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特許7590032電池モジュールおよびこれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/271 20210101AFI20241119BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241119BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20241119BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241119BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241119BHJP
   H01M 50/244 20210101ALN20241119BHJP
【FI】
H01M50/271 S
H01M50/211
H01M50/291
H01M50/289 101
H01M50/204 101
H01M50/244 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023516230
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 KR2021014961
(87)【国際公開番号】W WO2022108145
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0153468
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】テ・グン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・イル・ユン
(72)【発明者】
【氏名】テキョン・イ
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-045765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収納し、一面が開放されたモジュールフレームと、
前記モジュールフレームの開放された前記一面を覆うエンドプレートと、を含み、
前記エンドプレートは、載置孔が形成された載置部を含み、
前記載置孔は前記エンドプレートの下面に開口されており、前記載置孔の内側面にねじ山が形成され
前記載置部の高さは、前記エンドプレートの高さの0.5倍以下であり、
前記エンドプレートと前記電池セル積層体との間で前記載置部の上部に空の空間が設けられる
電池モジュール。
【請求項2】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収納し、一面が開放されたモジュールフレームと、
前記モジュールフレームの開放された前記一面を覆うエンドプレートと、を含み、
前記エンドプレートは、載置孔が形成された載置部を含み、
前記載置孔は、前記エンドプレートの下面に開口されており、前記載置孔の内側面にねじ山が形成され、
前記エンドプレートは、本体部、第1および第2側部、上側部および下側部と、を含み、
前記本体部は前記電池セル積層体と対面し、
前記第1および第2側部、前記上側部および前記下側部はそれぞれ前記本体部の両辺、上辺および下辺から前記本体部の一面と垂直な方向に延長される、
池モジュール。
【請求項3】
前記載置孔は前記エンドプレートの前記下側部の下面に開口されており、
前記載置部は前記本体部の前記一面と平行な方向に沿って続く、
請求項に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記モジュールフレームは前記一面と対向する他面が開放され、
前記エンドプレートは複数で構成されて、前記モジュールフレームの開放された前記一面および前記他面をそれぞれ覆う、
請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
請求項1又は2による電池モジュールと、
前記電池モジュールを収納するパックフレームと、
前記パックフレームの底部に形成された貫通孔を通過して、前記載置孔に結合されるボルトと、を含む、
電池パック。
【請求項6】
前記ボルトは、上向きの方向に前記載置孔に結合される、請求項に記載の電池パック。
【請求項7】
電池モジュールであって、
複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を収納し、一面が開放されたモジュールフレームと、
前記モジュールフレームの開放された前記一面を覆うエンドプレートと、を含み、
前記エンドプレートは、載置孔が形成された載置部を含み、
前記載置孔は、前記エンドプレートの下面に開口されており、前記載置孔の内側面にねじ山が形成される、
電池モジュールと、
前記電池モジュールを収納するパックフレームと、
前記パックフレームの底部に形成された貫通孔を通過して、前記載置孔に結合されるボルトと、を含む、
電池パックであって、
前記パックフレームの前記底部は、前記電池モジュールを支える載置プレートおよび前記載置プレートの下に位置した下部プレートを含み、
前記貫通孔が前記載置プレートに形成されて、前記ボルトが前記載置プレートの前記貫通孔を通過して、前記載置孔に結合される、
池パック。
【請求項8】
前記下部プレートで、前記貫通孔と対応する部分に開口部が形成される、請求項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記パックフレームは、前記電池モジュールの側面に位置した側面部をさらに含み、
前記側面部は前記載置プレートおよび前記下部プレートそれぞれ接触し、
前記側面部と前記載置プレートの間にシーリング部材が位置する、
請求項7又は8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記下部プレートに下部貫通孔が形成され、
前記ボルトが前記下部プレートの前記下部貫通孔と前記載置プレートの前記貫通孔を通過して前記載置孔に結合される、
請求項7~9の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項11】
前記パックフレームは、前記電池モジュールの側面に位置した側面部をさらに含み、
前記側面部は前記載置プレートおよび前記下部プレートそれぞれ接触し、
前記側面部と前記下部プレートの間にシーリング部材が位置する、
請求項に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互引用)
本出願は2020年11月17日付韓国特許出願第10-2020-0153468号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関するものであって、より具体的には、空間活用度が改善された電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関するものである。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話機、ノートパソコン、キャムコーダー、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化するにつれて、前記のようなモバイル機器関連分野の技術に対する開発が活発になっている。また、充放電の可能な二次電池は化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案であって、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうちのリチウム二次電池はニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらなくて充放電が自由であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収容する外装材、即ち電池ケースを備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内装されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池に分類できる。
【0007】
小型機器に用いられる二次電池の場合、2-3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに用いられる二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が用いられる。このような電池モジュールは多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上される。また、一つ以上の電池モジュールは、バッテリーマネジメントシステム(Battery Management System:BMS)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
図1は従来の電池モジュールを示す斜視図であり、図2図1の切断線A-A’に沿って切断した断面図であり、図3図1の電池モジュールに含まれているエンドプレートを示す斜視図である。特に、図3はエンドプレート中の電池セルと対向する面を示す。
【0009】
図1図3を参照すれば、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル20をモジュールフレーム30に収容した後、モジュールフレーム30にエンドプレート40を接合して製造できる。電池モジュール10が複数集まって電池パックを形成するか、電池モジュールが自動車などに装着される時、各電池モジュール10はパックフレーム(図示せず)などの構造物に固定できる。この時、従来の電池モジュール10は4ケ所の角部分に載置構造を形成して固定できる。具体的に、電池モジュール10のエンドプレート40の両端部にボルト40Bが挿入される載置孔40Hが形成できる。載置孔40Hに下向き方向にボルト40B挿入され、このようなボルト40Bの端部にナット40Nが結合されることによって、電池モジュール10がパックフレームなどに固定できる。
【0010】
但し、従来の電池モジュール10の場合、ボルト40Bが下向き挿入される形態であるので、載置孔40Hは図示されているように、高さ方向(z軸と平行な方向)に沿ってずっと続く形態である。したがって、図2および図3を参照すれば、エンドプレート40と電池セル20の間で載置孔40Hが形成された空間だけ空間の浪費が発生する。即ち、電池モジュール10の固定のために、エンドプレート40の両端部に高さ方向に沿ってずっと続く載置孔40Hを形成したが、これが電池モジュール10の空間活用度を低下する原因になった。
【0011】
電池モジュールの空間活用度を高めることは、電池モジュールおよびこれを含む電池パックのエネルギー密度を高めるか、電池パックの小型化が可能なことのように電池パックの性能と直結するため、電池モジュールの空間活用度改善が必要であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、載置構造を形成すると同時にその内部の追加空間を設けることができる電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することである。
【0013】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体;前記電池セル積層体を収容し、一面が開放されたモジュールフレーム;および前記モジュールフレームの開放された前記一面を覆うエンドプレートを含む。前記エンドプレートは載置孔が形成された載置部を含み、前記載置孔は前記エンドプレートの下面に開口されており、前記載置孔の内側面にねじ山(Thread)が形成される。
【0015】
前記載置部の高さは前記エンドプレートの高さの0.5倍以下であってもよく、前記エンドプレートと前記電池セル積層体の間で前記載置部の上部に空の空間を設けることができる。
【0016】
前記エンドプレートは、本体部、第1および第2側部、上側部および下側部を含むことができる。前記本体部は前記電池セル積層体と対面し、前記第1および第2側部、前記上側部および前記下側部はそれぞれ前記本体部の両辺、上辺および下辺から前記本体部の一面と垂直な方向に延長できる。
【0017】
前記載置孔は前記エンドプレートの前記下側部の下面に開口されてもよく、前記載置部は前記本体部の前記一面と平行な方向に沿って続いていてもよい。
【0018】
前記モジュールフレームは前記一面と対向する他面が開放されてもよく、前記エンドプレートは複数で構成されて、前記モジュールフレームの開放された前記一面および前記他面をそれぞれ覆うことができる。
【0019】
本発明の一実施形態による電池パックは、前記電池モジュール;前記電池モジュールを収容するパックフレーム;および前記パックフレームの底部に形成された貫通孔を通過して、前記載置孔に結合されるボルトを含む。
【0020】
前記ボルトは、上向きの方向に前記載置孔に結合できる。
【0021】
前記パックフレームの前記底部は、前記電池モジュールを支える載置プレートおよび前記載置プレートの下に位置した下部プレートを含むことができる。前記貫通孔が前記載置プレートに形成されて、前記ボルトが前記載置プレートの前記貫通孔を通過して、前記載置孔に結合できる。
【0022】
前記下部プレートで、前記貫通孔と対応する部分に開口部が形成できる。
【0023】
前記パックフレームは、前記電池モジュールの側面に位置した側面部をさらに含むことができる。前記側面部は前記載置プレートおよび前記下部プレートそれぞれと接触し、前記側面部と前記載置プレートの間にシーリング部材が配置できる。
【0024】
前記下部プレートに下部貫通孔が形成でき、前記ボルトが前記下部プレートの前記下部貫通孔と前記載置プレートの前記貫通孔を通過して前記載置孔に結合できる。
【0025】
前記パックフレームは、前記電池モジュールの側面に位置した側面部をさらに含むことができ、前記側面部は前記載置プレートおよび前記下部プレートそれぞれと接触し、前記側面部と前記下部プレートの間にシーリング部材が配置できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態によれば、電池モジュールの下側に載置孔を設け、載置部の高さを調節することによって、載置構造を形成すると同時にその内部の追加空間を設けて、空間活用度を高めることができる。
【0027】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は請求範囲の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来の電池モジュールを示す斜視図である。
図2図1の切断線A-A’に沿って切断した断面図である。
図3図1の電池モジュールに含まれているエンドプレートを示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図5図4の電池モジュールに対する分解斜視図である。
図6図5の電池モジュールに含まれている電池セルに対する斜視図である。
図7図4の電池モジュールの下面が上を向くようにひっくり返した様子を示す部分斜視図である。
図8図5の電池モジュールに含まれているエンドプレートに対する斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による電池モジュールおよびパックフレームに対する部分斜視図である。
図10】本発明の一実施形態による電池モジュールがパックフレームに装着される様子を示す模式図である。
図11】本発明の変形された一実施形態による電池モジュールがパックフレームに装着される様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。
【0031】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示すので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。図面において様々の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示す。そして図面において、説明の便宜のために、一部層および領域の厚さを誇張されるように示す。
【0032】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”または“上に”あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって“の上に”または“上に”位置することを意味するのではない。
【0033】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0034】
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。図5は、図4の電池モジュールに対する分解斜視図である。図6は、図5の電池モジュールに含まれている電池セルに対する斜視図である。
【0036】
図4図6を参照すれば、本発明の一実施形態による電池モジュール100は複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200、電池セル積層体200を収容し、一面が開放されたモジュールフレーム300およびモジュールフレーム300の開放された前記一面を覆うエンドプレート400を含む。
【0037】
まず、電池セル110はパウチ型電池セルであることが好ましく、長方形のシート型構造に形成できる。例えば、本実施形態による電池セル110は二つの電極リード111、112が互いに対向して一端部と他の一端部からそれぞれ突出している構造を有する。
【0038】
特に、図6を参照すれば、本実施形態による電池セル110は二つの電極リード111、112が互いに対向してセル本体113の一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。より詳しくは、電極リード111、112は電極組立体(図示せず)と連結され、電極組立体(図示せず)から電池セル110の外部に突出する。
【0039】
一方、電池セル110は、セルケース114に電極組立体(図示せず)を収容した状態でセルケース114の両端部114a、114bとこれらを連結する一側部114cを接着することによって製造できる。言い換えれば、本実施形態による電池セル110は総3ケ所のシーリング部114sa、114sb、114scを有し、シーリング部114sa、114sb、114scは熱融着などの方法でシーリングされる構造であり、他の一側部は連結部115からなり得る。セルケース114は、樹脂層と金属層を含むラミネートシートからなり得る。
【0040】
また、連結部115は電池セル110の一縁に沿って長く伸びており、連結部115の端部にはバットイヤー(bat-ear)と呼ばれる電池セル110の突出部110pが形成できる。但し、突出部110pは一つの例示的構造であり、本発明の他の一実施形態による電池セル110は突出部が形成されず、連結部115が一直線に伸びる形態を有することができる。
【0041】
このような電池セル110は複数で構成でき、複数の電池セル110は相互電気的に連結されるように積層されて電池セル積層体200を形成する。特に、図5に示されているようにy軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層できる。これにより、電池セル110中の一つの電極リード111はx軸方向に向かって突出し、他の電極リード112は-x軸方向に向かって突出してもよい。
【0042】
モジュールフレーム300は、前記一面だけでなく、前記一面と対向する他面が開放されてもよい。より具体的に、電池セル積層体200を基準にして、電極リード111、112が突出する両方向でモジュールフレーム300が開放されてもよい。エンドプレート400は複数で構成されて、モジュールフレーム300の開放された前記一面および前記他面をそれぞれ覆うことができる。このようなモジュールフレーム300とエンドプレート400の内部に電池セル積層体200が収容されることによって、電池セル積層体200を物理的に保護することができる。このために、モジュールフレーム300とエンドプレート400は所定の強度を有する金属材質を含むことができる。一方、モジュールフレーム300とエンドプレート400は互いに対応する角部位が接触した状態で、溶接などの方法で接合できる。
【0043】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、バスバー510およびターミナルバスバー520が装着されたバスバーフレーム500をさらに含むことができる。
【0044】
バスバー510およびターミナルバスバー520は、複数の電池セル110を電気的に連結するために電池セル110の電極リード111、112と接合できる。具体的に、バスバー510およびターミナルバスバー520が装着されたバスバーフレーム500が電池セル積層体200の一面(x軸方向)および他面(-x軸方向)に配置できる。電池セル積層体200の一面(x軸方向)および他面(-x軸方向)は、電池セル110の電極リード111、112が突出する方向の面に該当する。言い換えれば、バスバーフレーム500は、電池セル積層体200とエンドプレート400の間に配置できる。
【0045】
バスバーフレーム500にはリードスリットが形成され、電極リード111、112が前記リードスリットを通過した後、曲げられてバスバー510やターミナルバスバー520に接合できる。物理的、電気的連結が可能であれば、接合の方式に特別な制限はなく、一例として溶接接合を行うことができる。
【0046】
一方、バスバー510やターミナルバスバー520にスリットが形成でき、前記スリットはバスバーフレーム500の前記リードスリットと対応するように配置できる。前記リードスリットを通過した電極リード111、112がバスバー510のスリットやターミナルバスバー520のスリットを通過して曲げられてもよい。
【0047】
一方、ターミナルバスバー520の一部分は、電池モジュール100の外側に露出されてもよい。具体的に、エンドプレート400や絶縁カバー(図示せず)に開口部が形成されて図4に示されているようにターミナルバスバー520の一部分が露出されてもよい。露出されたターミナルバスバー520の一部分が他の電池モジュールやBDU(Battery Disconnect Unit)などと連結されてHV(High Voltage)連結を実現することができる。ここで、HV連結は電力を供給するための電源の役割の連結であって、電池セル間の連結や電池モジュール間の連結を意味する。
【0048】
以下、図7および図8などを参照して、本発明の一実施形態によるエンドプレート、載置部および載置孔について詳しく説明する。
【0049】
図7は、図4の電池モジュールの下面が上を向くようにひっくり返した様子を示す部分斜視図である。図8は、図5の電池モジュールに含まれているエンドプレートに対する斜視図である。特に図8は、エンドプレート中の電池セル積層体と対向する面を示す。
【0050】
図5図7および図8を参照すれば、本実施形態によるエンドプレート400は、載置孔400Hが形成された載置部400Mを含む。載置孔400Hはエンドプレート400の下面に開口されており、載置孔400Hの内側面にはねじ山(Thread)が形成される。
【0051】
より具体的に、本実施形態によるエンドプレート400は、本体部450、第1および第2側部410、420、上側部430および下側部440を含むことができる。本体部450は電池セル積層体200と対面する部分であり、第1および第2側部410、420、上側部430および下側部440はそれぞれ本体部450の両辺、上辺および下辺から本体部450の一面と垂直な方向に延長された部分である。即ち、本実施形態によるエンドプレート400は、電池セル積層体200が位置した方向の一面が開放された蓋形態を有することができる。
【0052】
この時、本実施形態による載置孔400Hはエンドプレート400の下側部440の下面に開口されてもよく、載置部400Mは本体部450の一面と平行な方向に沿って続いていてもよい。これにより、電池モジュール100をパックフレームなどに固定させるための載置構造で、載置孔400Hに挿入されるボルトは載置孔400Hに上向きの方向に結合できる。
【0053】
一方、図8を参照すれば、載置孔が形成された載置部400Mの高さh2は、エンドプレート400の高さh1の0.5倍以下であってもよい。他の例示として、載置部400Mの高さh2はエンドプレート400の高さh1の0.3倍以下であってもよく、より好ましくは0.2倍以下であってもよい。即ち、本実施形態による載置孔400Hがエンドプレート400の下側部440の下面に開口されるため図3に示された従来のエンドプレート40とは異なり、載置部400Mの高さがエンドプレート400の高さと似ているように形成される必要がない。載置部400Mの高さh2はエンドプレート400の高さh1の0.5倍以下に低く形成しても、十分に電池モジュール100の固定が可能である。したがって、エンドプレート400と電池セル積層体200の間で載置部400Mの上部に空の空間を設けることができる。高さに対する下限に特別な制限はないが、最小限の締結程度を有するために載置部400Mの高さh2はエンドプレート400の高さh1の0.05倍以上であってもよい。従来の電池モジュール10は高さ方向に長い載置孔40H構造を有し、載置締結のための空間確保が必要な反面、本実施形態による電池モジュール100は高さ方向に短い載置孔400H構造を実現することができて、電池モジュール100内で追加空間を確保することができる。従来の浪費される空間を、電池容量を高めることができる方向に構成するなどの空間活用が可能である。このように空間活用度側面から有利であるため、本実施形態による電池モジュールおよびこれを含む電池パックはエネルギー密度の側面や小型化の側面から長所を有することができる。
【0054】
以下、図9および図10などを参照して、本発明の一実施形態による電池パックについて詳しく説明する。
【0055】
図9は、本発明の一実施形態による電池モジュールおよびパックフレームに対する部分斜視図である。図10は、本発明の一実施形態による電池モジュールがパックフレームに装着される様子を示す模式図である。
【0056】
図7図9および図10を参照すれば、本発明の一実施形態による電池パック1000は、電池モジュール100、電池モジュール100を収容するパックフレーム1100およびパックフレーム1100の底部1110に形成された貫通孔1111Hを通過して載置孔400Hに結合されるボルト1200を含む。
【0057】
電池モジュール100が複数集まって電池パック1000を形成することができ、この時、各電池モジュール100はパックフレーム1100などの構造物に固定できる。この時、パックフレーム1100の底部1110に貫通孔1111Hが形成され、ボルト1200が上向きの方向に貫通孔1111Hを通過した後、電池モジュール100の載置孔400Hに締結できる。
【0058】
より具体的に、本実施形態によるパックフレーム1100の底部1110は、電池モジュール100を支える載置プレート1111および載置プレート1111の下に位置した下部プレート1112を含むことができる。
【0059】
載置プレート1111に前述の貫通孔1111Hが形成されることによって、電池モジュール100を支えると同時に電池モジュール100が載置プレート1111に固定されて載置構造を形成することができる。即ち、電池モジュール100の載置孔400Hとボルト1200の結合が載置プレート1111を挟んで行われることになる。
【0060】
一方、下部プレート1112は載置プレート1111の下に位置し、具体的に図示しなかったが、載置プレート1111と下部プレート1112の間には電池モジュール100の冷却のための冷却水供給用配管などの設備を備えることができる。
【0061】
一方、図10を参照すれば、本実施形態による下部プレート1112で、載置プレート1111に形成された貫通孔1111Hと対応する部分に開口部1112Pが形成できる。即ち、Z軸方向を基準にして貫通孔1111Hと対応する部分それぞれに開口された形態の開口部1112Pが形成できる。前述の通り、本実施形態によるボルト1200は上向きの方向に電池モジュール100の載置孔400Hに結合され、ボルト1200の組み立てのための設備が投入される空間が必要である。したがって、下部プレート1112に開口部1112Pを形成することによって、ボルト1200の組み立てのための空間を設けた。
【0062】
一方、パックフレーム1100は、底部1110だけでなく、電池モジュール100の側面に位置した側面部1120をさらに含むことができる。側面部1120は、段差構造を形成して、載置プレート1111および下部プレート1112それぞれと接触できる。この時、側面部1120と載置プレート1111の間に接着性を有するシーリング部材1300が配置できる。即ち、側面部1120と載置プレート1111が接着および固定されると同時にシーリング部材1300によってその間隙が密封(Sealing)できる。本実施形態によるシーリング部材1300が側面部1120と載置プレート1111の間に位置することによって、開口部1112Pが形成されても、側面部1120と載置プレート1111の間が密封されているためパックフレーム1100内部に水分などが流入するのを防止することができる。
【0063】
一方、側面部1120と載置プレート1111が接着、固定および密封されるように接着性を有するものであればシーリング部材1300の素材に特別な制限はない。前述の通り、下部プレート1112には開口部1112Pが形成されるなど、ボルト1200の組み立てのための空間が確保されなければならず、水分流入防止のために載置プレート1111と側面部1120の間が密封される必要があるため、シーリング部材1300が側面部1120と載置プレート1111の間に位置して接着および密封されることが好ましい。
【0064】
図11は、本発明の変形された一実施形態による電池モジュールがパックフレームに装着される様子を示す模式図である。先に説明した内容と重複する部分は説明の反復を避けるために省略するようにする。
【0065】
図11を参照すれば、本発明の変形された一実施形態による伴うパックフレーム1100の底部1110は、電池モジュール100を支える載置プレート1111および載置プレート1111の下に位置した下部プレート1112’を含むことができ、パックフレーム1100は電池モジュール100の側面に位置した側面部1120をさらに含むことができる。
【0066】
この時、本実施形態による下部プレート1112’には開口部でない下部貫通孔1112Hが形成でき、下部プレート1112’の下部貫通孔1112Hは載置プレート1111の貫通孔1111HとZ軸方向を基準にして対応するように配置できる。また、本実施形態によるボルト1200’は、図10で説明したボルト1200に比べて長く形成されて、下部プレート1112’の下部貫通孔1112Hと載置プレート1111の貫通孔1111Hを順次に通過した後、電池モジュール100の載置孔400Hに結合できる。
【0067】
この時、本実施形態による接着性のシーリング部材1300’は、側面部1120と下部プレート1112’の間に配置できる。下部プレート1112’の下部貫通孔1112Hは本実施形態によるボルト1200’の挿入によって自然に密封が行われるため、パックフレーム1100内部への水分流入防止のためのシーリング部材1300’が側面部1120と下部プレート1112’の間に位置することが可能になる。即ち、本実施形態によるシーリング部材1300’は側面部1120と下部プレート1112’の間に位置したまま、水分流入防止機能を担当することができる。一方、必要によって、本実施形態によるボルト1200’のヘッドと下部プレート1112’の間にシーリングのための環状栓が配置できる。
【0068】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変わることがある。
【0069】
前述の本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0070】
前記電池モジュールや電池パックは多様なデバイスに適用できる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用できるが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0071】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。
【符号の説明】
【0072】
10 電池モジュール
20 電池セル
30 モジュールフレーム
40 エンドプレート
40B ボルト
40H 載置孔
40N ナット
100:電池モジュール
110 電池セル
110p 突出部
111、112 電極リード
113 セル本体
114 セルケース
114a、114b 両端部
114c 一側部
114sa、114sb、114sc シーリング部
115 連結部
200:電池セル積層体
300:モジュールフレーム
400:エンドプレート
400M:載置部
400H:載置孔
410 第1側部
420 第2側部
430 上側部
440 下側部
450 本体部
500 バスバーフレーム
510 バスバー
520 ターミナルバスバー
1000 電池パック
1100 パックフレーム
1110 底部
1111 載置プレート
1112,1112’ 下部プレート
1112H 下部貫通孔
1112P 開口部
1120 側面部
1200,1200’ ボルト
1300,1300’ シーリング部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11