IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特許7590286資金繰予定管理装置、資金繰予定管理方法および資金繰予定管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】資金繰予定管理装置、資金繰予定管理方法および資金繰予定管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241119BHJP
【FI】
G06Q40/12
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021134688
(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公開番号】P2022117401
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2021013724
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大隈 祐治
(72)【発明者】
【氏名】蝶野 将洋
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-129168(JP,A)
【文献】特開2004-252590(JP,A)
【文献】特開2003-216796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部および記憶部を備える資金繰予定管理装置であって、
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、資金繰が計画、予定および実績のいずれの段階にあるかを識別するための区分である資金繰区分と、入金または出金を識別するための区分である入出金区分と、入出金されるまたはされた金額と、前記金額が現金化するまたはした日付が属する期間と、を含む資金繰管理情報と、
前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、期間を他方の軸とする表であるワーク出力対象明細と、
が格納されており、
前記制御部は、
前記ワーク出力対象明細から、前記資金繰管理情報中の前記資金繰区分、前記入出金区分および前記期間と一致する前記表中のマトリックスを特定し、当該特定したマトリックスに前記金額を格納することにより、前記案件識別データで特定される案件および前記部門識別データで特定される部門の組合せ単位での資金繰予定表情報である案件・部門単位資金繰予定表情報を生成する予定表情報生成手段と、
前記生成した案件・部門別資金繰予定表情報に基づいて、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、前記期間を他方の軸とし、これら2軸で特定されるマトリックス中に前記金額が格納された、前記案件および前記部門の組合せ単位での資金繰予定表である案件・部門別資金繰予定表を出力する予定表出力手段と、
を備えること、
を特徴とする資金繰予定管理装置。
【請求項2】
前記予定表出力手段は、
前記生成した前記案件・部門別資金繰予定表中の前記金額を前記部門単位で集計することにより、前記部門単位での資金繰予定表である部門別資金繰予定表を出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の資金繰予定管理装置。
【請求項3】
前記予定表出力手段は、
前記生成した前記部門別資金繰予定表中の前記金額を集計することにより、全社単位での資金繰予定表である全社資金繰予定表を出力すること、
を特徴とする請求項2に記載の資金繰予定管理装置。
【請求項4】
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、
案件識別データと、入金予定金額と、を含む入金予定情報と、
が更に格納されており、
前記制御部は、
前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が計画段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が入金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記入金予定情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記入金予定情報中の前記入金予定金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の資金繰予定管理装置。
【請求項5】
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、
案件識別データと、前請求金額と、を含む前請求情報と、
案件識別データと、回収予定金額と、を含む売上情報と、
案件識別データと、請求金額と、を含む請求情報と、
が更に格納されており、
前記制御部は、
前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が予定段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が入金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報ならびに前記前請求情報、前記売上情報および前記請求情報のいずれか一つに基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記前請求情報中の前記前請求金額、前記売上情報中の前記回収予定金額または前記請求情報中の前記請求金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の資金繰予定管理装置。
【請求項6】
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、
案件識別データと、入金金額と、を含む入金情報と、
が更に格納されており、
前記制御部は、
前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が実績段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が入金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記入金情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記入金情報中の前記入金金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の資金繰予定管理装置。
【請求項7】
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、
案件識別データと、発注金額と、を含む発注情報と、
が更に格納されており、
前記制御部は、
前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が計画段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が出金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記発注情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記発注情報中の前記発注金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の資金繰予定管理装置。
【請求項8】
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、
案件識別データと、仕入金額と、を含む仕入情報と、
が更に格納されており、
前記制御部は、
前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が予定段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が出金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記仕入情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記仕入情報中の前記仕入金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の資金繰予定管理装置。
【請求項9】
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、
案件識別データと、支払金額と、を含む支払情報と、
が更に格納されており、
前記制御部は、
前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が実績段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が出金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記支払情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記支払情報中の前記支払金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の資金繰予定管理装置。
【請求項10】
前記案件が、工事の案件であり、
建設業界において使用されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一つに記載の資金繰予定管理装置。
【請求項11】
制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される資金繰予定管理方法であって、
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、資金繰が計画、予定および実績のいずれの段階にあるかを識別するための区分である資金繰区分と、入金または出金を識別するための区分である入出金区分と、入出金されるまたはされた金額と、前記金額が現金化するまたはした日付が属する期間と、を含む資金繰管理情報と、
前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、期間を他方の軸とする表であるワーク出力対象明細と、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
前記ワーク出力対象明細から、前記資金繰管理情報中の前記資金繰区分、前記入出金区分および前記期間と一致する前記表中のマトリックスを特定し、当該特定したマトリックスに前記金額を格納することにより、前記案件識別データで特定される案件および前記部門識別データで特定される部門の組合せ単位での資金繰予定表情報である案件・部門単位資金繰予定表情報を生成する予定表情報生成ステップと、
前記生成した案件・部門別資金繰予定表情報に基づいて、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、前記期間を他方の軸とし、これら2軸で特定されるマトリックス中に前記金額が格納された、前記案件および前記部門の組合せ単位での資金繰予定表である案件・部門別資金繰予定表を出力する予定表出力ステップと、
を含むこと、
を特徴とする資金繰予定管理方法。
【請求項12】
制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための資金繰予定管理プログラムであって、
前記記憶部には、
案件識別データと、部門識別データと、資金繰が計画、予定および実績のいずれの段階にあるかを識別するための区分である資金繰区分と、入金または出金を識別するための区分である入出金区分と、入出金されるまたはされた金額と、前記金額が現金化するまたはした日付が属する期間と、を含む資金繰管理情報と、
前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、期間を他方の軸とする表であるワーク出力対象明細と、
が格納されており、
前記制御部に実行させるための、
前記ワーク出力対象明細から、前記資金繰管理情報中の前記資金繰区分、前記入出金区分および前記期間と一致する前記表中のマトリックスを特定し、当該特定したマトリックスに前記金額を格納することにより、前記案件識別データで特定される案件および前記部門識別データで特定される部門の組合せ単位での資金繰予定表情報である案件・部門単位資金繰予定表情報を生成する予定表情報生成ステップと、
前記生成した案件・部門別資金繰予定表情報に基づいて、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、前記期間を他方の軸とし、これら2軸で特定されるマトリックス中に前記金額が格納された、前記案件および前記部門の組合せ単位での資金繰予定表である案件・部門別資金繰予定表を出力する予定表出力ステップと、
を含むこと、
を特徴とする資金繰予定管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資金繰予定管理装置、資金繰予定管理方法および資金繰予定管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、グローバルに展開する企業グループなどにおける資金の分析や予測などの資金管理に好適な、通貨の異なる複数の預金口座の資金管理を支援する資金管理支援装置及び資金管理の支援方法が開示されている(特許文献1の0007段落等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-68401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、建設業界等においては、多重下請の階層構造となっていることが多く、入金までに時間がかかることが多い。事業継続をするためには潤沢な現金を保有することが重要であるため、資金繰の予定(いつにいくら入金するか、いつにいくら出金するか等)を正確かつ迅速に把握することが重要である。
【0005】
しかしながら、特許文献1を含めた従来の技術においては、資金繰の3パターンの段階(契約をまだ結んでいない計画段階、契約を結んだが入出金が完了していない予定段階および入出金が完了した実績段階)別に、期間(年月)毎に、入金額および出金額を把握するためには、エクセル等を用いて情報を整理する必要があった。このため、作業負荷が非常に高く、また、資金繰を早期に把握できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、資金繰の段階別に、期間毎に、入金額および出金額を把握することを可能とする資金繰予定管理装置、資金繰予定管理方法および資金繰予定管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、制御部および記憶部を備える資金繰予定管理装置であって、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、資金繰が計画、予定および実績のいずれの段階にあるかを識別するための区分である資金繰区分と、入金または出金を識別するための区分である入出金区分と、入出金されるまたはされた金額と、前記金額が現金化するまたはした日付が属する期間と、を含む資金繰管理情報と、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、期間を他方の軸とする表であるワーク出力対象明細と、が格納されており、前記制御部は、前記ワーク出力対象明細から、前記資金繰管理情報中の前記資金繰区分、前記入出金区分および前記期間と一致する前記表中のマトリックスを特定し、当該特定したマトリックスに前記金額を格納することにより、前記案件識別データで特定される案件および前記部門識別データで特定される部門の組合せ単位での資金繰予定表情報である案件・部門単位資金繰予定表情報を生成する予定表情報生成手段と、前記生成した案件・部門別資金繰予定表情報に基づいて、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、前記期間を他方の軸とし、これら2軸で特定されるマトリックス中に前記金額が格納された、前記案件および前記部門の組合せ単位での資金繰予定表である案件・部門別資金繰予定表を出力する予定表出力手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記予定表出力手段は、前記生成した前記案件・部門別資金繰予定表中の前記金額を前記部門単位で集計することにより、前記部門単位での資金繰予定表である部門別資金繰予定表を出力すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記予定表出力手段は、前記生成した前記部門別資金繰予定表中の前記金額を集計することにより、全社単位での資金繰予定表である全社資金繰予定表を出力すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、案件識別データと、入金予定金額と、を含む入金予定情報と、が更に格納されており、前記制御部は、前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が計画段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が入金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記入金予定情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記入金予定情報中の前記入金予定金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、案件識別データと、前請求金額と、を含む前請求情報と、案件識別データと、回収予定金額と、を含む売上情報と、案件識別データと、請求金額と、を含む請求情報と、が更に格納されており、前記制御部は、前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が予定段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が入金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報ならびに前記前請求情報、前記売上情報および前記請求情報のいずれか一つに基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記前請求情報中の前記前請求金額、前記売上情報中の前記回収予定金額または前記請求情報中の前記請求金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、案件識別データと、入金金額と、を含む入金情報と、が更に格納されており、前記制御部は、前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が実績段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が入金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記入金情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記入金情報中の前記入金金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、案件識別データと、発注金額と、を含む発注情報と、が更に格納されており、前記制御部は、前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が計画段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が出金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記発注情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記発注情報中の前記発注金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、案件識別データと、仕入金額と、を含む仕入情報と、が更に格納されており、前記制御部は、前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が予定段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が出金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記仕入情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記仕入情報中の前記仕入金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、を含むプロジェクト情報と、案件識別データと、支払金額と、を含む支払情報と、が更に格納されており、前記制御部は、前記資金繰管理情報において、前記資金繰区分が資金繰が実績段階にあることを識別するための区分であり、かつ、前記入出金区分が出金を識別するための区分である場合、前記案件識別データが同じである前記プロジェクト情報および前記支払情報に基づいて、前記プロジェクト情報中の前記部門識別データを前記資金繰管理情報中の前記部門識別データとしてセットし、前記支払情報中の前記支払金額を前記資金繰管理情報中の前記金額としてセットすることにより、前記資金繰管理情報を生成する資金繰管理生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る資金繰予定管理装置においては、前記案件が、工事の案件であり、建設業界において使用されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る資金繰予定管理方法においては、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される資金繰予定管理方法であって、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、資金繰が計画、予定および実績のいずれの段階にあるかを識別するための区分である資金繰区分と、入金または出金を識別するための区分である入出金区分と、入出金されるまたはされた金額と、前記金額が現金化するまたはした日付が属する期間と、を含む資金繰管理情報と、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、期間を他方の軸とする表であるワーク出力対象明細と、が格納されており、前記制御部で実行される、前記ワーク出力対象明細から、前記資金繰管理情報中の前記資金繰区分、前記入出金区分および前記期間と一致する前記表中のマトリックスを特定し、当該特定したマトリックスに前記金額を格納することにより、前記案件識別データで特定される案件および前記部門識別データで特定される部門の組合せ単位での資金繰予定表情報である案件・部門単位資金繰予定表情報を生成する予定表情報生成ステップと、前記生成した案件・部門別資金繰予定表情報に基づいて、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、前記期間を他方の軸とし、これら2軸で特定されるマトリックス中に前記金額が格納された、前記案件および前記部門の組合せ単位での資金繰予定表である案件・部門別資金繰予定表を出力する予定表出力ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る資金繰予定管理プログラムにおいては、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための資金繰予定管理プログラムであって、前記記憶部には、案件識別データと、部門識別データと、資金繰が計画、予定および実績のいずれの段階にあるかを識別するための区分である資金繰区分と、入金または出金を識別するための区分である入出金区分と、入出金されるまたはされた金額と、前記金額が現金化するまたはした日付が属する期間と、を含む資金繰管理情報と、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、期間を他方の軸とする表であるワーク出力対象明細と、が格納されており、前記制御部に実行させるための、前記ワーク出力対象明細から、前記資金繰管理情報中の前記資金繰区分、前記入出金区分および前記期間と一致する前記表中のマトリックスを特定し、当該特定したマトリックスに前記金額を格納することにより、前記案件識別データで特定される案件および前記部門識別データで特定される部門の組合せ単位での資金繰予定表情報である案件・部門単位資金繰予定表情報を生成する予定表情報生成ステップと、前記生成した案件・部門別資金繰予定表情報に基づいて、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、前記期間を他方の軸とし、これら2軸で特定されるマトリックス中に前記金額が格納された、前記案件および前記部門の組合せ単位での資金繰予定表である案件・部門別資金繰予定表を出力する予定表出力ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、資金繰の段階別に、期間毎に、入金額および出金額を把握することを可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、資金繰予定管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係るシステム構成の一例を示す図である。
図3図3は、請求先マスタおよび回収予定日の算出方法の一例を示す図である。
図4図4は、支払先マスタの一例を示す図である。
図5図5は、取引方法マスタの一例を示す図である。
図6図6は、資金繰管理情報中の金額の取得元の一例を示した図である。
図7図7は、2021/02に登録されるプロジェクト情報の一例を示す図である。
図8図8は、2021/02に登録される入金予定情報および資金繰管理情報の一例を示す図である。
図9図9は、2021/02に生成されるワーク工事別資金繰予定表情報等の一例を示す図である。
図10図10は、ワーク出力対象明細の生成の一例を示す図である。
図11図11は、2021/02に生成される工事別資金繰予定表情報の一例を示す図である。
図12図12は、2021/02に出力される工事別資金繰予定表の一例を示す図である。
図13図13は、2021/03に登録されるプロジェクト情報の一例を示す図である。
図14図14は、2021/03に登録される前請求情報および資金繰管理情報の一例を示す図である。
図15図15は、2021/03に登録される発注情報および資金繰管理情報の一例を示す図である。
図16図16は、2021/03に登録される資金繰管理情報の一例を示す図である。
図17図17は、2021/03に生成されるワーク工事別資金繰予定表情報および工事別資金繰予定表情報の一例を示す図である。
図18図18は、2021/03に出力される工事別資金繰予定表の一例を示す図である。
図19図19は、2021/04に引き継いだ2021/03に登録されたプロジェクト情報の一例を示す図である。
図20図20は、2021/04に登録される売上情報および資金繰管理情報の一例を示す図である。
図21図21は、2021/04に登録される入金情報および資金繰管理情報の一例を示す図である。
図22図22は、2021/04の途中段階で登録される資金繰管理情報の一例を示す図である。
図23図23は、2021/04の途中段階で生成されるワーク工事別資金繰予定表情報の一例を示す図である。
図24図24は、2021/04の途中段階で生成される工事別資金繰予定表情報の一例を示す図である。
図25図25は、2021/04の途中段階で出力される工事別資金繰予定表の一例を示す図である。
図26図26は、2021/04に登録される仕入情報および資金繰管理情報の一例を示す図である。
図27図27は、2021/04に登録される資金繰管理情報の一例を示す図である。
図28図28は、2021/04に生成されるワーク工事別資金繰予定表情報の一例を示す図である。
図29図29は、2021/04に生成される工事別資金繰予定表情報の一例を示す図である。
図30図30は、2021/04に出力される工事別資金繰予定表の一例を示す図である。
図31図31は、2021/05に登録される支払情報および資金繰管理情報の一例を示す図である。
図32図32は、2021/05に登録される資金繰管理情報の一例を示す図である。
図33図33は、2021/05に生成されるワーク工事別資金繰予定表情報の一例を示す図である。
図34図34は、2021/05に生成される工事別資金繰予定表情報の一例を示す図である。
図35図35は、2021/05に出力される工事別資金繰予定表の一例を示す図である。
図36図36は、部門別資金繰予定表の一例を示す図である。
図37図37は、全社資金繰予定表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る資金繰予定管理装置、資金繰予定管理方法および資金繰予定管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0022】
[1.背景・課題および概要]
本項目では、本発明の背景・課題および概要について説明する。
【0023】
[1-1.本発明の背景・課題]
建設業界は多重下請の階層構造であり、工期の長い工事の際、外注業者に支払は発生するが、入金は支払よりも時期が遅れる傾向がある。建設業法および下請法等で支払期限が定められているため、事業継続のためには、資金繰を予測して潤沢な現金を保有することが要求される。
【0024】
また、資金繰予定は、Excel上で、経理財務部門で請求書発行後に入金予定を管理し、下請業者から請求書を受領してから支払予定を管理しているケースが多いが、工期が長く金額が大きい工事は企業の資金繰りに対する影響が大きい。このため、資金繰予定は、契約段階、理想的には引合段階の工事の予定も含めて管理することが望ましい。
【0025】
そして、営業担当や施工担当は、工事別の利益については意識しているが、入出金予定については意識していないことが多い。このため、資金繰の問題を会社として本質的に改善するためには、全社や経理だけでなく、部門責任者や工事責任者に入出金予定を意識させる必要がある。
【0026】
更に、コロナ過での事業継続を支える意味においても、利益管理だけではなく、資金管理も行うことの有用性は更に増して行くと想定される。
【0027】
要するに、資金繰予定は多岐にわたる情報を集める必要があるが、従来においては、エクセル等の手作業で資金繰予定を管理していたため、作成負荷が高いという問題があった(作業負荷の問題)。また、従来においては、請求・支払タイミングで資金繰り予定を認識していたが、案件の受注や発注タイミングで現場から経理に情報が集まらず、早期に資金繰予定を確認することができないという問題があった(把握時期の問題)。
【0028】
[1-2.本発明の概要]
そこで、本実施形態においては、例えば、業務進捗と資金繰りを紐づけてステータス管理することで、プロセス進捗に伴い計画精度をあげ、資金繰予定をより精度高く、かつ、より早期に管理することを可能とした。
【0029】
また、本実施形態においては、例えば、各業務から資金繰における予定情報および実績情報を収集し、工事単位(現場責任者視点)、部門単位(部門責任者視点)および全社単位(経営者視点)という様に、立場の異なる責任者が指定日付時点で情報を随時確認できるようにした。
【0030】
そして、本実施形態においては、例えば、引合段階や契約段階にある入出金が未確定の情報について、入金予定日および支払予定日を以下のようにして算出できるようにした。入金予定日については、契約情報の売上予定日から請求先マスタの約定を参照することで算出できるようにした。支払予定日については、予算情報の発注予定の工期終了予定日から仕入先マスタの約定を参照することで算出できるようにした。なお、金種が手形の場合は、決裁期日を加味して、入金予定日および支払予定日の調整を行えるようにした。
【0031】
更に、本実施形態においては、例えば、工事管理システム上では、工事案件に紐づく入出金の管理が主体ではあるが、債権債務として、販管費、営業外損益および特別損益等の付加情報も登録すれば、会社全体としての精緻な資金繰予定管理も可能となる。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0032】
[2.構成]
本実施形態に係る資金繰予定管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、資金繰予定管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
資金繰予定管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、資金繰予定管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0034】
資金繰予定管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。資金繰予定管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0035】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、資金繰予定管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、資金繰予定管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0036】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0037】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0038】
記憶部106は、例えば、プロジェクト情報106aと、入金予定情報106bと、前請求情報106cと、売上情報106dと、請求情報106eと、入金情報106fと、発注情報106gと、仕入情報106hと、支払情報106iと、請求先マスタ106jと、支払先マスタ106kと、取引方法マスタ106mと、資金繰管理情報106nと、ワーク工事別資金繰予定表情報106pと、ワーク出力対象明細106qと、工事別資金繰予定表情報106rと、を備えている。
【0039】
ここで、プロジェクト情報106a~支払情報106iは、業務の進捗に伴い日々登録される情報であり、以下の項目[2-1]において説明する。請求先マスタ106j~取引方法マスタ106mは、予めオペレータが設定しておくマスタ情報であり、以下の項目[2-2]において説明する。資金繰管理情報106n~工事別資金繰予定表情報106rは、本発明に特徴的な情報で、処理を経て生成されるものであり、以下の[2-3]において説明する。
【0040】
[2-1.プロジェクト情報106a~支払情報106i]
プロジェクト情報106aは、例えば、プロジェクト番号と、プロジェクト名と、部門と、請求先と、契約状態と、引合日と、受注日と、等を含む。プロジェクト番号は、プロジェクトを一意に示す番号である。部門は、プロジェクトを管理する部門である。請求先は、お金の回収先となる取引先である。契約状態は、プロジェクトの進捗を表すステータス情報であり、引合、受注および失注の3つステータスが存在する。受注日は、初回受注計上日である。
【0041】
入金予定情報106bは、例えば、入金予定番号と、プロジェクト番号と、請求先と、取引方法と、入金予定金額(金額)と、請求予定日と、回収予定日と、CASHIN/OUT日と、等を含む。入金予定番号は、入金予定情報を一意に示す伝票番号である。取引方法は、金額の回収方法である。金額は、回収金額である。請求予定日は、回収予定日の算出に用いる対象日付である。回収予定日は、金額の回収予定日である。CASHIN/OUT日は、現金化する日付である。
【0042】
前請求情報106cは、例えば、前請求番号と、プロジェクト番号と、請求先と、取引方法と、前請求金額(金額)と、前請求日と、回収予定日と、CASHIN/OUT日と、等を含む。前請求番号は、前請求情報を一意に示す伝票番号である。前請求日は、前請求登録を実施した日付であり、回収予定日の算出に用いる対象日付でもある。
【0043】
売上情報106dは、例えば、売上番号と、プロジェクト番号と、請求先と、取引方法と、売上金額と、回収予定金額と、売上日と、回収予定日と、CASHIN/OUT日と、等を含む。売上番号は、売上情報を一意に示す伝票番号である。売上日は、売上登録を実施した日付であり、回収予定日の算出に用いる対象日付でもある。回収予定金額については、売上登録以前に、前請求をしている場合は売上金額≠回収金額となる。具体的には、売上登録時に、今回売上金額と前請求金額とを相殺した金額が、売上情報106dにセットされる。
【0044】
請求情報106eは、例えば、請求番号と、プロジェクト番号と、請求先と、取引方法と、請求金額(金額)と、請求日と、回収予定日と、CASHIN/OUT日と、等を含む。請求番号は、請求情報を一意に示す伝票番号である。請求日は、請求登録を実施した日付であり、回収予定日の算出に用いる対象日付でもある。
【0045】
入金情報106fは、例えば、入金番号と、プロジェクト番号と、請求先と、取引方法と、入金金額(金額)と、回収予定日と、入金日と、CASHIN/OUT日と、等を含む。入金番号は、入金情報を一意に示す伝票番号である。入金日は、入金登録を実施した日付(入金実績を反映した日付)である。
【0046】
発注情報106gは、例えば、発注番号と、プロジェクト番号と、支払先と、取引方法と、発注金額(金額)と、発注日と、仕入予定日と、支払予定日と、CASHIN/OUT日と、等を含む。発注番号は、発注情報を一意に示す伝票番号である。支払先は、お金の支払先となる取引先である。発注日は、発注登録を実施した日付である。仕入予定日は、支払予定日の算出に用いる対象日付である。支払予定日は、金額の支払予定日である。CASHIN/OUT日は、現金を出金する日付である。
【0047】
仕入情報106hは、例えば、仕入番号と、プロジェクト番号と、支払先と、取引方法と、仕入金額(金額)と、仕入日と、支払予定日と、CASHIN/OUT日と、等を含む。仕入番号は、仕入情報を一意に示す伝票番号である。仕入日は、仕入登録を実施した日付であり、支払予定日の算出に用いる対象日付でもある。
【0048】
支払情報106iは、例えば、支払番号と、プロジェクト番号と、支払先と、取引方法と、支払金額(金額)と、支払予定日と、支払日と、CASHIN/OUT日と、等を含む。支払番号は、支払情報を一意に示す伝票番号である。支払先は、お金の支払先となる取引先である。支払日は、支払登録を実施した日付(支払実績を反映した日付)である。
【0049】
ここで、入金予定情報106b~支払情報106iの性質、および、これらの情報と資金繰管理情報106nとの関係について、図2および図6を用いて説明する。
【0050】
入金予定情報106bは、図2に示すように、入金の計画段階で生成される情報である。図6に示すように、資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「0:計画」であり、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合、入金予定情報106b中の金額が、資金繰管理情報106n中の金額としてセットされる。
【0051】
前請求情報106c、売上情報106dおよび請求情報106eは、図2に示すように、入金の予定段階で生成される情報である。図6に示すように、資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「1:予定」であり、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合、前請求情報106c、売上情報106dおよび請求情報106e中の金額が、資金繰管理情報106n中の金額としてセットされる。
【0052】
入金情報106fは、図2に示すように、入金の実績段階で(=入金が済んだ後に)生成される情報である。図6に示すように、資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「2:実績」であり、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合、入金情報106f中の金額が、資金繰管理情報106n中の金額としてセットされる。
【0053】
発注情報106gは、図2に示すように、出金(支払)の計画段階で生成される情報である。図6に示すように、資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「0:計画」であり、かつ、入出金区分が「1:出金(支払)」である場合、発注情報106g中の金額が、資金繰管理情報106n中の金額としてセットされる。
【0054】
仕入情報106hは、図2に示すように、出金(支払)の予定段階で生成される情報である。図6に示すように、資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「1:予定」であり、かつ、入出金区分が「1:出金(支払)」である場合、仕入情報106h中の金額が、資金繰管理情報106n中の金額としてセットされる。
【0055】
支払情報106iは、図2に示すように、出金(支払)の実績段階で(=出金(支払)が済んだ後に)生成される情報である。図6に示すように、資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「2:実績」であり、かつ、入出金区分が「1:出金(支払)」である場合、支払情報106i中の金額が、資金繰管理情報106n中の金額としてセットされる。
【0056】
[2-2.請求先マスタ106j~取引方法マスタ106m]
請求先マスタ106jは、図3に示すように、例えば、請求先コードと、請求先名と、締日と、回収月と、回収日と、等を含む。請求先コードおよび請求先名は、お金の回収先となる取引先を示す。締日、回収月および回収日は、回収予定日の算出に用いる情報である。
【0057】
ここで、図3に示す表を用いて、回収予定日の算出方法を説明する。
・(2)の算出対象年月は、(1)の算出対象日が属する年月となる。
・(3)の締対象期間は、(2)の算出対象年月と請求先マスタ106j中の締日の設定により算出される。
・(4)の算出対象年月は、(I)(3)の締対象期間の開始日≦(1)の算出対象日≦(3)の締対象期間の終了日の条件を満たす場合には、(2)の算出対象年月となり、これに対して、(II)当該条件を満たさない場合には、(2)の算出対象年月+1月となる。
・(5)の回収予定月は、(4)の算出対象年月+請求先マスタ106j中の回収月により算出される。
・(6)の回収予定日は、(5)の回収予定月および請求先マスタ106j中の回収日に基づいて算出される。
【0058】
支払先マスタ106kは、図4に示すように、例えば、支払先コードと、支払先名と、締日と、支払月と、支払日と、等を含む。支払予定日は、前段落で説明した回収予定日の算出方法中の語句を以下のように読み替えることで算出可能であるため、詳細な説明は省略する。
・請求先マスタ106j→支払先マスタ106k
・請求先マスタ106j中の回収月→支払先マスタ106k中の支払月
・回収予定月→支払予定月
・回収予定日→支払予定日
【0059】
取引方法マスタ106mは、図5に示すように、例えば、取引方法コードと、取引方法名と、取引区分と、手形サイトと、等を含む。取引方法コードおよび取引方法名は、お金の回収方法および支払方法である。取引区分は、取引の種類である。手形サイトは、取引区分が手形の場合に設定する手形サイトである。例えば、取引方法が「TOR22:手形(90日)」であり、対象日(回収予定日)が2021/12/01である場合、CASHIN/OUT日は、「対象日2021/12/01+取引方法マスタ106m中の手形サイト90日」という計算により、20201/03/01と算出することができる。
【0060】
回収方法および支払方法は、取引方法マスタ106m上で金種(取引区分)別に按分設定が行え、各予定および実績情報をさらに金種別へ分解することで、金種別の資金繰予定表にも展開可能である。金種別に分解することで、手形期日を考慮した現預金のCASHIN/OUT日の予測まで可能となる。なお、CASHIN/OUT日は、取引方法マスタ106m上で設定されている手形サイトを元に算出することができる。
【0061】
[2-3.資金繰管理情報106n~工事別資金繰予定表情報106r]
資金繰管理情報106nは、図8等に示すように、例えば、案件識別データ(プロジェクト番号)と、部門識別データ(部門コード)と、取引先識別データ(取引先コード)と、資金繰が計画、予定および実績のいずれの段階にあるかを識別するための区分である資金繰区分と、入金または出金を識別するための区分である入出金区分と、取引区分と、伝票番号と、入出金されるまたはされた金額(金額)と、計上日と、計上年月と、前記金額が現金化するまたはした日付(CASHIN/OUT日)と、当該日付が属する期間(CASHIN/OUT年月)と、等を含む。
【0062】
プロジェクト番号は、資金繰管理対象(例えば、工事の案件)のプロジェクト番号を示す。部門コードは、プロジェクトを管理する部門のコードである。取引先コードは、お金の回収先または支払先となる取引先のコードである。資金繰区分は、資金繰情報のステータスを表す区分であり、「0:計画」、「1:予定」および「2:実績」の3区分が存在する。入出金区分としては、収入を意味する区分である「0:入金」、支出を意味する区分である「1:出金(支払)」および収入から支出を差し引いたことを意味する区分である「9:収支」の3区分が存在する。取引区分は、お金の回収および支払方法の種類を示す区分である。伝票番号は、資金繰管理情報の発生元となる伝票番号である。金額は、回収金額または支払金額である。計上日は、お金の入出金を実績として認識するまたはした日付である。計上年月は、計上日が属する年月である。CASHIN/OUT日は、お金を現金化するまたはした日付である。CASHIN/OUT年月は、CASHIN/OUT日が属する年月である。
【0063】
ワーク工事別資金繰予定表情報106pは、資金繰管理情報106nにおいて、プロジェクト番号、取引先コード、資金繰区分、入出金区分およびCASHIN/OUT年月の組合せが同じレコード同士の金額を集計した情報である。ワーク工事別資金繰予定表情報106pは、図9等に示すように、例えば、プロジェクト番号と、取引先コードと、資金繰区分と、入出金区分と、CASHIN/OUT年月(対象年月)と、集計後の金額(金額)と、等を含む。
【0064】
ワーク出力対象明細106qは、図10等に示すように、資金繰区分および入出金区分の組合せを一方の軸とし、期間を他方の軸とする表である。
【0065】
工事別資金繰予定表情報106rは、工事別資金繰予定表を出力するために用いる情報である。工事別資金繰予定表情報106rは、詳細は以下の[3.処理の具体例]で説明するが、ワーク工事別資金繰予定表情報106p中の集計後の金額(金額)をワーク出力対象明細106q中のマトリックスに格納することにより生成される。工事別資金繰予定表情報106rは、図11等に示すように、例えば、プロジェクト番号と、取引先コードと、資金繰区分と、入出金区分と、対象年月別の金額と、等を含む。
【0066】
制御部102は、資金繰予定管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0067】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)資金繰管理生成手段としての資金繰管理生成102aと、(2)前記ワーク出力対象明細から、前記資金繰管理情報中の前記資金繰区分、前記入出金区分および前記期間と一致する前記表中のマトリックスを特定し、当該特定したマトリックスに前記金額を格納することにより、前記案件識別データで特定される案件および前記部門識別データで特定される部門の組合せ単位での資金繰予定表情報である案件・部門単位資金繰予定表情報を生成する予定表情報生成手段としての予定表情報生成部102bと、(3)前記生成した案件・部門別資金繰予定表情報に基づいて、前記資金繰区分および前記入出金区分の組合せを一方の軸とし、前記期間を他方の軸とし、これら2軸で特定されるマトリックス中に前記金額が格納された、前記案件および前記部門の組合せ単位での資金繰予定表である案件・部門別資金繰予定表を出力する予定表出力手段としての予定表出力部102cと、を備えている。
【0068】
資金繰管理生成部102aは、資金繰管理情報106n中の資金繰区分(「0:計画」、「1:予定」または「2:実績」の3パターン)および入出金区分(「0:入金」または「1:出金」の2パターン)に応じて、異なる情報に基づいて、資金繰管理情報106n中に金額をセットすることにより、資金繰管理情報106nを生成する。以下、6パターン(資金繰区分3パターン×入出金区分2パターン)毎に分けて、資金繰管理情報106nの生成について説明する。
【0069】
資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「0:計画」であり、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合、資金繰管理生成部102aは、プロジェクト番号が同じであるプロジェクト情報106aおよび入金予定情報106bに基づいて、プロジェクト情報106a中の部門コードを資金繰管理情報106n中の部門コードとしてセットし、入金予定情報106b中の入金予定金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットすることにより、資金繰管理情報106nを生成する(図7および図8参照)。
【0070】
資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「1:予定」であり、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合、資金繰管理生成部102aは、プロジェクト番号が同じであるプロジェクト情報106aならびに前請求情報106c、売上情報106dおよび請求情報106eのいずれか一つに基づいて、プロジェクト情報106a中の部門コードを資金繰管理情報106n中の部門コードとしてセットし、前請求情報106c中の前請求金額、売上情報106d中の回収予定金額または請求情報106e中の請求金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットすることにより、資金繰管理情報106nを生成する(図13および図14参照)。
【0071】
資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「2:実績」であり、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合、資金繰管理生成部102aは、プロジェクト番号が同じであるプロジェクト情報106aおよび入金情報106fに基づいて、プロジェクト情報106a中の部門コードを資金繰管理情報106n中の部門コードとしてセットし、入金情報106f中の入金金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットすることにより、資金繰管理情報106nを生成する(図19および図21参照)。
【0072】
資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「0:計画」であり、かつ、入出金区分が「1:出金」である場合、資金繰管理生成部102aは、プロジェクト番号が同じであるプロジェクト情報106aおよび発注情報106gに基づいて、プロジェクト情報106a中の部門コードを資金繰管理情報106n中の部門コードとしてセットし、発注情報106g中の発注金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットすることにより、資金繰管理情報106nを生成する(図13および図15参照)。
【0073】
資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「1:予定」であり、かつ、入出金区分が「1:出金」である場合、資金繰管理生成部102aは、プロジェクト番号が同じであるプロジェクト情報106aおよび仕入情報106hに基づいて、プロジェクト情報106a中の部門コードを資金繰管理情報106n中の部門コードとしてセットし、仕入情報106h中の仕入金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットすることにより、資金繰管理情報106nを生成する(図19および図26参照)。
【0074】
資金繰管理情報106nにおいて、資金繰区分が「2:実績」であり、かつ、入出金区分が「1:出金」である場合、資金繰管理生成部102aは、プロジェクト番号が同じであるプロジェクト情報106aおよび支払情報106iに基づいて、プロジェクト情報106a中の部門コードを資金繰管理情報106n中の部門コードとしてセットし、支払情報106i中の支払金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットすることにより、資金繰管理情報106nを生成する(図19および図31参照)。
【0075】
予定表情報生成部102bは、ワーク出力対象明細106qから、資金繰管理情報106n中の資金繰区分、入出金区分および期間と一致するワーク出力対象明細106qの表中のマトリックスを特定し、当該特定したマトリックスに資金繰管理情報106n中の金額を格納することにより、案件および部門の組合せ単位での資金繰予定表情報である案件・部門単位資金繰予定表情報(工事別資金繰予定表情報106r)を生成する(図11図17図24図29および図34参照)。
【0076】
予定表出力部102cは、前記生成した案件・部門単位資金繰予定表情報(工事別資金繰予定表)に基づいて、資金繰区分および入出金区分の組合せを一方の軸とし、期間を他方の軸とし、これら2軸で特定されるマトリックス中に金額が格納された、案件および部門の組合せ単位での資金繰予定表である案件・部門別資金繰予定表(工事別資金繰予定表)を生成する(図12図18図25図30および図35参照)。
【0077】
予定表出力部102cは、前記生成した案件・部門別資金繰予定表(工事別資金繰予定表)中の金額を部門単位で集計することにより、部門単位での資金繰予定表である部門別資金繰予定表を出力する(図36参照)。
【0078】
予定表出力部102cは、前記生成した部門別資金繰予定表中の金額を集計することにより、全社単位での資金繰予定表である全社資金繰予定表を出力する(図37参照)。
【0079】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。以下、工事別資金繰予定表の生成について処理年月(2021/02~2021/06)別に[3-1]~[3-4]で説明し、部門別資金繰予定表の生成について[3-5]で説明し、全社資金繰予定表の生成について[3-6]で説明する。
【0080】
[3-1.2021/02の工事別資金繰予定表の生成]
最初に、システムが処理している年月=2021/02とした場合の工事別資金繰予定表の生成について、図7図12を用いて説明する。
【0081】
(1)プロジェクト情報106aの生成
まず、図7に示すように、工事の管理単位として使用する目的で、取引先との契約単位でプロジェクト情報106aが生成される。プロジェクト情報106aにおいては、請求先および契約状態が入力される。図7のプロジェクト情報106aの例では、契約状態として「10:引合」が登録されており、この場合、引合日が入力される。
【0082】
(2)入金予定情報106bの生成
次に、図8に示すように、プロジェクトに対して、入金予定情報106bが登録される。入金予定情報106bにおいては、取引方法、金額および請求予定日が登録される。入金予定情報106bにおいては、請求予定日を算出対象日として、請求先マスタ106jを参照して、回収予定日およびCASHIN/OUT日が算出される。
【0083】
(3)資金繰管理情報106nおよびワーク工事別資金繰予定表情報106pの生成
次に、資金繰管理生成部102aは、図8に示すように、プロジェクト情報106aと入金予定情報106bから、資金繰管理情報106nを生成する。ここで、図7のプロジェクト情報106a中の契約状態「10:引合」は、資金繰管理における「計画段階」にあたるため、図8の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分は「0:計画」で登録される。また、入金予定情報106bが登録されたということは、資金繰管理における「入金」が今後行われるため、図8の資金繰管理情報106nに示すように、入出金区分は「0:入金」で登録される。
【0084】
図8の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分が「0:計画」で、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合には、資金繰管理生成部102aは、図6を用いて説明したように、入金予定情報106b中の金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。具体的には、資金繰管理生成部102aは、入金予定情報106b中の金額を、入金予定番号、取引方法、回収予定日およびCASHIN/OUT日の組合せが同じレコード単位で集計した金額を、資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。
【0085】
また、資金繰管理生成部102aは、図7のプロジェクト情報106a中の部門「A部門」を、図8の資金繰管理情報106n中の部門としてセットする。
【0086】
次に、図9に示すように、生成された資金繰管理情報106n中の金額が、プロジェクト番号、取引先コード、資金繰区分、入出金区分およびCASHIN/OUT年月で集約されることにより、ワーク工事別資金繰予定表情報106pが生成される。当該生成されたワーク工事別資金繰予定表情報106pが、工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの一方である。
【0087】
(4)ワーク出力対象明細106qの生成
ここで、工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの他方であるワーク出力対象明細106qの生成について説明する。図10に示すワーク出力対象明細106qは、図10に示す出力対象明細情報(縦軸)および図10に示す出力対象年月情報(横軸)に基づいて生成される。なお、出力対象年月情報(横)における対象年月は、工事別資金繰予定表の出力時に指定された抽出条件から生成される。例えば、抽出条件として指定された基準年月が2021/02の場合、基準年月-1月以前(2021/01以前)、指定された基準年月(2021/02)、基準年月+1月(2021/03)、基準年月+2月(2021/04)、基準年月+3月(2021/05)、基準年月+4月(2021/06)、基準年月+5月(2021/07)および基準年月+6月以降(2021/08以降)が、対象年月となる。
【0088】
(5)工事別資金繰予定表情報106rの生成および工事別資金繰予定表の出力
次に、生成された図9のワーク工事別資金繰予定表情報106pが、プロジェクト番号、取引先コード、資金繰区分、入出金区分および対象年月単位で、図10のワーク出力対象明細106qに展開されることで、図11の工事別資金繰予定表情報106rが生成される。
【0089】
具体的には、予定表情報生成部102bは、図9のワーク工事別資金繰予定表情報106p中の資金繰区分「0:計画」および入出金区分「0:入金」と同じ区分を有するレコードとして、図10のワーク出力対象明細106q中の1行目のレコードを特定する。そして、予定表情報生成部102bは、当該特定した1行目のレコード中の2021/04の列に、図9のワーク工事別資金繰予定表情報106p中の2021/04の金額1,100,000を格納し、当該特定した1行目のレコード中の2021/05の列に、図9のワーク工事別資金繰予定表情報106p中の2021/05の金額3,300,000を格納し、当該特定した1行目のレコード中の2021/08以降の列に、図9のワーク工事別資金繰予定表情報106p中の2021/08以降の金額2,200,000を格納する。併せて、予定表情報生成部102bは、図9のワーク工事別資金繰予定表情報106p中のプロジェクト番号および取引先コードを、図10のワーク出力対象明細106qの最左列に付加する。このようにして生成された工事別資金繰予定表情報106rを、図11に示す。
【0090】
最後に、予定表出力部102cは、予定表情報生成部102bが生成した工事別資金繰予定表情報106rに基づいて、図12に示す工事別資金繰予定表(基準年月=2021/02)を出力する。図12に示す工事別資金繰予定表は、プロジェクト番号PJ200001で特定される工事についてのA部門の資金繰予定表である。
【0091】
[3-2.2021/03の工事別資金繰予定表の生成]
次に、システムが処理している年月=2021/03とした場合の工事別資金繰予定表の生成について、図13図18を用いて説明する。
【0092】
(1)プロジェクト情報106aの生成
登録済のプロジェクトが受注に至った場合、図13に示すように、プロジェクト情報106aが更新される。具体的には、生成された図7のプロジェクト情報106aにおいて、契約状態が「10:引合」から「20:受注」に変更され、また、受注日として「2021/03/01」が登録される。
【0093】
(2)前請求情報106cの生成
次に、図14に示すように、プロジェクトに対して、前請求情報106cが登録される。前請求情報106cにおいては、取引方法、金額および前請求日が登録される。前請求情報106cにおいては、前請求日を算出対象日として、請求先マスタ106jを参照して、回収予定日およびCASHIN/OUT日が算出される。
【0094】
(3)前請求情報106cに基づく資金繰管理情報106nの生成
次に、資金繰管理生成部102aは、図14に示すように、プロジェクト情報106aと前請求情報106cから、資金繰管理情報106nを生成する。ここで、図13のプロジェクト情報106a中の契約状態「20:受注」は、資金繰管理における「予定段階」にあたるため、図14の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分は「1:予定」で登録される。また、前請求情報106cが登録されたということは、資金繰管理における「入金」が今後行われるため、図14の資金繰管理情報106nに示すように、入出金区分は「0:入金」で登録される。
【0095】
図14の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分が「1:予定」で、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合には、資金繰管理生成部102aは、図6を用いて説明したように、前請求情報106c中の金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。具体的には、資金繰管理生成部102aは、前請求情報106c中の金額を、前請求番号、プロジェクト番号、請求先(取引先)、取引区分、回収予定日(計上日)およびCASHIN/OUT日の組合せが同じレコード単位で集計した金額を、資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。
【0096】
また、資金繰管理生成部102aは、図13のプロジェクト情報106a中の部門「A部門」を、図14の資金繰管理情報106n中の部門としてセットする。
【0097】
(4)発注情報106gの生成
次に、図15に示すように、プロジェクトに対して、発注情報106gが登録される。つまり、下請け業者への発注がなされる。発注情報106gにおいては、支払先、取引方法、金額、発注日および仕入予定日が登録される。発注情報106gにおいては、仕入予定日を算出対象日として、支払先マスタ106kを参照して、支払予定日およびCASHIN/OUT日が算出される。
【0098】
(5)発注情報106gに基づく資金繰管理情報106nの生成
次に、資金繰管理生成部102aは、図15に示すように、プロジェクト情報106aと発注情報106gから、資金繰管理情報106nを生成する。ここで、発注情報106gは、図2に示すように計画段階の情報であるため、図15の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分は「0:計画」で登録される。また、発注情報106gが登録されたということは、資金繰管理における「出金」が今後行われるため、図15の資金繰管理情報106nに示すように、入出金区分は「1:出金」で登録される。
【0099】
図15の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分が「0:計画」で、かつ、入出金区分が「1:出金(支払)」である場合には、資金繰管理生成部102aは、図6を用いて説明したように、発注情報106g中の金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。具体的には、発注情報106g中の金額を、発注番号、プロジェクト番号、支払先(取引先)、取引区分、支払予定日(計上日)およびCASHIN/OUT日の組合せが同じレコード単位で集計した金額を、資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。
【0100】
また、資金繰管理生成部102aは、図13のプロジェクト情報106a中の部門「A部門」を、図15の資金繰管理情報106n中の部門としてセットする。
【0101】
(6)資金繰管理情報106nおよびワーク工事別資金繰予定表情報106pの更新
次に、資金繰管理生成部102aは、[3-1]で生成された図9に示す資金繰管理情報106nに、本項目[3-2]の(3)で生成された図14に示す資金繰管理情報106nおよび本項目[3-2]の(5)で生成された図15に示す資金繰管理情報106nを付加することにより、資金繰管理情報106nを図16に示すように更新する。
【0102】
次に、図17に示すように、生成された資金繰管理情報106n中の金額が、プロジェクト番号、取引先コード、資金繰区分、入出金区分およびCASHIN/OUT年月で集約されることにより、ワーク工事別資金繰予定表情報106pが生成される。前述のとおり、当該生成されたワーク工事別資金繰予定表情報106pが、工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの一方である。
【0103】
工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの他方であるワーク出力対象明細106qの生成の方法は、[3-1]の(4)と同様であるため、詳細な説明は省略する。生成されたワーク出力対象明細106qは、図10に示すとおりである。
【0104】
(7)工事別資金繰予定表情報106rの生成および工事別資金繰予定表の出力
次に、予定表情報生成部102bは、[3-1]の(5)と同様の方法で、工事別資金繰予定表情報106rを生成する。生成された図17に示す工事別資金繰予定表情報106rにおいて、ハッチングで示す2つのマトリックス中の金額(1,100,000円および550,000円)が、新たに追加された金額である。
【0105】
最後に、予定表出力部102cは、予定表情報生成部102bが生成した工事別資金繰予定表情報106rに基づいて、図18に示す工事別資金繰予定表(基準年月=2021/03)を出力する。図18に示す工事別資金繰予定表は、プロジェクト番号PJ200001で特定される工事についてのA部門の資金繰予定表である。
【0106】
[3-3.2021/04の工事別資金繰予定表の生成]
次に、システムが処理している年月=2021/04とした場合の工事別資金繰予定表の生成について、図19図30を用いて説明する。
【0107】
(1)プロジェクト情報106aの生成
2021/04時点でプロジェクトに変更はないもとし、この場合、プロジェクト情報106aは、図19に示すように、図13に示す2021/03のプロジェクト情報106aと同内容となる。
【0108】
(2)売上情報106gの生成
次に、図20に示すように、プロジェクトに対して、売上情報106gが登録される。売上情報106gにおいては、取引方法、金額および売上日が登録される。売上情報106gにおいては、売上日を算出対象日として、請求先マスタ106jを参照して、回収予定日およびCASHIN/OUT日が算出される。売上情報106gにおいては、回収予定金額が計算される。
【0109】
(3)売上情報106gに基づく資金繰管理情報106nの生成
次に、資金繰管理生成部102aは、図20に示すように、プロジェクト情報106aと売上情報106gから、資金繰管理情報106nを生成する。ここで、図19のプロジェクト情報106a中の契約状態「20:受注」は、資金繰管理における「予定段階」にあたるため、図20の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分は「1:予定」で登録される。また、売上情報106gが登録されたということは、資金繰管理における「入金」が今後行われるため、図20の資金繰管理情報106nに示すように、入出金区分は「0:入金」で登録される。
【0110】
図20の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分が「1:予定」で、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合には、資金繰管理生成部102aは、図6を用いて説明したように、売上情報106g中の回収予定金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。具体的には、資金繰管理生成部102aは、売上情報106g中の回収予定金額を、売上番号、プロジェクト番号、請求先(取引先)、取引区分、回収予定日およびCASHIN/OUT日の組合せが同じレコード単位で集計した金額を、資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。
【0111】
(4)入金情報106fの生成
次に、図21に示すように、プロジェクトに対して、入金情報106fが登録される。入金情報106fにおいては、取引方法、金額および入金日が登録される。入金情報106fにおいては、入金日がCASHIN/OUT日として反映される。
【0112】
(5)入金情報106fに基づく資金繰管理情報106nの生成
次に、資金繰管理生成部102aは、図21に示すように、プロジェクト情報106aと入金情報106fから、資金繰管理情報106nを生成する。ここで、入金情報106fは、実際に入金がなされたという実績段階の情報であるため、図21の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分は「2:実績」で登録される。また、入金情報106fが登録されたということは、資金繰管理における「入金」が行われたということであるため、図21の資金繰管理情報106nに示すように、入出金区分は「0:入金」で登録される。
【0113】
図21の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分が「2:実績」で、かつ、入出金区分が「0:入金」である場合には、資金繰管理生成部102aは、図6を用いて説明したように、入金情報106f中の金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。具体的には、資金繰管理生成部102aは、入金情報106f中の金額を、入金番号、プロジェクト番号、請求先(取引先)、取引区分、回収予定日およびCASHIN/OUT日の組合せが同じレコード単位で集計した金額を、資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。
【0114】
(6)資金繰管理情報106nおよびワーク工事別資金繰予定表情報106pの更新
次に、資金繰管理生成部102aは、[3-2]で生成された図16に示す資金繰管理情報106nに、本項目[3-3]の(3)で生成された図20に示す資金繰管理情報106nおよび本項目[3-3]の(5)で生成された図21に示す資金繰管理情報106nを付加することにより、資金繰管理情報106nを図22に示すように更新する。
【0115】
次に、図23に示すように、生成された資金繰管理情報106n中の金額が、プロジェクト番号、取引先コード、資金繰区分、入出金区分およびCASHIN/OUT年月で集約されることにより、ワーク工事別資金繰予定表情報106pが生成される。前述のとおり、当該生成されたワーク工事別資金繰予定表情報106pが、工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの一方である。
【0116】
工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの他方であるワーク出力対象明細106qの生成の方法は、[3-1]の(4)と同様であるため、詳細な説明は省略する。生成されたワーク出力対象明細106qは、図10に示すとおりである。
【0117】
(7)工事別資金繰予定表情報106rの生成および工事別資金繰予定表の出力
次に、予定表情報生成部102bは、[3-1]の(5)と同様の方法で、工事別資金繰予定表情報106rを生成する。生成された図24に示す工事別資金繰予定表情報106rにおいて、ハッチングで示す3つのマトリックス中の金額(1,100,000円、3,300,000円および2,200,000円)が、新たに追加された金額である。
【0118】
次に、予定表出力部102cは、予定表情報生成部102bが生成した工事別資金繰予定表情報106rに基づいて、図25に示す工事別資金繰予定表(基準年月=2021/04)を出力する。図25に示す工事別資金繰予定表は、プロジェクト番号PJ200001で特定される工事についてのA部門の資金繰予定表である。
【0119】
(8)仕入情報106hの登録
次に、図26に示すように、プロジェクトに対して、仕入情報106hが登録される。仕入情報106hにおいては、取引方法、金額および仕入日が登録される。仕入情報106hにおいては、仕入日を算出対象日として、支払先マスタ106kを参照して、支払予定日およびCASHIN/OUT日が算出される。
【0120】
(9)仕入情報106hに基づく資金繰管理情報106nの生成
次に、資金繰管理生成部102aは、図26に示すように、プロジェクト情報106aと仕入情報106hから、資金繰管理情報106nを生成する。ここで、仕入情報106hは、図2に示すように予定段階の情報であるため、図26の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分は「1:予定」で登録される。また、仕入情報106hが登録されたということは、資金繰管理における「出金」が今後行われるため、図26の資金繰管理情報106nに示すように、入出金区分は「1:出金」で登録される。
【0121】
図26の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分が「1:予定」で、かつ、入出金区分が「1:出金(支払)」である場合には、資金繰管理生成部102aは、図6を用いて説明したように、仕入情報106h中の金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。具体的には、資金繰管理生成部102aは、仕入情報106h中の金額を、仕入番号、プロジェクト番号、支払先(取引先)、取引区分、支払予定日(計上日)およびCASHIN/OUT日の組合せが同じレコード単位で集計した金額を、資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。
【0122】
(10)資金繰管理情報106nおよびワーク工事別資金繰予定表情報106pの更新
次に、資金繰管理生成部102aは、本項目[3-3]で生成された図22に示す資金繰管理情報106nに、本項目[3-3]の(9)で生成された図26に示す資金繰管理情報106nを付加することにより、資金繰管理情報106nを図27に示すように更新する。
【0123】
次に、図28に示すように、生成された資金繰管理情報106n中の金額が、プロジェクト番号、取引先コード、資金繰区分、入出金区分およびCASHIN/OUT年月で集約されることにより、ワーク工事別資金繰予定表情報106pが生成される。前述のとおり、当該生成されたワーク工事別資金繰予定表情報106pが、工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの一方である。
【0124】
工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの他方であるワーク出力対象明細106qの生成の方法は、[3-1]の(4)と同様であるため、詳細な説明は省略する。生成されたワーク出力対象明細106qは、図10に示すとおりである。
【0125】
(11)工事別資金繰予定表情報106rの生成および工事別資金繰予定表の出力
次に、予定表情報生成部102bは、[3-1]の(5)と同様の方法で、工事別資金繰予定表情報106rを生成する。生成された図29に示す工事別資金繰予定表情報106rにおいて、ハッチングで示す1つのマトリックス中の金額(550,000円)が、新たに追加された金額である。
【0126】
最後に、予定表出力部102cは、予定表情報生成部102bが生成した工事別資金繰予定表情報106rに基づいて、図30に示す工事別資金繰予定表(基準年月=2021/04)を出力する。図30に示す工事別資金繰予定表は、プロジェクト番号PJ200001で特定される工事についての部門Aの資金繰予定表である。
【0127】
[3-4.2021/05の工事別資金繰予定表の生成]
次に、システムが処理している年月=2021/05とした場合の工事別資金繰予定表の生成について、図31図35を用いて説明する。
【0128】
(1)支払情報106iの生成
まず、図31に示すように、プロジェクトに対して、支払情報106iが登録される。支払情報106iにおいては、支払先、取引方法、金額および支払日が登録される。支払情報106iにおいては、支払日がCASHIN/OUT日として反映される。
【0129】
(2)支払情報106iに基づく資金繰管理情報106nの生成
次に、資金繰管理生成部102aは、図31に示すように、プロジェクト情報106aと支払情報106iから、資金繰管理情報106nを生成する。ここで、支払情報106iは、実際に支払がなされたという実績段階の情報であるため、図31の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分は「2:実績」で登録される。また、支払情報106iが登録されたということは、資金繰管理における「支払」が行われたということであるため、図31の資金繰管理情報106nに示すように、入出金区分は「1:出金」で登録される。
【0130】
図31の資金繰管理情報106nに示すように、資金繰区分が「2:実績」で、かつ、入出金区分が「1:出金」である場合には、資金繰管理生成部102aは、図6を用いて説明したように、支払情報106i中の金額を資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。具体的には、資金繰管理生成部102aは、支払情報106i中の金額を、支払番号、プロジェクト番号、支払先、取引区分、支払日およびCASHIN/OUT日の組合せが同じレコード単位で集計した金額を、資金繰管理情報106n中の金額としてセットする。
【0131】
(3)資金繰管理情報106nおよびワーク工事別資金繰予定表情報106pの更新
次に、資金繰管理生成部102aは、[3-3]で生成された図27に示す資金繰管理情報106nに、本項目[3-4]の(2)で生成された図31に示す資金繰管理情報106nを付加することにより、資金繰管理情報106nを図32に示すように更新する。
【0132】
次に、図33に示すように、生成された資金繰管理情報106n中の金額が、プロジェクト番号、取引先コード、資金繰区分、入出金区分およびCASHIN/OUT年月で集約されることにより、ワーク工事別資金繰予定表情報106pが生成される。前述のとおり、当該生成されたワーク工事別資金繰予定表情報106pが、工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの一方である。
【0133】
工事別資金繰予定表情報106r生成の元となる2つの情報のうちの他方であるワーク出力対象明細106qの生成の方法は、[3-1]の(4)と同様であるため、詳細な説明は省略する。生成されたワーク出力対象明細106qは、図10に示すとおりである。
【0134】
(4)工事別資金繰予定表情報106rの生成および工事別資金繰予定表の出力
最後に、予定表情報生成部102bは、[3-1]の(5)と同様の方法で、工事別資金繰予定表情報106rを生成する。生成された図34に示す工事別資金繰予定表情報106rにおいて、ハッチングで示す1つのマトリックス中の金額(550,000円)が、新たに追加された金額である。
【0135】
最後に、予定表出力部102cは、予定表情報生成部102bが生成した工事別資金繰予定表情報106rに基づいて、図35に示す工事別資金繰予定表(基準年月=2021/05)を出力する。図35に示す工事別資金繰予定表は、プロジェクト番号PJ200001で特定される工事についてのA部門の資金繰予定表である。
【0136】
[3-5.部門別資金繰予定表の生成]
続いて、部門別資金繰予定表の生成について、図36を用いて説明する。
【0137】
予定表出力部102cは、[3-1]~[3-4]の方法で生成されたA部門における複数の工事の工事別資金繰予定表を部門単位で集計することにより、A部門についての部門別資金繰予定表を生成する(ただし、[3-1]~[3-4]の具体例中の値と本項目[3-5]の具体例中の値は連関していない)。具体的には、A部門におけるA工事についての工事別資金繰予定表が、図36において「A工事」で示す(1)~(7)の7行に示す内容であり、A部門におけるB工事についての工事別資金繰予定表が、図36において「B工事」で示す(1)~(7)の7行に示す内容であるとすると、予定表出力部102cは、これら14行の値を集計することで、図36において(8)~(21)で示す行を生成して、A部門についての部門別資金繰予定表を生成する。
【0138】
なお、部門別資金繰予定表を生成する際には、引合(計画)、受注(予定)および売上(実績)のどの段階の値まで表に含めるかを、抽出条件として指定することが可能である。また、どの段階の値までを表に含めたかを、表の脇に表示される「ステータス」として表示することが可能である。
【0139】
ここで、図36の部門別資金繰予定表の生成時点(現在)が、2021/06の末だとすると、表中の「差引」の行の値は、以下で説明するように、経過月(2021/04~2021/06)と未来月(2021/07~2021/11)とで異なる計算式により算出される。経過月(2021/04~2021/06)については、差引の行の値は、資金繰区分「2:実績」かつ入出金区分「0:入金」の行の値から、資金繰区分「2:実績」かつ入出金区分「1:支払」の行の値を差し引くことにより算出される。未来月(2021/07~2021/11)については、差引の行の値は、資金繰区分「1:予定」かつ入出金区分「0:入金」の行の値から、資金繰区分「1:予定」かつ入出金区分「1:支払」の行の値を差し引くことにより算出される。
【0140】
このように、部門別資金繰予定表を生成して部門合計金額を算出することにより、例えば、各部門に属する工事別の状況を表示し、部門の月計と累計金額を確認することができる。また、例えば、部門責任者が、自部門において逆ざやになっている月や前受回収額が少なく後半に回収が集中しているか等のチェックを行うことができる。
【0141】
[3-6.全社資金繰予定表の生成]
最後に、全社資金繰予定表の生成について、図37を用いて説明する。
【0142】
予定表出力部102cは、[3-5]の方法で生成された複数の部門別資金繰予定表を集計することにより、全社についての全社資金繰予定表を生成する(ただし、[3-5]の具体例中の値と本項目[3-6]の具体例の値は連関していない)。具体的には、A部門についての部門別資金繰予定表が、図37において「A部門」で示す(1)~(7)の7行に示す内容であり、本部についての部門別資金繰予定表が、図37において「本部」で示す(1)~(7)の7行に示す内容であるとすると、予定表出力部102cは、これら14行の値を集計することで、図37において(8)~(21)で示す行を生成して、全社についての全社資金繰予定表を生成する。
【0143】
なお、全社資金繰予定表を生成する際にも、抽出条件の指定、「ステータス」の表示および表中の「差引」の行の値の算出の仕方については、[3-5]で説明した部門別資金繰予定表の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0144】
このように、全社資金繰予定表を生成して全社合計額を算出することにより、例えば、各部門の合計を表示し、全社の月計と累計金額を確認することができる。また、例えば、全社を俯瞰し、逆ざやになっている部門や月をチェックすることができる。そして、例えば、本部の支出予定も債務上追加すれば、全社の資金繰り予定をより精緻に確認および検証することができる。
【0145】
[4.本実施形態のまとめ]
このように、本実施形態に係る資金繰予定管理装置100によれば、工事単位、部門単位または全社単位の資金繰予定表を生成することで、資金繰の段階別に、期間毎に、入金額および出金額を把握することを可能とする。本実施形態に係る資金繰予定管理装置100は、例えば、長期請負が発生し、かつ、個別原価計算が必要な業界(建設業界、IT(Information Technology)業界および制作業界等)において特に有用である。
【0146】
また、本実施形態に係る資金繰予定管理装置100によれば、例えば、全社見通しを元に、部門、現場とキャッシュフロー改善に対して、案件ベースで対策を練ることができる。
【0147】
そして、本実施形態に係る資金繰予定管理装置100によれば、例えば、引合や契約等の未確定情報も考慮した先行きをシミュレーションできる。
【0148】
更に、[3.処理の具体例]では、入出金予定日ベースでの資金繰予定管理について説明したが、本実施形態に係る資金繰予定管理装置100によれば、例えば、売上および仕入の計上ベースでも切り替えられるようにすれば、利益ベースかつキャッシュベースでの見通し着地予測も可能である。
【0149】
更に、本実施形態に係る資金繰予定管理装置100によれば、例えば、特定時点の予定実績データに対して仕訳データを生成して会計システム側にセットすることで、未来時点でのキャッシュフローを作成してミューレーションすることも可能となる。
【0150】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0151】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0152】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0153】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0154】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0155】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0156】
また、資金繰予定管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0157】
例えば、資金繰予定管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて資金繰予定管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0158】
また、このコンピュータプログラムは、資金繰予定管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0159】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0160】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0161】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0162】
また、資金繰予定管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、資金繰予定管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0163】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明は、例えば、個別原価管理を行う業界において有用であり、特に、建設業界およびIT業界においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0165】
100 資金繰予定管理装置
102 制御部
102a 資金繰管理生成部
102b 予定表情報生成部
102c 予定表出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a プロジェクト情報
106b 入金予定情報
106c 請求情報
106d 売上情報
106e 請求情報
106f 入金情報
106g 発注情報
106h 仕入情報
106i 支払情報
106j 請求先マスタ
106k 支払先マスタ
106m 取引方法マスタ
106n 資金繰管理情報
106p ワーク工事別資金繰予定表情報
106q ワーク出力対象明細
106r 工事別資金繰予定表情報
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37