(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】赤外線投影を介した車両誘導
(51)【国際特許分類】
A63G 31/00 20060101AFI20241119BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20241119BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241119BHJP
G05D 1/00 20240101ALI20241119BHJP
【FI】
A63G31/00
G01C21/26 A
G08G1/09 V
G05D1/00
(21)【出願番号】P 2022507910
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(86)【国際出願番号】 US2020045456
(87)【国際公開番号】W WO2021030204
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-08-07
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ジェロミン アーロン チャンドラー
(72)【発明者】
【氏名】クラウトハマー アキヴァ メイア
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/055281(WO,A2)
【文献】特表平08-502921(JP,A)
【文献】特開昭61-072309(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0118890(US,A1)
【文献】米国特許第08768559(US,B1)
【文献】特開2000-262756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両誘導のためのシステムであって、
複数の光投影特性を用いることにより表面に投影された複数の経路であって、各経路は前記複数の経路のうちの他の経路を定める光投影特性とは異なる光投影特性により定められ、前記複数の経路の各経路は、アトラクションにより提供される複数の利用可能な車両乗員体験のそれぞれの車両乗員体験に対応し、前記複数の利用可能な車両乗員体験の各車両乗員体験は、前記アトラクションの複数の
体験のうちの1つ、前記アトラクションの複数のスリルレベルのうちの1つ、又は両方を含み、前記アトラクションの複数の
体験を提供する経路が、車両が移動するためのそれぞれの場所及びそれぞれのテーマを定め、相対的に高いスリルレベルを提供する経路が、相対的に低いスリルレベルを提供する経路よりも相対的に高い数の曲線部分、急なカーブ、スピン、又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、複数の経路と、
車両と、を含み、前記車両は、
前記表面に投影された前記複数の経路の複数の光投影される特性を検出するように構成されたセンサと、
コントローラと、を含み、前記コントローラは、
前記それぞれのテーマのうちの1つ、前記複数のスリルレベルのうちの1つ、又は両方と関連する前記複数の利用可能な車両乗員体験のうちの所望の車両乗員体験のインジケーションを受け取り、
前記所望の車両乗員体験を提供する前記表面に投影された前記複数の経路のうちの第1の経路を識別する第1の光投影特性を決定し、
前記センサを用いて、前記第1の経路として前記第1の光投影特性と一致する第1の光投影される特性を含む経路を前記複数の経路から識別し、
前記第1の経路に沿って移動
するように前記車両を制御する、
ように構成される、システム。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記センサを介して、前記第1の経路の第2の光投影される特性を識別し、
前記第2の光投影される特性と一致する前記第2の光投影特性と関連する制御動作に従って前記第1の経路に沿って前記車両を制御し、
前記車両の乗客により提供された入力に少なくとも一部基づいて、前記第1の光投影特性、前記第2の光投影特性、又は両方を決定する、
ように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記複数の経路のうちの前記第1の経路に沿った移動中、前記乗客により提供された他の入力を受け取り、
前記他の入力に少なくとも一部基づいて異なる光投影特性を決定し、
前記決定された異なる光投影特性を用いることにより前記第1の経路から代替経路へ移動を変更する、
ように更に構成される、請求項
2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラが異なる位置で実施するための異なる制御動作を示すため、前記第1の経路の前記第2の光投影される特性は、前記第1の経路に沿った異なる位置で変わる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記異なる制御動作は、前記第1の経路に沿った前記車両の異なる移動速度を含み、前記コントローラは、前記第1の経路に沿った前記異なる位置で前記異なる移動速度に従って前記車両を制御するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の光投影特性は、スピン制御動作に関連付けられ、
前記第2の光投影特性と関連する制御動作に従って前記第1の経路に沿って前記車両を制御することは、前記車両に前記第2の光投影される特性を検出することに基づいてスピンさせることを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の経路のうちの異なる経路上に配置された複数の車両を更に含み、前記複数の車両のそれぞれのコントローラは、前記複数の経路のそれぞれの経路上の前記複数の車両を同時に誘導するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の経路のうちの前記第1の経路を識別する前記第1の光投影される特性は、投影された経路の中央部分を含み、前記投影された経路は前記中央部分に隣接する第1の部分を含み、前記第1の部分は、異なる光投影される特性を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記異なる光投影される特性の検出に応答して、前記車両を前記投影された経路の前記中央部分に向けて移動するように誘導するように更に構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
車両誘導のためのシステムであって、
表面に投影された複数の経路であって、各経路は、対応する光投影の光投影される特性により、定められ、前記複数の経路のうちの他の経路から区別され、前記複数の経路の各経路は、アトラクションにより提供される複数の利用可能な車両乗員体験のそれぞれの車両乗員体験に対応し、前記複数の利用可能な車両乗員体験の各車両乗員体験は、前記アトラクションの複数の
体験のうちの1つ、前記アトラクションの複数のスリルレベルのうちの1つ、又は両方を含み、前記アトラクションの複数の
体験を提供する経路が、車両が移動するためのそれぞれの場所及びそれぞれのテーマを定め、相対的に高いスリルレベルを提供する経路が、相対的に低いスリルレベルを提供する経路よりも相対的に高い数の曲線部分、急なカーブ、スピン、又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、複数の経路と、
複数の車両と、を含み、前記複数の車両の各車両は、
前記それぞれのテーマのうちの1つ、前記複数のスリルレベルのうちの1つ、又は両方と関連する前記アトラクションにより提供される前記複数の利用可能な車両乗員体験のうちの所望の車両乗員体験を提供する従うべき経路を定める割り当てられた光投影特性と、
前記表面に投影された前記複数の経路の光投影される特性を検出するように構成されたセンサと、
コントローラと、を含み、前記コントローラは、
前記複数の経路のそれぞれの経路の光投影される特性と前記割り当てられた光投影特性との間の一致に基づいて従うべき前記複数の経路のそれぞれの経路を識別し、
前記それぞれの経路に沿って移動するように前記車両を制御する、
ように構成される、システム。
【請求項11】
前記複数の車両の各々は、現在移動している前記複数の車両の各々が従うべき異なる光投影特性を前記複数の車両の各々に割り当てることによって異なる経路に沿って移動するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の車両の少なくともサブセットは、前記複数の車両の前記サブセットに共通の光投影特性を割り当てることによって前記それぞれの経路に沿って同時に移動するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記対応する光投影の各々は、前記複数の車両内の乗客に見えない、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記複数の経路のうちの前記それぞれの経路に沿った移動中の入力に基づいて、従うべき前記複数の経路のうちの前記それぞれの経路を変更するように更に構成され、前記入力は、従うべき特定の光投影特性に関連する、請求項10に記載の車両を誘導するためのシステム。
【請求項15】
前記センサにより検出された前記複数の経路の前記それぞれの経路の前記光投影される特性は、前記複数の経路の前記それぞれの経路に沿った異なる位置に異なる光投影される特性を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記異なる光投影される特性の少なくともサブセットは、前記複数の経路の前記それぞれの経路に沿った前記車両の異なる速度を表し、前記コントローラは、前記異なる光投影される特性の前記少なくとも前記サブセットを検出したことに基づいて、前記複数の経路の前記それぞれの経路に沿った前記車両の速度を調整するように更に構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記異なる光投影される特性の少なくともサブセットは、前記複数の経路の前記それぞれの経路に沿った前記車両の外部のアトラクション特徴をトリガするための制御要求を表し、前記コントローラは、前記異なる光投影される特性の前記少なくとも前記サブセットを検出したことに基づいて、前記複数の経路の前記それぞれの経路に沿った前記アトラクション特徴をトリガするように更に構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
車両を制御するための方法であって、
前記車両のコントローラにおいて、それぞれのテーマのうちの1つ、複数のスリルレベルのうちの1つ、又は両方に関連するアトラクションにより提供される複数の利用可能な車両乗員体験のうちの所望の車両乗員体験を提供する、前記車両をそれに沿って誘導するための経路を定める割り当てられた光投影特性を得る段階であって、前記経路は、表面に投影された複数の経路のうちの1つであり、前記複数の経路の各経路は、異なる光投影特性により、定められ、前記複数の経路のうちの他の経路から区別され、前記複数の経路の各経路は、前記アトラクションにより提供される前記複数の利用可能な車両乗員体験のそれぞれの車両乗員体験に対応し、前記複数の利用可能な車両乗員体験の各車両乗員体験は、前記アトラクションの複数の
体験のうちの1つ、前記アトラクションの複数のスリルレベルのうちの1つ、又は両方を含み、前記アトラクションの複数の
体験を提供する経路が、車両が移動するためのそれぞれの場所及びそれぞれのテーマを定め、相対的に高いスリルレベルを提供する経路が、相対的に低いスリルレベルを提供する経路よりも相対的に高い数の曲線部分、急なカーブ、スピン、又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、段階と、
前記車両上のセンサを介して、前記経路を定める光投影される特性を、前記コントローラを介して、前記経路を定める光投影される特性と前記割り当てられた光投影特性の一致を検出することにより前記経路を識別する段階と、
前記コントローラを介して、前記経路に沿って移動するように前記車両を制御する段階と、
を含む、方法。
【請求項19】
前記割り当てられた光投影特性は、特定のバーコード、特定のQRコード(登録商標)、特定の形状、特定のオブジェクトパターン、又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記割り当てられた光投影特性が前記車両上の前記センサによって検出できない場合に前記車両の移動を中止することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に車両誘導の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、赤外線投影を利用することに基づく車両誘導に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0003】
遊園地は、各遊園地ゲストに固有の体験を提供する様々な乗り物を含む。一般に、遊園地は、乗り物及びショーなどの大規模アトラクションを追加することで、より多くのゲストに対処するための追加容量がもたらされる。しかしながら、より一層の策略を伴わずに従来の乗り物を追加しても、ゲストの交通量問題に対処し、又は競合他社を上回る優位性をもたらすのに十分なゲストの関心を集めるには不十分な場合がある。現代のアトラクションの高度化及び複雑化、並びに対応する遊園地及び/又はテーマパークゲスト間の期待の高まりに伴い、固有のゲスト体験を提供するアトラクションを含む改善された、よりクリエイティブなアトラクションが必要とされている。さらに、これらの改善されたアトラクションの実装においては、安全性が最優先事項である。機械的な安全機構は摩耗することもあり、アトラクションを早めに修理することが必要になってしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0005】
1つの実施形態では、車両を誘導する(guiding)ためのシステムを提供する。システムは、表面上の複数の経路(paths)を含み、各経路は、車両に取り付けられた赤外線カメラによって読み取られるように構成された赤外線投影(infrared projection)によって定められる。システムは車両も含む。車両は、車両の前方、後方及び/又は周囲の道路を見るのに十分な高さでフレームに取り付けられた赤外線カメラ/センサを含む。車両は、センサによって検出された赤外線投影の特徴(features)に基づいてそれぞれの経路に沿って車両を誘導するように構成されたコントローラを含む。
【0006】
別の実施形態では、車両を誘導するためのシステムを提供する。システムは、表面上の複数の経路を含み、複数の経路の各経路は、構造物(例えば、アトラクションの天井及び/又は壁)に取り付けられた赤外線レーザーダイオードから形成される赤外線投影によって定められる。いくつかの事例では、(レーザー光はかなり遠くまで平行な状態で届くので)必要に応じてダイオードをアトラクションからかなり遠くに配置することができる。システムは複数の車両も含む。また、複数の車両の各車両は、車両の前方、後方及び/又は周囲の道路を見るのに十分な高さでフレームに取り付けられた赤外線カメラ/センサと、センサによって検出された複数の経路のそれぞれの経路の赤外線投影の特性に基づいて複数の経路のそれぞれの経路に沿って車両を誘導するように構成されたコントローラとを含む。例えば、異なる経路は、移動面上の点、破線、線、又はその他の識別可能なマーキングなどの異なる赤外線パターンを含むことができる。複数の車両の各々は、様々な経路のこれらの識別可能なマーキングに基づいて正しい経路を識別することができる。
【0007】
別の実施形態では、車両誘導方法を提供する。方法は、車両のコントローラにおいて、経路に沿って車両を誘導するために移動面上の赤外線投影を取得することを含み、経路は、移動面上の複数の経路のうちの1つであり、複数の経路内の各経路は、車両に取り付けられた赤外線カメラによって観察できる1又は2以上の赤外線投影によって定められる。方法は、車両上のセンサを介して、1又は2以上の赤外線投影に関連する特性を検出し、コントローラを介して、センサによって検出された特性に基づいて複数の経路内の経路に沿って車両を誘導することをさらに含む。
【0008】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の態様による、赤外線投影を使用して誘導を自動化する娯楽用アトラクションの乗り物車両誘導システムの実施形態の概略図である。
【
図2】本開示の態様による、
図1の乗り物車両誘導システムを利用する遊園地環境の実施形態を示す図である。
【
図3】本開示の態様による、(例えば、複数の車両を含む)
図1の乗り物車両誘導システムを利用する遊園地環境の実施形態を示す図である。
【
図4】本開示の態様による、
図2及び
図3の線4-4内で切り取った、異なる特性を有する経路の一部の実施形態を示す図である。
【
図5】本開示の態様による、
図2及び
図3の線4-4内で切り取った、赤外線投影における記号又はマーキングを有する経路の一部の実施形態を示す図である。
【
図6】本開示の態様による、
図2及び
図3の線4-4内で切り取った、異なる特性を有する経路の一部の実施形態を示す図である。
【
図7】本開示の態様による、
図1の乗り物車両誘導システムを利用する娯楽用アトラクションにおける車両誘導方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。いずれかの工学又は設計プロジェクトに見られるいずれかのこのような実施の開発では、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の特定の目的を達成するために数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0011】
遊園地は、遊園地乗り物、実演ショー及びゲームなどの様々な娯楽を呼び物としている。本開示の実施形態は、赤外線投影を使用して自動車両誘導を実行する乗り物車両誘導システム(ride vehicle guidance system)に関する。本説明では、遊園地の乗り物車両誘導に焦点を当てるが、本システム及び技術は、ロボット誘導から道路又はその他の車両誘導に至る様々な用途で使用することができる。本説明は、本車両誘導システムを遊園地乗り物誘導に限定するように意図するものではない。表面上に複数の経路を配置することができる。各経路は、赤外線投影(例えば、再起又は非再起パターンの特定の形状及び/又はオブジェクト(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)など)などの特定の経路パターンを形成する赤外線)によって定められる。いくつかの実施形態では、一般に各経路が、各経路を互いに識別可能にする、他の経路とは異なる投影特性(projection characteristics)を含む。各乗り物車両は、赤外線投影を構成する放出された赤外線を検出するように構成された赤外線カメラ又はセンサを備えることができる。赤外光投影は、赤外光波長に起因して人間の目には見えず、車両上の乗客又は車両に乗るために待機している人々に見えないものとすることができる。経路は交差することができる。また、複数の車両が同時に経路に沿って移動して互いにすれ違うこともできる。いくつかの実施形態では、乗客が、車両に提供される入力を介して車両の移動経路を変更することができる。いくつかの実施形態では、車両の速度(speed)を変更(例えば、加速、減速、停止など)し、又は車両に動作(例えば、スピン)を実行させるために、赤外線投影の特性が異なる場所の経路に沿って変化することができる。経路が見えないことによって娯楽用アトラクションが乗客にとって予測不能となり、乗客の乗車体験を向上させることができる。
【0012】
図を参照すると、
図1は、赤外線投影を使用して乗り物車両の誘導を決定する娯楽用アトラクションの乗り物車両誘導システム10の実施形態の概略図である。
図1の例示的な実施形態に示すように、システム10は、車両12(例えば、乗り物車両)と、経路投影システム13と、乗り物コントローラシステム14とを含むことができる。いくつかの実施形態では、システム10が複数の車両12を含むことができる。システム10は、(経路投影システム13から)移動面上に投影される1又は2以上の赤外線投影と共に利用されるように構成することができ、赤外線投影は、車両12が従うべき1又は2以上の経路を定める。経路は、赤外線投影の特性に基づいて互いに区別する(differentiated)ことができる。いくつかの実施形態では、各経路を、他の経路を定める赤外線投影とは異なる赤外線投影によって定めることができる。いくつかの実施形態では、特定の経路が、経路沿いの異なる位置に、車両12が実行すべき異なる動作をトリガするトリガリング特性(例えば、修正された投影)を含むことができる。これらの異なる動作は、速度の変更(例えば、加速、減速、停止など)、又はその場で回転すること、ショー特徴を作動させることなどの他の動作を含むことができる。いくつかの実施形態では、特定の経路が、第1の特性を有する中央部分と、異なる特性を有する1又は2以上の隣接部分(flanking portions)とを含むことができる。これらの異なる部分は、車両12が経路(例えば、中央部分)からどれほど逸脱しているかを識別するために、及び/又は車両12が経路上に戻るようにコースを修正するために使用することができる。いくつかの実施形態では、車両12及び/又は乗り物コントローラシステム14に特定の情報(例えば、移動距離、経路情報、速度など)を提供するために、赤外線投影内又はその付近にマーク及び/又はパターン(例えば、点、破線、線、目盛り、バーコード、QRコード(登録商標)など)を投影し、或いはこのようなマーク及び/又はパターンが赤外線投影を構成することができる。いくつかの実施形態では、これらのマークが経路の有効性を示すことができる。例えば、マークが予想されるにもかかわらず見つからない場合には、不正な投影又は誘導のために信頼すべきでない投影を示すことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、経路投影システム13が、軌道の周囲の天井又は壁に取り付けられた、或いは(レーザー光はかなり遠くまで平行な状態で届くので(すなわちドローンナビゲーション用途))必要に応じて任意にアトラクションからかなり遠くに配置された赤外線レーザーダイオードのシステムを含むことができる。赤外線レーザーエミッタは、セット又は他の見通し線干渉から生じる恐れがあるオクルージョンを最小化するために、軌道の側面の軸からずらして、又は頭上に配置することができる。
【0014】
これらのレーザーダイオードは、移動面上に点、破線、線又はその他の識別可能なマーキングの線形パターンを投影することができる。これらのダイオードは、移動経路の中心を示すように軌道に沿って一定間隔で向けられた赤外線(IR)レーザーポインタとすることができる。別の変形形態では、レーザースポットが赤外線線分まで広がるように光学修正器(optical modifier)を含めることができる。この結果、移動経路に沿って複数の線分を順に設定することができる。
【0015】
別の変形形態では、標的面上に特定の投影パターン(すなわち、バーコード、複数の点及び破線、QRコード(登録商標))を生成するために、光路内に光拡散格子(optical diffusion grating)又は導波路を配置することもできる。この目的で光ファイバを使用して、単一の光源を同時に複数の方向に導いて必要な光源及び電源の数を減少させることもできる。
【0016】
別の変形形態では、走査型微小電気機械システム(MEMs)又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を使用して、地面又は標的面上に所望のプログラム可能な赤外光パターンを積極的にスキャンアウトすることができる。本技術は、1又は2以上の場外固定位置から移動面又は環境上に既知の赤外線パターンを投影することによって空間の固定パターニングを可能にし、深度ベース又はLIDARベースのSLAMナビゲーションシステムのような、位置情報を導出するためのデータの事前知識又は広範な処理の必要性を排除することができる。
【0017】
車両12は、赤外線投影を検出するように構成された1又は2以上のカメラ/センサ18を含むことができる。1又は2以上のセンサ18は、車両12(例えば、車両12の底部及び/又は前部)に沿って車両12の前方、後方及び/又は周囲の移動面を観察するのに十分な高さに配置することができる。
【0018】
カメラ/センサ18からの赤外線画素データは、(構成、重量、電力及び臨界ニーズに応じて)局所的又は遠隔的に処理することができ、車両に必要な調整を直接決定することも、或いはさらなる動作(すなわち、Estopトリガ、警告発信、自動コース修正)のために別のコンピュータ又はPLCにデータを引き渡すこともできる。
【0019】
車両12は、車両12の動作を制御するように構成されたコントローラ20を含むこともできる。コントローラは、メモリ22と、メモリ22に記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサ24とを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ22が、特定の経路に沿って車両12を誘導する際にセンサ18を介して観察されるはずである予想特性セット(a set of expected characteristics)を記憶することができる。また、メモリ22は、観察時(又は、場合によっては非観察時)に車両の様々な動作(例えば、加速、減速、停止、回転、ショー効果のアニメーションなど)を引き起こす追加特性を記憶することもできる。いくつかの実施形態では、メモリ22が、経路全体と、特定の経路に関連する赤外線投影のいずれかの特性又は変化とを記憶することができる。コントローラ20は、(例えば、メモリ22及び/又は乗り物コントローラシステム14からの)予想特性とセンサ18によって検出された赤外線投影とを比較して、特定の経路に沿った車両12の誘導制御を識別するように構成することができる。いくつかの実施形態では、この比較によって、車両12が経路から逸脱した場合にコントローラ20がコースを経路上に戻す修正を行い、又は他の動作を別様に実行することができる。
【0020】
コントローラ20は、車両12上の車輪に結合されたステアリングシステム26を介して車両12を制御することができる。コントローラは、車両12上の入力装置12に結合することもできる。入力装置28は、タッチ画面、1又は2以上のボタン、レバー、又は他のいずれかの装置を含むことができる。入力装置28は、乗客が経路の選択及び/又は変更を生じる入力を提供できるようにすることができる。例えば、入力装置28は、乗客に異なるオプションはシナリオ(例えば、特定のテーマ化部分の通過、通過難易度など)を提供することができる。入力装置28を介して受け取られる様々な入力は、コントローラ20が車両12を誘導する際に利用する特定の予想/割り当て投影特性(particular expected/assigned projection characteristics)に関連することができる。いくつかの実施形態では、乗り物の開始前に、車両12が利用する最初の経路及び/又は後続の経路を決定する入力を乗客が提供することができる。いくつかの実施形態では、乗客が、乗り物の最中に(例えば、車両12が現在の経路と他の経路とが交わる交差点に遭遇した時に)車両12の経路を変更する入力を提供することができる。いくつかの実施形態では、乗客が入力を提供しない場合、車両12を誘導する際の経路(すなわち、利用すべき予想/割り当て特性)をコントローラ20が自動的に決定することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、車両12が1又は2以上の経路を同時にたどることができ、これによって車両12の並進運動及び回転運動の両方を誘発することができる。実際に、いくつかの実施形態では、コントローラ12が、異なる投影経路を追跡するようにプログラムされたセンサ18を採用することができる。例えば、車両12の前部に「経路1」を追跡するようにプログラムされたセンサ18を配置することができ、車両12の後部に「経路2」(例えば、「経路1」とは異なる特性を有する経路)を追跡するようにプログラムされたセンサ18を配置することができる。コントローラ20は、車両12の前部付近に位置する車両12の車輪及び車両12の後部付近に位置する車両12の車輪を、センサ18の追跡経路1及びセンサ18の追跡経路2に対応する投影経路をたどるように(例えば、ステアリングシステム26を介して)制御することができる。このようにして、車両12の回転を投影経路のレイアウトに符号化することができる。
【0022】
これらの入力は、赤外線投影の特性に動的変化をもたらすこともできる。例えば、入力が乗り物速度を高めたいとの願望を示す場合には、乗り物コントローラシステム14に乗り物速度を高めさせるように赤外線投影の特性を変更することができる。例えば、現在たどっている赤外線投影は点を含むが、乗り物コントローラシステム14が速度を高めるべきである旨を破線投影が示している場合、入力の受信時に点投影を破線投影に動的に変更し、従って乗り物コントローラシステム14に速度を高めるように示すことができる。
【0023】
いくつかの実装では、経路が塞がっているかどうか、損傷又は遮断されているかどうか、或いは予想される構成から変化しているかどうかを判定するために、経路整合性チェックシステムを追加することができる。任意のオーバーヘッドカメラセットを追加し、又は車載カメラ/センサ18自体が前方の経路をスキャンして、線形経路が予想通りに見えるかどうか、或いは予期せぬ中断を有しているかどうかを判定することができる。いずれかの異常は、障害又は低信頼度値として制御システムに報告することができる。
【0024】
投影されたバーコード又はその他の記号を使用する変形形態では、システムが、いずれかの予想される記号が失われていないかどうか、順序が狂っていないかどうか、又はドリフト、バンプ又はミスアライメントによって位置ずれ/軸ずれしていないかどうかを判定することができる。パターン自体がこの整合性判定を可能にすることもできる。繰り返しパターン、又は任意に非繰り返しパターンを読み取ることもでき、点及び破線などの予想パターンが提示されたかどうかをカメラシステム自体が判定することもできる。そうでない場合には、エラー又は警告が発せられ、又は問題を修正する対策が取られ、或いはその時点でEstopコマンドが発行される。
【0025】
意図していない赤外光源干渉からシステムを保護するために行うことができる別の修正は、カメラのフレームレートに合わせてレーザー光源を変調させ、或いは太陽又はその他の設定照明などの未変調光源をセンサがフィルタ除去するようにレーザー光源の位相を変調させることである。
【0026】
標準的な劇場用Goes Before Optics(ゴボ)照明を使用して、代わりに物理的マスクを通じて標的面に適切に焦点を合わせた赤外光パターンを投影してこれを達成できる可能性もある。実際に、ゴボ照明器具(例えば、ゴボチェンジャー、スライド投影機タイプの装置)を使用して、投影パターンのリアルタイム制御の基準量を得ることもできる。これにより、コスト及び複雑さを低下させる一方で、標準的な照明設置、固定、照準及び取り付け手順に従うことを可能にすることができる。
【0027】
コントローラ20は、経路上に存在し得る他の車両及び/又は乗り物コントローラシステム30と無線で通信するように構成されたトランシーバ30に結合することもできる。いくつかの実施形態では、車両12が、その選択された投影特性、位置、速度、投影特性の将来的変化及び/又はその他の情報を、トランシーバ30を介して他の車両及び/又は乗り物コントローラシステム14に通信することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ20が、車両及び/又は乗り物コントローラシステム14からトランシーバ30を介して他の車両に関する同じ情報を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、車両12が乗り物コントローラシステム14から自律することができる。いくつかの実施形態では、乗り物コントローラシステム14を介して、コントローラ20による車両12の制御を無効にすることができる。
【0028】
乗り物コントローラシステム14は、娯楽用アトラクション内の1又は2以上の車両12を制御するコントローラ32を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ32が、特定の車両12が利用する特定の経路を(例えば、特定の1又は2以上の投影特性を介して)伝えることができる。いくつかの実施形態では、乗り物コントローラシステム14が、経路全体と、特定の経路に関連するいずれかの特性又は特性の変化とを車両12に提供することができる。いくつかの実施形態では、乗り物コントローラシステム14が、他の車両に関連する情報(例えば、予想される投影特性、位置、速度、予想される特性の将来的変化及び/又はその他の情報)を特定の車両12に提供することができる。特定の投影特性に関連する車両12の動作は、既に車両12に記憶しておくことも、及び/又は乗り物コントローラシステム14から車両12に提供することもできる。コントローラ32は、車両12との無線通信を可能にするトランシーバ38に結合することができる。
【0029】
プロセッサ20、32は、それぞれ複数のプロセッサ、1又は2以上の「汎用」マイクロプロセッサ、1又は2以上の専用マイクロプロセッサ、及び/又は1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はこれらの何らかの組み合わせを含むことができる。例えば、各プロセッサ20及び32は、1又は2以上の縮小命令セット(RISC)プロセッサ、高度RISCマシン(ARM)プロセッサ、高度RISCによる性能最適化(PowerPC)プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)集積回路、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、又は他のいずれかの好適な処理装置を含むことができる。
【0030】
各メモリデバイス22及び34は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、リードオンリメモリ(ROM)などの不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。各メモリデバイス22及び34は、様々な目的で使用できる様々な情報を記憶することができる。例えば、各メモリデバイス22及び34は、車両12を制御する命令などの、それぞれのプロセッサ20及び32が実行するプロセッサ実行可能命令(例えば、ファームウェア又はソフトウェア)を記憶することができる。(単複の)記憶装置(例えば、不揮発性記憶装置)は、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、又は他のいずれかの好適な光学、磁気又は固体記憶媒体、或いはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0031】
図2に、
図1の乗り物車両誘導システム10を利用する遊園地の環境の実施形態を示す。図示の車両12は、
図1で説明した通りである。1又は2以上の乗客を保持するように構成された車両12は、車両12の底部40に、車両12が表面46上の経路44に沿って移動できるようにする車輪42を含むことができる。車輪42の数は異なることもできる。いくつかの実施形態では、車両を移動させる手段が異なることもできる(例えば、軌道など)。車輪42は、上述したステアリングシステムに結合することができる。車両12は、底部40(又は他の部分)に上述したセンサ18を含むこともできる。
【0032】
図示のように、表面46上には複数の経路44を投影することができる。経路44は、直線部分及び/又は曲線部分を含むことができる。図には、3つの経路48(実線)、50(破線)及び52(一点鎖線)を示す。経路44の数は異なることもできる。いくつかの実施形態では、経路44又は経路44の一部が特定のテーマに関連することができる。いくつかの実施形態では、経路44又は経路44の一部が異なるスリルレベルに関連することができる。例えば、それほどスリリングでない経路は、より多くの直線部分、より遅い速度、及び/又は緩やかなカーブを含むことができる。よりスリリングな経路は、より多くの曲線部分、より速い速度、より急なカーブ、及び/又はスピンを含むことができる。経路48、50、52は、地点54及び56で全て交差する。経路48及び50は、地点58でも交差する。各経路44は、主に異なる投影パターン(例えば、破線、破線、破線対破線、点、破線)、異なる投影形状(例えば、第1のバーコード対第2のバーコード、又は円対四角など)、形状間の異なる間隔、異なる投影厚などの異なる投影特性によって定めることができる。例えば、経路48、50及び52を定める投影特性は、それぞれ多くの異なる投影特性を発することができる。赤外線投影を利用して経路44を定める1つの利点は、施設コストが皆無かそれに近い状態で表面46上で容易に経路44を変更できる点である。例えば、異なる赤外線源を作動させて、車両12の制御を変更する完全に異なる経路セット44又は経路44の特性セットを作成することができる。乗り物は、暗闇又は点灯エリア内に存在することができる。
【0033】
交差点54、56及び58では、経路44の収束特性の組み合わせを発することができる。車両12のコントローラは、これらを収束点として認識し、これらの点を越える特性を識別し、交差点を越える割り当て経路44を発見し、車両12を割り当て経路に沿って移動させ続けるようにプログラムすることができる。いくつかの実施形態では、車両12が、交差点54、56、58において、車両12のコントローラにプログラムされている通りに、或いは乗客から受け取られた入力及び/又は記憶されている車両12のコントローラの予想される特性変化に基づいて経路を変更することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、交差点54、56、58(例えば、経路分岐点)における投影経路の照明を、交差点54、56、58への到着又は接近時に必ずしも車両12がどの経路を取るかを決定しなくて済むように制御することができる。換言すれば、車両12及び経路投影システム13は、投影システム13が車両12の位置に基づいて車両12の直近の車両12の経路の一部を照明し、車両12の直近から離れた(例えば、比較的遠くの)車両12の経路の一部を非作動状態にするように、互いに通信可能に結合することができる。経路投影システム13は、車両12の位置(又はその他の情報)に基づいて他の経路の照明を非作動状態にすることもできる。例えば、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ20)は、車両12の位置を利用して、経路投影システム13が交差点54、56、58における1又は2以上の投影経路(又は1又は2以上の投影経路の1又は2以上の部分)の照明を点灯状態及び/又は非作動状態のどちらにするかを決定することができる。これにより、車両12にプログラムされた投影経路を、交差点54、56、58又はその付近でセンサ18によって観察される唯一の投影経路とすることができる。このようにすると、交差点54、56、58において車両12が複数の経路を選別する必要がなくなるので、車両12に搭載される制御システム(例えば、
図1のコントローラ20)を簡略化することができる。さらに、交差点54、56、58における投影経路の照明を駆動状態及び/又は非作動状態にすることによって、2つの車両12が互いに同じゾーン(例えば、「ブレークゾーン」)内に存在しないことを確実にすることができる。
【0034】
また、車両12が交差点54、56、58で進むべき経路を決定する上でゲストからの経路又は経路特性の好みを示す入力を組み込んでいる場合には、この入力を乗り物コントローラシステム(例えば、
図1の乗り物コントローラシステム14)に送信することができる。乗り物コントローラシステムは、入力を受け取ったことに応答して、入力(例えば、ゲストの好み)及びアトラクションのルールに基づいて経路投影システム13に経路を投影させることができる。換言すれば、乗り物コントローラシステムは、ゲストの好み及びアトラクションに関するルールに基づいて、どの経路を作動(駆動)状態及び/又は非作動状態にすべきかを決定することができる。
【0035】
図3に示すように、表面46上の経路44に沿って複数の車両12が同時に移動することもできる。車両12及び経路44は、上述した通りである。図には、3つの車両60、62、64及び3つの経路66、68、70を示す。車両12及び経路44の数は異なることもできる。各車両60、62、64は、それぞれの経路に関連する予想特性に基づいて、それぞれの経路66、68及び70に沿って移動することができる。車両60、62及び64は、互いに及び/又は乗り物コントローラシステムと通信することができる。従って、車両60、62及び64及び/又は乗り物コントローラシステムは、乗り物中に他の車両の位置を認識することができる。いくつかの実施形態では、車両60、62、64が(事前の決定通りに又は乗客入力に応答して)経路44を変更することができる。いくつかの実施形態では、(例えば、乗客の車両及び/又は乗り物コントローラシステムが)他の車両12の位置に起因して乗客入力による経路の変更を無効にすることもできる。いくつかの実施形態では、他の車両の位置に起因して、乗客入力のための特定の選択が乗客に提示されないこともある。いくつかの実施形態では、他の車両の位置、車両12がたどる赤外線投影における予想特性の欠如、又はこれらの両方に応答して、車両12を加速、減速又は停止させることができる。いくつかの実施形態では、複数の車両12が同じ経路44上を移動することもできる。
【0036】
図4に、
図2及び
図3の線4-4内で切り取った、経路44を構成する異なる投影特性を有する経路44の一部の実施形態を示す。
図4に示すように、経路44は、中央部分72を含むことができる。この実施形態では、中央部分72が、経路44に沿って車両12を誘導するためのQRコード(登録商標)パターンの第1の特性を含む。予想されるQRコード(登録商標)は、さらなる安全性のために中央部分72の行程に沿って変化することができる。このことは、(例えば、乗り物ユーザなどからの)無断投影によってパターンが容易にコピーされないことを確実にするのに役立つことができる。
【0037】
中央部分72には、複数の隣接部分が隣接することができる。例えば、中央部分72には第1の隣接部分74が隣接し、中央部分72及び第1の隣接部分74の両方には第2の隣接部分76が隣接することができる。隣接部分の数は異なることもできる。いくつかの実施形態では、第1の隣接部分72が、中央部分72、第2の隣接部分76及び他のいずれかの隣接部分とは異なる第2の特性によって定められる左側部分及び右側部分の両方を有することができる。ここでは、第1の隣接部分72が円パターンの繰り返しを含む。第3の隣接部分76は、中央部分72、第1の隣接部分76及び他のいずれかの隣接部分とは異なる特性によって定められる左側部分及び右側部分の両方を有することができる。ここでは、第3の隣接部分76が破線パターンの繰り返しを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、隣接部分74、76の特性が、車両12が中央部分72からどれほど逸脱したかについての指示(例えば、距離、割合など)に関連することができる。いくつかの実施形態では、隣接部分74、76によって投影される特性が、車両12に中央部分72に向かって修正(例えば、左に修正、右に修正など)するように命令することに関連することができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上の内側隣接部分によって投影される特性が、車両12が中央部分72からどれほど逸脱したかについての指示に関連することができ、最も外側の隣接部分によって投影される特性が、車両12に中央部分72に向かって修正するように命令することに関連することができる。いくつかの実施形態では、最も外側の隣接部分によって投影される特性が、経路44からの逸脱に起因して車両12に停止するように命令することに関連することができる。いくつかの実施形態では、隣接部分が異なる幅を有することができる。例えば、中央部分72の長さは、第1の隣接部分74及び/又は第2の隣接部分76よりも広くすることができる。広くなった隣接部分は、容易にぶつかる可能性のあるものが近くに存在しない乗り物の部分における誤検出を低減するために利用することができる。さらに、比較的広い隣接部分の採用は、ゲストが経路の隣接部分によって示される安全ゾーン(例えば、特定の車線)内に車両を維持しながら、車両の運転制御(例えば、ステアリング制御)を行うことを可能にする車両で使用することができる。
【0039】
なお、経路投影システム13は、アトラクションの乗り物フロア上に経路を投影することができる。乗り物フロアは、異なる制限に対応する異なる投影パターンを有する異なる半径の同心円などのパターンの投影経路44で覆うことができる。アトラクションは、乗り物フロア上におけるゲストの自由な運転を可能にすることができるが、例えば乗り物フロア上の車両が占有する特定の同心円の特性に基づいて一定の制限(例えば、速度制限、時間制限、境界ゾーンなど)を採用することもできる。異なる投影パターンは、乗り物フロア上の車両の位置(又は他の情報)を決定する上で利用することができる。
【0040】
図5に、
図2及び
図3の線4-4内で切り取った、経路44に隣接する記号又はマーキング78を有する経路44の一部の実施形態を示す。
図5に示すように、記号又はマーキングは、車両12が検出できるように経路44に隣接して投影することができる。図示のように、記号又はマーキング78はバーコードとすることができる。いくつかの実施形態では、記号又はマーキングを、目盛り、形状、数字、パターン、QRコード(登録商標)、又は他のいずれかの種類のマーキングとすることができる。記号又はマーキング78は、車両12及び/又は乗り物コントローラシステムに経路44に関する情報(例えば、移動距離、経路情報、速度など)を伝えることができる。
【0041】
図6は、
図2及び
図3の線4-4内で切り取った、経路44の行程にわたって異なる特性を有する経路44の一部の実施形態を示す。図示のように、経路44の大部分(例えば、領域80)は、経路44に沿って車両12を誘導するための第1の特性(例えば、ここで示すような斜線パターン)によって定めることができる。経路44に沿った他の領域は、車両12の異なる制御動作(control actions)に関連することができる異なる特性を含むことができる。例えば、領域80が斜線パターンを投影する一方で、領域82は二重隣接円パターンを投影することができる。いくつかの実施形態では、領域82によって投影される特性が、車両12の回転又は他の何らかの動作(例えば、跳ね返り、傾きなど)を引き起こすことができる。いくつかの実施形態では、この特性の観察に基づいて、車両コントローラがショーアニメーションをトリガすることができる。いくつかの実施形態では、他の領域(例えば、領域84、86)が、車両12に関する他の制御動作(例えば、加速、減速、停止など)を提供することができる。領域84、86と同様の1又は2以上の領域は、互いに離間又は接触することができる。これらの領域84、86は、互いに及び領域80と異なる投影特性を含むことができる。各領域80、84、86は、車両12のいくつかの特性を制御することができる。例えば、各領域80、84及び86は、車両12の特定の速度に関連することができる。例えば、領域80は、経路44に沿った車両12の通常速度に関連することができ、領域84は、より速い速度に関連することができ、領域86は、さらに速い速度に関連することができる。或いは、領域84は、より遅い速度に関連し、領域86は、さらに遅い速度に関連することもできる。いくつかの実施形態では、領域による投影
される特性
(projected characteristics)の変化が漸次的移行を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、領域80、84、86が共通の形状又はパターンの異なるサイズの大きさを投影することができ、ここでの形状又はパターンは速度変化(又は他の制御タイプ)を示し、大きさは速度変化(又は他の制御タイプ)の大きさを示す。経路44は、車両12の加速及び減速の両方のための領域の組み合わせを含むこともできる。
【0042】
図7は、
図1の乗り物車両誘導システム10を利用する娯楽用アトラクションにおいて車両12を誘導する方法88の実施形態のフローチャートである。方法88のステップの1つ又は2つ以上は、車両のコントローラ20及び/又は乗り物コントローラシステム14によって実行することができる。方法88のステップの1つ又は2つ以上は、同時に及び/又は図示の順序とは異なる順序で実行することもできる。方法88は、経路44に沿って車両12を誘導するために赤外線投影特性を取得することを含むことができる(ブロック90)。いくつかの実施形態では、車両12が複数の特性を取得することができる。例えば、乗り物の第1の部分は、第1の特性を有する第1の経路をたどり、乗り物の第2の部分は、異なる特性を有する異なる経路をたどることができる。各車両12には、(発見して従うべき特定の予想特性を有する)特定の経路を割り当てることができる。割り当てられる特定の予想特性は、車両のコントローラ20及び/又は乗り物コントローラシステム14のそれぞれのメモリから取得することができる。いくつかの実施形態では、乗り物の開始前に、乗客が、(例えば、テーマ、スリルレベルなどに関する)提示された選択に基づいて入力を提供することができ、入力は、1又は2以上の経路44に関連する1又は2以上の特定の予想特性に関連することができる。いくつかの実施形態では、乗り物中に複数の車両が利用されようとしている場合、各車両12は、それぞれの経路を定めるためにそれぞれの予想特性又は予想特性セットを取得することができる。いくつかの実施形態では、複数の車両の場合、各車両12が、乗車前又は乗車中に他の車両及びそのそれぞれの経路に関する予想特性及び/又はその他の情報を取得することができる。予想特性セットに基づいて、いくつかの車両12には、特定の制御特性を無視するように命令する一方で、他の車両には、同じ特性が検出された時に制御動作を実行するように命令することができる。例えば、1つの車両12は、典型的には車両12にスピンするように命令する二重隣接円パターンを無視することができ、別の車両12は、このような特性が観察された時にスピンすることができる。
【0043】
方法88は、車両12において移動面上の赤外線投影を検出することを含むこともできる(ブロック92)。方法88は、車両12上のセンサを介して、赤外線投影によって投影された特性を検出することをさらに含むことができる(ブロック94)。例えば、赤外線投影では、形、サイズ、厚み、物体などの特定のパターンを投影することができる。
【0044】
方法88は、検出された特性を車両12に関連する予想特性と比較することを含むことができる(ブロック96)。検出された特性が予想特性と同じである場合、方法88は、経路44に沿って車両12を誘導又は移動させ、及び/又は一致する(matched)予想特性及び検出された特性に基づいて他の制御動作を実行することを含むことができる(ブロック98)。例えば、車両12の制御機能は、特定の特性が観察された時に、車両12が加速、傾斜、スピン、ショー特徴のトリガなどを行うべきであることを示すことができる。従って、このような特性が観察されると、車両12は(例えば、車両コントローラを介して)動作を開始することができる。
【0045】
検出された特性が予想特性と異なる場合、方法88は、車両12が緩和行動を行うことを含むことができる。例えば、いくつかの例では、このような相違の観察が、車両が誤った経路44上に存在することを示すことができる。車両12を停止させ、及び/又は(例えば、車両12が正しい経路44に戻るために従う中間投影を作動させることによって)正しい経路に戻るように指示することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、方法88が、乗車中に乗客から入力を受け取ることを含むことができる(ブロック102)。乗客は、(例えば、テーマ、スリルレベルなどに関する)提示された選択に基づいて入力を提供することができ、入力は、1又は2以上の経路44に関連する1又は2以上の特定の特性に関連することができる。いくつかの実施形態では、入力が同じ特性に関連することができ、車両12が同じ経路を維持する。いくつかの実施形態では、乗客入力が、予想特性を、従って車両12を誘導する経路44を変更する異なる特性に関連することができる(ブロック104)。いくつかの実施形態では、入力が、既に割り当てられている経路に沿って、投影される特性を変更することができる。例えば、現在従っている経路が点を投影している場合、投影が動的に破線に変化することができる。
【0047】
上記の実施形態は娯楽用乗り物に関するものであるが、同じ技術を他の用途に利用することもできる。例えば、これらの技術は、いずれかの無人搬送車(AGV)に適用することができる。また、これらの技術は、人間の輸送のために設計されていない乗り物/ショー環境における移動要素に適用することもできる。例えば、アニメフィギュア(歩行ロボットなど)は、上述したものと同じ投影光ナビゲーションシステムを使用して、光投影を有する経路上を移動することができる。さらに、赤外線投影を中心に説明を行ったが、可視光投影などの他の投影を使用することもできる。本説明は、実施形態を遊園地乗り物又は赤外線投影に限定するように意図するものではない。
【0048】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨に従う全てのこのような修正及び変更を含むように意図されていると理解されたい。本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むいずれかの請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0049】
10 乗り物車両誘導システム
12 車両
13 経路投影システム
14 乗り物コントローラシステム
18 センサ
20 コントローラ
22 メモリ
24 プロセッサ
26 ステアリングシステム
28 入力装置
30 トランシーバ
32 コントローラ
34 メモリ
36 プロセッサ
38 トランシーバ