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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】航空機ブレーキ制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/02 20060101AFI20241119BHJP
   B64C 25/44 20060101ALI20241119BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20241119BHJP
   B60T 17/18 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B60T7/02 D
B64C25/44
B60T8/17 B
B60T17/18
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020193341
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2021109647
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】16/735,406
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド・ティー・ヤマモト
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・エリオット・スミス
(72)【発明者】
【氏名】ニマ・フォーガーニ
(72)【発明者】
【氏名】ブルース・ヴァン・デーフェンテル
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-138882(JP,A)
【文献】特表2001-523619(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0017202(US,A1)
【文献】特開2017-001559(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0001984(US,A1)
【文献】特開2020-023308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 17/18
B64C 25/44
B60T 8/17
B60T 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の組のブレーキ入力機構センサ(122)と電気的に通信する第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)と、
第2の組のブレーキ入力機構センサ(124)と電気的に通信する第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)と
を備え、
前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)は、前記ブレーキ入力機構センサ(122、124)から受信したセンサ出力を差動的に操作するための1つ以上の異なるハードウェアおよび異なるソフトウェアを備える、ブレーキ制御システム(50)。
【請求項2】
前記第1の組のブレーキ入力機構センサ(122)および前記第2の組のブレーキ入力機構センサ(124)をさらに備え、前記第1の組のブレーキ入力機構センサ(122)および前記第2の組のブレーキ入力機構センサ(124)は、2つ以上のブレーキ入力機構(110)の作動状態を測定することによって所望の制動力の指標を提供し、前記第1の組のブレーキ入力機構センサ(122)および前記第2の組のブレーキ入力機構センサ(124)の両方は、2つ以上の前記ブレーキ入力機構(110)のすべての前記作動状態を測定する、請求項1に記載のブレーキ制御システム(50)。
【請求項3】
前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)と1つ以上のブレーキシステム制御ユニット(BSCU)(182、184)とを電気的に接続する第1のビークルバス(170)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)と1つ以上の前記BSCU(182、184)とを電気的に接続する第2のビークルバス(172)をさらに備える、請求項1または2に記載のブレーキ制御システム(50)。
【請求項4】
1つ以上の前記BSCU(182、184)をさらに備え、1つ以上の前記BSCU(182、184)は、2つのBSCUを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のブレーキ制御システム(50)。
【請求項5】
前記センサ出力を操作することは、前記センサ出力をアナログ信号からデジタル信号に変換すること、前記センサ出力を符号化すること、および前記センサ出力を復調することの1つ以上を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のブレーキ制御システム(50)。
【請求項6】
前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)は、同じタイプの構成可能な論理デバイスを備えるが、前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)のハードウェアは、前記センサ出力を異なる方法で操作するように異なる方法で構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のブレーキ制御システム(50)。
【請求項7】
前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備え、前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)の論理ゲートは、前記センサ出力を異なる方法で操作するために異なる方法で相互接続されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のブレーキ制御システム(50)。
【請求項8】
前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)は、マイクロコントローラー(220、222、224、226)を備え、前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)は、前記センサ出力を操作するための異なるソフトウェアを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のブレーキ制御システム(50)。
【請求項9】
前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)および前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)はそれぞれ、第1のチャネル(145)および第2のチャネル(147)を備え、前記第1の組のアナログ-デジタル変換器(144)は、前記第1のチャネル(145)を介して前記第1の組のブレーキ入力機構センサ(122)に電気的に接続されており、前記第2の組のアナログ-デジタル変換器(146)は、前記第2のチャネル(147)を介して前記第2の組のブレーキ入力機構センサ(124)に電気的に接続されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のブレーキ制御システム(50)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のブレーキ制御システム(50)を備える航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、航空機ブレーキ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
他の航空機システムと同様に、連邦規制では、航空機ブレーキシステムが安全性および性能を確保するために冗長性またはバックアップを含むことが求められている。例えば、ブレーキシステムは、離陸時の不要な制動および/または着陸時の不十分な制動を回避するために所望の制動力が正しく測定されることを保証するために各ブレーキペダルに少なくとも3つのブレーキペダルセンサを設けることを求められる場合がある。ほとんどのブレーキシステムは少なくとも4つのブレーキペダル(機長用に2つ、副操縦士用に2つ)を含むため、安全規制を満たすために必要なセンサの数および関連する配線は急速に増加し、このため、このようなシステムのコストおよび複雑度は増加する。
【0003】
必要な配線の量を低減するために、一部の制動システムでは、左側ブレーキペダルの情報のみを一方のブレーキシステム制御ユニット(BSCU:brake system control unit)にルーティングし、右側ブレーキペダルの情報のみを他方のブレーキシステム制御ユニットにルーティングする場合がある。しかしながら、この非対称BSCUアーキテクチャは、BSCUの一方が動作しない(non-perform)場合に、要求していない旋回を発生させ得る。これは、正常な残りのBSCUが、航空機のブレーキの片側(左側着陸装置のブレーキまたは右側着陸装置のブレーキのいずれか)しか制御し得ないためである。飛行機が移動しているときに左側ブレーキのみまたは右側のブレーキのみがかかると、航空機は旋回する。
【0004】
さらに、多くの従来のブレーキシステムは、機長のブレーキペダルと副操縦士のブレーキペダルとの間の、ペダルを物理的にリンクする機械的リンクを設けている。この固定アタッチメントにより、一方のパイロットのブレーキペダルが押し下げられると、必然的に他方のブレーキペダルも押し下げられる。しかしながら、このアプローチは、機長および副操縦士が制動システムを独立して制御することを不可能にし、これは、機長が誤った副操縦士のブレーキ入力を無効にする必要がある場合、またはその逆の場合に問題になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、配線および他の電気回路を削減するより単純でより安価でより安全なブレーキ制御システムが、要求していない旋回を防ぎ、独立した機長-副操縦士の制御を可能にする対称的な内側/外側制動を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
航空機ブレーキ制御システムが開示されている。例えば、ブレーキ制御システムは、第1の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第1の組のアナログ-デジタル変換器と、第2の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第2の組のアナログ-デジタル変換器とを備える。第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、ブレーキ入力機構センサから受信したセンサ出力を差動的に操作するための1つ以上の異なるハードウェアおよび異なるソフトウェアを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示による、ブレーキ制御システムを含む例示的な航空機の概略図である。
図2】本開示による、センサ信号をブレーキシステム制御ユニットに転送するためにビークルバスを利用する第1の例示的なブレーキ制御システムを表す概略図である。
図3】本開示による、センサ信号をブレーキシステム制御ユニットに転送するために冗長配線を利用する第2の例示的なブレーキ制御システムを表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本開示によるブレーキ制御システム50を含む例示的な航空機10の概略図である。航空機10は、一般に、人および/または貨物を輸送するために利用され得る。図1に示されているように、航空機10は、一般に、胴体12と、胴体12に動作可能に結合された翼アセンブリ14とを含む。胴体12および/または翼アセンブリ14は、対応する着陸装置構造18に動作可能に結合され、および/または対応する着陸装置構造18を収容するように構成された1つ以上の脚室(wheel well)16(ならびに/または着陸装置格納ベイおよび/もしくは車輪格納ベイ)を画定している。着陸装置構造18は、ストラットアセンブリ100および/またはレバーアセンブリ21を介して胴体12および/または翼アセンブリ14に動作可能に結合された車輪アセンブリ20を含み得る。ブレーキ制御システム50は、車輪アセンブリ20の車輪に加えられる制動力を動作可能に制御する。特に、図2および図3を参照して以下でより詳細に説明されるように、ブレーキ制御システム50は、ブレーキを制御し、車輪アセンブリ20の車輪に加えられる制動力を調整するために1つ以上のブレーキシステム制御ユニット(BSCU)と、BSCUと電子通信する1つ以上のブレーキとを含み得る。
【0009】
図2および図3は、本開示によるブレーキ制御システム50の例示的で非排他的な例の概略図を示す。図2は、ブレーキ入力機構センサとブレーキシステム制御ユニット(BSCU)との間の電気通信を提供するための1つ以上のビークルバスを備える、ブレーキ制御システム50の第1の例示的なブレーキ制御システム250を示す。図3は、ブレーキ入力機構センサとBSCUとの間の電気通信を提供するための複数の配線を備える、ブレーキ制御システム50の第2の例示的なブレーキ制御システム350を示す。第1の例示的なブレーキ制御システム250および第2の例示的なブレーキ制御システム350は、上で説明したように、センサとBSCUとの間の電気的結合が異なることを除いて、一般に同じかつ/または同様の構成要素を含む。したがって、図2および図3は、この配線の違いに関する特定の記述とともに、本明細書では集合的に説明される。
【0010】
図2および図3に概略的に示されているように、ブレーキ制御システム50は、ブレーキ入力機構センサ120の出力を操作する(例えば、変換、復調、および/または符号化する)変換器140を備える。変換器140に加えて、ブレーキ制御システム50は、本明細書で述べられる様々な任意選択の構成要素(例えば、センサ120、BSCU182および184など)を含み得る。ブレーキ入力機構センサ120は、ブレーキ入力機構110(例えば、ブレーキペダル)の動作状態(例えば、作動の程度)を測定することによって、1つ以上のBSCU(例えば、それぞれ第1のBSCU182および第2のBSCU184)に所望の制動力(機長および/または副操縦士により要求された制動力)の指標を提供するように構成される。変換器140は、ブレーキ入力機構110の動作状態に関する情報を、受信した情報に基づいて左側着陸装置300および右側着陸装置320の車輪に加えられる制動力を選択的に調整するように構成されたBSCU182および184の1つ以上に供給する。変換器140は、意図しない/誤った信号(何らかの数の既知または未知の不動作イベント(non-performance event)によって発生し得る)がBSCUに伝わる可能性を低減する安全機能を備え、これは制動性能および安全性を強化する。一例では、変換器140は、異なるハードウェアおよび/またはソフトウェアの使用を通じてこの強化された安全性を提供する複数冗長設計を備える。異種のハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して、変換器140は、1つの変換器におけるソフトウェアおよび/またはハードウェアのエラーが制動に悪影響を与える可能性を低減することにより、ブレーキの信頼性および性能を向上させる。具体的には、一様でないハードウェアおよび/またはソフトウェアの使用は、変換器140がすべて同時に、意図しないまたは要求していない制動(すなわち、制動が望まれていないとき(例えば、離陸時)の要求していない/意図しない制動、または制動が望まれているとき(例えば、着陸時)の複数の制動力源(multiple sources of braking power)の同時喪失))をもたらすコモンモードの不動作イベントを被らないことを保証する。
【0011】
図2および図3は、特定の量の特定の構成要素(例えば、12個の入力機構センサ、12個の変換器、それぞれが2個のマイクロコントローラーおよび1個の論理ゲートハードウェアデバイスを有する2個のBSCU、4個の遮断モジュール、4個の代替ブレーキアクチュエータ、8個の主ブレーキアクチュエータ、8個の車輪など)を示しているが、ブレーキ制御システム50は、他の例では、他の数のこれらの同じ構成要素を含み得る。図2および図3は2つのBSCUを有するブレーキ制御システム50を示しているが、一例では、ブレーキ制御システム50は1つのBSCUのみを含むだけである。したがって、本開示の範囲から逸脱することなく、より多いまたはより少ない数の同じ構成要素が利用されてもよい。さらに、図2および図3に示されている構成要素のすべてが、ブレーキ制御システム50のすべての例で必要とされるわけではない。
【0012】
一部の例では、ブレーキ制御システム50は、ブレーキ入力機構110を含む。ブレーキ入力機構110は、所望の制動力を示すためにユーザ(例えば、機長および/または副操縦士)によって選択的に調整可能なユーザ入力機構である。それらが含まれる一部の例では、ブレーキ入力機構110は、それぞれ左側および右側の機長ブレーキ入力機構112および114ならびにそれぞれ左側および右側の副操縦士ブレーキ入力機構116および118を含む。左側機長ブレーキ入力機構112は、左側ブレーキ(例えば、左側着陸装置300のブレーキ)をかけるために機長によって選択的に調整されるように構成され、右側機長ブレーキ入力機構114は、右側ブレーキ(例えば、右側着陸装置320のブレーキ)をかけるために機長によって選択的に調整されるように構成される。同様に、左側副操縦士ブレーキ入力機構116は、左側ブレーキをかけるために副操縦士によって選択的に調整されるように構成され、右側副操縦士ブレーキ入力機構118は、右側ブレーキをかけるために副操縦士によって選択的に調整されるように構成される。
【0013】
図2および図3は、4つのブレーキ入力機構を示しているが、他の例では、ブレーキ制御システム50は、4つより少ないおよび/または多いブレーキ入力機構を含んでもよい。このような一例として、ブレーキ制御システム50は、左側および右側の機長ブレーキ入力機構112および114のみを含み、副操縦士ブレーキ入力機構を含まない。他のこのような例では、ブレーキ制御システム50は、3つ以上の機長ブレーキ入力機構を含む。
【0014】
一部の例では、ブレーキ入力機構110は、機械的に作動される機構を備える。このような一例として、ブレーキ入力機構110は、図2および図3に概略的に示されているように、フットペダルなどのブレーキペダルを備える。しかしながら、他のこのような例では、ブレーキ入力機構110は、1つ以上のレバー、ジョイスティック、ボタンなどの別のタイプの機械的に作動される入力機構を備える。他の例では、ブレーキ入力機構110は、タッチスクリーンなどの電気的に作動される機構を備える。
【0015】
上で述べたように、ブレーキ入力機構110は、ユーザ(例えば、機長および/または副操縦士)によって望まれる制動力の量を示すためにユーザによって選択的に調整、操作、および/または作動されるように構成される。したがって、本明細書の説明では、「作動状態」という用語は、ブレーキ入力機構110のユーザ操作/作動(またはその欠如)から生じるブレーキ入力機構110の状態を指すために使用され、これは、さらには、ユーザにより望まれている制動の量に対応する。ブレーキ入力機構110の作動状態は、利用されている機構のタイプに応じて異なるパラメータを指してもよい。
【0016】
このような一例として、ブレーキ入力機構110が機械的に調整可能なブレーキペダルを備える場合、ブレーキ入力機構110の作動状態は、完全に解放された位置(制動が望まれていない場合に対応する)に対するブレーキペダルの位置および/またはブレーキペダルの変位の量を指す。このような一例として、ブレーキ入力機構110が押し下げ可能なブレーキペダルを備える場合、ブレーキ入力機構110の作動状態は、ブレーキペダルの押し下げ量(例えば、押し下げられていない、部分的に押し下げられた、完全に押し下げされたなど)を指す。
【0017】
しかしながら、ブレーキ入力機構110が電気的に作動される入力機構を備える他のこのような例では、作動状態は、例えば、電気的に作動される入力機構のユーザ操作に起因する、電気的に作動される入力機構を流れる電流の変化を指し得る。
【0018】
ブレーキ入力機構110の作動状態(したがって、所望の制動量)を測定するために、ブレーキ制御システム50は、一部の例ではブレーキ入力機構センサ120を含む。図2および図3に示されている例などの一部のこのような例では、ブレーキ制御システム50は、各ブレーキ入力機構の作動状態の複数の(すなわち、冗長な)測定を提供するために、ブレーキ入力機構ごとに複数のセンサを含む。このような一例では、ブレーキ制御システム50は、ブレーキ入力機構110ごとに3つのブレーキ入力機構センサ120を含む。したがって、図2および図3の例では、ブレーキ制御システム50は、左側機長ブレーキ入力機構112のための3つのセンサ、右側機長ブレーキ入力機構114のための3つのセンサ、左側副操縦士ブレーキ入力機構116のための3つのセンサ、および右側副操縦士ブレーキ入力機構118のための3つのセンサを含むように示されている。しかしながら、他の例では、3つより少ないまたは多いセンサが、ブレーキ入力機構ごとに含まれる。
【0019】
一部の例では、センサ120のそれぞれは、ブレーキ入力機構110の1つの作動状態を測定するようにのみ構成される。しかしながら、他の例では、センサ120の1つ以上が、ブレーキ入力機構110の1つより多くに電気的に接続される。このような例では、単一のセンサに接続されたブレーキ入力機構110の1つより多くは、単一の入力機構として扱われる。
【0020】
ブレーキ入力機構センサ120は、ブレーキ入力機構110の作動状態を測定することができるセンサを備える。したがって、ブレーキ入力機構センサ120によって用いられるセンサのタイプは、センサが測定するように構成されているブレーキ入力機構のタイプに依存する。例えば、ブレーキ入力機構110がブレーキペダルなどの機械的に作動される機構を備える場合、ブレーキ入力機構作動状態センサ120は、位置センサを備え得る。一部のこのような例では、センサ120は、線形可変差動変圧器(LVDT:linear variable differential transformer)、回転可変差動変圧器(RVDT:rotation variable differential transformer)、ポテンショメータ、容量性位置センサ、ホール効果センサ、圧電トランスデューサなどの1つ以上を備える。しかしながら、他のこのような例では、センサは、静的力センサまたは他のタイプの非位置センサを備えてもよい。
【0021】
他の例では、ブレーキ入力機構110がタッチスクリーンのような電気的に作動される機構を備える場合などに、センサ120は、電位感受性タッチスクリーンセンサ(例えば、容量性および/または抵抗性タッチスクリーンセンサ)などの異なるタイプのセンサを備える。
【0022】
センサ120のそれぞれは、それが関連付けられるブレーキ入力機構110の作動状態(所望の制動力を示す)を符号化するアナログ信号を出力し得る。すなわち、センサ120は、ブレーキ入力機構110を介して受信されたユーザ入力を、所望の制動量を示すアナログ信号に変換する。
【0023】
要約すると、機長および/または副操縦士は、所望の制動量を示すためにブレーキ入力機構110の1つ以上を作動させる。機長および/または副操縦士によるブレーキ入力機構110の機械的または電気的調整は、センサ120(例えば、LVDTセンサ)によってアナログ信号に変換され、これは次に、変換器140によってデジタル信号に変換される。
【0024】
変換器140は、センサ120によって出力されたアナログ信号を受信し、これらのアナログ信号をデジタル信号に変換する。図2の例のように、ブレーキ制御システム50が1つ以上のビークルバスを含む例では、デジタル信号は、ビークルバス信号(例えば、CANバス信号、LINバス信号)を含み、したがって、変換器140は、アナログ信号をCANバス信号などのビークルバス信号に変換する。変換器は、追加的または代替的に、センサ120から受信したアナログ信号を復調および/または符号化し得る。
【0025】
アナログ-デジタル変換および/または復調を実行するために、変換器140は、ハードウェアおよび関連するソフトウェアを備える。特に、変換器140は、処理ユニット(一般に論理集積回路とも呼ばれる)およびメモリユニットを形成する集積回路(ハードウェア)を備える。メモリユニットは、信号変換および復調などの様々なコンピューティング機能を実行するために処理ユニットによって実行可能なコンピュータ可読命令(ソフトウェア)を記憶する。処理ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラー、プログラマブルアレイ論理(PAL:programmable array logic)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:complex programmable logic device)、またはセンサ120によって出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換することができる他の回路/ハードウェアの1つ以上を備える。メモリユニットは、揮発性(例えば、RAM、SRAM、DRAM)および/または不揮発性(例えば、ROM、PROM、EPROM)メモリを備える。
【0026】
変換器140のそれぞれは、センサ120の少なくとも1つから出力を受信する。図2および図3の例などの一部の例では、ブレーキ制御システム50は、センサ120と同じ数の変換器140を含む。一部のこのような例では、変換器140およびセンサ120は、1対1の関係で互いに電気的に接続され、これにより、変換器140のそれぞれは、センサ120の正確に1つに電気的に接続され、センサ120のそれぞれは、変換器140の正確に1つに電気的に接続される。しかしながら、他のこのような例では、変換器140およびセンサ120は、1対1の関係で接続されない。他の例では、ブレーキ制御システム50は、センサ120と同じ数の変換器140を含まない。
【0027】
図2および図3の例では、変換器140は、3組の変換器、すなわち、第1の組の変換器144、第2の組の変換器146、および第3の組の変換器148を備える。一部のこのような例では、第1の組の変換器144は、センサ120の第1の組のセンサ122に電気的に接続され(すなわち、第1の組のセンサ122と電気的に通信し)、第2の組の変換器146は、センサ120の第2の組のセンサ124に電気的に接続され、第3の組の変換器148は、センサ120の第3の組のセンサ126に電気的に接続される。しかしながら、他の例では、変換器140は、3つより多いまたは少ない組を備える。
【0028】
一部の例では、各組のセンサ122、124、および126は、入力機構112、114、116、および118のそれぞれの作動状態を測定するように構成される。したがって、第1の組のセンサ122のセンサの1つ、第2の組のセンサ124のセンサの1つ、および第3の組のセンサ126のセンサの1つが、左側機長ブレーキ入力機構112の作動状態を測定するように構成され、同様に、各組のセンサ122、124、および126からの他のセンサは、他の3つの入力機構114、116、および118の作動状態を測定するように構成される。したがって、図2および図3の例に示されているように、センサ120は、合計12個のセンサを含み、各組のセンサ122、124、および126は、入力機構112、114、116、および118のそれぞれのための4個のセンサを備える。
【0029】
上で説明したように、変換器140は、コモンモードの不動作イベントが制動性能に悪影響を与えるのを防ぐための安全機能を含む。コモンモードの不動作イベントは、センサ120からの意図しない出力(例えば、センサの不動作によって発生する)、変換器140のハードウェアの意図しない不動作、変換器140のソフトウェアの意図しない不動作などを含み得る。一例では、変換器140がすべて、BSCUに送信するためにセンサからの出力を操作する(例えば、センサ信号を復調し、センサ信号をアナログからデジタルに変換し、信号を符号化する)ために、同じハードウェアおよび/またはソフトウェアを利用するわけではない。特に、このような例では、変換器140は、異なる組の変換器であって、それぞれが、それ自体の独自のハードウェアおよび/またはソフトウェアを利用する、異なる組の変換器を備える。すなわち、これらの組は、センサ出力の変換、復調、および符号化の1つ以上に異なるハードウェアおよび/またはソフトウェアを利用するという点で区別可能である。別の例では、変換器140は、BSCUへのそれらの出力の信憑性を保証するために内部監視方式を利用する。
【0030】
一例では、変換器140は、センサ出力を操作するために異なるハードウェアを利用する。このような一例として、これらの組の変換器144、146、および148は、異なる方法で構成された、FPGAおよび/またはASICなどの論理ゲートタイプの集積回路を備える。例えば、論理ゲートタイプのICは、論理ブロックを異なる方法で相互接続することによって異なる方法で配線され得る。さらに別のこのような例では、変換器140は、同じハードウェアを備えるが、センサ120に接続するための複数のチャネル(およびそれぞれのポート)を含む。例えば、図2および図3に示されているように、変換器140は、すべて構造および回路において同一であるが、3つのチャネル、すなわち、第1のチャネル145、第2のチャネル147、および第3のチャネル149を含む。チャネル145、147、または149の1つのみが、センサ120の1つに電気的に接続される。チャネルの1つの一般的な障害が制動性能に影響を与えないことを保証するために、これらの組の変換器144、146、および148は、異なるチャネルを介してそれらの関連するセンサに接続される。例えば、第1の組の変換器144は、第1のチャネル145を介して第1の組のセンサ122に電気的に接続され、第2の組の変換器146は、第2のチャネル147を介して第2の組のセンサ124に電気的に接続され、第3の組の変換器148は、第3のチャネル149を介して第3の組のセンサ126に電気的に接続される。
【0031】
別の例では、変換器140は、センサ出力を操作するために、ハードウェア(例えば、中央処理装置、マイクロプロセッサ、FPGAなど)によって実行可能な異なるソフトウェア(コンピュータ可読命令)を利用する。このような一例として、これらの組の変換器144、146、および148は、アナログセンサ出力をCANバス信号などのデジタル信号に変換するための異なるコンピュータ可読命令(すなわち、コンピュータコードの行)、異なるアルゴリズム、および/または異なる数学的関係の1つ以上を含む。別の例として、これらの組の変換器144、146、および148は、BSCU182および184の1つ以上に送信されたデジタル信号を符号化するための異なるコンピュータ可読命令(すなわち、コンピュータコードの行)、異なるアルゴリズム、および/または異なる数学的関係の1つ以上を含む。
【0032】
さらに別の例では、変換器140は、センサ出力を操作するために異なるハードウェアおよび異なるソフトウェアの組み合わせを利用する。このような一例として、これらの組の変換器144、146、および148は、異なる回路を有するマイクロコントローラーを備え、したがって、異なるソフトウェアを実行する。
【0033】
さらなる例では、変換器140は、受信したセンサ出力の信憑性を保証するために受信したセンサ出力を内部的にチェックするためのソフトウェアを含む。このような一例として、ソフトウェアは、意図しないセンサ出力をふるいにかける(すなわち、受信されたセンサ出力が誤っていないことを確認するためにチェックする)、PID制御などのフィードバック制御ループを含み得る。したがって、変換器140は、ブレーキ制御のために正確なセンサ出力のみがBSCUに伝送されることを保証するために、信号がBSCUに送信される前に信号を内部的に監視し得る。
【0034】
上記のアプローチ(内部監視方式、ならびに異なるハードウェアおよび/または異なるソフトウェアの利用)の1つ以上を利用することによって、ブレーキ性能および安全性を向上させる技術的効果が達成される。特に、変換器140に複数冗長の異なる設計を利用することによって、および/または意図しないセンサ出力をスクリーニングするためのフィードバック制御機構を使用することによって、変換器140からの意図しない出力(ブレーキ制御システム50の1つ以上の構成要素の何らかの数の不動作イベントによって生じる)は低減および/または防止され得、これにより、所望の制動力のより正確な指標をBSCUに提供することが保証される。このようにして、BSCUは、機長および/または副操縦士によって要求された所望の制動力とより厳密に一致する制動力をコマンドし得る。簡単に言えば、上記のアプローチは、所望の制動力の信号の完全性を向上させ、これにより、BSCUに所望の制動力のより正確な指標を提供する。
【0035】
上で説明したように、変換器140は、BSCU182および184の1つ以上のためにアナログセンサ出力をデジタル信号に変換する。したがって、変換器140は、所望の制動力(センサ120によって提供される)の指標をBSCUに送信するためにBSCU182および184と電気的に通信する。一部の例では、変換器140はすべて、BSCU182および184の両方に直接電気的に接続される。変換器140のすべてを両方のBSCUに電気的に接続することによって、両方のBSCUは、センサ120のすべてから入力を受信し、これにより、BSCU182または184の一方の不動作の場合でも対称制動が保証される。
【0036】
しかしながら、他の例では、変換器140の1つ以上は、BSCU182および184の一方(両方ではなく)にのみ直接電気的に接続される。一部のこのような例では、ブレーキ制御システム50は、2つのBSCU182および184間の通信を提供するための変換器を含む。したがって、2つのBSCU182および184が、このような例で変換器140のすべてから情報を直接受信しなくても、BSCU182および184は、それにもかかわらず、BSCU182および184間で情報を共有することによって、変換器140のすべてから情報を間接的に受信し得る。
【0037】
さらなる例では、ブレーキ制御システム50は、1つのBSCUのみを含む。一部のこのような例では、単一のBSCUは、図2および図3に示されている2つのBSCUの設計と同じおよび/または同様の安全機能を依然として含む。例えば、単一のBSCUは、3つより多い制御レーン、ならびに/または図2および図3に示されているBSCUを上回る冗長性を含み得る。さらに、一部のこのような例では、変換器140のすべてが、単一のBSCUと電気的に通信する。
【0038】
図2および図3の例では、変換器140は、物理(例えば、有線)リンクを介しておよび/または無線リンクを介してなど、適切なデジタル送信媒体を介してBSCU182および184に電気的に接続される。
【0039】
ブレーキ制御システム50が変換器140とBSCU182および184との間の物理リンクを含む一例では、ブレーキ制御システム50は、変換器140によって出力されたデジタル信号をBSCU182および184に送信するためにビークルバスプロトコルを利用しない複数の配線を含む。このような一例は図3に示されている。図3の例では、第2の例示的なブレーキ制御システム350は、変換器140とBSCU182および184とを電気的に接続する複数の配線376を含む。ブレーキ制御システム350が12個の変換器を含む図3の例では、第2のブレーキ制御システム350は、24の配線(変換器140のそれぞれに対して2つの配線)と、所定の変換器と第1のBSCU182とを接続するための1つの配線と、所定の変換器と第2のBSCU184とを接続するための第2の配線とを含む。
【0040】
しかしながら、ブレーキ制御システム50が変換器140とBSCU182および184との間の物理リンクを含む他の例では、物理リンクは、変換器140によって出力されたデジタル信号をBSCU182および184に送信するために1つ以上のビークルバスプロトコルをサポートする。このような一例は図2に示されている。図2の例では、第1のブレーキ制御システム250は、3つのビークルバス、すなわち、第1のビークルバス170、第2のビークルバス172、および第3のビークルバス174を含む。第1のビークルバス170は、第1の組の変換器144とBSCU182および184とを電気的に接続し、第2のビークルバス172は、第2の組の変換器146とBSCU182および184とを電気的に接続し、第3のビークルバス174は、第3の組の変換器148とBSCU182および184とを電気的に接続する。したがって、第1のビークルバス170は、第1の組の変換器144ならびにBSCU182および184に電気的に結合され、第2のビークルバス172は、第2の組の変換器146に電気的に結合され、第3のビークルバス174は、第3の組の変換器148に電気的に結合される。
【0041】
ビークルバス170、172、および174は、コントローラーエリアネットワーク(CAN:controller area network)バス、ローカル相互接続ネットワーク(LIN:local interconnect network)バス、シングルエッジニブル伝送(SENT:single edge nibble transmission)、およびRS485(TIA-485-Aとしても知られている)の1つ以上を含む。特に、ビークルバス170、172、および174は、第1のブレーキ制御システム250の、変換器140のコントローラー(例えば、集積回路)とBSCU182との間のデジタル通信を可能にするメッセージベースのプロトコル(例えば、CANプロトコル、LINプロトコルなど)をサポートするケーブル(例えば、イーサネット、光ファイバ)、配線、バスバー、または他の導電性材料などの物理的伝送媒体を備える。したがって、ビークルバス170、172、および174は、変換器140とBSCU182および184との間で通信するための1つ以上のビークルバスプロトコルをサポートするように構成されたハードウェアを備える。
【0042】
しかしながら、他の例では、ブレーキ制御システム50は、変換器140とBSCU182および184との間の通信を提供するための無線通信手段を備える。特に、変換器140は、信号をBSCU182および184に無線で送信するデジタル送信機を備え得る。さらには、BSCU182および184は、変換器140から無線信号を受信するデジタル受信機を備え得る。変換器140は、Bluetooth(登録商標)、超広帯域(UWB:ultra-wideband)、ZigBee、およびWi-Fiの1つ以上を含む、信号を無線で送信するための様々な電磁周波数および/またはプロトコルを利用し得る。
【0043】
一部の例では、ブレーキ制御システム50は、BSCU182および184を追加的に含む。BSCU182および184は、センサ120によって供給される所望の制動力の指標に基づいて車輪制動を調整するように構成される。特に、BSCU182および184は、変換器140から受信したデジタル信号に基づいて、左側着陸装置300の1つ以上の車輪および/または右側着陸装置320の1つ以上の車輪に加えられる制動力の量を調整するように構成される。
【0044】
一部の例では、BSCU182および184は、BSCU182および184の両方が両方の着陸装置300および320の車輪に関連するブレーキの動作を制御する対称制動システムをサポートする。したがって、このような例では、BSCU182および184の両方は、左側着陸装置300の少なくとも1つのブレーキおよび右側着陸装置320の少なくとも1つのブレーキの動作を調整するように構成される。例示的な対称制動システムは、米国特許出願第16/019,729号に記載されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
別のこのような例示的な対称制動システムは、図2および図3に示されている。図2および図3の例では、第1のBSCU182は、それぞれ左側着陸装置300および右側着陸装置320の外側車輪のブレーキを制御する外側BSCUとして構成される。第2のBSCU184は、それぞれ左側着陸装置300および右側着陸装置320の内側車輪のブレーキを制御する内側BSCUとして構成される。
【0046】
しかしながら、他の例では、BSCU182および184は、対称制動システムをサポートしていない。このような例では、各BSCUは、着陸装置の一方、それぞれ左側着陸装置300または右側着陸装置320のいずれかのブレーキのみを制御する。
【0047】
BSCU182および184は、チャネル190、192、および194、コネクタ200、リピータ210、デジタル-アナログ変換器216、マイクロコントローラー220、222、224、および226、論理ゲートハードウェアデバイス230および232、チャネルバッファ231、ならびに増幅器241、242、243、244、245、246、247、および248の1つ以上を備える。
【0048】
含まれる場合、コネクタ200は、変換器140からデジタル信号を受信するように構成された入力インターフェースである。特に、コネクタ200は、変換器140とBSCU182および184とを接続する有線接続を介して変換器から信号を受信するように構成される。コネクタ200は、シリアル、USB、マイクロUSB、ファイヤワイヤ、ライトニング、および/またはサンダーボルト接続の1つ以上を含み得る。コネクタ200は、無線信号、電気信号、および/または光信号を介して様々なパイロット入力(所望の制動力の指標を含む)を受信するようにも構成され得る。コネクタ200はまた、航空機の動作を監視するフライトコントローラーなどの1つ以上の他のソースから信号を受信し得る。
【0049】
含まれる場合、チャネル190、192、および194(本明細書では「制御レーン」とも呼ばれる)は、不動作の場合にさらなる冗長性および多層保護を提供する。図2および図3に示されているように、各BSCU182および184は、主ブレーキアクチュエータを制御するための2つの独立制御レーン190および194、ならびに代替ブレーキアクチュエータおよび/または緊急遮断モジュールを制御する共有制御レーン192を含む。チャネル190、192、および194は、それぞれがそれ自体のポート/コネクタ機構(例えば、コネクタ200)を備える独立したチャネルである。チャネル190、192、および194は、アナログ信号、デジタル信号、またはアナログ信号とデジタル信号の組み合わせを含む。チャネルバッファ231は、チャネル190、192、および194間の独立性を提供する。特に、チャネルバッファ231は、チャネル190、192、または194の1つの障害が他のチャネル190、192、および194のいずれかの機能に影響を与えないことを保証するために、チャネル190、192、および194のそれぞれの間に(例えば、チャネル間のインターフェースに)配置される。
【0050】
したがって、一部の例では、制御レーン190、192、および194のそれぞれは、変換器140から信号を受信するためのコネクタ200の1つを備える。図2および図3の例では、第1の独立制御レーン190のコネクタは、第1の組の変換器144から信号を受信し、第2の独立制御レーン194のコネクタは、第3の組の変換器148から信号を受信し、共有制御レーン192のコネクタは、第2の組の変換器146から信号を受信する。すなわち、第1の組の変換器144は、第1のビークルバス170を介して第1の独立制御レーン190に直接電気的に接続され(例えば、結合され)、第2の組の変換器146は、共有制御レーン192に直接電気的に接続され、第3の組の変換器148は、第2の独立制御レーン194に直接電気的に接続される。図2の例では、第1の組の変換器144の第1のチャネル145は、第1のビークルバス170を介してBSCU182および184の第1の独立制御レーン190に直接電気的に接続されており、第2の組の変換器146の第2のチャネル147は、第2のビークルバス172を介してBSCU182および184の共有制御レーン192に直接電気的に接続されており、第3の組の変換器148の第3のチャネル149は、第3のビークルバス174を介して第2の独立制御レーン194に直接電気的に接続されている。図3の例では、第1の組の変換器144の第1のチャネル145は、複数の配線376を介してBSCU182および184の第1の独立制御レーン190に直接電気的に接続されており、第2の組の変換器146の第2のチャネル147は、複数の配線376を介してBSCU182および184の共有制御レーン192に直接電気的に接続されており、第3の組の変換器148の第3のチャネル149は、複数の配線376を介して第2の独立制御レーン194に直接電気的に接続されている。
【0051】
コネクタ200は、受信した信号をリピータ210(含まれている場合)に送信し、次にリピータ210は、この信号をマイクロコントローラーおよび論理ゲートハードウェアデバイスに伝える。図2および図3の例では、リピータ210のそれぞれは、受信した信号を、それが含まれているBSCUのマイクロコントローラーおよび論理ゲートハードウェアデバイスのすべてに送信する。したがって、第1のBSCU182内の3つのリピータ210はそれぞれ、その受信した信号を、第1のBSCU182の第1の外側マイクロコントローラー220、第2の外側マイクロコントローラー222、および外側論理ゲートハードウェアデバイス230に伝える。同様に、第2のBSCU184内の3つのリピータ210はそれぞれ、その受信した信号を、第1の内側マイクロコントローラー224、第2の内側マイクロコントローラー226、および内側論理ゲートハードウェアデバイス232に伝える。
【0052】
このようにして、3つの制御レーン190、192、および194を相互接続することにより、BSCU182および184の制御レーン190、192、および194のそれぞれの間に冗長な内部通信が提供される。これにより、BSCU182および184の安全性および性能が強化される。特に、BSCU182および184によって受信される情報のすべては、制御レーン190、192、または194の1つの不動作の場合でも、リピータ210によって制御レーン190、192、および194のそれぞれに中継されるため、他の適切に機能している制御レーンは、BSCUに送信される情報のすべてを引き続き受信する。したがって、制御レーン間のこのデジタル相互接続性は、制御レーン190、192、および194の1つ以上の不動作が、BSCUがより少ない情報を受信することをもたらさないことを保証する。実際、この相互接続性により、制御レーンの1つの不動作が、受信されるデータおよび情報の可用性に影響を与えないことが保証される。したがって、各BSCUにこの複数の冗長設計を提供することにより、BSCU182および184の堅牢性、信頼性、および性能が向上し、したがって、ブレーキシステムの全体的な安全性が向上する。
【0053】
しかしながら、他の例では、リピータ210は、それらの受信した信号を、それらの関連するBSCUのマイクロコントローラーおよび/または論理ゲートハードウェアデバイスのすべてに伝えない。
【0054】
マイクロコントローラー220、222、224、および226は、リピータ210の1つ以上から信号を受信し、受信した信号に基づいて、以下でより詳細に説明するように、1つ以上の主ブレーキアクチュエータの動作を調整する。特に、マイクロコントローラー220、222、224、および226は、着陸装置300および320の車輪に制動力を加える役割を果たす1つ以上のアクチュエータの動作を調整するコマンド信号を生成する。
【0055】
内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/019,729号に記載されているように、BSCU182および184は、変換器140から受信した所望の制動力の指標に基づいてコマンド信号を生成する。要求される制動力は、追加的に、自動ブレーキ圧力、決定された(例えば、測定された)制動力、およびスキッド圧力(skid pressure)の1つ以上に基づき得る。一例では、BSCU182および184は、所望の制動力(および対応するコマンド信号)を決定するために投票方式を利用する。
【0056】
一部の例では、ブレーキ制御システム50は、マイクロコントローラー220、222、224、および226によって生成されたコマンド信号を増幅するための1つ以上の増幅器240を含む。図2および図3の例では、マイクロコントローラー220、222、224、および226のそれぞれは、主ブレーキアクチュエータのそれぞれのための2つの増幅器240と通信する。特に、第1の外側マイクロコントローラー220は、ブレーキモジュール305の動作を制御するためにコマンド信号を第1の外側増幅器241に出力し、ブレーキモジュール326の動作を制御するためにコマンド信号を第2の外側増幅器242に出力する。同様に、第2の外側マイクロコントローラー222は、ブレーキモジュール307の動作を制御するためにコマンド信号を第3の外側増幅器243に出力し、ブレーキモジュール328の動作を制御するためにコマンド信号を第4の外側増幅器244に出力する。第1の内側マイクロコントローラー224は、ブレーキモジュール306の動作を制御するためにコマンド信号を第1の内側増幅器245に出力し、ブレーキモジュール325の動作を制御するためにコマンド信号を第2の内側増幅器246に出力する。第2の内側マイクロコントローラー226は、ブレーキモジュール308の動作を制御するためにコマンド信号を第3の内側増幅器247に出力し、ブレーキモジュール327の動作を制御するためにコマンド信号を第4の内側増幅器248に出力する。
【0057】
マイクロコントローラーと同様に、2つの論理ゲートハードウェアデバイス230および232は、リピータ210の1つ以上から信号を受信する。ブレーキ制御システム50は、リピータ210からのデジタル信号を、論理ゲートハードウェアデバイス230および232用のアナログ信号に変換するために、リピータ210と論理ゲートハードウェアデバイス230および232との間に1つ以上のデジタル-アナログ変換器216をさらに含み得る。論理ゲートハードウェアデバイス230および232は、FPGA、ASIC、PAL、およびCPLDの1つ以上などの構成可能なハードウェア/論理デバイス(すなわち、ハードウェア/論理自体が事前設定されておらず、ユーザの好みに応じて調整され得る)を備える。以下でより詳細に述べるように、論理ゲートハードウェアデバイスが、意図しない出力の機会がほとんどまたはまったくない安定した1組の出力のみを出力するように構成されるため、安全性が強化される。すなわち、論理ゲートハードウェアを利用することで、BSCUが意図しないコマンド信号を生成し、および/またはこれをブレーキに伝えるリスクが最小限に抑えられ、これにより、加えられる実際の制動力が機長および/または副操縦士によって要求された所望の制動力とより厳密に一致することが保証される。
【0058】
論理ゲートハードウェアデバイス230および232は、一部の例では、制動性能をさらに強化するために遮断モジュール260および270ならびに代替ブレーキアクチュエータ316、318、336、および338の動作も制御する。特に、論理ゲートハードウェアデバイス230および232は、マイクロコントローラー220、222、224、および/または226の1つ以上からの誤ったブレーキコマンドを無効にするために遮断モジュールを利用し得る。したがって、誤った制動力のコマンドが出された場合でも、論理ゲートハードウェアデバイス230および232は、これらの誤ったブレーキコマンドが実行されるのを防ぐために遮断モジュール260および270を動作させ得る。遮断モジュール260および270の特定の例は、以下でより詳細に説明される。遮断モジュール260および270は、ブレーキ制御システム50が油圧ブレーキを含む例では、油圧油の漏れを低減するためにも利用され得る。さらに、論理ゲートハードウェアデバイス230および232は、主ブレーキアクチュエータが十分な制動力を提供できない場合に、代替ブレーキアクチュエータ316、318、336、および338を利用し得る。
【0059】
上で紹介したように、BSCU182および184は、主ブレーキアクチュエータ、代替(またはバックアップ)ブレーキアクチュエータ、および遮断ブレーキモジュールの1つ以上の動作を制御する。ブレーキアクチュエータおよびモジュールはすべて、左側着陸装置300および右側着陸装置320の1つ以上の車輪に加えられる制動力を調整するように構成される。
【0060】
一部の例では、ブレーキ制御システム50は、左側着陸装置300および右側着陸装置320を追加的に含む。図2および図3の例では、左側着陸装置300は、1つ以上の左側車輪301、302、303、および304と、1つ以上のブレーキ330とを備える。同様に、右側着陸装置320は、1つ以上の右側車輪321、322、323、および324と、ブレーキ330の1つ以上とを備える。しかしながら、他の例では、着陸装置300および320はそれぞれ、4つより多いまたは少ない車輪および関連するブレーキを含み得る。
【0061】
一部の例では、ブレーキ制御システム50は、ブレーキモジュール305、306、307、308、325、326、327、および328を追加的に含む。含まれる場合、ブレーキモジュール305、306、307、308、325、326、327、および328は、ブレーキ330と、車輪301、302、303、304、321、322、323、および324に加えられる制動力の量を調整するためにブレーキ330を調整するように構成された主ブレーキアクチュエータ332および代替ブレーキアクチュエータ315とを含む。
【0062】
特に、上で説明したように、主ブレーキアクチュエータ332は、BSCU182および184のマイクロコントローラーからコマンド信号を受信し、これらの受信したコマンド信号に応答するブレーキ330によって車輪301、302、303、304、321、322、323、および324に供給される制動力の量を調整するように構成される。特に、図2および図3の例では、各車輪は、ブレーキ330のそれ自体の関連するブレーキと、主ブレーキアクチュエータ332のそれ自体の関連する主ブレーキアクチュエータを含む。したがって、ブレーキごとに1つの主ブレーキアクチュエータがある。しかしながら、他の例では、ブレーキに対する主ブレーキアクチュエータの他の比率が存在する。
【0063】
図2および図3の例では、ブレーキモジュール305の主ブレーキアクチュエータは、マイクロコントローラー220の増幅器241からコマンド信号を受信し、ブレーキモジュール306の主ブレーキアクチュエータは、マイクロコントローラー224の増幅器245からコマンド信号を受信し、ブレーキモジュール307の主ブレーキアクチュエータは、マイクロコントローラー222の増幅器243からコマンド信号を受信し、ブレーキモジュール308の主ブレーキアクチュエータは、マイクロコントローラー226の増幅器247からコマンド信号を受信し、ブレーキモジュール325の主ブレーキアクチュエータは、マイクロコントローラー224の増幅器246からコマンド信号を受信し、ブレーキモジュール326の主ブレーキアクチュエータは、マイクロコントローラー220の増幅器242からコマンド信号を受信し、ブレーキモジュール327の主ブレーキアクチュエータは、マイクロコントローラー226の増幅器248からコマンド信号を受信し、ブレーキモジュール328の主ブレーキアクチュエータは、マイクロコントローラー222の増幅器244からコマンド信号を受信する。
【0064】
さらに、代替ブレーキアクチュエータ315は、論理ゲートハードウェアデバイス230および232からコマンド信号を受信し、これらの受信したコマンド信号に応答するブレーキ330によって車輪301、302、303、304、321、322、323、および324に加えられる制動力の量を調整するように構成される。特に、図2および図3の例では、代替ブレーキアクチュエータ315のそれぞれは、ブレーキ330の2つによって加えられる制動力の量を調整する。したがって、2つのブレーキごとに1つの代替ブレーキアクチュエータがある。しかしながら、他の例では、ブレーキに対する代替ブレーキアクチュエータの他の比率が存在する。
【0065】
図2および図3の例では、外側の左側ブレーキモジュール(ブレーキモジュール305および307)は、BSCU182の論理ゲートハードウェアデバイス230からコマンド信号を受信する代替ブレーキアクチュエータを共有し、内側の左側ブレーキモジュール(ブレーキモジュール306および308)は、BSCU184の論理ゲートハードウェアデバイス232からコマンド信号を受信する代替ブレーキアクチュエータを共有し、内側の右側ブレーキモジュール(ブレーキモジュール325および327)は、BSCU184の論理ゲートハードウェアデバイス232からコマンド信号を受信する代替ブレーキアクチュエータを共有し、外側の右側ブレーキモジュール(ブレーキモジュール326および328)は、BSCU182の論理ゲートハードウェアデバイス230からコマンド信号を受信する代替ブレーキアクチュエータを共有する。
【0066】
このようにして、BSCU182は、外側の左側および右側のブレーキの動作を制御し、BSCU184は、内側の左側および右側のブレーキの動作を制御する。特に、外側の左側ブレーキモジュール305および307ならびに外側の右側ブレーキモジュール326および328に関して、BSCU182のマイクロコントローラー220および222は、主ブレーキアクチュエータ332の動作を制御し、BSCU182の論理ゲートハードウェアデバイス230は、代替ブレーキアクチュエータ315の動作を制御する。同様に、内側の左側ブレーキモジュール306および308ならびに内側の右側ブレーキモジュール325および327に関して、BSCU184のマイクロコントローラー224および226は、主ブレーキアクチュエータ332の動作を制御し、BSCU184の論理ゲートハードウェアデバイス232は、代替ブレーキアクチュエータ315の動作を制御する。
【0067】
上で言及したように、論理ゲートハードウェアデバイス230および232は、ブレーキ330によって加えられている実際の制動力が機長および/または副操縦士によって要求されている所望の制動力より小さいときに追加の制動力を供給するために代替ブレーキアクチュエータ315の動作を制御し得る。例えば、代替ブレーキアクチュエータ315は、主ブレーキアクチュエータ332の不動作イベントの場合(すなわち、主ブレーキアクチュエータ332が所望の制動力を提供するのに単独では不十分であるとき)に使用され得る。
【0068】
一部の例では、ブレーキ制御システム50は空気圧ブレーキ制御システムを備え、アクチュエータ332および315は空気圧アクチュエータを備える。他の例では、ブレーキ制御システム50は油圧ブレーキ制御システムを備え、アクチュエータ332および315は油圧アクチュエータを備える。一部のこのような例では、アクチュエータ332および315は、ブレーキ330によって車輪に供給される制動力を調整するためにブレーキ330への油圧油の供給を調節する油圧サーボ弁を備える。さらなる例では、ブレーキ制御システム50は、電気ブレーキ制御システムを備え、アクチュエータ332および315は、電気アクチュエータ(例えば、電気モーター)を備える。
【0069】
上で紹介したように、ブレーキ制御システム50は、一部の例では、遮断モジュール260および270を追加的に含む。遮断モジュール260および270は、制動が望ましくないときにアクチュエータ315および332への圧力を除去するように構成される。一例として、論理ゲートハードウェアデバイス230および232は、制動が望ましくないとき(離陸時など)に、アクチュエータ315および332への圧力を除去する(これにより、制動力が車輪に加えられるのを阻止する)ために遮断モジュール260および270を調整し得る。さらに、遮断モジュール260および270は、ブレーキ制御システム50が油圧ブレーキを含む例では、油圧油の漏れを低減するためにも利用され得る。
【0070】
ブレーキ制御システム50が油圧ブレーキを備える例では、遮断モジュール260および270は、アクチュエータ315および332への油圧油の流れを防ぐように調整可能な遮断弁を備える。ブレーキ制御システム50が電気ブレーキを備える例では、遮断モジュール260および270は、アクチュエータ315および322への電力の供給を遮断する(アクチュエータ315および322をその電源から切り離す)ように調整可能な電力遮断機構を備える。ブレーキ制御システム50が空気圧ブレーキを備える例では、遮断モジュール260および270は、アクチュエータ315および332への空気の流れを防ぐように調整可能な弁を備え得る。
【0071】
図2および図3の例に示されているように、例示的なブレーキ制御システム250および350は、2つの遮断モジュール260および270を備え、遮断モジュール260および270のそれぞれは、2つの内部遮断機構を備える。主遮断モジュール260は、主ブレーキアクチュエータ332の動作を制御する。特に、BSCU182は、第1の主遮断機構262と電気的に通信し、第1の主遮断機構262は、外側ブレーキモジュール305、307、326、および328の主ブレーキアクチュエータ332への圧力を有効または無効にするためにBSCU182によって調整可能である。BSCU184は、第2の主遮断機構264と電気的に通信し、第2の主遮断機構264は、内側ブレーキモジュール306、308、325、および327の主ブレーキアクチュエータ332への圧力を有効または無効にするためにBSCU184によって調整可能である。
【0072】
同様に、代替遮断モジュール270は、代替ブレーキアクチュエータ315の動作を制御する。特に、BSCU182は、第1の代替遮断機構272と電気的に通信し、第1の代替遮断機構272は、外側ブレーキモジュール305、307、326、および328の代替ブレーキアクチュエータ315への圧力を有効または無効にするためにBSCU182によって調整可能である。BSCU184は、第2の代替遮断機構274、ならびに内側ブレーキモジュール306、308、325、および327の代替ブレーキアクチュエータ315と電気的に通信する。
【0073】
上で指摘したように、他の例では、ブレーキ制御システム50が1つのBSCUのみを含むことを理解されたい。一部のこのような例では、単一のBSCUは、変換器140のすべてから信号を受信し、ならびに/またはブレーキモジュール305、306、307、308、325、326、327、および328、ならびに遮断モジュール260および270のすべての動作を制御する。
【0074】
本開示による発明の主題の例示的な非排他的な例が、以下に挙げられる付記項において説明される。
【0075】
付記項A1.第1の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第1の組のアナログ-デジタル変換器と、第2の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第2の組のアナログ-デジタル変換器とを備え、第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、ブレーキ入力機構センサから受信したセンサ出力を差動的に操作するための1つ以上の異なるハードウェアおよび異なるソフトウェアを備える、ブレーキ制御システム。
【0076】
付記項A2.第1の組のブレーキ入力機構センサおよび第2の組のブレーキ入力機構センサをさらに備え、第1の組のブレーキ入力機構センサおよび第2の組のブレーキ入力機構センサは、2つ以上のブレーキ入力機構の作動状態を測定することによって所望の制動力の指標を提供し、第1の組のブレーキ入力機構センサおよび第2の組のブレーキ入力機構センサの両方は、2つ以上のブレーキ入力機構のすべての作動状態を測定する、付記項A1に記載のブレーキ制御システム。
【0077】
付記項A3.第1の組のアナログ-デジタル変換器と1つ以上のブレーキシステム制御ユニット(BSCU)とを電気的に接続する第1のビークルバスおよび第2の組のアナログ-デジタル変換器と1つ以上のBSCUとを電気的に接続する第2のビークルバスをさらに備える、付記項A1またはA2に記載のブレーキ制御システム。
【0078】
付記項A4.1つ以上のBSCUをさらに備え、1つ以上のBSCUは、2つのBSCUを備える、付記項A3に記載のブレーキ制御システム。
【0079】
付記項A5.センサ出力を操作することは、センサ出力をアナログ信号からデジタル信号に変換すること、センサ出力を符号化すること、およびセンサ出力を復調することの1つ以上を含む、付記項A1からA4のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0080】
付記項A6.第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、同じタイプの構成可能な論理デバイスを備えるが、第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器のハードウェアは、センサ出力を異なる方法で操作するように異なる方法で構成されている、付記項A1からA5のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0081】
付記項A7.第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備え、第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器の論理ゲートは、センサ出力を異なる方法で操作するために異なる方法で相互接続されている、付記項A6に記載のブレーキ制御システム。
【0082】
付記項A8.第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、マイクロコントローラーを備え、第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、センサ出力を操作するための異なるソフトウェアを備える、付記項A1からA7のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0083】
付記項A9.第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器はそれぞれ、第1のチャネルおよび第2のチャネルを備え、第1の組のアナログ-デジタル変換器は、第1のチャネルを介して第1の組のブレーキ入力機構センサに電気的に接続されており、第2の組のアナログ-デジタル変換器は、第2のチャネルを介して第2の組のブレーキ入力機構センサに電気的に接続されている、付記項A1からA8のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0084】
付記項B1.第1の組のブレーキ入力機構センサおよび第2の組のブレーキ入力機構センサを含む複数のブレーキ入力機構センサと、第1の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第1の組のアナログ-デジタル変換器と、第2の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第2の組のアナログ-デジタル変換器と、第1の組のアナログ-デジタル変換器と1つ以上のブレーキシステム制御ユニット(BSCU)とを電気的に接続する第1のビークルバスと、第2の組のアナログ-デジタル変換器と1つ以上のBSCUとを電気的に接続する第2のビークルバスとを備え、第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、ブレーキ入力機構センサから受信したセンサ出力を差動的に操作するための異なるハードウェアおよび/または異なるソフトウェアを備える、ブレーキ制御システム。
【0085】
付記項B2.1つ以上のBSCUをさらに備え、1つ以上のBSCUは、2つのBSCUを備える、付記項B1に記載のブレーキ制御システム。
【0086】
付記項B3.第1の組のブレーキ入力機構および第2の組のブレーキ入力機構の両方が、2つ以上のブレーキ入力機構の作動状態を測定することによって所望の制動力の指標を提供する、付記項B1またはB2に記載のブレーキ制御システム。
【0087】
付記項B4.第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、複数のチャネルを備え、第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器は、複数のチャネルの異なるチャネルを介してブレーキ入力機構センサに電気的に接続されている、付記項B1からB3のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0088】
付記項B5.異なるソフトウェアは、センサ出力の変換、復調、および符号化の1つ以上のための異なるコンピュータ可読命令を含む、付記項B1からB4のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0089】
付記項B6.4つのブレーキ入力機構、第3の組のブレーキ入力機構センサ、および第3のビークルバスをさらに備え、第1の組のブレーキ入力機構センサ、第2の組のブレーキ入力機構センサ、および第3の組のブレーキ入力機構センサはそれぞれ、4つのブレーキ入力機構のそれぞれの作動状態を測定するための4つのセンサを備え、第3のビークルバスは、第3の組のブレーキ入力機構センサと1つ以上のBSCUとを電気的に接続している、付記項B1からB5のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0090】
付記項B7.第3の組のアナログ-デジタル変換器は、ブレーキ入力機構センサから受信したセンサ出力を差動的に操作するための、第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器とは異なるハードウェアおよび/または異なるソフトウェアを備える、付記項B6に記載のブレーキ制御システム。
【0091】
付記項B8.アナログ-デジタル変換器は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラー、プログラマブルアレイ論理(PAL)、および複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)の1つ以上を備える、付記項B1からB7のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0092】
付記項C1.第1の組のブレーキ入力機構センサ、第2の組のブレーキ入力機構センサ、および第3の組のブレーキ入力機構センサを含む複数のブレーキ入力機構センサと、第1の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第1の組のアナログ-デジタル変換器と、第2の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第2の組のアナログ-デジタル変換器と、第3の組のブレーキ入力機構センサと電気的に通信する第3の組のアナログ-デジタル変換器と、第1の組のアナログ-デジタル変換器および第2の組のアナログ-デジタル変換器と1つ以上のブレーキシステム制御ユニット(BSCU)とを電気的に接続している複数の配線とを備えるブレーキ制御システム。
【0093】
付記項C2.1つ以上のBSCUをさらに備え、1つ以上のBSCUは、2つのBSCUを備え、2つのBSCUのそれぞれは、3つのチャネルを備え、3つのチャネルのそれぞれは、コネクタを備え、第1の組のアナログ-デジタル変換器は、2つのBSCUの第1のチャネルの第1のチャネルコネクタに直接電気的に接続されており、第2の組のアナログ-デジタル変換器は、2つのBSCUの第2のチャネルの第2のチャネルコネクタに直接電気的に接続されており、第3の組のアナログ-デジタル変換器は、2つのBSCUの第3のチャネルの第3のチャネルコネクタに直接電気的に接続されている、付記項C1に記載のブレーキ制御システム。
【0094】
付記項C3.2つのBSCUは、2つのBSCUの第1のチャネル内の第1のマイクロコントローラー、2つのBSCUの第3のチャネル内の第2のマイクロコントローラー、および2つのBSCUの第2のチャネル内のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)をさらに備え、2つのBSCUは、各コネクタとFPGAならびに第1のマイクロコントローラーおよび第2のマイクロコントローラーとを電気的に接続している内部回路を備える、付記項C2に記載のブレーキ制御システム。
【0095】
付記項C4.複数の配線は、3つのビークルバスを備え、第1のビークルバスは、第1の組のアナログ-デジタル変換器と1つ以上のBSCUとを電気的に接続しており、第2のビークルバスは、第2の組のアナログ-デジタル変換器と1つ以上のBSCUとを電気的に接続しており、第3のビークルバスは、第3の組のアナログ-デジタル変換器と1つ以上のBSCUとを電気的に接続している、付記項C1からC3のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0096】
付記項D1.第1の組の複数のブレーキペダル作動状態センサと電気的に通信する第1の組のアナログ-デジタル変換器と、
第2の組の複数のブレーキペダル作動状態センサと電気的に通信する第2の組のアナログ-デジタル変換器であって、第2の組の複数のブレーキペダル作動状態センサは、第1の組の複数のブレーキペダル作動状態センサとは異なり、第2の組のアナログ-デジタル変換器は、第2のデジタルサブチャネルにおいて第2のビークルバス信号を出力するように構成されており、第2のデジタルサブチャネルは、第1のデジタルサブチャネルとは異なる、第2の組のアナログ-デジタル変換器と、
第1の組のアナログ-デジタル変換器と少なくとも2つのブレーキシステム制御ユニット(BSCU)とを電気的に接続している第1のビークルバスと、
第2の組のアナログ-デジタル変換器と少なくとも2つのBSCUとを電気的に接続している第2のビークルバスと
を備えるブレーキ制御システム。
【0097】
付記項D2.2つ以上の変換器デバイスをさらに備え、2つ以上の変換器デバイスのそれぞれは、第1の組のアナログ-デジタル変換器の1つおよび第2の組のアナログ-デジタル変換器の1つを備える、付記項D1に記載のブレーキ制御システム。
【0098】
付記項D2.1.ブレーキ制御システムは、12個の変換器デバイスを備える、付記項D2のブレーキ制御システム。
【0099】
付記項D3.第1の組のアナログ-デジタル変換器は、4つのアナログ-デジタル変換器を備え、第1の組のアナログ-デジタル変換器の4つのアナログ-デジタル変換器は、第1の組の複数のブレーキペダル作動状態センサの異なるセンサに電気的に接続されている、付記項D1またはD2に記載のブレーキ制御システム。
【0100】
付記項D4.第2の組のアナログ-デジタル変換器は、4つのアナログ-デジタル変換器を備え、第2の組のアナログ-デジタル変換器の4つのアナログ-デジタル変換器は、第2の組の複数のブレーキペダル作動状態センサの異なるセンサに電気的に接続されている、付記項D1からD3のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0101】
付記項D5.左側機長ブレーキペダル、右側機長ブレーキペダル、左側副操縦士ブレーキペダル、および右側副操縦士ブレーキペダルをさらに備える、付記項D1からD4のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0102】
付記項D6.第1の組のアナログ-デジタル変換器の第1のアナログ-デジタル変換器は、左側機長ブレーキペダルの第1のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第1の組のアナログ-デジタル変換器の第2のアナログ-デジタル変換器は、右側機長ブレーキペダルの第1のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第1の組のアナログ-デジタル変換器の第3のアナログ-デジタル変換器は、左側副操縦士ブレーキペダルの第1のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第1の組のアナログ-デジタル変換器の第4のアナログ-デジタル変換器は、右側副操縦士ブレーキペダルの第1のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されている、付記項D5に記載のブレーキ制御システム。
【0103】
付記項D7.第2の組のアナログ-デジタル変換器の第1のアナログ-デジタル変換器は、左側機長ブレーキペダルの第2のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第2の組のアナログ-デジタル変換器の第2のアナログ-デジタル変換器は、右側機長ブレーキペダルの第2のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第2の組のアナログ-デジタル変換器の第3のアナログ-デジタル変換器は、左側副操縦士ブレーキペダルの第2のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第2の組のアナログ-デジタル変換器の第4のアナログ-デジタル変換器は、右側副操縦士ブレーキペダルの第2のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されている、付記項D5またはD6に記載のブレーキ制御システム。
【0104】
付記項D8.第3の組の複数のブレーキペダル作動状態センサと電気的に通信する第3の組のアナログ-デジタル変換器をさらに備え、第3の組の複数のブレーキペダル作動状態センサは、第1の組の複数のブレーキペダル作動状態センサおよび第2の組の複数のブレーキペダル作動状態センサとは異なり、第3の組のアナログ-デジタル変換器は、第3のデジタルサブチャネルにおいて第3のビークルバス信号を出力するように構成されており、第3のデジタルサブチャネルは、第1のデジタルサブチャネルおよび第2のデジタルサブチャネルとは異なり、ブレーキ制御システムは、第3の組の電子回路と少なくとも2つのBSCUとを電気的に接続する第3のビークルバスをさらに備える、付記項D1からD7のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0105】
付記項D9.各変換器デバイスは、第1の組のアナログ-デジタル変換器の少なくとも1つ、第2の組のアナログ-デジタル変換器の少なくとも1つ、第3の組のアナログ-デジタル変換器の少なくとも1つを備える、付記項D2またはD2.1のいずれかに従属する場合の付記項D8に記載のブレーキ制御システム。
【0106】
付記項D10.第3の組のアナログ-デジタル変換器は、4つのアナログ-デジタル変換器を備え、第3の組のアナログ-デジタル変換器の4つのアナログ-デジタル変換器は、第3の組の複数のブレーキペダル作動状態センサの異なるセンサに電気的に接続されている、付記項D8またはD9に記載のブレーキ制御システム。
【0107】
付記項D11.第3の組のアナログ-デジタル変換器の第1のアナログ-デジタル変換器は、左側機長ブレーキペダルの第3のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第3の組のアナログ-デジタル変換器の第2のアナログ-デジタル変換器は、右側機長ブレーキペダルの第3のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第3の組のアナログ-デジタル変換器の第3のアナログ-デジタル変換器は、左側副操縦士ブレーキペダルの第3のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されており、第3の組のアナログ-デジタル変換器の第4のアナログ-デジタル変換器は、右側副操縦士ブレーキペダルの第3のブレーキペダル作動状態センサに電気的に接続されている、付記項A5からA7のいずれかに従属する場合の付記項D8からD10のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0108】
付記項D12.複数のブレーキペダル作動状態センサは、ブレーキペダルの作動の程度を検出する、付記項D5からD11のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0109】
付記項D12.1.複数のブレーキペダル作動状態センサは、ペダル位置センサを備える、付記項D12に記載のブレーキ制御システム。
【0110】
付記項D12.2.複数のブレーキペダル作動状態センサは、線形可変差動変圧器を備える、付記項D12に記載のブレーキ制御システム。
【0111】
付記項D13.ビークルバスは、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バスを備え、アナログ-デジタル変換器は、アナログ信号をCAN信号に変換する、付記項D1からD12.2のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0112】
付記項D14.少なくとも2つのBSCUをさらに備える、付記項D1からD13のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0113】
付記項D15.少なくとも2つのBSCUの第1のBSCUは、第1の組の左側ブレーキおよび第1の組の右側ブレーキの作動を制御し、少なくとも2つのBSCUの第2のBSCUは、第2の組の左側ブレーキおよび第2の組の右側ブレーキの作動を制御し、第2の組のブレーキは、第1の組のブレーキとは異なる、付記項D14に記載のブレーキ制御システム。
【0114】
付記項D16.機長ブレーキペダルの1つの作動が副操縦士ブレーキペダルの1つを作動させないように、ブレーキペダルのそれぞれは独立して作動される、付記項D5からD11のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0115】
付記項D17.複数のブレーキペダル作動状態センサは、アナログ信号を出力する、付記項D1からD16のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0116】
付記項D18.少なくとも2つのBSCUは、複数のブレーキアクチュエータ弁にアナログ信号を出力するデジタル-アナログ変換器を備える、付記項D1からD17のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0117】
付記項D19.複数のブレーキアクチュエータ弁をさらに備える、付記項D18に記載のブレーキ制御システム。
【0118】
付記項D20.複数のブレーキアクチュエータをさらに備え、複数のブレーキアクチュエータ弁は、複数のブレーキアクチュエータによって加えられる制動力を選択的に調整するために少なくとも2つのBSCUの1つ以上によって選択的に操作可能である、付記項D19に記載のブレーキ制御システム。
【0119】
付記項E1.複数のブレーキペダル作動状態センサと、
少なくとも2つの組のアナログ-デジタル変換器であって、少なくとも2つの組のアナログ-デジタル変換器の各組の変換器は、固有デジタルサブチャネルにおいて固有ビークルバス信号を出力するように構成されており、少なくとも2つの組のアナログ-デジタル変換器の各組の変換器は、複数のブレーキペダル作動状態センサの固有の1組のセンサに結合されている、少なくとも2つの組のアナログ-デジタル変換器と、
少なくとも2つの組のデジタル変換器と2つのブレーキシステム制御ユニット(BSCU)とを電気的に接続している少なくとも2つのビークルバスと
を備えるブレーキ制御システム。
【0120】
付記項E2.少なくとも2組のアナログ-デジタル変換器は、3組のアナログ-デジタル変換器を備え、3組のアナログ-デジタル変換器の各組は、12個のアナログ-デジタル変換器デバイスを含み、合計で36個のアナログ-デジタル変換器となる、付記項E1に記載のブレーキ制御システム。
【0121】
付記項E3.少なくとも2つのビークルバスは、3つのビークルバスを備える、付記項E1に記載のブレーキ制御システム。
【0122】
付記項E4.複数のブレーキペダル作動状態センサは、12個のセンサを備え、12個のセンサのそれぞれは、12個のアナログ-デジタル変換器の異なるアナログ-デジタル変換器に電気的に接続されている、付記項E2またはE3に記載のブレーキ制御システム。
【0123】
付記項E5.少なくとも2つのビークルバスのそれぞれは、少なくとも2つの組のアナログ-デジタル変換器の異なる組と2つのBSCUとを電気的に接続している、付記項E1からE4のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0124】
付記項E6.2つのブレーキシステム制御ユニットをさらに備える、付記項E1からE5のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0125】
付記項E7.2つのBSCUのそれぞれは、3つの別個のチャネルを備える、付記項E6に記載のブレーキ制御システム。
【0126】
付記項E8.2つのBSCUのそれぞれは、2つのマイクロコントローラーおよび1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備える、付記項E6またはE7に記載のブレーキ制御システム。
【0127】
付記項E9.2つのマイクロコントローラーおよびFPGAのそれぞれは、複数のブレーキペダル作動状態センサのすべてから信号を受信する、付記項E8に記載のブレーキ制御システム。
【0128】
付記項E10.2つのBSCUの両方が、左側ブレーキおよび右側ブレーキを制御する、付記項E6からE9のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0129】
付記項E11.2つのBSCUの第1のBSCUは、1つ以上の内側の左側ブレーキおよび1つ以上の内側の右側ブレーキを選択的に作動させるように動作可能であり、2つのBSCUの第2のBSCUは、1つ以上の外側の左側ブレーキおよび1つ以上の外側の右側ブレーキを選択的に作動させるように動作可能である、付記項E10に記載のブレーキ制御システム。
【0130】
付記項E12.複数のブレーキペダル作動状態センサは、ブレーキペダルの作動の程度を検出する、付記項E1からE11のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0131】
付記項E13.複数のブレーキペダル作動状態センサは、ペダル位置センサを備える、付記項E1からE12のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0132】
付記項E14.複数のブレーキペダル作動状態センサは、線形可変差動変圧器を備える、付記項E1からE13のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0133】
付記項E15.ビークルバスは、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バスを備え、アナログ-デジタル変換器は、アナログ信号をCAN信号に変換する、付記項E1からE14のいずれかに記載のブレーキ制御システム。
【0134】
付記項F1.複数のブレーキペダル作動状態センサと、
1つ以上の第1の左側車輪の1つ以上の第1の左側ブレーキおよび1つ以上の第1の右側車輪の1つ以上の第1の右側ブレーキと電気的に通信する第1のブレーキシステム制御ユニット(BSCU)であって、第1のBSCUは、1つ以上の第1の左側ブレーキおよび1つ以上の第1の右側ブレーキを調整するように選択的に動作可能である、第1のブレーキシステム制御ユニット(BSCU)と、
1つ以上の第2の左側車輪の1つ以上の第2の左側ブレーキおよび1つ以上の第2の右側車輪の1つ以上の第2の右側ブレーキと電気的に通信する第2のBSCUであって、第2のBSCUは、1つ以上の第2の左側ブレーキおよび1つ以上の第2の右側ブレーキを調整するように選択的に動作可能であり、第1のBSCUおよび第2のBSCUの両方が、複数のブレーキペダル作動状態センサと電気的に通信する、第2のBSCUと
を備える航空機ブレーキ制御システム。
【0135】
付記項F2.1つ以上の第1の右側ブレーキ、1つ以上の第2の右側ブレーキ、1つ以上の第1の左側ブレーキ、および1つ以上の第2の左側ブレーキをさらに備える、付記項F1に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0136】
付記項F3.第1のBSCUは、1つ以上の第1の左側車輪の少なくとも1つおよび1つ以上の第1の右側車輪の少なくとも1つに制動力を同時に加えるために、1つ以上の第1の左側ブレーキの少なくとも1つおよび1つ以上の第1の右側ブレーキの少なくとも1つを同時に調整するように選択的に動作可能である、付記項F1またはF2に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0137】
付記項F4.1つ以上の第1の右側ブレーキ、1つ以上の第2の右側ブレーキ、1つ以上の第1の左側ブレーキ、および1つ以上の第2の左側ブレーキの各ブレーキは、ブレーキアクチュエータおよびブレーキアクチュエータ制御弁を備え、各ブレーキアクチュエータ制御弁は、ブレーキアクチュエータによって加えられる制動力を選択的に調整するように少なくとも2つのBSCUの1つ以上によって選択的に動作可能である、付記項F1からF3のいずれかに記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0138】
付記項F5.2つ以上の左側遮断弁および2つ以上の右側遮断弁をさらに備え、第1のBSCUおよび第2のBSCUのそれぞれは、制動力が1つ以上の左側車輪および1つ以上の右側車輪に加えられるのを防ぐために2つ以上の左側遮断弁の少なくとも1つおよび2つ以上の右側遮断弁の少なくとも1つを調整するように選択的に動作可能である、付記項F1からF4のいずれかに記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0139】
付記項F6.1つ以上の第1の左側バックアップブレーキアクチュエータ制御弁、1つ以上の第2の左側バックアップブレーキアクチュエータ制御弁、1つ以上の第1の右側バックアップブレーキアクチュエータ制御弁、および1つ以上の第2の右側バックアップブレーキアクチュエータ制御弁をさらに備える、付記項F1からF4のいずれかに記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0140】
付記項F7.第1のBSCUは、1つ以上の第1の左側バックアップブレーキアクチュエータ制御弁および1つ以上の第1の右側バックアップブレーキアクチュエータ制御弁を選択的に調整するように構成されており、第2のBSCUは、1つ以上の第2の左側バックアップブレーキアクチュエータ制御弁および1つ以上の第2の右側バックアップブレーキアクチュエータ制御弁を選択的に調整するように構成されている、付記項F6に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0141】
付記項F8.第1のBSCUおよび第2のBSCUはそれぞれ、3つの独立したチャネルを備え、第1のチャネルは、第1のマイクロコントローラーを備え、第2のチャネルは、第2のマイクロコントローラーを備え、第3のチャネルは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備える、付記項F1からF7のいずれかに記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0142】
付記項F9.各マイクロコントローラーは、ブレーキアクチュエータ制御弁の少なくとも1つを選択的に調整するように構成されており、各FPGAは、バックアップブレーキアクチュエータ制御弁の少なくとも1つを選択的に調整するように構成されている、F4およびF7に従属する場合の付記項F8に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0143】
付記項F10.BSCUの各チャネルは、複数のブレーキペダル作動状態センサのすべてから信号を受信する、付記項F8またはF9に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0144】
付記項F11.両方のBSCUの第1のチャネルは、第1のビークルバスに直接電気的に接続されており、両方のBSCUの第2のチャネルは、第2のビークルバスに直接電気的に接続されており、両方のBSCUの第3のチャネルは、第3のビークルバスに直接電気的に接続されている、付記項F8からF10のいずれかに記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0145】
付記項F12.第1のビークルバス、第2のビークルバス、および第3のビークルバスをさらに備える、付記項F11に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0146】
付記項F13.第1のビークルバスは、第1の組のアナログ-デジタル変換器に直接電気的に接続されており、第2のビークルバスは、第2の組のアナログ-デジタル変換器に直接電気的に接続されており、第3のビークルバスは、第3の組のアナログ-デジタル変換器に直接電気的に接続されている、付記項F11またはF12に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0147】
付記項F14.第1の組のアナログ-デジタル変換器は、第1のサブチャネルを備え、第2の組のアナログ-デジタル変換器は、第2のサブチャネルを備え、第3の組のアナログ-デジタル変換器は、第3のサブチャネルを備え、第1のサブチャネル、第2のサブチャネル、および第3のサブチャネルは互いに別個である、付記項F13に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0148】
付記項G1.付記項F1からF14のいずれかに記載のブレーキ制御システムを備える航空機。
【0149】
付記項H1.2つ以上の左着陸装置ブレーキおよび2つ以上の右着陸装置ブレーキと、
少なくとも2つのブレーキシステム制御ユニット(BSCU)であって、各BSCUは、2つ以上の左着陸装置ブレーキの少なくとも1つおよび2つ以上の右着陸装置ブレーキの少なくとも1つを選択的に調整するように構成されている、少なくとも2つのブレーキシステム制御ユニット(BSCU)と
を備える航空機ブレーキ制御システム。
【0150】
付記項H2.付記項F1からF15のいずれかに記載の主題をさらに含む、付記項H1に記載の航空機ブレーキ制御システム。
【0151】
本明細書で使用される場合、「適合された(adapted)」および「構成された(configured)」という用語は、要素、構成要素、または他の主題が、所定の機能を果たすように設計され、および/または意図されていることを意味する。したがって、「適合された」および「構成された」という用語の使用は、所定の要素、構成要素、または他の主題が、単に、所定の機能を果たす「能力を有する」ことを意味すると解釈されるべきではなく、当該の要素、構成要素、および/または他の主題が、当該の機能を果たす目的のために特に選択され、形成、実施、利用、プログラム、および/または設計されることを意味すると解釈されるべきである。特定の機能を果たすように適合されているものとして記載されている要素、構成要素、および/または他の記載の主題は、追加的または代替的に、当該の機能を果たすように構成されているものとして説明され得るし、逆もまた同様であることも本開示の範囲内にある。同様に、特定の機能を果たすように構成されているものとして記載されている主題は、追加的または代替的に、当該の機能を果たすように動作するものとして説明され得る。
【0152】
本明細書で使用される場合、第1のエンティティと第2のエンティティとの間に配置された「および/または」という用語は、(1)第1のエンティティ、(2)第2のエンティティ、ならびに(3)第1のエンティティおよび第2のエンティティの1つを意味する。「および/または」で挙げられた複数の項目は、同じ方法で解釈されるべきである、すなわち、等位接続されたエンティティの「1つ以上」として解釈されるべきである。「および/または」の句によって明確に確認されるエンティティ以外に、明確に確認されるエンティティに関連するかどうかにかかわらず、他のエンティティが任意選択で存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「備える」などの非限定的な語と組み合わせて使用される場合、一例ではAのみ(任意選択で、B以外のエンティティを含む)、別の例ではBのみ(任意選択で、A以外のエンティティを含む)、さらに別の例ではAとBの両方(任意選択で、他のエンティティを含む)を指し得る。これらのエンティティは、要素、動作、構造、ステップ、操作、および値などを指し得る。
【0153】
開示されている様々な装置の要素および本明細書に開示されている方法のステップは、本開示によるすべての装置および方法に必要とされるわけではなく、本開示は、本明細書に開示されている様々な要素およびステップのすべての新規の非自明な組み合わせおよび部分的組み合わせを含む。さらに、本明細書に開示されている様々な要素およびステップの1つ以上は、開示されている装置または方法の全体から切り離された独立した発明の主題を規定し得る。したがって、このような発明の主題は、本明細書に明示的に開示されている特定の装置および方法に関連付けられる必要はなく、このような発明の主題は、本明細書に明示的に開示されていない装置および/または方法において有用性を見出し得る。
【符号の説明】
【0154】
10 航空機、12 胴体、14 翼アセンブリ、16 脚室、18 着陸装置構造、20 車輪アセンブリ、21 レバーアセンブリ、50 ブレーキ制御システム、100 ストラットアセンブリ、110 ブレーキ入力機構、112 左側機長ブレーキ入力機構、114 右側機長ブレーキ入力機構、116 左側副操縦士ブレーキ入力機構、118 右側副操縦士ブレーキ入力機構、120 ブレーキ入力機構センサ、122 第1の組のセンサ、124 第2の組のセンサ、126 第3の組のセンサ、140 変換器、144 第1の組の変換器、145 第1のチャネル、146 第2の組の変換器、147 第2のチャネル、148 第3の組の変換器、149 第3のチャネル、170 第1のビークルバス、172 第2のビークルバス、174 第3のビークルバス、182 BSCU、184 BSCU、190 チャネル、192 チャネル、194 チャネル、200 コネクタ、210 リピータ、216 デジタル-アナログ変換器、220 マイクロコントローラー、222 マイクロコントローラー、224 マイクロコントローラー、226 マイクロコントローラー、230 論理ゲートハードウェアデバイス、231 チャネルバッファ、232 論理ゲートハードウェアデバイス、240 増幅器、241 増幅器、242 増幅器、243 増幅器、244 増幅器、245 増幅器、246 増幅器、247 増幅器、248 増幅器、250 ブレーキ制御システム、260 遮断モジュール、262 第1の主遮断機構、264 第2の主遮断機構、270 遮断モジュール、272 第1の代替遮断機構、274 第2の代替遮断機構、300 左側着陸装置、301 左側車輪、302 左側車輪、303 左側車輪、304 左側車輪、305 ブレーキモジュール、306 ブレーキモジュール、307 ブレーキモジュール、308 ブレーキモジュール、315 代替ブレーキアクチュエータ、320 右側着陸装置、321 右側車輪、322 右側車輪、323 右側車輪、324 右側車輪、325 ブレーキモジュール、326 ブレーキモジュール、327 ブレーキモジュール、328 ブレーキモジュール、330 ブレーキ、332 主ブレーキアクチュエータ、350 ブレーキ制御システム、376 配線
図1
図2
図3