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特許7590074光電子デバイス用集積構造体の製造方法及び光電子デバイス用集積構造体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】光電子デバイス用集積構造体の製造方法及び光電子デバイス用集積構造体
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20241119BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20241119BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20241119BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20241119BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241119BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/58
H01L33/60
G09F9/33
G09F9/30 338
G09F9/30 349D
G09F9/30 349Z
G09F9/00 338
G09F9/30 349C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021574900
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 SG2020050352
(87)【国際公開番号】W WO2020263181
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】10201906069T
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】508144082
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、イジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、リ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ケネス エン キアン
(72)【発明者】
【氏名】フィッツジェラルド、ユージーン エイ.
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0069611(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0013337(US,A1)
【文献】国際公開第2017/061273(WO,A1)
【文献】特開2011-146575(JP,A)
【文献】国際公開第2018/053378(WO,A1)
【文献】特開2014-192411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子デバイスのための集積構造体であって、前記集積構造体は、
前記光電子デバイスのためのドライバ回路を含む相補型金属酸化物半導体バックプレーン(CMOSバックプレーン)と、
前記CMOSバックプレーン上の複数の光学素子であって、前記複数の光学素子はCMOSとは異なる材料系に基づく、複数の光学素子と、
モノリシック集積のために前記CMOSバックプレーンと前記複数の光学素子との間に提供されたボンディング誘電体と、
各光学素子の第1のコンタクトと電気的に接触する連続した共通電極層と
を備え、
各光学素子の第2のコンタクトは、前記CMOSバックプレーン内の前記ドライバ回路に別々に接続され、
前記共通電極層は、前記複数の光学素子のn型エピタキシャル層を含み、前記共通電極層は、前記複数の光学素子の下方に配置されるリフレクタを提供するための微細構造を含む
集積構造体。
【請求項2】
前記ボンディング誘電体は透明である
請求項1に記載の集積構造体。
【請求項3】
前記リフレクタは、分布ブラッグ反射器(DBR)および/またはフォトニック結晶構造を含む微細構造を備える
請求項1または2に記載の集積構造体。
【請求項4】
前記CMOSバックプレーン上の電極パッドの少なくとも部分がリフレクタとして機能する
請求項1から3のいずれか一項に記載の集積構造体。
【請求項5】
前記第1のコンタクトは前記複数の光学素子の下部コンタクトを備え、前記第2のコンタクトは前記複数の光学素子の上部コンタクトを備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の集積構造体。
【請求項6】
前記共通電極層の前記電気的な導通を遮断することなく前記複数の光学素子間の光絶縁を実現するために、光学素子間にパターン化され、前記共通電極層を少なくとも部分的に通って延びる光絶縁トレンチ
を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の集積構造体。
【請求項7】
電流拡散を高めるために前記共通電極層上に直接電気的に接触してパターン化された金属パッド、ラインまたはネット
を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の集積構造体。
【請求項8】
化学的機械平坦化ベースのコンタクト、タングステンプラグ、および金属パッドからなる群のうちの1または複数を含む電気的相互接続
をさらに備える請求項1から7のいずれか一項に記載の集積構造体。
【請求項9】
、光コリメーションを助けるための各光学素子に対するマイクロレンズ
をさらに備える請求項1から8のいずれか一項に記載の集積構造体。
【請求項10】
光電子デバイスのための集積構造体を製造する方法であって、
前記方法は、
エピタキシャル成長基板上に光学素子のための複数のエピタキシャル層を形成する段階であって、前記複数のエピタキシャル層は相補型金属酸化物半導体(CMOS)とは異なる材料系に基づく、段階と、
ハンドルウェハを提供する段階と、
前記光学素子のための前記複数のエピタキシャル層の順序が、前記エピタキシャル成長基板上と比較して前記ハンドルウェハ上で逆になるように、前記エピタキシャル成長基板と前記ハンドルウェハとの間に第1の誘電体ボンディングを行う段階と、
前記エピタキシャル成長基板を除去し、前記ハンドルウェハ上の前記複数のエピタキシャル層のうちのn型エピタキシャル層を露出させる段階と、
前記光電子デバイスの前記光学素子のそれぞれの第1のコンタクトのための共通電極層を提供するために、前記露出されたn型エピタキシャル層を処理する段階と、
前記光電子デバイスのためのドライバ回路を含むCMOS集積回路ウェハ(ICウェハ)を提供する段階と、
前記光学素子のための前記複数のエピタキシャル層の順序が前記ハンドルウェハ上と比較して前記ICウェハ上で逆になるように、前記ハンドルウェハと前記ICウェハの間で第2の誘電体ボンディングを行う段階と
を備え、前記共通電極層を提供するために前記露出されたn型エピタキシャル層を処理する段階は、前記共通電極層を前記光学素子の下方に配置されるリフレクタとして提供するための微細構造を形成することを含む、方法。
【請求項11】
前記光学素子を形成するために前記ICウェハ上の前記複数のエピタキシャル層をパターニングし、コンタクト開口を形成するために前記ICウェハ上の前記複数のエピタキシャル層および前記共通電極層をパターニングする段階
をさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ICウェハ上の前記複数のエピタキシャル層をパターニングして、光絶縁トレンチを形成する段階
をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各光学素子の第2のコンタクトと前記ICウェハ内の前記ドライバ回路との間に垂直相互接続を形成する段階
をさらに備える請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記光学素子を形成するために前記ICウェハ上の前記複数のエピタキシャル層をパターニングし、コンタクト開口を形成するために、前記複数のエピタキシャル層、前記共通電極層、および前記光学素子と前記ICウェハとの間の誘電体ボンディング層をパターニングする段階
をさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のエピタキシャル層上にコンタクト窓開口を有するパッシベーション層を形成し、各光学素子の第2のコンタクトと前記ICウェハ内の前記ドライバ回路との間に垂直相互接続を形成するために、前記パッシベーション層上に導電層をパターニングする段階
をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記微細構造は、分布ブラッグ反射器(DBR)および/またはフォトニック結晶構造を含む請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く光電子デバイスのための集積構造体の製造方法及び光電子デバイスのための集積構造体に関し、特にCMOSバックプレーンを有するアクティブマトリクス型マイクロLEDマイクロディスプレイ用デバイスアーキテクチャ及びこれを実現するためのウェハレベル製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書にわたる先行技術についての言及および/または説明は、いかなる方法においても、この先行技術が分野で周知であるまたは一般的な技術常識の部分を形成することを認めるものとみなされるべきではない。
【0003】
マイクロ発光ダイオード、マイクロLED、マイクロディスプレイは、拡張現実、AR、ヘッドアップディスプレイ、HUD、ビデオプロジェクタなどの適用分野で幅広い関心を集めている。従来のマイクロディスプレイ技術、例えば、デジタル光処理(DLP)、有機発光ダイオード(OLED)、液晶ディスプレイ(LCD)、反射型液晶(LCOS)と比較して、マイクロLEDマイクロディスプレイは、高輝度、高コントラスト、高効率、高速、高小型を含む様々な面で優れている。いくつかの主流の製造技術の中でも、アライメントフリーのウェハボンディングプロセスに依拠したモノリシックハイブリッド集積技術は、低コストで大量生産として特に注目されている。
標準的な半導体プロセスと良く確立された高精度フォトリソグラフィにより、ARなどのウェアラブルエレクトロニクスで強く要求される10000ppiまでのピクセル解像度を実現することが可能である。
【0004】
高密度のハイブリッドデバイス集積を実現する従来の方法は、フリップチップ技術に基づく。通常、化合物半導体素子は、それぞれの基板上に製造される。その後、個々のチップは分離され、パターン化された個々のインジウムバンプを介してシリコンベースの駆動回路ウェハに結合される。
フリップチップは、正確なアライメントを要求するチップレベルのプロセスであり、それは低スループットであり従って高コストなプロセスにする。ハイブリッド集積化後に化合物半導体成長基板は通常残っており、集積基板間の熱不整合は、ハイブリッドチップにビルトインストレスをもたらし、製造歩留まり低下や長期信頼性問題を生じさせ得る。より重要なことは、既存の製造装置能力とプロセス自体によって制限され、ピクセルのサイズは通常20μmより大きく、これは次世代AR用途には大き過ぎるということである。
【0005】
最近、ピッチサイズが20μm未満のアクティブマトリクス型マイクロLEDマイクロディスプレイを実証するべく、フリップチップ技術での制限を克服するためのウェハレベルモノリシックハイブリッド集積プロセスが提案された。これは、ボンディングアライメントを必要としない、1回限りのウェハレベルの金属ボンディングプロセスに基づく。パターン化されていない成長したままのLEDエピウェハは、まず、連続金属層を介してドライバ回路ウェハ(集積回路、IC、ウェハと命名される)に結合される。エピタキシャル(エピ)基板を除去した後、マイクロLEDアレイはパターン化され、標準的な半導体プロセスを通じてボンディングメタルが分離される。各マイクロLEDの下部pコンタクトは、分離されたボンディングメタルパッドを介してICウェハ内のピクセルドライバ回路に別々に接続されている。マイクロLEDアレイの上部nコンタクトは、共通カソードに接続されている。そのような縦型構造により、高い充填率、したがって高いデバイス密度が見込まれる。
【0006】
しかしながら、LEDエピタキシャル層の下に連続金属層の存在は、一連の製造上の問題、例えば高温高圧の金属ボンディングプロセスに起因する歩留まり損失、ピクセル分離時の金属汚染、ボンディング材料との化学プロセス適合性、高密度ピクセルパターニングのために金属を薄くする場合の接合信頼性の問題、ボンディング品質のための制限された最適化スペース、制限された金属選択肢でのオーム接触および光反射率などをもたらす可能性がある。より重要なことは、ボンディング層にCMOS非互換の金属タイプが含まれることに起因して、既存のファウンドリインフラを用いた大量生産は一般に不可能であることである。
【0007】
本発明の実施形態は、上記の問題のうち少なくとも1つに取り組もうとする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、光電子デバイスのための集積構造体が提供され、集積構造体は以下を備える。
【0009】
光電子デバイスのためのドライバ回路を含む相補型金属酸化物半導体(CMOS)バックプレーンと、CMOSバックプレーン上の複数の光学素子であって、複数の光学素子はCMOSとは異なる材料系に基づく、複数の光学素子と、モノリシック集積のためにCMOSバックプレーンと複数の光学素子との間に提供されたボンディング誘電体と、各光学素子の第1のコンタクトと電気的に接触する連続した共通電極層と、を備え、各光学素子の第2のコンタクトは、CMOSバックプレーン内のドライバ回路に別々に接続されている。本発明の第2の態様によれば、光電子デバイスのための集積構造体を製造する方法が提供され、方法は、エピタキシャル成長基板上に光学素子のための複数のエピタキシャル層を形成する段階であって、複数のエピタキシャル層は相補型金属酸化物半導体(CMOS)とは異なる材料系に基づく、段階と、ハンドルウェハを提供する段階と、光学素子のための複数のエピタキシャル層の順序が、エピタキシャル成長基板上と比較してハンドルウェハ上で逆になるように、エピタキシャル成長基板とハンドルウェハとの間に第1の誘電体ボンディングを行う段階と、エピタキシャル成長基板を除去し、ハンドルウェハ上の複数のエピタキシャル層のうちの1つを露出させる段階と、光電子デバイスの光学素子のそれぞれの第1のコンタクトのための共通電極層を提供するために、複数のエピタキシャル層のうちの露出された1つを処理する段階と、光電子デバイスのためのドライバ回路を含むCMOS集積回路(IC)ウェハを提供する段階と、光学素子のための複数のエピタキシャル層の順序がハンドルウェハ上と比較してICウェハ上で逆になるように、ハンドルウェハとICウェハの間で第2の誘電体ボンディングを行う段階とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態は、例示に過ぎないが下記の図面と共に以下の記載された説明から、当業者にとってより良く理解され、容易に明らかとなるであろう。
図1】例示的な実施形態による、CMOSバックプレーン上に集積されたマイクロLEDアレイを有するアクティブマトリクス型マイクロLEDマイクロディスプレイのアーキテクチャを示す断面模式図を示す。
図2】例示的な実施形態による、CMOSバックプレーン上に集積されたマイクロLEDアレイを有するアクティブマトリクス型マイクロLEDマイクロディスプレイアーキテクチャの平面図を示す模式図を示す。
図3A】例示的な実施形態による、個々のp-IC接続の可能な構成を示す断面模式図を示す。
図3B】例示的な実施形態による、個々のp-IC接続の可能な構成を示す断面模式図を示す。
図4A】例示的な実施形態による、電流拡散を改善するための連続したn型エピ上の金属パッド/ライン/ネットの使用を示す断面模式図を示す。
図4B】例示的な実施形態による、電流拡散を改善するための連続したn型エピ上の金属パッド/ライン/ネットの使用を示す上面図の模式図を示す。
図5】例示的な実施形態による、マイクロLEDの下部コンタクト/リフレクタのための構造および材料の変化を示す断面模式図を示す。
図6A】例示的な実施形態による、ピクセル間光クロストークを生じさせ得るn型エピ内の導波効果を防ぐためのエッチングされた光絶縁トレンチを示す模式図を示す。
図6B】例示的な実施形態による、ピクセルを光学的に分離するために個々のLEDの周囲にマイクロチャネルを作成することを示す模式図を示す。
図7A】例示的な実施形態による、エピをハンドルウェハに転写し、続いてn型エピの上に微細構造化およびコンタクト/リフレクタ形成を行う二重転写プロセスのステップを示す断面模式図を示す。
図7B】例示的な実施形態による、エピをハンドルウェハからICウェハに転写する二重転写プロセスの更なるステップを示す断面模式図を示す。
図8】例示的な実施形態による、マイクロLEDをパターン化し、上部pコンタクトにICウェハ内のドライバピクセル回路への電気的接続を形成するプロセスのステップを示す断面模式図を示す。
図9】例示的な実施形態による、マイクロLEDをパターン化し、上部pコンタクトにICウェハ内のドライバピクセル回路への電気的接続を形成するプロセスのステップを示す断面模式図を示す。
図10】例示的な実施形態による、光電子デバイスのための集積構造体を製造する方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、アクティブマトリクス型マイクロLEDマイクロディスプレイのためのデバイスアーキテクチャを提供し、マイクロLEDアレイが誘電体結合インタフェースを介してディスプレイドライバ回路ウェハ(集積回路(IC)ウェハ)と統合されており、マイクロLEDのpコンタクトが上部に、nコンタクトが下部にあることを特徴としている。各マイクロLEDの上部pコンタクトは、ICウェハ内のピクセルドライバ回路と別々に接続されている。マイクロLEDアレイ全体の下部n型エピは連続し、共通カソードに接続されている。そのようなデバイスアーキテクチャを実現するために、例示的な実施形態による、アライメントフリー二重転写誘電体ウェハボンディングプロセスに基づくモノリシックハイブリッド集積技術が提供される。従来の単一転写金属ボンディングアプローチと比較して、例示的な実施形態による方法は、ボンディングメタルに関する一連のプロセス互換性の問題および金属汚染を排除し、したがって、プロセスを著しく簡略化する。例示的な実施形態による二重転写技術はまた、構造及び材料の両方においてマイクロLEDの下部リフレクタの設計を可能にし、マイクロLEDの発光効率及び指向性を著しく改善させることができる。例示的な実施形態では、p層は一般に薄過ぎて微細構造化プロセスの影響を受けやすいため、n層は下部にある。また、例示的な実施形態による技術は、既存のCMOSファウンドリプロセスと互換性があり、これは低コストの大量生産にとって非常に望ましい。
【0012】
例示的な実施形態による製造方法及びデバイスアーキテクチャは、同等のデバイス密度を実現することができ、一方、好ましくは、先行技術の全ての制限を克服することができる。例示的な実施形態によるプロセスは、二重転写誘電体ウェハボンディングプロセスに基づく。連続エピ層は、最初にハンドルウェハに転写され、その後2つの誘電体ウェハボンディングステップを介してICウェハに転写される。例示的な実施形態によると、結果として得られるエピ・オン・ICは、上部にp型エピを有し、下部にn型エピを有する。例示的な実施形態によると、マイクロLEDアレイおよび関連する電気的接続は、その後、標準的な半導体プロセスを通じてパターン化される。誘電体ボンディングにより、先行技術におけるボンディングメタルに関する一連のプロセス互換性の問題および金属汚染を排除することができる。二重転写技術はまた、発光効率及び発光指向性を改善するために、構造及び材料の両方においてマイクロLEDの下部リフレクタの設計を可能にする。例示的な実施形態によると、下部n型エピはまた、製造を簡略化しデバイス密度を増加させるために連続的に保つことができる。さらに、例示的な実施形態による透明なボンディングインタフェースを用いて、R、G、BマイクロLEDを互いの上に積層し、表示解像度を損なわずにフルカラー表示を実現することができる。
【0013】
例示的な実施形態によるデバイスは、p側を上部、n側を下部としてIC上に集積されたマイクロLEDアレイを特徴とする。各マイクロLEDのpコンタクトは、ICウェハ内のピクセルドライバ回路と別々に接続される。マイクロLEDアレイ全体のnコンタクトは連続的であり共通カソードに接続されている。マイクロLEDとICウェハは、誘電体中間体を介して結合されている。この製造には、ボンディングアライメントを必要としない二重転写ウェハボンディング技術を伴う。まず、成長したままのLEDエピタキシャルウェハは、誘電体ボンディングを介してハンドルウェハに結合される。エピ基板を除去した後、ITOまたは金属または組み合わせなどの導電性オームコンタクト層が、エピのn側上に堆積される。第2の誘電体ウェハボンディングは、n側を下部、p側を上部にしたまま、ハンドルウェハ上のエピをICウェハに転写するために行われる。その後、マイクロLEDは、pおよび量子ドット層で分離し、nドープ層を連続させて共通カソードを形成させる。 その後、標準的な半導体プロセスを介して、pコンタクトとピクセルドライバ回路との間の相互接続が確立される。
【0014】
例示的な実施形態によるデバイスアーキテクチャを用いたピクセル充填率は、金属ボンディングの場合と同等であるが、製造上の課題は著しく低減されることができる。誘電体ボンディングは、有利には、ボンディングメタルに関する金属汚染の懸念及びいくつかのプロセス互換性の問題を排除する。
【0015】
本願の図中の構造は、縮尺どおりに描かれていないことに留意されたい。各構成要素の形状、配置、相対位置、サイズは、様々な例示的な実施形態による実際の適用に依存して変化し得る。
【0016】
図1は、例示的な実施形態による、CMOSバックプレーン104上に集積されたマイクロLEDアレイ102を有するアクティブマトリクス型マイクロLEDマイクロディスプレイのアーキテクチャ100の側面図を示す断面模式図を示す。
【0017】
CMOSバックプレーン104へのボンディング後に形成された離散的な開口部位、例えば108を有する連続した共通電極層106は、上部コンタクト例えば110とCMOSバックプレーン104内のドライバ回路との間の相互接続を通過させるために提供される。共通電極層106は、nドープエピタキシャル層、n型エピとオーム接触を形成する導電性材料、及び光反射のための非導電性DBR構造を備えることができる。非エピの導電性材料は、Al、Ag、Cu、Au、ITO、またはこれらの組み合わせであることができる。この共通電極層106は、マイクロLEDアレイ102の光取り出しを増加させるために、平坦であるか、または微細構造でパターン化されることができる。共通電極層106は、好ましくは、電流拡散を助けるために低シート抵抗を有する。共通電極層106は、発光波長において透明または高反射であることができる。
【0018】
各マイクロLED、例えば112において、当業者によって理解されるように、発光層(例えば量子井戸)およびドープ層を有するエピタキシャル材料114が提供される。
【0019】
例示的な実施形態によると、透明誘電体充填物115、例えばSiO2、スピンオンガラス、BCB、SU8などが提供される。
【0020】
上部のpドープエピタキシャル(エピ)、例えば116とCMOSバックプレーン104内のピクセルドライバとの間の電気的相互接続は、マイクロLED、例えば112の上部のpドープエピ、例えば116とのオーム接触、垂直/水平相互接続、例えば118、120、パッシベーション(図示せず)、接着層(図示せず)などを含む。導電部は、複数の導電性材料、例えば金属または透明導電性材料から構成されることができる。以下により詳細に説明されるように、異なる例示的な実施形態に従って様々な構成が利用可能である。
【0021】
CMOSバックプレーン104内のドライバ回路上には電気パッド、例えば122が提供されており、通常にはAlで作製される。例示的な実施形態によると、共通電極層106が透明である場合、電気パッド、例えば122は下部リフレクタとして機能することができる。
【0022】
金属パッド/ライン/ネット、例えば124は、共通電極層106の導電部と直接接触され、マイクロLEDアレイ102(またはチップ)上の電流拡散を助けるために提供されることができる。金属パッド/ライン/ネット、例えば124は、マイクロLED間およびマイクロLEDアレイ102の外側にパターン化されることができる。
【0023】
タングステンプラグ、例えば128は、CMOSバックプレーン104内の個々のピクセルドライバと接続するために提供される。
【0024】
連続的な透明なボンディング誘電体130、例えばSiO2、SiN、BCBなどは、CMOSバックプレーン104内のドライバ回路上の電気パッド、例えば122と、共通電極層106との間に配置される。
【0025】
共通電極パッド132は、表示領域の外側に提供されている。マイクロレンズ、例えば134は、それぞれのマイクロLED、例えば112の上方に提供されることができる。
【0026】
図2は、例示的な実施形態による、CMOSバックプレーン204上に集積されたマイクロLEDアレイ202を有するアクティブマトリクス型マイクロLEDマイクロディスプレイアーキテクチャ200の平面図を示す模式図を示す。
【0027】
アーキテクチャ200をより明確に示すために、マイクロレンズ、電流拡散のための連続した共通電極層上の金属パッド/ライン/ネット、および例示的な実施形態による図1を参照して上述した透明誘電体充填物は、図2に明示的に示されていない。
【0028】
電気的相互接続、例えば206は、マイクロLED、例えば208の上部コンタクトとCMOSバックプレーン204内のIC回路との間に提供される。上部-下部の相互接続のために、共通電極層212に離散した開口部位、例えば210が形成される。電力供給および制御信号用の金属パッド例えば214、216は、表示領域の外側に提供される。
【0029】
図3Aは、例示的な実施形態による、個々のp-IC接続、マイクロLEDアレイ300(又はチップ)の構成を示す断面模式図を示す。タングステンプラグ、例えば301は、CMOSバックプレーン305上のIC上部金属パッド、例えば303への垂直相互接続を確立するために使用される。
【0030】
金属または透明導電性酸化物(例えばAl、ITO、タングステン)またはそれらの組み合わせを含むコンタクト、例えば302は、マイクロLED、例えば306の上部のpドープエピ、例えば304とのオーム接触およびタングステンプラグ、例えば301への横方向の電気的接続を形成する。
【0031】
図3Bは、例示的な実施形態による、個々のp-IC接続、マイクロLEDアレイ350(又はチップ)の構成を示す断面模式図を示し、側壁パッシベーション352および導電性材料、例えば354のパターニングを含む。
【0032】
導電性材料、例えば354は、金属または透明導電性酸化物(例えばAl、ITO)またはそれらの組み合わせを備えることができ、マイクロLED、例えば358の上部のpドープエピ、例えば356とのオーム接触およびCMOSバックプレーン362上のIC上部金属パッド例えば360との電気的接続を形成する。側壁パッシベーション、例えば352は、例えば、SiO2、SiNを備える。
【0033】
ここで、例示的な実施形態による共通電極層の可能な構造が、例示のために図3Aに示すような構成を用いて説明される。
【0034】
図4Aは、電流拡散を改善するための連続したn型エピ404上の金属パッド/ライン/ネット402の使用を含む、例示的な実施形態による共通電極層400の構造の側面図を示す断面模式図を示す。
【0035】
より具体的には、例示的な実施形態における共通電極層400は、n型エピ404の部分と、以下でより詳細に説明される下部コンタクトおよび反射層408を備える。共通電極層400と電気的に接触する金属パッド/ライン/ネット402は、電流拡散を助けるために提供される。金属パッド/ライン/ネット402と共通電極層400の連続したn型エピ404との間のオーム接触が高効率のために好ましい。当業者には理解されるように、例えば量子井戸構造を用いた発光層、例えば406、およびマイクロLEDのためのp型上部エピ、例えば409が提供される。
【0036】
図4Bは、電流拡散を改善するために共通電極層400(図4A)の部分を形成する連続するn型エピ404上の金属パッド/ライン/ネット402の使用を含む、図4Aの例示的な実施形態に対するトップダウンを示す模式図を示す。
【0037】
模式図が例示的な目的であることに改めて留意されたい。各構成要素の形状、配置、相対位置、サイズは、異なる例示的な実施形態において変わり得る。上部金属パッド、例えば410、および、上部金属パッド、例えば410の下のタングステンプラグ、例えば412は、CMOSバックプレーン414内のドライバ回路への相互接続のために使用される。また、透明誘電体充填物415(図4A)を通して視認可能なものは、マイクロLED、例えば418の上部p-エピ、例えば416である。表示領域の外側の共通電極金属パッド422は、この例示的な実施形態において提供される。
【0038】
図5は、例示的な実施形態によるマイクロLEDの共通電極層の下部コンタクト/リフレクタの構造および材料の変化を、説明のために図3Aに示すような構成を用いて示す断面模式図を示す。
【0039】
具体的には、図5の(i)は、例示的な実施形態による共通電極層の下部コンタクト/リフレクタのための全体構造および構成を示し、共通電極層500は、n型エピ502および下部コンタクト/リフレクタ層504を備える。
【0040】
例示的な実施形態による共通電極層500の下部コンタクト/リフレクタ層504の構成のバリエーションは以下を含む。
【0041】
図5の(ii):共通電極層510の部分として、下部コンタクトまたはリフレクタが提供されていない。代わりに、バックプレーン512内のICからの電気パッド511、例えば金属が、下部リフレクタとして機能する。エピ510と電気パッド511との間の分離は、光反射、したがって発光効率を最大化するように最適化されることができる。
【0042】
図5の(iii):共通電極522の部分として導電性下部コンタクトおよびリフレクタ520が提供される。導電性下部コンタクトおよびリフレクタ520は、金属または金属および透明導電性酸化物を備えることができる。導電性下部コンタクトおよびリフレクタ520は、好ましくは、共通電極522のn型エピ524とオーム接触を形成し、電流拡散を助ける。
【0043】
図5の(iv):共通電極層532の部分として非導電性リフレクタ530、例えばDBR、またはDBRおよび金属が提供され、高反射率を実現する。下部コンタクトは提供されない。非導電性リフレクタ530は、n型エピ534と電気的接続を形成しない。電流拡散は、例示的な実施形態において、n型エピ534と、n型エピ534上の金属パッド/ライン/ネット、例えば536とを通じて実現される。
【0044】
例示的な実施形態による共通電極層の下部コンタクト/リフレクタの構造的なバリエーションは以下を含む。
【0045】
図5の(v):例示的な実施形態では共通電極層542の部分としてランダムに配置されることができる微細構造化層540が、マイクロLED544の光取り出しを高めるための粗い界面として機能する。微細構造化層540における微細構造はまた、例示的な実施形態においてフォトニック結晶を形成するために周期的であることができ、それは共通電極層542内の横方向の光伝搬を低減するために、または表示面546に垂直な方向の光伝搬/放出を高めるために使用されることができる。微細構造の構造的特徴は、好ましくは、マイクロLED、例えば544より小さい。
【0046】
例示的な実施形態によるマイクロLEDのための共通電極層における光絶縁トレンチ、説明のために図3Aに示されるような構成を使用する。
【0047】
当業者には理解されるように、連続するnドープエピにおける光導波路効果は、隣接するピクセル/マイクロLEDの間で光クロストークを生じさせる可能性がある。例示的な実施形態による共通電極層の電気的な導通性を遮断することなく、各ピクセル/マイクロLEDを光学的に分離するいくつかの方法がある。
【0048】
図6Aは、例示的な実施形態による、ピクセル間光クロストークを生じさせ得るn型エピ602内の導波効果を防ぐためのエッチングされた光絶縁トレンチ(複数可)、例えば600を示す模式図を示す。図6Aの(i)は側断面図を示し、図6Aの(ii)は上面図を示す。トレンチ600は、下部の導電層604を連続にしたままn型エピ602だけをエッチングする。したがって、この構成は、図5の(iii)のように導電性下部コンタクト/リフレクタ層とともに使用することが好ましい。
【0049】
n-エピ602上の上部金属もまた、電流拡散のためにそのような例示的な実施形態で実現されることができるが、図6Aに明示的に示されていないことに留意されたい。絶縁トレンチ600の形状および配置は、異なる例示的な実施形態において変わることができる。
【0050】
図6Bは、ピクセルを光学的に分離するために個々のマイクロLED、例えば612の周囲にマイクロチャネル(複数可)、例えば610を作成することを示す模式図、具体的には図6Bの(i)の側断面図および図6Bの(ii)の上面図を示す。チャネル610は、共通電極層614の全体を通じてエッチングされるが、電気的な導通を遮断しないようにインターレースされている。一方、ピクセルLED間の光クロストークをさらに低減するために、過剰なタングステンプラグがマイクロチャネルを通して導入されることができる。
【0051】
n-エピ616上の上部金属もまた電流拡散のためにそのような例示的な実施形態において実現することができるが、図6Bでは明示的に示されていない。改めて、絶縁トレンチ610の形状および配置は、異なる例示的な実施形態において変わることができる。
【0052】
例示的な実施形態による製造工程
【0053】
図7Aは、例示的な実施形態による、エピをハンドルウェハに転写し、続いてn型エピの上に微細構造化およびコンタクト/リフレクタ形成を行う二重転写プロセスに関するステップを示す断面模式図を示す。
【0054】
図7Aの(i)に示されるように、n型エピ702、発光量子井戸エピ704、およびp型エピ706の形成に適したエピタキシャル基板700が使用される。p型エピ706上に平坦化された誘電体708が提供される。別個に、図7Aの(ii)に示すように、ハンドルウェハ710が提供され、また平坦化された誘電体712で覆われる。
【0055】
その後、エピタキシャル基板700(下向き)とハンドルウェハ710(上向き)との間において平坦化された誘電体708、712を用いた誘電体ボンディングが実行され、エピタキシャル基板700の除去が続き、図7Aの(iii)に示される構造713が結果として得られる。
【0056】
図7Aの(iv)に示されるように、化学またはドライエッチングを用いて微細構造をパターニングし、例示的な実施形態において、図7Aの(iv)に層714として示される、オーム接触、電流拡散層、および光リフレクタを上部に堆積させる。層714は、透明導電性酸化物、金属、DBRなどからなる群のうちの1または複数を含む複数の材料を備えることができる。
【0057】
図7Bは、例示的な実施形態による、二重転写プロセスに関する更なるステップ、具体的には、ここではマイクロLEDアレイのCMOSバックプレーンを提供する、ハンドルウェハ710からICウェハ716にエピを転写するための処理ステップを示す断面模式図を示す。
【0058】
図7Bの(i)に示されるように、構造体713b上に平坦化された誘電体720が提供される。別個に、図7Bの(ii)に示されるように、電気パッド、例えば722、およびディスプレイドライバ回路(垂直インターコネクト、例えば724のみ示される)および平坦化された誘電体726を有するICウェハ716が提供される。
【0059】
その後、ハンドルウェハ710(下向き)とICウェハ716(上向き)との間において平坦化された誘電体720、726を用いた誘電体ボンディングが実行され、ハンドルウェハ710の除去が続き、図7Bの(iii)に示される構造728が結果として得られる。
【0060】
図8は、例示的な実施形態による、図3Aに示されるような構成を製造するプロセスに関する更なるステップを示す断面模式図を示し、具体的には、マイクロLED、例えば800をパターニングし、ICウェハ716内のドライバピクセル回路に対する上部pコンタクトとの間の電気的接続を形成することである。
【0061】
ドライエッチングは、図8の(i)に示すように、マイクロLED、例えば800、共通電極層803を通るpコンタクト開口802をパターン化するために用いられる。光絶縁トレンチもまたドライエッチングを用いて形成されることができるが、図8の(i)には絶縁トレンチは明示されていない。
【0062】
次に、p型エピ706上にコンタクトパッド、例えば804が形成され、n型エピ702上に電流拡散パッド、例えば806が形成される。図8の(ii)に示されるように、透明誘電体充填物808としてのSiO2が堆積され、化学機械研磨、CMPで平坦化する。オーム接触パッド、例えば804は、代替的に二重転写プロセスの前に形成されることができることに留意されたい(図7Aの(i)を比較されたい)。
【0063】
その後、図8の(iii)に示されるように、水平および垂直相互接続を確立するためのタングステンプラグ、例えば810、および他の導電パターン、例えば812が形成される。
【0064】
図9は、例示的な実施形態による、図3Bに示されるような構成を製造するプロセスに関する、二重転写プロセス(図7Aおよび7Bと比較)後の更なるステップを示す断面模式図を示し、具体的には、マイクロLED、例えば900をパターニングし、ICウェハ710内のドライバピクセル回路に対して上部pコンタクトの間の電気的接続を形成することである。
【0065】
マイクロLED、例えば900、共通電極層904およびボンディング誘電体中間体906を通るpコンタクト開口、例えば902をパターン化するためにドライエッチングが使用され、IC電極パッド、例えば722を露出させる。
【0066】
次に、パッシベーション層908が堆積され、コンタクトウィンドウ、例えば910の開口が続く。導電層912をパターン化して、p型エピ706とICウェハ710内のドライバ回路との間の電気的接続を確立する。
【0067】
一実施形態において、光電子デバイスのための集積構造体が提供され、集積構造体は、光電子デバイスのためのドライバ回路を含む相補型金属酸化物半導体(CMOS)バックプレーンと、CMOSバックプレーン上の複数の光学素子であって、複数の光学素子はCMOSとは異なる材料系に基づく、複数の光学素子と、モノリシック集積のためにCMOSバックプレーンと複数の光学素子との間に提供されたボンディング誘電体と、各光学素子の第1のコンタクトと電気的に接触する連続した共通電極層とを備え、各光学素子の第2のコンタクトは、CMOSバックプレーン内のドライバ回路に別々に接続されている。
【0068】
ボンディング誘電体は、透明であり得る。
【0069】
共通電極層は、光学素子の下方に配置されたリフレクタとしてもまた機能し得る。リフレクタは、分布ブラッグ反射器(DBR)および/またはフォトニック結晶構造などの微細構造を備え得る。
【0070】
CMOSバックプレーン上の電極パッドの少なくとも部分をリフレクタとして機能し得る。
【0071】
また、第1のコンタクトは、光学素子の下部コンタクトを備え得、第2のコンタクトは、光学素子の上部コンタクトを備え得る。
【0072】
集積構造体は、共通電極層の電気的な導通を遮断することなく光学素子間の光絶縁を実現するために、光学素子間にパターン化され、共通電極層を通って少なくとも部分的に延びる光絶縁トレンチを備え得る。
【0073】
集積構造体は、電流拡散を高めるために、直接電気的に接触する共通電極層上にパターン化された金属パッド、ラインまたはネットを備え得る。
【0074】
集積構造体は、化学的機械平坦化ベースのコンタクト、タングステンプラグ、および金属パッドからなる群のうちの1または複数を含む電気的相互接続をさらに備え得る。
【0075】
集積構造体は、光コリメーションを助けるために光学素子用のそれぞれにマイクロレンズをさらに備え得る。
【0076】
図10は、一実施形態による、光電子デバイスのための集積構造体を製造する方法を示すフローチャート1000を示す。ステップ1102で、光学素子のための複数のエピタキシャル層がエピタキシャル成長基板上に形成され、エピタキシャル層は相補型金属酸化物半導体、CMOSとは異なる材料系に基づく。ステップ1004で、ハンドルウェハが提供される。ステップ1006で、光学素子のためのエピタキシャル層の順序がエピタキシャル成長基板上と比較してハンドルウェハ上で逆になるように、エピタキシャル成長基板とハンドルウェハとの間で第1の誘電体ボンディングが行われる。ステップ1008で、エピタキシャル成長基板が除去され、ハンドルウェハ上のエピタキシャル層の1つを露出させる。ステップ1010で、エピタキシャル層のうちの露出された1つが、光電子デバイス内の光学素子のそれぞれの第1のコンタクトのための共通電極層を提供するために処理される。ステップ1012で、光電子デバイスのためのドライバ回路を含むCMOS集積回路、IC、ウェハが提供される。ステップ1014で、光学素子のためのエピタキシャル層の順序がICウェハ上と比較してハンドルウェハ上で逆になるように、ハンドルウェハとICウェハとの間で第2の誘電体ボンディングが実行される。
【0077】
方法は、光学素子を形成するためにICウェハ上のエピタキシャル層をパターニングし、コンタクト開口を形成するためにICウェハ上のエピタキシャル層および共通電極層をパターニングする段階をさらに備え得る。方法は、ICウェハ上のエピタキシャル層をパターニングして、光絶縁トレンチを形成する段階をさらに備え得る。本方法は、各光学素子の第2のコンタクトとICウェハ内のドライバ回路との間に垂直相互接続を形成する段階をさらに備え得る。
【0078】
方法は、光学素子を形成するためにICウェハ上の複数のエピタキシャル層をパターニングし、コンタクト開口を形成するために、エピタキシャル層、共通電極層、および光学素子とICウェハとの間の誘電体ボンディング層をパターニングする段階をさらに備え得る。方法は、エピタキシャル層上にコンタクト窓開口を有するパッシベーション層を形成し、各光学素子の第2のコンタクトとICウェハ内のドライバ回路との間に垂直相互接続を形成するために、パッシベーション層上に導電層をパターニングする段階をさらに備え得る。
【0079】
本方法は、分布ブラッグ反射器(DBR)および/またはフォトニック結晶構造などのリフレクタを共通電極層上に微細構造化することをさらに備え得る。
例示的な実施形態の産業上の応用
【0080】
例示的な実施形態によるアクティブマトリクス型マイクロLEDマイクロディスプレイは、拡張現実(AR)/複合現実(MR)およびヘッドアップディスプレイ(HUD)に適用でき、またビデオプロジェクタ、3D印刷、マスクレスリソグラフィー用途にも使用できる。
【0081】
システムおよび方法の例示された実施形態の上記の説明は、包括的であること、またはシステムおよび方法を開示された正確な形態に限定することは意図されない。システム構成要素および方法の特定の実施形態およびそのための例は、例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、システム、構成要素および方法の範囲内で、様々な均等な変形が可能である。本明細書で提供されるシステムおよび方法の教示は、上述したシステムおよび方法に対してのみならず、他の処理システムおよび方法にも適用されることができる。
【0082】
例えば、提案されたデバイスアーキテクチャおよび製造アプローチは、異なる例示的な実施形態によると、CMOSウェハ上の光電子デバイスと高密度に配置された複数のドライバ回路とのハイブリッド集積を要求する任意の他の半導体装置に対して実施されることができる。発光デバイスに加えて、提案された技術は、異なる例示的な実施形態によると、フォーカルプレーンアレイなどの光検出システムにもまた実施されることができる。
【0083】
さらなる実施形態を提供するために、上述した様々な実施形態の要素および作用が組み合わされることができる。これらおよび他の変更は、上記の詳細な説明に鑑みて、システムおよび方法に対して行うことができる。
【0084】
一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、システムおよび方法を本明細書および請求項に開示される特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、特許請求の範囲下で動作する全ての処理システムを含むように解釈されるべきである。したがって、システムおよび方法は、開示によって限定されるものではなく、その代わりに、システムおよび方法の範囲は、特許請求の範囲によって完全に決定されるものである。
【0085】
文脈上明確に他のように要求されない限り、本説明および特許請求の範囲全体を通じて、「備え」、「含む」などの語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、すなわち、「含むがこれに限定されない」の意味で解釈されるものとする。また、単数または複数を用いる語は、それぞれ複数または単数を含む。さらに、「本明細書」、「以下」、「上」、「下」および同様の意味の語は、本願全体を指し、本願のいかなる特定の部分を指さない。
2つ以上の項目のリストを参照して「または」という語が使用される場合、その語は、以下のようなその語の解釈の全てをカバーする:リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目の全て、およびリスト内の項目の任意の組み合わせ。
参考文献
【0086】
Zhang他「半導体装置およびその製造方法」米国特許出願公開第2017/0069609(2017)
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10