(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/43 20240101AFI20241119BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20241119BHJP
【FI】
G06Q50/43
G06Q30/0645
(21)【出願番号】P 2020086202
(22)【出願日】2020-05-15
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】二見 徹
(72)【発明者】
【氏名】左向 貴代
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 千絵
(72)【発明者】
【氏名】田村 百奈美
(72)【発明者】
【氏名】直井 和美
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-152955(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179307(WO,A1)
【文献】特開2011-070302(JP,A)
【文献】特開平11-265410(JP,A)
【文献】特開2013-148982(JP,A)
【文献】特開2003-148982(JP,A)
【文献】特開2005-016443(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0247247(US,A1)
【文献】再公表特許第2018/179307(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者が利用中の車両である
複数の利用車両
それぞれの利用実績に基づいて
前記事業者が事業を実施するために車両に求められる利用条件を設定する条件設定部と、
前記事業者に利用させることが可能な利用候補車両のうち前記利用条件を満たす車両である
複数の利用候補車両を選択する車両選択部と、
前記利用車両
それぞれの環境負荷を示す指標
の総和である第1環境スコアと、前記利用候補車両
それぞれの環境負荷を示す指標
の総和である第2環境スコアと、を算出するスコア算出部と、
前記第1環境スコアと前記第2環境スコアとを通知する通知部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記利用条件は、前記利用車両の1ヶ月の平均走行距離を含む、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記利用条件は、前記利用車両の始動回数を含む、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記利用条件は、前記利用車両の給油又は充電のタイミングを含む、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
プロセッサが、
事業者が利用中の車両である
複数の利用車両
それぞれの利用実績に基づいて
前記事業者が事業を実施するために車両に求められる利用条件を設定するステップと、
前記事業者に利用させることが可能な利用候補車両のうち前記利用条件を満たす車両である
複数の利用候補車両を選択するステップと、
前記利用車両
それぞれの環境負荷を示す指標
の総和である第1環境スコアと、前記利用候補車両
それぞれの環境負荷を示す指標
の総和である第2環境スコアと、を算出するステップと、
前記第1環境スコアと前記第2環境スコアとを通知するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
事業者が利用中の車両である
複数の利用車両
それぞれの利用実績に基づいて
前記事業者が事業を実施するために車両に求められる利用条件を設定する機能と、
前記事業者に利用させることが可能な利用候補車両のうち前記利用条件を満たす車両である
複数の利用候補車両を選択する機能と、
前記利用車両
それぞれの環境負荷を示す指標
の総和である第1環境スコアと、前記利用候補車両
それぞれの環境負荷を示す指標
の総和である第2環境スコアと、を算出する機能と、
前記第1環境スコアと前記第2環境スコアとを通知する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関し、特に車両の割り当てを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーシェアリングやカーリース等、車両を所有するのではなく賃貸することによって利用することが行われている。特許文献1にはカーシェアリングのユーザによる車両の予約状況や車両を利用するユーザの車両利用実績に基づいて、車両の予約に空きがある日時に車両の利用を提案する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両の利用による環境負荷が注目され、化石燃料を消費する内燃機関を動力とする車両からモータを動力する車両への移行が進みつつある。上記の技術はユーザに利用される車両の利用特性に基づいて車両の利用を提案しているが、車両の利用が環境に与える影響を考慮して車両を利用することも求められている。
【0005】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、一例として、ユーザが環境負荷の低減に意識を向けるためのきっかけを提供する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、情報処理装置である。この装置は、事業者が利用中の車両である複数の利用車両それぞれの利用履歴を記憶する利用情報記憶部と、前記利用車両の環境負荷を示す環境負荷指標を、各利用候補車両に対応づけて記憶する車両情報記憶部と、前記利用車両の中から1又は複数の車両を選択する車両選択部と、前記車両選択部が選択した選択車両の環境負荷指標と、前記選択車両の利用履歴とに基づいて定まる環境スコアを算出するスコア算出部と、を備える。
【0007】
前記利用車両は、動力に関連する部品を換装した再生電気自動車を含んでもよく、前記車両選択部は、前記利用車両の中から前記再生電気自動車を前記選択車両として選択してもよい。
【0008】
前記スコア算出部は、前記選択車両それぞれの利用履歴に含まれる単位期間あたりの走行距離に、各選択車両に対応づけられた環境負荷指標を乗じて得られる値の総和を、前記環境スコアとして算出してもよい。
【0009】
前記車両情報記憶部は、内燃機関を動力とする車両の環境負荷指標をさらに記憶していてもよく、前記スコア算出部は、前記選択車両に替えて内燃機関を動力とする車両を走行させた場合の仮想環境スコアを算出するとともに、当該仮想環境スコアと前記環境スコアとの差分を環境貢献スコアとして算出してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記環境貢献スコアを前記事業者に通知する通知部をさらに備えてもよい。
【0011】
本発明の第2の態様は、情報処理方法である。この方法において、プロセッサが、事業者が利用中の車両である複数の利用車両それぞれの利用履歴を記憶する利用情報記憶部から前記利用履歴を読み出すステップと、前記利用車両の中から1又は複数の車両を選択するステップと、選択した選択車両の環境負荷を示す環境負荷指標と、前記選択車両の利用履歴とに基づいて定まる環境スコアを算出するステップと、を実行する。
【0012】
本発明の第3の態様は、プログラムである。このプログラムは、コンピュータに、事業者が利用中の車両である複数の利用車両それぞれの利用履歴を記憶する利用情報記憶部から前記利用履歴を読み出す機能と、前記利用車両の中から1又は複数の車両を選択する機能と、選択した選択車両の環境負荷を示す環境負荷指標と、前記選択車両の利用履歴とに基づいて定まる環境スコアを算出する機能と、を実現させる。
【0013】
このプログラムを提供するため、あるいはプログラムの一部をアップデートするために、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供されてもよく、また、このプログラムが通信回線で伝送されてもよい。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一例として、ユーザが環境負荷の低減に意識を向けるためのきっかけを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の概要を説明するための図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る情報処理装置の機能構成を模式的に示す図である。
【
図3】第1の実施の形態に係る車両情報記憶部のデータ構造を模式的に示す図である。
【
図4】第1の実施の形態に係る利用情報記憶部のデータ構造を模式的に示す図である。
【
図5】第1の実施の形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図6】第2の実施の形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施の形態>
[第1の実施の形態の概要]
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置1の概要を説明するための図である。情報処理装置1の管理者は、モータを動力とする電気自動車や、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン等の内燃機関を動力とする従来型の車両、モータと内燃機関とを動力とするハイブリッド車両を事業者Bに貸し出す事業を行っている。
【0018】
具体的には、情報処理装置1の管理者は、各車両のメンテンナンス、事業者との間のライセンスの管理、及び事業者の利用条件と各車両の環境負荷とを考慮して情報処理装置1の管理者が管理する複数の車両の中から事業者に貸し出す車両を最適化することを実施する。情報処理装置1は、主に事業者に貸し出す車両の最適化を担っている。なお、
図1には、第1事業者B1と第2事業者B2との2つの事業者Bが示されているが、情報処理装置1の管理者が契約している事業者Bの数は2つに限られず、1又は3以上であってもよい。また、第1事業者B1と第2事業者B2とを区別する場合を除いて、単に事業者Bと記載する。
【0019】
以下、
図1を参照しながら情報処理装置1が実行する処理の概要を(1)から(5)の順に説明するが、その数字は
図1における(1)から(5)に対応する。
【0020】
(1)事業者Bは、情報処理装置1の管理者から賃貸した車両を用いて、旅客輸送や貨物輸送等の事業を実施する。情報処理装置1の管理者から賃貸した各車両は、車両の始動及び停止、燃費又は電費、走行した路面の温度、走行時の外気の温度、走行した道路の勾配等を含む走行履歴を記憶する記憶部を備えている。事業者Bが事業のために車両を利用すると、各車両は走行履歴を記憶する。
【0021】
(2)事業者Bは、例えば情報処理装置1の管理者との間のライセンスによって定められた所定のタイミング(例えば、1月又は半年に1度等)で、情報処理装置1の管理者に、情報処理装置1の管理者から賃貸した車両又は車両の維持に求める条件を提示する。具体的には、事業者Bは、例えば、事業者Bが事業を継続するために車両に求める走行距離や台数、同時稼働数等の条件を情報処理装置1の管理者に提示する。特に、事業の拡大や縮小、運行経路の変更、車両を保管するスペースの増減、又は予算の変更等によって条件を変更する場合に、事業者Bは、車両に求める条件を情報処理装置1の管理者に提示する。これとは別に、事業者Bが賃貸している各車両に記憶されている走行履歴が情報処理装置1に提供される。
【0022】
(3)情報処理装置1は、各事業者Bに貸し出している車両と、事業者Bに貸し出していないが貸し出し可能な待機車両とを含む全ての車両の中から、事業者Bから取得した条件を満たす車両の組み合わせのうち、環境の負荷が小さくなる車両の組み合わせを算出する。詳細は後述するが、情報処理装置1は、各車両の維持及び保持に起因する環境負荷(以下、単に「車両の環境負荷」等と記載する。)を示す環境負荷指標を格納するデータベースにアクセスすることができ、事業者Bから取得した条件を満たす車両の各組み合わせについて環境負荷を示す環境スコアを算出する。情報処理装置1は、算出した各環境スコアを比較して、環境負荷が小さくなる組み合わせを算出する。
【0023】
(4)情報処理装置1の管理者は、情報処理装置1が新たに算出した車両の組み合わせとなるように、各事業者Bに貸し出す車両を入れ替える。
(5)情報処理装置1は、各事業者Bに、車両を入れ替える前の環境スコアと、車両を入れ替えた後の環境スコアとを通知する。
【0024】
このように、第1の実施の形態に係る情報処理装置1は、車両が環境に与える影響に基づいてユーザである各事業者Bが利用する車両を選択する。各事業者Bは、車両を用いて事業を実施する際に、車両の環境負荷を低減することができる。情報処理装置1は、車両の利用及び維持の状況に合わせて定期的に環境スコアを算出することにより、車両の状況に合わせて車両を入れ替えることができる。
【0025】
[実施の形態に係る情報処理装置1の機能構成]
図2は、第1の実施の形態に係る情報処理装置1の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置1は、記憶部2と制御部3とを備える。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示していないデータの流れがあってもよい。
図2において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0026】
記憶部2は、情報処理装置1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される車両情報記憶部20及び利用情報記憶部21等の種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0027】
制御部3は、情報処理装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部2に記憶されたプログラムを実行することによって条件設定部30、車両選択部31、スコア算出部32、車両算出部33、通知部34、及び指標修正部35として機能する。
【0028】
なお、
図2は、情報処理装置1が単一の装置で構成されている場合の例を示している。しかしながら、情報処理装置1は、例えばクラウドコンピューティングシステムのように複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現されてもよい。この場合、制御部3を構成する各部は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
【0029】
条件設定部30は、事業者が利用中の車両である複数の利用車両に求められる走行条件を含む利用条件を設定する。具体的には、条件設定部30は、事業者Bから事業者Bが事業を実施するために必要な車両の走行条件(例えば、走行距離の合計、同時稼働数、最大走行距離等)と、事業者Bが管理可能な車両の最大数、支払額の上限等の走行条件以外の条件とを取得し、利用条件として設定する。
【0030】
車両選択部31は、車両情報記憶部20を参照して、事業者Bに利用させることが可能な利用候補車両のうち利用条件を満たす車両の組み合わせを選択する。利用候補車両は、利用候補車両は各事業者Bが利用中の車両と、どの事業者にも利用されていない待機車両とが含まれる。また、新たに導入予定の新規車両が存在する場合、新規車両も利用候補車両に含まれる。利用条件を満たす車両の組み合わせが複数通り存在数場合、車両選択部31は、全ての車両の組み合わせを選択する。
【0031】
図3は、第1の実施の形態に係る車両情報記憶部20のデータ構造を模式的に示す図である。車両情報記憶部20は記憶部2に格納されており、車両選択部31によって管理されている。車両情報記憶部20は、事業者Bに利用させることが可能な利用候補車両それぞれの環境負荷を示す環境負荷指標を、各利用候補車両に対応づけて記憶している。
【0032】
図3に示すように、各利用候補車両には車両識別子が一意に割り当てられている。車両情報記憶部20は、各利用候補車両それぞれの種別、燃費又は電費、最大継続走行距離、車両サイズ、単位期間あたりの利用料金、及び車両の環境負荷指標等のデータを、各車両識別子に対応づけて管理している。例えば、車両識別子がCID0001の車両はガソリンエンジンを動力とする車両であり、燃費はa[km/l]である。また、ガソリンを燃料タンクにフル充填した場合の最大継続走行距離はp[km]であり、車両サイズは幅がW1、長さがL1、車高がH1である。1月あたりの利用料金はs円であり、1[km]走行した場合の環境負荷指標はαである。
【0033】
スコア算出部32は、車両選択部31が選択した車両の組み合わせを構成する車両それぞれの環境負荷指標から定まる環境スコアを算出する。スコア算出部32による環境スコアの算出の詳細は後述する。
【0034】
車両算出部33は、スコア算出部32が算出した環境スコアが小さい車両の組み合わせを、新たな利用車両の組み合わせとして算出する。これにより、情報処理装置1は、各事業者Bについて設定した利用条件を満たし、かつ車両の環境負荷が小さくなる車両の組み合わせを事業者Bに貸し出すことができる。
【0035】
(車両の選択)
続いて、車両選択部31による車両の組み合わせの選択処理について説明する。
【0036】
まず、車両選択部31は、利用候補車両の中から、事業者Bが事業を実施するために必要な走行条件、より具体的には、事業者Bが事業を実施するために車両が走行すべき走行距離の合計、同時に稼働する必要がある車両の最大数を示す同時稼働数、及び、車両の最大継続走行距離を含む条件を満たす車両の組み合わせを選択する。例えば、事業者Bがタクシー業を営む場合と、貨物輸送を営む場合とを比較すると、同時稼働数は多くなるが、最大継続走行距離は短くなる。このように、車両選択部31は、まず各事業者Bの業務形態に合わせて車両の組み合わせを選択する。
【0037】
図1を参照して上述したように、利用候補車両は、異なる事業者Bが利用中の他者利用車両を含んでいる。
図1に示す例では、第1事業者B1が利用中の利用車両と、第2事業者B2が利用中の利用車両とがともに、利用候補車両に含まれる。すなわち、第1事業者B1が利用中の利用車両が、第2事業者B2に新たに利用させる車両として選択されることもあり、またその逆もあり得る。そのため、条件設定部30は、他者利用車両に求められる走行条件を含む他者利用条件も設定する。
【0038】
車両選択部31は、利用条件と他者利用条件とのそれぞれを満たす車両の組み合わせを選択する。すなわち、車両選択部31は、複数の事業者Bそれぞれの利用条件を同時に満たすような車両の組み合わせを選択する。スコア算出部32は、各組み合わせを構成する車両の環境負荷指標から定まる環境スコアを算出する。
【0039】
これにより、車両算出部33は、複数の事業者Bの利用条件を満たすように広域的な観点で環境負荷が小さくなるような車両の組み合わせを算出することができる。
【0040】
条件設定部30が設定する利用条件には、事業者Bが定めた単位期間あたりの利用料金の上限が含まれてもよい。この場合、車両選択部31は、選択した車両の組み合わせそれぞれについて、単位期間あたりの利用料金の合計を算出する。車両選択部31は、選択した車両の組み合わせのうち、算出した利用料金が上限以下となる車両の組み合わせを選択する。これにより、車両選択部31は、事業者Bの予算に沿った車両を選択できるので、環境負荷と利用料金とのバランスを取ることができる。
【0041】
さらに、条件設定部30が設定する利用条件には、事業者Bが定めた利用車両の数の上限が含まれてもよい。この場合、車両選択部31は、選択した車両の組み合わせの中で、事業者Bが保管可能な車両の組み合わせを選択する。これにより、車両選択部31は、事業者Bが保管可能な範囲の中で、車両の組み合わせを選択することができる。
【0042】
(環境スコアの算出)
続いて、スコア算出部32による環境スコアの算出について説明する。
【0043】
上述したように、車両情報記憶部20において各車両識別子に対応づけられている環境負荷指標は、車両識別子で特定される車両の環境負荷を示す指標であり、その値が小さいほど環境に与える影響が小さいことを示している。一般に、内燃機関(例えば、ガソリンエンジン、ジェットエンジン、ディーゼルエンジン等)を動力とする移動体よりも、モータを動力とする移動体の方が、環境に与える影響が小さいと言われている。移動体が車の場合であれば、例えば、電気自動車の環境負荷指標は、ガソリン車やディーゼル車よりも小さい。また、同じ電気自動車であっても、新車の電気自動車よりも、動力に関連する部品(例えば、バッテリーやモータジェネレータ)を換装した再生電気自動車の環境負荷指標の方が小さい。これは車に限らず、電車、モノレール、飛行体、船等の他の移動体でも同様である。
【0044】
図3に示すように、車両情報記憶部20において各車両識別子に対応づけられている環境負荷指標は、車両識別子で特定される車両が1[km]走行した場合の環境負荷を示している。そこで、スコア算出部32は、車両選択部31が選択した車両の組み合わせを構成する車両(以下、「選択車両」と記載することがある。)それぞれが、事業者B毎に設定された走行条件を満たすために走行すべき走行距離に、各選択車両に対応づけられた環境負荷指標を乗じて得られる値の総和を、環境スコアとして算出する。
【0045】
具体例として、例えば、ある事業者Bについて車両選択部31が選択した選択車両が、車両V1、車両V2、及び車両V3の3台であり、それぞれの環境負荷指標がα、β、及びγであるとする。また、事業者Bが事業を実施するために車両V1、車両V2、及び車両V3それぞれが走行すべき距離が、それぞれL1[km]、L2[km]、及びL3[km]であるとする。このとき、スコア算出部32は、環境スコアSをS=αL1+βL2+γL3として算出する。
【0046】
このように、スコア算出部32が算出する環境スコアは、各車両の走行距離が短いほど、かつ各車両の環境負荷指標が小さいほど小さくなる。結果として、スコア算出部32が算出する環境スコアが小さいほど、事業者Bが事業を実施するために車両を利用する際の環境負荷が小さくなる。通知部34は、環境スコアが小さくなる車両の組み合わせを新たな利用車両とすることで、事業者Bが事業を実施するために車両を利用する際の環境負荷を小さくすることができる。
【0047】
なお、スコア算出部32は、スコア算出部32が算出する環境スコアが大きいほど、事業者Bが事業を実施するために車両を利用する際の環境負荷が小さくなるように環境スコアを算出してもよい。これを実現するための一例として、スコア算出部32は、上述した環境スコアの逆数(すなわち、1/S)を、環境スコアとして算出すればよい。
【0048】
通知部34は、事業者Bが利用中の利用車両の環境スコアと、車両算出部が新たに算出した利用車両の環境スコアとを、事業者Bに通知する。これにより、事業者Bは、事業を実施するために車両を利用することに起因する環境負荷がどの程度軽減又は増大するかを確認することができる。これにより、情報処理装置1は、事業者Bが環境負荷の低減に意識を向けるためのきっかけを提供することができる。
【0049】
(環境負荷指標の修正)
ここで、車両の環境負荷を示す環境負荷指標は、車両の利用のされ方によって変動すると考えられる。例えば、同じ車両であっても、車両の燃費や1日の始動回数、車両が走行する道路の勾配、エアコンの使用状況等によって、環境負荷は変動しうる。具体的には、車両の燃費がよいほど、1日の始動回数が少ないほど、走行する路面の勾配が小さいほど、あるいはエアコンの稼働が少ないほど、環境負荷指標が小さくなる。
【0050】
そこで、指標修正部35は、利用情報記憶部21に格納されている利用車両それぞれの利用履歴に基づいて、各車両の環境負荷指標を修正する。
【0051】
図4は、第1の実施の形態に係る利用情報記憶部21のデータ構造を模式的に示す図である。利用情報記憶部21は記憶部2に格納されており、指標修正部35によって管理されている。利用情報記憶部21は、事業者Bが利用中の車両である複数の利用車両それぞれの利用履歴を記憶している。
【0052】
各事業者には事業者識別子が一意に割り当てられている。利用情報記憶部21は、事業者識別子毎に、事業者識別子で特定される事業者Bが利用中の車両の車両識別子を対応づけて記憶している。
図4には、事業者識別子がBID0001の事業者Bの利用履歴が示されている。事業者識別子がBID0001の事業者Bは、少なくとも、車両識別子がCID0001、CID0101、及びCID0287で特定される車両を利用している。
【0053】
図4に示すように、利用情報記憶部21は、各車両識別子に対応づけて、車両が走行する主な地域、車両の1日あたりの始動回数、給油又は充電のタイミング、車両が走行する路面の平均路面勾配、車両が走行するときの外気の平均気温、一月あたりの平均走行距離、また図示はしていないが、エアコンの稼働時間等の情報も格納している。
【0054】
指標修正部35は、各車両の利用履歴に基づいて、利用情報記憶部21に格納されている環境負荷指標を修正する。これにより、情報処理装置1は、各車両の実際の利用状況を環境スコアに反映させることができ、環境スコアの精度を向上することができる。
【0055】
[情報処理装置1が実行する情報処理方法の処理フロー]
図5は、第1の実施の形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理の流れを説明するためのフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えば情報処理装置1が起動したときに開始する。
【0056】
条件設定部30は、事業者Bが利用中の車両である複数の利用車両に求められる走行条件を含む利用条件を設定する(S2)。車両選択部31は、車両情報記憶部20を参照することにより、利用候補車両のうち利用条件を満たす車両の組み合わせを選択する(S4)。
【0057】
スコア算出部32は、車両選択部31が特定した車両の組み合わせを構成する車両それぞれの環境負荷指標から定まる環境スコアを算出する(S6)。車両算出部33は、スコア算出部32が算出した環境スコアが小さくなる車両の組み合わせを、新たな利用車両の組み合わせとして算出する(S8)。
【0058】
[第1の実施の形態に係る情報処理装置1が奏する効果]
以上説明したように、実施の形態に係る情報処理装置1によれば、車両の利用が環境に与える影響に基づいてユーザが利用する車両を選択することができる。
【0059】
<第2の実施の形態>
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と第2の実施の形態との主な相違点は環境スコアの算出対象となる車両である。具体的には、第1の実施の形態に係るスコア算出部32は事業者Bが利用中の全ての利用車両を環境スコア算出の対象とするのに対し、第2の実施の形態に係るスコア算出部32は、動力に関連する部品を換装した再生電気自動車を環境スコア算出の対象とする。
【0060】
また、第1の実施の形態において環境スコアは新たな利用車両を算出するために参照されるが、第2の実施の形態においては環境スコアは事業者Bによる車両の利用実績に基づいて算出される。すなわち、第2の実施の形態における環境スコアは、事業者Bが車両を実際に使用したことに起因する環境負荷を示す指標である。第2の実施の形態に係る情報処理装置1は、事業者Bが環境負荷の低減に意識を向けるためのきっかけを提供することを目的としている。このため、情報処理装置1は、事業者Bが車両を実際に使用したことに起因する環境負荷を示す指標を事業者Bに通知する。
【0061】
以下、第2の実施の形態に係る情報処理装置1ついて説明するが、第1の実施の形態に係る情報処理装置1と共通する部分については適宜省略又は簡略化して説明する。
【0062】
第2の実施の形態に係る情報処理装置1も、第1の実施の形態に係る情報処理装置1と同様に、記憶部2と制御部3とを備える。記憶部2は、車両情報記憶部20と利用情報記憶部21とを格納しており、制御部3は、記憶部2に記憶されたプログラムを実行することによって条件設定部30、車両選択部31、スコア算出部32、車両算出部33、通知部34、及び指標修正部35として機能する。
【0063】
車両選択部31は、事業者Bに貸し出された利用車両の中から1又は複数の車両を選択する。スコア算出部32は、車両選択部31が選択した選択車両に対応づけられた環境負荷指標と、選択車両の利用履歴とに基づいて環境スコアを算出する。なお、第2の実施の形態におけるスコア算出部32による環境スコアの算出は、第1の実施の形態に係るスコア算出部32の算出手法と同様である。すなわち、スコア算出部32は、選択車両それぞれの利用履歴に含まれる単位期間あたりの走行距離に、各選択車両に対応づけられた環境負荷指標を乗じて得られる値の総和を、環境スコアとして算出する。このように、第2の実施の形態に係る情報処理装置1は、特定の利用車両について環境スコアを算出する。
【0064】
具体例として、車両選択部31は、事業者Bに貸し出された利用車両の中から再生電気自動車を選択車両として選択する。これにより、情報処理装置1は、事業者Bが環境課題改善のために再生電気自動車を導入した場合に、導入の成果を定量的に提示することができる。事業者Bは、環境課題改善の効果が可視化されるため、情報処理装置1は、事業者Bに対してより一層の環境課題改善に対する取り組みを促進することができる。
【0065】
第2の実施の形態に係る情報処理装置1において、指標修正部35は、車両に充填する燃料の環境負荷に基づいて環境スコアを修正してもよい。例えば、指標修正部35は、電気自動車においては充電される電気種別が再生可能エネルギー設備による発電に基づいて生成される電気によるものなのか、石炭等環境負荷の異なる発電方法によって生成させる電気によるものなのかの違いを車両の利用実績に基づいて算出される環境スコアを修正してもよい。さらに具体的には、指標修正部35は、車両に充填する燃料の出自が再生可能エネルギーに由来する場合は、そうでない場合寄りの環境スコアを小さくする。
【0066】
このようにすることで、第2の実施の形態に係る情報処理装置1は、単に車両の組み合わせの選択評価だけてなく電気設備利用に関する評価を含むことが可能となり、より環境負荷に積極的な取り組みを実績スコアとして見える化することができる。
【0067】
上述したように、情報処理装置1の管理者が管理している車両には内燃機関を動力とする車両も含まれており、車両情報記憶部20は、内燃機関を動力とする車両の環境負荷指標も格納している。一般に、内燃機関を動力とする車両よりも、電気自動車、特に再生電気自動車の方が、車両が環境に与える負荷が小さいと考えられる。
【0068】
そこで、スコア算出部32は、車両選択部31が選択した再生電気自動車に係る選択車両に替えて内燃機関を動力とする車両を走行させた場合の仮想環境スコアを算出する。さらに、スコア算出部32は、算出した仮想環境スコアと環境スコアとの差分を環境貢献スコアとして算出する。通知部34は、スコア算出部32が算出した環境貢献スコアを、例えば電子メールや専用のアプリの表示画面、又は郵送等の少なくとも1つの手段を用いて事業者に通知する。
【0069】
環境貢献スコアは、事業者Bが事業を実施する際に従来型の内燃機関を動力とする車両を利用する替わりに再生電気自動車を利用した場合に、環境に与える影響の軽減度合いを示す指標といえる。情報処理装置1は、環境貢献スコアを算出して事業者Bに通知することにより、事業者Bが環境負荷の低減に意識を向けるためのきっかけを提供することができる。
【0070】
[情報処理装置1が実行する情報処理方法の処理フロー]
図6は、第2の実施の形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理の流れを説明するためのフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えば情報処理装置1が起動したときに開始する。
【0071】
車両選択部31は、事業者Bが利用中の車両である複数の利用車両の中から1又は複数の特定の車両を選択する(S10)。スコア算出部32は、車両選択部31が選択した選択車両の環境負荷指標と、選択車両の利用履歴とに基づいて環境スコアを算出する(S12)。
【0072】
スコア算出部32は、選択車両に替えて内燃機関を動力とする車両を走行させた場合の仮想環境スコアを算出する(S14)。スコア算出部32は、仮想環境スコアと環境スコアとの差分を環境貢献スコアとして算出する(S16)。通知部34は、環境貢献スコアを事業者Bに通知する(S18)。
【0073】
[第2の実施の形態に係る情報処理装置1が奏する効果]
以上説明したように、実施の形態に係る情報処理装置1によれば、事業者Bが環境負荷の低減に意識を向けるためのきっかけを提供することができる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果をあわせ持つ。
【0075】
<変形例>
上記では、条件設定部30が、事業者Bから事業者Bが事業を実施するために必要な車両の走行条件と、走行条件以外の条件とを取得し、利用条件として設定する場合について主に説明した。これに替えて、条件設定部30は、事業者Bによる過去の車両の利用実績(例えば先月の利用実績等)に基づいて設定してもよい。これにより、条件設定部30は、事業者Bから利用条件を取得しなくても、契約の更新時等に自動で利用条件を再設定することができる。事業者Bは、事業者Bが事業をする環境(例えば事業規模や予算等)に変更がない場合等には利用条件を情報処理装置1に送信することを省略できるので、情報処理装置1は契約更新時の事業者Bの利便性を向上させることができる。
【0076】
又、上記では、事業者Bが、情報処理装置1の管理者との間のライセンスによって定められた所定のタイミングで、情報処理装置1の管理者に車両又は車両の維持に求める条件を提示する場合について説明した。これに替えて、あるいはこれに加えて、スコア算出部32が算出した環境スコアに基づいて条件提示のタイミングを変更してもよい。
【0077】
具体的には、例えば、契約期間中かつ所定の利用実績があれば、スコア算出部32が算出した環境貢献スコアが一定の閾値を超える場合には、通知部34が契約更新すべき旨を事業者Bに通知するようにしてもよい。さらには、情報処理装置1の管理者は、事業者Bとの契約更新時において通常の契約更新項目を提示するだけでなく、利用実績に基づいて環境貢献スコアに基づいた車両の組み合わせプランを合わせて提示するようにしてもよい。
【0078】
なお、本発明は以下の項目で特定されてもよい。
【0079】
[項目1-1]
事業者が利用中の車両である複数の利用車両を含む複数の車両であって、前記事業者に利用させることが可能な利用候補車両それぞれの環境負荷を示す環境負荷指標を、各利用候補車両に対応づけて記憶する車両情報記憶部と、
前記利用車両に求められる走行条件を含む利用条件を設定する条件設定部と、
前記利用候補車両のうち前記利用条件を満たす車両の組み合わせを選択する車両選択部と、
前記車両の組み合わせを構成する車両それぞれの環境負荷指標から定まる環境スコアを算出するスコア算出部と、
前記環境スコアが小さくなる車両の組み合わせを、新たな前記利用車両の組み合わせとして算出する車両算出部と、
を備える情報処理装置。
[項目1-2]
前記車両情報記憶部は、前記利用候補車両それぞれの単位期間あたりの利用料金を各利用候補車両に対応づけて記憶しており、
前記利用条件は、前記事業者が定めた前記単位期間あたりの利用料金の上限を含む、
項目1-1に記載の情報処理装置。
[項目1-3]
前記利用条件は、前記事業者が定めた前記利用車両の数の上限を含む、
項目1-1又は項目1-2に記載の情報処理装置。
[項目1-4]
前記利用車両それぞれの利用履歴に基づいて、各車両の環境負荷指標を修正する指標修正部をさらに備える、
項目1-1から項目1-3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
[項目1-5]
前記利用候補車両は、前記事業者とは異なる他の事業者が利用中の他者利用車両を含んでおり、
前記条件設定部は、前記他者利用車両に求められる走行条件を含む他者利用条件をさらに設定し、
前記車両選択部は、前記利用条件と前記他者利用条件とのそれぞれを満たす車両の組み合わせを選択し、
前記スコア算出部は、各組み合わせを構成する車両に対応づけられた環境負荷指標から定まる環境スコアを算出する、
項目1-1から項目1-4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
[項目1-6]
前記事業者が利用中の利用車両の環境スコアと、前記車両算出部が新たに算出した利用車両の環境スコアとを、前記事業者に通知する通知部をさらに備える、
項目1-1から項目1-5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
[項目1-7]
プロセッサが、
事業者が利用中の車両である複数の利用車両に求められる走行条件を含む利用条件を設定するステップと、
事業者が利用中の車両である複数の利用車両を含む複数の車両であって、前記事業者に利用させることが可能な利用候補車両それぞれの環境負荷を示す環境負荷指標を、各利用候補車両に対応づけて記憶する車両情報記憶部を参照することにより、前記利用候補車両のうち前記利用条件を満たす車両の組み合わせを選択するステップと、
特定した車両の組み合わせを構成する車両それぞれの環境負荷指標から定まる環境スコアを算出するステップと、
前記環境スコアが小さくなる車両の組み合わせを、新たな前記利用車両の組み合わせとして算出するステップと、
を実行する情報処理方法。
[項目1-8]
コンピュータに、
事業者が利用中の車両である複数の利用車両に求められる走行条件を含む利用条件を設定する機能と、
事業者が利用中の車両である複数の利用車両を含む複数の車両であって、前記事業者に利用させることが可能な利用候補車両それぞれの環境負荷を示す環境負荷指標を、各利用候補車両に対応づけて記憶する車両情報記憶部を参照することにより、前記利用候補車両のうち前記利用条件を満たす車両の組み合わせを選択する機能と、
特定した車両の組み合わせを構成する車両それぞれの環境負荷指標から定まる環境スコアを算出する機能と、
前記環境スコアが小さくなる車両の組み合わせを、新たな前記利用車両の組み合わせとして算出する機能と、
を実現させるプログラム。
【0080】
[項目2-1]
事業者が利用中の車両である複数の利用車両それぞれの利用履歴を記憶する利用情報記憶部と、
前記利用車両の環境負荷を示す環境負荷指標を、各利用候補車両に対応づけて記憶する車両情報記憶部と、
前記利用車両の中から1又は複数の車両を選択する車両選択部と、
前記車両選択部が選択した選択車両の環境負荷指標と、前記選択車両の利用履歴とに基づいて定まる環境スコアを算出するスコア算出部と、
を備える情報処理装置。
[項目2-2]
前記利用車両は、動力に関連する部品を換装した再生電気自動車を含み、
前記車両選択部は、前記利用車両の中から前記再生電気自動車を前記選択車両として選択する、
項目2-1に記載の情報処理装置。
[項目2-3]
前記スコア算出部は、前記選択車両それぞれの利用履歴に含まれる単位期間あたりの走行距離に、各選択車両に対応づけられた環境負荷指標を乗じて得られる値の総和を、前記環境スコアとして算出する、
項目2-1又は項目2-2に記載の情報処理装置。
[項目2-4]
前記車両情報記憶部は、内燃機関を動力とする車両の環境負荷指標をさらに記憶しており、
前記スコア算出部は、前記選択車両に替えて内燃機関を動力とする車両を走行させた場合の仮想環境スコアを算出するとともに、当該仮想環境スコアと前記環境スコアとの差分を環境貢献スコアとして算出する、
項目2-2又は項目2-3に記載の情報処理装置。
[項目2-5]
前記環境貢献スコアを前記事業者に通知する通知部をさらに備える、
項目2-4に記載の情報処理装置。
[項目2-6]
プロセッサが、
事業者が利用中の車両である複数の利用車両それぞれの利用履歴を記憶する利用情報記憶部から前記利用履歴を読み出すステップと、
前記利用車両の中から1又は複数の車両を選択するステップと、
選択した選択車両の環境負荷を示す環境負荷指標と、前記選択車両の利用履歴とに基づいて定まる環境スコアを算出するステップと、
を実行する情報処理方法。
[項目2-7]
コンピュータに、
事業者が利用中の車両である複数の利用車両それぞれの利用履歴を記憶する利用情報記憶部から前記利用履歴を読み出す機能と、
前記利用車両の中から1又は複数の車両を選択する機能と、
選択した選択車両の環境負荷を示す環境負荷指標と、前記選択車両の利用履歴とに基づいて定まる環境スコアを算出する機能と、
を実現させるプログラム。
【符号の説明】
【0081】
1・・・情報処理装置
2・・・記憶部
20・・・車両情報記憶部
21・・・利用情報記憶部
3・・・制御部
30・・・条件設定部
31・・・車両選択部
32・・・スコア算出部
33・・・車両算出部
34・・・通知部
35・・・指標修正部