(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241119BHJP
A63F 13/825 20140101ALI20241119BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241119BHJP
【FI】
G06Q30/0207
A63F13/825
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021140487
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】和田 雅之
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-333916(JP,A)
【文献】特開2020-108863(JP,A)
【文献】特開2018-108179(JP,A)
【文献】特開2021-083973(JP,A)
【文献】特開2021-119880(JP,A)
【文献】特開2020-032237(JP,A)
【文献】特開2020-057232(JP,A)
【文献】特開2008-146510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A63F 13/825
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに、一定期間の利用に対して費用を支払うことでコンテンツを選択して利用可能となるサービスであって、前記サービス内の少なくとも一部のコンテンツは追加の費用支払いなしに利用可能なサービスを実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザから第1コンテンツの選択を受け付ける受付ステップと、
前記ユーザに紐づけられたオブジェクトを特定する特定ステップと、
第1コンテンツに基づき前記オブジェクトの第1成長度を変化させる成長ステップと、
を実行させる、
プログラム。
【請求項2】
第1成長度に基づき、前記オブジェクトの種類を選択する選択ステップと、
を実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記オブジェクトの第1成長度に基づき、前記ユーザに推奨コンテンツを提示する推奨提示ステップと、
を実行させる請求項1または2記載のプログラム。
【請求項4】
前記推奨提示ステップは、前記成長ステップにおいて第1成長度をより大きく変化させるコンテンツを推奨コンテンツとして提示するステップである、
請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザの利用履歴に含まれるコンテンツに基づき、前記ユーザに推奨コンテンツを提示する履歴提示ステップと、
を実行させ、
前記ユーザが前記推奨提示ステップにおいて提示されたコンテンツを選択した場合に、当該選択されたコンテンツは、前記履歴提示ステップにおける利用履歴に含まれるコンテンツとして考慮しない、
請求項3または4記載のプログラム。
【請求項6】
ユーザの育成可否を取得する育成取得ステップと、
を実行させ、
前記成長ステップは、
前記ユーザの育成可否が第1状態である場合には、前記オブジェクトの第1成長度を変化させずに、第1コンテンツに基づき前記オブジェクトの第1仮成長度を変化させるステップと、
前記ユーザの育成可否が第1状態から第2状態に変更されたときに、前記オブジェクトの第1成長度に対し、前記オブジェクトの第1仮成長度を反映させるステップと、
を含む、
請求項1~5のいずれか記載のプログラム。
【請求項7】
前記ユーザの育成可否が第1状態である場合に、
前記オブジェクトの第1成長度に、前記オブジェクトの第1仮成長度を反映させた場合の、反映後の第1成長度に基づき選択されるべき前記オブジェクトの種類を提示する種類提示ステップと、
を実行させる、
請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
第1コンテンツの第1特性値を取得する特性値取得ステップと、
第1特性値に基づき第1加算値を算定する算定ステップと、
を実行させ、
前記成長ステップは、第1成長度に第1加算値を加算することにより、第1成長度を変化させるステップである、
請求項1~7のいずれか記載のプログラム。
【請求項9】
前記特性値取得ステップは、第1成長度の大きさに応じ、第1特性値を補正するステップを含む、
請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記ユーザのコンテンツの利用履歴を取得するステップと、
を実行させ、
前記特性値取得ステップは、第1コンテンツが前記利用履歴に含まれる場合は、第1特性値を小さく補正するステップを含む、
請求項8または9記載のプログラム。
【請求項11】
前記特性値取得ステップは、第1コンテンツの第2特性値を取得し、
前記算定ステップは、第1特性値および第2特性値に基づき第1加算値および第2加算値を算定し、
前記成長ステップは、第1成長度および第2成長度にそれぞれ第1加算値および第2加算値を加算することにより、第1成長度および第2成長度へ変化させるステップである、
請求項8~10のいずれか記載のプログラム。
【請求項12】
第1特性値および第2特性値は、前記コンテンツ同士の類似度に応じて設定されたベクトルである、
請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
プロセッサと、記憶部とを備え、一定期間の利用に対して費用を支払うことでコンテンツを選択して利用可能となるサービスであって、前記サービス内の少なくとも一部のコンテンツは追加の費用支払いなしに利用可能なサービスを実行させるための情報処理装置であって、
前記プロセッサに、
ユーザから第1コンテンツの選択を受け付ける受付ステップと、
前記ユーザに紐づけられたオブジェクトを特定する特定ステップと、
第1コンテンツに基づき前記オブジェクトの第1成長度を変化させる成長ステップと、
を実行させる情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに、一定期間の利用に対して費用を支払うことでコンテンツを選択して利用可能となるサービスであって、前記サービス内の少なくとも一部のコンテンツは追加の費用支払いなしに利用可能なサービスを実行させるための情報処理方法であって、
前記プロセッサに、
ユーザから第1コンテンツの選択を受け付ける受付ステップと、
前記ユーザに紐づけられたオブジェクトを特定する特定ステップと、
第1コンテンツに基づき前記オブジェクトの第1成長度を変化させる成長ステップと、
を実行させる情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一定期間のサービス利用に対して定期的に利用料金を支払う、サブスクリプション型のサービスが知られている。例えば、毎月定額料金を支払うことで、契約期間にわたってサービスを継続的に受けることができる。特許文献1には、自動購入に係るサポート役ともいえるキャラクタとの間でユーザに仮想のコミュニケーション体験を提供するサービスが開示されている。特許文献2には、コミュニケーションを楽しむうちに愛着を持ったキャラクタが、購買行動における購入品の選択を行うサービスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021―12421号公報
【文献】特開2021―12422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサブスクリプション型サービスのサービス提供に係るサポート役ともいえるキャラクタがいる場合に、当該キャラクタはすべてのユーザに対して同じキャラクタによる一律のコミュニケーション体験しか提供していない。そのため、ユーザはキャラクタに対する愛着を持ちにくく、サービスを利用するユーザにとって興趣性に乏しいという課題がある。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、ユーザにとってより興趣性の高いプログラム、情報処理装置、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに、一定期間の利用に対して費用を支払うことでコンテンツを選択して利用可能となるサービスであって、サービス内の少なくとも一部のコンテンツは追加の費用支払いなしに利用可能なサービスを実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから第1コンテンツの選択を受け付ける受付ステップと、ユーザに紐づけられたオブジェクトを特定する特定ステップと、第1コンテンツに基づきオブジェクトの第1成長度を変化させる成長ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、一定期間の利用に対して費用を支払うことでコンテンツを選択して利用可能となるサービスであって、前記サービス内の少なくとも一部のコンテンツは追加の費用支払いなしに利用可能なサービスにおいて、ユーザが選択したコンテンツに基づいて、ユーザが保有するキャラクタに成長度を付与することができる。コンテンツの利用に基づき、キャラクタを成長させることができ、ユーザにより興趣性の高いサービスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報処理システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】(A)は、コンテンツテーブル1011のデータ構造を示す図であり、(B)はキャンペーンテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【
図5】ユーザテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【
図6】(A)は、キャラクタテーブル1014のデータ構造を示す図であり、(B)はログテーブル1015のデータ構造を示す図である。
【
図7】サーバ10における成長度算定処理の動作を示すフローチャートである。
【
図8】サーバ10におけるキャラクタ選択処理の動作を示すフローチャートである。
【
図9】サーバ10におけるコンテンツ提案処理の動作を示すフローチャートである。
【
図10】サーバ10におけるキャラクタ提案処理の動作を示すフローチャートである。
【
図11】ユーザ端末20による表示画面例を示す図である。
【
図12】ユーザ端末20による表示画面例を示す図である。
【
図13】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<情報処理システム1の概要>
図1は、情報処理システム1の全体の構成を示す図である。本開示における情報処理システム1は、サービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)が選択したコンテンツに応じて、ユーザのキャラクタに成長度を付与するための情報処理システムである。本実施形態においてコンテンツは、例えば、音楽、映画(動画等を含む)、ゲーム(ゲーム内の仮想アイテムを含む)、デジタルアイテム等を含む。
【0010】
<情報処理システム1の基本構成>
本開示における情報処理システム1を
図1に示す。情報処理システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、複数のユーザ端末20A,20B,20Cを備えて構成されている。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
【0011】
サーバ10は、ユーザが選択したコンテンツに応じて、ユーザのキャラクタに成長度を付与し、キャラクタを成長度に応じて変化させるサービスを提供する情報処理装置である。ユーザ端末20は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。
【0012】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、ユーザ端末20のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0013】
以下、各装置の構成およびその動作を説明する。
【0014】
<サーバ10の機能構成>
サーバ10のハードウェア構成が実現する機能構成を
図2に示す。サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0015】
<サーバ10の記憶部の構成>
サーバ10の記憶部101は、コンテンツテーブル1011、キャンペーンテーブル1012、ユーザテーブル1013、キャラクタテーブル1014、ログテーブル1015を備える。
【0016】
図4(A)は、コンテンツテーブル1011のデータ構造を示す図である。
コンテンツテーブル1011は、音楽、映画などのコンテンツ情報を記憶するテーブルである。コンテンツテーブル1011は、コンテンツIDをキーとして、コンテンツ名、特性値1、特性値2、特性値3、ライセンス種別、キャンペーンID、コンテンツ属性のカラムを有するテーブルである。
【0017】
コンテンツIDは、コンテンツを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。コンテンツ名は、コンテンツのタイトルを記憶する項目である。特性値1は、コンテンツから算定される第1の特徴量を記憶する項目である。特性値2は、コンテンツから算定される第2の特徴量を記憶する項目である。特性値3は、コンテンツから算定される第3の特徴量を記憶する項目である。ライセンス種別は、無料、有料、プレミアム会員などの、ユーザが契約しているサービスの種類を示す項目である。ライセンス種別に応じて、ユーザが利用可能なコンテンツが制限される。キャンペーンIDは、コンテンツに紐づけられているキャンペーンのキャンペーンIDを記憶する項目である。キャンペーンの詳細はキャンペーンテーブル1012にて示す。コンテンツ属性は、コンテンツのジャンルなどのコンテンツ属性を記憶する項目である。
【0018】
各特性値は、それぞれのコンテンツの特徴量を表す3次元ベクトルの各成分の値で与えられる。特徴量には、ジャンル、音楽であればテンポ、題名、音調、音階、歌手、年代、映画であればセリフ、色調、色彩、監督、出演俳優、音調、アニメーション、実写、年代などがある。高次元の特徴量の場合には、コンテンツ同士の類似度をユークリッド距離またはコサイン距離などで算定し、多次元尺度構成法などを適用し3次元空間のベクトルとして表現しても構わない。
なお、特性値は本実施例では特性値1、特性値2、特性値3の3種類の独立成分で表現しているが、特性値は1または任意個のベクトルまたは任意の多次元量でも構わない。また、特性値は、コンテンツの特徴量に基づき算定されたものである必要はなく、それぞれのコンテンツに対して定まった値を予め設定することで与えても良い。
【0019】
図4(B)は、キャンペーンテーブル1012のデータ構造を示す図である。
キャンペーンテーブル1012は、サービス利用者に対するボーナスキャンペーンを記憶するテーブルである。キャンペーンテーブル1012は、キャンペーンIDをキーとして、キャンペーン名、期間、キャンペーン内容のカラムを有するテーブルである。
【0020】
キャンペーンIDは、キャンペーンを一意に識別するための識別子である。キャンペーン名は、キャンペーンの名称を記憶する項目である。有効期間は、キャンペーンが適用される期間を記憶する項目である。キャンペーン内容は、コンテンツ利用者に対するボーナス内容を記憶する項目である。キャンペーン内容には、例えば特性値1を2倍するといったボーナス内容が記憶される。
【0021】
図5は、ユーザテーブル1013のデータ構造を示す図である。
ユーザテーブル1013は、サービスを利用する会員ユーザの情報を記憶するテーブルである。ユーザのサービス利用契約の開始に伴い、当該ユーザの情報は、ユーザテーブル1013の新しいレコードに記憶される。ユーザテーブル1013は、ユーザIDをキーとして、ユーザ名、キャラクタID、成長度A、成長度B、成長度C、仮成長度A、仮成長度B、仮成長度C、ライセンス種別、育成可否のカラムを有するテーブルである。
【0022】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。ユーザ名は、ユーザの名前を記憶する項目である。キャラクタIDは、ユーザが、現在保有するキャラクタを記憶する項目である。なお、本実施形態ではユーザは1つの保有キャラクタを育成対象としているが、複数の育成キャラクタを登録可能なデッキをユーザごとに用意し、当該デッキから育成対象となるキャラクタを選択するものとしても良い。また、デッキに登録された複数のキャラクタすべてを育成対象としても良い。成長度Aは、キャラクタの第1の成長度を記憶する項目である。成長度Bは、キャラクタの第2の成長度を記憶する項目である。成長度Cは、キャラクタの第3の成長度を記憶する項目である。仮成長度Aは、キャラクタの第1の仮成長度を記憶する項目である。仮成長度Bは、キャラクタの第2の仮成長度を記憶する項目である。仮成長度Cは、キャラクタの第3の仮成長度を記憶する項目である。ライセンス種別は、ユーザが契約しているサービスの種類を示す項目である。育成可否は、保有するキャラクタの育成可否を記憶する項目である。キャラクタの育成可否は、ライセンス種別および、ユーザが初めてサービスを利用した際の無料トライアル期間などの条件に応じて定められる。
【0023】
図6(A)は、キャラクタテーブル1014のデータ構造を示す図である。
キャラクタテーブル1014は、キャラクタの情報を記憶するテーブルである。キャラクタテーブル1014は、キャラクタIDをキーとして、キャラクタ名、成長条件、優先順位のカラムを有するテーブルである。
【0024】
キャラクタIDは、キャラクタを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。キャラクタ名は、キャラクタの名称を記憶する項目である。成長条件は、ユーザの成長度などに応じてどのキャラクタを適用するか、キャラクタの適用条件の内容を記憶する項目である。例えば、「成長度A:500以上」といった内容が記憶される。優先順位は、キャラクタの成長度が複数の適用条件を満たした場合に、キャラクタを選択する際の優先順位を記憶する項目である。
【0025】
図6(B)は、ログテーブル1015のデータ構造を示す図である。
ログテーブル1015は、ユーザが利用したコンテンツの利用ログを記憶するテーブルである。ログテーブル1015は、ユーザID、日時、コンテンツID、コンテンツ属性のカラムを有するテーブルである。
【0026】
ユーザIDは、コンテンツを利用したユーザIDを記憶する項目である。日時は、コンテンツの利用日時を記憶する項目である。コンテンツIDは、利用したコンテンツのコンテンツIDを記憶する項目である。コンテンツ属性は、コンテンツのジャンルといったコンテンツの属性を記憶する項目である。コンテンツ属性は、コンテンツテーブル1011に含まれていても良いし、コンテンツの内容から機械学習、深層学習などの手法により自動的に特定しても良い。
【0027】
<サーバ10の制御部の構成>
サーバ10の制御部104は、成長度算定部1041、キャラクタ選択部1042、コンテンツ提案部1043、育成可否設定部1044、キャンペーン設定部1045、ライセンス監視部1046を備える。
図7は、サーバ10における成長度算定処理の動作を示すフローチャートである。
図8は、サーバ10におけるキャラクタ選択処理の動作を示すフローチャートである。
図9は、サーバ10におけるコンテンツ提案処理の動作を示すフローチャートである。
図10は、サーバ10におけるキャラクタ提案処理の動作を示すフローチャートである。
図11は、ユーザ端末20による表示画面例を示す図である。
図12は、ユーザ端末20による表示画面例を示す図である。
【0028】
成長度算定部1041は、成長度算定処理を行う。詳細は後述する。
【0029】
キャラクタ選択部1042は、キャラクタ選択処理を行う。詳細は後述する。
【0030】
コンテンツ提案部1043は、コンテンツ提案処理を行う。詳細は後述する。
【0031】
育成可否設定部1044は、ユーザごとに育成可否を設定する処理を行う。具体的には、ユーザのライセンス種別が有料である場合は、育成可否をTRUEにする。また、新たにサービスへ登録されたユーザに対しても、ユーザ登録後一定期間は育成可否をTRUEにする。
なお、育成可否設定部1044は、ユーザのライセンス種別の他、ユーザの年齢、性別、住所など様々な条件に基づき育成可否を設定しても良い。例えば、ユーザの年齢が所定の年齢以下である場合には、ライセンス種別が無料である場合でも育成可否をTRUEに設定しても良い。また、特定の住所(例えば、特定の国に住所を設定しているユーザ)である等のユーザに対して、一定の期間はライセンス種別に関わりなく育成可否をTRUEに設定しても良い。
【0032】
キャンペーン設定部1045は、キャンペーンテーブル1012へ新たなキャンペーンを登録したり、コンテンツごとにキャンペーンを設定する処理を行う。キャンペーンとは、「映画公開記念」、「商品発売記念」、「新規契約」などで、ユーザへサービス利用を働きかける宣伝活動を指す。具体的には、利用ユーザに対して、コンテンツごとにどのようなボーナスを付与するか設定することができる。
不図示のサービスの運営主体は、キャンペーン設定部1045を制御し、コンテンツごと、ユーザごとに様々なキャンペーンを設定することができる。
【0033】
ライセンス監視部1046は、ユーザテーブル1013における各ユーザのライセンス種別の変更を監視し、例えば無料から有料に変更された場合に、仮成長度を成長度へ加算する処理を行う。具体的には、あるユーザのライセンス種別が無料(ヌル値)から有料に変更された場合に、ライセンス監視部1046は、当該ユーザの仮成長度A、仮成長度B、仮成長度Cを、それぞれ、当該ユーザの成長度A、成長度B、成長度Cに加算する処理を行う。
【0034】
キャラクタ提案部1047は、キャラクタ提案処理を行う。詳細は後述する。
【0035】
<ユーザ端末20の機能構成>
ユーザ端末20のハードウェア構成が実現する機能構成を
図3に示す。ユーザ端末20は、記憶部201、制御部204、タッチパネル206、タッチセンシティブデバイス2061、ディスプレイ2062、マイク2081、スピーカ2082、位置情報センサ2083、カメラ2084、モーションセンサ2085を備える。
【0036】
<ユーザ端末20の記憶部の構成>
ユーザ端末20の記憶部201は、ユーザ端末20を利用するユーザを識別するためのユーザID2011、アプリケーションプログラム2012を記憶する。具体的には、ユーザIDはユーザのアカウントのIDである。なお、ユーザIDには、セッションIDなど、ユーザ端末20を利用しているユーザを識別するための一時的な情報も含む。
【0037】
<ユーザ端末20の制御部の構成>
ユーザ端末20の制御部204は、操作部2041を備える。
制御部204は、記憶部201に記憶されたアプリケーションプログラム2012を実行することにより、各種処理を制御する。
ユーザは、タッチパネル206のタッチセンシティブデバイス2061への操作内容、マイク2081への音声入力、位置情報センサ2083、カメラ2084、モーションセンサ2085などからの入力情報を、ユーザによる操作部2041の操作に従ってサーバ10へ送信することができる。
ユーザ端末20の制御部204は、サーバ10から受信したキャラクタ情報に基づき、キャラクタをディスプレイ2062に表示することができる。ユーザ端末20のディスプレイ2062における、キャラクタ情報81の表示例を
図11(A)に示す。
【0038】
<情報処理システム1の動作>
以下、
図7~9を参照しながら、情報処理システム1の各処理について説明する。
まず、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、ユーザ端末20からユーザIDを含むリクエストを受信し、ユーザIDに基づきユーザテーブル1031を検索し、アクセスしてきたユーザのライセンス種別および、現在の日時がライセンスの有効期間内か否かを判定する。サーバ10のコンテンツ提案部1043は、コンテンツテーブル1011を検索し、アクセスしてきたユーザのライセンス種別が「有料」ライセンスである場合には、ライセンス種別が「ヌル値」または「有料」のコンテンツIDおよびコンテンツ名の一覧を取得しユーザ端末20へ送信する。
一方、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、コンテンツテーブル1011を検索し、アクセスしてきたユーザのライセンス種別が有料以外(例えば、ライセンス種別に「ヌル値」が記憶される)のライセンスである場合には、ライセンス種別が「ヌル値」のコンテンツIDおよびコンテンツ名の一覧を取得しユーザ端末20へ送信する。
コンテンツIDおよびコンテンツ名の一覧を受信したユーザ端末20の制御部204は、タッチパネル206のディスプレイ2062にコンテンツ名を一覧表示する。
なお、本実施例において、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、ライセンス種別によりユーザが利用できないコンテンツのコンテンツIDおよびコンテンツ名をユーザ端末20へ送信するものの、ユーザ端末20において、当該コンテンツ名をグレーアウト表示するなど選択できないコンテンツとして表示しても良い。
【0039】
<成長度算定処理>
ステップS101において、ユーザは、ユーザ端末20のタッチパネル206のディスプレイ2062に一覧表示されたコンテンツから利用したいコンテンツのアイコンをタッチすることにより選択する。
ディスプレイ2062に重ねて配置されたタッチセンシティブデバイス2061は、ユーザがタッチした位置を特定し、位置情報をユーザ端末20のアプリケーション実行部2042へ出力する。ユーザ端末20のアプリケーション実行部2042は、位置情報に基づき、ユーザが選択したアイコンを特定し、当該アイコンに紐づけられたコンテンツIDを特定する。ユーザ端末20のアプリケーション実行部2042は、コンテンツIDおよびユーザIDをサーバ10へ送信する。
【0040】
ステップS102において、サーバ10の成長度算定部1041は、ユーザ端末20から受信したコンテンツIDに基づき、コンテンツテーブル1011を検索し特性値1、特性値2、特性値3、キャンペーンID、コンテンツ属性を取得する。また、サーバ10の成長度算定部1041は、ユーザ端末20から受信したユーザID、コンテンツID、コンテンツ属性および受信日時を、それぞれログテーブル1015のユーザID、コンテンツID、コンテンツ属性、日時の項目に新たなレコードとして記憶する。これにより、ユーザにより選択されたコンテンツが利用履歴として記憶される。
なお、コンテンツが音楽または映画である場合に、当該コンテンツの視聴に伴い流れる音楽および音声をユーザ端末20のマイク2081で集音することができる。ユーザ端末20のアプリケーション実行部2042は、当該集音した音データをサーバ10へ送信し、サーバ10の成長度算定部1041は、受信した音データに基づき特性値1、特性値2、特性値3を算定する構成としてもよい。サーバ10の成長度算定部1041の特性値1、特性値2、特性値3の取得にあたっては、コンテンツテーブル1011を必ずしも参照しなくても良い。
音楽および音声に、所定の識別データを、人間が認識できない周波数帯域などを利用して予め埋め込み、サーバ10の成長度算定部1041は、マイク2081で集音した音楽および音声に所定の識別データが含まれている場合のみ、特性値1、特性値2、特性値3を算定する構成としてもよい。これにより、特定のコンテンツ提供サービスから提供される音楽または映画などに対してのみ本開示にかかるサービスを提供することができる。
また、音楽および音声に、コンテンツIDに相当する所定の識別データを、人間が認識できない周波数帯域などを利用して予め埋め込み、サーバ10の成長度算定部1041は、マイク2081で集音した音楽および音声に含まれる所定の識別データからコンテンツIDを復号し、ステップS102を実行しても良い。これにより、サーバ10の成長度算定部1041は、ユーザ端末20からコンテンツIDの受信を省略することができる。
【0041】
ステップS103において、サーバ10の成長度算定部1041は、取得した特性値1、特性値2、特性値3に対して補正を行う。具体的には、サーバ10の成長度算定部1041は、ユーザ端末20から受信したユーザIDに基づきユーザテーブル1013を参照し、ユーザに紐づけられた成長度A、成長度B、成長度Cを取得する。例えば、特性値1、特性値2、特性値3を、それぞれ現在の成長度A、成長度B、成長度Cと比較し、成長度が所定の値以下であれば、取得する特性値が大きくなるように、特性値を補正する。例えば、成長度算定部1041は、成長度が特性値の10倍以下であれば、当該特性値を2倍するといった処理を行う。
ユーザに紐づけられた現在の成長度は、ユーザのこれまでのコンテンツ利用の動向が蓄積されたものであるため、成長度に従い特性値を補正することにより、ユーザのこれまでのコンテンツ利用動向に従った特性値の補正を行うことができる。なお、特性値の補正は、成長度だけでなく、ユーザの年齢、性別、住所など様々な条件に基づき補正しても良い。
成長度に基づき特性値を補正することにより、例えば、ユーザが普段選択しないコンテンツの特性値ほど大きく補正することで、成長度をバランスよく成長させることを促進させることが可能となる。そのため、ユーザが普段選択しないコンテンツを選択することを促すことができる。
【0042】
また、ステップS103において、サーバ10の成長度算定部1041は、ユーザ端末20から受信したユーザIDに基づき、ログテーブル1015を検索し、過去に利用したコンテンツIDを取得する。ユーザ端末20から受信したユーザIDが、過去に利用したコンテンツIDに含まれる場合には、特性値A、特性値B、特性値Cを1/2にするなど、特性値を減ずる補正を行う。なお、特性値の補正を行わない構成としてもよい。
【0043】
ステップS104において、ユーザが選択したコンテンツにキャンペーンIDが紐づけられている場合には、サーバ10の成長度算定部1041は、取得した特性値1、特性値2、特性値3に対してボーナスキャンペーンを適用する。
具体的には、サーバ10の成長度算定部1041は、キャンペーンIDに基づき、キャンペーンテーブル1012を検索し、有効期間、キャンペーン内容を取得する。サーバ10の成長度算定部1041は、現在の日時と有効期間を比較し、現在の日時が有効期間内である場合には、キャンペーン内容に規定されているボーナスを特性値1、特性値2、特性値3に対して適用する。
なお、本実施形態ではコンテンツごとにキャンペーンを設定するよう開示されているが、ユーザごとにキャンペーンを設定できるものとしても構わない。例えば、新規契約ユーザまたは契約延長したユーザに対してキャンペーンを設定するといったケースが想定される。そのような場合には、ユーザ端末20から受信したユーザIDに基づき当該ユーザに対して適用するキャンペーン内容を特定し適用すれば良い。
また、キャンペーンという態様以外にも、例えばコンテンツを最後まで視聴した場合、コンテンツ視聴後にアンケート等に回答した場合など、視聴条件に対してボーナスを適用する構成としても良い。
【0044】
さらに、特定のユーザの特定のコンテンツの利用に対してキャンペーンを設定できるものとしても構わない。
例えば、ライセンス種別を「有料」から「無料」に変更したユーザが、改めて「有料」のライセンス種別に変更した場合に、ライセンス種別が「無料」である期間中にサービスに追加された有料コンテンツの当該ユーザによる利用に対してボーナスキャンペーンを設定することが考えられる。ユーザはライセンス種別が「無料」である期間中にサービスに新たに追加された有料コンテンツを利用するために、ライセンス種別を「有料」へ変更することを検討すると考えられる。
同様に、一度サービスを解約したユーザが、改めてサービスの利用を再開(再契約)した場合に、解約期間中にサービスに追加されたコンテンツの当該ユーザによる利用に対してボーナスキャンペーンを設定することが考えられる。ユーザは解約期間中にサービスに新たに追加されたコンテンツを利用するために、サービスの再契約を検討すると考えられる。
このとき、サービス利用を開始したユーザが、以前解約したユーザであることを識別するためには、解約後も当該ユーザの情報をユーザテーブル1013に残す必要がある。このように、本実施形態では、ユーザは解約時に、自身の情報をユーザテーブル1013に保持するか否かを選択できるものとする。
具体的には、ユーザは解約時に、ユーザ端末20のウェブブラウザまたはアプリケーションからサーバ10が提供する所定のウェブページ(以下、解約ページ)にアクセスすることにより解約手続きの申し込みを行う。このとき、サーバ10の制御部104は、「自身の情報を保持する」、「自身の情報を保持しない」などの2種類の選択肢を含む解約ページをユーザ端末20に対して送信する。ユーザは、ユーザ端末20に表示された「自身の情報を保持する」、「自身の情報を保持しない」のいずれかの選択肢を選択し、サーバ10へ解約のためのリクエスト(以下、解約リクエスト)を送信する。
サーバ10の制御部104は、解約リクエストを受信すると、解約リクエストに「自身の情報を保持する」旨の情報が含まれている場合には、ユーザテーブル1013の記憶内容を保持したまま、当該ユーザの契約態様を解約ステータスに変更する。例えば、ユーザテーブル1013の当該ユーザのライセンス種別に「解約」に相当する値を記憶する。このとき、ユーザID、キャラクタID、成長度、仮成長度およびログテーブル1015などのキャラクタに関する情報を保持したまま、ユーザ名など当該ユーザの個人情報に係る情報のみを消去する構成としても良い。また、ユーザID、キャラクタID、成長度、仮成長度などのキャラクタに関する情報を保持したまま、ユーザ名および当該ユーザのログテーブル1015の記憶内容といった当該ユーザの個人情報およびコンテンツ視聴履歴を消去する構成としても良い。消去される当該ユーザの個人情報には、不図示のユーザの住所、年齢、性別などの個人情報が含まれても良い。
サーバ10の制御部104は、解約リクエストを受信すると、解約リクエストに「自身の情報を保持しない」旨の情報が含まれている場合には、ユーザテーブル1013およびログテーブル1015から当該ユーザのレコードを削除する。これにより、ユーザがサービスを利用していた履歴はすべて消去される。なお、ユーザにより誤ってリクエストが送信される可能性を考慮し、解約リクエスト受信後、一定期間経過後(例えば、数週間~数ヶ月)に削除を行う構成としても良い。
また、本開示の成長度算定処理においては、ユーザによるコンテンツ選択(ステップS101)に応じて処理が実行される構成としたが、ユーザによるコンテンツ選択に替えて、サービスへ新たにコンテンツが追加されたときに、当該追加コンテンツに対して成長度算定処理を行っても良い。特に、ライセンス種別が「解約」のユーザに対してのみ、サービスへ新たにコンテンツが追加されたときに、成長度算定処理を実行する構成としても良い。このとき、ライセンス種別が「解約」になってからの経過時間に応じてさらに付加的なボーナスを設定しても良い。これにより、コンテンツを選択することができないサービスを解約したユーザに対しても成長度および仮成長度を付与することができる。
【0045】
なお、キャンペーンIDが紐づけられていない場合(キャンペーンIDの項目がヌル値または紐づけられていないことを示す値の場合)は、ステップS103から受け取った特性値1、特性値2、特性値3をそのまま出力する。
【0046】
ステップS105において、サーバ10の成長度算定部1041は、取得した特性値1、特性値2、特性値3を成長度へ変換する。具体的には、特性値1、特性値2、特性値3を成分に有する入力ベクトルに対して、3行3列の行列を適用することにより、加算値1、加算値2、加算値3を算出する。
本実施例においては、行列は単位行列とする。この場合、特性値1、特性値2、特性値3の値が、それぞれ加算値1、加算値2、加算値3の値となる。なお、行列のかわりに、所定の学習が行われたニューラルネットワークを用いても良い。
【0047】
ステップS106において、サーバ10の成長度算定部1041は、ユーザ端末20から受信したユーザIDに基づき、ユーザテーブル1013を検索し、ユーザに紐づけられた成長度A、成長度B、成長度C、仮成長度A、仮成長度B、仮成長度C、育成可否を取得する。
【0048】
ステップS107において、サーバ10の成長度算定部1041は、育成可否がTRUEである場合には、ユーザに紐づけられた成長度A、成長度B、成長度Cに、ステップS105で特性値から変換した加算値1、加算値2、加算値3をそれぞれ加算する。
【0049】
ステップS108において、サーバ10の成長度算定部1041は、育成可否がTRUE以外である場合には、ユーザに紐づけられた仮成長度A、仮成長度B、仮成長度Cに、ステップS105で特性値から変換した加算値1、加算値2、加算値3をそれぞれ加算する。
【0050】
<キャラクタ選択処理>
成長度算定処理が完了すると、続いてキャラクタ選択処理が行われる。なお、キャラクタ選択処理は個別ユーザからのアクセスに応じて実行する必要はない。例えば、全ユーザを対象に一日一度、一部またはすべてのユーザを対象にまとめて実行しても良い。
また、キャラクタ選択処理は、ライセンス監視部1046により、仮成長度A、仮成長度B、仮成長度Cをそれぞれ成長度A、成長度B、成長度Cへ加算する処理を行なった後に実行しても良い。
【0051】
ステップS201において、サーバ10のキャラクタ選択部1042は、ユーザテーブル1013を参照し、ユーザID、成長度A、成長度B、成長度Cを取得する。取得する情報は特定のユーザでも良いし、一部またはすべてのユーザでも良い。
【0052】
ステップS202において、サーバ10のキャラクタ選択部1042は、キャラクタテーブル1014に記憶されたキャラクタごとの成長条件を参照し、対象ユーザの成長度A、成長度B、成長度Cが成長条件を満たしているか否かを判定する。サーバ10のキャラクタ選択部1042は、対象ユーザごとに、成長条件を満たしている単数または複数のキャラクタを選択する。
【0053】
ステップS203において、サーバ10のキャラクタ選択部1042は、成長条件を満たしているキャラクタが複数である場合は、キャラクタテーブル1014を参照し、優先順位の値がより小さい(より優先順位の高い)キャラクタIDを取得する。なお、選択されたキャラクタが単数の場合には、当該キャラクタのキャラクタIDを取得する。
【0054】
ステップS204において、サーバ10のキャラクタ選択部1042は、ユーザテーブル1013の対象ユーザのキャラクタIDの項目に、取得したキャラクタIDを記憶する。これにより、対象ユーザのキャラクタ種別に、成長度に応じたキャラクタが設定される。ユーザ端末20のディスプレイ2062における、キャラクタ情報81の表示例を
図12(A)に示す。
【0055】
本実施形態においては、サーバ10のキャラクタ選択部1042は、キャラクタテーブル1014を参照し、ユーザが成長条件を満たすキャラクタを選択するように構成した。同様に、キャラクタが実行可能な演出およびアクションといった内容を、成長度に応じてキャラクタに付与しても良い。ユーザ端末20のアプリケーション実行部2042は、キャラクタに付与された演出およびアクションといった内容をディスプレイ2062に表示制御処理を行なうよう構成しても良い。
【0056】
具体的には、キャラクタが実行可能な演出およびアクションを、キャラクタテーブル1014と同様のテーブル構造を有するアクションテーブルに記憶する。サーバ10のキャラクタ選択部1042は、アクションテーブルを参照し、ユーザおよびキャラクタごとに成長条件を満たす演出およびアクションを選択し、ユーザテーブル1013にユーザIDおよびキャラクタIDと紐づけて記憶する。
【0057】
本実施形態においては、サーバ10のキャラクタ選択部1042は、キャラクタテーブル1014を参照し、成長条件にのみ基づきキャラクタが選択される構成としたが、他の条件に基づきキャラクタが選択される構成としても良い。例えば、現在のキャラクタが特定のキャラクタである場合に、別の特定の範囲のキャラクタのみ選択される構成としても良い。例えば、現在のキャラクタIDがM2である場合に、選択可能なキャラクタIDをM3、M6、現在のキャラクタIDがM3である場合に、選択可能なキャラクタIDをM8、M12とするように、キャラクタ選択を生物の進化のように特定の経路で行わせるようにしても良い。
成長度算定処理において、ユーザによるコンテンツ選択(ステップS101)に応じて、成長度、仮成長度以外のポイントを獲得可能な構成とし、ユーザは獲得したポイントと特定のキャラクタ(以下、種キャラクタ)とを交換できる構成としても良い。また、ユーザが保有する種キャラクタ、成長度に応じて異なるキャラクタIDが選択されるよう構成しても良い。これにより、ユーザはポイントを種キャラクタと交換することにより様々な種キャラクタを保有でき、種キャラクタごとに異なる成長条件に基づき多様なキャラクタが選択されることで、より興趣性の高いサービスを実現することができる。
【0058】
<コンテンツ提案処理>
ユーザは、ユーザ端末20のタッチセンシティブデバイス2061を操作することにより、サーバ10に対し自身の嗜好に合ったコンテンツの提案を要求することができる。サーバ10のコンテンツ提案部1043は、ユーザテーブル1013、ログテーブル1015を参照し、ユーザの成長度、これまでユーザが利用したコンテンツのコンテンツ属性に基づき、ユーザに対して推奨コンテンツの提案を行う。
【0059】
ステップS301において、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、ユーザ端末20から受信したユーザIDに基づき、ユーザテーブル1013を検索し、成長度A、成長度B、成長度Cを取得する。
【0060】
ステップS302において、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、コンテンツテーブル1011を参照し、アクセスしてきたユーザが選択した場合に成長度へ与える影響が最も大きなコンテンツを推奨コンテンツAとして選択する。
具体的には、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、コンテンツテーブル1011に記憶された各コンテンツの特性値を取得し、成長度算定部1041のステップS102~S105までの処理を行い、加算値1、加算値2、加算値3を算定する処理を行う。次に、加算値1、加算値2、加算値3の和または二乗和を算定し、成長度の和または二乗和の大きさ順に単数または複数のコンテンツを推奨コンテンツAとして選択する。
推奨コンテンツAの選択はこれに限定されない。コンテンツ提案部1043は、ユーザテーブル1013と、キャラクタテーブル1014とを参照し、アクセスしてきたユーザが選択した場合に成長条件を満たすキャラクタがいるコンテンツを推奨コンテンツAとして選択しても良い。
【0061】
ステップS303において、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、ユーザIDに基づき、ログテーブル1015を検索し、アクセスしてきたユーザの過去のコンテンツ利用履歴としてコンテンツIDおよびコンテンツ属性を取得する。
【0062】
ステップS304において、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、コンテンツテーブル1011を参照し、アクセスしてきたユーザの過去のコンテンツ利用履歴に含まれるコンテンツ属性に最も近いコンテンツを推奨コンテンツBとして選択する。
具体的には、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、コンテンツテーブル1011に記憶された各コンテンツのコンテンツ属性を取得し、ユーザの過去のコンテンツ利用履歴に多く含まれるコンテンツ属性を有するコンテンツ順に単数または複数のコンテンツを選択し推奨コンテンツBとして選択する。
推奨コンテンツBの選択はこれに限定されない。コンテンツ提案部1043は、ユーザと好みの近い他のユーザが選択したコンテンツに基づいて推奨コンテンツBを選択してもよい。また、コンテンツ提案部1043は、コンテンツ属性に限らず、特性値が近いコンテンツを推奨コンテンツBとして選択しても良い。
【0063】
ステップS305において、サーバ10のコンテンツ提案部1043は、ステップS302およびステップS304において選択された推奨コンテンツA、推奨コンテンツBのコンテンツIDおよびコンテンツ名をユーザ端末20へ送信する。コンテンツIDおよびコンテンツ名を受信したユーザ端末20の制御部204は、タッチパネル206のディスプレイ2062にコンテンツ名を一覧表示する。
ユーザ端末20のディスプレイ2062における、コンテンツ名82の一覧表示例を
図11(B)に示す。コンテンツ名82の一覧表示において、推奨コンテンツAと、推奨コンテンツBとが識別可能に表示されていても良い。
【0064】
ユーザは、ユーザ端末20のタッチパネル206のディスプレイ2062に一覧表示された推奨コンテンツから利用したいコンテンツのアイコンをタッチすることにより選択し、コンテンツを利用することができる。
なお、ユーザ端末20の制御部204は、一覧表示させることに替えて、推奨コンテンツを順番に自動的に利用しても良い。例えば、コンテンツが音楽または映画である場合には、ユーザ端末20の制御部204は、推奨コンテンツを自動的に再生する。コンテンツを自動的に利用することにより、ユーザは特別な操作なしに自動的に、キャラクタの成長度を成長度算定処理により増大させることができる。
また、ユーザ端末20の制御部204は、一覧表示後、ユーザからの操作がなく一定時間経過後に、推奨コンテンツを順番に自動的に利用するモードへ移行するよう制御しても良い。
【0065】
また、ステップS302において選択されて提案された推奨コンテンツAをユーザが選択した場合には、当該コンテンツの利用履歴はログテーブル1015に記憶しないことが望ましい。また、提案された推奨コンテンツAをユーザが選択し、コンテンツの利用が終了した場合には、当該コンテンツの利用履歴はログテーブル1015に記憶するかどうかをユーザに選択させても良い。ユーザがキャラクタ成長のために選択したコンテンツはユーザの嗜好に沿ったコンテンツではない場合がある。ログテーブル1015に記憶しないことや、ログテーブル1015への記憶をユーザの選択に委ねることでで、当該コンテンツに類似するユーザの嗜好に沿わないコンテンツがステップS304で選択されることを防ぐことができる。
【0066】
なお、ステップS302において選択されて提案された推奨コンテンツAをユーザが選択した場合に、利用履歴をログテーブル1015に記憶しつつ、ステップS304におけるコンテンツのコンテンツ属性に基づく類似度算出時に考慮しないようにしても良い。
例えば、ログテーブルに1015に、除外フラグのカラムを設け、ステップS302において選択されて提案されたコンテンツをユーザが選択した場合には当該フラグをTRUEとしたレコードをコンテンツ利用ログとして記憶する。その後、ステップS303のコンテンツ利用履歴の取得時に、除外フラグがTRUEのレコードを除外してコンテンツIDおよびコンテンツ属性を取得するようにしても良い。このようにしても、ユーザがキャラクタ成長のために選択したコンテンツ利用履歴をユーザへの推奨コンテンツ提案から除外することができる。
【0067】
<キャラクタ提案処理>
サーバ10のキャラクタ提案部1047は、育成可否が「TRUE」以外のライセンス種別が無料などのユーザ端末20からユーザIDを含むリクエストを受信すると、アクセスしてきたユーザが、育成可否が「TRUE」の有料会員などのライセンス種別へ変更することでユーザが獲得できるキャラクタを、ユーザ端末20へ送信する。これにより、ユーザを有料会員へ移行することを動機づけることができる。
【0068】
ステップS401において、サーバ10のキャラクタ提案部1047は、ユーザテーブル1013を参照し、ユーザID、成長度A、成長度B、成長度C、仮成長度A、仮成長度B、仮成長度Cを取得する。
【0069】
ステップS402において、サーバ10のキャラクタ提案部1047は、キャラクタテーブル1014に記憶されたキャラクタごとの成長条件を参照し、成長度A、成長度B、成長度Cに、それぞれ仮成長度A、仮成長度B、仮成長度Cが加算された場合に成長条件を満たしているか否かを判定する。サーバ10のキャラクタ提案部1047は、対象ユーザごとに、仮成長度が成長度に加算された場合に成長条件を満たす単数または複数のキャラクタを選択する。
【0070】
ステップS403において、サーバ10のキャラクタ提案部1047は、成長条件を満たしているキャラクタが複数である場合は、キャラクタテーブル1014を参照し、優先順位の値がより小さい(より優先順位の高い)キャラクタのキャラクタIDを取得する。なお、選択されたキャラクタが単数の場合には、当該キャラクタのキャラクタIDを取得する。
【0071】
ステップS404において、サーバ10のキャラクタ提案部1047は、取得したキャラクタのキャラクタID、キャラクタ名、キャラクタ画像などをユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、受信したキャラクタID、キャラクタ名、キャラクタ画像をディスプレイ2062に表示する。ユーザ端末20のディスプレイ2062における、キャラクタ画像83の表示例を
図12(A)に示す。
【0072】
<変形例1>
本実施形態においては、ユーザテーブル1013の成長度に応じてキャラクタテーブル1014からキャラクタが選択される構成としたが、キャラクタではなく、武器、防具、アクセサリなどのゲーム内アイテムが選択される構成としても良い。具体的には、それぞれのユーザに紐づけられたキャラクタは武器および防具などの装備を有しており、成長度に応じて異なるゲーム内アイテムからキャラクタの装備が選択される構成とする。これにより、ユーザはキャラクタに対して様々なゲーム内アイテムを組み合わせてサービスを楽しむことができる。また、キャラクタ、ゲーム内アイテムに限らず、成長度に応じてオブジェクト情報が選択される任意のサービスに対して本開示は適用可能である。また、本実施形態においては、ユーザのキャラクタを育成したり、進化させたりするシステムを前提として「成長度」という用語を用いたが、「成長度」はその他のパラメータであってもよい。例えば、「成長度」の代わりに、キャラクタやゲーム内アイテムの見た目の変化や、ゲーム内アイテムの効果に影響を及ぼすパラメータに対して本開示は適用可能である。
【0073】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図13は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0074】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0075】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0076】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD―ROM、DVD―ROM、半導体メモリ等である。
【0077】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z―Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0078】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0079】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(
図13)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0080】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0081】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0082】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0083】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0084】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0085】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0086】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに、一定期間の利用に対して費用を支払うことでコンテンツを選択して利用可能となるサービスであって、サービス内の少なくとも一部のコンテンツは追加の費用支払いなしに利用可能なサービスを実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから第1コンテンツの選択を受け付ける受付ステップ(S101)と、ユーザに紐づけられたオブジェクトを特定する特定ステップ(S107)と、第1コンテンツに基づきオブジェクトの第1成長度を変化させる成長ステップ(S102~S105)と、を実行させる、プログラム。
これにより、ユーザが選択したコンテンツに基づいて、ユーザが保有するキャラクタに成長度を付与することができる。コンテンツの利用に基づき、キャラクタを成長させることができ、ユーザにより興趣性の高いサービスを提供できる。
【0087】
(付記2)
第1成長度に基づき、オブジェクトの種類を選択する選択ステップ(S201~S204)と、を実行させる付記1記載のプログラム。
これにより、ユーザのコンテンツ利用に応じて、ユーザは蓄積された成長度に応じて異なる種類のキャラクタを所有することができる。
【0088】
(付記3)
オブジェクトの第1成長度に基づき、ユーザに推奨コンテンツを提示する推奨提示ステップ(S301、S302)と、を実行させる付記1または2記載のプログラム。
これにより、ユーザへ、キャラクタの成長度に応じ、適したコンテンツを提案することができる。ユーザへ馴染みのないコンテンツを利用する機会を提供することにより、ユーザにより興趣性の高いサービスを提供できる。
【0089】
(付記4)
推奨提示ステップは、成長ステップにおいて第1成長度をより大きく変化させるコンテンツを推奨コンテンツとして提示するステップ(S302)である、付記3記載のプログラム。
これにより、ユーザへ、キャラクタの成長度をより大きく変化させるコンテンツを提案することができる。ユーザはキャラクタの成長を楽しむことができ、ユーザにより興趣性の高いサービスを提供できる。
【0090】
(付記5)
ユーザの利用履歴に含まれるコンテンツに基づき、ユーザに推奨コンテンツを提示する履歴提示ステップと、を実行させ、ユーザが推奨提示ステップにおいて提示されたコンテンツを選択した場合に、当該選択されたコンテンツは、履歴提示ステップ(S303、S304)における利用履歴に含まれるコンテンツとして考慮しない、付記3または4記載のプログラム。
キャラクタを成長するために選択されたコンテンツはユーザの嗜好に沿ったコンテンツではない場合がある。ユーザの過去の利用履歴に基づき、ユーザの嗜好に沿ったコンテンツを提案するサービスにおいて、キャラクタの成長のために選択されたコンテンツも利用履歴として扱ってしまうと、ユーザにとっては自身の嗜好に沿わないコンテンツが提案され不便に感じる場合が想定される。
そのため、キャラクタを成長するために選択されたコンテンツの利用履歴を、推奨コンテンツを提案するための利用履歴として採用しないことで、コンテンツ提供サービスにおけるユーザの利便性を損なわずに、ユーザはキャラクタの成長を楽しむことができる。
【0091】
(付記6)
ユーザの育成可否を取得する育成取得ステップ(S106)と、を実行させ、成長ステップは、ユーザの育成可否が第1状態である場合には、オブジェクトの第1成長度を変化させずに、第1コンテンツに基づきオブジェクトの第1仮成長度を変化させるステップ(S108)と、ユーザの育成可否が第1状態から第2状態に変更されたときに、オブジェクトの第1成長度に対し、オブジェクトの第1仮成長度を反映させるステップと、を含む、付記1~5のいずれか記載のプログラム。
これにより、キャラクタ育成サービスを提供しない無料・低ランク会員に対しても、コンテンツ利用に対して仮成長度として利用実績を蓄積することができる。そして、無料会員・低ランク会員が、有料・高ランク会員へ変更したタイミングで仮成長度を、成長度へ反映させることで、無料・低ランク会員期間におけるコンテンツの利用実績を成長度へ反映させることができ、育成可否にかかわらずユーザはサービスを楽しむことができる。
【0092】
(付記7)
ユーザの育成可否が第1状態である場合に、オブジェクトの第1成長度に、オブジェクトの第1仮成長度を反映させた場合の、反映後の第1成長度に基づき選択されるべきオブジェクトの種類を提示する種類提示ステップ(S402~S404)と、を実行させる、付記6記載のプログラム。
これにより、仮成長度が蓄積されている無料・低ランク会員に対して、有料・高ランク会員へ変更することにより、キャラクタがどのようなキャラクタへ成長するのかユーザへ提案することができる。ユーザを、有料・高ランク会員へ移行することを動機づけることができる。
【0093】
(付記8)
第1コンテンツの第1特性値を取得する特性値取得ステップ(S102)と、第1特性値に基づき第1加算値を算定する算定ステップ(S105)と、を実行させ、成長ステップは、第1成長度に第1加算値を加算することにより、第1成長度を変化させるステップである、付記1~7のいずれか記載のプログラム。
【0094】
(付記9)
特性値取得ステップは、第1成長度の大きさに応じ、第1特性値を補正するステップ(S103)を含む、付記8記載のプログラム。
これにより、キャラクタの現在の第1成長度が大きい場合には、コンテンツ利用に伴う第1成長度の成長度合いを抑制することができ、キャラクタの成長度をバランスよく変化させることができる。
【0095】
(付記10)
ユーザのコンテンツの利用履歴を取得するステップと、を実行させ、特性値取得ステップは、第1コンテンツが利用履歴に含まれる場合は、第1特性値を小さく補正するステップ(S103)を含む、付記8または9記載のプログラム。
これにより、過去に利用したことがあるコンテンツを選択することにより成長度へ与える影響は、当該コンテンツを新たに利用した場合よりも小さくなる。ユーザに対し普段は選択しないコンテンツの利用を動機づけることができる。
【0096】
(付記11)
特性値取得ステップは、第1コンテンツの第2特性値を取得(S102)し、算定ステップは、第1特性値および第2特性値に基づき第1加算値および第2加算値を算定(S105)し、成長ステップは、第1成長度および第2成長度にそれぞれ第1加算値および第2加算値を加算することにより、第1成長度および第2成長度へ変化させるステップ(S107)である、付記8~10のいずれか記載のプログラム。
これにより、ユーザが選択したコンテンツの複数の特性値に応じて、ユーザが保有するキャラクタに複数の成長度を付与することができる。キャラクタを複数の成長度に応じて成長させることができ、ユーザにより興趣性の高いサービスを提供できる。
【0097】
(付記12)
第1特性値および第2特性値は、コンテンツ同士の類似度に応じて設定されたベクトルである、付記11記載のプログラム。
これにより、コンテンツの類似度に応じた値を特性値とすることができ、類似したコンテンツを利用したユーザは同じような種類のキャラクタを得ることができる。キャラクタの種類は、ユーザの嗜好がより反映されたものといえるため、ユーザはキャラクタにより愛着を持つことができる。
【符号の説明】
【0098】
1 情報処理システム、10 サーバ、101 記憶部、104 制御部、20 ユーザ端末、201 記憶部、204 制御部、206 タッチパネル