(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】非線形光学デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/138 20060101AFI20241119BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20241119BHJP
C08C 19/22 20060101ALI20241119BHJP
G02F 1/35 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
G02B6/138
G02B6/12 371
C08C19/22
G02F1/35
(21)【出願番号】P 2022540154
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 JP2021026467
(87)【国際公開番号】W WO2022024761
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】P 2020130371
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】村上 泰典
(72)【発明者】
【氏名】大友 明
(72)【発明者】
【氏名】山田 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】横濱 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】上田 里永子
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-295143(JP,A)
【文献】特開2008-024832(JP,A)
【文献】特開2007-108515(JP,A)
【文献】NAKADAI et al.,Design of double-slotted high-Q photonic crystal nanocavity filled with electro-optic polymer,2016 21st OptoElectronics and Communications Conference (OECC) held jointly with 2016 International Conference on Photonics in Switching (PS),IEEE,2016年07月03日,WE3-2
【文献】YAN et al.,Dynamic modulation of wideband slow light with continuous group index in polymer-filled photonic crystal waveguide,Applied Optics,米国,Optical Society of America,2017年12月10日,Vol. 56, No. 35,pp. 9749-9756
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12-6/14
G02F 1/00-1/125
1/21-7/00
IEEE Xplore
Scopus
(57)【特許請求の範囲】
【請求項7】
前記非線形光学ポリマーは、下記式(I):
【化1】
によって表される構造を含み、
上記式(I)中、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、チオール基、またはアミノ基を示す、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の非線形光学デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記第1溶質は、非線形光学ポリマーを含み、
前記凹部の少なくとも一部は、前記半導体基板の前記表面に沿って線状に延びるように形成され、
減圧雰囲気下において、前記凹部に前記第1液体材料が充填され、
前記凹部の幅に対する、前記凹部の深さの比は、0.5から12であり、
前記凹部は、170nm以下の幅を有し、
前記第1液体材料における前記第1溶質の濃度は、0質量%から35質量%であり、
前記第2液体材料における前記第2溶質の濃度は、5質量%から40質量%である、
請求項1に記載の非線形光学デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非線形光学デバイスの製造方法に関する。本出願は、2020年7月31日に出願した日本特許出願である特願2020-130371号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
基板の表面に形成された微小凹部に、液体材料を充填する方法が検討されている(例えば、特許文献1から5、非特許文献1を参照のこと)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-071934号公報
【文献】特開2004-103817号公報
【文献】特表2007-509769号公報
【文献】特開2011-210942号公報
【文献】特開2014-099525号公報
【0004】
【文献】H.Hiroshima,M.Komuro,”Control of Bubble Defects in UV Nanoimprint”Japanese Journal Applied Physics,Vol.46,pp.6391-6394(Sep.2007)
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様に係る非線形光学デバイスの製造方法は、
半導体基板の表面に凹部を形成すること、
減圧環境下において、前記凹部に第1液体材料を充填すること、
前記凹部に充填された前記第1液体材料に、第2液体材料を接触させることにより、第3液体材料を調製すること、
および、
前記第3液体材料を固化することにより、埋め込み部を形成すること、
を含み、
前記第1液体材料は、第1溶質と第1溶媒とを含むか、または前記第1溶媒のみからなり、
前記第2液体材料は、第2溶質と第2溶媒とを含み、
前記第2溶質は、非線形光学ポリマーを含み、
前記第2液体材料における前記第2溶質の濃度は、前記第1液体材料における前記第1溶質の濃度よりも高い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造方法の概略フローチャートである。
【
図2】
図2は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第1概略断面図である。
【
図3】
図3は、凹部の第1例を示す概略上面図である。
【
図4】
図4は、凹部の第2例を示す概略上面図である。
【
図5】
図5は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第2概略断面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第3概略断面図である。
【
図7】
図7は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第4概略断面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第5概略断面図である。
【
図9】
図9は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第6概略断面図である。
【
図10】
図10は、No.2の製造過程を示す第1概略断面図である。
【
図11】
図11は、No.2の製造過程を示す第2概略断面図である。
【
図12】
図12は、No.3の製造過程を示す概略断面図である。
【
図14】
図14は、No.2の光伝搬ストリーク像の測定例である。
【
図18】
図18は、サイドチェーンコポリマーの合成スキームの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<本開示が解決しようとする課題>
非線形光学(Nonlinear оptics:NLO)デバイスにおいて、埋め込
み構造が検討されている。埋め込み構造は、半導体基板の表面に形成された凹部に、NLOポリマーが充填されることにより形成される。例えば、NLOポリマーが溶解したポリマー溶液が使用される。すなわち、ポリマー溶液が、凹部を有する半導体基板の表面に塗布され、固化されることにより、埋め込み部が形成され得る。
【0008】
NLOデバイスの小型化および高集積化が進むにつれて、より幅が狭く、より深い凹部にポリマー溶液を充填することが求められる。幅が狭く、深い凹部になるほど、充填後の凹部に空隙が残存しやすくなる。例えば、埋め込み部が光導波路を含む場合、埋め込み部内の空隙によって光が散乱し得る。その結果、伝搬損失が生じる可能性がある。
【0009】
空隙を低減するために、例えば、凹部に充填されたポリマー溶液を加熱することが考えられる。ポリマー溶液の温度が上昇することにより、気泡が動きやすくなり、空隙の低減が期待される。
【0010】
ここで、NLOポリマーは、例えば、ホストポリマーとゲスト分子とを含む。ゲスト分子は、ホストポリマー中に分散している。ゲスト分子は極性分子であり、NLO活性を有する。ポリマー溶液が加熱されることにより、NLOポリマーが流動する程度に、ポリマー溶液の温度が上昇すると、双極子相互作用により、ゲスト分子が凝集する可能性がある。ゲスト分子が凝集することにより、NLO活性が消失する可能性がある。
【0011】
空隙を低減するために、例えば、加圧雰囲気下において、凹部にポリマー溶液を充填することが考えられる。加圧により気泡が収縮すると考えられる。気泡の収縮により、空隙の低減が期待される。しかし、気泡は、圧力に反比例して小さくなるに過ぎない。したがって、空隙を完全に除去することはできないと考えられる。
【0012】
空隙を低減するために、例えば、減圧雰囲気下において、凹部に充填されたポリマー溶液を脱泡することが考えられる。減圧脱泡は、溶媒の揮発を伴うと考えられる。溶媒の揮発は、ポリマー溶液の表面で起こる。そのため、ポリマー溶液の表面から固化が始まる。減圧脱泡時に、ポリマー溶液が表面から固化することにより、脱泡が阻害されたり、埋め込み部の表面に凹凸が形成されたりする可能性がある。例えば、埋め込み部が光導波路を含む場合、表面の凹凸が光学特性を低下させる可能性がある。したがって、光学特性への影響が十分小さくなるように、表面から光導波路を遠ざけることが求められる。その結果、NLOデバイスの小型化が阻害される可能性がある。
【0013】
本開示の目的は、NLOデバイスにおいて、平滑な表面を有し、かつ空隙が少ない埋め込み部を形成することである。
【0014】
<本開示の効果>
本開示によれば、平滑な表面を有し、かつ空隙が少ない埋め込み部が形成されることが期待される。
【0015】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様およびその説明が列記される。ただし、本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否は、請求の範囲を限定しない。
【0016】
〔1〕本開示の一態様に係る非線形光学デバイスの製造方法は、下記(a)から(d)を含む。
(a)半導体基板の表面に凹部を形成する。
(b)減圧環境下において、凹部に第1液体材料を充填する。
(c)凹部に充填された第1液体材料に、第2液体材料を接触させることにより、第3液体材料を調製する。
(d)第3液体材料を固化することにより、埋め込み部を形成する。
第1液体材料は、第1溶質と第1溶媒とを含むか、または第1溶媒のみからなる。第2液体材料は、第2溶質と第2溶媒とを含む。第2溶質は、非線形光学ポリマーを含む。第2液体材料における第2溶質の濃度は、第1液体材料における第1溶質の濃度よりも高い。
【0017】
本開示の第2液体材料は、第1液体材料に比して高い濃度を有する。ここでは、第2液体材料が「高濃度溶液」とも記される。第1液体材料が「低濃度溶液」とも記される。ただし「高濃度および低濃度」は、第2液体材料と第1液体材料との間における相対的な濃度を示しており、絶対的な濃度を示していない。
【0018】
本開示のNLOデバイスの製造方法においては、まず低濃度溶液(第1液体材料)が凹部に充填される。第1液体材料は溶媒のみからなっていてもよい。低濃度溶液は、低粘度を有し得る。低濃度溶液は、凹部に入り込みやすいと考えられる。低濃度溶液中では、気泡が移動しやすいと考えられる。すなわち、気泡が抜けやすいと考えられる。
【0019】
さらに、低濃度溶液は、減圧環境に曝されても、表面から固化が進行し難いと考えられる。
【0020】
凹部が低濃度溶液で満たされた後、低濃度溶液に高濃度溶液(第2液体材料)が加えられる。高濃度溶液から低濃度溶液へ溶質(NLOポリマー)が拡散することにより、混合溶液(第3液体材料)が形成される。凹部内の混合溶液が固化されることにより、埋め込み部が形成される。本開示における「固化」は、溶液から溶媒を実質的に除去することにより、溶質を析出させることを示す。
【0021】
上記のように、本開示のNLOデバイスの製造方法においては、低濃度溶液(第1液体材料)が凹部の隅々まで浸透し得るため、気泡の低減が期待される。したがって、固化後の埋め込み部においても、空隙の低減が期待される。
【0022】
さらに、低濃度溶液(第1液体材料)においては、表面から固化が進行し難いと考えられる。したがって、埋め込み部の表面が平滑になることが期待される。
【0023】
〔2〕上記〔1〕に記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
第1溶質は、例えば、非線形光学ポリマーを含んでいてもよい。
【0024】
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
凹部の少なくとも一部は、例えば、半導体基板の表面に沿って線状に延びるように形成されてもよい。
【0025】
線状に延びる凹部は「スロット」等とも称され得る。凹部が線状に延びることにより、例えば、スロット導波路型のNLOデバイスが製造され得る。
【0026】
〔4〕上記〔1〕から〔3〕のいずれか1つに記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
凹部の幅に対する、凹部の深さの比は、例えば、0.5から12であってもよい。
【0027】
以下「凹部の幅(w)に対する、凹部の深さ(d)の比」が「アスペクト比(d/w)」とも記される。アスペクト比が0.5以上であることにより、例えば、高集積化が期待される。アスペクト比が12以下であることにより、例えば、空隙の低減が期待される。
【0028】
〔5〕上記〔1〕から〔4〕のいずれか1つに記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
凹部は、例えば、170nm以下の幅を有していてもよい。
【0029】
本開示のNLOデバイスの製造方法においては、例えば、170nm以下の幅を有する狭い凹部であっても、空隙の低減が期待される。
【0030】
〔6〕上記〔1〕から〔5〕のいずれか1つに記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
第1液体材料における第1溶質の濃度は、例えば、0質量%から35質量%であってもよい。第2液体材料における第2溶質の濃度は、例えば、5質量%から40質量%であってもよい。
【0031】
例えば、第1液体材料の濃度が35質量%以下であることにより、空隙の低減が期待される。例えば、第2液体材料の濃度が40質量%以下であることにより、溶質の拡散に要する時間が短くなり得る。
【0032】
〔7〕上記〔1〕から〔6〕のいずれか1つに記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
非線形光学ポリマーは、例えば、下記式(I):
【化1】
によって表される構造を含んでいてもよい。
上記式(I)中、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、チオール基、またはアミノ基を示す。
【0033】
上記式(I)の構造は、電子吸引基(アクセプター)となり得る。上記式(I)の構造を含むNLOポリマーにおいては、大きなNLO効果が期待される。
【0034】
〔8〕上記〔1〕から〔7〕のいずれか1つに記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
第1溶媒および第2溶媒の各々は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、アセチルアセトン、メチルアミルケトン、n-メチルケトン、γ-ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジブロモメタン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、1,1,2-トリブロモエタン、1,1,2,2-テトラブロモエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびエチルセロソルブアセテートからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0035】
〔9〕上記〔1〕から〔8〕のいずれか1つに記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
第2溶媒は、例えば、第1溶媒と同一材料であってもよい。第2溶質は、例えば、第1溶質と同一材料であってもよい。
【0036】
第2溶媒が第1溶媒と同一材料であり、かつ第2溶質が第1溶質と同一材料であることにより、例えば、第2液体材料と第1液体材料とが均一に混ざり合うことが期待される。
【0037】
〔10〕上記〔1〕に記載の非線形光学デバイスの製造方法において、
第1溶質は、例えば、非線形光学ポリマーを含んでいてもよい。例えば、凹部の少なくとも一部は、半導体基板の表面に沿って線状に延びるように形成されてもよい。凹部の幅に対する、凹部の深さの比は、0.5から12であってもよい。凹部は、170nm以下の幅を有していてもよい。第1液体材料における第1溶質の濃度は、0質量%から35質量%であってもよい。第2液体材料における第2溶質の濃度は、5質量%から40質量%であってもよい。
【0038】
<本開示の実施形態の詳細>
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」とも記される。)が詳細に説明される。ただし、以下の説明は請求の範囲を限定しない。
【0039】
本実施形態における幾何学的な用語(例えば「平行」、「垂直」、「直線」等)は、実質的にその状態であればよいことを示している。本実施形態における幾何学的な用語は、厳密な意味に解されるべきではない。例えば「平行」は、実質的に平行である状態を示す。すなわち「平行」は、厳密な意味での「平行」状態から多少ずれていてもよい。「実質的に平行である状態」は、例えば、設計上、製造上等の公差、誤差等を当然に含み得る。
【0040】
本実施形態において、例えば「0.5から12」等の記載は、特に断りのない限り、境界値を含む範囲を示す。例えば「0.5から12」は、「0.5以上12以下」の範囲を示す。
【0041】
本実施形態における「非線形光学デバイス」は、半導体基板と非線形光学ポリマーとを少なくとも含む製品を示す。例えば、非線形光学デバイスは、半導体基板と、非線形光学ポリマーとからなっていてもよい。半導体基板と非線形光学ポリマーとを少なくとも含む限り、非線形光学デバイスは任意のデバイスであり得る。非線形光学デバイスは、例えば、光変調器、光スイッチ、光トランシーバー、光フェーズドアレイ、LiDAR(Light Detection And Ranging)、テラヘルツ波発生装置、テラヘル
ツ波検出装置、ポリマー膜付き半導体基板等であってもよい。
【0042】
本実施形態においては、埋め込み部を有する非線形光学デバイスが提供される。非線形光学デバイスは、埋め込み部を有する限り、任意の構造を有し得る。非線形光学デバイスは、例えば、スロット導波路構造、フォトニック結晶構造、メタマテリアル構造、プラズモン導波路構造等を有していてもよい。なお、あくまで一例として、スロット導波路構造、およびフォトニック結晶構造が後述される。
【0043】
本実施形態における「非線形光学ポリマー」は、非線形光学効果を示すポリマー材料である。非線形光学効果は、例えば、電気光学効果等であってもよいし、光高調波発生、光カー効果等であってもよい。すなわち、本実施形態における「非線形光学ポリマー」は、「電気光学ポリマー」を含む。本実施形態における「非線形光学デバイス」は、「電気光学デバイス」を含む。
【0044】
本実施形態において、1μm以下の寸法(例えば、凹部の幅等)は、電子顕微鏡画像において測定される。1つの測定対象について、電子顕微鏡画像は、別々の3箇所以上で撮影される。各電子顕微鏡画像において、それぞれ3箇所以上で寸法が測定される。すなわち寸法は9箇所以上で測定される。9箇所以上の算術平均値が、測定対象の寸法とみなされる。電子顕微鏡は、測定対象に応じて任意に選択される。電子顕微鏡は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)等であってもよいし、走査電子顕微鏡(SEM)等であってもよい。
【0045】
<非線形光学デバイスの製造方法>
図1は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造方法の概略フローチャートである。本実施形態のNLOデバイスの製造方法は、「(a)凹部の形成」、「(b)第1液体材料の充填」、「(c)第2液体材料の追加」、および「(d)固化」を含む。本実施形態のNLOデバイスの製造方法は、「(e)ポーリング」等をさらに含んでいてもよい。
【0046】
《(a)凹部の形成》
図2は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第1概略断面図である。本実施形態のNLOデバイスの製造方法は、半導体基板100の表面101に凹部10を形成することを含む。
【0047】
(半導体基板)
半導体基板100は、任意の形状を有し得る。半導体基板100の平面形状は、例えば、円形であってもよいし、矩形であってもよい。半導体基板100は、例えば、25mmから300mmの径を有していてもよい。半導体基板100の平面形状が円形である時、半導体基板100の径は、円の直径を示す。半導体基板100の平面形状が円形ではない時、半導体基板100の径は、半導体基板100の輪郭線上において最も離れた2点間の距離を示す。
【0048】
半導体基板100は、任意の半導体材料を含み得る。半導体基板100は、例えば、シリコン(Si)、炭化珪素(SiC)、インジウムリン(InP)、ガリウム砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンド、窒化シリコン(Si3N4)、酸化チタン(TiO2)、酸窒化タンタル(TaON)、五酸化タンタル(Ta2O5)、酸窒化ニ
オブ(NbON)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、IZO〔(In2O3)x(ZnO)1-x〕、IGZO〔(In2O3)x(ZnO)y(Ga2O3)z、x+y+z=1〕、AZO〔(
Al2O3)x(ZnO)1-x〕、およびTTON〔(TiO2)x(TaON)1-x〕等から
なる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。なお、上記の例では化学量論的組成式で代表して記載したが、厳密に化学量論的組成式で表される材料に限定される訳ではなく、化学量論的組成式で代表される半導体材料を示している。
【0049】
半導体基板100は、例えば、単層構造を有していてもよい。例えば、半導体基板100は、Si基板110のみからなっていてもよい。半導体基板100は、例えば、多層構造を有していてもよい。半導体基板100は、例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板であってもよい。すなわち、半導体基板100は、例えば、Si基板110と、BOX(Buried оxide)層120と、Si活性層130とを
含んでいてもよい。Si活性層130は、Si単結晶層である。Si活性層は、例えば、不純物がドーピングされていてもよい。BOX層120は、Si基板110とSi活性層130との間に介在している。BOX層120は、二酸化珪素(SiO2)を含む。BO
X層120上に光導波路が形成されることにより、例えば、強い光閉じ込め効果が期待される。
【0050】
SOI基板の各層は、任意の厚さを有し得る。BOX層120は、例えば、0.1μmから50μmの厚さを有していてもよい。BOX層120は、例えば、1μmから10μmの厚さを有していてもよい。Si活性層130は、例えば、0.1μmから500μmの厚さを有していてもよい。Si活性層130は、例えば、0.1μmから1μmの厚さを有していてもよい。Si活性層130は、例えば、0.1μmから0.5μm(100nmから500nm)の厚さを有していてもよい。Si基板110は、例えば、100μmから1mmの厚さを有していてもよい。
【0051】
(凹部)
凹部10は、任意の方法により形成され得る。例えば、リソグラフィーによるパターニングと、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)とにより、凹部10が形成されてもよい。例えば、凹部10の開口部が周囲よりも高くなるように、凹部10の周囲が削り取られてもよい。
【0052】
本実施形態における「凹部10」は、側壁11と底部12とを含む。側壁11は、半導体基板100の表面101と交差している。側壁11は、平面を有していてもよいし、曲面を有していてもよい。例えば、側壁11は、実質的に、半導体基板100の表面101に垂直であってもよい。例えば、側壁11は、半導体基板100の表面101から傾斜していてもよい。
【0053】
図2の断面において、底部12は、相対する一対の側壁11を連結している。底部12は、例えば、平面を有していてもよいし、曲面を有していてもよい。
図2の断面において、底部12は、例えば点であってもよい。底部12は、例えば、半導体基板100の表面101と平行であってもよい。底部12は、例えば、半導体基板100の表面101と平行でなくてもよい。凹部10の断面形状は、例えば、矩形状、U字状、V字状等であってもよい。例えば、
図17に示されるように、底部12の幅が、開口部の幅よりも大きくてもよい。
【0054】
半導体基板100がSOI基板である場合、底部12は、例えば、Si活性層130内に位置していてもよい。底部12は、例えば、BOX層120内に位置していてもよい。底部12は、例えば、Si基板110内に位置していてもよい。
【0055】
凹部10の平面形状が円形である時、凹部10の「幅(w)」は、円の直径を示す。凹部10の平面形状が円形でない時、凹部10の「幅(w)」は、凹部10の平面形状の短径を示す。本実施形態の「短径」は次のように定義される。凹部10の平面形状の輪郭線上において、最も離れた2点を結ぶ直線が長径である。長径に直交する径のうち、最も大きい径が短径である。なお、凹部10の平面形状が線状に延びている場合、長径が特定されない場合がある。この場合、凹部の上面図(
図3)において、凹部10の延びる方向と直交する方向の幅が、凹部10の幅(w)とみなされる。
【0056】
凹部10は、任意の幅(w)を有し得る。凹部10は、例えば、170nm以下の幅(w)を有していてもよい。本実施形態のNLOデバイスの製造方法においては、例えば、170nm以下の幅(w)を有する狭い凹部10であっても、空隙の低減が期待される。凹部10は、例えば、150nm以下の幅(w)を有していてもよい。凹部10は、例えば、100nm以下の幅(w)を有していてもよい。幅(w)の下限は任意である。凹部10は、例えば、10nm以上の幅(w)を有していてもよい。凹部10は、例えば、50nm以上の幅(w)を有していてもよい。凹部10は、例えば、80nm以上の幅(w)を有していてもよい。
【0057】
凹部10の「深さ(d)」は、半導体基板100の表面101に垂直な断面(例えば
図2)において、凹部10の中で最も深い箇所と、凹部10の開口部との最短距離を示す。凹部10は、任意の深さ(d)を有し得る。凹部10は、例えば、50nm以上の深さ(d)を有していてもよい。凹部10は、例えば、100nm以上の深さ(d)を有していてもよい。凹部10は、例えば、200nm以上の深さ(d)を有していてもよい。深さ(d)の上限は任意である。凹部10は、例えば、3μm以下の深さ(d)を有していてもよい。凹部10は、例えば、2μm以下の深さ(d)を有していてもよい。凹部10は、例えば、1μm以下の深さ(d)を有していてもよい。凹部10は、例えば、300nm以下の深さ(d)を有していてもよい。
【0058】
凹部10は、任意のアスペクト比(d/w)を有し得る。凹部10は、例えば、0.5から12のアスペクト比(d/w)を有していてもよい。アスペクト比(d/w)が0.5以上であることにより、例えば、高集積化が期待される。凹部10は、例えば、1以上のアスペクト比(d/w)を有していてもよい。凹部10は、例えば、1.5以上のアスペクト比(d/w)を有していてもよい。アスペクト比(d/w)が12以下であることにより、例えば、空隙の低減が期待される。凹部10は、例えば、8以下のアスペクト比(d/w)を有していてもよい。凹部10は、例えば、4以下のアスペクト比(d/w)を有していてもよい。凹部10は、例えば、0.5から4のアスペクト比(d/w)を有していてもよい。
【0059】
凹部10は、任意の平面形状を有し得る。凹部10の平面形状は、例えば、円形、多角形等であってもよい。多角形は、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等であってもよい。
【0060】
図3は、凹部の第1例を示す概略上面図である。凹部10は、例えば、線状に延びるように形成されてもよい。線状に延びる凹部にNLOポリマーが充填されることにより、例えば、スロット導波路構造が形成され得る。
図3中の矢印は、光の伝搬方向を示している。凹部10は、例えば、直線状に延びていてもよい。凹部10は、例えば、曲線状に延びていてもよい。凹部10は、例えば、折れ線状に延びていてもよい。凹部10は、例えば、複数に分岐していてもよい。例えば、複数の凹部10が1つに合流していてもよい。
【0061】
図4は、凹部の第2例を示す概略上面図である。凹部10は、例えば、フォトニック結晶構造を形成していてもよい。フォトニック結晶構造において、凹部10の平面形状は、例えば、円形等であってもよい。例えば、半導体基板100の表面101において、複数の凹部10が三角格子状に配列される。例えば、一列分の凹部10に、NLOポリマーが充填されてもよい。NLOポリマーが充填された一列分が、フォトニック結晶導波路を形成し得る。
図4中の矢印は、光の伝搬方向を示している。さらに、線状に延びるスロット構造の周囲にフォトニック結晶構造が組み合わされてもよい。この場合、複数の凹部10のうち一部の凹部10が、半導体基板100の表面に沿って線状に延びることになる。すなわち、凹部10の少なくとも一部が、半導体基板100の表面に沿って線状に延びていてもよい。
【0062】
図5は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第2概略断面図である。本実施形態においては、凹部10の形成に加えて、不純物のドーピング、および電極の形成等が実施されてもよい。
【0063】
例えば、Si活性層130に第1ドーピング領域131および第2ドーピング領域132が形成されてもよい。各ドーピング領域は、任意の方法により形成され得る。例えば、イオン注入等が実施されてもよい。第1ドーピング領域131および第2ドーピング領域132の各々は、例えば、n型の導電型を有していてもよい。第1ドーピング領域131および第2ドーピング領域132の各々は、例えば、リン(P)等の不純物がドーピングされていてもよい。
【0064】
第1ドーピング領域131は、凹部10の側壁11を含む。第1ドーピング領域131は、相対的に低いドーピング濃度を有していてもよい。第1ドーピング領域131が低いドーピング濃度を有することにより、例えば、伝搬損失が小さくなることが期待される。
【0065】
第2ドーピング領域132は、電極200と接触している。第2ドーピング領域132は、相対的に高いドーピング濃度を有していてもよい。第2ドーピング領域132が高いドーピング濃度を有することにより、例えば、電極200との接触抵抗が低減することが期待される。
【0066】
第1ドーピング領域131におけるドーピング濃度は、例えば、第2ドーピング領域132におけるドーピング濃度よりも低くてもよい。第1ドーピング領域131におけるドーピング濃度は、例えば、1×1016cm-3から1×1017cm-3であってもよい。第2ドーピング領域132におけるドーピング濃度は、例えば、1×1017cm-3から1×1018cm-3であってもよい。
【0067】
本実施形態において、不純物のドーピングは、任意のタイミングで実施され得る。例えば、凹部10の形成前に、不純物のドーピングが実施されてもよい。例えば、凹部10の形成後に、不純物のドーピングが実施されてもよい。
【0068】
電極200は、例えば、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、および白金(Pt)等からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。電極200は、任意の方法により形成され得る。例えば、蒸着法等により、電極200が形成されてもよい。電極200は、例えば、信号電極等であってもよい。電極200は、例えば、接地電極等であってもよい。
【0069】
本実施形態において、電極200は、任意のタイミングで形成され得る。例えば、ポリマー溶液の塗布前に、電極200が形成されてもよい。例えば、ポリマー膜300の形成後に、電極200が形成されてもよい。
【0070】
《(b)第1液体材料の充填》
図6は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第3概略断面図である。本実施形態のNLOデバイスの製造方法は、減圧環境下において、凹部10に第1液体材料31を充填することを含む。
【0071】
第1液体材料31は、任意の方法により、凹部10に充填される。例えば、スピンコート法等によって、第1液体材料31が半導体基板100の表面101に塗布されてもよい。例えば、雰囲気圧力を制御できるスピンコーター等が使用されてもよい。
【0072】
本実施形態における「減圧雰囲気」は、大気圧未満の圧力を有する雰囲気を示す。減圧雰囲気下においては、脱泡が促進されると考えられる。第1液体材料31は、低濃度溶液であるか、溶媒そのものである。第1液体材料31の表面において、材料の固化は起こり難いと考えられる。減圧雰囲気は、例えば、0.1Paから90kPaの圧力を有していてもよい。減圧雰囲気は、例えば、100Paから80kPaの圧力を有していてもよい。減圧雰囲気は、例えば、3kPaから70kPaの圧力を有していてもよい。
【0073】
第1液体材料31は第1溶質と第1溶媒とを含むか、または第1液体材料31は第1溶媒のみからなる。第1溶質は、第1溶媒に溶解している。第1液体材料31における第1溶質の濃度は、例えば、0質量%から35質量%であってもよい。第1液体材料31における第1溶質の濃度は、例えば、0質量%から20質量%であってもよい。第1液体材料31における第1溶質の濃度は、例えば、0質量%から10質量%であってもよい。
【0074】
第1液体材料31は、低い粘度を有していてもよい。第1液体材料は、例えば、1mPa・sから2000mPa・sの粘度を有していてもよい。第1液体材料は、例えば、1mPa・sから1000mPa・sの粘度を有していてもよい。第1液体材料は、例えば、1mPa・sから10mPa・sの粘度を有していてもよい。本実施形態における液体の「粘度」は、RheoSense社製の微量サンプル粘度計(製品名「micrо V
ISC」)によって測定され得る。該粘度計と同等品が使用されてもよい。測定温度は、25℃±1℃である。1つの測定対象について、粘度は3回以上測定される。3回以上の結果の算術平均値が、測定対象の粘度とみなされる。
【0075】
(溶媒)
第1溶媒は、任意の成分を含み得る。第1溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、アセチルアセトン、メチルアミルケトン、n-メチルケトン、γ-ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジブロモメタン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、1,1,2-トリブロモエタン、1,1,2,2-テトラブロモエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびエチルセロソルブアセテートからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0076】
(溶質)
第1溶質は、任意の成分を含み得る。第1溶質は、実質的に1種の成分のみからなっていてもよいし、複数種の成分からなっていてもよい。第1溶質は、例えば、低分子化合物、オリゴマー、ポリマー等を含んでいてもよい。
【0077】
第1溶質は、例えば界面活性剤等を含んでいてもよい。界面活性剤は、例えば、溶媒の蒸発抑制剤として機能してもよい。界面活性剤が蒸発抑制剤として機能することにより、例えば、第1液体材料31および第3液体材料33(後述)の表面において、溶媒の蒸発が低減し得る。その結果、例えば、ポリマー膜300(後述)の表面粗さが小さくなることが期待される。界面活性剤は、例えば、フッ素系界面活性剤等(例えばDIC社製の製品名「メガファック」等)を含んでいてもよい。
【0078】
第1溶質は、例えば、NLO色素分子等を含んでいてもよい。NLO色素分子は、NLO活性を有する分子を示す。NLO色素分子は、例えば、後述の電気光学(Electro-Optic:EO)色素分子を含んでいてもよい。第1溶質がNLO色素分子を含むことにより、例えば、ポーリング処理時に、NLO色素分子の配向性が向上することが期待される。
【0079】
第1溶質は、例えば、NLOポリマーを含んでいてもよい。第1溶質は、実質的にNLOポリマーのみからなっていてもよい。NLOポリマーは、非線形光学効果を示すポリマー材料である。NLOポリマーは、例えば、EOポリマー等を含んでいてもよい。NLOポリマーは、例えば、実質的にEOポリマーのみからなっていてもよい。
【0080】
(EOポリマー)
EOポリマーは、電気光学効果を示す。EOポリマーは、電気光学効果を示す限り、任意の成分を含み得る。EOポリマーは、例えば、ゲスト/ホストポリマー等を含んでいてもよい。ゲスト/ホストポリマーは、ゲスト分子とホストポリマーとを含む。ゲスト分子は、ホストポリマーに分散している。ゲスト/ホストポリマーにおけるゲスト分子の濃度は、例えば、10質量%から50質量%であってもよい。ホストポリマーは、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)等を含んでいてもよい。
【0081】
ゲスト分子は、電気光学効果を示す。ゲスト分子は「EO色素分子」とも記される。ゲスト分子は、例えば、電子供与基(ドナー)と、連結基と、電子吸引基(アクセプター)とを含んでいてもよい。連結基は、ドナーとアクセプターと連結している。連結基は、例えば、π共役構造等を含んでいてもよい。連結基は、例えば、下記式(II)から(IV):
【化2】
によって表される構造を含んでいてもよい。
【0082】
ドナーは、例えば、下記式(V):
【化3】
によって表される構造を含んでいてもよい。
上記式(V)中、R
3およびR
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロアルキル基、アリール基等を示す。
【0083】
アクセプターは、例えば、下記式(I):
【化4】
により表されてもよい。すなわち、NLOポリマーが、上記式(I)で表される構造を含んでいてもよい。
【0084】
上記式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、チオール基、またはアミノ基を示す。
【0085】
上記式(I)のアクセプターを含むEOポリマーは、大きな電気光学効果を示し得る。アルキル基は、例えば、メチル基等であってもよい。ハロアルキル基は、例えば、トリフルオロメチル基等であってもよい。R1、R2がアリール基である時、アリール基は置換されていてもよい。アリール基は、例えば、フェニル基、ナフチル基等であってもよい。アリール基の水素原子は、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基等によって置換されていてもよい。
【0086】
上記式(I)中、例えば、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基を示していてもよい。
【0087】
例えば、直鎖状ポリマーに、側鎖としてEO色素分子が結合されることにより、EOポリマーが形成されていてもよい。EO色素分子は、例えば、ドナーに含まれる反応性基(例えばヒドロキシ基等)の反応によって、直鎖状ポリマー(主鎖)に結合し得る。直鎖状ポリマーは、ホモポリマーであってもよいし、コポリマーであってもよい。コポリマーは、例えば、ランダムコポリマー、交互コポリマー、ブロックコポリマー、またはグラフトコポリマーのいずれであってもよい。本実施形態においては、直鎖状コポリマーに、側鎖としてEO色素分子が結合したEOポリマーが「サイドチェーンコポリマー」とも記される。
【0088】
図18は、サイドチェーンコポリマーの合成スキームの一例である。まず、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)と、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)との共重合により、直鎖状コポリマーが合成される。EO色素分子は、1個のヒドロキシ基を有する。直鎖状コポリマーの側鎖としてEO色素分子が導入される。
【0089】
例えば、EO色素分子によって、複数のポリマー鎖が架橋されていてもよい。例えば、EO色素分子が2個の反応性基を有する場合、EO色素分子が2個のポリマー鎖を架橋し得る。本実施形態においては、EO色素分子によって架橋されたEOポリマーが「クロスリンクコポリマー」とも記される。
【0090】
ゲスト/ホストポリマーにおいては、ゲスト分子が高濃度になると、ゲスト分子(EO色素分子)が凝集しやすくなると考えられる。サイドチェーンコポリマー、およびクロスリンクコポリマーにおいては、EO色素分子が凝集し難いため、EO色素分子の濃度を高めやすいと考えられる。
【0091】
《(c)第2液体材料の追加》
図7は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第4概略断面図である。
図8は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第5概略断面図である。本実施形態のNLOデバイスの製造方法は、凹部10に充填された第1液体材料31に第2液体材料32を接触させることにより、第3液体材料33を調製することを含む。
【0092】
第2液体材料32は、任意の方法により、第1液体材料31に接触する。例えば、第1液体材料31の液面に、第2液体材料32が滴下されてもよい。例えば、第1液体材料31の液面に、第2液体材料32が塗布されてもよい。例えば、第1液体材料31の液面に、第2液体材料32が吹き付けられてもよい。
【0093】
第2液体材料32は、第2溶質と第2溶媒とを含む。第2溶質は、第2溶媒に溶解している。第2溶質は、NLOポリマーを含む。第2溶質は、例えば、実質的にNLOポリマーのみからなっていてもよい。第2溶質は、NLOポリマーを含む限り、その他の成分をさらに含んでいてもよい。第2溶質は、例えば、前述の界面活性剤等をさらに含んでいてもよい。
【0094】
例えば、第1溶質がNLOポリマーを含まない時、第2溶質と第1溶質とは互いに異なる材料である。例えば、第1溶質がNLOポリマーを含む時、第2溶質と第1溶質とは互いに異なる材料であってもよいし、同一材料であってもよい。
【0095】
第2溶媒は、例えば、第1溶媒として説明された材料を含んでいてもよい。第2溶媒は、例えば、第1溶媒と異なる材料であってもよい。第2溶媒は、例えば、第1溶媒と同一材料であってもよい。第2溶質が第1溶質と同一材料であり、かつ第2溶媒が第1溶媒と同一材料であることにより、例えば、第2液体材料32と第1液体材料31とが均一に混ざり合うことが期待される。
【0096】
第2液体材料32は、高濃度溶液である。第2液体材料32における第2溶質の濃度は、第1液体材料31における第1溶質の濃度よりも高い。第2液体材料32の濃度は、例えば、5質量%から40質量%であってもよい。第2液体材料32の濃度は、例えば、10質量%から30質量%であってもよい。第2液体材料32の濃度は、例えば、10質量%から20質量%であってもよい。
【0097】
第2液体材料32の濃度と、第1液体材料31の濃度との差は、例えば、0質量%を超えて、40質量%以下であってもよい。第2液体材料32の濃度と、第1液体材料31の濃度との差は、例えば、5質量%から40質量%であってもよい。第2液体材料32の濃度と、第1液体材料31の濃度との差は、例えば、10質量%から20質量%であってもよい。
【0098】
第2液体材料32は、第1液体材料31に比して高い粘度を有していてもよい。第2液体材料32は、例えば、2mPa・sから2500mPa・sの粘度を有していてもよい。第2液体材料32は、例えば、5mPa・sから2500mPa・sの粘度を有していてもよい。第2液体材料32は、例えば、10mPa・sから2500mPa・sの粘度を有していてもよい。第2液体材料32は、例えば、100mPa・sから2500mPa・sの粘度を有していてもよい。第2液体材料32は、例えば、1000mPa・sから2500mPa・sの粘度を有していてもよい。
【0099】
第2液体材料32から第1液体材料31に溶質が拡散することにより、第3液体材料33が調製される。溶質の拡散を促進するため、液体材料が加熱されてもよい。ただし、加熱温度は、溶質が凝集しないように調整される。例えば、20℃から80℃の温度環境下において、溶質が拡散されてもよい。例えば、30℃から60℃の温度環境下において、溶質が拡散されてもよい。
【0100】
溶質の拡散は、例えば、常圧環境下で実施されてもよいし、加圧環境下で実施されてもよい。
【0101】
第3液体材料は、実質的に均一な濃度を有するように調製され得る。第3液体材料33における溶質の濃度は、例えば、5質量%から40質量%であってもよい。第3液体材料33における溶質の濃度は、例えば、5質量%から20質量%であってもよい。第3液体材料33における溶質の濃度は、例えば、5質量%から10質量%であってもよい。
【0102】
《(d)固化》
図9は、本実施形態の非線形光学デバイスの製造過程を示す第6概略断面図である。本実施形態のNLOデバイスの製造方法は、第3液体材料33を固化することにより、埋め込み部310を形成することを含む。埋め込み部310の形成により、NLOデバイス1000が完成する。
【0103】
第3液体材料33が固化することにより、ポリマー膜300が形成される。任意の方法により、第1溶媒および第2溶媒が、第3液体材料33から除去され得る。例えば、自然乾燥、減圧乾燥、スピン乾燥、熱風乾燥、および赤外線乾燥からなる群より選択される少なくとも1種が実施されてもよい。
【0104】
ポリマー膜300は、埋め込み部310を含む。埋め込み部310は、凹部10に埋め込まれている。埋め込み部310の一部または全部が、例えば、光導波路を形成してもよい。本実施形態の埋め込み部310は、低い空隙率を有し得る。そのため、光導波路における伝搬損失が小さいことが期待される。
【0105】
本実施形態のポリマー膜300(埋め込み部310)は、平滑な表面を有し得る。ポリマー膜300は、例えば、小さい表面粗さを有し得る。ポリマー膜300は、例えば、所定の表面平滑性を有し得る。ポリマー膜300が平滑な表面を有することにより、小型化可能なNLOデバイスが提供され得る。
【0106】
《(e)ポーリング》
本実施形態のNLOデバイスの製造方法は、例えば、埋め込み部310にポーリング処理を施すことをさらに含んでいてもよい。
【0107】
例えば、埋め込み部310がEOポリマーを含む場合、EOポリマーのガラス転移温度(Tg)付近まで、埋め込み部310が加熱される。加熱状態のまま、電極200間に所
定の電圧が印加される。これにより埋め込み部310が電場中に置かれる。EO色素分子は、電場の向きに沿って配向する。電圧が印加された状態で、EOポリマーが室温まで降温される。これにより、EO色素分子が配向した状態で、EO色素分子が固定され得る。
【実施例】
【0108】
以下、本開示の実施例(以下「本実施例」とも記される。)が説明される。ただし以下の説明は、請求の範囲を限定しない。
【0109】
<非線形光学デバイスの製造>
下記No.1からNo.3の製造方法により、評価用デバイス(NLOデバイス)がそれぞれ製造される。本実施例における評価用デバイスは、スロット導波路型の光変調器である。
【0110】
<No.1>
《(a)凹部の形成》
半導体基板100として、SOI基板が準備される。フォトリソグラフィーによるパターニングと、RIEとにより、凹部10が形成される。本実施例の凹部10は、線状に延びるスロットである。凹部10の幅(w)は、134nmである。凹部10の深さ(d)は、302nmである。凹部10の底部12は、BOX層120内に位置する。
【0111】
《(b)第1液体材料の充填》
本実施例における第1液体材料31は、第1溶媒のみからなる。第1溶媒は、シクロヘキサノンである。第1液体材料31における第1溶質の濃度は、0質量%である。
【0112】
半導体基板100の表面に第1液体材料31が滴下される。滴下後、第1液体材料31が減圧雰囲気下で10分間静置されることにより、第1液体材料31が十分に脱泡される。これにより、凹部10に第1液体材料31が充填される。充填後、スピンコーターによって、半導体基板100が500rpmで3秒間回転する。これにより、余分な第1液体材料31が除去される。
【0113】
《(c)第2液体材料の追加》
第2溶質として、EOポリマーが準備される。EOポリマーはクロスリンクコポリマーである。第2溶媒としてシクロヘキサノンが準備される。第2溶質が第2溶媒に溶解されることにより、第2液体材料32が調製される。第2液体材料32における第2溶媒の濃度は、16質量%である。第2液体材料32における第2溶質の濃度(16質量%)は、第1液体材料31における第1溶質の濃度(0質量%)よりも高い。
【0114】
第2液体材料32が第1液体材料31に滴下される。すなわち、第2液体材料32が第1液体材料31に接触する。室温環境下において、第2溶質(EOポリマー)が拡散することにより、第3液体材料33が調製される。第3液体材料33は、略均一な濃度を有するように調製される。
【0115】
《(d)固化》
第2液体材料32の滴下後、スピンコーターによって、半導体基板100が1500rpmで60秒間回転する。これにより、第3液体材料33が半導体基板100の表面に略均一に広がると共に、第1溶媒および第2溶媒が揮発する。その結果、凹部10内において第2溶質が析出する。すなわち、第3液体材料33が固化する。これによりポリマー膜300が形成される。ポリマー膜300のうち凹部10に入り込んだ部分は、埋め込み部310を形成している。ポリマー膜300が、さらにEOポリマーのガラス転移温度(Tg)付近まで加熱され減圧雰囲気下で1時間熱処理されることにより、残存している第1
溶媒および第2溶媒が除去される。
【0116】
《(e)ポーリング》
埋め込み部310がEOポリマーのガラス転移温度(Tg)付近まで加熱される。加熱
状態において、埋め込み部310が電場中に置かれる。その後、電場が維持された状態で、埋め込み部310が降温される。以上より、評価用デバイスが製造される。
【0117】
<No.2>
図10は、No.2の製造過程を示す第1概略断面図である。No.1と同様に、凹部10を有する半導体基板100が準備される。ポリマー溶液35が準備される。ポリマー溶液35の溶媒は、シクロヘキサノンである。溶質は、No.1と同じEOポリマーである。ポリマー溶液35の濃度は、16質量%である。
【0118】
スピンコーターにより、常圧雰囲気下において、半導体基板100の表面にポリマー溶液35が塗布される。これにより、凹部10にポリマー溶液35が充填される。常圧雰囲気であるため、凹部10から気泡1が抜けにくいと考えられる。
【0119】
図11は、No.2の製造過程を示す第2概略断面図である。ポリマー溶液35が固化されることにより、ポリマー膜300が形成される。埋め込み部310には、空隙2が残存すると考えられる。ポリマー膜300の形成後、No.1と同様にポーリング処理が実施される。
【0120】
<No.3>
図12は、No.3の製造過程を示す概略断面図である。減圧環境下において、ポリマー溶液35の塗布、充填が実施される。減圧脱泡により、No.2に比して気泡1が低減すると考えられる。ただし、ポリマー溶液35の表面が固化するため、ポリマー膜300の表面に凹凸が形成されると考えられる。ポリマー膜300の形成後、No.1と同様にポーリング処理が実施される。
【0121】
<評価>
半導体基板100の上方に、第1近赤外カメラが配置される。第1近赤外カメラにより、埋め込み部310を伝搬する光の散乱による光伝搬ストリーク像が撮影される。
【0122】
図13から
図15により、伝搬損失の測定例が説明される。
図13は、評価用デバイスの概略上面図である。評価用デバイス2000は、左右対称である。評価用デバイス2000は、第1ポリマー導波路2001、第1スポットサイズ変換器2002、第1Siストリップ導波路2003、第2スポットサイズ変換器2004、Siスロット導波路2005、第3スポットサイズ変換器2006、第2Siストリップ導波路2007、第4スポットサイズ変換器2008、および第2ポリマー導波路2009が、この順で接続されることにより構成されている。Siスロット導波路2005の長さは、1736μmである。
【0123】
図14にNo.2の光伝搬ストリーク像が示される。
図14の光伝搬ストリーク像は、
図13のSiスロット導波路2005において撮影される。
図15に示されるように、Siスロット導波路2005内の位置(Z)に対して、光伝搬ストリーク像の散乱光強度(相対値)がプロットされる。プロット群が最小二乗法により指数関数に近似されることにより、伝搬損失が求められる。
【0124】
半導体基板100の端面方向に、第2近赤外カメラが配置される。第2近赤外カメラにより、光出力近視野像が撮影される。光出力近視野像と同等の光強度になる光アッテネータの値から、光出力(相対値)が算出される。
【0125】
Siスロット導波路2005を横切るように評価用デバイス2000が破断される。破断面がSEMで観察されることにより、埋め込み部310内で空隙の有無が確認される。5箇所以上の破断面で、それぞれ空隙の有無が確認される。下記式より空隙率が算出される。
【0126】
空隙率(%)={(空隙がある破断面の数)/(観察された破断面の数)}×100
【0127】
<結果>
図16は、No.1からNo.3の評価結果である。
断面SEM像において、空隙が確認される。空隙は、凹部10の底部12にポリマーが充填されていない部分である。
【0128】
No.2の断面SEM像においては、多くの場合に空隙が確認される。No.2の空隙率は71%である。埋め込み部310に多数の空隙が残存していると考えられる。伝搬損失は最も大きく、光出力は最も低い。
【0129】
No.3の断面SEM像においては、No.2に比して空隙が減少している。No.3の空隙率は9%である。減圧脱泡により、空隙が低減していると考えられる。ただし、少ないながらも、空隙が確認できることから、少量の空隙は残存していると考えられる。No.3は、No.2に比して伝搬損失が減少し、光出力が増加している。また、No.3においては、ポリマー溶液35の表面固化により、ポリマー膜300(埋め込み部310)の表面に凹凸が形成されている。
【0130】
No.1の断面SEM像においては、空隙が確認できない。No.1の空隙率は0%である。No.1の伝搬損失は、No.2およびNo.3の伝搬損失よりも小さい。No.1の光出力は、No.2およびNo.3の光出力よりも高い。第1液体材料31が凹部10に浸透しやすいため、空隙が顕著に低減していると考えられる。No.1においては、実質的に完全に空隙が除去されているとも考えられる。No.1におけるポリマー膜300の表面は、平滑であり得る。第1液体材料31においては、表面固化が起こり難いためと考えられる。
【0131】
<付記>
本開示においては、下記《付記1》から《付記3》のNLOデバイスも提供され得る。
【0132】
《付記1》
半導体基板と、
ポリマー膜と、
を含み、
前記半導体基板の表面に凹部が形成されており、
前記凹部は、前記半導体基板の前記表面に沿って延びており、
前記ポリマー膜は、前記半導体基板の前記表面の少なくとも一部を被覆しており、
前記ポリマー膜は、埋め込み部を含み、
前記埋め込み部は、前記凹部に埋め込まれており、
前記埋め込み部は、非線形光学ポリマーを含み、
前記埋め込み部における伝搬損失は、所定値以下である、
非線形光学デバイス。
【0133】
《付記2》
前記埋め込み部における空隙率は、所定値以下である、
《付記1》に記載の非線形光学デバイス。
【0134】
《付記3》
前記ポリマー膜の表面粗さは、所定値以下である、
《付記1》または《付記2》に記載の非線形光学デバイス。
【0135】
本実施形態および本実施例は、全ての点で例示である。本実施形態および本実施例は、制限的ではない。例えば、本実施形態および本実施例から、任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも、当初から予定されている。
【0136】
請求の範囲の記載に基づいて定められる技術的範囲は、請求の範囲の記載と均等の意味における全ての変更を包含する。さらに、請求の範囲の記載に基づいて定められる技術的範囲は、請求の範囲の記載と均等の範囲内における全ての変更も包含する。
【符号の説明】
【0137】
1 気泡、2 空隙、10 凹部、11 側壁、12 底部、31 第1液体材料、32 第2液体材料、33 第3液体材料、35 ポリマー溶液、100 半導体基板、101 表面、110 Si基板、120 BOX層、130 Si活性層、131 第1ドーピング領域、132 第2ドーピング領域、200 電極、300 ポリマー膜、310 埋め込み部、1000 非線形光学デバイス、2000 評価用デバイス、2001 第1ポリマー導波路、2002 第1スポットサイズ変換器、2003 第1Siストリップ導波路、2004 第2スポットサイズ変換器、2005 Siスロット導波路、2006 第3スポットサイズ変換器、2007 第2Siストリップ導波路、2008 第4スポットサイズ変換器、2009 第2ポリマー導波路。