エチレンまたはベンゾチアジアゾール(BTH)によって誘導される)、温度/熱誘導性プロモーター(例として、熱ショックプロモーター)、および光調節性プロモーターなどの、化学的/生物化学的調節性および物理的調節性プロモーターを包含する。光調節性プロモーターを使用する誘導性システムの非制限例は、Wang et al., Nat. Methods. 2012 Feb 12;9(3):266-9に提供されている。
【0078】
本明細書に使用されるとき、「TREプロモーター」は、テトラサイクリン応答性要素(TRE)を含むプロモーターである。本明細書に使用されるとき、TREは、少なくとも1(例として、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)のTet-O配列を含む。Tet-O配列の非制限例は、配列番号19と、少なくとも70%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列である。いくつかの態様において、TREプロモーターはさらに、tet-O配列の下流に位置付けられる最小限のプロモーターを含む。最小限のプロモーターは、プロモーターの最小限の要素(例として、TATAボックスおよび転写開始部位)を含むプロモーターであるが、上流エンハンサー(例として、Tet-Oを含む配列)の不在下で不活性である。例として、最小限のプロモーターは、配列番号20と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含む、最小限のCMVプロモーターであり得る。例えば、TREプロモーターは、TRE3Gプロモーター(例として、配列番号7と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含むTRE3Gプロモーター)であり得る。いくつかの態様において、TREプロモーターは、配列番号23と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含むTRE2プロモーターである。いくつかの態様において、TREプロモーターは、配列番号24と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含むP tightプロモーターである。
【0079】
「リバーステトラサイクリントランスアクチベーター」(「rtTA」)は、本明細書に使用されるとき、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の存在下でTREプロモーター(例として、TRE3G、P tightまたはTRE2プロモーター)に結合し、および、TREプロモーターに作動可能に連結された導入遺伝子の発現を駆動することができる、誘導剤である。rtTAは、一般に、変異体テトラサイクリンリプレッサーDNA結合タンパク質(TetR)およびトランス活性化ドメインを含む(例として、Gossen et al., Science. 1995 Jun 23;268(5218):1766-9を参照のこと)。任意の好適なトランス活性化ドメインが使用され得る。非限定例は、VP64、P65、RTA、およびMPH MS2-P65-HSF1を包含する。いくつかの態様において、本開示のrtTAは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、または100のトランス活性化ドメインを含む。変異体TetRドメインは、テトラサイクリンに結合するとき、TREプロモーターに結合することができる。
【0080】
rtTAは、rtTA3、rtTA4、またはそれらのバリアントであり得る。本明細書に使用されるとき、rtTA3アミノ酸配列は、配列番号11における残基に対応する位置において以下のアミノ酸を含む:残基72におけるグリシン、残基12におけるグリシン、残基67におけるフェニルアラニン、および残基171におけるアルギニン。ある態様において、rtTA3をコードする核酸は、配列番号10と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%)同一である配列を含む、および/または、核酸配列は、配列番号11における残基に対応する位置において以下のアミノ酸を含むrtTA3タンパク質をコードする:残基72におけるグリシン、残基12におけるグリシン、残基67におけるフェニルアラニン、および残基171におけるアルギニン。rtTA3ヌクレオチド配列は、配列番号10からなり得る。ある態様において、rtTA3をコードするアミノ酸配列は、(配列番号11)と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%)同一である配列を含み、および、配列番号11における示された位置に対応する以下のアミノ酸を含む:残基72におけるグリシン、残基12におけるグリシン、残基67におけるフェニルアラニン、および残基171におけるアルギニン。rtTA3アミノ酸配列は、配列番号11からなり得る。
【0081】
本明細書に使用されるとき、rtTA4アミノ酸配列は、配列番号11における以下の残基に対応する位置において変異を含む:G72;G12;F67;およびR171。ある態様において、G72;G12;F67;およびR171は、任意の残基に変異してもよい。ある態様において、rtTA4をコードする核酸は、配列番号12に対して、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%)同一である配列を含み、および、rtTA3(配列番号11)における以下の位置に対応する以下の残基において変異を有するタンパク質をコードする:G72;G12;F67;およびR171。rtTA4核酸配列は、配列番号12からなり得る。
【0082】
ある態様において、rtTA4をコードするアミノ酸配列は、配列番号13と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%)同一である配列を含み、および/または、rtTA3(配列番号11)における以下の位置に対応する以下の残基において変異を有するタンパク質をコードする:G72;G12;F67;およびR171。ある態様において、rtTA4アミノ酸配列は、rtTA3と比べて、以下の変異を含む:配列番号11における位置G72に対応する残基においてバリン(V)またはプロリン(P)変異、配列番号11における位置G12に対応する残基においてセリン変異、配列番号11における位置F67に対応する残基においてセリン変異、および配列番号11における位置R171に対応する残基においてリシン(K)変異。rtTA4アミノ酸配列は、配列番号13からなり得る。
【0083】
「マルチシストロン性(multicistronic)ベクター」は、1より多いアミノ酸配列をコードするベクター(例として、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、50、60、70、80、90、または100タンパク質をコードするベクター)である。マルチシストロン性ベクターは、核酸配列からの複数のアミノ酸配列の発現を可能にする。各タンパク質をコードする核酸配列は、接続されてもよいし、それらが接続されていないタンパク質を産生するように、別々でもよい。例えば、配列内リボソーム進入部位(IRES)またはポリペプチド切断シグナルは、ベクター中に各転写因子をコードする核酸配列間に配置され得る。例示のポリペプチド切断シグナルは、2Aペプチド(例として、T2A、P2A、E2A、およびF2A)を包含する。2Aペプチドは、配列番号9と、少なくとも70%(例として、少なくとも少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含み得る。いくつかの態様において、本開示の核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)は、マルチシストロン性発現ベクターである。
【0084】
「タンパク質」、「ペプチド」または「ポリペプチド」は、ペプチド結合により一緒に連結されたアミノ酸残基のポリマーを含む。この用語は、任意のサイズ、構造、または機能の、タンパク質、ポリペプチド、およびペプチドを指す。典型的には、タンパク質は、少なくとも3アミノ酸長であろう。タンパク質は、個々のタンパク質またはタンパク質のコレクションを指し得る。本発明のタンパク質は、好ましくは、天然のアミノ酸のみを含有するが、当該技術分野において知られている、非天然アミノ酸(すなわち、天然に存在しないが、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る化合物)および/またはアミノ酸類似体は、代替的に使用され得る。また、タンパク質中の1以上のアミノ酸は、例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基、ホスファート基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、抱合または官能基化のためのリンカー、または他の修飾などの、化学的実体の添加によって、修飾され得る。タンパク質はまた、単一分子であってもよいし、複数分子の複合体であってもよい。タンパク質は、天然に存在するタンパク質のフラグメントまたはペプチドであり得る。タンパク質は、天然に存在する、組換え、合成、またはこれらのいずれかの組み合わせであり得る。
【0085】
「原核細胞」は、膜結合オルガネラを欠く細胞である。原核細胞の非限定例は、古細菌および細菌を包含する。
【0086】
「老化を逆転させる(こと)」は、本明細書に使用されるとき、老化に関連する身体的特徴を改変することを指す。すべての動物は、典型的には、成長および成熟の期間、これに続き、死で終える進行性および不可逆の生理学的減退の期間を経験する。誕生から死までの期間は、生物の寿命として知られており、および、各生物は、特徴的な平均寿命を有する。老化は、平均寿命のパーセントによって測定される、時間経過を基礎とする身体的な徴候の変化である。
【0087】
投与が企図される「対象」は、これに限定されないが、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例として、小児対象(例として、未成年者、子ども、青年)または成人対象(例として、若年成人、中年の成人、または年長の成人))および/または他の非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例として、霊長目の動物(例として、カニクイザル、赤毛猿);畜牛、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/またはイヌなどの、商業的に関係のある哺乳動物、および鳥類(例として、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、および/またはシチメンチョウなどの、商業的に関係のある鳥類)を包含する。ある態様において、動物は、哺乳動物である。動物は、任意の発育段階のオスまたはメスであり得る。非ヒト動物は、トランスジェニック動物であり得る。
【0088】
「ターミネーター」または「ターミネーター配列」は、本明細書に使用されるとき、転写が停止することを引き起こす核酸配列である。ターミネーターは、一方向性または二方向性であり得る。それは、RNAポリメラーゼによるRNA転写の特定の終止に関与するDNA配列から構成される。ターミネーター配列は、上流のプロモーターによる、下流の核酸配列の転写活性化を妨げる。よって、ある態様において、RNA転写産物の産生を停止させるターミネーターが企図される。
【0089】
最も一般的に使用されるタイプのターミネーターは、フォワードターミネーターである。大抵転写される核酸配列の下流に配置されると、フォワードターミネーターは、転写の中止を引き起こす。いくつかの態様において、二方向性転写ターミネーターが使用され得、これは、通常、フォワード鎖およびリバース鎖の両方で転写の終止を引き起こす。いくつかの態様において、逆転写ターミネーターが使用され得、これは、リバース鎖のみで、大抵転写を終結させる。
【0090】
哺乳類の動物のターミネーター配列の非制限例は、ウシ成長ホルモンターミネーター、および例えば、SV40ターミネーター、spy、yejM、secG-leuU、thrLABC、rrnB T1、hisLGDCBHAFI、metZWV、rrnC、xapR、aspA、およびarcAターミネーターなどのウイルスの終止配列を包含する。ある態様において、ターミネーター配列は、SV40であり、および、配列番号8と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。
【0091】
「Tet-Off」システムは、本明細書に使用されるとき、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン(DOX))の存在下で、具体的な導入遺伝子の発現を抑制することができるタイプの誘導性システムである。逆に言うと、Tet-Offシステムは、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン、DOX)の不在下で、具体的な導入遺伝子の発現を誘導することができる。ある態様において、Tet-Offシステムは、導入遺伝子(例として、タンパク質、遺伝子標的化核酸および/または治療的遺伝子をコードする)に作動可能に連結されたテトラサイクリン応答性プロモーターおよびテトラサイクリン制御性トランスアクチベーター(tTA)を含む。テトラサイクリン応答性プロモーター(例として、TRE3G、TRE2、またはP tightプロモーター)およびテトラサイクリン制御性トランスアクチベーターを有する導入遺伝子は、同じベクター上にコードされてもよいし、別々のベクター上にコードされてもよい。
【0092】
「Tet-On」システムは、本明細書に使用されるとき、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン(DOX))の存在下で、具体的な導入遺伝子の発現を誘導することができるタイプの誘導性システムである。ある態様において、Tet-Onシステムは、導入遺伝子(例として、治療的配列、遺伝子標的化核酸、および/または、タンパク質をコードする核酸)に作動可能に連結されたテトラサイクリン応答性プロモーターおよびリバーステトラサイクリン制御性トランスアクチベーター(rtTA)を含む。
【0093】
テトラサイクリン応答性プロモーター(例として、TRE3G、P tightおよびTRE2を含むTREを含むプロモーター)およびリバーステトラサイクリン制御性トランスアクチベーターをコードする発現カセットは、同じベクター上、または、別々のベクター上にコードされ得る。
【0094】
用語「テトラサイクリンリプレッサー」または「TetR」は、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の不在下で、Tet-O配列(例として、TRE中のTet-O配列)に結合することができ、および、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の不在下で、rtTA(例として、rtTA3、rtTA4、またはそれらのバリアント)の結合を妨げる、タンパク質を指す。TetRは、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の不在下で、TREを含むプロモーターからの遺伝子発現を妨げる。テトラサイクリンの存在下で、TetRは、TREを含むプロモーターに結合することはできず、および、TetRは転写を防止することはできない。TetRの非制限例は、tetR(例として、配列番号26)、およびtetRKRAB (例として、配列番号28)を包含する。いくつかの態様において、TetRは、TetR融合物である(例として、TRSID、これは、Mad1のmSIN30相互作用ドメイン(SID)にTetRを融合することによって創出され得る)。例として、Zhang et al., J Biol Chem. 2001 Nov 30;276(48):45168-74を参照のこと。
【0095】
用語「治療的配列」は、本明細書に使用されるとき、治療的核酸および/またはタンパク質(予防的核酸および/またはタンパク質および診断的核酸および/またはタンパク質を含む)をコードする任意の導入遺伝子である。例えば、治療的配列である導入遺伝子配列の非制限リストは、O’Connor et al., Nat Rev Genet. 2006 Apr;7(4):261-76に記載されている。治療的タンパク質の非限定例は、抗体、酵素、キナーゼ、ホルモン、成長因子、サイトカイン、血漿タンパク質、融合タンパク質、膜透過性タンパク質および凝固因子を包含する。いくつかの態様において、治療用タンパク質は、炎症性剤である。いくつかの態様において、治療用タンパク質は、抗炎症剤である。いくつかの態様において、治療用タンパク質は、免疫調節剤である。いくつかの態様において、治療用タンパク質は、抗がん剤である。いくつかの態様において、治療用タンパク質は、代謝剤である。いくつかの態様において、治療用タンパク質は、抗ウイルス/殺ウイルス剤である。いくつかの態様において、治療用タンパク質は、抗細菌/殺菌剤である。
【0096】
用語「組織」は、血管および/またはリンパ管を含む、対象の任意の生物組織(一群の細胞、身体部分、または臓器を含む)またはその一部を指し、これは、本発明の化合物、粒子、および/または組成物が送達される対象である。組織は、正常でないまたは不健康な組織であり、これは、処置する必要があり得る。組織はまた、正常でないかまたは不健康となるリスクが通常よりも高い(これは防止する必要があり得る)、正常なまたは健康な組織であり得る。ある態様において、組織は、現在または今後の状態において性能または生存のために準最適であるが、健康的とみなされる。例えば、農業的実践において、天気および生育条件を含む環境条件(例として、栄養)は、本明細書に記載の方法のいずれかから利益を受け得る。ある態様において、組織は、中枢神経系である。ある態様において、組織は、からの組織を指す。ある態様において、細胞または組織は、目、耳、鼻、歯茎および歯根を含む口、骨、肺、乳房、乳房(udder)、膵臓、胃、食道、心筋を含む筋肉、肝臓、血管、毛を含む皮膚、心臓、脳、神経組織、腎臓、精巣、前立腺、陰茎、排泄腔、ひれ(fin)、卵巣、または腸からのものである。ある態様において、組織は、損傷(例として、先天性欠陥、傷害、事故、または医原性傷害に起因する)および/または加齢組織である。ある態様において、組織は、光ファイバープローブで到達可能な深部組織である。
【0097】
用語「組織修復」は、損傷組織の文脈において、組織構造、組織損傷後の機能、またはそれらの組み合わせの回復を指す。組織修復は、組織再生、細胞成長、組織置き換え、および/または存在する組織の配線し直し(rewiring)(再プログラミング)を包含する。
【0098】
用語「組織再生」は、目的の組織と同じタイプ(例として、損傷した組織または細胞と同じタイプ)の組織内の新たな組織または細胞の産生を指す。いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、臓器再生を促進する。
【0099】
用語「組織置き換え」は、目的の組織とは異なるタイプの組織(例として、損傷組織を置き換えるための結合組織)の産生を指す。
【0100】
本明細書に使用されるとき、用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本明細書に記載のとおりの、疾患または障害あるいはその1以上の兆候の進行を、逆転させること、軽減すること、その発症を遅延させること、または、阻害することを指す。ある態様において、処置は、1以上の兆候が発生した後に施され得る。他の態様において、処置は、兆候の不在下で施され得る。例えば、処置は、兆候の発生前に感受性個体に施され得るか、または、別の障害物質(damaging agent)と共に処置され得る(例として、症状の履歴を考慮して、遺伝的または他の感受性因子、疾患療法またはそれらの任意の組み合わせを苦慮して)。処置はまた、兆候が回復した後に、例えば、それらの再発を防止するために、継続され得る。
【0101】
用語「バリアント」または「変異体」は、野生型配列(例として、rtTA3配列)と比べて改変を含む配列を指す。アミノ酸配列中の非限定的な改変は、挿入、欠失、トランケーション変異および点変異を包含する。核酸配列に対する非限定的な改変は、フレームシフト変異、ヌクレオチド挿入、およびヌクレオチド欠失を包含する。
【0102】
用語「WPRE」は、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHP)転写後調節要素(WPRE)を指す。WPREは、核酸(例として、発現ベクター)において3次構造を創出し、および、導入遺伝子発現(例として、ウイルスベクターからの)を強化することができる。ある態様において、WPRE配列は、配列番号21と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%)同一である。
【0103】
これらおよび他の例示の置換物は、詳細な記載、実施例、および請求項において、より詳細に記載されている。本発明は、上記の例示的な置換物のリストによって、形はどうあれ、限定されることは意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0104】
図1図1は、リバーステトラサイクリントランスアクチベーター4(rtTA4)をコードするアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター中の特徴を示すベクターマップである。Ubcは、rtTA4をコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターである。SV40pAは、SV40由来のターミネーター配列である。このベクターの配列は、配列番号17で提供される。
【0105】
図2A図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2B図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2C図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2D図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2E図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2F図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2G図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2H図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2I図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2J図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2K図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2L図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
図2M図2A~2Mは、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上の、図1に示された特徴の一連の概略マッピングを包含する。
【0106】
図3図3は、図2A~2Mで描写される各特徴の位置およびサイズを示す。
【0107】
図4A図4A~4Bは、誘導剤としてrtTA3(配列番号11)を用いるテトラサイクリンオン(Tet-On)システムが、インビボで漏出性であることを示すデータを包含する。図4Aは、2つの核酸を含むTet-Onシステムの非限定例である。第1の核酸は、rtTA3をコードする配列に作動可能に連結されたUBCプロモーター、自己切断ペプチド(2Aペプチド)、およびmKate(近赤外の蛍光タンパク質)(図4A、上図)を含む。第2の核酸は、GFPに作動可能に連結されたテトラサイクリン応答性要素(TRE)(TRE3Gプロモーター、配列番号7)を有する誘導性プロモーターをコードする(図4A、下図)。DOXは、ドキシサイクリンを指し示す。
図4B図4Bは、(1)AAVなし、(2)図4Aにおける第1の核酸を含むAAVベクターを内包するAAV、および、ドキシサイクリン(DOX)の不在下で、図4Aにおける第2の核酸を包含するAAVベクターを内包するAAV、または、または(3)ドキシサイクリン(DOX)の存在下での(2)のAAVで処置されたマウスからの肝臓試料のウェスタンブロットを示す。mKate、GFP、およびアクチン発現を示す。
【0108】
図5A図5A~5Bは、rtTA4(配列番号13)を用いるテトラサイクリンオン(Tet-On)システムは、rtTA3を用いる同じシステムよりも漏出性ではない、ことを示す。図5Aは、rtTA4を用いるTet-Onシステムレポーターシステムを描写する概略図である。概略図の上の部分は、プロモーター配列が、rtTA4をコードする配列に作動可能に連結されている核酸を示す。概略図の下の部分は、TRE3Gプロモーターが、ルシフェラーゼをコードする配列に作動可能に連結されている第2の核酸を示す。
図5B図5Bは、rtTA4を使用するTet-Onレポーターシステムと比較した、rtTA3を使用するTet-Onレポーターシステムにおける、ルシフェラーゼの産生に対するドキシサイクリン(DOX、ng/ml)の効果を示す。ルシフェラーゼ産生は、ルミネセンス/タンパク質で測定される。任意のrtTAの不在下でのルミネセンス/タンパク質のベースラインレベルが示される。
【0109】
図6A図6A~6Cは、rtTA4を有するTet-Onシステムが、rtTA3を有するTet-Onシステムと比較して、ドキシサイクリン離脱に応えて、早く遮断することを示す一連のグラフを包含する。DOX誘導性ルシフェラーゼレポーターシステムが使用され、およびルシフェラーゼ産生は、ルミネセンス/タンパク質で測定された。+DOXは、ドキシサイクリン処置を指し示し、-DOXは、ドキシサイクリン処置の不在を指し示し、+-DOXは、ドキシサイクリン処置、これに続く、ドキシサイクリン離脱を指し示す。図6Aは、Tet-Onレポーターシステムにおける発現に対するドキシサイクリンの効果を示し、ここで、rtTA3発現は、デスミンプロモーターによって駆動され、および、ルシフェラーゼ発現は、TRE3Gプロモーターによって制御される。
図6B図6Bは、Tet-Onレポーターシステムにおける発現に対するドキシサイクリンの効果を示すグラフであり、ここで、rtTA4発現は、デスミンプロモーターによって駆動され、および、ルシフェラーゼ発現は、TRE3Gプロモーターによって制御される。
図6C図6Cは、rtTA4を用いるTet-Onレポーターシステムにおける発現と比較して、rtTA3を用いるTet-Onレポーターシステムにおいて、ルシフェラーゼ発現を低減するのに必要な、ドキシサイクリン離脱の長さを示すグラフである。両方のレポーターシステムにおいて、rtTAの発現は、UBCプロモーターによって駆動され、およびルシフェラーゼの発現は、TRE3Gプロモーターによって制御される。
【0110】
図7図7は、293T細胞において、rtTA3(配列番号11)およびrtTA4(配列番号13)によって誘導される導入遺伝子発現に対する、ドキシサイクリン処置および離脱の効果を比較するウェスタンブロットである。rtTA3をコードする核酸配列(配列番号10)は、UBCプロモーター(配列番号18)に作動可能に連結されていたが、rtTA4は、UBCプロモーター(配列番号18)またはデスミンプロモーター(配列番号29)に作動可能に連結されていた。
【0111】
図8A図8A~8Cは、rtTA4(配列番号13)を含むTet-Onシステムは、マウスの肝臓において低い漏出を有することを示すデータを含む。図8Aは、ドキシサイクリンの不在下(DOXなし)およびドキシサイクリンの存在下(DOXあり)での、図8Bに示される核酸を内包するAAVを投与されたマウスの肝臓におけるKLF4の発現を示す、一連の免疫蛍光画像である。DAPIは、細胞を可視化するために使用された核染色である。
図8B図8Bは、AAV9ウイルスにおける、マウスに投与された2つの核酸を描写する概略図である。
図8C図8Cは、図8Bにおいて描写された構築物を受容し、および、ドキシサイクリンなしで処置されたかまたはこれで処置された、マウスからの肝臓試料のウェスタンブロットである。OCT4、KLF4、およびSOX2レベルは、抗体を使用して指し示されるとおりに検出された。アクチンは、ローディング対照として示される。
【0112】
図9図9は、Oct4、SOX2、およびKLF4をコードする誘導性AAVベクター(TRE3G-OSK-SV40pA、配列番号16)の非限定例を描写するベクターマップであり、これは、本明細書に記載のrtTA4ベクターのいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0113】
図10図10は、rtTA(例として、rtTA4)およびテトラサイクリンリプレッサー(tetR、例として、tetRKRAB)を併用する誘導性発現システムの非限定例を示す概略図である。三角形は、tetR(例として、tetRKRAB)タンパク質を表し、および円は、rtTA4タンパク質を表す。
【0114】
図11図11は、pAAV2_CMV_rtTA(VP16)(配列番号31)のベクターマップである。このベクターは、rtTAをコードするベクターの非限定例である。
【0115】
図12図12は、pAAV-MCS-tTA2(またはCAG-tTA)(配列番号32)のベクターマップである。このベクターは、CAGプロモーター下で、tTAをコードするベクターの非限定例である。
【0116】
図13図13は、p-AAV-TetO-OSK-WPRE3-SV50LpA(TRE2-OSK、pAAV-TRE2-OSK-SV40LpA、またはTRE2-OSK)(配列番号33)のベクターマップである。このベクターは、ベクター中の2つのITR間に、4.7kbよりも長い、核酸(例として、操作された核酸)配列を含むAAVベクターの非限定例である。
【0117】
図14図14は、rtTA4の制御下の、AAV送達ポリシストロニックOSKを用いる部分的再プログラミングが非毒性であることを示す。図14は、最初の4週における、ドキシサイクリン誘導を用いるかまたは用いない、WTマウス、OSKトランスジェニックマウス、およびAAV媒介性OSK発現マウス(1.0x1012遺伝子コピー)の体重を示す(夫々、n=5、3、6、4、6、3)。
【0118】
図15A図15A~15Eは、rtTA4が、OSK発現を制御するためにインビボで使用され得ることを示す。図15Aは、トランスジェニックマウスと比較した、肝臓におけるAAV9発現を示す。
図15B図15Bは、最初の4週後に続く9月における、ドキシサイクリンを用いるかまたは用いない、WTマウスおよびAAV媒介性OSK発現マウス(全1.0x10^12遺伝子コピー)の体重を示す(夫々、n=5、3、6、4)。
図15C図15Cは、組織分布を測定するために使用された、AAV-UBC-rtTAおよびAAV-TRE-Lucベクターを示す。
図15D図15Dは、AAV9-UBC-rtTAおよびAAV9-TRE-Luc(全1.0x10^12遺伝子コピー)の後眼窩投与の2月後の、WTマウスのルシフェラーゼイメージングを示す。ドキシサイクリンは、右側に示されるマウスに7日間、飲用水中(1mg/mL)で送達された。
図15E図15Eは、AAV9-UBC-rtTAおよびAAV9-TRE-Lucの後眼窩注射、これに続き、7日間のドキシサイクリンでの処置の2月後の、目(Ey)、脳(Br)、脳下垂体(Pi)、心臓(He)、胸腺(Th)、肺(Lu)、肝臓(Li)、腎臓(Ki)、脾臓(Sp)、膵臓(Pa)、精巣(Te)、脂肪(Ad)、筋肉(Mu)、脊髄(SC)、胃(St)、小腸(In)、および盲腸(Ce)のルシフェラーゼイメージングを示す。ルシフェラーゼシグナルは、主に肝臓に存在する。より長い暴露時間で同じ組織を画像化することにより(図15E、下のパネル)、膵臓における(肝臓は除去された)、より低いレベルのルシフェラーゼシグナルが明らかとなった。
【発明を実施するための形態】
【0119】
本発明のある態様の詳細な記載
本開示は、rtTA3(配列番号11)における残基G72、G12、F67、およびR171に対応する4つの変異が、rtTA3と比較して低い漏出を有し、および、テトラサイクリン離脱に対する感受性が改善した、変異体rtTA(本明細書でrtTA4と称する)を産生したことを実証する予想外の結果に少なくとも一部基づいている。現行のrtTA3 Tet-Onシステムは、インビボで(例として、マウスの肝臓において)漏出性であるが(図4B)、本明細書に記載のrtTA4システムは、検出可能な導入遺伝子発現を誘導しなかった(例として、マウスの肝臓において)。
【0120】
本明細書に示されるように、rtTA4配列(例として、配列番号13)は、rtTA3(配列番号11)よりも漏出性が低く、およびテトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の不在下で、rtTA4は、肝臓において検出可能な導入遺伝子発現を誘導しなかったが、rtTA3は、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の不在下でさえ、導入遺伝子発現を誘導した。さらにまた、rtTA4を用いるTet-Onシステムは、rtTA3よりも、4~12倍速く、遮断した。ある態様において、本明細書に記載のrtTA4 Tet-Onシステムは、さらにtetR(tetRKRAB)によって調節され、これは、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の不在下で、TREプロモーターに結合することができ、rtTAの結合を妨げ、それによって、遺伝子発現をさらに抑制する。
【0121】
結果的に、本明細書に提供されるのは、いくつかの態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)、操作された核酸(例として、発現ベクター)、組換えウイルス、システム、キット、およびこれを含む組成物、および、これを使用する遺伝子発現を調節する方法である。変異体rtTA、変異体rtTAを含む核酸(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)、組換えウイルス、システム、キット、およびこれを含む組成物は、遺伝子発現を調節すること、細胞の再プログラミングを誘導すること、組織修復、組織再生、臓器再生、老化逆転させること、疾患(例として、急性傷害、神経変性疾患、慢性疾患、増殖性疾患、心血管疾患、遺伝的疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患、血液病、疼痛状態、精神障害、代謝障害、がん、老化、加齢性疾患、および対象における任意の組織に影響を与える疾患)を処置すること、またはそれらの任意の組み合わせにおいて有用であり得る。
【0122】
変異体リバーステトラサイクリントランスアクチベーター(rtTA)
本開示の側面は、テトラサイクリン(例として、ドキシサイクリン)の存在下、作動可能に連結されたテトラサイクリン応答性要素(TRE)(例として、TRE3G、TRE2、またはP tightプロモーター)からの遺伝子の発現を活性化することができる、変異体リバーステトラサイクリントランスアクチベーター(rtTA)を提供する。
【0123】
本開示の変異体rtTAは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、または100のトランス活性化ドメインを含む。トランス活性化ドメインの非制限例は、VP64、P65、RTAおよびMPH MS2-P65-HSF1を包含する。いくつかの態様において、VP64をコードするヌクレオチド配列は、配列番号34と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。いくつかの態様において、VP64をコードするアミノ酸配列は、配列番号34によってコードされるアミノ酸配列と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。いくつかの態様において、P65をコードするヌクレオチド配列は、配列番号35と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含む。いくつかの態様において、P65をコードするアミノ酸配列は、配列番号35によってコードされるアミノ酸配列と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。いくつかの態様において、RTAをコードするヌクレオチド配列は、配列番号36と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。いくつかの態様において、RTAをコードするアミノ酸配列は、配列番号36によってコードされるアミノ酸配列と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。いくつかの態様において、MPH MS2-P65-HSF1をコードするヌクレオチド配列は、配列番号37と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含む。いくつかの態様において、MPH MS2-P65-HSF1をコードするアミノ酸配列は、配列番号37によってコードされるアミノ酸配列と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一である配列を含む。
【0124】
本開示の変異体rtTA(例として、rtTA4)は、配列番号11の以下の残基に対応する位置において変異を含む:G72;G12;F67;およびR171。配列番号11は、rtTA3配列の非限定例である。変異の非限定例は、点変異、トランケーション変異、欠失または挿入を包含する。
【0125】
配列番号11の残基G12に対応する位置における非限定的な変異は、アラニン(A)、アルギニン(R)、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リシン(K)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、セリン(S)、トレオニン(T)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびバリン(V)を包含する。
【0126】
配列番号11における残基G72に対応する位置における非限定的な変異は、アラニン(A)、アルギニン(R)、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リシン(K)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、セリン(S)、トレオニン(T)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびバリン(V)を包含する。
【0127】
配列番号11における残基F67に対応する位置における非限定的な変異は、アラニン(A)、アルギニン(R)、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リシン(K)、メチオニン(M)、プロリン(P)、セリン(S)、トレオニン(T)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびバリン(V)を包含する。
【0128】
配列番号11における残基F67に対応する位置における非限定的な変異は、アラニン(A)、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リシン(K)、メチオニン(M)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、セリン(S)、トレオニン(T)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびバリン(V)を包含する。
【0129】
配列番号11におけるF67に対応する位置における非限定的な変異は、アラニン(A)、アルギニン(R)、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リシン(K)、メチオニン(M)、プロリン(P)、セリン(S)、トレオニン(T)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびバリン(V)を包含する。
【0130】
G72;G12;F67;および/またはR171における変異は、帯電した側鎖(例として、アルギニン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン酸、またはグルタミン(glumatic)酸)を有するアミノ酸への変異であり得る。アミノ酸は、負に帯電した側鎖(例として、アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含み得る。アミノ酸は、正に帯電した側鎖(アルギニン、ヒスチジンまたはリシン)を含み得る。
【0131】
G72;G12;F67;および/またはR171における変異は、極性の帯電していない側鎖を含むアミノ酸(例として、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン)または疎水性の側鎖を含むアミノ酸(例として、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファン)への変異であり得る。
【0132】
G72;G12;F67;および/またはR171における変異は、芳香環を含むアミノ酸(例として、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファン)への変異であり得る。
【0133】
ある態様において、rtTA4をコードする核酸は、配列番号12と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%)同一である配列を含み、および/または、rtTA3(配列番号11)における以下の位置に対応する以下の残基において変異を有するタンパク質をコードする:G72;G12;F67;およびR171。rtTA4核酸配列は、配列番号12からなり得る。
【0134】
ある態様において、rtTA4をコードするアミノ酸配列は、配列番号13と、少なくとも70%(例として、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%)同一である配列を含み、および/または、rtTA3(配列番号11)における以下の位置に対応する以下の残基における変異を有するタンパク質をコードする:G72;G12;F67;およびR171。
【0135】
ある態様において、変異体rtTAは、配列番号11の残基G72;G12;F67;およびR171に対応する変異に加えて、rtTA3(配列番号11)に対応する位置における少なくとも別の変異を含む。ある態様において、変異体rtTAは、配列番号11の残基G72、G12、F67およびR171ではない位置に対応する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、または240の追加の変異を含む。
【0136】
任意のrtTA(例として、rtTA3またはM2-rtTA)が、変異されるべき参照配列として使用され得ることが理解されるべきである。例えば、本開示の変異体rtTAは、配列番号11の残基G72;G12;F67;およびR171に対応する変異を含み得るが、その他に、M2-rtTAに存在するアミノ酸配列を含み得る。ある態様において、配列番号11の残基G72;G12;F67;およびR171に対応する変異に加えて、本開示のrtTAは、配列番号11の残基G72、G12、F67およびR171ではない位置に対応する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、または240の追加の変異を含み得る。
【0137】
ある態様において、rtTA4アミノ酸配列は、rtTA3と比べて、以下の変異を含む:配列番号11の位置G72に対応する残基におけるバリン(V)またはプロリン(P)変異、配列番号11の位置G12に対応する残基におけるセリン(S)変異、配列番号11の位置F67に対応する残基におけるセリン(S)変異、および配列番号11の位置R171に対応する残基におけるリシン(K)変異。rtTA4アミノ酸配列は、配列番号13からなり得る。
【0138】
任意の好適な配列アライメントアルゴリズムを使用して、rtTA3における対応する残基位置を同定するために、目的の2つの配列(本開示のrtTA4を、配列番号11として示されるrtTA3と)を整列させることができる。非限定例として、配列番号13(rtTA4のアミノ酸配列)は、Clustal Omega (例として、Larkin et al., Bioinformatics. 2007 Nov 1;23(21):2947-8を参照)を使用して、配列番号11(rtTA3のアミノ酸配列)に対して整列し得る。以下の例示のアライメントにおいて、配列番号11の位置12(グリシン)は、配列番号13のセリンに変異され、配列番号11の位置72(グリシン)は、配列番号13のバリンに変異され、配列番号11の位置67(フェニルアラニン)は、配列番号13のセリンに変異され、配列番号11の位置171(アルギニン)は、配列番号13のリシンに変異された。
【化1-1】
【化1-2】
【0139】
本開示は、rtTA3(配列番号11)の以下の位置に対応する以下の残基における変異を含むrtTA4バリアントを包含することが理解されるべきである:G72;G12;F67;およびR171。かかるrtTA4バリアントは、配列番号13と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、しかしながら、100%未満同一である配列を含み得る。
【0140】
用語「配列同一性」は、当該技術分野において知られているとおり、配列比較(アライメント)によって決定されるような、2つのポリペプチドまたは2つのポリヌクレオチドの配列間の関係性を指す。いくつかの態様において、配列同一性は、変異体rtTA(例として、rtTA4)配列の全長にわたって決定される。いくつかの態様において、配列同一性は、変異体rtTA(例として、rtTA4)のある領域(例として、10、20、30、40、50、等々の一続きのアミノ酸またはヌクレオチド、アミノ酸またはヌクレオチド)にわたり決定される。
【0141】
同一性はまた、2以上の残基のストリング(例として、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基)間の一致の数によって決定した、2つの配列間の配列関連性の程度を指す。同一性は、具体的な数学モデルまたはコンピュータプログラム(例として、「アルゴリズム」)によって取り扱われるギャップアライメント(もしあれば)を有する2以上の配列のうち小さいものの間での同一の一致のパーセントを測定する。
【0142】
関連するポリペプチドまたは核酸配列の同一性は、当業者に知られている方法のいずれかによって容易に計算され得る。2つの配列(例として、核酸またはアミノ酸配列)の「パーセント同一性」は、例えば、Karlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-77, 1993において改変される、Karlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-68, 1990のアルゴリズムを使用して、決定され得る。かかるアルゴリズムは、Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-10, 1990のNBLAST(登録商標)およびXBLAST(登録商標)プログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。BLAST(登録商標)タンパク質検索は、本発明のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るために、例えば、XBLASTプログラム、score=50、wordlength=3を用いて実施され得る。2つの配列間にギャップが存在するとき、例えば、Altschul et al., Nucleic Acids Res. 25(17):3389-3402, 1997に記載されるように、Gapped BLAST(登録商標)を利用することができる。BLAST(登録商標)およびGapped BLAST(登録商標)プログラムを利用するとき、夫々のプログラムのデフォルトパラメータ(例として、XBLAST(登録商標)およびNBLAST(登録商標))を使用することができ、または、パラメータは、当業者に理解されるであろうとおりに、適切に調整され得る。
【0143】
使用され得る別の局部のアライメント技法は、例えば、Smith-Watermanアルゴリズム(Smith, T.F. & Waterman, M.S. (1981) "Identificaiton of common molecular subsequences", J. Mol. Biol. 147:195-197)に基づいている。使用される一般的なグローバルアライメント技法は、例えば、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman, S.B. & Wunsch, C.D. (1970) "A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequences of two proteins." J. Mol. Biol. 48:443-453)であり、これは、動的なプログラミングに基づいている。
【0144】
より近年、Needlemen-Wunschアルゴリズムを含む他の最適なグローバルアライメント方法よりも速く、核酸およびアミノ酸配列のグローバルアライメントを意図的に生成する、Fast Optimal Global Sequence Alignment Algorithm (FOGSAA)が、開発された。いくつかの態様において、2つのポリペプチドの同一性は、2つのアミノ酸配列を整列し、同一のアミノ酸の数を計算し、および、アミノ酸配列のうちの1つの長さによって除算することによって、決定される。いくつかの態様において、2つの核酸の同一性は、2つのヌクレオチド配列を整列すること、および、同一のヌクレオチドの数を計算すること、および、核酸のうちの1つの長さによって除算することによって決定される。
【0145】
複数の配列アライメントについて、Clustal Omega(Sievers et al., Mol Syst Biol. 2011 Oct 11;7:539)を含むコンピュータプログラムが使用され得る。
【0146】
いくつかの態様において、変異体rtTA(例として、rtTA4)をコードするタンパク質は、タンパク質形質導入ドメインに融合されている。具体的な理論に束縛されることなく、タンパク質形質導入ドメインは、細胞膜を横切って、カーゴ(例として、タンパク質、核酸、ナノ粒子、ウイルスの粒子等々)の送達を容易にする。タンパク質形質導入ドメインは、カチオン性ペプチド、疎水性ペプチド、および/または細胞特異的ペプチドを包含する。例として、Zhou et al., Cell Stem Cell. 2009 May 8;4(5):381-4; Zahid et al., Curr Gene Ther. 2012 Oct;12(5):374-80を参照のこと。
【0147】
いくつかの態様において、タンパク質は、送達のためにナノ粒子で製剤化される。いくつかの態様において、キトサンポリマーナノ粒子は、変異体rtTA(例として、rtTA4)タンパク質を充填されている。例として、Tammam et al., Oncotarget. 2016 Jun 21;7(25):37728-37739を参照のこと。
【0148】
変異体rtTAをコードする核酸(例として、操作された核酸)
本明細書に記載の組換えrtTA(例として、rtTA4)をコードする核酸配列のいずれかは、発現ベクターにクローニングされ得る。本開示の核酸(例として、操作された核酸)は、ウイルスまたは非ウイルスベクター上に存在し得る。好適な非ウイルスベクターは、これらに限定されないが、プラスミドDNAまたはRNA(例として、mRNA)を包含する。いくつかの態様において、プラスミドDNAは、ナノ粒子に組み込まれてもよいし、および/または、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)に融合されてもよい。上記を参照のこと。
【0149】
非限定例として、本開示の操作された核酸(例として、発現ベクター)(例として、本開示のmRNAを含むRNA、またはDNA(例として、プラスミドDNA)は、送達のためにナノ粒子で製剤化され得る。例として、Dong et al., Nano Lett. 2016 Feb 10;16(2):842-8を参照のこと。いくつかの態様において、ナノ粒子は、アセチル化ガラクトースを含む。例として、Lozano-Torres et al., J Am Chem Soc. 2017 Jul 5;139(26):8808-8811を参照のこと。いくつかの態様において、操作された核酸(例として、発現ベクター)(例として、mRNAを含むRNA、またはDNA)は、細胞中に電気穿孔されるか、または、トランスフェクトされる。ある態様において、操作された核酸は、裸の核酸(例として、裸のDNAまたは裸のRNA)として送達される。
【0150】
ウイルスベクターの非限定例は、レンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、およびAAVベクターを包含する。当該技術分野において知られている方法を使用する組換えrtTAのいずれか。発現のための必要な要素を含有する発現ベクターは、市販されており、および、当業者に公知である(例として、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Fourth Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2012を参照のこと)。また、例として、以下の一般的な技法を参照のこと。核酸上の要素(例として、発現ベクターを含む操作された核酸)の非限定例は、プロモーター、プロモーターに作動可能に連結された核酸配列(例として、オープンリーディングフレーム)、ターミネーター配列、セパレーター配列、またはWPRE配列を包含する。ベクターは、これらの要素の1以上を含み得る。
【0151】
ある態様において、変異体rtTAをコードする核酸配列は、例えば特定の宿主細胞における発現のために、コドン最適化されている。ある態様において、変異体rtTAをコードする配列は、哺乳動物細胞における発現のためにコドン最適化されている。ある態様において、変異体rtTAをコードする配列は、ヒト細胞における発現のためにコドン最適化されている。ある態様において、変異体rtTAをコードする配列は、配列番号12に対して、少なくとも70%(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%)同一である。
【0152】
本開示の変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする操作された核酸(例えば発現ベクター)は、rtTAをコードする核酸に作動的に連結されたプロモーターを含む。プロモーターは、構成的プロモーター(例えばCP1、CMV、EF1a、SV40、PGK1、Ubc、ヒトベータアクチン、CAG、Ac5、ポリヘドリン、TEF1、GDS、CaM3 5S、Ubi、H1またはU6プロモーター)であってもよい。Ubcプロモーターは、配列番号18に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%)同一である配列を含んでもよい。
【0153】
変異体tTAの組織特異的発現を可能にするために、プロモーターは、組織特異的(例えば、眼特異的プロモーター、骨特異的プロモーター、肺特異的プロモーター、乳房特異的プロモーター、膵臓特異的プロモーター、筋肉特異的プロモーター、肝臓特異的プロモーター、皮膚特異的プロモーター、心臓特異的プロモーター、脳特異的プロモーター、神経組織特異的プロモーター、腎臓特異的プロモーター、精巣特異的プロモーター、卵巣特異的プロモーター、または腸特異的プロモーター)であってもよい。ある態様において、筋肉特異的プロモーターは、デスミンプロモーターである。いくつかの態様において、デスミンプロモーターは、配列番号29に対して、少なくとも70%(例えば75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%)同一である配列を含む。
【0154】
当業者により理解されるであろうとおり、変異体rtTAをコードする核酸に作動的に連結されたプロモーターは、発現のための宿主細胞に基づいて選択してもよい。例えば、哺乳動物細胞において変異体rtTAの発現を駆動させるために、哺乳動物プロモーターを用いてもよい。真核細胞においてrtTAの発現を駆動させるために、真核生物プロモーターを用いてもよい。原核細胞においてrtTAの発現を駆動させるために、原核生物プロモーターを用いてもよい。対象中の目的の組織において変異体rtTAを発現させるために、組織特異的プロモーターを用いてもよい。
【0155】
ある態様において、変異体rtTAをコードする核酸(例えば操作された核酸)配列は、特定の宿主細胞における発現のためにコドン最適化されている。例えば、変異体rtTAをコードする核酸(例えば操作された核酸)は、真核生物細胞(例えば哺乳動物細胞)または原核生物細胞における発現のために最適化されていてもよい。
【0156】
変異体rtTAをコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHP)転写後調節エレメント(WPRE)をさらに含んでもよく、これは、(例えばウイルスベクターからの)導入遺伝子の遺伝子発現を増強することにおいて用いることができる。ある態様において、WPRE配列は、配列番号21に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%)同一である。ある態様において、WPRE配列は、変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸の下流に位置する。
【0157】
ターミネーター配列は、トランスクリプトの終わりを指定する(転写を停止させる)ために用いることができる。哺乳動物ターミネーター配列の非限定的な例として、ウシ成長ホルモンターミネーター、およびウイルスの終結配列、例えば、SV40ターミネーター、spy、yejM、secG-leuU、thrLABC、rrnB T1、hisLGDCBHAFI、metZWV、rrnC、xapR、aspA、およびarcAターミネーターなどが挙げられる。ある態様において、ターミネーター配列は、SV40であり、配列番号8に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%)同一である配列を含む。
【0158】
変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、さらに、テトラサイクリンリプレッサー(TetR)をコードしていてもよく、これは、テトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)の不在下においてTREを含むプロモーターからの遺伝子発現を妨げる。テトラサイクリンの存在下においては、TetRはTREを含むプロモーターに結合することができず、TetRは、転写を妨げることができない。TetRの非限定的な例として、TetR、TRSIDおよびtetRKRABが挙げられる。いくつかの態様において、TetR(例えばTetR)は、配列番号25に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%)同一である配列を含む核酸によりコードされる。いくつかの態様において、TetR(例えばTetR)は、配列番号26に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%)同一である配列を含む核酸によりコードされる。いくつかの態様において、TetR(例えばtetRKRAB)は、配列番号27に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%)同一である配列を含む核酸によりコードされる。いくつかの態様において、TetR(例えばtetRKRAB)は、配列番号28に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%)同一である配列を含む。TetRは、テトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)の不在下において、テトラサイクリンの存在下と比較して、プロモーターからの導入遺伝子発現を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%、低下させることができる。遺伝子発現は、タンパク質レベルおよびRNAレベルの評価を含む任意の好適な方法を用いて測定することができる。
【0159】
核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、セパレーター(separator)配列(例えば、IRESまたはポリペプチド切断シグナル)をさらに含んでもよい。例示的なポリペプチド切断シグナルとして、2Aペプチド(例えばT2A、P2A、E2AおよびF2A)が挙げられる。2Aペプチドは、配列番号9に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%)同一である配列を含んでもよい。1つより多くの導入遺伝子(例えば、変異体rtTAおよびtetR(例えばtetRKRAB))をコードする発現ベクターについて、各々の導入遺伝子は、異なるプロモーターに作動的に連結していても、または同じプロモーターに作動的に連結していてもよい。導入遺伝子は、発現ベクターにおいて分離されていてもよい(例えば、IRESまたはポリペプチド切断シグナル)。核酸の発現は、各々の目的のタンパク質をコードする別々のアミノ酸配列をもたらす。
【0160】
いくつかの態様において、変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、pAAV-UBC-rtTA4-WPRE3-SV40pA(配列番号17)に対して、少なくとも70%(例えば75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%)同一である配列を含んでもよい。いくつかの態様において、変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、配列番号17からなる。いくつかの態様において、変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、デスミン-rtTA4ベクター(配列番号30)に対して、少なくとも70%(例えば75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%)同一である配列を含んでもよい。いくつかの態様において、変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、配列番号30からなる。
【0161】
本発明のベクターは、ベクターにより形質転換または遺伝子導入されているか、またはベクターにより形質転換または遺伝子導入されていない細胞の同定における使用のための、マーカー配列をさらに含んでもよい。マーカーとして、例えば、抗生物質に対する耐性または感受性のいずれかを増大または低下させるタンパク質をコードする遺伝子(例えばアンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子およびクロラムフェニコール耐性遺伝子)、または他の化合物、当該分野において公知の標準的なアッセイにより検出可能な酵素(例えばβ-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼまたはアルカリホスファターゼ)をコードする遺伝子、および形質転換または遺伝子導入された細胞、宿主、コロニーまたはプラークの表現型に可視的に影響を及ぼす遺伝子(例えば緑色蛍光タンパク質)が挙げられる。いくつかの態様において、本明細書において用いられるベクターは、自己複製、およびそれらが作動的に連結されたDNAセグメント中に存在する構造遺伝子生成物の発現が可能である。
【0162】
いくつかの態様において、rtTAをコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、ウイルスベクター(例えばレンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アルファウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター)である。AAVベクターは、本明細書において用いられる場合、一般に、発現カセット(例えば、rtTA4を含む変異体rtTAをコードする配列に作動的に連結されたプロモーター配列を含む核酸)に隣接するITRを含む。
【0163】
ある態様において、本開示AAVベクター中の2つのITRの間の塩基対の数は、5キロベース(kb)未満(例えば、4.9kb未満、4.8kb未満、4.7kb未満、4.6kb未満、4.5kb未満、4.4kb未満、4.3kb未満、4.2kb未満、4.1kb未満、4kb未満、3.5kb未満、3kb未満、2.5kb未満、2kb未満、1.5kb未満、1kbまたは0.5kb未満)である。ある態様において、2つのITRの間に4.7kb未満の距離を有するAAVベクターは、少なくとも0.5×10^10粒子形成単位/ml(pfu/ml)、少なくとも1×10^10pfu/ml、少なくとも5×10^10pfu/ml、少なくとも1×10^11pfu/ml、少なくとも5×10^11pfu/ml、少なくとも1×10^12pfu/ml、少なくとも2×10^12pfu/ml、少なくとも3×10^12pfu/ml、少なくとも4×10^12pfu/ml、少なくとも5×10^12pfu/ml、少なくとも6×10^12pfu/ml、少なくとも7×10^12pfu/ml、少なくとも8×10^12pfu/ml、少なくとも9×10^12pfu/ml、または少なくとも1×10^13pfu/mlの力価で、ウイルスにパッケージングすることができる。
【0164】
ある態様において、細胞(例えば、哺乳動物細胞を含む動物細胞)において本開示の変異体rtTA(例えばrtTA4)ベクターを保有する組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の感染効率は、少なくとも20%(例えば、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%または100%)である。
【0165】
ある態様において、本開示の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、少なくとも1キロベース(kb)(例えば、少なくとも1kb、2kb、3kb、4kb、5kb、6kb、7kb、8kb、9kb、10kb、50kbまたは100kb)である。ある態様において、本開示の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、10kb未満(例えば、9kb、8kb未満、7kb未満、6kb未満、5kb未満、4kb未満、3kb未満、2kbまたは1kb未満)である。
【0166】
導入遺伝子をコードする誘導性発現ベクター
本明細書において記載される変異体rtTAのいずれかは、誘導性プロモーターに作動的に連結された導入遺伝子の発現を促進するために用いることができる。ある態様において、変異体rtTAをコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)はまた、誘導性プロモーターに作動的に連結された導入遺伝子を含む。ある態様において、変異体rtTAをコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、誘導性プロモーターに作動的に連結された遺伝子をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)から分離されている。変異体rtTAは、Tet-O配列を含む少なくとも1つの誘導性プロモーターの発現を駆動することができる。変異体rtTAは、Tet-O配列を含む少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100個の誘導性プロモーターの発現を駆動することができる。
【0167】
Tet-O配列を含む1つの誘導性プロモーターは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90または100個の導入遺伝子配列に作動的に連結されていてもよいことが理解されるべきである。
【0168】
本開示の変異体rtTAによる使用のための導入遺伝子をコードする好適な発現ベクターは、少なくとも1つのTet-O配列(例えばTREプロモーター)を含む誘導性プロモーターを含む(例えば、誘導性プロモーターは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90個または全てのTet-O配列を含んでもよい)。本開示のTREプロモーターは、配列番号7に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%)同一である配列を含んでもよい。TREプロモーターは、しばしばミニマルプロモーターを含み、これは、TREプロモーター中に存在する上流のエンハンサーの不在下においては、転写を促進することができない。ミニマルプロモーターは、ミニマルCMVプロモーター(例えば、配列番号20に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一である配列)であってもよい。例えば、TREプロモーターは、TRE3Gプロモーター(例えば、配列番号7に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%)同一である配列)であってもよい。例えば、TREプロモーターは、TRE3Gプロモーター(例えば、配列番号7に対して、少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%)同一である配列)であってもよい。いくつかの態様において、TREプロモーターは、TRE2またはP tightプロモーターである。いくつかの態様において、TREプロモーターは、TRE2プロモーターであり、配列番号23に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一である配列を含む。いくつかの態様において、TREプロモーターは、P tightプロモーターであり、配列番号24に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または少なくとも100%同一である配列を含む。
【0169】
本開示の誘導性の発現ベクターは、少なくとも1つ(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100)の導入遺伝子を含む。導入遺伝子は、任意の遺伝子(例えば、タンパク質をコードする遺伝子、遺伝子をターゲティングする核酸、および/または治療用遺伝子)をコードしていてもよい。遺伝子の非限定的な例として、遺伝子疾患において変異する野生型遺伝子が挙げられる。ある態様において、遺伝子は、転写因子である。ある態様において、導入遺伝子は、単独で、または組み合わせにおいて、OCT4、SOX2、KLF4、またはこれらのホモログまたはバリアント(例えば機能的バリアント)をコードする。ある態様において、操作された核酸は、c-Mycをコードする。ある態様において、操作された核酸は、c-Mycをコードしない。ある態様において、操作された核酸は、c-Myc配列を欠失しているので、機能的なc-Mycをコードしない。転写因子(例えばOCT4、SOX2、KLF4、c-Mycまたはそれらの任意の組み合わせ)の活性を決定するためのアッセイは、当該分野において公知であり、細胞ベースの転写アッセイおよびin vitro転写アッセイを含む。転写因子の発現はまた、他の方法を用いて決定してもよく、これは、酵素結合免疫吸着測アッセイ(ELISA)、ウェスタンブロットおよびRNAの定量(例えば逆転写ポリメラーゼ連鎖反応を用いるもの)を含む。
【0170】
遺伝子の非限定的な例として、Tet1、Tet2、Nanog、SIRT1、SIRT2、SIRT3、SIRT4、SIRT5、SIRT6、SIRT7、FGF21、GDF15、GDF11、NF-kb、PCSK9、mTERT、HAS2、PDE4By358c、sIGF1r-FC、sIGF2r-FC、Fat-1、mTOR、Klotho、TFEB、Grin2b、DNMT1、AMPK、NRF2、NEU1、NGF、Bcat-1、FoxP2、ZAG、アディポネクチン、およびTFAMが挙げられる。
【0171】
いくつかの態様において、導入遺伝子は、遺伝子をターゲティングする核酸をコードする。いくつかの態様において、遺伝子をターゲティングする核酸は、遺伝子の内在遺伝子座のプロモーターおよび/またはエンハンサー領域に対して相補的である。いくつかの態様において、遺伝子をターゲティングする核酸は、遺伝子のタンパク質コード領域に対して相補的である。いくつかの態様において、遺伝子をターゲティングする核酸は、RNA(例えばmRNA)に対して相補的である。いくつかの態様において、RNA(例えばmRNAは、タンパク質をコードする。
【0172】
いくつかの態様において、遺伝子をターゲティングする核酸は、小分子干渉RNA(siRNA)、小分子ヘアピンRNAまたは短分子ヘアピンRNA(shRNA)、microRNA(miRNA)、ガイドRNA(gRNA)、またはアンチセンスRNA(asRNA)である。いくつかの態様において、siRNA、shRNA、miRNAまたはasRNAは、標的遺伝子の発現を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%低下させることができる。
【0173】
いくつかの態様において、ガイドRNAは、CRISPRガイドRNAであり、Cas9ヌクレアーゼをゲノム中の内在位置へとガイドすることができる。ガイドRNAおよびCRISPR系は、遺伝子の発現をノックアウトするため、または遺伝子の発現を活性化するために用いることができる。ドナーの鋳型と共に用いられる場合、ガイドRNAおよびCRISPR系はまた、目的のアレルまたは遺伝子にノックインするために用いてもよい。CRISPR系を用いる方法およびガイドRNA設計のための考察は、当該分野において公知である。ガイドRNAを設計するために、多数のウェブサイトベースのツールが利用可能である。例えば、MITから(例えばhttp://crispr.mit.edu/)およびBroad Instituteから(https://portals.broadinstitute.org/gpp/public/analysis-tools/sgrna-design)利用可能な非限定的な例。また、例えば、Hsu et al., Cell. 2014 Jun 5;157(6):1262-78; Sander et al., Nat Biotechnol. 2014 Apr;32(4):347-55;Doench et al., Nat Biotechnol. 2016 Feb;34(2):184-191を参照。
【0174】
いくつかの態様において、導入遺伝子は、転写活性化複合体に融合した(例えばVP64、P65、Rtaおよび/またはMPHを含む)Cas9および/またはヌクレアーゼ欠損Cas9をコードする。
【0175】
一般的に、CRISPR活性化系は、転写活性化複合体に融合した(例えばVP64、P65、RtaまたはMPHを含む)酵素的に不活性な(dead)Cas9ヌクレアーゼ(またはヌクレアーゼ欠損Cas9(dCas9))を含む。VP64、P65、Rtaおよび/またはMPHをコードする配列の非限定的な例は、以下に提供される。VP64、P65、RtaまたはMPHは、本明細書において記載されるVP64、P65、Rtaおよび/またはMPHの配列のいずれかに対して、少なくとも70%(例えば75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%)同一である配列を含んでもよい。このCas9融合タンパク質は、CRISPRアクチベーターとして言及され得る。目的の遺伝子のプロモーターおよび/またはエンハンサー領域を標的とするガイドRNAは、dCas9-転写活性化複合体をターゲティングして、内在遺伝子の発現を駆動するために、CRISPR活性化系において用いられる。
【0176】
いくつかの態様において、内在目的の遺伝子を標的とするCas9および/またはガイドRNAをコードする導入遺伝子に作動的に連結されたTREプロモーターを含む誘導性の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)の投与は、標的遺伝子の発現の、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%の低下をもたらす。いくつかの態様において、Cas9およびガイドRNAは、2つの別々の発現ベクター上に位置する。いくつかの態様において、内在目的の遺伝子のプロモーターおよび/またはエンハンサー領域を標的とするアクチベーター複合体および/またはガイドRNAに融合したdCas9をコードする導入遺伝子に作動的に連結されたTREプロモーターを含む誘導性の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)の投与は、作動的に連結された遺伝子の発現の、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%または1000%の増大をもたらす。
【0177】
本開示の導入遺伝子(例えば以下をコードする導入遺伝子:タンパク質、治療配列、遺伝子をターゲティングする核酸、OCT4、SOX2、KLF4、c-Myc、転写因子、または哺乳動物OCT4、哺乳動物SOX2、および哺乳動物KLF4を含むそれらのホモログもしくはバリアントをコードする核酸)は、単一の核酸によりコードされていても、または、単一の核酸が、2つ以上の導入遺伝子をコードしていてもよい(例えば各々が異なるプロモーターに作動的に連結されているか、またはすべてが同じプロモーターに作動的に連結されている)。例えば、ある態様において、核酸は、任意の順序において、OCT4;SOX2;c-Myc;KLF4;OCT4およびSOX2;OCT4およびKLF4;SOX2およびKLF4;またはOCT4、SOX2、およびKLF4、OCT4、c-Myc、およびSOX2;OCT4、c-Myc、およびKLF4;SOX2、c-Myc、およびKLF4;またはOCT4、SOX2、c-Myc、およびKLF4をコードしていてもよい。
【0178】
ある態様において、核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、少なくとも1つ(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90または100)の導入遺伝子をコードする。
【0179】
ある態様において、導入遺伝子は、タンパク質をコードする。ある態様において、タンパク質は、ヒトタンパク質である。ある態様において、タンパク質は、非ヒトタンパク質(例えば、哺乳動物(例えば霊長類(例えばカニクイザル、アカゲザル);商業に関連する哺乳動物、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/またはイヌ)および鳥類(例えば商業に関連する鳥類、例えばニワトリ、アヒル、ガチョウ、および/またはシチメンチョウ)である。導入遺伝子のうちの2つ以上が1つのベクター上にある場合、それらは、任意の順序であってよい。語「第1の」、「第2の」および「第3の」は、ベクター上の遺伝子の順序を意味することは意図されない。
【0180】
ある態様において、導入遺伝子は、治療配列をコードする。治療配列はまた、当該分野において遺伝子治療のために好適である遺伝子としても言及され得る。治療タンパク質の非限定的な例として、抗体、酵素、キナーゼ、ホルモン、増殖因子、サイトカイン、血漿タンパク質、融合タンパク質、膜溶解性タンパク質および凝固因子が挙げられる。いくつかの態様において、治療タンパク質は、炎症性の剤である。いくつかの態様において、治療タンパク質は、抗炎症剤である。いくつかの態様において、治療タンパク質は、免疫調節剤である。いくつかの態様において、治療タンパク質は、抗がん剤である。いくつかの態様において、治療タンパク質は、代謝剤である。いくつかの態様において、治療タンパク質は、抗ウイルス/殺ウイルス剤である。いくつかの態様において、治療タンパク質は、抗菌/殺菌剤である。
【0181】
本明細書において記載される導入遺伝子(例えば、治療配列、遺伝子をターゲティングする核酸)は、1つ以上のアミノ酸置換を含んでもよい。バリアントは、ポリペプチド配列を改変するための当業者に公知の方法、例えば、かかる方法を集約する参考文献において記載されるもの(例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、J. Sambrookら編、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1989年)またはCurrent Protocols in Molecular Biology、F.M. Ausubelら編、John Wiley & Sons, Inc., New York)に従って調製することができる。アミノ酸の保存的置換として、以下の群の中のアミノ酸の間で行われる置換が挙げられる:(a)M、I、L、V;(b)F、Y、W;(c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N;および(g)E、D。
【0182】
発現のために必要な要素を含む発現ベクターは、市販されており、当業者に公知である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第4版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(2012年)を参照)。
【0183】
ある態様において、導入遺伝子(例えば、タンパク質をコードする遺伝子、遺伝子をターゲティングする核酸、および/または治療用遺伝子)を含む核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、ウイルスベクター(例えばAAVベクター)上に存在する。AAVベクター、本明細書において用いられる場合、一般に、発現カセット(例えば、導入遺伝子(例えば、治療配列、遺伝子をターゲティングする核酸および/またはタンパク質をコードする配列)に作動的に連結されたTREプロモーターを含む核酸)に隣接するITRを含む。
【0184】
ある態様において、導入遺伝子(例えば、タンパク質をコードする遺伝子、遺伝子をターゲティングする核酸、および/または治療用遺伝子)を含む核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、非ウイルス性ベクター(例えば、一過性の遺伝子導入のためのプラスミド)上に存在する。
【0185】
ある態様において、本開示のAAVベクター中の2つのITRの間の塩基対の数は、5キロベース(kb)未満(例えば、4.9kb未満、4.8kb未満、4.7kb未満、4.6kb未満、4.5kb未満、4.4kb未満、4.3kb未満、4.2kb未満、4.1kb未満、4kb未満、3.5kb未満、3kb未満、2.5kb未満、2kb未満、1.5kb未満、1kbまたは0.5kb未満)である。ある態様において、2つのITRの間に4.7kb未満の距離を有するAAVベクターは、少なくとも0.5×10^10粒子形成単位/ml(pfu/ml)、少なくとも1x10^10pfu/ml、少なくとも5×10^10pfu/ml、少なくとも1×10^11pfu/ml、少なくとも5×10^11pfu/ml、少なくとも1×10^12pfu/ml、少なくとも2×10^12pfu/ml、少なくとも3×10^12pfu/ml、少なくとも4×10^12pfu/ml、少なくとも5×10^12pfu/ml、少なくとも6×10^12pfu/ml、少なくとも7×10^12pfu/ml、少なくとも8×10^12pfu/ml、少なくとも9×10^12pfu/ml、または少なくとも1×10^13pfu/mlの力価で、ウイルスにパッケージングすることができる。
【0186】
ある態様において、本開示の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、少なくとも1キロベース(kb)(例えば、少なくとも1kb、2kb、3kb、4kb、5kb、6kb、7kb、8kb、9kb、10kb、50kbまたは100kb)である。ある態様において、本開示の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、10kb未満(例えば、9kb未満、8kb未満、7kb未満、6kb未満、5kb未満、4kb未満、3kb未満、2kb未満または1kb未満)である。
【0187】
特定の理論により拘束されることなく、1つのプロモーター下で複数の導入遺伝子(例えばタンパク質をコードする配列、遺伝子をターゲティングする核酸、および/または治療配列)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)(例えばAAVベクター)は、導入遺伝子のうちの1つまたは2つをコードする別々の核酸と比較して、in vivoで、全ての導入遺伝子のより効率的な形質導入をもたらす。ある態様において、本開示の導入遺伝子ベクターを保有する組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の細胞(例えば真核生物細胞または原核生物細胞)における感染効率は、少なくとも20%(例えば、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%または100%)である。
【0188】
組換えウイルス
本開示の側面は、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、またはAAV)を提供する。組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)は、変異体rtTAをコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)、導入遺伝子(例えば、治療配列、遺伝子をターゲティングする核酸、および/またはタンパク質をコードする配列)を含む誘導性の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)、またはそれらの組み合わせを保有していてもよい。
【0189】
ある態様において、組換えウイルスは、組換えAAVである。いくつかの態様において、組換えAAVは、AAVの導入遺伝子が、1つ以上の予め決定された組織に特異的に送達されるような、組織特異的なターゲティング能力を有する。一般に、AAVキャプシドは、AAVの組織特異的ターゲティング能力を決定することにおいて関連する因子である。AAVキャプシドは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、およびこれらのバリアントに由来するアミノ酸配列を含んでもよい。AAV血清型の組織特異性の非限定的な例を、表1において提供する。「x」は、示されるAAV血清型が、特定の組織に導入遺伝子を送達することができることを示す。
表1.AAV血清型の非限定的な例および特定の組織におけるそれらの有用性。
【表1】
【0190】
特定のキャプシドタンパク質を含む組換えAAVは、任意の好適な方法を用いて生成することができる。例えば、米国特許出願公開、US2003/0138772を参照;これは、本明細書において参考として援用される。AAVキャプシドタンパク質配列はまた、当該分野において公知である。例えば、公開されたPCT出願、WO2010/138263を参照;これは、本明細書において参考として援用される。一般に、組換えAAVは、宿主細胞において、以下の構成成分により生成される;(1)AAVキャプシドタンパク質またはそのフラグメントをコードする核酸配列、(2)機能的なrep遺伝子をコードする核酸、(3)導入遺伝子(例えば、タンパク質をコードする配列、遺伝子を標的とする核酸、および/または治療配列)に隣接するAAV逆位末端反復配列を含む組換えAAVベクター、ならびに(4)組換えAAVベクターのAAVキャプシドタンパク質中へのパッケージングを可能にするヘルパー機能。ある態様において、ヘルパー機能は、当該分野において公知であるヘルパーベクターを介して導入される。
【0191】
いくつかの例において、定法に従って本明細書において開示される組換えAAVを生成するために、好適な宿主細胞株(例えばHEK293T細胞)を用いてもよい。上記の構成成分のうちの1つ以上をコードする1つ以上の発現ベクターを、外来核酸により宿主細胞中に導入してもよく、これを、AAV粒子の生成を可能にする好適な条件下において培養することができる。必要である場合には、複製のため、AAV粒子の組み立てを容易にするため、またはそれらの任意の組み合わせのために、ヘルパーベクターを用いることができる。ある態様において、組換えAAVベクターは、他の構成成分(例えばAAVキャプシドタンパク質またはそのフラグメントをコードする核酸配列、機能的なrep遺伝子をコードする核酸、および組換えAAVベクターのAAVキャプシドタンパク質中へのパッケージングを可能にするヘルパー機能とは別の核酸上に存在する。ある態様において、宿主細胞は、AAVウイルスを生成するために必要とされる1つ以上の構成成分を、安定に発現することができる。その場合、残りの構成成分を、宿主細胞中に導入してもよい。細胞培養の上清を回収してもよく、それに含まれるウイルス粒子を、慣用的な方法を介して回収することができる。
【0192】
本開示の組成物は、本明細書において記載される組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)のうちのいずれかを、単独で、または1つ以上の他の組換えウイルス(例えば1つ以上の異なる導入遺伝子を有する第2のAAV)と組み合わせて含んでもよい。いくつかの態様において、組成物は、各々が1つ以上の異なる導入遺伝子を有する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多くの異なるウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)を含む。
【0193】
いくつかの態様において、組成物は、薬学的に受入可能なキャリアをさらに含む。好適なキャリアは、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)が志向する適応症を考慮して、当業者により容易に選択されえる。例えば、1つの好適なキャリアとして、多様な緩衝化溶液により処方され得る食塩水(例えばリン酸緩衝化食塩水)が挙げられる。他の例示的なキャリアとして、無菌食塩水、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストラン、アガー、ペクチン、ピーナッツ油、ゴマ油および水が挙げられる。キャリアの選択は、本開示の限定要因ではない。
【0194】
任意に、本開示の組成物は、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)およびキャリアに加えて、保存剤または化学的安定化剤などの他の医薬用成分を含んでもよい。好適な例示的な保存剤として、クロロブタノール、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、二酸化硫黄、没食子酸プロピル、パラベン、エチルバニリン、グリセリン、フェノール、およびパラクロロフェノールが挙げられる。好適な化学的安定化剤として、ゼラチンおよびアルブミンが挙げられる。
【0195】
組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)は、過度の有害効果を伴うことなく、所望される組織(例えば角膜組織などの眼組織)の細胞に遺伝子導入するために、および十分なレベルの遺伝子の導入および発現をもたらすために、十分な量で投与される。薬学的に受入可能な投与の経路の例として、これらに限定されないが、選択された臓器への直接的な送達(例えば眼への基質内送達)、経口、吸入(鼻内および気管内送達を含む)、眼内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腫瘍内、および他の非経口投与の経路が挙げられる。投与の経路は、所望される場合には、組み合わせてもよい。
【0196】
特定の治療効果を達成するために必要とされる組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)ビリオンの用量、例えば、体重1キログラムあたりのゲノムコピー(GC/kg)における用量の単位は、いくつかの要因に依存し、これらは、以下を含むがこれらに限定されない:組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)ビリオン投与の経路、治療効果を達成するために必要とされる遺伝子またはRNA発現のレベル、処置されている特定の疾患または障害、および遺伝子またはRNA生成物の安定性。当業者は、特定の疾患または障害を有する患者を処置するために、前述の要因ならびにほかの要因に基づいて、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルスまたはAAVビリオン)の用量範囲を容易に決定することができる。
【0197】
組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の有効量は、動物に感染し、所望される組織を標的とするために十分な量である。いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の有効量は、安定な体性トランスジェニック動物モデルを生成するために十分な量である。有効量は、主に対象の種、年齢、体重、健康、および標的とされるべき組織などの要因に依存し、したがって、動物および組織の間で異なり得る。例えば、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の有効量は、一般に、約1ml~約100mlの溶液が約109~1016のゲノムコピーを含む範囲である。いくつかの場合において、約1011~1013の組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)ゲノムコピーの投与量が適切である。ある態様において、眼組織(例えば網膜組織)を標的とするために、1010または1011の組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)ゲノムコピーが有効である。いくつかの場合において、複数用量の組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)により、安定なトランスジェニック動物が生成される。
【0198】
いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の用量は、1暦日(例えば24時間の期間)あたり1回を超えない回数で、対象に投与される。いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の用量は、2、3、4、5、6または7暦日あたり1回を超えない回数で、対象に投与される。いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の用量は、1暦週(例えば7暦日)あたり1回を超えない回数で、対象に投与される。いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の用量は、2週間に1回(例えば、2暦週の期間中に1回)を超えない回数で、対象に投与される。いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の用量は、1暦月あたり1回(例えば30暦日中に1回)を超えない回数で、対象に投与される。いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の用量は、6暦月あたり1回を超えない回数で、対象に投与される。いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)の用量は、1歴年(例えば、365日間またはうるう年においては366日間)あたり1回を超えない回数で、対象に投与される。
【0199】
いくつかの態様において、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)組成物は、高い組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)濃度が存在する(例えば約1013GC/mlまたはそれより高い)場合は特に、組成物中でのAAV粒子の凝集を減少させるために処方される。凝集を減少させるための適切な方法を用いることができ、それらは、例えば、界面活性剤の添加、pH調整、塩濃度調整などを含む。(例えば、Wright FR, et al., Molecular Therapy (2005) 12, 171-178を参照;それらの内容は、本明細書において参考として援用される。)
【0200】
いくつかの態様において、核酸は、非ウイルス的に(例えばウイルスベクター上ではなく、および/またはウイルス中ではなく)送達される。いくつかの態様において、TREプロモーターおよび/または変異体rtTA(例えばrtTA4)に作動的に連結された導入遺伝子をコードする核酸(例えばRNAまたはDNA)は、リポソーム中で投与される。いくつかの態様において、核酸は、RNA(例えばmRNA)である。いくつかの態様において、TREプロモーターおよび/または変異体rtTA(例えばrtTA4)に作動的に連結された導入遺伝子をコードする核酸(例えばRNAまたはDNA)は、ナノ粒子中で投与される。
【0201】
変異体rtTAまたはその核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)を含む系および組換え細胞
本開示の側面はまた、変異体rtTA(例えばrtTAタンパク質)および/またはその変異体rtTAをコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)を含む、系または細胞を提供する。細胞は、真核生物のものであっても原核生物のものであってもよく、任意の組織(例えば耳、鼻、歯茎および歯根を含む口、骨、肺、乳房(breast)、乳房(udder)、膵臓、胃、食道、心筋を含む筋肉、肝臓、血管、毛を含む皮膚、心臓、脳、神経組織、腎臓、精巣、前立腺、陰茎、排泄腔、ひれ(fin)、卵巣、または腸)からのものであってよい。
【0202】
ある態様において、系または細胞は、変異体rtTAおよびTet-O配列を含む誘導性プロモーターに作動的に連結された導入遺伝子の両方をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)を含む。ある態様において、系または細胞は、変異体rtTAおよびTet-O配列を含む誘導性プロモーターに作動的に連結された導入遺伝子を含む第2の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)を含む。ある態様において、系または細胞は、1つ以上の導入遺伝子(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100の導入遺伝子)をコードする、複数(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100)の発現ベクターを含む。
【0203】
いくつかの態様において、変異体rtTA(例えばrtTA4)ならびに/またはTREプロモーター(例えばTRE3G、TRE2、および/もしくはP tight)をコードする核酸は、細胞のゲノム中に組み込まれる。いくつかの態様において、変異体rtTA(例えばrtTA4)ならびに/またはTREプロモーター(例えばTRE3G、TRE2、および/またはP tight)をコードする核酸は、対象のゲノム中に組み込まれる(例えば、トランスジェニックの対象を作製するために)。変異体rtTA(例えばrtTA4)および/またはTREプロモーターをコードする核酸を組み込むために、任意の好適な方法を用いることができる。例えば、Cho et al., Curr Protoc Cell Biol. 2009 Mar; CHAPTER: Unit‐19.11を参照。いくつかの態様において、変異体rtTAおよび/またはTREプロモーターは、細胞に、または対象中に、CRISPRを用いてノックインされる。例えば、Aida et al., ゲノムBiol. 2015 Apr 29;16:87を参照。非限定的な例として、rtTAを、マウスにおいてrosa 26遺伝子座中に組み込んでもよく、および/またはTREをCol1a1遺伝子座中に組み込んでもよい。
【0204】
いくつかの態様において、組換え細胞は、ex vivoで生成され、それを必要とする対象に投与される。
【0205】
組成物(例えば医薬組成物)
本開示の側面は、変異体rtTA、組換え細胞、rtTAをコードする核酸(例えば操作された核酸、発現ベクター、プラスミドDNA、および/またはRNA)、導入遺伝子をコードする誘導性のベクター、rtTAおよび/または導入遺伝子をコードする組換えウイルス、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかを含む、組成物を提供する。変異体rtTA、組換え細胞、rtTAをコードする核酸(例えば操作された核酸、発現ベクター、プラスミドDNA、および/またはRNA)、導入遺伝子をコードする誘導性のベクター、rtTAおよび/または導入遺伝子をコードする組換えウイルス、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかは、薬学的に受入可能な賦形剤と共に医薬組成物へと処方することができる。薬学的に受入可能な賦形剤およびキャリア溶液の処方は、当業者には周知であり、多様な処置レジメンにおいて本明細書において記載される特定の組成物を用いるための好適な投与および処置レジメンの開発もまた、当業者には周知である。典型的には、それらの処方物は、少なくとも約0.1%の活性化合物またはそれより多くを含んでもよいが、活性成分のパーセンテージは、無論、変化してもよく、便利に、全処方物の重量または体積の約1または2%と約70%または80%またはそれより多くの間であってよい。当然のこととして、各々の治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、当該化合物の任意の所与の単位用量において、好適な投与量が得られるであろうように調製することができる。可溶性、バイオアベイラビリティ、生物学的半減期、投与の経路、製品有効期間、ならびに他の薬理学的考慮点などの要因は、かかる医薬処方物を調製することにおける当業者により企図され、したがって、多様な投与量および処置レジメンが望ましい場合がある。
【0206】
いくつかの態様において、本明細書において開示される医薬組成物へと好適に処方された本明細書において記載される変異体rtTA、組換え細胞、rtTAをコードする核酸(例えば操作された核酸、発現ベクター、プラスミドDNA、および/またはRNA)、導入遺伝子をコードする誘導性のベクター、および/または組換えウイルスは、対象における標的組織および/または器官に直接的に、例えば、眼、耳、鼻、歯茎および歯根を含む口、骨、肺、乳房(breast)、乳房(udder)、膵臓、胃、食道、心筋を含む筋肉、肝臓、血管、毛を含む皮膚、心臓、脳、神経組織、腎臓、精巣、前立腺、陰茎、排泄腔、ひれ、卵巣、または腸に直接的に送達される。
【0207】
しかし、ある状況においては、組換えウイルス、組換え細胞、核酸(例えば操作された核酸)、および/または変異体rtTA(例えばrtTA4)を、bに、別々に、または加えて、別の経路を介して、例えば、静脈内に、皮内に、動脈内に、病変内に、腫瘍内に、頭蓋内に、関節内に、前立腺内に(intraprostaticaly)、胸膜内に、鼻内に、硝子体内、膣内に、直腸内に、局所的に(topically)、腫瘍内に、筋肉内に、腹腔内に、皮下に、結膜下に、小胞内に、粘膜に、心膜内に、臍内に(intraumbilically)、眼内に、経口で、局所的に(topically)、局所的に(locally)、全身に、注射、注入、持続注入、局所灌流、標的細胞の直接浸漬、カテーテルを介して、クリーム中で、脂質組成物(例えばリポソーム)中で送達することが望ましい場合がある。
【0208】
いくつかの態様において、米国特許第5,543,158号;同第5,641,515号および同第5,399,363号(各々がその全体において特に本明細書において参考として援用される)において記載されるような投与モダリティを用いて、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)を送達してもよい。いくつかの態様において、好ましい投与の形式は、基質内注射によるものである。
【0209】
注射可能な用途のために好適な医薬形態として、無菌の水性の溶液または分散体および無菌の注射可能な溶液または分散体の即時調製のための無菌の粉末が挙げられる。分散体はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油中でのそれらの混合物中で、調製することができる。通常の貯蔵および使用の条件下において、それらの調製物は、微生物の増殖を予防するために、保存剤を含む。多くの場合において、形態は、無菌であり、容易な注射可能性(syringability)が存在する程度までの液体である。それは、製造および貯蔵の条件下において安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、これらの好適な混合物、および/または植物油を含む、溶媒または分散媒であってよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散体の場合には必要とされる粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により、維持することができる。微生物の作用の予防は、多様な抗菌剤および真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによりもたらすことができる。多くの場合において、等張化剤、例えば糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の長期吸収は、組成物における吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によりもたらすことができる。
【0210】
注射可能な水溶液の投与のために、例えば、溶液は、必要に応じて好適に緩衝化されていてもよく、液体の希釈剤は、まず十分な食塩水またはグルコースにより等張化されていてもよい。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与のために特に好適である。このことに関して、好適な無菌の水性の溶媒を使用することができる。例えば、1つの投与量を、1mlの等張NaCl溶液中に溶解して、1000mlの皮下点滴液に添加するか、提案される注入の部位において注射してもよい(例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」第15版、1035~1038および1570~1580ページを参照)。必然的に、ホストの状態に依存して、投与量におけるいくつかのバリエーションが生じる。投与の責任者は、いずれにせよ、個々のホストのための適切な用量を決定するであろう。
【0211】
無菌の注射可能溶液は、活性な組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)を、必要とされる量において、必要に応じて本明細書において列挙される多様な他の成分とともに、適切な溶媒中に組み込み、その後ろ過滅菌することにより、調製される。一般に、分散体は、多様な無菌化された活性成分を、基礎的な分散媒および本明細書において列挙されるものから必要とされる他の成分を含む無菌のビヒクル中に組み込むことにより、調製される。無菌の注射可能溶液の調製のための無菌の粉末の場合、好ましい調製の方法は、真空乾燥および凍結乾燥の技術であり、これらは、活性成分に任意のさらなる所望される材料を加えたものを先に無菌ろ過された溶液から、その粉末を生じる。
【0212】
本明細書において開示される組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)組成物はまた、中性または塩の形態において処方してもよい。薬学的に受入可能な塩は、酸付加塩(タンパク質の遊離のアミノ基から形成される)を含み、これは、例えば塩酸またはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの酸により形成される。遊離のカルボキシル基により形成される塩もまた、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から誘導することができる。処方の際に、溶液は、当該投与処方物と適合可能な様式において、治療的に有効であるような量において、投与されるであろう。処方物は、注射可能溶液、薬物放出カプセルなどの多様な投与形態において、容易に投与される。
【0213】
キャリアとして、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、ビヒクル、コーティング、希釈剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤、バッファー、キャリア溶液、懸濁液、コロイドなどが挙げられる。医薬活性物質のためのかかる媒体および剤の使用は、当該分野において周知である。補足の活性成分もまた、組成物中に組み込むことができる。
【0214】
本開示の組成物の好適な宿主細胞中への導入のために、リポソーム、ナノカプセル、微粒子、マイクロスフェア、脂質粒子、ベジクルなどの送達ビヒクルを用いてもよい。非限定的な例として、導入遺伝子の送達のための組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)ベクターは、送達のために、脂質粒子、リポソーム、ベジクル、ナノスフェア、またはナノ粒子などの中に封入して処方することができる。
【0215】
かかる処方物は、本明細書において開示される核酸(例えば発現ベクターを含む操作された核酸)または組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)コンストラクトの薬学的に受入可能な処方物の導入のために好ましい場合がある。リポソームの形成および使用は、一般に、当業者に公知である。近年、血清中での安定性および循環中での半減期が改善されたリポソームが開発された(米国特許第5,741,516号)。さらに、潜在的な薬物キャリアとしてのリポソームおよびリポソーム様調製物の多様な方法が記載されている(米国特許第5,567,434号;同第5,552,157号;同第5,565,213号;同第5,738,868号;および同第5,795,587号;これらの各々は、本明細書において参考として援用される)。
【0216】
リポソームは、通常では他の手順によっては遺伝子導入に対して耐性である多数の細胞型により、首尾よく用いられてきた。加えて、リポソームは、ウイルスベースの送達系の典型であるDNAの長さの制約からフリーである。リポソームは、遺伝子、薬物、放射線治療剤、ウイルス、転写因子およびアロステリックエフェクターを、多様な培養細胞株および動物中に導入するために、効果的に用いられてきた。加えて、リポソームにより媒介される薬物送達の有効性を試験するいくつかの首尾よい臨床治験が完了している。
【0217】
リポソームは、水性の媒質中に分散されたリン脂質から形成され、自発的に多重膜の同心円状の二層ベジクルを形成する(また多重膜ベジクル(MLV)とも称される)。MLVは、一般に、25nm~4μmの直径を有する。MLVの超音波処理は、コア中に水溶液を含む200~500.ANG.の範囲の直径を有する小単層ベジクル(small unilamellar vesicles:SUV)の形成をもたらす。
【0218】
あるいは、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)のナノカプセル処方物を用いてもよい。ナノカプセルは、一般に、物質を安定かつ再現可能な方法において封入することができる。細胞内でのポリマーの過負荷に起因する副作用を回避するために、かかる超微粒子(約0.1μmのサイズ)は、in vivoで分解されることができるポリマーを用いて設計されるべきである。これらの要件を満たす生分解性のポリアルキル-シアノアクリレートポリマーのナノ粒子が、使用のために企図される。
【0219】
キットおよび関連する組成物
本明細書において記載される剤は、いくつかの態様において、治療、診断または研究適用におけるそれらの使用を容易にするために、医薬または診断または研究キットに組み立てられてもよい。キットは、本開示の構成成分を収容する1つ以上の容器および使用のための指示を含んでもよい。特に、かかるキットは、本明細書において記載される1つ以上の剤を、それらの剤の意図される適用および適切な使用を記載する指示とともに含んでもよい。ある態様において、キット中の剤は、医薬処方物におけるものであり、特定の適用のために、および剤の投与の方法のために好適な投与量におけるものであってよい。研究目的のためのキットは、構成成分を、多様な実験を実施するために適切な濃度または量において含んでもよい。
【0220】
いくつかの態様において、本開示は、変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)を含むキットに関し、これは、例えば、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)を生成するために有用であり得る。キットは、変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)を収容する容器を含んでもよい。キットは、導入遺伝子(例えば、網膜症などの疾患に関連する遺伝子)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)を収容する第2の容器をさらに含んでもよい。ある態様において、導入遺伝子は、タンパク質、遺伝子をターゲティングする核酸、および/または治療配列をコードする配列である。いくつかの態様において、キットは、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)を生成するための指示をさらに含む。
【0221】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書において記載される操作された核酸(例えば発現ベクター)または組換えウイルスのいずれかを収容する容器を含む、キットに関する。例えば、キットは、誘導剤(inducing agent)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)または組換えウイルスを含んでもよい。いくつかの態様において、変異体rtTA4の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、配列番号17に対して少なくとも70%同一である配列を含む。いくつかの態様において、誘導剤をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、配列番号17に対して少なくとも70%同一である配列からなる。いくつかの態様において、変異体rtTA4の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、デスミン-rtTA4(配列番号30)に対して少なくとも70%同一である配列を含む。いくつかの態様において、誘導剤をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、デスミン-rtTA4(配列番号30)に対して少なくとも70%同一である配列からなる。キットは、Tet-Oを含むプロモーター(例えばTREプロモーター)に作動的に連結された、任意の導入遺伝子(例えば治療配列、遺伝子をターゲティングする核酸、および/またはタンパク質をコードする配列)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)または組換えウイルスをさらに含んでもよい。導入遺伝子(例えば複数の導入遺伝子)をコードするベクターの非限定的な例は、配列番号16において提供される。いくつかの態様において、導入遺伝子をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、配列番号16を含む。
【0222】
キットは、研究者による本明細書において記載される方法の使用を容易にするために設計することができ、任意の形態をとることができる。キットの組成物の各々は、適用可能である場合、液体の形態において(例えば溶液において)、または固体の形態(例えば乾燥粉末)において提供することができる。ある場合において、組成物のうちのいくつかは、例えば好適な溶媒または他の種(例えば、水または細胞培養培地)(これはキットとともに提供されてもそうでなくともよい)の添加により、構成可能であるか、または別段に処理可能(例えば活性形態に)であってもよい。本明細書において用いられる場合、「指示」は、指示および/または宣伝の構成成分を定義することができ、典型的には、書面の指示を含むか、開示のパッケージングに付随する。指示はまた、他のユーザーが、当該指示はキットと関連付けられるべきであることを明らかに認識するであろうような任意の様式、例えば、視聴覚的(例えばビデオテープ、DVDなど)、インターネット、および/またはウェブベースの伝達などにおいて提供される、任意の口述または電子的な指示を含んでもよい。書面による指示は、医薬または生物製剤の製造、使用または販売を規制する政府機関により規定された形態におけるものであってもよく、当該指示は、動物への投与のための、製造、使用または販売の政府による承認を反映するものであってもよい。
【0223】
キットは、本明細書において記載される構成成分のうちの任意の1つ以上を、1つ以上の容器中に含んでもよい。一例として、一態様において、キットは、キットの1つ以上の構成成分を混合すること、ならびに/または試料を単離および混合して、対象に適用することについての指示を含んでもよい。キットは、本明細書において記載される剤を収容する容器を含んでもよい。剤は、液体、ゲルまたは固体(粉末)の形態であってよい。剤は、無菌調製し、シリンジ中にパッケージングし、冷蔵で輸送することができる。あるいは、それはバイアルまたは貯蔵のための他の容器中に収容されていてもよい。第2の容器は、無菌調製された他の剤を有していてもよい。あるいは、キットは、あらかじめ混合されて、シリンジ、バイアル、チューブまたは他の容器中で輸送された活性剤を含んでもよい。キットは、特定の個体の(somatic)動物モデルを作製するためのキットの場合には特に、剤を動物に投与するために必要とされる構成成分(シリンジ、局所適用デバイス、または静脈注射用の針、チュービングおよびバッグなど)の1つ以上または全てを有していてもよい。
【0224】
キットは、ブリスターパウチ、シュリンク包装されたパウチ、真空密封可能なパウチ、密封可能な熱形成されたトレイ、または類似のパウチまたはトレイの形態などの多様な形態に、パウチ中に緩やかに包装されたアクセサリー、1つ以上のチューブ、容器、箱またはバッグを伴うものであってよい。キットは、アクセサリーが追加された後で無菌化してもよく、これにより、容器中の個々のアクセサリーの包装を別段に開けることを可能にする。キットは、放射線照射滅菌、加熱滅菌または当該分野において公知の他の無菌化方法などの適切な無菌化技術を用いて無菌化することができる。キットはまた、特定の適用、例えば、容器、細胞培地、塩、バッファー、試薬、シリンジ、針、消毒剤を適用または除去するためのガーゼなどの繊維、使い捨てグローヴ、投与の前の剤のための支持体などに依存して、他の構成成分を含んでもよい。
【0225】
治療的適用
変異体rtTA(例えばrtTA4)、変異体rtTAをコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)、導入遺伝子をコードする誘導性の核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)、本明細書において記載される誘導性プロモーターに作動的に連結された変異体rtTAまたは導入遺伝子をコードする組換えウイルスを含む組成物(例えば医薬組成物)のいずれかは、細胞の再プログラミング、組織修復、組織再生、疾患を処置すること、臓器再生、リバースエイジング(reversing aging)、またはそれらの任意の組み合わせを制御する(例えば阻害するかまたは誘導する)ために用いることができる。組成物は、細胞の再プログラミング、組織修復、組織再生、組織増殖、組織機能、臓器再生、臓器生存、臓器機能、またはそれらの任意の組み合わせを制御することにおいて有用であり得る。制御することとは、細胞の再プログラミングを誘導すること、リバースエイジング、組織機能を改善すること、臓器機能を改善すること、組織修復、組織生存、組織再生、組織増殖、血管新生、瘢痕形成、老化の現れ、臓器再生、臓器生存、動物由来の農産物の味および質を改変すること、疾患を処置すること、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよく、これは、in vivoまたはin vitroで、細胞、組織または臓器(これはin vivoである(例えば対象の一部である))に投与されても、ex vivoで細胞、組織または臓器に投与されてもよい。本明細書において用いられる場合、制御することとは、任意の型の調節を指し得、これは、誘導すること、促進すること、阻害すること、および/または停止させることを含む。血管新生は、新たな血管の増殖を指す。
【0226】
いくつかの例において、ウイルスベクター(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルスまたはAAVベクター)は、組換えウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)中で投与される。
【0227】
特定の理論により拘束されることなく、1つ以上の導入遺伝子(例えばOCT4、SOX2、KLF4、任意の転写因子、任意のタンパク質をコードする配列、任意の遺伝子をターゲティングする核酸、および/または任意の治療配列)の一過性の発現は、細胞の部分的な再プログラミングをもたらし得る。例えば、部分的な再プログラミングは、完全に分化した細胞を誘導して、多能性にすることができる。いくつかの例において、1つ以上の転写因子(例えば、OCT4、SOX2、KLF4、および/またはc-MYCを含む任意の転写因子)の長期の発現(例えば少なくとも1日間、少なくとも5日間、少なくとも1週間、または少なくとも1か月にわたり持続される発現)は、細胞の完全な再プログラミングをもたらす。例えば、細胞は、多能性細胞(例えば誘導多能性細胞)へと、完全に再プログラミングされ得る。
【0228】
この態様を実施するために、変異体rtTA(例えばrtTA4)の有効量を、TREプロモーター(例えばTRE2、P tightまたはTRE3Gプロモーター)に作動的に連結された発現されるべき導入遺伝子(タンパク質をコードする配列、遺伝子をターゲティングする核酸、および/または治療配列)を含む核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)とともに、細胞、組織または対象に投与してもよい。ある態様において、変異体rtTA(例えばrtTA4)は、タンパク質として投与される。ある態様において、変異体rtTA(例えばrtTA4)は、核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)中で投与される。
【0229】
いくつかの態様において、変異体rtTA4、および/またはTREプロモーター(例えばTRE3G、P tight、またはTRE2プロモーター)に作動的に連結された導入遺伝子をコードする核酸(例えば操作された核酸)は、ウイルスベクターではない。例えば、核酸は、プラスミド(例えばプラスミドDNA)またはRNA(例えばmRNA)であってよい。非限定的な例として、本開示の操作された核酸(例えばmRNAを含むRNA、またはDNA)は、送達のためにナノ粒子中で処方することができる。例えば、Dong et al., Nano Lett. 2016 Feb 10;16(2):842-8を参照。いくつかの態様において、ナノ粒子は、アセチル化されたガラクトースを含む。例えば、Lozano-Torres et al., J Am Chem Soc. 2017 Jul 5;139(26):8808-8811を参照。いくつかの態様において、操作された核酸(例えばmRNAを含むRNA、またはDNA)は、電気穿孔されるか、または細胞中にトランスフェクトされる。ある態様において、操作された核酸は、ネイキッド核酸(例えばネイキッドDNAまたはネイキッドRNA)として送達される。いくつかの態様において、ネイキッド核酸は、プラスミドDNAである。いくつかの態様において、核酸(例えば操作された核酸)は、リポソーム中で投与される。
【0230】
いくつかの態様において、変異体rtTA4をコードするか、および/またはTREプロモーター(例えば、TRE3G、P tight、またはTRE2プロモーター)に作動的に連結された導入遺伝子をコードする核酸(例えば操作された核酸)は、ウイルスベクターである。ウイルスベクターの非限定的な例として、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アルファウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、アデノウイルス(AAV)ベクターが挙げられる。
【0231】
ある態様において、核酸(例えば、変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする操作された核酸)は、ウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)中で投与される。ある態様において、TREプロモーター(例えばTRE3G、P tight、またはTRE2プロモーター)に作動的に連結された導入遺伝子を含む核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)は、ウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはAAV)中で投与される。
【0232】
TREプロモーター(例えば、TRE3G、P tight、またはTRE2プロモーター)からの発現を駆動するために、好適な量のテトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)を添加してもよい。添加されるべきテトラサイクリンの好適な量は、当業者により決定され得、医薬用賦形剤の型(ある場合には)、細胞の型、組織の型、または対象の任意の特徴(例えば体重、病歴、遺伝学など)を含む要因に依存し得る。
【0233】
いくつかの態様において、テトラサイクリンは、静脈内に、皮内に、動脈内に、病変内に、腫瘍内に、頭蓋内に、関節内に、前立腺内に、胸膜内に、鼻内に、硝子体内、膣内に、直腸内に、局所的に(topically)、腫瘍内に、筋肉内に、腹腔内に、皮下に、結膜下に、小胞内に、粘膜に、心膜内に、臍内に、眼内に、経口で、局所的に(topically)、局所的に(locally)、全身に、注射、注入、持続注入、局所灌流、標的細胞の直接浸漬、カテーテルを介して、クリーム中で、脂質組成物中で投与される。
【0234】
いくつかの態様において、変異体rtTA、および/またはTREプロモーターに作動的に連結された導入遺伝子をコードする組換えウイルスおよび/または発現ベクターは、全身投与される。いくつかの態様において、変異体rtTA、および/またはTREプロモーターに作動的に連結された導入遺伝子をコードする組換えウイルスおよび/または発現ベクターは、局所的に(locally)(例えば、眼、耳、鼻、歯茎および歯根を含む口、骨、肺、乳房(breast)、乳房(udder)、膵臓、胃、食道、心筋を含む筋肉、肝臓、血管、毛を含む皮膚、心臓、脳、神経組織、腎臓、精巣、前立腺、陰茎、排泄腔、ひれ、卵巣、または腸を含む目的の組織または器官に対して直接的に)投与される。
【0235】
いくつかの態様において、ウイルスおよび/または発現ベクターは、テトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)とともに投与される。いくつかの態様において、TREプロモーターを含むウイルスおよび/または発現ベクターは、テトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)とは別に投与される。例えば、本明細書において記載されるTREプロモーターを含むウイルスおよび/または発現ベクターのいずれかを、全身投与してもよく、テトラサイクリンを局所的に投与してもよい(例えば目的の器官または組織に)。いくつかの態様において、本明細書において記載されるTREプロモーターを含むウイルスおよび/または発現ベクターのいずれかを、局所的に(locally)(例えば、眼、耳、鼻、歯茎および歯根を含む口、骨、肺、乳房(breast)、乳房(udder)、膵臓、胃、食道、心筋を含む筋肉、肝臓、血管、毛を含む皮膚、心臓、脳、神経組織、腎臓、精巣、前立腺、陰茎、排泄腔、ひれ、卵巣、または腸を含む目的の組織または器官に対して直接的に)投与してもよく、テトラサイクリンおよび/または変異体rtTA(例えば変異体rtTAタンパク質または変異体rtTAをコードする核酸)を、全身投与してもよい。非限定的な例として、TREプロモーターを含むウイルスおよび/または発現ベクターを、対象の眼内に直接的に投与し(例えば注射し)、テトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)および/または変異体rtTA(例えば変異体rtTAタンパク質または変異体rtTAをコードする核酸)を、全身投与する(例えば丸剤として経口で)。いくつかの態様において、TREプロモーターを含む核酸(例えば操作された核酸)を、変異体rtTA(例えば変異体rtTAタンパク質または変異体rtTAをコードする核酸)と同じ経路において、対象に投与される。いくつかの態様において、TREプロモーターを含む核酸(例えば操作された核酸)を、変異体rtTA(例えば変異体rtTAタンパク質または変異体rtTAをコードする核酸)とは異なる経路において、対象に投与する。
【0236】
本開示のある態様において、方法は、テトラサイクリンの投与の後で、テトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)を、細胞、組織または対象から退薬させることをさらに含み、これは、導入遺伝子の発現を停止させることにおいて有用であり得る。テトラサイクリンは、テトラサイクリン投与の、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも24時間、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1か月、または少なくとも1年後に退薬させることができる。ある態様において、テトラサイクリンの退薬は、検出可能な導入遺伝子発現の減少(例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%の減少)をもたらす。例えば、導入遺伝子発現の減少は、テトラサイクリン退薬の、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも24時間、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1か月、または少なくとも1年後に検出可能であってよい。
【0237】
特定の理論により拘束されることなく、rtTA4における4つの変異(配列番号11における、G12、F67、R171、またはG72に対応する位置における変異、例えば、G12S、G72VまたはG72P、F67S、およびR171K)は、rtTA3(配列番号11)と比較して、より低い漏出をもたらす。なぜならば、当該変異は、テトラサイクリンの不在下において、プロモーターに対するrtTA4の結合アフィニティーを低下させるからである。いくつかの態様において、rtTA4(例えば配列番号13)による導入遺伝子発現の量は、テトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)の不在下において、rtTA3(例えば配列番号11)により検出される導入遺伝子発現の量よりも、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%少ない。特定の理論により拘束されることなく、rtTA4における4つの変異(配列番号11における、G12、F67、R171、またはG72に対応する位置における変異、例えば、G12S、G72VまたはG72P、F67S、およびR171K)は、rtTA3(配列番号11)と比較して、テトラサイクリン退薬に対して、より高い感受性をもたらす。なぜならば、当該変異は、テトラサイクリンに対するrtTAの結合アフィニティーを低下させるからである。いくつかの態様において、rtTA4(例えば配列番号13)による導入遺伝子発現の量は、所与の時間量について、テトラサイクリン(例えばドキシサイクリン)を退薬させた場合に、rtTA3(例えば配列番号11)による導入遺伝子発現の量と比較して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍または100倍速く低下する。
【0238】
変異体rtTA(例えばrtTA4)をコードする核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)、導入遺伝子(例えば、治療配列、遺伝子をターゲティングする核酸、および/またはタンパク質をコードする配列)に作動的に連結されたTREプロモーター(例えばTRE3G、TRE2またはP tightプロモーター)を含む核酸(例えば、発現ベクターを含む操作された核酸)、およびテトラサイクリンの投与は、細胞において、導入遺伝子の発現を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、少なくとも500%、少なくとも500%、少なくとも600%、少なくとも700%、少なくとも800%、少なくとも900%または少なくとも1,000%、増大させる。遺伝子発現は、酵素結合免疫吸着測アッセイ(ELISA)、ウェスタンブロット、およびRNAの定量(例えば逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)を含む慣用的な方法により決定することができる。
【0239】
本明細書において記載される医薬組成物は、それを必要とする対象に投与することができる。対象の非限定的な例として、任意の動物(例えばヒトを含む哺乳動物)が挙げられる。対象は、状態を有することが疑われるか、状態を有するリスクがあるものであってよい。例えば、状態は、傷害または疾患であってよく、当該状態は、任意の組織(例えば、耳、鼻、歯茎および歯根を含む口、骨、肺、乳房(breast)、乳房(udder)、膵臓、胃、食道、心筋を含む筋肉、肝臓、血管、毛を含む皮膚、心臓、脳、神経組織、腎臓、精巣、前立腺、陰茎、排泄腔、ひれ、卵巣、または腸)に影響を及ぼすものであってよい。状態、疾患および障害の非限定的な例として、急性の傷害、神経変性疾患、慢性疾患、増殖性疾患、心血管疾患、遺伝子疾患、炎症性疾患、自己免疫性疾患、神経性疾患、血液疾患、有痛の状態、精神障害、代謝障害、がん、加齢、加齢性疾患、および対象における任意の組織に影響を及ぼす疾患が挙げられる。いくつかの態様において、疾患は、眼の疾患である。
【0240】
ある態様において、状態は、加齢である。全ての動物は、典型的には、成長および成熟の期間に続く進行性かつ不可逆的な生理学的な衰えの期間を経験し、これは死において終了する。誕生から死までの時間の長さは、生物の寿命として知られ、各々の生物は、特徴的な平均寿命を有する。加齢は、時間の経過の根底にある変化の身体的な現れであり、平均寿命のパーセンテージとして測定される。
【0241】
いくつかの場合において、加齢の特徴は、非常に明白であり得る。例えば、年配のヒトの特徴として、皮膚のしわ、白髪化、禿頭、および白内障、ならびにメラニン増加症、骨粗鬆症、大脳皮質萎縮、リンパ系の欠乏、胸腺萎縮、II型糖尿病の発症率の増加、アテローム性動脈硬化、がん、および心疾患が挙げられる。Nehlin et al. (2000), Annals NY Acad Sci 980:176-79。哺乳動物の加齢の他の側面として、体重減少、脊柱前弯後弯(lordokyphosis)(せむし様脊椎)、精力の不在、リンパ系萎縮、骨密度減少、皮膚の肥厚化および皮下脂肪組織、ストレスを耐容する能力の低下(暑さまたは寒さ、創傷、麻酔、造血前駆細胞の消失を含む)、肝臓の病態、腸管柔毛の萎縮、皮膚潰瘍、アミロイド沈着、および関節症が挙げられる。Tyner et al. (2002), Nature 415:45-53。
【0242】
当業者は、加齢のプロセスが、細胞レベルにおいて、ならびにミトコンドリアにおいて現れることを認識するであろう。細胞の加齢は、倍加能力の喪失、アポトーシスのレベルの増大、分化した表現型における変化、および代謝における変化、例えば、タンパク質の合成およびターンオーバーのレベルの低下において現れる。
【0243】
細胞および生物の加齢のプログラムされた性質を考慮して、細胞または生物の「生物学的年齢」を、加齢に相関する表現型の特徴により評価することが可能である。例えば、生物学的年齢は、遺伝子発現のパターン、ストレスに対する耐性(例えば酸化または遺伝毒性ストレス)、細胞増殖の速度、ならびに細胞の代謝的特徴(例えば、タンパク質の合成およびターンオーバーの速度、ミトコンドリアの機能、ユビキノン生合成、コレステロール生合成、細胞内のATPレベル、細胞内のクレブス回路中間体のレベル、グルコース代謝、核酸代謝、リボソーム翻訳の速度など)から推論することができる。本明細書において用いられる場合、「生物学的年齢」とは、細胞または生物の分子的特徴に基づいた、細胞または生物の年齢の尺度である。生物学的年齢は、細胞または生物の年齢を、日数、月数および年数により測定したものを指す「時間的年齢」とは区別し得る。
【0244】
生物、例えば無脊椎動物(例えば虫(worm)もしくはハエ)または脊椎動物(例えばげっ歯類、例えばマウス)の加齢の速度は、多様な方法、例えば以下のうちの1つ以上により決定することができる:
a)細胞または生物の寿命を評価すること;(b)細胞または生物における、生物学的年齢依存的発現パターンを有する遺伝子トランスクリプトまたは遺伝子生成物の存在または不在を評価すること;(c)ストレス、例えば、遺伝毒性ストレス(例えばエトポシド、UV照射、変異原への暴露など)または酸化ストレスに対する、細胞または生物の耐性を評価すること;(d)細胞または生物の1つ以上の代謝パラメーターを評価すること;(e)細胞または生物中に存在する細胞のセットの増殖能力を評価すること;ならびにf)細胞または生物の物理的な外見または挙動を評価すること。一例において、加齢の速度を評価することは、動物の群(例えば遺伝的に一致する動物の群)の平均寿命を直接的に測定すること、および結果として生じた平均を、動物の対照群(例えば、試験化合物を投与されていないが、試験化合物を投与された動物の群と遺伝的に一致する動物の群)の平均寿命と比較することを含む。あるいは、生物の加齢の速度は、年齢関連パラメーターを測定することにより決定することができる。年齢関連パラメーターの例として、以下が挙げられる:外見、例えば、目視可能な年齢の徴候;1つ以上の遺伝子またはタンパク質(例えば、年齢に関連した発現パターンを有する遺伝子またはタンパク質)の発現;酸化ストレスへの耐性;代謝パラメーター(例えばタンパク質の合成または分解、ユビキノン生合成、コレステロール生合成、ATPレベル、グルコース代謝、核酸代謝、リボソーム翻訳の速度など);および細胞増殖(例えば、網膜細胞、骨細胞、白血球細胞などのもの)。
【0245】
方法は、神経変性および関連する末梢神経障害を予防または軽減するために用いることができる。神経変性疾患として、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病および筋ジストロフィーが挙げられる。神経変性は、当該分野において公知の任意の方法を用いて定量することができる。例えば、個体の実行機能を決定することができる(Moreira et al., Front Aging Neurosci. 2017 Nov 9;9:369)。
【0246】
さらなる年齢に関連する状態であって処置することができるとして、心不全、脳卒中、糖尿病、骨粗鬆症、関節炎、難聴(部分的または完全)、眼に関連する状態(例えば弱視(poor eye sight)または網膜症)、緑内障およびがんが挙げられる。ある態様において、疾患は、網膜症(例えば黄斑変性)である。状態は、網膜症、がん、加齢、年齢に関連する疾患、傷害、または神経変性疾患であってよい。ある態様において、細胞または組織は、眼、耳、鼻、歯茎および歯根を含む口、骨、肺、乳房(breast)、乳房(udder)、膵臓、胃、食道、心筋を含む筋肉、肝臓、血管、毛を含む皮膚、心臓、脳、神経組織、腎臓、精巣、前立腺、陰茎、排泄腔、ひれ、卵巣、または腸からのものである。ある態様において、組織は、損傷を受けている(例えば、傷害、事故もしくは医原性傷害に起因するもの)か、および/または老化した組織である。ある態様において、組織は、健康であるが、現在のまたは将来的な条件(例えば、農業において、または毒性の治療、日光への暴露もしくは地球の大気の外側への旅行を含む有害な条件)における性能または生存について最適以下であるとみなされ得る。
【0247】
例えば、状態は、傷害または疾患であってよく、当該状態は、任意の組織(例えば眼、耳、骨、肺、胸部、膵臓、筋肉、心臓、肝臓、皮膚、脳、神経組織または腸)に影響を及ぼすものであってよい。状態、疾患および障害の非限定的な例として、急性の傷害、神経変性疾患、慢性疾患、がん、加齢、年齢に関連する疾患、および対象における任意の組織に影響を及ぼす疾患が挙げられる。
【0248】
いくつかの態様において、変異体rtTA4、rtTA4をコードする核酸(例えば操作された核酸)、導入遺伝子配列に作動的に連結されたTREプロモーターを含む核酸、組換えウイルス、および/または組換え細胞のうちのいずれかを、非ヒト対象(例えば、家畜、飼育されるペット、および/または他の非ヒト動物)に影響を及ぼす疾患を処置するために用いてもよい。例えば、疾患は、ウシ疾患、霊長類(例えばカニクイザル、アカゲザル)の疾患、商業に関連する動物(ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/もしくはイヌなど)に影響を及ぼす疾患、ならびに/または鳥類(例えば商業に関連する鳥類、例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウおよび/もしくはシチメンチョウ)に影響を及ぼす疾患であってよい。例えば、変異体rtTA4、rtTA4をコードする核酸(例えば操作された核酸)、導入遺伝子配列に作動的に連結されたTREプロモーターを含む核酸、組換えウイルス、および/または本明細書において記載される組換え細胞のうちのいずれかを、創傷治癒を促進するため、傷害(例えば、骨折、出血、銃創傷害、および/または外科手術の間の瘢痕の軽減)を処置するために用いてもよい。いくつかの態様において、外科手術は、帝王切開を含む。
【0249】
状態を有することが疑われる対象を同定するための方法は、理学的検査、対象の家族病歴、対象の病歴、生検、遺伝子検査、または超音波検査、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像法、磁気共鳴分光法もしくはポジトロン断層撮影などの多数のイメージング技術を含んでもよい。
【0250】
核酸(例えば発現ベクターを含む操作された核酸)、ウイルス(例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、もしくはAAV)またはその組成物の有効量は、当業者により理解されるとおり、投与の経路、賦形剤の使用、および他の活性剤の共使用に依存して変化する。投与されるべき量は、処置されるべき対象に依存し、これは、例えば、対象の年齢、状態の重さ、対象の体重、対象の遺伝学、処置されるべき細胞、組織もしくは臓器、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0251】
本明細書において開示される変異体rtTAを用いて、1つ以上の導入遺伝子(例えば、治療配列、遺伝子をターゲティングする核酸、および/またはタンパク質をコードする配列)の発現は、細胞の再プログラミング、組織修復、組織再生、臓器再生、加齢の逆転、感染症、疾患の予防、疾患の処置、またはそれらの任意の組み合わせをもたらし得る。細胞の再プログラミングは、細胞の分化の程度を決定することにより(例えば1つ以上の系統マーカーまたはOCT4、KLF4、SOX2、NANOG、ESRRB、NR4A2およびC/EBPαを含む多能性マーカーの発現を決定することにより)決定することができる。細胞の分化能力もまた、慣用的な分化アッセイを用いて決定することができる。組織修復は、組織置換および組織再生のアッセイにより決定することができる。例えば、組織置換アッセイとして、創傷治癒アッセイが挙げられる。組織再生は、導入遺伝子発現(例えば、OCT4、KLF4およびSOX2を含む1つ以上の転写因子の発現)の後で、導入遺伝子の発現の前と比較して、特定の細胞型を定量することにより決定することができる。いくつかの例において、本明細書において記載される方法は、臓器の再生を促進する。
【0252】
本発明のこれらのおよび他の側面は、以下の例の考察により、さらに理解されるであろう。以下の例は、本発明のある具体的な態様を説明することを意図されるが、請求の範囲により定義されるその範囲を限定することは意図されない。
【0253】
一般的技術
本開示の実施は、別段に示されない限り、分子生物学(組換え技術を含む)微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来の技術を使用し、これらは、当該分野における技術の範囲内である。Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版(Sambrookら、1989)Cold Spring Harbor Press;Oligonucleotide Synthesis(M. J. Gait編、1984);Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook(J. E. Cellis編、1998)Academic Press; Animal Cell Culture(R. I. Freshney編、1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J. P. MatherおよびP. E. Roberts、1998)Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures(A. Doyle、J. B. GriffithsおよびD. G. Newell編、1993-8)J. Wiley and Sons; Methods in Enzymology(Academic Press, Inc.);Handbook of Experimental Immunology(D. M. WeirおよびC. C. Blackwell編);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J. M. MillerおよびM. P. Calos編、1987);Current Protocols in Molecular Biology(F. M. Ausubelら編、1987);PCR: The Polymerase Chain Reaction(Mullisら編、1994);Current Protocols in Immunology(J. E. Coliganら編、1991);Short Protocols in Molecular Biology(WileyおよびSons、1999);Immunobiology(C. A. Janeway and P. Travers, 1997);Antibodies(P. Finch, 1997);Antibodies: a practical approach(D. Catty.編、IRL Press, 1988-1989);Monoclonal antibodies: a practical approach(P. ShepherdおよびC. Dean編、Oxford University Press, 2000);Using antibodies: a laboratory manual(E. HarlowおよびD. Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999);The Antibodies(M. ZanettiおよびJ. D. Capra編、Harwood Academic Publishers, 1995)。さらなる詳細がなくとも、当業者は、上記に基づいて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。以下の具体的な態様は、したがって、単に説明的なものであると解釈されるべきであり、決して本開示の残りの限定要因として解釈されるべきではない。本明細書において引用される全ての刊行物は、本明細書において言及される目的または主題のために、参考として援用される。
【0254】
本発明のこれらのおよび他の側面は、以下の例の考察により、さらに理解されるであろう。以下の例は、本発明のある具体的な態様を説明することを意図されるが、請求の範囲により定義されるその範囲を限定することは意図されない。
【0255】

本開示がさらに完全に理解され得るために、以下の例を記載する。本願において記載される合成および生物学的な例は、本明細書において提供される化合物、医薬組成物および方法を説明するために提供され、決してそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0256】
例1:低漏出を有する変異体リバーステトラサイクリントランスアクチベーター(rtTA)の開発およびin vitroでのTet-On系におけるドキシサイクリン退薬に伴う反応時間の改善。
変異体リバーステトラサイクリントランスアクチベーター(rtTA)は、慣用的なクローニング技術を用いて操作した。例示的な変異体rtTA(rtTA4)は、rtTA3(配列番号11)と比較して、4つの変異(G12S、F67S、G72VおよびR171K)を含む。rtTA3(配列番号11)の位置G12、F67、G72およびR171において4つの変異を含むrtTAを、本明細書においてrtTA4として言及する。rtTA4(配列番号13)は、3つのVP16トランス活性化ドメインを含み、一方、rtTA3(配列番号11)は、2つのVP16トランス活性化ドメインを含む。
【0257】
rtTA4(配列番号13)をコードする核酸配列(配列番号12)を、慣用的な方法を用いてAAVベクター中にクローニングした。pAAV-UBC-rtTA4-WPRE3-SV40pA(配列番号17)ベクターを、図1図2A~2Mおよび図3において表す。図1は、rtTA4をコードするAAVベクターの特徴を示すベクターマップである。UBCは、rtTA4をコードする核酸に作動的に連結した構成的プロモーターである。SV40pAは、SV40由来のターミネーター配列である。図2A~2Mは、図1において示される特徴を、rtTA4をコードするベクターの核酸配列上にマッピングする、一連の模式図を含む。図3は、図2A~2Mにおいて表される各々の特徴の位置およびサイズを示す。
【0258】
pAAV-UBC-rtTA4-WPRE3-SV40pAベクター(配列番号17)は、rtTA4をコードする核酸配列(配列番号12)に作動的に連結されたUBCプロモーターをコードする配列に隣接する、2つの逆位末端反復配列(ITR)を含む。AAVベクターは、WPRE3配列(配列番号21)およびSV40ターミネーター配列(配列番号8)をさらに含む。制限酵素消化部位の位置を、下の表2において示す。
表2.pAAV-UBC-rtTA4-WPRE3-SV40pA(配列番号17)における制限酵素消化部位。
【表2】
【0259】
図4A~4Bにおいて示されるとおり、rtTA3(配列番号11)は、漏出性であり、ドキシサイクリンの不在下においてすら、テトラサイクリン誘導性プロモーターに作動的に連結された導入遺伝子の発現を誘導した。rtTA3をコードする核酸配列を、配列番号10として提供する。図4Aは、本実験において用いられた2つの核酸を表す模式図である。1つの核酸は、(1)rtTA4(配列番号13)をコードする核酸(配列番号12)、(2)2Aペプチドをコードする核酸、および(3)mKate(遠赤蛍光タンパク質)をコードする核酸に作動的に連結された、UBCプロモーターをコードしていた。mKateの発現は、rtTA3発現の読み出しとして用いた(図4B)。第2の核酸は、TRE3G(配列番号7)プロモーターの制御下においてGFPをコードしていた。GFPは、図4Aにおいて示されるとおり、ドキシサイクリン(DOX)の存在下においてのみ発現すべきである。
【0260】
次に、図4Aにおいて示されるベクターを、in vivoで試験した。図4Aの上の部分において表されるUBC-rtTA3ベクターを保有するAAV、および図4Bの下の部分において表されるTRE3G-GFPプロモーターを保有するAAVを、マウスに投与した。AAV投与なしを、対照として用いた。マウスは、ドキシサイクリン(DOX)なしで、またはDOXありで処置した。肝臓の試料を、次いで、関連する抗体を用いてウェスタンブロットを用いて分析し、mKate発現(rtTA3発現の読み出し)、GFP発現およびアクチン発現を決定した。図4Bにおいて示されるとおり、ドキシサイクリンの不在下においてすら、GFP発現が検出された。したがって、rtTA3は、in vivoで漏出性である。
【0261】
rtTA4がrtTA3と比較して、より漏出性でなく、ドキシサイクリンに対して感受性がより高いか否かを決定するために、Tet-Onルシフェラーゼレポーター系を用いた。図5Aは、本実験において用いられた核酸のうちの2つの模式的表現である。第1の核酸は、rtTAの発現を駆動するプロモーターを含む(図5A、上)。rtTA4を図5Aにおいて表すが、rtTA3を試験するために用いたTet-Onルシフェラーゼレポーター系においては、rtTA4をrtTA3により置換した。第2の核酸(TRE3G-Luc)は、ルシフェラーゼ(luc)をコードする核酸配列に作動的に連結されたTRE3Gプロモーターを含む(図5A、下)。rtTA4またはrtTA3をコードするTet-Onレポーター系を、ベクター単独とともに、293T細胞に導入し、細胞を、漸増濃度のドキシサイクリンで処置した。発光/タンパク質を測定することにより、ルシフェラーゼ発現を決定した。図5Bにおいて示すとおり、ドキシサイクリンのレベルが低い場合に、発光/タンパク質のレベルは低かった(0.01~1ng/ml)。それらの低いドキシサイクリンのレベルにおけるrtTA4による発光/タンパク質のレベルは、任意のrtTAの不在下におけるベースラインレベルと同じであった(ベースラインは、図5Bにおいて点線により示される)。Tet-On系において、rtTA4を用いた場合、ドキシサイクリンのレベルが増大するにつれて、発光/タンパク質のレベルが増大した。(図5B)。対照的に、rtTA3を用いた場合、低いドキシサイクリンのレベル(例えば0.01~1ng/mlのDOX)においてすら、発光/タンパク質のレベルはベースラインよりも著しく高かった。これらの結果は、rtTA4が、rtTA3よりも漏出性でない(ドキシサイクリンの不在下において検出可能な導入遺伝子の発現を誘導しない)が、漸増濃度のドキシサイクリンの存在下においては導入遺伝子の発現を誘導することができることを示唆する。
【0262】
rtTA4およびrtTA3のドキシサイクリン退薬に対する感受性を比較するために、図5Aにおいて表されるものと類似のTet-Onルシフェラーゼレポーター系を用いた。図6Aにおいて示される結果について、TRE3G-lucベクター、およびデスミンプロモーターの制御下においてrtTA3をコードするベクターを、293T細胞中に導入した。細胞に、空のベクターまたはTRE3G-lucベクターのみを対照として投与した。TRE3G-lucベクターおよびデスミンプロモーター下においてrtTA3をコードするベクターの両方を保有する細胞を、(1)ドキシサイクリンなし(-DOX)、(2)ドキシサイクリンあり(+DOX)、または(3)ドキシサイクリンありで、その後ドキシサイクリンを退薬させて(+-DOX)処置した。図6Aにおいて示されるとおり、処置(3)により検出された発光/タンパク質のレベルは、処置(1)による発光/タンパク質のレベルよりも著しく高かった。これらの結果は、rtTA3が漏出性であることを示唆する。対照的に、図6Bにおいて示されるとおり、同じ実験を、rtTA4を用いて行った場合に、ドキシサイクリン退薬は、検出される発光/タンパク質の量を、ドキシサイクリンを投与されたことがない細胞において検出されたレベルに匹敵するレベルまで、著しく減少させた。したがって、rtTA4は、rtTA3と比較して、ドキシサイクリン退薬に対して、より応答性である。
【0263】
ドキシサイクリン退薬がrtTA4による導入遺伝子の発現を遮断するために必要とされる時間の長さをrtTA3と比較するために、TRE3G-lucベクターおよびrtTAタンパク質のうちの一方をコードするベクターを含むTet-Onルシフェラーゼレポーター系を、293T細胞中に導入した。TRE3G-lucベクターを、細胞中に、単独で対照として導入した。任意のドキシサイクリン処置の不在(-DOX)下における発光/タンパク質のレベルもまた、rtTA3について、およびrtTA4系について決定した(図6C)。rtTA3 Tet-On系またはrtTA4 Tet-On系のいずれかを有する細胞を、その後、ドキシサイクリンで処置するか(+DOX)、またはドキシサイクリンで処置し、その後、示される通りの時間の数にわたりドキシサイクリンを退薬させた(+-)(図6C)。rtTA4は、rtTA3よりも早く導入遺伝子発現を遮断することができた(図6C)。図6A~6Cにおいて示されるとおり、rtTA4は、デスミンプロモーターおよびUbcプロモーターのいずれを用いた場合にも、rtTA3よりも4~12倍速く遮断する。
【0264】
rtTA4を、哺乳動物293T細胞において、Tet-On系においてさらに試験した。TRE3G-GFP-SV40pA AAVベクター、および(1)UBCプロモーターに作動的に連結されたrtTA3をコードする配列、(2)UBCプロモーターに作動的に連結されたrtTA4をコードする配列、または(3)デスミンプロモーターに作動的に連結されたrtTA4をコードする配列を有する第2のAAVベクターを、293T細胞中に導入した(図7)。細胞を、次いで、ドキシサイクリンの不在下において(-DOX)、ドキシサイクリン(+DOX)の存在下において処置するか、またはDOXの存在下において処置し(+DOX)、その後ドキシサイクリンを退薬させた(-DOX)。図7において示されるとおり、rtTA3は、ドキシサイクリンの不在下においてすらGFP発現を誘導したが、rtTA4はしなかった。さらに、ドキシサイクリン処置の1日後における7日間にわたるDOXの除去は、UBC-rtTA4系において、UBC-rtTA3系と比較して、より低いGFP発現をもたらした。したがって、rtTA4をコードするAAVベクターを含むTet-On系は、哺乳動物細胞において導入遺伝子発現を首尾よく誘導し、rtTA3を用いた場合の同じ系と比較して、低い漏出を有し、ドキシサイクリン除去の後で、導入遺伝子発現のより迅速な阻害を示した。
【0265】
例2:変異体リバーステトラサイクリントランスアクチベーター(rtTA)をコードするAAVベクターは、マウスの肝臓において低い漏出を示した。
rtTA4(配列番号13)を含むTet-On系をまた、組換えAAV9ウイルスを用いてin vivoで試験した。図8Bにおいて示される構成成分を含む2つのAAVベクターを用いた。UBCプロモーターに作動的に連結されたrtTA4をコードするAAVウイルス(pAAV-UBC-rtTA4-WPRE3-SV40pAベクターを配列番号17として提供する)および、図9において表されるベクターマップを有する、AAV TRE3G-OSK-SV40pAベクターをコードするAAVウイルス(配列番号16)をマウスに投与した。マウスを、ドキシサイクリンなしで、またはドキシサイクリンありであ処置し、肝臓の試料を回収した。図8Aの免疫蛍光画像において示されるとおり、ドキシサイクリンの不在下において、KLF4発現は、肝臓において検出可能ではなかった。マウスをそれらの飲用水を通してドキシサイクリンで処置した場合、肝臓においてKLF4発現が検出された(図8A)。これらの結果はまた、OCT4、KLF4およびSOX2に対する抗体を用いたこれらのタンパク質の発現を検出するためのウェスタンブロットによっても明らかであった(図8C)。ローディング対照としてアクチンを用いた(図8C)。OCT4、KLF4およびSOX2は、ドキシサイクリンで処置された場合にのみ、肝臓において検出された(図8C)。
【0266】
例3:テトラサイクリンリプレッサーおよびrtTA4を組み合わせるTet-On系の開発。
rtTAのTREオペレーターへのバックグラウンド結合をさらに軽減するために、DOXの不在下において、本発明者らは、rtTAおよびtetR(tetRKRAB)の二重に保証された系を開発した(図10)。tetRまたはtetRKRABは、DOXの不在下においてTREオペレーターに結合して、rtTAの結合を防止してTREの活性を抑制することができる。DOXを系中に加える場合、tetRまたはtetRKRABは、TREエレメントを離れて、それをrtTAの結合に曝し、TREの下流の遺伝子の発現を活性化する。このrtTA-IRES-tetRKRABまたはrtTA-IRES-tetRをUBC、CAGまたは組織特異的プロモーターのような持続発現プロモーター下に置くことにより、動物全体または特定の組織において、タンパク質発現の厳格な制御を達成することができた。
【0267】
例4.in vivoで遺伝子発現を制御するためのrtTA4の使用。
rtTA4系がin vivoで機能し得るか否かを決定するために、2つのAAV(UBC-rtTA4およびTRE-LucまたはTRE-OSK)を、後眼窩注射を通してマウスに送達した。5か月齢のC57BL/6Jマウスに、rtTA4およびTRE-OSK AAV9を感染させた。DOX処置の不在下において、TREプロモーターからの発現は検出されなかった(図15A)。しかし、DOX処置により肝臓および膵臓のような組織において強力な発現が検出され、誘導されたレベルは、トランスジェニックマウスのものに匹敵するものであった(図15A)。驚くべきことに、1年間にわたるOSKの持続的誘導は、1年間あまりにわたり、識別し得る負の影響を有しなかった(図14および図15B)。特定の理論により拘束されることなく、腸における高レベルの発現が回避され、それによりAbad et al., Nature 502, 340-345, doi:10.1038/nature12586 (2013)を含む他の研究において観察された異形成および体重減少が回避されたがために、マウスに対して識別し得る負の影響は表面上には存在しなかった(図15C~15E)。したがって、rtTA4系は、in vivoでの遺伝子発現の空間的および時間的制御を可能にする。
【0268】
方法
マウス系統
C57BL6/J野生型マウスを、視神経挫傷および緑内障モデル実験のために、Jackson Laboratory(000664)から購入した。加齢実験のために、NIA Aged Rodent Colonies(https://www.nia.nih.gov/research/dab/aged- rodent-colonies-handbook)からのメスを用いた。Col1a1-tetOP-OKS-mCherry/ Rosa26-M2rtTAアレルは、Bar-Nur et al., Nat Methods, 2014. 11(11): p. 1170-6において記載される。全ての動物作業は、Harvard Medical School、Boston Children’s Hospital、Mass Eye and Ear Institutionの実験動物委員会により承認された。
【0269】
AAVの生成
マウスOct4、Sox2およびKlf4のcDNAを、Tet応答エレメント(TRE3Gプロモーター)およびSV40エレメントからなるAAVプラスミド中にクローニングすることにより、AAV-TRE-OSKのベクターを作製した。他方のベクターは、直接的に化学的に合成した。表6において列記されるとおりの全てのpAAVを、次いで血清型2/2または2/9のAAV中にパッケージングした(力価:>5×1012ゲノムコピー/ミリリットル)。アデノ随伴ウイルスは、Boston Children's Hospital Viral Coreにより生成された。
【0270】
AAV9の内臓への全身送達
AAV9の後眼窩注射(31011のTRE-OSKプラス71011UBC-rtTA4)を通して、内臓における発現を達成した。1mg/mLのドキシサイクリンを、注射後3週間、持続的に処置し、OSK発現を誘導した。
【0271】
例5.配列の非限定的な例。
OCT4をコードするヌクレオチド配列(停止コドンなし):(配列番号1):
ATGGCTGGACACCTGGCTTCAGACTTCGCCTTCTCACCCCCACCAGGTGGGGGTGATGGGTCAGCAGGGCTGGAGCCGGGCTGGGTGGATCCTCGAACCTGGCTAAGCTTCCAAGGGCCTCCAGGTGGGCCTGGAATCGGACCAGGCTCAGAGGTATTGGGGATCTCCCCATGTCCGCCCGCATACGAGTTCTGCGGAGGGATGGCATACTGTGGACCTCAGGTTGGACTGGGCCTAGTCCCCCAAGTTGGCGTGGAGACTTTGCAGCCTGAGGGCCAGGCAGGAGCACGAGTGGAAAGCAACTCAGAGGGAACCTCCTCTGAGCCCTGTGCCGACCGCCCCAATGCCGTGAAGTTGGAGAAGGTGGAACCAACTCCCGAGGAGTCCCAGGACATGAAAGCCCTGCAGAAGGAGCTAGAACAGTTTGCCAAGCTGCTGAAGCAGAAGAGGATCACCTTGGGGTACACCCAGGCCGACGTGGGGCTCACCCTGGGCGTTCTCTTTGGAAAGGTGTTCAGCCAGACCACCATCTGTCGCTTCGAGGCCTTGCAGCTCAGCCTTAAGAACATGTGTAAGCTGCGGCCCCTGCTGGAGAAGTGGGTGGAGGAAGCCGACAACAATGAGAACCTTCAGGAGATATGCAAATCGGAGACCCTGGTGCAGGCCCGGAAGAGAAAGCGAACTAGCATTGAGAACCGTGTGAGGTGGAGTCTGGAGACCATGTTTCTGAAGTGCCCGAAGCCCTCCCTACAGCAGATCACTCACATCGCCAATCAGCTTGGGCTAGAGAAGGATGTGGTTCGAGTATGGTTCTGTAACCGGCGCCAGAAGGGCAAAAGATCAAGTATTGAGTATTCCCAACGAGAAGAGTATGAGGCTACAGGGACACCTTTCCCAGGGGGGGCTGTATCCTTTCCTCTGCCCCCAGGTCCCCACTTTGGCACCCCAGGCTATGGAAGCCCCCACTTCACCACACTCTACTCAGTCCCTTTTCCTGAGGGCGAGGCCTTTCCCTCTGTTCCCGTCACTGCTCTGGGCTCTCCCATGCATTCAAAC
【0272】
OCT4をコードするアミノ酸配列:(配列番号2):
MAGHLASDFAFSPPPGGGDGSAGLEPGWVDPRTWLSFQGPPGGPGIGPGSEVLGISPCPPAYEFCGGMAYCGPQVGLGLVPQVGVETLQPEGQAGARVESNSEGTSSEPCADRPNAVKLEKVEPTPEESQDMKALQKELEQFAKLLKQKRITLGYTQADVGLTLGVLFGKVFSQTTICRFEALQLSLKNMCKLRPLLEKWVEEADNNENLQEICKSETLVQARKRKRTSIENRVRWSLETMFLKCPKPSLQQITHIANQLGLEKDVVRVWFCNRRQKGKRSSIEYSQREEYEATGTPFPGGAVSFPLPPGPHFGTPGYGSPHFTTLYSVPFPEGEAFPSVPVTALGSPMHSN
【0273】
SOX2をコードするヌクレオチド配列(停止コドンなし):(配列番号3):
ATGTATAACATGATGGAGACGGAGCTGAAGCCGCCGGGCCCGCAGCAAGCTTCGGGGGGCGGCGGCGGAGGAGGCAACGCCACGGCGGCGGCGACCGGCGGCAACCAGAAGAACAGCCCGGACCGCGTCAAGAGGCCCATGAACGCCTTCATGGTATGGTCCCGGGGGCAGCGGCGTAAGATGGCCCAGGAGAACCCCAAGATGCACAACTCGGAGATCAGCAAGCGCCTGGGCGCGGAGTGGAAACTTTTGTCCGAGACCGAGAAGCGGCCGTTCATCGACGAGGCCAAGCGGCTGCGCGCTCTGCACATGAAGGAGCACCCGGATTATAAATACCGGCCGCGGCGGAAAACCAAGACGCTCATGAAGAAGGATAAGTACACGCTTCCCGGAGGCTTGCTGGCCCCCGGCGGGAACAGCATGGCGAGCGGGGTTGGGGTGGGCGCCGGCCTGGGTGCGGGCGTGAACCAGCGCATGGACAGCTACGCGCACATGAACGGCTGGAGCAACGGCAGCTACAGCATGATGCAGGAGCAGCTGGGCTACCCGCAGCACCCGGGCCTCAACGCTCACGGCGCGGCACAGATGCAACCGATGCACCGCTACGACGTCAGCGCCCTGCAGTACAACTCCATGACCAGCTCGCAGACCTACATGAACGGCTCGCCCACCTACAGCATGTCCTACTCGCAGCAGGGCACCCCCGGTATGGCGCTGGGCTCCATGGGCTCTGTGGTCAAGTCCGAGGCCAGCTCCAGCCCCCCCGTGGTTACCTCTTCCTCCCACTCCAGGGCGCCCTGCCAGGCCGGGGACCTCCGGGACATGATCAGCATGTACCTCCCCGGCGCCGAGGTGCCGGAGCCCGCTGCGCCCAGTAGACTGCACATGGCCCAGCACTACCAGAGCGGCCCGGTGCCCGGCACGGCCATTAACGGCACACTGCCCCTGTCGCACATG
【0274】
SOX2をコードするアミノ酸配列(翻訳されたもの):(配列番号4)
MYNMMETELKPPGPQQASGGGGGGGNATAAATGGNQKNSPDRVKRPMNAFMVWSRGQRRKMAQENPKMHNSEISKRLGAEWKLLSETEKRPFIDEAKRLRALHMKEHPDYKYRPRRKTKTLMKKDKYTLPGGLLAPGGNSMASGVGVGAGLGAGVNQRMDSYAHMNGWSNGSYSMMQEQLGYPQHPGLNAHGAAQMQPMHRYDVSALQYNSMTSSQTYMNGSPTYSMSYSQQGTPGMALGSMGSVVKSEASSSPPVVTSSSHSRAPCQAGDLRDMISMYLPGAEVPEPAAPSRLHMAQHYQSGPVPGTAINGTLPLSHM
【0275】
KLF4をコードするヌクレオチド配列(停止コドンなし):(配列番号5):
ATGAGGCAGCCACCTGGCGAGTCTGACATGGCTGTCAGCGACGCTCTGCTCCCGTCCTTCTCCACGTTCGCGTCCGGCCCGGCGGGAAGGGAGAAGACACTGCGTCCAGCAGGTGCCCCGACTAACCGTTGGCGTGAGGAACTCTCTCACATGAAGCGACTTCCCCCACTTCCCGGCCGCCCCTACGACCTGGCGGCGACGGTGGCCACAGACCTGGAGAGTGGCGGAGCTGGTGCAGCTTGCAGCAGTAACAACCCGGCCCTCCTAGCCCGGAGGGAGACCGAGGAGTTCAACGACCTCCTGGACCTAGACTTTATCCTTTCCAACTCGCTAACCCACCAGGAATCGGTGGCCGCCACCGTGACCACCTCGGCGTCAGCTTCATCCTCGTCTTCCCCAGCGAGCAGCGGCCCTGCCAGCGCGCCCTCCACCTGCAGCTTCAGCTATCCGATCCGGGCCGGGGGTGACCCGGGCGTGGCTGCCAGCAACACAGGTGGAGGGCTCCTCTACAGCCGAGAATCTGCGCCACCTCCCACGGCCCCCTTCAACCTGGCGGACATCAATGACGTGAGCCCCTCGGGCGGCTTCGTGGCTGAGCTCCTGCGGCCGGAGTTGGACCCAGTATACATTCCGCCACAGCAGCCTCAGCCGCCAGGTGGCGGGCTGATGGGCAAGTTTGTGCTGAAGGCGTCTCTGACCACCCCTGGCAGCGAGTACAGCAGCCCTTCGGTCATCAGTGTTAGCAAAGGAAGCCCAGACGGCAGCCACCCCGTGGTAGTGGCGCCCTACAGCGGTGGCCCGCCGCGCATGTGCCCCAAGATTAAGCAAGAGGCGGTCCCGTCCTGCACGGTCAGCCGGTCCCTAGAGGCCCATTTGAGCGCTGGACCCCAGCTCAGCAACGGCCACCGGCCCAACACACACGACTTCCCCCTGGGGCGGCAGCTCCCCACCAGGACTACCCCTACACTGAGTCCCGAGGAACTGCTGAACAGCAGGGACTGTCACCCTGGCCTGCCTCTTCCCCCAGGATTCCATCCCCATCCGGGGCCCAACTACCCTCCTTTCCTGCCAGACCAGATGCAGTCACAAGTCCCCTCTCTCCATTATCAAGAGCTCATGCCACCGGGTTCCTGCCTGCCAGAGGAGCCCAAGCCAAAGAGGGGAAGAAGGTCGTGGCCCCGGAAAAGAACAGCCACCCACACTTGTGACTATGCAGGCTGTGGCAAAACCTATACCAAGAGTTCTCATCTCAAGGCACACCTGCGAACTCACACAGGCGAGAAACCTTACCACTGTGACTGGGACGGCTGTGGGTGGAAATTCGCCCGCTCCGATGAACTGACCAGGCACTACCGCAAACACACAGGGCACCGGCCCTTTCAGTGCCAGAAGTGCGACAGGGCCTTTTCCAGGTCGGACCACCTTGCCTTACACATGAAGAGGCAC
【0276】
KLF4をコードするアミノ酸配列(翻訳されたもの):(配列番号6):
MRQPPGESDMAVSDALLPSFSTFASGPAGREKTLRPAGAPTNRWREELSHMKRLPPLPGRPYDLAATVATDLESGGAGAACSSNNPALLARRETEEFNDLLDLDFILSNSLTHQESVAATVTTSASASSSSSPASSGPASAPSTCSFSYPIRAGGDPGVAASNTGGGLLYSRESAPPPTAPFNLADINDVSPSGGFVAELLRPELDPVYIPPQQPQPPGGGLMGKFVLKASLTTPGSEYSSPSVISVSKGSPDGSHPVVVAPYSGGPPRMCPKIKQEAVPSCTVSRSLEAHLSAGPQLSNGHRPNTHDFPLGRQLPTRTTPTLSPEELLNSRDCHPGLPLPPGFHPHPGPNYPPFLPDQMQSQVPSLHYQELMPPGSCLPEEPKPKRGRRSWPRKRTATHTCDYAGCGKTYTKSSHLKAHLRTHTGEKPYHCDWDGCGWKFARSDELTRHYRKHTGHRPFQCQKCDRAFSRSDHLALHMKRH
【0277】
TRE3Gプロモーター配列(TREプロモーターの非限定的な例):(配列番号7):
TTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGAAGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGCAGACTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATAAGGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGACCAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATCTACAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATATCCAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATAAGCTTTAGGCGTGTACGGTGGGCGCCTATAAAAGCAGAGCTCGTTTAGTGAACCGTCAGATCGCCTGGAGCAATTCCACAACACTTTTGTCTTATACCAACTTTCCGTACCACTTCCTACCCTCGTAAA
【0278】
SV40由来のターミネーター配列:(配列番号8):
TGCGCGCAGCGGCCGACCATGGCCCAACTTGTTTATTGCAGCTTATAATGGTTACAAATAAAGCAATAGCATCACAAATTTCACAAATAAAGCATTTTTTTCACTGCATTCTAGTTGTGGTTTGTCCAAACTCATCAATGTATCTTATCATGTCTGGATCTCGGTACCG
【0279】
T2A配列(配列番号9):
GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP
【0280】
rtTA3をコードするヌクレオチド配列(3’末端において2つのVP16ドメインを有する):(配列番号10):
ATGTCTAGGCTGGACAAGAGCAAAGTCATAAACGGAGCTCTGGAATTACTCAATGGTGTCGGTATCGAAGGCCTGACGACAAGGAAACTCGCTCAAAAGCTGGGAGTTGAGCAGCCTACCCTGTACTGGCACGTGAAGAACAAGCGGGCCCTGCTCGATGCCCTGCCAATCGAGATGCTGGACAGGCATCATACCCACTTCTGCCCCCTGGAAGGCGAGTCATGGCAAGACTTTCTGCGGAACAACGCCAAGTCATACCGCTGTGCTCTCCTCTCACATCGCGACGGGGCTAAAGTGCATCTCGGCACCCGCCCAACAGAGAAAAGTACGAAACCCTGGAAAATCAGCTCGCGTTCCTGTGTCAGCAAGGCTTCTCCCTGGAGAACGCACTGTACGCTCTGTCCGCCGTGGGCCACTTTACACTGGGCTGCGTATTGGAGGAACAGGAGCATCAAGTAGCAAAAGAGGAAAGAGAGACACCTACCACCGATTCTATGCCCCCACTTCTGAGACAAGCAATTGAGCTGTTCGACCGGCAGGGAGCCGAACCTGCCTTCCTTTTCGGCCTGGAACTAATCATATGTGGCCTGGAGAAACAGCTAAAGTGCGAAAGCGGCGGGCCGACCGACGCCCTTGACGATTTTGACTTAGACATGCTCCCAGCCGATGCCCTTGACGATTTTGACCTTGACATGCTCCCCGGGTAA
【0281】
rtTA3をコードするアミノ酸配列:(配列番号11):
MSRLDKSKVINGALELLNGVGIEGLTTRKLAQKLGVEQPTLYWHVKNKRALLDALPIEMLDRHHTHFCPLEGESWQDFLRNNAKSYRCALLSHRDGAKVHLGTRPTEKQYETLENQLAFLCQQGFSLENALYALSAVGHFTLGCVLEEQEHQVAKEERETPTTDSMPPLLRQAIELFDRQGAEPAFLFGLELIICGLEKQLKCESGGPTDALDDFDLDMLPADALDDFDLDMLPG
【0282】
rtTA4をコードするヌクレオチド配列(3’末端において3つのVP16ドメインを有する):(配列番号12):
ATGTCCCGCTTGGATAAGAGCAAGGTAATAAATAGCGCACTCGAACTCCTCAACGGCGTGGGCATCGAAGGTCTGACTACTCGAAAGCTCGCCCAGAAATTGGGTGTGGAGCAACCTACATTGTATTGGCATGTCAAGAACAAAAGAGCCCTGCTGGACGCTCTTCCTATTGAAATGCTTGACAGGCATCACACTCATTCCTGCCCCCTTGAGGTCGAGAGTTGGCAAGATTTTCTCCGAAACAATGCAAAGTCCTACCGCTGCGCACTTTTGTCCCATAGGGATGGAGCAAAAGTGCACCTGGGAACCAGGCCAACAGAGAAACAATACGAGACTCTCGAGAACCAGTTGGCTTTCTTGTGCCAACAGGGGTTCTCACTTGAAAATGCCCTTTACGCACTGTCAGCCGTTGGACATTTTACCCTGGGGTGCGTTCTTGAGGAGCAAGAACATCAGGTTGCTAAGGAGGAGCGCGAGACTCCAACCACTGATTCTATGCCACCTTTGCTGAAACAGGCCATTGAACTTTTCGATAGACAGGGTGCTGAACCTGCCTTTCTCTTCGGGTTGGAGCTGATTATTTGTGGTCTCGAAAAACAGCTGAAATGTGAAAGTGGTGGCCCTACTGACGCCCTCGATGATTTCGACCTGGATATGCTGCCAGCCGATGCACTTGATGATTTCGATTTGGATATGCTTCCAGCCGACGCACTGGACGACTTCGATTTGGACATGCTTCCCGGTTAA
【0283】
rtTA4をコードするアミノ酸配列:(配列番号13):
MSRLDKSKVINSALELLNGVGIEGLTTRKLAQKLGVEQPTLYWHVKNKRALLDALPIEMLDRHHTHSCPLEVESWQDFLRNNAKSYRCALLSHRDGAKVHLGTRPTEKQYETLENQLAFLCQQGFSLENALYALSAVGHFTLGCVLEEQEHQVAKEERETPTTDSMPPLLKQAIELFDRQGAEPAFLFGLELIICGLEKQLKCESGGPTDALDDFDLDMLPADALDDFDLDMLPADALDDFDLDMLPG
【0284】
M2-rtTAをコードするヌクレオチド配列(配列番号14):
ATGCCTTTGTATCATGCTATTGCTTCCCGTATGGCTTTCATTTTCTCCTCCTTGTATAAATCCTGGTTGCTGTCTCTTTATGAGGAGTTGTGGCCCGTTGTCAGGCAACGTGGCGTGGTGTGCACTGTGTTTGCTGACGCAACCCCCACTGGTTGGGGCATTGCCACCACCTGTCAGCTCCTTTCCGGGACTTTCGCTTTCCCCCTCCCTATTGCCACGGCGGAACTCATCGCCGCCTGCCTTGCCCGCTGCTGGACAGGGGCTCGGCTGTTGGGCACTGACAATTCCGTGGTGTTGTCGGGGAAATCATCGTCCTTTCCTTGGCTGCTCGCCTGTGTTGCCACCTGGATTCTGCGCGGGACGTCCTTCTGCTACGTCCCTTCGGCCCTCAATCCAGCGGACCTTCCTTCCCGCGGCCTGCTGCCGGCTCTGCGGCCTCTTCCGCGTCTTCGCCTTCGCCCTCAGACGAGTCGGATCTCCCTTTGGGCCGCCTCCCCGCATCGATACCGTCGACCTCGAGACCTAGAAAAACATGGAGCAATCACAAGTAGCAATACAGCAGCTACCAATGCTGATTGTGCCTGGCTAGAAGCACAAGAGGAGGAGGAGGTGGGTTTTCCAGTCACACCTCAGGTACCTTTAAGACCAATGACTTACAAGGCAGCTGTAGATCTTAGCCACTTTTTAAAAGAAAAGGGGGGACTGGAAGGGCTAATTCACTCCCAACGAAGACAAGATATCCTTGATCTGTGGATCTACCACACACAAGGCTACTTCCCTGATTGGCAGAACTACACACCAGGGCCAGGGATCAGATATCCACTGACCTTTGGATGGTGCTACAAGCTAGTACCAGTTGAGCAAGAGAAGGTAGAAGAAGCCAATGAAGGAGAGAACACCCGCTTGTTACACCCTGTGAGCCTGCATGGGATGGATGACCCGGAGAGAGAAGTATTAGAGTGGAGGTTTGACAGCCGCCTAGCATTTCATCACATGGCCCGAGAGCTGCATCCGGACTGTACTGGGTCTCTCTGGTTAGACCAGATCTGA
【0285】
M2-rtTAをコードするアミノ酸配列(配列番号15):
MPLYHAIASRMAFIFSSLYKSWLLSLYEELWPVVRQRGVVCTVFADATPTGWGIATTCQLLSGTFAFPLPIATAELIAACLARCWTGARLLGTDNSVVLSGKSSSFPWLLACVATWILRGTSFCYVPSALNPADLPSRGLLPALRPLPRLRLRPQTSRISLWAASPHRYRRPRDLEKHGAITSSNTAATNADCAWLEAQEEEEVGFPVTPQVPLRPMTYKAAVDLSHFLKEKGGLEGLIHSQRRQDILDLWIYHTQGYFPDWQNYTPGPGIRYPLTFGWCYKLVPVEQEKVEEANEGENTRLLHPVSLHGMDDPEREVLEWRFDSRLAFHHMARELHPDCTGSLWLDQI
【0286】
pAAV-TRE3G-OSK-SV40pAまたはTRE3G-OSK-SV40pAベクターの核酸配列(配列番号16):
TTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGTAATGGTAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTCCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCTATGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAACGCCAGCAACGCGGCCTTTTTACGGTTCCTGGCCTTTTGCTGGCCTTTTGCTCACATGTTCTTTCCTGCGTTATCCCCTGATTCTGTGGATAACCGTATTACCGCCTTTGAGTGAGCTGATACCGCTCGCCGCAGCCGAACGACCGAGCGCAGCGAGTCAGTGAGCGAGGAAGCGGAAGAGCGCCCAATACGCAAACCGCCTCTCCCCGCGCGTTGGCCGATTCATTAATGCAGCTGGCACGACAGGTTTCCCGACTGGAAAGCGGGCAGTGAGCGCAACGCAATTAATGTGAGTTAGCTCACTCATTAGGCACCCCAGGCTTTACACTTTATGCTTCCGGCTCGTATGTTGTGTGGAATTGTGAGCGGATAACAATTTCACACAGGAAACAGCTATGACCATGATTACGCCAGATTTAATTAAGGCCTTAATTAGGCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGCCCGGGCAAAGCCCGGGCGTCGGGCGACCTTTGGTCGCCCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAACTCCATCACTAGGGGTTCCTTGTAGTTAATGATTAACCCGCCATGCTACTTATCTACGTAGCCATGCTCTAGGAAGATCGGAATTCTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGAAGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGCAGACTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATAAGGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGACCAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATCTACAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATATCCAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATAAGCTTTAGGCGTGTACGGTGGGCGCCTATAAAAGCAGAGCTCGTTTAGTGAACCGTCAGATCGCCTGGAGCAATTCCACAACACTTTTGTCTTATACCAACTTTCCGTACCACTTCCTACCCTCGTAAAGCGGCCGCGCCACCATGGCTGGACACCTGGCTTCAGACTTCGCCTTCTCACCCCCACCAGGTGGGGGTGATGGGTCAGCAGGGCTGGAGCCGGGCTGGGTGGATCCTCGAACCTGGCTAAGCTTCCAAGGGCCTCCAGGTGGGCCTGGAATCGGACCAGGCTCAGAGGTATTGGGGATCTCCCCATGTCCGCCCGCATACGAGTTCTGCGGAGGGATGGCATACTGTGGACCTCAGGTTGGACTGGGCCTAGTCCCCCAAGTTGGCGTGGAGACTTTGCAGCCTGAGGGCCAGGCAGGAGCACGAGTGGAAAGCAACTCAGAGGGAACCTCCTCTGAGCCCTGTGCCGACCGCCCCAATGCCGTGAAGTTGGAGAAGGTGGAACCAACTCCCGAGGAGTCCCAGGACATGAAAGCCCTGCAGAAGGAGCTAGAACAGTTTGCCAAGCTGCTGAAGCAGAAGAGGATCACCTTGGGGTACACCCAGGCCGACGTGGGGCTCACCCTGGGCGTTCTCTTTGGAAAGGTGTTCAGCCAGACCACCATCTGTCGCTTCGAGGCCTTGCAGCTCAGCCTTAAGAACATGTGTAAGCTGCGGCCCCTGCTGGAGAAGTGGGTGGAGGAAGCCGACAACAATGAGAACCTTCAGGAGATATGCAAATCGGAGACCCTGGTGCAGGCCCGGAAGAGAAAGCGAACTAGCATTGAGAACCGTGTGAGGTGGAGTCTGGAGACCATGTTTCTGAAGTGCCCGAAGCCCTCCCTACAGCAGATCACTCACATCGCCAATCAGCTTGGGCTAGAGAAGGATGTGGTTCGAGTATGGTTCTGTAACCGGCGCCAGAAGGGCAAAAGATCAAGTATTGAGTATTCCCAACGAGAAGAGTATGAGGCTACAGGGACACCTTTCCCAGGGGGGGCTGTATCCTTTCCTCTGCCCCCAGGTCCCCACTTTGGCACCCCAGGCTATGGAAGCCCCCACTTCACCACACTCTACTCAGTCCCTTTTCCTGAGGGCGAGGCCTTTCCCTCTGTTCCCGTCACTGCTCTGGGCTCTCCCATGCATTCAAACGCTAGCGGCAGCGGCGCCACGAACTTCTCTCTGTTAAAGCAAGCAGGAGATGTTGAAGAAAACCCCGGGCCTGCATGCATGTATAACATGATGGAGACGGAGCTGAAGCCGCCGGGCCCGCAGCAAGCTTCGGGGGGCGGCGGCGGAGGAGGCAACGCCACGGCGGCGGCGACCGGCGGCAACCAGAAGAACAGCCCGGACCGCGTCAAGAGGCCCATGAACGCCTTCATGGTATGGTCCCGGGGGCAGCGGCGTAAGATGGCCCAGGAGAACCCCAAGATGCACAACTCGGAGATCAGCAAGCGCCTGGGCGCGGAGTGGAAACTTTTGTCCGAGACCGAGAAGCGGCCGTTCATCGACGAGGCCAAGCGGCTGCGCGCTCTGCACATGAAGGAGCACCCGGATTATAAATACCGGCCGCGGCGGAAAACCAAGACGCTCATGAAGAAGGATAAGTACACGCTTCCCGGAGGCTTGCTGGCCCCCGGCGGGAACAGCATGGCGAGCGGGGTTGGGGTGGGCGCCGGCCTGGGTGCGGGCGTGAACCAGCGCATGGACAGCTACGCGCACATGAACGGCTGGAGCAACGGCAGCTACAGCATGATGCAGGAGCAGCTGGGCTACCCGCAGCACCCGGGCCTCAACGCTCACGGCGCGGCACAGATGCAACCGATGCACCGCTACGACGTCAGCGCCCTGCAGTACAACTCCATGACCAGCTCGCAGACCTACATGAACGGCTCGCCCACCTACAGCATGTCCTACTCGCAGCAGGGCACCCCCGGTATGGCGCTGGGCTCCATGGGCTCTGTGGTCAAGTCCGAGGCCAGCTCCAGCCCCCCCGTGGTTACCTCTTCCTCCCACTCCAGGGCGCCCTGCCAGGCCGGGGACCTCCGGGACATGATCAGCATGTACCTCCCCGGCGCCGAGGTGCCGGAGCCCGCTGCGCCCAGTAGACTGCACATGGCCCAGCACTACCAGAGCGGCCCGGTGCCCGGCACGGCCATTAACGGCACACTGCCCCTGTCGCACATGGCATGCGGCTCCGGCGAGGGCAGGGGAAGTCTTCTAACATGCGGGGACGTGGAGGAAAATCCCGGCCCACTCGAGATGAGGCAGCCACCTGGCGAGTCTGACATGGCTGTCAGCGACGCTCTGCTCCCGTCCTTCTCCACGTTCGCGTCCGGCCCGGCGGGAAGGGAGAAGACACTGCGTCCAGCAGGTGCCCCGACTAACCGTTGGCGTGAGGAACTCTCTCACATGAAGCGACTTCCCCCACTTCCCGGCCGCCCCTACGACCTGGCGGCGACGGTGGCCACAGACCTGGAGAGTGGCGGAGCTGGTGCAGCTTGCAGCAGTAACAACCCGGCCCTCCTAGCCCGGAGGGAGACCGAGGAGTTCAACGACCTCCTGGACCTAGACTTTATCCTTTCCAACTCGCTAACCCACCAGGAATCGGTGGCCGCCACCGTGACCACCTCGGCGTCAGCTTCATCCTCGTCTTCCCCAGCGAGCAGCGGCCCTGCCAGCGCGCCCTCCACCTGCAGCTTCAGCTATCCGATCCGGGCCGGGGGTGACCCGGGCGTGGCTGCCAGCAACACAGGTGGAGGGCTCCTCTACAGCCGAGAATCTGCGCCACCTCCCACGGCCCCCTTCAACCTGGCGGACATCAATGACGTGAGCCCCTCGGGCGGCTTCGTGGCTGAGCTCCTGCGGCCGGAGTTGGACCCAGTATACATTCCGCCACAGCAGCCTCAGCCGCCAGGTGGCGGGCTGATGGGCAAGTTTGTGCTGAAGGCGTCTCTGACCACCCCTGGCAGCGAGTACAGCAGCCCTTCGGTCATCAGTGTTAGCAAAGGAAGCCCAGACGGCAGCCACCCCGTGGTAGTGGCGCCCTACAGCGGTGGCCCGCCGCGCATGTGCCCCAAGATTAAGCAAGAGGCGGTCCCGTCCTGCACGGTCAGCCGGTCCCTAGAGGCCCATTTGAGCGCTGGACCCCAGCTCAGCAACGGCCACCGGCCCAACACACACGACTTCCCCCTGGGGCGGCAGCTCCCCACCAGGACTACCCCTACACTGAGTCCCGAGGAACTGCTGAACAGCAGGGACTGTCACCCTGGCCTGCCTCTTCCCCCAGGATTCCATCCCCATCCGGGGCCCAACTACCCTCCTTTCCTGCCAGACCAGATGCAGTCACAAGTCCCCTCTCTCCATTATCAAGAGCTCATGCCACCGGGTTCCTGCCTGCCAGAGGAGCCCAAGCCAAAGAGGGGAAGAAGGTCGTGGCCCCGGAAAAGAACAGCCACCCACACTTGTGACTATGCAGGCTGTGGCAAAACCTATACCAAGAGTTCTCATCTCAAGGCACACCTGCGAACTCACACAGGCGAGAAACCTTACCACTGTGACTGGGACGGCTGTGGGTGGAAATTCGCCCGCTCCGATGAACTGACCAGGCACTACCGCAAACACACAGGGCACCGGCCCTTTCAGTGCCAGAAGTGCGACAGGGCCTTTTCCAGGTCGGACCACCTTGCCTTACACATGAAGAGGCACTAAATGACTAGTGCGCGCAGCGGCCGACCATGGCCCAACTTGTTTATTGCAGCTTATAATGGTTACAAATAAAGCAATAGCATCACAAATTTCACAAATAAAGCATTTTTTTCACTGCATTCTAGTTGTGGTTTGTCCAAACTCATCAATGTATCTTATCATGTCTGGATCTCGGTACCGGATCCAAATTCCCGATAAGGATCTTCCTAGAGCATGGCTACGTAGATAAGTAGCATGGCGGGTTAATCATTAACTACAAGGAACCCCTAGTGATGGAGTTGGCCACTCCCTCTCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGGGCGACCAAAGGTCGCCCGACGCCCGGGCTTTGCCCGGGCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGCCTTAATTAACCTAATTCACTGGCCGTCGTTTTACAACGTCGTGACTGGGAAAACCCTGGCGTTACCCAACTTAATCGCCTTGCAGCACATCCCCCTTTCGCCAGCTGGCGTAATAGCGAAGAGGCCCGCACCGATCGCCCTTCCCAACAGTTGCGCAGCCTGAATGGCGAATGGGACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGCGCGGCGGGTGTGGTGGTTACGCGCAGCGTGACCGCTACACTTGCCAGCGCCCTAGCGCCCGCTCCTTTCGCTTTCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCGCCGGCTTTCCCCGTCAAGCTCTAAATCGGGGGCTCCCTTTAGGGTTCCGATTTAGTGCTTTACGGCACCTCGACCCCAAAAAACTTGATTAGGGTGATGGTTCACGTAGTGGGCCATCGCCCTGATAGACGGTTTTTCGCCCTTTGACGTTGGAGTCCACGTTCTTTAATAGTGGACTCTTGTTCCAAACTGGAACAACACTCAACCCTATCTCGGTCTATTCTTTTGATTTATAAGGGATTTTGCCGATTTCGGCCTATTGGTTAAAAAATGAGCTGATTTAACAAAAATTTAACGCGAATTTTAACAAAATATTAACGTTTATAATTTCAGGTGGCATCTTTCGGGGAAATGTGCGCGGAACCCCTATTTGTTTATTTTTCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAATAGTGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTATTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAA
【0287】
pAAV-UBC-rtTA4-WPRE3-SV40pAベクターの核酸配列(配列番号17):
TTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGTAATGGTAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTCCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCTATGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAACGCCAGCAACGCGGCCTTTTTACGGTTCCTGGCCTTTTGCTGGCCTTTTGCTCACATGTTCTTTCCTGCGTTATCCCCTGATTCTGTGGATAACCGTATTACCGCCTTTGAGTGAGCTGATACCGCTCGCCGCAGCCGAACGACCGAGCGCAGCGAGTCAGTGAGCGAGGAAGCGGAAGAGCGCCCAATACGCAAACCGCCTCTCCCCGCGCGTTGGCCGATTCATTAATGCAGCTGGCACGACAGGTTTCCCGACTGGAAAGCGGGCAGTGAGCGCAACGCAATTAATGTGAGTTAGCTCACTCATTAGGCACCCCAGGCTTTACACTTTATGCTTCCGGCTCGTATGTTGTGTGGAATTGTGAGCGGATAACAATTTCACACAGGAAACAGCTATGACCATGATTACGCCAGATTTAATTAAGGCCTTAATTAGGCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGCCCGGGCAAAGCCCGGGCGTCGGGCGACCTTTGGTCGCCCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAACTCCATCACTAGGGGTTCCTTGTAGTTAATGATTAACCCGCCATGCTACTTATCTACGTAGCCATGCTCTAGGAAGATCGGAATTCCTGATCTGGCCTCCGCGCCGGGTTTTGGCGCCTCCCGCGGGCGCCCCCCTCCTCACGGCGAGCGCTGCCACGTCAGACGAAGGGCGCAGCGAGCGTCCTGATCCTTCCGCCCGGACGCTCAGGACAGCGGCCCGCTGCTCATAAGACTCGGCCTTAGAACCCCAGTATCAGCAGAAGGACATTTTAGGACGGGACTTGGGTGACTCTAGGGCACTGGTTTTCTTTCCAGAGAGCGGAACAGGCGAGGAAAAGTAGTCCCTTCTCGGCGATTCTGCGGAGGGATCTCCGTGGGGCGGTGAACGCCGATGATTATATAAGGACGCGCCGGGTGTGGCACAGCTAGTTCCGTCGCAGCCGGGATTTGGGTCGCGGTTCTTGTTTGTGGATCGCTGTGATCGTCACTTGGTGAGTAGCGGGCTGCTGGGCTGGCCGGGGCTTTCGTGGCCGCCGGGCCGCTCGGTGGGACGGAAGCGTGTGGAGAGACCGCCAAGGGCTGTAGTCTGGGTCCGCGAGCAAGGTTGCCCTGAACTGGGGGTTGGGGGGAGCGCAGCAAAATGGCGGCTGTTCCCGAGTCTTGAATGGAAGACGCTTGTGAGGCGGGCTGTGAGGTCGTTGAAACAAGGTGGGGGGCATGGTGGGCGGCAAGAACCCAAGGTCTTGAGGCCTTCGCTAATGCGGGAAAGCTCTTATTCGGGTGAGATGGGCTGGGGCACCATCTGGGGACCCTGACGTGAAGTTTGTCACTGACTGGAGAACTCGGTTTGTCGTCTGTTGCGGGGGCGGCAGTTATGCGGTGCCGTTGGGCAGTGCACCCGTACCTTTGGGAGCGCGCGCCTCGTCGTGTCGTGACGTCACCCGTTCTGTTGGCTTATAATGCAGGGTGGGGCCACCTGCCGGTAGGTGTGCGGTAGGCTTTTCTCCGTCGCAGGACGCAGGGTTCGGGCCTAGGGTAGGCTCTCCTGAATCGACAGGCGCCGGACCTCTGGTGAGGGGAGGGATAAGTGAGGCGTCAGTTTCTTTGGTCGGTTTTATGTACCTATCTTCTTAAGTAGCTGAAGCTCCGGTTTTGAACTATGCGCTCGGGGTTGGCGAGTGTGTTTTGTGAAGTTTTTTAGGCACCTTTTGAAATGTAATCATTTGGGTCAATATGTAATTTTCAGTGTTAGACTAGTAAATTGTCCGCTAAATTCTGGCCGTTTTTGGCTTTTTTGTTAGACGAAGCGGCCGCATTAAACGCCACCATGTCCCGCTTGGATAAGAGCAAGGTAATAAATAGCGCACTCGAACTCCTCAACGGCGTGGGCATCGAAGGTCTGACTACTCGAAAGCTCGCCCAGAAATTGGGTGTGGAGCAACCTACATTGTATTGGCATGTCAAGAACAAAAGAGCCCTGCTGGACGCTCTTCCTATTGAAATGCTTGACAGGCATCACACTCATTCCTGCCCCCTTGAGGTCGAGAGTTGGCAAGATTTTCTCCGAAACAATGCAAAGTCCTACCGCTGCGCACTTTTGTCCCATAGGGATGGAGCAAAAGTGCACCTGGGAACCAGGCCAACAGAGAAACAATACGAGACTCTCGAGAACCAGTTGGCTTTCTTGTGCCAACAGGGGTTCTCACTTGAAAATGCCCTTTACGCACTGTCAGCCGTTGGACATTTTACCCTGGGGTGCGTTCTTGAGGAGCAAGAACATCAGGTTGCTAAGGAGGAGCGCGAGACTCCAACCACTGATTCTATGCCACCTTTGCTGAAACAGGCCATTGAACTTTTCGATAGACAGGGTGCTGAACCTGCCTTTCTCTTCGGGTTGGAGCTGATTATTTGTGGTCTCGAAAAACAGCTGAAATGTGAAAGTGGTGGCCCTACTGACGCCCTCGATGATTTCGACCTGGATATGCTGCCAGCCGATGCACTTGATGATTTCGATTTGGATATGCTTCCAGCCGACGCACTGGACGACTTCGATTTGGACATGCTTCCCGGTTAAACTAGTCTAGCAATCAACCTCTGGATTACAAAATTTGTGAAAGATTGACTGGTATTCTTAACTATGTTGCTCCTTTTACGCTATGTGGATACGCTGCTTTAATGCCTTTGTATCATGCTATTGCTTCCCGTATGGCTTTCATTTTCTCCTCCTTGTATAAATCCTGGTTAGTTCTTGCCACGGCGGAACTCATCGCCGCCTGCCTTGCCCGCTGCTGGACAGGGGCTCGGCTGTTGGGCACTGACAATTCCGTGGTGTTTATTTGTGAAATTTGTGATGCTATTGCTTTATTTGTAACCATTCTAGCTTTATTTGTGAAATTTGTGATGCTATTGCTTTATTTGTAACCATTATAAGCTGCAATAAACAAGTTAACAACAACAATTGCATTCATTTTATGTTTCAGGTTCAGGGGGAGATGTGGGAGGTTTTTTAAAGCGGGGGATCCAAATTCCCGATAAGGATCTTCCTAGAGCATGGCTACGTAGATAAGTAGCATGGCGGGTTAATCATTAACTACAAGGAACCCCTAGTGATGGAGTTGGCCACTCCCTCTCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGGGCGACCAAAGGTCGCCCGACGCCCGGGCTTTGCCCGGGCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGCCTTAATTAACCTAATTCACTGGCCGTCGTTTTACAACGTCGTGACTGGGAAAACCCTGGCGTTACCCAACTTAATCGCCTTGCAGCACATCCCCCTTTCGCCAGCTGGCGTAATAGCGAAGAGGCCCGCACCGATCGCCCTTCCCAACAGTTGCGCAGCCTGAATGGCGAATGGGACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGCGCGGCGGGTGTGGTGGTTACGCGCAGCGTGACCGCTACACTTGCCAGCGCCCTAGCGCCCGCTCCTTTCGCTTTCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCGCCGGCTTTCCCCGTCAAGCTCTAAATCGGGGGCTCCCTTTAGGGTTCCGATTTAGTGCTTTACGGCACCTCGACCCCAAAAAACTTGATTAGGGTGATGGTTCACGTAGTGGGCCATCGCCCTGATAGACGGTTTTTCGCCCTTTGACGTTGGAGTCCACGTTCTTTAATAGTGGACTCTTGTTCCAAACTGGAACAACACTCAACCCTATCTCGGTCTATTCTTTTGATTTATAAGGGATTTTGCCGATTTCGGCCTATTGGTTAAAAAATGAGCTGATTTAACAAAAATTTAACGCGAATTTTAACAAAATATTAACGTTTATAATTTCAGGTGGCATCTTTCGGGGAAATGTGCGCGGAACCCCTATTTGTTTATTTTTCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAATAGTGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTATTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAA
【0288】
UBCプロモーター配列(配列番号18):
GATCTGGCCTCCGCGCCGGGTTTTGGCGCCTCCCGCGGGCGCCCCCCTCCTCACGGCGAGCGCTGCCACGTCAGACGAAGGGCGCAGCGAGCGTCCTGATCCTTCCGCCCGGACGCTCAGGACAGCGGCCCGCTGCTCATAAGACTCGGCCTTAGAACCCCAGTATCAGCAGAAGGACATTTTAGGACGGGACTTGGGTGACTCTAGGGCACTGGTTTTCTTTCCAGAGAGCGGAACAGGCGAGGAAAAGTAGTCCCTTCTCGGCGATTCTGCGGAGGGATCTCCGTGGGGCGGTGAACGCCGATGATTATATAAGGACGCGCCGGGTGTGGCACAGCTAGTTCCGTCGCAGCCGGGATTTGGGTCGCGGTTCTTGTTTGTGGATCGCTGTGATCGTCACTTGGTGAGTAGCGGGCTGCTGGGCTGGCCGGGGCTTTCGTGGCCGCCGGGCCGCTCGGTGGGACGGAAGCGTGTGGAGAGACCGCCAAGGGCTGTAGTCTGGGTCCGCGAGCAAGGTTGCCCTGAACTGGGGGTTGGGGGGAGCGCAGCAAAATGGCGGCTGTTCCCGAGTCTTGAATGGAAGACGCTTGTGAGGCGGGCTGTGAGGTCGTTGAAACAAGGTGGGGGGCATGGTGGGCGGCAAGAACCCAAGGTCTTGAGGCCTTCGCTAATGCGGGAAAGCTCTTATTCGGGTGAGATGGGCTGGGGCACCATCTGGGGACCCTGACGTGAAGTTTGTCACTGACTGGAGAACTCGGTTTGTCGTCTGTTGCGGGGGCGGCAGTTATGCGGTGCCGTTGGGCAGTGCACCCGTACCTTTGGGAGCGCGCGCCTCGTCGTGTCGTGACGTCACCCGTTCTGTTGGCTTATAATGCAGGGTGGGGCCACCTGCCGGTAGGTGTGCGGTAGGCTTTTCTCCGTCGCAGGACGCAGGGTTCGGGCCTAGGGTAGGCTCTCCTGAATCGACAGGCGCCGGACCTCTGGTGAGGGGAGGGATAAGTGAGGCGTCAGTTTCTTTGGTCGGTTTTATGTACCTATCTTCTTAAGTAGCTGAAGCTCCGGTTTTGAACTATGCGCTCGGGGTTGGCGAGTGTGTTTTGTGAAGTTTTTTAGGCACCTTTTGAAATGTAATCATTTGGGTCAATATGTAATTTTCAGTGTTAGACTAGTAAATTGTCCGCTAAATTCTGGCCGTTTTTGGCTTTTTTGTTAGAC
【0289】
Tet-O配列(配列番号19):

TCCCTATCAGTGATAGAGA
【0290】
ミニマルCMVプロモーターをコードする核酸配列(配列番号20):
GCTTTAGGCGTGTACGGTGGGCGCCTATAAAAGCAGAGCTCGTTTAGTGAACCGTCAGATCGCCTGGA
【0291】
WPREをコードする核酸配列(配列番号21):
AATCAACCTCTGGATTACAAAATTTGTGAAAGATTGACTGGTATTCTTAACTATGTTGCTCCTTTTACGCTATGTGGATACGCTGCTTTAATGCCTTTGTATCATGCTATTGCTTCCCGTATGGCTTTCATTTTCTCCTCCTTGTATAAATCCTGGTTAGTTCTTGCCACGGCGGAACTCATCGCCGCCTGCCTTGCCCGCTGCTGGACAGGGGCTCGGCTGTTGGGCACTGACAATTCCGTGGTGTT
【0292】
逆位末端反復配列をコードする核酸配列(配列番号22):
CCTTAATTAGGCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGCCCGGGCAAAGCCCGGGCGTCGGGCGACCTTTGGTCGCCCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAACTCCATCACTAGGGGTTCCT
【0293】
TRE2プロモーター(TREプロモーターの非限定的な例)の核酸配列(配列番号23):
AATTCGTACACGCCTACCTCGACCCATCAAGTGCCACCTGACGTCTCCCTATCAGTGATAGAGAAGTCGACACGTCTCGAGCTCCCTATCAGTGATAGAGAAGGTACGTCTAGAACGTCTCCCTATCAGTGATAGAGAAGTCGACACGTCTCGAGCTCCCTATCAGTGATAGAGAAGGTACGTCTAGAACGTCTCCCTATCAGTGATAGAGAAGTCGACACGTCTCGAGCTCCCTATCAGTGATAGAGAAGGTACGTCTAGAACGTCTCCCTATCAGTGATAGAGAAGTCGACACGTCTCGAGCTCCCTATCAGTGATAGAGAAGGTACCCCCTATATAAGCAGAGCTCGTTTAGTGAACCGTCAGATCGCCTGGAGACGCCATCCACGCTGTTTTGACCTCCATAGAAGACACCGGGACCGATCCAGCCTGGATCGC
【0294】
P tightプロモーター(TREプロモーターの非限定的な例)の核酸配列(配列番号24):
GAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGTCGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGATGTCGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGTCGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGTCGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGTCGAGTTTATCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGTCGAGTTTACTCCCTATCAGTGATAGAGAACGTATGTCGAGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGCCTATATAAGCAGAGCTCGTTTAGTGAACCGTCAGATCGCC
【0295】
TetRをコードする核酸配列(配列番号25):
ATGGCTAGATTAGATAAAAGTAAAGTGATTAACAGCGCATTAGAGCTGCTTAATGAGGTCGGAATCGAAGGTTTAACAACCCGTAAACTCGCCCAGAAGCTAGGTGTAGAGCAGCCTACATTGTATTGGCATGTAAAAAATAAGCGGGCTTTGCTCGACGCCTTAGCCATTGAGATGTTAGATAGGCACCATACTCACTTTTGCCCTTTAGAAGGGGAAAGCTGGCAAGATTTTTTACGTAATAACGCTAAAAGTTTTAGATGTGCTTTACTAAGTCATCGCGATGGAGCAAAAGTACATTTAGGTACACGGCCTACAGAAAAACAGTATGAAACTCTCGAAAATCAATTAGCCTTTTTATGCCAACAAGGTTTTTCACTAGAGAATGCATTATATGCACTCAGCGCTGTGGGGCATTTTACTTTAGGTTGCGTATTGGAAGATCAAGAGCATCAAGTCGCTAAAGAAGAAAGGGAAACACCTACTACTGATAGTATGCCGCCATTATTACGACAAGCTATCGAATTATTTGATCACCAAGGTGCAGAGCCAGCCTTCTTATTCGGCCTTGAATTGATCATATGCGGATTAGAAAAACAACTTAAATGTGAAAGTGGG
【0296】
TetRをコードするアミノ酸配列(配列番号26):
MARLDKSKVINSALELLNEVGIEGLTTRKLAQKLGVEQPTLYWHVKNKRALLDALAIEMLDRHHTHFCPLEGESWQDFLRNNAKSFRCALLSHRDGAKVHLGTRPTEKQYETLENQLAFLCQQGFSLENALYALSAVGHFTLGCVLEDQEHQVAKEERETPTTDSMPPLLRQAIELFDHQGAEPAFLFGLELIICGLEKQLKCESG
【0297】
TetR-Krabをコードする核酸配列(配列番号27)
ATGGCTAGATTAGATAAAAGTAAAGTGATTAACAGCGCATTAGAGCTGCTTAATGAGGTCGGAATCGAAGGTTTAACAACCCGTAAACTCGCCCAGAAGCTAGGTGTAGAGCAGCCTACATTGTATTGGCATGTAAAAAATAAGCGGGCTTTGCTCGACGCCTTAGCCATTGAGATGTTAGATAGGCACCATACTCACTTTTGCCCTTTAGAAGGGGAAAGCTGGCAAGATTTTTTACGTAATAACGCTAAAAGTTTTAGATGTGCTTTACTAAGTCATCGCGATGGAGCAAAAGTACATTTAGGTACACGGCCTACAGAAAAACAGTATGAAACTCTCGAAAATCAATTAGCCTTTTTATGCCAACAAGGTTTTTCACTAGAGAATGCATTATATGCACTCAGCGCTGTGGGGCATTTTACTTTAGGTTGCGTATTGGAAGATCAAGAGCATCAAGTCGCTAAAGAAGAAAGGGAAACACCTACTACTGATAGTATGCCGCCATTATTACGACAAGCTATCGAATTATTTGATCACCAAGGTGCAGAGCCAGCCTTCTTATTCGGCCTTGAATTGATCATATGCGGATTAGAAAAACAACTTAAATGTGAAAGTGGGTCGCCAAAAAAGAAGAGAAAGGTCGACGGCGGTGGTGCTTTGTCTCCTCAGCACTCTGCTGTCACTCAAGGAAGTATCATCAAGAACAAGGAGGGCATGGATGCTAAGTCACTAACTGCCTGGTCCCGGACACTGGTGACCTTCAAGGATGTATTTGTGGACTTCACCAGGGAGGAGTGGAAGCTGCTGGACACTGCTCAGCAGATCGTGTACAGAAATGTGATGCTGGAGAACTATAAGAACCTGGTTTCCTTGGGTTATCAGCTTACTAAGCCAGATGTGATCCTCCGGTTGGAGAAGGGAGAAGAGCCCTGGCTGGTGGAGAGAGAAATTCACCAAGAGACCCATCCTGATTCAGAGACTGCATTTGAAATCAAATCATCAGTTTAA
【0298】
TetR-KRABをコードするアミノ酸配列(配列番号28):
MARLDKSKVINSALELLNEVGIEGLTTRKLAQKLGVEQPTLYWHVKNKRALLDALAIEMLDRHHTHFCPLEGESWQDFLRNNAKSFRCALLSHRDGAKVHLGTRPTEKQYETLENQLAFLCQQGFSLENALYALSAVGHFTLGCVLEDQEHQVAKEERETPTTDSMPPLLRQAIELFDHQGAEPAFLFGLELIICGLEKQLKCESGSPKKKRKVDGGGALSPQHSAVTQGSIIKNKEGMDAKSLTAWSRTLVTFKDVFVDFTREEWKLLDTAQQIVYRNVMLENYKNLVSLGYQLTKPDVILRLEKGEEPWLVEREIHQETHPDSETAFEIKSSV
【0299】
デスミンプロモーター(配列番号29):
ACCTTGCTTCCTAGCTGGGCCTTTCCTTCTCCTCTATAAATACCAGCTCTGGTATTTCGCCTTGGCAGCTGTTGCTGCTAGGGAGACGGCTGGCTTGACATGCATCTCCTGACAAAACACAAACCCGTGGTGTGAGTGGGTGTGGGCGGTGTGAGTAGGGGGATGAATCAGAGAGGGGGCGAGGGAGACAGGGGCGCAGGAGTCAGGCAAAGGCGATGCGGGGGTGCGACTACACGCAGTTGGAAACAGTCGTCAGAAGATTCTGGAAACTATCTTGCTGGCTATAAACTTGAGGGAAGCAGAAGGCCAACATTCCTCCCAAGGGAAACTGAGGCTCAGAGTTAAAACCCAGGTATCAGTGATATGCATGTGCCCCGGCCAGGGTCACTCTCTGACTAACCGGTACCTACCCTACAGGCCTACCTAGAGACTCTTTTGAAAGGATGGTAGAGACCTGTCCGGGCTTTGCCCACAGTCGTTGGAAACCTCAGCATTTTCTAGGCAACTTGTGCGAATAAAACACTTCGGGGGTCCTTCTTGTTCATTCCAATAACCTAAAACCTCTCCTCGGAGAAAATAGGGGGCCTCAAACAAACGAAATTCTCTAGCCCGCTTTCCCCAGGATAAGGCAGGCATCCAAATGGAAAAAAAGGGGCCGGCCGGGGGTCTCCTGTCAGCTCCTTGCCCTGTGAAACCCAGCAGGCCTGCCTGTCTTCTGTCCTCTTGGGGCTGTCCAGGGGCGCAGGCCTCTTGCGGGGGAGCTGGCCTCCCCGCCCCCTCGCCTGTGGCCGCCCTTTTCCTGGCAGGACAGAGGGATCCTGCAGCTGTCAGGGGAGGGGCGCCGGGGGGTGATGTCAGGAGGGCTACAAATAGTGCAGACAGCTAAGGGGCTCCGTCACCCATCTTCACATCCACTCCAGCCGGCTGCCCGCCCGCTGCCTCCTCTGTGCGTCCGCCCAGCCAGCCTCGTCCACGCC
【0300】
デスミン-rtTA4ベクター(配列番号30):
TTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGTAATGGTAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTCCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCTATGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAACGCCAGCAACGCGGCCTTTTTACGGTTCCTGGCCTTTTGCTGGCCTTTTGCTCACATGTTCTTTCCTGCGTTATCCCCTGATTCTGTGGATAACCGTATTACCGCCTTTGAGTGAGCTGATACCGCTCGCCGCAGCCGAACGACCGAGCGCAGCGAGTCAGTGAGCGAGGAAGCGGAAGAGCGCCCAATACGCAAACCGCCTCTCCCCGCGCGTTGGCCGATTCATTAATGCAGCTGGCACGACAGGTTTCCCGACTGGAAAGCGGGCAGTGAGCGCAACGCAATTAATGTGAGTTAGCTCACTCATTAGGCACCCCAGGCTTTACACTTTATGCTTCCGGCTCGTATGTTGTGTGGAATTGTGAGCGGATAACAATTTCACACAGGAAACAGCTATGACCATGATTACGCCAGATTTAATTAAGGCCTTAATTAGGCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGCCCGGGCAAAGCCCGGGCGTCGGGCGACCTTTGGTCGCCCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAACTCCATCACTAGGGGTTCCTTGTAGTTAATGATTAACCCGCCATGCTACTTATCTACGTAGCCATGCTCTAGGAAGATCGGAATTCCTAGATCTACCTTGCTTCCTAGCTGGGCCTTTCCTTCTCCTCTATAAATACCAGCTCTGGTATTTCGCCTTGGCAGCTGTTGCTGCTAGGGAGACGGCTGGCTTGACATGCATCTCCTGACAAAACACAAACCCGTGGTGTGAGTGGGTGTGGGCGGTGTGAGTAGGGGGATGAATCAGAGAGGGGGCGAGGGAGACAGGGGCGCAGGAGTCAGGCAAAGGCGATGCGGGGGTGCGACTACACGCAGTTGGAAACAGTCGTCAGAAGATTCTGGAAACTATCTTGCTGGCTATAAACTTGAGGGAAGCAGAAGGCCAACATTCCTCCCAAGGGAAACTGAGGCTCAGAGTTAAAACCCAGGTATCAGTGATATGCATGTGCCCCGGCCAGGGTCACTCTCTGACTAACCGGTACCTACCCTACAGGCCTACCTAGAGACTCTTTTGAAAGGATGGTAGAGACCTGTCCGGGCTTTGCCCACAGTCGTTGGAAACCTCAGCATTTTCTAGGCAACTTGTGCGAATAAAACACTTCGGGGGTCCTTCTTGTTCATTCCAATAACCTAAAACCTCTCCTCGGAGAAAATAGGGGGCCTCAAACAAACGAAATTCTCTAGCCCGCTTTCCCCAGGATAAGGCAGGCATCCAAATGGAAAAAAAGGGGCCGGCCGGGGGTCTCCTGTCAGCTCCTTGCCCTGTGAAACCCAGCAGGCCTGCCTGTCTTCTGTCCTCTTGGGGCTGTCCAGGGGCGCAGGCCTCTTGCGGGGGAGCTGGCCTCCCCGCCCCCTCGCCTGTGGCCGCCCTTTTCCTGGCAGGACAGAGGGATCCTGCAGCTGTCAGGGGAGGGGCGCCGGGGGGTGATGTCAGGAGGGCTACAAATAGTGCAGACAGCTAAGGGGCTCCGTCACCCATCTTCACATCCACTCCAGCCGGCTGCCCGCCCGCTGCCTCCTCTGTGCGTCCGCCCAGCCAGCCTCGTCCACGCCAAGCTTGCGGCCGCATTAAACGCCACCATGTCCCGCTTGGATAAGAGCAAGGTAATAAATAGCGCACTCGAACTCCTCAACGGCGTGGGCATCGAAGGTCTGACTACTCGAAAGCTCGCCCAGAAATTGGGTGTGGAGCAACCTACATTGTATTGGCATGTCAAGAACAAAAGAGCCCTGCTGGACGCTCTTCCTATTGAAATGCTTGACAGGCATCACACTCATTCCTGCCCCCTTGAGGTCGAGAGTTGGCAAGATTTTCTCCGAAACAATGCAAAGTCCTACCGCTGCGCACTTTTGTCCCATAGGGATGGAGCAAAAGTGCACCTGGGAACCAGGCCAACAGAGAAACAATACGAGACTCTCGAGAACCAGTTGGCTTTCTTGTGCCAACAGGGGTTCTCACTTGAAAATGCCCTTTACGCACTGTCAGCCGTTGGACATTTTACCCTGGGGTGCGTTCTTGAGGAGCAAGAACATCAGGTTGCTAAGGAGGAGCGCGAGACTCCAACCACTGATTCTATGCCACCTTTGCTGAAACAGGCCATTGAACTTTTCGATAGACAGGGTGCTGAACCTGCCTTTCTCTTCGGGTTGGAGCTGATTATTTGTGGTCTCGAAAAACAGCTGAAATGTGAAAGTGGTGGCCCTACTGACGCCCTCGATGATTTCGACCTGGATATGCTGCCAGCCGATGCACTTGATGATTTCGATTTGGATATGCTTCCAGCCGACGCACTGGACGACTTCGATTTGGACATGCTTCCCGGTTAAACTAGTCTAGCAATCAACCTCTGGATTACAAAATTTGTGAAAGATTGACTGGTATTCTTAACTATGTTGCTCCTTTTACGCTATGTGGATACGCTGCTTTAATGCCTTTGTATCATGCTATTGCTTCCCGTATGGCTTTCATTTTCTCCTCCTTGTATAAATCCTGGTTAGTTCTTGCCACGGCGGAACTCATCGCCGCCTGCCTTGCCCGCTGCTGGACAGGGGCTCGGCTGTTGGGCACTGACAATTCCGTGGTGTTTATTTGTGAAATTTGTGATGCTATTGCTTTATTTGTAACCATTCTAGCTTTATTTGTGAAATTTGTGATGCTATTGCTTTATTTGTAACCATTATAAGCTGCAATAAACAAGTTAACAACAACAATTGCATTCATTTTATGTTTCAGGTTCAGGGGGAGATGTGGGAGGTTTTTTAAAGCGGGGGATCCAAATTCCCGATAAGGATCTTCCTAGAGCATGGCTACGTAGATAAGTAGCATGGCGGGTTAATCATTAACTACAAGGAACCCCTAGTGATGGAGTTGGCCACTCCCTCTCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGGGCGACCAAAGGTCGCCCGACGCCCGGGCTTTGCCCGGGCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGCCTTAATTAACCTAATTCACTGGCCGTCGTTTTACAACGTCGTGACTGGGAAAACCCTGGCGTTACCCAACTTAATCGCCTTGCAGCACATCCCCCTTTCGCCAGCTGGCGTAATAGCGAAGAGGCCCGCACCGATCGCCCTTCCCAACAGTTGCGCAGCCTGAATGGCGAATGGGACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGCGCGGCGGGTGTGGTGGTTACGCGCAGCGTGACCGCTACACTTGCCAGCGCCCTAGCGCCCGCTCCTTTCGCTTTCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCGCCGGCTTTCCCCGTCAAGCTCTAAATCGGGGGCTCCCTTTAGGGTTCCGATTTAGTGCTTTACGGCACCTCGACCCCAAAAAACTTGATTAGGGTGATGGTTCACGTAGTGGGCCATCGCCCTGATAGACGGTTTTTCGCCCTTTGACGTTGGAGTCCACGTTCTTTAATAGTGGACTCTTGTTCCAAACTGGAACAACACTCAACCCTATCTCGGTCTATTCTTTTGATTTATAAGGGATTTTGCCGATTTCGGCCTATTGGTTAAAAAATGAGCTGATTTAACAAAAATTTAACGCGAATTTTAACAAAATATTAACGTTTATAATTTCAGGTGGCATCTTTCGGGGAAATGTGCGCGGAACCCCTATTTGTTTATTTTTCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAATAGTGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTATTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAA
【0301】
pAAV2_CMV_rtTA(V16)(配列番号31):
AAATTGTAAACGTTAATATTTTGTTAAAATTCGCGTTAAATTTTTGTTAAATCAGCTCATTTTTTAACCAATAGGCCGAAATCGGCAAAATCCCTTATAAATCAAAAGAATAGCCCGAGATAGGGTTGAGTGTTGTTCCAGTTTGGAACAAGAGTCCACTATTAAAGAACGTGGACTCCAACGTCAAAGGGCGAAAAACCGTCTATCAGGGCGATGGCCCACTACGTGAACCATCACCCAAATCAAGTTTTTTGGGGTCGAGGTGCCGTAAAGCACTAAATCGGAACCCTAAAGGGAGCCCCCGATTTAGAGCTTGACGGGGAAAGCCGGCGAACGTGGCGAGAAAGGAAGGGAAGAAAGCGAAAGGAGCGGGCGCTAGGGCGCTGGCAAGTGTAGCGGTCACGCTGCGCGTAACCACCACACCCGCCGCGCTTAATGCGCCGCTACAGGGCGCGTACTATGGTTGCTTTGACGTATGCGGTGTGAAATACCGCACAGATGCGTAAGGAGAAAATACCGCATCAGGCGCCCCTGCAGGCAGCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGCCCGGGCAAAGCCCGGGCGTCGGGCGACCTTTGGTCGCCCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAACTCCATCACTAGGGGTTCCTGCGGCCGCTCGGTCCGCACGATCTCAATTCGGCCATTACGGCCGGATCCGGCTCGAGgagcttggcccattgcatacgttgtatccatatcataatatgtacatttatattggctcatgtccaacattaccgccatgttgacattgattattgactagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacgctaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctcgtttagtgaaccgtcagatcgcctggagacgccatccacgctgttttgacctccatagaagacaccgggaccgatccagcctccgcggccccgaattcaccATGTCTAGACTGGACAAGAGCAAAATCATAAACAGCGCTCTGGAATTACTCAATGGAGTCGGTATCGAAGGCCTGACGACAAGGAAACTCGCTCAAAAGCTGGGAGTTGAGCAGCCTACCCTGTACTGGCACGTGAAGAACAAGCGGGCCCTGCTCGATGCCCTGCCAATCGAGATGCTGGACAGGCATCATACCCACAGCTGCCCCCTGGAAGGCGAGTCATGGCAAGACTTTCTGCGGAACAACGCCAAGTCATACCGCTGTGCTCTCCTCTCACATCGCGACGGGGCTAAAGTGCATCTCGGCACCCGCCCAACAGAGAAACAGTACGAAACCCTGGAAAATCAGCTCGCGTTCCTGTGTCAGCAAGGCTTCTCCCTGGAGAACGCACTGTACGCTCTGTCCGCCGTGGGCCACTTTACACTGGGCTGCGTATTGGAGGAACAGGAGCATCAAGTAGCAAAAGAGGAAAGAGAGACACCTACCACCGATTCTATGCCCCCACTTCTGAAGCAAGCAATTGAGCTGTTCGACCGGCAGGGAGCCGAACCTGCCTTCCTTTTCGGCCTGGAACTAATCATATGTGGCCTGGAGAAACAGCTAAAGTGCGAAAGCGGCGGGCCGACCGACGCCCTTGACGATTTTGACTTAGACATGCTCCCAGCCGATGCCCTTGACGACTTTGACCTTGATATGCTGCCTGCTGACGCTCTTGACGATTTTGACCTTGACATGCTCCCCGGGTAActaagtaaggatcATCTTAATTAAATCGATAAGGATCTGGCCGCCTCGGCCtaatcaacctctggattacaaaatttgtgaaagattgactggtattcttaactatgttgctccttttacgctatgtggatacgctgctttaatgcctttgtatcatgctattgcttcccgtatggctttcattttctcctccttgtataaatcctggttgctgtctctttatgaggagttgtggcccgttgtcaggcaacgtggcgtggtgtgcactgtgtttgctgacgcaacccccactggttggggcattgccaccacctgtcagctcctttccgggactttcgctttccccctccctattgccacggcggaactcatcgccgcctgccttgcccgctgctggacaggggctcggctgttgggcactgacaattccgtggtgttgtcggggaaatcatcgtcctttccttggctgctcgcctgtgttgccacctggattctgcgcgggacgtccttctgctacgtcccttcggccctcaatccagcggaccttccttcccgcggcctgctgccggctctgcggcctcttccgcgtcttcgccttcgccctcagacgagtcggatctccctttgggccgcctccccgcCAGACATGATAAGATACATTGATGAGTTTGGACAAACCACAACTAGAATGCAGTGAAAAAAATGCTTTATTTGTGAAATTTGTGATGCTATTGCTTTATTTGTAACCATTATAAGCTGCAATAAACAAGTTAACAACAACAATTGCATTCATTTTATGTTTCAGGTTCAGGGGGAGATGTGGGAGGTTTTTTAAAGCAAGTAAAACCTCTACAAATGTGGTAACTAGCGCGTGCGGCCGCAGGAACCCCTAGTGATGGAGTTGGCCACTCCCTCTCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGGGCGACCAAAGGTCGCCCGACGCCCGGGCTTTGCCCGGGCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGCTGCCTGCAGGACATGTGAGCAAAAGGCCAGCAAAAGGCCAGGAACCGTAAAAAGGCCGCGTTGCTGGCGTTTTTCCATAGGCTCCGCCCCCCTGACGAGCATCACAAAAATCGACGCTCAAGTCAGAGGTGGCGAAACCCGACAGGACTATAAAGATACCAGGCGTTTCCCCCTGGAAGCTCCCTCGTGCGCTCTCCTGTTCCGACCCTGCCGCTTACCGGATACCTGTCCGCCTTTCTCCCTTCGGGAAGCGTGGCGCTTTCTCATAGCTCACGCTGTAGGTATCTCAGTTCGGTGTAGGTCGTTCGCTCCAAGCTGGGCTGTGTGCACGAACCCCCCGTTCAGCCCGACCGCTGCGCCTTATCCGGTAACTATCGTCTTGAGTCCAACCCGGTAAGACACGACTTATCGCCACTGGCAGCAGCCACTGGTAACAGGATTAGCAGAGCGAGGTATGTAGGCGGTGCTACAGAGTTCTTGAAGTGGTGGCCTAACTACGGCTACACTAGAAGGACAGTATTTGGTATCTGCGCTCTGCTGAAGCCAGTTACCTTCGGAAAAAGAGTTGGTAGCTCTTGATCCGGCAAACAAACCACCGCTGGTAGCGGTGGTTTTTTTGTTTGCAAGCAGCAGATTACGCGCAGAAAAAAAGGATCTCAAGAAGATCCTTTGATCTTTTCTACGGGGTCTGACGCTCAGTGGAACGAAAACTCACGTTAAGGGATTTTGGTCATGAGATTATCAAAAAGGATCTTCACCTAGATCCTTTTAAATTAAAAATGAAGTTTTAAATCAATCTAAAGTATATATGAGTAAACTTGGTCTGACAGTTACCAATGCTTAATCAGTGAGGCACCTATCTCAGCGATCTGTCTATTTCGTTCATCCATAGTTGCCTGACTCCCCGTCGTGTAGATAACTACGATACGGGAGGGCTTACCATCTGGCCCCAGTGCTGCAATGATACCGCGAGACCCACGCTCACCGGCTCCAGATTTATCAGCAATAAACCAGCCAGCCGGAAGGGCCGAGCGCAGAAGTGGTCCTGCAACTTTATCCGCCTCCATCCAGTCTATTAATTGTTGCCGGGAAGCTAGAGTAAGTAGTTCGCCAGTTAATAGTTTGCGCAACGTTGTTGCCATTGCTACAGGCATCGTGGTGTCACGCTCGTCGTTTGGTATGGCTTCATTCAGCTCCGGTTCCCAACGATCAAGGCGAGTTACATGATCCCCCATGTTGTGCAAAAAAGCGGTTAGCTCCTTCGGTCCTCCGATCGTTGTCAGAAGTAAGTTGGCCGCAGTGTTATCACTCATGGTTATGGCAGCACTGCATAATTCTCTTACTGTCATGCCATCCGTAAGATGCTTTTCTGTGACTGGTGAGTACTCAACCAAGTCATTCTGAGAATAGTGTATGCGGCGACCGAGTTGCTCTTGCCCGGCGTCAATACGGGATAATACCGCGCCACATAGCAGAACTTTAAAAGTGCTCATCATTGGAAAACGTTCTTCGGGGCGAAAACTCTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGATCCAGTTCGATGTAACCCACTCGTGCACCCAACTGATCTTCAGCATCTTTTACTTTCACCAGCGTTTCTGGGTGAGCAAAAACAGGAAGGCAAAATGCCGCAAAAAAGGGAATAAGGGCGACACGGAAATGTTGAATACTCATACTCTTCCTTTTTCAATATTATTGAAGCATTTATCAGGGTTATTGTCTCATGAGCGGATACATATTTGAATGTATTTAGAAAAATAAACAAATAGGGGTTCCGCGCACATTTCCCCGAAAAGTGCCACCTGACGTCTAAGAAACCATTATTATCATGACATTAACCTATAAAAATAGGCGTATCACGAGGCCCTTTCGTCTCGCGCGTTTCGGTGATGACGGTGAAAACCTCTGACACATGCAGCTCCCGGAGACGGTCACAGCTTGTCTGTAAGCGGATGCCGGGAGCAGACAAGCCCGTCAGGGCGCGTCAGCGGGTGTTGGCGGGTGTCGGGGCTGGCTTAACTATGCGGCATCAGAGCAGATTGTACTGAGAGTGCACCATA
【0302】
CAG-tTA(配列番号32):
CCTGCAGGCAGCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGCCCGGGCAAAGCCCGGGCGTCGGGCGACCTTTGGTCGCCCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAACTCCATCACTAGGGGTTCCTGCGGCCGCACGCGTGGAGCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACGGGGTCATTAGTTCATAGCCCATATATGGAGTTCCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGTCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTCGTTTAGTGAACCGTCAGATCGCCTGGAGACGCCATCCACGCTGTTTTGACCTCCATAGAAGACACCGGGACCGATCCAGCCTCCGCGGATTCGAATCCCGGCCGGGAACGGTGCATTGGAACGCGGATTCCCCGTGCCAAGAGTGACGTAAGTACCGCCTATAGAGTCTATAGGCCCACAAAAAATGCTTTCTTCTTTTAATATACTTTTTTGTTTATCTTATTTCTAATACTTTCCCTAATCTCTTTCTTTCAGGGCAATAATGATACAATGTATCATGCCTCTTTGCACCATTCTAAAGAATAACAGTGATAATTTCTGGGTTAAGGCAATAGCAATATTTCTGCATATAAATATTTCTGCATATAAATTGTAACTGATGTAAGAGGTTTCATATTGCTAATAGCAGCTACAATCCAGCTACCATTCTGCTTTTATTTTATGGTTGGGATAAGGCTGGATTATTCTGAGTCCAAGCTAGGCCCTTTTGCTAATCATGTTCATACCTCTTATCTTCCTCCCACAGCTCCTGGGCAACGTGCTGGTCTGTGTGCTGGCCCATCACTTTGGCAAAGAATTGGGATTCGAACATCGATTGAATTCATGTCTAGACTGGACAAGAGCAAAGTCATAAACTCTGCTCTGGAATTACTCAATGAAGTCGGTATCGAAGGCCTGACGACAAGGAAACTCGCTCAAAAGCTGGGAGTTGAGCAGCCTACCCTGTACTGGCACGTGAAGAACAAGCGGGCCCTGCTCGATGCCCTGGCAATCGAGATGCTGGACAGGCATCATACCCACTTCTGCCCCCTGGAAGGCGAGTCATGGCAAGACTTTCTGCGGAACAACGCCAAGTCATTCCGCTGTGCTCTCCTCTCACATCGCGACGGGGCTAAAGTGCATCTCGGCACCCGCCCAACAGAGAAACAGTACGAAACCCTGGAAAATCAGCTCGCGTTCCTGTGTCAGCAAGGCTTCTCCCTGGAGAACGCACTGTACGCTCTGTCCGCCGTGGGCCACTTTACACTGGGCTGCGTATTGGAGGATCAGGAGCATCAAGTAGCAAAAGAGGAAAGAGAGACACCTACCACCGATTCTATGCCCCCACTTCTGAGACAAGCAATTGAGCTGTTCGACCATCAGGGAGCCGAACCTGCCTTCCTTTTCGGCCTGGAACTAATCATATGTGGCCTGGAGAAACAGCTAAAGTGCGAAAGCGGCGGGCCGGCCGACGCCCTTGACGATTTTGACTTAGACATGCTCCCAGCCGATGCCCTTGACGACTTTGACCTTGATATGCTGCCTGCTGACGCTCTTGACGATTTTGACCTTGACATGCTCCCCGGATGAGGATCCTCTAGAGTCGACCTGCAGAAGCTTGCCTCGAGCAGCGCTGCTCGAGAGATCTACGGGTGGCATCCCTGTGACCCCTCCCCAGTGCCTCTCCTGGCCCTGGAAGTTGCCACTCCAGTGCCCACCAGCCTTGTCCTAATAAAATTAAGTTGCATCATTTTGTCTGACTAGGTGTCCTTCTATAATATTATGGGGTGGAGGGGGGTGGTATGGAGCAAGGGGCAAGTTGGGAAGACAACCTGTAGGGCCTGCGGGGTCTATTGGGAACCAAGCTGGAGTGCAGTGGCACAATCTTGGCTCACTGCAATCTCCGCCTCCTGGGTTCAAGCGATTCTCCTGCCTCAGCCTCCCGAGTTGTTGGGATTCCAGGCATGCATGACCAGGCTCAGCTAATTTTTGTTTTTTTGGTAGAGACGGGGTTTCACCATATTGGCCAGGCTGGTCTCCAACTCCTAATCTCAGGTGATCTACCCACCTTGGCCTCCCAAATTGCTGGGATTACAGGCGTGAACCACTGCTCCCTTCCCTGTCCTTCTGATTTTGTAGGTAACCACGTGCGGACCGAGCGGCCGCAGGAACCCCTAGTGATGGAGTTGGCCACTCCCTCTCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGGGCGACCAAAGGTCGCCCGACGCCCGGGCTTTGCCCGGGCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGCTGCCTGCAGGGGCGCCTGATGCGGTATTTTCTCCTTACGCATCTGTGCGGTATTTCACACCGCATACGTCAAAGCAACCATAGTACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGCGCGGCGGGTGTGGTGGTTACGCGCAGCGTGACCGCTACACTTGCCAGCGCCCTAGCGCCCGCTCCTTTCGCTTTCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCGCCGGCTTTCCCCGTCAAGCTCTAAATCGGGGGCTCCCTTTAGGGTTCCGATTTAGTGCTTTACGGCACCTCGACCCCAAAAAACTTGATTTGGGTGATGGTTCACGTAGTGGGCCATCGCCCTGATAGACGGTTTTTCGCCCTTTGACGTTGGAGTCCACGTTCTTTAATAGTGGACTCTTGTTCCAAACTGGAACAACACTCAACCCTATCTCGGGCTATTCTTTTGATTTATAAGGGATTTTGCCGATTTCGGCCTATTGGTTAAAAAATGAGCTGATTTAACAAAAATTTAACGCGAATTTTAACAAAATATTAACGTTTACAATTTTATGGTGCACTCTCAGTACAATCTGCTCTGATGCCGCATAGTTAAGCCAGCCCCGACACCCGCCAACACCCGCTGACGCGCCCTGACGGGCTTGTCTGCTCCCGGCATCCGCTTACAGACAAGCTGTGACCGTCTCCGGGAGCTGCATGTGTCAGAGGTTTTCACCGTCATCACCGAAACGCGCGAGACGAAAGGGCCTCGTGATACGCCTATTTTTATAGGTTAATGTCATGATAATAATGGTTTCTTAGACGTCAGGTGGCACTTTTCGGGGAAATGTGCGCGGAACCCCTATTTGTTTATTTTTCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAACAGCGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTATTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAATTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGCAATGGCAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTGGATGGAGGCGGATAAAGTTGCAGGACCACTTCTGCGCTCGGCCCTTCCGGCTGGCTGGTTTATTGCTGATAAATCTGGAGCCGGTGAGCGTGGGTCTCGCGGTATCATTGCAGCACTGGGGCCAGATGGTAAGCCCTCCCGTATCGTAGTTATCTACACGACGGGGAGTCAGGCAACTATGGATGAACGAAATAGACAGATCGCTGAGATAGGTGCCTCACTGATTAAGCATTGGTAACTGTCAGACCAAGTTTACTCATATATACTTTAGATTGATTTAAAACTTCATTTTTAATTTAAAAGGATCTAGGTGAAGATCCTTTTTGATAATCTCATGACCAAAATCCCTTAACGTGAGTTTTCGTTCCACTGAGCGTCAGACCCCGTAGAAAAGATCAAAGGATCTTCTTGAGATCCTTTTTTTCTGCGCGTAATCTGCTGCTTGCAAACAAAAAAACCACCGCTACCAGCGGTGGTTTGTTTGCCGGATCAAGAGCTACCAACTCTTTTTCCGAAGGTAACTGGCTTCAGCAGAGCGCAGATACCAAATACTGTCCTTCTAGTGTAGCCGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCTGTAGCACCGCCTACATACCTCGCTCTGCTAATCCTGTTACCAGTGGCTGCTGCCAGTGGCGATAAGTCGTGTCTTACCGGGTTGGACTCAAGACGATAGTTACCGGATAAGGCGCAGCGGTCGGGCTGAACGGGGGGTTCGTGCACACAGCCCAGCTTGGAGCGAACGACCTACACCGAACTGAGATACCTACAGCGTGAGCTATGAGAAAGCGCCACGCTTCCCGAAGGGAGAAAGGCGGACAGGTATCCGGTAAGCGGCAGGGTCGGAACAGGAGAGCGCACGAGGGAGCTTCCAGGGGGAAACGCCTGGTATCTTTATAGTCCTGTCGGGTTTCGCCACCTCTGACTTGAGCGTCGATTTTTGTGATGCTCGTCAGGGGGGCGGAGCCTATGGAAAAACGCCAGCAACGCGGCCTTTTTACGGTTCCTGGCCTTTTGCTGGCCTTTTGCTCACATGT
【0303】
pAAV-Tet-O-OSK-SV40LpA(またはpAAV-TRE2-OSK-SV40LpA)(配列番号33):
ttatgcagtgctgccataaccatgagtgataacactgcggccaacttacttctgacaacgatcggaggaccgaaggagctaaccgcttttttgcacaacatgggggatcatgtaactcgccttgatcgttgggaaccggagctgaatgaagccataccaaacgacgagcgtgacaccacgatgcctgtagtaatggtaacaacgttgcgcaaactattaactggcgaactacttactctagcttcccggcaacaattaatagactggatggaggcggataaagttgcaggaccacttctgcgctcggcccttccggctggctggtttattgctgataaatctggagccggtgagcgtgggtctcgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcgtagttatctacacgacggggagtcaggcaactatggatgaacgaaatagacagatcgctgagataggtgcctcactgattaagcattggtaactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgtccttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgttctttcctgcgttatcccctgattctgtggataaccgtattaccgcctttgagtgagctgataccgctcgccgcagccgaacgaccgagcgcagcgagtcagtgagcgaggaagcggaagagcgcccaatacgcaaaccgcctctccccgcgcgttggccgattcattaatgcagctggcacgacaggtttcccgactggaaagcgggcagtgagcgcaacgcaattaatgtgagttagctcactcattaggcaccccaggctttacactttatgcttccggctcgtatgttgtgtggaattgtgagcggataacaatttcacacaggaaacagctatgaccatgattacgccagatttaattaaggccttaattaggctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgcccgggcaaagcccgggcgtcgggcgacctttggtcgcccggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagagagggagtggccaactccatcactaggggttccttgtagttaatgattaacccgccatgctacttatctacgtagccatgctctaggaagatcggaattcgtacacgcctacctcgacccatcaagtgccacctgacgtctccctatcagtgatagagaagtcgacacgtctcgagctccctatcagtgatagagaaggtacgtctagaacgtctccctatcagtgatagagaagtcgacacgtctcgagctccctatcagtgatagagaaggtacgtctagaacgtctccctatcagtgatagagaagtcgacacgtctcgagctccctatcagtgatagagaaggtacgtctagaacgtctccctatcagtgatagagaagtcgacacgtctcgagctccctatcagtgatagagaaggtaccccctatataagcagagctcgtttagtgaaccgtcagatcgcctggagacgccatccacgctgttttgacctccatagaagacaccgggaccgatccagcctggatcgcggccgcgccaccatggctggacacctggcttcagacttcgccttctcacccccaccaggtgggggtgatgggtcagcagggctggagccgggctgggtggatcctcgaacctggctaagcttccaagggcctccaggtgggcctggaatcggaccaggctcagaggtattggggatctccccatgtccgcccgcatacgagttctgcggagggatggcatactgtggacctcaggttggactgggcctagtcccccaagttggcgtggagactttgcagcctgagggccaggcaggagcacgagtggaaagcaactcagagggaacctcctctgagccctgtgccgaccgccccaatgccgtgaagttggagaaggtggaaccaactcccgaggagtcccaggacatgaaagccctgcagaaggagctagaacagtttgccaagctgctgaagcagaagaggatcaccttggggtacacccaggccgacgtggggctcaccctgggcgttctctttggaaaggtgttcagccagaccaccatctgtcgcttcgaggccttgcagctcagccttaagaacatgtgtaagctgcggcccctgctggagaagtgggtggaggaagccgacaacaatgagaaccttcaggagatatgcaaatcggagaccctggtgcaggcccggaagagaaagcgaactagcattgagaaccgtgtgaggtggagtctggagaccatgtttctgaagtgcccgaagccctccctacagcagatcactcacatcgccaatcagcttgggctagagaaggatgtggttcgagtatggttctgtaaccggcgccagaagggcaaaagatcaagtattgagtattcccaacgagaagagtatgaggctacagggacacctttcccagggggggctgtatcctttcctctgcccccaggtccccactttggcaccccaggctatggaagcccccacttcaccacactctactcagtcccttttcctgagggcgaggcctttccctctgttcccgtcactgctctgggctctcccatgcattcaaacgctagcggcagcggcgccacgaacttctctctgttaaagcaagcaggagatgttgaagaaaaccccgggcctgcatgcatgtataacatgatggagacggagctgaagccgccgggcccgcagcaagcttcggggggcggcggcggaggaggcaacgccacggcggcggcgaccggcggcaaccagaagaacagcccggaccgcgtcaagaggcccatgaacgccttcatggtatggtcccgggggcagcggcgtaagatggcccaggagaaccccaagatgcacaactcggagatcagcaagcgcctgggcgcggagtggaaacttttgtccgagaccgagaagcggccgttcatcgacgaggccaagcggctgcgcgctctgcacatgaaggagcacccggattataaataccggccgcggcggaaaaccaagacgctcatgaagaaggataagtacacgcttcccggaggcttgctggcccccggcgggaacagcatggcgagcggggttggggtgggcgccggcctgggtgcgggcgtgaaccagcgcatggacagctacgcgcacatgaacggctggagcaacggcagctacagcatgatgcaggagcagctgggctacccgcagcacccgggcctcaacgctcacggcgcggcacagatgcaaccgatgcaccgctacgacgtcagcgccctgcagtacaactccatgaccagctcgcagacctacatgaacggctcgcccacctacagcatgtcctactcgcagcagggcacccccggtatggcgctgggctccatgggctctgtggtcaagtccgaggccagctccagcccccccgtggttacctcttcctcccactccagggcgccctgccaggccggggacctccgggacatgatcagcatgtacctccccggcgccgaggtgccggagcccgctgcgcccagtagactgcacatggcccagcactaccagagcggcccggtgcccggcacggccattaacggcacactgcccctgtcgcacatggcatgcggctccggcgagggcaggggaagtcttctaacatgcggggacgtggaggaaaatcccggcccactcgagatgaggcagccacctggcgagtctgacatggctgtcagcgacgctctgctcccgtccttctccacgttcgcgtccggcccggcgggaagggagaagacactgcgtccagcaggtgccccgactaaccgttggcgtgaggaactctctcacatgaagcgacttcccccacttcccggccgcccctacgacctggcggcgacggtggccacagacctggagagtggcggagctggtgcagcttgcagcagtaacaacccggccctcctagcccggagggagaccgaggagttcaacgacctcctggacctagactttatcctttccaactcgctaacccaccaggaatcggtggccgccaccgtgaccacctcggcgtcagcttcatcctcgtcttccccagcgagcagcggccctgccagcgcgccctccacctgcagcttcagctatccgatccgggccgggggtgacccgggcgtggctgccagcaacacaggtggagggctcctctacagccgagaatctgcgccacctcccacggcccccttcaacctggcggacatcaatgacgtgagcccctcgggcggcttcgtggctgagctcctgcggccggagttggacccagtatacattccgccacagcagcctcagccgccaggtggcgggctgatgggcaagtttgtgctgaaggcgtctctgaccacccctggcagcgagtacagcagcccttcggtcatcagtgttagcaaaggaagcccagacggcagccaccccgtggtagtggcgccctacagcggtggcccgccgcgcatgtgccccaagattaagcaagaggcggtcccgtcctgcacggtcagccggtccctagaggcccatttgagcgctggaccccagctcagcaacggccaccggcccaacacacacgacttccccctggggcggcagctccccaccaggactacccctacactgagtcccgaggaactgctgaacagcagggactgtcaccctggcctgcctcttcccccaggattccatccccatccggggcccaactaccctcctttcctgccagaccagatgcagtcacaagtcccctctctccattatcaagagctcatgccaccgggttcctgcctgccagaggagcccaagccaaagaggggaagaaggtcgtggccccggaaaagaacagccacccacacttgtgactatgcaggctgtggcaaaacctataccaagagttctcatctcaaggcacacctgcgaactcacacaggcgagaaaccttaccactgtgactgggacggctgtgggtggaaattcgcccgctccgatgaactgaccaggcactaccgcaaacacacagggcaccggccctttcagtgccagaagtgcgacagggccttttccaggtcggaccaccttgccttacacatgaagaggcactaaatgactagtctagcaatcaacctctggattacaaaatttgtgaaagattgactggtattcttaactatgttgctccttttacgctatgtggatacgctgctttaatgcctttgtatcatgctattgcttcccgtatggctttcattttctcctccttgtataaatcctggttagttcttgccacggcggaactcatcgccgcctgccttgcccgctgctggacaggggctcggctgttgggcactgacaattccgtggtgtttatttgtgaaatttgtgatgctattgctttatttgtaaccattctagctttatttgtgaaatttgtgatgctattgctttatttgtaaccattataagctgcaataaacaagttaacaacaacaattgcattcattttatgtttcaggttcagggggagatgtgggaggttttttaaagcgggggatccaaattcccgataaggatcttcctagagcatggctacgtagataagtagcatggcgggttaatcattaactacaaggaacccctagtgatggagttggccactccctctctgcgcgctcgctcgctcactgaggccgggcgaccaaaggtcgcccgacgcccgggctttgcccgggcggcctcagtgagcgagcgagcgcgcagccttaattaacctaattcactggccgtcgttttacaacgtcgtgactgggaaaaccctggcgttacccaacttaatcgccttgcagcacatccccctttcgccagctggcgtaatagcgaagaggcccgcaccgatcgcccttcccaacagttgcgcagcctgaatggcgaatgggacgcgccctgtagcggcgcattaagcgcggcgggtgtggtggttacgcgcagcgtgaccgctacacttgccagcgccctagcgcccgctcctttcgctttcttcccttcctttctcgccacgttcgccggctttccccgtcaagctctaaatcgggggctccctttagggttccgatttagtgctttacggcacctcgaccccaaaaaacttgattagggtgatggttcacgtagtgggccatcgccctgatagacggtttttcgccctttgacgttggagtccacgttctttaatagtggactcttgttccaaactggaacaacactcaaccctatctcggtctattcttttgatttataagggattttgccgatttcggcctattggttaaaaaatgagctgatttaacaaaaatttaacgcgaattttaacaaaatattaacgtttataatttcaggtggcatctttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgagtattcaacatttccgtgtcgcccttattcccttttttgcggcattttgccttcctgtttttgctcacccagaaacgctggtgaaagtaaaagatgctgaagatcagttgggtgcacgagtgggttacatcgaactggatctcaatagtggtaagatccttgagagttttcgccccgaagaacgttttccaatgatgagcacttttaaagttctgctatgtggcgcggtattatcccgtattgacgccgggcaagagcaactcggtcgccgcatacactattctcagaatgacttggttgagtactcaccagtcacagaaaagcatcttacggatggcatgacagtaagagaa
【0304】
VP64、4つのVP16のリピート(配列番号34)(トランス活性化ドメインの非限定的な例):
GAGGCCAGCGGTTCCGGACGGGCTGACGCATTGGACGATTTTGATCTGGATATGCTGGGAAGTGACGCCCTCGATGATTTTGACCTTGACATGCTTGGTTCGGATGCCCTTGATGACTTTGACCTCGACATGCTCGGCAGTGACGCCCTTGATGATTTCGACCTGGACATGCTGATTAACTCTAGA
【0305】
P65(配列番号35)(トランス活性化ドメインの非限定的な例):
AGCCAGTACCTGCCCGACACCGACGACCGGCACCGGATCGAGGAAAAGCGGAAGCGGACCTACGAGACATTCAAGAGCATCATGAAGAAGTCCCCCTTCAGCGGCCCCACCGACCCTAGACCTCCACCTAGAAGAATCGCCGTGCCCAGCAGATCCAGCGCCAGCGTGCCAAAACCTGCCCCCCAGCCTTACCCCTTCACCAGCAGCCTGAGCACCATCAACTACGACGAGTTCCCTACCATGGTGTTCCCCAGCGGCCAGATCTCTCAGGCCTCTGCTCTGGCTCCAGCCCCTCCTCAGGTGCTGCCTCAGGCTCCTGCTCCTGCACCAGCTCCAGCCA TGGTGTCTGCACTGGCTCAGGCACCA GCACCCGTGCCTGTGCTGGCTCCTGGACCTCCACAGGCTGTGGCTCCACCAGCCCCTAAACCTACACAGGCCGGCGAGGGCACACTGTCTGAAGCTCTGCTGCAGCTGCAGTTCGACGACGAGGATCTGGGAGCCCTGCTGGGAAACAGCACCGATCCTGCCGTGTTCACCGACCTGGCCAGCGTGGACAACAGCG AGTTCCAGCAGCTGCTGAACCAGGGCA TCCCTGTGGCCCCTCACACCACCGAGCCCATGCTGATGGAATACCCCGAGGCCATCACCCGGCTCGTGACAGGCGCTCAGAGGCCTCCTGATCCAGCTCCTGCCCCTCTGGGAGCACCAGGCCTGCCTAATGGACTGCTGTCTGGCGACGAGGACTTCAGCTCTATCGC CGATATGGATTTCTCAGCCTTGCTG
【0306】
RTA(配列番号36)(トランス活性化ドメインの非限定的な例):
CGGGATTCCAGGGAAGGGATGTTTTTGCCGAAGCCTGAGGCCGGCTCCGCTATTAGTGACGTGTTTGAGGGCCGCGAGGTGTGCCAGC CAAAACGAA TCCGGCCA TTTCATCCTCCAGGAAGTCCATGGGCCAACCGCCCACTCCCCGCCAGCCTCGCACCAACACCAACCGGTCCAGTACATGAGCCAGTCGGGTCACTGACCCCGGCACCAGTCCC TCAGCCACTGGATCCAGCGCCCGCAGTGACTCCCGAGGCCAGTCACCTGTTGGAGGATCCCGATGAAGAGACGAGCCAGGCTGTCAAAGCCCTTCGGGAGATGGCCGATACTGTGATTCCCCAGAAGGAA GAGGCTGCAA TCTGTGGCCAAA TGGACCTTTCCCA TCCGCCCCCAAGGGGCCA TCTGGA TGAGCT GACAACCACACTTGAGTCCA TGACCGAGGATCTGAACCTGGACTCACCCCTGACCCCGGAATTGAACGAGATTCTGGATACCTTCCTGAACGACGAGTGCCTCTTGCATGCCATGCATATCAGCACAGGAC TGTCCA TCTTCGACACA TCTCTGTTT
【0307】
MPH MS2-P65-HSF1(配列番号37)(トランス活性化ドメインの非限定的な例):
GCTTCAAACTTTACTCAGTTCGTGCTCGTGGACAATGGTGGGACAGGGGATGTGACAGTGGCTCCTTCTAATTTCGCTAATGGGGTGGCAGAGTGGATCAGCTCCAACTCACGGAGCCAGGCCTACAAGGTGACATGCAGCGTCAGGCAGTCTAGTGCCCAGAAGAGAAAGTATACCATCAAGGTGGAGGTCCCCAAAGTGGCTACCCAGACAGTGGGCGGAGTCGAACTGCCTGTCGCCGCTTGGAGGTCCTACCTGAACATGGAGCTCACTATCCCAATTTTCGCTACCAATTCTGACTGTGAACTCATCGTGAAGGCAATGCAGGGGCTCCTCAAAGACGGTAATCCTATCCCTTCCGCCATCGCCGCTAACTCAGGTATCTACAGCGCTGGAGGAGGTGGAAGCGGAGGAGGAGGAAGCGGAGGAGGAGGTAGCGGACCTAAGAAAAAGAGGAAGGTGGCGGCCGCTGGATCCCCTTCAGGGCAGATCAGCAACCAGGCCCTGGCTCTGGCCCCTAGCTCCGCTCCAGTGCTGGCCCAGACTATGGTGCCCTCTAGTGCTATGGTGCCTCTGGCCCAGCCACCTGCTCCAGCCCCTGTGCTGACCCCAGGACCACCCCAGTCACTGAGCGCTCCAGTGCCCAAGTCTACACAGGCCGGCGAGGGGACTCTGAGTGAAGCTCTGCTGCACCTGCAGTTCGACGCTGATGAGGACCTGGGAGCTCTGCTGGGGAACAGCACCGATCCCGGAGTGTTCACAGATCTGGCCTCCGTGGACAACTCTGAGTTTCAGCAGCTGCTGAATCAGGGCGTGTCCATGTCTCATAGTACAGCCGAACCAATGCTGATGGAGTACCCCGAAGCCATTACCCGGCTGGTGACCGGCAGCCAGCGGCCCCCCGACCCCGCTCCAACTCCCCTGGGAACCAGCGGCCTGCCTAATGGGCTGTCCGGAGATGAAGACTTCTCAAGCATCGCTGATATGGACTTTAGTGCCCTGCTGTCACAGATTTCCTCTAGTGGGCAGGGAGGAGGTGGAAGCGGCTTCAGCGTGGACACCAGTGCCCTGCTGGACCTGTTCAGCCCCTCGGTGACCGTGCCCGACATGAGCCTGCCTGACCTTGACAGCAGCCTGGCCAGTATCCAAGAGCTCCTGTCTCCCCAGGAGCCCCCCAGGCCTCCCGAGGCAGAGAACAGCAGCCCGGATTCAGGGAAGCAGCTGGTGCACTACACAGCGCAGCCGCTGTTCCTGCTGGACCCCGGCTCCGTGGACACCGGGAGCAACGACCTGCCGGTGCTGTTTGAGCTGGGAGAGGGCTCCTACTTCTCCGAAGGGGACGGCTTCGCCGAGGACCCCACCATCTCCCTGCTGACAGGCTCGGAGCCTCCCAAAGCCAAGGACCCCACTGTCTCC
【0308】
均等物および範囲
請求の範囲において、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、文脈から逆であることが示されるか、または別段に明らかでない限り、1つまたは1つより多くを意味し得る。群の1つ以上のメンバーの間に「or」を含む請求項または説明は、文脈から逆であることが示されるか、または別段に明らかでない限り、当該群のメンバーの1つ、1つより多く、または全てが、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、これにおいて使用されるか、またはこれに別段に関連する場合に、満たされるとみなされる。本開示は、群の正確に1つのメンバーが所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、これにおいて使用されるか、またはこれに別段に関連する態様を含む。本開示は、群のメンバーのうちの1つより多くまたは全てが、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、これにおいて使用されるか、またはこれに別段に関連する態様を含む。
【0309】
さらに、本開示は、列記される請求項のうちの1つ以上からの1つ以上の限定要因、要素、条項および説明的用語が、別の請求項中に導入される、全てのバリエーション、組み合わせおよび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同じ基礎請求項に従属する任意の他の請求項において見出される1つ以上の限定要因を含むように改変することができる。要素がリストとして、例えばマーカッシュ群の形式において提示される場合、要素の各々のサブグループもまた開示され、任意の要素を、群から取り除くことができる。一般的に、本開示、または本明細書において記載される側面が、特定の要素および/または特徴を含むものとして言及される場合、本明細書において記載されるある態様または本明細書において記載される側面は、かかる要素および/または特徴からなるか、またはこれらから本質的になることが、理解されるべきである。平易さのために、これらの態様は、本明細書において、文章によっては具体的には記載されていない。また、用語「含むこと(comprising)」および「含むこと(containing)」は、オープンであることを意図され、さらなる要素またはステップの包含を許容することに注意する。範囲が示される場合、端点が含まれる。さらに、別段に示されるかまたは文脈および当業者の理解から別段に明らかでない限り、範囲として表現された値は、本明細書において記載される異なる態様における記述された範囲内の任意の特定の値または部分範囲を、文脈が明らかに別段に示さない限り、当該範囲の単位の10分の1まで、仮定し得る。
【0310】
本願は、多様な発行された特許、公開された特許出願、学術雑誌の記事、および他の刊行物を引用し、これらの全ては、本明細書において参考として援用される。援用される参考文献のうちのいずれかと本明細書との間に矛盾が存在する場合、本明細書が支配すべきである。加えて、本開示の任意の特定の態様であって、先行技術に該当するものは、請求項のうちの任意の1つ以上から明示的に除外される。かかる態様は、当業者に公知であるとみなされるので、それらは、除外が本明細書において明示的に記載されない場合においてすら、除外することができる。本明細書において記載される任意の特定の態様は、任意の請求項から、任意の理由のために、先行技術の存在に関係するか否かにかかわらず、除外することができる。
【0311】
業者は、慣用的な実験のみを用いて、本明細書において記載される特定の態様に対する多くの均等物を認識するか、またはこれらを確認することができるであろう。本明細書において記載される本態様の範囲は、上の説明に限定することを意図されず、むしろ、添付される請求の範囲において記載される。当業者は、以下の請求の範囲において定義されるような本開示の精神または範囲から逸脱することなく、この記載に対して多様な変更および改変を行うことができることを理解するであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図3
図4AB
図5AB
図6AB
図6C
図7
図8A
図8BC
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15BC
図15D
図15E
【配列表】
0007589997000001.app