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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】衝立用支持具
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20241119BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
E04B2/74 561L
F16B5/10 M
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020176239
(22)【出願日】2020-10-20
(65)【公開番号】P2022067502
(43)【公開日】2022-05-06
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 貴史
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 梨夏
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-129593(JP,A)
【文献】特開2014-118787(JP,A)
【文献】実開平04-082212(JP,U)
【文献】意匠登録第1600591(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
F16B 5/00-5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚の板紙を折り曲げて組み立てられ衝立を支持する衝立用支持具であって、
底板と、
前記底板の一辺から折目線を介して前記衝立に沿って立設される背板と、
前記背板に折目線を介して接続され前記底板まで延びて前記背板の起立状態を維持させる起立支持板と、
前記底板に設けられ、前記起立支持板と係合する係合部と、
前記底板の一辺に設けられ、該底板から離れる方向に突出する一対の段部と、
を備え、
前記衝立用支持具は、2つの衝立用支持具の背板同士が所定の隙間を空けて向かい合うように配置しつつ2つの衝立用支持具の段部同士が当接させることで、前記背板同士の間の隙間を衝立が挿入できる厚さを確保できるように位置決めするとともに該隙間に挿入された前記衝立を前記背板同士で挟んで起立状態で支持するように構成されていることを特徴とする衝立用支持具。
【請求項2】
請求項1に記載の衝立用支持具であって、
前記底板の一辺には、他方の衝立用支持具の底板に向かって突出する連結片が設けられ、且つ、他方の衝立用支持具の底板の連結片が嵌合する切欠部が設けられていることを特徴とする衝立用支持具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の衝立用支持具であって、
前記底板は、前記底板の一辺を下底とする台形状に形成され、台形状の傾斜した2つの辺の一方には隣接する衝立を支持する他の衝立用支持具に向かって突出する接続片が設けられ、且つ、台形状の傾斜した2つの辺の他方には隣接する衝立を支持する他の衝立用支持具の接続片が嵌合する接続孔が設けられていることを特徴とする衝立用支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝立を支持する衝立用支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衝立を支持する合成樹脂製の衝立用支持具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】意匠登録第1600591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の合成樹脂製の衝立用支持具は、例えば、災害の避難時における目隠して予め準備補完するに際して、嵩張るという問題点があった。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、嵩張りにくい衝立用支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記目的を達成するため、本発明は、
一枚の板紙を折り曲げて組み立てられ衝立を支持する衝立用支持具であって、
底板と、
前記底板の一辺から折目線を介して前記衝立に沿って立設される背板と、
前記背板に折目線を介して接続され前記底板まで延びて前記背板の起立状態を維持させる起立支持板と、
前記底板に設けられ、前記起立支持板と係合する係合部(例えば、実施形態のスリット214。以下同一。)と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、衝立用支持具を一枚の板紙を折り曲げて構成することができるため、保管する際などに嵩張りにくくすることができる。
【0008】
[2]また、本発明においては、
前記起立支持板は、前記背板の側縁から折目線を介して折り曲げられた側板であり、
前記係合部はスリットであり、
前記側板には、前記スリットに嵌合する嵌合突片を設けてもよい。
【0009】
本発明によれば、衝立を支える背板を側板でしっかりと支えることができる。
【0010】
[3]また、本発明においては、
前記衝立は2つの前記衝立用支持具を用いて前記背板同士を重ね合わせるように配置して2つの前記背板で挟まれるようにして前記衝立が起立状態で支持され、
前記底板に、他方の衝立用支持具の底板に向かって突出する連結片を設け、且つ、他方の衝立用支持具の底板の連結片が嵌合する切欠部を設けることができる。
【0011】
本発明によれば、2つの衝立用支持具同士が連結片と切欠部とでしっかりと連結されているため、2つの衝立用支持具の背板でしっかりと衝立を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】発明の実施形態の衝立用支持具を示す説明図。
図2】本実施形態の衝立用支持具を示す展開図。
図3】本実施形態の衝立用支持具の組み立て方法を示す説明図。
図4】本実施形態の衝立用支持具の組み立て方法を示す説明図。
図5】本実施形態の衝立用支持具の使用状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、発明の実施形態の衝立用支持具200を用いて段ボール製の4つの衝立101~104を矩形状に配置し囲い100を形成した状態を示している。この囲い100は、避難所でのプライバシーの確保、或いは在宅ワークでの目隠しなどに用いることができる。
【0014】
図2は、本実施形態の衝立用支持具200の展開図である。図2を参照して、衝立用支持具200は、一枚の段ボール製の板紙を打ち抜いて形成されるものであり、台形状の底板210と、底板210の底辺(図2では上縁)の中央部分に折目線L1を介して連設された矩形状の背板220と、背板220の両側縁に折目線L2を介して夫々連設された直角三角形状の側板230と、を備えている。
【0015】
底板210の底辺(図2では上縁)には、折目線L1を挟むように配置され、図2における上方へ突出する一対の段部211が設けられている。段部211は、後述するように2つの衝立用支持具200、200’を背板220、220’が向かい合うように配置する際に、2つの衝立用支持具200、200’の段部211、211’同士が当接することで、背板220、220’同士の間の隙間を衝立101~104が挿入できる厚さを確保できるように位置決めとして機能する。
【0016】
一方の段部211(図2では右側の段部211)には、図2における上方に突出する連結片212が設けられている。連結片212の先端には、幅が拡大された係止頭部212aが設けられている。他方の段部211(図2では左側の段部211)には、段部211の端縁から図2の下方に向かって切り欠かれた切欠部213が設けられている。切欠部213は、後述するように2つの衝立用支持具200、200’を背板220、220’が向かい合うように配置する際に、隣接する衝立用支持具200’の連結片212’を嵌め込むことができるように連結片212と同一形状に形成されている。
【0017】
一対の側板230の底板210側の辺には、図2における下方へ突出する嵌合突片231が設けられている。底板210には、側板230を折目線L2を介して直角に折り曲げて起立させ、背板220を折目線L1を介して底板210に対し直角に折り曲げて起立させたときに嵌合突片231が嵌合するように配置された一対のスリット214(本実施形態の係合部)が設けられている。一対のスリット214には、隣接するスリット214側へ延びるように半円孔214aが設けられている。半円孔214aを設けることによりスリット214を打ち抜き形成するときに発生する打ち抜きゴミがスリット214内に残っても容易に取り除くことができる。
【0018】
底板210の傾斜した2つの辺の一方(図2では左側)には、隣接する衝立を支持する衝立用支持具200’と接続させるための接続片215が設けられている。接続片215の先端には、幅が拡大された係止頭部215aが設けられている。底板210の傾斜した2つの辺の他方(図2では右側)には、隣接する衝立を支持する衝立用支持具200’の接続片215’が嵌め込み自在に傾斜した辺の端縁まで切り欠かれて形成された接続孔216が設けられている。接続片215及び接続孔216が設けられた底板210の傾斜した2つの辺は、いずれも45度の角度で形成されている。これにより、隣接する衝立用支持具200’と底板210、210’同士で干渉することを防止することができる。
【0019】
次に、本実施形態の衝立用支持具200の組み立て方法を説明する。図3を参照して、まず、折目線L2を介して一対の側板230を上方へ直角に夫々折り曲げる。次に、図4に示すように、折目線L1を介して背板220を上方へ直角に折り曲げて、嵌合突片231をスリット214に夫々嵌め込むことにより、衝立用支持具200が組み立てられる。
【0020】
次に、図5を参照して、衝立用支持具200で衝立101~104を支持する方法について説明する。本実施形態の衝立用支持具200で1つの衝立101を支持するときには、2つの衝立用支持具200、200’を用いる。なお、2つ目の衝立用支持具200’は、すべて1つ目の衝立用支持具200と同一であり、2つ目の衝立用支持具200’の構成は、1つ目の衝立用支持具200の符号に「’」をつけて表している。
【0021】
衝立101を支持するときには、2つの衝立用支持具200、200’を背板220、220’が重なり合うように配置し、衝立用支持具200の連結片212を衝立用支持具200’の切欠部213’に嵌合させ、衝立用支持具200’の連結片212’を衝立用支持具200の切欠部213に嵌合させる。このとき、衝立用支持具200の段部211と衝立用支持具200’の段部211’とが当接することで背板220,220’の間の隙間が確保され、衝立101を背板220、220’の間に差し込み易くなっている。そして、背板220、220’の間に衝立101を差し込んで衝立101が衝立用支持具200、200’により支持される。
【0022】
本実施形態の衝立用支持具200によれば、従来の合成樹脂製の衝立用支持具と比較して、一枚の板紙を折り曲げて構成されているため、リサイクルし易くすることができる。また、収納する際や廃棄する際にも一枚の板状に容易に戻すことができるため、大きな収納スペースを必要とせず、収納が容易である。
【0023】
なお、本実施形態では背板220の起立状態を維持させるための側板230を備えた衝立用支持具200を説明したが、発明の衝立用支持具の背板の起立状態を維持させる起立支持板はこれに限らない。例えば、起立支持板として、背板の上縁に折目線を介して折り返し可能な延長板を設け、この延長板の先端縁を底板の係合部に係止させることにより背板の起立状態を維持させるように構成することもできる。
【符号の説明】
【0024】
100 囲い
101~104 衝立
200 衝立用支持具
210 底板
211 段部
212 連結片
212a 係止頭部
213 切欠部
214 スリット(係合部)
214a 半円孔
215 接続片
216 接続孔
220 背板
230 側板
231 嵌合突片
L1、L2 折目線
図1
図2
図3
図4
図5