(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】皮膚粘着テープ貼付デバイス及び美容器具
(51)【国際特許分類】
A45D 44/22 20060101AFI20241119BHJP
B65H 35/07 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
A45D44/22 D
B65H35/07 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021014966
(22)【出願日】2021-02-02
【審査請求日】2024-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】大方 寛之
(72)【発明者】
【氏名】シャーヒド・ナスィール
(72)【発明者】
【氏名】ゴーラヴ・アガルワル
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-025393(JP,A)
【文献】特開2004-313277(JP,A)
【文献】特開平08-174470(JP,A)
【文献】特開2011-136450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 44/22
B65H 35/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ本体と前記テープ本体に分離可能に貼付されているライナとを含む皮膚粘着テープを貼付するための皮膚粘着テープ用の貼付デバイスであって、
筐体と、
第1回転軸回りに回転するように前記筐体内に配置され、前記皮膚粘着テープのロールを保持する繰出リールを保持する、繰出ギアと、
前記第1回転軸と異なる第2回転軸回りに回転するように前記筐体内に配置され、前記繰出ギアを回転させることによって前記繰出リールから繰り出された前記皮膚粘着テープを巻き取る巻取リールを保持する巻取ギアと、
前記皮膚粘着テープの繰出方向において前記繰出ギアと前記巻取ギアとの間に配置され、前記皮膚粘着テープの前記テープ本体を皮膚に貼付する貼付ヘッドと、
前記皮膚粘着テープの前記テープ本体を切断する切断ユニットと、
を含み、
前記繰出ギアと前記巻取ギアとは互いに連動して回転することを特徴とする貼付デバイス。
【請求項2】
前記貼付ヘッドは、前記皮膚粘着テープの前記繰出方向に配置されている複数の貼付ローラを含むことを特徴とする請求項1に記載の貼付デバイス。
【請求項3】
前記切断ユニットは、前記皮膚粘着テープの前記繰出方向において前記貼付ヘッドの上流に配置されていることを特徴とする
請求項2に記載の貼付デバイス。
【請求項4】
前記貼付ヘッドと前記切断ユニットとの間には、通路が形成されることを特徴とする
請求項2または3に記載の貼付デバイス。
【請求項5】
前記貼付デバイスは、前記繰出ギアの回転と前記巻取ギアの回転とを連動させる連動ギアをさらに含むことを特徴とする
請求項1から4のいずれか一項に記載の貼付デバイス。
【請求項6】
前記繰出ギアは、前記皮膚粘着テープの前記ロールを保持する前記繰出リールを取外し可能に保持し、
前記巻取ギアは、巻き取られた前記皮膚粘着テープを保持する前記巻取リールを取外し可能に保持することを特徴とする
請求項1から5のいずれか一項に記載の貼付デバイス。
【請求項7】
前記貼付ヘッドは、前記皮膚粘着テープの前記繰出方向において前記巻取ギアよりも前記繰出ギアに近接して配置されていることを特徴とする
請求項1から6のいずれか一項に記載の貼付デバイス。
【請求項8】
テープ本体と、前記テープ本体に分離可能に貼付されているライナとを含む、皮膚粘着テープと、
請求項1から7のいずれか一項に記載の貼付デバイスと、
を含むことを特徴とする美容器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、弛み防止テープまたはフェイスリフトテープなどの皮膚粘着テープを顔などの皮膚上に貼付するための貼付デバイス、及び貼付デバイスを含む美容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
顔の皮膚が加齢で弛む傾向があるので、弛んだ皮膚を引き上げて顔の外見をより細くみせたり若くみせたりするための美容外科手術が行われている。しかしながら、そのような美容手術は危険を伴い、患者に恐怖を感じさせ、費用が高い。
他方、細かい皺が化粧品または充填材によって減少し得るが、化粧品は深い皺、及び弛んだ皮膚を減少させるのに十分ではない。したがって、実際、フェイスリフトのために美容外科手術が必要であり、これらの美容外科手術は、切開後に額の皮膚を引き上げることによって、目の上方の顔の皮膚に老化によって生じた、弛んだ皮膚、笑い皺、額の皺、眉間の皺等に効果的である。さらに、形成外科学が、過剰な脂肪、筋肉の硬直を除去すること、及び皮膚を再形成することによって、若々しい見た目をもたらす。
【0003】
フェイスラインを引き上げたり皮膚の弛みを除去したりするために、粘着テープが提供されている。例えば、特許文献1には、ポリウレタン/アクリルテープを使用して皺を減少させることが記載されている。そのようなテープは、テープを伸張させながら、皺に近接した皮膚領域上に貼付される。
【0004】
特許文献2には、指を使用して伸張可能である粘着テープが記載されている。粘着テープは、ユーザの耳の前部及び後部それぞれに粘着テープの両端を貼付することによって、引上効果をもたらす。
さらに、特許文献3には、対象とされる皺上に一晩貼り付けるための延伸テープが記載されている。
【0005】
特許文献4には、顔及び首のための伸縮フェイスリフトデバイスが記載されている。ユーザが、デバイスの両接着端部をユーザの皮膚上に貼付することによってデバイスを装着して、弛んだ皮膚を引き上げるまたは皺を減少させる。
特許文献5には、フェイスリフトデバイスが記載されている。デバイスは、ユーザの皮膚上に貼付される2つのパッドと、2つのパッドに取り付けられているストラップと、を含み、2つのパッドを皮膚上に貼付した後にストラップの長さを調節することによって、デバイスは、弛んだ皮膚を引き上げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開第2004-313277号公報
【文献】特開第2016-055140号公報
【文献】米国特許第7608090号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0243886号明細書
【文献】米国特許第8257385号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ユーザが鏡を見ながらテープを貼付し、ユーザの両手でテープを伸張させるので、皮膚上にテープを適正に貼付することが困難である。
さらに、上記フェイスリフトデバイスは、これらのデバイスを装着しているとパッドなどのこれらのデバイスが外側から見えるので、ユーザの審美的に良くない。
したがって、本願の発明の目的は、皮膚粘着テープ貼付デバイス、及び貼付デバイスを含む美容器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した問題を解決する次の手段を採用する。本発明による皮膚粘着テープ用の貼付デバイスは、テープ本体と前記テープ本体に分離可能に貼付されているライナとを含む皮膚粘着テープを貼付するための皮膚粘着テープ用の貼付デバイスであって、筐体と、第1回転軸回りに回転するように前記筐体内に配置され、前記皮膚粘着テープのロールを保持する繰出リールを保持する、繰出ギアと、前記第1回転軸と異なる第2回転軸回りに回転するように前記筐体内に配置され、前記繰出ギアを回転させることによって前記繰出リールから繰り出された前記皮膚粘着テープを巻き取る巻取リールを保持する巻取ギアと、前記皮膚粘着テープの繰出方向において前記繰出ギアと前記巻取ギアとの間に配置され、前記皮膚粘着テープの前記テープ本体を皮膚に貼付する貼付ヘッドと、を含み、前記繰出ギアと前記巻取ギアとは互いに連動して回転することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、貼付ヘッドを皮膚に押し付けて粘着テープの一端部を貼付した後、皮膚粘着テープを貼付される皮膚に沿って貼付ヘッドを移動させることによって、繰出ギアは第1回転軸回りに回転して、テープを繰り出す。この場合、テープの一端部は皮膚上に貼付されるので、繰出されたテープは適切な張力で貼付される。さらに、巻取ギアは繰出ギアの回転に連動して第2回転軸回りに回転し、テープが繰出ギアから繰出されると、テープ本体から分離されたライナを巻き取る。
このようにして、テープを皮膚上に貼付した後、単に貼付ヘッドを皮膚に沿って移動させることによって、テープは適切な張力で繰出ギアから繰出され、ライナは巻き取られる。したがって、ユーザは独力でその皮膚上にテープを容易に適正に貼付することができる。
【0010】
さらに、本発明による貼付デバイスでは、前記貼付ヘッドは、前記皮膚粘着テープの前記繰出方向に配置されている複数の貼付ローラを含み得る。
本発明によれば、貼付ヘッドは、貼付ヘッドを皮膚に押し付けている時、皮膚とテープとの間に十分な接触面積を確実にすることができる。したがって、テープはより容易にかつより適正に貼付され得る。
【0011】
さらに、本発明による貼付デバイスでは、前記貼付デバイスは、前記皮膚粘着テープの前記テープ本体を切断する切断ユニットをさらに含み得る。
本発明によれば、テープ本体は、別の切断ユニットを使用することなく、テープの適切な長さが皮膚上に貼付されると同時に切断され得る。したがって、貼付デバイスの動作性は改善され得る。切断ユニットはライナを切断しないので、切断ユニットによる切断効果はテープの繰り出し及び巻き取りに影響を及ぼさない。
【0012】
さらに、本発明による貼付デバイスでは、前記切断ユニットは、前記皮膚粘着テープの前記繰出方向において前記貼付ヘッドの上流に配置され得る。
本発明によれば、テープ本体は、テープの他方の端部が貼付ヘッドを用いて皮膚上に貼付されると同時に切断され得る。
【0013】
さらに、本発明による貼付デバイスでは、前記貼付ヘッドと前記切断ユニットとの間には、通路が形成され得る。
本発明によれば、テープは貼付ヘッドと切断ユニットとの間で案内され、したがってテープはより適正に繰出され得る。
【0014】
さらに、本発明による貼付デバイスでは、前記貼付デバイスは、前記繰出ギアの回転と前記巻取ギアの回転とを連動させる連動ギアをさらに含み得る。
本発明によれば、繰出ギアと巻取ギアとは、連動ギアにより繰出ギアの回転と巻取ギアの回転とを連動させることによって、様々なレイアウトで配置され得る。
【0015】
さらに、本発明による貼付デバイスでは、前記繰出ギアは、前記皮膚粘着テープの前記ロールを保持する前記繰出リールを取外し可能に保持し、前記巻取ギアは、巻き取られた前記皮膚粘着テープを保持する前記巻取リールを取外し可能に保持してもよい。
本発明によれば、繰出リール及び巻取リールをテープと共に交換することが可能であり、貼付デバイスは再利用可能である。
【0016】
さらに、本発明による貼付デバイスでは、前記貼付ヘッドは、前記皮膚粘着テープの前記繰出方向において前記巻取ギアよりも前記繰出ギアに近接して配置され得る。
本発明によれば、繰出ギアから貼付ヘッドまでのテープの経路の長さは、繰出ギアから貼付ヘッドまで繰出されるテープの粘着面上に物体を貼付するリスクが低減され得るように、減少している。
【0017】
本発明による美容器具は、テープ本体と、前記テープ本体に分離可能に貼付されているライナとを含む、皮膚粘着テープと、上記記載の貼付デバイスと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、上述と同様に、テープを皮膚上に貼付した後、単に貼付ヘッドを皮膚に沿って移動させることによって、テープは適切な張力で繰出ギアから繰出され、ライナは巻き取られ、テープ本体は、切断機構によって必要とされる長さで切断されることが可能である。したがって、ユーザは独力でその皮膚上にテープを容易に適正に貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(明確にするために第2半体を除去している)本発明の一実施形態による皮膚粘着テープ貼付デバイスの概略図である。
【
図2】繰出リール、巻取リール及びテープを取り除いた、皮膚粘着テープ貼付デバイスの概略図である。
【
図4】
図3に示されている皮膚粘着テープの横断面図である。
【
図5】
図1に示されている貼付ヘッドの拡大図である。
【
図6】テープを貼付される前の皮膚(a)、及びテープを貼付された後の皮膚(b)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による、皮膚粘着テープ貼付デバイス(以下、貼付デバイスと呼ばれる)及び貼付デバイスを含む美容器具の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能とするために縮尺を適宜変更している。
【0020】
図1及び
図2に示されている、本願の実施形態による美容器具1は、皮膚粘着テープT(以下、テープと呼ばれる)と、皮膚粘着テープ貼付デバイス10(以下、貼付デバイスと呼ばれる)と、を含む。
図3及び
図4(a)に示されている通り、テープTは、フィルム層11、フィルム層11の一方の面上に設けられている第1粘着層12及びフィルム層11の反対面上に設けられている第2粘着層13を含むテープ本体14と、第1粘着層12上に貼付されているライナ15と、を含む。
フィルム層11は例えばポリウレタンで形成されており、透明である。さらに、フィルム層11の厚さは例えば100マイクロメートル以下であり、好ましくは20マイクロメートルと80マイクロメートルの間、より好ましくは50マイクロメートルである。フィルム層11の材料はポリウレタンに限定されず、別の適切なポリマー材料であってもよく、ポリマー材料以外の別の適切な材料であってもよい。
【0021】
第1粘着層12は例えばアクリル接着剤であり、単位面積当たりの第1粘着層12の質量は例えば10g/m2(すなわち10gsm)未満、好ましくは0gsmと8gsmの間、より好ましくは2gsmである。
第2粘着層13は、第1粘着層12と同様にアクリル接着剤であり、単位面積当たりの第2粘着層13の質量は50gsm以下、好ましくは30gsm未満である。したがって、第2粘着層13の粘着力は、第1粘着層12の粘着力よりも高い。さらに、第1粘着層12及び第2粘着層13の粘着力は、テープ本体14を皮膚上に貼付すると、テープ本体14を皮膚から分離することなく、ライナ15がテープ本体14から分離される限り、変更されることが可能である。
【0022】
ライナ15は例えば紙から形成される。しかしながら、ライナ15の材料は紙以外の別の適切な材料であってもよい。
図1に示されている通り、前述の構成を有するテープTは繰出リール16の周囲に巻き付けられ、テープTの遠位端は巻取リール17に取り付けられている。テープTは少なくとも1メートルの長さを有する。テープTの長さは変更され得る。
【0023】
図1及び
図2に示されている通り、貼付デバイス10は、筐体21と、第1回転軸A回りに回転するように筐体21内に配置されている繰出ギア22と、第1回転軸Aと異なる第2回転軸B回りに回転するように筐体21内に配置されている巻取ギア23と、テープTを皮膚上に貼付する貼付ヘッド24と、テープTのテープ本体14を切断する切断ユニット25と、第1回転軸A及び第2回転軸Bと異なる第3回転軸C回りに回転するように筐体21内に配置されている連動ギア26と、を含む。
【0024】
筐体21の内側が外側から視認可能であるように、筐体21は透明な材料で形成されており、例えばプラスチック材料から形成されている。さらに、筐体21は、互いに取外し可能に組み立てられている第1半体21及び第2半体(図示せず)を含む。第1半体21には、繰出ギア22、巻取ギア23及び連動ギア26が各別に回転可能に取り付けられている第1軸体31から第3軸体33が設けられている。筐体21は適切な不透明材料から形成されていてもよい。
【0025】
繰出ギア22は、第1軸体31を備えた第1半体21によって回転可能に支持されている。繰出ギア22は、繰出リール16が繰出ギア22と共に第1回転軸A回りに回転することができるように、繰出リール16を保持する。繰出ギア22は第1回転軸A回りに回転して、繰出リール16の周囲に巻き付けられているテープTを繰り出す。
巻取ギア23は、第2軸体32を備えた第1半体21によって回転可能に支持されている。巻取ギア23は、巻取リール17が巻取ギア23と共に第2回転軸B回りに回転することができるように、巻取リール17を保持する。巻取ギア23は第2回転軸B回りに回転して、繰出リール16から繰出されかつ貼付ヘッド24を通過するテープTを巻き取る。
【0026】
貼付ヘッド24は、筐体によって支持されており、筐体21に形成されている開口部21Aから突出している。
図1、
図2及び
図5に示されている通り、貼付ヘッド24は、筐体21によって支持されている貼付ヘッド体41と、貼付ヘッド体41によって回転可能に支持されている3つの貼付ローラ42から44と、を含む。
貼付ローラ42から44はそれぞれの回転軸回りに回転可能であり、テープTの繰出方向に沿って配置されている。
【0027】
図1及び
図2に示されている通り、切断ユニット25は、切断ユニット25が貼付ヘッド24に向かってかつそれから離れて移動するように、筐体21によって支持されており、筐体21に形成されている開口部21Aから突出している。切断ユニット25は筐体21と同様にプラスチック材料から形成されており、テープTのテープ本体14を切断する切断縁部51を含む。切断ユニット25は、テープTの繰出方向において繰出ギア22と貼付ヘッド24との間に配置されており、テープTの繰出方向において繰出ギア22よりも貼付ヘッド24に近接して配置されている。
【0028】
連動ギア26は、第3軸体33を備えた第1半体21によって回転可能に支持されている。連動ギア26は、繰出ギア22及び巻取ギア23と噛合する。したがって、連動ギア26は繰出ギア22の回転運動を巻取ギア23へ伝達し、繰出ギア22の回転と巻取ギア23の回転とを連動させる。
貼付デバイス10は、テープTをテープTの繰出方向に繰出リール16から巻取リール17へ案内するための案内ローラ61などの案内部材を含む。案内ローラ61は、テープTの繰出方向において繰出ギア22と貼付ヘッド24との間に配置されており、その回転軸回りに回転するように第1半体21によって回転可能に支持されている。案内ローラ61は、案内ローラ61から貼付ヘッド24の貼付ローラ42までのテープTの繰出経路が、テープTが繰出リール16から繰り出されると繰出リール16の周囲に巻き付けられているテープTのロールの外径がより小さくなる場合にも、変更されないようにする。
【0029】
次に、貼付デバイス10及び上記構造を有する貼付デバイス10を含む美容器具1を使用する方法を説明する。
最初に、繰出リール16及び巻取リール17を繰出ギア22及び巻取ギア23それぞれに取り付ける。この場合、テープTの適切な長さは繰出リール16から繰出され、貼付ヘッド24の貼付ローラ42から44を通過する。繰出リール16及び巻取リール17を取り付けた後、テープTのテープ本体14は、テープTの繰出方向において貼付ヘッド24の下流の位置で事前に切断される。
【0030】
テープTを皮膚上に貼付する場合、貼付ヘッド24は皮膚に押し付けられる。したがって、テープ本体14の一端部が皮膚S上に貼付される。テープ本体14の一端部を矢印Mの方向に皮膚上に貼付した後、貼付ヘッド24及び貼付デバイス10は皮膚に沿って移動させられる。この場合、テープ本体14の一端部は皮膚上に貼付されるので、貼付デバイス10が移動するとテープTは引っ張られ、繰出ギア22は、矢印R1の方向に第1回転軸A回りに回転し、したがってテープTは繰出リール16から解かれる。
【0031】
繰出ギア22の回転は、連動ギア26を介して巻取ギア23に伝達される。したがって、貼付ヘッド24、ひいては貼付デバイス10を皮膚Sに沿って移動させると、巻取ギア23は矢印R2の方向に第2回転軸B回りに回転する。繰出リール16から繰出されるテープTは皮膚に付着し、フィルム層11と第1粘着層12との間の粘着力はフィルム層11と第2粘着層13との間のものよりも小さいので、
図4(b)に示されているように、ライナ15はテープ本体14から分離され、巻取リール17によって巻き取られる。さらに、皮膚はテープTを解いている間に引っ張られる。したがって、皮膚S上に貼付されるテープTは適切な張力で貼付される。繰出リール16から繰出されるテープTは、テープTが貼付ローラ42から44を通過する場合、貼付ローラ42から44を回転させることによって、テープTへの損傷なくまたはテープTへの減少した損傷で滑らかに繰出される。
テープTの適切な長さを繰出した後、テープ本体14の他端部は皮膚上に貼付され、テープTのテープ本体14は切断ユニット25によって切断される。
【0032】
ライナ15をテープ本体14から分離すると、第1粘着層12はフィルム層11上に残っているが、第1粘着層12はライナ15と共にテープ本体14から分離されてもよい。第1粘着層12がフィルム層11上に残っている場合、テープ本体14を皮膚上に貼付した後にメイクアップをする場合、ファンデーションなどの化粧品は皮膚上によく塗布される。
このようにして、貼付デバイス10を使用する。
ここで、
図6(a)及び
図6(b)は、テープTを貼付される前後の皮膚を示す。
図6(a)及び
図6(b)に示されている通り、テープTを貼付される前に5cmの長さを有する皮膚の部分が4cmの長さを有し、これは、テープTを貼付することが皮膚上に引っ張り効果をもたらすことを示す。
図6(b)では、テープTは、テープTの一端部を皮膚上に貼り付け、次いでテープTを下向きに引っ張ることによって、皮膚上に貼付される。
【0033】
上述のように、貼付デバイス10及び美容器具1によれば、テープTの一端部を皮膚上に貼付した後、単に貼付ヘッド24を皮膚に沿って移動させることによって、テープTは、テープTに適切な張力をかけながら繰出リール16から解かれることが可能である。したがって、ユーザはテープTをユーザの皮膚上により容易にかつ適正に貼付することができる。
【0034】
さらに、3つの貼付ローラ42から44は貼付ヘッド24上に設けられているので、貼付ヘッド24を皮膚に押し付けると、テープTを介して貼付ヘッド24と皮膚との間に十分な接触面積を確実にし、テープTをより容易にかつ適正に貼付することが可能である。
さらに、別の切断ユニットを使用することなく、テープTの適切な長さを皮膚上に貼付した後に切断ユニット25によってテープ本体14を切断することが可能である。この場合、切断ユニット25はライナ15を切断しないので、切断ユニット25による切断効果はテープTの繰出及び巻取に影響を及ぼさない。さらに、貼付ヘッド24と切断ユニット25との間でテープTを案内することによって、テープTはより適正に供給され得る。
【0035】
その上、連動ギア26を用いて繰出ギア22の回転と巻取ギア23の回転とを間接的に連動させることによって、繰出ギア22と巻取ギア23とは様々なレイアウトで配置され得る。
さらに、繰出ギア22及び巻取ギア23は繰出リール16及び巻取リール17それぞれを取外し可能に取り付けられているので、貼付デバイス10は、テープTを使い果たした後でもテープTと共に繰出リール16及び巻取リール17を交換することによって、再利用可能である。
さらに、貼付ヘッド24をテープTの繰出方向において巻取ギア23よりも繰出ギア22に近接して配置すること、及び繰出ギア22から貼付ヘッド24までのテープTの経路の長さを短縮することによって、繰出ギア22から繰出されるテープTの第2粘着層13上に取り付けられる物体のリスクが低減され得る。
【0036】
本願の発明は上述した実施形態に限定されず、上記実施形態に対する様々な修正が、本願の発明のコンセプトから逸脱することなく、施されてもよい。
貼付ヘッドは3つの貼付ローラを含むが、貼付ヘッドは貼付ローラを1つだけ、または異なる数の貼付ローラを含んでいてもよい。さらに、貼付ヘッドは、貼付ローラ以外の、スポンジから形成されているパッドなどの任意の適切な部材を含んでいてもよい。
切断ユニットは貼付ヘッドの下流に設けられていてもよい。さらに、切断ユニットは、プラスチック以外の任意の適切な材料によって形成されている切断縁部などの任意の適切な切断縁部によって構成されていてもよく、鋏状の切断ユニットまたはレーザもしくは熱でテープ本体を切断する切断ユニットなどの任意の他のユニットによって構成されていてもよい。
テープは貼付ヘッドと切断ユニットとの間を通過するが、貼付ヘッドと切断ユニットとの配置は異なっていてもよい。
繰出リール及び巻取リールは繰出ギア及び巻取ギアそれぞれに取外し不可能に取り付けられていてもよい。すなわち、繰出リールは繰出ギアと一体的に形成されていてもよく、巻取リールは巻取ギアと一体的に形成されていてもよい。
繰出ギアと巻取ギアとの配置は異なっていてもよい。すなわち、貼付ヘッドは、テープの繰出方向において繰出ギアよりも巻取ギアに近接して設けられていてもよい。さらに、2つ以上の連動ギアが、繰出ギアの回転と巻取ギアの回転とを連動させるために使用されていてもよい、または、ベルトなどの異なる伝達ユニットが、繰出ギアの回転と巻取ギアの回転とを連動させるために使用されていてもよい。その上、繰出ギアと巻取ギアとは、連動ギアを使用することなく、互いに直接噛合してもよい。
貼付デバイスは、繰出ギア及び巻取ギアによってテープにかけられる張力を調節する機構を含んでいてもよい。テープのロールの外径が、テープが繰出リールから繰出されると減少し、かつテープにかけられる張力が変更される可能性があるので、テープにかけられる張力を調節するためにそのような機構を設けることは効果的である。
テープは、テープ本体が各所定の長さで事前に切断された状態で、ロール内へ巻き込まれていてもよい。この場合、切断ユニットは省略され得る。
【符号の説明】
【0037】
1 美容器具
10 皮膚粘着テープ貼付デバイス、11 フィルム層、12 第1粘着層、13 第2粘着層、14 テープ本体、15 ライナ、16 繰出リール、17 巻取リール、21 筐体、第1半体、21A 開口部、22 繰出ギア、23 巻取ギア、24 貼付ヘッド、25 切断ユニット、26 連動ギア、31 第1軸体、32 第2軸体、33 第3軸体、41 貼付ヘッド体、42,43,44 貼付ローラ、51 切断縁部、61 案内ローラ、A 第1回転軸、B 第2回転軸、C 第3回転軸、S 皮膚、T 皮膚粘着テープ