(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2021042644
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慧
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雄太
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-073634(JP,A)
【文献】特許第5688721(JP,B1)
【文献】特開2017-000185(JP,A)
【文献】特開2011-245103(JP,A)
【文献】特開2014-014468(JP,A)
【文献】特開2016-097270(JP,A)
【文献】特開2018-196526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
所定の表示が可能な表示手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、
表示結果組合せを導出させるために操作される複数の導出操作手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
導出を許容する表示結果組合せを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果と前記複数の導出操作手段の操作とに応じて、表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段と、
通常状態において、遊技の進行に応じて特定カウンタの値を更新する更新手段と、
前記通常状態において前記特定カウンタの値が特定値になったときに、前記複数の導出操作手段の操作手順を報知可能な報知状態に制御する報知状態制御手段とを含み、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記操作手順を報知する報知演出手段を含み、
前記報知演出手段は、前記事前決定手段の決定結果が複数種類の特定決定結果のいずれかとなったときに、当該特定決定結果に対応する前記操作手順を報知し、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定決定結果のいずれかとなったときにおいて、当該特定決定結果に対応する前記操作手順で前記複数の導出操作手段が操作されたときに、遊技用価値を付与する付与入賞が発生する付与表示結果組合せを導出可能であり、
前記更新手段は、
前記複数の導出操作手段が通常手順で操作されたときは前記特定カウンタの値を更新する一方で、前記複数の導出操作手段が前記通常手順とは異なる変則手順で操作されたときは前記特定カウンタの値を更新せず、
前記事前決定手段の決定結果が第1決定結果となったときに更新に用いられる値の期待値が第1値となるように前記特定カウンタを更新する第1更新制御をし、
前記事前決定手段の決定結果が第2決定結果となったときに更新に用いられる値の期待値が前記第1値より大きい第2値となるように前記特定カウンタを更新する第2更新制御をし、
前記演出制御手段は、前記表示手段において前記特定カウンタの値を特定可能なカウンタ表示を行うカウンタ表示手段をさらに含み、
前記カウンタ表示手段は、
一の遊技において前記通常手順で操作されて前記特定カウンタの値が更新された
後、
次の遊技の前記可変表示部の変動表示を開始させるための操作がされたときに前記カウンタ表示
から特定される値が更新されるように該カウンタ表示の態様を変化させ、
一の遊技において前記変則手順で操作されて前記特定カウンタの値が更新されなかった
後、
次の遊技の前記可変表示部の変動表示を開始させるための操作がされたときに前記カウンタ表示の態様を変化させず、
前記変則手順は、前記複数の導出操作手段のうち最初に操作される前記導出操作手段が前記通常手順と異なる操作手順であり、
前記演出制御手段は、前記複数の導出操作手段のいずれかが最初に操作されたときに、操作された前記導出操作手段が前記変則手順での前記導出操作手段である場合、前記カウンタ表示を含む前記表示手段の表示内容を視認困難な状態とし、少なくとも前記複数の導出操作手段が全て操作されるまで、前記表示手段の表示内容を視認困難な状態としたままとし、
前記演出制御手段は、前記第2更新制御がなされることを示唆する有利更新示唆演出を実行する有利更新示唆演出手段をさらに含み、
前記有利更新示唆演出手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果となったときに前記有利更新示唆演出として第1更新示唆演出を実行し、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2決定結果となったときに前記有利更新示唆演出として第2更新示唆演出を実行し、
前記第1更新示唆演出および前記第2更新示唆演出のいずれが実行中であっても前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたときに、前記有利更新示唆演出を終了する、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(たとえば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、または役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
このようなスロットマシンとして、ストップスイッチの操作手順が報知されない遊技において、遊技者が共通の操作手順以外の操作手順でストップスイッチを操作したときに、遊技者にとって不利な制御を行うスロットマシンがあった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のスロットマシンにおいては、遊技者にとって不利な制御(いわゆるペナルティ)を行うことで、遊技者に対してストップスイッチを共通の操作手順で操作するように促すことができるが、このような操作手順に起因してペナルティを課すことに関しては、未だ改良の余地があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、操作手順に起因したペナルティに関して改良を施したスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
手段Aのスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、
表示結果組合せを導出させるために操作される複数の導出操作手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
導出を許容する表示結果組合せを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果と前記複数の導出操作手段の操作とに応じて、表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段と、
通常状態において、遊技の進行に応じて特定カウンタの値を更新する更新手段と、
前記通常状態において前記特定カウンタの値が特定値になったときに、前記複数の導出操作手段の操作手順を報知可能な報知状態に制御する報知状態制御手段とを含み、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記操作手順を報知する報知演出手段を含み、
前記報知演出手段は、前記事前決定手段の決定結果が複数種類の特定決定結果のいずれかとなったときに、当該特定決定結果に対応する前記操作手順を報知し、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定決定結果のいずれかとなったときにおいて、当該特定決定結果に対応する前記操作手順で前記複数の導出操作手段が操作されたときに、遊技用価値を付与する付与入賞が発生する付与表示結果組合せを導出可能であり、
前記更新手段は、
前記複数の導出操作手段が通常手順で操作されたときは前記特定カウンタの値を更新する一方で、前記複数の導出操作手段が前記通常手順とは異なる変則手順で操作されたときは前記特定カウンタの値を更新せず、
前記事前決定手段の決定結果が第1決定結果となったときに更新に用いられる値の期待値が第1値となるように前記特定カウンタを更新する第1更新制御をし、
前記事前決定手段の決定結果が第2決定結果となったときに更新に用いられる値の期待値が前記第1値より大きい第2値となるように前記特定カウンタを更新する第2更新制御をし、
前記演出制御手段は、前記表示手段において前記特定カウンタの値を特定可能なカウンタ表示を行うカウンタ表示手段をさらに含み、
前記カウンタ表示手段は、
一の遊技において前記通常手順で操作されて前記特定カウンタの値が更新された
後、
次の遊技の前記可変表示部の変動表示を開始させるための操作がされたときに前記カウンタ表示
から特定される値が更新されるように該カウンタ表示の態様を変化させ、
一の遊技において前記変則手順で操作されて前記特定カウンタの値が更新されなかった
後、
次の遊技の前記可変表示部の変動表示を開始させるための操作がされたときに前記カウンタ表示の態様を変化させず、
前記変則手順は、前記複数の導出操作手段のうち最初に操作される前記導出操作手段が前記通常手順と異なる操作手順であり、
前記演出制御手段は、前記複数の導出操作手段のいずれかが最初に操作されたときに、操作された前記導出操作手段が前記変則手順での前記導出操作手段である場合、前記カウンタ表示を含む前記表示手段の表示内容を視認困難な状態とし、少なくとも前記複数の導出操作手段が全て操作されるまで、前記表示手段の表示内容を視認困難な状態としたままとし、
前記演出制御手段は、前記第2更新制御がなされることを示唆する有利更新示唆演出を実行する有利更新示唆演出手段をさらに含み、
前記有利更新示唆演出手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果となったときに前記有利更新示唆演出として第1更新示唆演出を実行し、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2決定結果となったときに前記有利更新示唆演出として第2更新示唆演出を実行し、
前記第1更新示唆演出および前記第2更新示唆演出のいずれが実行中であっても前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたときに、前記有利更新示唆演出を終了する、
ことを特徴とする。
他のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L、2C、2R)を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
表示結果組合せを導出させるために操作される複数の導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
導出を許容する表示結果組合せを決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記事前決定手段の決定結果と前記複数の導出操作手段の操作とに応じて、表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール制御)と、
通常状態(たとえば、有利区間通常)において、遊技の進行に応じて特定カウンタ(たとえば、ポイントカウンタ)の値を更新する更新手段(たとえば、メイン制御部41によるポイント付与処理)と、
前記通常状態において前記特定カウンタの値が特定値(たとえば、100、300、600、1000)になったときに、前記複数の導出操作手段の操作手順を報知可能な報知状態(たとえば、AT状態)に制御する報知状態制御手段(たとえば、メイン制御部41によるAT状態に制御する処理)とを含み、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記操作手順を報知する報知演出手段(たとえば、サブ制御部91によるナビ演出を実行する処理)を含み、
前記報知演出手段は、前記事前決定手段の決定結果が複数種類の特定決定結果(たとえば、押し順ベル)のいずれかとなったときに、当該特定決定結果に対応する前記操作手順(たとえば、正解手順)を報知し、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定決定結果のいずれかとなったときにおいて、当該特定決定結果に対応する前記操作手順で前記複数の導出操作手段が操作されたときに、遊技用価値(たとえば、メダル)を付与する付与入賞(たとえば、プラム役)が発生する付与表示結果組合せ(たとえば、プラム役の図柄組合せ)を導出可能であり、
前記更新手段は、
前記複数の導出操作手段が通常手順(たとえば、通常操作)で操作されたときは前記特定カウンタの値を更新する一方で、前記複数の導出操作手段が前記通常手順とは異なる変則手順(たとえば、変則操作)で操作されたとき(たとえば、
図16のSa1でNOの場合)は前記特定カウンタの値を更新せず(たとえば、
図16に示すSa3のポイント獲得抽選処理を実行しない)、
前記事前決定手段の決定結果が第1決定結果(たとえば、スイカ当選)となったときに更新に用いられる値の期待値が第1値(たとえば、約25ポイント)となるように前記特定カウンタを更新する第1更新制御をし(たとえば、メイン制御部41による
図17に示すポイント獲得抽選におけるフラグカテゴリFC4が当選したときの処理)、
前記事前決定手段の決定結果が第2決定結果(たとえば、強チェリー当選)となったときに更新に用いられる値の期待値が前記第1値より大きい第2値(たとえば、約90ポイント)となるように前記特定カウンタを更新する第2更新制御をし(たとえば、メイン制御部41による
図17に示すポイント獲得抽選におけるフラグカテゴリFC6が当選したときの処理)、
前記演出制御手段は、前記第2更新制御がなされることを示唆する有利更新示唆演出を実行する有利更新示唆演出手段(たとえば、サブ制御部91による
図20および
図21に示すポイント示唆演出を実行する処理)をさらに含み、
前記有利更新示唆演出手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果となったときに前記有利更新示唆演出として第1更新示唆演出を実行し(たとえば、サブ制御部91が、
図21に示すスイカ当選時のポイント示唆演出を実行し)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2決定結果となったときに前記有利更新示唆演出として第2更新示唆演出を実行し(たとえば、サブ制御部91が、
図20に示す強チェリー当選時のポイント示唆演出を実行し)、
前記第1更新示唆演出および前記第2更新示唆演出のいずれが実行中であっても前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたときに、前記有利更新示唆演出を終了する(たとえば、
図20および
図21に示すように、サブ制御部91が、中止処理を実行する)。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】スロットマシンの正面図および主な内部構成の一例を示す図である。
【
図4】入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時の付与について説明する ための図である。
【
図5】入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時の付与について説明する ための図である。
【
図6】入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時の付与について説明する ための図である。
【
図7】入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時の付与について説明する ための図である。
【
図8】遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される入賞役の組合せについて説明 するための図である。
【
図9】フラグカテゴリごとに整列された抽選対象役を示す図である。
【
図10】押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。
【
図11】スタートスイッチ7が操作されたときにメイン制御部41がサブ制御部9 1に対して送信する遊技開始時コマンドを示す図である。
【
図12】第3停止時にメイン制御部がサブ制御部に送信する遊技終了時コマンドを 示すである。
【
図13】メイン制御部が行うメイン処理の制御内容を示すフローチャートである。
【
図14】ポイントマップの一例を説明するための図である。
【
図15】ポイント更新演出の一例を説明するための図である。
【
図16】ポイント獲得抽選処理の一例を示す図である。
【
図18】通常操作に基づいてポイント更新演出が実行される例を示す図である。
【
図19】変則操作に基づいてポイント更新演出が実行されない例を示す図である。
【
図20】強チェリー当選時のポイント示唆演出の一例を説明する図である。
【
図21】スイカ当選時のポイント示唆演出の一例を説明する図である。
【
図22】有利区間の第1状態および第2状態におけるライフ獲得抽選、一撃勝利抽 選のテーブルを示す図である。
【
図23】AT中の特典抽選処理の一例を示す図である。
【
図24】スイカ当選時のライフ付与示唆演出の一例を説明する図である。
【
図25】強チェリー当選時のライフ付与示唆演出の一例を説明する図である。
【
図26】サブ制御部がナビ演出を実行する処理を示す図である。
【
図27】メイン制御部における遊技開始時コマンド送信処理を示す図である。
【
図28】遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドを受信したときのサブ制御 部における処理を示す図である。
【
図29】エラー報知制御が行われた状態の液晶表示器を示す図である。
【
図30】遊技終了時コマンドを受信したことに基づいて、エラー報知を解除するタ イミングを示す図である。
【
図31】次ゲームにおいてエラー報知を解除する例を示す図である。
【
図32】遊技状態において実行される処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
本実施の形態に係る遊技機として、スロットマシンを以下に示す実施例に基づいて説明する。
図1~
図32を参照しながら、実施の形態に係るスロットマシンについて説明する。
【0010】
[スロットマシンの構成]
図1は(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。
図2は、各リールの図柄配列を示す図である。
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bを備える。スロットマシン1の内部には、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ同数ずつ配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール,中リール,右リール)が水平方向に並設されており、
図2に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が、スロットマシン1の正面の略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示されて遊技者側から見えるように配置されている。
【0011】
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよい。また、本実施の形態では、リール2L,2C,2Rの回転によって透視窓3に表示された図柄を可変表示させる構成を可変表示部としているが、リールに限らず、たとえば、外周面に複数の図柄が配置されたベルトを移動させることで図柄を変動表示させることが可能な構成でもよい。また、本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示部を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示部を構成してもよい。
【0012】
スロットマシン1の正面には、
図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数(本実施の形態では、3)の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、および演出時に遊技者によって操作される演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0013】
なお、以下では、スタートスイッチ7に対する操作(たとえば、スタートスイッチ7を手で押下する操作)を「スタート操作」、1番目のリールの回転を停止するためのストップスイッチに対する操作(たとえば、ストップスイッチを手で押下する操作)を「第1停止操作」、2番目のリールの回転を停止するためのストップスイッチに対する操作(たとえば、ストップスイッチを手で押下する操作)を「第2停止操作」、および3番目のリールの回転を停止するためのストップスイッチに対する操作(たとえば、ストップスイッチを手で押下する操作)を「第3停止操作」または「最終停止操作」とも称する。また、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作を総称して「停止操作」とも称する。さらに、1番目のストップスイッチに対する押下(第1停止操作)が解除されること(たとえば、ストップスイッチから手を離すこと)を「第1停止離し」、2番目のストップスイッチに対する押下(第2停止操作)が解除されること(すなわち、ストップスイッチから手を離すこと)を「第2停止離し」、および3番目のストップスイッチに対する押下(第3停止操作)が解除されること(すなわち、ストップスイッチから手を離すこと)を「第3停止離し」または「最終停止離し」とも称する。遊技者によってリール2L,2C,2Rを操作する順番を「操作手順」とも称する。
【0014】
スロットマシン1の正面において、リール2L,2C,2Rの横には、複数のLEDで構成されるサイドランプ27が設けられている。また、リール2L,2C,2Rの近傍には、リール2L,2C,2Rのそれぞれに対応して設けられるとともにリール2L,2C,2Rのそれぞれに対してリールの裏側または横から光を照射するリールバックライト28L,28C,28R(以下、単に「リールバックライト28」とも称す)が設けられている。さらに、液晶表示器51の上方には、音を出力するスピーカ53が設けられている。
【0015】
スロットマシン1の正面には、
図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、後述する有利区間ATなどの状態に制御されている旨を点灯により報知する状態LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0016】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41が設けられている。メイン制御部41は、遊技の進行に係る各種制御を行うメインCPU41aと、遊技の進行に係る各種データを記憶するRAM41cとを備える。メイン制御部41は、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、およびストップスイッチ8L,8C,8Rなどに対する操作、およびメダル投入部4に対するメダルの投入を検出し、検出した操作に応じて、リール2L,2C,2Rの回転/停止や遊技用表示部13における各LEDの点灯/消灯など、遊技の進行に係る制御を行う。
【0017】
スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からのコマンドに応じて演出を制御するサブ制御部91が設けられている。サブ制御部91は、演出に係る各種制御を行うサブCPU91aと、演出に係る各種データを記憶するRAM91cとを備える。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、液晶表示器51における画像の表示、スピーカ53からの音出力、およびサイドランプ27やリールバックライト28の点灯/消灯などを制御する。液晶表示器51の画像表示やスピーカ53の音出力に用いられる演出データは、RAM91cに記憶されている。さらに、サブ制御部91は、演出用スイッチ56に対する操作を検出し、検出した操作に応じて液晶表示器51における画像の表示やスピーカ53からの音出力を制御する。
【0018】
スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、メダル投入部4にメダルを投入するか、MAXBETスイッチ6を操作するなどして規定数の賭数を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となってゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインLNとは、透視窓3に表示されたリール2L,2C,2Rにおける図柄の組合せが入賞図柄の組合せと一致するか否かを判定するためのラインである。本実施形態では、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段といったように、いわゆる小山のラインが入賞ラインとして定められている。なお、入賞ラインは、小山に限らず、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段といったように、中段に水平方向に亘って設けられてもよく、単数に限らず、複数の入賞ラインが設けられてもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識し易くする無効ラインが設けられていてもよい。
【0019】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rが回転する。このとき、メイン制御部41によって内部抽選が行われる。内部抽選は、導出を許容する図柄組合せ(表示結果組合せ)を決定する処理である。
【0020】
具体的には、メイン制御部41は、内部抽選処理において、所定の順番で各抽選対象役が当選したか否かを判定する。たとえば、内部抽選処理において、メイン制御部41は、所定範囲内(0~65535)の整数から乱数を取得する。各抽選対象役には所定範囲内(0~65535)の整数のうちから予め遊技状態に応じた判定値数が割り当てられている。メイン制御部41は、取得した乱数に対して、所定の順番で各抽選対象役の判定値数を加算していき、加算結果がオーバーフローした(65535を超えた)ときに、その時点で加算対象となっていた抽選対象役を当選役に決定する。内部抽選によって抽選対象役が当選することで、当該抽選対象役に対応する図柄組合せの導出が許容される。
【0021】
なお、管理者は、設定変更によって、内部抽選における役の当選確率を変更可能である。具体的には、管理者によって設定された設定値に応じて、内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの出玉率(払出率)が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0022】
ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。これにより、透視窓3に図柄組合せが導出表示される。入賞ラインLN上において、当選役の図柄組合せと一致する図柄組合せが停止した場合、当該当選役に対応する入賞が発生する。
【0023】
入賞が発生可能な役としては、特別役(ボーナス)、小役、および再遊技役がある。特別役(ボーナス)は、入賞することによって、小役に当選する確率が非ボーナス状態よりも高まるボーナス状態に遊技状態が制御される役である。特別役(ボーナス)には、RB(レギュラーボーナス)やBB(ビッグボーナス)のような第一種特別役物、およびCB(チャレンジボーナス)のような第二種特別役物が含まれる。本実施の形態においては、特別役として、BBが設けられている。小役は、入賞することによって、メダルが付与される役である。再遊技役(リプレイ)は、入賞することによって、遊技者所有のメダルを消費することなく次の遊技が開始可能となる役である。
【0024】
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。内部抽選は、メイン制御部41が、上述の各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に乱数を用いて決定するものである。
【0025】
なお、各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されるようになっている。
【0026】
また、内部抽選において、予め定められた所定の操作態様(たとえば、操作手順(押し順)、操作タイミング)で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われた場合よりも有利となる小役や再遊技役(以下、「押し順役」とも称する)が入賞し得るようになっている。押し順役には、たとえば、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合に停止する停止態様よりも有利な停止態様となる役や、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合よりも有利な停止態様が停止する割合が高い役などを含む。また、有利な停止態様とは、メダルの付与を伴う停止態様だけでなく、有利な遊技状態への移行を伴う停止態様、不利な遊技状態への移行が回避される停止態様なども含む。
【0027】
本実施の形態のスロットマシン1では、一のゲームにおいてストップスイッチ8Lを1番最初に操作する手順を「通常手順」、ストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rを1番最初に操作する手順を「変則手順」とも称する。つまり、「通常手順」は、ストップスイッチ8L、ストップスイッチ8C、ストップスイッチ8Rの順(左中右の順)にストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順と、ストップスイッチ8L、ストップスイッチ8R、ストップスイッチ8Cの順(左右中の順)にストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順とを含む。「変則手順」は、ストップスイッチ8C、ストップスイッチ8L、ストップスイッチ8Rの順(中左右の順)にストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順と、ストップスイッチ8C、ストップスイッチ8R、ストップスイッチ8Lの順(中右左の順)にストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順と、ストップスイッチ8R、ストップスイッチ8L、ストップスイッチ8Cの順(右左中の順)にストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順と、ストップスイッチ8R、ストップスイッチ8C、ストップスイッチ8Lの順(右中左の順)にストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する手順とを含む。さらに、本実施の形態のスロットマシン1では、「通常手順」でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することを「通常操作」とも称し、「変則手順」でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することを「変則操作」とも称する。
【0028】
メイン制御部41は、内部抽選によって押し順役に当選したときに、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応するナビ情報を報知するナビを実行可能である。具体的には、メイン制御部41は、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(有利区間)に制御可能である。
【0029】
メイン制御部41は、通常区間において予め定められた所定の抽選条件が成立したときに、有利区間に制御するか否かを決定する有利区間移行抽選を行い、当該有利区間移行抽選に当選することで、有利区間における制御を開始する。なお、有利区間移行抽選に当選することを、「有利区間当選」とも称する。有利区間において、メイン制御部41は、押し順役に当選したときに、ナビ報知を実行し、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(たとえば、操作手順、操作タイミングなど)を、遊技補助表示器12を用いて報知するとともに、遊技者にとって有利となる操作態様を特定可能なコマンド(後述するコマンド「指示番号」)をサブ制御部91に対して送信することで、当該操作態様を、液晶表示器51およびスピーカ53などを用いて報知するナビ演出を実行させる。一方で、当該操作態様が液晶表示器51およびスピーカ53などを用いて報知されないゲームを、以下では「ナビ演出が実行されないゲーム」と称する。すなわち、ナビ演出が実行されないゲームは、有利区間通常であるかAT状態であるかに関わらず、当該操作態様が液晶表示器51およびスピーカ53などを用いて報知されないゲームである。
【0030】
押し順役に当選したゲームにおいては、遊技者の操作態様が当選した押し順役に対応する操作態様(以下、「正解手順」とも称する)と一致したときに遊技者にとって有利な役(本実施の形態においては、プラム役)が入賞する。
【0031】
遊技者は、ナビに従って正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、押し順役に含まれる役のうち、メダルの払出枚数が多い方の役を入賞させることができる。あるいは、遊技者は、ナビに従って正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、押し順役に含まれる役のうち、入賞を取りこぼす可能性のない役を入賞させることができる。なお、押し順役に含まれる役のうち、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに入賞可能な役を「主役」、正解手順とは異なる不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに入賞可能な役を「副役」とも称する。
【0032】
ナビ報知およびナビ演出により報知される操作態様にて、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、内部抽選にて当選した押し順役に含まれる主役を確実に入賞させることができるようになっている。
【0033】
[状態遷移]
図3は、遊技状態の遷移を説明するための図である。
図3に示すように、メイン制御部41によって管理される状態は、内部抽選における当選確率に関わる遊技状態が含まれる。
【0034】
遊技状態には、非内部中、内部中、およびBBが含まれる。内部中は、遊技が進行可能な状態であってかつ予め定められた設計値に基づくメダルの払出率が担保されている状態である。なお、本実施の形態のスロットマシン1では、殆どのゲームを内部中で遊技者に遊技させることになっている。
【0035】
一方、非内部中は、遊技者によって遊技することがない、あるいは遊技することがあってもその時間が極端に短い状態である。非内部中においては、BBに当選し、かつ当該BBの入賞を取りこぼしたときに、次のゲームから遊技状態が内部中に移行する。すなわち、内部中は、BBの当選を持ち越した状態である。
【0036】
非内部中および内部中のいずれにおいても、BBに入賞可能なゲーム(以下、「BB入賞可能ゲーム」とも称する)が行われることがある。具体的には、非内部中においては、BBに当選したゲームでストップスイッチ8L,8C,8Rの操作に応じてBBの図柄組合せを導出させることができれば、BBに入賞する。この場合、次のゲームから遊技状態がBBに制御される。つまり、非内部中においては、BBに当選したゲームがBB入賞可能ゲームとなる。
【0037】
内部中においては、BB当選が持ち越されている。ここで、BBと小役とが同時当選した場合、小役の図柄組合せを優先的に導出させるようにリール制御が行われる。さらに、小役が取りこぼしのない役であれば、BBと小役とが同時当選したゲームでは、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作に関わらず、必ず小役が入賞し、BBは入賞することができない。同様に、BBと再遊技役とが同時当選した場合、再遊技役の図柄組合せを優先的に導出させるようにリール制御が行われる。一般的に再遊技役は取りこぼしのない役であるため、BBと再遊技役とが同時当選したゲームでは、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作に関わらず、必ず再遊技役が入賞し、BBは入賞することができない。したがって、内部中においては、内部抽選でハズレになったゲーム(何らの役にも当選しないゲーム)に限り、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作に応じてBBの図柄組合せを導出させることができれば、BBに入賞する。この場合、次のゲームから遊技状態がBBに制御される。つまり、内部中においては、内部抽選でハズレになったゲームがBB入賞可能ゲームとなる。
【0038】
BB中においては、所定ゲーム数(たとえば、60G)に亘ってBB中ゲームが行われるが、BB中における出玉率は約101%であるため、純増枚数はほとんど増えることがない。よって、BBは、遊技者にとっては単に所定ゲーム数(たとえば、60G)を消化する状態に過ぎない。BBが終了すると、再び非内部中へと遊技状態が移行する。
【0039】
内部中における状態には、通常区間および有利区間が含まれる。通常区間は、ナビが実行されない状態であり、ナビ情報を報知不可能な非報知状態である。有利区間は、ナビが実行され得る状態であり、ナビ情報を報知可能な報知状態である。本実施の形態においては、有利区間のうち、有利区間通常は、ナビが実行されないが、第1状態、第2状態、およびエンディング状態は、いずれもナビが実行され得る。なお、有利区間通常においてもナビが実行されるものであってもよいが、第1状態、第2状態、およびエンディング状態においては、有利区間通常よりも、押し順役当選時に主役を入賞させるためのナビの実行確率が高くなっている。このように、第1状態、第2状態、およびエンディング状態といった有利区間におけるAT状態では、有利区間や有利区間通常であるときよりも高い確率でナビが行われる。
【0040】
通常区間においては、有利区間移行抽選で当選(有利区間当選)したときに、有利区間に状態が制御される。なお、本実施の形態においては、通常中に当選し得る大部分の役の当選が有利区間当選の条件となっているため、通常における遊技の滞在は約1Gである。なお、有利区間当選の条件は、通常中に当選し得る全ての役のうちのいずれかが当選したときに成立してもよい。
【0041】
通常区間においては、押し順役に当選したゲームでナビが実行されないため、遊技者が獲得可能な1ゲーム当たりの純増枚数は、賭数の設定に用いたメダルの枚数を考慮すると、0枚またはマイナスになる。なお、1ゲーム当たりの純増枚数とは、1ゲーム当たりで払い出されるメダルの枚数から1ゲーム当たりで賭数の設定に用いられるメダルの枚数を差し引いた数である。本実施の形態においては、通常の出玉率が40%に設定されている。このように、通常においては、出玉率が1以下(100%以下)または1未満(100%未満)となる。
【0042】
有利区間は、有利区間通常、第1状態、第2状態、エンディング状態を含む。以下では、第1状態と、第2状態と、エンディング状態とをまとめて「AT状態」と称する。有利区間通常においては、押し順役に当選したゲームでナビが実行されないため、遊技者が獲得可能な1ゲーム当たりの純増枚数は、賭数の設定に用いたメダルの枚数を考慮すると、0枚またはマイナスになる。本実施の形態においては、有利区間通常の出玉率が40%に設定されている。このように、有利区間通常においては、出玉率が1以下(100%以下)または1未満(100%未満)となる。
【0043】
有利区間通常においては、第1状態に移行することを示唆するAT連続演出が実行される。AT連続演出は、開始してから3~5ゲーム連続する演出であり、最終ゲームにおいて、第1状態に移行するか否かを遊技者に報知する演出である。
【0044】
有利区間の第1状態においては、ゲーム数(以下、ATゲーム数とも称する)が固定である。たとえば、本実施の形態においては、第1状態におけるATゲーム数が30Gまたは50Gに予め定められている。有利区間の第1状態においては、ライフ特化ゾーンに移行することを示唆するライフ特化連続演出が実行される。ライフ特化連続演出は、開始してから3~5ゲーム連続する演出であり、最終ゲームにおいて、ライフ特化ゾーンに移行するか否かを遊技者に報知する演出である。ライフ特化ゾーンとは、後述の
図22(d)で説明するライフを獲得する可能性が高い状態を示す。第1状態におけるライフ特化連続演出の3~5ゲームは、第1状態に移行する際に予め定められるATゲーム数に含まれる。すなわち、30ゲームまたは50ゲームのATゲーム数内で、ライフ特化連続演出が実行される。以下では、AT連続演出とライフ特化連続演出とをまとめて単に「連続演出」と称する場合がある。
【0045】
第1状態において、予め定められたATゲーム数を全て消化したときに、第1状態から第2状態(以下、AT第2状態とも称する)へと状態が移行する。第2状態は、ATゲーム数が不定である。具体的には、第2状態においては、味方キャラクタが敵キャラクタとバトルを行い、当該バトルで味方キャラクタが勝利したときには第1状態へと状態が移行し、一方、当該バトルで味方キャラクタが敗北したときにはAT状態が終了して非AT状態へと状態が移行する。
【0046】
第2状態において味方キャラクタが敵キャラクタとバトルを行うためには、当該バトルを行うための権利としてライフが必要である。本実施の形態においては、第1状態においてライフを獲得可能であるが、第2状態においてライフを獲得することはできない。すなわち、遊技者は、第1状態に滞在する間にライフを獲得し、第1状態において獲得したライフを第2状態において消費することで、味方キャラクタが敵キャラクタとバトルを行うことができる。第2状態においては、所有するライフの数だけバトルを行うことができ、バトルにおいて味方キャラクタが敵キャラクタに敗北したとしても、ライフが残っていれば、再び味方キャラクタが敵キャラクタとバトルを行うことができる。味方キャラクタが敵キャラクタに敗北した時点でライフが残っていなければ、AT状態が終了して非AT状態へと状態が移行する。
【0047】
第2状態において味方キャラクタが敵キャラクタに勝利して第1状態へと状態が移行した場合、再び第1状態においてライフを獲得することができる。このため、ライフが残っている限り、第1状態と第2状態との間を繰り返し移行し続けることも可能であり、その間、押し順ベル(後述する213択役Aなど)が当選したときにナビが行われ、遊技者が当該ナビに従ってストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、メダルの純増枚数を増やすことができる。
【0048】
また、第1状態には、メダルの純増枚数の異なる区間として、第1区間と、第2区間とが含まれる。第1区間は、ATゲーム数が固定の第1状態における前半の区間(たとえば、第1状態が30Gであれば、1G~15G)である。第1区間は、ナビが行われる頻度が第2区間よりも少なく、メダルの純増枚数が第2区間よりも低い区間である。たとえば、第1区間における1G当りの純増枚数は、1枚である。
【0049】
一方、第2区間は、ATゲーム数が固定の第1状態における後半の区間(たとえば、第1状態が30Gであれば、16G~30G)である。第2区間は、ナビが行われる頻度が第1区間よりも多く、メダルの純増枚数が第1区間よりも高い区間である。たとえば、第2区間における1G当りの純増枚数は、5枚である。このように、AT状態の中でも、第2区間であるときは、第1区間であるときよりも高い確率でナビが行われる。
【0050】
このように、第1状態における第1区間は、第2区間よりもメダルの純増枚数が低い。これにより、遊技者にとっては多くのメダルを獲得できるという点で、第2区間に滞在する方が有利である。
【0051】
なお、第2状態においては、第2区間と同様に、ナビが行われる頻度が第1区間よりも多く、メダルの純増枚数が高くなっている。たとえば、第2状態における1G当りの純増枚数は、第1状態における第2区間と同様に、5枚である。このため、遊技者は、第2状態のバトル中において、より多くのメダルを獲得することができる。このように、AT状態の中でも、第2状態であるときは、第1状態における第1区間であるときよりも高い確率でナビが行われる。
【0052】
本実施の形態においては、特定の図柄(スイカ、強チェリー)が当選することで、遊技者の有利度が高くなる。具体的には、第1状態における第1区間においては、強チェリーが当選すると、ライフの付与が確定し、第2状態においては、強チェリーが当選すると、バトルで味方キャラクタが勝利することが確定する。
【0053】
有利区間通常においては、第1状態への制御に関わる抽選などの処理が行われる。具体的には、有利区間通常において、メイン制御部41は、
図17(a)で後述するポイント獲得抽選を行う。ポイント獲得抽選によって更新されるポイントは、メイン制御部41によって管理される。メイン制御部41は、内部にポイントを計数するためのポイントカウンタ(図示せず)を備える。また、ポイントカウンタの値が規定の値に到達したとき、メイン制御部41は、
図17(b)で後述するAT抽選を実行する。
【0054】
有利区間においては、遊技の進行に基づき更新される有利区間中の入賞によって発生するメダル数の合計が所定のED移行枚数に達したときに、エンディング状態が制御される。ED移行枚数は、有利区間中において更新され、通常区間やBBにおいては更新されない。エンディング状態は、たとえば、純増枚数の合計値が上限枚数(たとえば、2400枚)に達するまで、あるいは有利区間中の消化ゲーム数が上限ゲーム数(たとえば、1500G)に達するまで有利区間である状態への制御が継続することが確定する状態である。エンディング状態においては、第2状態や第2区間と同様に、ナビが行われる頻度が第1区間よりも多く、メダルの純増枚数が高くなっている。このように、AT状態の中でも、エンディング状態であるときは、第1状態における第1区間であるときよりも高い確率でナビが行われる。ED移行枚数は、通常区間から有利区間に移行したときにセットされる。なお、ED移行枚数は、抽選によって決定されてもよいし、予め定められてもよい。ED移行枚数は、メイン制御部41によって管理される。すなわち、メイン制御部41のRAM41cは、ED移行枚数を記憶する。メイン制御部41は、ED移行枚数を累積的に計数し、当該計数する処理に応じて、有利区間を終了する。
【0055】
有利区間においてリミッタ条件が成立すると、当該有利区間から通常区間に制御される。具体的には、有利区間枚数(有利区間中の純増枚数)が2400枚に達したとき、有利区間が終了し、通常区間に制御される。なお、有利区間枚数は、RAM41cに格納された有利区間枚数カウンタによってカウントされる。すなわち、有利区間枚数が上限枚数に達することを「リミッタ条件」が成立すると称する。あるいは、有利区間においては、遊技の進行に基づき更新される消化ゲーム数(有利区間G数)の合計が所定の上限G数(たとえば、1500G)に達したときに、有利区間が終了し、通常区間に制御される。なお、有利区間G数は、RAM41cに格納された純増枚数カウンタによってカウントされる。
【0056】
有利区間から通常区間に制御されると、有利区間において計数されていた消化ゲーム数および純増枚数の合計値、さらに遊技中に獲得可能なポイントも初期化される。有利区間G数や有利区間中の純増枚数は、有利区間中に限らずBB中においても更新され、通常区間においては更新されない。
【0057】
有利区間中において設定変更された場合、通常区間に制御される。このとき、有利区間において計数されていた消化ゲーム数および純増枚数の合計値、さらに遊技中に獲得可能なポイントもリセットされる。本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値(たとえば、1~6)に応じて、後述するポイント獲得抽選などの所定の抽選における当選確率を異ならせることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。遊技店の店員などは、設定変更を行うことで、この設定値を変更することができる。なお、設定変更が行われた際には、天井ゲーム数に到達するまでの消化ゲーム数の初期値を決定するなどの抽選は何ら行われない。
【0058】
このように、有利区間から通常区間に状態が移行する条件には、遊技の進行に基づき成立するリミッタ条件や任意の終了条件と、設定変更が行われるという条件とが含まれる。
【0059】
[入賞役]
図4~
図7は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時の付与について説明するための図である。
図4~
図7の名称欄には、入賞役の名称が示され、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せが示されている。また、付与欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出枚数、再遊技付与など)が示されている。
【0060】
図4に示すように、再遊技役としては、リプ1~リプ6が設けられている。
図5に示すように、特別役としては、BBが設けられている。
図5~
図7に示すように、小役としては、プラム1~6、スイカ、および1枚役1~33が設けられている。プラム1~6は、押し順役当選時に入賞し得る主役であり、入賞時には、賭数に用いられるメダルの枚数(3枚)よりも多い9枚のメダルが払い出される。プラム1~6をまとめて「プラム役」とも称する。1枚役1~33は、押し順役当選時に入賞し得る副役であり、入賞時には、賭数に用いられるメダルの枚数(3枚)よりも少ない1枚のメダルが払い出される。1枚役1~33をまとめて「1枚役」とも称する。
【0061】
図6に示すように、1枚役22の入賞が発生する図柄組合せのうち、「キャラ-キャラ-黒7」がリール2L,2C,2Rにおいて導出すると、キャラ図柄が3つ並んでリール上に配置される。具体的には、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、および右リール2Rの上段のそれぞれにおいてキャラ図柄が導出することで、右上がりにキャラ図柄が並んで配置される。なお、キャラ図柄が並んで配置されることを「キャラ揃い」とも称する。
【0062】
図7に示すように、1枚役23の入賞が発生する図柄組合せのうち、「キャラ-キャラ-プラム」または「キャラ-プラム-プラム」がリール2L,2C,2Rにおいて導出すると、7図柄が3つ並んでリール上に配置される。具体的には、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、および右リール2Rの上段のそれぞれにおいて7図柄が導出することで、上段に7図柄が並んで配置される。なお、7図柄が並んで配置されることを「7揃い」とも称する。
【0063】
[抽選対象役]
図8は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される入賞役の組合せについて説明するための図である。
図9は、フラグカテゴリごとに整列された抽選対象役を示す図である。
図8および
図9の役番号欄には、抽選対象役ごとに定められた役番号が示され、フラグカテゴリ欄には、抽選対象役の種類ごとに割り当てられたフラグカテゴリが示され、抽選対象役欄には、その名称が示され、遊技状態欄には、遊技状態ごとに丸印でその抽選対象役が抽選対象であることが示され、有利区間当選欄には、有利区間当選の有無が示されている。また、
図8における入賞役の組合せ欄には、各抽選対象役に含まれる入賞役の組合せが示されている。
【0064】
図8に示すように、特別役の抽選対象役としては、BBが設けられている。再遊技役の抽選対象役としては、通常リプ、7揃いリプ、7不揃いリプ、キャラ揃いリプ、およびキャラ不揃いリプが設けられている。小役の抽選対象役としては、共通プラム、213択役A~D、231択役A~D、312択役A~D、321択役A~D、スイカ、7揃い1枚1,2、キャラ揃い1枚、弱チェリー、強チェリー、およびチャンス目A,Bが設けられている。BB中における小役としては、BB中小役およびBB中1枚が設けられている。なお、213択役A~D、231択役A~D、312択役A~D、および321択役A~Dは、当選したときにナビが実行され得る役であるため、押し順役の一種である。213択役A~D、231択役A~D、312択役A~D、および321択役A~Dをまとめて、「押し順ベル」とも称する。また、7揃い1枚1,2をまとめて「7揃い1枚」とも称する。
【0065】
非内部中においては、BB中小役およびBB中1枚を除く役が当選可能であるが、内部中においては、既にBBの当選が持ち越されているため、BB、BB中小役、およびBB中1枚が当選不可能になっている。
【0066】
フラグカテゴリは、非内部中、内部中、およびBBのいずれにおいても共通するフラグカテゴリが各役に割り当てられている。また、役番号は、抽選対象役ごとに定められているのに対して、フラグカテゴリは、抽選対象役の種類ごとに割り当てられている。このため、フラグカテゴリの数は、役番号の数よりも少ない。また、有利区間通常におけるポイント獲得抽選、有利区間における特典抽選(以下、これらをまとめて「AT制御に関わる抽選」とも称する)は、いずれもフラグカテゴリに基づいて行われる。このため、役番号に基づいてこれらのAT状態の制御に関わる抽選を行うよりも、処理負担を軽減することができる。
【0067】
本実施の形態においては、ハズレやBBに対してもフラグカテゴリが割り当てられており、BBについては、通常リプなどの他の役と同じFC1が割り当てられている。また、共通プラムは、スイカと同じFC4が割り当てられている。
【0068】
[押し順役のリール制御]
図10は、押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。前述したように、本実施の形態においては、有利区間において押し順役が当選したゲームでは、ナビが実行され、正解手順が遊技者に報知される。遊技者は、ナビに従って正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、遊技者にとって有利な入賞役(主役)を入賞させることができる。
【0069】
たとえば、
図10に示すように、213択役A~D、231択役A~D、312択役A~D、および321択役A~Dのいずれかに当選したゲームでは、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに主役であるプラム役が入賞する一方、不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに副役である1枚役が入賞する。なお、不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに副役である1枚役の入賞を取りこぼし場合、何らの入賞も発生しないものであってもよい。
【0070】
図10に示すように、「通常手順」は、「正解手順」として設定されない一方で、「変則手順」は、「正解手順」として設定され得る。すなわち、遊技者は、213択役A~D、231択役A~D、312択役A~D、および321択役A~Dのいずれかに当選したゲームにおいて、ストップスイッチ8L,8C,8Rを通常手順で操作する限り、主役であるプラム役を入賞させることはできないようになっている。このことは、ストップスイッチ8L,8C,8Rを変則手順で操作することを遊技者に誘発させる要因ともなり得るが、後述するように、本実施の形態においてはナビが実行されないゲームにおいて変則手順で操作すると、遊技者にとって不利なペナルティが遊技者に課せられる。したがって、遊技者は、ナビが実行されないゲームにおいて、ストップスイッチ8L,8C,8Rを通常手順で操作することを促されるようになっている。
【0071】
図11は、スタートスイッチ7が操作されたときにメイン制御部41がサブ制御部91に対して送信する遊技開始時コマンドを示す図である。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作(スタート操作)されたときに、内部抽選処理を実行し、当該内部抽選処理の結果に応じて、予め定められた情報を含むコマンド群をサブ制御部91に送信する。以下では、
図11に示すNo.1からNo.13のコマンド群を、単に「遊技開始時コマンド」と称する。メイン制御部41は、遊技開始時コマンドとして各コマンドをNo.1からNo.13の順番で送信する。各コマンドには、No.と同様の番号で「設定通番」として通番が定められている。各コマンドは、メイン制御部41が管理する各種情報を格納する。
【0072】
たとえば、No.2のコマンド「指示番号」には、ナビに関する情報が格納される。すなわち、No.2のコマンドは、スタートスイッチ7が操作された遊技における押し順を特定可能な情報を格納する。具体的には、コマンド「指示番号」には、ストップスイッチ8L,ストップスイッチ8C,ストップスイッチ8Rを押す順番を示す情報が格納される。サブ制御部91は、No.2のコマンド「指示番号」を受け付けたときに、当該コマンド「指示番号」から特定可能な操作手順に基づいて、液晶表示器51に、ナビ演出を実行する。なお、サブ制御部91は、コマンド「指示番号」から特定可能な操作手順に基づいて、スピーカ53から当該操作手順を遊技者に報知する音を出力させる。
【0073】
たとえば、No.3のコマンド「小役種別」には、内部抽選によって当選した役が、小役であるのか、再遊技役であるのか、特別役であるのかを特定可能な情報が格納される。また、No.6のコマンド「区間状態」には、スタートスイッチ7が操作されたゲームが
図3に示す内部中の状態のいずれの状態であるかを特定可能な情報が格納される。具体的には、No.6コマンド「区間状態」には、現在制御中の状態が通常区間であるのか、有利区間であるのか、さらには、有利区間のうち、有利区間通常であるのか、第1状態の第1区間であるのか、第1状態の第2区間であるのか、第2状態であるのか、エンディング状態であるのかを示す情報が格納される。サブ制御部91は、No.6のコマンド「区間状態」を受け付けたことに基づいて、スタートスイッチ7が操作されたゲームがいずれの区間状態であるかを特定することができる。また、No.4のコマンド「出玉状態」においても、スタートスイッチ7が操作されたゲームの遊技状態を特定可能な情報が格納され得る。No.9のコマンド「ART前兆G数」には、AT連続演出のゲーム数が格納される。遊技開始時コマンドにおけるNo.10のコマンド「ポイント」には、前のゲームにおいて獲得したポイント数が格納される。また、No.11のコマンド「当選番号」には、内部抽選によって当選した役の役番号を特定可能な情報が格納される。
【0074】
また、メイン制御部41は、遊技開始時コマンドを送信する場合、No.12のコマンド「メダル投入」にメダルがBETされたことを示す情報を格納する。No.12のコマンド「メダル投入」にメダルがBETされたことを示す情報が格納されている場合、サブ制御部91は、遊技開始時コマンドを受信していることを判定できる。
【0075】
図12は、第3停止時にメイン制御部41がサブ制御部91に送信する遊技終了時コマンドを示すである。メイン制御部41は、スタートスイッチが操作されたときのみならず、ストップスイッチの第3停止時においても、No.1からNo.13までのコマンド群を、No.1からNo.13の順にサブ制御部91に送信する。以下では、
図12に示すNo.1からNo.13のコマンド群を、単に「遊技終了時コマンド」と称する。なお、第3停止時に送信される各コマンドにおいて、No.11については、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるNo.11のコマンドと異なる。No.11は、入賞に関する情報を格納するコマンドである。すなわち、第3停止時において、メイン制御部41は、当選番号に関する情報ではなく、入賞に関する情報を送信する。
【0076】
遊技終了時コマンドにおけるNo.10のコマンド「ポイント」には、後述する第3停止時におけるポイント獲得抽選処理において獲得したポイント数が格納される。また、メイン制御部41は、遊技終了時コマンドを送信する場合、No.13のコマンド「回胴停止」にリールが停止していることを示す情報を格納する。No.13のコマンド「回胴停止」にリールが停止していることを示す情報が格納されている場合、サブ制御部91は、遊技終了時コマンドを受信していることを判定できる。すなわち、サブ制御部91は、No.12のコマンド「メダル投入」およびNo.13のコマンド「回胴停止」に基づいて、受信したコマンド群が遊技開始時コマンドであるのか、遊技終了時コマンドであるのかを判定する。メイン制御部41は、遊技開始時コマンドを送信する場合は、No.13のコマンド「回胴停止」を送信せず、遊技終了時コマンドを送信する場合は、No.12のコマンド「メダル投入」を送信しなくてもよい。
【0077】
[メイン処理について]
メイン制御部41が行うメイン処理の制御内容について、
図13に基づいて説明する。
図13は、メイン制御部41が行うメイン処理の制御内容を示すフローチャートである。尚、メイン処理は、一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期がゲームの一単位に相当している。
【0078】
図13に示すように、メイン制御部41は、まず、遊技開始待ち処理(S1)を行って、前の1ゲームの制御の終了後から次の1ゲームを開始させるまでの処理を行う。遊技開始待ち処理では、メダルの投入等に応じて賭数を設定する処理を行い、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7の操作が検出されることで、次の1ゲームを開始させる処理を行う。
【0079】
次いで、ゲームが開始すると、入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(S2)を行う。内部抽選処理では、スロットマシン1において予め設定された設定値(1~6)やスタートスイッチ7の検出によるゲームの開始と同時に取得された内部抽選用の乱数値に基づいて、入賞の発生を許容するか否か(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)を決定する内部抽選を行う。そして、内部抽選での当選結果が特定可能となるように当選した役に対応する当選番号(一般役)をRAM41cの当選番号設定領域に記憶させる。また、特別役が当選した場合には、当選した特別役に対応する当選番号(特別役)をRAM41cの当選番号設定領域に記憶させる。
【0080】
次いで、当選番号(一般役)を有利区間移行用フラグに変換する有利区間移行用フラグ生成処理(S3)、当選番号(一般役)を抽選用フラグに変換する抽選用フラグ生成処理(S4)を行う。有利区間移行用フラグ生成処理では、有利区間移行用フラグ変換テーブルを用いて当選番号(一般役)に対応する有利区間移行用フラグの値を取得し、RAM41cの所定領域に記憶させる。また、抽選用フラグ生成処理では、抽選用フラグ変換テーブルを用いて当選番号(一般役)に対応する抽選用フラグ1~3の値を取得し、RAM41cの所定領域にそれぞれ記憶させる。
【0081】
次いで、遊技を開始したタイミングにおいて有利区間に関連する処理、ナビ報知に関連する処理およびAT状態に関連する処理を行う遊技開始時出玉制御処理(S5)を行う。有利区間に関連する処理では、通常区間において有利区間移行役が当選した場合に有利区間に移行させる処理を行い、ナビ報知に関連する処理では、ナビ番号を設定する処理、有利区間状態の管理に関連する処理を行い、AT状態に関連する処理では、有利区間通常において当選役に応じてAT状態に移行させる処理を行う。ナビ番号を設定する処理では、ナビ報知の対象となる役が当選し、ナビ報知を行う場合には、報知する操作態様に応じて「1」~「13」のナビ番号をRAM41cのナビ番号設定領域に設定し、ナビ報知の対象となる役が当選し、ナビ報知を行わない場合、ナビ報知の対象とならない役が当選した場合には、「0」をRAM41cのナビ番号設定領域に設定する。
【0082】
次いで、割込禁止に設定し(S6)、操作信号設定処理を行う(S7)。操作信号設定処理では、推奨する停止操作態様を特定可能な操作信号を試験装置に対して送信するための処理を行う。
【0083】
次いで、操作信号設定処理の後、割込許可に設定し(S8)、
図11に示す遊技開始時コマンド送信処理(S9)を行って、1ゲームが開始された旨を特定可能であり、1ゲームの開始時点における各種の制御状態を特定可能な複数のコマンドを含む制御状態コマンド群をコマンドキューに設定して、サブ制御部91に対して順次送信させる。
【0084】
次いで、遊技開始時コマンド送信処理の後、所定期間にわたり遊技の進行を遅延させるフリーズ状態に関する制御を行うフリーズ処理(S10)を行う。フリーズ処理では、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されるときにフリーズ状態に制御する旨が決定されているか否かを判定し、フリーズ状態に制御する旨が決定されていると判定した場合には、遊技の進行を所定期間にわたり遅延させる。また、フリーズ状態においてリールを変動させるリール演出を行う場合には、リール演出の種類に応じた変動態様でリールを変動させる処理を行う。
【0085】
次いで、フリーズ処理が終了した後、割込禁止に設定し(S11)、予め定められたリールの回転開始時の設定を行う遊技開始時設定処理(S12)を行う。遊技開始時設定処理では、遊技の開始に伴うリールの回転開始処理を行い、定速回転に向けてリールの回転を開始させる。
【0086】
次いで、遊技開始時設定処理の後、割込許可に設定し(S13)、所定の出力ポートから呼出ランプやホールコンピュータ、試験装置等の外部機器に対して回転開始時の外部出力信号(ゲームに使用されたメダル数を示すメダルIN信号等)を出力する回転開始時外部信号処理(S14)を行う。
【0087】
次いで、回転開始時外部信号処理の後、リールの停止制御を行うリール停止処理(S15)を行う。リール停止処理では、ナビ報知を行う場合には、遊技補助表示器12に、ナビ番号設定領域に設定されたナビ番号を表示させることで操作態様を報知させる。また、回転中の全てのリールが定速回転で回転されている場合には、回転中のリールの停止操作の受付を有効化し、遊技者によるリールの停止操作が行われるまで待機する。そして、停止操作が有効化されているリールについて有効な停止操作が検出されることで、有効な停止操作が行われたリールについてリールを停止させるリール停止制御を行う。このようなリール停止制御を、回転中のリールについて繰り返し行って、全てのリールの回転を停止させることで、リール停止処理を終了させる。
【0088】
次いで、リール停止処理の後、入賞検索処理(S16)を行う。入賞検索処理では、リール2L、2C、2Rに停止している図柄組合せに基づいて入賞図柄組合せを検索し、入賞の有無を示す入賞フラグや当該入賞に伴って付与されるメダルの払出枚数をRAM41cの所定領域に設定する。
【0089】
次いで、割込禁止に設定し(S17)、遊技機情報表示器50に表示される遊技機情報を算出する際に用いられる遊技履歴を計算する遊技機情報計算処理(S18)を行う。
【0090】
次いで、遊技機情報計算処理の後、割込許可に設定し(S19)、特別遊技状態終了チェック処理(S20)を行う。特別遊技状態終了チェック処理では、特別遊技状態に制御されている場合に、終了条件が成立したか否かを判定する。次いで、遊技状態設定処理(S21)を行う。遊技状態設定処理では、入賞検索処理により設定された入賞データや特別遊技状態終了チェック処理の結果に基づいて、次ゲームの遊技状態を設定する。
【0091】
次いで、遊技を終了したタイミングにおいて有利区間に関連する処理、ナビ報知に関連する処理を行い、所定の条件に基づいてポイント獲得抽選処理、ライフ獲得抽選処理、一撃勝利抽選処理を行う遊技終了時出玉制御処理(S22)を行う。有利区間に関連する処理では、有利区間において有利区間の終了条件が成立しているか否かを判定し、有利区間の終了条件が成立した場合に有利区間終了フラグを設定する処理を行い、ナビ報知に関連する処理では、有利区間状態の管理に関連する処理を行う。ポイント獲得抽選処理、ライフ獲得抽選処理、一撃勝利抽選処理については、後述で詳細に説明する。
【0092】
次いで、
図12に示す遊技終了時コマンド送信処理(S23)を行って、1ゲームの終了時点における各種の制御状態を特定可能な複数のコマンドを含む制御状態コマンド群をコマンドキューに設定して、サブ制御部91に対して順次送信させる。
【0093】
次いで、遊技終了時コマンド送信処理の後、入賞検索処理(S16)によりRAM41cの所定領域に設定した払出枚数に基づいて、当該ゲームの結果として発生した入賞に応じた枚数のメダルを付与する払出処理を行う(S24)。払出処理では、発生した入賞に応じて、入賞毎に予め定められた所定枚数のメダルを遊技者に対して付与して、付与するメダル枚数分をクレジットに加算し、クレジットが上限数(本実施例では、50)に達した場合には、クレジットに加算されなかった分のメダルをメダル払出口9から払い出す。
【0094】
次いで、払出処理の後、所定の出力ポートから呼出ランプやホールコンピュータ、試験装置等の外部機器に対して遊技終了時の外部出力信号(付与されたメダル数を示すメダルOUT信号等)を出力する遊技終了時外部信号処理(S25)を行う。
【0095】
次いで、遊技終了時設定処理を行う(S26)。遊技終了時設定処理では、再遊技役の図柄組合せがリール2L、2C、2Rに停止しているか否かを判定し、再遊技役の図柄組合せが停止している場合には、次ゲームにおいて再遊技を行うための賭数を設定する処理や、再遊技中フラグをRAM41cの所定領域に設定する処理、リプレイ中LED20をON状態(点灯状態)に制御する処理等を行う。
【0096】
次いで、有利区間終了処理を行う(S27)。有利区間終了処理では、有利区間を終了させる旨を示す有利区間終了フラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かを判定し、有利区間終了フラグが設定されていると判定した場合には、RAM41cの記憶領域のうち有利区間の制御に関連するデータが記憶されている有利区間関連領域を初期化して有利区間を終了させる有利区間データ初期化処理を行う。有利区間データ初期化処理では、有利区間中を示す有利区間中フラグ、ナビ番号設定領域に設定されたナビ番号が初期化されるとともに、有利区間中である旨を試験装置等の外部機器に対して出力させるための有利区間中信号バッファがOFFとなる。
【0097】
次いで、有利区間終了処理の後、有利区間中信号制御処理(S28)を行う。有利区間中信号制御処理では、RAM41cに有利区間中フラグが設定されている場合に、RAM41cの有利区間中信号バッファをONとする制御を行う。
【0098】
次いで、有利区間中信号制御処理の後、有利区間報知終了処理(S29)を行う。有利区間報知終了処理では、RAM41cの有利区間中信号バッファがOFFか否かを判定し、有利区間中信号バッファがOFFであると判定した場合に、区間表示LED19を消灯状態に制御する。
【0099】
次いで、有利区間報知終了処理の後、遊技終了時初期化設定処理(S30)を行う。遊技終了時初期化設定処理では、Sa32の初期化処理において、当該ゲームにおいて初期化するRAM41cの領域を設定する。特別遊技状態の終了時以外では、毎ゲーム終了時に初期化される領域のサイズを設定し、特別遊技状態の終了時では、特別遊技状態終了時に初期化される領域のサイズを設定する。
【0100】
次いで、割込禁止に設定し(S31)、初期化処理(S32)を行う。初期化処理では、RAM41cに割り当てられた遊技RAM領域の初期化終了アドレスから、遊技終了時初期化設定処理において設定したサイズ分の領域を初期化することで、特別遊技状態の終了時以外であれば、毎ゲーム終了時に初期化される領域が初期化され、特別遊技状態の終了時であれば、特別遊技状態の終了時に初期化される領域が初期化される。そして、初期化処理の後、割込許可に設定し(S33)、Sa1の処理に戻る。
【0101】
その後、S1~S33の処理を繰り返し行う。メイン処理が一巡することで、一単位のゲームの制御に関する処理が終了することとなり、一単位のゲーム毎にメイン処理が繰り返し実行されることとなる。
【0102】
[ポイントマップ]
図14を参照しながら、有利区間通常において用いられるポイントマップの一例について説明する。
図14は、ポイントマップの一例を説明するための図である。
図14(a)に示すように、液晶表示器51における表示領域には、背景画像などの遊技に関する演出画像が表示される演出領域510と、ポイントマップが表示されるマップ領域520とが含まれる。演出領域510は、液晶表示器51の画面上の中央付近に位置するとともに、当該表示領域の大部分を占める表示領域である。マップ領域520は、液晶表示器51の画面上端(本実施の形態では、画面の下部および右端)に位置するとともに、演出領域510よりも小さい表示領域である。
【0103】
マップ領域520のポイントマップにおいては、遊技に基づき蓄積されるポイントの更新値を表示する更新画像520aと、蓄積されたポイントの目標となる到達ポイントを装飾する到達アイコン画像520c,520d,520eと、最終ポイントを装飾する最終アイコン画像520fと、蓄積されたポイントに対応して到達ポイントに向かって移動するキャラクタ(以下、「移動キャラクタ」とも称する)からなる移動画像520bとが一体的に表示される。本実施の形態においては、到達ポイントして、100p、300p、および600pといった複数のポイントが設定されており、最終ポイントとして1000pが設定されている。なお、更新画像520aにおいては到達ポイントが表示されないため、遊技者は、更新画像520aにおける更新値とともに、到達アイコン画像によって装飾された到達ポイントに対しても注目するようになる。
【0104】
有利区間通常においては、ポイント獲得抽選によってポイントが付与されると、付与されたポイント分だけ更新値が更新されて、更新後のポイントに対応する数字が更新画像520aに反映される。ポイント獲得抽選は、
図17(a)を用いて後述で説明するテーブルに基づいて、メイン制御部41が実行する。さらに、更新値に応じた位置まで移動キャラクタが移動することで、目標となる到達ポイントに近づく。移動キャラクタが移動する間においては、常に到達ポイントの数字および到達アイコンが表示されるため、遊技者は、移動キャラクタと、移動キャラクタの目標位置との間の距離によって、到達ポイントに達するまでのポイント数を認識し易い。移動キャラクタが到達ポイントに到達すると、AT抽選が行われ、抽選に基づき第1状態へ移行(AT当選)され得る。
【0105】
図14(b)に示すように、現在の更新値が50pである場合、移動キャラクタは、マップ520m上の50pの位置で停止している。
図14(c)に示すように、その後、10p加算されると、更新値が60pに更新されるとともに、60pの位置まで移動キャラクタがマップ520m上を移動する。
図14(d)に示すように、その後、さらに50p加算されると、更新値が110pに更新されるとともに、110pの位置まで移動キャラクタがマップ520m上を移動する。この場合、移動キャラクタが100pの位置まで到達したため、AT抽選が行われる。
【0106】
[ポイント更新の演出]
図15は、ポイント更新演出の一例を説明するための図である。ポイント更新演出とはポイント獲得抽選によって付与されたポイント数を遊技者に示すための演出である。
図15に示されるように、液晶表示器51の中央付近に、付与されたポイント数を示す文字画像PIが表示されている。このようなポイント更新演出は、ポイント獲得抽選が行われたゲームの次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が押下されたタイミングで実行される。すなわち、サブ制御部91は、ポイントカウンタの値が更新されたことを示唆する更新演出を、ポイント獲得抽選が行われた遊技の次の遊技が開始されたときに実行する。
【0107】
図16は、ポイント獲得抽選処理の一例を示す図である。
図16では、メイン制御部41が実行するポイント獲得抽選処理を、フローチャートを用いて説明する。ポイント獲得抽選処理は、
図3に示される有利区間通常中に実行される。
図13に示す遊技終了時出玉制御処理内(S22)で、メイン制御部41は、ポイント獲得抽選処理を実行し得る。メイン制御部41は、リール停止処理(S15)内において第1停止操作としてストップスイッチ8L(左ストップスイッチ)が操作されたか否かを判断する(ステップSa1)。すなわち、ストップスイッチ8Lが押下される通常操作であったか否かを判断する。メイン制御部41は、変則手順で操作された場合(ステップSa1でNO)、ペナルティ設定をする(ステップSa2)。有利区間通常におけるペナルティ設定とは、次のゲームでは、特典抽選処理の抽選確率を変更する処理などである。たとえば、メイン制御部41は、次のゲームで実行される
図17に示すポイント獲得抽選処理におけるポイント獲得確率を、ペナルティ設定がされない場合のポイント獲得確率よりも低くするように設定する。これにより、次のゲームのみポイントが付与される確率が下がるため、遊技者にとって不利な制御となる。このように、ペナルティ設定では、遊技者にとって不利な制御がされる設定を行ってもよいが、何らの設定を行わなくてもよい。すなわち、ステップSa3に示すポイント獲得抽選処理自体が実行されないことが、当該ゲームにおけるペナルティとなるためである。
【0108】
第1停止操作としてストップスイッチ8L(左ストップスイッチ)が操作されていた場合(ステップSa1でYES)、メイン制御部41は、
図17に示すテーブルに示されるポイント獲得抽選処理を実行する(ステップSa3)。
図17は、特典抽選処理のテーブルを示す図である。
図17(a)に示されるように、メイン制御部41は、フラグカテゴリに基づいて、ポイント獲得抽選処理を実行する。
図17(a)には、フラグカテゴリごとに、ポイント数として0ポイント、1ポイント、10ポイント、50ポイント、100ポイントの各々がいずれの割合で付与されるのかが示されている。
図17(a)に示されるように、フラグカテゴリFC4が当選した場合、ポイント獲得抽選によって獲得するポイントの期待値は、10ポイント×(179/256)+50ポイント×(64/256)+100ポイント×(13/256)として導かれるため、約25ポイントとなる。また、フラグカテゴリFC6が当選した場合、ポイント獲得抽選によって獲得するポイントの期待値は、50ポイント×(51/256)+100ポイント×(205/256)として導かれるため、約90ポイントとなる。
【0109】
また、
図17(b)に示されるように、メイン制御部41は、到達ポイントに基づいて、AT抽選処理を実行する。
図17(b)には、到達ポイントごとに、ATの当選がいずれの割合で付与されるのかが示されている。すなわち、変則手順で操作された場合(ステップSa1でNO)、メイン制御部41は、ポイント獲得抽選処理を実行することなく、
図13に示す遊技終了時出玉制御処理を終了する。すなわち、メイン制御部41は、変則手順で操作されたときはポイントカウンタの値を更新しない。
【0110】
たとえば、
図13に示すメイン処理のステップS2における内部抽選処理で当選した役のフラグカテゴリがFC0である場合、125/256の確率でポイントが付与されず、76/256の確率で1ポイントが付与され、51/256の確率で10ポイントが付与され、3/256の確率で50ポイントが付与される。また、ステップSa1における内部抽選処理で当選した役のフラグカテゴリがFC7である場合、51/256の確率で50ポイントが付与され、204/256の確率で100ポイントが付与されるが、付与されるポイントが0ポイントに決定されることはない。
図16に戻り、メイン制御部41は、ステップSa4のポイント獲得抽選処理において、ポイントが獲得されたか否かを判断する(ステップSa4)。メイン制御部41は、ポイントが獲得されたと判断する場合(ステップSa4でYES)、ポイント付与処理を実行する(ステップSa5)。ポイント付与処理とは、メイン制御部41がRAM41cに記憶されているポイントを更新し、
図12で説明した第3停止時にサブ制御部91へ送信する遊技終了時コマンドにおけるコマンド「ポイント」に、獲得したポイント数を格納する処理である。
【0111】
メイン制御部41は、ポイント付与処理を実行(ステップSa5)した後に、本処理を終了する。また、メイン制御部41は、ポイントが獲得されなかった場合(ステップSa4でNO)、ポイント付与処理を実行することなく本処理を終了する。
【0112】
このように、本実施の形態では、メイン制御部41は、通常操作がされたときのみポイント獲得抽選処理を実行する。換言すれば、変則操作がされたとき、メイン制御部41は、ポイント獲得抽選処理を実行しない。つまり、変則操作がされたときに、ポイント獲得抽選処理が実行されないことが遊技者に対するペナルティとなる。これにより、ストップスイッチが通常操作で操作されたときは、第1状態に制御するためのポイントの値が更新される一方で、変則手順で操作されたときは、ポイントの値が更新されないというペナルティを与えることができるため、遊技者に対して、通常操作で操作するように促すことができる。また、内部抽選処理の結果にかかわらず、変則手順で操作されたときはペナルティを与えられるので通常操作するように遊技者を促すことができる。
【0113】
図18は、通常操作に基づいてポイント更新演出が実行される例を示す図である。
図18では、タイミングt1~t7において、(a)遊技者の操作と、(b)メイン制御部41の処理と、(c)サブ制御部91の処理との関係を示す。
図18に示されるように、タイミングt1において、遊技者は、スタートスイッチ7を操作する。スタートスイッチ7が操作されたことに基づき、メイン制御部41は、内部抽選処理を実行する。スタートスイッチ7が操作された後に、タイミングt2において、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作される。すなわち、通常操作がされる。メイン制御部41は、タイミングt2において第1停止操作として操作されたストップスイッチがストップスイッチ8Lであることを検出する。メイン制御部41は、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作されたことをサブ制御部91へ送信する。タイミングt3において、第2停止操作としてストップスイッチ8Lが操作される。メイン制御部41は、タイミングt3において第2停止操作として操作されたストップスイッチがストップスイッチ8Cであることを検出する。メイン制御部41は、第2停止操作としてストップスイッチ8Cが操作されたことをサブ制御部91へ送信する。タイミングt4において、第3停止操作としてストップスイッチ8Lが操作される。メイン制御部41は、タイミングt4において第3停止操作として操作されたストップスイッチがストップスイッチ8Rであることを検出する。メイン制御部41は、第3停止操作としてストップスイッチ8Rが操作されたことをサブ制御部91へ送信する。通常操作がされた上で第3停止操作がされたことに基づいて、メイン制御部41は、ポイント獲得抽選処理を実行する。
図18の例では、当該ポイント獲得抽選処理において、獲得されたポイントは、1ポイント以上である。メイン制御部41は、ポイント獲得抽選処理を実行した後、タイミングt5において、ポイント付与処理を実行する。
【0114】
タイミングt5において、ポイント付与処理がされるとともに、メイン制御部41は、
図12に示される遊技終了時コマンドをサブ制御部91に送信する。すなわち、タイミングt4のポイント獲得抽選処理において、獲得したポイント数(以下では、単に獲得ポイントと称する場合がある。)を特定可能なコマンド「ポイント」をサブ制御部91へ送信する。ここで、サブ制御部91は、タイミングt5においては、獲得ポイントを液晶表示器51に表示するといったような、
図15に示すポイント更新演出を実行せず、待機する。入賞判定処理後、タイミングt6において、メイン制御部41は、入賞が発生したことに基づいて付与されたメダル数を、ED移行枚数および有利区間枚数として計数する。
【0115】
さらに、タイミングt6において、メイン制御部41は、入賞によって付与されるメダル数を役比モニタ(図示せず)に表示するためのデータとして計数する。役比モニタは、通常、スロットマシンの性能を示す数値(以下、「役比情報」とも称する)を表示する。スロットマシンの性能を示す数値は、たとえば、総累計払出枚数に対する指示込役物払出比率、過去6000ゲーム間の連続役物払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、総累計払出枚数に対する連続役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物払出比率、総累計払出枚数に対する役物等状態比率である。メイン制御部41は、役比情報を役比モニタに表示するために、入賞によって付与されるメダル数をRAM41cに記憶する。そのため、メイン制御部41は、RAM41cに役比情報として記憶されているデータに対して、タイミングt5の入賞判定処理によって付与されたメダル数を加算する。すなわち、メイン制御部41は、役比情報を更新する。これにより、タイミングt1で開始されたゲームが終了する。
【0116】
タイミングt7において、再度、スタートスイッチ7が押下される。すなわち、新たな次のゲームが開始される。ここで、サブ制御部91は、タイミングt5において受信した獲得ポイントのポイント更新演出を実行する。すなわち、サブ制御部91は、ポイント更新演出が実行されるゲームの前のゲームにおいてポイントカウンタの値が更新されたことをポイント更新演出によって示唆する。
【0117】
図19は、変則操作に基づいてポイント更新演出が実行されない例を示す図である。
図19の例では、
図18と比較して、タイミングt2において、第1停止操作として、ストップスイッチ8Lが操作されていない点が異なる。すなわち、
図19では、タイミングt2において変則操作がされた例が示されている。メイン制御部41は、タイミングt2において第1停止操作として操作されたストップスイッチがストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cであることを検出する。メイン制御部41は、第1停止操作としてストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cが操作されたことをサブ制御部91へ送信する。サブ制御部91は、第1停止操作としてストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cが操作されたことを受信したことに基づいて、中止演出を実行する。中止演出とは、通常操作ではない変則操作がされたことにより、ポイント獲得抽選処理が実行されなかったことを示す演出であって、当選役を示唆する画像を表示する演出を中止する演出などである。本実施の形態のスロットマシン1では、サブ制御部91によって実行される、液晶表示器51の表示を暗転させる演出が中止演出に該当する。中止演出は、暗転させる演出のみならず、「左ストップスイッチから押してください」などの文字画像を表示する演出であってもよい。もしくは、実行中のポイント示唆演出の実行を終了し、ポイント示唆演出が実行される前の通常の画像に戻す演出であってもよい。
【0118】
また、変則操作がされているため、メイン制御部41は、タイミングt4において、ポイント獲得抽選処理を実行せず、タイミングt5においてポイント付与処理を実行しない。そのため、サブ制御部91は、獲得ポイントを受信せず、次のゲームの開始時であるタイミングt7において、ポイント更新演出を実行しない。一方で、変則操作がされている場合であっても、タイミングt5において、メイン制御部41は、ED移行枚数、有利区間枚数、役比情報を更新する。
【0119】
図18および
図19を用いて説明したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、所定のゲームにおいて通常操作がされたときであってポイントを獲得した場合のみ、次のゲームのスタートスイッチ7が操作されたときに、ポイント更新演出が実行される。これにより、前のゲームにおいてポイントカウンタが更新されたことを、次のゲームの開始時にポイント更新演出によって遊技者に示唆することができるとともに、前のゲームにおいて変則操作された場合にはポイントカウンタが更新されず、かつ、次のゲームにおいてもポイント更新演出が実行されないため、ポイントカウンタの更新有無と、ポイント更新演出の実行有無とで、整合をとることができる。
【0120】
さらに、
図19に示されるように、変則操作された場合であっても、メイン制御部41は、入賞判定処理の後、タイミングt6において、役比情報とリミッタとを更新する処理を実行する。すなわち、メイン制御部41は、通常操作および変則操作のいずれかで操作されても、入賞が発生したことに基づいてメダルが付与されたときは、メダルを計数する。
【0121】
これにより、通常操作した場合に限らず、変則操作した場合であっても、メダル数の累積は計数されるため、ストップスイッチ8L,8C,8Rの手順に応じて有利か否かを区別することを防止し、変則操作されることによって過度に有利となることを防止することができる。また、通常操作した場合に限らず、変則操作した場合であっても、メダル数の累積は計数され、その累積結果が表示されるため、スロットマシン1におけるメダル数の払出履歴を役比情報として適切に外部に見せることができる。
【0122】
[ポイント示唆演出]
図20は、強チェリー当選時のポイント示唆演出の一例を説明する図である。ポイント示唆演出とは、特定の役に当選したときに行われる演出であり、遊技者に対して当選役を示唆することにより付与されるポイントを予想させる演出である。ポイント示唆演出は、有利区間通常において実行される。
【0123】
図20(a)に示すように、スタート操作が行われると、液晶表示器51において、チェリーを示す画像と「?」を示す画像が表示されるポイント示唆演出が実行される。遊技者は、チェリーを示す画像が表示されているため、チェリーを入賞するように操作を促される。さらに、遊技者は、強チェリーのフラグカテゴリはFC6であるため、
図17に示されるように、チェリーが入賞した場合、50ポイント以上のポイントが付与されることを期待する。すなわち、ポイント示唆演出は、多くのポイント付与が成立したことを示唆する演出であり、スタートスイッチ7が操作されたことに基づいて実行される演出である。
【0124】
図20では、ポイント示唆演出がされた後に、通常操作がされた場合と変則操作がされた場合とを説明する。
図20(b1),(c1),(d1)は、通常操作がされた場合を説明する図である。
図20(b2),(c2),(d2),(b3),(c3),(d3)は、変則操作がされた場合を説明する図である。
図20(b1)では、ストップスイッチ8Lが第1停止操作として操作される。すなわち、
図20(b1)では、通常操作がされている。このとき、ポイント示唆演出として表示されているチェリーおよび「?」を示す画像は表示されたままである。その後、
図20(c1)では、ストップスイッチ8Cが第2停止操作として操作される。ポイント示唆演出として表示されているチェリーおよび「?」を示す画像は表示されたままである。最後に、
図20(d1)で、ストップスイッチ8Rが第3停止操作として操作される。これにより、リール上において強チェリーが入賞し、液晶表示器51では、強チェリーが入賞したことを示す画像が表示される。次のゲームのスタートスイッチ7が操作されたとき、当該強チェリーが入賞したことによって付与されたポイントがポイント更新演出として表示される。
【0125】
図20(b2)および(b3)では、ストップスイッチ8Lが第1停止操作として操作されず、変則操作がされる。これにより、メイン制御部41は、第1停止操作として操作されたストップスイッチがストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cであることを検出する。メイン制御部41は、第1停止操作としてストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cが操作されたことをサブ制御部91へ送信する。サブ制御部91は、第1停止操作としてストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cが操作されたことを受信したことに基づいて、
図20(b2)および(b3)に示されるように、液晶表示器51を暗転させる中止演出を実行する。また、ポイント示唆演出として表示されていたチェリーを示す画像と「?」を示す画像が消える。すなわち、サブ制御部91は、変則操作されたときに、ポイント示唆演出の実行を終了する。その後の、第2停止操作時がされた
図20(c2)および(c3)、第3停止操作時がされた
図20(d2)および(d3)のいずれのときにおいても、液晶表示器51に表示される画像は、中止演出が実行されたときの状態が保たれる。
【0126】
これにより、強チェリーが当選したゲームの開始時において、50ポイント以上のポイントを用いてポイントカウンタが更新されることを示唆するポイント示唆演出が実行されたにも関わらず、その後、変則操作されたことによってポイントカウンタの値が更新されなかった場合でも、ポイント示唆演出の実行が終了する。これにより、変則操作してしまった遊技者が大きい値を用いてポイントカウンタが更新されてしまうと誤解することを防止することができる。なお、ポイント示唆演出は、チェリーを示す画像および「?」を示す画像のみならず、「ポイント獲得?」などの直接的にポイントの獲得を示唆する文字画像であってもよい。すなわち、ポイント示唆演出は、遊技者にポイントが付与される可能性を示唆するものであればよい。
【0127】
図21は、スイカ当選時のポイント示唆演出の一例を説明する図である。ポイント示唆演出は、内部抽選で強チェリーの役以外の役が当選した場合にも実行される。
図21では、内部抽選でスイカの役が当選した場合の例が示されている。
【0128】
図21(a)に示すように、スタート操作が行われると、液晶表示器51において、スイカを示す画像と「?」を示す画像が表示されるポイント示唆演出が実行される。遊技者は、スイカを示す画像が表示されているため、スイカが入賞するように操作を促される。さらに、遊技者は、スイカのフラグカテゴリはFC4であるため、スイカが入賞した場合、
図17に示されるように、10ポイント以上のポイントが付与されることを期待する。
図21(b1)~(d1)は、通常操作がされたときのポイント示唆演出を示す。
図21(b2)~(d2)および(b3)~(d3)は、変則操作がされたときに中止演出が実行される例を示す。演出の態様については、
図20と同様であるため、繰り返さない。
【0129】
このように、本実施の形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した役にかかわらず、変則制御がされた場合は、ポイント獲得抽選処理がされず、中止演出が実行されるため、通常操作するように遊技者を促すことができる。
【0130】
[AT中の特典抽選]
図22は、有利区間の第1状態および第2状態におけるライフ獲得抽選、一撃勝利抽選のテーブルを示す図である。本実施の形態における特典には、有利区間通常中に付与され得るポイント、第1状態中に付与され得るライフ、および第2状態中に付与され得るバトルにおける一撃勝利が含まれる。ライフを獲得しても第2状態において消費され、第2状態から第1状態に移行することができない可能性があることに対して、一撃勝利は、第2状態から第1状態に移行することが確定する処理である。そのため、一撃勝利に当選することは、ライフを獲得することよりも遊技者にとって有利な制御である。以下では、第1状態であることを「AT第1状態」と称し、第2状態であることを「AT第2状態」と称する。また、ライフ獲得抽選および一撃勝利抽選をまとめて「AT中の特典抽選」と称する。
【0131】
(ライフ獲得抽選)
ライフは、AT第1状態中にメイン制御部41によって実行されるライフ獲得抽選に基づき付与され得る。
図22(a)は、AT第1状態中の第1区間におけるライフ獲得抽選で参照されるライフ獲得抽選テーブルを示す。
図22(a)に示すように、第1区間におけるライフ獲得抽選においては、フラグカテゴリがFC4またはFC5である役が当選した場合と、フラグカテゴリがFC6である役が当選した場合と、フラグカテゴリがFC7である役が当選した場合とで、1G当りのライフの付与期待値が異なる。
【0132】
具体的には、フラグカテゴリがFC4またはFC5である役が当選したときには、55%の確率で1個のライフが付与され、10%の確率で2個のライフが付与される。また、フラグカテゴリがFC6である役が当選したときには、100%の確率で2個のライフが付与される。さらに、フラグカテゴリがFC7である役が当選したときには、35%の確率で1個のライフが付与され、20%の確率で2個のライフが付与される。
【0133】
このように、AT第1状態中の第1区間においては、抽選条件のうち、FC4またはFC5の役の当選、FC7の役の当選、FC6の役の当選の順番で複数のライフが付与される期待度が高くなっている。
【0134】
なお、AT第1状態中の第1区間においては、フラグカテゴリがFC6の役の当選を契機としてライフが付与される場合、フラグカテゴリがFC6の役の当選したゲームにおいて逆押しナビが実行される。このため、遊技者が逆押しナビに従ってストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、BARリプが入賞する。すなわち、AT第1状態中の第1区間においては、BARリプの入賞によってライフの付与が遊技者に示唆される。
【0135】
図22(b)では、AT第1状態中の第2区間におけるライフ獲得抽選で参照されるライフ獲得抽選テーブルが示される。
図22(b)に示されるように、フラグカテゴリがFC4またはFC5の役が当選したときには、20%の確率で1個のライフが付与される。また、フラグカテゴリがFC6の役が当選したときには、60%の確率で1個のライフが付与され、31%の確率で2個のライフが付与される。さらに、フラグカテゴリがFC7の役が当選したときには、28%の確率で1個のライフが付与され、5%の確率で2個のライフが付与される。
【0136】
このように、AT第1状態中の第2区間においても、抽選条件のうち、FC4またはFC5の役の当選、FC7の役の当選、FC6の役の当選の順番で複数のライフが付与される期待度が高くなっている。
【0137】
また、第1区間は、第2区間よりもナビが行われる頻度が少ない区間である。すなわち、第1区間においてナビを報知する確率よりも、第2区間においてナビを報知する確率の方が高くなっている。
【0138】
(ライフ特化ゾーン)
ライフ特化ゾーンは、特化ゾーン抽選に基づいて、AT第1状態から移行し得る状態である。
図22(c)は、AT第1状態中における特化ゾーン抽選で参照される特化ゾーン抽選テーブルを示す。
図22(c)に示すように、AT第1状態中における特化ゾーン抽選においては、フラグカテゴリがFC4またはFC5の役が当選した場合と、フラグカテゴリがFC6の役が当選した場合と、フラグカテゴリがFC7の役が当選した場合とで、特化ゾーン突入確率が異なる。
【0139】
具体的には、フラグカテゴリがFC4またはFC5の役が当選したときには、10%の確率で特化ゾーンに突入する。また、フラグカテゴリがFC6の役が当選したときには、50%の確率で特化ゾーンに突入する。さらに、フラグカテゴリがFC7の役が当選したときには、30%の確率で特化ゾーンに突入する。
【0140】
図22(d)では、特化ゾーンにおけるライフ獲得抽選で参照されるライフ獲得抽選テーブルが示される。
図22(d)に示されるように、フラグカテゴリがFC4またはFC5の役が当選したときには、50%の確率で1個のライフが付与され、35%の確率で2個のライフが付与される。また、フラグカテゴリがFC6の役が当選したときには、100%の確率で2個のライフが付与される。さらに、フラグカテゴリがFC7の役が当選したときには、35%の確率で1個のライフが付与され、50%の確率で2個のライフが付与される。
【0141】
(一撃勝利抽選)
バトルにおける一撃勝利は、AT第2状態中にメイン制御部41によって実行される一撃勝利抽選に基づき付与され得る。
図22(e)は、AT第2状態中における一撃勝利抽選で参照される一撃勝利抽選テーブルを示す。
図22(e)に示すように、AT第2状態中における一撃勝利抽選においては、フラグカテゴリがFC4またはFC5の役が当選した場合と、フラグカテゴリがFC6の役が当選した場合と、フラグカテゴリがFC7の役が当選した場合とで、一撃勝利確率が異なる。
【0142】
具体的には、フラグカテゴリがFC4またはFC5の役が当選したときには、50%の確率で一撃勝利が付与される。また、フラグカテゴリがFC6の役が当選したときには、100%の確率で一撃勝利が付与される。さらに、フラグカテゴリがFC7の役が当選したときには、50%の確率で一撃勝利が付与される。
【0143】
このように、AT第2状態中においては、抽選条件のうち、フラグカテゴリがFC4またはFC5の役、あるいはフラグカテゴリがFC7の役といったレア役当選よりも、フラグカテゴリがFC6の役の方が、一撃勝利の確率が高くなっている。なお、AT第2状態中においては、フラグカテゴリがFC6の役の当選を契機として一撃勝利が付与される場合、フラグカテゴリがFC6の役の当選したゲームにおいて逆押しナビが実行される。また、第1状態は、第2状態よりもナビが行われる頻度が少ない区間である。すなわち、第1状態においてナビを報知する確率よりも、第2状態においてナビを報知する確率の方が高くなっている。
【0144】
図23は、AT中の特典抽選処理の一例を示す図である。
図23では、メイン制御部41が実行するAT中の特典抽選を、フローチャートを用いて説明する。AT中の特典抽選獲得抽選処理は、
図3に示される第1状態、第2状態、エンディング状態における遊技終了出玉制御処理内(S22)にて実行され得る。
図13に示す遊技終了出玉制御処理(S22)内において第3停止操作がされた後、メイン制御部41は、遊技状態がエンディング状態中であるか否かを判定する(ステップSb1)。エンディング状態中である場合(ステップSb1でYES)、メイン制御部41は、処理を終了する。すなわち、エンディング状態中である場合、メイン制御部41は、後述するライフ獲得抽選処理および一撃勝利抽選処理を実行しない。
【0145】
エンディング状態中でない場合(ステップSb1でNO)、メイン制御部41は、ナビ表示がされるゲームであるか否かを判定する(ステップSb2)。メイン制御部41は、
図13に示す内部抽選処理(S2)において、当選した役の役番号に基づいてナビ表示されるゲームであるか否かを判定する。ナビ表示がされるゲームとは、サブ制御部91がナビ演出を実行するゲームである。ナビ表示がされるゲームである場合(ステップSb2でYES)、メイン制御部41は、ステップSb5に示す処理を実行する。ナビ表示がされるゲームではない場合(ステップSb2でNO)、メイン制御部41は、第1停止操作としてストップスイッチ8L(左ストップスイッチ)が操作されたか否かを判断する(ステップSb3)。すなわち、メイン制御部41は、ステップSb4において通常操作がされたか、変則操作がされたかを判断する。第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作されていない場合(ステップSb3でNO)、ペナルティ設定をし(Sb4)、処理を終了する。AT状態におけるペナルティ設定とは、次のゲームでは、ライフ獲得抽選処理および一撃勝利抽選処理の抽選確率を変更する処理などである。たとえば、メイン制御部41は、次のゲームで実行される
図22に示すライフ獲得抽選処理および一撃勝利抽選処理におけるライフまたは一撃勝利の当選確率を、ペナルティ設定がされない場合の当選確率よりも低くするように設定する。これにより、次のゲームのみライフまたは一撃勝利が付与される確率が下がるため、遊技者にとって不利な制御となる。このように、ペナルティ設定では、遊技者にとって不利な制御がされる設定を行ってもよいが、何らの設定を行わなくてもよい。これは、ステップSa6に示すライフ獲得抽選処理およびステップSa9に示す一撃勝利獲得抽選処理が実行されないことが、当該ゲームにおけるペナルティとなるためである。また、変則操作がされているため、サブ制御部91に中止演出を実行する。中止演出は、上述のポイント獲得抽選処理で説明した中止演出と同様の演出であって、画面を暗転させる演出である。ここでの中止演出は、変則操作がされたことにより、ポイント獲得抽選処理が実行されなかったことを示すのではなく、ライフ獲得抽選処理または一撃勝利抽選処理が実行されなかったことを示す。中止演出は、暗転させる演出のみならず、「左ストップスイッチから押してください」等の文字画像を表示する演出であってもよい。すなわち、AT中に変則操作がされたとき、メイン制御部41は、遊技者に対するペナルティとして、ライフ獲得抽選処理または一撃勝利抽選処理を実行しない。
【0146】
第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作されたと判断する場合(ステップSb3でYES)、メイン制御部41は、遊技状態が第1状態中であるか否かを判断する(ステップSb5)。第1状態中である場合(ステップSb5でYES)、メイン制御部41は、ライフ獲得抽選処理を実行する(ステップSb6)。すなわち、メイン制御部41は、
図22(a)または
図22(b)に示すテーブルおよび内部抽選処理の結果に応じて、ライフを付与するか否かを判断する。ライフ獲得抽選処理の後、メイン制御部41は、ステップSb10において、ライフを獲得したか否かを判断する(ステップSb7)。ライフを獲得しなかった場合(ステップSb7でNO)、メイン制御部41は、処理を終了する。
【0147】
ライフを獲得した場合(ステップSb7でYES)、メイン制御部41は、ライフ付与処理を実行する(ステップSb8)。ライフ付与処理とは、メイン制御部41がRAM41cに記憶されているライフ数を更新し、
図12において説明した第3停止時にサブ制御部91へ送信する遊技終了時コマンドに、獲得したライフ数を格納する処理である。メイン制御部41は、ライフ付与処理を実行した後、処理を終了する。
【0148】
続いて、ステップSb5に戻り、第1状態中ではない場合について説明する。第1状態中ではない場合(ステップSb5でNO)、メイン制御部41は、一撃勝利抽選処理を実行する(ステップSb9)。このとき、遊技状態がステップSb1でエンディング状態中ではないと判断され、ステップSb5で第1状態中ではないと判断されているため、メイン制御部41は、遊技状態が第2状態であると判断する。第2状態中に通常操作がされているため、メイン制御部41は、一撃勝利抽選を実行する。
【0149】
すなわち、メイン制御部41は、
図22(e)に示すテーブルおよび内部抽選処理の結果に基づいて、一撃勝利の抽選を行う。メイン制御部41は、一撃勝利抽選処理の後、一撃勝利に当選したか否かを判断する(ステップSb10)。メイン制御部41は、一撃勝利に当選していないと判断する場合(ステップSb10でNO)、処理を終了する。メイン制御部41は、一撃勝利に当選したと判断する場合(ステップSb10でYES)、一撃勝利付与処理を実行する(ステップSb11)。一撃勝利付与処理とは、メイン制御部41が一撃勝利に当選したことに応じた処理を実行し、
図12で説明した第3停止時にサブ制御部91へ送信する遊技終了時コマンドに、一撃勝利に当選したことを格納する処理である。
【0150】
このように、メイン制御部41は、第1状態または第2状態であってナビ表示がされないゲームにおいて、通常操作されたときはライフ獲得抽選処理または一撃勝利付与処理を実行する制御を行う一方で、変則操作されたときは、ライフ獲得抽選処理または一撃勝利付与処理を実行しない制御を行う。ライフ獲得抽選処理または一撃勝利付与処理を実行しない制御は、遊技者にとって不利な制御である。つまり、スロットマシン1では、変則操作されたときに、遊技者に対してペナルティを与えることができる。これにより、スロットマシン1では、遊技者に対して通常操作で操作するように促すことができる。
【0151】
一方で、メイン制御部41は、エンディング状態中のゲームにおいては、通常操作されたときであっても変則操作がされたときであっても共通の制御を行う。これにより、エンディング状態では、変則操作されたとしても、ペナルティを与えないことで、AT中において最後に実行される状態であるエンディング状態における遊技の興趣が低下することを防止できる。
【0152】
[ライフ付与示唆演出]
図24は、スイカ当選時のライフ付与示唆演出の一例を説明する図である。ライフ付与示唆演出とは、特定の役に当選したときに行われる演出であり、遊技者に対して当選役を示唆することによりライフが付与され得ることを示唆する演出である。ライフ付与示唆演出は、第1状態において実行される。第1状態はAT中であるため、液晶表示器51は、残りゲーム数を示す残りゲーム画像51aおよびライフ数を示すライフ画像51bを表示する。
【0153】
図24(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作が行われると、液晶表示器51において、宝箱を示す画像が表示される。宝箱を示す画像には、スイカが描かれていることによってスイカの役が当選したことを示唆する。宝箱を示す画像は、スイカが描かれずに緑色であることにより、スイカの役が当選したことを示唆してもよい。すなわち、遊技者は、宝箱を示す画像が表示されることにより、スイカの役が当選したことを期待する。また、フラグカテゴリがFC4であるスイカの役は、
図22(a)および
図22(b)に示されるように、ライフ獲得抽選処理が実行される役である。すなわち、ライフ付与示唆演出は、ライフが付与される可能性を示唆する演出であり、スタートスイッチ7が操作されたことに基づいて実行される。
【0154】
図24では、ライフ付与示唆演出がされた後に、通常操作がされた場合と変則操作がされた場合とを説明する。
図24(b1),(c1),(d1)は、通常操作がされた場合を説明する図である。また、
図24(b2),(c2),(d2)および(b3),(c3),(d3)は、変則操作がされた場合を説明する図である。
図20(b1)では、ストップスイッチ8Lが第1停止操作として操作される。すなわち、
図20(b1)では、通常操作がされている。このとき、ライフ付与示唆演出として表示されている宝箱を示す画像は表示されたままである。その後、
図24(c1)では、ストップスイッチ8Cが第2停止操作として操作される。ライフ付与示唆演出として表示されている宝箱を示す画像は表示されたままである。最後に、
図24(d1)で、ストップスイッチ8Rが第3停止操作として操作される。これにより、リール上においてスイカが入賞し、液晶表示器51では、スイカの役が当選したことに伴ってライフが付与されたことを示す画像が表示される。また、ライフが付与されたことに伴って、サブ制御部91は、ライフ画像51bを更新する。
【0155】
図24(b2)および
図24(b3)では、ストップスイッチ8Lが第1停止操作として操作されず、変則操作がされた例を示す。これにより、メイン制御部41は、第1停止操作として操作されたストップスイッチがストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cであることを検出する。メイン制御部41は、第1停止操作としてストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cが操作されたことをサブ制御部91へ送信する。サブ制御部91は、第1停止操作としてストップスイッチ8Rまたはストップスイッチ8Cが操作されたことを受信したことに基づいて、
図24(b2)および
図24(b3)に示されるように、液晶表示器51を暗転させる中止演出を実行する。また、ライフ付与示唆演出として表示されていた宝箱を示す画像が消える。すなわち、サブ制御部91は、変則操作されたときに、ライフ付与示唆演出の実行を終了する。その後の第2停止操作時がされた
図24(c2)および
図24(c3)、第3停止操作時がされた
図24(d2)および
図24(d3)のいずれのときにおいても、液晶表示器51に表示される画像は、中止演出が実行されたときの状態が保たれる。
【0156】
このように、スイカの役が当選したゲームにおいて、変則操作されたときは、ライフ獲得抽選を実行せず、ライフ獲得によるAT状態を延長する制御を行わない。これにより、遊技者に対して通常操作するように促すことができる。
【0157】
図25は、強チェリー当選時のライフ付与示唆演出の一例を説明する図である。
図25(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作が行われると、液晶表示器51において、宝箱を示す画像が表示される。宝箱を示す画像には、チェリーが描かれていることによってチェリーの役が当選したことを示唆する。宝箱を示す画像は、チェリーが描かれずに赤色であることにより、チェリーの役が当選したことを示唆してもよい。すなわち、遊技者は、宝箱を示す画像が表示されることにより、チェリーの役が当選したことを期待する。また、フラグカテゴリがFC6である強チェリーの役は、
図22(a)および
図22(b)に示されるように、ライフ獲得抽選処理が実行される役である。演出の態様については、
図24と同様であるため、繰り返さない。
【0158】
このように、本実施の形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した役がスイカの役であるか強チェリーの役であるかにかかわらず、変則制御がされた場合は、ライフ獲得抽選処理をせず、中止演出が実行されるため、通常操作するように遊技者を促すことができる。
【0159】
図26は、サブ制御部91がナビ演出を実行する処理を示す図である。以下では、サブ制御部91が遊技開始時コマンドを受信した場合の処理について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41から
図11に示す遊技開始時コマンドを受信する(ステップSc1)。上述の通り、遊技開始時コマンドに含まれるNo.2のコマンド「指示番号」には、ナビに関する情報が格納され得る。すなわち、No.2のコマンドは、スタートスイッチ7が操作された遊技における押し順を特定可能な情報を格納する。サブ制御部91は、No.2のコマンド「指示番号」に押し順を特定可能な情報が格納されているか否かを判断する(ステップSc2)。
【0160】
No.2のコマンド「指示番号」に押し順を特定可能な情報が格納されている場合(ステップSc2でYES)、サブ制御部91は、ナビ演出を実行し(ステップSc3)、処理を終了する。一方で、No.2のコマンド「指示番号」に押し順を特定可能な情報が格納されていない場合(ステップSc2でNO)、サブ制御部91は、ナビ演出を実行せずに処理を終了する。すなわち、サブ制御部91は、No.2のコマンド「指示番号」を用いて、ナビ演出を実行するか否かを判断する。ここで、サブ制御部91は、ナビ演出を実行するか否かを判断する上で、遊技開始時コマンドが含むNo.2のコマンド「指示番号」以外のコマンドを参照しない。
【0161】
換言すれば、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した遊技開始時コマンドのうち、コマンド「小役種別」、「当選番号」等の当選した役に関する情報が格納されたコマンド、および「区間状態」、「出玉状態」等の遊技状態を特定可能な情報が格納されたコマンドが含む情報にかかわらず、No.2のコマンド「指示番号」に、ナビに関する情報が格納されている場合、ナビ演出を実行する。これにより、いずれの役に当選したか否か、および、遊技状態がいずれの状態であるかにかかわらず、No.2のコマンド「指示番号」にナビに関する情報が格納されている場合、サブ制御部91によってナビ演出が実行されるため、遊技者に適切に操作手順を報知することができる。
【0162】
すなわち、たとえば、遊技状態が有利区間であるにもかかわらず、エラー等によりメイン制御部41が通常区間である情報をコマンド「区間情報」に格納して、サブ制御部91に送信したとしても、サブ制御部91は、No.2のコマンド「指示番号」に基づいて、ナビ演出を実行するか否かを判定することができる。同様に、ナビ表示を伴う役が当選したにもかかわらず、エラー等によりメイン制御部41がナビ表示を伴わない役が当選したという情報をコマンド「当選番号」に格納してサブ制御部91に送信したとしても、サブ制御部91は、No.2のコマンド「指示番号」に基づいて、ナビ演出を実行するか否かを判定することができる。
【0163】
図27は、メイン制御部における遊技開始時コマンド送信処理を示す図である。以下では、メイン制御部41による遊技開始時コマンドを送信するときの処理について説明する。スタートスイッチ7が操作された後、
図13に示すメイン処理のステップS9に示すように、メイン制御部41は、遊技開始時コマンド送信処理を実行する。本実施の形態のスロットマシン1では、当選した役に応じて、メイン制御部41は、遊技開始時コマンドとして送信するコマンドの内容を変更する。遊技開始時コマンド送信処理が開始された後、メイン制御部41は、当選した役番号が役番号8~23のいずれかであるかを判断する(ステップSd1)。役番号8~23の役は、
図10に示すように、予め定められた押し順で停止操作が行われた場合に他の押し順で停止操作が行われた場合よりも有利となる役を入賞させる役である。以下では、役番号8~23の役を単に「押し順役」と称する。
【0164】
当選した役が、押し順役である場合(ステップSd1でYES)、メイン制御部41は、コマンド「小役種別」、「当選番号」を遊技開始時コマンドに含めずに送信する(ステップSd2)。すなわち、メイン制御部41は、
図11に示す遊技開始時コマンドのうち、No.3のコマンド「小役種別」およびNo.11のコマンド「当選番号」自体を送信せず、No.1、2、4~10、12、13のコマンドをサブ制御部91へ送信する。以下では、遊技開始時コマンドのうち、No.1、2、4~10、12、13の順序を、特別順序と称する。すなわち、押し順役である場合(ステップSd1でYES)、メイン制御部41は、特別順序で遊技開始時コマンドを送信し(ステップSd2)、処理を終了する。
【0165】
当選した役が、押し順役ではなかった場合(ステップSd1でNO)、メイン制御部41は、当選した役に関する情報をコマンド「小役種別」、「当選番号」に格納する(ステップSd3)。メイン制御部41は、遊技開始時コマンドに、コマンド「小役種別」、「当選番号」を含めて送信する(ステップSd4)。すなわち、メイン制御部41は、
図11に示す遊技開始時コマンドのうち、No.1~13のコマンドをサブ制御部91へ送信する。以下では、遊技開始時コマンドのうち、No.1~13の順序を「特定順序」と称する。すなわち、押し順役でない場合(ステップSd1でNO)、メイン制御部41は、特定順序で遊技開始時コマンドを送信し(ステップSd2)、処理を終了する。
【0166】
このように、メイン制御部41は、
図10に示す押し順役が当選した場合、コマンド「小役種別」、「当選番号」を遊技開始時コマンドに含めない特別順序で遊技開始時コマンドを送信する。このとき、メイン制御部41は、コマンド「指示番号」にナビに関する情報が格納されているか否かにかかわらず、特別順序で遊技開始時コマンドを送信する。すなわち、AT状態でナビ演出が実行されない押し順役に当選した場合であっても、メイン制御部41は、特別順序で遊技開始時コマンドを送信する。
【0167】
これにより、メイン制御部41は、当選した役に関する情報が格納されているコマンド「小役種別」およびコマンド「当選番号」をAT状態におけるナビ演出が実行されないゲームで送信しない。そのため、サブ制御部91において、メイン制御部41から受信した遊技開始時コマンドに基づいて、押し順役が当選したことを認識できてしまうことを防止することができる。
【0168】
また、特定順序で送信される遊技開始時コマンドは、コマンド「小役種別」およびコマンド「当選番号」を含む一方で、特別順序で送信される遊技開始時コマンドは、コマンド「小役種別」およびコマンド「当選番号」を含まない。これにより、サブ制御部91は、コマンド「小役種別」およびコマンド「当選番号」が含まれているか否かで押し順役が当選したか否かを認識することができる。
【0169】
また、本実施の形態のスロットマシン1では、
図12に示す遊技終了時コマンドにおいても、No.1~13に示すコマンドが送信される順序を、「特定順序」と称する。以下では、遊技開始時コマンドにおける特定順序と、遊技終了時コマンドにおける特定順序とを区別するために、遊技開始時コマンドにおける特定順序を「第1特定順序」と称し、遊技終了時コマンドにおける特定順序を「第2特定順序」と称する場合がある。
【0170】
上述の通り、
図27では、遊技開始時コマンドについて、メイン制御部41が特別順序で送信する例について説明した。一方で、本実施の形態のスロットマシン1では、遊技終了時コマンドについて、メイン制御部41は、コマンド「小役種別」を含ませて送信する。これにより、既に遊技が終了したときにおいては、サブ制御部91は、押し順役が当選したか否かを遊技終了時コマンドに含まれているコマンド「小役種別」に基づいて判断することができる。
【0171】
また、メイン制御部41は、遊技終了時コマンドにおいても、遊技終了時コマンドのうち、No.1、2、4~10、12、13のコマンドを送信する特別順序で送信してもよい。この場合、遊技開始時コマンドにおける特別順序と、遊技終了時コマンドにおける特別順序とを区別するために、遊技開始時コマンドにおける特別順序を「第1特別順序」と称し、遊技終了時コマンドにおける特別順序を「第2特別順序」と称する。
【0172】
図28は、遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドを受信したときのサブ制御部91における処理を示す図である。本実施の形態のサブ制御部91は、メイン制御部41から受信した遊技開始時コマンドおよび遊技終了時コマンドの順序に応じて、実行する処理を変更する。サブ制御部91は、メイン制御部41から遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSe1)。
【0173】
メイン制御部41から遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドを受信していない場合(ステップSe1でNO)、サブ制御部91は、ステップSe1の処理を繰り返す。メイン制御部41から遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドを受信した場合(ステップSe1でYES)、サブ制御部91は、受信したコマンドが特定順序か否かを判断する(ステップSe2)。特定順序でない場合(ステップSe2でNO)、サブ制御部91は、受信したコマンドが特別順序か否かを判断する(ステップSe3)。特別順序でない場合(ステップSe3でNO)、サブ制御部91は、エラー報知制御を行う(ステップSe4)。上述に示した通り、特定順序とは、遊技開始時コマンドおよび遊技終了時コマンドにおいて、No.1~13のコマンドが欠落することなく全て含まれる順序である。また、特別順序とは、遊技開始時コマンドにおいて、No.1~13のコマンドのうち、No.4およびNo.11のコマンドが欠落した順序であって押し順役が当選したことを意味する順序である。すなわち、特定順序及び特別順序は、スロットマシン1において、予め定められた順序である。サブ制御部91は、受信したコマンドが特定順序でもなく特別順序でもない場合、エラー等が発生していると判断できる。そのため、ステップSe4において、サブ制御部91は、エラー報知を開始する。以下では、特定順序でもなく、特別順序でもない順序を「特殊順序」と称する。サブ制御部91は、コマンドが含む数値情報が規定の範囲外である場合、エラーが生じているとして、特殊順序であると判断してもよい。
【0174】
サブ制御部91は、エラー報知制御を行い(ステップSe4)、処理を終了する。
図29は、エラー報知制御が行われた状態の液晶表示器51を示す図である。ステップSe2に戻り、受信したコマンドが特定順序であった場合(ステップSe2でYES)、サブ制御部91は、受信した遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドに応じた制御を行い(ステップSe5)、ステップSe7に移行する。また、ステップSe3において、受信したコマンドが特別順序であった場合(ステップSe3でYES)、サブ制御部91は、押し順役が当選した場合の制御を行い(ステップSe6)、ステップSe7に移行する。なお、サブ制御部91が受信したコマンドが遊技終了時コマンドである場合、ステップSe3において、サブ制御部91は、遊技開始時コマンドと遊技終了時コマンドとの両方に基づいて、押し順役が当選した場合の制御(ステップSe6)またはエラー報知制御(ステップSe4)のいずれの制御を行うかを判断してもよい。すなわち、サブ制御部91は、単位ゲーム内においての遊技開始時コマンドが第1特別順序であり、さらに、遊技終了時コマンドも第2特別順序であることに基づいて、押し順役が当選したと認識してもよい。
【0175】
ステップSe7において、サブ制御部91は、エラー報知制御が行われている状態であるか否かを判断する(ステップSe7)。すなわち、ステップSe4でエラー報知制御が行われた状態が保持されたままであるか否かを判断する。エラー報知制御が行われている場合(ステップSe7でYES)、サブ制御部91は、エラー報知制御を解除し(ステップSe8)、処理を終了する。エラー報知制御が行われていない場合(ステップSe7でNO)、サブ制御部91は、処理を終了する。
【0176】
このように、メイン制御部41は、遊技開始時コマンドを特別順序または特定順序で送信し、遊技終了時コマンドを特定順序で送信し得る。サブ制御部91は、メイン制御部41から遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドを特定順序で受信したときに、受信したコマンドに応じた制御を行う。サブ制御部91は、メイン制御部41から遊技開始時コマンドを特別順序で受信したときに、押し順役が当選した場合の制御を行う。サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドが特定順序および特別順序のいずれでもない特殊順序で受信したときに、エラー報知制御を行う。これにより、
図28に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41から遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドが含む複数のコマンドを受信した順序に応じて異なる制御を行うことができる。
【0177】
図30は、遊技終了時コマンドを受信したことに基づいて、エラー報知を解除するタイミングを示す図である。
図30では、タイミングt1、t2において、(a)遊技者の操作と、(b)メイン制御部41の処理と、(c)サブ制御部91の処理との関係を示す。
図30に示されるように、タイミングt1において、遊技者は、スタートスイッチ7を操作する。スタートスイッチ7が操作されたことに基づき、メイン制御部41は、遊技開始時コマンドをサブ制御部91に送信する。ここで、サブ制御部91は、特定順序および特別順序のいずれでもない特殊順序で遊技開始時コマンドを受信する。これにより、サブ制御部91は、エラー報知を開始する。すなわち、サブ制御部91は、
図29に示すエラー発生時画面を液晶表示器51に表示させる。遊技者は、
図29に示す表示にしたがって、リールを停止させる。
【0178】
タイミングt2において、遊技者によって第3停止操作がされる。第3停止操作に基づいて、メイン制御部41は、遊技終了時コマンドをサブ制御部91へ送信する。このとき、サブ制御部91は、特定順序で遊技終了時コマンドを受信する。サブ制御部91は、エラー報知を解除する。これにより、遊技開始時コマンドを送信する際に発生した軽微な通信エラー等を容易に解除することができる。
【0179】
このように、サブ制御部91は、スタートスイッチ7が操作されたときに、メイン制御部41から遊技開始時コマンドを特殊順序で受信したときにエラー報知を開始する。また、サブ制御部91は、エラー報知が開始された後、第3停止時において、メイン制御部41から遊技終了時コマンドを第2特定順序で受信した場合、エラー報知を終了する。これにより、1ゲーム内において、スタートスイッチ7が操作されたときに送信される遊技開始時コマンドにおいてコマンド欠落等のエラーが発生しエラー報知が開始されても、その後の第3停止においてコマンド欠落等のエラーが発生していなければ、エラー報知を終了させることができる。そのため、スロットマシン1では、軽微なコマンド欠落等のエラーについては1ゲーム内で容易に解消することができる。
【0180】
図31は、次ゲームにおいてエラー報知を解除する例を示す図である。
図31では、タイミングt1、t2、t3において、(a)遊技者の操作と、(b)メイン制御部41の処理と、(c)サブ制御部91の処理との関係を示す。
図31に示されるように、タイミングt1において、遊技者は、スタートスイッチ7を操作する。スタートスイッチ7が操作されたことに基づき、メイン制御部41は、遊技開始時コマンドをサブ制御部91に送信する。ここで、サブ制御部91は、特定順序および特別順序のいずれでもない特殊順序で遊技開始時コマンドを受信する。これにより、サブ制御部91は、エラー報知を開始する。すなわち、サブ制御部91は、
図29に示すエラー発生時画面を液晶表示器51に表示させる。遊技者は、
図29に示すエラー発生時画面の表示にしたがって、リールを停止させる。
【0181】
タイミングt2において、遊技者によって第3停止操作がされる。第3停止操作に基づいて、メイン制御部41は、遊技終了時コマンドをサブ制御部91へ送信する。ここで、サブ制御部91は、特定順序と異なる特殊順序で遊技終了時コマンドを受信する。そのため、サブ制御部91は、エラー報知を解除しない。サブ制御部91は、タイミングt2において、
図29に示すエラー発生時画面から「スタートスイッチを操作してください。」等が表示された画面に変更してもよい。タイミングt3において、遊技者は、スタートスイッチ7を再度操作する。スタートスイッチ7の操作に基づいて、メイン制御部41は、遊技開始時コマンドをサブ制御部91へ送信する。このとき、サブ制御部91は、特定順序で遊技開始時コマンドを受信する。サブ制御部91は、エラー報知を解除する。これにより、タイミングt1およびタイミングt2において、発生した軽微な通信エラー等を容易に解除することができる。
【0182】
このように、サブ制御部91は、スタートスイッチ7が操作されたときに、メイン制御部41から遊技開始時コマンドを特定順序および特別順序のいずれでもない特殊順序で受信したときに、エラー報知を開始する。また、サブ制御部91は、エラー報知が開始された後、次のゲームにおけるスタートスイッチ7が操作されたときに、メイン制御部41から遊技開始時コマンドを第1特定順序で受信したときエラー報知を終了する。これにより、スタートスイッチ7が操作されたことに基づいて送信する遊技開始時コマンドに発生したコマンド欠落等のエラーによってエラー報知が開始されたとしても、次のゲームにおけるスタートスイッチ7が操作されたことに基づいて送信する遊技開始時コマンドにコマンド欠落がなければ、エラー報知が終了する。そのため、スロットマシン1では、静電気等の軽微なコマンド欠落については次のゲームにおいて容易に解消することができる。
【0183】
本来は、特典抽選処理は、スタートスイッチ7が操作されるタイミングにおいて実行されるものであった。しかしながら、本実施の形態におけるスロットマシン1は、第1停止操作が、通常操作であるか変則操作であるかに応じて、特典抽選処理を実行するか否かを定める。仮に、従来の通り特典抽選処理をスタートスイッチ7が操作されたタイミングで実行するとすれば、変則操作がされた後に、スタートスイッチ7が操作されたときに既に実行した特典抽選処理の結果を破棄する必要があり、処理が煩雑となる。これは、単位ゲームにおいて、ペナルティを与えるか否かを決定するための第1停止操作がされるタイミングが、スタートスイッチ7が操作されるタイミングよりも後にあることが理由である。そこで、本実施の形態におけるスロットマシン1では、特典抽選処理自体を、第1停止操作がされたタイミングよりも後の第3停止操作がされたタイミングで実行する。これにより、変則操作がされた場合であっても、第1停止操作がされたタイミングでは、未だ特典抽選処理が実行されていないため、実行した特典抽選処理の結果を破棄する必要がない。
【0184】
図32は、遊技状態において実行される処理を説明する図である。
図32では、有利区間通常において「通常ステージ」および「連続演出」が実行される期間と、第1状態において「第1区間テージ」および「連続演出」が実行される期間と、第2状態において「第2区間テージ」および「連続演出」が実行される期間と、特化ゾーンステージと、第2状態における第2状態ステージと、エンディング状態におけるエンディングステージとで実行される処理を比較して説明する。
【0185】
上述の通り、「連続演出」とは、遊技状態が移行することを示唆する演出であって、3~5ゲーム間、演出が連続して実行される。有利区間通常における連続演出は、第1状態に移行するか否かを示唆する演出である。第1状態における連続演出は、第1状態の特化ゾーンに移行するか否かを示唆する演出である。連続演出は、たとえば、1ゲームごとにストーリーが進み、遊技状態が移行するか否かを最終ゲームに報知する演出である。
【0186】
有利区間通常の通常ステージおよび連続演出において、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作された場合、ポイント獲得抽選処理が実行される。一方で、有利区間通常の通常ステージおよび連続演出において、第1停止操作としてストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rが操作された場合、ペナルティとしてポイント獲得抽選処理は実行されない。また、有利区間通常以外の状態においては、ポイント獲得抽選処理は実行されない。
【0187】
第1状態の第1区間ステージ、第2区間ステージ、連続演出、特化ゾーンステージにおいて、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作された場合、ライフ獲得抽選処理が実行される。一方で、第1状態の第1区間ステージ、第2区間ステージ、連続演出、特化ゾーンステージにおいて、第1停止操作としてストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rが操作された場合、ペナルティとしてライフ獲得抽選処理は実行されない。また、第1状態以外の状態においては、ライフ獲得抽選処理は実行されない。
【0188】
第2状態の第2状態ステージにおいて、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作された場合、一撃勝利抽選処理が実行される。一方で、第2状態の第2状態ステージにおいて、第1停止操作としてストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rが操作された場合、ペナルティとして一撃勝利抽選処理は実行されない。また、第2状態以外の状態においては、一撃勝利抽選処理は実行されない。
【0189】
エンディング状態以外の状態において、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作された場合、中止演出は実行されない。一方で、エンディング状態以外の状態において、第1停止操作としてストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rが操作されても中止演出は実行されない。全ての状態において、1ゲームごとに、有利区間枚数および役比情報を更新する。
【0190】
続いて、スタートスイッチ7が押された次のゲームにおける処理について説明する。有利区間通常の通常ステージおよび連続演出において、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作された場合、次のゲームにおいて、ポイント更新演出が実行される。一方で、有利区間通常の通常ステージおよび連続演出において、第1停止操作としてストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rが操作された場合、次のゲームにおいて、ポイント更新演出は実行されない。また、有利区間通常以外の状態においては、ポイント更新演出は実行されない。
【0191】
続いて、連続演出の更新について説明する。上述の通り、連続演出は、3~5ゲームの間、連続して実行される演出である。以下では、連続演出が5ゲームである場合を例として、説明する。連続演出に含まれる5ゲームのそれぞれでは、異なる演出が実行される。たとえば、1ゲーム目には第1煽り演出が実行され、2ゲーム目には第2煽り演出が実行され、3ゲーム目には第3煽り演出が実行され、4ゲーム目には第4煽り演出が実行され、5ゲーム目には結果報知演出が実行される。ここで、連続演出が更新とは、連続演出での演出が実行された後に、次のゲームに対応した演出が実行されることを意味する。つまり、第1ゲームにおいて第1煽り演出が実行された後のゲームにおいて、第2煽り演出が実行される場合、連続演出は更新されている。一方で、第1ゲームにおいて第1煽り演出が実行された後のゲームにおいて、再度、第1煽り演出が実行される場合、連続演出は更新されていない。
【0192】
各状態の連続演出において、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作された場合、次のゲームにおいて、連続演出が更新される。すなわち、連続演出が進行する。
【0193】
有利区間通常の連続演出において、第1停止操作としてストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rが操作された場合、連続演出が更新されない。たとえば、連続演出の第2ゲームにおいて、第1停止操作としてストップスイッチ8Cが操作された場合、次のゲームにおいて、再度、第2煽り演出が実行される。すなわち、有利区間通常においては、ペナルティとして、連続演出が更新されない。
【0194】
これに対して、第1状態における連続演出において、第1停止操作としてストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rが操作された場合であっても、連続演出が更新される。すなわち、遊技者にとって有利である第1状態において、連続演出が更新されずに連続演出が再度実行されれば、遊技者にとって有利な状態が継続することとなる。そのため、変則操作がされた場合であっても遊技者にとって不利な制御とならず、ペナルティとならない。したがって、スロットマシン1では、第1状態における連続演出では、変則制御がされた場合であっても、連続演出は更新されない。
【0195】
演出抽選処理について説明する。演出抽選処理とは、実行される演出の種類を決める処理である。有利区間通常の通常ステージ、第1状態の第1区間ステージ、第2区間ステージ、第2状態の第2状態ステージにおいて、第1停止操作としてストップスイッチ8Lが操作された場合、次のゲームの演出抽選処理が実行される。一方で、有利区間通常の通常ステージ、第1状態の第1区間ステージ、第2区間ステージ、第2状態の第2状態ステージにおいて、第1停止操作としてストップスイッチ8Cまたはストップスイッチ8Rが操作された場合、ペナルティとして次のゲームの演出抽選処理が実行されない。すなわち、演出がない状態でゲームが進行する。演出が実行されない期間は、1ゲーム間に限らず、3ゲーム間であってもよい。
【0196】
[主な構成]
以上、本実施の形態に係るS台2を説明した。以下において、本実施の形態に係るS台2の主な構成について説明する。
【0197】
(1-1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L、2C、2R)を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
表示結果組合せを導出させるために操作される複数の導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
導出を許容する表示結果組合せを決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記事前決定手段の決定結果と前記複数の導出操作手段の操作とに応じて、表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール制御)と、
通常状態(たとえば、有利区間通常)において、遊技の進行に応じて特定カウンタ(たとえば、ポイントカウンタ)の値を更新する更新手段(たとえば、メイン制御部41によるポイント付与処理)と、
前記通常状態において前記特定カウンタの値が特定値(たとえば、100、300、600、1000)になったときに、前記複数の導出操作手段の操作手順を報知可能な報知状態(たとえば、AT状態)に制御する報知状態制御手段(たとえば、メイン制御部41によるAT状態に制御する処理)と、
前記演出制御手段に対してコマンド(たとえば、遊技開始時コマンド、遊技終了時コマンド)を送信する送信手段(たとえば、メイン制御部41による遊技開始時コマンド送信処理、遊技終了時コマンド送信処理)とを含み、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記操作手順を報知する報知演出手段(たとえば、サブ制御部91によるナビ演出を実行する処理)を含み、
前記報知演出手段は、前記事前決定手段の決定結果が複数種類の特定決定結果(たとえば、押し順ベル)のいずれかとなったときに、当該特定決定結果に対応する前記操作手順(たとえば、正解手順)を報知し、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定決定結果のいずれかとなったときにおいて、当該特定決定結果に対応する前記操作手順で前記複数の導出操作手段が操作されたときに、遊技用価値(たとえば、メダル)を付与する付与入賞(たとえば、プラム役)が発生する付与表示結果組合せ(たとえば、プラム役の図柄組合せ)を導出可能であり、
前記更新手段は、前記複数の導出操作手段が通常手順(たとえば、通常操作)で操作されたときは前記特定カウンタの値を更新する一方で、前記複数の導出操作手段が前記通常手順とは異なる変則手順(たとえば、変則操作)で操作されたとき(たとえば、
図16のSa1でNOの場合)は前記特定カウンタの値を更新せず(たとえば、
図16に示すSa3のポイント獲得抽選処理を実行しない)、
前記送信手段は、前記事前決定手段の決定結果に基づく決定結果コマンド(たとえば、コマンド「小役種別」、「当選番号」)を前記演出制御手段に送信可能であるとともに、前記報知演出手段が前記操作手順を報知しない遊技(たとえば、通常区間、有利区間通常、AT状態においてナビが実行されないゲーム)においては、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定決定結果のいずれかとなったとき(たとえば、
図27に示すSd1でYESの場合)に前記決定結果コマンドを送信しない(たとえば、
図27に示すSd2でコマンド「小役種別」、「当選番号」を含めない特別順序で遊技開始時コマンドを送信する)。
【0198】
具体的には、
図16に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rが通常操作されたときはAT状態に制御するためのポイントカウンタの値が更新される一方で、変則操作されたときはポイントカウンタの値が更新されないというペナルティを与えることができるため、遊技者に対してストップスイッチ8L、8C、8Rを通常操作するように促すことができる。さらに、コマンド「小役種別」、「当選番号」がメイン制御部41からサブ制御部91へと送信されないため、サブ制御部91側においてメイン制御部41から受信した遊技開始時コマンドに基づいて、押し順役のいずれかに当選したことを認識できてしまうことを防止することができる。
【0199】
(1-2) 前記演出制御手段は、前記特定カウンタの値が更新されたことを示唆する更新演出(たとえば、
図15に示すポイント更新演出)を、遊技が開始されたとき(たとえば、スタート操作時)に実行する更新演出手段(たとえば、サブ制御部91による
図15に示すポイント更新演出を実行する処理)をさらに含み、
前記更新演出手段は、前記更新演出が実行される遊技の前の遊技において前記特定カウンタの値が更新されたことを当該更新演出によって示唆する(たとえば、
図18に示すタイミングt4で獲得されたポイントをサブ制御部91がタイミングt7でポイント更新演出を実行する処理)。
【0200】
具体的には、
図18および
図19に示すように、前のゲームにおいてポイントカウンタが更新されたことを、次のゲームの開始時にポイント更新演出によって遊技者に示唆することができるとともに、前のゲームにおいて変則操作された場合にはポイントカウンタが更新されず、かつ、次のゲームにおいてもポイント更新演出が実行されないため、ポイントカウンタの更新有無と、ポイント更新演出の実行有無とで、整合をとることができる。また、スロットマシンにおいて、一般的にポイント更新演出は、スタートスイッチ7が操作されたタイミングで実行される場合が多い。そのため、遊技者にとっては、スタートスイッチ7が操作されたタイミングでポイント更新演出が実行されることが自然であり、違和感がない。したがって、スタートスイッチ7が操作されるタイミングでポイント更新演出が実行されることが望ましい。
【0201】
(1-3) 前記更新手段は、有利更新条件が成立した遊技(たとえば、強チェリーやスイカに当選したゲーム)において、前記有利更新条件が成立しない遊技よりも大きい値を用いて前記特定カウンタを更新し(たとえば、
図17に示すポイント獲得抽選)、
前記演出制御手段は、前記有利更新条件が成立したことを示唆する有利更新示唆演出を実行する有利更新示唆演出手段(たとえば、サブ制御部91による
図20および
図21に示すポイント示唆演出を実行する処理)をさらに含み、
前記有利更新示唆演出手段は、前記有利更新条件が成立した遊技の開始時に前記有利更新示唆演出を実行した後、当該遊技において前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたときに、当該有利更新示唆演出の実行を終了する(たとえば、
図20および
図21に示すように、サブ制御部91が中止演出を実行する)。
【0202】
具体的には、
図20および
図21に示すように、レア役が当選したゲームの開始時において、レア役が当選していないゲームよりも大きい値を用いてポイントカウンタが更新されることを示唆するポイント示唆演出が実行されたにも関わらず、その後、変則操作されたことによってポイントカウンタの値が更新されなかった場合でも、ポイント示唆演出の実行が終了する。これにより、変則操作してしまった遊技者が大きい値を用いてポイントカウンタが更新されてしまうと誤解することを防止することができる。
【0203】
(1-4) 前記更新手段は、
前記事前決定手段の決定結果が第1決定結果(たとえば、スイカ当選)となったときに更新に用いられる値の期待値が第1値(たとえば、約25ポイント)となるように前記特定カウンタを更新する第1更新制御をし(たとえば、メイン制御部41による
図17に示すポイント獲得抽選におけるフラグカテゴリFC4が当選したときの処理)、
前記事前決定手段の決定結果が第2決定結果(たとえば、強チェリー当選)となったときに更新に用いられる値の期待値が第2値(たとえば、約90ポイント)となるように前記特定カウンタを更新する第2更新制御をし(たとえば、メイン制御部41による
図17に示すポイント獲得抽選におけるフラグカテゴリFC6が当選したときの処理)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果であるとき、および、前記第2決定結果であるときのいずれにおいても、前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたとき(たとえば、
図16のSa1でNOの場合)は前記特定カウンタの値を更新しない(たとえば、
図16に示すSa3のポイント獲得抽選処理を実行しない)。
【0204】
具体的には、
図20および
図21に示すように、内部抽選処理にて当選した役にかかわらず、通常操作するように遊技者を促すことができる。
【0205】
(1-5) 前記有利更新示唆演出手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果となったときに前記有利更新示唆演出として第1更新示唆演出を実行し(たとえば、サブ制御部91が、
図20に示す強チェリー当選時のポイント示唆演出を実行し)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2決定結果となったときに前記有利更新示唆演出として第2更新示唆演出を実行し(たとえば、サブ制御部91が、
図21に示すスイカ当選時のポイント示唆演出を実行し)、
前記第1更新示唆演出および前記第2更新示唆演出のいずれが実行中であっても前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたときに、前記有利更新示唆演出を終了する(たとえば、
図20および
図21に示すように、サブ制御部91が、中止処理を実行する)。
【0206】
具体的には、
図20および
図21に示すように、内部抽選処理にて当選した役にかかわらず、通常操作するように遊技者を促すことができる。
【0207】
(2-1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L、2C、2R)を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
表示結果組合せを導出させるために操作される複数の導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
導出を許容する表示結果組合せを決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記事前決定手段の決定結果と前記複数の導出操作手段の操作とに応じて、表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41によるリール制御)と、
前記複数の導出操作手段の操作手順を報知可能な報知状態(たとえば、AT状態)に制御する報知状態制御手段(たとえば、メイン制御部41によるAT状態に制御する処理)と、
前記演出制御手段に対してコマンド(たとえば、遊技開始時コマンド、遊技終了時コマンド)を送信する送信手段(たとえば、メイン制御部41による遊技開始時コマンド送信処理および遊技終了時コマンド送信処理)とを含み、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記操作手順を報知する報知演出手段(たとえば、サブ制御部91によるナビ演出を実行する処理)を含み、
前記報知状態における遊技(たとえば、第1状態中の第1区間におけるゲーム)は、前記操作手順が報知される報知遊技(たとえば、ナビ演出が実行されるゲーム)と、前記操作手順が報知されない非報知遊技(たとえば、ナビ演出が実行されないゲーム)とを含み、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定決定結果(たとえば、押し順ベル)のいずれかとなったときにおいて、当該特定決定結果に対応する前記操作手順(たとえば、正解手順)で前記複数の導出操作手段が操作されたときに、遊技用価値(たとえば、メダル)を付与する付与入賞(たとえば、プラム役)が発生する付与表示結果組合せ(たとえば、プラム役の図柄組合せ)を導出可能であり、
前記遊技制御手段は、前記非報知遊技において、前記複数の導出操作手段が通常手順(たとえば、通常操作)で操作されたときは通常制御(たとえば、
図23に示すライフ獲得抽選処理を実行するSb6~Sb8の処理または一撃勝利抽選処理を実行するSb9~Sb11の処理)を行う一方で、前記複数の導出操作手段が前記通常手順とは異なる変則手順(たとえば、変則操作)で操作されたときは当該通常制御よりも不利な変則制御を行い(たとえば、
図23に示すライフ獲得抽選処理および一撃勝利抽選処理を実行しないSb4の処理)、
前記送信手段は、前記事前決定手段の決定結果に基づく決定結果コマンド(たとえば、コマンド「小役種別」、「当選番号」)を前記演出制御手段に送信可能であるとともに、前記報知演出手段が前記操作手順を報知しない遊技(たとえば、AT状態でナビ演出が実行されないゲーム)においては、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定決定結果のいずれかとなったときは前記決定結果コマンドを送信しない(たとえば、
図27に示すSd2でコマンド「小役種別」、「当選番号」を含めない特別順序で遊技開始時コマンドを送信する)。
【0208】
具体的には、
図23に示すように、AT状態でナビ演出が実行されないゲームにおいて、通常操作されたときはライフ獲得抽選処理および一撃勝利抽選処理を実行する一方で、通常操作と異なる変則操作されたときはライフ獲得抽選処理および一撃勝利抽選処理を実行しないというペナルティを与えることができるため、遊技者に対して通常操作するように促すことができる。さらに、ナビ演出を実行しないゲームにおいては、コマンド「小役種別」、「当選番号」がメイン制御部41からサブ制御部91へと送信されないため、サブ制御部91側においてメイン制御部41から受信した遊技開始時コマンドに基づいて、押し順役が当選したことを認識できてしまうことを防止することができる。
【0209】
(2-2) 前記報知状態は、通常報知状態(たとえば、第1状態)と特定報知状態(たとえば、第2状態)とを含み、
前記報知演出手段は、前記特定報知状態であるときは、前記通常報知状態において前記操作手順を報知する確率よりも高い確率で前記操作手順を報知し、
前記遊技制御手段は、前記通常報知状態における前記非報知遊技において、前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたとき(たとえば、
図23のSb3でNOの場合)は、前記複数の導出操作手段が前記通常手順で操作されたときよりも不利となる前記変則制御を行う(たとえば、第1状態において、
図23に示すSb5のライフ獲得抽選処理を実行しない)。
【0210】
具体的には、
図23に示すように、第1状態において、遊技者に対して通常操作するように促すことができる。また、通常報知状態を第1状態の第1区間とし、特定報知状態を第1状態の第2区間としてもよい。さらに、通常報知状態を第1状態とし、特定報知状態をエンディング状態としてもよい。
【0211】
(2-3) 前記遊技制御手段は、入賞が発生したことに基づいて付与された遊技用価値の累積を計数する価値計数手段(たとえば、メイン制御部41による有利区間枚数を計数する処理)をさらに含み、
前記報知状態は、特別報知状態(たとえば、エンディング状態)をさらに含み、
前記報知状態制御手段は、前記報知状態において、特定条件が成立(たとえば、リミッタ条件の成立)するまでの間、前記特別報知状態に制御可能であり、
前記遊技制御手段は、前記特別報知状態における前記非報知遊技において、前記複数の導出操作手段が前記通常手順で操作されたときと前記変則手順で操作されたときとで、共通の制御を行う(たとえば、
図23に示すエンディング状態の場合は、通常操作か変則操作にかかわらず、
図23のSb2~Sb11の処理をスキップする共通の制御を行う)。
【0212】
具体的には、
図23に示すように、特別報知状態(たとえば、エンディング状態)では、非報知遊技において変則操作されたとしても、通常操作されたときと共通の制御が行われるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0213】
(2-4) 前記報知状態制御手段は、
前記報知状態において、前記事前決定手段の決定結果が第1決定結果(たとえば、スイカ当選)となったときに前記報知状態を延長する第1延長制御を行い(たとえば、
図22におけるライフ獲得抽選でFC4当選に基づくライフ獲得)、
前記報知状態において、前記事前決定手段の決定結果が第2決定結果(たとえば、強チェリー当選)となったときに前記報知状態を延長するための制御であってかつ前記第1延長制御よりも有利な第2延長制御を行い(たとえば、
図22におけるライフ獲得抽選でFC6当選に基づくライフ獲得)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果および前記第2決定結果のいずれであっても、前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたとき(たとえば、
図23のSb3でNOの場合)は前記第1延長制御および前記第2延長制御のいずれも行わない(たとえば、第1状態において、
図23に示すSb6のライフ獲得抽選処理を実行しない)。
【0214】
具体的には、
図24および
図25に示すように、遊技者に対して通常操作するように促すことができる。また、第2延長制御は、特化ゾーン中に実行されるライフ獲得抽選であってもよい。
【0215】
(2-5) 前記演出制御手段は、
前記報知状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果となったときに第1演出を実行し(たとえば、スイカ当選したときに
図24に示すライフ付与示唆演出を実行し)、
前記報知状態において、前記事前決定手段の決定結果が前記第2決定結果となったときに第2演出を実行し(たとえば、強チェリー当選したときに
図25に示すライフ付与示唆演出を実行し)、
前記第1演出および前記第2演出のいずれが実行中であっても前記複数の導出操作手段が前記変則手順で操作されたとき(たとえば、
図23のSb3でNOの場合)に、中止演出を実行する(たとえば、
図24および
図25に示す中止演出を実行する)。
【0216】
具体的には、
図24および
図25に示すように、遊技者に対して通常操作するように促すことができる。また、第1演出において実行される中止演出と、第2演出において実行される中止演出とは、態様の異なる中止演出であってもよい。たとえば、第1演出において実行される中止演出は、暗転させる演出が行われずにライフ付与示唆演出が中止する一方で、第2演出において実行される中止演出は、暗転させる演出が行われ、ライフ付与示唆演出が中止してもよい。
【0217】
(2-6) 前記遊技制御手段は、入賞が発生したことに基づいて付与された遊技用価値の累積を計数する価値計数手段(たとえば、メイン制御部41による有利区間枚数を計数する処理)をさらに含み、
前記報知状態制御手段は、前記価値計数手段が計数する遊技用価値の累積に応じて、前記報知状態(たとえば、エンディング状態)を終了し、
前記価値計数手段は、前記複数の導出操作手段が前記通常手順および前記変則手順のいずれで操作されても、入賞が発生したことに基づいて遊技用価値が付与されたときは、該遊技用価値を計数する(たとえば、
図18および
図19に示すリミッタ更新)。
具体的には、
図18、19に示すように、通常操作した場合に限らず、変則操作した場合であっても、メダル数の累積は計数されるため、操作態様に応じて有利か否かを区別することを防止し、変則操作されることによって過度に有利となることを防止することができる。
【0218】
(2-7) 前記遊技制御手段が計数する遊技用価値の累積を表示することができる表示手段(たとえば、役比モニタ)をさらに備え、
前記価値計数手段は、前記複数の導出操作手段が前記通常手順および前記変則手順のいずれで操作されても、入賞が発生したことに基づいて遊技用価値が付与されたときは、該遊技用価値を計数する(たとえば、
図18および
図19に示す役比情報更新)。
【0219】
具体的には、
図18、19に示すように、通常操作した場合に限らず、変則操作した場合であっても、払出メダル数の累積は計数され、その累積結果が表示されるため、スロットマシン1における払出メダル数の払出履歴を適切に外部に見せることができる。
【0220】
(2-8) 前記送信手段は、前記操作手順を特定可能な手順コマンドを前記演出制御手段に送信可能であり(たとえば、メイン制御部41による特定順序で遊技開始時コマンドおよび遊技終了時コマンドを送信)、
前記演出制御手段は、前記送信手段から受信した前記決定結果コマンドに基づき前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であることを特定したか否かに関わらず(たとえば、内部抽選処理にて押し順ベルに当選したか否かに関わらず)、前記手順コマンドを受信したときに、当該手順コマンドに基づき特定可能な前記操作手順を報知する(たとえば、ナビ演出を実行する)。
【0221】
具体的には、
図26に示すように、内部抽選処理にて当選した役に関わらず、遊技開始時コマンドを受信した場合に、サブ制御部91によってナビ演出が実行されるため、遊技者に適切に押し順を報知することができる。
【0222】
(2-9) 前記送信手段は、制御中の状態を特定可能な遊技状態コマンドを前記演出制御手段に送信可能であり(たとえば、メイン制御部41による特定順序で遊技開始時コマンドおよび遊技終了時コマンドを送信)、
前記演出制御手段は、前記送信手段から受信した前記遊技状態コマンドに基づき制御中の状態が前記報知状態であるか否かに関わらず(たとえば、遊技状態に関わらず)、前記手順コマンドを受信したときに、当該手順コマンドに基づき特定可能な前記操作手順を報知する(たとえば、ナビ演出を実行する)。
【0223】
具体的には、
図26に示すように、遊技状態にかかわらず、遊技開始時コマンドを受信した場合、サブ制御部91によってナビ演出が実行されるため、遊技者に適切に押し順を報知することができる。
【0224】
(2-10) 前記送信手段は、前記事前決定手段の決定結果に基づく前記決定結果コマンドを前記演出制御手段に送信可能であるとともに、前記報知演出手段が前記操作手順を報知しない遊技(たとえば、AT状態でナビ演出が実行されないゲーム)においては、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の前記特定決定結果のいずれかとなったとき(たとえば、押し順ベルに当選したとき)は前記決定結果コマンドを送信しない(たとえば、遊技開始時コマンドにコマンド「小役種別」、「当選番号」を含めない)。
【0225】
具体的には、
図27に示すように、AT状態でナビ演出が実行されないゲームにおいては、内部抽選処理にて押し順ベルに当選したとしても、当該当選した役に基づくコマンド「小役種別」、「当選番号」がメイン制御部41からサブ制御部91へと送信されないため、サブ制御部91側においてメイン制御部41から受信した遊技開始時コマンドに基づいて、押し順ベルが当選したことを認識できてしまうことを防止することができる。
【0226】
(2-11) 前記送信手段は、複数のコマンドを所定の順序で前記演出制御手段に送信可能であり、
前記演出制御手段は、
前記送信手段から前記複数のコマンドを特定順序で受信したとき(たとえば、
図28のSe2でYESのとき)に第1制御を行い(たとえば、
図28に示すサブ制御部91によるステップSe5の処理)、
前記送信手段から前記複数のコマンドを特別順序で受信したとき(たとえば、
図28のSe3でYESのとき)に第2制御を行い(たとえば、
図28に示すサブ制御部91によるステップSe6の処理)、
前記送信手段から前記複数のコマンドを前記特定順序および前記特別順序のいずれでもない順序で受信したとき(たとえば、
図28のSe3でNOのとき)に、第3制御を行う(たとえば、
図28に示すサブ制御部91によるステップSe4の処理)。
【0227】
具体的には、
図28に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41から遊技開始時コマンドまたは遊技終了時コマンドを受信したときのコマンドの順序に応じて異なる制御を行うことができる。
【0228】
(2-12) 前記送信手段は、
一の単位遊技における第1契機(たとえば、スタートスイッチ7が操作されたとき)において、前記複数のコマンドを第1特定順序で前記演出制御手段に送信可能であり(たとえば、メイン制御部41が第1特定順序で遊技開始時コマンドを送信)、
前記一の単位遊技において前記第1契機よりも後の第2契機(たとえば、第3停止時)において、前記複数のコマンドを第2特定順序で前記演出制御手段に送信可能であり(たとえば、メイン制御部41が第2特定順序で遊技終了時コマンドを送信)、
前記演出制御手段は、
前記第1契機において、前記送信手段から前記複数のコマンドを前記第1特定順序と異なる順序で受信したときに特殊報知(たとえば、
図30のタイミングt1に示すサブ制御部91によるエラー報知)を開始可能であり、
前記特殊報知が開始された後、前記第2契機において、前記送信手段から前記複数のコマンドを前記第2特定順序で受信したときに前記特殊報知を終了する(たとえば、
図30のタイミングt2に示すサブ制御部91によるエラー報知の終了)。
【0229】
具体的には、
図30に示すように、単位ゲーム内において、スタートスイッチ7が操作されたときに発生したコマンド欠落によってエラー報知が開始されたとしても、その後の第3停止時においてコマンド欠落がなければ、エラー報知が終了するため、軽微なコマンド欠落については単位ゲーム内で容易に解消することができる。
【0230】
(2-13) 前記演出制御手段は、
一の遊技における前記第1契機において、前記送信手段から前記複数のコマンドを前記特定順序および前記特別順序のいずれでもない順序(たとえば、特殊順序)で受信したときに、前記第3制御として前記特殊報知(たとえば、
図31のタイミングt1に示すサブ制御部91によるエラー報知)を開始し、
前記特殊報知が開始された後、前記一の遊技の次の遊技における前記第1契機において、前記送信手段から前記複数のコマンドを前記第1特定順序で受信したときに前記特殊報知を終了する(たとえば、
図31のタイミングt3に示すサブ制御部91によるエラー報知の終了)。
【0231】
具体的には、
図31に示すように、一のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されたときに発生したコマンド欠落によってエラー報知が開始されたとしても、次のゲームにおけるスタートスイッチ7が操作されたときにおいてコマンド欠落がなければ、エラー報知が終了するため、一のゲームで生じた軽微なコマンド欠落については次のゲームにおいて容易に解消することができる。
【0232】
(2-14) 前記特定順序で送信される前記複数のコマンド(たとえば、特定順序の遊技開始時コマンドおよび特定順序の遊技終了時コマンド)は、前記決定結果コマンド(たとえば、コマンド「小役種別」、「当選番号」)を含み、
前記特別順序で送信される前記複数のコマンド(たとえば、特別順序の遊技開始時コマンド)は、前記決定結果コマンド(たとえば、コマンド「小役種別」、「当選番号」)を含まない。
【0233】
具体的には、
図27に示すように、サブ制御部91は、コマンド「小役種別」、「当選番号」が含まれているか否かで押し順役が当選しているか否かを認識することができる。
【0234】
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0235】
[サブ制御部91によるエラー報知について]
上述の通り、サブ制御部91は、遊技開始時コマンドおよび遊技終了時コマンドが特殊順序である場合に、エラー報知制御を行う。
【0236】
変形例におけるスロットマシン1では、エラー報知制御を行うため、遊技開始時コマンドの順序のみに着目する。すなわち、サブ制御部91は、遊技終了時コマンドが特殊順序であってもエラー報知制御を行わない。これにより、サブ制御部91は、遊技開始時コマンドのみの順序がどのような順序であるかという点のみを判断すれば良いので処理が複雑になることを防止できる。
【0237】
[特化ゾーンについて]
本実施の形態におけるスロットマシン1では、
図3に示すように、第1状態に特化ゾーンが設けられている。
【0238】
変形例におけるスロットマシン1では、特化ゾーンが第2状態において設けられる。第2状態における特化ゾーンでは、たとえば、高確率で一撃勝利をストックすることができる。すなわち、ストックとして保存された一撃勝利の数だけ、第2状態で勝利することが確定する。すなわち、第2状態における特化ゾーンで、一撃勝利を2つストックすることができた場合、メイン制御部41は、特化ゾーンに突入した際の第2状態で一撃勝利が確定する。さらに、次の第2状態においても、一撃勝利することが確定する。これにより、第2状態における遊技の興趣が向上する。
【0239】
[AT状態におけるナビの頻度について]
本実施の形態におけるスロットマシン1では、
図3に示すように、AT状態において、第1状態の第1区間よりも、第1状態の第2区間、第2状態、エンディング状態の方がナビ演出を実行する頻度が多い。
【0240】
変形例におけるスロットマシン1では、第1状態の第2区間、第2状態、エンディング状態の少なくとも1つの状態では、押し順役に当選した全てのゲームでナビ演出を実行する。すなわち、メイン制御部41は、いわゆるフルナビ状態に制御する。これにより、AT状態において、第1状態の第2区間、第2状態、エンディング状態の興趣がより向上する。
【0241】
[ポイント獲得抽選について]
本実施の形態におけるスロットマシン1では、
図17に示されるように、フラグカテゴリに応じて、ポイント獲得抽選処理を実行する例について説明した。
【0242】
変形例におけるスロットマシン1では、フラグカテゴリによらずに、ゲームが進むにつれて一律にポイントが更新されてもよい。もしくは、当選役がハズレであっても一律に更新される一方で、レア役等が当選した場合は、フラグカテゴリに応じて、ハズレのときに更新される値よりも大きい値でポイントを更新してもよい。
【0243】
また、本実施の形態におけるスロットマシン1では、
図18等に示されるように、第3停止操作がされたときに、ポイント獲得抽選処理を実行する例について説明した。変形例におけるスロットマシン1では、メイン制御部41は、第1停止操作または第2停止操作がされたときにポイント獲得抽選処理を実行してもよい。
【0244】
[ライフ獲得抽選について]
本実施の形態におけるスロットマシン1では、
図13、
図23等に示されるように、第3停止操作がされたときに、ライフ獲得抽選処理を実行する例について説明した。変形例におけるスロットマシン1では、メイン制御部41は、第1停止操作または第2停止操作がされたときにライフ獲得抽選処理を実行してもよい。
【0245】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0246】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0247】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、51 液晶表示器、41 メイン制御部、91 サブ制御部。