(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】捕集網ユニット
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20241119BHJP
A01M 3/00 20060101ALI20241119BHJP
A01M 29/34 20110101ALI20241119BHJP
【FI】
B01D46/00 C
A01M3/00 Z
A01M29/34
(21)【出願番号】P 2020141606
(22)【出願日】2020-08-25
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000219233
【氏名又は名称】東プレ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】杉山 英也
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-308960(JP,A)
【文献】特開平11-248211(JP,A)
【文献】特開2007-309557(JP,A)
【文献】特開2018-100809(JP,A)
【文献】中国実用新案第202613670(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107687695(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D46/00-46/90
A01M1/00-99/00
F24F7/00-8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方から上方に向けて送風空気を通過させる送風路に配置され、前記送風路内に存在する所定の大きさ以上の被捕集物を捕集することが可能な捕集網ユニットであって、
前記送風空気を導入可能な入口開口と、前記送風空気の通過を許容しつつ前記被捕集物の通過を規制することが可能な網状の出口開口と、を有する捕集網本体と、
前記捕集網本体に保持され、前記入口開口を開閉可能な蓋体と、
を備え、
前記入口開口は、前記捕集網本体の下側に配置され、
前記出口開口は、前記捕集網本体の上側に配置され、
前記蓋体は、
前記捕集網本体内に配置され、前記捕集網本体に対して前記入口開口の開口面と交差する方向に相対移動することで前記入口開口を開閉させる開閉蓋と、
前記捕集網本体の前記出口開口側において前記捕集網本体の外部に配置され、前記開閉蓋を開閉操作することが可能な操作ツマミと、
前記開閉蓋と前記操作ツマミとを連結する操作軸と、
を備える、
捕集網ユニット。
【請求項2】
下方から上方に向けて送風空気を通過させる送風路に配置され、前記送風路内に存在する所定の大きさ以上の被捕集物を捕集することが可能な捕集網ユニットであって、
前記送風空気を導入可能な入口開口と、前記送風空気の通過を許容しつつ前記被捕集物の通過を規制することが可能な網状の出口開口と、を有する捕集網本体と、
前記捕集網本体に保持され、前記入口開口を開閉可能な蓋体と、
を備え、
前記蓋体は、
前記捕集網本体内に配置され、前記捕集網本体に対して前記入口開口の開口面と交差する方向に相対移動することで前記入口開口を開閉させる開閉蓋と、
前記捕集網本体の前記出口開口側において前記捕集網本体の外部に配置され、前記開閉蓋を開閉操作することが可能な操作ツマミと、
前記開閉蓋と前記操作ツマミとを連結する操作軸と、
を備え、
前記開閉蓋が下側となり、前記操作ツマミが上側となり、前記入口開口の開口面と交差する方向が上下方向となるようにした状態で前記捕集網本体に配置される、
捕集網ユニット。
【請求項3】
送風路に配置され、前記送風路内に存在する所定の大きさ以上の被捕集物を捕集することが可能な捕集網ユニットであって、
前記
送風路を通過する送風空気を導入可能な入口開口と、前記送風空気の通過を許容しつつ前記被捕集物の通過を規制することが可能な網状の出口開口と、を有する捕集網本体と、
前記捕集網本体に保持され、前記入口開口を開閉可能な蓋体と、
を備え、
前記蓋体は、
前記捕集網本体内に配置され、前記捕集網本体に対して前記入口開口の開口面と交差する方向に相対移動することで前記入口開口を開閉させる開閉蓋と、
前記捕集網本体の前記出口開口側において前記捕集網本体の外部に配置され、前記開閉蓋を開閉操作することが可能な操作ツマミと、
前記開閉蓋と前記操作ツマミとを連結する操作軸と、
を備え、
前記捕集網本体の前記出口開口側には、前記操作軸が挿入される挿通孔を有し、前記蓋体を保持することが可能な保持部が形成され、
前記操作軸は、
前記開閉蓋と前記操作ツマミとを連結する軸本体と、
前記軸本体に連設され、前記保持部に当接することで前記開閉蓋の前記入口開口に近づく方向への移動を規制することが可能な突部と、
を備える、
捕集網ユニット。
【請求項4】
前記突部が前記軸本体の軸方向に沿って延在するように形成されており、
前記挿通孔は、前記軸本体が挿入される軸本体側挿通孔と、前記突部が挿入可能な突部側挿通孔と、を備えており、
前記操作軸は、前記突部の全体が前記捕集網本体の外部に位置した状態で前記捕集網本体に対して相対的に回転させることができるように、前記保持部に保持されており、
前記操作軸の軸方向に沿って視た状態で前記突部が前記突部側挿通孔と対向しないように、前記操作軸を前記捕集網本体に対して相対的に回転させることで、前記突部を前記保持部に当接させるようにした、
請求項3に記載の捕集網ユニット。
【請求項5】
前記保持部には、前記突部を前記保持部に当接させた状態での前記操作軸の回動を規制することが可能なリブが形成されている、
請求項4に記載の捕集網ユニット。
【請求項6】
送風路に配置され、前記送風路内に存在する所定の大きさ以上の被捕集物を捕集することが可能な捕集網ユニットであって、
前記
送風路を通過する送風空気を導入可能な入口開口と、前記送風空気の通過を許容しつつ前記被捕集物の通過を規制することが可能な網状の出口開口と、を有する捕集網本体と、
前記捕集網本体に保持され、前記入口開口を開閉可能な蓋体と、
を備え、
前記蓋体は、
前記捕集網本体内に配置され、前記捕集網本体に対して前記入口開口の開口面と交差する方向に相対移動することで前記入口開口を開閉させる開閉蓋と、
前記捕集網本体の前記出口開口側において前記捕集網本体の外部に配置され、前記開閉蓋を開閉操作することが可能な操作ツマミと、
前記開閉蓋と前記操作ツマミとを連結する操作軸と、
を備え、
前記捕集網本体内における前記入口開口の外側に、前記被捕集物を溜めることが可能な空間が形成されている、
捕集網ユニット。
【請求項7】
前記捕集網本体における前記入口開口の周縁部には、前記送風路を画成する配管に嵌合可能なフランジが形成されている、
請求項1~6のうちいずれか1項に記載の捕集網ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、捕集網ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅換気用のフィルタボックス等に形成される送風路には、一般的に捕集網(捕集網ユニット)が配置されている。捕集網(捕集網ユニット)は、フィルタボックス等に形成される送風路に導入された送風空気中に存在する虫や埃等の被捕集物を捕集し、虫や埃等の被捕集物が除去された空気を下流側に供給できるようにするものである。
【0003】
そして、このような捕集網ユニットとしては、次の特許文献1に開示されているように、開口が形成された袋状のフィルタと、フィルタの開口を開閉するフィルタシャッターとを備え、フィルタボックスに着脱可能に装着されるものが知られている。
【0004】
この特許文献1では、フィルタシャッターを設けることで、フィルタの開口をフィルタシャッターにより閉じた状態で、捕集網ユニットをフィルタボックスから取り外すことができるようにしている。こうすることで、捕集網ユニットの清掃や交換等のために捕集網ユニットをフィルタボックスから取り外す際に、フィルタによって捕集された被捕集物が周囲に飛び散ってしまうことを抑制できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、フィルタシャッターをフィルタの開口の開口面に沿って摺動させることで、フィルタの開口が開閉されるようにしている。そのため、フィルタシャッターを操作する際に、フィルタにより捕集した被捕集物が外部に飛び散ってしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本開示は、捕集した被捕集物が外部に飛び散ってしまうことをより確実に抑制することが可能な捕集網ユニットを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示にかかる捕集網ユニットは、送風路に配置され、前記送風路内に存在する所定の大きさ以上の被捕集物を捕集することが可能なものである。この捕集網ユニットは、前記送風路内を流れる送風空気を導入可能な入口開口と、前記送風路内を流れる送風空気の通過を許容しつつ前記被捕集物の通過を規制することが可能な網状の出口開口と、を有する捕集網本体と、前記捕集網本体に保持され、前記入口開口を開閉可能な蓋体と、を備えている。また、前記蓋体は、前記捕集網本体内に配置され、前記捕集網本体に対して前記入口開口の開口面と交差する方向に相対移動することで前記入口開口を開閉させる開閉蓋と、前記捕集網本体の前記出口開口側において前記捕集網本体の外部に配置され、前記開閉蓋を開閉操作することが可能な操作ツマミと、前記開閉蓋と前記操作ツマミとを連結する操作軸と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、捕集した被捕集物が外部に飛び散ってしまうことをより確実に抑制することが可能な捕集網ユニットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態にかかる捕集網ユニットが配置されるフィルタボックスを示す図であって、蓋を取り外した状態を一方向から視た斜視図である。
【
図2】一実施形態にかかる捕集網ユニットが配置されるフィルタボックスを示す図であって、蓋を取り外した状態を他の方向から視た斜視図である。
【
図3】一実施形態にかかる捕集網ユニットを示す図であって、入口開口が開かれた状態を一方向から視た斜視図である。
【
図4】一実施形態にかかる捕集網ユニットを示す図であって、入口開口が開かれた状態を他の方向から視た斜視図である。
【
図5】一実施形態にかかる捕集網ユニットを示す平面図である。
【
図6】入口開口が開かれた状態における
図5のA-A断面図である。
【
図7】一実施形態にかかる捕集網ユニットを一部分解して示す図であって、入口開口が開かれた状態を一方向から視た斜視図である。
【
図8】一実施形態にかかる捕集網ユニットを一部分解して示す図であって、入口開口が開かれた状態を他の方向から視た斜視図である。
【
図9】一実施形態にかかる捕集網ユニットの入口開口を開状態から閉状態にする動作を説明する図であって、蓋体を回転できるようにした状態を示す斜視図である。
【
図10】一実施形態にかかる捕集網ユニットの入口開口を開状態から閉状態にする動作を説明する図であって、蓋体を回転させている途中の状態を示す斜視図である。
【
図11】一実施形態にかかる捕集網ユニットの入口開口を開状態から閉状態にする動作を説明する図であって、蓋体を回転させて操作軸の突部を突部側挿通孔に対向させた状態を示す斜視図である。
【
図12】一実施形態にかかる捕集網ユニットの入口開口を開状態から閉状態にする動作を説明する図であって、操作軸の突部を突部側挿通孔に挿入させて蓋体を下方に移動させている状態を示す斜視図である。
【
図13】一実施形態にかかる捕集網ユニットを示す図であって、入口開口が閉じられた状態を一方向から視た斜視図である。
【
図14】一実施形態にかかる捕集網ユニットを示す図であって、入口開口が閉じられた状態を他の方向から視た斜視図である。
【
図15】入口開口が閉じられた状態における
図5のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下では、捕集網ユニットが配置される送風路として、フィルタボックスに形成される送風路を例示する。また、フィルタボックスとして、住宅換気装置等に供給される外気(OA)を取り入れるOAダクトに設置されるものを例示する。
【0012】
また、以下では、捕集網ユニットの上下方向については、下方から上方に向けて空気を通過させる送風路が形成されるようにしたフィルタボックスに捕集網ユニットを配置した状態を基準として説明する。
【0013】
[フィルタボックスの全体構成例]
まず、フィルタボックス1の全体構成の一例を
図1および
図2を用いて詳細に説明する。
【0014】
本実施形態にかかる捕集網ユニット3は、
図1および
図2に示すフィルタボックス1に形成された送風路Pに配置して使用されるものである。
【0015】
このフィルタボックス1は、住宅換気装置等に供給される外気(OA)を取り入れるOAダクトの途中に設置することで、OAダクトの外気取り入れ口から外気とともに入ってくる虫や埃等の被捕集物Cを捕集できるようにするための部材である。そして、このようなフィルタボックス1をOAダクトの途中に設置すれば、虫や埃等の被捕集物Cが除去された空気を下流側に配置される住宅換気装置等に供給することができるようになる。
【0016】
フィルタボックス1は、
図1および
図2に示すように、略直方体の箱状に形成されており、内部が中空になっている。そして、箱状の部材の一方向の両端には内部の中空に連通する円筒状の配管がそれぞれ形成されている。すなわち、フィルタボックス1内には、一方向の両側が開口する送風路Pが形成されている。
【0017】
ここで、本実施形態では、円筒状の配管が上下方向に延在するようにフィルタボックス1を配置した状態で、下部に連設された配管が上流側のOAダクトに接続され、上部に連設された配管が下流側のOAダクトに接続されるようにしている。すなわち、上下方向に延在し、下方から上方に向けて空気が流れるOAダクトの途中にフィルタボックス1が設置されるようにしている。こうすれば、下方(上流側)から上方(下流側)に向けて空気を流すことが可能な送風路Pがフィルタボックス1内に形成されることになる。
【0018】
本実施形態では、フィルタボックス1は、側方に開口する略四角形状の開口部10aが形成された略箱状の本体部10と、本体部10に取り外し可能に取り付けられて、開口部10aを閉塞する略矩形板状の蓋14と、を備えている。
【0019】
このように、側方に開口する開口部10aをフィルタボックス1に形成すれば、この開口部10aを、メンテナンスのために開口させることが可能なメンテナンス口として用いることができる。なお、フィルタボックス1は、例えば、住宅の壁内に収納されるように設置することができる。このとき、蓋14が壁面と対向するようにフィルタボックス1を配置し、壁面の蓋14と対向する部位にメンテナンス用扉を形成すれば、メンテナンス用扉を開くことで容易にフィルタボックス1のメンテナンスを行うことができるようになる。
【0020】
また、本実施形態では、本体部10は、上方に配置される略矩形板状の天壁11と、下方に配置される略矩形板状の底壁12と、天壁11および底壁12に連設される側壁13と、を備えている。
【0021】
そして、天壁11の略中央部および底壁12の略中央部に円筒状の配管がそれぞれ連設されている。本実施形態では、上述したように、底壁12に形成された配管が上流側のOAダクトに接続されており、天壁11に形成された配管が下流側のOAダクトに接続されている。すなわち、底壁12に形成された配管が、送風路P内に空気を導入する入口開口120aを有する入口配管120となっており、天壁11に形成された配管が、送風路P内の空気を下流側に供給する出口開口110aを有する出口配管110となっている。なお、配管の形状は、接続されるOAダクトの形状に合わせて設定されるものであるので、例えば、角筒状のOAダクトの場合、角筒状の配管となる。
【0022】
さらに、本実施形態では、フィルタボックス1内に形成された送風路Pに、清浄フィルタ2および捕集網ユニット3を取り外し可能に配置させることができるようにしている。このように、清浄フィルタ2および捕集網ユニット3を送風路Pに取り外し可能に配置させるようにすれば、定期的に清浄フィルタ2や捕集網ユニット3の清掃・交換を行うことができるようになる。
【0023】
本実施形態では、フィルタボックス1内に保持部材15が設けられており、この保持部材15に清浄フィルタ2および捕集網ユニット3を保持させることで、清浄フィルタ2および捕集網ユニット3が送風路P内に配置されるようにしている。
【0024】
この保持部材15は、フィルタボックス1の上下方向の略中央部に設けられ、略矩形板状の清浄フィルタ2が挿入保持される保持溝151を備えている。本実施形態では、清浄フィルタ2は、略水平状態(板厚を上下方向にした状態)で保持溝151に挿入されるようになっている。
【0025】
さらに、保持部材15は、フィルタボックス1の下部に設けられ、捕集網ユニット3が位置決めされた状態で保持される位置決め部材152を備えている。
【0026】
したがって、保持部材15に清浄フィルタ2および捕集網ユニット3を保持させた状態では、捕集網ユニット3の下流側に清浄フィルタ2が配置されることになる。このように、本実施形態では、捕集網ユニット3の下流側に清浄フィルタ2を配置させることで、虫等の比較的大きな被捕集物Cを捕集網ユニット3で捕集した後に、捕集網ユニット3で除去しきれなかった塵等を清浄フィルタ2で除去できるようにしている。
【0027】
このとき、清浄フィルタ2の寸法を、フィルタボックス1の内寸法とほぼ同寸法となるようにし、蓋14を本体部10に取り付けた状態で、送風路Pが清浄フィルタ2によって上流側と下流側とに分断されるようにしている。こうすることで、清浄フィルタ2の側部に隙間が形成されてしまうことを抑制し、捕集網ユニット3を通過した空気のほぼ全てが清浄フィルタ2を通過するようにしている。そして、清浄フィルタ2を通過した空気が、出口配管110を経由してOAダクト内を通過し、換気装置等に供給されるようにしている。なお、清浄フィルタ2を用いないようにすることも可能である。
【0028】
また、本実施形態では、捕集網ユニット3は、送風路Pが形成されるフィルタボックス1に着脱可能に装着されている。具体的には、捕集網ユニット3の下端に、外径が入口配管120の内径とほぼ同一となる円筒状のフランジ3112が形成されており、このフランジ3112を入口配管120に嵌合させることで、捕集網ユニット3が送風路P内に配置されるようにしている。このように、フランジ3112を入口配管120に嵌合させるようにすれば、捕集網ユニット3を迂回する空気流が発生してしまうことが抑制されるため、上流側のOAダクト内を流れる空気をより効率的に捕集網ユニット3内に導入することができる。
【0029】
[捕集網ユニットの全体構成例]
次に、フィルタボックス1に着脱可能に装着される捕集網ユニット3の全体構成の一例を、
図3~
図15を用いて詳細に説明する。
【0030】
本実施形態では、捕集網ユニット3は、
図3~
図6に示すように、略直方体状に形成されており、内部に送風空気Bが通過可能な空間Sが形成された捕集網本体30と、捕集網本体30に上下方向に相対移動可能に保持される蓋体33と、を備えている。この蓋体33は、捕集網本体30に形成された入口開口3111を開閉するものである。
【0031】
捕集網本体30は、
図7および
図8に示すように、上方に開口する箱部31と、箱部31の上方開口を覆う上蓋32と、を備えている。
【0032】
箱部31は、一方向に細長い略長方形状の板で形成された底壁311と、底壁311の周囲から上方に立ち上がるように連設された周壁312と、を備えている。そして、底壁311の略中央部には、円形の入口開口3111が形成されている。この入口開口3111は、送風路P内を流れる送風空気Bを、捕集網本体30に形成された空間S内に導入することが可能な開口である。このように、本実施形態では、一方向に細長い略長方形状の板で形成された底壁311に円形の入口開口3111を形成している。そのため、少なくとも入口開口3111の長手方向の外側に、被捕集物Cを溜めることが可能な空間S1が形成されることになる。
【0033】
また、入口開口3111の周縁部には、下方に向けて突出するフランジ3112が形成されている。本実施形態では、フランジ3112は、入口開口3111の周縁部の全周にわたって形成されている。そして、このフランジ3112を上述したフィルタボックス1の入口配管120に嵌合させれば、捕集網ユニット3がフィルタボックス1に形成された送風路P内に配置されることになる。このとき、捕集網ユニット3は、入口開口3111の開口面3111aが略水平となるようにした状態で、送風路P内に配置されている。
【0034】
このように、本実施形態では、捕集網本体30における入口開口3111の周縁部に、送風路Pを画成する入口配管120に嵌合可能なフランジ3112が形成されている。
【0035】
一方、箱部31の周壁312の長手方向両端の上端部には取手部3121がそれぞれ形成されており、捕集網ユニット3をフィルタボックス1から取り外す際には、この取手部3121を持ちながら取り外すことができるようになっている。このように、本実施形態では、取手部3121を設けることで、捕集網本体30の外郭部分を触らずに捕集網ユニット3のフィルタボックス1からの取り外し作業を行うことができるようにしている。
【0036】
また、周壁312の内側には、段差部3122が形成されており、後述する上蓋32の周壁322の下面をこの段差部3122に突き当てることで、上蓋32が箱部31に保持されるようにしている(
図6参照)。
【0037】
さらに、本実施形態では、箱部31の内部の複数個所に、底壁311と周壁312とに連設される補強リブ313が設けられており、箱部31の変形が抑制されるようにしている。
【0038】
また、上蓋32は、一方向に細長い略長方形状の板で形成された天壁321と、天壁321の周囲から下方に立ち下がるように連設された周壁322と、を備えている。そして、天壁321には網状の出口開口3217が形成されている。この網状の出口開口3217は、送風路P内を流れる送風空気Bの通過を許容しつつ被捕集物Cの通過を規制することが可能な開口である。
【0039】
天壁321は、枠部3211と、上蓋32の短手方向に延在する桟部3212とを備えている。本実施形態では、3つの桟部3212が上蓋32の長手方向に並ぶように配置されており、天壁321には、枠部3211と3つの桟部3212とで画成される4つの開口部3217aが形成されている。そして、4つの開口部3217aのそれぞれを覆うように防虫網3217bを取り付けることで、天壁321に網状の出口開口3217が形成されるようにしている(
図4参照)。なお、
図4以外の図面では、防虫網3217bの記載を省略している。
【0040】
このように、天壁321に網状の出口開口3217を形成すれば、所定の大きさ以上の被捕集物(比較的大きな虫や埃等)Cを網状の出口開口3217で捕集することが可能となる。
【0041】
なお、本実施形態では、底壁311には入口開口3111以外の孔が開いておらず、天壁321には、網状の出口開口3217および後述する挿通孔3216以外の孔が形成されていない。さらに、箱部31の周壁312および上蓋32の周壁322にも孔が形成されていない。そして、挿通孔3216には蓋体33の操作軸332が挿入されている。
【0042】
したがって、本実施形態では、捕集網本体30の内部に形成される空間Sは、実質的に、入口開口3111および出口開口3217以外が閉じられた空間となっており、入口開口3111から導入された送風空気Bはほぼ全てが出口開口3217から排出されることになる(
図6参照)。
【0043】
さらに、本実施形態では、底壁311に入口開口3111が形成されており、天壁321に出口開口3217が形成されている。そのため、本実施形態では、捕集網ユニット3は、入口開口3111が下側となり、出口開口3217が上側となるようにした状態で送風路Pに配置されることになる。
【0044】
また、本実施形態では、上蓋32の長手方向に並ぶ3つの桟部3212のうちの中央の桟部3212の幅が広く(上蓋32の長手方向の長さが長く)なっており、この中央の桟部3212には、蓋体33が上下方向に相対移動可能に保持されている。
【0045】
具体的には、蓋体33は、入口開口3111を開閉させる円形の開閉蓋331と、捕集網本体30の外側に位置し、開閉蓋331を開閉操作することが可能な操作ツマミ333と、開閉蓋331と操作ツマミ333とを連結する操作軸332と、を備えている。
【0046】
そして、中央の桟部3212には操作軸332が挿入される挿通孔3216が形成されている。
【0047】
そのため、例えば、開閉蓋331が連結された操作軸332を天壁321の裏側から挿通孔3216に挿入し、操作軸332の先端に操作ツマミ333を連結させるようにすれば、蓋体33を抜け止めがなされた状態で中央の桟部3212に保持させることができる。
【0048】
このように、本実施形態では、捕集網本体30の出口開口3217側に形成された中央の桟部3212が、操作軸332が挿入される挿通孔3216を有し、蓋体33を保持することが可能な保持部3213となっている。
【0049】
また、開閉蓋331は、蓋体33を中央の桟部3212に保持させた状態の上蓋32を箱部31に組み付けた際に、捕集網本体30内に配置されるようになっている。このとき、開閉蓋331は、入口開口3111の開口面3111aと略平行となるように、捕集網本体30内に配置されている。また、平面視で、操作軸332の中心と、開閉蓋331の中心と、入口開口3111の中心とが略一致した状態となっている。このように、本実施形態では、捕集網ユニット3は、開閉蓋331が下側となり、操作ツマミ333が上側となり、入口開口3111の開口面3111aと交差する方向が上下方向となるようにした状態で送風路Pに配置されている。
【0050】
したがって、蓋体33を捕集網本体30に対して上下方向(入口開口3111の開口面3111aと交差する方向)に相対移動させれば、開閉蓋331によって入口開口3111の開閉が行えるようになる。
【0051】
このとき、操作ツマミ333は、捕集網本体30の出口開口3217側において捕集網本体30の外部(本実施形態では、捕集網本体30の出口開口3217よりも下流側)に配置されている。そのため、捕集網本体30内の開閉蓋331による入口開口3111の開閉操作を捕集網本体30の外側から行うことができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、開閉蓋331には、上側(操作軸332に連結される側)が大径となる段差部3311が形成されている。そして、開閉蓋331の上側の大径部の径が入口開口3111の径よりも若干大きくなっており、開閉蓋331の下側の小径部の径が入口開口3111の径よりも若干小さくなっている。
【0053】
そのため、蓋体33を捕集網本体30に対して下方に相対移動させると、開閉蓋331は、小径部を入口開口3111に挿入させつつ段差部3311を底壁311の入口開口3111の周縁部に当接させた状態で入口開口3111を閉塞することになる。
【0054】
このように、開閉蓋331が入口開口3111を閉じると、空間S内への外気の導入が規制される上、空間S内に溜められた被捕集物Cが外に出てしまうことが抑制されることになる。そのため、例えば、空間S内に生きている虫がいたとしても、開閉蓋331によって入口開口3111を閉じた状態で捕集網ユニット3を持ち歩くようにすれば、生きている虫が外に逃げ出してしまうことを抑制することもできるようになる。
【0055】
また、操作軸332は、開閉蓋331と操作ツマミ333とを連結する軸本体3321を備えている。本実施形態では、軸本体3321は外観が略円柱状をしており、この軸本体の側面には、保持部3213に当接することで開閉蓋331の下方(入口開口3111に近づく方向)への移動を規制することが可能な突部3322が形成されている。
【0056】
具体的には、突部3322は、軸本体3321の側面から径方向外側に突出し、軸本体3321の軸方向(上下方向)に沿って延在するように形成されている(
図3等参照)。本実施形態では、この突部3322は、平面視で略四角形状をしている。
【0057】
一方、保持部3213に形成された挿通孔3216は、円柱状の軸本体3321が挿入される円形孔(軸本体側挿通孔)3216aを備えており、この円形孔(軸本体側挿通孔)3216aと連設するように、突部3322が挿入可能な方形孔(突部側挿通孔)3216bが形成されている。
【0058】
ここで、本実施形態では、最下端から最上端までの所定の範囲で上下方向に相対移動させることができるように蓋体33を保持部3213に保持させている。なお、本実施形態では、段差部3311を底壁311の入口開口3111の周縁部に当接させて入口開口3111を閉塞する位置が最下端となっている。
【0059】
一方、蓋体33を最も上方に位置するまで引き上げた状態が最上端となっている。このときには、突部3322の全体が捕集網本体30の外部に位置しており、突部3322が方形孔(突部側挿通孔)3216bに挿入されていない状態となっている。さらに、本実施形態では、蓋体33が少なくとも最上端に位置するときには、操作軸332を捕集網本体30に対して相対的に回転させることができるようにしている。
【0060】
このように、本実施形態では、操作軸332は、突部3322の全体が捕集網本体30の外部に位置した状態で捕集網本体30に対して相対的に回転させることができるように、保持部3213に保持されている。
【0061】
そして、蓋体33を上方に引き上げて、操作軸332を捕集網本体30に対して相対的に回転させることが可能な状態とし、操作軸332を回転させれば、突部3322を、平面視(操作軸332の軸方向に沿って視た状態)で方形孔(突部側挿通孔)3216bに対向していない状態にすることができる。さらに、この状態で、蓋体33を下方に移動させる、または、操作者Oが操作ツマミ333を離して蓋体33を下方に落下させるようにすれば、突部3322の下面が保持部3213の上面に当接して蓋体33のそれ以上の下降が規制され、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられていない状態を維持できることになる。
【0062】
このように、本実施形態では、操作軸332の軸方向に沿って視た状態で突部3322が方形孔(突部側挿通孔)3216bと対向しないように、操作軸332を捕集網本体30に対して相対的に回転させることで、突部3322を保持部3213に当接させるようにしている。そして、蓋体33を上方に引き上げて操作軸332を回転させ、突部3322の下面を保持部3213の上面に当接させることで、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられていない状態(開状態)を維持できるようにしている。
【0063】
さらに、本実施形態では、保持部3213に第1のリブ3214および第2のリブ3215を設け、第1のリブ3214および第2のリブ3215によって、突部3322を保持部3213に当接させた状態での操作軸332の回動を規制できるようにしている。
【0064】
具体的には、挿通孔3216は、方形孔(突部側挿通孔)3216bを円形孔(軸本体側挿通孔)3216aにおける上蓋32の短手方向の一方側に連設することで形成されており、この挿通孔3216における上蓋32の長手方向の両側に、第1のリブ3214および第2のリブ3215を、上蓋32の短手方向に延在するようにそれぞれ形成している。
【0065】
そして、突部3322の下面が第1のリブ3214や第2のリブ3215の先端よりも上方に位置していない状態で、操作軸332を回転させると、突部3322が第1のリブ3214や第2のリブ3215に干渉してそれ以上の回転が規制されるようにしている。
【0066】
こうすることで、開状態で維持された蓋体33が振動等により回転して、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられてしまうことが抑制されるようにしている。
【0067】
さらに、本実施形態では、第1のリブ3214と第2のリブ3215との突出高さを異ならせている。具体的には、第1のリブ3214の突出高さを第2のリブ3215の突出高さよりも高くなるようにしている。
【0068】
このとき、第1のリブ3214の先端が、蓋体33を最上端に位置させた状態における突部3322の下面よりも高くなるように第1のリブ3214の突出高さを設定している。一方、第2のリブ3215の先端が、蓋体33を最上端に位置させた状態における突部3322の下面よりも低くなるように第2のリブ3215の突出高さを設定している。言い換えると、蓋体33を最上端まで移動させる途中で、突部3322の下面が第2のリブ3215の先端よりも高くなるようにしている。こうすることで、操作軸332の回転可能範囲(回転可能な角度)が360度よりも小さくなる(180度よりも若干大きい角度となる)ようにしている。
【0069】
そして、このような構成とすることで、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられていない状態(開状態)を維持している蓋体33を上方に引き上げ、操作軸332を一方向に約180度回転させた場合に、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられた状態(閉状態)とすることができるようになる。一方、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられた状態(閉状態)の蓋体33を上方に引き上げ、操作軸332を一方向とは反対側に約180度回転させた場合に、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられていない状態(開状態)を維持することができるようになる。
【0070】
このように、本実施形態では、操作軸332の回転を規制する第1のリブ3214と、操作軸332の回転を許容することが可能な第2のリブ3215とを設けることで、操作軸332の回転可能範囲を360度よりも小さい角度となるようにし、入口開口3111を閉じる際に操作軸332を回転させる方向が一方向に定まるようにしている。
【0071】
上記のような構成をした捕集網ユニット3は、送風路Pが形成されるフィルタボックス1に着脱可能に装着させた状態で使用される。
【0072】
そして、通常の使用時には、突部3322の下面を保持部3213の上面に当接させることで、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられていない状態(開状態)が維持されるようにしている。こうすれば、送風路Pに連通する入口開口3111が開放されて、送風路P内を流れる送風空気Bを、捕集網本体30に形成された空間S内に導入することができるようになる。
【0073】
そして、送風空気Bとともに空間S内に入ってくる虫や埃等の比較的大きな被捕集物Cは、網状の出口開口3217を通過することができずに落下して、捕集網本体30内における入口開口3111の外側に形成された空間S1や開閉蓋331上に溜められることになる。このとき、入口開口3111は、平面視では開閉蓋331によって覆われることになるため、網状の出口開口3217を通過することができずに落下した被捕集物Cが入口開口3111から落下してしまうことが抑制される。そのため、網状の出口開口3217で捕捉された被捕集物Cは、生きている虫を除くほとんどが空間S内に溜められることになる。
【0074】
そして、網状の出口開口3217で捕捉された被捕集物Cが空間S内に溜められると、捕集網ユニット3をフィルタボックス1から取り外して、捕集網ユニット3の清掃を行う。なお、本実施形態では、取手部3121を掴んで捕集網ユニット3を上方向に持ち上げ、フランジ3112の入口配管120との嵌合を解除させるようにすれば、捕集網ユニット3をフィルタボックス1から取り外すことができる。この捕集網ユニット3の清掃は定期的に行うようにするのが好ましい。
【0075】
また、本実施形態では、捕集網ユニット3をフィルタボックス1から取り外す前に、操作ツマミ333を操作して、
図13~
図15に示すように、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられた状態(閉状態)とすることになる。このように、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられた状態(閉状態)とすれば、捕集網ユニット3をフィルタボックス1から取り外す際や、捕集網ユニット3を持ち運ぶ際に、空間S内の被捕集物Cが外部に飛び散ってしまうことが抑制される。
【0076】
[捕集網ユニットの開閉動作例]
次に、捕集網ユニット3が備える蓋体33の開閉動作の一例を、
図9~
図12を用いて詳細に説明する。
【0077】
図9~
図12では、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられていない状態(開状態)が維持されるようにした蓋体33を操作して、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられた状態(閉状態)とする動作を説明する。
【0078】
まず、
図9に示すように、操作者Oが蓋体33の操作ツマミ333を把持し、操作軸332を回転させることができる位置まで蓋体33を引き上げる。具体的には、突部3322の下面が第2のリブ3215の先端よりも高くなるまで、蓋体33を上方に引き上げる。
【0079】
次に、
図10に示すように、操作軸332を回転させることができる位置まで蓋体33を引き上げたまま、操作軸332を回転させる。このとき、操作軸332は、
図10に示すように、突部3322が第2のリブ3215の上方を移動しながら回転することになる。
【0080】
そして、
図11に示すように、突部3322を、平面視(操作軸332の軸方向に沿って視た状態)で方形孔(突部側挿通孔)3216bと対向するまで操作軸332を回転させる。
【0081】
その後、
図12に示すように、蓋体33を下方に移動させて、突部3322を方形孔(突部側挿通孔)3216b内に挿入する。このとき、操作者Oが操作ツマミ333を把持したまま蓋体33を下方に移動させて、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられた状態(閉状態)とすることも可能である。
【0082】
しかしながら、本実施形態では、捕集網ユニット3は、入口開口3111が下側となり、出口開口3217が上側となるようにした状態で送風路Pに配置されている。さらに、捕集網ユニット3は、開閉蓋331が下側となり、操作ツマミ333が上側となり、入口開口3111の開口面3111aと交差する方向が上下方向となるようにした状態で送風路Pに配置されている。そのため、突部3322を方形孔(突部側挿通孔)3216bに対向させた状態、または、突部3322を方形孔(突部側挿通孔)3216bに挿入した状態で、操作者Oが操作ツマミ333を離せば、蓋体33が自重によって落下し、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられることになる。
【0083】
なお、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられた状態(閉状態)の蓋体33を操作して、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられていない状態(開状態)が維持されるようにする場合には、上記と逆の動作が行われる。この上記と逆の動作は、捕集網ユニット3をフィルタボックス1に装着させる前に行ってもよいし、装着させた後に行ってもよい。
【0084】
[作用・効果]
以下では、上記実施形態で示した捕集網ユニットの特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
【0085】
本実施形態にかかる捕集網ユニット3は、送風路Pに配置され、前記送風路P内に存在する所定の大きさ以上の被捕集物Cを捕集することが可能なものである。
【0086】
この捕集網ユニット3は、送風路P内を流れる送風空気Bを導入可能な入口開口3111と、送風路P内を流れる送風空気Bの通過を許容しつつ被捕集物Cの通過を規制することが可能な網状の出口開口3217と、を有する捕集網本体30と、捕集網本体30に保持され、入口開口3111を開閉可能な蓋体33と、を備えている。
【0087】
また、蓋体33は、捕集網本体30内に配置され、捕集網本体30に対して入口開口3111の開口面3111aと交差する方向に相対移動することで入口開口3111を開閉させる開閉蓋331と、捕集網本体30の出口開口3217側において捕集網本体30の外部に配置され、開閉蓋331を開閉操作することが可能な操作ツマミ333と、開閉蓋331と操作ツマミ333とを連結する操作軸332と、を備えている。
【0088】
このように、捕集網本体30内に配置された開閉蓋331を、捕集網本体30に対して入口開口3111の開口面3111aと交差する方向に相対移動させることで、入口開口3111を開閉させるようにすれば、蓋体33を操作した際に、捕集網本体30に溜められた被捕集物Cが外部に飛び散ってしまうことをより確実に抑制することができる。
【0089】
このように、本実施形態にかかる捕集網ユニット3の構成とすれば、捕集した被捕集物Cが外部に飛び散ってしまうことをより確実に抑制することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態にかかる捕集網ユニット3では、開閉蓋331を操作する操作ツマミ333を、捕集網本体30の出口開口3217側において捕集網本体30の外部に配置している。すなわち、操作ツマミ333を出口開口3217の下流側に配置させている。こうすれば、操作ツマミ333に被捕集物Cが付着してしまうことが抑制されるため、操作ツマミ333を把持する手が汚れてしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。また、操作ツマミ333を把持して操作するだけで、入口開口3111を開閉させることができるため、捕集網ユニット3の操作性をより向上させることができ、捕集網ユニット3の清掃作業効率を向上させることもできるようになる。
【0091】
また、捕集網ユニット3が、入口開口3111が下側となり、出口開口3217が上側となるようにした状態で送風路Pに配置されるようにしてもよい。
【0092】
こうすれば、送風空気Bを下から吸い込み、上方に位置する出口開口3217で被捕集物Cを捕集することになるため、網状の出口開口3217に被捕集物Cが堆積してしまうことが抑制される。そのため、定期的に行う清掃周期を比較的長くすることができる上、捕集網ユニット3を取り出す際に、網状の出口開口3217に付着した被捕集物Cが外部に飛び散ってしまうことを抑制することもできるようになる。
【0093】
また、捕集網ユニット3は、開閉蓋331が下側となり、操作ツマミ333が上側となり、入口開口3111の開口面3111aと交差する方向が上下方向となるようにした状態で送風路Pに配置されるようにしてもよい。
【0094】
こうすれば、蓋体33の自重を利用して入口開口3111を閉じることが可能となるため、捕集網ユニット3の操作性をより一層向上させることができるようになる。
【0095】
また、捕集網本体30の出口開口3217側に、操作軸332が挿入される挿通孔3216を有し、蓋体33を保持することが可能な保持部3213が形成されていてもよい。
【0096】
このように、比較的汚れにくい捕集網本体30の出口開口3217側に形成された保持部3213に蓋体33を保持させるようにすれば、蓋体33を操作する際に被捕集物Cが外部に飛び散ってしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
【0097】
また、操作軸332が、開閉蓋331と操作ツマミ333とを連結する軸本体3321と、軸本体3321に連設され、保持部3213に当接することで開閉蓋331の入口開口3111に近づく方向への移動を規制することが可能な突部3322と、を備えていてもよい。
【0098】
こうすれば、より簡素な構成で、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられていない状態(開状態)を維持できるようになる。
【0099】
また、突部3322が軸本体3321の軸方向に沿って延在するように形成されており、挿通孔3216が、軸本体3321が挿入される円形孔(軸本体側挿通孔)3216aと、突部3322が挿入可能な方形孔(突部側挿通孔)3216bと、を備えていてもよい。そして、操作軸332が、突部3322の全体が捕集網本体30の外部に位置した状態で捕集網本体30に対して相対的に回転させることができるように、保持部3213に保持されていてもよい。さらに、操作軸332の軸方向に沿って視た状態で突部3322が方形孔(突部側挿通孔)3216bと対向しないように、操作軸332を捕集網本体30に対して相対的に回転させることで、突部3322を保持部3213に当接させるようにしてもよい。
【0100】
こうすれば、蓋体33を上程の高さ以上引き上げた場合にのみ操作軸332を回転させることができるため、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられた状態で捕集網ユニット3を持ち運ぶときなどに、蓋体33がガタついてしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
【0101】
また、前記保持部3213には、前記突部3322を前記保持部3213に当接させた状態での前記操作軸332の回動を規制することが可能なリブ3214,3215が形成されていてもよい。
【0102】
こうすれば、開状態で維持された蓋体33が振動等により回転して、入口開口3111が開閉蓋331によって閉じられてしまうことを抑制することができるようになる。
【0103】
また、捕集網本体30内における入口開口3111の外側に、被捕集物Cを溜めることが可能な空間S1が形成されていてもよい。
【0104】
こうすれば、より多量の被捕集物Cを溜めることができるようになる。
【0105】
また、捕集網本体30における入口開口3111の周縁部に、送風路Pを画成する入口配管(配管)120に嵌合可能なフランジ3112が形成されていてもよい。
【0106】
こうすれば、捕集網ユニット3を迂回する空気流が発生してしまうことが抑制されるため、送風路Pを流れる空気をより効率的に捕集網ユニット3内に導入することができるようになる。
【0107】
[その他]
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0108】
例えば、上記実施形態では、入口開口3111および出口開口3217が上下方向に配置されるようにした捕集網ユニット3を例示したが、これに限られるものではない。例えば、入口開口3111および出口開口3217が上下方向に配置されるようにした捕集網ユニット3等、様々な角度で配置されるようにすることが可能である。
【0109】
また、上記実施形態では、捕集網ユニット3が配置される場所として、住宅換気装置等に供給される外気(OA)を取り入れるOAダクトに設置されるフィルタボックス1を例示したが、これに限られるものではなく、被捕集物Cを捕集する必要がある様々な場所に捕集網ユニット3を配置することが可能である。
【0110】
また、捕集網本体や蓋体、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0111】
120 入口配管(配管)
3 捕集網ユニット
30 捕集網本体
3111 入口開口
3111a 開口面
3112 フランジ
3213 保持部
3214 第1のリブ(高いリブ)
3215 第2のリブ(低いリブ)
3216 挿通孔
3216a 円形孔(軸本体側挿通孔)
3216b 方形孔(突部側挿通孔)
3217 出口開口
33 蓋体
331 開閉蓋
332 操作軸
3321 軸本体
3322 突部
333 操作ツマミ
B 送風空気
C 被捕集物
O 操作者
P 送風路
S1 入口開口の外側の空間