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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】過融着を防止する防水電池パックケース
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/08 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
B29C65/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023540193
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 KR2022002643
(87)【国際公開番号】W WO2022182122
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0025584
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヨン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヒュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】サン・ジン・キム
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-076968(JP,A)
【文献】特開平11-297286(JP,A)
【文献】特開2012-209174(JP,A)
【文献】国際公開第2011/096159(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0135300(US,A1)
【文献】特開2014-185964(JP,A)
【文献】特開2018-171711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00-65/82
H01M 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックケースであって、
外周辺が超音波溶接によって互いに結合される第1ケース及び第2ケースを含み、
前記第1ケースの外周辺は、平面部と、前記平面部から前記第1ケースの厚さ方向の中心が突出した突出部と、を含み、
前記第2ケースの外周辺は、前記突出部と融着する収納部と、前記収納部から突出して前記平面部と対面する外側ガイド部と、を含み、
前記平面部の少なくとも一部は、突出したコントロールリブを備えており、
1つ以上の前記コントロールリブは、前記突出部のケース内面に密着して位置する、電池パックケース。
【請求項2】
前記突出部は、前記突出部の末端に配置され、融着の際に少なくとも一部が溶融する融着山と、前記融着山を支持する支持部と、を含む、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項3】
前記融着山は、開始部の断面積よりも末端の断面積が小さい、請求項2に記載の電池パックケース。
【請求項4】
前記融着山は、末端に行くほど断面積が次第に小さくなる傾斜形構造を有する、請求項3に記載の電池パックケース。
【請求項5】
前記コントロールリブの突出高は、前記支持部の高さ以上、かつ前記融着山の末端の高さ未満である、請求項2に記載の電池パックケース。
【請求項6】
前記突出部は前記第1ケースの外周辺に沿って連続的に形成されており、
前記収納部は前記第2ケースの外周辺に沿って連続的に形成されており、
前記コントロールリブは、前記突出部を基準に、前記電池パックケースの内面に連続的にまたは非連続的に形成されており、
前記外側ガイド部は、前記突出部を基準に、前記電池パックケースの外面に連続的に形成されており、
前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに結合するとき、前記平面部と前記外側ガイド部とは互いに接触せず、前記コントロールリブと前記収納部とは接触する、請求項1から5のいずれか一項に記載の電池パックケース。
【請求項7】
前記コントロールリブが非連続的に形成される場合、
前記突出部を基準に、前記電池パックケースの内面に前記収納部から突出して前記平面部と対面する内側ガイド部をさらに含む、請求項6に記載の電池パックケース。
【請求項8】
前記突出部は前記第2ケースの内側ガイド部と外側ガイド部との間に挿入されている、請求項7に記載の電池パックケース。
【請求項9】
前記内側ガイド部には、前記コントロールリブが挿入されるリブ溝が形成されている、請求項7に記載の電池パックケース。
【請求項10】
前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに結合するとき、前記突出部と前記外側ガイド部とは互いに接触しない、請求項6に記載の電池パックケース。
【請求項11】
前記第1ケースの断面の厚さと前記第2ケースの断面の厚さとは同一である、請求項1に記載の電池パックケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年02月25日付の韓国特許出願第2021-0025584号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は過融着防止構造を有する防水電池パックケースに関する。具体的には、電池パックケースの結合のために超音波溶接を遂行する場合、過融着によって結合部位に外観不良が発生することを防止するとともに、防水も可能な、過融着防止及び防水構造を有する電池パックケースに関する。
【背景技術】
【0003】
中大型デバイスの高出力及び高容量エネルギー源として二次電池を直列にまたは並列に連結した電池パックが使われる。電池パックは、電池パックケースの内部に、複数の電池セル、前記電池セルの電気的連結のための構造、前記電池セルの作動を制御するための構造、及び前記電池セルの発熱/放熱を調節するための構造などを含むことができ、これらの全部を収容した状態で前記電池パックケースを結合することで製造される。
【0004】
電池パックケースは高分子樹脂を使って製造する。電池パックケースの結合方法として、超音波振動による摩擦熱を用いて前記高分子樹脂を溶融させた状態で押圧して結合する方法が使われる。電池パックケースの結合部位が過溶融するか押圧力の制御が誤った場合、溶融した樹脂が外側に漏れるバリ(Burr)が発生する。
【0005】
図1は従来の電池パックケース結合部位の垂直断面図である。
【0006】
図1を参照すると、電池パックケースは、上部に位置する第1ケース100と、下部に位置する第2ケース200とからなる。第1ケース100の結合部位には、厚さ方向(x軸方向)の中心部が下方に突出した突出部110が形成され、第2ケース200の結合部位には、厚さ方向(x軸方向)の中心部が凹んでいる溝部230が形成されている。第1ケース100の突出部110が第2ケース200の溝部230に挿入されて固定されることで、電池パックケースが組み立てられる。
【0007】
突出部110は、末端に厚さ方向(x軸方向)の幅が小さくなる融着山111を含む。第1ケース100及び/または第2ケース200に振動を印加すれば、融着山111が第2ケース200の溝部230内で振動しながら溶融するので、溝部230が突出部110または融着山111の溶融した高分子で満たされる。
【0008】
ここで、融着山111が溶融した状態で第1ケースを第2ケース側に過度に押圧すれば、過融着し、溶融した融着山の一部がケースの外に溢れて、図1の(a2)のように、バリ(burr)Bが発生することがある。
【0009】
図1の(a2)は第1ケース100と第2ケース200との結合部位で過融着によってバリBが発生した状態を示している。このように、バリが生ずる不良が発生することを防止するために、第1ケースと第2ケースとの結合部位で、第1ケースと第2ケースとの高さ方向の間隔を一定に維持することが重要である。
【0010】
特許文献1は、第1ケースと第2ケースとを含み、前記第1ケースの第1連結面と第2ケースの第2連結面とは超音波溶接される電池パックを開示する。第2連結面の縦溝及び前記縦溝の両側に位置するストッパーリブ及び第2融着リブはそれぞれ第1連結面のストッパー面及び第1連結面の第1融着リブと対向して位置し、超音波溶接され、融着の際に溶融したプラスチックが流入して表面に融着構造が発生することを防止する溜隙間が形成される。
【0011】
特許文献1の溜隙間はプラスチックが溶融して前記溜隙間から溢れることを完全に防止しにくい形態を有する。ストッパーリブとストッパー面との間と第2融着リブと第1連結面との間は共に溶接しなければならないので、溶接工程が複雑であり、溶接強度の調節が必要であり、前記溶接部位が溶融した状態で前記溜隙間を溢れて出ることを完全に遮断することは難しい。
【0012】
特許文献2は、バッテリーパックケースが前面ケース及び後面ケースを含み、前記後面ケースの縁面に沿って、すなわち、前記前面ケースと接触する部分には樹脂材の多数の融着突起が形成され、前記前面ケースの縁面に沿って後面ケースの融着突起と接触する部位に、融着突起が流出することを防止するための流出防止溝が形成されたバッテリーパックを開示する。
【0013】
特許文献2の流出防止溝は、融着突起が溶融して前記流出防止溝から溢れることを完全に防止しにくい形態を有する。すなわち、前面ケースと後面ケースとを結合する時間及び力の調節が必要であり、融着突起が溶融した状態で前記流出防止溝を溢れて流出すれば、図1のバリのように電池ケースの間で外観不良が発生することを防止しにくい。
【0014】
このように、振動熱によって溶融した電池ケースの融着山が前記電池ケースの外側に溢れて外観不良が発生することを根本的に遮断するとともに防水が可能な構造を有する電池パックケースが必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特許第3702090号公報
【文献】韓国公開特許第2004-0085478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、電池パックケースの結合のために超音波溶接を遂行する場合、過融着によって結合部位に外観不良が発生することを防止するとともに防水も可能な過融着防止及び防水構造を有する電池パックケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するために本発明による電池パックケースは、外周辺が超音波溶接によって互いに結合される第1ケース及び第2ケースを含み、前記第1ケースの外周辺は、平面部と、前記平面部から前記第1ケースの厚さ方向の中心が突出した突出部と、を含み、前記第2ケースの外周辺は、前記突出部と融着する収納部と、前記収納部から突出して前記平面部と対面する外側ガイド部と、を含み、前記平面部の少なくとも一部が突出したコントロールリブを備えることができる。
【0018】
前記突出部は、前記突出部の末端に配置され、融着の際に少なくとも一部が溶融する融着山と、前記融着山を支持する支持部と、を含むことができる。
【0019】
前記融着山は、開始部の断面積よりも末端の断面積が小さくてもよい。
【0020】
前記融着山は、末端に行くほど断面積が次第に小さくなる傾斜形構造を有することができる。
【0021】
前記コントロールリブの突出高は、前記支持部の高さ以上、かつ前記融着山の末端の高さ未満であってもよい。
【0022】
前記突出部は前記第1ケースの外周辺に沿って連続的に形成され、前記収納部は前記第2ケースの外周辺に沿って連続的に形成され、前記コントロールリブは、前記突出部を基準に、前記電池パックケースの内面に連続的にまたは非連続的に形成され、前記外側ガイド部は、前記突出部を基準に、前記電池パックケースの外面に連続的に形成され、前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに結合するとき、前記平面部と前記外側ガイド部とは互いに接触せず、前記コントロールリブと前記収納部とは接触することができる。
【0023】
前記コントロールリブが非連続的に形成される場合、前記突出部を基準に、前記電池パックケースの内面に前記収納部から突出して前記平面部と対面する内側ガイド部をさらに含むことができる。
【0024】
前記突出部は前記第2ケースの内側ガイド部と外側ガイド部との間に挿入することができる。
【0025】
前記内側ガイド部には、前記コントロールリブが挿入されるリブ溝を形成することができる。
【0026】
前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに結合するとき、前記突出部と前記外側ガイド部とは互いに接触しなくてもよい。
【0027】
前記第1ケースの断面の厚さと前記第2ケースの断面の厚さとは同一であってもよい。
【0028】
また、本発明は前記課題の解決手段を組み合わせることができる可能な組合としても提供することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上で説明したように、本発明による電池パックケースは、第1ケースと第2ケースとの結合部位に支持構造が形成されているので、第1ケースの突出部が溶融した状態で第1ケースと第2ケースとが結合する方向の力が過度に印加されても、前記第1ケースと第2ケースとの結合距離を一定の程度に維持することができる。
【0030】
このように、第1ケースと第2ケースとの間の結合距離が一定に維持されることにより、前記第1ケースと第2ケースとの結合部位で過融着によるバリが発生することを防止することができ、外観不良率を改善することができる。
【0031】
また、第1ケースの突出部が溶融した状態で第2ケースと完全に融着して結合することにより、電池パックの気密性を効果的に確保して、外部の水分が浸透することを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来の電池パックケース結合部位の垂直断面図である。
図2】本発明の第1実施例による第1ケースの斜視図である。
図3】本発明の第1実施例による第2ケースの斜視図である。
図4】本発明の第1実施例による溶接中のケース結合部位の垂直断面図である。
図5】本発明の第1実施例による溶接後のケース結合部位の垂直断面図である。
図6】本発明の第1実施例によるケース結合部位の斜視図である。
図7】本発明の第2実施例によるケース結合部位の斜視図である。
図8】本発明の第3実施例によるケース結合部位の斜視図である。
図9】本発明のコントロールリブの多様な形状を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例に対する動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0034】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけではなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0035】
また、構成要素を限定するか付け加えて具体化する説明は、特別な制限がない限り、すべての発明に適用可能であり、特定の発明に限定されない。
【0036】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって単数で表示したものは、別に言及しない限り、複数の場合も含む。
【0037】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって「または」は、別に言及しない限り、「及び」を含むものである。したがって、「AまたはBを含む」はAを含むか、Bを含むか、A及びBの両者を含む3種の場合を意味する。
【0038】
また、すべての数値範囲は、はっきりと除くという記載がない限り、両端の値とその間のすべての中間値とを含む。
【0039】
本発明を図面に基づいて詳細な実施例と一緒に説明する。
【0040】
本発明による電池パックケースは、互いに分離された形態の第1ケース及び第2ケースを含む。前記第1ケースと第2ケースとは互いに融着して結合される構造を有する。
【0041】
具体的には、前記第1ケースの結合部位には前記第1ケースの厚さ方向の中心部が突出した形態の突出部が形成され、前記第2ケースの結合部位には前記突出部と対向して位置する前記第2ケースの厚さ方向の内側に収納部が形成される。したがって、前記突出部は前記収納部に対面して融着して結合することができる。
【0042】
これに関連して、図2は本発明の第1実施例による第1ケースの斜視図であり、図3は本発明の第1実施例による第2ケースの斜視図であり、図4は本発明の第1実施例による溶接中のケース結合部位の垂直断面図であり、図5は本発明の第1実施例による溶接後のケース結合部位の垂直断面図であり、図6は本発明の第1実施例によるケース結合部位の斜視図である。
【0043】
図2及び図3を参照すると、第1ケース1000は、側面及び上面にケース壁が位置し、下面は開放した構成を有し、第2ケース2000は、側面及び下面にケース壁が位置し、上面が開放した構成を有し、図2及び図3には略六面体形状として示されているが、内部に電池モジュールを収納してから結合することによって電池パックを構成することができるものであれば、前記形状に限定されないというのは言うまでもない。
【0044】
ここで、第1ケース1000の結合部位は側壁下面の外周辺に位置し、第1ケースの前記外周辺の一部が下端方向(-z軸方向)に突出した突出部1100を含む。突出部1100は融着山1110及び支持部1120を含み、第1ケース1000の突出部1100のケース内面には一つ以上のコントロールリブ3000が密着して位置することができる。
【0045】
また、第2ケース2000の結合部位は、側壁上面の外周辺に位置するとともに第1ケース1000の突出部1100と対向して位置する収納部2100と、収納部2100の外周辺に上方(z軸方向)に延設される外側ガイド部2200と、を含むことができる。収納部2100の水平断面(xy面)は支持部1120及びコントロールリブ3000の水平断面(xy面)に対応するように形成することができる。
【0046】
以下、図4図6を参照して第1ケース1000と第2ケース2000との結合構成について詳細に説明する。
【0047】
まず、図4及び図5を参照すると、本発明において、第1ケース厚さd1と第2ケース厚さd2とは同じに形成され、第1ケース1000の外周辺に形成された突出部1100が第2ケース2000の収納部2100と密着する。この状態で、第1ケース1000及び第2ケース2000に超音波振動を印加することで、第1ケース1000の突出部1100と第2ケース2000の収納部2100とが接する部分で発生する摩擦熱によって、突出部1100の末端に位置する融着山1110が溶融する。前記溶融した融着山1110の溶融液によって第1ケース1000と第2ケース2000とが結合される。
【0048】
第1ケースの外周辺は、平面部1250と、前記平面部1250から第1ケース1000の厚さ方向(x軸)の中心の一部が突出して形成された突出部1100と、を含む。突出部1100は、断面積が下方(z軸方向)に一定した支持部1120と、支持部1120の下端に延設される、断面積が次第に縮小する融着山1110と、を含むことができる。支持部1120の外側(ケース収納部の外側方向)外周面と第1ケース1000の側壁の外側外周面との間の部分は外側平面部1200を形成し、支持部1120の内側(ケース収納部の内側方向)外周面と第1ケース1000の側壁の内側外周面との間の部分は内側平面部1300を形成する。ここで、外側平面部1200は第2ケース2000の外側ガイド部2200と対向して位置する。
【0049】
平面部1250は、外側平面部1200と内側平面部1300とに区分され、これらは段差をなすように形成される。図4及び図5は段差が形成された状態を示し、図6及び図7は段差がない状態を示す。
【0050】
また、内側平面部1300及び突出部1100と結合するようにコントロールリブ3000が位置する。コントロールリブ3000は、支持部1120の内側外周面に沿って形成されるリブ支持部3100と、リブ支持部3100の下部から水平(xy面)に延設されるリブ延長部3200と、を含むことができる。リブ延長部3200は支持部1120の下端と融着山1110の下端との間の所定位置まで延設することができ、融着山1110の下端から垂直方向(-z軸方向)に50%~70%の位置に形成することが好ましい。これは、融着山1110の下端部が超音波振動によって溶融して第1ケース1000と第2ケース2000とを安定的に結合するとともに過量溶融によるケース結合不良を減少させるのに有利である。
【0051】
リブ延長部3200の下端面は第2ケース2000の収納部2100の上端面に対応するように形成されることが好ましく、水平面に形成されることがより好ましい。これは、ケースの溶接完了の後、リブ延長部3200と収納部2100とが互いに対応する形状に密着して相互間の応力を最小化し、第1ケース1000と第2ケース2000とを安定的に結合させるのに有利であり、電池パックケースの変形防止に有利である。
【0052】
第1ケース1000と第2ケース2000とが熱融着する前には、突出部1100と外側ガイド2200との間には離隔空間が形成されており、支持部1120の外側面と外側ガイド部2200の内側面との間は所定の距離h5だけ離隔している。また、突出部の全高h1は外側ガイド部高さh4及び外側平面部1200の下端面とリブ延長部3200の下端面との間の高さh3よりも大きい。外側平面部1200の下端面とリブ延長部3200下端面との間の高さh3は外側ガイド部高さh4よりも大きい。これは、第1ケース1000と第2ケース2000とが融着して結合した後、外側平面部1200と外側ガイド部2200とが密着することを防止することができ、過融着によるケース不良が発生することを防止するのに有利である。
【0053】
第1ケース1000と第2ケース2000とが融着して結合した後、外側平面部1200の下端面と外側ガイド部2200の上端面との間の離隔距離h7は0.1mm~0.3mmとすることができ、好ましくは0.2mmとすることができる。これは、電池パックケースの体積増加を最小化しながら過融着を防止するのに有利である。
【0054】
前記のように、本発明の第1実施例による第1ケース1000と第2ケース2000との結合部位全体は超音波振動によって溶融した融着山1110によって融着して結合され、過融着による結合部位不良を防止し、気密性を確保して水分及びその他の液体物質の浸透を防止することができるので、防水が可能である。
【0055】
図4及び図5で、内側平面部1300と外側平面部1200とが段差を形成してコントロールリブ3000の垂直(z側方向)長さがh3よりも長いものとして示されているが、これは一例示に過ぎず、融着過程で突出部1100の歪みや曲がりのような変形の防止のための支持の役割を果たすことができれば、コントロールリブ3000の垂直(z側方向)長さはh3と同じかそれよりも小さくてもよい。
【0056】
図6を参照すると、コントロールリブ3000は所定の幅(y軸方向)を有し、突出部1100を基準に前記電池パックケースの内面から所定の距離だけ離隔して2個以上が非連続的に配置されることができる。第1ケース1000の対面する側壁にそれぞれ1個以上が対向して配置されることが好ましい。これは、ケースの融着結合の際、ケース結合部位の均衡を維持して過融着防止のための融着を効果的に遂行するのに有利である。
【0057】
図7は本発明の第2実施例によるケース結合部位の斜視図である。図7に示すように、本発明の第2実施例は、コントロールリブ13000を除き、図2図6を参照しながら説明した第1実施例と同様であるので、以下では異なる構成であるコントロールリブ13000のみについて説明する。
【0058】
第2実施例で、コントロールリブ13000は突出部11100のケース内面に連続的に位置することができる。
【0059】
第1ケース11000と第2ケース12000とを融着して結合するとき、第1ケース11000と第2ケース12000との全体結合部位が超音波振動によって溶融した融着山11120によって融着して結合され、突出部11100の内側外周面に配置されるコントロールリブ13000によって過融着による不良を防止することができるだけでなく、リブ延長部(図示せず)の下端面と収納部12100の上端面とが密着して気密性を向上させることができる利点がある。
【0060】
コントロールリブ13000が突出部11100の外周面全体を支持することにより、融着結合の過程で突出部11100の歪みや曲がりなどの変形を防止し、電池パックケースの安全性及び耐久性を向上させる利点がある。
【0061】
図8は本発明の第3実施例によるケース結合部位の斜視図である。図8に示すように、本発明の第3実施例は、内側ガイド部22300及び内側ガイド部22300に形成されたリブ溝22400を除き、図2図6を参照しながら説明した第1実施例と同様であるので、以下では異なる構成である内側ガイド部22300及びリブ溝22400のみについて説明する。
【0062】
第3実施例で、第2ケース22000の内面には、収納部22100から上方に突出して第1ケース21000の内側平面部21300と対面する内側ガイド部22300を形成することができる。内側ガイド部22300は第2ケース22000の収納部22100に連続的に形成することができ、コントロールリブ23000に対応する位置にリブ溝22400が形成されることで、第1ケース21000と第2ケース22000とが融着して結合するとき、コントロールリブ23000が対応のリブ溝22400に位置するようになる。第1ケース21000と第2ケース22000とが融着して結合した後、内側ガイド部22300の上端面は内側平面部21300の下端面に密着することができる。これは、内側ガイド部22300が内側平面部21300と密着して支持することにより、超音波溶接過程で突出部21100の歪みや曲がりなどの変形を防止するのに有利であり、電池パックケースの安全性及び耐久性向上に有利である。
【0063】
リブ溝22400の底面は収納部22100の上端面と同じ面(xy面)を形成することが好ましい。これは、超音波振動によって溶融した融着山21120がリブ溝22400に遊動することをより効果的に防止することができ、電池パックケースの気密性向上に有利である。
【0064】
図9は本発明のコントロールリブの多様な形状を示す模式図である。
【0065】
図9の(e1)に示すように、第1ケースの外側平面部と内側平面部とは同じ高さに形成されるので、突出部の加工工程が容易になり、コントロールリブの材料節減に有利である。
【0066】
図9の(e2)に示すように、コントロールリブのリブ延長部は水平面の形状ではなく、融着山の外周面との接触部の一部が上方に傾いた形状を有する。これは、融着山が過溶融する場合、リブ延長部の折曲面と収納部との間の空間に収容されるので、ケース結合部位の外部への流れを防止することができる利点がある。
【0067】
図9の(e3)に示すように、突出部は、支持部を別に備えず、第1ケースの平面部から直ちに形成される融着山から構成され、コントロールリブのリブ延長部が相対的に大きく形成された形状を有する。このような構成は、突出部の成形が容易であり、大きさが増加したリブ延長部が融着山を支持して変形を防止するとともに超音波溶接工程の時間を短縮することができる利点がある。また、融着山の右側に空間を備えることで、過度に溶融した高分子が外部に流れることを防止することができる効果がある。
【0068】
本発明による電池パックケースは多様な形態のデバイスのエネルギー源として使われる電池パック用ケースであるので、前記電池パックケースには、内部に収容された電池セルの電極端子を外部に引き出すための貫通口を形成することができる。
【0069】
もしくは、本発明による電池パックケースは、前記多様な形態のデバイスの内部に安定的に装着するためのフック構造のような結合のための構造が付加された形態を有することができる。
【0070】
本発明が属した分野で通常の知識を有する者であれば、前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0071】
100、1000、11000、21000 第1ケース
110、1100、11100、21100 突出部
111、1110、11110、21100 融着山
1120、11120、21120 支持部
1200、11200、21200 外側平面部
1250、11250、21250 平面部
1300、11300、21300 内側平面部
200、2000、12000、22000 第2ケース
2100、12100、22100 収納部
2200、12200、22200 外側ガイド部
230 溝部
3000、13000、23000 コントロールリブ
3100 リブ支持部
3200 リブ延長部
22300 内側ガイド部
22400 リブ溝
B バリ(burr)
d1 第1ケース厚さ
d2 第2ケース厚さ
h1 突出部高さ
h2 支持部高さ
h3 突出部の外側下端面とリブ延長部との間の高さ
h4 外側ガイド部の高さ
h5 支持部の外側面と外側ガイド部の内側面との間の離隔距離
h6 融着前の突出部の外側下端面と外側ガイド部の上端面との間の離隔距離
h7 融着後の突出部の外側下端面と外側ガイド部の上端面との間の離隔距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9