(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】梱包材、及び梱包材を製造する方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/03 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
B65D81/03
(21)【出願番号】P 2023504354
(86)(22)【出願日】2021-07-22
(86)【国際出願番号】 US2021042719
(87)【国際公開番号】W WO2022020557
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-03-17
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523011543
【氏名又は名称】ハーマンソン,テリー
【氏名又は名称原語表記】HERMANSON, Terry
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ハーマンソン,テリー
(72)【発明者】
【氏名】モン-スエン,ホアン
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-237669(JP,A)
【文献】実開昭57-159440(JP,U)
【文献】特開平06-247471(JP,A)
【文献】米国特許第06067779(US,A)
【文献】特開平08-244853(JP,A)
【文献】米国特許第10357936(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/03-81/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形梱包材であって、
複数のセルロース緩衝要素と、
前記複数のセルロース緩衝要素を互いに結合する、セルロース繊維を含むマトリックスと、
を含み、
前記複数のセルロース緩衝要素及びマトリックスは外面及び内部を有する形状に成形された集合体を形成し、前記複数のセルロース緩衝要素の一部は前記集合体の前記外面にあり、前記複数のセルロース緩衝要素の残りの部分は前記集合体の前記内部にある、成形梱包材。
【請求項2】
前記集合体の前記外面の少なくとも1つに結合された少なくとも1つのセルロースシートをさらに含む、請求項1に記載の成形梱包材。
【請求項3】
前記複数
のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、シワ状セルロースシートである、請求項1または2に記載の成形梱包材。
【請求項4】
前記複数
のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、少なくとも1つの空気ポケットが形成される幾何学的形状に形成されたセルロース材料である、請求項1または2に記載の成形梱包材。
【請求項5】
前記複数
のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、球状の形状を有する、請求項1~4のいずれか1つに記載の成形梱包材。
【請求項6】
前記複数
のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、円筒状である、請求項1~5のいずれか1つに記載の成形梱包材。
【請求項7】
前記セルロース緩衝要素はセルロース繊維を含み、前記セルロース緩衝要素は前記マトリックスの前記セルロース繊維と同じである、請求項1~6のいずれか1つに記載の成形梱包材。
【請求項8】
前記マトリックスが、接着剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の成形梱包材。
【請求項9】
前記複数
のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、複数の折り目を有し、ある形状に形成され、前記マトリックスの前記接着剤及びセルロース繊維は、前記セルロース緩衝要素のそれぞれの前記折り目の間に分散される、請求項8に記載の成形梱包材。
【請求項10】
前記マトリックスの前記接着剤は生分解性接着剤である、請求項8または9に記載の成形梱包材。
【請求項11】
前記集合体が、少なくとも1つの凹部を含む形状に成形される、
請求項1~10のいずれか1つに記載の成形梱包材。
【請求項12】
前記凹部を形成する前記集合体の前記外面の少なくとも1つに接続した少なくとも1つのセルロースシートをさらに含む、請求項11に記載の成形梱包材。
【請求項13】
梱包材を製造する方法であって、
モールドに複数のセルロース緩衝要素を充填することと、
セルロース繊維及び接着剤の水性スラリーを、前記モールド内の前記複数のセルロース緩衝要素に塗布することと、
前記水性スラリー及び前記複数のセルロース緩衝要素を乾燥させ、成形梱包材を形成することと、
前記成形
梱包材を前記モールドから取り出すことと、
を含む、前記方法。
【請求項14】
前記複数
のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、シワ状セルロースシートである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数
のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、少なくとも1つの空気ポケットが形成される幾何学的形状に形成されたセルロース材料である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、球状の形状を有するシワ状セルロースシートである、請求項13~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記水性スラリーの前記接着剤は生分解性接着剤である、請求項13~16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記モールドに前記複数のセルロース緩衝要素を充填する前に、前記モールドにセルロースシートを設置することをさらに含む、請求項13~17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
前記水性スラリーを塗布した後に、前記複数のセルロース緩衝要素の露出面にセルロースシートを設置することをさらに含む、請求項13~18のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年3月10日に出願された米国特許出願第17/197,837号、2021年3月10日に出願された米国特許出願第17/197,889号、及び2020年7月22日に出願され、「PACKING MATERIAL AND METHOD OF MANUFACTURING THE PACKING MATERIAL」と題された米国仮特許出願第63/054,853号に基づく優先権を主張し、それらの出願の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は梱包材に関し、特に、紙から作られた複数の別個の緩衝要素を含む梱包材に関する。また、本発明は梱包材を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な梱包材を使用して、ダンボール等の配送用コンテナにアイテムを固定することによって、配送中の配送用コンテナ内でアイテムが動く場合、このアイテムへの損傷、または配送中の落下もしくは衝突等の他の衝撃を防止する。そのような梱包材は、気泡緩衝材、膨張したポリスチレン(発泡スチロール)、及び他のプラスチック発泡体梱包材を含み、これらは、ブロックに成形され得る、または、他の形状、ピーナッツ、及び膨らませたビニール袋(エアピローとしても知られる)に成形され得る。これらのプラスチック製品は、配送中に使用された後、ごみとして廃棄され得る。プラスチックごみは分解するのに長時間かかり、分解過程で二酸化炭素が発生する。さらに、発泡スチロールは容易に生分解されず、分解するのに何年も何年もかかり得る。しかしながら、プラスチック及び発泡スチロールが環境に及ぼす悪影響に対する認識が高まるにつれ、消費者は、環境に優しくリサイクル可能な生分解性製品を梱包材として使用することを求めることが増えている。手頃な価格で十分な緩衝効果を提供する、環境に優しくリサイクル可能な望ましい生分解性製品が存在する。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本発明は、複数のセルロース緩衝要素、複数のセルロース緩衝要素の片側に配置された上部セルロースシート、及び複数のセルロース緩衝要素の反対側に配置された底部セルロースシートを含む梱包材に関する。複数のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、複数の折り目(fold)を有し、ある形状に形成される。底部セルロースシートは上部セルロースシートに接続され、複数のセルロース緩衝要素は上部セルロースシートと底部セルロースシートとの間に位置付けられる。
【0005】
別の態様では、本発明は、複数の別個の緩衝要素と、複数の別個の緩衝要素を接続するフレキシブルリンク機構とを含む梱包材に関する。複数の別個の緩衝要素は第1の方向に配列され、複数の別個の緩衝要素の各緩衝要素が複数の別個の緩衝要素の少なくとも1つの他の緩衝要素に隣接するように整列される。複数の別個の緩衝要素のうちの少なくとも1つの他の緩衝要素は第1の隣接緩衝要素であり、各緩衝要素は各々の第1の隣接緩衝要素から離間され、第1のギャップは、各緩衝要素と各々の第1の隣接緩衝要素との間に形成される。各緩衝要素は、フレキシブルリンク機構によって各々の第1隣接緩衝要素に接続される。フレキシブルリンク機構は、各緩衝要素と各々の第1の隣接緩衝要素との間の第1のギャップにまたがる。
【0006】
さらなる態様では、本発明は梱包材を製造する方法に関する。本方法は、第1のセルロースシートの複数のポケットに複数のセルロース緩衝要素を充填することを含む。各ポケットは、ポケットが充填される開口部を有する。本方法は、さらに、セルロース繊維及び接着剤の水性スラリーを、第1のセルロースシートの各ポケット内の複数のセルロース緩衝要素に塗布することと、水性スラリー及び複数のセルロース緩衝要素を乾燥させることと、第2のセルロースシートを第1のセルロースシートに結合し、第1のセルロースシートの複数のポケットの開口部を覆うことと、を含む。
【0007】
さらに別の態様では、本発明は、複数のセルロース緩衝要素と、複数のセルロース緩衝要素を互いに結合する結合部(bonds)とを含む梱包材に関する。複数のセルロース緩衝要素の各セルロース緩衝要素は、複数の折り目を有し、ある形状に形成される。結合部は接着剤及びセルロース繊維を含む。結合部の接着剤及びセルロース繊維は、セルロース緩衝要素のそれぞれの折り目の間に分散される。
【0008】
さらに別の態様では、本発明は、成形梱包材を製造する方法に関する。本方法は、モールドに複数のセルロース緩衝要素を充填することと、セルロース繊維及び接着剤の水性スラリーを、モールド内の複数のセルロース緩衝要素に塗布することと、水性スラリー及び複数のセルロース緩衝要素を乾燥させ、成形梱包材を形成することと、成形充填材をモールドから取り出すことと、を含む。
【0009】
さらに別の態様では、本発明は、梱包材を製造する方法に関する。本方法は、セルロースシートを提供することを含む。セルロースシートは厚さ及びフェース面を有する。フェース面は表面積を有する。セルロースシートは、厚さ方向と、厚さ方向に直交する直交方向とを有する。また、本方法は、セルロースシートを圧縮して圧縮セルロースシートを形成することと、圧縮セルロースシートをねじり、シワ状セルロースシートを形成することと、を含む。
【0010】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下の開示から当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】
図1Aは本発明の好ましい実施形態による梱包材として使用できるセルロース緩衝要素を示す。
【
図1B】
図1Bは梱包材として使用できる代替のセルロース緩衝要素を示す。
【
図2】
図2は、アイテムと、
図1Aの複数のセルロース緩衝要素とを収容する配送用ボックスである。
【
図3A】
図3Aは、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を製造するために使用された方法及び機械を示し、第1のステップを示す。
【
図3B】
図3Bは、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を製造するために使用された方法及び機械を示し、第2のステップを示す。
【
図3C】
図3Cは、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を製造するために使用された方法及び機械を示し、第3のステップを示す。
【
図3D】
図3Dは、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を製造するために使用された方法及び機械を示し、第4のステップを示す。
【
図4A】
図4Aは、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を製造するために使用された代替の方法及び機械を示し、第1のステップを示す。
【
図4B】
図4Bは、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を製造するために使用された代替の方法及び機械を示し、第2のステップを示す。
【
図4C】
図4Cは、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を製造するために使用された代替の方法及び機械を示し、第3のステップを示す。
【
図4D】
図4Dは、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を製造するために使用された代替の方法及び機械を示し、第4のステップを示す。
【
図6A】
図6Aは、
図4A~
図4Dに示される方法及び装置によって生成され得るセルロース緩衝要素であり、送りローラによって加工されずに生成されるセルロース緩衝要素である。
【
図6B】
図6Bは、
図4A~
図4Dに示される方法及び装置によって生成され得るセルロース緩衝要素であり、
図5に示される送りローラで生成されるセルロース緩衝要素である。
【
図7A】
図7Aは、別個の緩衝要素を接続するリンク機構を伴う梱包材を示し、梱包材は、別個の緩衝要素として
図1Aに示されるセルロース緩衝要素が使用され、リンク機構がセルロース緩衝要素に取り付けられる1つの状態を示す。
【
図7B】
図7Bは、別個の緩衝要素を接続するリンク機構を伴う梱包材を示し、梱包材は、別個の緩衝要素として
図1Aに示されるセルロース緩衝要素が使用され、リンク機構がセルロース緩衝要素に取り付けられる別の状態を示す。
【
図10】
図10は、別個の緩衝要素を接続するリンク機構を伴う別の梱包材を示す。
図10の梱包材は、別個の緩衝要素として
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を使用する。
【
図13】
図13は、別個の緩衝要素として
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を使用する別の梱包材を示す。
【
図14】
図14は、別個の緩衝要素として
図1Aに示されるセルロース緩衝要素を使用する別の梱包材をさらに示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に開示される梱包材は基材として緩衝要素100を利用する。
図1Aは、下記にさらに説明される梱包材に使用され得る好ましい緩衝要素100を示す。この緩衝要素100は、好ましくは、セルロース繊維から成る紙から形成されるセルロース緩衝要素110である。下記の特定の実施形態で説明されるように、他の適切な緩衝要素100も本明細書に説明される梱包材で使用され得る。紙は生分解性であるため、紙はセルロース緩衝要素110に使用される好ましい材料である。本明細書に使用される紙は、好ましくは、再生紙(例えば、古紙)である。本明細書に説明されるセルロース緩衝要素110には、様々な適切な基本重量及び厚さを使用し得て、それらは用途によって変わり得る。下記にさらに説明されるように、紙は、好ましくはボール状、球状、または円筒状の形状になるようにシワ状であることが好ましい。セルロース緩衝要素110は、直径約0.25インチ等の比較的小さなサイズ、または直径約1インチ等の比較的大きなサイズであり得る。しかし、そのようなサイズは例示であり、他の様々な適切な直径を使用し得る。したがって、シワ状セルロース緩衝要素110は、複数の折り目と、セルロース緩衝要素110の折り目の間に形成された隙間または空気ポケットとを含む。
【0013】
代替のセルロース緩衝要素111は
図1Bに示される。代替のセルロース緩衝要素111を形成するために使用された紙は、薄い片(例えば、幅0.25インチ)に切断され、次に、代替のセルロース緩衝要素111を形成する形状に複数回折られ得る。したがって、代替のセルロース緩衝要素111が折られ、
図1Bに示される正方形等の幾何学的形状が形成される。しかし、他の適切な幾何学的形状が形成され得る。セルロース緩衝要素110と同様に、代替のセルロース緩衝要素111は、複数の折り目と、折り目と紙片との間に形成された空気ポケットを含む。
【0014】
しかしながら、本発明は、上記に説明され、そして
図1A及び
図1Bに示されるサイズ及び形状に限定されない。また、セルロース緩衝要素110及び代替のセルロース緩衝要素111は、例えば、下記で
図6Aに示されるフォームを含む他の形状または形態を有する要素を形成するために、シワ状にされ得る、または折られ得る。代替のセルロース緩衝要素111は、下記にさらに説明される梱包材のそれぞれにおいて、シワ状セルロース緩衝要素110の代わりに使用され得る。
【0015】
これらのセルロース緩衝要素110は、梱包材として単独で使用され得る。
図2は、例えば、出荷予定アイテム104が設置される配送用ボックス102を示す。配送用ボックス102は、段ボール箱を含む任意の適切な配送用ボックスであり得る。セルロース緩衝要素110は、配送用ボックス102内に設置され、出荷予定アイテム104を取り囲み得る。セルロース緩衝要素110は弾性的に変形可能であり、エネルギーを吸収し、出荷予定アイテム104を保護するが、押しつぶされたときでも、追加のエネルギー(衝撃)吸収を提供して、出荷予定アイテム104を保護する。所望の保護のために修正され得る、吸収されるエネルギーの量に影響を与える要因は、紙の重量、セルロース緩衝要素110の体積またはサイズ(例えば、直径)、及びセルロース緩衝要素110の密度を含む。
【0016】
図3A~
図3Dを参照して、セルロース緩衝要素110を形成する方法、及び本方法で使用される機械アセンブリ200を説明する。最初に、紙のシート112がダイ210の上に送られ、本実施形態では、カバープレート212とダイ210との間に送られる。シート112は、表面積を伴うフェース面114を含む。シート112は、また、上記に説明したように、任意の適切な厚さであり得る厚さを有する。シートは、厚さ方向と、厚さ方向に直交する直交方向とを有する。
図3Aでは、シート112は、シート112の直交方向に送られる。シート112は送りローラ202によって挟まれて送られる。送りローラ202は、本実施形態では送りプレート204であるニップ(nip)形成部材を伴うニップを形成するが、別のローラ等の任意の適切なニップ形成部材を使用し得る。本実施形態では、シート112はロール116からの連続シートである。しかしながら、シート112は、サイズに合わせて切断され、ダイ210に1つずつ送られるシート112のスタック等、他の適切な形態で提供され得る。
【0017】
ダイ210は、漏斗形状を形成するダイ210の入口にテーパ216を伴う円筒孔214を有する。シート112は、プランジャ220を用いて、ダイ210を通してプレスされる。プランジャ220は、ダイ210の形状に対応する形状を有する。本実施形態では、プランジャ220は、球状先端222を伴う円筒形状であるが、任意の適切な形状を使用し得る。ダイ210の円筒孔214は直径を有し、プランジャ220の直径は円筒孔214の直径よりも小さく、これにより、プランジャ220は円筒孔214に挿入できる。プランジャ220は、カバープレート212の孔218を通って下降し、シート112の直交方向と交差する方向にシート112をプレスし、本実施形態では、その直交方向と交差する方向は厚さ方向である。プランジャ220の先端222は、シート112のフェース面114に接触し、シート112をダイ210の円筒孔214に押す。シート112は、ダイ210の出口における円筒孔214の表面積よりも大きい表面積を有する。プランジャ220がシート112をダイ210のテーパ216及び円筒孔214に押すと、シート112はダイ210及びプランジャ220の形状に適合し、加工セルロースシート118が形成される。したがって、本実施形態では、加工セルロースシート118は、球状先端を伴う中空円筒形状を有する。プランジャ220がダイ210の円筒孔214に挿入されることにより、プランジャ220は、加工セルロースシート118をダイ210の出口(底部)から排出させる。
【0018】
シート112がロール116によって供給されるとき、カッタ224を使用して、シート112を適切な長さに切断し得る。本実施形態では、カッタ224は、ダイ210の上部と送りプレート204との間でプランジャ220とともに移動するように構成される。カッタ224は、先端222がシート112のフェース面114に接触する直前にまたは接触するとシート112を切断して、シート112をダイ210に押す。
【0019】
図3Bに示されるように、加工セルロースシート118がダイ210を出た後、加工セルロースシート118は、フォーム230の第1の部分230Aと第2の部分230Bとの間を通過する。次に、
図3Cに示されるように、フォーム230の第1の部分230A及び第2の部分230Bを互いに接触させて、フォーム230のキャビティ232内で加工セルロースシート118を圧縮する。フォーム230の第1の部分230A及び第2の部分230Bのそれぞれには、凹面234が形成され、第1の部分230A及び第2の部分230Bが一緒に連結されるとき、凹面234は球形のキャビティ232を形成する。本実施形態では、凹面234のそれぞれは半球状であり、キャビティ232を形成する。
【0020】
フォーム230が、フォーム230の第1の部分230Aと第2の部分230Bとの間を通過すると、フォーム230は加工セルロースシート118をキャッチするのを助けるキャッチャ240も含む。本実施形態のキャッチャ240は、フォーム230の第1の部分230A及び第2の部分230Bの接触部分から外側に広がる複数の歯242を含む。第1の部分230A及び第2の部分230Bが一緒に連結されると、歯242の発散角度(diverging angle)は加工セルロースシート118を圧縮してキャビティ232内に誘導するのを助ける。本実施形態では、歯242は、第1の部分230Aの歯242が第2の部分230Bの歯242と噛合するように互いに噛み合う歯242である。
【0021】
加工セルロースシート118がキャビティ232内で圧縮されると、第1の部分230A及び第2の部分230Bは、第1の部分230A及び第2の部分230Bが一緒に連結(または分離)される方向に延在する軸を中心に回転し得る。フォーム230の第1の部分230A及び第2の部分230Bを回転させることで、加工セルロースシート118をねじり、結果として生じるセルロース緩衝要素110に追加の折り目及びポケットを作成するのを助け得る。このプロセスを容易にするために、凹面234のそれぞれは鋸歯状の外面236を含む。加工セルロースシート118を圧縮してねじることにより、セルロース緩衝要素110が形成される。第1の部分230A及び第2の部分230Bが回転した後、第1の部分230A及び第2の部分230Bは、それらの部分を一緒に連結する方向とは反対方向に移動させることによって分離する。
図3Dに示されるように、第1の部分230A及び第2の部分230Bが分離されると、セルロース緩衝要素110はフォーム230から取り出される。これらのステップを繰り返して、追加のセルロース緩衝要素110を形成する。
【0022】
図4A~
図4Dは、セルロース緩衝要素110を形成するための代替の方法と、本方法で使用される機械アセンブリ300とを示す。上記に説明した方法及び機械アセンブリ200の場合と同様に、紙のシート112を使用して、セルロース緩衝要素110を形成する。シート112は上記に説明したものと同様であり得るが、本実施形態のシート112は、好ましくは、幅よりも長い長さ(下記にさらに説明される)を有する紙片である。
図4Aに示されるように、シート112は、一対の送りローラ(第1の送りローラ302及び第2の送りローラ304)によって挟まれて送られ、弓形シリンダ310(本明細書では、弓形シリンダ310)に送り込まれる。
図5は、第1の送りローラ302、第2の送りローラ304、及び弓形シリンダ310の斜視図である。
【0023】
第1の送りローラ302及び第2の送りローラ304は滑らかな外面を有し得るが、シート112が送られると、それらの送りローラがシート112を厚さ方向にも加工するように構成され得る。
図5に示されるように、例えば、第1の送りローラ302は溝306を含む。本実施形態の溝306はV字形であるが、例えばU字形またはW字形を含む任意の適切な形状を使用し得る。第2の送りローラ304は、対応する表面を有し、本実施形態では、それはV字形突起308である。突起308はシート112を溝306にプレスし、溝306及び突起308に対応する形状をシートに生じさせる。
図6Aは、シート112が滑らかな外面を有する第1の送りローラ302及び第2の送りローラ304を用いて送られるとき、本方法及び機械アセンブリ300を使用して生成されるセルロース緩衝要素110を示す。
図6Aに示されるセルロース緩衝要素110は、それらの要素の間にギャップを伴う複数の折り目を有する。
図6Bは、シート112が
図5に示される第1の送りローラ302及び第2の送りローラ304を用いて送られるとき、本方法及び機械アセンブリ300を使用して生成されるセルロース緩衝要素110を示す。
図6Bに示されるセルロース緩衝要素110は、
図1Aに示されるセルロース緩衝要素110と同様であり、複数の折り目を有するが、球形と言うより、円筒形の形状を伴う。
【0024】
図4Aに示されるように、弓形シリンダ310には、入口314及び出口316を伴うチャネル312が形成される。シート112は、入口314を通ってチャネル312に送られ、次に、出口316に位置するラム(ram)322にシート112が接触するまで、チャネル312を通ってスライドする。本実施形態では、シート112(紙片)は、チャネル312の長さよりも長い長さを有するようにチャネル312に送られ、シート112は、チャネル312内で前後に波立つ。しかしながら、シート112の長さは、そのように限定されるものではなく、例えば、その長さはより短くなり得る。
【0025】
シート112が所望の長さに達するとき、シート112はカッタ324で切断される。本実施形態では、カッタ324は、弓形シリンダ310の入口314の縁とプランジャ326との間に形成される。プランジャ326は、円周方向に回転するロータ328に接続される。
図4Bに示されるように、プランジャ326は弓形シリンダ310の入口314に入り、そのとき、シート112を切断する。プランジャ326はチャネル312に沿って移動するにつれて回転し、プランジャ326によってシートをラム322に接触させて圧縮する。本実施形態のラム322及びプランジャ326は、上記に説明したフォーム230の第1の部分230Aと、フォーム230の第2の部分230Bとに類似する。ラム322及びプランジャ326は、それぞれ、半球状の凹面234を含み、
図4Cに示されるように一緒に連結されるとき、キャビティ232を形成して、シート112を圧縮して、セルロース緩衝要素110を形成する。
図4Dに示されるように、プランジャ326が回転し続けると、ラム322が枢動してキャビティ232を開き、セルロース緩衝要素110を取り出す。
【0026】
図4A~
図4Dに示されるプロセスを繰り返して、追加のセルロース緩衝要素110を形成する。
図4Cに見られるように、プランジャ326が入口314を通過した後、次のシート112が弓形シリンダ310の入口314に送られる。したがって、前のシート112が圧縮され(
図4C)、セルロース緩衝要素110として取り出される(
図4D)と、次のシート112が送られる。
【0027】
複数のセルロース緩衝要素110が配送用ボックス102(
図2を参照して上記に説明したもの)で使用されるが、そのような構成は乱雑になり得る。出荷予定アイテム104を梱包または開梱するとき、個々のセルロース緩衝要素110は容易にこぼれて散乱する可能性があり、片付ける必要がある。この問題を回避するために、
図7A及び
図7Bに示されるように、複数のセルロース緩衝要素110のうちのセルロース緩衝要素110のそれぞれを互いに接続できる。
図7A及び
図7Bは、本発明の好ましい実施形態による梱包材を示す。本明細書に説明される他の梱包材を明確にするために、本実施形態の梱包材はロープ状梱包材120と呼ばれる。
【0028】
ロープ状梱包材120は、長さ方向Aに配列された複数の別個の緩衝要素100を含む。本実施形態の別個の緩衝要素100のそれぞれは、上記に説明したセルロース緩衝要素110であるが、それらはそのように限定されない。代わりに、個々の緩衝要素100のそれぞれは、例えば、
図8に示されるパッキングピーナッツ106であり得る。パッキングピーナッツ106はS字形の発泡スチロール等の発泡体ポリマ樹脂材料であり得る。トウモロコシ等のデンプンの樹脂材料から作られる生分解性パッキングピーナッツを含む、他のパッキングピーナッツ106を使用し得る。
【0029】
ロープ状梱包材120は
図7A及び
図7Bを参照してさらに説明されるが、
図8に示される他の緩衝要素100にも適用される。セルロース緩衝要素110は整列して長さ方向Aに配列される。
図7A及び
図7Bは、それぞれ異なる文字(a~e)が付された5つのセルロース緩衝要素110を示す。セルロース緩衝要素110のそれぞれは、少なくとも1つの他のセルロース緩衝要素110に隣接する。例えば、セルロース緩衝要素110aはセルロース緩衝要素110bに隣接し、セルロース緩衝要素110bはセルロース緩衝要素110a及びセルロース緩衝要素110cの両方に隣接する。本実施形態では、隣接するセルロース緩衝要素110は、隣接するセルロース緩衝要素110の間に形成されたギャップ(本明細書では、第1のギャップ122と呼ばれる)で互いに離間しているが、例えば、隣接するセルロース緩衝要素110は互いに接触する他の適切な実施形態が可能であり得る。
【0030】
隣接するセルロース緩衝要素110は、フレキシブルリンク機構124によって互いに接続される。フレキシブルリンク機構124は、セルロース緩衝要素110のそれぞれに接続され、隣接するセルロース緩衝要素110の間の第1のギャップ122にまたがる。本実施形態では、フレキシブルリンク機構124はストリングである。セルロース緩衝要素110は、例えば接着剤等の任意の適切な方法を使用して、フレキシブルリンク機構124に取り付けられ得る。
図7Aでは、フレキシブルリンク機構124(ストリング)は、セルロース緩衝要素110のそれぞれの周りに少なくとも1回巻き付けられる。
図7Bでは、セルロース緩衝要素110のそれぞれは、セルロース緩衝要素110の直径(中央部分)を通って形成された孔126を有し、フレキシブルリンク機構124(ストリング)は孔126を通り抜ける。
【0031】
他の適切なフレキシブルリンク機構124を使用し得る。
図9は、代替のフレキシブルリンク機構124を伴うロープ状梱包材120の例を示す。本実施形態のフレキシブルリンク機構124は、上部テープ132及び下部テープ134を含む。任意の適切なテープを使用できるが、上部テープ132及び下部テープ134のそれぞれは、好ましくは、その幅よりもはるかに大きい長さを有する紙片(またはセルロース片)である(
図10参照)。ロープ状梱包材120全体が生分解性がありリサイクル可能であるように、特にセルロース緩衝要素110とともに使用されるとき、紙が好ましい。本実施形態では、上部テープ132及び下部テープ134は互いに整列され、その間にセルロース緩衝要素110を挟む。接着剤136は、好ましくは、上部テープ132及び下部テープ134のそれぞれの内側に塗布され、上部テープ132及び下部テープ134を互いに結合し、それらのテープをセルロース緩衝要素110に結合する。任意の適切な接着剤136を使用し得るが、本実施形態では、好ましくは、生分解性接着剤である。
【0032】
本実施形態では、上部テープ132及び下部テープ134の両方が使用されるが、そのように限定されず、セルロース緩衝要素110は、単一のテープ(例えば、上部テープ132または下部テープ134のいずれか)によって接続され得る。そのような場合、第1のギャップ122内のテープの部分から接着剤136を省くまたは除去することが好ましい。
【0033】
別個の緩衝要素100とともに、上記に説明したフレキシブルリンク機構124を使用して、他の梱包材を形成し得る。
図10は、上記に説明したフレキシブルリンク機構124を使用する別の梱包材を示す。本明細書に説明される他の梱包材を明確にするために、本実施形態の梱包材はネット状梱包材140と呼ばれる。他の実施形態と同様に、緩衝要素100の要素は任意の適切な緩衝要素であり得るが、本実施形態では、緩衝要素100はセルロース緩衝要素110である。
【0034】
ネット状梱包材140のセルロース緩衝要素110は2方向に配列される。セルロース緩衝要素110は、上記に説明したように長さ方向Aに配列され、幅方向Bにも整列して配列される。例えば、セルロース緩衝要素110bは、長さ方向Aにおいてセルロース緩衝要素110a及びセルロース緩衝要素110cに加えて、幅方向Bにおいてセルロース緩衝要素110y及びセルロース緩衝要素110zに隣接する。幅方向Bは長さ方向Aと交差する方向であり、本実施形態では、幅方向Bは長さ方向Aに対して直角である。
【0035】
また、セルロース緩衝要素110は離間し、ギャップ(第2のギャップ142)が幅方向Bにおいて隣接するセルロース緩衝要素110の間に形成される。1つのフレキシブルリンク機構124、第1のフレキシブルリンク機構144は、長さ方向Aにおいてセルロース緩衝要素110を接続し、別のフレキシブルリンク機構124、第2のフレキシブルリンク機構146は幅方向Bにおいてセルロース緩衝要素110を接続する。本実施形態では、複数の第1のフレキシブルリンク機構144及び複数の第2のフレキシブルリンク機構146があり、これらのフレキシブルリンク機構が一緒に連結され、ネット状梱包材140のネット状構造を形成する。
図10は、テープ(例えば、上部テープ132及び下部テープ134)を使用して構築された第1のフレキシブルリンク機構144及び第2のフレキシブルリンク機構146を示しているが、上記に説明したように、ストリング等の他の適切なフレキシブルリンク機構124を使用し得る。
【0036】
ネット状梱包材140は
図1Aに示される方式で出荷予定アイテム104を梱包するために使用され得るが、ネット状梱包材140は他の適切な梱包配置で使用され得る。例えば、
図11に示されるように、ネット状梱包材140は気泡緩衝材と同様に使用され、ボトル108等の出荷予定アイテム104の周りに巻き付けられ得る。
【0037】
ロープ状梱包材120を形成する方法は
図9に示され、
図12を参照して、本方法で使用される機械アセンブリ400を説明する。上記に説明した機械アセンブリ200及び機械アセンブリ300を含む任意の適切な方法または機械を使用して、セルロース緩衝要素110を形成し得る。例えば、機械アセンブリ200は
図12に示される。
図12に示される機械アセンブリ400は、上部テープ132になる紙片の第1のロール402と、下部テープ134になる紙片の第2のロール404とを含む。
【0038】
上部テープ132は第1のロール402と第1のラミネートローラ412との間で伸び、下部テープ134は第2のロール404と第2のラミネートローラ414との間で伸びる。第1のラミネートローラ412及び第2のラミネートローラ414のそれぞれは、それらの外面に形成された複数の凹部416を有する。凹部416の間にランド(land)418がある。第1のラミネートローラ412及び第2のラミネートローラ414は、それらの間に結合ニップを形成するように配置され、各ラミネートローラの凹部416は結合ニップで互いに対向し、各ラミネートローラのランド418は結合ニップで互いに対向する。
【0039】
接着剤136は、上部テープ132及び下部テープ134の少なくとも1つに塗布される。本実施形態では、接着剤136は、接着剤塗布ユニット420によって上部テープ132に塗布される。代替として、別の接着剤塗布ユニット420を使用して、接着剤136を下部テープ134にも塗布し得る。接着剤塗布ユニット420は、接着剤136を保持するリザーバ422を含む。接着剤136は、リザーバ422から塗布ローラ424の外面に移される。接着剤塗布ユニット420は、また、塗布ローラ424とともに接着剤塗布ニップを形成するバッキングローラ426を含む。上部テープ132は接着剤塗布ニップを通過し、接着剤136は、塗布ローラ424によって上部テープ132の表面(内面になる)に塗布される。例えばスプレー接着剤塗布器を含む、他の適切な接着剤塗布ユニット420を使用し得る。
【0040】
セルロース緩衝要素110が形成され、フォーム230から排出された後、セルロース緩衝要素110は、例えば、シュート406によってニップの入口に誘導される。次に、セルロース緩衝要素110は、2つの対向する凹部416によって形成されたキャビティ内に位置し、対向するランド418によって隣接するセルロース緩衝要素110から分離される。上部テープ132は、第1のロール402とセルロース緩衝要素110との間に挟まれ、下部テープ134は、第2のロール404とセルロース緩衝要素110との間に挟まれる。上部テープ132及び下部テープ134が、それらの間にセルロース緩衝要素110がない状態で結合ニップを通過すると、上部テープ132及び下部テープ134は、互いに結合されて、第1のギャップ122を形成する。
【0041】
図13には、別の梱包材が示される。本明細書に説明される他の梱包材を明確にするために、本実施形態の梱包材はサンドイッチラップ150と呼ばれる。サンドイッチラップ150は、上部シート152及び底部シート154を含む。任意の適切なシートを使用し得るが、上部シート152及び底部シート154は好ましくは紙(セルロース)シートである。上部シート152は底部シート154に接続され、複数の別個の緩衝要素100はそれらのシートの間に位置付けられる。
図13に示されるように、本実施形態の別個の緩衝要素100は、セルロース緩衝要素110である。本実施形態では、セルロース緩衝要素110は長さ方向A及び幅方向Bに配列される。しかし、隣接するセルロース緩衝要素110の間にギャップが存在し得る。本実施形態の隣接するセルロース緩衝要素110は互いに接触する。上部シート152及び底部シート154のそれぞれは内面156を含む。接着剤136は上部シート152及び底部シート154のそれぞれの内面156に塗布され、セルロース緩衝要素110が上部シート152及び底部シート154に取り付けられ、上部シート152及び底部シート154が互いに接続される。
【0042】
上記に留意したように、緩衝要素100は上部シート152と底部シート154との間に位置付けられ得て、緩衝要素100は互いに離間する。
図14及び
図15には、そのような梱包材の1つが示される。本明細書に説明される他の梱包材を明確にするために、本実施形態の梱包材はラップ状梱包材160と呼ばれる。
図15は、
図14の線15-15に沿ったラップ状梱包材160の断面図である。本実施形態のラップ状梱包材160は、サンドイッチラップ150と類似する。例えば、ラップ状梱包材160は底部シート154に接続された上部シート152を含み、セルロース緩衝要素110はそれらのシートの間に位置付けられる。上部シート152及び底部シート154の少なくとも1つは、複数のポケット162を含む。本実施形態では、上部シート152及び底部シート154の両方は複数のポケット162を含む。ポケット162のそれぞれは開口部164を含む。
図15に示されるラップ状梱包材160では、上部シート152の開口部164のそれぞれは、底部シート154の対応する開口部164に対向し、組み合わされたポケットを形成する。ポケット162のそれぞれまたは組み合わされたポケットを囲む領域は、本明細書ではウェビング(webbing)領域166と呼ばれる。上部シート152及び底部シート154は、例えば、ウェビング領域166において上記に説明した接着剤136を使用して互いに接着される。
【0043】
少なくとも1つのセルロース緩衝要素110は、組み合わされたポケットのそれぞれに位置する。本実施形態では、ポケット162のそれぞれは、複数のセルロース緩衝要素110を含む。下記にさらに説明されるように、ポケット162のそれぞれまたは組み合わされたポケット内の複数のセルロース緩衝要素110は、接着剤及びセルロース繊維を含む結合部によって互いに結合され得る。上部シート152及び底部シート154の両方が複数のポケット162を有する代わりに、上部シート152及び底部シート154の1つにポケット162が形成され得る。
図16は、
図14の線15-15に沿ったラップ状梱包材160の断面図であり、複数のポケット162が底部シート154に形成されるが、上部シート152には形成されていない。本実施形態では、上部シート152が底部シート154に結合されることにより、上部シート152は底部シート154における複数のポケット162の開口部164を覆う。
【0044】
図17及び
図18に示されるように、ラップ状梱包材160の柔軟性を高めるために、上部シート152及び底部シート154の両方を貫通する複数の孔168を形成し得る。
図17に示されるラップ状梱包材160は、長さ方向A及び幅方向Bにおいてポケット162のそれぞれの間に位置する孔168を有する。孔168を伴うラップ状梱包材160の別の構成は
図18に示され、孔168がポケット162の間の間隙部分に形成される。
【0045】
単一のセルロース緩衝要素110が、ラップ状梱包材160の組み合わされたポケットのそれぞれに位置するとき、
図12を参照して上記に示され及び説明した、修正された方法及び機械アセンブリ400が使用され得る。第1のラミネートローラ412及び第2のラミネートローラ414はより長くなり得て、機械アセンブリ200は、第1のラミネートローラ412及び第2のラミネートローラ414の長さに沿って複数のセルロース緩衝要素110を設置するように構成される。第1のロール402及び第2のロール404がテープである代わりに、それらのロールは、上部シート152及び底部シート154を形成するために使用された紙のロールであり得る。
【0046】
図16に示されるロープ状梱包材160を形成する方法、及び本方法で使用される機械アセンブリ500は、
図19を参照して説明される。底部シート154には、複数のポケット162が形成される。第1のステーション502において、複数のセルロース緩衝要素110はポケット162のそれぞれに充填される。随意に、第2のステーション504において、ポケット162のそれぞれにおけるセルロース緩衝要素110は一緒に結合され得る。セルロース緩衝要素110は、好ましくは生分解性接着剤である接着剤によって一緒に結合され得る。さらにより好ましくは、水、接着剤、及びセルロース(紙)繊維のエマルションは、第2のステーション504においてポケット162のそれぞれに噴霧される。ポケット162のそれぞれは、第1のラミネートローラ412とプレスローラ512との間に形成された結合ニップを通って、上記に説明した第1のラミネートローラ412等のバッキング部材によって搬送され、支持される。上部シート152はプレスローラ512によって結合ニップに搬送され得て、上部シート152は底部シート154に結合される。エマルションが使用される場合、エマルションは乾燥し得て、成形梱包材170に関連してさらに後述するように、セルロース繊維及び接着剤を含む結合部ならびに/またはセルロース繊維のマトリックス及び接着剤によって結合された複数のセルロース緩衝要素110が生じる。
【0047】
上記に説明したように、上部シート152として紙シートを単独で使用する代わりに、セルロース緩衝要素110で充填され、随意に結合されたポケット162を伴う上部シート152は、底部シート154と同様の方式で形成され得る。次に、ポケットを伴うこの上部シート152は、結合ニップ内で底部シート154と一緒に連結して、
図15に示される梱包材のようなラップを形成し得る。代替として、
図16に示されるラップ状梱包材160のうちの2つが一緒に連結され、
図15に示されるラップ状梱包材160を形成し得る。これらの場合のいずれかでは、上部シート152及び底部シート154は、好ましくは生分解性接着剤である接着剤で一緒に結合され得る。
【0048】
本明細書に説明されるセルロース緩衝要素110は、発泡スチロール(または他のプラスチック発泡体)の代替品を作るのにも適切であり得る。
図20及び
図21は、本発明の好ましい実施形態による、そのような梱包材を示す。本明細書に説明される他の梱包材を明確にするために、本実施形態の梱包材は成形梱包材170と呼ばれる。成形梱包材170は
図20に示され、
図21は、
図20の線21-21に沿った、
図20に示される成形梱包材170の断面図である。
【0049】
成形梱包材170は、出荷予定アイテム104を梱包するためにある形状に形成される。そのような成形形状は、凹部及び凸部を含み得る。例えば、
図20に示される成形梱包材170は、出荷予定アイテム104の一部が設置できる半球状のキャビティ172を含む。本実施形態の成形梱包材170は所望の形状に形成され、次に、一緒に接合される複数のセルロース緩衝要素110を含む。複数のセルロース緩衝要素110は、接着剤及びセルロース(紙)繊維を含む結合部によって互いに接合され得る。いくつかの実施形態では、複数のセルロース緩衝要素110は、セルロース繊維のマトリックス、好ましい実施形態では、セルロース(紙)繊維のマトリックス及び接着剤によって一緒に接合され得る。結合及びマトリックスの追加の特徴は、成形梱包材170を製造する方法に関連して下記に説明される。随意に、成形梱包材170の外面は、外側シート174で覆われ得る。外側シート174は、好ましくは、セルロース(紙)シートである。
【0050】
図22を参照して、
図20に示される成形パッキン材170を製造する方法を説明する。まず、所望の形状を有するモールド520が提供される。モールド520は、好ましくは、シリコンであり得る。外側シート174が使用される場合、外側シート174はモールド内に設置される。次に、モールド520にセルロース緩衝要素110を充填する。次に、水、セルロース(紙)繊維、及び好ましくは接着剤のエマルションは、セルロース緩衝要素110を伴うモールド520に噴霧される。エマルションは、セルロース緩衝要素110の周り及びその間を流れる。さらに、エマルションは、また、通路の少なくとも一部を通り、複数のセルロース緩衝要素110の外面に露出された隙間に流れ得る。外側シート174が使用される場合、外側シート174は、セルロース緩衝要素110の露出面176の上に設置され得る。次に、モールド520を逆さまにすること等によって、エマルションを伴うセルロース緩衝要素110をモールド520から取り出し、次に、それを乾燥させ、成形梱包材170を形成する。また、セルロース緩衝要素110をモールド520から取り外す前に、乾燥ステップは行われ得る。
【0051】
エマルションを伴うセルロース緩衝要素110が乾燥すると、セルロース緩衝要素110のそれぞれの折り目の間に、またセルロース緩衝要素110の間にも結合部が形成される。また、エマルションが乾燥すると、セルロース緩衝要素110の周りにもマトリックスを形成し得て、セルロース繊維によって、使用されるとき、マトリックスの接着剤によって、セルロース緩衝要素110は互いに接続され得る。したがって、成形梱包材170は、セルロース繊維によって互いに相互接続された複数のセルロース緩衝要素110を含み得る。セルロース緩衝要素110は、その中に空気ポケットの一部を保持し得て、成形梱包材170は、また、セルロース(紙)集合体(mass)内に散在する空気(気体)ポケットの別個のグループを有するものとして説明され得る。
【0052】
上記に説明したように、吸収されるエネルギーの量に影響を与える要因は、紙の重量、セルロース緩衝要素110の体積またはサイズ(例えば、直径)、及びセルロース緩衝要素110の密度を含む。本実施形態では、また、エマルションの量、ならびにセルロース繊維のエマルションの量及び接着剤のエマルションの量を変更して、所望の強度及びエネルギー吸収特性がある梱包材も作成し得る。本明細書に説明されるエマルションは、本明細書では、セルロース繊維及び接着剤の水性スラリーと呼ばれ得る。本明細書に説明されるエマルションでは、セルロース繊維は、好ましくは、セルロース緩衝要素110のための紙に使用されるものと同じ繊維である。また、接着剤のエマルションは、好ましくは、生分解性エマルションである。
【0053】
本発明はある特定の例示的な実施形態に関して説明されてきたが、多くの追加の修正及び変形は、本開示に照らして当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、具体的に説明された内容とは別の方法で実践され得ることが理解される。したがって、本発明の例示的な実施形態は、全ての点で例示的であり、限定的ではないと考えるべきであり、本発明の範囲は、前述の説明ではなく、本願及びその等価物によって立証できるいずれかの請求項によって決定するべきである。