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特許7590169電力需要平準化システムおよびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】電力需要平準化システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/32 20060101AFI20241119BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20241119BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241119BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20241119BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20241119BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241119BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20241119BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
H02J3/32
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H02J3/00 130
H02J3/46
H02J7/00 P
H02J7/34 B
H02J13/00 301A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020197491
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085689
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 達弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀和
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-196028(JP,A)
【文献】特開2014-158404(JP,A)
【文献】特開2014-053989(JP,A)
【文献】特開2013-027190(JP,A)
【文献】特開2014-220942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
G06Q50/00-50/20
G06Q50/26-99/00
G16Z99/00
H01M10/42-10/48
H02J3/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続される電気自動車のバッテリの充放電を制御する充放電制御装置と、事業所全体の電力需要を制御する電力管理装置と、を備え、前記事業所の電力需要を平準化する電力需要平準化システムであって、
前記電力管理装置は、
前記バッテリが接続された際の残容量と、当該バッテリの予約情報とに基づいて、前記事業所の1日の需要電力の最大値を低減させる前記バッテリの充放電計画を立案する充放電計画立案部と、
前記充放電計画立案部が立案した前記充放電計画に従って、前記充放電制御装置に充放電指示を行う指示部と、
前記充放電計画を立案する対象日の所定時間帯毎の電力需要値を予測電力需要カーブとして予測する電力需要予測部と、
前記予約情報として、前記バッテリの充電完了時刻と完了時の充電量とを取得する予約情報取得部と、
前記バッテリの仕様をバッテリ情報として取得するバッテリ情報取得部と、を備え、
前記充放電計画立案部は、前記充放電制御装置が検出したバッテリが接続された接続時刻と、前記予測電力需要カーブと、前記予約情報と、前記バッテリ情報と、を用いて、前記所定時間帯毎の当該バッテリに対する充電量および放電量を決定し、
前記接続時刻と前記充電完了時刻とで定まる充放電可能期間の前記予測電力需要カーブの形状に応じて予め定めた立案手順に従って前記充放電計画を立案すること
を特徴とする電力需要平準化システム。
【請求項2】
請求項1記載の電力需要平準化システムであって、
前記充放電計画立案部は、前記接続時刻と前記充電完了時刻とで定まる充放電可能期間内の前記電力需要値が予め定めた目標値より小さい前記所定時間帯を充電期間とし、充電計画を立案すること
を特徴とする電力需要平準化システム。
【請求項3】
請求項2記載の電力需要平準化システムであって、
前記充放電計画立案部は、前記充放電可能期間内の前記電力需要値が前記目標値以上の前記所定時間帯を放電期間とし、放電計画を立案すること
を特徴とする電力需要平準化システム。
【請求項4】
請求項記載の電力需要平準化システムであって、
前記バッテリは複数であり、
前記充放電計画立案部は、複数の前記バッテリについて、予め定めた順でそれぞれ前記充放電計画を立案し、1の前記バッテリの充放電計画を立案後、前記予測電力需要カーブに前記充放電計画による電力需要値の変化分を加えて当該予測電力需要カーブを更新し、次の前記バッテリの充放電計画を立案すること
を特徴とする電力需要平準化システム。
【請求項5】
コンピュータを、
充放電制御装置に接続された電気自動車のバッテリの充放電計画を立案する充放電計画立案部であって、前記バッテリが接続された際の残容量と、当該バッテリの予約情報とに基づいて、前記充放電制御装置を備える事業所の1日の需要電力の最大値を低減させる前記バッテリの充放電計画を立案する充電計画立案部と、
前記充放電計画に従って、前記充放電制御装置に充放電指示を行う指示部と、
前記充放電計画を立案する対象日の所定時間帯毎の電力需要値を予測電力需要カーブとして予測する電力需要予測部と、
前記予約情報として、前記バッテリの充電完了時刻と完了時の充電量とを取得する予約情報取得部と、
前記バッテリの仕様をバッテリ情報として取得するバッテリ情報取得部、として機能させ、
前記充放電計画立案部は、
前記充放電制御装置が検出したバッテリが接続された接続時刻と、前記予測電力需要カーブと、前記予約情報と、前記バッテリ情報と、を用いて、前記所定時間帯毎の当該バッテリに対する充電量および放電量を決定し、
前記接続時刻と前記充電完了時刻とで定まる充放電可能期間の前記予測電力需要カーブの形状に応じて予め定めた立案手順に従って、前記充放電計画を立案する
ことを特徴とするプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業所等における電気自動車(EV)が搭載するバッテリの充放電を考慮した電力需要平準化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通勤用に使用されているが昼間の電力需要ピーク時には使用されていないEV等のバッテリを利用して、低コストで電力負荷の平準化を図る技術がある。例えば、特許文献1には、「バッテリに貯えた電力を、電力会社から電気の供給を受ける電力需要者である事業所における電力需要ピーク時に放出して、電力負荷の平準化を図る。事業所において電力需要非ピーク時に、或いは各自動車所有者の深夜電力を利用して、複数の自動車の各バッテリを充電し、この充電した自動車のバッテリに貯えた電力を、事業所において事業所の電力需要ピーク時に放電する(要約抜粋)」技術が開示されている。
【0003】
具体的な手法として、例えば、特許文献2に「電力需要者に駐車中の電気自動車の運用予定に基づき、確保しておきたいバッテリ容量である必要容量を車両の使用開始までの複数の時刻と対応して運転者に入力させ、バッテリの全体容量から必要容量を減算した時刻毎の使用許諾容量を電力需給管理センタに出力する。電力需給の平準化のためにバッテリを充放電制御する際には、電力需給管理センタからの充放電指令に基づき時刻毎の使用許諾容量の範囲内で充放電を行う(要約抜粋)。」技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-282383号公報
【文献】国際公開第2012/017936号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
事業者の電気料金契約(基本料金)は、実量制であり、電力需要のピーク負荷の実績で決まる。このため、ピーク負荷の低減(負荷平準化;電力需要平準化)は、事業者の電気料金契約の低減に直結する。
【0006】
特許文献1に開示の技術は、特定の電力使用モデル(具体的には、「谷-山-谷」モデル)を基準にした電力需要平準化方法であり、放電電力は、予め準備されているか、負荷の少ない期間に充電をして確保することを前提としている。したがって、このモデルから外れた電力使用では、適用が難しく、汎用性がない。また、EVのモビリティニーズ(使いたい時に必要なバッテリ残容量があること)については考慮がない。
【0007】
特許文献2に開示の技術は、モビリティニーズを満たしながら、電力需要平準化を実現する技術である。しかし、モビリティニーズを満たすために、放電に使用する電力量を、運転者が予め時刻毎に指定し、その指定された上限電力量の範囲内で放電が行われる。すなわち、放電に使用可能な電力量は、運転者に依存する。したがって、EVに余剰電力があったとしても、活用しきれず、さらなる電力需要平準化の余地がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高い汎用性を有し、電気自動車のバッテリを十分に有効活用可能な電力需要平準化技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、接続される電気自動車のバッテリの充放電を制御する充放電制御装置と、事業所全体の電力需要を制御する電力管理装置と、を備え、前記事業所の電力需要を平準化する電力需要平準化システムであって、前記電力管理装置は、前記バッテリが接続された際の残容量と、当該バッテリの予約情報とに基づいて、前記事業所の1日の需要電力の最大値を低減させる前記バッテリの充放電計画を立案する充放電計画立案部と、前記充放電計画立案部が立案した前記充放電計画に従って、前記充放電制御装置に充放電指示を行う指示部と、前記充放電計画を立案する対象日の所定時間帯毎の電力需要値を予測電力需要カーブとして予測する電力需要予測部と、前記予約情報として、前記バッテリの充電完了時刻と完了時の充電量とを取得する予約情報取得部と、前記バッテリの仕様をバッテリ情報として取得するバッテリ情報取得部と、を備え、前記充放電計画立案部は、前記充放電制御装置が検出したバッテリが接続された接続時刻と、前記予測電力需要カーブと、前記予約情報と、前記バッテリ情報と、を用いて、前記所定時間帯毎の当該バッテリに対する充電量および放電量を決定し、前記接続時刻と前記充電完了時刻とで定まる充放電可能期間の前記予測電力需要カーブの形状に応じて予め定めた立案手順に従って前記充放電計画を立案することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い汎用性を有し、電気自動車のバッテリを十分に有効活用可能な電力需要平準化技術を提供できる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は、契約電力の決定手法を、(b)および(c)は、本発明の実施形態のユースケースを、それぞれ説明するための説明図である。
図2】本発明の実施形態での電力平準化システムの全体構成図である。
図3】(a)は、本発明の実施形態の電力管理装置の機能ブロック図であり、(b)は、同電力管理装置のハードウェア構成図である。
図4】(a)は、本発明の実施形態のEVバッテリの充電状態と用語を、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の実施形態のEV予約情報データベース(DB)に格納されるデータ、および、バッテリ情報DBに、格納されるデータの一例を、説明するための説明図である。
図5】(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の実施形態の電力使用履歴DB、充放電計画DB、および充放電履歴DBに格納されるデータの一例を、説明するための説明図である。
図6】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の実施形態の本来電力使用値および予測電力需要値の算出手法を説明するための説明図である。
図7】(a)は、本発明の実施形態の予測電力需要カーブの一例を、(b)および(c)は、本発明の実施形態の概要を具体例で、それぞれ、説明するための説明図である。
図8】(a)および(b)は、本発明の実施形態の充放電計画立案処理の概要を説明するための説明図である。
図9】本発明の実施形態の充放電計画立案処理のフローチャートである。
図10】本発明の実施形態の、個々のEVバッテリの充放電計画立案処理の概要を説明するための説明図である。
図11】(a)から(h)は、本発明の実施形態のモデルパターンをそれぞれ説明するための説明図である。
図12】(a)および(b)は、本発明の実施形態のモデルパターンaの充放電計画立案処理を、(c)および(d)は、本発明の実施形態のモデルパターンhの充放電計画立案処理を、それぞれ、説明するための説明図である。
図13】(a)は、本発明の実施形態の立案手順1の充放電計画立案処理のメイン処理のフローチャートであり、(b)は、本発明の実施形態の立案手順1の手順1充電計画立案処理のフローチャートである。
図14】本発明の実施形態の立案手順1の第一充電処理のフローチャートである。
図15】本発明の実施形態の立案手順1の第二充電処理のフローチャートである。
図16】(a)および(b)は、本発明の実施形態のモデルパターンbの充放電計画立案処理を、(c)は、本発明の実施形態のモデルパターンhの充放電計画立案処理を、それぞれ、説明するための説明図である。
図17】(a)は、本発明の実施形態の立案手順2の充放電計画立案処理のメイン処理のフローチャートであり、(b)は、本発明の実施形態の立案手順2の手順2充放電計画立案処理のフローチャートである。
図18】本発明の実施形態の立案手順2の第一充電処理のフローチャートである。
図19】本発明の実施形態の立案手順2の第二充電処理のフローチャートである。
図20】本発明の実施形態の立案手順2の手順2充放電計画立案処理のフローチャートである。
図21】(a)および(b)は、本発明の実施形態のモデルパターンdの充放電計画立案処理を、(c)は、本発明の実施形態のモデルパターンgの充放電計画立案処理を、(d)および(e)は、本発明の実施形態のモデルパターンfの充放電計画立案処理を、それぞれ、説明するための説明図である。
図22】(a)および(b)は、本発明の実施形態のモデルパターンdの充放電計画立案処理を、(c)は、本発明の実施形態の立案手順5のメイン処理のフローチャートである。
図23】本発明の実施形態の立案手順5の第一充放電処理のフローチャートである。
図24】(a)~(c)は、本発明の実施形態の立案手順5の、それぞれ、第四充放電処理、第二充放電処理、および、第三充放電処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、本実施形態に制限されず、本発明の思想に合致するあらゆる応用例がその技術的範囲に含まれる。また、特に明示しない限り、各構成要素は複数でも単数でも構わない。
【0013】
まず、本実施形態の概要を、典型的なユースケースに基づいて説明する。本実施形態では、事業所等において、通勤や社用車として用いられるEVの充放電を制御することにより、当該事業所での電力使用を、可能な限り、ピークを低減し、平準化する。
【0014】
一般に、契約電力は、実量性で決定される。すなわち、過去1年間の各月の最大需要電力(電力使用量)の最大値(最大需要電力量)が契約電力とされる。そして、最大需要電力量とは、30分毎の平均使用電力のうち、月間で最も大きい値である。例えば、現在が7月であって、過去1年間(7月~7月)の最大需要電力量が、図1(a)に示すように変化したものとする。この場合、最も、最大需要電力量の大きい9月の値に基づいて決定される。もし、この9月の最大需要電力を低減させることができると、契約電力も低減する。電気代は契約電力に比例するため、契約電力を低減させることは、そのままコストダウンにつながる。
【0015】
本実施形態では、日単位で、EVが搭載するバッテリ(以下、EVバッテリと呼ぶ。)の充放電を利用し、使用電力量の最大値を低減させる。具体的には、図1(b)に示すように、1日の電力使用量が変化するとする。図1(b)の例では、最大値PA[kW]である。本実施形態では、EVバッテリの充放電を制御し、最大値を低減させる。図1(c)に示すように、最大値PAに満たない時間帯にEVバッテリに充電し、ピーク時界隈の、電力使用量の多い時間帯に、EVから放電する。これにより、放電により、最大値をPBにまで低減させ、当該日の電力使用量の最大値を下げることができる。このような電力使用量の低減を毎日行うことにより、当該月の最大需要電力を低減でき、その分、電力事業者との契約電力を低減でき、購入電力も低減できる。
【0016】
なお、典型的なユースケースは、以下のとおりである。
1)朝、従業員が出社し、充電を開始する。
2)ピーク負荷発生時に、EVバッテリから放電して、ピークを低減する。
3)ピーク負荷後、従業員帰宅時までに、各従業員が必要としているEVバッテリ残容量(必要バッテリ残容量)に達していないものは、充電を行い、必要バッテリ残容量を確保する。
【0017】
なお、必要バッテリ残容量および充電完了時刻は、従業員等が指定する。その情報を元に、後述する電力管理装置200が、指定した充電完了時刻までに指定した残容量を確保するように不足分を充電するよう充放電計画を立案する。
【0018】
本実施形態では、指定した充電完了時刻までに指定した残容量が確保できるのであれば、それ以前の過程において、指定した残容量よりも一旦低くなってもよい。このため、放電に使える電力を、より多く、柔軟に、高い融通性をもって確保できる。
【0019】
[システム構成]
本実施形態の電力需要平準化システム100の全体構成を、図2に示す。本図に示すように、電力需要平準化システム100は、電力管理装置200と、HUB110と、電力メータ120と、事業所内電気系統150と、各EVのバッテリ(EVバッテリ)321、322、323、324それぞれの充放電を制御する充放電制御装置(PCS:Power Control System)311、312、313、314と、を備える。なお、以下、特に区別する必要がない場合は、PCS310、EVバッテリ320で代表する。また、PCS310およびEVバッテリ320の数は、これに限定されない。
【0020】
電力メータ120は、系統電力130から供給される電力量を取得し、HUB110を介して電力管理装置200に出力する。電力メータ120が検出する電力量は、事業所内電気系統150が使用する電力とPCS310が使用する電力とを含む。
【0021】
電力管理装置200は、電力需要平準化システム100に接続されたEVバッテリ320、それぞれに対する充放電計画を立案し、立案した充放電計画に従って、それぞれのPCS310を制御し、EVバッテリ320に充放電させる。
【0022】
[電力管理装置の機能ブロック]
図3(a)に、本実施形態の電力管理装置200の機能ブロックを示す。本図に示すように、本実施形態の電力管理装置200は、EV予約情報取得部211と、バッテリ情報取得部212と、電力使用量取得部213と、電力需要予測部214と、充放電計画立案部215と、指示部216と、を備える。また、データとして、EV予約情報DB410と、バッテリ情報DB420と、電力使用履歴DB430と、充放電計画DB440と、充放電履歴DB450と、立案手順DB460と、を記憶する。
【0023】
EV予約情報取得部211は、各EVのユーザから、充電完了時刻と、当該時刻に必要なEVバッテリ320の残容量(必要バッテリ残容量)と、をEV予約情報として受け付け、取得する。最適なEVバッテリ320の充放電タイミングは、EVバッテリ320毎に異なる。そこで、本実施形態では、EV予約情報を、ユーザから受け付ける。EV予約情報は、モビリティニーズを満たす条件、例えば、20時までにSOC(State of Charge;充電状態)を90%にする等である。
【0024】
本実施形態では、電力管理装置200が備えるUI(後述する入出力インタフェース)を介して受け付ける。受け付けた情報は、各EVを特定する情報(EVID)に対応づけてEV予約情報DB410に記憶される。
【0025】
EV予約情報DB410の説明に先立ち、EVバッテリ320のSOCと、本明細書で用いる各種の用語について図4(a)を用いて説明する。ここでは、EVバッテリ320の総電力量Cfullを100%とした場合の割合で定義される。
【0026】
上限SOC[%]は、充電可能な最大の電力量(充電量)を示し、充電終止電圧となる値である。これを上回る充電をすると、過充電となる値である。下限SOC[%]は、放電可能な最小の電力量(充電量)を示し、放電終止電圧となる値である。これを下回るまで放電すると過放電となる値である。また、現在SOC[%]は、接続時の電力量(残容量)を示す値であり、完了時SOC[%]は、充電完了時刻にユーザが所望する電力量(上述の必要バッテリ残容量)を示す値である。
【0027】
また、充電必要電力量Cneed[kWh]は、充電完了時刻にユーザが所望する電力量と現在(接続時)のEVバッテリ320の電力量との差である。本実施形態では、EVバッテリ320の総電力量Cfullを用いて以下の式(1)で表される。
Cneed=Cfull×{(完了時SOC-現在SOC)/100}・・・(1)
【0028】
余剰電力量Cexed[kWh]は、充電可能な最大の電力量と充電完了時刻にユーザが所望する電力量との差である。本実施形態では、EVバッテリ320の総電力量Cfullを用いて以下の式(2)で表される。
Cexed=Cfull×{(上限SOC-完了時SOC)/100}・・・(2)
【0029】
EV予約情報DB410に記憶されるデータ(予約情報)の一例を図4(b)に示す。本図に示すように、EV予約情報DB410に記憶されるデータは、各PCS310に接続されたEVバッテリ320を特定する情報である411と、接続時刻412と、充電完了時刻413と、完了時SOC414と、を備える。さらに、接続されたPCS310を特定する情報(PCSID415)を備えてもよい。
【0030】
なお、EVID411および接続時刻412は、EVバッテリ320が接続されたPCS310が取得した値が記憶される。EVID411は、PCS310が接続されたEVバッテリ320から読み取る。また、接続時刻412は、PCS310が、EVバッテリ320が接続されたことを検出した時刻である。充電完了時刻413および必要バッテリ残容量(完了時SOC414)は、ユーザが入力した値が記憶される。このEV予約情報DB410により、電力管理装置200は、各EVの、モビリティニーズ(使いたい時に必要なバッテリ残容量がある)を把握する。
【0031】
なお、EV予約情報のうち、ユーザが入力する充電完了時刻413と、完了時SOC414とは、デフォルト値を予め保持し、EVバッテリ320毎に必要に応じて変更するよう構成してもよい。デフォルト値は、例えば、18時までに90%等である。
【0032】
バッテリ情報取得部212は、各EVバッテリ320の情報(バッテリ情報)を取得する。本実施形態では、EVバッテリ320がPCS310に接続された際、PCS310が、EVバッテリ320から取得し、HUB110を経由して電力管理装置200に送信する。このとき、自装置(PCS310)を特定する情報(PCSID)および接続されたEVバッテリ320を搭載するEVを特定する情報(EVID)も併せて送信する。送信するEV情報は、例えば、EVバッテリ320の容量(バッテリ容量)、現時点のEVバッテリ320の残容量(現在SOC)、EVバッテリ320の最大充放電電力(上限SOC)、EVバッテリ320の下限受電電力値(下限SOC)等を含む。バッテリ情報取得部212は、PCS310から送信されたこれらの情報をバッテリ情報として取得し、バッテリ情報DB420に記憶する。
【0033】
バッテリ情報DB420に格納されるデータ例を図4(c)に示す。本図に示すように、EVID421と、バッテリ容量422と、現在のバッテリ残容量(現在SOC423)と、バッテリの最大充電量(上限SOC424)と、バッテリの最低充電量(下限SOC425)と、を備える。これらの情報は、EVバッテリ320が接続されると、PCS310が接続されたEVバッテリ320から取得し、送信する。
【0034】
電力使用量取得部213は、電力需要実績を取得し、データベースに蓄積する。本実施形態では、電力需要実績として、電力メータ120の値を、取得し、予め定めた時間区切り(時間帯)毎に、当該時間帯に対応づけて電力使用履歴として電力使用履歴DB430に記憶する。
【0035】
電力使用履歴DB430に記憶されるデータの一例を図5(a)に示す。本図に示すように、電力使用履歴DB430に記憶されるデータは、各日の電力使用量433の変化を、各日付431の、予め定めた時間帯432単位で記憶する。ここでは、30分単位で記憶する例を示す。また、電力使用履歴DB430は、さらに、月434単位で、当該月の電力使用量433の最大値である最大電力使用量を、最大値435として記憶する。
【0036】
電力需要予測部214は、後述する充放電計画立案部215が計画を立案する立案日の、時間帯毎の予測電力需要値を予測電力需要カーブとして算出する。算出の詳細は、後述する。
【0037】
充放電計画立案部215は、各PCS310にそれぞれ接続された各(EVの)EVバッテリ320の充放電計画を立案する。ここで、立案する充放電計画は、各EVバッテリ320の時間帯毎の充放電量である。立案した充放電計画は、充放電計画DB440に記憶される。
【0038】
充放電計画DB440に記憶されるデータは、図5(b)に示すように、立案対象日(立案日)441毎に作成される。各データは、EVバッテリ320の識別情報であるEVID444と、当該EVバッテリ320が接続されたPCS310の識別情報であるPCSID445と、予め定めた時間帯442毎の計画充放電電力量443[kWh]と、を備える。すなわち、PCS310毎に、時間帯442毎の計画充放電電力量443[kWh]が記憶される。なお、本図において、計画充放電電力量443[kWh]は、マイナスが充電、プラスが放電である。
【0039】
本実施形態では、各EVのモビリティニーズに応じて、すなわち、ユーザが指定する充電完了時刻413と、その時点での必要充電量(完了時SOC414)とを満たすよう、充放電計画を立案する。本実施形態では、充放電計画立案部215は、予測電力需要カーブと、立案手順DB460に格納された、予測電力需要カーブに応じた立案手順に従って、充放電計画を立案する。立案は、1つのEVバッテリ320毎に、予め定めた規則に従った順に行う。立案の順序は、例えば、接続時刻順とする。同じ接続時刻のEVバッテリ320が複数ある場合は、予約充電完了時刻の早い順とする。充放電計画立案処理については、後述する。
【0040】
指示部216は、充放電計画立案部215が立案した各EVバッテリ320の充放電計画に従って、当該EVバッテリ320が接続されるPCS310に対し、充電および放電の指示(充放電指示)を行う。さらに、本実施形態では、指示部216は、指示を行った履歴を、充放電履歴DB450として記憶する。
【0041】
充放電履歴DB450に記憶されるデータの一例を、図5(c)に示す。充放電履歴DB450に記憶されるデータが有する項目は、基本的に充放電計画DB440に記憶されるデータが有する項目と同じである。具体的には、本図に示すように、各データは、PCSID455と、各日付451の時間帯452毎の、実際に充放電された充放電量(実行充放電電力量453)と、を備える。すなわち、PCS310毎に、立案日毎の、時間帯毎の、実際に充放電された充放電電力量が記憶される。
【0042】
[電力管理装置のハードウェア構成]
図3(b)は、本実施形態の電力管理装置200のハードウェア構図である。本図に示すように、本実施形態の電力管理装置200は、CPU231と、メモリ232と、記憶装置233と、通信インタフェース(I/F)234と、入出力I/F235とを備える汎用の情報処理装置(コンピュータ)で構成される。
【0043】
電力管理装置200の各機能は、例えば、記憶装置233に格納されたプログラムを、CPU231がメモリ232にロードして実行することにより実現される。また、各データは、記憶装置233等に記憶される。
【0044】
入出力I/F235は、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル等である。本実施形態では、前記EV予約情報は、この入出力I/F235を介して入力される。
【0045】
[電力需要予測処理]
次に、電力需要予測部214による、電力需要予測処理について説明する。電力需要予測処理は、過去の電力使用実績から、立案日(当日)の、時間帯毎の予測電力需要値(予測電力需要カーブ)を予測(算出)する処理である。
【0046】
まず、電力需要予測部214は、当該事業所の、本来の電力使用値を算出する。電力メータ120から取得する、電力使用履歴DB430に格納される電力使用量433には、PCS310による充放電電力の値も含まれる。そこで、この電力使用量433から、各PCS310の実行充放電電力量453を除き、PCS310の充放電電力を行わなかった場合の、本来の電力使用量(=本来電力使用量)を算出する。具体的には、以下の式(3)に従って算出する。
本来電力使用量=電力使用量
+(PCS1の充放電電力量+PCS2の充放電電力量+・・・
+PCSNの充放電電力量) ・・・(3)
なお、PCS310は、N(Nは1以上の整数)台備えるものとする。
また、各PCS310の充放電電力量は、充放電履歴DB450に記憶されるデータの、対応する日時の実行充放電電力量453を用いる。電力使用量433と、各PCS310の使用量である実行充放電電力量453と、本来電力使用値456との関係を図6(a)に示す。
【0047】
次に、電力需要予測部214は、当該事業所の、予測する時間帯(予測時間帯)の、予測電力需要値を算出する。例えば、予測時間帯の過去データ(過去の本来電力使用値461)に統計処理を施し、算出する。例えば、所定数のサンプリングデータから、最大値および最小値を除き、平均値を算出し、得られた値を予測電力需要値とする。
【0048】
具体例を、図6(b)に示す。ここでは、予測時間帯が図6(a)の9:00である場合の例を示す。7日前、14日前、21日前、28日前、35日前の、9:00の5件のサンプリングデータから、最大値と最小値を除いた値で平均を算出し、得られた値を、この予測時間帯(9:00)の、予測電力需要値457とする。
【0049】
なお、ここでは、同一曜日の過去データを用いる例を示したが、用いるサンプリングデータは、これに限定されない。1年前の同一日、同一月の平日のみ、同じイベントが開催された過去の日等、任意に選択できる。
【0050】
電力需要予測部214は、立案日の各時間帯の予測電力需要値457を算出し、立案日全体の予測電力需要値として、予測電力需要カーブを得る。得られた予測電力需要カーブ510の一例を、図7(a)に示す。ここでは、各棒グラフが、時間帯毎の予測電力需要値457を示す。
【0051】
目標電力量Ptgt[kWh]は、事業所の目標とする電力量の上限値である。目標電力量Ptgtの初期値は、事業所毎に予め決めた値としてもよいし、日毎に、過去の実績から算出してもよい。過去の実績から算出する場合、例えば、過去実績ピーク上限の30%下限等とする。
【0052】
[全体充放電計画立案処理]
次に、本実施形態の充放電計画立案部215による充放電計画立案処理について説明する。予測電力需要カーブ510とモビリティニーズとから、最大限、電力需要のピークを抑えた、最適な充放電計画を立案する。
【0053】
充放電計画立案部215は、電力需要予測部214が算出した、立案日の予測電力需要カーブ510を用いて、接続された各EVバッテリ320の充放電計画を立案する。本実施形態では、充放電計画立案部215は、接続された各EVバッテリ320について、予め定めた順に、充放電計画を立案し、予測電力需要カーブ510を更新していく。充放電計画は、モビリティニーズ(使いたい時に必要なバッテリ残容量がある)を満たした上で、事業所の1日の需要電力の最大値を最小に抑えるよう立案される。
【0054】
まず、具体例で概要を説明する。ここでは、図7(a)に示す予測電力需要カーブ510を用いて説明する。また、2つのEVバッテリ321、322が接続されたものとする。図7(b)に示すように、EVバッテリ321は、8:00に接続され、EV予約情報の充電完了時刻として20:00が指定され、図7(c)に示すように、EVバッテリ322は、6:00に接続され、充電完了時刻として9:00が指定されたものとする。以下、EVバッテリが接続される時刻をTs、ユーザが指定する充電完了時刻をTeで表す。
【0055】
このような場合、EVバッテリ321については、図7(b)に示すように、A、Cの時間帯で充電を行い、Bの時間帯で放電を行うことが最適な充放電計画と考えられる。また、EVバッテリ322については、図7(c)に示すように、Aの領域で充電を行い、放電は行わないことが最適な充放電計画と考えられる。このように、EVバッテリのニーズに応じて、最適な充放電計画は異なる。
【0056】
充放電計画立案部215は、まず、EVバッテリ322について充放電計画を立案する。EVバッテリ322の充放電計画による充電量512を図8(a)に示す。EVバッテリ322の充電量512が決定すると、この充電量512も加えた時間帯毎の電力需要値を、予測電力需要カーブ510とし、充放電計画立案部215は、EVバッテリ321の充放電計画を立案する。この結果得られたEVバッテリ321の充放電計画による充電量および放電量513を加えた予測電力需要カーブ510を、図8(b)に示す。
【0057】
このように、本実施形態では、予め定めた順に、各EVバッテリ320に最適な充放電計画を立案する。第一EVバッテリの充放電計画を立案し、その結果を各時間帯の予測電力需要値へ反映(充電量を加算、放電量を減算)し、次の第二EVバッテリの計画時には、第一EVバッテリの計画が反映された各時間帯の予測電力需要値に対して、最適な充放電計画を立案する。これを接続されたEVバッテリ320の台数分繰り返し行い、結果的に、全体として最適な充放電計画を立案する。
【0058】
複数のEVバッテリ320が接続されている場合の、充放電計画の立案順は、予めルールを定めておく。ルールは、例えば、EV接続時刻とEV予約充電完了時刻の期間が短く、かつ、EV予約充電完了時刻がより早いEVバッテリ320を優先する、EV予約充電完了時刻の早いEVバッテリを優先する、等である。
【0059】
また、EVバッテリ320の充放電計画の立案は、EVバッテリ320が接続されたタイミングを契機に実施し、EV予約充電完了時刻またはEVバッテリ320が切断されるまで、定期周期(例えば30分に1回)に実行し、充放電計画を更新する。
【0060】
上記処理を処理フローで示す。図9は、本実施形態の充放電計画立案部215による充放電計画立案処理の処理フローである。上述のように、本処理は、所定の時間間隔(例えば、30分間隔等)で行われる。
【0061】
充放電計画立案部215は、初期予測電力需要カーブと目標電力量Ptgtを取得する(ステップS1101)。初期予測電力需要カーブとして、電力需要予測部214が算出した立案日の予測電力需要カーブ510を用いる。また、目標電力量Ptgtは、予め設定された値を用いる。
【0062】
まず、充放電計画立案部215は、充放電計画を立案していないEVバッテリ320(以下、単に未計画EVと呼ぶ)があるかを判別する(ステップS1102)。ここでは、PCS310に接続され、かつ、本処理を行うタイミングで充放電計画が立案されていないEVバッテリ320があるかを判別する。未計画EVがない場合は、そのまま、処理を終了する。
【0063】
一方、未計画EVがある場合、充放電計画立案部215は、その中から、充放電計画を立案する対象のEVバッテリ(対象EV)を抽出する(ステップS1103)。抽出は、予め定めた規則に従って行う。規則は、例えば、接続時間が最も早いEVバッテリ320,接続時間が同じEVバッテリ320の中では、充電完了時刻が最も早いEVバッテリを優先、等とする。また、未計画EVが1台である場合は、当該未計画EVを対象EVとする。
【0064】
次に、充放電計画立案部215は、対象EVの充放電計画を立案する(ステップS1104)。具体的には、時間帯毎の、充電量および放電量を決定する。決定の詳細は、後述する。
【0065】
その後、充放電計画立案部215は、その時点の予測電力需要カーブに、対象EVの充放電計画を加算し、予測電力需要カーブを更新する(ステップS1105)。充放電計画を加算とは、充放電計画による電力需要値の変化分を加えることである。そして、対象EVを、未計画EVから除き(ステップS1107)、ステップS1102へ戻り、処理を繰り返す。
【0066】
[個別充放電計画立案処理]
以下、充放電計画立案部215による個々のEVバッテリ320の充放電計画立案処理(上記ステップS1104の処理)の詳細を説明する。本実施形態では、予測電力需要カーブ510の、EV接続時刻Tsから充電完了時刻Teまでの間の形状に応じて、予め立案手順DB460に記憶された立案手順に従って、充放電計画を立案する。立案手順DB460には、予測電力需要カーブ510の形状に応じた立案手順が格納される。
【0067】
具体的には、本実施形態では、図10に示すように、予測電力需要カーブ510を、EV接続時刻Tsから充電完了時刻Teの間の期間(充放電可能期間)Tdを3等分し、各期間X,Y,Zに対し、識別子を付す。付される識別子は、当該期間の予測電力需要値と、目標電力量Ptgtとの関係で、主として充電を行う期間を意味するCC、および、主として放電を行う期間であることを意味するDDのいずれかである。そして、その識別子の配列でモデルパターンを決定し、決定したモデルパターンに応じた立案手順が立案手順DB460に格納される。
【0068】
なお、各期間X,Y,Z内の予測電力需要値の大きさが、目標電力量Ptgtよりも大きい時間帯が1つでもある場合、当該期間に識別子DDが付与される。そして、それ以外の期間、すなわち、目標電力量Ptgtよりも大きい時間帯が1つもない期間には、識別子CCが付与される。
【0069】
モデルパターンは、その組み合わせにより、以下の8パターンがある。それぞれのモデルパターンの予測電力需要カーブ510と目標電力量Ptgtとの関係を、図11(a)~図11(h)に示す。
【0070】
モデルパターンaの予測電力需要カーブ510aを、図11(a)に示す。モデルパターンaでは、期間(X,Y,Z)には、それぞれ、(CC,CC,CC)の識別子が付与される。
【0071】
モデルパターンbの予測電力需要カーブ510bを、図11(b)に示す。モデルパターンbでは、期間(X,Y,Z)には、それぞれ、(CC,CC,DD)の識別子が付与される。
【0072】
モデルパターンcの予測電力需要カーブ510cを、図11(c)に示す。モデルパターンcでは、期間(X,Y,Z)には、それぞれ、(CC,DD,CC)の識別子が付与される。
【0073】
モデルパターンdの予測電力需要カーブ510dを、図11(d)に示す。モデルパターンdでは、期間(X,Y,Z)には、それぞれ、(DD,CC,CC)の識別子が付与される。
【0074】
モデルパターンeの予測電力需要カーブ510eを、図11(e)に示す。モデルパターンeでは、期間(X,Y,Z)には、それぞれ、(CC,DD,DD)の識別子が付与される。
【0075】
モデルパターンfの予測電力需要カーブ510fを、図11(f)に示す。モデルパターンfでは、期間(X,Y,Z)には、それぞれ、(DD,CC,DD)の識別子が付与される。
【0076】
モデルパターンgの予測電力需要カーブ510gを、図11(g)に示す。モデルパターンgでは、期間(X,Y,Z)には、それぞれ、(DD,DD,CC)の識別子が付与される。
【0077】
モデルパターンhの予測電力需要カーブ510hを、図11(h)に示す。モデルパターンhでは、期間(X,Y,Z)には、それぞれ、(DD,DD,DD)の識別子が付与される。
【0078】
以下、それぞれのモデルパターンに対応づけて立案手順DB460に記憶される立案手順を説明する。
【0079】
まず、モデルパターンaとモデルパターンhに対応づけられた立案手順(立案手順1)について説明する。これらのモデルパターンは、図12(a)および図12(c)に示すように、全ての期間において、予測電力需要カーブ510aは、目標電力量Ptgtより大きく、予測電力需要カーブ510hは、目標電力量Ptgtより小さい。よって、全ての期間X,Y,Zに、CCまたはDDのいずれかの同じ識別子が付与される。
【0080】
これらのモデルパターンに適用する立案手順1では、充電計画のみを立案する。すなわち、放電計画は不要である。なお、予測電力需要カーブ510は、目標電力量Ptgtより小さいため、分類上、放電を行う領域としての識別子DDが付与されるが、モビリティニーズを優先するため、放電は行わず、充電のみを行う。以下、立案手順1について、充放電計画立案部215が実行する処理の流れとして説明する。
【0081】
まず、メイン処理の処理フローを、図13(a)に示す。本図に示すように、充放電計画立案部215は、充電計画を立案する手順1充電計画立案処理を行い(ステップS1201)、処理を終了する。
【0082】
次に、充放電計画立案部215によるステップS1201の、手順1充電計画立案処理の流れを、図13(b)に示す。また、図12(b)および図12(d)を用いて説明する。
【0083】
充放電計画立案部215は、まず、図TsからTeまでの期間Tdの、最大の電力需要値Pmax_0を、図12(b)および図12(d)に示すように、Pmax_1とする(ステップS1301)。
【0084】
そして、充放電計画立案部215は、まず、第一充電処理を行う(ステップS1302)。ここで、第一充電処理は、電力需要値が、Pmax_1以下の時間帯に対して行われる処理である。処理の詳細は、後述する。
【0085】
次に、充放電計画立案部215は、上記第一充電処理において立案された充電量の合計(充電量合計)Ctotalが、図4(a)に示す充電必要電力量Cneedに達しているか、すなわち、Cneed分、充電が完了したかを判別する(ステップS1303)。完了していた場合、充電計画立案処理を終了する。
【0086】
一方、未完了の場合、充放電計画立案部215は、第二充電処理を行い(ステップS1304)、処理を終了する。ここで、第二充電処理は、電力需要値が、Pmax_1より大きい時間帯に対して行われる処理である。処理の詳細は、後述する。
【0087】
次に、充放電計画立案部215による第一充電処理の流れを、図14に沿って説明する。第一充電処理では、図12(b)および図12(d)に、丸付き数字1、2で示すように、時刻の早い時間帯から順に、充電必要電力量Cneedに達するまで、各時間帯に、充電可能な最大量を充電量として割り当てる。
【0088】
まず、充放電計画立案部215は、Td期間内の時間帯数を特定する(ステップS1401)。ここでは、M個とする。そして、Td期間内の全時間帯について、処理順を決定する。立案手順1では、時刻の早い方から順に、処理を行うよう決定する。例えば、各時間帯に連番を付し、その順に行う。さらに、充放電計画立案部215は、各時間帯tn(nは、1以上M以下の整数)について、電力需要値Ptnと、Pmax_1との差である空き容量Stnを算出する。
【0089】
充放電計画立案部215は、まず、カウンタnに1を設定する(ステップS1402)。また、このとき、充電量合計Ctotalを0とする。
【0090】
充放電計画立案部215は、充電量合計Ctotalが充電必要電力量Cneedに達しているかを判断し(ステップS1403)、達している場合、処理を終了する。
【0091】
未達の場合、充放電計画立案部215は、空き容量Stnが、最大充電可能量PCSmaxより大きいか(Stn>PCSmax)判別する(ステップS1404)。ここで、最大充電可能量PCSmaxは、対象EV(EVバッテリ320)が接続されるPCS310の、時間帯幅(ここでは、30分)における最大の充電可能な電力量である。
【0092】
Stn>PCSmaxの場合、最大充電可能量PCSmaxを、時間帯tnの充電量Ctnとする(ステップS1405)。そして、当該時間帯tnの電力需要値Ptnを、PCSmaxを加えた値に更新し、充電量合計Ctotalを、PCSmaxを加えた値に更新する(ステップS1406)。なお、最大充電可能量PCSmaxを充電量Ctnとした時間帯tnは、後述する第二充電処理の処理対象から除く(ステップS1409)。
【0093】
一方、Stn≦PCSmaxの場合、当該時間帯tnの充電量Ctnを空き容量Stnとする(ステップS1407)。そして、当該時間帯tnの電力需要値Ptnを、充電量Ctnを加えた値に更新し、充電量合計Ctotalを、充電量Ctnを加えた値に更新する(ステップS1408)。
【0094】
時間帯tnの電力需要値Ptnと充電量合計Ctotalを更新後、全ての期間について処理を終えたか判別する(ステップS1409、S1410)。ここでは、カウンタnを1インクリメントし、Mを越えたか否かにより、判別する。超えていない場合は、ステップS1403へ戻り、処理を継続する。
【0095】
一方、全ての期間について処理を終えた場合は、処理を終了する。
【0096】
次に、充放電計画立案部215による第二充電処理の流れを、図15に沿って説明する。本処理は、第一充電処理のみでは必要量の充電ができない場合に行われる処理である。本処理では、目標電力量Ptgtの範囲(または、最大値Pmax_1)では、必要な充電を行えない時に実行される。したがって、図12(b)および図12(d)に、丸付き数字3で示すように、期間Tdの最大の電力需要値を上げる。これらの図では、Pmax_1からPmax_2に増加させている。なお、本実施形態では、第一充電処理の中で、処理対象から除かれた時間帯tnについては、対象外とする。すまわち、除かれていない時間帯tnのみを対象とする。
【0097】
図15に示すように、充放電計画立案部215は、まず、第二充電処理に必要な各種の情報を取得、算出する(ステップS1501)。ここでは、第一充電処理で算出した充電量合計Ctotalと、第二充電処理の対象時間帯tnと、その個数M2と、各対象時間帯tnの充電可能な空き容量Stn2である。空き容量Stn2は、PCS310で定まる最大充電可能量PCSmaxと、第一充電処理で定めた充電量Ctnとの差である。
【0098】
これらの各情報を算出後、充放電計画立案部215は、処理対象の時間帯tnの処理順を決定し、以下の処理を行う(ステップS1502)。処理順は、例えば、空き容量Stn2の値が小さく、かつ、時刻の早い時間帯tnを優先とする。nはカウンタである。
【0099】
充放電計画立案部215は、充電量合計Ctotalが充電必要電力量Cneedに達しているかを判断し(ステップS1503)、達している場合、処理を終了する。
【0100】
未達の場合、充放電計画立案部215は、時間帯tnの充電量Ctnに空き容量Stn2を加算する(ステップS1504)。すなわち、時間帯tnの充電量Ctnは、空き容量Stn2を加えた値に更新される。そして、当該時間帯tnの電力需要値Ptnを、空き容量Stn2を加えた値に更新し、充電量合計Ctotalを、空き容量Stn2を加えた値に更新する(ステップS1505)。また、図12(b)および図12(d)に示すように、得られた電力需要値Ptnを期間Tdの最大の電力需要値Pmax_2とする(ステップS1506)。
【0101】
その後、第二充電処理の対象となる全ての時間帯tnに対して処理を行ったか否かを判別し(ステップS1507、S1508)、行っていれば、そのまま処理を終了し、行っていない場合は、ステップS1503へ戻り、次の時間帯の処理を行う。
【0102】
以上の充放電計画により、期間Tdの各時間帯tnの、対象EVに対する充電量Ctnと、電力需要値Ptnと、が定まる。すなわち、上記図5(b)に示す、各時間帯の、EVバッテリ320の、計画充放電電力量443が定まる。また、併せて、充放電計画加味後の、期間Tdの最大の電力需要値Pmax_2も定まる。
【0103】
次に、モデルパターンbおよびeに対応づけて立案手順DB460に記憶される立案手順2について説明する。これらのモデルパターンは、図16(a)および図16(c)に示すように、予測電力需要カーブ510b、510eは、略単調増加し、期間Td内で、目標電力量Ptgtを越えている。すなわち、時刻の早い期間に、CCの識別子が付与され、時刻の遅い期間にDDの識別子が付与される。このようなモデルパターンでは、予測電力需要値が目標電力量Ptgt未満の領域が充電可能領域であり、目標電力量Ptgt以上の領域が放電可能領域である。
【0104】
これらのモデルパターンに適用する立案手順2では、まず、目標電力量Ptgtより予測電力需要値が小さい時間帯で充電計画を立案し、その後、その充電計画で追加された電力量も含めて、放電計画を立案する。すなわち、図16(b)に丸付き数字で示す順に処理を行う。ここでは、丸付き数字1~3が充電量を決定する処理を示し、同4が放電量を決定する処理である。これにより、当初、Pmax_1であった期間Tdの最大の電力需要値を、Pmax_3まで低減させることができる。
【0105】
この立案手順2について、充放電計画立案部215が実行する処理の流れとして図17(a)から図20を用いて説明する。
【0106】
まず、メイン処理の処理フローを図17(a)に示す。本図に示すように、充放電計画立案部215は、充電計画を立案する手順2充電計画立案処理を行う(ステップS2201)。その後、放電計画を立案する手順2放電計画立案処理を行い(ステップS2202)、処理を終了する。
【0107】
次に、立案手順2の手順2充電計画立案処理の流れは、基本的に立案手順1の手順1充電計画立案処理と同じである。ただし、図17(b)に示すように、ここでは、充放電計画立案部215は、目標電力量PtgtをPmax_1とする(ステップS2301)。また、目標とする充電量は、充電必要電力量Cneedだけでなく、図4(a)に示す余剰電力量Cexedも加える。すなわち、立案手順1と同様に、第一充電処理を行い(ステップS2302)、その後、立案された充電量合計Ctotalが、充電必要電力量Cneedと余剰電力量Cexedの合計に達しているかを判別し(ステップS2303)、未達の場合、第二充電処理等を行う(ステップS2304)。
【0108】
次に、立案手順2の第一充電処理について、図18を用いて説明する。立案手順2の第一充電処理は、基本的に立案手順1の第一充電処理と同じである。ただし、処理対象の時間帯tnは、その電力需要値Ptnが目標電力量Ptgt(=Pmax_1)より小さい時間帯とする。また、処理順については、空き容量Stnの値が大きいことを最優先とし、時刻は、次の優先項目とする。
【0109】
まず、充放電計画立案部215は、Td期間内の、処理対象の時間帯数を特定する(ステップS2401)。ここでは、上述のように、処理対象の時間帯tnは、電力需要値Ptnが目標電力量Ptgt(=Pmax_1)より小さい時間帯であるため、その個数を特定する(M個とする)。そして、該当時間帯tnについて、電力需要値PtnとPmax_1との差である空き容量Stnを算出する。また、上述のように、空き容量Stnの大きい順で、その中では、時刻の早い順に処理が行われるよう、処理順を決定する。
【0110】
カウンタnを1と、充電量合計Ctotalを0とし(ステップS2402)、その後、充放電計画立案部215は、定められたM個の処理対象時間帯tnについて、以下の処理を行う。
【0111】
充放電計画立案部215は、充電量合計Ctotalが充電必要電力量Cneedと余剰電力量Cexedとの合計に達しているかを判断し(ステップS2403)、達している場合、処理を終了する。
【0112】
未達の場合、充放電計画立案部215は、空き容量Stnが、最大充電可能量PCSmaxより大きいか(Stn>PCSmax)判別する(ステップS2404)。
【0113】
Stn>PCSmaxである場合、最大充電可能量PCSmaxを、時間帯tnの充電量とする(ステップS2405)。そして、当該時間帯tnの電力需要値Ptnを、PCSmaxを加えた値に更新し、充電量合計Ctotalを、PCSmaxを加えた値に更新する(ステップS2406)。なお、最大充電可能量PCSmaxを充電量とした時間帯tnは、後述する第二充電処理の処理対象から除く(ステップS2409)。本処理の対象の時間帯tnを、図16(b)に丸付き数字1で示す。
【0114】
一方、Stn≦PCSmaxである場合、当該時間帯tnの充電量Ctnを空き容量Stnとする(ステップS2407)。そして、当該時間帯tnの電力需要値Ptnを、充電量Ctnを加えた値に更新し、充電量合計Ctotalを、充電量Ctnを加えた値に更新する(ステップS2408)。本処理の対象の時間帯tnを、図16(b)の丸付き数字2で示す。
【0115】
時間帯tnの電力需要値Ptnと充電量の合計を更新後、全ての期間について処理を終えたか判別する(ステップS2409、S2410)。ここでは、カウンタnを1インクリメントし、Mを越えたか否かにより、判別する。超えていない場合は、ステップS2403へ戻り、処理を継続する。
【0116】
一方、全ての期間について処理を終えた場合は、処理を終了する。
【0117】
次に、立案手順2の場合の充放電計画立案部215による第二充電処理の流れを、図19に沿って説明する。立案手順1同様、本処理は、第一充電処理のみでは必要量の充電ができない場合に行われる処理である。第一充電処理の中で、除かれなかった時間帯tnのみを対象とする。処理の流れは、基本的に立案手順1の第二充電処理の流れと同じである。また、本処理の対象の時間帯tnを、図16(b)の丸付き数字3で示す。
【0118】
まず、第二充電処理に必要な各種の情報を取得、算出する(ステップS2501)。ここでは、第一充電処理で算出した充電量合計Ctotalと、第二充電処理の対象時間帯tnと、その個数M2と、各対象時間帯tnの空き容量Stn2である。空き容量Stn2は、最大充電可能量PCSmaxと、第一充電処理で定めた充電量Ctnとの差である。
【0119】
これらの各情報を算出後、充放電計画立案部215は、処理対象の時間帯tnの処理順を決定し、以下の処理を行う(ステップS2502)。処理順は、例えば、空き容量Stn2の値が小さく、かつ、時刻の早い時間帯tnを優先とする。nはカウンタである。
【0120】
充放電計画立案部215は、充電量合計Ctotalが充電必要電力量Cneedと余剰電力量Cexedとの合計に達しているかを判断し(ステップS2503)、達している場合、処理を終了する。
【0121】
未達の場合、充放電計画立案部215は、時間帯tnの充電量Ctnに空き容量Stn2を加算する(ステップS2504)。そして、当該時間帯tnの電力需要値Ptnを、空き容量Stn2を加えた値に更新し、充電量合計Ctotalを、空き容量Stn2を加えた値に更新する(ステップS2505)。また、図16(b)に示すように、得られた電力需要値Ptnを期間Tdの最大の電力需要値Pmax_2とする(ステップS2506)。
【0122】
その後、第二充電処理の対象となる全ての時間帯tnに対して処理を行ったか否かを判別し(ステップS2507、S2508)、行っていれば、そのまま処理を終了し、行っていない場合は、ステップS2503へ戻り、次の時間帯の処理を行う。
【0123】
なお、立案手順2では、放電処理もあるため、第二充電処理において、余剰電力量Cexed分も、充電に割り当てている。しかしながら、余剰電力量Cexedは、充電に割当なくてもよい。すなわち、上記ステップS2503で、CtotalがCneedに達した場合、処理を終えてもよい。
【0124】
次に、立案手順2の場合の充放電計画立案部215による手順2放電計画立案処理の流れを図20に従って、説明する。放電計画は、余剰電力量Cexedがある場合のみ、割り当てる。本処理の対象の時間帯tnを、図16(b)の丸付き数字4で示す。
【0125】
まず、充放電計画立案部215は、期間Td内の最大の電力需要値Pmax_0を、Pmax_1とする(ステップS2601)。
【0126】
まず、目標電力量Ptgtより、当初の電力需要値Ptnが大きい時間帯tnを抽出する(ステップS2602)。また、その個数を特定する。ここでは、M3とする。また、電力需要値Ptnの大きい順に処理を行うよう、処理順を決定する。同じ電力需要値の時間帯が複数ある場合は、時刻の早い順に処理を行うよう、処理順を決定する。決定した処理順にしたがって、以下の処理を行う(ステップS2603)。
【0127】
まず、充放電計画立案部215は、余剰電力量Cexedが残っているかを判別する(ステップS2604)。残っていなければ、そのまま処理を終了する。
【0128】
電力需要値が最も大きい時間帯である時間帯tnの電力需要値Ptnと、2番目に電力需要値が大きい時間帯の電力需要値の差ΔPtn1を算出し、それを、電力需要値Ptnが最も大きい時間帯tnの、放電量Dtnとする(ステップS2605)。
【0129】
そして、時間帯tnの電力需要値Ptnを、Dtnを除いた値に更新するとともに、余剰電力量Cexedを、放電量Dtnを除いた値に更新する(ステップS2606)。また、図16(b)に示すように、得られた電力需要値Ptnを期間Tdの最大の電力需要値Pmax_3とする(ステップS2607)。なお、例えば、電力需要値が最も大きい時間帯が複数ある場合は、これらの時間帯の処理が全て終わった時に、電力需要値Ptnを期間Tdの最大の電力需要値Pmax_3とする。
【0130】
そして、M3個の時間帯について、全て処理を終えたか判別する(ステップS2608、S2609)。終えていれば、余剰電力量Cexedを残し、そのまま処理を終了する。一方、未処理の時間帯tnがある場合は、ステップS2604に戻り、処理順で決めた次の時間帯の処理を行う。
【0131】
なお、モデルパターンdおよびモデルパターンgに対応づけられた立案手順3、また、モデルパターンfに対応づけられた立案手順4についても、基本的に立案手順2と同様の処理である。ただし、第一充電処理の処理順を決定する際、立案手順2の場合は、時刻の早いものを優先しているが、立案手順3では、時刻の遅いものを優先する。立案手順4の場合は、いずれであってもよい。
【0132】
図21(a)および図21(c)に示すように、モデルパターンdおよびgでは、予測電力需要カーブ510d、510gは、略単調に減少し、期間Td内で、目標電力量Ptgtより小さくなる。すなわち、時刻の早い期間にDDの識別子が付与され、時刻の遅い期間にCCの識別子が付与される。このようなモデルパターンでは、予測電力需要値の目標電力量Ptgt以上の領域が放電可能領域であり、目標電力量Ptgt未満の領域が充電可能領域である。
【0133】
これらのモデルパターンに適用する立案手順3では、まず、目標電力量Ptgtより予測電力需要値の小さい時間帯で充電計画を立案し、その後、その充電計画で追加された電力量も含めて、放電計画を立案する。すなわち、図21(b)に丸付き数字で示す順に処理を行う。ここでは、丸付き数字1~3が充電量を決定する処理を示し、同4が放電量を決定する処理である。これにより、当初、Pmax_1であった期間Tdの最大の電力需要値を、Pmax_3まで低減させることができる。
【0134】
また、モデルパターンfでは、予測電力需要カーブ510fは、期間Td内で減少から増加に転じる。このようなモデルパターンfにおいても、図21(d)に示すように、他のモデルパターンと同様に、予測電力需要値の目標電力量Ptgt以上の領域が放電可能領域であり、目標電力量Ptgt未満の領域が充電可能領域である。
【0135】
このモデルパターンfに適用する立案手順4では、まず、目標電力量Ptgtより予測電力需要値の小さい時間帯で充電計画を立案し、その後、その充電計画で追加された電力量も含めて、放電計画を立案する。すなわち、図21(e)に丸付き数字で示す順に処理を行う。ここでは、丸付き数字1~3が充電量を決定する処理を示し、同4が放電量を決定する処理である。これにより、当初、Pmax_1であった期間Tdの最大の電力需要値を、Pmax_3まで低減させることができる。
【0136】
次に、モデルパターンcに対応付けられた立案手順5について説明する。このモデルパターンcは、図22(a)に示すように、予測電力需要カーブ510cは、期間Tdの間に、増加から減少に転じ、最小値は目標電力量Ptgtより小さく、最大値は、目標電力量Ptgtより大きい。モデルパターンcにおいても、本図に示すように、他のモデルパターンと同様に、予測電力需要値が目標電力量Ptgt未満の領域が充電可能領域であり、目標電力量Ptgt以上の領域が放電可能領域である。
【0137】
モデルパターンcに適用する立案手順5では、まず、時刻の遅い期間で、充電計画を立案し(図22(b)の丸付き数字1、2)、次に、時刻の早い期間で充電計画を立案し(図22(b)の丸付き数字3、4)、最後に、放電可能領域の放電計画を立案する(図22(b)の丸付き数字5)。これにより、当初、Pmax_1であった期間Tdの最大の電力需要値を、Pmax_3まで低減させることができる。以下、立案手順5について、充放電計画立案部215が実行する処理の流れとして説明する。
【0138】
まず、充放電計画立案部215による立案手順5のメイン処理の流れを、図22(c)に示す。
【0139】
まず、充放電計画立案部215は、期間Zの充電計画を立案する期間Z充電処理を行う(ステップS5101)。
【0140】
その後、充放電計画立案部215は、立案された充電量合計Ctotalが、充電必要電力量Cneedと余剰電力量Cexedの合計に達しているかを判別し(ステップS5102)、達している場合は、第一充放電処理を行い(ステップS5103)、処理を終了する。
【0141】
一方、未達の場合、充放電計画立案部215は、立案された充電量合計Ctotalが、充電必要電力量Cneedに達しているかを判別し(ステップS5104)、達している場合は、第二充放電処理を行い(ステップS5105)、処理を終了する。
【0142】
一方、未達の場合、充放電計画立案部215は、第三充放電処理を行い(ステップS5106)、処理を終了する。
【0143】
期間Z充電処理について説明する。
【0144】
期間Z充電処理は、基本的に立案手順2の第一充電処理と同じである。ただし、処理順は、遅い方を優先とする。他の処理は、第一充電処理と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
【0145】
次に、ステップS5103の第一充放電処理について説明する。図23は、第一充放電処理の処理フローである。
【0146】
充放電計画立案部215は、期間Yの中の最大の電力需要値を、Pmax_1とする(ステップS5201)。期間Yは、3つの領域の中で、唯一、目標電力量Ptgt以上の時間帯を有する領域である。したがって、期間Tdの最大の電力需要値(Pmax_0)を、Pmax_1とすることと同義である。
【0147】
次に、期間Yの中の各時間帯のうち、電力需要値が目標電力量Ptgtより大きい時間帯を放電対象期間とし、その個数を特定するとともに、処理順を決定する(ステップS5202)。個数は、M3とする。また、電力需要値Ptnの大きい順に処理を行うよう、処理順を決定する。同じ電力需要値の時間帯が複数ある場合は、時刻の早い順に処理を行うよう、処理順を決定する。決定した処理順に従って、以下の処理を行う(ステップS5203)。
【0148】
まず、充放電計画立案部215は、現在SOCと、下限SOCとの差ΔSOC1が、余剰電力量Cexed以上であるかを判別する(ステップS5204)。現在SOCおよび下限SOCは、それぞれ、バッテリ情報DB420から取得する。
【0149】
差ΔSOC1が余剰電力量Cexed以上である場合は、小さい方の余剰電力量Cexedを上限として、放電計画を立案する。放電計画の立案処理の流れは、基本的に立案手順2の放電計画立案処理と同じである。
【0150】
すなわち、まず、余剰電力量Cexedが残っているかを判別する(ステップS5205)。残っている場合、ステップS5202で定めた処理順にしたがって、電力需要値が最も大きい時間帯である時間帯tnの電力需要値Ptnと、2番目に電力需要値が大きい時間帯の電力需要値の差ΔPtn1を算出し、それを、電力需要値Ptnが最も大きい時間帯tnの、放電量Dtnとする(ステップS5206)。
【0151】
そして、時間帯tnの電力需要値Ptnを、Dtnを除いた値に更新するとともに、余剰電力量Cexedを、放電量Dtnを除いた値に更新する(ステップS5207)。また、その時点の最大の電力需要値Ptnを期間Yの最大の電力需要値Pmax_3とする(ステップS5208)。
【0152】
そして、M3個の時間帯について、全て処理を終えたか判別する(ステップS5209、S5210)。終えていない場合、ステップS5205へ戻る。
【0153】
一方、全ての放電対象時間帯について処理を終えた場合は、立案手順5の場合、後述するS5221へ移行する。また、ステップS5205において、余剰電力量Cexedが残っていない場合も、S5221へ移行する。
【0154】
また、ステップS5204において、差ΔSOC1が余剰電力量Cexed未満である場合は、小さい方の差ΔSOC1を上限として、放電計画を立案する。放電計画の立案処理の流れは、基本的に立案手順2の放電計画立案処理および上述の余剰電力量Cexedを上限として立案する場合と同じである。
【0155】
すなわち、差ΔSOC1が残っている間、あるいは、M3個全ての時間帯tnについて処理を終えるまで(ステップS5215、S5219、S5220)、tnの放電量Dtnを決定し(ステップS5216)、電力需要値Ptnを、Dtnを除いた値に更新するとともに、差ΔSOC1を、放電量Dtnを除いた値に更新し(ステップS5217)、その時点の最大の電力需要値Ptnを期間Yの最大の電力需要値Pmax_3とする(ステップS5218)。
【0156】
その後、充放電計画立案部215は、未処理の放電対象時間帯があるか否かを判別し(ステップS5221)、未処理の時間帯があれば、第四充放電処理を行い(ステップS5222)、処理を終了する。なお、未処理の時間帯があるのは、余剰電力量Cexedまたは差ΔSOC1がなくなり、ステップS5221へ進んだ場合である。
【0157】
ここで、この第四充放電処理の流れを、図24(a)を用いて説明する。この第四充放電処理は、未処理の放電対象時間帯の放電可能な電力量PDと、上限SOCと現在SOCとの差ΔSOC2との、小さいほうを上限に、期間Xの時間帯と、期間Yの目標電力量Ptgtより電力需要値が小さい時間帯と、を用いて、充電計画を立案する。その後、その充電分を加え、未処理の放電対象時間帯の放電量を決定する。
【0158】
本図に示すように、充放電計画立案部215は、放電可能な電力量PDを算出し、当該電力量PDが差ΔSOC2より大きいか判別する(ステップS5301)。そして、当該電力量PDが大きい場合、小さいほうの差ΔSOC2を上限に、充電計画を立案する(ステップS5302)。それ以外の場合は、電力量PDを上限に充電計画を立案する(ステップS5303)。
【0159】
このとき、充電計画を立案する時間帯は、期間Xに含まれる時間帯と、期間Yの放電対象時間帯以外の時間帯である。また、充電計画の立案は、上述の第一充電処理と基本的に同様である。ただし、上記第一充電処理では、上限値が充電必要電力量Cneedであるところを、ここでは、それぞれ、差ΔSOC2または電力量PDとする。
【0160】
次に、ステップS5302または、ステップS5303で確保した充電量を上限に、未処理の時間帯に関し、放電計画を立案し(ステップS5304)、処理を終了する。
【0161】
この放電計画も、基本的に、上記立案手順2の放電計画立案処理と同じである。ただし、立案手順2の放電計画立案処理では、上限値を余剰電力量Cexedとしているところを、ここでは、ステップS5302または、ステップS5303で確保した充電量とする。
【0162】
次に、ステップS5105の第二充放電処理について説明する。図24(b)は、第二充放電処理の処理フローである。
【0163】
充放電計画立案部215は、第一充放電処理と同様に、期間Yの中の最大の電力需要値(=Pmax_0)を、Pmax_1とする(ステップS5401)。
【0164】
その後、第一充放電処理と同様に、期間Yの中の各時間帯のうち、電力需要値が目標電力量Ptgtより大きい時間帯を放電対象期間とし、上記第四充放電処理を実行する(ステップS5402)。
【0165】
次に、ステップS5106の第三充放電処理について説明する。図24(c)は、第三充放電処理の処理フローである。
【0166】
充放電計画立案部215は、第一充放電処理と同様に、期間Yの中の最大の電力需要値を、Pmax_1とする(ステップS5501)。
【0167】
充放電計画立案部215は、充電必要電力量Cneedと余剰電力量Cexedとの合計を上限に、充電計画を立案する(ステップS5502)。ここで、充電計画を立案する時間帯は、期間Xに含まれる時間帯と、期間Yの放電対象時間帯以外の時間帯である。また、充電計画の立案は、上述の第一充電処理と基本的に同様である。ただし、上記第一充電処理では、上限値が充電必要電力量Cneedであるところを、ここでは、充電必要電力量Cneedと余剰電力量Cexedとの合計とする。
【0168】
そして、充放電計画立案部215は、ステップS5502で得られた余剰電力量Cexedを上限に、放電計画を立案する(ステップS5503)。この放電計画も、基本的に、上記立案手順2の放電計画立案処理と同じである。
【0169】
以上説明したように、本実施形態では、接続される電気自動車(EV)のバッテリ(EVバッテリ320)の充放電を制御する充放電制御装置(PCS310)と、事業所全体の電力需要を制御する電力管理装置200と、を備え、事業所の電力需要を平準化する電力需要平準化システム100であって、電力管理装置200は、EVバッテリ320が接続された際の残容量である現在SOCと、EVバッテリ320の予約情報とに基づいて、事業所の1日の需要電力の最大値を最小に抑えるようEVバッテリ320の充放電計画を立案する充放電計画立案部215と、充放電計画立案部215が立案した充放電計画に従って、PCS310に充放電指示を行う指示部216と、を備える。
【0170】
本実施形態では、接続時の残容量と予約情報とのみに基づいて充放電計画が立案される。放電量の限定がなく、指定した充電完了時刻までに指定した残容量が確保できるのであれば、それ以前の過程において、指定した残容量よりも一旦低くなってもよい。このため、より多くの電力量を放電に使うことができ、より柔軟かつ有効に充放電計画を立案できる。
【0171】
また、本実施形態では、予め予測された対象日の所定時間帯毎の電力需要値である予測電力需要カーブに応じて、網羅的に立案手順を予め定め、記憶しておく。そして、充放電計画を立案するにあたり、充放電計画立案部215は、この立案手順に従って充放電計画を立案する。
【0172】
したがって、本実施形態によれば、予測電力需要カーブの形状、予測電力需要値の変化態様によらず、充放電計画を立案できる。すなわち、事業者ごとに異なる電力需要のモデルカーブに適した、電力需要の平準化を実現できる。そして、このとき、モビリティニーズを犠牲にしない。このように、本実施形態によれば、多種多様な電力需要カーブに最適な立案手順で、電気自動車のモビリティニーズを犠牲にすることなく、ピーク負荷の低減を最大限実現できる。
【0173】
例えば、本実施形態によれば、従業員が通勤車等に用いる電気自動車が搭載するEVバッテリ320を、午前中や夕方の事業所の電力使用量が低い期間に充電し、昼間の電力使用量がピークとなる期間に放電するなどにより、モビリティニーズを犠牲にすることなく、事業所の電力需要のピークを低減することができる。すなわち、EVバッテリ320を効果的に蓄電池、電力供給源として利用でき、電力需要の最適化を実現できる。
【0174】
<変形例1>
なお、上記実施形態では、EV接続時刻Tsから充電完了時刻Teまでの期間Tdを、3等分にし、パターンを決定して処理を行っているが、これに限定されない。例えば、パターンに分類せずに処理を行ってもよい。この場合、基本的に、時刻の早い方から充電計画を立案し、その後、放電計画を立案する。
【0175】
そして、例えば、接続時刻Tsと充電完了時刻Teとで定まる充放電可能な期間Td内の電力需要値Ptnが予め定めた目標値である目標電力量Ptgtより小さい所定の時間帯tnを充電期間として充電計画を立案し、充放電可能な期間Td内の電力需要値Ptnが目標電力量Ptgt以上の所定の時間帯tnを放電期間として放電計画を立案する。
【0176】
<変形例2>
また、上記実施形態および変形例の電力需要平準化システム100は、契約電力(基本料金)に影響を与えない場合、EVバッテリ320の放電によるピーク負荷の低減を行わず、EVバッテリ320の充放電回数を不必要に増やさないよう充放電計画を立案するモード(充放電回数低減モード)を備えてもよい。
【0177】
一般に、EVバッテリ320の充放電回数の増加は、EVバッテリ320の劣化進行に繋がることが知られている。また、上述したように、契約電力(基本料金)は、過去1年間の各月の最大需要電力値で決まる。従って、同月中は、立案日までの最大需要電力値を超えなければ、契約電力(基本料金)への影響はない。このような場合、放電を行い、ピーク負荷を低減する放電計画の立案は不要であり、充電計画のみ立案すればよい。
【0178】
具体的には、例えば、電力管理装置200は、さらに、事業者から充放電計画立案モードの指示を受け付ける受付部を備え、当該受付部を介して、事業者から、通常モードで充放電計画を立案するか、充放電回数低減モードで充放電計画を立案するか、の指示を受け付ける。なお、通常モードは、上述の実施形態で説明した充放電計画立案処理を行うモードである。
【0179】
そして、充放電回数低減モードの指示を受け付けた場合、充放電計画立案部215は、充放電回数低減モードで充放電計画を立案する。充放電回数低減モードでは、上記実施形態の目標電力量Ptgtを、同月中の、立案日までの最大需要電力値とし、立案日の予測電力需要カーブ510のモデルパターンを決定する。以後の処理は、上記実施形態と同様である。
【0180】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0181】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、または、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置いてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。例えば実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0182】
100:電力需要平準化システム、110:HUB、120:電力メータ、130:系統電力、150:事業所内電気系統、
200:電力管理装置、211:EV予約情報取得部、212:バッテリ情報取得部、213:電力使用量取得部、214:電力需要予測部、215:充放電計画立案部、216:指示部、231:CPU、232:メモリ、233:記憶装置、235:入出力I/F、
310:PCS、311:PCS、312:PCS、313:PCS、314:PCS、320:EVバッテリ、321:EVバッテリ、322:EVバッテリ、323:EVバッテリ、324:EVバッテリ、
410:EV予約情報DB、411:EVID、412:接続時刻、413:充電完了時刻、414:完了時SOC、415:PCSID、420:バッテリ情報DB、421:EVID、422:バッテリ容量、423:現在SOC、424:下限SOC、425:上限SOC、430:電力使用履歴DB、431:日付、432:時間帯、433:電力使用量、434:月、435:最大値、440:充放電計画DB、441:立案日、442:時間帯、443:計画充放電電力量、444:EVID、445:PCSID、450:充放電履歴DB、451:日付、452:時間帯、453:実行充放電電力量、455:PCSID、456:本来電力使用量、457:予測電力需要値、460:立案手順DB、
510:予測電力需要カーブ、510a:予測電力需要カーブ、510b:予測電力需要カーブ、510c:予測電力需要カーブ、510d:予測電力需要カーブ、510e:予測電力需要カーブ、510f:予測電力需要カーブ、510g:予測電力需要カーブ、510h:予測電力需要カーブ、512:充電量、513:放電量、
Cexed:余剰電力量、Cfull:総電力量、Cneed:充電必要電力量、Ctotal:充電量合計、Ctn:充電量、Dtn:放電量、PA:最大値、PD:放電可能な電力量、PCSmax:最大充電可能量、Pmax_0:電力需要値、Pmax_1:最大電力需要値、Pmax_2:最大電力需要値、Pmax_3:最大電力需要値、Ptgt:目標電力量、Ptn:電力需要値、Stn:空き容量、Stn2:空き容量、Td:期間、Te:充電完了時刻、Ts:EV接続時刻、X:期間、Y:期間、Z:期間、tn:時間帯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24