(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】駐車場混雑度算出装置、駐車場混雑度算出プログラム及び駐車場混雑度算出システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20241119BHJP
G08G 1/065 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/065 A
(21)【出願番号】P 2021014525
(22)【出願日】2021-02-01
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 陽一朗
(72)【発明者】
【氏名】松田 崇志
(72)【発明者】
【氏名】相馬 隆治
(72)【発明者】
【氏名】武山 皓洋
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-291194(JP,A)
【文献】特開2018-173925(JP,A)
【文献】特開2019-125217(JP,A)
【文献】特開2014-63381(JP,A)
【文献】特開平7-210800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前回の各車種の駐車台数と、直近の各車種の入場台数と、直近の各車種の出場台数と、に基づいて、今回の各車種の駐車台数を算出する駐車台数算出部と、
各車種用の駐車マス数と、全車種用の共用マス数と、各車種の共用マス各々における駐車可能台数と、各車種の共用マス全体における使用マス数の想定割合と、に基づいて、各車種の駐車場全体における駐車可能台数を算出する駐車可能台数算出部と、
今回の各車種の駐車台数と、各車種の駐車場全体における駐車可能台数と、に基づいて、今回の各車種の駐車率又は混雑度を算出する駐車率算出部と、
を備えることを特徴とする駐車場混雑度算出装置。
【請求項2】
前記駐車可能台数算出部は、各車種の共用マス全体における使用マス数の想定割合を、時間帯又は日付に応じた各車種の共用マス全体における使用マス数の想定割合に設定する
ことを特徴とする、請求項1に記載の駐車場混雑度算出装置。
【請求項3】
前記駐車率算出部は、今回のある車種の駐車率又は混雑度が100%を超えたときに、当該車種何台が当該車種の駐車場全体における駐車可能台数から除外されたかと、当該車種1台が他の車種何台に換算されるかと、に基づいて、当該車種が他の車種用の使用マスに駐車するときの今回の他の車種の駐車率又は混雑度を算出する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の駐車場混雑度算出装置。
【請求項4】
駐車場入口及び駐車場出口に設置されるレーダ送受信装置から、レーダ反射点の情報を取得し、前記レーダ反射点のクラスタリングに基づいて、各車種を識別し、直近の各車種の入場台数と、直近の各車種の出場台数と、を算出する入出場台数算出部をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1から
3のいずれかに記載の駐車場混雑度算出装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれかに記載の駐車場混雑度算出装置として、コンピュータを機能させるために前記コンピュータにインストールされる駐車場混雑度算出プログラム。
【請求項6】
請求項1から
4のいずれかに記載の駐車場混雑度算出装置と、
駐車場入口及び駐車場出口に設置されるレーダ送受信装置と、
を備えることを特徴とする駐車場混雑度算出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車場の駐車率又は混雑度を算出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の駐車率又は混雑度を算出する技術が、特許文献1等に開示されている。特許文献1では、駐車場入口及び駐車場出口に設置されるカメラから、ナンバープレートの画像を取得し、ナンバープレートの認識結果に基づいて、普通車と大型車とを識別する。そして、前回の普通車及び大型車の各駐車台数と、直近の普通車及び大型車の各入場台数と、直近の普通車及び大型車の各出場台数と、に基づいて、今回の普通車及び大型車の各駐車台数を算出し、今回の普通車及び大型車の各駐車台数と、普通車用及び大型車用の各駐車マス数と、に基づいて、今回の普通車及び大型車の各駐車率又は各混雑度を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-291194号公報
【文献】特開2018-005786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、普通車が普通車用の駐車マスのみならず、普通車と大型車との共用マスに駐車することと、大型車が大型車用の駐車マスのみならず、大型車と普通車との共用マスに駐車することと、が考慮されないため、普通車及び大型車の各駐車率又は各混雑度を高精度に算出することができない。そして、普通車の駐車率又は混雑度が高いときに、普通車が大型車用の駐車マスに駐車することと、大型車の駐車率又は混雑度が高いときに、大型車が普通車用の駐車マスに駐車することと、が考慮されないため、普通車及び大型車の各駐車率又は各混雑度を高精度に算出することができない。
【0005】
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、全車種用の共用マスがあるときでも、各車種の駐車率又は混雑度を高精度に算出することと、ある車種の駐車率又は混雑度が高いときでも、各車種の駐車率又は混雑度を高精度に算出することと、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、全車種用の共用マスがあるときに、各車種の共用マス各々における駐車可能台数と、各車種の共用マス全体における使用マス数の想定割合と、に基づいて、各車種の駐車率又は混雑度を算出する。そして、ある車種の駐車率又は混雑度が高いときに、当該車種何台が当該車種用の駐車マスから除外されたかと、当該車種1台が他の車種何台に換算されるかと、に基づいて、各車種の駐車率又は混雑度を算出する。
【0007】
具体的には、本開示は、前回の各車種の駐車台数と、直近の各車種の入場台数と、直近の各車種の出場台数と、に基づいて、今回の各車種の駐車台数を算出する駐車台数算出部と、各車種用の駐車マス数と、全車種用の共用マス数と、各車種の共用マス各々における駐車可能台数と、各車種の共用マス全体における使用マス数の想定割合と、に基づいて、各車種の駐車場全体における駐車可能台数を算出する駐車可能台数算出部と、今回の各車種の駐車台数と、各車種の駐車場全体における駐車可能台数と、に基づいて、今回の各車種の駐車率又は混雑度を算出する駐車率算出部と、を備えることを特徴とする駐車場混雑度算出装置である。
【0008】
この構成によれば、全車種用の共用マスがあるときに、ある車種が当該車種用の駐車マスのみならず、当該車種と他の車種との共用マスに駐車することが考慮されるため、各車種の駐車率又は混雑度を高精度に算出することができる。
【0009】
また、本開示は、前記駐車可能台数算出部は、各車種の共用マス全体における使用マス数の想定割合を、時間帯又は日付に応じた各車種の共用マス全体における使用マス数の想定割合に設定することを特徴とする駐車場混雑度算出装置である。
【0010】
この構成によれば、全車種用の共用マスがあるときに、各車種の共用マス全体における使用マス数の想定割合が、時間帯(朝昼夜等)又は日付(休祝日等)に応じて設定されるため、各車種の駐車率又は混雑度を高精度に算出することができる。
【0011】
また、本開示は、前記駐車率算出部は、今回のある車種の駐車率又は混雑度が100%を超えたときに、当該車種何台が当該車種の駐車場全体における駐車可能台数から除外されたかと、当該車種1台が他の車種何台に換算されるかと、に基づいて、当該車種が他の車種用の使用マスに駐車するときの今回の他の車種の駐車率又は混雑度を算出することを特徴とする駐車場混雑度算出装置である。
【0012】
この構成によれば、全車種用の共用マスがあるときに、かつ、ある車種の駐車率又は混雑度が高いときに、当該車種が他の車種用の使用マスに駐車することが考慮されるため、各車種の駐車率又は混雑度を高精度に算出することができる。
【0013】
また、本開示は、前回の各車種の駐車台数と、直近の各車種の入場台数と、直近の各車種の出場台数と、に基づいて、今回の各車種の駐車台数を算出する駐車台数算出部と、今回の各車種の駐車台数と、各車種用の駐車マス数と、に基づいて、今回の各車種の駐車率又は混雑度を算出するにあたり、今回のある車種の駐車率又は混雑度が100%を超えたときに、当該車種何台が当該車種用の駐車マスから除外されたかと、当該車種1台が他の車種何台に換算されるかと、に基づいて、当該車種が他の車種用の駐車マスに駐車するときの今回の他の車種の駐車率又は混雑度を算出する駐車率算出部と、を備えることを特徴とする駐車場混雑度算出装置である。
【0014】
この構成によれば、全車種用の共用マスがあるときに限らず、ある車種の駐車率又は混雑度が高いときに、当該車種が他の車種用の駐車マスに駐車することが考慮されるため、各車種の駐車率又は混雑度を高精度に算出することができる。
【0015】
また、本開示は、駐車場入口及び駐車場出口に設置されるレーダ送受信装置から、レーダ反射点の情報を取得し、前記レーダ反射点のクラスタリングに基づいて、各車種を識別し、直近の各車種の入場台数と、直近の各車種の出場台数と、を算出する入出場台数算出部をさらに備えることを特徴とする駐車場混雑度算出装置である。
【0016】
この構成によれば、駐車場の一部を監視する画像式システム(設置及び維持のコストは低いが、駐車率又は混雑度の精度は低い。)を用いず、駐車マスの各々に設置される埋設式システム(駐車率又は混雑度の精度は高いが、設置及び維持のコストは高い。)を用いず、駐車場の入出口を監視するレーダシステム(設置及び維持のコストは低く、駐車率又は混雑度の精度は高く、周辺の天候等に左右されない。)を用いることができる。
【0017】
また、本開示は、以上に記載の駐車場混雑度算出装置として、コンピュータを機能させるために前記コンピュータにインストールされる駐車場混雑度算出プログラムである。
【0018】
また、本開示は、以上に記載の駐車場混雑度算出装置と、駐車場入口及び駐車場出口に設置されるレーダ送受信装置と、を備えることを特徴とする駐車場混雑度算出システムである。
【0019】
これらの構成によれば、以上に記載の効果と同等の効果を有する、駐車場混雑度算出プログラム及び駐車場混雑度算出システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
このように、本開示は、全車種用の共用マスがあるときでも、各車種の駐車率又は混雑度を高精度に算出することと、ある車種の駐車率又は混雑度が高いときでも、各車種の駐車率又は混雑度を高精度に算出することと、ができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の駐車場混雑度算出システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示のレーダ送受信装置の処理を示す図である。
【
図3】本開示の駐車場混雑度算出装置の構成を示す図である。
【
図4】本開示の駐車可能台数算出の処理を示す図である。
【
図5】本開示の駐車可能台数算出の具体例を示す図である。
【
図6】本開示の共用使用マス数の想定割合の設定を示す図である。
【
図8】本開示の駐車率算出の具体例を示す図である。
【
図9】本開示の駐車率算出の具体例を示す図である。
【
図10】本開示の各車種の駐車率の表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0023】
(本開示の駐車場混雑度算出システムの構成)
本開示の駐車場混雑度算出システムの構成を
図1に示す。本開示のレーダ送受信装置の処理を
図2に示す。本開示の駐車場混雑度算出装置の構成を
図3に示す。
【0024】
駐車場混雑度算出システムCは、高速道路上の駐車場Pにおいて適用しているが、一般道路上の駐車場Pにおいて適用してもよい。小型車Sは、小型車S用の駐車マスPSのみならず、小型車Sと大型車Bとの共用マスPCに駐車する。大型車Bは、大型車B用の駐車マスPBのみならず、大型車Bと小型車Sとの共用マスPCに駐車する。
【0025】
駐車場混雑度算出システムCは、駐車場混雑度算出装置1、満空案内板制御装置2、満空案内板3、レーダ送受信装置4、レーダ送受信装置5及びネットワーク6を備える。駐車場混雑度算出装置1は、入出場台数算出部11、駐車台数算出部12、駐車可能台数算出部13及び駐車率算出部14を備え、
図4及び
図7に示した駐車場混雑度算出プログラムをコンピュータにインストールすることにより実現することができる。
【0026】
レーダ送受信装置4は、駐車場Pの入口に設置され、入口レーンLI内の入口計測領域MIを監視する。レーダ送受信装置5は、駐車場Pの出口に設置され、出口レーンLO内の出口計測領域MOを監視する。レーダ送受信装置4、5として、ミリ波レーダを適用してもよい。レーダ送受信装置4、5に代えて、カメラ又は計数員を配置してもよい。
【0027】
レーダ送受信装置4、5として、特許文献2に開示されたレーダ交通量計測装置のレーダセンサを適用することができる。ここで、特許文献2に開示されたレーダセンサは、車両がレーダセンサから走り去る場合及び車両がレーダセンサに接近する場合に対応している。そこで、駐車場Pの出口に設置されるレーダ送受信装置5は、レーダセンサから走り去る車両のみを検知するように、特許文献2に開示されたレーダセンサを適用すればよい。一方で、駐車場Pの入口に設置されるレーダ送受信装置4は、レーダセンサに接近する車両のみを検知するように、特許文献2に開示されたレーダセンサを適用すればよい。
【0028】
(本開示の駐車可能台数算出の処理)
本開示の駐車可能台数算出の処理を
図4に示す。本開示の駐車可能台数算出の具体例を
図5に示す。本開示の共用使用マス数の想定割合の設定を
図6に示す。
【0029】
入出場台数算出部11は、所定時間間隔でステップS1、S2の処理を実行する。
【0030】
入出場台数算出部11は、レーダ送受信装置4、5から、ネットワーク6を介して、レーダ反射点の情報を取得し、レーダ反射点のクラスタリングに基づいて、大型車Bと小型車Sとを識別する(ステップS1)。入出場台数算出部11として、特許文献2に開示されたレーダ交通量計測装置のクラスタリング部を適用することができる。
【0031】
入出場台数算出部11は、大型車Bと小型車Sとの識別結果に基づいて、直近の大型車Bの入場台数Binと、直近の大型車Bの出場台数Boutと、直近の小型車Sの入場台数Sinと、直近の小型車Sの出場台数Soutと、を算出する(ステップS2)。
【0032】
駐車台数算出部12は、所定時間間隔でステップS3、S4の処理を実行する。
【0033】
駐車台数算出部12は、前回の大型車Bの駐車台数Bt-1と、直近の大型車Bの入場台数Binと、直近の大型車Bの出場台数Boutと、に基づいて、今回の大型車Bの駐車台数Bt=Bt-1+Bin-Boutを算出する(ステップS3)。ここで、前回の大型車Bの駐車台数Bt-1として、初期段階では運用者が目視で計測してもよい。
【0034】
駐車台数算出部12は、前回の小型車Sの駐車台数St-1と、直近の小型車Sの入場台数Sinと、直近の小型車Sの出場台数Soutと、に基づいて、今回の小型車Sの駐車台数St=St-1+Sin-Soutを算出する(ステップS4)。ここで、前回の小型車Sの駐車台数St-1として、初期段階では運用者が目視で計測してもよい。
【0035】
駐車可能台数算出部13は、所定時間間隔でステップS5、S6の処理を実行する。
【0036】
駐車可能台数算出部13は、大型車B用の駐車マス数Bmaxと、大型車Bと小型車Sとの共用マス数Cと、大型車Bの共用マスPC各々における駐車可能台数1と、大型車Bの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合Rと、に基づいて、大型車Bの駐車場P全体における駐車可能台数Bp=Bmax+CRを算出する(ステップS5)。
【0037】
図5では、大型車B用の駐車マス数Bmax=10、大型車Bと小型車Sとの共用マス数C=10、大型車Bの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合R=0.5であるため、大型車Bの駐車場P全体における駐車可能台数Bp=15である。
【0038】
駐車可能台数算出部13は、小型車S用の駐車マス数Smaxと、小型車Sと大型車Bとの共用マス数Cと、小型車Sの共用マスPC各々における駐車可能台数2と、小型車Sの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合1-Rと、に基づいて、小型車Sの駐車場P全体における駐車可能台数Sp=Smax+2C(1-R)を算出する(ステップS6)。
【0039】
図5では、小型車S用の駐車マス数Smax=10、小型車Sと大型車Bとの共用マス数C=10、小型車Sの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合1-R=0.5であるため、小型車Sの駐車場P全体における駐車可能台数Sp=20である。
【0040】
駐車可能台数算出部13は、大型車Bの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合Rを、時間帯(朝昼夜等)又は日付(休祝日等)に応じた大型車Bの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合Rに設定してもよい(ステップS5)。
【0041】
駐車可能台数算出部13は、小型車Sの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合1-Rを、時間帯(朝昼夜等)又は日付(休祝日等)に応じた小型車Sの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合1-Rに設定してもよい(ステップS6)。
【0042】
図6では、大型車Bの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合Rは、原則的に全曜日において、朝は40%、昼は20%、夜は100%に設定されている。そして、大型車Bの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合Rは、例外的に連休等の期間D1、D2において、朝は20%、昼は10%、夜は100%に設定されている。ただし、駐車場Pの使用状況に応じて、上記の値に限定せず適宜の値に設定すればよい。
【0043】
なお、駐車可能台数算出部13は、大型車Bの共用マスPC全体における「駐車台数」の想定割合に基づいて、大型車Bの駐車場P全体における駐車可能台数Bpを算出することもできる。ただし、大型車Bの共用マスPC全体における「駐車台数」の想定割合に基づいて、大型車Bの共用マスPC全体における「使用マス数」の想定割合Rを算出したうえで、大型車Bの駐車場P全体における駐車可能台数Bpを算出する必要がある。
【0044】
また、駐車可能台数算出部13は、小型車Sの共用マスPC全体における「駐車台数」の想定割合に基づいて、小型車Sの駐車場P全体における駐車可能台数Spを算出することもできる。ただし、小型車Sの共用マスPC全体における「駐車台数」の想定割合に基づいて、小型車Sの共用マスPC全体における「使用マス数」の想定割合1-Rを算出したうえで、小型車Sの駐車場P全体における駐車可能台数Spを算出する必要がある。
【0045】
(本開示の駐車率算出の処理)
本開示の駐車率算出の処理を
図7に示す。本開示の駐車率算出の具体例を
図8及び
図9に示す。本開示の各車種の駐車率の表示を
図10に示す。
【0046】
駐車率算出部14は、所定時間間隔でステップS7~S13の処理を実行する。
【0047】
駐車率算出部14は、今回の大型車Bの駐車台数Btと、大型車Bの駐車場P全体における駐車可能台数Bpと、に基づいて、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pb=Bt/Bp*100[%]を算出する(ステップS7)。ここで、大型車Bは、大型車B用の使用マス(大型車B用の駐車マスPB及び共用マスPC)に均等に駐車し、大型車B用の使用マス(大型車B用の駐車マスPB及び共用マスPC)が満車になるまで、小型車S用の使用マス(小型車S用の駐車マスPS及び共用マスPC)に駐車しないと仮定する。
【0048】
駐車率算出部14は、今回の小型車Sの駐車台数Stと、小型車Sの駐車場P全体における駐車可能台数Spと、に基づいて、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Ps=St/Sp*100[%]を算出する(ステップS8)。ここで、小型車Sは、小型車S用の使用マス(小型車S用の駐車マスPS及び共用マスPC)に均等に駐車し、小型車S用の使用マス(小型車S用の駐車マスPS及び共用マスPC)が満車になるまで、大型車B用の使用マス(大型車B用の駐車マスPB及び共用マスPC)に駐車しないと仮定する。
【0049】
駐車率算出部14は、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pbが100%を超えたときに(ステップS9、YES)、大型車Bが小型車S用の使用マス(小型車S用の駐車マスPS及び共用マスPC)に駐車することを考慮する。つまり、大型車B何台が大型車Bの駐車場P全体における駐車可能台数Bpから除外されたか(=Bt-Bp)と、大型車B1台が小型車S何台に換算されるか(=2)と、に基づいて、大型車Bが小型車S用の使用マス(小型車S用の駐車マスPS及び共用マスPC)に駐車するときの、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Ps={St+2(Bt-Bp)}/Sp*100[%]を算出する(ステップS10)。なお、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pbが100%を超えていないときに(ステップS9、NO)、ステップS10を実行しない。
【0050】
図8では、大型車Bの駐車場P全体における駐車可能台数Bp=15であるが、今回の大型車Bの駐車台数Bt=19であるため、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pb=127%である。そこで、今回の小型車Sの駐車台数St=6と、小型車Sの駐車場P全体における駐車可能台数Sp=20と、も考慮して、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Ps={6+2(19-15)}/20*100[%]=70[%]である。なお、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pb=100%に上限設定しておく。
【0051】
駐車率算出部14は、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Psが100%を超えたときに(ステップS11、YES)、小型車Sが大型車B用の使用マス(大型車B用の駐車マスPB及び共用マスPC)に駐車することを考慮する。つまり、小型車S何台が小型車Sの駐車場P全体における駐車可能台数Spから除外されたか(=St-Sp)と、小型車S1台が大型車B何台に換算されるか(=0.5)と、に基づいて、小型車Sが大型車B用の使用マス(大型車B用の駐車マスPB及び共用マスPC)に駐車するときの、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pb={Bt+0.5(St-Sp)}/Bp*100[%]を算出する(ステップS12)。なお、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Psが100%を超えていないときに(ステップS11、NO)、ステップS12を実行しない。
【0052】
図9では、小型車Sの駐車場P全体における駐車可能台数Sp=20であるが、今回の小型車Sの駐車台数St=32であるため、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Ps=160%である。そこで、今回の大型車Bの駐車台数Bt=6と、大型車Bの駐車場P全体における駐車可能台数Bp=15と、も考慮して、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pb={6+0.5(32-20)}/15*100[%]=80[%]である。なお、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Ps=100%に上限設定しておく。
【0053】
駐車率算出部14は、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pbと、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Psと、に基づいて、今回の全車種の駐車率又は混雑度Pa=2/(1/Pb+1/Ps)(PbとPsとの調和平均)を算出する(ステップS13)。
【0054】
図10では、大型車Bについては、駐車率又は混雑度Pbが0~50%、50~100%であれば、それぞれ、混雑度として空有、混雑が判定される。そして、駐車率又は混雑度Pbが70%であることが、バーグラフにより表示される。小型車Sについては、駐車率又は混雑度Psが0~60%、60~100%であれば、それぞれ、混雑度として空有、混雑が判定される。そして、駐車率又は混雑度Psが80%であることが、バーグラフにより表示される。全車種については、駐車率又は混雑度Paが0~40%、40~70%、70~100%であれば、それぞれ、混雑度として空有、混雑、満車が判定される。そして、駐車率又は混雑度Paが80%であることが、バーグラフにより表示される。
【0055】
駐車率算出部14は、満空案内板制御装置2へと、ネットワーク6を介して、今回の大型車B、小型車S及び全車種の各駐車率又は各混雑度Pb、Ps、Paを通知する。満空案内板制御装置2は、満空案内板3へと、ネットワーク6を介して、今回の大型車B、小型車S及び全車種の各駐車率又は各混雑度Pb、Ps、Paを出力する。
【0056】
(本開示の駐車場混雑度算出システムの効果)
駐車場Pの一部を監視する画像式システム(設置及び維持のコストは低いが、駐車率又は混雑度の精度は低い。)を用いず、駐車マスの各々に設置される埋設式システム(駐車率又は混雑度の精度は高いが、設置及び維持のコストは高い。)を用いず、駐車場Pの入出口を監視するレーダ送受信装置4、5(設置及び維持のコストは低く、駐車率又は混雑度の精度は高く、周辺の天候等に左右されない。)を用いることができる。
【0057】
大型車Bと小型車Sとの共用マスPCがあるときに、大型車Bが大型車B用の駐車マスPBのみならず、大型車Bと小型車Sとの共用マスPCに駐車することが考慮されるため、大型車Bの駐車率又は混雑度Pbを高精度に算出することができる。
【0058】
小型車Sと大型車Bとの共用マスPCがあるときに、小型車Sが小型車S用の駐車マスPSのみならず、小型車Sと大型車Bとの共用マスPCに駐車することが考慮されるため、小型車Sの駐車率又は混雑度Psを高精度に算出することができる。
【0059】
大型車Bと小型車Sとの共用マスPCがあるときに、大型車Bの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合Rが、時間帯(朝昼夜等)又は日付(休祝日等)に応じて設定されるため、大型車Bの駐車率又は混雑度Pbを高精度に算出することができる。
【0060】
小型車Sと大型車Bとの共用マスPCがあるときに、小型車Sの共用マスPC全体における使用マス数の想定割合1-Rが、時間帯(朝昼夜等)又は日付(休祝日等)に応じて設定されるため、小型車Sの駐車率又は混雑度Psを高精度に算出することができる。
【0061】
大型車Bと小型車Sとの共用マスPCがあるときに、かつ、大型車Bの駐車率又は混雑度Pbが高いときに、大型車Bが小型車S用の使用マスに駐車することが考慮されるため、小型車Sの駐車率又は混雑度Psを高精度に算出することができる。
【0062】
小型車Sと大型車Bとの共用マスPCがあるときに、かつ、小型車Sの駐車率又は混雑度Psが高いときに、小型車Sが大型車B用の使用マスに駐車することが考慮されるため、大型車Bの駐車率又は混雑度Pbを高精度に算出することができる。
【0063】
(本開示に対する変形例)
本開示では、大型車Bと小型車Sとの共用マスPCがあるときに、大型車B及び小型車Sの各駐車率又は各混雑度Pb、Psを算出している。変形例では、大型車Bと小型車Sとの共用マスPCがないときに、大型車B及び小型車Sの各駐車率又は各混雑度Pb、Psを算出してもよい。具体的には、以下の処理を実行すればよい。
【0064】
駐車率算出部14は、今回の大型車Bの駐車台数Btと、大型車B用の駐車マス数Bmaxと、に基づいて、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pb=Bt/Bmax*100[%]を算出する。そして、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pbが100%を超えたときに、大型車B何台が大型車B用の駐車マスPBから除外されたか(=Bt-Bmax)と、大型車B1台が小型車S何台に換算されるか(=2)と、に基づいて、大型車Bが小型車S用の駐車マスPSに駐車するときの、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Ps={St+2(Bt-Bmax)}/Smax*100[%]を算出する。
【0065】
駐車率算出部14は、今回の小型車Sの駐車台数Stと、小型車S用の駐車マス数Smaxと、に基づいて、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Ps=St/Smax*100[%]を算出する。そして、今回の小型車Sの駐車率又は混雑度Psが100%を超えたときに、小型車S何台が小型車S用の駐車マスPSから除外されたか(=St-Smax)と、小型車S1台が大型車B何台に換算されるか(=0.5)と、に基づいて、小型車Sが大型車B用の駐車マスPBに駐車するときの、今回の大型車Bの駐車率又は混雑度Pb={Bt+0.5(St-Smax)}/Bmax*100[%]を算出する。
【0066】
本開示では、全車種として、大型車B及び小型車Sを考慮しており、大型車Bと小型車Sとの大きさの比率として、2:1に設定している。変形例では、全車種として、3種類以上の車種を考慮してもよく、これらの車種の大きさの比率として、任意の比率に設定してもよい。駐車可能台数算出及び駐車率算出は、上記とほぼ同様に実行すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本開示の駐車場混雑度算出装置、駐車場混雑度算出プログラム及び駐車場混雑度算出システムは、高速道路及び一般道路上の駐車場において適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
C:駐車場混雑度算出システム
P:駐車場
LI:入口レーン
MI:入口計測領域
LO:出口レーン
MO:出口計測領域
B:大型車
S:小型車
PB:駐車マス
PS:駐車マス
PC:共用マス
1:駐車場混雑度算出装置
2:満空案内板制御装置
3:満空案内板
4:レーダ送受信装置
5:レーダ送受信装置
6:ネットワーク
11:入出場台数算出部
12:駐車台数算出部
13:駐車可能台数算出部
14:駐車率算出部