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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】競技の得点集計システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
A63B71/06 E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023072270
(22)【出願日】2023-04-26
(65)【公開番号】P2024157733
(43)【公開日】2024-11-08
【審査請求日】2024-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】516171414
【氏名又は名称】リーガルプラネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】後藤 喜久雄
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特許第7044358(JP,B2)
【文献】特開平08-221478(JP,A)
【文献】特開2000-140184(JP,A)
【文献】特開平09-234264(JP,A)
【文献】特開2022-168633(JP,A)
【文献】特開2016-224584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技者が行った競技の競技内容を評価する数値を決定する複数の審判員のそれぞれに設置された複数の数値入力装置と、
前記複数の数値入力装置から送信された数値に基いて前記競技内容を評価する得点を集計すると共に、集計した前記得点を、前記競技者を識別する競技者識別情報および前記競技者と関連する関連情報と対応付けて前記競技が行われる会場に設置された会場用表示装置に表示させる管理用情報処理装置とを備える得点集計システムであって、
前記管理用情報処理装置は、
前記競技者識別情報と、前記競技者識別情報および前記関連情報の少なくとも一部を含む音声再生用情報とを対応付けて格納する音声再生用データベースと、
前記競技者が競技を開始する前に、前記管理用情報処理装置に対して当該競技者に対応付けられた前記競技者識別情報を特定するための第1操作がなされることにより前記音声再生用データベースから前記競技者識別情報に対応する前記音声再生用情報を読み出して前記競技が行われる会場に設置された会場用音声出力装置に供給することで前記音声再生用情報に基づく音声を出力させる音声出力制御部とを備える、
ことを特徴とする競技の得点集計システム。
【請求項2】
前記音声出力制御部は、前記第1操作に次いで前記管理用情報処理装置に対する前記音声の出力を指示する音声指示操作がなされた場合に、前記会場用音声出力装置による前記音声再生用情報に基づく前記音声の出力を行わせる、
ことを特徴とする請求項1記載の競技の得点集計システム。
【請求項3】
前記音声再生用情報はテキストデータであり、
前記会場用音声出力装置は、前記テキストデータを読み上げることで音声情報を合成する音声合成部と、前記音声情報に基いて音声を再生する音声再生部とを備える、
ことを特徴とする請求項1または2記載の競技の得点集計システム。
【請求項4】
前記管理用情報処理装置と前記会場用音声出力装置とは有線回線または無線回線を介して通信可能に接続され、
前記音声出力制御部による前記テキストデータの前記音声合成部への供給は、前記有線回線または前記無線回線を介してなされる、
ことを特徴とする請求項3記載の競技の得点集計システム。
【請求項5】
前記音声再生用情報は音声ファイルで構成された音声情報であり、
前記会場用音声出力装置は、前記音声情報に基いて音声を再生する音声再生部を備える、
ことを特徴とする請求項1または2記載の競技の得点集計システム。
【請求項6】
前記管理用情報処理装置と前記会場用音声出力装置とは有線回線または無線回線を介して通信可能に接続され、
前記音声出力制御部による前記音声ファイルの前記音声再生部への供給は、前記有線回線または前記無線回線を介してなされる、
ことを特徴とする請求項5記載の競技の得点集計システム。
【請求項7】
前記競技者識別情報と、音楽ファイルで構成された音楽情報とを対応付けて格納する音楽情報データベースと、
前記競技者が競技を開始する際に、当該競技者に対応付けられた前記競技者識別情報が特定された状態で、前記管理用情報処理装置に対して前記音楽情報を再生するための第2操作がなされると、前記音楽情報データベースから前記特定された競技者識別情報に対応する前記音楽情報を読み出して前記会場用音声出力装置に供給することで前記音楽情報に基いて前記競技者に対応付けられた伴奏音楽を出力させる音楽出力制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の競技の得点集計システム。
【請求項8】
前記管理用情報処理装置と前記会場用音声出力装置とは有線回線または無線回線を介して通信可能に接続され、
前記音楽出力制御部による前記音楽情報の前記会場用音声出力装置への供給は、前記有線回線または前記無線回線を介してなされる、
ことを特徴とする請求項7記載の競技の得点集計システム。
【請求項9】
前記管理用情報処理装置を有線回線または無線回線を介して遠隔操作可能に構成された端末装置を設け、
前記管理用情報処理装置に対する前記第1操作は、前記端末装置による遠隔操作によりなされる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の競技の得点集計システム。
【請求項10】
前記管理用情報処理装置を有線回線または無線回線を介して遠隔操作可能に構成された端末装置を設け、
前記管理用情報処理装置に対する前記音声指示操作は、前記端末装置による遠隔操作によりなされる、
ことを特徴とする請求項2記載の競技の得点集計システム。
【請求項11】
前記管理用情報処理装置を有線回線または無線回線を介して遠隔操作可能に構成された端末装置を設け、
前記管理用情報処理装置に対する前記第2操作は、前記端末装置による遠隔操作によりなされる、
ことを特徴とする請求項7記載の競技の得点集計システム。
【請求項12】
前記管理用情報処理装置は、前記第1操作がなされると、前記会場に設置された競技者を誘導するための誘導設備を制御して前記競技者の誘導を行なう動作を実行させる誘導制御部を備える、
ことを特徴とする請求項1または2記載の競技の得点集計システム。
【請求項13】
前記管理用情報処理装置は、前記管理用情報処理装置に対する編集操作がなされることにより前記音声再生用情報を構成する前記テキストデータの取捨選択および新たなテキストデータの追加を行なうことで前記音声再生用情報を構成する前記テキストデータの編集を行なう編集部を備え、
前記音声出力制御部は、前記第1操作がなされることにより前記編集部によって編集された前記テキストデータを前記音声合成部に供給する、
ことを特徴とする請求項3記載の競技の得点集計システム。
【請求項14】
前記音声合成部は、合成する前記音声情報を調整する機能を備え、
前記管理用情報処理装置は、前記管理用情報処理装置に対する前記音声情報を調整するための調整操作がなされることにより前記音声合成部を制御して前記音声情報の抑揚を調整する音声調整部を備える、
ことを特徴とする請求項3記載の競技の得点集計システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の審判員によって競技内容を評価する数値が決定され、当該数値に基づいて得点が集計される競技の得点集計システムに関する。
【背景技術】
【0002】
競技者(以下選手ともいう)が行なった競技の競技内容を評価する数値が複数の審判員によって決定され、その数値に基づいて得点が集計される個人あるいは団体の競技、例えば、新体操など競技の得点集計システムが提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この得点集計システムでは、複数の審判員の手元に数値を入力するための数値入力装置(ノート型パーソナルコンピュータあるいはタブレット型パーソナルコンピュータなど)が配置され、それら複数の数値入力装置が通信回線を介して管理用情報処理装置に接続されている。
競技毎に各審判員が数値を複数の数値入力装置に入力すると、各数値は通信回線を介して管理用情報処理装置に送信される。
管理用情報処理装置では、各審判員が入力した数値を受け付け、それら数値に基づいて得点を集計する。
そして、管理用情報処理装置は得点の集計結果を、競技の種目名、競技者の競技順を示す番号、競技者の氏名や所属といった各種情報と共に、競技がなされる会場内に設置された会場用表示装置に表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7044358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ある競技者Aによる競技が終了し、複数の数値入力装置から入力された数値に基いた得点の集計、集計結果と各種情報とを会場用表示装置に表示させる一連の処理が終了したのち、次の競技者Bによる競技が行われる場合は、次の競技者Bによる競技が開始される前の時点で、複数の数値入力装置から新たな数値の入力がなされることを管理用情報処理装置側が認識する必要がある。
そのため、管理用情報処理装置の操作を行なう係員は、集計対象となる競技者が次の競技者Bとなることを示す所定操作を管理用情報処理装置に対して行なうようにしている。
具体的には、管理用情報処理装置の表示装置には、競技を行なう複数の競技者の氏名や所属団体を含む識別情報が表形式で表示されている。
ここで、係員は、例えば、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いて、次に競技を行なう競技者に対応する識別情報に隣接して表示されている所定の操作ボタンをクリックするといった所定操作を行なう。
これにより、管理用情報処理装置は、集計対象となる次の競技者Bに対応して、複数の数値入力装置から新たな数値の入力がなされることを認識し、入力される数値の受け付けおよび得点の集計の処理を開始できるように準備する。
また、競技が行われる会場には、場内放送(アナウンス)を行なう係員によって当該競技者の競技が開始される前に当該競技者の場内放送、例えば、競技が女子の新体操であった場合には、「1番、所属Xクラブ、フープ、Yさん」といったように、競技の順番、所属団体名、競技名、競技者名などを音声によって場内に放送する。
したがって、通常、管理用情報処理装置の操作を行なう係員は、上記場内放送を聞き取ったタイミングで所定操作を行なうことができる。
【0005】
しかしながら、管理用情報処理装置の操作を行なう係員が、上記場内放送を聞き漏らしてしまって所定操作を行わなかったり、あるいは、上記場内放送を聞いていても所定操作を失念してしまったりする、いわゆる操作ミスが発生することが懸念される。
また、出場予定の選手が棄権をしたり、なんらかの事情で演技順が入れ替わったりするなどの事情で、本来の選手と異なる選手を呼び出す場合があるが、管理用情報処理装置の操作を行う係員が、前記の変更を考慮せずに誤った選手を呼び出す操作ミスも懸念される。
また、沢山の登録選手がいた場合、例えば兄弟で連続して出場が登録されている時に、誤って本来と異なる選手を選択してしまうことも懸念される。
この場合、所定操作が正しくなされないので、管理用情報処理装置が数値の入力および特定の集計の処理を正しく行なうことができなくなる。
例えば、競技者Aの得点の集計結果や各種情報が会場用表示装置に表示されたのち、所定操作がなされないまま、次の競技者Bが競技を開始し各審判員が数値入力装置から数値を入力してしまうと、管理用情報処理装置では、競技者Bの得点が集計されてしまい、競技者Aの得点に競技者Bの得点が上書きされてしまい、会場用表示装置には、前の競技者Aの氏名が表示された状態で次の競技者Bの得点が表示されるといった不具合が発生する。
同様に次の競技者Bを選択するところ、競技者Cを選択し、競技者Bが競技を開始し各審判員が数値入力装置から数値を入力してしまうと、管理用情報処理装置では、競技者Cの得点が集計されてしまい、そのまま会場用表示装置には、次の競技者Cの氏名が表示された状態で次の競技者Cの得点として表示されるといった不具合が発生する。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、得点の集計対象となる競技者が変わった場合に、集計結果が誤った内容となったり、係員の操作ミスが発生することを確実に防止し、競技の運営を円滑に行なう上で有利となる競技の得点集計システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、競技者が行った競技の競技内容を評価する数値を決定する複数の審判員のそれぞれに設置された複数の数値入力装置と、前記複数の数値入力装置から送信された数値に基いて前記競技内容を評価する得点を集計すると共に、集計した前記得点を、前記競技者を識別する競技者識別情報および前記競技者と関連する関連情報と対応付けて前記競技が行われる会場に設置された会場用表示装置に表示させる管理用情報処理装置とを備える得点集計システムであって、前記管理用情報処理装置は、前記競技者識別情報と、前記競技者識別情報および前記関連情報の少なくとも一部を含む音声再生用情報とを対応付けて格納する音声再生用データベースと、前記競技者が競技を開始する前に、前記管理用情報処理装置に対して当該競技者に対応付けられた前記競技者識別情報を特定するための第1操作がなされることにより前記音声再生用データベースから前記競技者識別情報に対応する前記音声再生用情報を読み出して前記競技が行われる会場に設置された会場用音声出力装置に供給することで前記音声再生用情報に基づく音声を出力させる音声出力制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施の形態によれば、得点の集計対象となる競技者が変わった場合に、集計結果が誤った内容となったり、係員の操作ミスが発生することを確実に防止する上で有利となり、競技の運営を円滑に行なう上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態にかかる得点集計システムの構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態における管理用情報処理装置のハードウェア構成図である。
図3】第1の実施の形態における表示情報の一例を示す図である。
図4】第1の実施の形態における管理用情報処理装置の表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図5】第1の実施の形態における会場用表示装置に表示した表示画面の一例を示す図である。
図6】第1の実施の形態にかかる得点集計システムの動作を示すフローチャートである。
図7】第2の実施の形態における管理用情報処理装置の表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図8】第3の実施の形態にかかる得点集計システムの構成を示すブロック図である。
図9】第4の実施の形態にかかる得点集計システムの構成を示すブロック図である。
図10】第5の実施の形態にかかる得点集計システムの構成を示すブロック図である。
図11】第5の実施の形態にかかる得点集計システムにおける編集画面の表示例を示す説明図である。
図12】第6の実施の形態にかかる得点集計システムの構成を示すブロック図である。
図13】第6の実施の形態にかかる得点集計システムにおける音声調整画面の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態に係る得点集計システムについて図面を参照して説明する。
本実施の形態では、一例として、女子の新体操の個人総合における得点を表示する場合について説明する。なお、個人総合の種目は、リボン、クラブ、フープ、ボールの4種目である。
なお、本発明は、新体操女子の個人総合に限定されるものではなく、競技者の演技に対して複数の審判員が評価した複数の得点要素を含む得点が採点される競技に広く適用可能である。
【0010】
初めに女子の新体操の採点ルールについて説明しておく。
新体操では、複数の審判員は、例えば、以下のように分類される。
なお、審判員の数や配置は大会により異なる、また頻繁にルール改正が行われているが、本実施の形態では、説明を簡略化するため、本願出願時点よりも以前に実施されていた採点ルールの通り、D得点(構成点)、E得点(実施点)の2種類の得点要素を採用し、かつ、実際に運用される採点ルールに比較して単純化した内容で記載している。
(1)D得点(構成)を採点する審判員(合計4名)
審判員D1、D2が第1の組となり、審判員D1、D2の採点結果の平均値を得点とする。
審判員D3、D4が第2の組となり、審判員D3、D4の採点結果の平均値を得点とする。
第1の組と第2の組の得点の合計がD得点(構成)となる。
(2)E得点(実施)を採点する審判員(合計6名)
審判員E1、E2が第3の組となり、審判員E1、E2が減点を決定し、減点結果の平均値を得点とする。
審判員E3~E6が第4の組となり、審判員E3~E6が減点を決定し、減点結果の最高点と最低点とを除く残りの減点の平均値を得点とする。
第3の組と第4の組の得点の合計点を10点の持ち点から減算した結果がE得点(実施)となる。
(3)線審(2名)
2名の線審が矩形状の競技エリアの規定のラインを競技者または手具が逸脱した回数を計数し、その合計に0.3を乗じた結果を減点とする。
(4)計時審(1名)
1名の計審が競技者の演技時間が規定時間を超過した時間を測定し、超過時間(秒)に0.05点を乗じた結果を減点とする。
上記の(1)D得点(構成)と(2)E得点(実施)の合計から(3)線審の減点および(4)計審の減点を差し引いた値を競技者の総合得点とする。ただし、この他に衣装に関する減点なども稀に減点対象に加わる場合もある。
本実施の形態では、D得点、E得点、減点、総合得点のそれぞれを得点要素といい、現状の女子新体操の採点ルールでは、上記4つの得点要素によって個人総合の各種目における得点が構成されている。
また、上述した審判員の人数は固定されたものではなく、規定の範囲内での変更が可能である。
【0011】
図1は、実施の形態にかかる得点集計システムを示すブロック図である。
得点集計システム10は、競技を行う会場に設置されるものであり、複数の数値入力装置12と、管理用情報処理装置14と、会場に設置された会場用表示装置16と、会場に設置された会場用音声出力装置18とを含んで構成されている。
【0012】
数値入力装置12は、競技者が行った競技の競技内容を評価する数値を決定する複数の審判員のそれぞれに設置されるものであり、例えば審判員が着席する座席の卓上、あるいは各審判員の手元に置かれている。数値入力装置12には、当該数値入力装置12を使用する審判員の判定に基づく数値がそれぞれ入力される。
本実施の形態の数値入力装置12は、例えば、タブレット端末で構成され、有線LANや無線LAN(WiFi)などの通信回線を介して管理用情報処理装置14と通信可能に構成されている。
なお、数値入力装置12として、管理用情報処理装置14とUSB通信が可能な市販の電卓を用いてもよく、この場合は、一般的なタブレット端末やパーソナルコンピュータなどと比較すると安価であるため、設備費用を低減させる上で有利となる。
数値入力装置12は、基本的に数値を入力する機能を備えれば足りる。
したがって、数値入力装置12がタブレット端末で構成されている場合には、タブレット端末の表示画面上には、置数キー、クリアキー、送信キー、入力された数値が表示される数値表示欄が表示されていれば足りる。
数値入力装置12が電卓で構成されている場合には、電卓に設けられた置数キー、クリアキー、送信キー、数値表示欄を利用すれば足りる。
なお、数値入力装置12がタブレット端末で構成されている場合には、採点対象となる競技者の名前、所属団体、競技順を示す番号などの競技者に関連する情報を管理用情報処理装置14からタブレット端末に送信して表示させるようにするなど任意である。
【0013】
図2に示すように、管理用情報処理装置14は、ノート型パーソナルコンピュータや、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、タブレット型端末などで構成され、本実施の形態ではノート型パーソナルで構成されている。
管理用情報処理装置14は、CPU20と、バスラインを介して接続されたROM(Read Only Memory)22、RAM24(Random Access Memory)、HDD26(ハードディスク装置)、表示装置28、入力装置30、インターフェース32などを含んで構成されている。
【0014】
ROM22は、各種のデータを格納・記憶する。
RAM24はCPU20のワーキングエリアを提供する。
HDD26は、CPU20が実行するプログラムや各種データを格納する。
表示装置28は、文字や画像を表示するものであり、例えば液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイで構成されている。
入力装置30は、入力操作を受け付けるものであり、キーボードおよびマウスによって構成されている。なお、入力装置30は、表示装置28の表示面上に設けられたタッチパネルで構成してもよく、入力装置30として従来公知の様々な構成の入力デバイスが使用可能である。
インターフェース32は、複数の数値入力装置12、会場用表示装置16および会場用音声出力装置18に所定の通信回線(有線回線あるいは無線回線)を介して通信可能に接続されている。
通信回線の構成は限定されるものではなく、LANやHDMI(登録商標)など従来公知の様々な通信インターフェースが使用可能であり、また、通信回線がルータや中継器を含んで構成されるなど任意である。
【0015】
管理用情報処理装置14は、HDD26のプログラムを実行することにより、競技者情報データベース14A、集計情報生成部14B、会場用表示制御部14C、管理用制御部14D、音声再生用データベース14E、音楽情報データベース14F、音声出力制御部14G、音楽出力制御部14Hとして機能する。
【0016】
競技者情報データベース14Aは、競技者を識別するための競技者識別情報として複数の属性情報を格納している。
本実施の形態では、複数の属性情報は、競技者名、競技者が所属する団体名(クラブ名や学校名)、競技者の出身地を示す地区、学年(競技者が学生の場合)を含む。
また、競技者情報データベース14Aは、競技者識別情報(属性情報)と、競技の種目、演技の順番を含む関連情報とが対応付けて格納されている。
なお、競技者識別情報は、本実施の形態に限定されるものではなく、年齢などその他の属性情報を含んでもよく、また、競技者の画像を属性情報として含んでもよく、あるいは、競技者毎に割り当てられた競技者コード番号を属性情報として含んでもよい。
【0017】
集計情報生成部14Bは、複数の数値入力装置12から送信された数値を予め定められた採点ルールに基づいて処理することにより競技内容を評価する得点を集計する(言い換えると、競技の総合得点を含む集計情報を生成する)ものである。
前述したように、各審判員が入力した数値に基づいて演技を評価したD得点、E得点、減点、およびそれら得点と減点とを加算した総合得点によって複数の得点要素が構成されている。なお、最新ルールが採用された場合はA得点が追加される。
なお、複数の得点要素は、上記のものに限定されるものではなく競技によって異なるものであり、また、同じ競技であっても採点ルールが改正されると得点要素の数や内容が改定されることもある。
【0018】
会場用表示制御部14Cは、集計情報生成部14Bで集計した得点を、競技者情報データベース14Aから読み出した競技者識別情報および関連情報と対応付けて表示情報を生成し、会場用表示装置16に表示させるものである。
具体的には、競技者が演技を終えて数値入力装置12から審判員により入力された数値を受信し、集計情報生成部14Bにより競技の得点が算出されると、関連情報(演技の順番を示す番号、競技の種目)と、競技者識別情報(競技者名、団体名、地区)と、集計情報(算出された競技の複数の得点要素であるD得点、E得点、減点、および総合得点)とを対応付けた表示情報を生成する。
【0019】
図3は、表示情報の一例を示す図である。図3では、種目がリボンである場合の表示情報を示している。
図3に示すように、表示情報は、演技の順番を示す番号「1」「2」等、競技の種目「女子個人リボン」、地区「A市」「B市」等、団体名「A高校」「B高校」等、競技者名「山田A子」「佐藤B子」等、D得点「5.8」「6.2」等、E得点「8.433」「8.800」、減点「-(減点なし)」等、総合得点「14.233」「15.000」等が対応付けられている。
【0020】
管理用制御部14Dは、以下の機能を有する。
1)複数の数値入力装置12から送信された数値、集計情報生成部14Bで生成された集計情報、競技者情報データベース14Aから読み出した競技者識別情報および関連情報に基づいて生成した情報を管理用情報処理装置14の表示装置28に表示させる機能。
2)キーボードやマウスなどの入力装置30からの操作入力を受け付けて、競技者情報データベース14A、集計情報生成部14B、会場用表示制御部14C、音声再生用データベース14E、音声出力制御部14Gの制御を行なう機能。
なお、管理用制御部14Dの具体的な動作については後述する。
【0021】
音声再生用データベース14Eは、競技者識別情報と、競技者識別情報および関連情報の少なくとも一部を含む音声再生用情報とを対応付けて格納するものである。
本実施の形態では、音声再生用情報は、テキストデータであり、競技者毎に定められた音声(場内放送)を後述する音声合成部によって合成するためのデータである。
具体例を挙げて説明すると、上記テキストデータは、「1番、所属Xクラブ、フープ、Yさん」といったように、競技の順番、所属団体名、競技名、競技者名などの情報、すなわち、競技者識別情報および関連情報の少なくとも一部を含むものである。
【0022】
音楽情報データベース14Fは、競技者識別情報と、音楽ファイル(例えばmp3などのファイル形式)で構成された音楽情報とを対応付けて格納するものである。
本実施の形態では、音楽情報(音楽ファイル)は、予め競技者が競技する際に会場に流される伴奏音楽に対応している。
【0023】
音声出力制御部14Gは、競技者が競技を開始する前に、管理用情報処理装置14に対して当該競技者に対応付けられた競技者識別情報を特定するための、後述する第1操作がなされることにより音声再生用データベース14Eから競技者識別情報に対応する音声再生用情報を読み出して後述する会場用音声出力装置18に有線回線または無線回線を介して供給することで音声再生用情報に基づく音声を出力させるものである。
【0024】
音楽出力制御部14Hは、競技者が競技を開始する際に、当該競技者に対応付けられた競技者識別情報が特定された状態で、管理用情報処理装置14に対して音楽情報を再生するための、後述する第2操作がなされると、音楽情報データベース14Fから特定された競技者識別情報に対応する音楽情報を読み出して会場用音声出力装置18に有線回線または無線回線を介して供給することで音楽情報に基いて競技者に対応付けられた伴奏音楽を出力させるものである。
【0025】
会場用表示装置16は、市販のパネルディスプレイで構成され、競技が行われる会場に設置され、会場用表示装置16に表示される表示画面が競技者や審判員、観客などが視認可能に設けられている。
会場用表示装置16に表示される表示画面については後述する。
【0026】
会場用音声出力装置18は、会場に設置され、音声出力制御部14Gから供給される音声再生用情報に基いて競技者識別情報および関連情報の少なくとも一部を音声によって出力するものである。
また、会場用音声出力装置18は、音楽出力制御部14Hから供給される音楽情報に基いて競技者に対応付けられた伴奏音楽を出力するものである。
本実施の形態では、会場用音声出力装置18は、音声再生用コンピュータ34、アンプ36、スピーカ38を含んで構成されている。
音声再生用コンピュータ34は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータで構成され、図2に示す管理用情報処理装置14と同様に、CPU20と、バスラインを介して接続されたROM22(Read Only Memory)40、RAM24(Random Access Memory)42、HDD26(ハードディスク装置)44、入力装置30、インターフェース32などを含んで構成されている。
音声再生用コンピュータ34は、市販品の音声合成ソフトがインストールされており、上記音声合成ソフトを実行することにより、テキストデータを読み上げることで音声情報を合成する音声合成機能を備えている。
また、音声再生用コンピュータ34は、公知の音楽再生ソフト(再生プレーヤーソフト)がインストールされており、音楽再生ソフトを実行することにより音楽情報を再生する音楽再生機能を備えている。
【0027】
アンプ36は、音声再生用コンピュータ34で合成された音声情報が供給されることにより音声信号を生成してスピーカ38に供給することでスピーカ38から音声(場内放送)を再生させるものである。
したがって、本実施の形態では、音声再生用コンピュータ34は、テキストデータを読み上げることで音声情報を合成する音声合成部40を構成し、アンプ36およびスピーカ38は、音声情報に基いて音声を再生する音声再生部42を構成している。
また、アンプ36は、音声再生用コンピュータ34で再生された音楽情報が供給されることにより音楽信号を生成してスピーカ38に供給することでスピーカ38から伴奏音楽を再生させるものである。
したがって、本実施の形態では、音声再生用コンピュータ34、アンプ36およびスピーカ38は、音楽情報(音楽ファイル)を再生して音楽(伴奏音楽)を出力する会場用音声出力装置18を構成している。
なお、一般的には、アンプ36、スピーカ38は会場に設置されたものを使用するが、会場用表示装置16がアンプおよびスピーカを内蔵しており音声出力機能を有するものであった場合には会場用表示装置16をアンプ、スピーカとしても利用するなど任意である。
【0028】
次に、管理用情報処理装置14の管理用制御部14Dの動作について具体的に説明する。
図4は、管理用情報処理装置14の表示装置28の表示画面の一例を示す説明図である。
表示画面44は、以下の3つの部分に分かれている
1)評価対象競技者選択部46(画面右半分の上部)
2)選択済み競技者表示部48(画面右半部の下部)
3)集計値表示部50(画面左半分)
なお、以下に説明するように、表示画面44には、GUI(Graphical User Interface)を構成するGUI要素としてのタブ、表示部、ボタン、チェックボックスなどが表示され、これらGUI要素に対して入力装置30としてのマウスによってクリック操作がなされる(タッチパネルの場合にはタップ操作がなされる)。
なお、本実施の形態では、表示部とは、データが横方向に並ぶ行と、データが縦方向に並ぶ列とで構成されるものをいう。
【0029】
評価対象競技者選択部46は、今回の評価対象となる競技者を選択するインターフェース(GUI)であり、競技選択タブ4602、競技者情報表示部4604および競技者選択ボタン4614を備えている。
競技選択タブ4602は、新体操の種目別に設けられており、所望のタブをクリックすることにより、当該種目に出場する競技者の一覧が表形式で表示される。
競技者情報表示部4604は、一行ごとに1名の競技者に対応する情報、すなわち、競技者識別情報および関連情報が表示されている。より詳細には、番号表示部4606には、選択された種目における競技者の通し番号(競技順)が表示される。所属チーム表示部4608には、競技者の所属チーム名が表示される。氏名表示部4610には、競技者の氏名が表示される。
【0030】
競技者選択ボタン4614は、競技者情報表示部4604のそれぞれの行に対応して設けられている。競技者選択ボタン4614をクリックすると、集計値表示部50(画面左半分)に競技者識別情報および関連情報が転送され、審判の入力待ち(選択された競技者への評価を示す数値の入力待機画面)となる。従って、競技者が競技を開始する前に競技者選択ボタン4614をクリックすると、D1を初めとする各審判の採点記入欄C2はリセット値として通常は0(ゼロ)もしくは空欄に設定される。
言い換えると、競技者選択ボタン4614が操作されることで、管理用情報処理装置14(管理用制御部14D)は、集計対象となる次の競技者に対応して、複数の数値入力装置12から新たな数値の入力がなされることを認識し、入力される数値の受け付けおよび得点の集計の処理を開始できるように準備する。
【0031】
また、競技者選択ボタン4614が操作されると、管理用制御部14Dは、当該競技者に対応付けられた競技者識別情報、言い換えると、競技者情報表示部4604に表示されている競技者識別情報を特定する。
すなわち、競技者選択ボタン4614の操作は、競技者が競技を開始する前に、管理用情報処理装置14に対して当該競技者に対応付けられた競技者識別情報を特定するための第1操作である。
第1操作により、競技者が競技を開始する前に当該競技者に対応付けられた競技者識別情報が特定されたので、音声出力制御部14Gは、管理用制御部14Dの制御により、音声再生用データベース14Eから競技者識別情報に対応する音声再生用情報を読み出して会場用音声出力装置18に有線回線または無線回線を介して供給し供給し、会場用音声出力装置18から競技者に対応する場内放送が音声によって出力される。
【0032】
なお、本実施の形態では、第1操作が、評価対象競技者選択部46上において、次に競技を行なう競技者に対応する競技者識別情報に隣接して表示されている操作ボタンとしての競技者選択ボタン4614をクリックする操作である場合について説明した。
しかしながら、第1操作は、例えば、評価対象競技者選択部46上において、次に競技を行なう競技者に対応する競技者識別情報が表示されている行の部分をクリックしたり、あるいは、評価対象競技者選択部46上において、次に競技を行なう競技者に対応する競技者識別情報に隣接して表示されているチェックボックスをクリックしてチェックマークを入れるといった従来公知の様々なGUI要素に対する操作であってもよく、本実施の形態に限定されるものではない。
【0033】
選択済み競技者表示部48は、既に評価(競技)が終了した競技者の得点情報、競技者識別情報および関連情報を含む集計済競技者情報の一覧が表形式で表示される。選択済み競技者表示部48には、例えば競技順(評価対象競技者選択部46における選択順)に上から上記の集計済競技者情報が表示されていく。よって、最後に競技を終えた競技者または現在競技中の競技者は、選択済み競技者表示部48の最終行に表示されることとなる。
または競技順(評価対象競技者選択部46における選択順)に下から上記の集計済競技者情報が表示されていくのであっても良い。
選択済み競技者表示部48は、例えばD点表示部4802、E点表示部4804、減点表示部4806、総合得点表示部4808、種目表示部4810、番号表示部4812、氏名表示部4814および表示ボタン4820を含んでいる。
このうち、表示ボタン4820をクリックすると、当該競技者への評価が会場用表示装置16に表示される。
【0034】
図5に会場用表示装置16の表示画面44の一例を示す。
会場用表示装置16の表示画面44、すなわち、集計情報表示画面Mは、図4の表示ボタン4820の操作(クリック)により得点情報(図4の符号4802、4804、4806、4808、4810、4812、4814)が会場用表示装置16に表示される。
すなわち表示ボタン4820は、会場内に設置された会場用表示装置16の表示を、集計情報表示画面Mに切り替えるための操作部である。
係員は、全ての審判員による数値入力装置12への数値の入力が完了すると、表示ボタン4820を操作して会場用表示装置16の表示を集計情報表示画面Mに切り替える。
集計情報表示画面Mには、競技者識別情報および関連情報5202(本例では競技者氏名、競技者の通し番号、種目を含む)と、得点情報としての総合得点情報5204、E点情報5206、D点情報5208、減点情報5210とが表示されている。
集計情報表示画面Mにより競技者や観覧者は、今回の競技内容に対する評価を確認することができる。
なお、本実施の形態では、競技者識別情報および関連情報5202のうち、種目を文字で表示した場合について説明したが、種目を絵文字(ピクトグラム)で表示したり、あるいは絵文字と文字とを組み合わせて表示したりするなど任意である。
【0035】
つぎに、集計値表示部50について説明する。
符号C1は、採点を行なう審判員の識別情報を表示する審判員表示欄であり、審判員表示欄C1には、上述したように審判員を示す識別情報として「D1~D4」、「E1~E7」が表示されている。
符号C2は、審判員D1~D4、E1~E7が数値入力装置12により入力した対応数値データ、ここでは得点あるいは減点が表示される第1の数値データ表示欄を示す。
符号B1は、後述するBGM(background music)ボタンを示す。
【0036】
チェックボックスCBは、各識別情報に対応して第1の数値データ表示欄C2に隣接した箇所に表示される。
チェックボックスCBは、マウスの操作によりポインタをチェックボックスCB内に位置させ、クリックすることでチェックの入力がなされ、再度クリックすることでチェックの入力が取り消される。
チェックボックスCBのチェックが入力された状態は、そのチェックボックスCBに対応する識別情報の審判員が存在し、チェックボックスCBのチェックが入力されていない状態は、そのチェックボックスCBに対応する識別情報の審判員が欠員であることを示す(またはこの逆の設定であってもよい)。
なお、新体操の採点ルールでは、線審1、線審2、計審の3名の人数は固定であり、審判員D1~D4、E1~E6の10名について欠員が認められているため、チェックボックスCBは審判員D1~D4、E1~E6の10名に対応してそれぞれ設けられている。
例えば、審判員が13名全員存在する場合は、全てのチェックボックスCBにチェックを入力する。
また、一部の審判員が欠員の場合、当該審判員の識別情報に対応するチェックボックスCBのチェックを外す。
チェックボックスCBのチェックが外された審判員については、第1の数値データ表示欄C2および審判員表示欄C1をグレーアウト表示したり、画面の背景色と反転表示したり、あるいは、画面の背景色とは異なる色で薄く表示した無効表示状態とする。
このような無効表示状態とすることで、表示領域に表示される識別情報に対応する審判員が欠員であり、かつ、その審判員に対応する対応数値データが得点の算出に用いる対象から除外されたことが明確に表示される。
【0037】
符号C3は、第1の組の審判員D1、D2が入力した得点の平均値が表示される第1の得点表示欄を示す。
符号C4は、第2の組の審判員D3、D4が入力した得点の平均値が表示される第2の得点表示欄を示す。
符号C5は、第3の組の審判員E1、E2が入力した減点の平均値が表示される第1の減点表示欄を示す。
符号C6は、第4の組の審判員E3~E6が入力した減点のうち、最高点と最低点とを除外した残りの減点が表示される第2の減点表示欄を示す。
【0038】
符号C7は、第1の平均値表示欄C3に表示される得点と、第2の平均値表示欄C4に表示される得点とを加算した得点が表示される第3の得点表示欄を示す。
符号C8は、減点表示欄C5に表示された減点と、減点表示欄C6に表示された減点とを加算した計算値を10点の持ち点から減算した結果得点が表示される第4の得点表示欄を示す。
符号C9は、第3の得点表示欄C7に表示される得点と、第4の得点表示欄C8に表示される得点とを加算した得点合計が表示される得点合計表示欄である。
【0039】
符号C10は、計時審、線審を表示する審判員表示欄であり、審判員表示欄には、上述したように審判員を示す識別情報として「計」、「線1」、「線2」が表示されている。
符号C11は、計時審が数値入力装置12により入力し識別情報と対応付けられた対応数値データ、ここでは競技時間が表示される第2の数値データ表示欄を示す。
符号C12は、線審1、線審2が数値入力装置12により入力し識別情報と対応付けられた対応数値データ、ここでは競技者または手具が規定のラインを逸脱した回数が表示される第3の数値データ表示欄を示す。
符号C13は、第2の数値データ表示欄C11に表示された競技時間が規定の演技時間を超過した場合に、超過した時間(秒)に0.05点を乗じて得られた減点を表示する第2の減点表示欄を示す。
符号C14、C15は、第3の数値データ表示欄C12に表示された回数に0.3を乗じて得られた減点を表示する第3の減点表示欄を示す。
符号C16は、第2の減点表示欄C13、第3の減点表示欄C14、C15に表示された減点を合計した減点合計を表示する減点合計表示欄を示す。
符号C17は、得点合計表示欄C9に表示された得点から減点合計表示欄C16に表示された減点を減算した総合得点を表示する総合得点表示欄を示す。
符号C18は、今回の評価対象となる競技者の氏名や所属チーム等が表示される競技者識別情報表示欄を示す。
【0040】
BGMボタンB1は、競技者が競技を行なう際に競技用の伴奏音楽を再生する場合に操作されるインターフェース(GUI)である。
前述したように、競技者選択ボタン4614が操作され、管理用制御部14Dによって当該競技者に対応付けられた競技者識別情報が特定された状態で、競技者が競技を開始する際にBGMボタンB1がクリックされると、言い換えると、管理用情報処理装置14に対して音楽情報を再生するための第2操作がなされると、管理用制御部14Dの制御により、音楽出力制御部14Hは、音楽情報データベース14Fから競技者識別情報に対応する音楽情報を読み出して会場用音声出力装置18に有線回線または無線回線を介して供給し、これにより、当該競技者に対応する伴奏音楽が会場に流される。
【0041】
なお、本実施の形態では、第2操作が、集計値表示部50に設けられたBGMボタンB1をクリックする操作である場合について説明した。
しかしながら、第2操作は、例えば、表示画面44のうち集計値表示部50とは別の部分に設けられたBGMボタンB1(操作ボタン)をクリックしたり、あるいは、BGMボタンB1に相当するチェックボックスを設けておき、そのチェックボックスクリックしてチェックマークを入れるといった従来公知の様々なGUI要素に対する操作であってもよく、本実施の形態に限定されるものではない。
【0042】
次に、図6のフローチャートを参照して得点集計システム10の動作について説明する。
図4に示すように、競技者(以下説明の便宜上競技者Aという)の競技が開始される前に、係員は表示装置28の表示画面44に表示された評価対象競技者選択部46の競技者選択ボタン4614をクリック操作することで第1操作がなされ、管理用情報処理装置14による得点の集計が可能な状態となる(ステップS10)。
また、上記操作により競技者Aに対応付けられた競技者識別情報が特定されることで、音声出力制御部14Gにより当該競技者Aの競技者識別情報に対応付けられた音声再生用情報が音声再生用データベース14Eから読み出されて会場用音声出力装置18に有線回線または無線回線を介して供給されることで競技者Aの氏名や所属、種目などを含む音声(場内放送:音声アナウンス)が会場用音声出力装置18によって会場に流される(ステップS12)。
これにより、競技者Aは自らが競技する順番であることを認識し、一方、各審判員は、これから採点を行なう競技者が競技者Aであることを認識する。
本例では、音声再生用データベース14Eが単一の管理用情報処理装置14に設けられている場合を説明しているが、無線回線でデータ量の大きな音声再生用情報を会場用音声出力装置18に送信する場合、無線回線において送信上の負荷が増大する(通信データ量が過大となる)ことが懸念される。
その場合は、会場用音声出力装置18の近傍に設置したノート型パーソナルコンピュータで音声再生用データベース14Eおよび音声出力制御部14Gを構成し、このノート型パーソナルコンピュータから会場用音声出力装置18に通信速度が無線回線よりも高速な有線回線(HDMI(登録商標)など)を介して音声再生用情報を供給するようにしてもよいことは無論である。このように構成することで無線回線の負荷が軽減され、会場用音声出力装置18による音声再生用情報に基づく音声の再生が安定してなされる。
この場合は、上記ノート型パーソナルコンピュータと管理用情報処理装置14とによって管理用情報処理装置が構成されることになる。
【0043】
次いで、係員は、上記操作により競技者Aに対応付けられた競技者識別情報が特定された状態で、集計値表示部50のBGMボタンB1をクリック操作する(ステップS14)。
これにより、音楽出力制御部14Hにより当該競技者Aの競技者識別情報に対応付けられた音楽情報が音楽情報データベース14Fから読み出されて会場用音声出力装置18に有線回線または無線回線を介して供給されることで会場用音声出力装置18から競技者Aに対応する伴奏音楽が会場に流される(BGM再生)(ステップS16)。
これに応じて、競技者Aは競技を開始する。
本例では、音楽情報データベース14Fが単一の管理用情報処理装置14に格納されている場合を説明しているが、無線回線でデータ量の大きな音楽情報を会場用音声出力装置18に送信する場合、無線回線において送信上の負荷が増大する(通信データ量が過大となる)ことが懸念される。
その場合は、会場用音声出力装置18の近傍に設置したノート型パーソナルコンピュータで音楽再生用データベース14Fおよび音楽出力制御部14Hを構成し、このノート型パーソナルコンピュータから会場用音声出力装置18に通信速度が無線回線よりも高速な有線回線(HDMI(登録商標)など)を介して音楽情報を供給するようにしてもよいことは無論である。このように構成することで無線回線の負荷が軽減され、会場用音声出力装置18による音楽情報に基づく伴奏音声の再生が安定してなされる。
この場合は、上記ノート型パーソナルコンピュータと管理用情報処理装置14とによって管理用情報処理装置が構成されることになる。
競技者の競技が終了したならば、各審判員が数値入力装置12により数値を入力する(ステップS18)。
入力された数値は、数値入力装置12から管理用情報処理装置14に送信され、集計情報生成部14Bにより集計情報が生成される(ステップS20)。
次いで、会場用表示制御部14Cは、競技者情報データベース14Aから読み出した競技者識別情報及び関連情報と、上記生成された集計情報とを対応付けた表示情報(図3参照)を生成し(ステップS20)、表示情報を会場用表示装置16に供給することで図5に示すように、会場用表示装置16の表示画面44に表示情報が表示される(ステップS24)。
これにより競技者Aに対する得点の集計、表示がなされることになる。
【0044】
次の競技を行なう競技者が存在するか否かを判断し(ステップS26)、次の競技者が存在する場合は、ステップS10に戻り、次の競技者Bに対応して同様の操作を行なうことで、競技者Aの場合と同様に得点の集計、表示がなされる。
また、次の競技を行なう競技者が存在しない場合は、一連の動作を終了する。
このようにして、最後の競技者の得点、表示が終了するまで上述した一連の動作が繰り返して実行される。
【0045】
本実施の形態によれば、競技者が競技を開始する前に、管理用情報処理装置14に対して当該競技者に対応付けられた競技者識別情報を特定するための第1操作がなされることにより音声再生用データベース14Eから競技者識別情報に対応する音声再生用情報を読み出して競技が行われる会場に設置された会場用音声出力装置18に供給し、会場用音声出力装置18によって競技者識別情報および前記関連情報の一部または全てを音声(場内放送)によって出力するようにした。
したがって、係員が第1操作を行わない限り、競技者に対応する競技者識別情報および関連情報が音声で出力されないため、競技者はその音声を認識せず、言い換えると、自らが呼び出されないので、競技者は競技を開始することが無い。
すなわち、係員が第1操作を失念した場合に、次の競技者が誤って競技を開始することがないため、各審判員が得点入力装置30に誤って数値を入力し、前の競技者の集計結果に対して次の競技者の集計結果が上書きされるといった事態を回避することができる。
また、係員が第1操作を失念すると、次の競技者が競技を開始しないことから、係員は第1操作を失念したことを確実に認識することができ、次の競技者に対して確実に第1操作を行なうことができる。
したがって、得点の集計対象となる競技者が変わった場合に、集計結果が誤った内容となったり、係員の操作ミスが発生することを確実に防止する上で有利となり、競技の運営を円滑に行なう上で有利となる。
また、従来必要だった、競技者を呼び出すための場内放送を行なうための専用の人員が不要となるため、省人化を図る上でも有利となる。
また、従来は、競技の進行状況に応じて場内放送を開始する係員(スタッフ)と、管理用情報処理装置14を操作する係員(スタッフ)が別々であったため、場内放送を担当する係員(スタッフ)には審査の状況(採点審査の遅延など)を逐次知る手段、例えば緑の旗を上げるなどが必要で、この旗の見落としが試合進行で遅延の要因となっていた。数秒の遅延でも何百人もの選手が連続して登場すると、数分、数十分の遅延になるからである。
本実施の形態によれば、管理用情報処理装置14を操作する係員は、競技の進行状況を把握した上で第1操作を行なうため、競技の進行状況に応じて場内放送を的確にタイミングよく開始することができ、競技の遅延の発生を防止する上で有利となる。
【0046】
また、本実施の形態では、音声再生用情報はテキストデータであり、会場用音声出力装置18は、テキストデータを読み上げることで音声情報を合成する音声合成部40と、音声情報に基いて音声を再生する音声再生部42とを備えるものとした。
したがって、音声再生情報をテキストデータによって容易に作成、修正することができ、得点集計システム10の運用を効率的に行なう上で有利となる。
【0047】
また、本実施の形態では、競技者が競技を開始する際に、当該競技者に対応付けられた競技者識別情報が特定された状態で、管理用情報処理装置14に対して音楽情報を再生するための第2操作がなされると、音楽情報データベース14Fから特定された競技者識別情報に対応する音楽情報を読み出して競技が行われる会場に設置された会場用音声出力装置18に有線回線または無線回線を介して供給し、会場用音声出力装置18により音楽情報に基いて競技者に対応付けられた伴奏音楽を出力するようにした。
したがって、伴奏音楽を流すためにCDを再生する再生装置など設備や再生装置を運用するための専用の人員が不要となることは無論のこと、CDや再生装置のトラブルによって伴奏音楽に音飛びや再生が途中で止まってしまうことや、CDの選択ミスにより誤った伴奏音楽が流れるといった不具合を防止する上で有利となり、競技の運営を円滑に行なう上で有利となる。
尚、伴奏音楽を流す競技は新体操や体操競技の床競技などで実施されるが、伴奏音楽を流す競技は実施の形態に限定されるものではなく、例えばダンス競技など伴奏音楽を流す従来公知の様々な競技に本発明は広く適用可能である。
【0048】
なお、本実施の形態では、音声再生用情報がテキストデータであり、会場用音声出力装置18がテキストデータを読み上げることで音声情報を合成する音声合成部40と、音声情報に基いて音声を再生する音声再生部42とを備えるものである場合について説明した。
しかしながら、音声再生用情報が音声ファイル(例えばmp3などのファイル形式)で構成された音声情報であり、会場用音声出力装置18が音声情報に基いて音声を再生する音声再生部42を備えるものであっても本実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
この場合は、予め、競技者毎に音声ファイルを作成して音声再生用情報データベース14Eに格納しておく必要がある。
しかしながら、本実施の形態のようにすると、競技者毎の音声再生情報をテキストデータによって容易に作成、修正することができる。
そのため、予め競技者毎に音声ファイルを用意する場合に比較して、音声ファイルの作成や修正に要する手間やコストを抑制でき、得点集計システム10の運用を効率的に行なう上でより有利となる。
【0049】
また、本実施の形態では、音声再生用コンピュータ34で音声合成部40が構成されている場合について説明したが、音声再生用コンピュータ34を設ける代わりに、管理用情報処理装置14自体で音声合成部40を構成するようにしてもよい。
この場合は、予め管理用情報処理装置14に音声合成ソフトをインストールしておく必要がある。
しかしながら、本実施の形態のように、管理情報処理装置14とは別の音声再生用コンピュータ34で音声合成部40を構成すると、管理用情報処理装置14に音声合成ソフトをインストールするなどの手間が不要となり、管理情報処理装置14の構成や運用を簡素化する上で有利となる。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について図7を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態において第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について重点的に説明する。
第1の実施の形態では、競技者が競技を開始する前に、管理用情報処理装置14に対して第1操作(競技者選択ボタン4614のクリック操作)がなされることにより、音声出力制御部14Gが音声再生用データベース14Eから競技者識別情報に対応する音声再生用情報を読み出して会場用音声出力装置18に供給することで音声再生用情報に基づく音声(場内放送)を出力させる場合について説明した。
第2の実施の形態は、図7に示すように、管理用情報処理装置14の表示装置28の表示画面44に、BGMボタンB1とは別に音声の出力を指示する音声指示操作を行なうための呼び出しボタンB2を設けた点が第1の実施の形態と異なり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0051】
図1を流用して説明すると、音声出力制御部14Gは、第1の実施の形態で説明した第1操作(競技者選択ボタン4614のクリック操作)に次いで音声指示操作(呼び出しボタンB2のクリック操作)がなされた場合に、音声出力制御部14Gが音声再生用データベース14Eから競技者識別情報に対応する音声再生用情報を読み出して会場用音声出力装置18に供給することで音声再生用情報に基づく音声(場内放送)を出力させる。
【0052】
すなわち、第2の実施の形態では、管理用情報処理装置14の管理用制御部14Dは第1操作により集計対象となる次の競技者に対応して、複数の数値入力装置12から新たな数値の入力がなされることを認識し、入力される数値の受け付けおよび得点の集計の処理を開始できるように準備する。
そして、管理用情報処理装置14の音声出力制御部14Gは音声指示操作(呼び出しボタンB2のクリック操作)により次に競技を行なう競技者を呼び出す場内放送を会場に流す。
したがって、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、係員は、予め第1操作を行なって管理用情報処理装置14による集計の処理を開始できるように準備した後、所望のタイミングで音声指示操作を行なうことができ、競技の進行状況に応じて場内放送を開始するタイミングを柔軟に調整する上で有利となる。
また、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、管理用情報処理装置14を操作する係員は、競技の進行状況を把握した上で第1操作および音声指示操作(呼び出しボタンB2のクリック操作)を行なうため、競技の進行状況に応じて場内放送を的確にタイミングよく開始することができ、競技の遅延の発生を防止する上で有利となる。
【0053】
また、第2の実施の形態では、音声指示操作が、集計値表示部50に設けられた呼び出しボタンB2をクリックする操作である場合について説明した。
しかしながら、音声指示操作は、例えば、表示画面44のうち集計値表示部50とは別の部分に設けられた呼び出しボタンB2(操作ボタン)をクリックしたり、あるいは、呼び出しボタンB2に相当するチェックボックスを設けておき、そのチェックボックスクリックしてチェックマークを入れるといった従来公知の様々なGUI要素に対する操作であってもよく、第2実施の形態に限定されるものではない。
【0054】
なお、上述した各実施の形態では、図4図7)に示すように、管理用情報処理装置14の表示装置28の表示画面44が、評価対象競技者選択部46と、選択済み競技者表示部48と、集計値表示部50とで構成された場合について説明した。
しかしながら、表示画面44に表示される各種情報の内容、組み合わせ、レイアウトなどは任意であり実施の形態に限定されるものではない。
また、実施の形態では、図5に示すように、会場用表示装置16の集計情報表示画面Mが、競技者識別情報および関連情報5202、総合得点情報5204、E点情報5206、D点情報5208、減点情報5210で構成されている場合について説明した。
しかしながら、集計情報表示画面Mに表示される各種情報の内容、組み合わせ、レイアウトなどは任意であり本実施の形態に限定されるものではない。
【0055】
また、実施の形態では、管理用情報処理装置14が1台(単一)のコンピュータで構成される場合について説明したが、管理用情報処理装置14を互いに有線回線または無線回線を介して通信可能に接続された複数のコンピュータを組み合わせることにより実現するなど任意である。
その場合には、各コンピュータの設置場所を自由に選択することができるので利便性の向上を図る上で有利となり、また、各コンピュータで処理を分散して実行することにより各コンピュータの負荷の低減を図る上で有利となる。
管理用情報処理装置14を複数のコンピュータを組み合わせることにより実現した場合には、それぞれのコンピュータを別々の係員が操作することになる。
また、本実施の形態では、管理用情報処理装置14を操作する者を係員として説明したが、係員は操作専用の係員であっても、審判員を司る審判長が係員を兼務してもよく、係員は限定されるものではない。
また、当該競技者が所属するスタッフが管理用情報処理装置14を操作して伴奏音楽の再生を開始させるようにするなど任意である。
【0056】
また、実施の形態では、競技の際に会場に伴奏音楽を流す場合について説明したが、このような伴奏音楽が不要な競技であれば、管理用情報処理装置14から伴奏音楽を再生するための音楽情報データベース14F、音楽出力制御部14Hは不要である。
また、実施の形態では、競技の採点を、D得点(構成点)とE得点(実施点)を用いる従来の採点ルールに基いて行なう場合について説明したが、上記D得点、E得点に加えて、A得点(芸術点)が追加された最新の採点ルールを用いた場合であっても、本発明は無論適用可能である。
また、実施の形態では、得点が集計される競技が女子の新体操である場合について説明したが、本発明は、複数の審判員によって競技内容を評価する数値が決定され数値に基づいて得点が集計される従来公知の様々な競技に適用可能である。
【0057】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について図8を参照して説明する。
第3の実施の形態は、管理用情報処理装置14の他に、管理用情報処理装置14を有線回線または無線回線を介して遠隔操作可能に構成された端末装置54を設けた点が第1、第2の実施の形態と異なっている。
端末装置54は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータあるいはタブレット型パーソナルコンピュータなどで構成されている。
端末装置54の表示部(不図示)には、管理用情報処理装置14の表示装置28と同一の表示画面が表示され、端末装置54の入力装置を操作することで、管理用情報処理装置14の入力装置30を操作するのと同様の操作(遠隔操作)が可能となっている。
この場合、管理用情報処理装置14に対する第1操作、音声指示操作、第2操作は、端末装置54による遠隔操作によって行なうことができる。
したがって、管理用情報処理装置14の係員とは別の係員が、端末装置54を用いて管理用情報処理装置14に対する第1操作、音声指示操作、第2操作を行なうことができる。
【0058】
第3の実施の形態によれば、管理用情報処理装置14と端末装置54とを別々の係員によって操作することができるので、例えば、管理用情報処理装置14を操作する係員(あるいは審判長)は得点集計に関する作業を担当し、端末装置54を操作する係員は音声(場内放送)および伴奏音楽に関する作業を担当するといったように、担当する作業を係員毎に分けることができる。
また、端末装置54は、管理用情報処理装置14から離れた箇所に設置することができるので、利便性の向上を図る上で有利となる。
また、競技のルール上の制限から音声操作(音声(場内放送)に関する操作)は審判員が行ってはいけないという競技ルールもあり、また音楽再生操作(伴奏音楽に関する操作)は競技者が所属するチーム関係者が行うという競技ルールを設ける場合があり、このような場合でも前記利便性の向上を図ることが可能である。
したがって、係員の負担の軽減化を図りつつ利便性の向上を図ることができ、競技の運営の効率化を図る上で有利となる。
【0059】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について図9を参照して説明する。
第4の実施の形態では、会場の適宜箇所(審判席や選手控え場所)に競技者を誘導するための誘導設備56が第1操作と連携して稼働する点が第1から第3の実施の形態と異なっている。
誘導設備56としては、例えば以下のようなものが使用可能である。
1)選手の誘導を行なうため点灯や点滅、あるいは、回転を行なう表示灯(回転灯を含む)56A
2)選手の誘導を行なうための「選手は競技場所へお進み下さい」、「選手は一度お下がり下さい」、「競技を再開します」といった文字(メッセージ)を画面に表示する表示動作を行なう表示装置(フラットパネルディスプレイや電光掲示板)56B
3)選手の誘導を行なうための「選手は競技場所へお進み下さい」、「選手は一度お下がり下さい」、「競技を再開します」といった予め定められた音声(メッセージ)を発生する音声発生装置56C
【0060】
そして、管理用情報処理装置10は、第1操作がなされると、誘導設備56を制御して競技者の誘導を行なう動作を実行させる誘導制御部14Iを備えている。
すなわち、第1操作がなされると、誘導制御部14Iは、表示灯56A、表示装置56B、音声発生装置56Cによる、点灯動作(点滅動作、回転動作)、メッセージの表示動作、音声の発生動作を実行させる。言い換えると、誘導制御部14Iは第1操作と連携して稼働する。
なお、誘導設備56は、表示灯56A、表示装置56B、音声発生装置56Cに限定されるものではない。
第4の実施の形態によれば、管理用情報処理装置10の第1操作に連動して誘導設備56による競技者の誘導が実行されるので、競技者の誘導を的確に行なう上で有利となり、競技の運営を効率的に行なう上でより有利となる。
【0061】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について図10図11を参照して説明する。
第5の実施の形態は、音声再生用データベース14Eから読み出される音声再生用情報がテキストデータとなっている。
図10に示すように、管理用情報処理装置14に、音声再生用データベース14Eから読み出す音声再生用情報(テキストデータ)の編集を行なう編集部14Jを備えている点が第1から第4の実施の形態と異なっている。
編集部14Jは、管理用情報処理装置14に対する編集操作がなされることにより音声再生用情報を構成するテキストデータの取捨選択および新たなテキストデータの追加を行なうことで音声再生用情報を構成するテキストデータの編集を行なうものである。
【0062】
すなわち、管理用情報処理装置14の編集部14Jは、図11に示すように、表示装置28に、音声再生用情報を構成するテキストデータを編集するための編集画面Eを表示させる。
編集画面Eには、音声再生用情報を構成するテキストデータ(競技者識別情報および関連情報)のうち、学年、種目、所属団体、地区などの複数の項目のそれぞれに対応したチェックボックスCB1、CB2、CB3、CB4と、競技者の氏名の語尾に付加する敬称「さん」、「君」、「選手」、「敬称無し」のそれぞれに対応したラジオボタンRB1、RB2、RB3、RB4と、それらチェックボックスおよびラジオボタンの入力を確定するために操作されるOKボタンB3が表示されている。
また、図11には記載しないが、競技者の氏名として「姓(苗字)」と「名(下の名前)」との双方を読み上げるパターンと、「姓(苗字)」だけを読み上げるパターンを選択するためのチェックボックス又はラジオボタンなどを編集画面Eに表示させて、音声再生用情報を構成するテキストデータを編集できるようにしてもよい。
また、外国人の場合の「ファイミリーネーム」、「ミドルネーム」、「ファーストネーム」などのどの部分を選択するかも選択するチェックボックス又はラジオボタンなどを表示画面Eに表示させて、音声再生用情報を構成するテキストデータを編集できるようにしてもよい。
【0063】
そして、係員がそれらチェックボックスにチェックを入れたり、ラジオボタンを選択し、OKボタンB3を操作することで、言い換えると、編集操作を行なうことで、テキストデータが取捨選択されあるいは新たなテキストデータが追加されることで音声再生用情報を構成するテキストデータの編集が編集部14Jによってなされる。
また、音声出力制御部14Gは、第1操作がなされることにより編集部14Jによって編集されたテキストデータを会場用音声出力装置18の音声再生用コンピュータ34で構成される音声合成部40に供給する。
これにより、編集されたテキストデータに基いた音声が会場用音声出力装置18から出力される。
【0064】
第5の実施の形態によれば、音声再生用情報を構成するテキストデータの編集を行なうことができるため、会場用音声出力装置18から出力する音声を所望の内容に変更することができるため、競技の運営を効率的に行なう上でより有利となる。
【0065】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について図12図13を参照して説明する。
第6の実施の形態では、音声再生用コンピュータ34で構成される音声合成部40が、合成する音声情報を調整する機能、すなわち、抑揚(イントネーション)、アクセント、ピッチ(高低)などの音声情報を調整するためのパラメータ(設定値)を調整する機能を備えている。
そして、図12に示すように、管理用情報処理装置14が、管理用情報処理装置14に対する合成する音声情報を調整するための調整操作がなされることにより音声合成部40を制御して音声情報を調整する音声調整部14Kを備えている点が第1から第5の実施の形態と異なっている。
また、図13に一例を示すように、音声調整部14Kは、表示装置28の表示画面上に、音声情報を調整するためのインターフェース(GUI)としての音声調整画面Sを表示させる。
音声調整画面Sは、抑揚、アクセント、ピッチのそれぞれに対応するスライダーバーSB1、SB2、SB3と、それらスライダバーに沿ってスライド操作されるスライダーSL1、SL2、SL3と、それらスライダーの操作内容を確定させるOKボタンB4とが表示される。
このような各スライダーの操作がなされることで、管理用情報処理装置14の調整部は、音声合成部40に音声情報を調整する指示を与え、これにより音声合成部40が制御されて音声情報が調整される。
なお、音声調整画面Sに表示されるインターフェース(GUI)の形態や音声情報に関するパラメータの種類は、実施の形態に限定されるものではなく、音声合成部40の仕様、音声再生用コンピュータ34にインストールされた音声合成ソフトの仕様に対応して変更されることは無論である。
【0066】
第6の実施の形態によれば、音声合成部40によって合成する音声情報を調整することができるので、会場の環境などに応じて選手、審判員、観客がより聞き取りやすい音声を会場用音声出力装置18から簡単に出力させることができ、競技の運営を効率的に行なう上でより有利となる。
【符号の説明】
【0067】
10 得点集計システム
12 数値入力装置
14 管理用情報処理装置
14A 競技者情報データベース
14B 集計情報生成部
14C 会場用表示制御部
14D 管理用制御部
14E 音声再生用データベース
14F 音楽情報データベース
14G 音声出力制御部
14H 音楽出力制御部
14I 誘導制御部
14J 編集部
14K 音声調整部
16 会場用表示装置
18 会場用音声出力装置
20 CPU
22 ROM(Read Only Memory)
24 RAM(Random Access Memory)
26 HDD(ハードディスク装置)
28 表示装置
30 入力装置
32 インターフェース
34 音声再生用コンピュータ
36 アンプ
38 スピーカ
40 音声合成部
42 音声再生部
44 表示画面
46 評価対象競技者選択部
4602 競技選択タブ
4604 競技者情報表示部
4606 番号表示部
4608 所属チーム表示部
4610 氏名表示部
4614 競技者選択ボタン
48 選択済み競技者表示部
4802 D点表示部
4804 E点表示部
4806 減点表示部
4808 総合得点表示部
4810 種目表示部
4812 番号表示部
4814 氏名表示部
4820 表示ボタン
50 集計値表示部
5202 競技者識別情報および関連情報
5204 総合得点情報
5206 E点情報
5208 D点情報
5210 減点情報
54 端末装置
56 誘導設備
56A 表示灯
56B 表示装置
56C 音声発生装置
M 集計情報表示画面
E 編集画面
S音声調整画面
B1 BGMボタン
B2 呼び出しボタン
B3 OKボタン
B4 OKボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13