(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】エアヒータ装置
(51)【国際特許分類】
F02M 31/13 20060101AFI20241119BHJP
F02M 35/10 20060101ALI20241119BHJP
F02M 35/104 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
F02M31/13 311J
F02M31/13 301G
F02M31/13 301J
F02M35/10 311B
F02M35/104 B
(21)【出願番号】P 2021178574
(22)【出願日】2021-11-01
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】長井 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】小村 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】沖見 昇一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 卓
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-126001(JP,A)
【文献】特開平05-240080(JP,A)
【文献】実開平01-174560(JP,U)
【文献】実開平03-054254(JP,U)
【文献】実開平06-014459(JP,U)
【文献】実開平06-025545(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0032608(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 31/00
F02M 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2ヒータを有してエンジンの吸入空気を加熱可能なヒータ部が備えられ、
前記第1ヒータと前記第2ヒータとを交互に作動させる交互加熱モードが行える構成とされ
、
前記交互加熱モードは、同時加熱併有交互加熱モードと通常交互加熱モードと間欠交互加熱モードを備え、エンジンの低温始動時は、制御装置により、前記同時加熱併有交互加熱モード後に前記通常交互加熱モードへの切り替えが自動的に行われると共に、前記通常交互加熱モード後に前記間欠交互加熱モードへの切り替えが自動的に行われるように構成され、
前記同時加熱併交互加熱モードは、前記第1ヒータと前記第2ヒータの両ヒータを同時に作動させる時間帯を備え、
前記通常交互加熱モードは、前記両ヒータの一方と他方を交互に作動させる時間帯のみを備え、
前記間欠交互加熱モードは、前記両ヒータを共に非作動とする時間帯を備えるように構成されているエアヒータ装置。
【請求項2】
前記第1ヒータと前記第2ヒータとは、吸入空気の流れ方向に沿って並べられている請求項1に記載のエアヒータ装置。
【請求項3】
前記第1ヒータと前記第2ヒータとは、これら両者が積層された一つの構成要素として前記ヒータ部に設けられている請求項2に記載のエアヒータ装置。
【請求項4】
前記第1ヒータ及び/又は前記第2ヒータは、吸入空気の流れ方向に対して交差する方向の面に拡がる状態に構成されている請求項1~3の何れか一項に記載のエアヒータ装置。
【請求項5】
前記第1ヒータ及び/又は前記第2ヒータは、吸入空気の通路の断面積の大部分に亘る状態に形成されている請求項4に記載のエアヒータ装置。
【請求項6】
前記ヒータ部が、吸気マニホルドの吸気入口とスロットル弁の吸気出口とに挟まれる状態で設けられている請求項1~5の何れか一項に記載のエアヒータ装置。
【請求項7】
上向きに開口する前記吸気入口と下向きに開口する前記吸気出口との上下間に前記ヒータ部が介装されている請求項6に記載のエアヒータ装置。
【請求項8】
前記ヒータ部は、ヘッドカバーの側脇に配置されている請求項7に記載のエアヒータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンにおいて、吸気ポートに供給されるエア(空気)を加温させることができるエアヒータ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低温環境下でエンジン始動する場合、筒内壁(シリンダ壁)温度がすぐには上昇しないことによってHCやCOが通常より発生し易い傾向がある。そこで、機種によっては、筒内壁温度を素早く上昇させるために、始動時に吸入エアを加温(又は加熱)させるエアヒータが用いられている。このような技術としては、特許文献1にて開示されるエンジンが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低温環境下でのエンジン始動時におけるエアヒータの使用により、素早く筒内壁温度を上昇させてHCやCOの発生を防止可能になったが、反面、エアヒータの作動時間に限界がある、という問題が生じることがあった。
【0005】
即ち、極低温時などにおいては、エアヒータの長時間作動による熱変形の可能性があるため、初期の時間より早くエアヒータを停止させねばならない場合があった。つまり、HCやCOの発生を抑えるべく長時間作動させるとエアヒータ損傷のおそれがあり、エアヒータの熱変形を防止すべく作動時間を短縮するとHCやCOの発生を抑え難くなる、というジレンマである。
【0006】
本発明の目的は、エアヒータの構造工夫により、熱変形することなく長時間作動を可能として、十分なHCやCOの発生防止作用を発揮できるように、より改善されたエアヒータ装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エアヒータ装置において、
第1及び第2ヒータを有してエンジンの吸入空気を加熱可能なヒータ部が備えられ、
前記第1ヒータと前記第2ヒータとを交互に作動させる交互加熱モードが行える構成とされ、
前記交互加熱モードは、同時加熱併有交互加熱モードと通常交互加熱モードと間欠交互加熱モードを備え、エンジンの低温始動時は、制御装置により、前記同時加熱併有交互加熱モード後に前記通常交互加熱モードへの切り替えが自動的に行われると共に、前記通常交互加熱モード後に前記間欠交互加熱モードへの切り替えが自動的に行われるように構成され、
前記同時加熱併有交互加熱モードは、前記第1ヒータと前記第2ヒータの両ヒータを同時に作動させる時間帯を備え、
前記通常交互加熱モードは、前記両ヒータの一方と他方を交互に作動させる時間帯のみを備え、
前記間欠交互加熱モードは、前記両ヒータを共に非作動とする時間帯を備えるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に関して、上述した構成(手段)以外の特徴構成や手段ついては、請求項2~8を参照のこと。
【発明の効果】
【0009】
エアヒータ装置は、主に低温下での始動時に用いられ、吸入空気を暖めることによってHC,COの低減が可能となる利点がある。しかしながら、温度条件によっては長時間に亘ってエアヒータ装置が作動されることがあり、そうなるとエアヒータ装置や周りの部品などに熱変形を生じさせるおそれがある。
【0010】
そこで、本発明によれば、2つのヒータを有してなるヒータ部において、2つのヒータを交互にオン、即ち加熱作動させる交互加熱モードを行うことにより、ヒータ部自体や周囲の構造物の熱上昇を一定値に抑えながら吸入空気を適切に加熱させることが可能になる。つまり、熱変形を防止しながらHC、COを抑制することができる。
【0011】
その結果、エアヒータの構造工夫により、熱変形することなく長時間作動を可能として、十分なHCやCOの発生防止作用を発揮できるように、より改善されたエアヒータ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】(A)はエアヒータの正面図、(B)はエアヒータの側面図
【
図3】エアヒータを含む吸気通路の主要部を示す構造図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明によるエアヒータ装置の実施の形態を、農用トラクタなどに搭載される産業用エンジンに適用された例について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図6~
図8に産業用エンジンの例として、立形の直列多気筒ディーゼルエンジンEが示されている。このエンジンEは、シリンダブロック2と、シリンダヘッド18と、ヘッドカバー(シリンダヘッドカバー)19と、伝動ケース(フロントケース)1と、フライホイールハウジング20と、オイルパン21とを備えている。
シリンダブロック2は、下部のクランクケース2aと、上部のシリンダ部2bとからなり、シリンダ部2bの上にシリンダヘッド18が組み付けられ、シリンダヘッド18の上にヘッドカバー19が組み付けられている。
【0015】
クランク軸3の軸心Qの軸心(軸線)方向を前後方向とし、フライホイールハウジング20のある方を後、シリンダブロック2に組付けられる伝動ケース1のある方を前とする。そして、排気マニホルド23やEGRクーラ24のある方を左、その反対で吸気マニホルド5やスロットル弁6などが配置される方を右とする。
【0016】
図6~
図8において、25はオルタネータ、26は冷却ファン、27はウォータポンプ、28は過給機(ターボチャージャー)、29は伝動ベルト、31は排気管、32は排気処理ケース、33はオイルクーラ、34はオイルフィルタである。そして、Pはオイルポンプ、42はサプライポンプであり、吸気マニホルド5とその上のスロットル弁6との上下間にはエアヒータ装置7が設けられ(介装され)ている。
【0017】
図3~
図5に示されるように、このエンジンEにおける空気の供給経路である吸気通路は、エアクリーナ(図示省略)、過給機28のコンプレッサ28A(
図7を参照)、連通パイプ8、フランジ9、スロットル弁6、エアヒータ装置7、吸気マニホルド5であり、この順で空気が流れてシリンダヘッド18の吸気ポート18Aに供給される。エンジンEの左側に配置されるコンプレッサ28Aと、右側に配置されるスロットル弁6とは、ヘッドカバー19の上を左右に横切って延びて配置される連通パイプ8と、連通パイプ8に嵌合して接続される横向きのエア入口部9Aを有するフランジ9と、により連通されている。連通パイプ8とエア入口部9Aとは連結パイプ16により連通接続されている。
【0018】
スロットル弁6の上に配置されるフランジ9は、その下向きに開口するエア出口部9Bがスロットル弁6のエア通路6Aに重ねられている。スロットル弁6とエアヒータ装置7との上下間に板状のスペーサ15が介装され、スペーサ15の開口孔15Aとエア通路6Aとが重なる位置関係になっている。エアヒータ装置7は、吸気マニホルド5において上向き開口5aを有する吸気入口5Aに重ねられている。吸気マニホルド5は、シリンダヘッド18の右側面に開口する4つの吸気ポート18A(
図3を参照)を覆う大開口5bを有するマニホルド本体5Bと、前述の吸気入口5Aとを有している。なお、
図4,5において、37はEGRバルブ冷却水経路(戻り)、38は高圧燃料配管〔サプライポンプ42→レール(図示省略)〕である。
【0019】
〔実施形態1〕
図1~
図3に示されるように、電気式のエアヒータ装置(単に「エアヒータ」と呼んでも可)7は、枠体(フレーム)10と、枠体10に収容支持されるヒータ部11と、陰極(-)と陽極(+)とで一対の端子12,13とを有し、枠体10にはエア通路14が貫通形成されている。枠体10は、平面視の形状が矩形(角丸正方形)で、4隅のそれぞれの形成される連通孔10a、及び平面視形状が矩形のエア通路14などを有し、枠体10の前後の側壁部10A,10Bのそれぞれに端子12,13が設けられている。
【0020】
エンジンの吸入空気を加熱可能なヒータ部11は、第1ヒータ7A及び第2ヒータ7B〔
図2(A)を参照〕を上下に重ねて配置することで構成され、エア通路14を横切るように枠体10に内装されている。つまり、第1ヒータ7Aと第2ヒータ7Bとは、吸入空気の流れ方向(上下方向)に沿って並べられ、これら両者7A,7Bが積層された一つの構成要素としてヒータ部11に設けられている。第1及び第2ヒータ7A,7Bは、吸入空気の流れ方向に対して交差する方向(方向及び左右方向)の面に拡がる状態に構成されている。
【0021】
つまり、エアヒータ装置7においては、第1及び第2ヒータ7A,7B〔
図2(A)を参照〕は、吸入空気の通路であるエア通路14(
図1を参照)の断面積の大部分に亘る状態に形成され、ヒータ部11が、吸気マニホルド5の吸気入口5Aとスロットル弁6の吸気出口6a(エア通路6Aの下端開口)とに挟まれる状態で設けられている(
図3を参照)。そして、上向きに開口する吸気入口5Aと下向きに開口する吸気出口6aとの上下間にヒータ部11が介装されている。また、エアヒータ装置7は、その下端部はシリンダヘッド18の横に位置するが、大部分はヘッドカバー19の側脇に配置されている。
【0022】
図1に示されるように、第1ヒータ7Aは、線材状で多数折り返されてなるヒータコア11aと、ヒータコア11aを支える一対の支持部11b,11bと、ヒータコア11aの両端それぞれに導通される一対の端子部11c、11cとから構成されている。この構成は第2ヒータ7Bでも同じである。ヒータコア11aは、断面方向視(上下方向視)でエア通路14の大部分に亘る状態に配策されている。
【0023】
図1に実線及び太い仮想線で示すように、各ヒータ7A,7Bのそれぞれに陰陽の端子12,13が設けられており、各別にオン・オフの切替が可能となるように構成されている。例えば、各ヒータ7A,7Bの陽極の端子13,13、バッテリ17の陽極端子17a、及びモード選択スイッチ(モード切替えスイッチ)36が制御装置(ECUなど)35に導通接続されて、エアヒータ操作系Sが構築されている。陰極の端子12やバッテリの陰極端子(符記省略)はアースされているとよい。スイッチなどによるモード選択手段36により、次の述べる交互加熱モード、第2交互加熱モード、間欠交互加熱モード、その他のモードを選択(切替え)することができる。
【0024】
次に、エアヒータ装置7の動作(作動制御)について説明する。第1及び第2ヒータ7A,7Bは、それぞれ各別に通電によるオン〔ヒータコア11aが加熱又は加温される通電(作動)状態〕と、通電停止によるオフ〔ヒータコア11aが加熱又は加温されない通電停止(非作動)状態〕との選択が可能に構成されている。つまり、第1ヒータ7A及び/又は第2ヒータ7Bをオンとするモード(制御)や、両ヒータ7A,7Bを共にオフとするモード(制御)が可能である。そして、第1ヒータ7Aと第2ヒータ7Bとを交互に作動させる交互加熱モードも行える構成とされている。
【0025】
交互加熱モードの例としては、通常交互加熱モードがある。この通常交互加熱モードは、第1ヒータ7Aのみを所定時間(例:3分)オンさせ、次の所定時間(例:3分)は第2ヒータ7Bのみをオンさせる、を繰り返し行う、という制御である。この通常交互加熱モードでは、2つのヒータ7A,7Bを同時にオンさせることはない。なお、所定時間は3分以外でも良い
【0026】
また、第1ヒータ7Aを第1時間(例:3分)はオンさせ、次の第2時間(例X分:1≦X≦3)はオフさせる、を繰り返すとともに、第2ヒータ7Bを第2時間(例X分:1≦X≦3)はオンさせ、次の第1時間(例:3分)はオフさせる、を繰り返す第2交互加熱モード(同時加熱併有交互加熱モード)を実行する制御も可能である。この第2交互加熱モード(同時加熱併有交互加熱モード)では、2つのヒータ7A,7Bを同時にオンさせる時間帯も、いずれか一方のヒータ7A又は7Bだけオンさせる時間帯も存在する。
【0027】
さらに、間欠交互加熱モードも可能である。前述の通常交互加熱モードにおいては、第1ヒータ7Aと第2ヒータ7Bとは切換わり時間ktがゼロ(kt=0)で切り換わる、即ち、必ずいずれかのヒータ7A又は7Bがオンされているに対して、間欠交互加熱モードは、第1ヒータ7Aと第2ヒータ7Bとは切り換わり時間ktをゼロより大(kt>0)として、双方のヒータ7A,7Bを共にオフとする時間帯を設ける制御である。
【0028】
前述したように、エアヒータ装置7は、主に低温下での始動時に用いられ、吸入空気の加熱(加温)によってHC,COの低減、及びそれによって始動時の排気臭の抑制が可能となる利点がある。しかしながら、長時間に亘るエアヒータ装置7の加熱作動によって熱変形を生じさせるおそれがある。そこで、2つのヒータ7A,7Bが上下2層にされたヒータ部11を交互にオンとする交互加熱モードを行うことにより、枠体10などの熱上昇を一定値に抑えながら吸入空気を適切に加熱させることが可能になり、熱変形を防止しながらHC、COを抑制することができる。
【0029】
例えば、極低温での始動時には、まず、双方のヒータ7A,7Bを同時にオン(連続オン)させる「強モード」として素早く吸入空気を加熱させ、それからある程度強く加熱可能な「第2交互加熱モード(同時加熱併有交互加熱モード)」とし、十分に吸入空気の温度が高まったら「通常交互加熱モード」にする、といった具合である。そして、その後は「間欠交互加熱モード」に移行し、その状態が維持される、又は全オフとされるようにしても良い。
【0030】
なお、これらのモード切替えは、制御装置35によって自動的に行われる。
この実施形態では、前記交互加熱モードは、同時加熱併有交互加熱モードと通常交互加熱モードと間欠交互加熱モードを備え、エンジンの低温始動時は、制御装置35により、前記同時加熱併有交互加熱モード後に前記通常交互加熱モードへの切り替えが自動的に行われると共に、前記通常交互加熱モード後に前記間欠交互加熱モードへの切り替えが自動的に行われるように構成され、前記同時加熱併有交互加熱モードは、前記第1ヒータと前記第2ヒータの両ヒータ7A,7Bを同時に作動させる時間帯を備え、前記通常交互加熱モードは、前記両ヒータ7A,7Bの一方と他方を交互に作動させる時間帯のみを備え、前記間欠交互加熱モードは、前記両ヒータ7A,7Bを共に非作動とする時間帯を備えるように構成されている。
【0031】
実施形態1によるエアヒータ装置7によれば、次のような作用効果(1)~(4)を得ることができる。また、作用効果(5)や(6)も得ることができる。
(1)低温環境下でのエンジン始動時のHC,CO低減によって環境負荷を抑えることができる。
(2)エンジン始動時の臭い(排気臭)が抑えられ、運転手やユーザーなどに不快感を与えないようにすることができる。
【0032】
(3)エアヒータ装置7のオン(吸入空気の加熱)によってスロットル弁6の開度を上げる(増す)ことができ、ポンピングロス低減による燃費向上が期待できる。
(4)交互加熱モードの採用により、エアヒータ装置7の枠体10などの熱変形を防止(抑制)させながら、前記(1)や(2)の作用効果を奏することができる。
【0033】
(5)各ヒータ7A,7Bは、エア通路14の流れ方向に交差(直交)する方向に拡がる状態で設けられているので、全長(空気の流れ方向の長さ)を抑えながら効率良く空気を加熱させることができる。
(6)ヘッドカバー19の側脇、即ち、横方向の近い箇所にエアヒータ装置7が配置されているから、エアヒータ装置7を含むエンジンヘッド部をコンパクトに構成しながら、効率良く吸入空気を加熱することができる。
【0034】
〔別実施形態〕
積層されるヒータ数は3つ以上でもよく、また、ヒータコア11aが空気流れ方向に対して傾いた斜め配置される構成や、エア通路14の全域又はほぼ全域に亘る構成や、電気式以外の加熱手段によるエアヒータ装置7とされる構成など、種々の変更設定が可能である。
【符号の説明】
【0035】
5 吸気マニホルド
5A 吸気入口
6 スロットル弁
6A 吸気出口
7 エアヒータ装置
7A 第1ヒータ
7B 第2ヒータ
11 ヒータ部
19 ヘッドカバー