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特許7590318オーダー品構成管理装置、オーダー品構成管理方法、および、オーダー品構成管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】オーダー品構成管理装置、オーダー品構成管理方法、および、オーダー品構成管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241119BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021215056
(22)【出願日】2021-12-28
(65)【公開番号】P2023098347
(43)【公開日】2023-07-10
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 雄大
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-091309(JP,A)
【文献】特開2001-350512(JP,A)
【文献】特開平07-175857(JP,A)
【文献】特開2002-062916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えたオーダー品構成管理装置であって、
前記記憶部は、
セミオーダー対象の製品、および、当該製品毎のセミオーダー項目を紐付けてひな形として設定した雛形マスタと、
前記製品を構成する前記セミオーダー項目を含む構成要素の払出数量を設定した構成マスタと、
を備え、
前記制御部は、
受注製品、および、受注項目を設定した受注入力データを取得する受注入力取得手段と、
前記受注入力データ、および、前記雛形マスタに基づいて、前記受注製品を前記セミオーダー対象の製品として設定し、且つ、前記受注項目を前記セミオーダー項目として設定した受注製品レコードを取得するレコード取得手段と、
前記受注製品レコードに設定された前記セミオーダー項目の前記構成マスタに設定された前記払出数量を、前記受注製品に対する当該セミオーダー項目の前記構成要素の所要量として取得する所要量計算手段と、
を備えたことを特徴とするオーダー品構成管理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記製品、および、前記セミオーダー項目毎の在庫数量を設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を更に備え、
前記制御部は、
前記所要量に基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記在庫データを更新する在庫更新手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のオーダー品構成管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記製品の製品単価を設定した単価マスタ、
を更に備え、
前記制御部は、
前記受注製品レコードおよび前記単価マスタに基づいて、前記受注製品の金額を設定した受注データを取得する受注取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項に記載のオーダー品構成管理装置。
【請求項4】
前記所要量計算手段は、
前記受注データに設定された前記受注製品に基づいて、前記受注製品レコードに設定された前記セミオーダー項目の前記構成マスタに設定された前記払出数量を、当該受注製品に対する当該受注項目の前記所要量として取得することを特徴とする請求項に記載のオーダー品構成管理装置。
【請求項5】
前記受注データは、
更に、納品納期が設定され、
前記制御部は、
前記受注データ、前記受注製品レコード、および、前記所要量に基づいて、前記受注製品の製造納期、および、前記受注項目の払出数量を設定した製造指示データを取得する製造指示取得手段と、
前記製造指示データに基づいて、前記受注製品の製造が完了した場合、製造実績データを取得する製造実績取得手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項に記載のオーダー品構成管理装置。
【請求項6】
前記受注入力データは、
更に、前記受注製品の受注数量が設定され、
前記在庫更新手段は、
前記所要量および前記受注入力データに設定された前記受注数量に基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記製品の前記在庫数量を増加させ、前記在庫記憶手段に記憶された前記セミオーダー項目毎の前記在庫数量を減少させることで、前記在庫記憶手段に記憶された前記在庫データを更新することを特徴とする請求項2に記載のオーダー品構成管理装置。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備えたオーダー品構成管理装置が実行するオーダー品構成管理方法であって、
前記記憶部は、
セミオーダー対象の製品、および、当該製品毎のセミオーダー項目を紐付けてひな形として設定した雛形マスタと、
前記製品を構成する前記セミオーダー項目を含む構成要素の払出数量を設定した構成マスタと、
を備え、
前記制御部が実行する
受注製品、および、受注項目を設定した受注入力データを取得する受注入力取得ステップと、
前記受注入力データ、および、前記雛形マスタに基づいて、前記受注製品を前記セミオーダー対象の製品として設定し、且つ、前記受注項目を前記セミオーダー項目として設定した受注製品レコードを取得するレコード取得ステップと、
前記受注製品レコードに設定された前記セミオーダー項目の前記構成マスタに設定された前記払出数量を、前記受注製品に対する当該セミオーダー項目の前記構成要素の所要量として取得する所要量計算ステップと、
を含むことを特徴とするオーダー品構成管理方法。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えたオーダー品構成管理装置に実行させるためのオーダー品構成管理プログラムであって、
前記記憶部は、
セミオーダー対象の製品、および、当該製品毎のセミオーダー項目を紐付けてひな形として設定した雛形マスタと、
前記製品を構成する前記セミオーダー項目を含む構成要素の払出数量を設定した構成マスタと、
を備え、
前記制御部において、
受注製品、および、受注項目を設定した受注入力データを取得する受注入力取得ステップと、
前記受注入力データ、および、前記雛形マスタに基づいて、前記受注製品を前記セミオーダー対象の製品として設定し、且つ、前記受注項目を前記セミオーダー項目として設定した受注製品レコードを取得するレコード取得ステップと、
前記受注製品レコードに設定された前記セミオーダー項目の前記構成マスタに設定された前記払出数量を、前記受注製品に対する当該セミオーダー項目の前記構成要素の所要量として取得する所要量計算ステップと、
を実行させるためのオーダー品構成管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダー品構成管理装置、オーダー品構成管理方法、および、オーダー品構成管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、製品作製に必要な中間品、部品または原材料の紐付けならびにそれぞれの必要数が定義された部品構成マスタに基づいて、当該製品への顧客オーダーに対する在庫引当および部品等の所要量計算を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-88784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、セミオーダー品の受注において、マスタ設定したひな形構成を基に使用材料の登録と、製造指示を行うことができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、ひな形となる商品マスタおよび構成マスタに基づいて、オーダーごとの部材を受注時に登録することで、オーダーではあるが自動の所要量計算で実際の製造に近い構成で製造指示をかけることができるオーダー品構成管理装置、オーダー品構成管理方法、および、オーダー品構成管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るオーダー品構成管理装置は、記憶部と制御部とを備えたオーダー品構成管理装置であって、前記記憶部は、セミオーダー対象の製品、および、当該製品毎のセミオーダー項目を紐付けてひな形として設定した雛形マスタと、前記製品を構成する前記セミオーダー項目を含む構成要素の払出数量を設定した構成マスタと、を備え、前記制御部は、受注製品、および、受注項目を設定した受注入力データを取得する受注入力取得手段と、前記受注入力データ、および、前記雛形マスタに基づいて、前記受注製品を前記セミオーダー対象の製品として設定し、且つ、前記受注項目を前記セミオーダー項目として設定した受注製品レコードを取得するレコード取得手段と、前記受注製品レコード、および、前記構成マスタに基づいて、前記受注製品に対する前記構成要素の所要量を計算する所要量計算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るオーダー品構成管理装置において、前記記憶部は、前記製品、および、前記セミオーダー項目毎の在庫数量を設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を更に備え、前記制御部は、前記所要量に基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記在庫データを更新する在庫更新手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るオーダー品構成管理装置において、前記所要量計算手段は、前記受注製品レコードに設定された前記セミオーダー項目の前記構成マスタに設定された前記払出数量を、前記受注製品に対する当該セミオーダー項目の前記所要量として取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るオーダー品構成管理装置において、前記記憶部は、前記製品の製品単価を設定した単価マスタ、を更に備え、前記制御部は、前記受注製品レコードおよび前記単価マスタに基づいて、前記受注製品の金額を設定した受注データを取得する受注取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るオーダー品構成管理装置において、前記所要量計算手段は、前記受注データに設定された前記受注製品に基づいて、前記受注製品レコードに設定された前記セミオーダー項目の前記構成マスタに設定された前記払出数量を、当該受注製品に対する当該受注項目の前記所要量として取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るオーダー品構成管理装置において、前記受注データは、更に、納品納期が設定され、前記制御部は、前記受注データ、前記受注製品レコード、および、前記所要量に基づいて、前記受注製品の製造納期、および、前記受注項目の払出数量を設定した製造指示データを取得する製造指示取得手段と、前記製造指示データに基づいて、前記受注製品の製造が完了した場合、製造実績データを取得する製造実績取得手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るオーダー品構成管理装置において、前記受注入力データは、更に、前記受注製品の受注数量が設定され、前記在庫更新手段は、前記所要量および前記受注入力データに設定された前記受注数量に基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記製品の前記在庫数量を増加させ、前記在庫記憶手段に記憶された前記セミオーダー項目毎の前記在庫数量を減少させることで、前記在庫記憶手段に記憶された前記在庫データを更新することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るオーダー品構成管理方法は、記憶部と制御部とを備えたオーダー品構成管理装置に実行させるためのオーダー品構成管理方法であって、前記記憶部は、セミオーダー対象の製品、および、当該製品毎のセミオーダー項目を紐付けてひな形として設定した雛形マスタと、前記製品を構成する前記セミオーダー項目を含む構成要素の払出数量を設定した構成マスタと、を備え、前記制御部で実行させる、受注製品、および、受注項目を設定した受注入力データを取得する受注入力取得ステップと、前記受注入力データ、および、前記雛形マスタに基づいて、前記受注製品を前記セミオーダー対象の製品として設定し、且つ、前記受注項目を前記セミオーダー項目として設定した受注製品レコードを取得するレコード取得ステップと、前記受注製品レコード、および、前記構成マスタに基づいて、前記受注製品に対する前記構成要素の所要量を計算する所要量計算ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るオーダー品構成管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えたオーダー品構成管理装置に実行させるためのオーダー品構成管理プログラムであって、前記記憶部は、セミオーダー対象の製品、および、当該製品毎のセミオーダー項目を紐付けてひな形として設定した雛形マスタと、前記製品を構成する前記セミオーダー項目を含む構成要素の払出数量を設定した構成マスタと、を備え、前記制御部において、受注製品、および、受注項目を設定した受注入力データを取得する受注入力取得ステップと、前記受注入力データ、および、前記雛形マスタに基づいて、前記受注製品を前記セミオーダー対象の製品として設定し、且つ、前記受注項目を前記セミオーダー項目として設定した受注製品レコードを取得するレコード取得ステップと、前記受注製品レコード、および、前記構成マスタに基づいて、前記受注製品に対する前記構成要素の所要量を計算する所要量計算ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ひな形商品による、オーダー品の構成管理、および、オーダー毎に変更可能な材料の在庫管理を行うことができるという効果を奏する。また、オーダーメイドにより、注文・発注内容が一定の範囲で非定型になる業務においては、手書き帳票等での管理が多くなるが、本発明によれば、システム化による業務負荷低減・データ分析へとつなげることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、家具や宝飾などの業界だけでなく、軽微なオーダーメイド品を取り扱う他業界でも、マスタ登録に付随する業務負荷低減や、詳細な原価管理の実現に繋げることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、受注時の製造指示によるミスをなくし、即時性を持った工場への指示を行うことができ、材料の払出予定を基にした発注検討等をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、登録の手間や、在庫管理等のミスを防ぎ業務の効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態におけるオーダー品構成管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における雛形マスタの一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態における構成マスタの一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における単価マスタの一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態におけるオーダー品構成管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本実施形態における受注入力画面の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における受注入力処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における受注登録処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における製造指示展開処理の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における製造指示登録処理の一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態における製造実績登録処理の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態における在庫データの一例を示す図である。
図13図13は、本実施形態における在庫データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0019】
オーダー品において、顧客の注文によって使用する部材を変更する必要があり、従来、ひな形によってある程度、製造指示のデータを管理できていたものの、オーダーごとの部材に関しては、都度製造指示を修正していた。
【0020】
そこで、本実施形態においては、オーダー受注時にカタログ番号、仕様、使用するパーツ、色が選択され、そのデータをもとに事前に登録してあるひな形の品番を元に使用する部材を利用した新しい商品CDを生成し、受注登録し、製造時の所要量計算にてひな形品番の構成およびオーダー毎の部材を手配し、製造指示を行う仕組みを提供している。ここで、本実施形態においては、ひな形の構成にはダミーの部材が登録されており、オーダー時の部材とすり替えて所要量計算が実行される(ひな形によって数量は決まっているため数量はマスタ通り)また、本実施形態においては、製品が完成次第、該当の受注に紐づけ出荷される。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係るオーダー品構成管理装置100の構成の一例について、図1から図4を参照して説明する。図1は、本実施形態におけるオーダー品構成管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、オーダー品構成管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、オーダー品構成管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
オーダー品構成管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。オーダー品構成管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、オーダー品構成管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、オーダー品構成管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、雛形マスタ106aと構成マスタ106bと単価マスタ106cと在庫データベース106dとを備えている。
【0027】
雛形マスタ106aは、セミオーダー対象の製品、および、当該製品毎のセミオーダー項目を紐付けてひな形として設定したマスタである。
【0028】
ここで、図2を参照して、本実施形態における雛形マスタ106aの一例について説明する。図2は、本実施形態における雛形マスタ106aの一例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、本実施形態における雛形マスタ(品番マスタ)106aは、品番コード(CD)、カタログ番号、仕様、パーツ、色、セミオーダー項目(材料1、および、材料2)、ひな形区分、および、ひな形品番等が設定されている。ここで、本実施形態におけるひな形区分には、ひな形の場合、「1」が設定され、製品の場合、「2」が設定される。また、本実施形態において、実際の商品のみにひな形品番が付与されるため、雛形マスタ106aではNULLで設定され、受注製品レコード取得時に受注製品レコードにひな形品番が設定されている。
【0030】
図1に戻り、構成マスタ106bは、製品を構成するセミオーダー項目を含む構成要素の払出数量を設定したマスタである。ここで、構成マスタ106bは、商品のケース在庫、および、バラ在庫のロケーションが設定されていてもよい。
【0031】
ここで、図3を参照して、本実施形態における構成マスタ106bの一例について説明する。図3は、本実施形態における構成マスタ106bの一例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、本実施形態における構成マスタ(製造構成マスタ)106bは、製造構成の親である製品の品番CD、および、カタログ番号である製造構成パターンが設定され、親構成に紐付けて製造構成の子である部材等の払出商品毎に、親の品番CD、製造構成パターン、払出商品CD、払出数量、および、ダミー区分が設定されている。ここで、本実施形態におけるダミー区分には、ダミーの場合、「1」が設定され、ダミーでない(実際に使用される構成である)場合、「0」が設定されている。
【0033】
単価マスタ106cは、製品の製品単価を設定したマスタである。
【0034】
ここで、図4を参照して、本実施形態における単価マスタ106cの一例について説明する。図4は、本実施形態における単価マスタ106cの一例を示す図である。
【0035】
図4に示すように、本実施形態における単価マスタ(商品単価マスタ)106cは、製品の品番CD、および、単価が設定されている。
【0036】
図1に戻り、在庫データベース106dは、製品の在庫データを記憶する。ここで、在庫データベース106dは、製品、および、セミオーダー項目毎の在庫数量を設定した在庫データを記憶していてもよい。ここで、在庫データは、製品および構成要素の品番CD、現在庫数量、日付、ならびに、受払予定の在庫数量、入庫数量および出庫数量等が設定されていてもよい。また、在庫データベース106dは、受注入力データ、受注データ、製造指示データ、および/または、製造実績データ等を記憶していてもよい。
【0037】
制御部102は、オーダー品構成管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、受注入力取得部102aとレコード取得部102bと受注取得部102cと所要量計算部102dと製造指示取得部102eと在庫更新部102fと製造実績取得部102gとを備えている。
【0038】
受注入力取得部102aは、受注製品、および、受注項目を設定した受注入力データを取得する。ここで、受注入力データは、受注製品の受注数量が設定されていてもよい。また、受注入力取得部102aは、受注入力画面を表示させてもよい。
【0039】
レコード取得部102bは、受注入力データ、および、雛形マスタ106aに基づいて、受注製品をセミオーダー対象の製品として設定し、且つ、受注項目をセミオーダー項目として設定した受注製品レコードを取得する。
【0040】
受注取得部102cは、受注製品の受注データを取得する。ここで、受注取得部102cは、受注製品レコードおよび単価マスタ106cに基づいて、受注製品の金額を設定した受注データを取得してもよい。受注データは、納品納期が設定されていてもよい。
【0041】
所要量計算部102dは、受注製品に対する構成要素の所要量を計算する。ここで、所要量計算部102dは、受注製品レコード、および、構成マスタ106bに基づいて、受注製品に対する構成要素(例えば、材料等)の所要量を計算してもよい。また、所要量計算部102dは、受注製品レコードに設定されたセミオーダー項目の構成マスタ106bに設定された払出数量を、受注製品に対する当該セミオーダー項目の所要量として取得してもよい。また、所要量計算部102dは、受注データに設定された受注製品に基づいて、受注製品レコードに設定されたセミオーダー項目の構成マスタ106bに設定された払出数量を、当該受注製品に対する当該受注項目の所要量として取得してもよい。
【0042】
製造指示取得部102eは、受注製品の製造指示データを取得する。ここで、製造指示取得部102eは、受注データ、受注製品レコード、および、所要量に基づいて、受注製品の製造納期、および、受注項目の払出数量を設定した製造指示データを取得してもよい。
【0043】
在庫更新部102fは、在庫データベース106dに記憶された在庫データを更新する。ここで、在庫更新部102fは、所要量に基づいて、在庫データベース106dに記憶された在庫データを更新してもよい。また、在庫更新部102fは、所要量および受注入力データに設定された受注数量に基づいて、在庫データベース106dに記憶された製品の在庫数量を増加させ、在庫データベース106dに記憶されたセミオーダー項目毎の在庫数量を減少させることで、在庫データベース106dに記憶された在庫データを更新してもよい。
【0044】
製造実績取得部102gは、受注製品の製造実績データを取得する。ここで、製造実績取得部102gは、製造指示データに基づいて、受注製品の製造が完了した場合、製造実績データを取得してもよい。
【0045】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図5から図13を参照して説明する。
【0046】
[オーダー品構成管理処理]
ここで、図5を参照して、本実施形態におけるオーダー品構成管理処理の一例について説明する。図5は、本実施形態におけるオーダー品構成管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0047】
図5に示すように、受注入力取得部102aは、受注入力画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して受注入力画面に受注製品、受注項目および受注数量が設定された場合、受注製品、受注項目および受注数量を設定した受注入力データを取得する(ステップSA-1)。
【0048】
そして、レコード取得部102bは、受注入力データ、および、雛形マスタ106aに基づいて、受注製品をセミオーダー対象の製品として設定し、且つ、受注項目をセミオーダー項目として設定した受注製品レコードを取得する(ステップSA-2)。
【0049】
そして、受注取得部102cは、受注製品レコードおよび単価マスタ106cに基づいて、受注製品の金額および納品納期を設定した受注データを取得する(ステップSA-3)。
【0050】
そして、所要量計算部102dは、受注データに設定された受注製品に基づいて、受注製品レコードに設定されたセミオーダー項目の構成マスタ106bに設定された払出数量を、当該受注製品に対する受注項目の所要量として取得する(ステップSA-4)。
【0051】
そして、製造指示取得部102eは、受注データ、受注製品レコード、および、受注製品に対する受注項目の所要量に基づいて、受注製品の製造納期、および、受注項目の払出数量を設定した製造指示データを取得する(ステップSA-5)。
【0052】
そして、在庫更新部102fは、所要量および受注入力データに設定された受注数量に基づいて、在庫データベース106dに記憶された製品の在庫数量を増加させ、在庫データベース106dに記憶されたセミオーダー項目毎の在庫数量を減少させることで、在庫データベース106dに記憶された在庫データを更新する(ステップSA-6)。
【0053】
そして、製造実績取得部102gは、製造指示データに基づいて、受注製品の製造が完了した場合、製造実績データを取得し(ステップSA-7)、処理を終了する。
【0054】
ここで、図6から図11を参照して、本実施形態におけるオーダー品構成管理処理の一例について説明する。図6は、本実施形態における受注入力画面の一例を示す図である。図7は、本実施形態における受注入力処理の一例を示す図である。図8は、本実施形態における受注登録処理の一例を示す図である。図9は、本実施形態における製造指示展開処理の一例を示す図である。図10は、本実施形態における製造指示登録処理の一例を示す図である。図11は、本実施形態における製造実績登録処理の一例を示す図である。
【0055】
本実施形態においては、顧客のオーダーに基づいて、ユーザにより図6に示す受注入力画面にて製品のカタログ番号、仕様、パーツおよび色が指定され、顧客のオーダーに合わせて、顧客毎に選択可能な材料1および材料2が指定された場合、図7に示すように、受注入力画面にて指定されたカタログ番号、仕様、パーツおよび色に基づいて、既に雛形マスタ106aに登録済みのひな形が検索され、ひな形品番(雛形マスタ106aに設定された品番CD)を元に、顧客毎に指定された材料が設定された受注製品レコードが作成される。ここで、図7に示すように、受注製品レコードには、受注入力で指定された材料(NUNO001およびNUNO002)、および、元にしたひな形の品番CD(HINAGATA01)が保持されている。
【0056】
そして、本実施形態においては、図8に示すように、ひな形の単価が取得され、オーダー品の金額が計算されることで、受注データが取得される。
【0057】
そして、本実施形態においては、図9に示すように、製造指示展開処理にて、対象の受注番号が指定された場合、対象の受注データに設定されている製品のデータから、受注製品レコードに設定されたひな形品番をもとに、製造構成が取得される。
【0058】
そして、本実施形態においては、図10に示すように、構成マスタ106bに含まれる製造構成子データのダミー区分がダミーを示すものと、受注時のオーダー品毎の材料をすり替えて製造指示データが登録される。このように、本実施形態においては、製造指示登録により、正しい部材で製造指示ができるので、部材の払出予定が正しく管理可能となる。
【0059】
そして、本実施形態においては、図11に示すように、実際に製品製造が完了したタイミングで製造実績データが登録され、製品の在庫計上、および、払出商品の在庫払出が行われる。これにより、本実施形態においては、オーダー品ごとの部材の在庫管理を簡略化することができる。
【0060】
また、図12および図13を参照して、本実施形態における発注検討の一例について説明する。図12および図13は、本実施形態における在庫データの一例を示す図である。
【0061】
製品の構成要素の発注検討において、製造指示登録段階において、在庫データに受払予定が登録される。ここで、図12に示すように、従来同様、オーダー品毎の部材を製品構成に加えずに、所要量計算がされた場合、NUNO002は、本来不足しているため、事前に発注をしなければならないが、正しく製造指示が作成されていないため、ユーザに在庫不足を気付かせることができない。一方、図13に示すように、本実施形態において、オーダー品毎の部材を製品構成に加え、所要量計算がされた場合、正しい部材で所要量計算されているため、ユーザに部材の欠品を気付かせることができる。このように、本実施形態においては、所要量計算時に正しい部材で製造指示が作成されることにより、在庫の受払予定を正しく確認することができる。
【0062】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0065】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0066】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0067】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
また、オーダー品構成管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0069】
例えば、オーダー品構成管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてオーダー品構成管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0070】
また、このコンピュータプログラムは、オーダー品構成管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0071】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0072】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0073】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0074】
また、オーダー品構成管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、オーダー品構成管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0075】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、オーダーメイドによる販売を行う家具業界および宝飾業界等を含む小売業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0077】
100 オーダー品構成管理装置
102 制御部
102a 受注入力取得部
102b レコード取得部
102c 受注取得部
102d 所要量計算部
102e 製造指示取得部
102f 在庫更新部
102g 製造実績取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 雛形マスタ
106b 構成マスタ
106c 単価マスタ
106d 在庫データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図13