(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】商品入れ替え提案システム、および、収納庫
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0202 20230101AFI20241119BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241119BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20241119BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241119BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20241119BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20241119BHJP
【FI】
G06Q30/0202
G06Q50/10
G16Y10/45
G16Y20/20
G16Y40/20
G16Y40/30
(21)【出願番号】P 2021143539
(22)【出願日】2021-09-02
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】澤田 晃
(72)【発明者】
【氏名】鶴崎 整
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-513140(JP,A)
【文献】特開2020-013183(JP,A)
【文献】特開2020-154510(JP,A)
【文献】特開2013-182538(JP,A)
【文献】特開2020-086675(JP,A)
【文献】特開2019-208627(JP,A)
【文献】特開2020-123306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
G16Y10/45
G16Y20/20
G16Y40/20
G16Y40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、
各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、
各前記商品の決済を検知する決済検知部と、
各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうちユーザ全体としての再購入率が閾値以下の商品を、入れ替え候補として提案し、過去の購入が所定値よりも多いユーザの再購入率が閾値を超えている商品を、入れ替え候補から除外する提案部と、
を備えることを特徴とする商品入れ替え提案システム。
【請求項2】
貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、
各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、
各前記商品の決済を検知する決済検知部と、
或る期間における各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうちユーザ全体としての再購入率が閾値以下の商品を、入れ替え候補として提案し、所定期間に亘って
繰り返し購入している
ヘビーユーザ
に対する、この期間に再購入したユーザの割合である再購入率が閾値を超えている品を、入れ替え候補から除外する提案部と、
を備えることを特徴とする商品入れ替え提案システム。
【請求項3】
前記提案部は、お気に入り登録数が所定値以下の商品を、入れ替え候補として提案する、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品入れ替え提案システム。
【請求項4】
貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、
各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、
各前記商品の決済を検知する決済検知部と、
各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうち入れ替え候補となるものを提案する提案部と、
認証情報を読み取る読取装置を含み、ユーザが有する認証情報源から認証情報を読み取って前記ユーザを認証する認証部と、
を備え、
前記ユーザの識別情報は、前記ユーザの健康情報が記録されたネットワークサービスのアカウントに紐づけられており、
前記提案部は、前記健康情報に所定の問題を有するユーザの再購入率が閾値を超えている商品は、入れ替え候補として提案しない、
ことを特徴とする商品入れ替え提案システム。
【請求項5】
電子錠が取り付けられ、前記貯蔵室の開口を開閉自在な扉を更に備え、
前記認証部がユーザを認証したときに、前記電子錠を解錠する、
ことを特徴とする請求項
4に記載の商品入れ替え提案システム。
【請求項6】
前記取出し検知部は、前記商品が載置された棚の重量を検知する重量センサを含み、前記棚の重量の変化により、前記認証部が認証したユーザによる各前記商品の取り出しを検知する、
ことを特徴とする請求項
5に記載の商品入れ替え提案システム。
【請求項7】
前記取出し検知部は撮像装置を含み、前記撮像装置によって、前記認証部が認証したユーザによる各前記商品の取り出しを検知する、
ことを特徴とする請求項
5に記載の商品入れ替え提案システム。
【請求項8】
前記取出し検知部は第1のICタグリーダを含み、前記商品に貼付けられているICタグ情報を読み取ることにより、前記認証部が認証したユーザによる各前記商品の取り出しを検知する、
ことを特徴とする請求項
4に記載の商品入れ替え提案システム。
【請求項9】
ユーザを認証する認証部と、
撮像装置を含み、前記撮像装置によって前記商品に貼付けられているバーコードを読み取ることにより、前記認証部が認証したユーザへの各前記商品の決済を検知する決済検知部と、
を備え、
前記取出し検知部が何れかの商品の取出しを検知したのち、前記決済検知部は、前記撮像装置がバーコードを読み取るよりも前に前記貯蔵室の扉が閉じられたならば、未決済であることを報知する、
ことを特徴とする
請求項2に記載の商品入れ替え提案システム。
【請求項10】
貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、
各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、
各前記商品の決済を検知する決済検知部と、
各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうちユーザ全体としての再購入率が閾値以下の商品を、入れ替え候補として提案し、過去の購入が所定値よりも多いユーザの再購入率が閾値を超えている商品を、入れ替え候補から除外する提案部と、
を備えることを特徴とする収納庫。
【請求項11】
貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、
各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、
各前記商品の決済を検知する決済検知部と、
或る期間における各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうちユーザ全体としての再購入率が閾値以下の商品を、入れ替え候補として提案し、所定期間に亘って
繰り返し購入している
ヘビーユーザ
に対する、この期間に再購入したユーザの割合である再購入率が閾値を超えている品を、入れ替え候補から除外する提案部と、
を備えることを特徴とする収納庫。
【請求項12】
貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、
各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、
各前記商品の決済を検知する決済検知部と、
各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうち入れ替え候補となるものを提案する提案部と、
認証情報を読み取る読取装置を含み、ユーザが有する認証情報源から認証情報を読み取って前記ユーザを認証する認証部と、
を備え、
前記ユーザの識別情報は、前記ユーザの健康情報が記録されたネットワークサービスのアカウントに紐づけられており、
前記提案部は、前記健康情報に所定の問題を有するユーザの再購入率が閾値を超えている商品は、入れ替え候補として提案しない、
ことを特徴とする収納庫。
【請求項13】
ユーザを認証する認証部と、
撮像装置を含み、前記撮像装置によって前記商品に貼付けられているバーコードを読み取ることにより、前記認証部が認証したユーザへの各前記商品の決済を検知する決済検知部と、
を備え、
前記取出し検知部が何れかの商品の取出しを検知したのち、前記決済検知部は、前記撮像装置がバーコードを読み取るよりも前に前記貯蔵室の扉が閉じられたならば、未決済であることを報知する、
ことを特徴とする
請求項12に記載の収納庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品入れ替え提案システム、および、収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の嗜好分布や購入履歴に基づいて、商品の推薦を行うシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、多くの消費者が購入の対象とするが、売れ筋商品と比べると購入される総数の少ない商品を消費者に推薦することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている発明は、特許文献1の
図4に示すように、購入人数と購入者一人当たりの購入数で消費に推薦優先度を判断している。これにより、売り上げは向上するが、商品購入者の満足度が下がってしまう可能性が有る。また、商品購入者ではなく、商品の販売会社に対して、何らかの提案をすることも必要である。それと共に、商品を販売する際に、どのようにして少ない工数で商品の販売情報(購入情報)を収集するかということも課題である。
【0005】
そこで、本発明は、商品入れ替え提案システム、および、収納庫にて、商品の販売会社に対して入れ替え対象となる商品を好適に提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するため、本発明の商品入れ替え提案システムは、貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、各前記商品の決済を検知する決済検知部と、各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうちユーザ全体としての再購入率が閾値以下の商品を、入れ替え候補として提案し、過去の購入が所定値よりも多いユーザの再購入率が閾値を超えている商品を、入れ替え候補から除外する提案部と、を備えることを特徴とする。
本発明の商品入れ替え提案システムは、貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、各前記商品の決済を検知する決済検知部と、或る期間における各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうちユーザ全体としての再購入率が閾値以下の商品を、入れ替え候補として提案し、所定期間に亘って繰り返し購入しているヘビーユーザに対する、この期間に再購入したユーザの割合である再購入率が閾値を超えている品を、入れ替え候補から除外する提案部と、を備えることを特徴とする。
本発明の商品入れ替え提案システムは、貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、各前記商品の決済を検知する決済検知部と、各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうち入れ替え候補となるものを提案する提案部と、認証情報を読み取る読取装置を含み、ユーザが有する認証情報源から認証情報を読み取って前記ユーザを認証する認証部と、を備え、前記ユーザの識別情報は、前記ユーザの健康情報が記録されたネットワークサービスのアカウントに紐づけられており、前記提案部は、前記健康情報に所定の問題を有するユーザの再購入率が閾値を超えている商品は、入れ替え候補として提案しない、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の収納庫は、貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、各前記商品の決済を検知する決済検知部と、各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうちユーザ全体としての再購入率が閾値以下の商品を、入れ替え候補として提案し、過去の購入が所定値よりも多いユーザの再購入率が閾値を超えている商品を、入れ替え候補から除外する提案部と、を備えることを特徴とする。
本発明の収納庫は、貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、各前記商品の決済を検知する決済検知部と、或る期間における各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうちユーザ全体としての再購入率が閾値以下の商品を、入れ替え候補として提案し、所定期間に亘って繰り返し購入しているヘビーユーザに対する、この期間に再購入したユーザの割合である再購入率が閾値を超えている品を、入れ替え候補から除外する提案部と、を備えることを特徴とする。
本発明の収納庫は、貯蔵室に設けられ、商品を載置する1または複数の棚と、各前記商品の取り出しを検知する取出し検知部と、各前記商品の決済を検知する決済検知部と、各前記商品の販売数の変化に基づき、前記商品のうち入れ替え候補となるものを提案する提案部と、認証情報を読み取る読取装置を含み、ユーザが有する認証情報源から認証情報を読み取って前記ユーザを認証する認証部と、を備え、前記ユーザの識別情報は、前記ユーザの健康情報が記録されたネットワークサービスのアカウントに紐づけられており、前記提案部は、前記健康情報に所定の問題を有するユーザの再購入率が閾値を超えている商品は、入れ替え候補として提案しない、ことを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品の販売会社に対して入れ替え対象となる商品を好適に提案することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る商品入れ替え提案システムの構成図である。
【
図3】収納庫による商品の取出し検知処理と戻し検知処理のフローチャートである。
【
図4】決済端末による決済処理のフローチャートである。
【
図5】商品の入れ替え提案のフローチャートである。
【
図6】第2実施形態に係る商品入れ替え提案システムの構成図である。
【
図8】収納庫による取出し検知処理と戻し検知処理と決済処理のフローチャートである。
【
図9】再購入率の算出処理のフローチャートである。
【
図10】サーバによる商品の入れ替えの提案処理のフローチャートである。
【
図11】第3実施形態に係る収納庫の構成図である。
【
図12】商品の取出し検知処理と戻し検知処理のフローチャートである。
【
図13】第4実施形態に係る収納庫の構成図である。
【
図14】商品の取出し検知処理と戻し検知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
《第1の実施形態》
第1実施形態に係る商品入れ替え提案システムは、収納庫内に載置された商品の販売数の変化に基づいて、商品の入れ替えを提案するものである。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る商品入れ替え提案システム7の構成図である。
商品入れ替え提案システム7は、サーバ3と、収納庫1と、決済端末6を含んで構成されている。これらサーバ3と、収納庫1と、決済端末6とは、ネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。
【0012】
サーバ3は、この商品入れ替え提案システム7を統括制御するものである。サーバ3は、購入履歴データベース31と、提案部34と、表示部35と、通信部36と、処理部37とを含んで構成される。
【0013】
購入履歴データベース31は、後記する
図2に示す商品5a~5cなどの販売履歴を格納するデータベースである。提案部34は、購入履歴データベース31を参照して、各商品の販売数の変化に基づき、収納庫1に収納して販売する商品の入れ替え候補となるものを提案するものである。表示部35は、液晶ディスプレイなどで構成され、例えば提案部34による商品の入れ替え提案などを表示するものである。通信部36は、ネットワークインタフェースカードなどで構成され、このサーバ3が後記する決済端末6や収納庫1などと通信するためのものである。処理部37は、決済端末6から受信した各商品の販売情報を、購入履歴データベース31に格納する。
【0014】
収納庫1は、販売企業がエンドユーザに販売する商品を収納するものである。そして決済端末6は、ユーザが購入する商品を決済するための端末である。収納庫1と決済端末6は、後記する
図2で詳細に説明する。
【0015】
図2は、収納庫1と決済端末6の構成図である。
収納庫1は、扉12と、棚13a~13cおよび重量センサ131a~131cと、制御部10と、通信部16とを含んで構成されるものであり、例えば収納している商品等を冷蔵する冷蔵庫である。収納庫1は、不図示の貯蔵室を備え、その貯蔵室には、貯蔵室の開口を開閉自在な扉12と、棚13a~13cが設けられている。貯蔵室の棚13aには、販売会社によって複数の商品5aが載置される、棚13bには、販売会社によって複数の商品5bが載置される。棚13cには、販売会社によって複数の商品5cが載置される。これら商品5a~5cは、ユーザが自由に取り出し可能である。
【0016】
重量センサ131aは、棚13aとそれに載置された商品5aの重量を計測するセンサである。この重量センサ131aは、棚13aに載置された商品5aの取り出しを検知する取出し検知部として機能する。更に重量センサ131bは、棚13bとそれに載置された商品5bの重量を計測するセンサである。重量センサ131cは、棚13cとそれに載置された商品5cの重量を計測するセンサである。重量センサ131b,131cも同様に、商品5b,5cの取り出しを検知する取出し検知部として機能する。
【0017】
制御部10は、重量センサ131a~131cと通信部16に内部バスを介して接続されている。通信部16は、無線LAN(Local Area Network)カードなどで構成され、この収納庫1が決済端末6や
図1のサーバ3などと通信するためのものである。
【0018】
一方で、決済端末6は、ユーザが収納庫1から取り出した商品を決済するための端末である。決済端末6は、制御部61と、通信部62と、バーコードリーダ63を含んで構成される。
【0019】
バーコードリーダ63は、商品5a~5cなどに貼り付けられているバーコードを読み取るリーダであり、これら商品5a~5cの決済を検知する決済検知部として機能する。
【0020】
制御部61は、通信部62とバーコードリーダ63とに内部バスを介して接続されている。通信部62は、無線LANカードなどで構成され、この決済端末6が収納庫1や
図1のサーバ3などと通信するためのものである。
【0021】
図3は、収納庫1による商品5a~5cの取出し検知処理と戻し検知処理のフローチャートであり、適宜
図1と
図2を参照して説明する。
制御部10(
図2参照)は、棚13a~13c(
図2参照)の重量減少を検知したか否かを判定する(ステップS110)。棚13a~13cの重量減少を検知したならば(Yes)、制御部10は、この棚に対応する商品の取り出しを検知する(ステップS111)。そして制御部10は、通信部16(
図2参照)により、この商品の取出しを決済端末6(
図2参照)に通知すると(ステップS112)、ステップS110に戻る。一方で、ステップS110にて、制御部10は、棚13a~13cの重量減少を検知しなかったならば(No)、ステップS113に進む。
【0022】
制御部10は、棚13a~13cの重量増加を検知したか否かを判定する(ステップS113)。棚13a~13cの重量増加を検知したならば(Yes)、制御部10は、この棚に対応する商品の戻しを検知する(ステップS114)。そして制御部10は、通信部16により、この商品の取り出しを決済端末6に通知すると(ステップS115)、ステップS110に戻る。一方で、ステップS113にて、制御部10は、棚13a~13cの重量増加を検知しなかったならば(No)、ステップS110に戻る。
【0023】
重量センサ131a~131cからのデータ取得周期が短く、例えば1秒周期であれば、制御部10は、商品を取り出したことに加えて、商品を取り出したあとに棚に戻したことが判定可能である。
なお、重量センサ131a~131cからのデータ取得周期が長く、例えば10秒周期であれば、カメラを併用して、棚13a~13cを監視するとよい。これにより制御部10は、商品を取り出したことに加えて、商品を取り出したあとに棚に戻したことが分かる。
【0024】
また、カメラを用いて収納庫1の近くに人を検知した場合、重量センサ131a~131cからのデータ取得周期を短くしてもよい。これにより、収納庫1とサーバ3との通信量を低減可能である。
【0025】
サーバ3の処理部37(
図1参照)は、収納庫1から各商品の取出し情報と戻し情報を受信すると、購入履歴データベース31に、各商品の取出し情報と戻し情報を格納する。商品の販売会社に対して、各商品の魅力を示す情報として、各商品を手に取ったか否かの取出し情報と、それを購入せずに戻したという戻し情報とを提示できる。
【0026】
図4は、決済端末6による決済処理のフローチャートであり、適宜
図1と
図2を参照して説明する。
図2に示す決済端末6の制御部61は、通信部62(
図2参照)により収納庫1から商品取出し情報の受信を試みる(ステップS120)。次に制御部61は、バーコードリーダ63がバーコードを検知したか否かを判定する。バーコードリーダ63がバーコードを検知しなかったならば(No)、制御部61は、ステップS120の処理に戻る。
【0027】
バーコードリーダ63がバーコードを検知したならば(Yes)、制御部61は、バーコードに対応する商品が取り出し中であるか否かを判定する。バーコードに対応する商品が取り出し中でないならば(No)、制御部61は、商品以外のバーコードが読み取られたと判定して、ステップS120に戻る。バーコードに対応する商品が取り出し中ならば(Yes)、制御部61は、バーコード情報に対応する商品の決済を行い、サーバ3に決済情報を送信すると、ステップS120に戻る。
図1に示すサーバ3の処理部37は、決済端末6から決済情報を受信すると、購入履歴データベース31に、商品の販売履歴(決済履歴)を記録する。
【0028】
図5は、商品の入れ替え提案のフローチャートであり、適宜
図1と
図2を参照して説明する。
図1に示すサーバ3の提案部34は、ステップS130~S134に亘り、全ての商品について処理を繰り返す。
【0029】
この繰り返し処理にて、提案部34は、購入履歴データベース31を参照しつつ、最新期間の販売数(決済数)とそれ以前の販売数(決済数)とを比較する(ステップS131)。提案部34は、最新期間の販売数が減少したか否かを判定する(ステップS132)。提案部34は、例えば、最新期間の販売数をそれ以前の販売数で除算した結果が所定値以下ならば、最新期間の販売数が減少したと判定する。
【0030】
最新期間の販売数が減少したならば(Yes)、提案部34は、この商品を入れ替え提案の対象とし(ステップS133)、ステップS134に進む。最新期間の販売数が減少していないならば(No)、提案部34は、ステップS134に進む。
提案部34は、ステップS134にて、全ての商品について処理を繰り返したか否かを判定す。これら一連の繰り返し処理が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0031】
本実施形態の商品入れ替え提案システム7によれば、最新期間の販売数が、それ以前の期間よりも減少した商品の入れ替えを提案している。これにより販売会社は、より多くの販売が見込まれる商品に入れ替えて、売り上げを向上させることができる。
【0032】
商品入れ替え提案システム7は、商品の販売量を判断できる重量センサ131a~131cと時間情報とに基づく商品の販売量の変化を算出している。これにより、商品入れ替え提案システム7は、好適に入れ替え対象の商品を提案可能である。
【0033】
《第2の実施形態》
第2実施形態に係る商品入れ替え提案システムは、ユーザを認証して商品の購入者を特定し、収納庫内に載置された商品を再購入したユーザ数の変化に基づいて、商品の入れ替えを提案するものである。
【0034】
図6は、第2実施形態に係る商品入れ替え提案システム7Aの構成図である。
商品入れ替え提案システム7Aは、サーバ3Aと、収納庫1Aと、携帯端末2a,2b…を含んで構成されている。これらサーバ3Aと、収納庫1Aと、携帯端末2a,2b…とは、ネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。なお、携帯端末2a,2b…は、必ずしもネットワーク4に接続されていなくてもよい。
【0035】
サーバ3Aは、この商品入れ替え提案システム7Aを統括制御するものである。サーバ3Aは、購入履歴データベース31と、ユーザ健康情報データベース32と、お気に入り情報データベース33と、提案部34と、表示部35と、通信部36と、処理部37とを含んで構成される。
【0036】
購入履歴データベース31は、商品5a~5cなどの購入履歴(決済履歴)を購入者ごとに格納するデータベースである。ユーザ健康情報データベース32は、商品の購入者であるユーザの健康情報を格納するデータベースであり、例えば健康診断情報や、ユーザが保有するウェアラブル端末から収集したバイタルデータが格納されている。ユーザ健康情報データベース32は、ユーザの識別情報で検索することにより、このユーザの健康情報を取得可能なように構成される。お気に入り情報データベース33は、各商品のお気に入り登録数を格納するデータベースである。ここでお気に入り登録数とは、例えば販売会社が運営しているポータルサイトのログインユーザによる各商品のお気に入り登録であるが、これに限られない。
【0037】
提案部34は、購入履歴データベース31と、ユーザ健康情報データベース32と、お気に入り情報データベース33とを参照して、収納庫1Aに収納して販売する商品の入れ替えを提案するものである。表示部35は、液晶ディスプレイなどで構成され、例えば提案部34による商品の入れ替え提案などを表示するものである。通信部36は、ネットワークインタフェースカードなどで構成され、このサーバ3Aが収納庫1Aなどと通信するためのものである。処理部37は、収納庫1Aから受信した各商品の販売情報を、購入履歴データベース31に格納する。
【0038】
収納庫1Aは、販売企業がエンドユーザに販売する商品を収納するものである。そして携帯端末2a,2b…は、その所有者(購入者)を個人認証するための認証情報源である。そして携帯端末2a,2b…には、不図示の決済用アプリケーションがインストールされており、カメラ等で商品のバーコードを読み取って、この商品の決済を行う決済端末として機能する。
【0039】
図7は、収納庫1Aの構成図である。
収納庫1Aは、NFC(Near Field Communication)リーダ11と、扉12と、その電子錠121および開閉センサ122と、棚13a~13cおよび重量センサ131a~131cとを含んで構成される。収納庫1Aは更に、制御部10と、バーコードリーダ14と、スピーカ15と、通信部16とを含んで構成される。収納庫1Aは、不図示の貯蔵室を備え、その貯蔵室には、開口を開閉自在な扉12と、棚13a~13cが設けられている。貯蔵室に設けられた棚13aには、販売会社によって複数の商品5aが載置される、棚13bには、販売会社によって複数の商品5bが載置される。棚13cには、販売会社によって複数の商品5cが載置される。これら商品5a~5cは、ユーザが自由に取り出し可能である。
【0040】
NFCリーダ11は、NFCカードや、NFC機能を有する携帯端末2a,2b…などから電子的に認証情報を読み取る認証部である。NFCカードや、NFC機能を有する携帯端末2a,2b…は、ユーザが有する認証情報源である。この認証情報は、販売会社などがユーザに提供するネットワークサービスのアカウントに紐づけられている。
電子錠121は、扉12をロックする錠であり、電子的に解錠と鎖錠とを切り替えることができる。NFCリーダ11でユーザを認証するときに、制御部10は、この電子錠121を解錠する。開閉センサ122は、扉12の開閉状態を検知するセンサである。
【0041】
重量センサ131aは、棚13aとそれに載置された商品5aの重量を計測するセンサである。この重量センサ131aは、棚13aの重量の変化により、棚13aに載置された商品5aの取り出しを検知する取出し検知部として機能する。更に重量センサ131bは、棚13bとそれに載置された商品5bの重量を計測するセンサである。重量センサ131cは、棚13cとそれに載置された商品5cの重量を計測するセンサである。重量センサ131b,131cも同様に、商品5b,5cの取り出しを検知する取出し検知部として機能する。
【0042】
制御部10は、重量センサ131a~131cとバーコードリーダ14と通信部16に内部バスを介して接続されている。バーコードリーダ14は、商品のバーコードを読み取って、この商品の決済を検知する決済検知手段として機能する。スピーカ15は、所定の音声などを出力するものであり、ユーザに音声情報を報知する報知部として機能する。通信部16は、無線LANカードなどで構成され、この収納庫1Aがサーバ3Aなどと通信するためのものである。
【0043】
図8は、収納庫1Aによる取出し検知処理と戻し検知処理と決済処理のフローチャートである。
当初、収納庫1Aの電子錠121は鎖錠している。ユーザが携帯端末2aなどをNFCリーダ11に翳すと、制御部10は、NFCリーダ11で認証情報の読み込みを試みる(ステップS10)。そして、制御部10は、ユーザ認証したか否かを判定する(ステップS11)。なお、この収納庫1Aに収納された商品を取り出せる者は、予め登録されたユーザに限定される。
【0044】
ステップS11にて制御部10は、ユーザ認証できなかったならば(No)、ステップS10に戻り、ユーザ認証できたならば(Yes)、電子錠121を解錠して(ステップS12)、扉12を開閉可能とする。ここでユーザは扉12を開いて、棚13a~13cに載置された商品を取り出せるようにする。
【0045】
制御部10は、棚13a~13cの重量減少を検知したか否かを判定する(ステップS13)。制御部10が棚13a~13cの重量減少を検知したならば(Yes)、制御部10は、この棚に対応する商品の取り出しを検知して(ステップS14)、ステップS13に戻る。一方で、ステップS13にて、制御部10は、棚13a~13cの重量減少を検知しなかったならば(No)、ステップS15に進む。
【0046】
ステップS15にて、制御部10は、棚13a~13cの重量増加を検知したか否かを判定する。棚13a~13cの重量増加を検知したならば(Yes)、制御部10は、この棚に対応する商品の戻しを検知し(ステップS16)、ステップS13に戻る。これにより制御部10は、ユーザが収納庫1Aを開けて商品を手に取っていながら、その商品を棚に戻したことを検知できる。制御部10は、この情報をサーバ3Aに送信して、購買情報データベースに記録させる。これにより、販売会社は、この商品の魅力度がどのようなものであったかを知ることができる。
ステップS15にて、棚13a~13cの重量増加を検知しなかったならば(No)、制御部10は、ステップS17に進む。
【0047】
ステップS17にて、制御部10は、バーコードリーダ14がバーコードを検知したか否かを判定する。バーコードリーダ14がバーコードを検知したならば(Yes)、制御部10は、このバーコードに対応する決済を検知し(ステップS18)、ステップS13に戻る。ステップS17にて、バーコードリーダ14がバーコードを検知しなかったならば(Yes)、制御部10は、ステップS19に進む。
【0048】
ステップS19にて、制御部10は、扉12が開いているか否かを判定する。ここで制御部10は、開閉センサ122で、扉12の開閉状態を検知する。扉12が開いているならば(Yes)、制御部10は、ステップS13に戻る。扉12が閉じているならば(No)、制御部10は、ステップS20に進む。
【0049】
ステップS20にて、制御部10は、未決済の商品が有るか否かを判定する。未決済の商品とは、その商品の取り出しを検知していながらも決済されていない商品のことをいう。未決済の商品が有れば(Yes)、制御部10は、スピーカ15を介して未決済の旨を報知し(ステップS21)、あわせてユーザが有する携帯端末2a,2bに対して未決済である旨を通知して(ステップS22)、
図8の処理を終了する。これにより携帯端末2a,2bにインストールされている決済用アプリケーションで、ユーザに商品を決済させることが可能となり、ユーザの決済し忘れを防ぐことができる。
ステップS20にて、未決済の商品が無ければ(No)、制御部10は、
図8の処理を終了する。その後、制御部10は、所定の時間が経過するなどの条件が成立したならば、電子錠121を鎖錠するとよい。これにより、予め登録されたユーザのみが、この収納庫1A内の商品5a~5cを購入可能となる。
サーバ3Aの処理部37は、収納庫1Aや携帯端末2a,2bなどから決済情報を受信すると、購入履歴データベース31に、商品の販売履歴(決済履歴)を記録する。
【0050】
図9は、再購入率の算出処理のフローチャートである。
サーバ3Aの提案部34は、ステップS90~S100に亘り、全ての商品について処理を繰り返す。
更に提案部34は、ステップS91~S99に亘り、全ての期間について処理を繰り返す。
更に提案部34は、ステップS92~S95に亘り、全てのユーザについて処理を繰り返す。
【0051】
ステップS93にて、提案部34は、このユーザがこの商品を当該期間とその前の期間に購入したか否かを判定する。このユーザがこの商品を当該期間とその前の期間に購入したならば(Yes)、提案部34は、当該期間におけるこのユーザのこの商品の再購入を認定する。このユーザがこの商品を当該期間とその前の期間に購入していないならば(No)、提案部34は、ステップS95に進む。
【0052】
ステップS95にて、提案部34は、全てのユーザについて処理を繰り返したならば、ステップS96に進み、未処理のユーザが居ればステップS92に戻る。
ステップS96にて、提案部34は、ユーザ全体に対する再購入したユーザの割合を算出して、当該期間におけるユーザ全体の再購入率とする。
【0053】
更に提案部34は、不健康ユーザに対する再購入したユーザの割合を算出して、当該期間における不健康ユーザの再購入率とする(ステップS97)。ここで不健康ユーザとは、健康に何らかの問題を有しているユーザのことをいい、
図1に示したユーザ健康情報データベース32を検索することで抽出可能である。
更に提案部34は、ヘビーユーザに対する再購入したユーザの割合を算出して、当該期間におけるヘビーユーザの再購入率とする(ステップS98)。なお、ヘビーユーザとは、当該商品の過去の購入量が所定値よりも多いユーザであってもよく、当該商品を所定期間に亘って再購入しているユーザであってもよく、限定されない。
ステップS99にて、提案部34は、全ての期間について処理を繰り返したならば、ステップS100に進み、未処理の期間が有れば、ステップS91に戻る。
ステップS100にて、提案部34は、全ての商品について処理を繰り返したならば、
図9の処理を終了し、未処理の商品が有れば、ステップS90に戻る。
【0054】
図10は、サーバ3Aによる商品の入れ替えの提案処理のフローチャートである。
サーバ3Aの提案部34は、ステップS40~S46に亘り、全ての商品について処理を繰り返す。
【0055】
提案部34は、不健康ユーザによる当該商品の再購入率が閾値Xを超えているか否かを判定する(ステップS41)。不健康ユーザによる当該商品の再購入率が閾値Xを超えているならば(Yes)、提案部34は、ステップS46に進む。これにより、少人数の不健康ユーザの意見を反映させることができる。不健康ユーザによる当該商品の再購入率が閾値X以下ならば(No)、ステップS42に進む。
【0056】
ステップS42にて、提案部34は、ヘビーユーザ全体による当該商品の再購入率が閾値Yを超えているか否かを判定する。ヘビーユーザ全体による当該商品の再購入率が閾値Yを超えているならば(Yes)、提案部34は、ステップS46に進む。これにより、少人数のヘビーユーザの意見を反映させることができる。なお、ヘビーユーザとは、当該商品の過去の購入量が所定値よりも多いユーザであってもよく、当該商品を所定期間に亘って再購入しているユーザであってもよく、限定されない。
後者のように当該商品を所定期間に亘って再購入しているヘビーユーザは、その商品を真に必要としているユーザである。ステップS42の判定により、当該商品を真に必要としているユーザが存在している場合には、当該商品を入れ替え対象から除外できる。つまり、当該商品を真に必要としているユーザがいるにも関わらず、数多く購入するユーザの意見が優先されて商品が入れ替えられてしまうことを防ぐことができる。
ステップS42にて、ヘビーユーザ全体による当該商品の再購入率が閾値Y以下ならば(No)、提案部34は、ステップS43に進む。
【0057】
ステップS43にて、提案部34は、ユーザ全体による当該商品の再購入率が閾値Z以下であるか否かを判定する。ユーザ全体による当該商品の再購入率が閾値Z以下ならば(Yes)、提案部34は、ステップS45に進み、この商品の入れ替えを提案する。ユーザ全体による当該商品の再購入率が閾値Zを超えているならば(No)、提案部34は、ステップS44に進む。
【0058】
ステップS43の判定により、提案部34は、販売会社に商品の入れ替えを好適なタイミングで提案できる。入れ替えの判断基準は、その商品の再購入率の変化である。全てのユーザにおける当該商品の再購入率の低下を検知することが、この商品を入れ替えるべきことを判定できる。
【0059】
ステップS44にて、提案部34は、お気に入り情報データベース33を参照して、当該商品のユーザによるお気に入り登録数が所定値以下であるか否かを判定する。当該商品のユーザによるお気に入り登録数が所定値以下ならば(Yes)、提案部34は、ステップS45に進む。これにより提案部34は、この商品の入れ替えを提案することができる。
ステップS44にて、当該商品のユーザによるお気に入り登録数が所定値を超えているならば(No)、提案部34は、ステップS46に進む。
【0060】
ステップS46にて、提案部34は、全ての商品について処理を繰り返したならば、
図10の処理を終了し、未処理の商品が有れば、ステップS40に戻る。
【0061】
《第3の実施形態》
第3の実施形態の商品入れ替え提案システムは、
図6に示すシステムと同様に構成されており、棚を撮像するカメラで商品の取り出しを検知すると共に、携帯端末に備わるカメラで商品のバーコードを検知して決済するものである。
【0062】
図11は、第3実施形態に係る収納庫1Bと携帯端末2の構成図である。
収納庫1Bは、第2の実施形態の収納庫1Aと同様に、NFCリーダ11と、扉12と、その電子錠121および開閉センサ122と、制御部10と、スピーカ15と、通信部16とを含んで構成される。そして収納庫1Bは、第2の実施形態の収納庫1Aとは異なり棚13a~13cに、それぞれカメラ171a~171cとを含んで構成される。
【0063】
カメラ171aは、棚13aとそれに載置された商品5aを撮影し、ユーザによる取り出し動作を検知する。このカメラ171aは、棚13aに載置された商品5aの取り出しを検知する取出し検知部として機能する。更にカメラ171bは、棚13bとそれに載置された商品5bを撮影し、ユーザによる取り出し動作を検知する。カメラ171cは、棚13cとそれに載置された商品5cを撮影し、ユーザによる取り出し動作を検知する。カメラ171b,171cも同様に、商品5b,5cの取り出しを検知する取出し検知部として機能する。
なお、カメラ171a~171cのように棚ごとではなく、収納庫1Bの入り口を撮像でき、かつ各棚を俯瞰できる位置にカメラが配置されていてもよい。カメラは、例えば、収納庫1Bよりも上方に位置する設置空間の天井や、収納庫1Bの庫外であって天面上に配置されていてもよい。これにより、収納庫1Bの冷気によりカメラのレンズが曇ることを防ぐことができる。
【0064】
制御部10は、カメラ171a~171cと通信部16に内部バスを介して接続されている。
携帯端末2は、制御部21と通信部22とカメラ23とを備えている。携帯端末2は、カメラ23(撮像装置)で商品のバーコードを読み取って、この商品の決済を検知する決済検知手段として機能する。通信部22は、無線LANカードなどで構成され、この携帯端末2が収納庫1Bやサーバ3Aなどと通信するためのものである。
【0065】
図12は、商品の取出し検知処理と戻し検知処理と決済処理のフローチャートである。
当初、収納庫1Bの電子錠121は鎖錠している。ユーザが携帯端末2などをNFCリーダ11に翳すと、制御部10は、NFCリーダ11で認証情報の読み込みを試みる(ステップS50)。そして、制御部10は、ユーザ認証したか否かを判定する(ステップS51)。なお、この収納庫1Bに収納された商品を取り出せる者は、予め登録されたユーザに限定される。
【0066】
ステップS51にて、制御部10は、ユーザ認証できなかったならば(No)、ステップS50に戻り、ユーザ認証できたならば(Yes)、電子錠121を解錠して(ステップS52)、扉12を開閉可能とする。ここでユーザは扉12を開いて、棚13a~13cに載置された商品を取り出せるようにする。
【0067】
制御部10は、棚13a~13cをカメラ171a~171cで撮像した画像に基づき、棚13a~13cに載置された商品の取り出し動作を検知したか否かを判定する(ステップS53)。制御部10が棚13a~13cに載置された商品の取り出し動作を検知したならば(Yes)、制御部10は、この棚に対応する商品の取り出しを検知して(ステップS54)、ステップS53に戻る。一方で、ステップS53にて、制御部10は、棚13a~13cに載置された商品の取り出し動作を検知しなかったならば(No)、ステップS55に進む。
【0068】
ステップS55にて、制御部10は、棚13a~13cをカメラ171a~171cで撮像した画像に基づき、棚13a~13cへの商品の戻し動作を検知したか否かを判定する。棚13a~13cへの商品の戻し動作を検知したならば(Yes)、制御部10は、この棚に対応する商品の戻しを検知し(ステップS56)、ステップS53に戻る。棚13a~13cへの商品の戻し動作を検知しなかったならば(No)、制御部10は、ステップS57に進む。
【0069】
ステップS57にて、制御部10は、携帯端末2がカメラ23によりバーコードを検知したか否かを判定する。携帯端末2がバーコードを検知したならば(Yes)、制御部10は、このバーコードに対応する決済しを検知し(ステップS58)、ステップS53に戻る。ステップS57にて、携帯端末2がバーコードを検知しなかったならば(Yes)、制御部10は、ステップS59に進む。
【0070】
ステップS59にて、制御部10は、扉12が開いており且つ人を検知したか否かを判定する。ここで制御部10は、開閉センサ122で、扉12の開閉状態を検知し、カメラ171a~171cで人を検知する。
ステップS59にて、扉12が開いており且つ人を検知したならば(Yes)、制御部10は、ステップS53に戻る。扉12が閉じたか又は人を検知しないならば(No)、制御部10は、ステップS60に進む。
【0071】
ステップS60にて、制御部10は、未決済の商品が有るか否かを判定する。未決済の商品とは、その商品の取り出しを検知していながらも決済されていない商品のことをいう。未決済の商品が有れば(Yes)、制御部10は、スピーカ15を介して未決済の旨を報知し(ステップS61)、
図12の処理を終了する。未決済の商品が無ければ(No)、制御部10は、
図12の処理を終了する。その後、制御部10は、所定の時間が経過するなどの条件が成立したならば、電子錠121を鎖錠するとよい。これにより、予め登録されたユーザのみが、この収納庫1B内の商品5a~5cを購入可能となる。
サーバ3Aの処理部37は、収納庫1Bから決済情報を受信すると、購入履歴データベース31に、商品の販売履歴(決済履歴)を記録する。
【0072】
《第4の実施形態》
第4の実施形態の商品入れ替え提案システムは、
図6に示すシステムと同様に構成されており、第1のICタグリーダで商品の取り出しを検知すると共に、決済用の第2のICタグリーダで商品に貼り付けられたICタグを検知して決済するものである。
【0073】
図13は、第4実施形態に係る収納庫1Cの構成図である。
収納庫1Cは、第2の実施形態の収納庫1Aと同様に、NFCリーダ11と、扉12と、その電子錠121および開閉センサ122と、制御部10と、スピーカ15と、通信部16とを含んで構成される。そして収納庫1Cは、第2の実施形態の収納庫1Aとは異なり棚13a~13cに、それぞれICタグリーダ181a~181cとを含んで構成され、更に決済用ICタグリーダ18を備えている。
【0074】
ICタグリーダ181aは、棚13aに載置された商品5aのICタグ情報を検知する第1のICタグリーダである。制御部10は、既存のICタグ情報が消失して検知しなくなったことにより、ユーザによる取り出し動作を検知する。このICタグリーダ181aは、棚13aに載置された商品5aの取り出しを検知する取出し検知部として機能する。同様にICタグリーダ181bは、棚13bに載置された商品5bのICタグ情報を検知する第1のICタグリーダである。ICタグリーダ181cは、棚13cに載置された商品5cのICタグ情報を検知する第1のICタグリーダである。
【0075】
制御部10は、ICタグリーダ181a~181cと決済用ICタグリーダ18と通信部16に、内部バスを介して接続されている。
決済用ICタグリーダ18は、商品に貼付けられているICタグ情報を読み取る決済検知部である。決済用ICタグリーダ18により、制御部10は、NFCリーダ11が認証したユーザへの各商品の決済を検知する。
【0076】
図14は、商品の取出し検知処理と戻し検知処理と決済処理のフローチャートである。
当初、収納庫1Cの電子錠121は鎖錠している。ユーザが携帯端末2などをNFCリーダ11に翳すと、制御部10は、NFCリーダ11で認証情報の読み込みを試みる(ステップS70)。そして、制御部10は、ユーザ認証したか否かを判定する(ステップS71)。なお、この収納庫1Cに収納された商品を取り出せる者は、予め登録されたユーザに限定される。
【0077】
ステップS71にて、制御部10は、ユーザ認証できなかったならば(No)、ステップS70に戻り、ユーザ認証できたならば(Yes)、電子錠121を解錠して(ステップS72)、扉12を開閉可能とする。ここでユーザは扉12を開いて、棚13a~13cに載置された商品を取り出せるようにする。
【0078】
制御部10は、棚13a~13cをICタグリーダ181a~181cで検知した結果に基づき、棚13a~13cに存在していたタグ情報が消失したか否かを判定する(ステップS73)。ユーザが商品を棚から取り出したことにより、ICタグリーダ181a~181cは、棚13a~13cに存在していたタグ情報を検知しなくなる。制御部10は、タグ情報が消失したと判定する。
ステップS73にて、棚13a~13cのタグ情報の消失を検知したならば(Yes)、制御部10は、このタグ情報に対応する商品の取り出しを検知すると(ステップS74)、ステップS73に戻る。一方で、ステップS73にて、制御部10は、棚13a~13cからタグ情報の消失を検知しなかったならば(No)、ステップS75に進む。
【0079】
ステップS75にて、制御部10は、棚13a~13cをICタグリーダ181a~181cで検知した結果に基づき、棚13a~13cから消失したタグ情報を再検知したか否かを判定する。ユーザが商品を棚に戻したことにより、ICタグリーダ181a~181cは、この商品に貼り付けられたICタグのタグ情報を検知する。制御部10は、棚13a~13cから消失したタグ情報を再検知する。
棚13a~13cから消失したタグ情報を再検知したならば(Yes)、制御部10は、このタグ情報に対応する商品の戻しを検知し(ステップS76)、ステップS73に戻る。棚13a~13cから消失したタグ情報を再検知しなかったならば(No)、制御部10は、ステップS77に進む。
【0080】
ステップS77にて、制御部10は、決済用ICタグリーダ18がタグ情報を検知したか否かを判定する。決済用ICタグリーダ18がタグ情報を検知したならば(Yes)、制御部10は、このタグ情報に対応する決済しを検知し(ステップS78)、ステップS73に戻る。ステップS77にて、決済用ICタグリーダ18がタグ情報を検知しなかったならば(Yes)、制御部10は、ステップS79に進む。
【0081】
ステップS79にて、制御部10は、扉12が開いているか否かを判定する。ここで制御部10は、開閉センサ122で、扉12の開閉状態を検知する。扉12が開いているならば(Yes)、制御部10は、ステップS13に戻る。扉12が閉じているならば(No)、制御部10は、ステップS80に進む。
【0082】
ステップS80にて、制御部10は、未決済の商品が有るか否かを判定する。未決済の商品とは、その商品の取り出しを検知していながらも決済されていない商品のことをいう。未決済の商品が有れば(Yes)、制御部10は、スピーカ15を介して未決済の旨を報知し(ステップS81)、
図14の処理を終了する。未決済の商品が無ければ(No)、制御部10は、
図14の処理を終了する。その後、制御部10は、所定の時間が経過するなどの条件が成立したならば、電子錠121を鎖錠するとよい。これにより、予め登録されたユーザのみが、この収納庫1C内の商品5a~5cを購入可能となる。
サーバ3Aの処理部37は、収納庫1Cから決済情報を受信すると、購入履歴データベース31に、商品の販売履歴(決済履歴)を記録する。
【0083】
本発明の商品入れ替え提案システム7Aが、購入されなくなった商品や再購入率が低下した商品を入れ替え対象として販売企業に提案することで、ユーザの所望の商品が収納庫1の庫内に陳列される機会を増やすことになる。これにより、ユーザの商品購入率や個数が向上し、売れずに賞味期限が切れてしまう商品の数を少なくすることができる。よって、フードロスを低減して環境負荷を低減することができる。
【0084】
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0085】
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
【0086】
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の変形例として、例えば、次の(a)~(f)のようなものがある。
【0087】
(a) 本発明は、収納庫とサーバの組み合わせではなく、単体の収納庫の制御部が商品の入れ替えを提案してもよい。この場合、収納庫の制御部は、商品の入れ替えを提案する提案部として機能する。
(b) 収納庫にカメラを設け、カメラで撮像した画像から取得した人の目線の情報を活用し、収納庫を開ける前に、商品が収納されている収納庫のPOP(point of purchase)を見た時間を取得してもよい。この時間情報を加工することにより、商品を提供する会社に対して、POPの有効性情報を提供することができる。
(c) 本システムに、電子レンジを連携させてもよい。これにより、電子レンジによる加熱を要する商品の利用状況を収集して、販売会社にその情報を提供可能となる。
(d) 携帯端末をNFCリーダに翳して認証することに限られず、社員証などのカードをNFCリーダに翳して認証してもよい。
(e) 収納庫外に載置された商品の重量を計測する重量センサを設けてもよい。これにより、収納庫内の重量センサの情報と組合せると、収納庫に入りきらなかった在庫も含めての管理も可能になり、廃棄ロスや計画発注などに活用できる。
(f) 収納庫の棚の重量を測る重量センサと、棚の商品の状態を撮像するカメラの組み合わせであってもよい。これにより、重量情報の変化と商品状態を撮像した画像を組み合わせて、より正確に商品の取り出しと戻しを判定可能である。
【符号の説明】
【0088】
1,1A,1B,1C 収納庫
10 制御部
11 NFCリーダ (認証部)
12 扉
121 電子錠
122 開閉センサ
13a~13c 棚
131a~131c 重量センサ (取出し検知部)
14 バーコードリーダ (決済検知部)
15 スピーカ
16 通信部
171a~171c カメラ (取出し検知部)
181a~181c ICタグリーダ (第1のICタグリーダ、取出し検知部)
18 決済用ICタグリーダ (第2のICタグリーダ、決済検知部)
2 携帯端末 (決済検知部)
2a,2b 携帯端末
21 制御部
22 通信部
23 カメラ
3 サーバ
31 購入履歴データベース
32 ユーザ健康情報データベース
33 お気に入り情報データベース
34 提案部
35 表示部
36 通信部
37 処理部
4 ネットワーク
5a~5c 商品
6 決済端末 (決済検知部)
61 制御部
62 通信部
63 バーコードリーダ
7,7A 商品入れ替え提案システム