IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両用表示装置 図1
  • 特許-車両用表示装置 図2
  • 特許-車両用表示装置 図3
  • 特許-車両用表示装置 図4
  • 特許-車両用表示装置 図5
  • 特許-車両用表示装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/21 20240101AFI20241119BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B60K35/21
G09F9/00 313
G09F9/00 362
G09F9/00 350Z
G09F9/00 337A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022154025
(22)【出願日】2022-09-27
(65)【公開番号】P2024048141
(43)【公開日】2024-04-08
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 吉寿
(72)【発明者】
【氏名】上野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】久保山 輝一
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-80954(JP,A)
【文献】特開2021-179457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーガラスにおける第1表示領域に表示を行う第1表示部と、前記カバーガラスにおける第1表示領域に隣接する第2表示領域に表示を行う少なくとも1つの第2表示部と、を備えた車両用表示装置であって、
前記第1表示部は、表面の表示面で画像を表示させる画像表示装置を備え、
前記第2表示部は、
前記カバーガラスにおける前記第2表示領域に沿って配置される表示板部と、
光源からの光を導光して前記表示板部へ照射する導光部材を有する導光部と、
を備え、
前記導光部の前記導光部材は、ケースに支持されて前記画像表示装置の縁部と前記カバーガラスとの間に張り出すように配置され、
前記カバーガラスは、前記第1表示領域における前記第2表示領域との境界に沿った位置に設けられ、前記境界から離れるにしたがって次第に薄くなるグラデーション部を有する、
車両用表示装置。
【請求項2】
前記導光部材は、前記画像表示装置と前記カバーガラスとの間への張出部分において、前記ケースに形成された凹部に嵌め込まれている、
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記導光部は、前記導光部材の前記表示板部と反対側の面に沿って配置される反射シートを備える、
請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記反射シートは、前記ケースの前記凹部における前記第1表示領域側の内面に延在されている、
請求項3に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記ケースの前記凹部における前記第1表示領域側の内面が、前記カバーガラスへ向かって次第に前記第1表示領域側へ傾斜するテーパ面とされている、
請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記導光部は、前記導光部材における前記表示板部側に配置されて前記導光部材から出射した光をドライバ側へのみ透過させる視野角制御フィルムを備えている、
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記ケースは、黒色である、
請求項1に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用のメータ装置として、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ等を使用したフルグラフィックメータが多く採用されている。しかし、大型の液晶ディスプレイを備えたメータ装置は、コストが高いため、低価格な車両への搭載は不向きである。
【0003】
そのため、図6に示すように、小型又は中型のサイズのTFT液晶ディスプレイからなるメイン表示部1と、セグメントタイプのLCD(Liquid Crystal Display)や文字板などからなるサブ表示部2と、を組み合わせることにより、安価な構成でフルグラフィックメータのようにみせる表示装置が増えている。
【0004】
例えば、特許文献1には、左右に並べて配置された2つのリング状のメータと、これらのメータの間に設けられたTFT液晶表示装置と、を有する車両用メータユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-143710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、メイン表示部1となるTFT液晶ディスプレイは、その周縁に枠部材であるベゼル3が設けられている。このため、メイン表示部1とサブ表示部2との間には、ベゼル3の部分に非表示領域ができ、メイン表示部1とサブ表示部2との表示が不連続となってしまい、良好なシームレス感が得られなかった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる表示部で表示される表示領域を、良好なシームレス感で表示可能な車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0009】
カバーガラスにおける第1表示領域に表示を行う第1表示部と、前記カバーガラスにおける第1表示領域に隣接する第2表示領域に表示を行う少なくとも1つの第2表示部と、を備えた車両用表示装置であって、
前記第1表示部は、表面の表示面で画像を表示させる画像表示装置を備え、
前記第2表示部は、
前記カバーガラスにおける前記第2表示領域に沿って配置される表示板部と、
光源からの光を導光して前記表示板部へ照射する導光部材を有する導光部と、
を備え、
前記導光部の前記導光部材は、ケースに支持されて前記画像表示装置の縁部と前記カバーガラスとの間に張り出すように配置され、
前記カバーガラスは、前記第1表示領域における前記第2表示領域との境界に沿った位置に設けられ、前記境界から離れるにしたがって次第に薄くなるグラデーション部を有する、車両用表示装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異なる表示部で表示される表示領域を、良好なシームレス感で表示可能な車両用表示装置を提供できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る車両用表示装置の概略正面図である。
図2図2は、本実施形態に係る車両用表示装置の平面及び断面を模式的に示した図である。
図3図3は、導光部の構造を説明する導光部の分解斜視図である。
図4図4は、参考例に係る車両用表示装置の平面及び断面を模式的に示した図である。
図5図5は、変形例に係る車両用表示装置の平面及び断面を模式的に示した図である。
図6図6は、メイン表示部とサブ表示部とを備えた車両用表示装置の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る車両用表示装置の概略正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用表示装置100は、例えば、自動車等の車両に搭載される。車両用表示装置100は、インストルメントパネル等として用いられ、車両に関する各種の情報を表示する。
【0015】
車両用表示装置100は、メイン表示部(第1表示部)10と、サブ表示部(第2表示部)20と、を備えている。メイン表示部10は、車両用表示装置100の中央に配置されており、サブ表示部20は、メイン表示部10の両側に配置されている。一例として、メイン表示部10には速度計などが表示され、サブ表示部20にはテルテールなどが表示される。
【0016】
車両用表示装置100は、その表示領域が、メイン表示部10によって表示される領域であるメイン表示領域(第1表示領域)Amと、サブ表示部20によって表示される領域であるサブ表示領域(第2表示領域)Asと、に区画されている。
【0017】
図2は、本実施形態に係る車両用表示装置の平面及び断面を模式的に示した図である。
図2に示すように、車両用表示装置100は、その前面側がカバーガラス71によって覆われており、このカバーガラス71の後方側に、配線板72が配置されている。カバーガラス71は、メイン表示領域Amとサブ表示領域Asとの境界BLに沿って、印刷等によって設けられたグラデーション部71aを有している。このグラデーション部71aは、メイン表示領域Am側に設けられており、境界BLから離れるにしたがって次第に薄くなるような図柄や模様などを有している。
【0018】
メイン表示部10は、TFT液晶ディスプレイ(画像表示装置)11を備えている。このTFT液晶ディスプレイ11は、カバーガラス71側が表示面12とされており、この表示面12で画像が表示される。本例では、TFT液晶ディスプレイ11は、ライン状の画像11aを表示する場合を例示している。
【0019】
このTFT液晶ディスプレイ11は、枠部材であるベゼル13を備えており、後面、周面及び表示面12の周縁がベゼル13によって覆われている。したがって、TFT液晶ディスプレイ11では、表示面12におけるベゼル13によって覆われた周縁は、表示した画像がカバーガラス71側へ投影されない非表示部分とされている。
【0020】
TFT液晶ディスプレイ11は、ホルダ14及び固定部材15によって配線板72に支持されている。このTFT液晶ディスプレイ11は、カバーガラス71に対して、表示面12との間に隙間Gをあけて対向配置されている。
【0021】
サブ表示部20は、光源21と、表示板部22と、導光部23と、を備えている。光源21は、例えば、LED(Light Emitting Diode)であり、配線板72に実装されている。表示板部22は、カバーガラス71の裏面に沿って配置されている。表示板部22は、その縁部が、メイン表示領域Amとサブ表示領域Asとの境界BLに配置されている。つまり、この表示板部22の縁部によって、メイン表示領域Amとサブ表示領域Asとの境界BLが形成されている。
【0022】
表示板部22は、サブ表示部20で表示させる文字や図柄などの表示を有している。本例では、表示板部22は、ライン状の表示22aを有している。この表示板部22としては、カバーガラス71の裏面へ印刷して設けてもよい。
【0023】
導光部23は、カバーガラス71と配線板72との間に設けられている。この導光部23は、光源21の光を、裏面に表示板部22が設けられたカバーガラス71へ導く。これにより、サブ表示領域Asでは、導光部23によって導光された光源21の光によって、表示板部22のライン状の表示22aが表示される。
【0024】
導光部23は、ケース31と、導光部材32と、反射シート33と、視野角制御フィルム34と、を備えている。導光部材32、反射シート33及び視野角制御フィルム34は、ケース31に設けられている。
【0025】
導光部材32は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ウレタン等の樹脂やガラスなどの透光性を有する材料から成形されている。導光部材32は、入光部41と、発光部42とを有する側面視L字状に形成されている。導光部材32は、入光部41の端面が入光面41aとされ、発光部42の一方の面が発光面42aとされている。入光面41aは、光源21と対向配置されており、発光面42aは、表示板部22が設けられたカバーガラス71と対向配置されている。この導光部材32は、入光面41aから入射した光源21からの光を導光し、発光面42aから出射させる。また、導光部材32の発光部42は、その端面及び発光面42aと反対側の面が、シボ加工された散乱面42bとされている。散乱面42bは、導光した光を散乱させて発光面42aへ導く。
【0026】
反射シート33は、導光部材32の発光部42の裏側に配置されている。これにより、導光部材32の発光部42は、シボ加工が施された散乱面42bが反射シート33によって覆われている。反射シート33は、発光部42の散乱面42bから漏れ出した光をカバーガラス71側へ向かって反射させる。
【0027】
視野角制御フィルム34は、透過光を特定の方向へ向ける指向性を有する樹脂フィルムである。この視野角制御フィルム34は、導光部材32の発光部42における発光面42aに沿って配置されている。視野角制御フィルム34は、導光部材32の発光部42の発光面42aから出射した光をドライバ側へのみ透過させる。
【0028】
図3は、導光部の構造を説明する導光部の分解斜視図である。
図3に示すように、ケース31は、装着部50が形成された平板部51を有しており、装着部50に、反射シート33、導光部材32及び視野角制御フィルム34が順に組付けられる。このケース31は、樹脂から成形されたもので、黒色とされている。
【0029】
装着部50において、平板部51は、底部52に開口部53が形成された凹部54を有しており、この凹部54の開口部53に反射シート33が嵌め込まれる。反射シート33には、その外縁部分に係止片33aが形成されており、これらの係止片33aが凹部54の底部52を係止することにより、開口部53に嵌め込まれた状態でケース31に組付けられる。また、装着部50は、凹部54の端部の位置に筒状部55を有している。この筒状部55には、導光部材32の入光部41が挿し込まれる。導光部材32は、入光部41を筒状部55に挿し込んだ状態で、開口部53に嵌め込まれた反射シート33に発光部42が重ね合わされて凹部54に嵌め込まれる。これにより、導光部材32がケース31の装着部50に装着される。さらに、装着部50には、反射シート33及び導光部材32の発光部42が配置された凹部54に視野角制御フィルム34が嵌め込まれる。これにより、視野角制御フィルム34は、導光部材32の発光部42に重ね合わされた状態で、ケース31の装着部50に装着される。
【0030】
上記構成の車両用表示装置100において、サブ表示部20を構成する導光部23の一部が、メイン表示部10を構成するTFT液晶ディスプレイ11の縁部カバーガラス71との間に張り出して配置されている(図2参照)。具体的には、導光部23は、TFT液晶ディスプレイ11のベゼル13によって覆われた非表示範囲を僅かに越えた範囲まで張り出しており、導光部23を構成するケース31の縁部31a、導光部材32の発光部42の一部、反射シート33の一部及び視野角制御フィルム34の一部が入り込んだ状態とされている。
【0031】
そして、車両用表示装置100では、導光部23における光を照射可能な範囲の縁部となる視野角制御フィルム34の縁部と、表示板部22の縁部からなる境界BLとの間隔Wの範囲が、非表示範囲とされている。つまり、車両用表示装置100では、メイン表示領域Amで表示されるライン状の画像11aと、サブ表示領域Asで表示されるライン状の表示22aとが、僅かな間隔Wの非表示範囲をあけて繋がった表示となり、良好なシームレス感が得られる。
【0032】
また、車両用表示装置100では、メイン表示領域Amで表示されるライン状の画像11aと、サブ表示領域Asで表示されるライン状の表示22aとが、境界BLに近づくにつれて先細りとなっていてもよい。これにより、僅かな間隔Wの非表示範囲がより一層目立たなくなる。また、ライン状の画像11aと、ライン状の表示22aとに、境界BLに近づくにつれて、暗く見える色に徐々に明度が変化するグラデーションを付与したり、色相や彩度が変化するグラデーションを付与したりすることにより、ライン状の画像11a及びライン状の表示22aの先端部分が非表示範囲と自然に繋がるようにし、間隔Wにおける表示のシームレス間をより一層向上してもよい。
【0033】
ここで、参考例に係る車両用表示装置について説明する。
図4は、参考例に係る車両用表示装置の平面及び断面を模式的に示した図である。
【0034】
図4に示すように、参考例に係る車両用表示装置200では、導光部23は、TFT液晶ディスプレイ11の縁部カバーガラス71との間に張り出した部分において、ケース31の縁部31aと、表示板部22が設けられたカバーガラス71との間にパッキン81が介在されている。また、この導光部23のケース31は、白色とされている。
【0035】
また、参考例では、導光部23は、反射シート33を備えていない。さらに、導光部23のケース31の平板部51には、凹部54が形成されておらず、平板部51に導光部材32の発光部42が重ねて配置されている。なお、この導光部材32の発光部42は、端面にシボ加工がされておらず、表裏の両面がシボ加工を施した散乱面42bとされている。
【0036】
この参考例では、TFT液晶ディスプレイ11の縁部カバーガラス71との間に張り出した部分において、ケース31とカバーガラス71との間にパッキン81を介在させているので、TFT液晶ディスプレイ11の表示面12とカバーガラス71との間に大きな隙間Gが形成されてしまう。しかも、ケース31の平板部51に発光部42を収容する凹部54がないため、平板部51が厚さ方向に介在されることとなり、TFT液晶ディスプレイ11の表示面12とカバーガラス71との間の隙間Gがさらに大きくなってしまう。このため、メイン表示部10とサブ表示部20との間での表示に大きな段差が生じ、シームレス感が低下してしまう。
【0037】
また、参考例では、ケース31は白色であるため、カバーガラス71を通して内部に入り込んだ光がケース31で反射し、ケース31の縁部の境界部分やケース31自体が目立ってしまう。
【0038】
さらに、参考例では、パッキン81を有し、しかも、反射シート33がなく、さらには、導光部材32の発光部42の端面にシボ加工がされていないため、発光部42からの光のメイン表示領域Amへの導光効果が低くなる。これにより、メイン表示領域Amの画像11aとサブ表示領域Asの表示22aとの間の非表示範囲となる間隔Wが大きくなり、これらの画像11aと表示22aとの良好なシームレス感を得ることが困難となってしまう。
【0039】
本実施形態に係る車両用表示装置100によれば、TFT液晶ディスプレイ11の縁部カバーガラス71との間へ導光部材32によって光源21の光を導くことができる。これにより、TFT液晶ディスプレイ11の表示面12の周縁がベゼル13によって覆われていても、このベゼル13による非表示部分をサブ表示領域Asでカバーできる。したがって、メイン表示部10によって表示されるメイン表示領域Amとサブ表示部20によって表示されるサブ表示領域Asとの間の非表示範囲(間隔W)を狭くでき、良好なシームレス感を得ることができる。
【0040】
また、カバーガラス71のメイン表示領域Amにおけるサブ表示領域Asとの境界BLに沿った位置に、境界BLから離れるにしたがって次第に薄くなるグラデーション部71aが設けられている。したがって、メイン表示領域Amでの表示にサブ表示領域Asへ向かって次第に暗くなるようなグラデーションを付与し、これらのメイン表示領域Amとサブ表示領域Asとの表示の繋ぎ目をぼやかし、より良好なシームレス感を得ることができる。
【0041】
しかも、TFT液晶ディスプレイ11の縁部とカバーガラス71との間への導光部23の張出部分において、導光部材32がケース31に形成された凹部54に嵌め込まれている。したがって、カバーガラス71とTFT液晶ディスプレイ11の表示面12との隙間Gを狭くでき、メイン表示部10とサブ表示部20との間での表示の段差を抑え、より良好なシームレス感を得ることができる。
【0042】
また、本実施形態に係る車両用表示装置100では、導光部23が、導光部材32の発光部42の表示板部22と反対側の面に沿って配置される反射シート33を備える。したがって、導光部材32の発光部42から出射する光を反射シート33によって反射させて表示板部22へ導くことができる。
【0043】
しかも、反射シート33は、ケース31の凹部54におけるメイン表示領域Am側の内面に延在されているので、導光部材32の発光部42から出射する光をより効率よく反射させて表示板部22へ導くことができる。
【0044】
また、本実施形態では、導光部材32等を支持するケース31が黒色であるので、カバーガラス71を通して内部に光が入り込んでも、その光のケース31での反射を抑制でき、ケース31の縁部の境界部分やケース31自体が目立つのを抑えることができる。
【0045】
次に、変形例に係る車両用表示装置について説明する。
なお、上記実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明を省略する。
図5は、変形例に係る車両用表示装置の平面及び断面を模式的に示した図である。
【0046】
図5に示すように、変形例に係る車両用表示装置100Aでは、TFT液晶ディスプレイ11の縁部カバーガラス71との間に張り出した導光部23の一部において、ケース31の縁部31aにテーパ面31bが形成されている。このテーパ面31bは、装着部50に形成された凹部54における内面部分に形成されており、カバーガラス71へ向かって次第にメイン表示領域Am側へ傾斜されている。
【0047】
このように、変形例に係る車両用表示装置100Aは、ケース31の縁部31aにテーパ面31bを設けたことにより、発光部42からの光がテーパ面31bで反射してメイン表示領域Amへ導光される。傾斜面であるテーパ面31bで反射してメイン表示領域Amへ導光される光は、メイン表示領域Amへ向かうにしたがって次第に弱くなる。これにより、光の輝度にグラデーションを付与することができ、サブ表示領域Asの表示22aのグラデーション効果を高めることができる。したがって、メイン表示領域Amの画像11aとサブ表示領域Asの表示22aとの間において、より良好なシームレス感を得ることができる。
【0048】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0049】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車両用表示装置の特徴をそれぞれ以下[1]~[7]に簡潔に纏めて列記する。
【0050】
[1] カバーガラス(71)における第1表示領域(メイン表示領域Am)に表示を行う第1表示部(メイン表示部10)と、前記カバーガラス(71)における第1表示領域(メイン表示領域Am)に隣接する第2表示領域(サブ表示領域As)に表示を行う少なくとも1つの第2表示部(サブ表示部20)と、を備えた車両用表示装置(100,100A)であって、
前記第1表示部(メイン表示部10)は、表面の表示面(12)で画像を表示させる画像表示装置(TFT液晶ディスプレイ11)を備え、
前記第2表示部(サブ表示部20)は、
前記カバーガラス(71)における前記第2表示領域(サブ表示領域As)に沿って配置される表示板部(22)と、
光源(21)からの光を導光して前記表示板部(22)へ照射する導光部材(32)を有する導光部(23)と、
を備え、
前記導光部(23)の前記導光部材(32)は、ケース(31)に支持されて前記画像表示装置(TFT液晶ディスプレイ11)の縁部と前記カバーガラス(71)との間に張り出すように配置され、
前記カバーガラス(71)は、前記第1表示領域(メイン表示領域Am)における前記第2表示領域(サブ表示領域As)との境界(BL)に沿った位置に設けられ、前記境界(BL)から離れるにしたがって次第に薄くなるグラデーション部(71a)を有する、車両用表示装置。
【0051】
上記[1]の構成の車両用表示装置によれば、画像表示装置とカバーガラスとの間へ導光部材によって光源の光を導くことができる。これにより、例えば、画像表示装置の表示面の周縁がベゼルによって覆われていても、このベゼルによる非表示部分を第2表示領域でカバーできる。したがって、第1表示部によって表示される第1表示領域と第2表示部によって表示される第2表示領域との間の非表示範囲を狭くでき、良好なシームレス感を得ることができる。
また、カバーガラスの第1表示領域における第2表示領域との境界に沿った位置に、境界から離れるにしたがって次第に薄くなるグラデーション部が設けられている。したがって、第1表示領域での表示に第2表示領域へ向かって次第に暗くなるようなグラデーションを付与し、これらの第1表示領域と第2表示領域との表示の繋ぎ目をぼやかし、より良好なシームレス感を得ることができる。
【0052】
[2] 前記導光部材(32)は、前記画像表示装置(TFT液晶ディスプレイ11)と前記カバーガラス(71)との間への張出部分において、前記ケース(31)に形成された凹部(54)に嵌め込まれている、[1]に記載の車両用表示装置。
【0053】
上記[2]の構成の車両用表示装置によれば、画像表示装置の縁部とカバーガラスとの間への導光部の張出部分において、導光部材がケースに形成された凹部に嵌め込まれている。したがって、カバーガラスと画像表示装置の表示面との間隔を狭くでき、第1表示部と第2表示部との間での表示の段差を抑え、より良好なシームレス感を得ることができる。
【0054】
[3] 前記導光部(23)は、前記導光部材(32)の前記表示板部(22)と反対側の面に沿って配置される反射シート(33)を備える、[2]に記載の車両用表示装置。
【0055】
上記[3]の構成の車両用表示装置によれば、導光部材から出射する光を反射シートによって反射させて表示板部へ導くことができる。
【0056】
[4] 前記反射シート(33)は、前記ケース(31)の前記凹部(54)における前記第1表示領域(メイン表示領域Am)側の内面に延在されている、[3]に記載の車両用表示装置。
【0057】
上記[4]の構成の車両用表示装置によれば、反射シートが、凹部における第1表示領域側の内面に延在されているので、導光部材から出射する光をより効率よく反射させて表示板部へ導くことができる。
【0058】
[5] 前記ケース(31)の前記凹部(54)における前記第1表示領域(メイン表示領域Am)側の内面が、前記カバーガラス(71)へ向かって次第に前記第1表示領域(メイン表示領域Am)側へ傾斜するテーパ面(31b)とされている、[2]に記載の車両用表示装置。
【0059】
上記[5]の構成の車両用表示装置によれば、導光部材から出射した光をテーパ面で反射させて第1表示領域へ導くことができる。このテーパ面での反射光は、第1表示領域へ向かうにしたがって次第に弱くなる。これにより、光の輝度にグラデーションを付与して第2表示領域の表示のグラデーション効果を高めることができ、より良好なシームレス感を得ることができる。
【0060】
[6] 前記導光部(23)は、前記導光部材(32)における前記表示板部(22)側に配置されて前記導光部材(32)から出射した光をドライバ側へのみ透過させる視野角制御フィルム(34)を備えている、[1]から[5]のいずれかに記載の車両用表示装置。
【0061】
上記[6]の構成の車両用表示装置によれば、導光部材から出射した光が視野角制御フィルムによってドライバ側へのみ透過することができる。
【0062】
[7] 前記ケース(31)は、黒色である、[1]から[6]のいずれかに記載の車両用表示装置。
【0063】
上記[7]の構成の車両用表示装置によれば、導光部材を支持するケースが黒色であるので、カバーガラスを通して内部に光が入り込んでも、その光のケースでの反射を抑制でき、ケースの縁部の境界部分やケース自体が目立つのを抑えることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 メイン表示部(第1表示部)
11 TFT液晶ディスプレイ(画像表示装置)
12 表示面
20 サブ表示部(第2表示部)
21 光源
22 表示板部
23 導光部
31 ケース
31b テーパ面
32 導光部材
33 反射シート
34 視野角制御フィルム
54 凹部
71 カバーガラス
71a グラデーション部
100,100A 車両用表示装置
Am メイン表示領域(第1表示領域)
As サブ表示領域(第2表示領域)
BL 境界
図1
図2
図3
図4
図5
図6