(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】金属有機構造体及びそれを用いた酸素吸着材料
(51)【国際特許分類】
B01J 20/22 20060101AFI20241119BHJP
C07C 63/331 20060101ALI20241119BHJP
C07C 63/333 20060101ALI20241119BHJP
C07C 63/38 20060101ALI20241119BHJP
C07D 213/06 20060101ALI20241119BHJP
C07D 213/16 20060101ALI20241119BHJP
C07F 3/06 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B01J20/22 A
C07C63/331
C07C63/333
C07C63/38
C07D213/06
C07D213/16
C07F3/06
(21)【出願番号】P 2021016383
(22)【出願日】2021-02-04
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】大橋 良央
(72)【発明者】
【氏名】横谷 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】松田 亮太郎
(72)【発明者】
【氏名】日下 心平
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 貴也
(72)【発明者】
【氏名】藤村 真史
(72)【発明者】
【氏名】増田 彩花
【審査官】▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】Zhao-Quan Yao, et al.,"A Water-Stable Luminescent ZnII Metal-Organic Framework as Chemosensor for High-Efficiency Detection of CrVI-Anions (Cr2O7 2- and CrO4 2-) in Aqueous Solution",Chemistry A European Journal,2018年,Vol.24, No.13,pp.3192-3198
【文献】Jun-Liang Dong, et al.,"Three coordination polymers based on 9,10-di(pyridine-4-yl)anthracene ligand: Syntheses, structures and fluorescent properties",Journal of Molecular Structure,2017年,vol.1142,pp.304-310
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C,C07D,C07F,B01J
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属有機構造体を含む、酸素吸着材料であって、
前記金属有機構造体が、金属イオンと、第1の配位子と、第2の配位子とを含
み、
脱溶媒処理後の細孔容積が、2.0vol%以上であり、
前記金属イオンが、亜鉛イオンであり、
前記第1の配位子が、電荷を有さず、かつアントラセン構造を有する有機化合物であり、かつ
前記第2の配位子が、2以上の配位基を有し、かつ負電荷を有する有機化合物イオンである、
酸素吸着材料。
【請求項2】
前記第1の配位子が、前記金属イオンと配位結合する官能基として、ピリジル基を含む、請求項1に記載の
酸素吸着材料。
【請求項3】
前記第1の配位子が、9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセン又は9-(4-ピリジル)アントラセンを含む、請求項2に記載の
酸素吸着材料。
【請求項4】
前記第2の配位子が、多価カルボン酸イオンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の
酸素吸着材料。
【請求項5】
前記第2の配位子が、2,6-ナフタレンジカルボン酸イオン、4,4’-ビフェニルジカルボン酸イオン、又は4,4’,4’’,4’’’-ベンゼン-1,2,4,5-テトライルテトラ安息香酸イオンを含む、請求項4に記載の
酸素吸着材料。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素吸着材料を有する、酸素富化装置、酸素貯蔵装置、酸素除去装置、又は酸素発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、金属有機構造体に関する。また、本開示は、金属有機構造体を用いた酸素吸着材料、並びに、この酸素吸着材料を用いた酸素富化装置、酸素貯蔵装置、酸素除去装置、及び酸素発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔性化合物である金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)は、多孔性配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymer)とも呼ばれる材料である。MOFは、金属と有機配位子との相互作用により形成された高表面積の配位ネットワーク構造を有する。
【0003】
近年、このような金属有機構造体に関して、様々な研究開発が行われている。
【0004】
例えば、特許文献1では、酸素吸着能を有し、金属イオン及び多座配位子からなる金属有機構造体が開示されている。
【0005】
また、非特許文献1では、液体中の酸素を吸着及び放出する金属有機構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2005/0105250号明細書
【非特許文献】
【0007】
【文献】Ryotaro Matsuda et al.、“Trapping and Releasing of Oxygen in Liquid by Metal-Organic Framework with Light and Heat”、“Small”、2020、2004351.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のMOFは、酸素を物理的に吸着しているため、酸素吸着能が十分ではなく、また、酸素の吸脱を簡単に制御できないという課題がある。なお、物理吸着とは、ファンデルワールス力等によって弱く束縛されている吸着状態を意味する。
【0009】
また、非特許文献1のMOFは、溶媒中で酸素を吸着するものであり、空気中の酸素を十分に吸着できない課題がある。
【0010】
したがって、本開示は、上記事情を鑑みてなされたものであり、空気中の酸素を吸着する能力が向上され、かつ酸素の吸脱を簡単に制御することができるMOFを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
【0012】
〈態様1〉
金属イオンと、第1の配位子と、第2の配位子とを含む金属有機構造体であって、
脱溶媒処理後の細孔容積が、2.0vol%以上であり、
前記金属イオンが、亜鉛イオンであり、
前記第1の配位子が、電荷を有さず、かつアントラセン構造を有する有機化合物であり、かつ
前記第2の配位子が、2以上の配位基を有し、かつ負電荷を有する有機化合物イオンである、
金属有機構造体。
〈態様2〉
前記第1の配位子が、前記金属イオンと配位結合する官能基として、ピリジル基を含む、態様1に記載の金属有機構造体。
〈態様3〉
前記第1の配位子が、9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセン又は9-(4-ピリジル)アントラセンを含む、態様2に記載の金属有機構造体。
〈態様4〉
前記第2の配位子が、多価カルボン酸イオンを含む、態様1~3のいずれか一項に記載の金属有機構造体。
〈態様5〉
前記第2の配位子が、2,6-ナフタレンジカルボン酸イオン、4,4’-ビフェニルジカルボン酸イオン、又は4,4’,4’’,4’’’-ベンゼン-1,2,4,5-テトライルテトラ安息香酸イオンを含む、態様4に記載の金属有機構造体。
〈態様6〉
態様1~5のいずれか一項に記載の金属有機構造体を含む、酸素吸着材料。
〈態様7〉
態様6に記載の酸素吸着材料を有する、酸素富化装置、酸素貯蔵装置、酸素除去装置、又は酸素発生装置。
【発明の効果】
【0013】
本開示のMOFによれば、空気中の酸素を効率よく吸着することができ、かつ酸素の吸脱を簡単に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施例3に用いられた原料の構造式、及び生成物である実施例3のMOFの結晶構造を示す図である。
【
図2】
図2は、光増感法による一重項酸素の生成過程を示す図である。
【
図3】
図3は、(a)9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセンの分子構造、(b)そのepo結合が形成される場合の分子構造、及び(c及びd)それらの簡略化した構造を示す図である。
【
図4】
図4は、実施例1~3及び比較例2のMOFのX線回折図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について詳述する。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
【0016】
《金属有機構造体(MOF)》
本開示のMOFは、
金属イオンと、第1の配位子と、第2の配位子とを含む金属有機構造体であって、
脱溶媒処理後の細孔容積が、2.0vol%以上であり、
金属イオンが、亜鉛イオンであり、
第1の配位子が、電荷を有さず、かつアントラセン構造を有する有機化合物であり、かつ
第2の配位子が、2以上の配位基を有し、かつ負電荷を有する有機化合物イオンである、
金属有機構造体
である。
【0017】
図1は、本開示の実施例3に用いられた原料の構造式、及び生成物である実施例3のMOFの結晶構造を示す図である。
【0018】
図1に示されているように、実施例3のMOFは、金属イオンと、第1の配位子と、第2の配位子とを含む金属有機構造体である。より具体的には、実施例3のMOFにおいて、金属イオンが、亜鉛イオンであり、第1の配位子が、9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセンであり、第2の配位子が、4,4’,4’’,4’’’-ベンゼン-1,2,4,5-テトライルテトラ安息香酸イオンである。また、実施例3のMOFの脱溶媒処理後の細孔容積は、37.0vol%である。
【0019】
なお、本開示において、MOFの脱溶媒処理後の細孔容積は、まず、脱溶媒処理後のMOFの結晶構造を解析して、単位格子中の原子座標を求める。次に、各元素の原子半径を用いて単位格子中を原子が占める体積を求め、残る空間の割を合細孔容積として求めることができる。
【0020】
本開示のMOFによって、本開示の効果を発揮できる理由は、理論に限定されるものではないが、以下のように推察する。
【0021】
本開示のMOFの第1の配位子がアントラセン構造を有する有機化合物であるため、以下のスキームに示す反応を利用して、酸素の吸脱を行うことができる。
【0022】
【0023】
より具体的には、アントラセン構造を有する有機化合物は、活性酸素の一種である一重項酸素(1O2)と反応して、エンドペルオキシド(epo)結合を形成することが知られている。この反応を利用すれば、アントラセン構造を含むMOFの細孔表面と酸素分子との間に化学結合を形成し、物理吸着よりも強力に酸素を捕捉できると考えられる。また、この反応は、可逆的であり、加熱することによって、酸素を放出することができるため、酸素の吸脱を簡単に制御することができると考えられる。
【0024】
ただし、基底状態の三重項酸素(
3O
2)を
1O
2に直接励起することは、禁制遷移であるため、熱や光だけで生成することはできない。そこで、
図2に示されているような光増感法が用いられる。光増感剤を光によって励起し、励起状態の光増感剤が基底状態に戻る際に
3O
2との間でエネルギー交換を起こすことで、酸素分子を基底状態から
1O
2へと励起することができる。アントラセン構造は光増感剤としての性質を有すると知られているため、光を照射することで、まずアントラセン構造が励起され、
3O
2との間でエネルギー交換が起こり、
1O
2が生成することが考えられる。そして、この
1O
2がアントラセン構造と反応することによって、epo結合を形成することができる。すなわち、低圧下でも、酸素を捕捉することができると考えられる。
【0025】
しかしながら、本開示の本発明者らの鋭意研究によれば、アントラセン構造を有するだけで、すべてのMOFが、上述したような光増感効果を発現して、酸素を捕捉できるとは限らないことが分かった。また、例えば非特許文献1に開示されているMOFは、溶液中で酸素を捕捉できるが、このMOFを脱溶媒して、空気中の酸素を捕捉させようと試みたが、わずかな酸素しか捕捉できなかった結果が分かった。
【0026】
そこで、本開示の本発明者らは、更なる鋭意研究を行い、アントラセン構造を有する有機化合物の電荷の有無、及び脱溶媒処理後のMOFの細孔容積に着目した。
【0027】
より具体的には、本開示の本発明者らの鋭意研究により、アントラセン構造を有する有機化合物に電荷がある場合、特にアントラセン構造に近い位置で負の電荷がある場合には、アントラセンのベンゼン環と負の電荷との間に共役が起こり、これによって、アントラセン構造の光増感剤としての効果が弱まってしまうことが分かった。この知見から、本開示の本発明者らは、第1の配位子としてのアントラセン構造を有する有機化合物には電荷を有さないことを規定することに至った。
【0028】
また、本開示の本発明者らの更なる鋭意研究によって、空気中の酸素を吸着させるために、MOFの細孔容積の大きさが重要であることが分かった。例として、
図3に示されている9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセンを用いて説明する。なお、9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセンは、本開示のMOFの第1の配位子に用いることができる。
【0029】
図3(a)は、9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセンの分子構造を示す図であり、
図3(c)は、それを簡略化した構造を示す図である。また、
図3(b)は、9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセンが、酸素と反応して、epo結合が形成される場合の分子構造を示す図であり、
図3(d)は、それを簡略化した構造を示す図である。
図3(b)及び(d)から分かるように、9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセンは、酸素と反応して、epo結合が形成されると、金属イオンと配位する置換基の位置関係(
図3(c)及び3(d)において、矢印で示す)は、ほとんど変わらないのに対して、アントラセン構造が少し曲がり、酸素分子が結合した位置に凸が生じる。すなわち、このようなepo結合の形成に伴う変形を許容するために、ある程度の細孔容積が必要であると考えられる。
【0030】
また、MOFの細孔容積に関して、脱溶媒処理の前後においては、変化することが分かった。すなわち、脱溶媒処理前のMOFの細孔容積が酸素を吸着できる大きさがあったとしても、脱溶媒処理後において、細孔容積が小さくなり、酸素を吸着できる空間がなくなる可能性があることが分かった。例えば、非特許文献1のMOF(後述する比較例2と同じ構成を有するMOF)は、液体中の酸素を吸着できるのに対して、脱溶媒後に空気中の酸素の吸着能が低下してしまう。これは、非特許文献1のMOFは、脱溶媒されると、その結晶構造が組み変わってしまい、溶媒中において、二重相互貫入から三重相互貫入に変わり、その結果、細孔容積が小さくなり、酸素を吸着する空間がなくなったのではないかと推測した。この知見から、本開示の本発明者らは、溶媒処理後のMOFの細孔容積を2.0vol%以上とすることで、空気中の酸素を吸着する空間を確保できることを見出した。
【0031】
なお、MOFを合成する際には、通常、溶媒中で行う。この溶媒は、合成後の処理によって除去することができるが、場合によって、一部の溶媒分子は、合成されたMOFの骨格に取り込まれて、すなわち、MOFの骨格と配位結合することもある。したがって、本開示において、「脱溶媒」とは、合成後に、MOFの骨格と配位結合していない溶媒を、後処理によって完全に除去することを意味する。より具体的な脱溶媒の方法は、後述する「MOFの製造方法」において説明される。。
【0032】
〈金属イオン〉
本開示のMOFに用いられる金属イオンは、亜鉛イオン(Zn2+)である。
【0033】
本開示のMOFにおいて、亜鉛イオンは、5配位であってよく、例えばピラミッド型の配位結合を形成してよい。
【0034】
亜鉛イオン源として、亜鉛原子を含有するものであれば特に制限されず、例えば、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、及び硫酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも一つを用いてよい。また、亜鉛イオン源として、上述したこれらの亜鉛イオン源の化合物の水和物を用いることもできる。このような亜鉛イオン源の化合物の水和物として、例えば硝酸亜鉛六水和物(Zn(NO3)2・6H2O)等が挙げられるがこれには限定されない。
【0035】
〈第1の配位子〉
本開示のMOFに用いられる第1の配位子は、電荷を有さず、かつアントラセン構造を有する有機化合物である。
【0036】
本開示において、第1の配位子は、亜鉛イオンと配位結合する官能基を含んでよい。例えば、第1の配位子は、金属イオンと配位結合する官能基として、ピリジル基を含んでよい。また、この官能基としてピリジル基は、本開示の効果を損なわない限りに、例えばメチル基、エチル基、又はハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0037】
より具体的には、本開示にかかる第1の配位子は、例えば、下記化学式で表す9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセン(「dpa」とも略する)又は9-(4-ピリジル)アントラセン(「pa」とも略する)を含んでよい。なお、本開示のMOFにおいて、dpa及びpaは、主にピリジル基の窒素原子が、金属イオンとしての亜鉛イオンと配位結合を形成すると思われる。
【0038】
【0039】
本開示において、第1の配位子としては、市販のものを用いてもよく、合成したものを用いてもよい。
【0040】
本開示のMOFにおいて、第1の配位子の存在割合は、特に限定されず、例えば、第1の配位子及び第2の配位子の合計に対して、0mol%超、5mol%以上、10mol%以上、15mol%以上、20mol%以上、25mol%以上、30mol%以上、35mol%以上、40mol%以上、45mol%以上、50mol%以上、55mol%以上、60mol%以上、又は65mol%以上であってもよく、また、80mol%以下、75mol%以下、又は70mol%以下であってもよい。
【0041】
〈第2の配位子〉
本開示のMOFに用いられる第2の配位子は、2以上の配位基を有し、かつ負電荷を有する有機化合物イオンである。
【0042】
第2の配位子において、2以上の配位基は、亜鉛イオンと配位結合するための配位基であり、より具体的には、2つであってもよく、4つであってもよい。このような配位基としては、例えばカルボキシ基であってよい。
【0043】
また、第2の配位子は、負電荷を有する有機化合物イオンとする理由は、第1の配位子には、電荷を有さないため、金属イオン(亜鉛イオン)の正電荷を補償するためである。
【0044】
本開示において、配位基は、カルボキシ基であってよく、したがって、第2の配位子は、多価カルボン酸イオンであってよい。なお、多価カルボン酸イオンとは、2以上のカルボキシ基(-COOH)を持つカルボン酸がイオン化されたものを指す。
【0045】
より具体的には、本開示にかかる第2の配位子は、例えば、下記化学式で表すテレフタル酸(「H2BDC」とも略する)、2,6-ナフタレンジカルボン酸(「H2NDC」とも略する)、4,4’-ビフェニルジカルボン酸(「H2BPDC」とも略する)、又は4,4’,4’’,4’’’-ベンゼン-1,2,4,5-テトライルテトラ安息香酸(「H4TCPB」とも略する)のイオンを含んでよい。
【0046】
【0047】
これらのうち、本開示にかかる第2の配位子は、2,6-ナフタレンジカルボン酸イオン、4,4’-ビフェニルジカルボン酸イオン、又は4,4’,4’’,4’’’-ベンゼン-1,2,4,5-テトライルテトラ安息香酸イオンを含むことが好ましい。
【0048】
本開示において、第2の配位子としては、市販のものを用いてもよく、合成したものを用いてもよい。
【0049】
本開示のMOFにおいて、第2の配位子の存在割合は、特に限定されず、例えば、第1の配位子及び第2の配位子の合計に対して、0mol%超、5mol%以上、10mol%以上、15mol%以上、20mol%以上、25mol%以上、30mol%以上、35mol%以上、40mol%以上、45mol%以上、50mol%以上、55mol%以上、60mol%以上、又は65mol%以上であってもよく、また、80mol%以下、75mol%以下、又は70mol%以下であってもよい。
【0050】
〈細孔容積〉
本開示のMOFは、脱溶媒処理後の細孔容積が、2.0vol%以上である。より具体的には、本開示のMOFの脱溶媒処理後の細孔容積は、2.0vol%以上、2.5vol%以上、3.0vol%以上、3.5vol%以上、4.0vol%以上、4.5vol%以上、4.8vol%以上、5.0vol%以上、5.5vol%以上、6.0vol%以上、6.5vol%以上、7.0vol%以上、7.5vol%以上、8.0vol%以上、8.2vol%以上、8.5vol%以上、9.0vol%以上、10.0vol%以上、11.0vol%以上、12.0vol%以上、13.0vol%以上、14.0vol%以上、15.0vol%以上、16.0vol%以上、17.0vol%以上、18.0vol%以上、19.0vol%以上、20.0vol%以上、25.0vol%以上、30.0vol%以上、35.0vol%以上、又は37.0vol%以上であってもよく、また、80.0vol%以下、70.0vol%以下、60.0vol%以下、又は50.0vol%以下であってもよい。
【0051】
《MOFの製造方法》
本開示のMOFは、例えば、室温にて原料を混合する方法、又は水熱合成法若しくはソルボサーマル合成法を用いて、製造することができる。
【0052】
加熱を行ってMOFを製造する場合、より具体的には、金属イオン源としての亜鉛イオン源、第1の配位子源、第2の配位子源、及び溶媒を含む原料溶液を加熱して反応させて、そして後処理で脱溶媒することによって、本開示のMOFを製造することができる。
【0053】
ここで、原料溶液に含まれる亜鉛イオンの濃度は、特に限定されず、例えば、溶媒に対して、5mmol/L以上、10mmol/L以上、15mmol/L以上、20mmol/L以上、25mmol/L以上、30mmol/L以上、35mmol/L以上、40mmol/L以上、45mmol/L以上、又は50mmol/L以上であってもよく、また200mmol/L以下、100mmol/L以下、又は50mmol/L以下であってもよい。
【0054】
また、原料溶液に含まれる第1の配位子及び第2の配位子のそれぞれの濃度は、特に限定されず、例えば、溶媒に対して、それぞれ独立して、2.0mmol/L以上、2.5mmol/L以上、3.0mmol/L以上、3.5mmol/L以上、4.0mmol/L以上、4.5mmol/L以上、5.0mmol/L以上、5.5mmol/L以上、6.0mmol/L以上、6.5mmol/L以上、7.0mmol/L以上、7.5mmol/L以上、8.0mmol/L以上、8.5mmol/L以上、9.0mmol/L以上、9.5mmol/L以上、10.0mmol/L以上、15.0mmol/L以上、又は20.0mmol/L以上であってもよく、また200mmol/L以下、100mmol/L以下、又は50mmol/L以下であってもよい。
【0055】
溶媒としては、例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジエチルホルムアミド(DEF)、ギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、水、及びそれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
加熱の際に、原料溶液を任意の密封容器に入れて行ってもよく、原料溶液を還流させながら行ってもよい。
【0057】
加熱の温度は、特に限定されず、特に限定されず、例えば、反応性を高める観点から、80℃以上、100℃以上、又は120℃以上であってよく、また、反応中の蒸気漏れを防止する観点から200℃以下、又は150℃以下であってよい。
【0058】
加熱の時間は、特に限定されず、加熱の温度に合わせて適宜に調整することができる。加熱の時間は、例えば、反応を完全に完成させる観点から、6時間以上、10時間以上、12時間以上、18時間以上、24時間以上、30時間以上、36時間以上、42時間以上、48時間以上、54時間以上、又は60時間以上であってよく、また96時間以下、84時間以下、72時間以下、60時間以下、48時間以下、24時間以下、12時間以下、又は10時間以下であってよい。
【0059】
後処理としては、脱溶媒操作が必須的に含まれる。ここで、脱溶媒操作には、例えば生成物に対して乾燥させることを含んでよい。ここで、乾燥は、常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよいが、効率向上の観点から減圧下で行うことが好ましい。また、乾燥する際の温度は、例えば100℃以上、120℃以上、130℃以上、140℃以上、又は150℃以上であってもよく、また、180℃以下、170℃以上、又は160℃以下であってもよい。乾燥する際の乾燥時間は、例えば1時間以上、2時間以上、6時間以上、10時間以上、又は12時間以上であってよく、また24時間以下、又は16時間以下であってよい。
【0060】
また、後処理として、任意的に例えばろ過等の操作を加えてもよく、この場合、ろ過は脱溶媒操作の前に行ってよい。
【0061】
《酸素吸着材料》
本開示はまた、本開示のMOFを含む酸素吸着材料を提供する。
【0062】
本開示の酸素吸着材料は、空気中の酸素を効率よく吸着することができ、また、吸着された酸素を簡単に脱離することができる。
【0063】
本開示の酸素吸着材料は、光照射によって、空気中の酸素を吸着することができる。
【0064】
ここで、光照射の光源としては、特に限定されず、例えばハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ(インジウム等を含有する)、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、キセノンエキシマランプ、キセノンフラッシュランプ、ライトエミッティングダイオード(以下、LEDという)等が挙げられる。
【0065】
また、光照射の雰囲気は、吸着の目的である気体の酸素を含む雰囲気であれば、特に限定されず、例えば大気圧(約100kPa)の酸素雰囲気であってもよく、又は窒素や水蒸気等が共存している大気雰囲気であってもよい。
【0066】
また、光照射の時間は、特に限定されず、例えば1時間以上、5時間以上、8時間以上、10時間以上、20時間以上、24時間以上、30時間以上、36時間以上、又は40時間以上であってもよく、また200時間以下、100時間以下、又は50時間以下であってもよい。なお、脱溶媒処理後の細孔容積が大きいMOFほど、光照射の時間を短くしてよい。
【0067】
また、光照射時の温度は、特に限定されず、例えば酸素の沸点(約-182.96℃)よりも高い温度であってよく、より具体的には、例えば、-180℃以上、-150℃以上、-100℃以上、-78℃以上、-58℃以上、-38℃以上、-18℃以上、0℃以上、2℃以上、10℃以上、20℃以上、25℃以上、30℃以上、35℃以上、又は40℃以上であってもよく、また50℃以下、40℃以下、30℃以下、又は25℃以下であってもよい。
【0068】
本開示の酸素吸着材料は、加熱によって、吸着された酸素を脱離することができる。
【0069】
ここで、加熱の温度は、特に限定されず、例えば60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、又は100℃以上であってもよく、また200℃以下、又は150℃以下であってもよい。
【0070】
また、加熱の時間は、特に限定されず、例えば1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上であってもよく、また48時間以下、24時間以下、又は12時間以下であってもよい。
【0071】
本開示の酸素吸着材料の酸素吸着量は、epo化率によって評価することができる。ここで、本開示の酸素吸着材料のepo化率は、例えば1.00mol%以上、1.41mol%以上、5.66mol%以上、10.6mol%以上、11.2mol%以上、12.3mol%以上、16.1mol%以上、16.5mol%以上、20.5mol%以上、21.8mol%以上、22.0mol%以上、24.1mol%以上、30.0mol%以上、52.8mol%以上、又は67.0mol%以上であることができる。
【0072】
なお、epo化率は、酸素吸着材料のアントラセン骨格が酸素と反応して、epo結合が形成された率であり、1H-NMRスペクトルから求めることができる。より具体的には、まず、epo化した後のMOFを、分解させて、内部標準を加えて溶液の1H-NMRスペクトルを測定する。次に、得られた1H-NMRスペクトルの強度の積分比からMOFに含まれるアントラセン骨格のepo化率を計算する。
【0073】
《装置》
本開示はまた、本開示の酸素吸着材料を有する、酸素富化装置、酸素貯蔵装置、酸素除去装置、又は酸素発生装置を提供する。
【0074】
これは、本開示の酸素吸着材料が本開示のMOFを含むことによって、光や熱等の外力によって酸素の吸脱着を制御することができるからである。
【実施例】
【0075】
以下に示す実施例を参照して本開示をさらに詳しく説明する。ただし、本開示の範囲は、実施例によって限定されるものではない。
【0076】
以下に示す試薬を用いて、実施例及び比較例のMOFを合成した:
・硝酸亜鉛六水和物 (Zn(NO3)2・6H2O): 富士フィルム和光純薬株式会社製
・9,10-ジ(4-ピリジル)アントラセン (dpa): 非特許文献2を参考に合成
・9-(4-ピリジル)アントラセン (pa): 非特許文献3を参考に合成
・テレフタル酸 (H2BDC): 富士フィルム和光純薬株式会社製
・2,6-ナフタレンジカルボン酸 (H2NDC): 富士フィルム和光純薬株式会社製
・1,2,4,5-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン (H4TCPB): Sigma-Aldrich製
・N,N-ジメチルホルムアミド (DMF): 富士フィルム和光純薬株式会社製
・エタノール (EtOH): 富士フィルム和光純薬株式会社製
・ギ酸 (HCOOH): 富士フィルム和光純薬株式会社製
-非特許文献2:W. Fudickar et al., “Synthesis of Pyridylanthracenes and Their Reversible Reaction with Singlet Oxygen to Endoperoxides” J. Org. Chem. (2017) 9258-9262.
-非特許文献3:N. Miyaura et al., “Stereoselective synthesis of arylated (E)-alkenes by the reaction of alk-1-enylboranes with aryl halides in the presence of palladium catalyst” J. Chem. Soc., Chem. Commun. (1979) 866-867.
【0077】
《実施例1》
金属イオン源として、59.502mg(0.2mmol)のZn(NO3)2・6H2O、
第1の配位子源として、33.243mg(0.1mmol)のdpa、
第2の配位子源として、48.446mg(0.2mmol)のH2BPDC、及び
溶媒として10mLのDMF
を用いた原料溶液を、25mLのオートクレーブに入れた後、100℃で72時間加熱した。
【0078】
生成物を140℃で乾燥(減圧しながら加熱し)して、実施例1のMOFとして得られた。
【0079】
実施例1のMOFに対して、X線回折測定を行った。その結果を
図4に示す。なお、測定条件は、以下のとおりである:
・測定装置: 極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax(株式会社リガク)
・使用X線: Mo Kα線 (λ=0.71069Å)
・測定温度: -180℃
【0080】
《実施例2》
金属イオン源として、29.749mg(0.1mmol)のZn(NO3)2・6H2O、
第1の配位子源として、25.531mg(0.1mmol)のpa、
第2の配位子源として、21.619mg(0.1mmol)のH2NDC、及び
溶媒として、10mLのDMF
を、25mLのオートクレーブに入れた後、100℃で48時間加熱した。
【0081】
生成物を150℃で乾燥(減圧しながら加熱し)して、実施例2のMOFとして得られた。得られた実施例2のMOFに対して、実施例1のMOFと同様にして、X線回折測定を行った。その結果を
図4に示す。
【0082】
《実施例3》
金属イオン源として、2.78mg(0.0095mmol)のZn(NO3)2・6H2O、
第1の配位子源として、3.28mg(0.01mmol)のdpa、
第2の配位子源として、2.81mg(0.005mmol)のH4TCPB、並びに
溶媒として、1.4mLのDMF、0.6mLのエタノール、及び20μLのギ酸
を、25mLのオートクレーブに入れた後、80oCで24時間加熱した。
【0083】
生成物を150℃で乾燥(減圧しながら加熱し)して、実施例3のMOFとして得られた。得られた実施例3のMOFに対して、実施例1のMOFと同様にして、X線回折測定を行った。その結果を
図4に示す。また、実施例3のMOFの結晶構造は、
図1に示す。
【0084】
なお、実施例1及び2で得られたMOFの結晶構造(図示せず)と、実施例3で得られたMOFの結晶構造とを比較したところ、実施例1~3のMOFの結晶構造において、金属イオンと配位子の結合様式(5配位のZnが2つに、カルボキシ基がxy方向に4つ、ピリジン等の窒素がz軸方向に2つ結合した形)が共通していることが分かった。
【0085】
《比較例1》
金属イオン源として、59.502mg(0.2mmol)のZn(NO3)2・6H2O、
第1の配位子源として、33.243mg(0.1mmol)のdpa、
第2の配位子源として、33.228mg(0.2mmol)のH2BDC、及び
溶媒として、10mLのDMF
を、25mLのオートクレーブに入れた後、100oCで72時間加熱した。
【0086】
生成物を140℃で乾燥(減圧しながら加熱し)したところ、分解し、結晶性を失った。すなわち、比較例1の生成物は不安定であった。
【0087】
なお、比較例1において、脱溶媒前の状態の生成物(すなわち溶媒がMOFの細孔内部に含有された状態の生成物)に対して、結晶構造を解析し、その構造式を同定し、表1に示す。
【0088】
《比較例2》
金属イオン源として、59.502mg(0.2mmol)のZn(NO3)2・6H2O、
第1の配位子として、33.243mg(0.1mmol)のdpa、
第2の配位子として、43.238mg(0.2mmol)のH2NDC、及び
溶媒として、10mLのDMF
を、25mLのオートクレーブに入れた後、100oCで72時間加熱した。
【0089】
生成物を200℃で乾燥(減圧しながら加熱し)して、比較例2のMOFとして得られた。得られた比較例2のMOFに対して、実施例1のMOFと同様にして、X線回折測定を行った。その結果を
図4に示す。
【0090】
〈細孔容積の測定〉
上記で得られた実施例1~3のMOF及び比較例2のMOFについて、解析ソフトウェアを用いて結晶構造を解析し、単位格子中の原子座標を求めた。そして、各元素の原子半径を用いて単位格子中を原子が占める体積を求め、残る空間の割を合細孔容積とした。得られた各MOFの細孔容積を下記表1に示す。
【0091】
【0092】
〈酸素吸着実験(epo化)〉
上記で得られた実施例1~3のMOF及び比較例2のMOFについて、酸素存在下で光照射を行い、酸素吸着実験を行った。なお、実験条件は、以下のとおりである:
・光照射装置: オプチカルモジュレックス SX-UI 501HQ (ウシオ電機株式会社製)
・光源: 超高圧水銀ランプ USH-500SC (ウシオ電機株式会社製)
・雰囲気: 100kPa O2下又は大気中(詳細は表2に示す)
・照射時間: 1~40時間(詳細は表2に示す)
・温度:-78~25℃(詳細は表2に示す)
【0093】
その結果、比較例2のMOFは、わずかにしか酸素の吸着を示さなかった。これに対して、実施例1~3のMOFは、明確に酸素の吸着を示した。このため、実施例1~3のMOFに対して、以下に示すように、酸素吸着量(epo化率)を調べた。
【0094】
なお、比較例2のMOFがわずかにしか酸素の吸着を示さなかった理由は、表1の結果からも明らかであるように、細孔容積が不十分であったため、epo化に伴う配位子の変形の許容ができないからと推測する。
【0095】
〈酸素吸着量(epo化率)の測定〉
実施例1~3のMOFを、上述したepo化した後に、分解させて、そして内部標準を加えて溶液の1H-NMRスペクトルを測定した。強度の積分比からMOFに含まれるアントラセン骨格のepo化率を計算し、3回測定を行い、それぞれの平均値を求めた。なお、分解条件及び測定条件は、以下のとおりである:
・分解条件: MOFを20wt%重塩酸(DCl)重ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)溶液で分解
・内部標準: テトラメチルシランを内部標準として添加
・測定装置: JNM-ECS400 (日本電子(株)製)
・測定温度: 25oC
・積算回数: 16回
【0096】
【0097】
表2から明らかであるように、実施例1~3のMOFは、酸素の沸点(-182.96℃)よりも高い温度で、大気圧の酸素雰囲気においても酸素を吸着(すなわち、epo化)し、また、室温付近においても10.0mol%以上のアントラセン構造がepo化する、また大気中(窒素や水蒸気等が共存下)においても、酸素が吸着可能であること(例えば、実施例2のMOF)が確認できた。
【0098】
これらの結果から、本開示のMOFは、酸素吸着材料として利用できることが分かった。
【0099】
また、表2の示されているように、酸素吸着(epo化)した実施例3のMOFについて、100℃で4時間加熱により、酸素を100%脱着(epo化率を0.0mol%に)することが可能であり、すなわち、この酸素吸着は、可逆的な反応であることが確認できた。
【0100】
このように、本開示のMOFは、酸素圧力の増減ではなく、光や熱等の外力によって酸素の吸脱着を制御できることから、本開示のMOFは、酸素富化装置、酸素貯蔵装置、酸素除去装置、及び酸素発生装置に利用できることが分かった。