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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】美容機器
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/00 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
A61F7/00 310J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023503761
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 JP2022007634
(87)【国際公開番号】W WO2022186045
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2024-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2021033838
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】芹沢 達也
(72)【発明者】
【氏名】飯野 達也
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-217618(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0000632(US,A1)
【文献】特開昭63-257556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の皮膚領域に接触する接触面を有する美容機器であって、
前記接触面に配置され、前記皮膚領域を加温する加温部と、
前記接触面に前記加温部と並んで配置され、前記皮膚領域を冷却する冷却部と、を有し、
前記加温部の接触面積が前記冷却部の接触面積より大きく、
前記冷却部は、前記加温部に対して前記接触面と垂直方向に可動する、
美容機器。
【請求項2】
前記加温部の接触面積に対する前記冷却部の接触面積の比が0.1以上0.35以下である、
請求項1に記載の美容機器。
【請求項3】
前記冷却部が前記加温部に囲まれている、
請求項1または2に記載の美容機器。
【請求項4】
制御部を有し、
前記制御部の制御により、
前記加温部が前記皮膚領域の温度より高い第1温度で第1期間、前記皮膚領域を加温し、
前記冷却部が前記皮膚領域の温度より低い第2温度で前記第1期間より短い第2期間、前記皮膚領域を冷却し、
前記皮膚領域の加温と前記皮膚領域の冷却とが交互に繰り返し行われ、
その後、前記加温部が前記第1温度で前記第1期間、前記皮膚領域を加温する、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の美容機器。
【請求項5】
所定の皮膚領域に接触する接触面を有する美容機器であって、
前記接触面に配置され、前記皮膚領域を加温する加温部と、
前記接触面に前記加温部と並んで配置され、前記皮膚領域を冷却する冷却部と、
制御部を有し、
前記加温部の接触面積が前記冷却部の接触面積より大きく、
前記制御部の制御により、
前記加温部が前記皮膚領域の温度より高い第1温度で第1期間、前記皮膚領域を加温し、
前記冷却部が前記皮膚領域の温度より低い第2温度で前記第1期間より短い第2期間、前記皮膚領域を冷却し、
前記皮膚領域の加温と前記皮膚領域の冷却とが交互に繰り返し行われ、
その後、前記加温部が前記第1温度で前記第1期間、前記皮膚領域を加温する、美容機器。
【請求項6】
前記加温部は、複数の加温部分で構成され、
前記加温部分と冷却部分が、所定の一方向に交互に配置されている、
請求項に記載の美容機器。
【請求項7】
前記加温部分が前記所定の一方向の両端に配置されている、
請求項に記載の美容機器。
【請求項8】
前記冷却部はペルチェ素子を有する、
請求項4乃至7のいずれか一項に記載の美容機器。
【請求項9】
温度センサを有し、
前記制御部の制御により、前記温度センサが検知した前記皮膚領域の温度に基づいて前記第1温度及び前記第2温度が制御される、
請求項4乃至8のいずれか一項に記載の美容機器。
【請求項10】
加速度センサを有し、
前記制御部の制御により、前記加速度センサが検出した前記美容機器の加速度に基づいて前記第1期間及び前記第2期間が制御される、
請求項4乃至9のいずれか一項に記載の美容機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、美容機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現代人は、エアコンの普及により環境温度が一定で保たれているため、血液循環による皮膚温の調整能力が低下していると言われている。また、運動不足や温浴率の低下も重なって、血管拡張の機会が減り、現代人は、恒常的な血管収縮状態の傾向にある。恒常的な血管収縮状態は、顔の肌などに栄養が行き渡らなくなり、ターンオーバーが遅くなる、血管密度の低下により肌の弾力が低下する、肌にくすみが出る等、肌状態に悪影響を及ぼす。
【0003】
このような血管収縮状態を改善するため、従来から美顔器等で強制的に加温処理を与えて血管を拡張させることで皮膚温を調整する技術がある。例えば、特許文献1には、スチーム(温ミスト)を放出して肌表面の手入れを行う美容装置が開示されている。また、特許文献2には、使用者に対して温熱刺激を付与する美容装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-115414号公報
【文献】特開2014-236839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の皮膚温を調整する技術では、長時間の加温処理が必要となる。
【0006】
本発明の課題は、皮膚温の調整を効率的に行う美容機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本開示の一態様は、所定の皮膚領域に接触する接触面を有する美容機器であって、前記接触面に配置され、前記皮膚領域を加温する加温部と、前記接触面に前記加温部と並んで配置され、前記皮膚領域を冷却する冷却部と、を有し、前記加温部の接触面積が前記冷却部の接触面積より大きく、前記冷却部は、前記加温部に対して前記接触面と垂直方向に可動する、美容機器を提供する。
本開示の別の一態様は、所定の皮膚領域に接触する接触面を有する美容機器であって、前記接触面に配置され、前記皮膚領域を加温する加温部と、前記接触面に前記加温部と並んで配置され、前記皮膚領域を冷却する冷却部と、制御部を有し、前記加温部の接触面積が前記冷却部の接触面積より大きく、前記制御部の制御により、前記加温部が前記皮膚領域の温度より高い第1温度で第1期間、前記皮膚領域を加温し、前記冷却部が前記皮膚領域の温度より低い第2温度で前記第1期間より短い第2期間、前記皮膚領域を冷却し、前記皮膚領域の加温と前記皮膚領域の冷却とが交互に繰り返し行われ、その後、前記加温部が前記第1温度で前記第1期間、前記皮膚領域を加温する、美容機器を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、皮膚温の調整を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の美容機器の使用状態を示す図である。
図2】実施形態の美容機器(第1実施形態)を示す図である。
図3図2の美容機器を底面側から見た図である。
図4図3のA-A線断面図である。
図5図2の美容機器(第1実施形態)の内部構成を示すブロック図である。
図6】実施形態の美容機器の使用状態における第1工程と第2工程のタイミングチャートを示す図である。
図7】第1実施形態の美容機器の変形例(第1変形例)を底面側から見た図である。
図8】第1実施形態の美容機器の変形例(第2変形例)を底面側から見た図である。
図9】実施形態の美容機器(第2実施形態)を示す図である。
図10図9の美容機器において、第2工程が実行されている状態を示す図である。
図11図9の美容機器(第2実施形態)の内部構成を示すブロック図である。
図12】実施形態の美容機器において実施される美容方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図における各部材の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0011】
本明細書では、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用い、美容機器の横幅方向(または径方向)をX方向とし、縦幅方向(または径方向)をY方向とし、高さ方向をZ方向とする。また、上方は美容機器の高さ方向の上側を示し、下方は美容機器の高さ方向の下側を示す。
【0012】
<美容機器>
図1は、実施形態の美容機器の使用状態を示す図である。図2は、第1実施形態の美容機器を示す図である。図3は、図2の美容機器を底面側から見た図であり、図4は、図3のA-A線断面図である。図5は、図2の美容機器(第1実施形態)の内部構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態の美容機器100は、所定の皮膚領域SAに接触する接触面CSを有する。所定の皮膚領域は、特に限定されないが、例えば、ユーザPの頬の領域SAである(図1)。本実施形態の美容機器100は、ユーザPが美容機器100をユーザPの頬の領域SAに接触させて使用される。
【0014】
第1実施形態の美容機器100は、本体10と指掛部20を有する。本体10は、円筒状の絶縁ケースで形成されている。本体10には、後述するアセンブリBAが内蔵されている。指掛部20は、本体10の天面11に形成され、美容機器100をユーザPに装着するための取っ手を構成する。
【0015】
本体10の底面12は、皮膚領域SAに接触する接触面CSを構成する。美容機器100は、ユーザPが皮膚領域SAに美容機器100の接触面CSを当てて操作される(図1)。
【0016】
本実施形態では、美容機器100の指掛部20がリング状に形成されている。美容機器100では、この指掛部20にユーザPが指を挿入することで、ユーザPに装着される。なお、美容機器100の形態はこれに限定されず、例えば、指掛部20の代わりに本体10の側面の一部から延びる持手部を設け、ユーザPがこの持手部を握ることで、ユーザPが美容機器100を持つことができるものでもよい。
【0017】
美容機器100の本体10に内蔵されているアセンブリBAは、加温部30、冷却部40、肌センサ50、マイコン60、電源70を有する(図3図4)。このうち、加温部30は、本実施形態の美容機器の一部を構成する加温部の一例である。また、冷却部40は、本実施形態の美容機器の一部を構成する冷却部の一例である。
【0018】
加温部30は、皮膚領域SAを加温する機能を有する。加温部30は、接触面CSに配置されている。加温部30の配置位置は、特に限定されない。本実施形態では、加温部30は、本体10の底面12側の周方向に配置されている(図3図4)。
【0019】
加温部30は、温プレート31、サーミスタ32、ヒータ33を有する(図4図5)。
【0020】
温プレート31は、接触面CSの一部を構成し、皮膚領域SAに接触する。温プレート31は、ヒータ33に接続され、ヒータ33からの熱を皮膚領域SAに伝える。
【0021】
サーミスタ32は、温プレート31の上方に形成され、温プレート31の温度を測定する温度センサを構成する。サーミスタ32は、ヒータ33に覆われた状態でマイコン60に通信可能に接続されている。サーミスタ32は、ヒータ33の発熱温度を測定し、その温度情報をマイコン60に伝送する。
【0022】
ヒータ33は、温プレート31を加熱する。ヒータ33は、温プレート31の上方に形成されて、サーミスタ32を内蔵する。ヒータ33は、マイコン60に通信可能に接続されたヒータ駆動回路33Aを備える。ヒータ33は、マイコン60によりヒータ駆動回路33Aが制御され、温プレート31を加熱する(図4図5)。なお、ヒータ33には、後述する冷却部40で採用されるペルチェ素子を用いることができる。
【0023】
冷却部40は、皮膚領域SAを冷却する機能を有する。冷却部40は、接触面CSに加温部30と並んで配置されている。本実施形態では、冷却部40は、加温部30と径方向に所定の間隔を開けて、接触面CSの中央に配置されている。これにより、冷却部40は、加温部30に囲まれている(図3図4)。
【0024】
冷却部40は、冷プレート41、サーミスタ42、ペルチェ素子43、放熱器44、ファン45を備える(図4図5)。
【0025】
冷プレート41は、接触面CSの一部を構成し、皮膚領域SAに接触する。冷プレート41は、ペルチェ素子43に接続され、ペルチェ素子43からの熱を皮膚領域SAに伝える。具体的には、冷プレート41は、ペルチェ素子43により冷却され、皮膚領域SAの熱を吸収(吸熱)する(図4)。
【0026】
サーミスタ42は、冷プレート41の温度を測定する温度センサを構成する。サーミスタ42は、冷プレート41の上方に形成されている。サーミスタ42は、ペルチェ素子43に覆われた状態でマイコン60に通信可能に接続されている。サーミスタ42は、ペルチェ素子43の冷却温度を測定し、その温度情報をマイコン60に伝送する。
【0027】
ペルチェ素子43は、冷プレート41を冷却するクーラーを構成する。ペルチェ素子43は、冷プレート41の上方に形成され、サーミスタ42を内蔵する。ペルチェ素子43は、マイコン60に通信可能に接続されたペルチェ駆動回路43Aを備える。ペルチェ素子43は、マイコン60によりペルチェ駆動回路43Aが制御され、冷プレート41を冷却する(図4図5)。
【0028】
なお、ペルチェ素子は、電流の制御により吸熱をコントロールすることができるため、このようなペルチェ素子を冷却部40に採用することで、高い精度、応答性の冷却制御を行うことができる。また、ペルチェ素子は、その体積が小さいため、このようなペルチェ素子を冷却部40に採用することで、美容機器100の小型化が容易になる。
【0029】
放熱器44は、ペルチェ素子43の上方に形成され、ペルチェ素子43及びファン45に接続されている。放熱器44は、ペルチェ素子43に滞留する熱を吸収し、吸収した熱をファン45に放出する(図4図5)。
【0030】
ファン45は、放熱器44の上方に形成され、放熱器44に接続されている。ファン45は、放熱器44が放出した熱をアセンブリBAの外部に排出する(図4図5)。
【0031】
肌センサ50は、接触面CSに配置されている。肌センサ50の配置位置は、特に限定されない。本実施形態では、肌センサ50は、加温部30の温プレート31の下面側に配置されている(図4)。肌センサ50は、接触面CSが皮膚領域SAに接触した状態で皮膚領域SAの状態を検知する機能を有する。
【0032】
肌センサ50の態様は、特に限定されず、例えば、温度センサ、加速度センサ、位置センサ等であり、これらの2種以上を組み合わせたものでもよい。なお、本実施形態では、肌センサ50が温度センサの場合は、皮膚領域SAの状態は皮膚領域SAの温度であり、肌センサ50が皮膚領域SAに接触して皮膚領域SAの温度を検知する。
【0033】
マイコン60は、加温部30の上方に加温部30と下部隔壁LBを隔てて配置されている。また、マイコン60は、冷却部40の放熱器44の下方に冷却部40と上部隔壁UBを隔てて配置されている。
【0034】
マイコン60は、中央処理装置(CPU)、メモリー(いずれも図示せず)を有する。マイコン60は、加温部30、冷却部40、肌センサ50、電源70、操作スイッチ80に接続され、美容機器100を制御することができる。
【0035】
マイコン60は、マイコン60のCPUが、加温部30、冷却部40、肌センサ50、電源70を制御し、情報の演算、記憶、転送、入力、出力等の各処理を行う。なお、CPUは、マイコン60と別個に構成してもよい。
【0036】
マイコン60のメモリーは、CPUが処理を実行する際に演算する情報を記憶する一時記憶装置を構成する。なお、美容機器100では、ハードディスクドライブ(HDD)、モジュラージャック等の補助装置(図示せず)を備えていてもよい。なお、マイコン60は、本実施形態の美容機器の一部を構成する制御部の一例である。
【0037】
電源70は、冷却部40(ファン45)の上方に配置されている。電源70は、電池71、電源回路72、充放電制御回路73、充電端子74を有する。
【0038】
電池71は、充放電制御回路73に通電可能に接続され、美容機器100の電力源を構成する。
【0039】
電源回路72は、マイコン60及び充放電制御回路73に通電可能に接続されている。電源回路72では、充放電制御回路73を介して電池71が放電した電力が美容機器100に供給される。
【0040】
充放電制御回路73は、電池71、電源回路72、充電端子74に通電可能に接続されている。充放電制御回路73では、マイコン60の制御により、電池71の充放電が行われる。
【0041】
充電端子74は、充放電制御回路73に通電可能に接続されている。充電端子74では、充放電制御回路73を介して電池71に充電する電力が外部から取り込まれる。
【0042】
操作スイッチ80は、マイコン60に通信可能に接続されている。ユーザPは、操作スイッチ80を操作することにより、美容機器100のオン-オフ、処理の仕様等を切り替えることができる。
【0043】
本実施形態の美容機器100では、加温部30の接触面積が冷却部40の接触面積より大きい。具体的には、加温部30の接触面積は、加温部30の温プレート31の皮膚領域SAに対面する表面の面積に対応し、冷却部40の接触面積は、冷却部40の冷プレート41の皮膚領域SAに対面する表面の面積に対応する。また、底面視で、加温部30の温プレート31の面積が、冷却部40の冷プレート41の面積より大きい(図3図4)。
【0044】
本実施形態では、加温部30の接触面積が冷却部40の接触面積より大きいことで、一定の皮膚領域SAに対して、加温の頻度が冷却の頻度より高くなる。これにより、本実施形態では、1つ美容機器で皮膚表面の加温と冷却を行うことができる。さらに、冷却部40による冷却に対して加温部30による加温の割合が高くなるため、血管の拡張収縮による皮膚温の調整を効率的に行うことができる。
【0045】
また、本実施形態の美容機器100では、加温部30の接触面積に対する冷却部40の接触面積の比が、0.1以上0.35以下であることが好ましく、より好ましくは0.12以上0.33、さらに好ましくは0.15以上0.3以下である。本実施形態では、加温部30の接触面積に対する冷却部40の接触面積の比を0.1以上0.35以下にすることで、血管の拡張収縮による皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0046】
本実施形態の美容機器100は、マイコン60の制御により、加温部30が皮膚領域SAの温度Tpより高い第1温度T1で第1期間P1、皮膚領域SAを加温する。また、冷却部40が皮膚領域SAの温度Tpより低い第2温度T2で第1期間P1より短い第2期間P2、皮膚領域SAを冷却する。さらに、第1温度T1と第2温度T2との温度差を25℃以上にし、加温部30による加温と冷却部40による冷却とを交互に繰り返し行い、その後、加温部30による加温を行う。
【0047】
本明細書において、皮膚領域SAの温度Tpは、皮膚領域SAの表面温度を示し、30℃~32℃である。皮膚領域SAの温度Tpより高い第1温度T1は、32℃より高い温度を示す。皮膚領域SAの温度Tpより低い第2温度T2は、32℃より低い温度を示す。
【0048】
具体的には、図6に示すように、マイコン60の制御により、加温部30で工程1が実行され、冷却部40で工程2が実行される。本実施形態では、まず工程1がONになり、皮膚領域SAの温度Tpより高い第1温度T1で第1期間P1、皮膚領域SAが加温される。次いで、工程1がOFFになると、工程2がONになり、皮膚領域SAの温度Tpより低い第2温度T2で第1期間P1より短い第2期間P2、皮膚領域SAが冷却される。
【0049】
次いで、工程2がOFFになると、再び工程1がONになり、皮膚領域SAの温度Tpより高い第1温度T1で第1期間P1、皮膚領域SAが加温される。再び工程1がOFFになると、工程2がONになり、皮膚領域SAの温度Tpより低い第2温度T2で第1期間P1より短い第2期間P2、皮膚領域SAが冷却される。このように、工程1と工程2が交互に繰り返される。
【0050】
本実施形態では、工程1でON-OFFのサイクルが10回行われ、工程2でON-OFFのサイクルが9回行われる。このとき、工程2でON-OFFの9回目のサイクルが行われると工程2が終了し、その後、工程1でON-OFFの10回目のサイクルが行われ、工程1が終了する。
【0051】
本実施形態では、加温部30による加温と冷却部40による冷却とが交互に繰り返し行われた後、加温部30による加温を行うことで、美容機器100の使用後の血管の拡張状態を長時間維持することができ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。また、本実施形態では、第1温度T1と第2温度T2との温度差を25℃以上に制御することで、血管の拡張収縮を効率よく行うことができる。
【0052】
本実施形態では、肌センサ50が温度センサを構成し、皮膚領域SAの温度を検知する。ここで、肌センサ50が検知する温度は、皮膚領域SAの表面温度である。そして、本実施形態では、マイコン60の制御により、肌センサ50が検知した皮膚領域SAの温度に基づいて第1温度T1及び第2温度T2が制御される。
【0053】
具体的には、例えば、加温部30により工程1が実行されている状態で、肌センサ50が検知した皮膚領域SAの温度が32℃より高い場合は、工程1を終了し、冷却部40による工程2が実行される。また、冷却部40により工程2が実行されている状態で、肌センサ50が検知した皮膚領域SAの温度が32℃より低い場合は、工程2を終了し、加温部30による工程1が実行される。
【0054】
このように、肌センサ50が検知した皮膚領域SAの温度に基づいて第1温度T1及び第2温度T2が制御されることで、肌センサ50で検知された皮膚領域SAの温度に応じて、加温部30による加温と冷却部40による冷却とを切り替えることができる。これにより、本実施形態では、血管の拡張収縮が短時間で行われ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0055】
図7は、第1実施形態の美容機器の第1変形例を底面側から見た図であり、図8は、第1実施形態の美容機器の第2変形例を底面側から見た図である。ここで、図8の第2変形例は、底面視形状が四角形である点で、図3の例および図7の第1変形例と異なる。なお、図7図8において、第1実施形態と共通する部分は、図3に付した符号を付して説明を省略する。
【0056】
第1実施形態の第1変形例及び第2変形例では、加温部30は、複数の加温部分30A、30Bで構成され、加温部分30A、30Bと冷却部40が、所定の一方向(Y方向)に交互に配置されている。本実施形態では、加温部30が2つの加温部分30A、30Bで構成され、これらの加温部分30A、30Bが冷却部40を間に挟んで、一方向(Y方向)に並んで配置されている(図7図8)。
【0057】
なお、加温部30を構成する加温部分の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。なお、加温部30が3つ以上の加温部分で構成される場合、冷却部40は複数の冷却部分(図示せず)で構成してもよい。この場合、3つ以上の加温部分と2つ以上の冷却部分を一方向(Y方向)に交互に配置すればよい。
【0058】
本実施形態では、加温部30の加温部分30A、30Bと冷却部40が所定の一方向(Y方向)に交互に配置されていることで、例えば、美容機器100の接触面CSを皮膚領域SAに接触させた状態で、美容機器100を加温部30と冷却部40が並ぶ一方向(Y方向)に移動させると、皮膚領域SAに対して加温部30と冷却部40とが交互に接触することができる。これにより、加温部30による加温と冷却部40による冷却とを切り替えることができ、血管の拡張収縮を繰り返すことができ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0059】
また、第1実施形態の変形例(第1変形例および第2変形例)では、加温部分30A、30Bが所定の一方向(Y方向)の両端に配置されている。具体的には、加温部分30Aが本体10の底面12(接触面CS)の端部12A側に配置され、加温部分30Bが本体10の底面12(接触面CS)の端部12B側に配置されている。
【0060】
このような構成により、本実施形態では、美容機器100の接触面CSを皮膚領域SAに接触させた状態で、美容機器100を加温部30と冷却部40が並ぶ一方向(Y方向)に移動させると、皮膚領域SAに対して最初に加温部30が接触し、その後、冷却部40が接触し、最後に加温部30が接触する。
【0061】
これにより、皮膚領域SAに対して加温部30と冷却部40とが交互に接触し、加温部30による加温と冷却部40による冷却とが切り替えられる上に、加温部30による加温で終了することができる。そのため、本実施形態では、美容機器100の使用後の血管の拡張状態を長時間維持することができ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0062】
また、第1実施形態の変形例(第1変形例および第2変形例)では、肌センサ50が加速度センサを構成し、美容機器100の加速度を検知する。ここで、肌センサ50が検知する加速度は、美容機器100の単位時間当たりの速度の変化率を示す。そして、本実施形態では、マイコン60の制御により、肌センサ50が検知した美容機器100の加速度に基づいて第1期間P1及び第2期間P2が制御される。
【0063】
具体的には、例えば、加温部30により工程1が実行されている状態で、肌センサ50が検知した美容機器100の加速度が所定の加速度より高い場合は、工程1を終了し、冷却部40による工程2が実行される。また、冷却部40により工程2が実行されている状態で、肌センサ50が検知した美容機器100の加速度が所定の加速度より高い場合は、工程2を終了し、加温部30による工程1が実行される。
【0064】
このように、肌センサ50が検知した美容機器100の加速度に基づいて第1期間P1及び第2期間P2が制御されることで、肌センサ50で検知された美容機器100の加速度に応じて、加温部30による加温と冷却部40による冷却とを切り替えることができる。これにより、本実施形態では、血管の拡張収縮が短時間で行われ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0065】
図9は、第2実施形態の美容機器を示す図である。図10は、図9の美容機器(第2実施形態)の内部構成を示すブロック図である。図11は、図9の美容機器において、第2工程が実行されている状態を示す図である。なお、図9図10において、第1実施形態と共通する部分は、図4図5に付した符号を付して説明を省略する。
【0066】
第2実施形態の美容機器100は、冷却部40が加温部30に対して接触面CSと垂直方向(Z方向)に可動する(図9図10)。本実施形態では、美容機器100が可動部90を有する。可動部90は、モータ91、カム92、バネ機構93を有する。
【0067】
モータ91は、冷却部40(ファン45)の上方に配置されている。モータ91は、カム92を回転可能に固定し、カム92の駆動源を構成する。モータ91は、マイコン60に通信可能に接続されたモータ駆動回路91Aを備える(図11)。
【0068】
モータ91には、モータ91の回転位置を検出する位置センサ91Bが設けられている。位置センサ91Bは、マイコン60に通信可能に接続されている。マイコン60は、位置センサ91Bが検出したモータ91の位置情報により、モータ駆動回路91Aを介してモータ91の回転を制御する(図11)。
【0069】
カム92は、回転軸92Aを介してモータ91に回転可能に固定されている。カム92の形態は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように平面視で略楕円形状である。カム92は、冷却部40(ファン45)の上方に配置され、冷却部40(ファン45)に回転可能に当接する。カム92が回転すると、冷却部40が下降し、冷プレート41が下部空間LS内を移動して、冷却部40の冷プレート41の表面が美容機器100の接触面CSの一部となる(図9図10)。
【0070】
バネ機構93は、冷却部40の放熱器44と上部隔壁UBの間に配置されている。バネ機構93の形態は、特に限定されず、例えば、弦巻バネを用いることができる。バネ機構93は、カム92の回転により冷却部40が下降すると、上下方向(Z方向)に付勢される(図9図10)。そして、カム92がさらに回転して元の位置(冷却部40が下降する前の状態)に戻ると、バネ機構93の付勢が解除され、冷却部40が上昇し、冷却部40は下降する前の状態に戻る(図9)。
【0071】
本実施形態では、このような冷却部40の下降および上昇により、冷却部40が下降する前の状態または冷却部40が下降した後に上昇して元の位置に戻った状態では、加温部30により皮膚領域SAが加熱される。また、冷却部40が下降して、冷却部40の冷プレート41の表面が美容機器100の接触面CSの一部となった状態では、冷却部40により皮膚領域SAが冷却される。
【0072】
本実施形態では、このように皮膚領域SAに対して加温部30と冷却部40とが交互に接触することで、加温部30による加温と冷却部40による冷却とを切り替えることができる。これにより、本実施形態では、血管の拡張収縮を繰り返すことができ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0073】
<美容方法>
図12は、実施形態の美容機器において実施される美容方法のフローチャートである。本実施形態における美容方法では、ステップS1~ステップS4が実行される。実施形態における美容方法は、特に限定されないが、例えば、上述の美容機器100を実施することにより実現される。
【0074】
ステップS1では、第1工程が実行される。第1工程は、皮膚の温度より高い第1温度で第1期間、皮膚を加温する。ここで、皮膚の温度は、皮膚領域SAの表面温度を示し、30℃~32℃である(図1)。皮膚の温度より高い第1温度は、32℃より高い温度を示す。
【0075】
具体的には、ステップS1は、美容機器100の加温部30で実行される。加温部30は、皮膚領域SAの温度Tpより高い第1温度T1で第1期間P1、皮膚領域SAを加温する(図3図10)。
【0076】
ステップS2では、第2工程が実行される。第2工程は、皮膚の温度より低い第2温度で第1期間より短い第2期間、皮膚を冷却する。皮膚の温度より低い第2温度は、32℃より低い温度を示す。また、第1温度と第2温度との温度差が25℃以上である。
【0077】
具体的には、ステップS2は、美容機器100の冷却部40で実行される。冷却部40は、皮膚領域SAの温度Tpより低く、第1温度T1との温度差が25℃以上の第2温度T2で第1期間P1より短い第2期間P2、皮膚領域SAが冷却される(図3図10)。
【0078】
ステップS3では、第1工程(ステップS1)と第2工程(ステップS2)を交互に繰り返し行われる。具体的には、ステップS3は、美容機器100において、マイコン60の制御により、加温部30による加温と冷却部40による冷却とが相互に切り替えられ、それぞれ複数回行われる(図6)。
【0079】
ステップS4では、ステップS3の後、皮膚の温度より高い第1温度で第1期間、皮膚を加温する。すなわち、第1工程(ステップS1)と第2工程(ステップS2)を交互に繰り返した後、最後に第1工程(ステップS1)が行われる。具体的には、例えば、第1工程(ステップS1)と第2工程(ステップS2)がそれぞれ複数回交互に実行された場合、工程2が終了した後、工程1が実行されてステップS1~S4が終了する(図6図12)。
【0080】
本実施形態における美容方法では、第1工程(ステップS1)による加温と第2工程(ステップS2)による冷却とが交互に繰り返し行われた後、第1工程による加温を行うことで、美容機器100の使用後の血管の拡張状態を長時間維持することができ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0081】
本実施形態における美容方法では、第1工程と第2工程とを1サイクルとして少なくとも3サイクルを行うことが好ましい。本実施形態では、例えば、第1期間P1と第2期間P2を1サイクルとして9サイクルが行われる(図6)。なお、本実施形態におけるこのような制御は、美容機器100のマイコン60により行われる。
【0082】
本実施形態では、第1工程と第2工程を1サイクルとして少なくとも3サイクルを行うことで、第1工程による加温と第2工程による冷却をそれぞれ3回以上交互に切り替えて行うことができる。これにより、本実施形態では、血管の拡張収縮が短時間で行われ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0083】
本実施形態における美容方法では、上述の1サイクルを80秒以内で行う。本実施形態では、マイコン60の制御により、第1期間P1と第2期間P2を1サイクルとして、該1サイクルが80秒以内で行われる(図6図12)。本実施形態では、このように1サイクルを80秒以内で行うことで、短時間で血管の拡張収縮が行われ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0084】
本実施形態における美容方法では、上述の少なくとも3サイクルを300秒以内で行う。本実施形態では、マイコン60の制御により、第1期間P1と第2期間P2を1サイクルとして9サイクルが行われ、該9サイクルが300秒以内で行われる(図6図12)。本実施形態では、少なくとも3サイクルが300秒以内で行われることで、血管の拡張収縮をさらに短時間で行うことができ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0085】
本実施形態における美容方法では、第1期間が第2期間の2倍以上である。本実施形態では、マイコン60の制御により、第1期間P1が第2期間P2の2倍以上に制御される(図6図12)。本実施形態では、第1期間が第2期間の2倍以上に制御されることで、第2工程による冷却に対して第1工程による加温の割合が高くなるため、血管の拡張収縮による皮膚温の調整を効率的に行うことができる。
【0086】
本実施形態における美容方法では、第1期間が70秒以下である。本実施形態では、マイコン60の制御により、第1期間P1が70秒以下に制御される(図6図12)。本実施形態では、第1期間が70秒以下に制御されることで、血管の拡張が短時間で行われ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0087】
本実施形態における美容方法では、第2期間が10秒以下である。本実施形態では、マイコン60の制御により、第2期間P2が10秒以下に制御される(図6図12)。本実施形態では、第2期間が10秒以下に制御されることで、加温により拡張した血管の収縮が短時間で行われ、皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0088】
本実施形態における美容方法では、第1温度が45℃以下である。本実施形態では、マイコン60の制御により、加温部30における第1温度T1が45℃以下に制御される(図6図12)。本実施形態では、第1温度が45℃以下に制御されることで、皮膚にダメージを与えずに血管が拡張するため、血管の拡張収縮による皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【0089】
本実施形態における美容方法では、第2温度が1℃以上である。本実施形態では、マイコン60の制御により、冷却部40における第2温度T2が1℃以下に制御される(図6図12)。本実施形態では、皮膚にダメージを与えずに血管が収縮するため、血管の拡張収縮による皮膚温の調整をより効率的に行うことができる。
【実施例
【0090】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
【0091】
[試験条件]
各種の美容機器を用いて、被験者に対して、工程1(加温処理)及び工程2(冷却処理)を交互に繰り返し行った。工程1では、加温する温度を40℃±2℃とし、工程2では、冷却する温度を10℃±2℃、15℃±2℃、20℃±2℃とした。被験者を20℃、45%の恒温室で30分安静状態にした後、被験者の右頬のみに工程1及び工程2を実施し、血流の増加率を算出した。加温処理及び冷却処理を行う処理領域は、被験者の右目尻と右小鼻の交点を中心とする右頬の30mm×30mmの四方形を領域とした。加温処理及び冷却処理は、0.2mlのイオン交換水を処理領域に塗布した後に、目標温度±2℃でそれぞれ制御された電極を用いた。血流測定は、オメガウェーブ株式会社製の血流画像装置(型式:OZ-2STD)を用いた。算出方法は、右頬(加温及び冷却する側の頬)と左頬(右頬と加温も冷却もしない側の頬)との血流量の差分を安静状態の平均血流値からの増加率で算出した。
【0092】
[処理時間]
工程1(加温処理)及び工程2(冷却処理)を実施した際の処理時間を測定し、処理時間による時間評価を、以下の基準で行った。
A:60秒未満
B:60秒以上120秒未満
C:120秒以上300秒未満
D:300秒以上
【0093】
[血流増加]
工程1(加温処理)及び工程2(冷却処理)を実施した際の血流を測定し、血流増加による血流評価を、以下の基準で行った。
A:処理終了直後の増加率が30%以上であり、10%以上の増加が処理終了後30分以上続く
B:処理終了直後の増加率が30%以上であり、10%以上の増加が処理終了後10分を超え20分まで続く
C:処理終了直後の増加率が30%以上であり、10%以上の増加が処理終了後10分まで続く
D:処理終了直後の増加率が30%以下である、または、処理終了から10分後の増加率が10%以下である
【0094】
[総合評価]
処理時間の評価と血流増加の評価との総合評価を行った。総合評価は、時間評価と血流評価のそれぞれについて、A=3、B=2、C=1、D=0として、時間評価と血流評価を乗算し、以下の基準で行った。なお、以下の基準でA~Cは良好、Dは不良と評価した。
A:6~9
B:4~5
C:1~3
D:0
【0095】
以下、実施例及び比較例について、説明する。
【0096】
[実施例1]
工程1(加温処理)の温度を40℃、時間を10秒、回数を10回とし、工程2(冷却処理)の温度を10℃、時間を2秒、回数を9回とし、開始工程及び終了工程をいずれも工程1とした。条件及び結果を表1に示す。
【0097】
[実施例2]
工程1(加温処理)の時間を20秒、回数を5回とし、工程2(冷却処理)の時間を4.5秒、回数を4回とした以外は、実施例1と同様に評価した。条件及び結果を表1に示す。
【0098】
[実施例3]
工程2(冷却処理)の温度を15℃とした以外は、実施例1と同様に評価した。条件及び結果を表1に示す。
【0099】
[実施例4]
工程1(加温処理)の回数を5回とし、工程2(冷却処理)の温度を15℃、回数を4回とした以外は、実施例1と同様に評価した。条件及び結果を表1に示す。
【0100】
[実施例5]
工程2(冷却処理)の温度を15℃とした以外は、実施例2と同様に評価した。条件及び結果を表1に示す。
【0101】
[比較例1]
工程1(加温処理)の時間を150秒および300秒、回数を2回とし、工程2(冷却処理)の温度を18℃、時間を45秒、回数を1回とした以外は、実施例1と同様に評価した。条件及び結果を表1に示す。
【0102】
[比較例2]
工程1(加温処理)の時間を60秒、回数を1回とし、工程2(冷却処理)の温度を13℃、時間を60秒、回数を1回とし、終了工程を工程2とした以外は、実施例1と同様に評価した。条件及び結果を表1に示す。
【0103】
[比較例3]
工程1(加温処理)の回数を2回とし、工程2(冷却処理)の回数を1回とした以外は、実施例1と同様に評価した。条件及び結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
表1より、工程1(加温処理)の温度を40℃、時間を10秒~20秒、回数を5回~10回とし、工程2(冷却処理)の温度を10℃~15℃、時間を2秒~4.5秒、回数を4回~9回とし、工程1と工程2を交互に繰り返し、開始工程及び終了工程をいずれも工程1とする条件では、総合評価は良好であった(実施例1~5)。
これに対して、工程2(冷却処理)の回数を1回とする条件では、総合評価は不良であった(比較例1~3)。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【0107】
本出願は、2021年3月3日に出願された日本国特許出願2021-33838号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。
【符号の説明】
【0108】
100 美容機器
10 本体
11 天面
12 底面
12A、12B 端部
20 指掛部
BA アセンブリ
CS 接触面
LS 下部空間
30 加温部
30A、30B 加温部分
31 温プレート
32 サーミスタ
33 ヒータ
33A ヒータ駆動回路
40 冷却部
41 冷プレート
42 サーミスタ
43 ペルチェ素子
43A ペルチェ駆動回路
44 放熱器
45 ファン
50 肌センサ
60 マイコン
UB 上部隔壁
LB 下部隔壁
70 電源
71 電池
72 電源回路
73 充放電制御回路
74 充電端子
80 操作スイッチ
90 可動部
91 モータ
91A モータ駆動回路
91B 位置センサ
92 カム
92A 回転軸
93 バネ機構
P ユーザ
SA 皮膚領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12