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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】抗癌性化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/82 20060101AFI20241119BHJP
   A61K 31/4406 20060101ALI20241119BHJP
   A61K 31/4409 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241119BHJP
   C07D 241/24 20060101ALI20241119BHJP
   C07D 307/66 20060101ALI20241119BHJP
   C07D 213/74 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
C07D213/82
A61K31/4406
A61K31/4409
A61P35/00
A61P25/00
C07D241/24
C07D307/66
C07D213/74 CSP
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022127080
(22)【出願日】2022-08-09
(62)【分割の表示】P 2020541480の分割
【原出願日】2019-02-01
(65)【公開番号】P2022160635
(43)【公開日】2022-10-19
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】2018900315
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】500026418
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシティ・オブ・シドニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カッシウ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヨルゲンセン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ミュノツ レンカ
【審査官】高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/113242(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/119017(WO,A1)
【文献】特表2003-507329(JP,A)
【文献】特表2013-502429(JP,A)
【文献】特表2017-530183(JP,A)
【文献】特表2010-532381(JP,A)
【文献】特表2008-538356(JP,A)
【文献】国際公開第2013/032907(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/193939(WO,A1)
【文献】特表2009-542684(JP,A)
【文献】特表2003-507461(JP,A)
【文献】特表2007-513093(JP,A)
【文献】特表2013-522253(JP,A)
【文献】特表2007-537300(JP,A)
【文献】国際公開第2004/060281(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/067009(WO,A1)
【文献】Brocklehurst, Katy J. et al.,Discovery, optimization and in vivo evaluation of novel GPR119 agonists,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2011年,Vol. 21, No.24,pp.7310-7316,DOI:10.1016/j.bmcl.2011.10.033
【文献】RN 1587725-56-1 REGISTRY,DATABASE REGISTRY [ONLINE] Retrieved from STN,2014年04月21日,p.1,検索日:04 AUG 2021,N-(6-アミノ-3-ピリジニル)-3-(4-フルオロフェニル)-1,2,4-
【文献】C.G.WERMUTH編,13章 等価置換に基づく分子の変換,『最新 創薬化学 上巻』,株式会社テクノミック,1998年08月15日,pp.235-271
【文献】野崎正勝 等,創薬化学,第1版,株式会社化学同人,1995年,pp.98-99
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、Xは、線状Cアルキル又は線状Cアルケニルであり;
は、H、アルキル又はアルケニルであり;
Zは、1つ又は複数の窒素原子を含み、ヒドロキシル基、ハロ基、アルキル基、又はヘテロアルキル基で置換されていてもよい単環式又は二環式ヘテロアリール基であり;
は、-OH、=O、-SH、-SOH、-NH、-N-(アルキル)、-NH-アルキル、-N、-NO、アルキル、アルケニル、及びヘテロアルキル基から選択される一種又は複数種の基で置換されていてもよく、ここで、アルキル、アルケニル、及びヘテロアルキル基は、-OH、=O、-SH、-SOH、-NH、-N-(アルキル)、-NH-アルキル、-N、及び-NOから選択される一種又は複数種の基で置換されていてもよい、シクロアルキル、フェニル又はヘテロシクロアルキル基である)
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
前記RがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、ハロ又はヘテロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記ヘテロシクロアルキル基が1つ又は複数の酸素原子を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記ヘテロシクロアルキル基が置換されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
前記置換基がハロ基及びヘテロアルキル基から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記ハロ基がFである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Zが、1つ又は複数の窒素原子を含み、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、又はヘテロアルキル基で置換されていてもよい単環式ヘテロアリール基である、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Zが、1つ又は複数の窒素原子を含み、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、又はヘテロアルキル基で置換されていてもよいピリジン又はピリミジンである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Zが、ヒドロキシル基、ハロ基又はヘテロアルキル基で置換されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Zが、ハロ基で置換されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記ハロ基がFである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Zがピリジンである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
前記ピリジンの窒素がメタ位にある、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を、薬学的に許容可能な賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含む、増殖性障害の治療用医薬又は予防用医薬。
【請求項17】
前記増殖性障害が癌である、請求項16に記載の医薬。
【請求項18】
前記癌が脳癌である、請求項17に記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品と、癌(特に、脳癌)などの増殖性疾患の処置におけるその使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
脳の固形癌(すなわち、脳腫瘍)の現在の処置方法は、手術、放射線療法及び化学療法のうちの1つ又は複数を含む。例えば、神経膠芽腫(人間の最も一般的な脳癌である)は、Stuppプロトコールを用いて処置される。これは、放射線/テモゾロミドに基づく化学療法の併用と、その後のテモゾロミド単独による補助化学療法とを含み、腫瘍を最大限に外科的切除した後に実行される。テモゾロミドは生存期間を(放射線のみの場合と比較して)約3カ月延長し、神経膠芽腫患者の生存期間中央値は15カ月である。アバスチンは再発性神経膠芽腫に対して承認されているが、生存期間の改善はほとんど得られていない。
【0003】
さらに、神経膠芽腫の50%が上皮成長因子受容体(EGFR)のシグナル伝達に依存するにもかかわらず、臨床的に利用可能なEGFR阻害薬は神経膠芽腫の臨床試験に失敗している。いくつかの阻害薬は十分な血液脳関門(BBB)透過性を有さなかった。また最近の研究では、神経膠芽腫はII型EGFR阻害薬のみに応答するが、I型阻害薬が試験されたことも明らかにされた。また神経膠芽腫の極端な不均一性及び侵襲性も、分子標的療法が脳癌の有効な処置として機能しないことの一因となっている。
【0004】
いくつかの脳以外の癌において有効であることが示されている別の種類の化合物は、チューブリン-ターゲティング化学療法薬である。しかしながら、臨床的に使用されるチューブリン阻害薬(例えば、タキソール)は、BBBを貫通することができない非常に大きい分子である。さらに、タキソール及び他のチューブリン-ターゲティング化学療法薬(例えば、ビンブラスチン及びビンクリスチンなど)は、重篤な副作用(例えば、化学療法誘導性の末梢神経障害)を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、癌などの増殖性疾患のための新規の処置を見出すこと、特に、脳癌に有効な処置を見出すことが必要とされている。
【0006】
本明細書における任意の従来技術への言及は、この従来技術が任意の管轄権における共通の一般知識の一部を形成すること、又はこの従来技術が当業者により理解され、関連があると見なされ、及び/又は先行技術の他の部分と組み合わされるものであると合理的に予想され得ることの承認又は示唆ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の問題の1つ又は複数に対処すること、及び/又は癌の治療における改善を提供することを追求し、第1の態様では、式(I):
【化1】
(式中、Xは、C~Cアルキル又はC~Cアルケニルであり;
Yは、
【化2】
であり;
Wは、O又はSであり;
は、H、アルキル又はアルケニルであり;
Zは、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール基であり、ここで、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール基は任意選択的に置換されており;
は、ハロ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基であり、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は任意選択的に置換されており;
Arは、アリール又はヘテロアリール基である)
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを提供する。
【0008】
Xは、Cアルキル又はCアルケニルであり得る。
【0009】
WはOであり得る。
【0010】
はアリール基であり得る。アリール基は単環式又は二環式であり得る。アリール基はフェニル又はナフチルであり得る。アリール基は置換されていてもよい。置換基は、ハロ基及びヘテロアルキル基から選択され得る。ハロ基はFであってもよく、ヘテロアルキル基はO-アルキル(例えば、-OCH)又はアミノアルキル(例えば、-CHNH)であってもよい。
【0011】
はヘテロアリール基であり得る。ヘテロアリール基は単環式又は二環式であり得る。ヘテロアリール基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。例えば、ヘテロアリール基は、ピラゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、ベンゾイミダゾール又はインドールであり得る。ヘテロアリール基は置換されていてもよい。例えば、置換基は、ハロ基(例えば、F)又はヘテロアルキル基(例えば、-OCHなどのO-アルキル、又は-CHNHなどのアミノアルキル)であり得る。
【0012】
はヘテロシクロアルキル基であり得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。ヘテロシクロアルキル基はピペラジンであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つ又は複数の酸素原子を(1つ又は複数の窒素原子に加えて、又はこれらの代替として)含み得る。ヘテロシクロアルキル基はモルホリンであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、例えば、ハロ基(例えば、F)又はヘテロアルキル基(例えば、-OCHなどのO-アルキル、又は-CHNHなどのアミノアルキル)によって置換されていてもよい。
【0013】
Arはアリール基であり得る。アリール基はフェニルであり得る。Arはヘテロアリール基であり得る。ヘテロアリール基は、1つ又は複数の窒素原子及び/又はNH基を含み得る。ヘテロアリール基は4又は5個の環炭素原子を有し得る。ヘテロアリール基はピリジン又はピリミジンであり得る。
【0014】
Zはアリール基であり得る。アリール基は単環式又は二環式であり得る。例えば、アリール基はフェニルであり得る。アリール基は置換されていてもよい。置換基はヘテロアルキル基であり得る。ヘテロアルキル基は、1つ又は複数の酸素原子を含み得る。ヘテロアルキル基は、アリール基と共に環を形成し得る。
【0015】
Zはヘテロアリール基であり得る。ヘテロアリール基は単環式又は二環式であり得る。ヘテロアリール基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。例えば、ヘテロアリール基は、ピラゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、ベンズイミダゾール又はインドールであり得る。ヘテロアリール基は、1つ又は複数の酸素原子を(1つ又は複数の窒素原子に加えて、又はこれらの代替として)含み得る。例えば、ヘテロアリール基はフランであり得る。ヘテロ原子は、1つ又は複数の環上の1つ又は複数の位置にあり得る。例えば、Zがピリジン基である場合、窒素は、環上の1つ又は複数の位置にあり得る。例えば、窒素はメタ位にあり得る。窒素は、オルト位に、及び/又はメタ位及び/又はパラ位の1つ又は複数にあり得る。ヘテロアリール基は置換されていてもよい。例えば、置換基は、ヒドロキシル、ハロ基(例えば、F)又はヘテロアルキル基(例えば、-OCHなどのO-アルキル、又は-CHNHなどのアミノアルキル)であり得る。
【0016】
Zはヘテロシクロアルキル基であり得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。ヘテロシクロアルキル基はピペラジンであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つ又は複数の酸素原子を(1つ又は複数の窒素原子に加えて、又はこれらの代替として)含み得る。ヘテロシクロアルキル基はモルホリンであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、部分的に不飽和であり得る。ヘテロシクロアルキル基は、例えば、ヒドロキシル、ハロ基(例えば、F)又はヘテロアルキル基(例えば、-OCHなどのO-アルキル、又は-CHNHなどのアミノアルキル)によって置換され得る。
【0017】
は、H、アルキル又はアルケニルであり得る。RはHであり得る。
【0018】
式(I)の化合物は、以下から選択され得る:
【化3】
【化4】
【化5】
【0019】
第2の態様では、本発明は、式(I)の化合物(本発明の第1の態様に従う)を、薬学的に許容可能な賦形剤と一緒に含む医薬組成物に関する。
【0020】
本発明に従う化合物及び医薬組成物は、増殖性疾患の処置又は予防のために適切であり得る。従って、別の態様では、本発明は、被験対象において増殖性疾患を処置又は予防する方法に関し、本方法は、有効量の本発明の第1の態様に従う式(I)の化合物又は本発明の第2の態様に従う医薬組成物を被験対象に投与することを含む。
【0021】
さらなる態様では、本発明は、増殖性疾患を処置又は予防するための薬剤の製造における、本発明の第1の態様に従う式(I)の化合物又は本発明の第2の態様に従う医薬組成物の使用に関する。
【0022】
さらなる態様では、本発明は、被験対象における増殖性疾患の処置又は予防のための、本発明の第1の態様に従う式(I)の化合物又は本発明の第2の態様に従う医薬組成物の使用に関する。
【0023】
さらなる態様では、本発明は、被験対象における増殖性疾患の処置又は予防において使用するための、本発明の第1の態様に従う式(I)の化合物又は本発明の第2の態様に従う医薬組成物に関する。
【0024】
一実施形態では、増殖性疾患は癌である。癌は、脳癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮癌、皮膚癌、結腸癌及び膀胱癌からなる群から選択され得る。
【0025】
癌は原発性であり得る。癌は転移性であり得る。癌は良性であり得る。癌は悪性であり得る。
【0026】
癌は、脳癌(例えば、未分化星状細胞腫、星状細胞腫、中枢神経細胞腫、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢腫瘍、びまん性内因性橋膠腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、上衣腫瘍、線維性星状細胞腫、巨細胞神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、大脳神経膠腫症、神経膠肉腫
、血管周囲細胞腫、髄芽細胞腫、髄様上皮腫、髄膜癌腫症、神経芽細胞腫、神経細胞腫、乏突起星状細胞腫、乏突起神経膠腫、視神経鞘髄膜腫、小児上衣腫、毛様細胞性星状細胞腫、松果体芽細胞腫、松果体細胞腫、多形未分化神経芽細胞腫、多形黄色星状細胞腫、原発性中枢神経系リンパ腫、蝶形骨翼髄膜腫(sphenoid wing meningioma)、上衣下巨細胞性星状細胞腫、上衣下腫、三側性網膜芽細胞腫)であり得る。脳癌は原発性癌(例えば、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫又は神経鞘腫瘍)であり得る。脳癌は転移性癌(例えば、メラノーマ又は肺癌の結果)であり得る。
【0027】
さらなる態様では、本発明は、被験対象における固形腫瘍の再発を完全又は部分的に予防する方法に関し、本方法は、有効量の本発明の第1の態様に従う式(I)の化合物又は本発明の第2の態様に従う医薬組成物を被験対象に投与することを含む。
【0028】
別の態様では、本発明は、固形腫瘍の再発を完全又は部分的に予防するための薬剤の製造における、本発明の第1の態様に従う化合物又は本発明の第2の態様に従う医薬組成物の使用に関する。
【0029】
さらなる態様では、本発明は、被験対象における固形腫瘍の再発を完全又は部分的に予防するための、本発明の第1の態様に従う式(I)の化合物又は本発明の第2の態様に従う医薬組成物の使用に関する。
【0030】
さらなる態様では、本発明は、被験対象における固形腫瘍の再発の完全又は部分的な予防において使用するための、本発明の第1の態様に従う式(I)の化合物又は本発明の第2の態様に従う医薬組成物に関する。
【0031】
固形腫瘍は脳癌(例えば、神経膠芽腫、星状細胞腫、神経膠腫)であり得る。脳癌は原発性癌であり得る。脳癌は転移性癌であり得る。
【0032】
式(I)の化合物は治療において単独で、或いは例えば併用療法の一部として、1つ又は複数の他の治療薬と組み合わせて使用され得る。
【0033】
本発明の更なる態様及び前述の段落に記載される態様のさらなる実施形態は、例として与えられる以下の記載から、そして添付図面を参照すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】WJA69bを用いたインビトロでのチューブリン重合アッセイの結果。
図2】WJA88を用いたインビトロでのチューブリン重合アッセイの結果。
図3】CMPD1、WJA69b及びWJA88の代謝的安定性試験。
図4】クローン原性アッセイにおけるWJA88の細胞有効性。
図5】3Dスフェロイドアッセイにおける化合物の細胞有効性。
【発明を実施するための形態】
【0035】
これより、本発明の特定の実施形態が詳細に言及される。本発明は、実施形態と共に説明されるが、本発明をそれらの実施形態に限定することは意図されていないことが理解されるであろう。そうではなく、本発明は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に含まれ得る全ての代替例、変更、及び均等物を包含することが意図される。
【0036】
当業者は、本発明の実施に使用され得る、本明細書に記載されるものと同様又は同等の多くの方法及び材料を認識するであろう。本発明は、記載される方法及び材料に決して限定されない。本明細書において開示及び定義される本発明が、言及される或いは本文又は図面から明らかである個々の特徴の2つ以上の全ての代替的な組み合わせまで及ぶことは
理解されるであろう。これらの異なる組み合わせは全て、本発明の種々の代替的な態様を構成する。
【0037】
本明細書全体を通して、特に記載されない限り又は文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単一の工程、組成物、工程の群又は組成物の群への言及は、それらの工程、組成物、工程の群又は組成物の群の1つ及び複数(すなわち、1つ又は複数)を包含するものと解釈されるべきである。従って、本明細書で使用される場合、文脈上特に明記されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数の態様を含み、逆もまた同様である。例えば、「a」への言及は、単一並びに2つ以上を含み;「an」への言及は、単一並びに2つ以上を含み;「the」への言及は、単一並びに2つ以上を含むなどである。
【0038】
本発明は、式(I)の化合物が癌(特に、脳癌)などの増殖性疾患の処置における予想外の改善を提供するという驚くべき知見に基づく。
【0039】
化合物は、一般的に、本明細書では標準命名法を用いて記載される。不斉中心を有する化合物の場合、他に規定されない限り、光学異性体及びその混合物の全てが包含されることは理解されるであろう。また2つ以上の不斉要素を有する化合物はジアステレオマーの混合物として存在することができる。さらに、炭素-炭素二重結合を有する化合物はZ型及びE型で存在することができ、化合物の全ての異性体型は、他に規定されない限り本発明に含まれる。化合物が種々の互変異性型で存在する場合、記載される化合物は、どの1つの特定の互変異性体にも限定されず、むしろ全ての互変異性型を包含することが意図される。記載される化合物はさらに、1つ又は複数の原子が同位体、すなわち同じ原子番号を有するが質量数が異なる原子で置換された化合物を包含することが意図される。一般的な例として、そして限定することなく、水素の同位体はトリチウム及び重水素を含み、炭素の同位体は11C、13C、及び14Cを含む。
【0040】
1つ又は複数の不斉中心を有する、本明細書で提供される式に従う化合物は、少なくとも50%のエナンチオマー過剰率を有する。例えば、このような化合物は、少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は98%のエナンチオマー過剰率を有し得る。化合物のいくつかの実施形態は、少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を有する。不斉合成、光学的に純粋な前駆体からの合成、生合成によって、或いはラセミ体の分割、例えば、酵素的分割又は従来の方法(例えば、分割剤の存在下での結晶化、又は例えばキラルHPLCカラムを用いるクロマトグラフィなど)による分割によって、単一のエナンチオマー(光学活性型)を得ることができることは明らかであろう。
【0041】
特定の化合物は、本明細書において、R、R、Ar、W、X、Y及びZなどの変数を含む一般式を用いて記載される。他に規定されない限り、このような式中の各変数は、任意の他の変数とは独立して定義され、式中に2回以上出現する任意の変数は、各出現において独立して定義される。従って、例えば、基が0、1又は2個のRによって置換されていると示される場合、その基は置換されていなくてもよいし、2個までのR基によって置換されていてもよく、各出現におけるRは、Rの定義から独立して選択される。また、置換基及び/又は変数の組み合わせは、このような組み合わせが、安定した化合物、すなわち単離され、特徴付けされ、そして生物活性について試験され得る化合物を生じる場合にだけ許容される。
【0042】
本明細書に開示される化合物の「薬学的に許容可能な塩」は、過剰な毒性又は発癌性を伴わずに、そして好ましくは、刺激作用、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症を伴わずにヒト又は動物の組織と接触して使用するのに適していると当該技術分野において一般的に考えられる酸又は塩基塩である。特に、本発明に従う薬学的に許容可能な塩は、化合物がBBBを通過する能力に悪影響を与えない塩である。このような塩は、アミン
などの塩基性残基の鉱酸及び有機酸塩、並びにカルボン酸などの酸性残基のアルカリ又は有機塩を含む。
【0043】
適切な薬学的に許容可能な塩には、塩酸、リン酸、臭化水素酸、リンゴ酸、グリコール酸、フマル酸、硫酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエチルスルホン酸、硝酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ステアリン酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、プロピオン酸、ヒドロキシマレイン酸、ヨウ化水素酸、フェニル酢酸、アルカン酸(例えば、酢酸、HOOC-(CH-COOH(式中、nは0~6の任意の整数、すなわち0、1、2、3、4、5又は6である)など)などの酸の塩が含まれるが、これらに限定されない。同様に、薬学的に許容可能なカチオンには、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウムが含まれるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で提供される化合物のためのさらなる薬学的に許容可能な塩を認識するであろう。一般に、薬学的に許容可能な酸性又は塩基性塩は、任意の従来の化学的方法によって、塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。簡単に言うと、このような塩は、水中又は有機溶媒(例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルなど)中、或いは2つの混合物中で、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態と、化学量論的な量の適切な塩基又は酸とを反応させることによって調製することができる。
【0044】
式(I)の各化合物は水和物、溶媒和物又は非共有結合性複合体として存在し得るが、必ずしもそうでなくてもよいことは認識されるであろう。さらに、種々の結晶形態及び多形も、本明細書で提供される式(I)の化合物のプロドラッグと同様に、本発明の範囲内に含まれる。
【0045】
「プロドラッグ」は、本明細書で提供される化合物の構造要件を完全に満足させなくてもよいが、被験対象又は患者への投与後にインビボで変更されて、本明細書で提供される式(I)の化合物を生じる化合物である。例えば、プロドラッグは、本明細書で提供される化合物のアシル化誘導体であり得る。プロドラッグは、ヒドロキシ、カルボキシ、アミン又はスルフヒドリル基が任意の基に結合された化合物を含み、哺乳類被験対象に投与されたときに切断されて、それぞれ、遊離ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、又はスルフヒドリル基を形成する。プロドラッグの例としては、本明細書で提供される化合物中のアルコール及びアミン官能基の酢酸、ギ酸、リン酸及び安息香酸誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される化合物のプロドラッグは、修飾がインビボで切断されて親化合物を生じるような形で、化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製され得る。
【0046】
「置換基」は、本明細書で使用される場合、対象の分子内の原子に共有結合した分子部分を指す。例えば、「環置換基」は、環員である原子、好ましくは炭素又は窒素原子に共有結合した、ハロゲン、アルキル基、ヘテロアルキル基、ハロアルキル基又は本明細書に記載される他の置換基などの部分であり得る。「置換される」という用語は、本明細書で使用される場合、指定の原子上の任意の1つ又は複数の水素が、指示された置換基から選択されたもので置き換えられることを意味するが、ただし指定の原子の通常の原子価は超過されず、置換は、安定した化合物、すなわち単離され、特徴付けされ、そして生物活性について試験され得る化合物を生じるものとする。置換基がオキソ、すなわち=Oである場合、原子上の2つの水素が置換される。芳香族炭素原子の置換基であるオキソ基は、-CH-から-C(=O)-への転化と、芳香族性の喪失とをもたらす。例えば、オキソにより置換されたピリジル基はピリドンである。適切な置換基の例は、アルキル(ハロアルキル、例えばCFを含む)、ヘテロアルキル(例えば、-OCH、-CHNHCH
、-CHNH)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子)、OH、=O、SH、SOH、NH、=NH、N及びNO基である。
【0047】
「アルキル」という用語は、飽和直鎖又は分枝状炭化水素基を指す。アルキル基の特定の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル及び2,2-ジメチルブチルである。
【0048】
「ヘテロアルキル」という用語は、酸素、窒素及び硫黄(特に、酸素及び窒素)から選択される1つ又は複数のへテロ原子を含有する、上記で定義されるアルキル基を指す。ヘテロアルキル基の特定の例は、O-アルキル基、例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ及びtert-ブチルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、-CHCHOH、-CHOH、メトキシエチル、1-メトキシエチル、1-エトキシエチル、2-メトキシエチル又は2-エトキシエチル、アミノアルキル(例えば、-CHNH、-CHCHNHなど)メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルエチルアミノ、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、ジ-イソプロピルアミノエチル、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、エノールエーテル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、アセチル、プロピオニル、ブチリルオキシ、アセチルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピオニルオキシ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、N-エチル-N-メチルカルバモイル及びN-メチルカルバモイルである。ヘテロアルキル基のさらなる例は、ニトリル、イソニトリル、シアナート、チオシアナート、イソシアナート、イソチオシアナート及びアルキルニトリル基である。
【0049】
「アルケニル」という用語は、少なくとも2つの炭素原子を含有する(すなわち、Cアルケニル)少なくとも部分的に不飽和の直鎖又は分枝状炭化水素基を指す。アルケニル基の特定の例は、エテニル(ビニル)、プロペニル(アリル)、イソプロペニル、ブテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、アセチレニル、プロパルギル、イソプレニル及びヘキサ-2-エニル基である。好ましくは、アルケニル基は1つ又は2つの二重結合を有する。
【0050】
「シクロアルキル」という用語は、1つ又は複数の環(好ましくは1つ又は2つ)を含有し、且つ3~14個の環炭素原子、好ましくは3~10個(特に、3、4、5、6又は7個)の環炭素原子を含有する、飽和又は部分不飽和(例えば、シクロアルケニル基)環状基を指す。シクロアルキル基の特定の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、スピロ[4,5]デカニル、ノルボルニル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、デカリニル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、テトラリン、アダマンタン(すなわち、トリサイクル[3.3.1.13,7]デカン)、シクロペンチルシクロヘキシル及びシクロヘキサ-2-エニルである。
【0051】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1つ又は複数(好ましくは、1、2又は3個)の環炭素原子がそれぞれ独立して、酸素、窒素、ケイ素、セレン、リン又は硫黄原子によって(好ましくは、酸素、硫黄又は窒素原子によって)置換された、上記で定義されるシクロアルキル基を指す。これには、これらの原子を含有する基、例えばNHなどが含まれる。ヘテロシクロアルキル基は、好ましくは、3~10個(特に、3、4、5、6又は7個)の環原子(好ましくは、C、O、N及びSから選択される)を含有する1又は2つの環を有する。特定の例は、ピペリジル、プロリニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ウロトロピニル、ピロリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル及び2-ピラゾリニル基であり、またラクタム、ラク
トン、環状イミド及び環状無水物である。
【0052】
「アリール」という用語は、6~14個の環炭素原子、好ましくは6~10個(特に、6個)の環炭素原子を含有する1つ又は複数の環を含有する芳香族基を指す。例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニル基などがある。
【0053】
「ヘテロアリール」という用語は、5~14個の環原子、好ましくは5~10個(特に、5又は6個)の環原子を含有し、且つ1つ又は複数(好ましくは、1、2、3又は4個)の酸素、窒素、リン又は硫黄環原子(好ましくは、O、S又はN)を含有する1つ又は複数の環を含有する芳香族基を指す。これには、O、S又はN含有基、例えばNHなどが含まれる。例としては、ピリジル(例えば、4-ピリジル)、イミダゾリル(例えば、2-イミダゾリル)、フェニルピロリル(例えば、3-フェニルピロリル)、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、インダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、インダゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピロリル、プリニル、カルバゾリル、アクリジニル、ピリミジル、2,3’-ビフリル及びピラゾリル(例えば、3-ピラゾリル)基などがある。
【0054】
「ハロゲン」又は「ハロゲン原子」という表現は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0055】
「任意選択的に置換された」という用語は、1つ、2つ、3つ又はそれ以上の水素原子が、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子)によって、そして/或いは例えば、OH、=O、SH、SOH、NH、N-アルキル、NH-アルキル、N又はNO基によって、互いに独立して置き換えられた基を指す。またこの表現は、1つ、2つ、3つ又はそれ以上のアルキル、アルケニル又はヘテロアルキル(例えば、-OCH、-OCHCH、-CHNHCH及び-CHNH)基によって置換された基も指す。これらの基はそれ自体が置換されていてもよい。例えば、アルキル基置換基は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換され得る(すなわち、ハロアルキル基であり得る)。「ハロアルキル」という用語は、1つ又は複数のハロゲン原子(上記で定義される)によって置換されたアルキル基(同様に上記で定義される)を指す。ハロアルキル基の特定の例は、トリフルオロメチル、ジクロロエチル、ジクロロメチル及びヨードエチルである。
【0056】
本明細書で使用される場合、長さの範囲の限定を定義する表現、例えば「1~5」などは、1から5までの任意の整数、すなわち1、2、3、4及び5を意味する。言い換えると、明確に言及される2つの整数によって定義される任意の範囲は、前記限定を定義する任意の整数及び前記範囲内に含まれる任意の整数を包含及び開示することが意図される。
【0057】
式(I)の好ましい化合物は、XがC、C若しくはCアルキル、又はC若しくはCアルケニル(例えば、Cアルキル又はCアルケニル)であるものである。
【0058】
はアリール基であり得る。アリール基は単環式又は二環式であり得る。アリール基はフェニル又はナフチルであり得る。アリール基は置換されていてもよい。置換基は、ハロ基及びヘテロアルキル基から選択され得る。ハロ基はFであってもよく、ヘテロアルキル基はO-アルキル(例えば、OCH又はOCHCH)又はアミノアルキル(例えば、-CHNH又は-CHCHNH)であってもよい。
【0059】
はヘテロアリール基であり得る。ヘテロアリール基は単環式又は二環式であり得る。ヘテロアリール基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。例えば、ヘテロアリール基は、ピラゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、ベンゾイミダゾール又はインドールであり得る。ヘテロアリール基は置換されていてもよい。例えば、置換基は、ハロ基(例えば、F)又はヘテロアルキル基(例えば、-OCH若しくはOCHCHなどのO-アルキル、又は-CHNH若しくは-CHCHNHなどのアミノアルキル)であり得る。
【0060】
はヘテロシクロアルキル基であり得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。ヘテロシクロアルキル基はピペラジンであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つ又は複数の酸素原子含み得る。ヘテロシクロアルキル基はモルホリンであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、例えば、ハロ基(例えば、F)又はヘテロアルキル基(例えば、-OCH若しくはOCHCHなどのO-アルキル、又は例えば、-CHNH若しくは-CHCHNHなどのアミノアルキル)によって置換されていてもよい。
【0061】
Arはアリール基であり得る。アリール基はフェニルであり得る。Arはヘテロアリール基であり得る。ヘテロアリール基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。ヘテロアリール基は4又は5個の環炭素原子を有し得る。ヘテロアリール基はピリジン又はピリミジンであり得る。
【0062】
Zはアリール基であり得る。アリール基は単環式又は二環式であり得る。例えば、アリール基はフェニルであり得る。アリール基は置換されていてもよい。置換基は、アルキル基、及びアルケン基又はヘテロアルキル基であり得る。ヘテロアルキル基は、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数のアミノ基、及び/又は1つ又は複数のN-アルキル基を含み得る。ヘテロアルキル基は、アリール基と共に環を形成し得る。
【0063】
Zはヘテロアリール基であり得る。ヘテロアリール基は単環式又は二環式であり得る。ヘテロアリール基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。例えば、ヘテロアリール基は、ピラゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、ベンズイミダゾール又はインドールであり得る。ヘテロアリール基は、1つ又は複数の酸素原子を(1つ又は複数の窒素原子に加えて、又はこれらの代替として)含み得る。例えば、ヘテロアリールはフランであり得る。ヘテロ原子は、1つ又は複数の環上の1つ又は複数の位置にあり得る。例えば、Zがピリジン基である場合、窒素はメタ位にあり得る。窒素は、オルト位に及び/又はメタ位及び/又はパラ位の1つ又は複数にあり得る。ヘテロアリール基は置換されていてもよい。例えば、置換基は、ヒドロキシル、ハロ基(例えば、F)又はヘテロアルキル基(例えば、-OCHなどのO-アルキル、又は-CHNHなどのアミノアルキル)であり得る。
【0064】
Zはヘテロシクロアルキル基であり得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つ又は複数の窒素原子を含み得る。ヘテロシクロアルキル基はピペラジンであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つ又は複数の酸素原子を(1つ又は複数の窒素原子に加えて、又はこれらの代替として)含み得る。ヘテロシクロアルキル基はモルホリンであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、部分的に不飽和であり得る。ヘテロシクロアルキル基は、例えば、ヒドロキシル、ハロ基(例えば、F)又はヘテロアルキル基(例えば、-OCHなどのO-アルキル、又は-CHNHなどのアミノアルキル)によって置換され得る。
【0065】
は、H、アルキル又はアルケニルであり得る。RはHであり得る。
【0066】
本発明の化合物の特定の例は、以下の表1に示される。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
一実施形態では、式(I)の化合物は、上記の表1からの化合物WJA69b、WJA88、WJA69c、1、2、3、4及び5からなる群から選択される。
【0070】
本発明の化合物は、当業者に知られている任意の適切な方法によって合成することがで
きる。一般的合成は、スキーム1において以下に示される。
【化6】
【0071】
本発明の化合物は、高い抗増殖活性、特に脳癌に対する高い効力を示し得る。特に、本明細書中の実施例では、特定の化合物はアポトーシスを誘導することが示され、BBBを通過することもできる。
【0072】
式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、並びに製剤及び医薬組成物(式(I)の化合物の混合物を含む)の治療的使用は、本発明の範囲内に含まれる。従って、本発明は、治療的に有効な量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグと、1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物にも関する。
【0073】
「医薬品の担体、希釈剤又は賦形剤」には、適切な水溶性担体を含む任意の生理学的な緩衝(すなわち、約pH7.0~7.4)媒体、従来の溶媒、分散媒、充填剤、固体担体、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤が含まれるが、これらに限定されない。適切な水溶性担体には、生理食塩水、デキストロース、コーン油、ジメチルスルホキシド、及びゼラチンカプセルが含まれるが、これらに限定されない。他の従来の添加剤には、ラクトース、マンニトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、結合剤、例えば、結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、ゼラチン、崩壊剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び潤滑剤、例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウムが含まれる。
【0074】
医薬組成物は、例えば、局所(例えば、経皮又は眼内)、経口、頬側、経鼻、膣、直腸又は非経口投与を含む任意の適切な投与経路のために処方され得る。「非経口」という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、皮内、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、脊髄、頭蓋内、くも膜下腔内、眼内、眼周囲、眼窩内、滑液包内及び腹腔内注射、並びに任意の同様の注射又は注入技術を含む。特定の実施形態では、経口使用又は非経口使用に適
した形態の組成物が好ましい。適切な経口形態は、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁液、分散性粉末若しくは顆粒、エマルション、ハード若しくはソフトカプセル、又はシロップ若しくはエリキシルを含む。静脈内、筋肉内、皮下、又は腹腔内投与のために、1つ又は複数の化合物は、好ましくはレシピエントの血液と等張性である無菌水溶液と混ぜ合わせられ得る。このような製剤は、塩化ナトリウム又はグリシンなどの生理学的に適合性の物質を含有し、生理学的条件に適合する緩衝pHを有する水中に固体活性成分を溶解して水溶液を生じさせ、前記溶液を無菌にすることによって調製され得る。製剤は、単位用量又は複数用量容器、例えば密封アンプル又はバイアルなどの中に存在し得る。適切な成分の例は、Martindale-The Extra Pharmacopoeia(Pharmaceutical Press,London 1993)及びMartin(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
【0075】
増殖性障害の処置のために、本発明に従う生物活性化合物の用量は幅広い限界内で異なることができ、個々の要求に対して調整することができる。本発明に従う活性化合物は、一般的に、治療的に有効な量で投与される。好ましい用量は、1日に体重1キログラム当たり約0.1mg~約140mg(例えば、約0.5mg~約7g/患者/日)の範囲である。1日の用量は、単一の用量として、或いは複数の用量で投与され得る。単一の剤形を作製するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主及び特定の投与モードに応じて異なり得る。単位剤形は、一般的に、約1mg~役500mgの活性成分を含有するであろう。
【0076】
しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与の時間、投与経路、及び排泄速度、薬物の併用(すなわち、他の薬物が患者の処置に使用されている)、治療を受けている特定の障害の重症度、並びに望ましくない増殖性細胞の位置を含む様々な要因に依存し得ることが理解されるであろう。化合物が全身的ではなく局所的に、そして処置ではなく予防のために投与される場合には、投薬量は一般的により少ないであろう。このような処置は、処置する医師により、必要である度に、そして必要と判断された期間実施され得る。当業者は、投与される式(I)の化合物の投薬計画又は治療的に有効な量を、各個人に対して最適化する必要があり得ることを認識するであろう。
【0077】
異なる障害を処置するために異なる投薬量が必要とされ得ることは、認識されるであろう。薬剤の有効量は、腫瘍性細胞の数、成長又はサイズにおける統計的に有意な低下を引き起す量である。本発明の薬剤に応答する腫瘍性障害には脳癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
「治療的に有効な量」又は「有効量」という用語は、増殖性障害の症状の予防、改良又は改善をもたらす式(I)の化合物の量を指す。本発明の化合物又は医薬組成物の剤形及び量は、既知の処置又は予防レジメンを参照することによって容易に確立することができる。
【0079】
本発明の好ましい化合物は、特定の薬理学的特性を有するであろう。このような特性は、上記の好ましい経口剤形がインビボで治療的に有効なレベルの化合物を提供することができるように、経口バイオアベイラビリティ及びBBB透過性を含むが、これらに限定されない。
【0080】
本発明の化合物は、好ましくは、経口又は非経口的に患者(例えば、ヒト)に投与され、患者の少なくとも1つの体液又は組織内に存在する。従って、本発明はさらに、増殖性障害(脳癌などの癌を含む)を患っている患者の処置方法を提供する。
【0081】
「処置する」、「処置」及び「治療」という用語は、本明細書において、治癒的療法を指すために使用される。従って、本開示との関連では、「処置する」という用語は、癌又はその関連症状を治癒させる又はその重症度を改善することを包含する。
【0082】
「予防する」又は「予防」は、癌の発生を防止すること、或いは本発明の化合物又は医薬組成物の投与の後に発生する場合には癌の重症度を和らげることを意味する。これは、臨床的に明らかな不要な細胞増殖の開始を完全に防止するか、或いはリスクのある人において発症前に明らかな不要な急速細胞増殖段階の開始を防止する。
【0083】
患者には、霊長類、特にヒト、飼いならされたコンパニオン動物、例えばイヌ、ネコ、ウマなど、及び家畜、例えばウシ、ブタ、ヒツジなどが含まれ得るが、これらに限定されず、投薬量は本明細書に記載される通りである。
【0084】
本発明の化合物は、細胞増殖に関連する状態及び疾患(脳癌などの癌を含む)の処置及び/又は予防ために有用であり得る。従って、本発明は、治療的に有効な量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグを患者に投与することを含む、患者の増殖性障害の処置又は予防方法にも関する。また本発明は、増殖性障害を処置又は予防するための、療的に有効な量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグの使用にも関する。また本発明は、本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、増殖性障害の処置又は予防において使用するための医薬組成物も提供する。また本発明は、増殖性障害の処置又は予防のための薬剤を製造するための、治療的に有効な量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグの使用にも関する。
【0085】
また本発明は、増殖性障害の処置又は予防方法において使用する場合の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグにも関する。また本発明は、増殖性障害の処置又は予防において使用するための活性成分を有する組成物にも関し、活性成分は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグである。また本発明は、上記のような、増殖性障害の処置又は予防における、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグを含有する医薬組成物の使用にも関する。一実施形態では、式(I)の化合物は、組成物の本質的に唯一の活性成分である。一実施形態では、増殖性障害は癌である。一実施形態では、癌は脳癌(例えば、固形腫瘍)である。
【0086】
本発明に従う式(I)の化合物、及びその医薬組成物は、増殖性疾患、好ましくは癌の処置又は予防において使用され得る。本発明の化合物及び組成物は、例えば、脳癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮癌 脳癌、皮膚癌、結腸癌及び膀胱癌などの固形腫瘍を含むがこれらに限定されない、様々な種類の癌(腫瘍)の処置のために有用であり得る。
【0087】
本発明に従う処置に適している可能性のある癌又は腫瘍細胞のタイプには、例えば、乳房、結腸、肺、及び前立腺の癌、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、結腸直腸腫瘍に関連するポリープ、膵癌及び胆のう癌を含む消化管癌、副腎皮質の癌、ACTH産生腫瘍、膀胱癌、脳癌(以下で議論されるものを含む)、ユーイング肉腫、口腔癌及び喉頭癌を含む頭頸部癌、腎細胞癌を含む腎癌、肝癌、小細胞及び非小細胞肺癌を含む肺癌、悪性腹水、悪性胸水、悪性メラノーマ、ヒト皮膚ケラチノサイトの腫瘍進行、扁平上皮癌、基底細胞癌、及び血管周囲細胞腫を含む皮膚癌、中皮腫、カポージ肉腫、骨腫及び肉腫、例えば繊維肉腫及び骨肉腫などを含む骨癌、子宮癌、子宮内膜癌、卵巣癌、卵巣(胚細胞)癌及び卵胞の固形腫瘍、膣癌、外陰部の癌、及び子宮頸癌を含む女性生殖管の癌、乳癌(小細胞及び管)、陰茎癌、網膜芽細胞腫、精巣癌、甲状腺癌、栄養膜新生物、並びにウィルムス腫瘍が
含まれる。一実施形態では、癌は原発性である。一実施形態では、癌は転移性である。一実施形態では、癌は良性である。一実施形態では、癌は悪性である。
【0088】
一実施形態では、処置及び/又は予防される増殖性障害は脳癌である。脳癌は、未分化星状細胞腫、星状細胞腫、中枢神経細胞腫、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢腫瘍、びまん性内因性橋膠腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、上衣腫瘍、線維性星状細胞腫、巨細胞神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、大脳神経膠腫症、神経膠肉腫、血管周囲細胞腫、髄芽細胞腫、髄様上皮腫、髄膜癌腫症、神経芽細胞腫、神経細胞腫、乏突起星状細胞腫、乏突起神経膠腫、視神経鞘髄膜腫、小児上衣腫、毛様細胞性星状細胞腫、松果体芽細胞腫、松果体細胞腫、多形未分化神経芽細胞腫、多形黄色星状細胞腫、原発性中枢神経系リンパ腫、蝶形骨翼髄膜腫、上衣下巨細胞性星状細胞腫、上衣下腫及び三側性網膜芽細胞腫から選択され得る。従って、好ましくは、脳癌は腫瘍(好ましくは、固形腫瘍)である。脳癌は、原発性癌(例えば、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫又は神経鞘腫瘍)又は転移性癌(すなわち、メラノーマ又は肺癌などの他の身体部位の癌の結果として生じた脳癌)であり得る。
【0089】
代替的又は付加的に、化合物は、他の薬剤、例えば、化学療法若しくは免疫刺激薬又は治療剤と組み合わせて投与され得る。
【0090】
本発明の化合物及び1つ又は複数の他の医薬品の使用の定義における「併用療法」又は「補助療法」という用語は、薬物の組み合わせの有益な効果を提供し得るレジメンにおける逐次的な方法での各薬剤の投与を包含することが意図され、そして、これらの活性剤を固定比率で含む単一の製剤、又は各薬剤の複数の別々の製剤などにおける実質的に同時的な方法でのこれらの薬剤の同時投与を包含することも同様に意図される。
【0091】
本発明の種々の実施形態によると、式(I)の1つ又は複数の化合物は、1つ又は複数の他の治療薬と組み合わせて処方又は投与され得る。従って、本発明の種々の実施形態によると、式(I)の1つ又は複数の化合物は、手術及び/又は他の既知の処置若しくは治療薬、例えば他の抗癌剤、特に、化学療法剤、放射線治療薬、及び/又は補助若しくは予防薬との併用治療レジメンに含まれ得る。
【0092】
商業用途、臨床評価及び前臨床開発において利用可能な抗悪性腫瘍薬が多数あり、併用薬物化学療法による癌又は他の新生物の処置のために選択され得る。このような抗悪性腫瘍薬は、いくつかの主要なカテゴリー、すなわち、抗生物質型の薬剤、代謝拮抗薬、ホルモン剤、免疫学的薬剤、インターフェロン型の薬剤及び種々の薬剤のカテゴリーに分類される。或いは、メタロマトリックスプロテアーゼ阻害薬などの他の抗悪性腫瘍薬が使用されてもよい。併用療法において使用され得る適切な薬剤は、当業者によって認識されるであろう。適切な薬剤は、例えば、Merck Index,An Encyclopaedia of Chemicals,Drugs and Biologicals,12th Ed.,1996に記載されている。
【0093】
併用レジメンは、活性剤が一緒に、逐次的に、又は各場合において必要に応じて間隔を開けて投与されることを含み得る。本発明の化合物を含む活性剤の組み合わせは相乗的であり得る。
【0094】
式(I)の化合物の同時投与は、式(I)の化合物が化学療法薬又は他の抗癌剤と同じ単位用量中にあることによって行われてもよいし、或いは式(I)の化合物及び化学療法薬又は他の抗癌剤は、同時又はほぼ同時に投与される個々の別々の単位用量中に存在していてもよい。逐次的投与は必要に応じて任意の順序でよく、特に累積又は相乗効果が所望される場合、第1又は最初の化合物の進行中の生理的効果は、第2又はその後の化合物が投与される際に続いていることが必要とされ得る。
【0095】
種々の用途のために、本発明の化合物は、同位体、蛍光若しくは発光マーカー、抗体若しくは抗体断片、任意の他のアフィニティ標識(ナノボディ、アプタマー、ペプチドなどのような)、酵素又は酵素基質によって標識化することができる。本発明のこれらの標的化化合物は、オートラジオグラフィーによるインビボ、エキソビボ、インビトロ及びインサイツ(例えば、組織切片における)での受容体の位置のマッピングのために、そして陽電子放出断層撮影(PET)イメージングや単一光子放射断層撮影断層撮影法(SPECT)などのための放射性トレーサとして、生体又は他の材料中でこれらの受容体を特徴付けるのに有用である。本発明に従う標的化化合物は、治療、診断及び他の用途、例えば、インビボ及びインビトロの研究手段、特に本明細書に開示される用途において使用され得る。
【0096】
本明細書において開示及び定義される本発明が、言及される或いは本文又は図面から明らかである個々の特徴の2つ以上の全ての代替的な組み合わせまで及ぶことは理解されるであろう。これらの異なる組み合わせは全て、本発明の種々の代替的な態様を構成する。
【0097】
単に例示のために提供され、いかなる形でも本発明の範囲を限定すると考えられてはならない実施例を参照して、本発明の実施形態はより詳細にこれから議論されるであろう。
【実施例
【0098】
合成
複素環A及びBへの一般的合成経路
【化7】
4-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ブタン酸
【化8】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(590mg、0.51mmol)を、乾燥脱気THF/水(100mL、9:1 v/vの混合物)中の2-フルオロフェニルボロン酸(1.7g、12.3mmol)、CsCO(9.9g、30.6mmol)及び4-ブロモフェニルブタン酸(2.50g、10.2mmol)の攪拌懸濁液に添加し、得られた混合物を、8時間にわたって還流状態で攪拌した。得られた溶液をHCl(100mL、1M(水溶液))で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出し、その後、組み合わされた有機相を、塩水で洗浄してから、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた酸を、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ、1:1 v/vのEtOAc:Hex)によって精製して、表題化合物を白色の結晶性固体(1.6g、61%)として得た。
H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 12.06(br s,1H)、7.57-7.23(m,8H)、2.64(t,J=7.4Hz,2H)、2.25(t,J=7.4Hz,2H)、1.88-1.80(m,2H).13C NMR(75MHz,DMSO-d)δ 174.2、159.1(d,J=245.8Hz)、1
41.3、132.6、130.7(d,J=3.7Hz)、129.3(d,J=8.5Hz)、128.7(d,J=3.0Hz)、128.6、128.2(d,J=13.9Hz)、124.9(d,J=3.7Hz)、116.0(d,J=22.6Hz)、34.1、33.1、26.2.19F NMR(282MHz,DMSO)δ-118.4.IR(ダイヤモンドセル、ニート)νmax:3026、2902、1696、1480、1435、1250、1202、939、799、756、563cm-1.LRMS(-ESI)m/z:257[(M-H)、100%]
【0099】
4-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-N-(ピリジン-3-イル)ブタンアミド(WJA69b)
【化9】
DMF(5mL)中の4-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ブタン酸(200mg、0.77mmol)、3-アミノピリジン(80mg、0.85mmol)及びPrNEt(268μL、1.54mmol)の氷冷した磁気攪拌溶液を、PyBOP(登録商標)(400mg、0.77mmol)で処理し、室温まで温め、攪拌を12時間続けた。反応生成物を、CHCl(50mL)及び水(50mL)で希釈し、その後、分離した有機相を、NaHCO(25mLの飽和水溶液)及び塩水(100mL)で洗浄してから、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ、1:1 v/vのEtOAc:Hex)によって精製して、表題化合物を白色の固体(169mg、64%)として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.11(s,1H)、8.73(d,J=2.6Hz,1H)、8.23(dd,J=4.7、1.5Hz,1H)、8.03(ddd,J=8.3、2.5、1.6Hz,1H)、7.56-7.45(m,3H)、7.44-7.36(m,1H)、7.36-7.25(m,5H)、2.69(t,J=7.5Hz,2H)、2.39(t,J=7.5Hz,2H)、1.95(p,J=7.5Hz,2H).13C NMR(101MHz,DMSO-d)δ 171.5、159.1(d,J=245.6Hz)、144.0、141.4、140.7、135.9、132.7、130.7(d,J=3.5Hz)、129.3(d,J=8.4Hz)、128.8(d,J=2.9Hz)、128.7、128.2(d,J=13.2Hz)、126.0、124.9(d,J=3.6Hz)、123.6、116.1(d,J=22.6Hz)、35.6、34.3、26.4.19F NMR(282MHz,DMSO)δ-118.4.IR(ダイヤモンドセル、ニート)νmax:3252、1688、1582、1545、1481、1420、1277、1169、1026、798、753、701、561cm-1.LRMS(+ESI)m/z:335[(M+H)、25%]、357[(M+Na)、100%].
【0100】
4-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-N-(ピリジン-4-イル)ブタンアミド(WJA69c)
【化10】
DMF(5mL)中の4-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)
ブタン酸(200mg、0.77mmol)、4-アミノピリジン(80mg、0.85mmol)及びPrNEt(268μL、1.54mmol)の氷冷した磁気攪拌溶液を、PyBOP(登録商標)(400mg、0.77mmol)で処理し、室温まで温め、攪拌を12時間続けた。反応生成物を、CHCl(50mL)及び水(50mL)で希釈し、その後、分離した有機相を、NaHCO(25mLの飽和水溶液)及び塩水(100mL)で洗浄してから、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ、1:1 v/vのEtOAc:Hex)によって精製して、表題化合物を白色の固体(228mg、86%)として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 11.92(s,1H)、8.67(d,J=7.2Hz,2H)、8.16(d,J=7.3Hz,2H)、7.53-7.42(m,3H)、7.37-7.23(m,5H)、2.73-2.64(m,2H)、2.58(t,J=7.3Hz,2H)、2.02-1.92(m,2H).13C NMR(101MHz,DMSO-d)δ 173.8、159.1(d,J=245.6Hz)、153.0、142.0、141.2、132.7、131.1、130.6(d,J=3.4Hz)、129.3(d,J=8.4Hz)、128.7(d,J=2.9Hz)、128.1(d,J=13.2Hz)、124.9(d,J=3.6Hz)、116.1(d,J=22.5Hz)、114.2、36.2、34.1、25.9.19F NMR(282MHz,DMSO)δ-118.4.IR(ダイヤモンドセル、ニート)νmax:2926、1716、1561、1500、1483、1313、1135、823、754、514cm-1.LRMS(+ESI)m/z:335[(M+H)、100%]、357[(M+Na)、40%].
【0101】
複素環C及びDへの一般的合成経路
【化11】
WJA88への合成経路の概要
【化12】
3-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン酸
【化13】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(554.7mg、0.48mmol)を、乾燥脱気THF/水(100mL、9:1 v/vの混合物)中の2-フルオロフェニルボロン酸(1.61g、11.5mmol)、CsCO(11.2g、34.5mmol)及び4-ブロモフェニルプロピオン酸(2.2g、9.6mmol)の攪拌懸濁液に添加し、得られた混合物を、8時間にわたって還流状態で攪拌した。得られた溶液をHCl(100mL、1M(水溶液))で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出し、その後、組み合わされた有機相を塩水で洗浄してから、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた酸を、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ、1:1 v/vのEtOAc:Hex)によって精製して、表題化合物を白色の結晶性固体(1.3g、54%)として得た。
H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 12.16(br s,1H)、7.58-7.16(m,8H)、2.88(t,J=7.8Hz,2H)、2.67-2.54(m,2H).13C NMR(75MHz,DMSO-d)δ 173.7、159.1(d,J=245.7Hz)、140.6、132.8、130.6(d,J=6.0Hz)、129.3(d,J=7.9Hz)、128.7、128.5、128.1(d,J=12.3Hz)、124.9(d,J=3.6Hz)、116.0(d,J=22.6Hz)、35.0、30.0.19F NMR(282MHz,DMSO)δ-118.4.IR(ダイヤモンドセル、ニート)νmax:3187、1696、1483、1410、1216、1009、940、814、755、666、566、cm-1.LRMS(-ESI)m/z:243[(M-H)、100%]
【0102】
3-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパンアミド
【化14】
3-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン酸(1.0g、4.1mmol)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(854mg、5.2mmol)を、N2雰囲気下で、THF(4mL)中で、室温で1時間攪拌した。反応物を氷上で冷却し、次に、アンモニア水(28%、2.25mL)を添加した。反応物を4時間攪拌して、溶液を室温まで温めた。溶媒を回転蒸発によって除去し、残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液(1M、5mL)、次に、塩酸水溶液(1M、5mL)及び次に水(5mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、蒸発乾固させて、表題化合物を白色の粉末(607mg、61%)として得た。
H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 7.57-7.17(m,8H)、6.79(s,2H)、2.86(t,J=7.9Hz,2H)、2.41(t,J=7.9Hz,2H).13C NMR(75MHz,DMSO-d)δ 173.3、157.4(d,J=246.3Hz)、141.2、132.6、130.5(d,J=7.9Hz)、129.2(d,J=8.3Hz)、128.6、128.4、128
.1(d,J=12.1Hz)、124.8、116.0(d,J=22.7Hz)、36.4、30.5.19F NMR(282MHz,DMSO)δ-118.4.IR(ダイヤモンドセル、ニート)νmax:3400、3180、1650、1482、1412、1009、806、754、624cm-1.LRMS(+ESI)m/z:266[(M+Na)、100%].
【0103】
3-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-1-アミン
【化15】
THF(8mL)中のアミド(500mg、2.1mmol)の溶液を、0℃で、LiAlH(312mg、8.2mmol)で処理し、室温に温めながらN雰囲気下で攪拌した。2時間後、反応物を、16時間にわたって還流状態で加熱し、次に、氷上で冷却した。冷H2O(300μL)を、激しく攪拌しながら滴下して添加し、次に、水酸化ナトリウム水溶液(15% w/v、300μL)及びさらなる水(1mL)を滴下して添加した。泡立ちが停止し、灰色の粉末が白色になるまで(30分間)、溶液を室温で攪拌させておいた。溶液を乾燥させ(MgSO4)、次に、ろ過した。沈殿物をさらなるジクロロメタン(2×10mL)で洗浄した。ろ液を、それぞれ組み合わせて、溶媒を減圧下で除去した。このように得られた粗製油を、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ、0.5:9.5 v/vのMeOH(NHで飽和された):CHCl)によって精製して、表題化合物を無色のワックス(375mg、78%)として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 7.60-7.12(m,8H)、4.17(br s,2H)、3.05-2.88(m,2H)、2.75-2.52(m,2H)、1.77-1.64(m,2H).19F NMR(282MHz,DMSO)δ-118.4.IR(ダイヤモンドセル、ニート)νmax:3334、2923、1611、1481、1314、814、751、551cm-1.LRMS(+ESI)m/z:230[(M+Na)、100%].
【0104】
N-(3-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロピル)ニコチンアミド(WJA88)
【化16】
DMF(5mL)中の3-(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-1-アミン(200mg、0.87mmol)、ニコチン酸(129mg、1.04mmol)及びPrNEt(303μL、1.74mmol)の氷冷した磁気攪拌溶液を、PyBOP(登録商標)(452mg、0.87mmol)で処理し、室温まで温め、攪拌を12時間続けた。反応生成物を、CHCl(50mL)及び水(50mL)で希釈し、その後、分離した有機相を、NaHCO(25mLの飽和水溶液)及び塩水(100mL)で洗浄してから、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ、EtOAc)によって精製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.03(d,J=1.5Hz,1H)、8.73-8.66(m,1H)、8.19(dt,J=7.9、2.0Hz,1H)、7.73-7.42(m,4H)、7.40-7.15(m,5H)、3.42
-3.30(m,2H)、2.70(t,J=7.6Hz,2H)、1.95-1.85(m,2H).
13C NMR(101MHz,DMSO-d)δ 164.8、159.1(d,J=245.6Hz)、151.7、148.3、141.4、134.86、132.6、130.6(d,J=3.5Hz)、130.1、129.2(d,J=8.2Hz)、128.7(d,J=2.9Hz)、128.6、128.2、126.5(d,J=11.6Hz)、124.8(d,J=3.4Hz)、123.4、32.6、32.3、30.6.19F NMR(282MHz,DMSO)δ-118.4.IR(ダイヤモンドセル、ニート)νmax:3302、3027、2948、2465、1626、1588、1544、1481、1448、1431、1406、1362、1317、1211、820、757、742、708、697、622、535cm-1.LRMS(+ESI)m/z 357[(M+Na)、100%].
【0105】
生物学的評価
チューブリン重合アッセイ
チューブリン重合アッセイキット(Cytoskeleton,CO,USA)を製造業者の説明書通りに用いて、55μLの最終容積で蛍光ベースのチューブリン重合アッセイを行った。簡潔に述べると、ブタ脳チューブリンを、37℃で試験化合物と共にインキュベートし、355nmの励起及び460nmの発光で、Tecan M200 PRO+マイクロプレートリーダー(Tecan,Switzerland)を用いて蛍光を測定した。
【0106】
対照(DMSO)と比較して、パクリタキセル(PTX)はチューブリン重合を増強し、ビンブラスチン(VIN)、WJA69b及びWJA88はチューブリン重合を阻害した(図1及び図2を参照)。
【0107】
代謝的安定性アッセイ
全ての反応を、デュプリケートで、200μlの反応容積で行った。10μMのWJA85を、5分間にわたって穏やかに振とうしながら、37℃でリン酸カリウム緩衝液(0.1M、pH7.4)中のヒトミクロソーム(0.4mg/ml)と共にインキュベートした。12μlのNADPH再生システム(1mMのNADP、3.0mMのグルコース-6-リン酸、3.3mMのMgCl及び0.4u/mlのグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼの最終濃度を含有する)を添加することによって、アッセイを開始させた。130μlの氷冷メタノールの添加することによって反応をクエンチし、激しくボルテックスし、10分間にわたって4℃で、15000gで遠心分離した。上清を分析のために収集し、LC/MS/MSを用いて5μlを分析した(以下を参照)。結果が図3に示される。陰性対照は、NADPH再生システムの添加を伴わない反応混合物及び不活性ミクロソーム(30分間にわたって80℃で、熱で不活性化された)との反応混合物を含む。
【0108】
LC-MS分析を、QTRAP 6500質量分析計に結合されたAgilent 1260 LCシステムにおいて行った。LCのために、zorbax Extend-C18(2.1×50mm 1.8um)カラムを、200μl/分の流量で、逆相モードで使用し、ここで、勾配溶離は、10%の相B(水中0.1%のギ酸)及び90%の相A(アセトニトリル中0.1%のギ酸)から開始した。相Bの量は、5分で10%から90%へと直線的に増加し、続いて、90%のBで2分、次に、8分の時点で初期条件に戻した。
【0109】
MS検出器を、ESIポジティブイオン化モードで操作した。ソース温度及びキャピラリー電圧を、それぞれ300℃及び4000Vに設定した。分析ソフトウェアを用いて、
機器及びデータ収集を制御した。分裂抑制因子のアッセイを、各化合物について以下の条件を用いて、複数の反応監視(MRM)のモードを用いて行った。イオン遷移は、CMPD1について350.3~241、WJA88について335~106、及びWJA69bについて335~185であった。フラグメンター電圧を、全ての化合物について30の衝突エネルギーで145Vに設定した。
【0110】
クローン原性アッセイ
WK1(2×10個の細胞/ウェル)を、Matrigelマトリックスで被覆された(1:50;Corning,USA)6ウェルプレート上で平板培養した。細胞を、翌日、デュプリケートで、様々な濃度のWJA88で処理し、37℃、5%のCOで、14日間にわたってインキュベートした。次に、細胞を、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、4℃で45分間にわたってトルイジンブルー溶液(50% v/vのメタノール中50% w/v)で染色した。染色剤を除去し、細胞を水で洗浄し、乾燥させてから、Gel-Doc XR Imager(Biorad Laboratories,USA)を用いてイメージングした。画像を、各ウェル中の細胞コンフルエンスのパーセンテージを反映するためにColony Areaプラグインを用いてImageJソフトウェア(NIH,USA)を用いて分析した。次に、細胞コンフルエンスを、対照ウェルに対して基準化し、非線形回帰(Graphpad PRISM,USA)を用いて、EC50を決定した。データは、2回の独立した実験からの平均±SEMである。結果が図4に示される。
【0111】
3Dスフェロイドアッセイ
PB1細胞(8×10個の細胞/ウェル)を、0.8% v/vのアガロースで被覆された平底の96ウェルプレート上で平板培養し、48~72時間にわたってスフェロイドを形成させた。スフェロイド形成の後、個々のスフェロイドを、ZEISS AXIO
Vert.A1(Carl Zeiss,Germany)を用いて明視野で、5倍又は10倍の対物レンズでイメージングし、これらの画像を0日目として撮影した。次に、スフェロイドを、デュプリケートで、様々な濃度の試験化合物で処理し、14日目にイメージングした。0日目及び14日目の個々のスフェロイド画像を、ImageJ Software(NIH,USA)を用いてスフェロイド面積(μm)について分析した。経時的なスフェロイド面積の倍数変化を、スフェロイド成長の尺度として計算した。2回の独立した実験からのデータ平均±SEM。結果が図5に示される。
【0112】
CMPD1は、以下の構造:
【化17】
を有する。
【0113】
本明細書において開示及び定義される本発明が、言及される或いは本文又は図面から明らかである個々の特徴の2つ以上の全ての代替的な組み合わせまで及ぶことは理解されるであろう。これらの異なる組み合わせは全て、本発明の種々の代替的な態様を構成する。
図1
図2
図3
図4
図5