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特許7590061電池モジュールおよびこれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20241119BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241119BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241119BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20241119BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20241119BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241119BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20241119BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20241119BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/204 401H
H01M50/289
H01M50/293
H01M50/548 301
H01M10/613
H01M10/653
H01M10/647
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022552352
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 KR2021095074
(87)【国際公開番号】W WO2022035304
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0102355
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ウク・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジンジュ・パク
(72)【発明者】
【氏名】スン・リュル・ペク
(72)【発明者】
【氏名】ユソン・ノ
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0055215(KR,A)
【文献】特開2017-059299(JP,A)
【文献】国際公開第2020/145602(WO,A1)
【文献】特表2018-518032(JP,A)
【文献】特開2012-094456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/548
H01M 10/613
H01M 10/653
H01M 10/647
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体;
前記電池セル積層体の下に位置した板状型の下部プレート;
前記電池セル積層体の上面および両側面を覆うモジュールフレーム;および
前記下部プレートと前記電池セル積層体との間に位置する熱伝導性樹脂層を含み、
前記熱伝導性樹脂層を囲む圧縮パッド部をさらに含み、
前記電池セルは、互いに対向する方向に突出した電極リード、および前記電池セルの一縁から前記下部プレートに向けて突出するように形成された突出部を含み、
前記突出部は、前記圧縮パッド部より前記電極リードのうちの一つが突出する方向の下部プレートの一端部に近く位置する、
電池モジュール。
【請求項2】
前記熱伝導性樹脂層は、前記下部プレートに熱伝導性樹脂を塗布して形成された、
請求項に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記下部プレートは、前記下部プレートの一端部に形成された段差部を含み、
前記突出部は、前記段差部の上に位置する、
請求項に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記熱伝導性樹脂層の厚さは、前記圧縮パッド部の厚さと同じかまたはより薄い、
請求項またはに記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記熱伝導性樹脂層は、互いに離隔して位置する第1熱伝導性樹脂層および第2熱伝導性樹脂層を含む、
請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記第1熱伝導性樹脂層を囲む第1圧縮パッド部、および前記第2熱伝導性樹脂層を囲む第2圧縮パッド部をさらに含む、
請求項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(ら)との相互引用]
本出願は、2020年8月14日付韓国特許出願第10-2020-0102355号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には、熱伝導性樹脂(Thermal resin)の使用量を調節することができる電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常的になることに伴い、このようなモバイル機器と関連した分野の技術に対する開発が活発になってきている。また、充放電が可能な二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として利用されているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、このうちリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所のため、脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを間に置いて配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する外装材、つまり電池ケースとを備える。
【0006】
一般的にリチウム二次電池は、外装材の形状により、電極組立体が金属カンに内装されているカン型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
小型機器に利用される二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに利用される二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が利用される。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
図1は従来の電池モジュールの斜視図であり、図2図1の電池モジュールの分解斜視図である。
【0009】
図1および図2を参照すると、従来の電池モジュール10は、電池セルが積層されて形成された電池セル積層体20、電池セル積層体20を収納するモノフレーム30、および電池セル積層体20とモノフレーム30の下面との間に位置する熱伝導性樹脂層50を含むことができる。モノフレーム30は、前面と後面が開放された金属板材であり得、モノフレーム30の開放された前面と後面をエンドプレート70が覆うことができる。
【0010】
一方、従来の電池モジュール10は、電池セル積層体20と共にモノフレーム30に収納される上部カバー41およびバスバーフレーム42をさらに含むことができる。上部カバー41は、電池セル積層体20の上部に位置して、電池セル積層体20がモノフレーム30に挿入される時、電池セル積層体20に加えられる損傷を防止することができる。バスバーフレーム42は、電池セル積層体20の前面と後面にそれぞれ位置することができる。電池セル積層体20を構成する電池セルの電極リードと連結されるバスバー43がバスバーフレーム42に搭載され得る。
【0011】
一方、電池セル積層体20とモノフレーム30の下面との間に熱伝導性樹脂(Thermal resin)を注入して熱伝導性樹脂層50を形成することができ、このような熱伝導性樹脂層50は、電池セル積層体20から発生した熱を電池モジュール10の底に伝達することができる。この時、図3を参照して従来の電池モジュール10における熱伝導性樹脂層50を形成する方法について説明する。
【0012】
図3は、図1の電池モジュールの下面が上に向かうように覆した様子を示す斜視図である。
【0013】
図1乃至図3を参照すると、従来の電池モジュール10の下面、つまり、モノフレーム30の下面には熱伝導性樹脂を注入するための注入ホール30Hが形成され得る。
【0014】
具体的には、電池セル積層体20、上部カバー41およびバスバーフレーム42などをモノフレーム30に収納した後、エンドプレート70をモノフレーム30の開放された前面と後面に覆う。この時、モノフレーム30とエンドプレート70は溶接などの方法により互いに接合され得る。この後、注入ホール30Hを通じて熱伝導性樹脂を注入して、電池セル積層体20とモノフレーム30の下面との間に熱伝導性樹脂層50を形成することができる。
【0015】
ただし、電池セル積層体20を先に収納した後に注入が行われるため、熱伝導性樹脂の注入量に偏差が大きい。また、熱伝導性樹脂を注入する過程において、電池モジュール内の部品の公差などにより予定された定量よりも超えて過量注入されることがあり、これによって電池モジュールの製造単価が増加して収益性に悪影響を与えることがある。
【0016】
また、注入過程において、熱伝導性樹脂の圧力により電池セル積層体20がモノフレーム30の上面方向に押し込まれて、ターミナルバスバーなどのような主要部品の寸法に影響を与えることがある。
【0017】
また、注入ホール30Hを通じた注入であるため、電池セル積層体20とモノフレーム30の下面との間で熱伝導性樹脂層50が一定の厚さを形成し難い。これは区域毎に熱伝達性能の偏差が発生する原因になり得る。
【0018】
したがって、熱伝導性樹脂(Thermal resin)の使用量を適切に調節することができる電池モジュールに対する技術開発が必要であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明が解決しようとする課題は、熱伝導性樹脂を定量注入できる新規な構造の電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することにある。
【0020】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体;前記電池セル積層体の下に位置した板状型の下部プレート;前記電池セル積層体の上面および両側面を覆うモジュールフレーム;および前記下部プレートと前記電池セル積層体との間に位置する熱伝導性樹脂層を含む。
【0022】
前記モジュールフレームは、前記電池セル積層体の両側面を覆う第1側面部と第2側面部;および前記電池セル積層体の上面を覆う天井部を含むことができる。
【0023】
前記第1側面部、前記第2側面部、および前記天井部は一体に形成され得る。
【0024】
前記下部プレートの互いに対向する第1エッジ部および第2エッジ部は、それぞれ前記第1側面部および前記第2側面部と接合され得る。
【0025】
前記第1エッジ部および前記第2エッジ部は、それぞれ前記第1側面部および前記第2側面部と溶接接合され得る。
【0026】
前記下部プレートは、マウンティング部を含むことができ、前記マウンティング部は、前記下部プレートの互いに対向する第1エッジ部および第2エッジ部に形成され得る。
【0027】
前記マウンティング部にマウンティングホールが形成され得、前記マウンティング部は、前記下部プレートの一面と平行に延長され得る。
【0028】
前記熱伝導性樹脂層は前記下部プレートに熱伝導性樹脂(Thermal resin)を塗布して形成され得る。
【0029】
前記電池モジュールは、前記熱伝導性樹脂層を囲む圧縮パッド部をさらに含むことができる。
【0030】
前記電池セルは、互いに対向する方向に突出した電極リード、および前記電池セルの一縁に形成された突出部を含むことができ、前記突出部は、前記圧縮パッド部より前記電極リードのうちの一つが突出する方向の下部プレートの一端部に近く位置することができる。
【0031】
前記下部プレートは、前記下部プレートの一端部に形成された段差部を含むことができ、前記突出部は、前記段差部の上に位置することができる。
【0032】
前記熱伝導性樹脂層の厚さは、前記圧縮パッド部の厚さと同じかまたはより薄くてもよい。
【0033】
前記熱伝導性樹脂層は、互いに離隔して位置する第1熱伝導性樹脂層および第2熱伝導性樹脂層を含むことができる。
【0034】
前記電池モジュールは、前記第1熱伝導性樹脂層を囲む第1圧縮パッド部、および前記第2熱伝導性樹脂層を囲む第2圧縮パッド部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の実施形態によると、板状型の下部プレートとモジュールフレームの構造を通じて熱伝導性樹脂の定量塗布を実現することができる。
【0036】
また、熱伝導性樹脂の塗布量調節および圧縮パッド部の厚さ管理を通じて電池モジュールの高さ方向に対する寸法安定性を容易に確保することができる。
【0037】
また、板状型の下部プレートにマウンティング構造を適用することによって、自由な設計および形状の単純化が可能である。
【0038】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】従来の電池モジュールの斜視図である。
図2図1の電池モジュールの分解斜視図である。
図3図1の電池モジュールの下面が上に向かうように覆した様子を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による電池モジュールの斜視図である。
図5図4の電池モジュールに対してエンドプレートを除去した分解斜視図である。
図6図5の電池モジュールに含まれている電池セル積層体、バスバーフレームおよびバスバーを示す分解斜視図である。
図7図6の電池セル積層体に含まれている電池セルの斜視図である。
図8】本発明の比較例によるモジュールフレームの斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による下部プレートの斜視図である。
図10図4の電池モジュールをyz平面上で-x軸方向に沿って眺めた正面図である。
図11】本発明の一実施形態による電池セル積層体および下部プレートを示す斜視図である。
図12】(a)は図11の切断線A-A’に沿って切断した断面図、(b)は図11の切断線B-B’に沿って切断した断面図である。
図13】本発明の変形された一実施形態による下部プレートを示す斜視図である。
図14】(a)は図13の切断線C-C’に沿って切断した断面図、(b)は図13の切断線D-D’に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0041】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0042】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0043】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ず重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0044】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0045】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0046】
図4は本発明の一実施形態による電池モジュールの斜視図である。図5図4の電池モジュールに対してエンドプレートを除去した分解斜視図である。図6図5の電池モジュールに含まれている電池セル積層体、バスバーフレームおよびバスバーを示す分解斜視図である。図7図6の電池セル積層体に含まれている電池セルの斜視図である。
【0047】
図4乃至図6を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200、電池セル積層体200の下に位置した板状型の下部プレート300、電池セル積層体200の上面および両側面を覆うモジュールフレーム400、および下部プレート300と電池セル積層体200との間に位置する熱伝導性樹脂層500を含む。また、電池モジュール100は、電池セル積層体200の前面と後面にそれぞれ位置したエンドプレート700をさらに含むことができ、電池セル積層体200とエンドプレート700との間に電気的絶縁である絶縁カバー(図示せず)が位置することができる。
【0048】
まず、電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましく、長方形のシート型構造で形成され得る。例えば、本実施形態による電池セル110は、二つの電極リード111、112が互いに対向して一端部と他の一端部からそれぞれ突出している構造を有する。
【0049】
特に、図7を参照すると、本実施形態による電池セル110は、二つの電極リード111、112が互いに対向してセル本体113の一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。より詳しくは、電極リード111、112は、電極組立体(図示せず)と連結され、電極組立体(図示せず)から電池セル110の外部に突出する。
【0050】
一方、電池セル110は、セルケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態でセルケース114の両端部114a、114bとこれらを連結する一側部114cを接着することによって製造され得る。言い換えると、本実施形態による電池セル110は、総3ヶ所のシーリング部114sa、114sb、114scを有し、シーリング部114sa、114sb、114scは熱融着などの方法によりーリングされる構造であり、残りの他の一側部は連結部115からなることができる。セルケース114は、樹脂層と金属層を含むラミネートシートからなることができる。
【0051】
また、連結部115は、電池セル110の一縁に沿って長く伸びることができ、連結部115の端部にはバットイヤー(bat-ear)と呼ばれる電池セル110の突出部110pが形成され得る。ただし、突出部110pは一つの例示的構造であり、本発明の他の一実施形態による他の電池セル110は、突出部が形成されずに、連結部115が一直線に伸びる形態を有することができる。
【0052】
このような電池セル110は、複数で構成され得、複数の電池セル110は、互いに電気的に連結され得るように積層されて電池セル積層体200を形成する。特に、図6に示されているようにy軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層され得る。これによって、電池セル110のうちの一つの電極リード111はx軸方向に向かって突出し、他の電極リード112は-x軸方向に向かって突出し得る。
【0053】
下部プレート300は、板状型の部材であり、電池セル積層体200がその上に安着することができる。モジュールフレーム400は、電池セル積層体200の両側面(y軸方向および-y軸方向)を覆う第1側面部410および第2側面部420;および電池セル積層体200の上面(z軸方向)を覆う天井部430を含むことができる。具体的には、第1側面部410と第2側面部420は、天井部430の両端部から下向きに延長され得る。また、第1側面部410、第2側面部420および天井部430は一体に形成され得る。モジュールフレーム400はyz平面に沿って切断した断面がn字形の模様を形成することができる。
【0054】
下部プレート300とモジュールフレーム400は、互いに対応する縁部位が接触された状態で、溶接などの方法により接合されることによって、電池セル積層体200を上下左右に覆う構造を形成することができる。具体的には、下部プレート300の互いに対向する第1エッジ部310および第2エッジ部320は、それぞれ第1側面部410および第2側面部420と当接して接合され得る。接合の方法に特別な制限はないが、第1エッジ部310および第2エッジ部320は、それぞれ第1側面部410および第2側面部420と溶接接合されることが好ましい。
【0055】
このような下部プレート300とモジュールフレーム400を通じて電池セル積層体200を物理的に保護することができる。このために下部プレート300とモジュールフレーム400は所定の強度を有する金属材質を含むことができる。
【0056】
電池セル積層体200が下部プレート300とモジュールフレーム400に収納されると、開放された電池セル積層体200の前面(x軸方向)および後面(-x軸方向)にエンドプレート700が位置することができる。つまり、エンドプレート700は、電池セル積層体200の前面(x軸方向)と後面(-x軸方向)に位置して電池セル積層体200を覆うように形成され得る。エンドプレート700は、下部プレート300およびモジュールフレーム400と溶接などの方法により接合され得る。
【0057】
熱伝導性樹脂層500は、下部プレート300に熱伝導性樹脂(Thermal resin)を塗布して形成され得る。具体的には、前記熱伝導性樹脂を下部プレート300の上に塗布し、その上に電池セル積層体200を位置させた後、前記熱伝導性樹脂が硬化して熱伝導性樹脂層500が形成され得る。
【0058】
前記熱伝導性樹脂は、熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的にシリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セル積層体200を構成する複数の電池セル110を固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れて電池セル110で発生した熱を迅速に電池モジュール100の下側に伝達して電池モジュール100の過熱を防止することができる。電池セル110から発生した熱は熱伝導性樹脂層500、下部プレート300およびヒートシンク(図示せず)を通じて電池モジュール100の外部に伝達され得る。
【0059】
一方、熱伝導性樹脂層500は、互いに離隔して位置する第1熱伝導性樹脂層510と第2熱伝導性樹脂層520を含むことができる。具体的には、電池セル110から電極リード111、112が突出する方向に沿って第1熱伝導性樹脂層510と第2熱伝導性樹脂層520が互いに離隔したまま配列され得る。ここで、電池セル110から電極リード111、112が突出する方向はx軸方向または-x軸方向に該当し得る。
【0060】
電池セル110に対する充放電が反復的に行われると、電極リード111、112と隣接した部分に多くの熱が発生する。本実施形態による熱伝導性樹脂層500は、下部プレート300全体に形成されるのではない、電池セル110のうち発熱が激しい部分に対応するように第1熱伝導性樹脂層510と第2熱伝導性樹脂層520から構成され得る。このような構造を通じて原材料の節減と共に、冷却および放熱性能を高めることができる。
【0061】
また、部分毎に発熱程度の差異が激しい電池セル110に対して下部プレート300全体に形成された熱伝導性樹脂層は電池セル110の部分間の温度偏差を解消し難い。これとは異なり、本実施形態による電池モジュール100は、第1熱伝導性樹脂層510と第2熱伝導性樹脂層520を含むため、電池セル110の発熱が激しい両端部分で熱発散が効果的に行われることができ、一つの電池セル110に対して各部分間の温度偏差を最小化することができる。電池セル110の各部分間の温度偏差は、終局的に電池モジュール100の性能低下の原因になるため、本実施形態による第1熱伝導性樹脂層510と第2熱伝導性樹脂層520は電池モジュールの性能および寿命向上に寄与することができる。
【0062】
この時、図1乃至図3を再び参照すると、従来の電池モジュール10は、注入ホール30Hを通じて熱伝導性樹脂を注入して電池セル積層体20とモノフレーム30の下面との間に熱伝導性樹脂層50を形成するため、精密に熱伝導性樹脂層50を形成し難い。具体的には、電池モジュール内部の部品の公差などにより熱伝導性樹脂が予定された定量より超えて過量注入されることがある。また、注入方式では、本実施形態のように互いに離隔した第1熱伝導性樹脂層510と第2熱伝導性樹脂層520を形成し難い。
【0063】
これとは異なり、本実施形態による熱伝導性樹脂層500は、下部プレート300上に熱伝導性樹脂が塗布されて形成されるため、熱伝導性樹脂が過量使用される可能性が少ない。また、第1熱伝導性樹脂層510と第2熱伝導性樹脂層520のように熱伝導性樹脂層を自由に設計し構成できるという長所を有する。また、注入方式ではないため、熱伝導性樹脂層500の厚さを均一に形成するのに有利である。また、下部プレート300が板状型で構成されるため、その縁部分まで熱伝導性樹脂を均一に塗布することが容易である。
【0064】
一方、具体的に図示していないが、第1熱伝導性樹脂層510と第2熱伝導性樹脂層520との間の下部プレート300上には絶縁フィルムなどが配置され得る。
【0065】
以下、図8などを参照して本実施形態による下部プレート300とモジュールフレーム400が有する長所について説明する。
【0066】
図8は本発明の比較例によるモジュールフレームの斜視図である。
【0067】
図8を参照すると、本発明に対する比較例として、上部フレーム40aと下部フレーム40bが結合されたモジュールフレーム構造が提案され得る。上部フレーム40aと下部フレーム40bが全て側壁部を有することができるが、上部フレーム40aは断面上n字形の模様を形成することができ、下部フレーム40bは断面上u字形の模様を形成することができる。
【0068】
前述したとおり、本実施形態による下部プレート300は、板状型で構成されるため、その縁部分まで熱伝導性樹脂を均一に塗布することが容易である。反面、比較例による下部フレーム40bは、上向きの二つの側壁部を有するため、熱伝導性樹脂の塗布工程においてこのような側壁部が妨害要因になり得る。
【0069】
また、上部フレーム40aと下部フレーム40bが溶接などの方法により接合される時、接合される部分が側面中央に位置するようになる。このような接合では、上部フレーム40aの側壁部と下部フレーム40bの側壁部が互いに当接できるように、フレームの厚さ、直角度および側壁部間の幅などが誤差なしに精密に管理されなければならない。そうでなければ、上部フレーム40aの側壁部と下部フレーム40bの側壁部が互いに当接せず、外れやすい。これを防止するためには、上部フレーム40aと下部フレーム40bの厚さが厚くなるべきであるが、これは電池モジュールの空間効率性の側面や電池容量の側面で良くない。反面、図5に示されているように、本実施形態によるモジュールフレーム400の第1および第2側面部410、420は、広く支える構造で形成された板状型の下部プレート300と当接するのに有利である。同時に、板状型の下部プレート300に対して外れる虞が少なくてモジュールフレーム400の厚さを薄く形成することができるため、電池モジュールの空間効率性の側面や電池容量の側面で有利である。
【0070】
また、上部フレーム40aと下部フレーム40b間の接合部分が側面中央に位置すれば、レーザ溶接などが行われる時、レーザの貫通により内部の電池セルなどが損傷する虞がある。反面、本実施形態によると、下部プレート300の第1および第2エッジ部310、320がそれぞれ第1および第2側面部410、420と溶接接合されるため、レーザにより貫通されないように溶接が可能である。
【0071】
以下、図9などを参照して本発明の一実施形態によるマウンティング部について説明する。
【0072】
図9は本発明の一実施形態による下部プレートの斜視図である。具体的には、図5の電池モジュールに含まれている下部プレートを拡大して示した。
【0073】
図5および図9を参照すると、本実施形態による下部プレート300は、マウンティング部300Mを含むことができ、このようなマウンティング部300Mは、下部プレート300の互いに対向する第1エッジ部310および第2エッジ部320に形成され得る。マウンティング部300Mの個数に特別な制限はなく、図示されているように、第1および第2エッジ部310、320のそれぞれに対して複数で構成され得る。
【0074】
本実施形態による電池モジュール100は、複数で集まって電池パックを形成することができるが、各電池モジュール100は、マウンティング部300Mを通じて電池パックのパックフレーム(図示せず)などの構造物に固定され得る。具体的には、マウンティング部300Mにマウンティングホール300Hが形成され、マウンティング部300Mは下部プレート300の一面と平行に延長され得る。マウンティングホール300Hと前記パックフレームとの間にボルトおよびナットなどの締結構造を適用して、電池モジュール100を前記パックフレームに固定することができる。
【0075】
図1および図2を再び参照すると、従来の電池モジュール10の場合、マウンティング部70Mおよびマウンティングホール70Hをモノフレーム30などに設けることはし難いため、エンドプレート70に形成するしかなかった。本実施形態による板状型構造体の下部プレート300は、母材になる板材から切削だけでマウンティング部300Mを形成することができる反面、モノフレーム30などにマウンティング部70Mを形成するためにはベンディング、追加成形または接合など複雑な工程が必要になる。このために従来の電池モジュール10は、モノフレーム30などの代わりにエンドプレート70にマウンティング部70Mを形成することが一般的である。結局、従来のマウンティング部70Mは、エンドプレート70の両端部、つまり、電池モジュール10を基準とすれば4ヶ所の角という制限的部分にだけ形成され、その個数も制限的であった。これとは異なり、本実施形態による板状型の下部プレート300は、マウンティング部300Mを形成することが容易であり、マウンティング部300Mの位置や個数をより自由に設定することができる。一例として、マウンティング部300Mの個数を増やして電池モジュール100の固定程度を高めることができ、マウンティング部300Mの位置を調整して電池モジュール100およびこれを含む電池パックの設計においてその制約を減らすことができる。また、エンドプレート700の形状も単純化が可能であり、自由な設計が可能になる。
【0076】
以下、図9などを参照して本発明の一実施形態による圧縮パッド部(Compression pad)ついて説明する。
【0077】
本発明の一実施形態による電池モジュール100は、熱伝導性樹脂層500を囲む圧縮パッド部600をさらに含むことができる。具体的には、第1熱伝導性樹脂層510を囲む第1圧縮パッド部610、および第2熱伝導性樹脂層520を囲む第2圧縮パッド部620が設けられ得る。より具体的には、下部プレート300上で、第1熱伝導性樹脂層510の4個の辺を囲むように第1圧縮パッド部610が位置し、第2熱伝導性樹脂層520の4個の辺を囲むように第2圧縮パッド部620が位置することができる。
【0078】
第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620を含む圧縮パッド部600は、ポリウレタン(Polyurethane、PU)を含むフォーム(Foam)タイプのパッドであり得る。
【0079】
第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620の位置を予め調整して領域を設定し、前記領域に熱伝導性樹脂を塗布して第1熱伝導性樹脂層510および第2熱伝導性樹脂層520を形成することができる。第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620の位置を自由に設定して、第1熱伝導性樹脂層510および第2熱伝導性樹脂層520それぞれの横または縦の長さを容易に調節することができる。言い換えると、本実施形態による第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620は、熱伝導性樹脂が塗布される領域を調整する一種のガイド部材として機能することができる。つまり、第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620が予め位置するため、熱伝導性樹脂が予定された領域を外れて塗布されることを防止することができ、目的とする領域に熱伝導性樹脂層500を精密に実現することができる。
【0080】
また、第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620は所定の高さを有するため、熱伝導性樹脂の注入量が超えることを防止することができる。特に、板状型構造体の下部プレート300において、第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620は熱伝導性樹脂が第1エッジ部310や第2エッジ部320を越えて流れることを防止することができる。
【0081】
また、第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620は、圧縮される素材を含むため、電池セル積層体200がその上に安着する場合、圧縮され得る。これは、電池セル積層体200が第1熱伝導性樹脂層510および第2熱伝導性樹脂層520に密着するのに役立ち、終局的に電池セル110に対する固定力向上または熱伝導性樹脂層500を通じた熱伝達性能向上につながり得る。
【0082】
以下、図10などを参照して本発明の一実施形態による電池モジュール100が有する寸法安定化の長所について説明する。
【0083】
まず、図4乃至図6を再び参照すると、本実施形態による電池モジュール100は、バスバー810およびターミナルバスバー820が装着されたバスバーフレーム800をさらに含むことができる。
【0084】
バスバー810およびターミナルバスバー820は、複数の電池セル110を電気的に連結するために電池セル110の電極リード111、112と接合され得る。具体的には、バスバー810およびターミナルバスバー820が装着されたバスバーフレーム800が電池セル積層体200の前面(x軸方向)および後面(-x軸方向)に位置することができる。電池セル積層体200の前面(x軸方向)および後面(-x軸方向)は、電池セル110の電極リード111、112が突出する方向の面に該当する。バスバーフレーム800にはリードスロットが形成され、電極リード111、112が前記リードスロットを通過した後に曲がってバスバー810やターミナルバスバー820に接合され得る。物理的、電気的連結が可能であれば、接合の方式に特別な制限はなく、一例として溶接接合が行われ得る。
【0085】
一方、バスバー810やターミナルバスバー820にスロットが形成され得、前記スロットはバスバーフレーム800の前記リードスロットと対応するように位置することができる。前記リードスロットを通過した電極リード111、112がバスバー810のスロットやターミナルバスバー820のスロットを通過して曲がり得る。
【0086】
一方、ターミナルバスバー820の一部分は電池モジュール100の外側に露出され得る。具体的には、エンドプレート700や絶縁カバー(図示せず)に開口部が形成されて図4に示されているようにターミナルバスバー820の一部分が露出され得る。露出されたターミナルバスバー820の一部分が他の電池モジュールやBDU(Battery Disconnect Unit)などと連結されてHV(High Voltage)連結を実現することができる。ここでHV連結は、電力を供給するための電源の役割の連結として、電池セル間の連結や電池モジュール間の連結を意味する。
【0087】
図10図4の電池モジュールをyz平面上で-x軸方向に沿って眺めた正面図である。
【0088】
図4および図10を参照すると、本実施形態による電池モジュール100は、熱伝導性樹脂の塗布量調節と圧縮パッド部600の厚さ管理を通じて高さ方向の寸法に対する安定性を確保することができる。
【0089】
図1乃至図3に示された従来の電池モジュール10の場合、注入過程で、熱伝導性樹脂の圧力により電池セル積層体20がモノフレーム30の上面方向に押し込まれて、ターミナルバスバーなどのような主要部品の寸法に影響を与えることがある。このような電池モジュール10を複数で構成して電池パックとして組立時、ターミナルバスバーを通じて電池モジュール10同士で連結がなされるが、この時、電池モジュール10毎にターミナルバスバーの高さ方向の寸法の偏差が大きい場合、接触抵抗の増加で熱が発生したり電圧値が不正確になるという問題が発生することがある。
【0090】
反面、本実施形態による電池モジュール100は、前述したとおり、熱伝導性樹脂を下部プレート300に塗布するものであるため、相対的に一定の厚さの熱伝導性樹脂層500を形成することができ、電池セル積層体200が押し込まれることがない。また、圧縮パッド部600の厚さと圧縮程度を計算して、電池モジュール100の高さ方向寸法に対する安全性を確保することができる。高さ方向寸法の一例として、ターミナルバスバー820の高さ方向寸法hを考慮することができる。熱伝導性樹脂層500の厚さ(熱伝導性樹脂の塗布量に対応)、圧縮パッド部600の厚さおよび圧縮パッド部600の圧縮程度を考慮して各電池モジュール100毎にターミナルバスバー820の高さ方向寸法hを予測することができ、このようなターミナルバスバー820の高さ方向寸法hが一定の値を示すように安定化させることができる。言い換えると、本実施形態による電池モジュール100は、熱伝導性樹脂が塗布される方式および圧縮パッド部600の厚さ管理などを通じて製品毎にターミナルバスバー820の高さ方向寸法hが一定の値を示すように安定化させることが容易である。
【0091】
また、下部プレート300の構成も板状型構造体で形成されて、電池モジュール100のデータム(Datum)になる底に対する加工を最小化したものであるため、高さ方向の寸法安定性を確保するのに役立つ。
【0092】
図11は、本発明の一実施形態による電池セル積層体および下部プレートを示す斜視図である。図12aは図11の切断線A-A’に沿って切断した断面図であり、図12bは図11の切断線B-B’に沿って切断した断面図である。この時、図12aおよび図12bは下部プレート上に電池セル積層体が安着した様子を示した。
【0093】
図7図11図12aおよび図12bを参照すると、前述したとおり、本実施形態による電池セル110には、バットイヤー(bat-ear)と呼ばれる突出部110pが形成され得る。具体的に連結部115のうち電極リード111、112が突出する方向の両端部にそれぞれ二つの突出部110pが形成され得る。
【0094】
複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200が圧縮パッド部600および熱伝導性樹脂層500の上に安着する時、突出部110pは圧縮パッド部600の外側に位置することができる。つまり、突出部110pは圧縮パッド部600よりも下部プレート300の一端部に近く位置して、圧縮パッド部600が突出部110pと熱伝導性樹脂層500との間に配置され得る。具体的には、いずれか一つの突出部110pは第1圧縮パッド部610よりも電極リード111が突出する方向の下部プレートの一端部に近く位置することができる。他の一つの突出部110pは第2圧縮パッド部620よりも電極リード112が突出する方向の下部プレートの他の一端部に近く位置することができる。ここで下部プレート300の前記両端部は、第1エッジ部310および第2エッジ部320と接する端部を意味し得る。
【0095】
電池セル110の突出部110pが突出した形態を有するため、電池セル積層体の安着時、該当部分が損傷する問題があり得る。この時、本実施形態による圧縮パッド部600は、下部プレート300上に位置して、電池セル110の突出部110pが位置できる空間を自然に設けることができる。したがって、電池セル積層体200が安着する時、突出部110pをはじめとする電池セル110が損傷するなどの問題を防止することができる。このために本実施形態による圧縮パッド部600の厚さt31、t32は、突出部110pの突出厚さt1より厚くてもよい。具体的に第1圧縮パッド部610の厚さt31と第2圧縮パッド部620の厚さt32は、全て突出部110pの突出厚さt1より厚くてもよい。ここで、突出部110pの突出厚さt1は、突出部110pが電池セル110の連結部115から突出した長さを意味し得る。
【0096】
図13は本発明の変形された一実施形態による下部プレート300aを示す斜視図である。図14aは図13の切断線C-C’に沿って切断した断面図であり、図14bは図13の切断線D-D’に沿って切断した断面図である。この時、図14aおよび図14bは下部プレート上に電池セル積層体が安着した様子を示した。
【0097】
図7図13図14aおよび図14bを参照すると、本発明の変形された一実施形態による下部プレート300aは、両端部に形成された段差部300Sを含むことができる。具体的には、下部プレート300aで電池セル110の電極リード111、112が突出する両方向の両端部に段差部300Sが形成され得る。ここで、段差部300Sは下部プレート300aのうち他の部分に比べて厚さが薄い部分を意味し得る。ここで下部プレート300aの前記両端部は、第1エッジ部310および第2エッジ部320と接する端部を意味し得る。
【0098】
複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200が圧縮パッド部600および熱伝導性樹脂層500の上に安着する時、突出部110pは段差部300Sの上に位置することができる。具体的には、圧縮パッド部600の外側に位置した突出部110pが段差部300Sの上で段差部300Sから離隔して位置することができる。いずれか一つの段差部300Sの上にいずれか一つの突出部110pが位置し、他の一つの段差部300Sの上に他の一つの突出部110pが位置することができる。
【0099】
本実施形態による下部プレート300aに段差部300Sを形成することによって、圧縮パッド部600の厚さt31、t32が突出部110pの突出厚さt1より薄くてもよい。つまり、第1圧縮パッド部610の厚さt31と第2圧縮パッド部620の厚さt32は、全て突出部110pの突出厚さt1より薄くてもよい。段差部300Sを設けることによって、圧縮パッド部600の厚さt31、t32と熱伝導性樹脂層500の厚さt21、t22の厚さを薄く形成しても、電池セル110の突出部110pが位置できる空間が設けられ得る。圧縮パッド部600の厚さt31、t32、熱伝導性樹脂層500の厚さt21、t22および突出部110pの突出厚さt1を考慮して、段差部300Sの段差深さを設定することができる。ここで段差深さは、段差部300Sの厚さと段差部300Sが形成されていない他の下部プレート300aの厚さとの差異を意味し得る。
【0100】
一方、図12a、図12b、図14aおよび図14bを再び参照すると、熱伝導性樹脂層500の厚さt21、t22は、圧縮パッド部600の厚さt31、t32と同じかまたはより薄くてもよい。具体的には、第1熱伝導性樹脂層510の厚さt21は第1圧縮パッド部610の厚さt31と同じかまたはより薄くてもよく、第2熱伝導性樹脂層520の厚さt22は第2圧縮パッド部620の厚さt32と同じかまたはより薄くてもよい。
【0101】
前述したとおり、第1圧縮パッド部610および第2圧縮パッド部620は、熱伝導性樹脂の注入量が超えることを防止し、電池セル積層体200の安着により圧縮され得る。つまり、熱伝導性樹脂層500の厚さt21、t22は圧縮パッド部600の厚さt31、t32と同じかまたはより薄くてもよいが、この時、電池セル積層体200により圧縮パッド部600が圧縮され、電池セル積層体200が熱伝導性樹脂層500と密着され得る。
【0102】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されているが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象となる事物の位置や観測者の位置などにより変わり得る。
【0103】
前述した本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0104】
前記電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0105】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0106】
200:電池セル積層体
300:下部プレート
400:モジュールフレーム
500:熱伝導性樹脂層
600:圧縮パッド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14