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特許7590347貫通孔スリップリング状態監視システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】貫通孔スリップリング状態監視システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 13/00 20060101AFI20241119BHJP
   H02K 11/25 20160101ALI20241119BHJP
   H02K 11/35 20160101ALI20241119BHJP
   H02K 11/215 20160101ALI20241119BHJP
【FI】
H02K13/00 X
H02K13/00 K
H02K11/25
H02K11/35
H02K11/215
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021567066
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020031913
(87)【国際公開番号】W WO2020231749
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】62/846,306
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/869,200
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596016627
【氏名又は名称】デューブリン カンパニー、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【弁理士】
【氏名又は名称】北脇 大
(74)【代理人】
【識別番号】100155675
【弁理士】
【氏名又は名称】光明寺 大道
(72)【発明者】
【氏名】ペトロウ、アントン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ルー
(72)【発明者】
【氏名】ジャキミウ、マット
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-512679(JP,A)
【文献】特開2001-189183(JP,A)
【文献】実開昭57-045274(JP,U)
【文献】特開昭56-103951(JP,A)
【文献】特開2019-054575(JP,A)
【文献】特開昭57-145547(JP,A)
【文献】特表2018-518933(JP,A)
【文献】特開2013-054682(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0128122(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 13/00
H02K 11/25
H02K 11/35
H02K 11/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリップリングアセンブリであって、
中空円筒形ハウジングを含み、
1つまたは複数の導電性ディスクを含むロータを含み、前記ロータは、前記中空円筒形ハウジング内に配置された前記ロータであって、1つまたは複数の導電性ディスクのそれぞれが、シャフトの少なくとも一部を通って延びるそれぞれの導体に電気的に接続されており、
前記中空円筒形ハウジングに接続された固定子を含み、前記固定子は、前記固定子に接続された1つまたは複数のブラシを含み、前記1つまたは複数のブラシは、前記ロータの前記1つまたは複数の導電性ディスクにスライド可能かつ電気的に係合し、前記1つまたは複数のブラシは、前記固定子を通って少なくとも部分的に延びている固定子導体に電気的に接続されており、
ここで、1つまたは複数の電気経路が定義され、前記1つまたは複数の固定子導体、前記1つまたは複数のブラシ、前記1つまたは複数の導電性ディスク、および、前記シャフト内の前記それぞれの導体から延びており、
前記固定子上および前記中空円筒形ハウジング内で前記スリップリングアセンブリの内部に取り付けられたスマートボードを含み、前記スマートボードは、前記スリップリングアセンブリの動作状態を示すデータを収集し、処理し、かつ、受信機に送信するように構成された電子部品を含んでおり、前記受信機は前記スリップリングアセンブリの動作を監視するように構成されおり、
前記スマートボードの前記電子部品は、前記ブラシの動作を監視するように配置された複数のセンサを含み、
前記複数のセンサは、湿度センサ、粒子センサ、およびスパークセンサを含み、かつ、
前記スマートボードは、電源に電気的に接続され、前記電源によって電力が供給される、
スリップリングアセンブリ。
【請求項2】
前記中空円筒形ハウジングは、前記ロータおよび前記固定子を環境から隔離するように配置されている、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項3】
前記ロータがさらに、少なくとも2つの導電性ディスクを含み、かつ、前記少なくとも2つの導電性ディスクが前記シャフトに沿って配置されて積み重なりを形成し、前記スリップリングアセンブリは、前記積み重なりの前記少なくとも2つの導電性ディスクと交互に積層し、配置された1つまたは複数の絶縁ディスクを含む、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項4】
前記電源が、前記スマートボード上に配置された電池と、前記固定導体の少なくとも1つに接続された導体によって提供される電力と、前記スマートボードと前記中空円筒形ハウジングの外部にある電源との間を接続した導体によって提供される電力とのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項5】
さらに、前記固定子に接続されたベアリングを含み、前記ベアリングは、前記中空円筒形ハウジング内で前記シャフトを回転可能に支持する請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項6】
前記複数のセンサがさらに、磁場センサ、および温度センサを含む、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項7】
前記スパークセンサは、前記1つまたは複数のブラシのうちの1つで電気アークとして放出される光放射の存在および強度を感知するように構成された光センサである、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項8】
前記スパークセンサは、前記中空円筒形ハウジング内のオゾンおよび窒素酸化物のうちの少なくとも1つの存在を感知するように構成されたガスセンサである、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項9】
前記スマートボードの前記電子部品はさらに、1つまたは複数のメモリデバイス、プログラム可能なプロセッサ、電力調整回路、無線情報送信回路、および無線情報受信機回路を含む、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項10】
前記スマートボードの前記電子部品は、前記プログラム可能なプロセッサに関連する2つの視覚的インジケータをさらに含み、前記2つの視覚的インジケータは、視覚的情報を提供するために前記プログラム可能なプロセッサからの信号に応答して動作するように構成される、請求項9に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項11】
前記中空円筒形ハウジングは、エンドキャップを含み、前記エンドキャップは、電磁透過性材料から作製される、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
提出された関連出願への相互参照
この特許出願は、2019年5月10日に出願された米国仮特許出願第62/846,306号への優先権を主張し、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
スリップリングは、固定デバイスと回転デバイスとの間で電流または電圧を伝達するように動作する1つまたは複数の電気接続部、導管、または経路を含む電気機械装置である。
回転電気コネクタまたは回転電気ジョイントとしても知られているスリップリングは、通常、動作中に自由に回転するように構成されている。スリップリングは、固定デバイスと回転デバイスの間で1つの導管を移すために使用され得る。スリップリングは、多数の導管が回転するインターフェースを介して同時に移されるように、積み重ねられたり、アセンブリに結合されたりすることもある。
【0003】
それらが提供する機能のために、スリップリングは、通常、回転の自動化、または、ターンテーブル、インデックステーブル、およびロボットなどの制御システムを含む、様々な用途で使用される。風力タービン、半導体加工、印刷によるプラスチック成形、CTおよびMRIの医療スキャナー、衛星通信、飲料加工、および工業用洗浄機も、一般的なスリップリングの用途である。
【0004】
典型的な構成では、電気スリップリングは、リング(導体リング)に対してスライド接点(ブラシ)を保持することによって機能する。一方の部分(通常はブラシ)は、静止しており、もう一方の部分(通常は、導体リング)は、回転する。多数のチャネルを提供するために、導体リングが、積層される時、絶縁リングを隣接する導電リングの間に挿入してもよい。ブラシと導体リングへのリード線は、内部で終端し、スリップリングの両側にあるデバイスへの電気接続関係を提供する。
一般に、導体リングはロータに取り付けられ、ロータを通って一端へと軸方向に延びるリード線で終端されている。ブラシは、ハウジングに取り付けられたブラシホルダによって固定されている。ハウジング内のボールベアリングのセットは、ロータを支持する。カバーとエンドキャップがデバイスを囲む。
ハウジング、ロータ、カバー、エンドキャップなどの構造部品は、温度、重量、サイズ、耐久性、コストなどの用途の要件に基づいて選択された金属および非金属材料で作製されている。
ブラシ、導体リング、電気コネクタなどの電気部品は、通常、電流密度、電圧降下、回転速度、温度、抵抗変動、帯域幅、特性インピーダンスなどの機能要件に基づいて選択された導電性材料で作製されている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、スリップリングアセンブリの調子を感知するためのシステムおよび方法を説明する。一実施形態では、様々な電気部品および電子部品およびセンサをその表面に含むボードは、スリップリングアセンブリの内部に取り付けられ、スリップリングの動作状態を示すデータを収集、処理、および受信機に送信するように動作し、スリップリングの動作と動作状態を監視するために使用され得る。
有利には、一実施形態では、ボードの電気部品および電子部品には、電源によって提供される電力が供給される。電源は、例えば、バッテリーによって内部にあるか、または、外部電源が必要とされないようにスリップリングを介して送られるか、または、例えば、有線電源接続部を介して外部にある。
ボードは、スリップリングアセンブリの未処理または処理済みの動作データを提供する場合があり、スリップリングアセンブリとボード自体の部品の両方の故障状態を診断して送信することもできる。通信は、Bluetoothや近距離無線通信などを介してワイヤレスで、または有線接続を介して実行される。ボードは、また、ボードおよび/またはスリップリングアセンブリの動作状態の視覚的表示をスリップリングアセンブリの外部へ提供してもよい。
【0006】
一実施形態では、ボードは、光の存在および強度を検出するように構成された光検出器を含む。光検出器は、スリップリングアセンブリのブラシに隣接して、またはそれに視覚的に沿って配置することができ、その結果、スパークの存在によって明らかになる可能性があるブラシの故障の場合に、スパークによって放出される光が検出され得る。
ボードは、また、温度センサ、湿度センサ、ホール効果センサなどのような追加のセンサを含み得る。ホール効果センサは、回転数および回転速度の表示を監視できるように、回転リング上に配置された磁石への近接を感知することができる。
ボード上に含まれ、動作する日付処理ソフトウェアは、スリップリングアセンブリの調子または動作状態を計算および推定するために、様々なセンサによって提供される信号または他の情報を相関させることができる。例えば、多数の連続する回転にわたってブラシにスパークが一貫して存在することを使用して、ブラシまたはリングの故障または差し迫った故障を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示に従って、センサボードが取り付けられたスリップリングアセンブリの概略図であり、内部部品を説明するためにカバーが取り外されて示されている。
図2図2は、図1のスリップリングアセンブリの断面図である。
図3図3は、図1に示すスリップリングアセンブリの固定リングに取り付けられたセンサボードの部分概略図である。
図4図4は、図1のセンサボードの例示的な概略図である。
図5図5は、本開示によるネットワークの概略図である。
図6図6は、本開示による状態フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
スリップリングアセンブリ100の概略図が図1に示されている。その断面図を図2に示す。スリップリングアセンブリ100は、中空円筒形ハウジング102(図2に示されている)を含み、これは、その内部部品を説明するために、図1では、取り外されている。いくつかの実施形態では、ハウジング102は、スリップリングアセンブリ100の内部構造を環境からシールするように配置されている。
図1および図2を参照して、スリップリングアセンブリ100は、シャフト108に沿って絶縁ディスク106と交互に配置された1つまたは複数の導電性ディスク104を含む。
各導電性ディスク104は、典型的な方法でシャフト108(現在示されている)と統合されるか、またはシャフト108から伸びるそれぞれの導体に電気的に接続されている。
固定子110は、その中のシャフト108を回転可能に支持するベアリング112を含む。固定子110は、導電性ディスク104とスライド可能であるが電気的に係合するブラシ114をさらに含む。ブラシ114は、固定子110を通って延びる固定子導体に電気的に接続され、その結果、1つまたは複数の電気経路が、ブラシ114を介して、導電性ディスク104を介して、そしてシャフト108の導体を介して、固定子導体から延びる。一方、シャフト108は、固定子110に対して回転する、またはその逆である。
【0009】
シャフト108および固定子110は、異なる構造のアセンブリから作製され得る。図示された実施形態では、シャフト108は、そこを通って延びる孔118を有する中空バー116のアセンブリである。
ハブ120は、中空バー116のいずれかの端部に配置され、中空バー116と回転可能に係合する。同様に、固定子110は、ハウジング102およびベアリング112を支持するリム122を含む。
図1に示すように、固定子110は、1つ又は複数の細長い構造124を含み、該1つ又は複数の細長い構造124は、ブッシュ114を支持しボルト128をそこに収容するボルトランナー126と、スリップリングアセンブリ100の長手方向軸Lに沿ってディスク104および106を支持する他の構造と、を含む。固定子110の導体に関して、ブラシ114は、ハウジング102内に延在し、導体をブラシ114に電気的に接続するために使用することができるタップ130に接続されている。
【0010】
図示された実施形態では、スリップリングアセンブリ100は、図3に示されるように、固定子110のリム122に取り付けられたスマートボード200をさらに含み、これは、以下に説明するように、スリップリングアセンブリ100の動作を監視し、外部ソースに様々な信号を提供する様々な電子部品を含む。
スマートボード200は、電池によって供給される、または、スマートボード200へ配線された外部電源により供給される電力で動作され得る。図2に図示された実施形態で、一対の導体202は、それぞれのタップ130に接続される。それぞれのタップ130は、内部的にスマートボード200へ電力を供給するため、スプリングアセンブリ100の動作中に適切な電圧を伝える。
【0011】
固定子110の端部に取り付けられたスマートボード200の概略図が図3に示されている。スマートボード200の概略図が図4に示されている。これらの図を参照すると、スマートボード200は、様々な電気部品および電子部品が取り付けられている回路基板204を含むことが分かる。
示された実施形態では、スマートボード200は、ホール効果センサ206などの磁場センサと、温度および湿度センサ208と、スパークセンサ210とを含む。スパークセンサ210は、光放射の存在および強度を感知するように構成された光センサとして、図3に具現化されている。
センサのタイプ、および、監視される構造体に対するセンサの物理的近接性または視線に応じて、追加のセンサが、回路基板204の一方の側または他方の側に取り付けられ、使用され得る。
例えば、一実施形態では、スパークセンサ210は、アークに起因するか、またはアークによって、またはアーク中に生成される、スリップリングアセンブリ100内に見られる部品および材料のイオン化または分解を検出するように構成された適切なタイプのセンサであり得る。それらは、スリップリングアセンブリ100の密閉された内部空間内でスパークまたはアークが発生した後に検出されるのに十分な長さで、スリップリングアセンブリ100内に留まることができる。
このような材料には、可視、赤外線、または紫外線スペクトルで放出される光のフラッシュ、オゾン、酸素、窒素酸化物、粒子などが含まれる場合がある。
スパークセンサ210として使用できるセンサの例には、City Technologyセンサ部品番号75-153123130659、Amphenol SGX Sensortech SGX-4OX、SPEC Sensors、LLCセンサ部品番号968-041、Sensirion AGセンサ部品番号SGP30-2.5K、および他の同様のセンサが含まれるが、これらに限定されない。スパークセンサ210は、ブラシに面する回路基板204の側面に取り付けられ得る。
【0012】
図示された実施形態では、磁場センサ206は、磁石212と協働するように配置される。磁石212は、絶縁ディスク106に取り付けられ、それと共に回転するように、配置される。そのことで、磁石212は、シャフト108の1回転あたり1回、磁場センサ206の近くを通過できる。
他の電子部品も回路基板204上に配置され得る。例えば、図示された実施形態では、回路基板204は、FRAMメモリなどの1つまたは複数のメモリデバイス、プログラム可能なプロセッサ、電力調整回路、無線情報送信および受信回路、有線電源および/または情報送信コネクタ、リアルタイム計測など、をさらに含む。
スマート回路200は、さらに、2つの視覚的インジケータ216を含み、これらは、図示された実施形態では、スマートボード200の動作状態の視覚的表示をリアルタイムで提供し、スリップリングアセンブリ100の外部から見える発光ダイオード(LED)である。
スマート回路200の様々なセンサおよび他の電子デバイスを動作するための電力を提供するため、電力リード214は、導管202によってタップ130(図1)に接続可能である。
情報送信、外部電力の受けるなどのための追加のタップも使用することができる。
【0013】
スマートボード200との間の信号の無線送信のやり取りを容易にするために、スリップリングアセンブリ100のエンドキャップ110は、プラスチックなどの電磁透過性材料から作製され得る。さらに、LED216への視覚的アクセスを提供するために、ハウジングおよび/またはエンドキャップ110の一部は、透明、透光性または少なくとも半透明な材料から作製され得る。
【0014】
本開示によるネットワークの概略図が図5に示されている。この実施形態では、スマートボード200をその上に有するスリップリングアセンブリ100が示されている。スリップリングアセンブリ100は、サービス設備内の他の機械に取り付けられるか、または関連付けられてもよいが、簡単にするためにそこから取り外されて示されている。
スマートボード200は、前述のように、スリップリングアセンブリ100の動作状態および/または動作状態を示す、スリップリングアセンブリ100の様々な内部の部品からの情報を収集および処理することができる。
この情報は、以下に説明するように、未処理データ、処理済みデータ、またはフィルタリングされたデータとして、および/または部品の故障の存在または差し迫った兆候についての計算された結論または推定として、無線で提供され得る。
この無線情報は、連続ストリームとして、又は、クエリに応答して定期的または断続的に送信される個別のパケットとして提供され得る。
情報は、ローカルコンピュータシステム310に、ローカルに提供されてもよく、または使用されたデバイス302、セルラーゲートウェイ304、インターネット306、クラウド308などにリモートで提供されてもよい。
【0015】
スマートボード200に含まれ、様々なセンサから、センサ信号を受信し、それらの信号を処理し、結論または計算結果を提供するように配置されたプログラム可能なコントローラの動作スキームを説明するために、状態フロー図が図6に示されている。
一実施形態では、プログラム可能なコントローラの様々な動作は、メモリデバイスに格納され、コントローラによって選択的に検索および実行されて様々な機能を実行するコンピュータ実行可能命令の形式である。
【0016】
図6を参照すると、状態フローは、電源投入または開始条件または状態402において開始する。アクティベーション時に、コントローラは、404において、ファームウェアの更新を照会できる。
最新のファームウェアバージョンを使用する通常の動作の場合、コントローラは、406において、F-RAMデバイスなどのメモリデバイスから既存のセンサデータを読み取ることができる。
次に、コントローラは、408において、データ接続を待つことができる。この間、LED216は、スマートボードが接続の準備中であることを視覚的表示に示すことができる。
【0017】
コントローラとのデータ接続が、データを提供するために別のコントローラまたはネットワークと確立されているかどうかにかかわらず、コントローラは、様々なタスクおよび動作を含むことができる動作状態410に入る。
これらのタスクおよび動作は、デバイスに関連する動作データを取得、処理、および生成するために継続的に実行される場合がある。
そのようなデータは、適切な接続が確立された時に、メモリデバイスに格納され、ネットワークの外部に提供され得る。
図示された実施形態では、コントローラは、データ取得プロセスを開始することができる。たとえば、それは、412において、センサデータをチェックし、それらを毎分など、定期的にセンサ仕様と比較して、センサ動作を診断する方法として、期待されるパラメーター内で動作しているかどうかを決定することを含む。
そして、それは、また、デバイス-この場合はスリップリングアセンブリ100-から有用なデータを収集し、そのデータをメモリデバイスに格納することを含む。
センサデータを収集すると、コントローラは、デバイスの様々な機能テストを実行できる。
【0018】
機能テストは、並行してまたは任意の順序で実施することができる。図6に示される例示的な実施形態では、コントローラは、最初に、スリップリングアセンブリの1つまたは複数のブラシに対してアーク放電テスト414を実行することができる。
アーク放電テスト412の間、電気アークの存在、およびアーク放電によって生成される可能性のあるオゾンまたは別のガスの存在を示す、イルミネーションまたは、他のアークインジケータが存在するかどうかを判断するため、コントローラは、照明センサ、および任意選択で、オゾンセンサ、窒素酸化物センサなどのようなガスセンサをチェックすることができる。
付加的に、または、照明またはガスセンサの代わりに、スマートボードは、スリップリングアセンブリハウジング内の粒子の存在を決定する粒子センサをさらに含み得、これは、ハウジング内で動作するブラシまたは他の機械的部品の劣化の指標であり得る。
これらの条件の一方または両方、すなわちガスおよび/または粒子の存在が検出されると、コントローラは、所定のサイクル数またはスリップリングアセンブリの回転(例えば10サイクル)の間、これらの条件の繰り返しを監視することができる。
状態が所定のサイクル数の間存在する場合、コントローラは、故障が存在することを決定し、動作デバイスの周囲にいるユーザに警告するため、ネットワークを介して適切な通知信号を提供する。可能であれば、デバイス上に視覚的表示を提供し得る。視覚的表示は、例えば、赤い視覚的インジケータを示す、又は、同様の視覚的および/または聴覚的通知による。
【0019】
コントローラは、416において、温度および/または湿度センサからの信号を監視することによって、温度または湿度テストをさらに実行することができる。
一実施形態では、事前定義された温度限界を超える温度上昇は、滑り構造および摩擦が故障であると示し得る。
湿度に関しては、流体および電気信号を運び、漏れを経験している可能性がある複合デバイスがあり得るか、または、デバイスに入って、それにより移動される電気信号および電力に干渉する可能性がある導電性流体の外部侵入があり得る。
アーク放電テストと同様に、10サイクルなどの事前定義されたサイクル数の間、温度および/または湿度が上昇すると、コントローラは、信号および/または視覚的または聴覚的アラートを使用して故障状態を発行するように促される場合がある。
【0020】
前述のように、たとえば、1分あたりの回転数(RPM)で表されるデバイスの回転速度を決定するため、コントローラは、また、回転リングに取り付けられた磁石の通過を感知する磁場センサからの信号を監視および測定することによって、速度テスト418を実行することができる。
決定された速度は、デバイスの最高速度制限と比較され得、デバイスがその設計速度内で動作している間、緑色のインジケータが点灯し得、または速度超過の場合、赤色のインジケータが点灯し得る。
決定された速度は、また、コントローラが接続されているネットワーク上の信号として継続的に提供され得る。
【0021】
コントローラは、また、例えば、その寿命の間のデバイスの総回転数をカウントし、総回転数をデバイスの設計目標と比較することによって、420において、デバイスの残りの設計寿命を監視することができる。
回転数は、前述のように、回転ディスクに協同する磁石の通過を感知する磁場センサを使用することによって取得することができる。
総回転数に基づいて、コントローラは、回転数が制限を下回ると緑色のライトを点灯し、回転数が制限に近づくと黄色を点灯し、回転数が制限を超えると、デバイスの点検または交換が必要であることを示す、赤またはオレンジを点灯させてもよい。
これらの表示は、コントローラが接続されているネットワークへの信号として提供され得る。様々なセンサからのコントローラによる失敗したデータ取得または不完全なデータ取得は、故障発生時のトラブルシューティングを容易にするために、422において、タイムスタンプでログに記録されてもよい。
【0022】
本明細書で引用される刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載される場合と同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲において)、用語「a(1つの)」および「an(1つの)」および「the(その)」および「at least one」(少なくとも1つの)」および同様の表示対象の使用は、本書に別段の記載がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形と複数形の両方をカバーすると、解釈されるべきである。
1つ又は複数の用語のリストの前の「少なくとも1つの(at least one)」の用語の使用(例えば、「AおよびBのうち少なくとも1つ(at least one of A and B」)は、本書に別段の記載がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、リストされた項目(AまたはB)から選択される1つの項目を意味する、または、リストされた項目(AおよびB)の2つ以上の任意の組み合わせを意味すると、解釈されるべきである。
「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含む(containing)」という用語は、特に断りのない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが(including)」)、これに限定されない(「not limited to」を意味する)として解釈されるべきである。
本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを単に意図し、各個別の値は、本明細書に個別に記載されているかのように明細書に組み込まれる。
本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の表示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。
本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば、「など(such as)」の使用は、単に本発明をよりよく照らすことを意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲を制限するものではない。
明細書のいかなる文言も、請求されていない要素が本発明の実施に不可欠であることを示すと解釈されるべきではない。
【0024】
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実施するために本発明者らに知られている最良のモードを含めて、本明細書に記載されている。
これらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読むと、当業者には明らかになるだろう。
本発明者らは、当業者がそのような変形例を適切に使用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明を実施することを意図している。
したがって、本発明は、適用法によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正および同等物を含む。
さらに、そのすべての可能な変形における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の表示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6