(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】非オーバーラップセグメント化を有する二重接合発光ダイオード
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20241119BHJP
【FI】
H01L33/08
(21)【出願番号】P 2024526487
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 US2022049111
(87)【国際公開番号】W WO2023081454
(87)【国際公開日】2023-05-11
【審査請求日】2024-06-28
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル サイド,アリエン ヘルベン
(72)【発明者】
【氏名】プフェッファー,ニコラ ベッティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,エリック ウィリアム
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-218342(JP,A)
【文献】特開2002-335016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明システムであって、
平面において延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合発光ダイオードアレイを備え、
前記第1接合部は、複数の第1発光領域から第1光を放出するように構成されており、
前記第1発光領域は、第1境界によって分離されており、
前記第2接合部は、前記第1光が前記第2接合部を通過するように前記第1接合部の上に配置されており、
前記第2接合部は、複数の第2発光領域から第2光を放出するように構成されており、
前記第2発光領域は、前記第1境界と1対1で対応する第2境界によって分離されており、
前記第2境界は、対応する前記第1境界から前記平面内でオフセットされている、
照明システム。
【請求項2】
前記複数の第2発光領域は、前記複数の第1発光領域と1対1で対応し、
前記第1発光領域の各々は、対応する第2発光領域の少なくとも一部を通過する第1光を放出するように構成されている、
請求項1記載の照明システム。
【請求項3】
前記第1発光領域の各々は、前記対応する第2発光領域の少なくとも一部を通過し、前記対応する第2発光領域に隣り合う第2境界を通過する第1光を放出するように構成されている、
請求項2記載の照明システム。
【請求項4】
印加電流は前記第1発光領域及び前記対応する第2発光領域に同時に光を生成させるように、前記第1発光領域の各々は、前記対応する第2発光領域に電気的に直列に接続されいる、
請求項2記載の照明システム。
【請求項5】
前記第1発光領域の各々は、前記複数の第1発光領域のうちの他の第1発光領域とは独立して電気的に給電可能であり、
前記第2発光領域の各々は、前記複数の第2発光領域のうちの他の第2発光領域とは独立して電気的に給電可能である、
請求項4記載の照明システム。
【請求項6】
前記第1境界は、前記第2境界に平行である、
請求項1記載の照明システム。
【請求項7】
前記複数の第1発光領域は、直交する第1次元及び第2次元に沿って第1直線状アレイに配置されており、
前記第1境界の各々は、前記第1次元及び前記第2次元のうちの1つに沿って延在する細長い領域として配置されており、
前記複数の第2発光領域は、前記第1次元及び前記第2次元に沿って第2直線状アレイに配置されており、
前記第2境界の各々は、前記第1次元及び前記第2次元のうちの1つに沿って延在する細長い領域として配置されている、
請求項1記載の照明システム。
【請求項8】
少なくとも1つの前記第1境界は、前記第1直線状アレイの全範囲に沿って途切れないラインにおいて延在している、
請求項7記載の照明システム。
【請求項9】
少なくとも1つの前記第1境界は、不連続部を含んでいる、
請求項7記載の照明システム。
【請求項10】
少なくとも1つの前記第1境界は、複数の平行なセグメントを含んでいる、
請求項9記載の照明システム。
【請求項11】
少なくとも1つの前記第2境界は、前記第2直線状アレイの全範囲に沿って途切れないラインにおいて延在している、
請求項7記載の照明システム。
【請求項12】
少なくとも1つの前記第2境界は、不連続部を含んでいる、
請求項7記載の照明システム。
【請求項13】
少なくとも1つの前記第2境界は、複数の平行なセグメントを含んでいる、
請求項12記載の照明システム。
【請求項14】
シーン内の物体までの距離に応じて、前記第1発光領域のうちの少なくとも1つ及び前記第2発光領域のうちの少なくとも一部に選択的に電力供給するように構成されたコントローラと、
前記第1光及び前記第2光を照明として前記シーンに向けて方向づけるように構成されたレンズと、
前記シーンから反射された照明を収集して前記シーンの画像を形成するように構成されたカメラと、
をさらに備える請求項1記載の照明システム。
【請求項15】
カメラ用フラッシュであって、
前記二重接合発光ダイオードアレイ及び前記レンズを含む、フラッシュと、
前記フラッシュ、前記カメラ及び前記コントローラを含むハウジングと、
を備える請求項14記載の照明システム。
【請求項16】
照明を提供する方法であって、
平面において延在し、第1境界によって分離される複数の第1発光領域から、二重接合発光ダイオードアレイの第1接合部からの第1光を放出するステップと、
前記第1光が、前記二重接合発光ダイオードアレイの第2接合部を通過するステップと、
前記複数の第1発光領域に1対1で対応する複数の第2発光領域から、前記第2接合部からの第2光を放出するステップであって、前記複数の第2発光領域は、前記平面において前記第1境界からオフセットされた第2境界によって分離される、ステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記第1発光領域及び前記対応する第2発光領域が印加電流に応答して同時に光を生成するように構成されるように、前記第1発光領域の各々は、対応する第2発光領域に電気的に直列に接続されている、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第1発光領域の各々は、前記複数の第1発光領域のうちの他の第1発光領域とは独立して電気的に給電可能であり、
前記第2発光領域の各々は、前記複数の第2発光領域のうちの他の第2発光領域とは独立して電気的に給電可能である、
請求項16記載の方法。
【請求項19】
第1境界は第2境界に平行である。
請求項16記載の方法。
【請求項20】
照明システムであって:
平面において延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合発光ダイオードアレイであって、
前記第1接合部は、複数の第1発光領域から第1光を放出するように構成されており、
前記第1発光領域は、第1境界によって分離されており、
前記第2接合部は、前記第1光が前記第2接合部を通過するように前記第1接合部の上に配置されており、
前記第2接合部は、複数の第2発光領域から第2光を放出するように構成されており、
前記複数の第2発光領域は、前記複数の第1発光領域と1対1で対応し、
前記第1発光領域の各々は、対応する第2発光領域の少なくとも一部を通過する第1光を放出するように構成されており、
前記第1発光領域が前記第1光を生成し、前記対応する第2発光領域が印加電流に応答して同時に第2光を放出するように構成されるように、前記第1発光領域の各々は、対応する第2発光領域に電気的に直列に接続されており、
前記第2発光領域は、前記第1境界と1対1で対応する第2境界によって分離されており、
前記第2境界は対応する前記第1境界から、前記平面内でオフセットされている、二重接合発光ダイオードアレイと、
前記第1光及び前記第2光を、照明としてシーンに向けて方向づけるように構成されたレンズと、
前記シーンから反射された照明を、収集して前記シーンの画像を形成するように構成されたカメラと、
を備える照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年11月8日に出願された米国仮出願第63/276,834号の利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[開示の分野]
本開示は、カメラなどの照明システムに関する。
【背景技術】
【0003】
カメラなどの照明システムを改良する努力が続けられている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、いくつかの実施例による照明システムの一例を示す側面図である。
【0005】
【
図2】
図2は、いくつかの実施例による、平面において延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合LEDアレイの一例を示す正面図である。
【0006】
【
図3】
図3は、いくつかの実施例による、平面において延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合LEDアレイの一例を示す正面図である。
【0007】
【
図4】
図4は、いくつかの実施例による、平面において延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合LEDアレイの一例を示す正面図である。
【0008】
【
図5】
図5は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、ミラー層が堆積されたものの一例を示す。
【0009】
【
図6】
図6は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、ハードマスクが堆積されたもの一例を示す図である。
【0010】
【
図7】
図7は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、ハードマスクがパターン化されエッチングされたものの一例を示す図である。
【0011】
【
図8】
図8は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、誘電体スペーサがビアの側壁に堆積されたものの一例を示す図である。
【0012】
【
図9】
図9は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、pビアがハードマスクにパターン化され、エッチングされたものの一例を示す図である。
【0013】
【
図10】
図10は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、pビア及び誘電体スペーサに金属が充填されたものの一例を示す図である。
【0014】
【
図11】
図11は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、ボンディング誘電体が堆積されパターン化されたものの一例を示す図である。
【0015】
【
図12】
図12は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、ボンドパッドが形成されたものの一例を示す図である。
【0016】
【
図13】
図13は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、
図12の構造が基板に接合されたものの一例を示す図である。
【0017】
【
図14】
図14は、いくつかの実施例による、二重接合LEDアレイであって、基板が除去された部分的に製造されたものの一例を示す図である。
【0018】
【
図15】
図15は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、n側セグメント化が実行されたものの一例を示す図である。
【0019】
【
図16】
図16は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイであって、エッチング部分がパッシベーションされたものの一例を示す図である。
【0020】
【
図17】
図17は、いくつかの実施例による、照明を提供する方法の一例のフローチャートを示す図である。
【0021】
対応する参照符号は、いくつかの図面の全体にわたって対応する部品を示す。図面中の要素は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。図面に示される構成は、実施例に過ぎず、いかなる方法でも制限するものとして解釈されてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施例において、照明システムは、平面において延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合発光ダイオード(LED)アレイを含むことができる。第1接合部は、第1境界によって分離された複数の第1発光領域から第1光を放出することができる。第2接合部は第1光が第2接合部を通過するように第1接合部の上に配置されることができる。第2接合部は複数の第2発光領域から第2光を放出することができる。第2発光領域は第1境界と1対1で対応する(correspond in a one-to-one correspondence)第2境界によって分離されることができる。第2境界は対応する第1境界から平面内でオフセットされることができる。オフセットは、第2境界が第1境界からオフセットされていない場合に存在し得る、組み合わされた第1光及び第2光における暗帯を低減又は除去するのに役立ち得る。
【0023】
図1は、いくつかの実施例による照明システム100の一例の側面図である。
【0024】
二重接合発光ダイオード(LED)アレイ106(以下、「LEDアレイ」と称する)は、平面内に延在する第1接合部及び第2接合部を含み得る。第1接合部は、複数の第1発光領域(以下、「LED」と称する)から第1光110を放出することができる。第1接合部は、第1境界(例えば光を放出しない領域)によって分離された複数の第1発光領域から第1光を放出することができる。第2接合部は第1光が第2接合部を通過するように第1接合部の上に配置されることができる。第2接合部は、複数の第2発光領域(「LED」とも称する)から、第2光112を放出することができる。第2発光領域は第1境界と1対1で対応する第2境界によって分離されることができる。第2境界は対応する第1境界から平面内でオフセットされることができる。レンズ114は、第1光110及び第2光112を照明116としてシーン104に向けて方向づけることができる。
図1の例では、シーン104は幸せな猫を含む。他の適切なシーンを使用することもできる。LEDアレイ106とその構造については、以下の
図2乃至
図13で詳細に説明する。
【0025】
カメラ102は、シーン104から反射され、及び/又はシーン104によって放出される反射光124を収集することができるカメラレンズ122を含むことができる。カメラレンズ122は反射光124をマルチピクセルセンサ126上に方向づけることができ、マルチピクセルセンサ126上にシーン104の画像を形成することができる。コントローラ128は、シーン104の画像を表すデータ信号を受信することができる。コントローラ128は、LEDアレイ106内のLED108を駆動することができる。例えば、コントローラは、シーンを所定の方法で照明するように、LEDアレイ106内の1つ以上のLED108を、LEDアレイ106内の別の1つ以上のLED108から独立して任意に制御することができる。例えば、シーン104内の比較的近いオブジェクトは第1量の照明を必要とすることがあり、シーン104内の比較的遠いオブジェクトは、シーン104の画像内で同じ明るさを有するために、第1量よりも大きい第2量の照明を必要とすることがある。他の構成も可能である。カメラ102及び照明システム100は、ハウジング130内に配置されることができる。いくつかの実施例では、ハウジング130は、スマートフォン又は他の適切なデバイスとして構成することができる。
【0026】
図2は、いくつかの実施例による、平面(例えば、
図2のページの平面内)に延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合LEDアレイ200の一例の正面図を示す。
図3は、いくつかの実施例による、平面(例えば、
図3のページの平面内)に延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合LEDアレイ300の一例の正面図を示す。
図4は、いくつかの実施例による、平面(例えば、
図4のページの平面内)に延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合LEDアレイ400の一例の正面図を示す。
図2乃至4の図では、第1接合部はページの平面に平行であり、第2接合部は第1接合部とビューアとの間に配置されている。
【0027】
第1接合部は、第1境界204によって分離された複数の第1発光領域202から第1光を放出することができる。第2接合部は第1光が第2接合部を通過するように第1接合部の上に配置されることができる。第2接合部は複数の第2発光領域206から第2光を放出することができる。第2発光領域206は第1境界204と1対1で対応する第2境界208によって分離されることができる。第2境界208は対応する第1境界204から平面内でオフセットされることができる。オフセットは、第2境界208が第1境界204からオフセットされていない場合に存在し得る、組み合わされた第1光及び第2光における暗帯(dark bands)を低減又は除去するのに役立ち得る。
【0028】
いくつかの実施例では、複数の第2発光領域206は複数の第1発光領域202と1対1で対応することができる。いくつかの実施例では、第1発光領域202の各々は、対応する第2発光領域206の少なくとも一部を通過し、任意で対応する第2発光領域206に隣り合う第2境界208を通過する、第1光を放出することができる。
【0029】
いくつかの実施例では、第1境界204は、第2境界208に平行であり得る。例えば、第1境界204は、第1方向に沿って延在する境界と、第1方向に直交する第2方向に沿って延在する境界とを含むことができる。第2境界208はまた、第1方向及び第2方向に沿って延在する境界を含むことができる。
【0030】
いくつかの実施例では、複数の第1発光領域202は、直交する第1次元及び第2次元に沿って第1直線状アレイ(first rectilinear array)に配置されることができる。いくつかの実施例では、第1境界204の各々は第1次元及び第2次元のうちの1つに沿って延在する細長い領域(elongated area)として配置されることができる。いくつかの実施例では、複数の第2発光領域206は、第1次元及び第2次元に沿って第2直線状アレイに配置されることができる。いくつかの実施例では、第2境界208の各々は、第1次元及び第2次元のうちの1つに沿って延在する細長い領域として配置されることができる。
【0031】
図2及び
図3の構成などのいくつかの実施例では、少なくとも1つの第1境界204は、第1直線状アレイの全範囲に沿って切れ目のないラインで(in an unbroken line)延在することができる。
【0032】
図4の構成などのいくつかの実施例では、少なくとも1つの第1境界204は、不連続部(a discontinuity)を含むことができる。例えば、第1境界204は、第1セグメントと、第1セグメントから横方向にオフセットされた(laterally offset)第2セグメントとを含むことができる。
図4の構成などのいくつかの実施例では、少なくとも1つの第1境界204は、平行な複数のセグメントを含むことができる。
【0033】
図2及び
図3の構成などのいくつかの実施例では、少なくとも1つの第2境界208は、第2直線状アレイの全範囲に沿って途切れないライン(unbroken line)で延在することができる。
【0034】
図4の構成などのいくつかの例では、少なくとも1つの第2境界208は、不連続を含むことができる。
図4の構成などのいくつかの例では、少なくとも1つの第2境界208は、平行である複数のセグメントを含むことができる。
【0035】
いくつかの実施例では、印加電流が第1発光領域202及び対応する第2発光領域206に同時に光を生成させるように、第1発光領域202の各々は対応する第2発光領域206に電気的に直列に接続されている。
【0036】
いくつかの実施例では、第1発光領域202の各々は、複数の第1発光領域202のうちの他の第1発光領域202とは独立して電気的に給電可能である。いくつかの実施例では、第1発光領域202のサブセットは、複数の第1発光領域202のうちの第1発光領域202の他のサブセットとは独立して電気的に給電可能である。いくつかの実施例では、第2発光領域206域の各々は、複数の第2発光領域206のうちの他の第2発光領域206とは独立して電気的に給電可能である。いくつかの実施例では、第2発光領域206域のサブセットは、複数の第2発光領域206のうちの第2発光領域206の他のサブセットとは独立して電気的に給電可能である。
【0037】
図5乃至
図16は、いくつかの実施例による、製造の様々な段階にある二重接合LEDアレイの一例を示す断面側面図である。
図5乃至
図16において、要素には、最初に現れるか又は変更される図では番号が付されているが、以降の図では明瞭にするために番号は付されていない。
【0038】
図5は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ500であって、金属ミラーや複合ミラーなどのミラー層が堆積されているものを示す。第1nドープ層502は、サファイア基板などの基板504上に堆積又は成長されている。第1pドープ層506は、第1nドープ層502上に堆積又は成長され、第1接合部508を形成している。第2nドープ層510は、第1pドープ層506上に堆積又は成長されている。第2pドープ層512は、第2nドープ層510上に堆積又は成長され、第2接合部514を形成している。第1nドープ層502及び第2nドープ層510は、同じnドープ材料から形成することも、異なるnドープ材料から形成することもできる。第1pドープ層506及び第2pドープ層512は、同じpドープ材料から形成することも、異なるpドープ材料から形成することもできる。
【0039】
図6は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ600であって、ハードマスク602が堆積されたもの一例を示す図である。ハードマスク602は、誘電体材料又は他の適切な材料を含むことができる。ハードマスク602は、第2pドープ層512上に堆積されている。
【0040】
図7は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ700であって、ハードマスクがパターン化されエッチングされたものの一例を示す図である。
図6のハードマスク602はパターン化及びエッチングされて、パターン化されたハードマスク702を形成する。エッチングは、第2pドープ層512を貫いて広がり(extends through)、パターン化された第2pドープ層704を形成する。エッチングは、第2nドープ層510を貫いて広がり、パターン化された第2nドープ層706を形成する。エッチングは、第1nドープ層502を貫いて広がり、パターン化された第1nドープ層708を形成する。エッチングされた部分はビア710を形成する。
【0041】
図8は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ800であって、誘電体スペーサがビアの側壁に堆積されたものの一例を示す図である。ハードマスク602を形成するために使用された誘電体材料などの誘電体材料は、ビアの側壁に堆積されており、誘電体スペーサ802を形成する。誘電体材料は、ビアの底部に堆積されないか、又は堆積された後に除去されることができる。
【0042】
図9は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ900であって、pビアがハードマスク内でパターン化及びエッチングされたものの一例を示す図である。
図6のハードマスク602は、パターン化及びエッチングされており、pビア902を形成する。
【0043】
図10は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ1000であって、pビア及び誘電体スペーサに金属が充填されたものの一例を示す図である。
図6のpビア902及び
図8の誘電体スペーサ802は、金属で充填されており、電気的接続部1002を形成する。かかる充填は、シード層の堆積、メッキ(a plate)、及び化学機械研磨を含むことができる。金属充填のいずれか又はすべては、蒸着/メッキ、スパッタリング、及び/又はビームエピタキシによって行うことができる。
【0044】
図11は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ1100であって、ボンディング誘電体が堆積されパターン化されたものの一例を示す図である。ボンディング誘電体1102がハードマスク602上に堆積され、電気的接続部1002から離れた位置にパターン化/エッチングされている。
【0045】
図12は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ1200であって、ボンドパッドが形成されたものの一例を示す図である。
図11のボンディング誘電体1102間の領域に金属が堆積されており、
図10の電気的接続部1002の表面積を拡大してボンドパッド1202を形成する。かかる堆積は、シード層の堆積、メッキ、及び化学機械研磨を含み得る。金属充填のいずれか又はすべては、蒸発/めっき、スパッタリング、及び/又はビームエピタキシによって行うことができる。
【0046】
図13は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ1300であって、
図12の構造が基板に接合されたものの一例を示す図である。
図13では、
図12の構造が反転されており、パターン化された基板1302にウェハ対ウェハで接合されている。接合部は、ハイブリッド接合を含むことができる。
【0047】
図14は、いくつかの実施例による、二重接合LEDアレイ1400であって、基板504が除去された部分的に製造されたものの一例を示す図である。サファイア基板などの
図5の基板504は、レーザーリフトオフなどによって除去されている。かかるリフトオフは、504などの成長基板のウエハレベルレーザーリフトオフであることができる。任意で、パターン粗面化を行うこともできる。
【0048】
図15は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ1500であって、n側セグメント化が実行されたものの一例を示す図である。セグメント化は、最終デバイスの発光領域間で生じる境界を定義することができる。セグメント化は、一方の接合部の境界が他方の接合部の境界からオフセットされるように、上述のようにパターン化することができる。
図5の第1nドープ層502をエッチングして、パターン化された第1nドープ層1502を形成することができる。
図5の第1pドープ層506をエッチングして、パターン化された第1pドープ層1504を形成することができる。これら両層のエッチング部分1506は、セグメント化パターンを形成することができる。
【0049】
図16は、いくつかの実施例による、部分的に製造された二重接合LEDアレイ1600であって、エッチング部分がパッシベーションされたものの一例を示す図である。
図15のエッチング部分1506は、誘電体材料1602で部分的に(側壁及び底部を含めて)充填されている。かかるパッシベーションは、1つの発光領域を他の発光領域から電気的に絶縁することができる。二重接合LEDアレイ1600は、完成したデバイスとして機能することができる。
【0050】
いくつかの実施例では、二重接合部は、任意に、蛍光体などの波長変換層によって覆われ得る。二重接合部は、可視スペクトルの青色又は紫色部分などの第1波長を有する第1光を生成することができる。波長変換層は、第1光の一部又は全部を吸収し、可視スペクトルの黄色部分など、第1波長よりも大きい第2波長を有する第2光を放出することができる。完全な光出力は、第2光、又は第1光と第2光の組み合わせであることができる。いくつかの実施例では、蛍光体と二重接合部の形状とは、指定されたピーク波長及び/又は指定された波長スペクトルを有する光を出力するように調整することができる。
【0051】
図17は、いくつかの実施例による、照明を提供する方法1700の実施例のフローチャートを示す図である。方法1700は、
図1の照明システム100によって、又は任意の適切な照明システムによって実行することができる。方法1700は、照明を提供するための方法の一例である。他の方法を使用することもできる。
【0052】
動作1702において、第1光110などの第1光は、LEDアレイ106、LEDアレイ200、LEDアレイ300、又はLEDアレイ400などの二重接合LEDアレイの第1接合部から、平面において延在する、第1境界204などの第1境界によって分離されている第1発光領域202などの複数の第1発光領域から放出され得る。
【0053】
動作1704において、第1光は二重接合LEDアレイの第2接合部を通過することができる。
【0054】
動作1706において、第2光112などの第2光は、複数の第1発光領域に1対1で対応する第2発光領域206などの複数の第2発光領域から第2接合部から放出されることができる。複数の第2発光領域は、第1境界から平面内でオフセットされた第2境界208などの第2境界によって分離されることができる。いくつかの実施例では、第1境界は、第2境界に平行であり得る。
【0055】
いくつかの実施例では、第1発光領域及び対応する第2発光領域が印加電流に応答して同時に光を生成することができるように、第1発光領域の各々は対応する第2発光領域に電気的に直列に接続されている。他の実施例では、各第1発光エリアと対応する第2発光エリアとは、独立して電気的に給電することができる。
【0056】
いくつかの実施例では、第1発光領域の各々は、複数の第1発光領域のうちの他の第1発光領域とは独立して電気的に給電可能である。いくつかの実施例では、第2発光領域の各々は、複数の第2発光領域のうちの他の第2発光領域とは独立して電気的に給電可能である。
【0057】
システム及び方法は、モバイルデバイス用の適応フラッシュ、自動車/産業アプリケーション用の操縦可能な照明(steerable illumination)、その他に適用できる。
【0058】
本明細書に開示されるシステム及び関連方法をさらに説明するために、実施例の非限定的なリストを以下に提供する。以下の非限定的な実施例の各々は、それ自体で自立することができ、又は他の実施例のいずれか1つ以上と任意の順列又は組み合わせで組み合わせることができる。
【0059】
実施例1において、照明システムは、平面において延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合発光ダイオード(LED)アレイを含むことができる。第1接合部は複数の第1発光領域から第1光を放出することができる。第1発光領域は第1境界によって分離されることができる。第2接合部は第1光が第2接合部を通過するように第1接合部の上に配置されることができる。第2接合部は複数の第2発光領域から第2光を放出するすることができる。第2発光領域は第1境界と1対1で対応する(correspond in a one-to-one correspondence)第2境界によって分離されることができる。第2境界は対応する第1境界から平面内でオフセットされることができる。
【0060】
実施例2において、実施例1の照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
複数の第2発光領域は複数の第1発光領域と1対1で対応し、第1発光領域の各々は対応する第2発光領域の少なくとも一部を通過する第1光を放出するように構成されている。
【0061】
実施例3において、実施例1又は2のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
第1発光領域の各々は、対応する第2発光領域の少なくとも一部を通過し、対応する第2発光領域に隣り合う第2境界を通過する第1光を放出するように構成される。
【0062】
実施例4において、実施例1乃至3のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
印加電流が第1発光領域及び対応する第2発光領域に同時に光を生成させるように、第1発光領域の各々は対応する第2発光領域に電気的に直列に接続されている。
【0063】
実施例5において、実施例1乃至4のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
第1発光領域の各々は、複数の第1発光領域のうちの他の第1発光領域とは独立して電気的に給電可能であり、第2発光領域の各々は、複数の第2発光領域のうちの他の第2発光領域とは独立して電気的に給電可能である。
【0064】
実施例6において、実施例1乃至5のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
第1境界は第2境界に平行である。
【0065】
実施例7において、実施例1乃至6のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
複数の第1発光領域は直交する第1次元及び第2次元に沿って第1直線状アレイに配置されており、第1境界の各々は第1次元及び第2次元のうちの1つに沿って延在する細長い領域として配置されており、複数の第2発光領域は第1次元及び第2次元に沿って第2直線状アレイに配置されており、第2境界の各々は第1次元及び第2次元のうちの1つに沿って延在する細長い領域として配置されている。
【0066】
実施例8において、実施例1乃至7のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
少なくとも1つの第1境界は第1直線状アレイの全範囲に沿って途切れないラインにおいて延在する。
【0067】
実施例9において、実施例1乃至8のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
少なくとも1つの第1境界は不連続部を含んでいる。
【0068】
実施例10において、実施例1乃至9のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
少なくとも1つの第1境界は複数の平行なセグメントを含んでいる。
【0069】
実施例11において、実施例1乃至10のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
少なくとも1つの第2境界は第2直線状アレイの全範囲に沿って途切れないラインにおいて延在している。
【0070】
実施例12において、実施例1乃至11のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
少なくとも1つの第2境界は不連続部を含んでいる。
【0071】
実施例13において、実施例1乃至12のいずれかの照明システムは、任意で次のように構成されることができ:
少なくとも1つの第2境界は複数の平行なセグメントを含んでいる。
【0072】
実施例14において、実施例1乃至13のいずれかの照明システムは、任意で:
シーン内の物体までの距離に応じて、第1発光領域のうちの少なくとも1つ及び第2発光領域のうちの少なくとも一部に選択的に電力供給するように構成されたコントローラと、第1光及び第2光を照明として前記シーンに向けて方向づけるように構成されたレンズと、シーンから反射された照明を収集してシーンの画像を形成するように構成されたカメラと、をさらに含むことができる。
【0073】
実施例15において、実施例1乃至14のいずれかの照明システムは、任意で:
カメラ用フラッシュであって、二重接合発光ダイオードアレイ及びレンズを含む、フラッシュと、フラッシュ、カメラ及びコントローラを含むハウジングと、をさらに含むことができる。
【0074】
実施例16において、照明を提供する方法は:
平面において延在し、第1境界によって分離された複数の第1発光領域から、二重接合発光ダイオード(LED)アレイの第1接合部から第1光を放出するステップと、第1光が前記二重接合発光ダイオードアレイの第2接合部を通過するステップと、複数の第1発光領域に1対1で対応する複数の第2発光領域から、第2接合部からの第2光を放出するステップであって、複数の第2発光領域は、平面において第1境界からオフセットされた第2境界によって分離される、ステップと、を含むことができる。
【0075】
実施例17において、実施例16の方法は、任意で次のように構成されることができ:
第1発光領域及び対応する第2発光領域が印加電流に応答して同時に光を生成するように構成されるように、第1発光領域の各々は対応する第2発光領域に電気的に直列に接続されている。
【0076】
実施例18において、実施例16又は17の方法は、任意で次のように構成されることができ:
第1発光領域の各々は、複数の第1発光領域のうちの他の第1発光領域とは独立して電気的に給電可能であり、第2発光領域の各々は、複数の第2発光領域のうちの他の第2発光領域とは独立して電気的に給電可能である。
【0077】
実施例19において、実施例16乃至18の方法は、任意で次のように構成されることができ:
第1境界は第2境界に平行である。
【0078】
実施例20において、照明システムは、平面において延在する第1接合部及び第2接合部を含む二重接合発光ダイオード(LED)アレイを含むことができる。第1接合部は複数の第1発光領域から第1光を放出することができる。第1発光領域は第1境界によって分離されることができる。第2接合部は第1光が第2接合部を通過するように第1接合部の上に配置されることができる。第2接合部は複数の第2発光領域から第2光を放出することができる。複数の第2発光領域は複数の第1発光領域と1対1で対応することができる。第1発光領域の各々は対応する第2発光領域の少なくとも一部を通過する第1光を放出することができる。印加電流に応答して、第1発光領域が第1光を生成し、対応する第2発光領域が同時に第2光を放出することができるように、第1発光領域の各々は対応する第2発光領域に電気的に直列に接続されることができる。第2発光領域は第1境界と1対1で対応する(correspond in a one-to-one correspondence)第2境界によって分離されることができる。第2境界は対応する第1境界から平面内でオフセットされることができる。照明システムはさらに、第1光及び第2光を照明としてシーンに向けて方向づけることができるレンズを含むことができる。照明システムはさらに、シーンから反射された照明を収集してシーンの画像を形成することができるカメラをさらに含むことができる。
【0079】
実施例21において、照明システムは、プロセッサと、プロセッサによって実行されるとプロセッサに動作を実行させる命令を含むメモリとを含むことができ、動作は:平面において延在し、第1境界によって分離される複数の第1発光領域から、二重接合発光ダイオード(LED)アレイの第1接合部からの第1光を放出するステップと;第1光が二重接合発光ダイオードアレイの第2接合部を通過するステップと;複数の第1発光領域に1対1で対応する複数の第2発光領域から、第2接合部からの第2光を放出するステップであって、複数の第2発光領域は、平面において第1境界からオフセットされた第2境界によって分離される、ステップと;を含むことができる。
【0080】
実施例22において、実施例21の照明システムは、実施例1乃至20のいずれかの制限を任意に含むことができる。
【0081】
本明細書ではシステム及び方法の特定の特徴のみが図示され説明されているが、当業者であれば多くの修正及び変更が生じるであろう。
したがって、添付の特許請求の範囲は、そのような修正や変更をすべて網羅することを意図していることを理解されたい。
方法の動作は、実質的に同時に、又は異なる順序で実行することができる。