(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】スリッタ装置
(51)【国際特許分類】
B26D 1/24 20060101AFI20241119BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20241119BHJP
B26D 7/26 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B26D1/24 B
B26D1/24 E
B26D7/06 Z
B26D7/26
(21)【出願番号】P 2020219074
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐田 博
(72)【発明者】
【氏名】宮本 章
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-120213(JP,A)
【文献】実開昭53-002331(JP,U)
【文献】特開2011-233407(JP,A)
【文献】米国特許第07028596(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/24
B26D 7/06
B26D 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の原反を搬送しながら前記原反を複数条に切り分けるスリッタ装置であって、
前記原反を切断するための第一刃部を有しており前記原反の搬送方向に対する幅方向に沿って移動自在な第一ユニットと、
前記幅方向に延びて前記第一ユニットを移動自在に支持する複数の第一ガイド部と、
前記原反を切断するための第二刃部を有しており前記幅方向に沿って移動自在な第二ユニットと、
前記幅方向に延びて前記第二ユニットを移動自在に支持する複数の第二ガイド部と、
を備え、
前記第一ユニットは、
前記複数の第一ガイド部に沿って前記第一刃部を移動自在に支持する第一支持部と、
前記第一支持部に形成され前記幅方向において前記第二ユニット側に向けて突出する複数の第一凸部と、を有し、
前記第二ユニットは、
前記複数の第二ガイド部に沿って前記第二刃部を移動可能に支持する第二支持部と、
前記第二支持部に形成され前記幅方向において前記第一ユニット側に向けて突出する複数の第二凸部と、を有し、
前記複数の第一凸部は、前記複数の第一ガイド部に対応する位置に配置され、
前記複数の第二凸部は、前記複数の第二ガイド部に対応する位置に配置され、
前記第一ユニットと前記第二ユニットとが前記幅方向において並列に配置されるとともに、前記幅方向において、前記
第一凸部と前記
第二凸部とが互いに入り込むように構成された、
スリッタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスリッタ装置であって、
前記第一ユニットは、前記第二ユニット側に突出した
前記第一凸部と、前記第一ユニットの
前記幅方向における内側に凹んだ第一凹部とを備え、
前記第二ユニットは、前記第一ユニット側に突出した
前記第二凸部と、前記第二ユニットの
前記幅方向における内側に凹んだ第二凹部とを備え、
前記第一ユニットと前記第二ユニットとが最近接位置にある状態において、前記第一凸部が前記第二凹部の内部にあり、前記第二凸部が前記第一凹部の内部にある、
スリッタ装置。
【請求項3】
請求項1
または2に記載のスリッタ装置であって、
前記幅方向における前記第一ユニットの長さの最大値と前記第二ユニットの長さの最大値との和が、前記第一ユニットと前記第二ユニットを最も近接させた状態における前記第一ユニットの前記第二ユニットに対向する側とは反対側の端部から前記第二ユニットの前記第一ユニットに対向する側とは反対側の端部までの距離よりも大きい、
スリッタ装置。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか1項に記載のスリッタ装置であって、
前記第一刃部及び前記第二刃部は、押切り回転刃を有する、
スリッタ装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか1項に記載のスリッタ装置であって、
前記第一ユニットと前記第二ユニットからなる複数のカッタユニットを備えた、
スリッタ装置。
【請求項6】
長尺状の原反を搬送しながら前記原反を複数条に切り分けるスリッタ装置であって、
前記原反を切断するための第一刃部を有しており前記原反の搬送方向に対する幅方向に沿って移動自在な第一ユニットと、
前記原反を切断するための第二刃部を有しており前記幅方向に沿って移動自在な第二ユニットと、を備え、
前記第一ユニットは、前記第二ユニット側に突出した第一凸部と、前記第一ユニットの前記幅方向における内側に凹んだ第一凹部とを有し、
前記第二ユニットは、前記第一ユニット側に突出した第二凸部と、前記第二ユニットの前記幅方向における内側に凹んだ第二凹部とを有し、
前記第一ユニットと前記第二ユニットとが前記幅方向において並列に配置されており、前記幅方向において前記第一ユニットと前記第二ユニットとが最近接位置にある状態において、前記第一凸部が前記第二凹部の内部に入り込み、前記第二凸部が前記第一凹部の内部に入り込むように構成された、
スリッタ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のスリッタ装置であって、
前記幅方向に延びて前記第一ユニットを移動自在に支持する第一ガイド部と、
前記幅方向に延びて前記第二ユニットを移動自在に支持する第二ガイド部と、を有し、
前記第一ユニットは、
前記第一ガイド部に沿って前記第一刃部を移動自在に支持する第一支持部と、
前記第一支持部に形成され前記幅方向において前記第二ユニット側に向けて突出する前記第一凸部とを有し、
前記第二ユニットは、
前記第二ガイド部に沿って前記第二刃部を移動可能に支持する第二支持部と、
前記第二支持部に形成され前記幅方向において前記第一ユニット側に向けて突出する前記第二凸部とを有する、
スリッタ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のスリッタ装置であって、
複数の前記第一ガイド部及び複数の前記第二ガイド部を有し、
前記第一ユニットは、複数の前記第一ガイド部に対応する位置に複数の前記第一凸部を備え、前記第二ユニットは、複数の前記第二ガイド部に対応する位置に複数の前記第二凸部を備えた、
スリッタ装置。
【請求項9】
請求項6から8いずれか1項に記載のスリッタ装置であって、
前記幅方向における前記第一ユニットの長さの最大値と前記第二ユニットの長さの最大値との和が、前記第一ユニットと前記第二ユニットを最も近接させた状態における前記第一ユニットの前記第二ユニットに対向する側とは反対側の端部から前記第二ユニットの前記第一ユニットに対向する側とは反対側の端部までの距離よりも大きい、
スリッタ装置。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか1項に記載のスリッタ装置であって、
前記第一刃部及び前記第二刃部は、押切り回転刃を有する、
スリッタ装置。
【請求項11】
請求項6から10のいずれか1項に記載のスリッタ装置であって、
前記第一ユニットと前記第二ユニットからなる複数のカッタユニットを備えた、
スリッタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺状の原反を複数条に切り分けるためのスリッタ装置がある(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたスリッタ装置では、原反を切り分けるための刃部が搭載された複数の移動ユニットが原反の幅方向に延びるビームに移動可能に支持されている。また、移動ユニットは、ビーム上を移動するための機構を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスリッタ装置では、移動ユニットを所定の強度を保持してビームに取り付けるとともにビーム上において移動させるための機構を備え、複数の移動ユニットは、同一のビームに支持されている。
【0005】
このため、原反の幅方向における移動ユニット同士の間隔、すなわち、刃部同士の間隔が上記移動ユニットに備えられた機構による物理的な干渉や強度的な制約を受けるため、刃部同士の距離を所定以下に近づけることが難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、長尺状のラベルの原反を複数条に切り分けるためのスリッタ装置において、刃部同士の距離を狭めて幅狭のラベルを切り分けることを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、長尺状の原反を搬送しながら前記原反を複数条に切り分けるスリッタ装置であって、前記原反を切断するための第一刃部を有しており前記原反の搬送方向に対する幅方向に沿って移動自在な第一ユニットと、前記幅方向に延びて前記第一ユニットを移動自在に支持する複数の第一ガイド部と、前記原反を切断するための第二刃部を有しており前記幅方向に沿って移動自在な第二ユニットと、前記幅方向に延びて前記第二ユニットを移動自在に支持する複数の第二ガイド部と、を備え、前記第一ユニットは、前記複数の第一ガイド部に沿って前記第一刃部を移動自在に支持する第一支持部と、前記第一支持部に形成され前記幅方向において前記第二ユニット側に向けて突出する複数の第一凸部と、を有し、前記第二ユニットは、前記複数の第二ガイド部に沿って前記第二刃部を移動可能に支持する第二支持部と、前記第二支持部に形成され前記幅方向において前記第一ユニット側に向けて突出する複数の第二凸部と、を有し、前記複数の第一凸部は、前記複数の第一ガイド部に対応する位置に配置され、前記複数の第二凸部は、前記複数の第二ガイド部に対応する位置に配置され、前記第一ユニットと前記第二ユニットとが前記幅方向において並列に配置されるとともに、前記幅方向において、前記第一凸部と前記第二凸部とが互いに入り込むように構成された、スリッタ装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のある態様によれば、長尺状のラベルの原反を複数条に切り分けるためのスリッタ装置において、第一ユニットの一部と第二ユニットの一部とが互いに入り込むように構成されているため、第一ユニットと第二ユニットとが並列に配置されるときに、第一刃部と第二刃部との間隔を狭めることができる。これにより、長尺状のラベルの原反を複数条に切り分けるためのスリッタ装置において、幅狭のラベルを切り分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るスリッタ装置を備えたラベルシート製造装置を説明する外観図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るスリッタ装置を説明する正面図である。
【
図3】
図3は、第一ユニットを
図2の矢印f1の方向にみた側面図である。
【
図4】
図4は、第二ユニットを
図2の矢印f1の方向にみた側面図である。
【
図5】
図5は、第一ユニット及び第二ユニットにおいて、第一支持部及び第二支持部が所定間隔を設けて位置した状態を説明する図である。
【
図6】
図6は、第一ユニット及び第二ユニットにおいて、第一支持部及び第二支持部が最近接位置にある状態を説明する図である。
【
図7】
図7は、第一ユニットと第二ユニットとが最近接位置にある状態を説明する図である。
【
図8】
図8は、スリッタ装置とともに設けられる駆動ユニットを原反の搬送方向下流側から上流側に向かう方向にみた図である。
【
図9】
図9は、駆動ユニットを原反の搬送方向上流側から下流側に向かう方向にみた図である。
【
図10】
図10は、スリッタ装置及び駆動ユニットを
図8の矢印f2の方向にみた側面図である。
【
図11】
図11は、スリッタ装置において原反の切断幅を設定するための機能構成を説明するブロック図である。
【
図12】
図12は、スリッタ装置における原反Pの切断幅の設定処理を説明するフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の別の実施形態としてのスリッタ装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[ラベルシート製造装置]
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るスリッタ装置10が適用されたラベルシート製造装置1について説明する。
【0011】
ラベルシート製造装置1は、長尺状の原反P(例えば、紙、フィルム、紙とフィルムの貼合体、粘着紙、印刷済みのラベル原反、不要部分であるカスを分離したカス上げ済みのラベル原反)を複数条に切り分け、切り分けられたラベルシートLsを巻回してなるラベルロールLr(以下、スリット済ロールLrと記す場合がある)を製造するための装置である。
【0012】
本実施形態において、ラベルとは、主にプリンタにセットされてラベルロールLrから繰り出され、印字されるプリンタラベルである。ラベルには、印刷紙、粘着剤及び台紙がこの順に積層されたラベルと、印刷紙の表面に剥離剤層を設けて台紙を省いた台紙なしラベルとがあるが、ここでは台紙なしラベルを例に説明する。
【0013】
ラベルシートLsは、巻回された際に、ラベルシートLsの表面にラベルシートLsの裏面側にある粘着剤層が当接する。このため、粘着剤層がラベルシートLsの表面に貼り付かないように、ラベルシートLsの表面には非粘着加工が施されている。本実施形態においては、ラベルシートLsの表面に、剥離剤層が積層されている。
【0014】
図1に示すように、ラベルシート製造装置1は、長尺状の原反Pを複数条に切り分けるスリッタ装置10と、スリッタ装置10にマスターロールMから原反Pを供給するための繰出軸11と、スリッタ装置10によって切り分けられたラベルシートLsを個別に巻き取ってスリット済ロールLr1,Lr2,Lr3を形成する巻取軸12,13,14とを備える。
【0015】
スリッタ装置10は、原反Pを複数条に切り分けるためのカッタユニット10Aとカッタユニット10Aが押し当てられるアンビルロール10Bを備える。
【0016】
また、ラベルシート製造装置1は、原反Pを上下方向から挟んでスリッタ装置10に導くガイドローラ15a,15bと、原反Pを繰出軸11からガイドローラ15a,15bに導くためのガイドローラ16,17とを備える。
【0017】
また、ラベルシート製造装置1は、スリッタ装置10から切り分けられたラベルシートLsを巻取軸12,13,14に導くためのニップローラ18a,18bと、ガイドローラ19,20,21とを備える。
【0018】
本実施形態では、粘着性のある原反Pが適用される。このため、製造上の取り扱い性の観点から、各ガイドローラでは、原反Pの剥離面Rを支持しながら搬送する形態を採用している。原反Pを挟持するように構成されたガイドローラ15a,15b及びニップローラ18a,18bにおいては、ガイドローラ15aの表面及びニップローラ18aの表面に粘着剤が貼り付かない非粘着加工が施されている。
【0019】
また、ニップローラの一方(ニップローラ18b)は、駆動ローラとなっており、ニップローラ18aとともに切り分けられたラベルシートLsを挟持して搬送するように構成されている。
【0020】
ラベルシート製造装置1は、上記構成を備えることにより、以下のように動作することができる。
【0021】
すなわち、ラベルシート製造装置1は、繰出軸11にセットされたマスターロールMから原反Pを繰り出し、原反Pを、ガイドローラ16,17を介してガイドローラ15a,15bに導くことができる。このとき、ラベルシート製造装置1は、原反Pの剥離剤層が積層された表面R(剥離面Rと記す)をガイドローラ16,17に当接して搬送する。
【0022】
ラベルシート製造装置1は、原反Pを、スリッタ装置10よりも下流側に配置されたニップローラ18a,18bによって挟持し搬送することにより、スリッタ装置10を通過させて、複数条のラベルシートLsに切り分ける。
【0023】
スリッタ装置10は、原反Pの粘着剤層が積層された表面A(粘着面Aと記す)にカッタユニット10Aを押し当てることによって、原反Pを搬送しながら搬送方向に沿って切断する。
【0024】
ここで、粘着面Aに当接するガイドローラ15a、及び切り分けられたラベルシートLsの粘着面Aに当接するニップローラ18aには非粘着加工が施されているので、ラベルシート製造装置1は、ラベルシートLsの粘着面Aが貼り付くことなく搬送することができる。
【0025】
ラベルシート製造装置1は、切り分けたラベルシートLsのそれぞれをガイドローラ18,19,20によって、それぞれ異なる巻取軸12,13,14に導き、巻取軸12,13,14で巻き取り、スリット済みロールLr1,Lr2,Lr3を形成する。これは多軸巻取の例であり、巻取軸14はラベルシートLs両縁の不要部分(いわゆる耳)を巻き取る役割を果たす。
【0026】
[スリッタ装置]
<スリッタ装置の構成>
続いて、スリッタ装置10について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るスリッタ装置10を説明する正面図である。
【0027】
スリッタ装置10は、搬送される原反Pを複数条に切り分けるスリッタ装置10であって、カッタユニット10Aとして、
図2に示すように、原反Pを搬送方向に沿って切断するための第一ユニット101及び第二ユニット102を備える。なお、
図2には、原反Pは示されていない。
【0028】
図3は、第一ユニット101を
図2の矢印f1の方向にみた側面図であり、
図4は、第二ユニット102を
図2の矢印f1の方向にみた側面図である。
【0029】
スリッタ装置10は、第一ユニット101を支持する第一ガイド部31を有する。本実施形態においては、スリッタ装置10は、第一ユニット101を支持する複数の第一ガイド部31A,31B,31Cを有する。第一ガイド部31A,31B,31Cの各々は、原反Pの搬送方向Fに対する幅方向Wに延びて、第一ユニット101を移動自在に支持する。
【0030】
また、スリッタ装置10は、第二ユニット102を支持する第二ガイド部32を有する。本実施形態においては、スリッタ装置10は、複数の第二ガイド部32A,32B,32Cを有する。第二ガイド部32A,32B,32Cの各々は、幅方向Wに延びて、第二ユニット102を移動自在に支持する。
【0031】
なお、スリッタ装置10は、第一ユニット101を第一ガイド部31に沿って幅方向Wに移動させる、及び、第二ユニット102を第二ガイド部32に沿って幅方向Wに移動させるための駆動ユニット200を備える(
図8から
図10において説明する)。
【0032】
第一ユニット101は、原反Pを切断するための第一刃部110を有する。また、第二ユニット102は、原反Pを切断するための第二刃部120を有する。
【0033】
本実施形態においては、第一刃部110及び第二刃部120は、押切り回転刃、いわゆる、スコア刃である。また、スリッタ装置10は、スコア刃が押し当てられるアンビルロール40を有する。アンビルロール40は、
図1におけるアンビルロール10Bに相当する。
【0034】
第一ユニット101は、第一ガイド部31に沿って第一刃部110を移動自在に支持する第一支持部111を有する。第一刃部110は、アンビルロール40に対する距離と接触圧を調整可能に構成されたダンパ部112を介して、第一支持部111に支持されている。
【0035】
第二ユニット102は、第二ガイド部32に沿って第二刃部120を移動可能に支持する第二支持部121を有する。第二刃部120は、アンビルロール40に対する距離と接触圧を調整可能に構成されたダンパ部122を介して、第二支持部121に支持されている。
【0036】
第一ユニット101は、後述する駆動ユニット200に設けられた移動部201の係合凸部204が係合される係合凹部111Aを有する。また、第二ユニット102は、係合凸部204が係合される係合凹部121Aを有する。
【0037】
係合凹部111Aに係合凸部204が係合されることにより、第一ユニット101は、移動部201によって幅方向Wに移動される。または、第二ユニット102は、係合凹部121Aに係合凸部204が係合されることにより、移動部201によって幅方向Wに移動される。
【0038】
第一ユニット101と第二ユニット102とは、幅方向Wにおいて並列に配置されている。第一ユニット101と第二ユニット102とは、幅方向Wにおいて、互いに近接するように移動可能であって、第一ユニット101の一部と第二ユニット102の一部とが互いに入り込むように構成されている。
【0039】
図5は、第一ユニット101及び第二ユニット102において、第一支持部111及び第二支持部121が所定間隔を設けて位置した状態を説明する図である。また、
図6は、第一ユニット101及び第二ユニット102において、第一支持部111及び第二支持部121が最近接位置にある状態を説明する図である。
【0040】
なお、
図5及び
図6では、構造を分かりやすく説明するために、第一刃部110,ダンパ部112,第二刃部120,ダンパ部122及びアンビルロール40は示されていない。
【0041】
第一支持部111には、幅方向Wにおいて第二ユニット102側に向けて突出した端部として、本実施形態においては、3つの第一凸部113,114,115が形成されている。第一ユニット101において、第一凸部113,114,115は、複数の第一ガイド部31A,31B,31Cのそれぞれに対応する位置に形成されている。
【0042】
また、第二支持部121には、幅方向Wにおいて第一ユニット101側に向けて突出した端部として、本実施形態においては、3つの第二凸部123,124,125が形成されている。第二ユニット102において、第二凸部123,124,125は、複数の第二ガイド部32A,32B,32Cのそれぞれに対応する位置に形成されている。
【0043】
図6に示すように、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態において、幅方向Wにおいて、第一ユニット101の第二ユニット102側に最も突出した第一凸部113,114は、第二ユニット102の第一ユニット101側に最も突出した第二凸部123,124,125よりも第二ユニット102の内側に位置するように構成されている。
【0044】
本実施形態において、第二ユニット102の内側とは、第二凸部123と第二凸部124との間である。また、第二凸部124と第二凸部125との間である。
【0045】
また、同様に、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態において、幅方向Wにおいて、第二ユニット102の第一ユニット101側に最も突出した第二凸部124,125は、第一ユニット101の第二ユニット102側に最も突出した第一凸部113,114,115よりも第一ユニット101の内側に位置するように構成されている。
【0046】
本実施形態において、第一ユニット101の内側とは、第一凸部113と第一凸部114との間である。また、第一凸部114と第一凸部115との間である。
【0047】
換言すれば、第一支持部111は、第一ユニット101の第二ユニット102側の一部に幅方向Wにおける内側に凹んだ第一凹部116,117を備える。また、同様に、第二支持部121は、第二ユニット102の第一ユニット101側の一部に幅方向Wにおける内側に凹んだ第二凹部126,127を備える。
【0048】
すなわち、
図6に示すように、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態において、第一凸部113は第二凹部126にあり、第一凸部114は第二凹部127にある。また、第二凸部124は第一凹部116にあり、第二凸部125は第一凹部117にある。
【0049】
図7は、スリッタ装置10において、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態を説明する図である。
【0050】
第一ユニット101及び第二ユニット102が上述の構成を備えることにより、
図7に示すように、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態において、第一ユニット101の第二ユニット102に対向する側とは反対側の端部101aから、第二ユニット102の第一ユニット101に対向する側とは反対側の端部102aまでの距離D1は、幅方向Wにおける第一ユニット101の長さの最大値W1と第二ユニット102の長さの最大値W2との和の長さD2よりも小さくすることができる。
【0051】
また、
図7に示すように、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態において、第一刃部110と第二刃部120との間隔D3を、第一ユニット101における第二ユニット102側の端部と第一刃部110の刃の位置との間隔W3と、第二ユニット102における第一ユニット101側の端部と第二刃部120の刃の位置との間隔W4の和の長さD5よりも小さくすることができる。
【0052】
このように、第一支持部111及び第二支持部121が上述のように構成されていることにより、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態において、原反Pから切り出されるラベルシートLsの幅を狭い間隔に設定することができる。
【0053】
<スリッタ装置による効果>
本実施形態に係るスリッタ装置10は、原反Pを切断するための第一刃部110を有しており原反Pの搬送方向に対する幅方向Wに沿って移動自在な第一ユニット101と、原反Pを切断するための第二刃部120を有しており幅方向Wに沿って移動自在な第二ユニット102とを備え、第一ユニット101と第二ユニット102とが幅方向Wにおいて並列に配置されるとともに、幅方向Wにおいて、第一ユニット101の一部と第二ユニット102の一部とが互いに入り込むように構成されている。
【0054】
スリッタ装置10においては、第一ユニット101の一部と第二ユニットの一部とが幅方向において互い違いに嵌まるように構成されているため、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にあるとき、第一刃部110と第二刃部120との間隔を狭めることができる。
【0055】
本実施形態に係るスリッタ装置10では、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態において、第一ユニット101の幅方向Wにおける第二ユニット102側に最も突出した端部である第一凸部113,114が第二ユニット102の幅方向Wにおける第一ユニット101側に最も突出した端部である第二凸部123,124,125よりも第二ユニット102の内側にあり、第二凸部124,125は、第一凸部113,114,115よりも第一ユニット101の内側にあるように構成されている。
【0056】
換言すれば、第一支持部111は、第一ユニット101の第二ユニット102側の一部に幅方向Wにおける内側に凹んだ第一凹部116,117を備え、第二支持部121は、第二ユニット102の第一ユニット101側の一部に幅方向Wにおける内側に凹んだ第二凹部126,127を備える。
【0057】
また、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にある状態において、第一凸部113は第二凹部126にあり、第一凸部114は第二凹部127にあり、第二凸部124は第一凹部116にあり、第二凸部125は第一凹部117にある。
【0058】
これにより、第一ユニット101と第二ユニット102とが最近接位置にあるとき、第一刃部110と第二刃部120との間隔を狭めることができる。
【0059】
スリッタ装置10では、第一支持部111において、複数の第一ガイド部31A,31B,31Cのそれぞれに対応する位置に第一凸部113,114,115が形成されている。
【0060】
このように、第一支持部111は、幅方向Wにおいて幅広となっている部分(第一凸部113,114,115)において、第一ガイド部31Aに取り付けられることから、第一支持部111の取り付け精度が向上するとともに、取り付け強度をも高めることができる。これにより、第一刃部110が原反Pに当接した際に、原反Pの搬送方向に対して交差方向への第一刃部110のぶれを抑制することができる。
【0061】
したがって、原反Pを精度よく複数条に切断することができる。
【0062】
さらに、本実施形態では、複数の第一ガイド部31A,31B,31Cが設けられており、これらに対応する位置に複数の第一凸部113,114,115が形成されている。このように、複数箇所において、第一支持部が第一ガイド部に取り付けられるため、原反Pの搬送方向に対して交差方向への取り付け強度をより一層高めることができる。
【0063】
このような効果は、第二支持部121においても同様に奏するものである。
【0064】
また、粘着性のある原反Pに、例えば、切刃と受刃(上刃と下刃)とを用いて剪断によってシートを挟み切る切断方法(シェアカッター)を適用した場合には、切断の際、粘着剤層が剪断方向に引き延ばされることがある。このため、引き延ばされた粘着剤が千切れて刃部に付着し、切断不具合が生じることが想定される。
【0065】
これに対して、本実施形態に係るラベルシート製造装置1によれば、スリッタ装置10に設けられた第一刃部110と第二刃部120は、押切り回転刃(スコア刃)であり、原反Pは、第一刃部110及び第二刃部120がアンビルロール40に押し当てられる押圧力によって押切られる。
【0066】
この場合、原反Pの粘着剤層は、第一刃部110及び第二刃部120に押圧されることにより、第一刃部110及び第二刃部120を境界として、原反Pの幅方向にそれぞれ逆向きに働く引張応力によって分断される。
【0067】
このため、原反Pの粘着剤層が切断時に剪断方向に引き延ばされることがなく、引き延ばされて千切れた粘着剤が刃部に付着し、切断不具合が生じることもない。
【0068】
[スリッタ装置における原反の切断幅の調整]
<駆動ユニット>
続いて、第一ユニット101及び第二ユニット102を移動するための駆動ユニット200について説明する。
【0069】
図8は、スリッタ装置10とともに設けられる駆動ユニット200を原反Pの搬送方向下流側から上流側に向かう方向にみた図である。
図9は、駆動ユニット200を原反Pの搬送方向上流側から下流側に向かう方向にみた図である。また、
図10は、スリッタ装置10及び駆動ユニット200を
図8の矢印f2の方向にみた側面図である。
【0070】
図8に示すように、ラベルシート製造装置1は、第一ユニット101と第二ユニット102とを幅方向Wに移動させる駆動ユニット200を備える。ラベルシート製造装置1は、支柱51,52を備え、この支柱51,52にスリッタ装置10及び駆動ユニット200が取り付けられている。
【0071】
駆動ユニット200は、第一ユニット101及び第二ユニット102を移動させるための移動部201と、移動部201を幅方向Wに移動する幅ガイド202と、移動部201を移動させるためのモータ203とを備える。
【0072】
移動部201は、第一ユニット101の係合凹部111A又は第二ユニット102の係合凹部121Aと係合可能な係合凸部204を有する。係合凸部204は、第一ユニット101の係合凹部111A又は第二ユニット102の係合凹部121Aに向けて突出可能に構成されている。
【0073】
また、移動部201は、係合凹部111A又は係合凹部121Aと係合凸部204とが対峙したことを検出するためのセンサ205を備える。
【0074】
センサ205としては、一例として、検出光を出射する発光部205aと、検出光を受光する受光部205bとを有する光学式センサが適用可能である。本実施形態においては、第一ユニット101と移動部201とが対峙位置にあるとき、第一ユニット101に設けられた遮蔽板Sがセンサ205の発光部205aと受光部205bとの間の光路を遮るように構成することにより、移動部201によって第一ユニット101の位置を検出することができる。
【0075】
同様に、移動部201と第二ユニット102とが対峙位置にあることを検出することができる。
【0076】
ここで、第一ユニット101と第二ユニット102とを区別するために、第一ユニット101の検出用のセンサと、第二ユニット102の検出用のセンサとをそれぞれ設けてもよいし、単一のセンサを用いてもよい。
【0077】
単一のセンサを用いる場合には、例えば、移動部201を一方の端部から他方の端部に向けて移動させた際に、最初に検出されるユニットが第一ユニット101であり、2番目に検出されるユニットが第二ユニット102であるというように予め規定しておいてもよい。
【0078】
本実施形態においては、移動部201とモータ203とは、幅方向Wに沿って配置された送りねじと、送りねじに嵌まり合うナットとからなる移動機構により連結されている。
【0079】
モータ203は、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等の制御装置に接続されており、制御装置からのパルス信号に応じたステップ角度に回転することができる。
【0080】
これにより、移動部201は、幅ガイド202の端部をスタート位置として、送りねじに沿った幅方向Wに沿って制御装置によって設定された位置まで移動することができる。また、移動部201は、幅ガイド202の端部からの距離を特定することができる。
【0081】
<原反の切断幅の設定>
図11は、スリッタ装置10において原反Pの切断幅を設定するための機能構成を説明するブロック図である。
【0082】
本実施形態に係る駆動ユニット200は、PC等の制御装置からの信号に基づいて、第一ユニット101と第二ユニット102の間隔を設定することができる。すなわち、スリッタ装置10は、設定された切断幅に第一ユニット101と第二ユニット102との間隔を自動で調整することができ、原反Pを切り分けることができる。
【0083】
駆動ユニット200は、パーソナルコンピュータ(PC)等の制御装置300に接続されており、制御装置300からの信号に応じて駆動制御されている。
【0084】
制御装置300は、CPU(Central Processing Unit)301と、CPU301によって実行される各種制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)302と、CPU301のワークエリアとしてのRAM(Random Access Memory)303とを備える。
【0085】
CPU301、ROM302、RAM303等の各構成は、内部バス310によって互いに接続されている。
【0086】
ROM302には、モータを制御するためのプログラム、ラベルシートLsのシート幅に応じた第一ユニット101及び第二ユニット102の位置情報に関するデータ、各種固定データ等が記憶されている。
【0087】
また、RAM303は、CPU301の動作に必要となる各種データを記憶するワークエリア等を有する。
【0088】
また、制御装置300は、表示部304、キーボード或いはタッチパネル等の選択部305を備える。これらは、インタフェース306,307によって内部バス310を介してCPU301と接続されている。
【0089】
また、制御装置300は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶部308を備える。モータを制御するためのプログラム、ラベルシートLsのシート幅に応じた第一ユニット101及び第二ユニット102の位置情報に関するデータ等は、記憶部308に記憶されていてもよい。
【0090】
また、駆動ユニット200は、モータ203を制御するためのモータ制御回路213及びセンサ205を制御するためのセンサ制御回路215を備え、制御装置300の内部バス310に接続されている。
【0091】
制御装置300は、上記構成を備えることにより、ROM302に記憶された制御プログラムによって、幅方向Wにおける第一ユニット101と第二ユニット102の位置を設定することができる。
【0092】
すなわち、制御装置300は、例えば、選択部305においてユーザから選択されたラベルシートLsの幅に基づいて、ラベルシートLsの幅に関するデータに対応する第一ユニット101と第二ユニット102の位置情報に関するデータをROM302或いは記憶部308から読み出す。
【0093】
そして、制御装置300は、得られた第一ユニット101と第二ユニット102の位置情報に関するデータからモータ203の駆動信号(パルス信号)を生成する。これにより、移動部201を駆動して、第一ユニット101及び第二ユニット102を幅方向Wにおける特定位置に移動させることができる。
【0094】
続いて、制御装置300からの信号に基づいて、スリッタ装置10において第一ユニット101及び第二ユニット102の位置を調整する処理、すなわち、原反Pの切断幅を設定する処理について説明する。
【0095】
図12は、スリッタ装置における原反Pの切断幅の設定処理を説明するフローチャートである。
【0096】
ステップS1において、制御装置300は、移動部201を幅ガイド202における一方側の端部(以下、原点と記す場合がある)に戻す。
【0097】
続いて、ステップS2において、制御装置300は、モータ203の駆動信号を生成して移動部201を幅ガイド202に沿って移動させるとともに、移動部201に備えられたセンサ205からの信号を受け取る。
【0098】
制御装置300は、ステップS3において、カッタユニット10A(第一ユニット101又は第二ユニット102)が検出されたか判別する。制御装置300は、第一ユニット101又は第二ユニット102のいずれかが検出されるまで、ステップS2を繰り返し、移動部201を移動させる(ステップS3:No)。
【0099】
ステップS3において、第一ユニット101が検出された場合(ステップS3:Yes)には、ステップS4において、第一ユニット101が検出されたときのモータ203の動作情報に基づいて幅方向Wにおける移動部201の現在位置を算出し、記憶する。
【0100】
制御装置300は、ステップS5において、幅ガイド202の終端に達したと判別されるまで、ステップS2からステップS4の動作を繰り返す。
【0101】
制御装置300は、ステップS2からステップS4の動作を繰り返すことにより、第二ユニット102を検出し、その現在位置を記憶する。
【0102】
制御装置300は、ステップS5において、全てのユニットを検出し終えて、幅ガイド202の端部に達すると(ステップS5:Yes)、ステップS6が実行される。
【0103】
ステップS6において、制御装置300は、選択部305において、ユーザから選択されたラベルシートLsの幅に対応する第一ユニット101の位置情報を読み出す。
【0104】
制御装置300は、ステップS7において、ステップS4において記憶した第一ユニット101の現在位置まで移動部201を移動させて、係合凸部204を第一ユニット101の係合凹部111Aに係合させる。
【0105】
続いて、ステップS8において、制御装置300は、ステップS6において読み出された位置まで移動部201を移動させる。これにより、第一ユニット101を、ラベルシートLsを切り出すために必要な位置まで移動することができる。
【0106】
ステップS9において、制御装置300は、設定が必要なユニットが残されている場合(ステップS9:Yes)には、ステップS6からステップS9繰り返す。
【0107】
制御装置300は、第二ユニット102に対しても同様に、ステップS4において記憶した第二ユニット102の現在位置まで移動部201を移動し、係合凸部204を第二ユニット102の係合凹部121Aに係合させた後、ステップS6において読み出された位置まで移動部201を移動させる。
【0108】
これにより、第二ユニット102を、ラベルシートLsを切り出すために必要な位置まで移動することができる。
【0109】
制御装置300は、ステップS9において、設定が必要なユニットが残されていないと判別した場合(ステップS9:No)には、一連の処理を終了する。
【0110】
上述した処理が行われることにより、原反Pから切り出されるラベルシートLsの幅に応じた第一ユニット101と第二ユニット102の位置調整操作を、ユーザが設定する場合に比べて短時間で精度よく自動で行うことができる。
【0111】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0112】
本実施形態において、第一ガイド部31及び第二ガイド部32は、3本ずつ(31A,31B,31C,32A,32B,32C)備えられるが、少なくとも1本あればよく、4本以上あってもよい。
【0113】
また、本実施形態において、第一支持部111には、3つの第一凸部113,114,115と、2つの第一凹部116,117が形成されている。これに対し、第一ユニット101と第二ユニット102とは、幅方向Wにおいて並列に配置されており、最近接位置において、第一ユニット101の一部と第二ユニット102の一部とが互いに入り込むように構成されていればよく、上記形状に限定されない。第二支持部121も同様である。
【0114】
本実施形態において、移動部201とモータ203とを移動させる機構は、送りねじとナットからなる機構のほか、いわゆる、ラック・アンド・ピニオン機構や、回転プーリと回転プーリに掛け回された丸ベルトとからなる移動機構等が適用可能である。
【0115】
本実施形態に係るラベルシート製造装置1は、第一ユニット101と第二ユニット102とを用いて原反Pを3条のラベルシートLsに切り分ける場合に限定されない。例えば、2条分は、ラベルロールLr1,Lr2に巻き取られ、1条分は、ラベルロールLr3に巻き取られることなく、例えば、廃棄や再利用等の別ルートに搬送されてもよい。
【0116】
図13は、本発明の別の実施形態としてのスリッタ装置60を説明する図である。
【0117】
図13に示すスリッタ装置は、第一ユニット101Aと第二ユニット102A、第一ユニット101Bと第二ユニット102B、第一ユニット101Cと第二ユニット102C、第一ユニット101Dと第二ユニット102Dを備えたカッタユニットを有する。
【0118】
図13に示されるスリッタ装置60のように、第一ユニット101と第二ユニット102とを複数備えたカッタユニットであってもよい。
【0119】
複数のカッタセットを備えた場合でも、
図12に説明した処理が実行されることにより、原反Pの切断幅に応じて、幅ガイド202における第一ユニット101と第二ユニット102の位置を自動で設定することができる。
【0120】
スリッタ装置10は、原反Pの幅を検出するためのセンサを備えていてもよい。この場合には、制御装置300において設定されるラベルシートLsの幅と検出された原反Pの幅とに基づいて、第一ユニット101及び第二ユニット102の幅方向Wにおける位置を設定することができる。
【符号の説明】
【0121】
1 ラベルシート製造装置
10 スリッタ装置
10A カッタユニット
10B アンビルロール
11 繰出軸
12,13,14 巻取軸
15a,15b ガイドローラ
16,17 ガイドローラ
18a,18b ニップローラ
19,20,21 ガイドローラ
31,31A,31B,31C 第一ガイド部
32,32A,32B,32C 第二ガイド部
40 アンビルロール
51.51 支柱
60 スリッタ装置
101 第一ユニット
101a 端部
102 第二ユニット
102a 端部
110 第一刃部
111 第一支持部
111A 係合凹部
112 ダンパ部
113,114,115 第一凸部
116,117 第一凹部
120 第二刃部
121 第二支持部
121A 係合凹部
122 ダンパ部
123,124,125 第二凸部
126,127 第二凹部
200 駆動ユニット
201 移動部
202 幅ガイド
203 モータ
204 係合凸部
205 センサ
205a 発光部
205b 受光部
300 制御装置
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 表示部
305 選択部
306 インタフェース
308 記憶部
310 内部バス
A 粘着面
P 原反
Ls ラベルシート
R 剥離面
M マスターロール
Lr1,Lr2,Lr3 スリット済ロール