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特許7590060発光ダイオードデバイスおよび照明システムのためのファンアウト構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】発光ダイオードデバイスおよび照明システムのためのファンアウト構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20241119BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20241119BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20241119BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20241119BHJP
【FI】
H01L33/62
H05K1/11 C
H01L23/12 501P
H01L33/64
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022529117
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 US2020061206
(87)【国際公開番号】W WO2021102097
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】62/937,629
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/951,601
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/750,839
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20158481.0
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ツェ ヤン ヒン
(72)【発明者】
【氏名】アナンタラマン ヴァイディアナタン
(72)【発明者】
【氏名】スリーニ バンナ
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ヨハネス ボンヌ
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0096864(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03113236(EP,A1)
【文献】特開2012-015148(JP,A)
【文献】特開平11-163412(JP,A)
【文献】特表2019-514217(JP,A)
【文献】特開平10-012932(JP,A)
【文献】特開2019-096854(JP,A)
【文献】特開2018-014475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0194302(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂面と、底面と、側面とを有する、シリコンバックプレーンと、
前記シリコンバックプレーンの前記側面を取り囲み、頂面と、底面と、側面とを有する、基板と、
前記基板の前記底面の上にある、少なくとも1つのボンドパッドと、
前記基板の前記底面および前記シリコンバックプレーンの前記底面の上にある、金属層であって、中央領域において前記シリコンバックプレーンの前記底面に熱的に結合される第1の部分と、前記シリコンバックプレーンの周辺領域から前記基板の前記側面に向かって延びる領域と前記少なくとも1つのボンドパッドとを形成する第2の部分とを有する、金属層と、
前記シリコンバックプレーンの前記頂面の上にある金属コネクタのアレイと、を含む、
システム。
【請求項2】
前記基板を通じる少なくとも1つのビアを更に含み、該少なくとも1つのビアは、金属材料で充填され、前記少なくとも1つのボンドパッドに電気的に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記シリコンバックプレーンの前記頂面および前記基板の前記頂面の上にある再分配層を更に含み、該再分配層は、
少なくとも1つの第1の誘電体層と、
少なくとも1つの第1の金属層と、を含み、
前記少なくとも1つの第1の金属層は、前記シリコンバックプレーンの周辺領域から前記基板の前記側面に向かって延び、少なくとも1つの他のボンドパッドを形成するために前記少なくとも1つの第1の誘電体層から露出された少なくとも一部分を有する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの他のボンドパッドは、前記少なくとも1つのビアに電気的に結合される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのボンドパッドに電気的に結合される少なくとも1つの受動コンポーネントを更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記シリコンバックプレーンの前記頂面の上にある前記金属コネクタのアレイに電気的に結合される発光ダイオード(LED)アレイを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記LEDアレイは、複数の行および列のエミッタを含むモノリシックLEDアレイであり、前記エミッタの各々は、100μm以下の幅を有し、隣接する行および列の間のレーンが、20μm以下の幅を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記金属コネクタのアレイは、銅ピラーバンプのアレイである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記基板は、成形材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記シリコンバックプレーンは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)集積回路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
頂面と、底面と、側面とを有する、シリコンバックプレーンと、
前記シリコンバックプレーンの前記側面を取り囲み、頂面と、底面と、側面とを有する、基板と、
中央領域において前記シリコンバックプレーンの前記底面に熱的に結合される第1の金属層と、
前記シリコンバックプレーンの前記底面および前記基板の前記底面の上にあり、少なくとも1つの誘電体層と、少なくとも1つの第2の金属層とを含み、該少なくとも1つの第2の金属層は、前記シリコンバックプレーンの周辺領域から前記基板の前記側面に向かって延び、少なくとも1つのボンドパッドを形成するために前記少なくとも1つの誘電体層から露出された少なくとも一部分を有する、再分配層と、
前記シリコンバックプレーンの前記頂面の上にある金属コネクタのアレイと、を含む、
システム。
【請求項12】
前記基板を通じる少なくとも1つのビアを更に含み、該少なくとも1つのビアは、金属材料で充填され、前記少なくとも1つのボンドパッドに電気的に結合される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記シリコンバックプレーンの前記頂面および前記基板の前記頂面の上にある他の再分配層を更に含み、該他の再分配層は、
少なくとも1つの他の誘電体層と、
少なくとも1つの第3の金属層と、を含み、
前記少なくとも1つの第3の金属層は、前記シリコンバックプレーンの周辺領域から前記基板の前記側面に向かって延び、少なくとも1つの他のボンドパッドを形成するために前記少なくとも1つの他の誘電体層から露出された少なくとも一部分を有する、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第3の金属層は、前記少なくとも1つのビアに電気的に結合される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの他のボンドパッドに電気的に結合される少なくとも1つの受動コンポーネントを更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記シリコンバックプレーンの前記頂面の上にある前記金属コネクタのアレイに電気的に結合される発光ダイオード(LED)アレイを更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記LEDアレイは、複数の行および列のエミッタを含むモノリシックLEDアレイであり、前記エミッタの各々は、100μm以下の幅を有し、隣接する行および列の間のレーンが、20μm以下の幅を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記金属コネクタのアレイは、銅ピラーバンプのアレイである、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記基板は、成形材料を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記シリコンバックプレーンは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)集積回路である、請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
前記金属層の前記第1の部分は、前記金属層の前記第2の部分から電気的に絶縁される、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の金属層は、前記再分配層から電気的に絶縁される、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2020年1月23日に出願された米国非仮出願第16/750,839号、2020年2月20日に出願された欧州特許出願第20158481.0号、2019年12月20日に出願された米国仮出願第62/951,601号、および2019年11月19日に出願された米国仮出願第62/937,629号の利益を主張し、これらの内容は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
精密制御照明用途は、小さなアドレス指定可能な発光ダイオード(LED:light emitting diode)照明システムの生成および製造を必要とすることがある。より小さなサイズのそのようなシステムは、従来的でない構成要素(コンポーネント)および製造プロセスを必要とすることがある。
【発明の概要】
【0003】
LED照明システム、車両ヘッドランプシステムおよび製造方法が記載される。LED照明システムは、頂面、底面、および側面を有する、シリコンバックプレーンと、シリコンバックプレーンの側面を取り囲む基板とを含み、基板は、頂面、底面、および側面を有する。第1の再分配層が、シリコンバックプレーンの頂面および基板の頂面に設けられる。第2の再分配層が、シリコンバックプレーンの底面および基板の底面に設けられる。少なくとも1つのビアが、第1の再分配層と第2の再分配層との間で基板を通じて延在し、金属材料で充填される。
【0004】
添付の図面と共に例示として与えられる以下の記述からより詳細な理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】例示的なLEDアレイの頂面図である。
【0006】
図1B】例示的なLED照明システムの断面図である。
【0007】
図1C図1Bの例示的なLED照明システムの頂面図である。
【0008】
図1D図1Bの例示的なLED照明システムの底面図である。
【0009】
図2図1BのLED照明システムを組み込んだ例示的なアプリケーションシステムの断面図である。
【0010】
図3図1BのLED照明システムを組み込んだ例示的な車両ヘッドランプシステムの図である。
【0011】
図4】別の例示的な車両ヘッドランプシステムの図である。
【0012】
図5図1BのLED照明システムのようなLED照明システムを製造する例示的な方法のフロー図である。
【0013】
図6A】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6B】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6C】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6D】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6E】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6F】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6G】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6H】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6I】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
図6J】製造方法における様々な段階でのLED照明システムの断面図である。
【0014】
図7図6EのLED照明システムの底面を表す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
異なる光照明システムおよび/または発光ダイオード(「LED」)の例が、添付の図面を参照して以下により完全に記載される。これらの例は、相互に排他的ではなく、1つの例において見出される構成は、追加の実装を達成するために、1つ以上の他の例において見出される構成と組み合わされてよい。従って、添付の図面に示される例は、例示的な目的のためにのみ提供されており、それらは本開示を如何様に限定することも意図しないことが理解されるであろう。同等の番号は、全体を通じて同等の要素を指す。
【0016】
様々な要素を記述するために、第1、第2、第3などの用語が本明細書において使用されることがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用されることがある。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と称されることがあり、第2の要素が第1の要素と称されることがある。本明細書で使用されるとき、「および/または」という用語は、関連する列挙される品目(アイテム)の1つ以上の品目のありとあらゆる組み合わせを含むことがある。
【0017】
層、領域、または基板のような要素が別の要素の「上(on)」にあるか或いは「上(onto)」に延在していると称されるとき、それは他の要素の上に直接的にあるか或いは直接的に延在してよいか或いは介在要素が存在してよいことが理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素の「上に直接的に(directly on)」あるか或いは別の要素の「上に直接的に(directly onto)」延在していると称されるとき、介在要素は存在しないことがある。ある要素が別の要素に「接続されている(connected)」或いは「結合されている(coupled)」と称されるとき、それは、他の要素に直接的に接続または結合されてよく、且つ/或いは1つ以上の介在要素を介して他の要素に接続または結合されてよいことも理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」と称されるとき、その要素と他の要素との間に介在要素は存在しない。これらの用語は、図に示す任意の向きに加えて、要素の異なる向きを包含することが意図されていることが理解されるであろう。
【0018】
「下(below)」、「上(above)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「水平(horizontal)」または「垂直(vertical)」のような相対的な用語は、図示されるような1つの要素、層、または領域に対する別の要素、層、または領域の関係を記載するために本明細書において使用されることがある。これらの用語は、図に示す向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されるであろう。
【0019】
更に、LED、LEDアレイ、電気コンポーネントおよび/または電子コンポーネントが、1つ、2つ、またはそれよりも多くの電子ボード上に収容されるかどうかは、設計上の制約および/または用途にも依存することがある。
【0020】
半導体発光デバイス(LED:light emitting devices)または紫外線(UV)もしくは赤外線(IR)光パワー(optical power)を放射するデバイスのような光パワー放射デバイス(optical power emitting devices)は、現在利用可能な最も効率的な光源の1つである。これらのデバイス(以下「LED」)は、発光ダイオード、共振キャビティ発光ダイオード、垂直キャビティレーザダイオード、エッジ発光レーザ、または同等物を含んでよい。例えば、それらのコンパクトなサイズおよびより低い電力要求の故に、LEDは、多くの異なる用途にとって魅力的な候補であることがある。例えば、それらは、カメラや携帯電話のようなハンドヘルドのバッテリ駆動デバイス用の光源(例えば、フラッシュライトおよびカメラフラッシュ)として使用されることがある。それらは、例えば、自動車照明、ヘッドアップディスプレイ(HUD)照明、園芸照明、街灯、ビデオトーチ、一般照明(例えば、家庭、店舗、オフィス、スタジオ照明、劇場/ステージ照明および建築照明)、拡張現実(AR)照明、仮想現実(VR)照明、ディスプレイのためのバックライト、およびIR分光のためにも使用されることがある。単一のLEDが、白熱光源よりも明るくない光を提供することがあり、従って、より多くの明るさが望まれる或いは必要とされる用途には、多接合デバイスまたは(モノリシックLEDアレイ、マイクロLEDアレイなどのような)LEDのアレイが使用されることがある。
【0021】
図1Aは、例示的なLEDアレイ102の頂面図である。図1Aに示す例において、LEDアレイ102は、エミッタ120のアレイである。LEDアレイは、LEDアレイエミッタの精密制御を必要とするもののような、任意の用途のために使用されることがある。LEDアレイ102内のエミッタ120は、個々にアドレス指定可能(addressable)であってよく、或いはグループ/サブセット内でアドレス指定可能であってよい。
【0022】
LEDアレイ102の3×3部分の分解図も図1Aに示されている。3×3部分の分解図に示すように、LEDアレイ102は、各々が幅w1を有するエミッタ120を含んでよい。実施形態において、幅w1は、約100μm以下(例えば、40μm)であってよい。エミッタ120間のレーン122は、幅w2の幅であってよい。実施形態において、幅w2は、約20μm以下(例えば、5μm)であってよい。レーン122は、隣接するエミッタ間にエアギャップを提供してよく、或いは他の材料を含んでよい。一方のエミッタ120の中心から隣接するエミッタ120の中心までの距離d1は、約120μm以下(例えば、45μm)であってよい。本明細書で提供される幅および距離は、例示にすぎず、実際の幅および/または寸法は異なる場合があることが理解されるであろう。
【0023】
対称的なマトリックス(行列)に配置された矩形のエミッタが図1Aに示されているが、任意の形状および配置のエミッタを本明細書に記載する実施形態に適用されてよいことが理解されるであろう。例えば、図1AのLEDアレイ102は、200×100マトリックス、対称マトリックス、非対称マトリックス、または同等物のような、任意の適用可能な構成において、20,000を超えるエミッタを含んでよい。エミッタ、マトリックス、および/または基板の複数のセットが、本明細書に記載する実施形態を実装するために、任意の適用可能なフォーマットで配置されてよいことも理解されるであろう。
【0024】
上述のように、LEDアレイ102のようなLEDアレイは、最大20,000個またはそれよりも多くのエミッタを含むことがある。そのようなアレイは、90mm2以上の表面積を有することがあり、それらに電力供給するために60ワット以上のような有意な電力を必要とすることがある。このようなLEDアレイは、マイクロLEDアレイまたは単にマイクロLEDと称されることがある。マイクロLEDは、基板上に設けられた個々のエミッタのアレイを含んでよく、或いはエミッタを形成するセグメントに分割される単一のシリコンウェハまたはダイであってよい。後者のタイプのマイクロLEDは、モノリシックLEDと称されることがある。
【0025】
アレイ内の個々のLEDを個別に駆動または制御するために、シリコンバックプレーン(backplane)がLEDアレイに近接近して設けられることがあり、動作中に非常に高温になることがある。従って、熱放散は、そのようなデバイスにとって困難であり得る。半導体デバイスのための熱放散については幾つかの解決策が知られているが、そのような解決策は、しばしば、デバイスの頂部を通じて熱を放散する構造を含む。しかしながら、発光の故に、図1AのLEDアレイ102のようなLEDアレイは、デバイスの頂部を通じて熱を放散することができない場合がある。
【0026】
加えて、LEDアレイ102のようなLEDアレイは、駆動装置(ドライバ)、コントローラおよび他の回路を形成することがある抵抗器およびコンデンサのような、受動素子(passive elements)を含むことがある、車両ヘッドランプシステムのような用途に使用されることがある。少なくとも幾つかの受動素子をLEDアレイにパッケージ化することが望ましい場合がある。
【0027】
本明細書に記載する実施形態は、1つ以上の受動素子を収容することがあり、シリコンバックプレーンおよびLEDアレイによって生成される熱の放散を可能にすることがある、低プロファイルLEDアレイパッケージを提供することがある。
【0028】
図1Bは、例示的なLED照明システム100の断面図である。図1Bに示す例において、LED照明システム100は、シリコンバックプレーン104を含む。シリコンバックプレーン104は、頂面101と、底面103と、側面105とを有する。シリコンバックプレーン104の側面105は、成形材料から形成される基板106によって囲まれている。基板106は、頂面107と、底面109と、側面190とを有する。(図6Eの代替的な実施形態に示す)1つ以上の金属層110または再分配層(RDL:redistribution layers)が、シリコンバックプレーン104の底面103および基板106の底面109に設けられる。RDL117は、シリコンバックプレーン104の頂面101および基板106の頂面107の少なくとも一部に形成されてよい。図1Bに示す例において、RDL117は、誘電体材料116の2つの層116aおよび116bと、単一の金属層112とを含む。1つ以上のビア108が、基板106を通じて延在してよく、金属材料で満たされてよい。よって、ビアは、シリコンバックプレーン104、RDL117およびメタライゼーション(金属化)/RDL110との間に連続的な電気的接続を形成することがある。図1AのLEDアレイ102のようなLEDアレイは、シリコンバックプレーン104の頂面101に設けられて、(図1Bに示されていない)金属コネクタのアレイを介してそれに電気的に結合されてよい。実施形態において、電子コンポーネント114は、RDL117上に設けられて、金属層112を介してLED照明システム100に電気的に結合されてよい。
【0029】
LEDアレイ102は、図1Aに関して上述したようなマイクロLEDであってよい。LEDアレイ102は、深さd1を有してよい。実施形態において、深さd1は、例えば、5~250μmの間であってよい。
【0030】
シリコンバックプレーン104は、LEDアレイ102内のエミッタに個別にアドレス指定可能な接続を行う回路およびコネクタを含んでよい。実施形態において、シリコンバックプレーンは、相補型金属酸化物半導体(CMOS:complementary metal-oxide semiconductor)集積回路であってよく、それは実施形態において特定用途向け集積回路(ASIC)であってよい。シリコンバックプレーン104は、深さd3を有してよい。実施形態において、深さd3は、例えば、100μm~1mmであってよい。
【0031】
シリコンバックプレーン104、基板106、メタライゼーション/RDL110、RDL117およびビア108からなる構造は、深さd2を有してよい。実施形態において、深さd2は、例えば、100μm~1mmであってよい。シリコンバックプレーン104は基板に一体化され、LEDアレイ102はシリコンバックプレーン104の頂部に設けられるので、LED照明システム100は、これらの要素のうちの1つ以上を垂直に積層するシステムよりも低いプロファイルを有することがある。
【0032】
図1Bに示す例において、RDL117は、誘電体材料116の2つの層116aおよび116bと、単一の金属層112とを含む。誘電体材料116の2つの層のうちの第1の層116aは、基板106の頂面107およびシリコンバックプレーン104の頂面101の少なくとも一部分の上にあってよい。金属層112は、例えば、銅メッキおよび銅エッチングによって、誘電体材料116の第1の層116aの上にパターン化されてよい。誘電体材料116の第2の層116bは、パターン化された金属層112の頂部および誘電体材料116の第1の層116aの露出部分の上にあってよい。誘電体材料の2つの層および単一の金属層からなるRDLが図1Bに示されているが、当業者は、RDL117が、設計上の制約に依存して、誘電体材料および/または多くの金属層のうちのより多くのまたはより少ない層を含んでよいことを認識するであろう。誘電体材料116は、任意の適切な誘電体材料であってよい。実施形態において、誘電体材料は、ポリイミドのようなポリマ誘電体材料であってよい。
【0033】
RDL117は、シリコンバックプレーン104の周辺領域から基板106の側面190に向かって延在してよい。これは中央領域においてシリコンバックプレーン104の頂面101に取り付けられるLEDアレイ102を収容することがあるとともに、LED照明システム100をLED照明システム100の中心の最も高い熱領域から離れたエリアに更に絶縁することがある誘電体材料を収容することによって熱放散を助けることがある。金属層112は、ボンドパッド(bond pads)を形成するために誘電体材料116から露出される部分を有してよい。金属層112は、シリコンバックプレーン104の周辺領域とボンドパッドとの間に延在する部分を含んで、それらの間に連続的な電気的接続を作り出してよい。ボンドパッドは、LED照明システム100の頂面と底面との間に連続的な電気的接続を形成するために、ビア108に電気的に結合されてよい。ボンドパッドは、基板の周辺領域に配置されてよく、或いは(例えば、図1Cに示すように)LEDアレイから離間して、しかしながらLEDアレイにより近く配置されてよい。
【0034】
メタライゼーション/RDL110は、多数の異なる方法で形成されてよい。図1Bに示す例において、メタライゼーション/RDL110は、中央領域においてシリコンバックプレーン104の底面103に電気的および熱的に結合される第1の部分と、シリコンバックプレーン104の周辺領域から基板106の側面190に向かって扇形に広がる(ファンアウトする)(fan out)第2の部分とを含む、金属層である。実施形態において、第1の部分および第2の部分は、互いから電気的に絶縁されてよい。図1Bには見えないが、第2の部分は、シリコンバックプレーン104から延出して、ボンドパッドで個々のビア108と接合して、シリコンバックプレーン104を頂面にある金属層112に電気的に結合してよい。金属層110の第1および第2の部分の両方は、例えば、はんだ付けによって、外部回路基板(図示せず)に結合されてよい。これはLED照明システム100と外部回路基板との間の直接的な接続を可能にすることがあり、それはLED照明システムの底部を通じる改良されたヒートシンクを提供する。加えて、この構造は、シリコンバックプレーン104と、LEDアレイ102と、基板106上の受動コンポーネント114と、外部回路基板上の任意の電子コンポーネントとの間の通信を可能にすることがある。
【0035】
図6Eおよび図7に関して後に詳細に記載する別の例において、メタライゼーション/RDL110は、金属層とRDLとの組み合わせであってよい。図1Bに示す実施形態と同様に、金属層は、中央領域においてシリコンバックプレーン104の底面103に電気的および熱的に結合されてよい。しかしながら、ファンアウトは、金属層の代わりにRDLを使用して達成されてよい。そのような実施形態において、LED照明デバイス100は、頂面および底面の両方にRDLを有してよい。
【0036】
両方の場合において、メタライゼーション/RDL110は、従来のシリコンデバイスパッケージと比較して薄い構造であってよく、従来のシリコンデバイスパッケージよりもかなり少ない誘電体材料を含んでよい。例えば、図1Bに示す実施形態における金属層100は、単一の金属層であってよく、RDLは、可能な限り少ない誘電体層を含んでよい。これはそのようなパッケージにおける熱放散の効率を高め、実質的な熱を放射することがあるマイクロLEDおよびCMOSバックプレーンのためのパッケージング(実装)を可能にする。
【0037】
図1Bに示すLED照明システム100において、シリコンバックプレーン104の頂面101および基板106の頂面107は、同じ平面にある。同様に、シリコンバックプレーン104の底面103および基板106の底面109は、同じ平面にある。この構成は、可能な限り最小のパッケージングおよび製造の容易さを可能にすることがある。しかしながら、当業者は、基板106が成形されるので、例えば、電子コンポーネント114をLED照明システム100の高熱領域から更に離すために、基板106がシリコンバックプレーン104の頂面101よりも高い頂面107を有する場合のように、任意の形状を取ってよいことを理解するであろう。よって、実施形態において、これらの表面は、同じ平面にないことがある。
【0038】
図1Cは、図1Bの例示的なLED照明システム100の頂面130を示す頂面図である。図1Cに示す例において、LED照明システムの頂面130は、RDL117内の誘電体材料116の最上層116bを含む。電子コンポーネント114は、RDL内の金属112に電気的に結合され、誘電体材料116から露出される。実施形態では、電子コンポーネント114が、金属112の全ての領域に電気的に結合されないことがあり、よって、頂面130は、実施形態において、誘電体材料116から露出された金属112の幾つかの領域も含むこともある。シリコンバックプレーン104の少なくとも部分の頂面が図1Cに示されており、LEDアレイ102または誘電体材料116によって覆われないシリコンバックプレーン104の頂面の部分を含む。LEDアレイ102の頂面も、シリコンバックプレーン104の頂面に取り付けられて示されている。
【0039】
図1Cに示すように、LED照明システム100は、長さlと、幅wとを有する。実施形態において、長さlは、約20mmであることがあり、幅wは、約15mmであることがある。シリコンバックプレーン104は、長さlと、幅wとを有してよい。実施形態において、長さlは、約15.5mmであることがあり、幅wは、約6.5mmであることがある。LEDアレイ102は、長さlと、幅wを有してよい。実施形態において、長さlは、約11mmであることがあり、幅wは、約4.4mmであることがある。
【0040】
これらの例示的な寸法を所与とすると、(上記例では約100mmの表面積を有する)LEDアレイによって占められない比較的大きな量の表面積を備える比較的大きな表面積(上記例では300mm)を有するLEDアレイパッケージが提供されることがある。従って、この設計は、LEDアレイパッケージ上に電子コンポーネントを取り付けるための十分な空間を提供する。
【0041】
図1Dは、図1Bの例示的なLED照明システム100の底面140を示す底面図である。図1Dに示す例において、底面140は、基板106の領域と、成形材料106から露出される金属110またはそれに結合されるはんだパッド(solder pads)の領域とを含む。実施形態において、基板の幾つかの領域は、シリコンバックプレーンとボンドパッドとを相互接続するRDLの部分および/またはメタライゼーションによって覆われてよいが、これらは、図1Dに示されていない。幾つかの実施形態において、相互接続する金属領域および/またはRDLは、(図1Dに示さない)誘電体材料または他のカプセル化もしくは保護材料によって被覆されてよい。
【0042】
図2は、図1BのLED照明システム100を組み込んだアプリケーションシステム200(application system)の断面図である。アプリケーションシステム200は、多数のボンドパッド152を有する回路基板150を含むことがある。図2に示す例において、LED照明システム100のRDL/メタライゼーション110の露出された金属領域/ボンドパッドは、回路基板150のボンドパッド152に直接的に接合される(bonded)。上述のように、シリコンバックプレーン104の底面上の金属層110と回路基板150との間の直接的な接合(bond)は、例えば、さもなければLEDアレイ102からの発光を遮断することがあるLED照明システム100(または他の場所)の頂部上の追加的な放熱構造を必要とせずに、ヒートシンクの目的のためのLED照明システム100から回路基板150への効率的な熱伝達を可能にする。回路基板150は、車両照明またはフラッシュ用途のような特定の用途で使用されるより大きなシステムの一部であってよい(例示的な車両照明システムは、図3および図4に関して以下に記載される)。そのようなシステムにおいて、アプリケーションで使用される受動コンポーネントの一部は、コンポーネント114であってよく、回路基板150に取り付ける前にLED照明システム100上に直接的に設けられてよい。回路基板150は、ヒートシンクに加えて、より大きなシステムのために必要とされる他の回路要素を含んでよい。RDL117、RDL/メタライゼーション110およびビア108は、コンポーネント114とシリコンバックプレーン104と回路基板150との間に連続的な電気的接続を提供することがある。
【0043】
図3は、図1BのLED照明システム100を組み込むことがある例示的な車両ヘッドランプシステム300の図である。図3に示す例示的な車両ヘッドランプシステム300は、電力線302と、データバス304と、入力フィルタおよび保護モジュール306と、バス送受信機308と、センサモジュール310と、LED直流対直流(DC/DC:direct current to direct current)モジュール312と、論理低ドロップアウト(LDO)モジュール314と、マイクロコントローラ316と、アクティブヘッドランプ318とを含む。実施形態において、アクティブヘッドランプ318は、図1BのLED照明システム100のような、LED照明システムを含んでよい。上述のように、LED照明システム100は、図3に示すモジュールのうちの1つ、複数、または全てが、LED照明システム100の頂面に収容されることがあるように、基板の頂面に十分な空間およびボンドパッドを提供する。LED照明システム100の頂面に設けられないモジュールは、(図2に示すように)回路基板150に設けられてよい。幾つかの実施形態において、車両照明システム300内のモジュールの一部または全部の幾つかの電子コンポーネントは、LED照明システム100の頂面に収容されてよく、幾つかは、(図2に示す)回路基板150に設けられてよい。
【0044】
電力線302は、車両から電力を受け取る入力を有してよく、データバス304は、車両と車両ヘッドランプシステム300との間でデータを交換することがある入力/出力を有してよい。例えば、車両ヘッドランプシステム300は、ターン信号伝達をオンにする命令またはヘッドランプをオンにする命令のような、車両内の他の場所から命令を受け取り、所望であれば、車両内の他の場所にフィードバックを送ることがある。センサモジュール310は、データバス304に通信的に結合されることがあり、例えば、環境条件(例えば、時刻、雨、霧、または周囲光レベル)、車両状態(例えば、駐車中、動作中、運動速度、または動作方向)、および他の物体(例えば、車両または歩行者)の存在/位置に関連して、車両ヘッドランプシステム300または車両内の他の場所に追加のデータを提供することがある。車両データバスに通信的に結合される任意の車両コントローラから分離されるヘッドランプコントローラも、車両ヘッドランプシステム300に含められることがある。図3において、ヘッドランプコントローラは、マイクロコントローラ(μc)316のような、マイクロコントローラであってよい。マイクロコントローラ316は、データバス304に通信的に結合されることがある。
【0045】
入力フィルタおよび保護モジュール306は、電力線302に電気的に結合されてよく、例えば、伝導性放射(conducted emission)を減少させる様々なフィルタをサポートし、電力耐性を提供してよい。加えて、入力フィルタおよび保護モジュール306は、静電放電(ESD:electrostatic discharge)保護、負荷遮断(load-dump)保護、交流発電機電界減衰 (alternator field decay)保護、および/または逆極性(reverse polarity)保護を提供することがある。
【0046】
LED DC/DCモジュール312は、フィルタリングされた電力を受け取って、アクティブヘッドランプ318内のLEDアレイ内のLEDに電力供給する駆動電流を提供するために、フィルタと保護モジュール306とアクティブヘッドランプ318との間に結合されてよい。LED DC/DCモジュール312は、(例えば、要因または局所較正および負荷、温度または他の要因に起因する動作条件調整によって決定されるような)約13.2ボルトの公称電圧を有する7~18ボルトの間の入力電圧と、LEDアレイの最大電圧よりも僅かに高いことがある(例えば、0.3ボルト)出力電圧とを有することがある。
【0047】
論理LDOモジュール314は、フィルタリングされた電力を受け取るために、入力フィルタおよび保護モジュール306に結合されることがある。論理LDOモジュール314は、マイクロコントローラ314および/またはアクティブヘッドランプ318内のシリコンバックプレーン(例えば、CMOSロジック)に電力を供給するために、マイクロコントローラ314およびアクティブヘッドランプ318に結合されることもある。
【0048】
バス送受信機308は、例えば、ユニバーサル非同期受信機送信機(UART:universal asynchronous receiver transmitter)またはシリアル周辺インターフェース(SPI:serial peripheral interface)インターフェースを有することがあり、マイクロコントローラ316に結合されることがある。マイクロコントローラ316は、センサモジュール310からのデータに基づく或いはそのようなデータを含む車両入力を変換することがある。変換された車両入力は、アクティブヘッドランプモジュール318内の画像バッファに転送可能なビデオ信号を含むことがある。加えて、マイクロコントローラ316は、デフォルト画像フレームをロードし、始動中にオープン/ショートピクセル(open/short pixels)をテストすることがある。実施形態において、SPIインターフェースは、CMOS内に画像バッファをロードすることがある。画像フレームは、フルフレーム、差分フレームまたは部分フレームであることがある。マイクロコントローラ316の他の構成は、ダイ温度を含むCMOS状態ならびに論理LDO出力の制御インターフェース監視を含むことがある。実施形態において、LED DC/DC出力は、ヘッドルーム(headroom)を最小限に抑えるように動的に制御されることがある。画像フレームデータを提供することに加えて、サイドマーカまたはターン信号灯と連動した補完的使用、および/または日中走行灯のアクティブ化(起動)のような、他のヘッドランプ機能も制御されることがある。
【0049】
図4は、別の例示的な車両ヘッドランプシステム400の図である。図4に示す例示的な乗物用ヘッドランプシステム400は、アプリケーションプラットフォーム402と、2つのLED照明システム406および408と、光学系410および412とを含む。2つのLED照明システム406および408は、図1BのLED照明システム100のようなLED照明システムであってよく、或いは図3の車両ヘッドランプシステム300内の他のモジュールの一部または全部に加えてLED照明システム100を含んでよい。後者の実施形態において、LED照明システム406および408は、車両ヘッドランプサブシステムであってよい。
【0050】
LED照明システム408は、(図4の矢印414aと矢印414bとの間に示す)光ビーム414を放射してよい。LED照明システム406は、(図4の矢印416aと矢印416bの間に示す)光ビーム416を放射してよい。図4に示す実施形態では、二次光学系410が、LED照明システム408に隣接しており、LED照明システム408から放射される光は、二次光学系410を通過する。同様に、二次光学系412が、LED照明システム412に隣接しており、LED照明システム412から放射される光は、二次光学系412を通過する。代替の実施形態において、二次光学系410/412は、車両ヘッドランプシステムに設けられない。
【0051】
二次光学系410/412を含む場合、二次光学系410/412は、1つ以上の光ガイドであってよく、或いは1つ以上の光ガイドを含んでよい。1つ以上の光ガイドは、エッジ照明され(edge lit)てよく、或いは光ガイドの内部エッジを画定する内部開口を有してよい。LED照明システム408および406(または車両ヘッドランプサブシステムのアクティブヘッドランプ)は、それらが1つ以上の光ガイドの内部エッジ(内部開口光ガイド)または外部エッジ(エッジ照明光ガイド)内に光を注入するように、1つ以上の光ガイドの内部開口内に挿入されてよい。実施形態において、1つ以上の光ガイドは、LED照明システム408および406によって放射される光を、例えば、勾配、面取り分布、狭い分布、広い分布、または角度分布を用いるような、所望の方法で形作られてよい。
【0052】
アプリケーションプラットフォーム402は、図3の電力線302およびデータバス304の1つ以上または部分を含むことがある線404を介してLED照明システム406および/または408に電力および/またはデータを提供してよい。(システム300内のセンサまたは他の追加的なセンサであってよい)1つ以上のセンサは、アプリケーションプラットフォーム402のハウジングの内部または外部にあってよい。代替的にまたは追加的に、図3の例示的なLED照明システム300に示すように、各LED照明システム408および406は、それ自体のセンサモジュール、接続性および制御モジュール、電力モジュール、および/またはLEDアレイを含んでよい。
【0053】
実施形態において、車両ヘッドランプシステム400は、LEDを選択的にアクティブ化して、操縦可能な光を提供することがある、操作可能な光ビームを有する自動車を表すことがある。例えば、LEDのアレイ(例えば、LEDアレイ102)を使用して、形状またはパターンを画定または投影したり、或いは道路の選択的な区画のみを照明したりしてよい。例示的な実施形態では、LEDシステム406および408内の赤外線カメラまたは検出器ピクセルが、照明を必要とするシーン(例えば、道路または歩行者交差)の部分を識別する(例えば、図3のセンサモジュール310内のセンサに類似する)センサであってよい。
【0054】
図5は、図1BのLED照明システム100のような、LED照明システムを製造する例示的な方法500のフロー図である。図6A図6B図6C図6D図6E図6F図6G図6H図6I、および図6Jは、製造方法の様々な段階におけるLED照明システムの断面図である。実施形態において、本方法500は、パネルレベル実装された高密度LED照明システムを製造することがある。
【0055】
図5の例示的な方法500では、シリコンバックプレーンを第1のキャリア(502)に取り付けて、第1の構造を形成してよい。実施形態において、シリコンバックプレーンは、テープまたは一時的な接着剤のような接着材料を介して一時的な(例えば、プラスチック)キャリアに取り付けられてよい。第1の構造の例600Aが、図6Aに示されており、シリコンバックプレーン104と、第1のキャリア602と、任意的な接着材料604とを含む。
【0056】
第1のキャリアに取り付けられたシリコンバックプレーンを成形して(504)、第2の構造を形成してよい。第2の構造の例600Bが、図6Bに示されており、シリコンバックプレーン104の側面を囲む成形材料を有する図6Aの第1の構造600Aを含む。成形材料は、埋め込まれたシリコンバックプレーン104を有する基板106を形成する。実施形態では、金型が構造600Aの上に配置され、成形材料で充填され、硬化されてよい。必要に応じて、余分な成形材料がシリコンバックプレーンの頂面から除去されてよい。実施形態において、成形は、パネルレベル成形であってよく、成形材料は、ポリマ材料であってよく、第2の構造600Bは、一時的な基板上に埋め込まれたシリコンバックプレーンを有するプラスチック基板であってよい。
【0057】
基板を通じて1つ以上のビアを形成して(506)、第3の構造を形成してよい。実施形態において、1つ以上のビアは、レーザまたはドリルを使用して形成されてよい。第3の構造の例600Cが、図6Cに示されており、基板106内に埋め込まれたシリコンバックプレーン104を含み、2つのビア108がそれらを通じて形成されている。この段階で、ビア108を有するシリコンバックプレーン104および基板106は、第1の一時的なキャリア602に取り付けられたままであってよい。ビア108は、金属材料で充填されてよい。
【0058】
少なくとも1つの金属層をシリコンバックプレーンおよび基板の1つの表面上に形成してよい(508)。これは数多くの異なる方法で行われてよい。
【0059】
幾つかの実施形態では、金属層をシリコンバックプレーンおよび基板の1つの表面上にパターン化するか或いはめっきして、第4の構造を形成してよい。図6Dは、金属層110を有する第3の構造を含む、第4の構造の例600Dを示している。図6Dに示すように、金属層110は、シリコンバックプレーン104の周辺領域から延びる領域およびビアの上にボンドパッドを形成している。金属層がシリコンバックプレーン104の1つの表面の中央領域にも設けられている。図1Dに示すLED照明システム100の底面図は、この一例を示している。
【0060】
他の実施形態では、金属層を中央領域内のシリコンバックプレーンの1つの表面上に形成してよく、再分配層を単一の金属層に隣接する基板およびシリコンバックプレーンの1つの表面上に形成して、第5の構造を形成してよい。図6Eは、単一の金属層618および再分配層616を有する第3の構造を含む、第5の構造の実施例600Eを示している。図6Eに示す例において、再分配層616は、誘電体材料614の層と、金属層612とを含む。3つの金属層が図6Eに示されているが、設計上の制約に起因して、必要に応じて、1つ、2つ、または3つよりも多くの金属層が使用されてよい。再分配層は、例えば、誘電体材料の層の交互の堆積、(必要に応じた)誘電体材料の部分の選択的除去、および上部の金属層のパターン化によって形成されてよい。図6Eから分かるように、金属層612は、シリコンバックプレーンの1つの表面の周辺領域で始まり、基板の側面に向かって延びる。金属層612は、シリコンバックプレーン104とビアとの間に電気的に結合される。金属層612の一部分を誘電体材料614から露出させてはんだパッドを形成してよく、或いは最も外側の誘電体層の最も外側の表面上に別個のはんだパッドを形成してよい。
【0061】
図7は、図6EのLED照明システムの底面700を表す底面図である。線702は、基板の最も外側の外周を表している。線104は、基板の最も外側の外周に対するシリコンバックプレーン104によって占められた領域の最も外側の外周を表している。破線704は、線704とシリコンバックプレーン104の最も外側の外周との間の領域の境界を示しており、それは本明細書ではシリコンバックプレーン104の周辺領域と称されることがある。再分配層616の金属層612は、周辺領域で始まり、(線702によって境界付けられる)基板の側面に向かって延びてよい。シリコンバックプレーンの周辺領域の境界704とシリコンバックプレーンの1つの表面上に形成される単一の金属層618との間にギャップがある。このギャップは、例えば、図6Eに反映されているように、誘電体材料で充填されてよい。
【0062】
508(例えば、第4または第5の構造)の結果として形成された構造を反転させて、第2のキャリアに取り付けて(510)、第6の構造を形成してよい。実施形態では、構造(例えば、第4または第5の構造)をテープまたは一時的な接着剤のような接着材料を介して一時的な(例えば、プラスチック)キャリアに取り付けてよい。構造は、第2のキャリアに隣接して少なくとも1つの金属層と共に配置されてよい。第6の構造の例600Gが図6Gに示されており、第2のキャリア608と、任意的な接着材料606とを含む。構造が第2のキャリアにひとたび取り付けられると、第1のキャリアを除去して(512)、第7の構造を形成してよい。第7の構造の例600Gが、図6Gに示されている。
【0063】
第2のキャリアの除去によって露出された表面上に再分配層および金属コネクタのアレイを形成して(514)、第8の構造を形成してよい。実施形態において、金属コネクタのアレイは、表面上に銅ピラーバンプ(copper pillar bumps)のアレイをめっきするか或いは他の方法でパターン化または形成することによって形成されてよい。第8の構造の例600Hが図6Hに示されており、少なくとも1つの金属層112および誘電体材料116を含む、金属コネクタ640および再分配層117を含む。図6Eに関して上述したように、再分配層は、誘電体材料の層の交互の堆積、(必要に応じた)誘電体材料の部分を選択的除去、および上部での金属層を上部にパターン化によって形成されてよい。実施形態では、20,000(例えば、約28,000)を超える金属コネクタが、表面上に形成されてよい。
【0064】
電気コネクタを介してLEDアレイをシリコンバックプレーンに取り付けて(516)、第9の構造を形成してよい。実施形態において、これは、シリコンバックプレーンを電気コネクタと整列させることならびに銅ピラーバンプ内ではんだ銅材料をリフローさせるために加熱することによって行われてよい。リフローは、LEDアレイの下にアンダーフィル(underfill)を作り出すことがある。実施形態において、LEDアレイは、モノリシックLEDアレイであってよい。第9の構造の例600Iが図6Iに示されており、LEDアレイ102と、アンダーフィルとを含む。
【0065】
LEDアレイは、レーザリフトオフ(LLO:laser liftoff)プロセスおよび蛍光体集積化(phosphor integration)を受けてよい(518)。再分配層117内の露出された金属領域上に任意の受動部品を取り付けて、第10の構造を形成してよい。第10の構造の例600Jが図600Jに示されており、蛍光体材料610を有するLEDアレイ102と、受動コンポーネント114とを含む。
【0066】
任意に、図1BのLED照明システム100のようなLED照明システムであってよい第10の構造は、例えば、LED照明システム100を車両ヘッドランプまたは他のアプリケーションシステムに組み込むように、外部回路基板に取り付けられてよい(520)。
【0067】
実施形態を詳細に記載したが、当業者は、本開示を所与として、発明的な概念の精神から逸脱することなく、本明細書に記載した実施形態に修正が加えられる場合があることを理解するであろう。従って、本発明の範囲が図示および記載の特定の実施形態に限定されることは意図されていない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図7