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特許7590478車両公開情報管理装置、車両公開方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】車両公開情報管理装置、車両公開方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20241119BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20241119BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q30/0251
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023032816
(22)【出願日】2023-03-03
(65)【公開番号】P2024124865
(43)【公開日】2024-09-13
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】臼井 茉菜
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナス ラジャ
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 豊
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-160848(JP,A)
【文献】特開2003-317003(JP,A)
【文献】特開2002-342671(JP,A)
【文献】特開2021-170266(JP,A)
【文献】特開2001-283041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両公開情報管理装置であって、
プロセッサ及び不揮発性メモリを含む情報処理装置によって構成される、公開車両情報作成部、見学ユーザ検知部、及び行動管理部を有し、
前記公開車両情報作成部は、公開車両の見学を希望する見学ユーザが有する見学ユーザ端末と通信し、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の車両情報、駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻を含む公開車両情報を送信し、
前記見学ユーザ検知部は、前記見学ユーザ端末と通信して前記見学ユーザ端末から前記見学ユーザ端末の位置を取得し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が第1判定値以下であるか否かを判定し、
前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させる車両公開情報管理装置。
【請求項2】
前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末が前記撮影レコメンド情報を報知してから所定期間経過した後に、再び前記見学ユーザ端末に前記撮影レコメンド情報を報知させる請求項1に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項3】
前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末が前記撮影レコメンド情報を報知した後に、前記見学ユーザ端末が撮影した画像を前記行動管理部に送信させる請求項1に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項4】
前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末から取得した画像を、前記公開車両の所有者である公開ユーザが有する公開ユーザ端末に送信する請求項3に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項5】
前記撮影レコメンド情報は、前記見学ユーザ端末に表示される撮影画面に重畳して表示される、撮影位置及び撮影方向を示すガイドラインを含む請求項1~4のいずれか1つの項に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項6】
前記行動管理部は、前記公開車両と通信し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記公開車両に設けられた車載カメラによって前記公開車両の周囲を撮影させる請求項1に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項7】
前記行動管理部は、前記公開車両と通信し、前記公開車両に設けられた振動センサが所定の閾値以上の振動を検知したときに、前記車載カメラによって前記公開車両の周囲を撮影させる請求項6に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項8】
前記閾値は、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下である場合に、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値より大きい場合よりも低く設定される請求項7に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項9】
前記行動管理部は、前記公開車両に含まれる第1公開車両及び第2公開車両と通信し、前記第1公開車両の位置と前記第2公開車両の位置とを取得し、前記第1公開車両と前記第2公開車両との距離が所定の第2判定値以下であるときに、前記第1公開車両に前記第1公開車両に設けられた車載カメラによって前記第2公開車両を撮影させると共に、前記第2公開車両に前記第2公開車両に設けられた車載カメラによって前記第1公開車両を撮影させる請求項1に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項10】
前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、損害保険を販売するホームページを前記見学ユーザ端末に表示させる請求項1に記載の車両公開情報管理装置。
【請求項11】
コンピュータによって実行される車両公開方法であって、
公開車両の見学を希望する見学ユーザが有する見学ユーザ端末に前記公開車両の車両情報、駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻を含む公開車両情報を送信するステップと、
前記見学ユーザ端末と通信して前記見学ユーザ端末から前記見学ユーザ端末の位置を取得し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が第1判定値以下であるか否かを判定するステップと、
前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させるステップとを有する車両公開方法。
【請求項12】
公開車両の見学を希望する見学ユーザが有する見学ユーザ端末に前記公開車両の車両情報、駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻を含む公開車両情報を送信するステップと、
前記見学ユーザ端末と通信して前記見学ユーザ端末から前記見学ユーザ端末の位置を取得し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が第1判定値以下であるか否かを判定するステップと、
前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させるステップとをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両公開情報管理装置、車両公開方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の購入希望者は、販売店を訪問し、実際の車両を確認して車両の購入を判断することが一般的である。このような購入プロセスに対応して、特許文献1は、購入希望者が、確認したい車両が存在する販売店を検察するためのシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-108821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、オンライン上で車両を購入することが可能になっている。このような場合でも、購入希望者は、実際の車両を確認した上で購入したいという要望がある。しかし、購入希望者は、時間及び地理的な問題等から販売店まで行くのが面倒な場合がある。このような状況において、出願人は、販売店に展示されている車両だけではなく、既に販売され、使用されている車両も見学のために利用することによって、購入希望者の要望を満足させられると考えた。この場合、見学可能な車両数が増加するため、購入希望者は様々な仕様の車両を見学することができる。しかし、見学者以外の第三者が存在しない状態で車両の見学が実施されると、見学後に車両の損傷が発見された場合に、その損傷が見学以前から存在していたか否かが問題になる場合がある。そのため、見学開始時における車両の状態を把握しておく必要がある。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、車両公開情報管理装置において、見学開始時における車両の状態を把握することを課題とする。また、車両公開方法において、見学開始時における車両の状態を把握することを課題とする。また、車両公開方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両公開情報管理装置(1)であって、プロセッサ及び不揮発性メモリを含む情報処理装置によって構成される、公開車両情報作成部(22)、見学ユーザ検知部(23)、及び行動管理部(25)を有し、前記公開車両情報作成部は、公開車両(7)の見学を希望する見学ユーザが有する見学ユーザ端末(6)と通信し、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の車両情報、駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻を含む公開車両情報を送信し、前記見学ユーザ検知部は、前記見学ユーザ端末と通信して前記見学ユーザ端末から前記見学ユーザ端末の位置を取得し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が第1判定値以下であるか否かを判定し、前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させる。
【0007】
この態様によれば、行動管理部が、見学ユーザ端末の位置と駐車位置との距離が第1判定値以下であるときに、見学ユーザ端末に公開車両の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させるため、見学ユーザに車両の撮影を促すことができる。見学ユーザが車両を撮影することによって、見学開始時における車両の状態を記録することができる。
【0008】
上記の態様において、前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末が前記撮影レコメンド情報を報知してから所定期間経過した後に、再び前記見学ユーザ端末に前記撮影レコメンド情報を報知させてもよい。
【0009】
この態様によれば、見学中に車両の状態を複数回記憶することができる。また、見学終了時に近い時点の車両の状態も記憶することができる。
【0010】
上記の態様において、前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末が前記撮影レコメンド情報を報知した後に、前記見学ユーザ端末が撮影した画像を前記行動管理部に送信させてもよい。
【0011】
この態様によれば、見学ユーザ端末が撮影した画像を行動管理部が取得することができる。
【0012】
上記の態様において、前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末から取得した画像を、前記公開車両の所有者である公開ユーザが有する公開ユーザ端末に送信してもよい。
【0013】
この態様によれば、公開ユーザ端末が、見学ユーザ端末が撮影した画像を取得することができる。これにより、公開ユーザが、公開ユーザ端末を利用して見学ユーザ端末が撮影した画像を確認することができる。
【0014】
上記の態様において、前記撮影レコメンド情報は、前記見学ユーザ端末に表示される撮影画面に重畳して表示される、撮影位置及び撮影方向を示すガイドラインを含んでもよい。
【0015】
この態様によれば、見学ユーザが適切に車両を撮影することができる。
【0016】
上記の態様において、前記行動管理部は、前記公開車両と通信し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記公開車両に設けられた車載カメラによって前記公開車両の周囲を撮影させてもよい。
【0017】
この態様によれば、公開車両に設けられた車載カメラによって、見学中の車両の周囲の状態及び見学ユーザを撮影することができる。
【0018】
上記の態様において、前記行動管理部は、前記公開車両と通信し、前記公開車両に設けられた振動センサが所定の閾値以上の振動を検知したときに、前記車載カメラによって前記公開車両の周囲を撮影させてもよい。
【0019】
この態様によれば、公開車両に設けられた車載カメラによって、公開車両に閾値以上の振動が生じたときに、公開車両の周囲の状態及び見学ユーザを撮影することができる。
【0020】
上記の態様において、前記閾値は、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下である場合に、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値より大きい場合よりも低く設定されてもよい。
【0021】
この態様によれば、公開車両の周囲に見学ユーザが存在する場合、すなわち見学中には、通常時よりも小さな振動によって車載カメラが撮影を開始することができる。
【0022】
上記の態様において、前記行動管理部は、前記公開車両に含まれる第1公開車両(7A)及び第2公開車両(7B)と通信し、前記第1公開車両の位置と前記第2公開車両の位置とを取得し、前記第1公開車両と前記第2公開車両との距離が所定の第2判定値以下であるときに、前記第1公開車両に前記第1公開車両に設けられた車載カメラ(12A)によって前記第2公開車両を撮影させると共に、前記第2公開車両に前記第2公開車両に設けられた車載カメラ(12B)によって前記第1公開車両を撮影させてもよい。
【0023】
この態様によれば、第1公開車両の周囲に第2公開車両が存在する場合に、第2公開車両の車載カメラによって第1公開車両を撮影し、かつ第1公開車両の車載カメラによって第2公開車両を撮影することができる。
【0024】
上記の態様において、前記行動管理部は、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、損害保険を販売するホームページを前記見学ユーザ端末に表示させてもよい。
【0025】
この態様によれば、見学ユーザに損害保険を薦めることができる。
【0026】
本発明の他の態様は、車両公開方法であって、公開車両(7)の見学を希望する見学ユーザが有する見学ユーザ端末(6)に前記公開車両の車両情報、駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻を含む公開車両情報を送信するステップと、前記見学ユーザ端末と通信して前記見学ユーザ端末から前記見学ユーザ端末の位置を取得し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が第1判定値以下であるか否かを判定するステップと、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させるステップとを有する。
【0027】
本発明の他の態様は、公開車両(7)の見学を希望する見学ユーザが有する見学ユーザ端末(6)に前記公開車両の車両情報、駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻を含む公開車両情報を送信するステップと、前記見学ユーザ端末と通信して前記見学ユーザ端末から前記見学ユーザ端末の位置を取得し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が第1判定値以下であるか否かを判定するステップと、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させるステップとをコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0028】
以上の構成によれば、車両公開情報管理装置において、見学開始時における車両の状態を把握することができる。また、車両公開方法において、見学開始時における車両の状態を把握することができる。また、車両公開方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】車両公開情報管理装置のハードウェア構成を示す説明図
図2】公開ユーザ携帯端末のハードウェア構成を示す説明図
図3】公開車両のハードウェア構成を示す説明図
図4】管理サーバのハードウェア構成を示す説明図
図5】見学ユーザ端末のハードウェア構成を示す説明図
図6】車両公開情報管理装置の機能ブロックを示す説明図
図7】見学ユーザ端末の表示部に表示される公開車両マップの一例を示す図
図8】見学ユーザ端末の表示部に表示される車両情報画面の一例を示す図
図9】見学ユーザ端末6の表示部6Bに表示される撮影画面の一例を示す図
図10】駐車場に駐車された2つの公開車両を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両公開情報管理装置の実施形態について説明する。以下の説明において、公開車両は見学の目的のために公開される車両である。公開ユーザは公開車両を所有するユーザである。見学ユーザは、公開車両の見学を希望するユーザである。公開車両、公開ユーザ、見学ユーザは、それぞれ複数存在する。
【0031】
車両公開情報管理装置1は、プロセッサ及び不揮発性メモリを含む情報処理装置によって構成される。車両公開情報管理装置1は、1つの情報処理装置によって構成されてもよく、互いに通信可能な複数の情報処理装置によって構成されてもよい。情報処理装置は、不揮発性メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって、各種のアプリケーションを実現する。本実施形態では、図1は車両公開情報管理装置1のハードウェア構成を示す説明図である。図1に示すように、車両公開情報管理装置1は、1つの管理サーバ2と、管理サーバ2と通信可能な複数の公開ユーザ端末3、4とによって構成されている。管理サーバ2及び公開ユーザ端末3、4のそれぞれは、情報処理装置によって構成されている。管理サーバ2は、複数の情報処理装置によって構成されてもよい。管理サーバ2と複数の公開ユーザ端末3、4とは、インターネットといった通信ネットワーク5を介して双方向の通信可能に接続されているとよい。管理サーバ2には、通信ネットワーク5を介して複数の見学ユーザ端末6が双方向の通信可能に接続されている。
【0032】
複数の公開ユーザ端末3、4は、複数の公開ユーザに携帯されている複数の公開ユーザ携帯端末3と、複数の公開車両7に設けられている複数の車載端末4とを含む。
【0033】
図2は公開ユーザ携帯端末3のハードウェア構成を示す説明図である。図2に示すように、公開ユーザ携帯端末3は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、ノート型PC、ウエアラブル・コンピュータ等であってよい。公開ユーザ携帯端末3は、情報処理部3Aと、表示部3Bと、入力部3Cと、通信部3Dと、カメラ3Eと、GNSS受信機3Fとを有する。情報処理部3Aは、CPU及びMPU等のプロセッサ3Gと、ROM及びSSD等の不揮発性メモリ3Hと、RAM等の揮発性メモリ3Jとを含む。表示部3B及び入力部3Cは、HMI(Human Machine Interface)であり、例えばタッチパネルディスプレイとして一体に形成されているとよい。通信部3Dは、無線通信によって通信ネットワーク5に接続する。また、通信部3Dは、近距離無線通信によって公開車両7に設けられた車載端末4と通信する。カメラ3Eは、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサ、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを有し、画像データを取得する。GNSS受信機3Fは、GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)信号を受信する。情報処理部3Aは、GNSS信号に基づいて公開ユーザ携帯端末3の地理的な位置を特定する。
【0034】
図3は公開車両7のハードウェア構成を示す説明図である。図3に示すように、車載端末4は、情報処理部4Aと、表示部4Bと、入力部4Cと、通信部4Dと、GNSS受信機4Eとを有する。情報処理部4Aは、CPU及びMPU等のプロセッサ4Fと、ROM及びSSD等の不揮発性メモリ4Gと、RAM等の揮発性メモリ4Hとを含む。表示部4B及び入力部4Cは、例えばタッチパネルディスプレイであるとよい。通信部4Dは、無線通信によって通信ネットワーク5に接続する。また、通信部4Dは、近距離無線通信によって公開ユーザ携帯端末3と通信する。車載端末4の情報処理部4Aは、GNSS信号に基づいて公開車両7の地理的な位置を特定する。
【0035】
公開車両7には、経路案内を行うナビゲーション装置11と、車載カメラ12と、振動センサ13とが設けられている。ナビゲーション装置11は、車載端末4と一体に形成されてもよい。車載カメラ12は、車両の周囲を撮像する複数のカメラを含むとよい。カメラ3Eは車室内に設けられてもよく、車体外面に設けられてもよい。振動センサ13は、公開車両7に加わる加速度を検出する加速度センサであってよい。ナビゲーション装置11、車載カメラ12、振動センサ13は、車載端末4と接続されている。
【0036】
図4は管理サーバ2のハードウェア構成を示す説明図である。図4に示すように、管理サーバ2は、情報処理部2Aと、通信部2Bとを有する。情報処理部2Aは、CPU及びMPU等のプロセッサ2Cと、ROM及びSSD等の不揮発性メモリ2Dと、RAM等の揮発性メモリ2Eとを含む。通信部2Bは、無線通信によって通信ネットワーク5に接続する。管理サーバ2は、表示部2Fと入力部2Gとを有してもよい。
【0037】
図5は見学ユーザ端末6のハードウェア構成を示す説明図である。図5に示すように、見学ユーザ端末6は、公開ユーザ携帯端末3と同様の構成を有するとよい。見学ユーザ端末6は、情報処理部6Aと、表示部6Bと、入力部6Cと、通信部6Dと、カメラ6Eと、GNSS受信機6Fとを有する。情報処理部6Aは、CPU及びMPU等のプロセッサ6Gと、ROM及びSSD等の不揮発性メモリ6Hと、RAM等の揮発性メモリ6Jとを含む。情報処理部6Aは、GNSS信号に基づいて公開ユーザ携帯端末3の地理的な位置を特定する。
【0038】
車両公開情報管理装置1は、駐車情報作成部21と、公開車両情報作成部22と、見学ユーザ検知部23と、公開ユーザ検知部24と、行動管理部25と、面会設定部26と、車両情報データベース27と、公開情報データベース28とを有する。
【0039】
図6は車両公開情報管理装置1の機能ブロックを示す説明図である。図6に示すように、駐車情報作成部21は、管理サーバ2、複数の公開ユーザ端末3、4、及び車載端末4の少なくとも1つによって実現される。本実施形態では、駐車情報作成部21は、複数の公開ユーザ端末3、4のそれぞれによって実現されている。公開車両情報作成部22と、見学ユーザ検知部23と、公開ユーザ検知部24と、行動管理部25と、面会設定部26とは、管理サーバ2によって実現される。
【0040】
公開ユーザ携帯端末3の情報処理部3Aは、経路案内を行うナビゲーション部29を有してもよい。ナビゲーション部29は、出発地、目的地、及び出発時刻を含む入力に対して、出発地から目的地までの経路及び到着予定時刻を演算し、表示部3Bに出力する。また、ナビゲーション部29は、公開ユーザ携帯端末3の位置と経路とに基づいて道案内を行う。
【0041】
駐車情報作成部21は、公開車両7の現在の駐車位置、又は将来の駐車開始時刻及び駐車位置を含む駐車情報を作成し、公開車両情報作成部22に送信する。駐車情報作成部21は、所定の作成条件が成立したときに、駐車情報を作成する。
【0042】
駐車情報作成部21は、公開車両7の位置を検出し、公開車両7の位置が所定期間変化しない場合に、公開車両7が駐車していると判定して駐車情報を作成してもよい。公開ユーザ携帯端末3のそれぞれは、対応する公開車両7の車載端末4と通信し、公開車両7の位置を取得するとよい。駐車情報作成部21は、公開車両7の位置を監視し、公開車両7の位置が変化していない状態が所定の判定期間継続したときに、駐車情報を作成するとよい。駐車情報は、公開車両7を特定する識別番号と、公開車両7の現在の位置(駐車位置)とを含むとよい。駐車情報作成部21は、作成した駐車情報を公開車両情報作成部22に送信する。
【0043】
駐車情報作成部21は、公開車両7の位置を検出すると共に、公開車両7と充電プラグとの接続状態を検出し、公開車両7と充電プラグとが接続されている場合に公開車両7が駐車していると判定して駐車情報を作成してもよい。図3に示すように、公開車両7が電気自動車や電動二輪車を含む電動車両である場合、充電ステーションの充電プラグと接続可能な充電コネクタ31と、充電コネクタ31と充電プラグとの接続状態を検出する接続検出センサ32とを有する。接続検出センサ32は、充電プラグと当接することによって充電コネクタ31と充電プラグとの接続状態を検出するスイッチ、又は充電コネクタ31を流れる電流を検出することによって充電コネクタ31と充電プラグとの接続状態を検出する電流センサであるとよい。車載端末4は、接続検出センサ32からの信号に基づいて公開車両7と充電プラグとの接続状態を検出するとよい。公開ユーザ携帯端末3は、対応する車載端末4と通信し、公開車両7と充電プラグとの接続状態及び公開車両7の位置を取得するとよい。駐車情報作成部21は、公開車両7と充電プラグとの接続を検出したときに、駐車情報を作成するとよい。駐車情報は、公開車両7を特定する識別番号と、公開車両7の現在の位置(駐車位置)とを含むとよい。駐車情報作成部21は、作成した駐車情報を公開車両情報作成部22に送信する。
【0044】
駐車情報作成部21は、公開車両7の位置を検出し、公開車両7の位置が予め設定された公開領域にある場合に、公開車両7が駐車していると判定して前記駐車情報を作成してもよい。公開ユーザ携帯端末3のそれぞれは、対応する公開車両7の車載端末4と通信し、公開車両7の位置を取得するとよい。駐車情報作成部21は、公開車両7の位置が公開領域にあるか否かを判定し、公開車両7の位置が公開領域にある場合に、駐車情報を作成するとよい。公開領域は、例えば、スーパーマーケットや映画館等の商業施設の駐車場、スタジアムやテーマパーク等のイベント会場の駐車場、有料駐車場等の一部に設定された展示のための領域であるとよい。公開領域の位置データは、公開ユーザ携帯端末3に予め記憶されているとよい。駐車情報は、公開車両7を特定する識別番号と、公開車両7の現在の位置(駐車位置)とを含むとよい。駐車情報作成部21は、作成した駐車情報を公開車両情報作成部22に送信する。
【0045】
駐車情報作成部21は、ナビゲーション装置11と通信して公開車両7の目的地及び目標到着時刻を取得し、目標到着時刻を将来の駐車開始時刻に設定すると共に目的地を駐車位置に設定することによって駐車情報を作成してもよい。公開車両7のナビゲーション装置11に代えて、駐車情報作成部21は公開ユーザ携帯端末3のナビゲーション部29によって取得される公開車両7の目的地及び目標到着時刻を利用してもよい。駐車情報作成部21は、ナビゲーション装置11が目標経路及び目標到着時刻を演算したときに、駐車情報を作成するとよい。また、駐車情報作成部21は、ナビゲーション装置11が目標経路に基づいて案内を開始したときに、駐車情報を作成してもよい。
【0046】
駐車情報作成部21は、公開車両7の充電予約情報を取得し、充電予約情報に含まれる充電開始時刻を将来の駐車開始時刻に設定すると共に充電地点を駐車位置に設定することによって駐車情報を作成し、駐車情報を公開車両情報作成部22に送信してもよい。図1に示すように、駐車情報作成部21は、公開車両7を充電するための充電ステーションの予約を管理する充電予約サーバ35と通信し、充電予約情報を取得するとよい。充電地点は、充電を行うために公開車両7を駐車させるための位置である。充電開始時刻は、公開ユーザが公開車両7を充電するために充電ステーションを使用可能になる時刻である。
【0047】
充電予約サーバ35は、プロセッサ及び不揮発性メモリを含む情報処理装置であって、不揮発性メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって、各種のアプリケーションを実現する。充電予約サーバ35は、通信ネットワーク5に接続されている。公開ユーザは、公開ユーザ携帯端末3を使用して充電予約申込情報を充電予約サーバ35に送信する。充電予約申込情報は、ユーザ識別番号、使用を希望する充電位置(充電サイト)、使用開始時刻、及び使用終了時刻を含むとよい。充電予約サーバ35は、予約管理データベースを有する。予約管理データベースは、予約者、充電位置、使用開始時刻、及び使用終了時刻を含む複数の予約情報レコードによって構成されるとよい。充電予約サーバ35は、予約管理データベースを参照し、受信した充電予約申込情報によって特定される充電位置、使用時刻に重なる予約情報レコードがない場合に、充電予約申込情報に基づいて予約を確定し、予約管理データベースに予約情報レコードを書き込むとよい。充電予約サーバ35は、充電予約申込情報に基づいて予約を確定したときに、充電予約申込情報を送信した公開ユーザ携帯端末3に充電予約情報を送信するとよい。駐車情報作成部21は、充電予約サーバ35から充電予約情報を受信したときに、駐車情報を作成するとよい。
【0048】
駐車情報作成部21は、公開ユーザの公開ユーザ携帯端末3への入力操作に基づいて、駐車情報を作成してもよい。駐車情報作成部21は、公開車両7の駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻の入力を受け付ける入力画面を表示部3Bに表示させるとよい。駐車情報作成部21は、駐車開始時刻を公開開始時刻、駐車終了時刻を公開終了時刻として受け付けてもよい。駐車情報作成部21は、駐車開始時刻及び駐車終了時刻を公開希望期間として受け付けてもよい。公開希望期間の開始時刻及び終了時刻が駐車開始時刻及び駐車終了時刻に対応する。駐車情報作成部21は、公開ユーザによる、駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻の入力が完了したときに、駐車情報を作成するとよい。
【0049】
駐車情報作成部21は、駐車情報の作成を許可又は禁止するための選択ボタンを表示部3Bに表示し、選択ボタンの操作によって禁止が選択された場合に駐車情報の作成を禁止してもよい。この態様によれば、駐車情報作成部21が自動的に駐車情報を作成することを禁止することができる。これにより、公開車両7の所有者である公開ユーザは公開車両7の公開を停止することができる。駐車情報作成部21は、駐車情報を作成する直前に、駐車情報の作成を許可又は禁止するための選択ボタンを表示部3Bに表示してもよい。
【0050】
駐車情報作成部21は、駐車情報の管理サーバ2の公開車両情報作成部22への送信を許可又は禁止するための選択ボタンを表示部3Bに表示し、選択ボタンの操作によって禁止が選択された場合に駐車情報の公開車両情報作成部22への送信を禁止してもよい。駐車情報作成部21は、駐車情報を作成した時に、選択ボタンを表示部3Bに表示させるとよい。これにより、公開車両7の所有者である公開ユーザは、駐車情報作成部21が駐車情報を公開車両情報作成部22に送信するか否かを選択することができ、公開車両7の公開を停止することができる。
【0051】
管理サーバ2の公開車両情報作成部22は、駐車情報作成部21から駐車情報を受信し、駐車情報に基づいて、公開車両7の車両情報、駐車位置、公開開始時刻、及び公開終了時刻を含む公開車両情報を作成する。公開車両情報作成部22は、駐車情報に含まれる識別番号に基づいて公開ユーザ及び公開車両7を特定する。管理サーバ2は、公開車両7の車両情報が予め登録されている車両情報データベース27を有する。公開車両情報作成部22は、識別番号に基づいて、車両情報データベース27を検索し、公開車両7の車両情報を取得する。車両情報は、公開車両7の車種(車名)を少なくとも含む。また、車両情報は、公開車両7の色、グレード、装備されたオプション、製造年月日等を含むとよい。また、車両情報は、公開車両7の傷や凹みの位置等の損傷に関する情報を含んでもよい。
【0052】
公開車両情報作成部22は、駐車情報が現在の駐車位置を含む場合に、駐車位置に現在の駐車位置を設定すると共に、公開開始時刻に現在時刻、公開終了時刻に現在時刻に駐車予想期間を加算した時刻を設定する。公開車両情報作成部22は、駐車位置と駐車予想期間との関係を規定したマップを参照して、駐車位置に基づいて駐車予想期間を取得してもよい。また、公開車両情報作成部22は、駐車予想期間に予め設定された定数を設定してもよい。
【0053】
公開車両情報作成部22は、駐車情報が将来の駐車位置を含む場合に、駐車位置に将来の駐車位置を設定すると共に、公開開始時刻に将来の駐車開始時刻、公開終了時刻に将来の駐車開始時刻に駐車予想期間を加算した時刻を設定する。
【0054】
公開車両情報作成部22は、公開ユーザ携帯端末3から公開ユーザによって設定された公開希望期間を取得した場合に、公開希望期間の開始時を遅くすると共に公開希望期間の終了時を早くした公開時間を作成してもよい。公開車両情報作成部22は、公開ユーザ携帯端末3から公開希望期間を取得した場合に、公開希望開始時刻から所定の時間遅くした時刻を公開開始時刻に設定し、公開希望終了時刻から所定の時間早くした時刻を公開終了時刻に設定するとよい。所定の時間は、例えば15分等であるとよい。
【0055】
公開車両情報作成部22は、作成した公開車両情報を公開情報データベース28に記憶する。公開情報データベース28は、管理サーバ2のメモリに記憶されている。公開情報データベース28は、複数の公開車両情報のレコードを含む。
【0056】
公開車両情報作成部22は、公開車両7の複数の見学ユーザ端末6に公開車両情報を送信する。公開車両情報作成部22は、例えば、駐車開始時刻が現在時刻より前であり、かつ駐車終了時刻が現在時刻より後である公開車両情報を公開情報データベース28から抽出し、抽出した公開車両情報を見学ユーザ端末6に送信してもよい。また、見学ユーザ端末6は、見学ユーザの操作に応じて公開車両情報を抽出するためのクエリを作成し、クエリを公開車両情報作成部22に送信してもよい。公開車両情報作成部22は、見学ユーザ端末6から受信したクエリに基づいて公開情報データベース28を検索し、クエリに適合する公開車両情報を抽出し、抽出した公開車両情報を見学ユーザ端末6に送信してもよい。クエリは、車両情報、駐車位置、公開時刻、及び公開終了時刻等を含むとよい。クエリは、予め登録されていてもよい。
【0057】
公開車両情報作成部22は、任意のタイミングで公開車両情報を見学ユーザ端末6に送信するとよい。公開車両情報作成部22は、所定の間隔で公開車両情報を見学ユーザ端末6に送信してもよい。また、公開車両情報作成部22は、見学ユーザ端末6からリクエストを受けたときに、公開車両情報を見学ユーザ端末6に送信してもよい。また、公開車両情報作成部22は、クエリに一致する公開車両情報が発生したときに、公開車両情報を見学ユーザ端末6に送信してもよい。
【0058】
公開車両情報作成部22は、公開車両情報に基づいて公開車両マップを作成してもよい。そして、公開車両情報作成部22は、作成した公開車両マップを見学ユーザ端末6に送信し、見学ユーザ端末6の表示部6Bに表示させてもよい。図7は、見学ユーザ端末6に表示される公開車両マップ51の一例を示す図である。図7に示すように、公開車両マップ51は、地図51Aと、地図51A上に重ねて表示された公開車両7の位置を示すアイコン51Bとを有する。見学ユーザ端末6は、各アイコン51Bが選択されたときに、各アイコン51Bに対応した公開車両7の情報を表示する車両情報画面52を表示部6Bに表示させるとよい。図8は見学ユーザ端末6に表示される車両情報画面52の一例を示す図である。図8に示すように、車両情報画面52は、公開車両7の車両情報、駐車位置、公開開始時刻、及び公開終了時刻を含むとよい。
【0059】
見学ユーザは、見学ユーザ端末6の表示部6Bに表示される公開車両マップ51を見て、希望の公開車両7に到達することができる。見学ユーザ端末6は、公開車両マップ51において選択された公開車両7の駐車位置までの道案内を行う機能を有してもよい。他の実施形態では、公開車両情報作成部22は公開車両情報を見学ユーザ端末6に送信し、見学ユーザ端末6が公開車両情報に基づいて公開車両マップ51を作成してもよい。
【0060】
見学ユーザ検知部23は、見学ユーザ端末6と通信して見学ユーザ端末6から見学ユーザ端末6の位置を取得し、見学ユーザ端末6の位置と複数の公開車両7の1つの駐車位置との距離が第1判定値以下であるか否かを判定する。見学ユーザ端末6は、GNSS信号に基づいて見学ユーザ端末6の位置を取得している。見学ユーザ検知部23は、見学ユーザ端末6から見学ユーザ端末6の位置情報を取得する。見学ユーザ検知部23は、公開情報データベース28を参照して見学ユーザ端末6の位置から第1判定値以下の駐車位置を有する公開車両7が存在するか否かを検索するとよい。これにより、見学ユーザ端末6の位置から第1判定値以下の駐車位置を有する公開車両7が存在する場合、見学ユーザ端末6の位置と複数の公開車両7の1つの駐車位置との距離が第1判定値以下であると判定することができる。
【0061】
見学ユーザ端末6の位置と公開車両7の駐車位置との距離が第1判定値以下であるとき、見学ユーザが公開車両7の周囲に存在する、すなわち公開車両7を見学していると推定することができる。第1判定値は、例えば1~10mに設定されているとよい。
【0062】
行動管理部25は、見学ユーザ端末6の位置と公開車両7の1つの駐車位置との距離が第1判定値以下であるときに、見学ユーザ端末6に公開車両7の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させる。撮影レコメンド情報は、見学ユーザ端末6の表示部6Bに表示されるメッセージ又は画像であってもよい。また、撮影レコメンド情報は、見学ユーザ端末6から出力される音声メッセージであってもよい。撮影レコメンド情報は、見学ユーザに、公開車両7を撮影させることを目的として出力される。見学ユーザが公開車両7を撮影することによって、そのときの公開車両7の状態を記録することができる。これにより、その後に公開車両7に傷や凹み等の損傷が発見されたときに、その損傷がいつから存在したのか特定し易くなる。行動管理部25が撮影レコメンド情報を見学ユーザ端末6に送信し、見学ユーザ端末6が撮影レコメンド情報に基づいて報知を行うとよい。
【0063】
撮影レコメンド情報は、見学ユーザ端末6に表示される撮影画面61に重畳して表示される、撮影位置及び撮影方向を示すガイドライン62を含むとよい。見学ユーザ端末6は、カメラ6Eを使用するためのカメラプリケーションを有する。カメラプリケーションは、見学ユーザ端末6の表示部6Bに撮影画面61を表示させる。図9は、見学ユーザ端末6の表示部6Bに表示される撮影画面61の一例を示す図である。図9に示すように、撮影画面61にはカメラ6Eが撮像した画像が表示される。ガイドライン62は、車両の外形を模した図形であってよく、撮影画面61に重畳して表示される。ユーザは、公開車両7の外形63がガイドライン62に一致するように、カメラ6Eの向き及び公開車両7とカメラ6Eとの距離を調節することによって、公開車両7の状態を記録するために適した画像を撮影することができる。ガイドライン62は、複数種類用意され、撮影が完了するたびに順番に表示部6Bに表示されるとよい。
【0064】
行動管理部25は、見学ユーザ端末6が撮影レコメンド情報を報知した後に、見学ユーザ端末6が撮影した画像を行動管理部25に送信させるとよい。行動管理部25は見学ユーザ端末6に画像の送信要求を送信し、見学ユーザ端末6は画像の送信要求に応じて撮影した画像を行動管理部25に送信するとよい。これにより、見学ユーザ端末6が撮影した画像を行動管理部25が取得することができる。行動管理部25は、見学ユーザの位置に基づいて公開車両7を特定し、見学ユーザ端末6が撮影した画像を対象となる公開車両7に関連付けて車両情報データベース27に保存するとよい。車両情報データベース27に保存された画像は、所定の期間維持されるとよい。例えば、公開ユーザと見学ユーザとの間で公開車両7の状態に関する認識に齟齬が生じた場合等に、車両情報データベース27に保存された画像が利用されるとよい。また、車両情報データベース27に保存された画像は、特定の第三者機関の端末やデータベースに送信されてもよい。
【0065】
行動管理部25は、見学ユーザ端末6から取得した画像を、公開車両7の所有者である公開ユーザが有する公開ユーザ端末3、4に送信してもよい。行動管理部25は、車両情報データベース27を参照して、公開車両7に対応した公開ユーザ及び公開ユーザ端末3、4を特定するとよい。これにより、公開ユーザ端末3、4が、見学ユーザ端末6が撮影した画像を取得することができる。これにより、公開ユーザが、公開ユーザ端末3、4を利用して見学ユーザ端末6が撮影した画像を確認することができる。
【0066】
行動管理部25は、見学ユーザ端末6が撮影レコメンド情報を報知してから所定期間経過した後に、再び見学ユーザ端末6に撮影レコメンド情報を報知させてもよい。これにより、見学中に車両の状態を複数回記憶することができる。また、見学終了時に近い時点の車両の状態も記憶することができる。
【0067】
行動管理部25は、公開車両7と通信し、見学ユーザ端末6の位置と駐車位置との距離が第1判定値以下であるときに、公開車両7に設けられた車載カメラ12によって公開車両7の周囲を撮影させてもよい。行動管理部25は、車載端末4と通信し、車載端末4に車載カメラ12を制御させるとよい。これにより、公開車両7に設けられた車載カメラ12によって、見学中の車両の周囲の状態及び見学ユーザを撮影することができる。車載カメラ12が撮影した画像は、車載端末4が保存するとよい。
【0068】
行動管理部25は、公開車両7と通信し、公開車両7に設けられた振動センサ13が所定の閾値以上の振動を検知したときに、車載カメラ12によって公開車両7の周囲を撮影させてもよい。車載端末4は、振動センサ13からの信号に基づいて、閾値以上の振動を監視し、閾値以上の振動を検知したときに、車載カメラ12にそのときから所定期間、撮影を行わせるとよい。これにより、公開車両7に設けられた車載カメラ12によって、公開車両7に閾値以上の振動が生じたときに、車両の周囲の状態及び見学ユーザを撮影することができる。
【0069】
閾値は、見学ユーザ端末6の位置と駐車位置との距離が前記第1判定値以下である場合に、見学ユーザ端末6の位置と駐車位置との距離が第1判定値より大きい場合よりも低く設定されるとよい。これにより、公開車両7の周囲に見学ユーザが存在する場合、すなわち見学中には、通常時よりも小さな振動によって車載カメラ12が撮影を開始することができる。
【0070】
図10は駐車場に駐車された2つの公開車両7A、7Bを示す説明図である。図10に示すように、行動管理部25は、公開車両7に含まれる第1公開車両7A及び第2公開車両7Bと通信し、第1公開車両7Aの位置と第2公開車両7Bの位置とを取得し、第1公開車両7Aと第2公開車両7Bとの距離が所定の第2判定値以下であるときに、第1公開車両7Aに、第1公開車両7Aに設けられた第1車載カメラ12Aによって第2公開車両7Bを撮影させると共に、第2公開車両7Bに第2公開車両7Bに設けられた第2車載カメラ12Bによって第1公開車両7Aを撮影させるとよい。これにより、第1公開車両7Aの周囲に第2公開車両7Bが存在する場合に、第2公開車両7Bの車載カメラ12によって第1公開車両7Aを撮影し、かつ第1公開車両7Aの車載カメラ12によって第2公開車両7Bを撮影することができる。
【0071】
他の実施形態では、行動管理部25は、第1公開車両7Aの位置と見学ユーザ端末6の位置との距離が第1判定値以下であるときに、第1公開車両7Aから第2判定値以下の距離に存在する第2公開車両7Bに第1公開車両7Aを撮影させてもよい。これにより、第1公開車両7Aの周囲に第2公開車両7Bが存在する場合に、第2公開車両7Bの車載カメラ12によって第1公開車両7Aを撮影することができる。
【0072】
行動管理部25は、見学ユーザ端末6の位置と公開車両7の駐車位置との距離が第1判定値以下であるときに、損害保険を販売するホームページを見学ユーザ端末6に表示させてもよい。行動管理部25は、損害保険を販売するホームページのインターネットアドレスを含むメッセージを見学ユーザ端末6に送信するとよい。見学ユーザ端末6は、受信したメッセージを表示部6Bに表示するとよい。これにより、行動管理部25は、見学ユーザに損害保険を薦めることができる。
【0073】
見学ユーザ検知部23は、見学ユーザ端末6の位置と公開車両7の駐車位置との距離が第1判定値以下であるときに、公開ユーザ携帯端末3に信号を送信し、公開ユーザ携帯端末3に見学ユーザが公開車両7の周囲に存在することを報知させる。公開ユーザ携帯端末3は、見学ユーザ検知部23から受信した信号に基づいて、見学ユーザが公開車両7の周囲に存在することを示すメッセージを表示部3Bに表示することによって報知を行うとよい。これにより、公開ユーザは公開ユーザ携帯端末3によって見学ユーザが公開車両7の周囲に存在することを認識することができる。これにより、公開ユーザは、公開車両7が見学されていることを認識することができると共に、公開ユーザは見学ユーザとの対面を避ける行動を選択することができる。このように、車両公開情報管理装置1は、快適な車両見学体験を提供することができる。
【0074】
公開ユーザ検知部24は、公開ユーザ携帯端末3と通信して公開ユーザ携帯端末3から公開ユーザ携帯端末3の位置を取得し、公開ユーザ携帯端末3の位置と公開車両7の駐車位置との距離が第3判定値以下であるときに、見学ユーザ端末6又は公開車両7に信号を送信し、見学ユーザ端末6又は公開車両7に公開ユーザが公開車両7の周囲に存在することを報知させるとよい。第3判定値は第1判定値よりも大きい値に設定されているとよい。公開ユーザ検知部24は、公開ユーザ携帯端末3の位置と公開車両7の駐車位置との距離が第3判定値以下であるときに、見学ユーザ端末6に信号を送信し、見学ユーザ端末6は信号に基づいて公開ユーザが公開車両7に接近していることを示す表示を表示部6Bに表示させるとよい。また、公開ユーザ検知部24は、公開ユーザ携帯端末3の位置と公開車両7の駐車位置との距離が第3判定値以下であるときに、公開車両7の車載端末4に信号を送信し、車載端末4は信号に基づいて公開車両7に設けられている照明機器71、音声出力装置72、及び空調装置73の少なくとも1つを制御することによって報知を行ってもよい。照明機器71は、前照灯、テールゲート、ウインカー、ルームランプのいずれかであるとよい。音声出力装置72は、スピーカであるとよい。例えば、車載端末4は照明機器71を点灯させるとよい。空調装置73は、公開車両7の車室に温度調節された空気を供給する装置であり、ブロアを有する。空調装置73のブロアが駆動することによって、その作動音が発生する。空調装置73の作動音によって、公開車両7の周囲にいる見学ユーザは公開車両7のシステムが駆動していることを認識することができる。車載端末4は、公開ユーザ携帯端末3から受信する信号に基づいて空調装置73を制御してもよい。すなわち、公開ユーザは公開ユーザ携帯端末3を操作して、空調装置73を遠隔操作することができる。
【0075】
これにより、見学ユーザは見学ユーザ端末6又は公開車両7によって公開ユーザが公開車両7の周囲に存在することを認識することができる。これにより、見学ユーザは公開ユーザとの対面を避ける行動を選択することができる。このように、車両公開情報管理装置1は、快適な車両見学体験を提供することができる。
【0076】
面会設定部26は、見学ユーザ端末6及び公開ユーザ携帯端末3のそれぞれから面会可能又は面会拒否に対応した面会可否情報を受信し、面会可否情報のそれぞれが面会可能である場合に、公開ユーザ携帯端末3に見学ユーザ端末6の位置を送信すると共に、見学ユーザ端末6に公開ユーザ携帯端末3の位置を送信してもよい。これにより、公開ユーザ及び見学ユーザの両方が面会を望む場合には、公開ユーザ及び見学ユーザは相手の位置を取得することができる。その結果、公開ユーザ及び見学ユーザは相手の位置に基づいて移動し、面会することができる。面会設定部26は、見学ユーザ端末6及び公開ユーザ携帯端末3から受信した面会可否情報のそれぞれが面会可能である場合に、公開ユーザ携帯端末3及び見学ユーザ端末6に相手が面会を許容していることを示すメッセージを送信してもよい。
【0077】
上記の実施形態に係る車両公開情報管理装置1によれば、見学ユーザは、見学ユーザ端末6を使用して見学可能な公開車両7の駐車時刻及び駐車位置を取得することができ、目的とする公開車両7を見学することができる。これにより、見学ユーザは販売店に行くことなく、希望の車両を確認することができる。
【0078】
駐車情報作成部21は、所定の条件が満たされたときに、駐車情報を作成し、公開車両情報作成部22に送信する。すなわち、所定の条件が満たされたときに、駐車情報が自動的に作成され、公開車両情報作成部22に送信される。所定の条件は、上記したように、公開車両7の位置が所定期間変化しないとき、公開車両7の充電コネクタ31と充電ステーションの充電プラグとが接続が検出されたとき、公開車両7の位置が予め設定された駐車領域にあるとき、ナビゲーション装置11が経路設定を行い、目的地及び目標到着時刻が設定されたとき、充電ステーションの予約が確定し、充電地点及び充電開始時刻が設定されたとき等である。これらにより、公開情報データベース28に含まれる公開車両情報のレコード数が増加する。その結果、見学ユーザの要望に合致する公開車両7が生じ易くなる。
【0079】
また、駐車情報作成部21は、公開ユーザの公開ユーザ携帯端末3に対する操作に応じて、駐車情報の作成、及び駐車情報の公開車両情報作成部22への送信を禁止することができるため、公開ユーザは公開車両7の公開及び非公開を決定することができる。
【0080】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、管理サーバ2は、駐車情報作成部21が駐車情報を公開車両情報作成部22に提供する毎に、対応する公開ユーザにインセンティブを付与するとよい。これにより、公開ユーザによる公開車両7の公開を促進することができる。
【0081】
公開車両情報作成部22は、駐車情報が公開ユーザの入力操作に基づいて作成され、かつ駐車情報が作成された時刻と公開車両情報に含まれる駐車開始時刻との差が所定の判定値以上である場合に、差が前記判定値未満である場合よりもインセンティブを大きくしてもよい。公開ユーザは、公開ユーザ携帯端末3に公開車両の将来の駐車開始時刻、及び駐車位置を含む駐車情報を入力するとよい。この態様によれば、駐車開始時刻に対して早い時期に駐車情報を入力した公開ユーザにより多いインセンティブを付与することができる。インセンティブによって、早期の駐車情報の入力が促進されるため、見学を希望するユーザが利用可能な公開車両情報の数が充実する。
【0082】
駐車情報作成部21は、管理サーバ2によって実現されてもよい。この場合、管理サーバ2は、公開ユーザ携帯端末3及び車載端末4と通信し、駐車情報を作成するために必要な情報を公開ユーザ携帯端末3及び車載端末4から収集するとよい。
【0083】
上記の実施形態に係る車両公開情報管理装置1は、以下の車両公開方法を実行するプログラムがインストールされているとよい。第1のプログラムは、公開車両7の現在の駐車位置、又は将来の駐車開始時刻及び駐車位置を含む駐車情報を作成するステップと、駐車情報に基づいて、公開車両7の車両情報、駐車位置、駐車開始時刻、及び駐車終了時刻を含む公開車両情報を作成するステップと、公開車両の見学を希望するユーザが所有するユーザ端末に前記公開車両情報を送信するステップとを有する車両公開方法をコンピュータに実行させる。第2のプログラムは、公開車両の見学を希望する見学ユーザが有する見学ユーザ端末と通信し、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の車種、駐車位置、駐車時刻を含む公開車両情報を送信するステップと、前記見学ユーザ端末と通信して前記見学ユーザ端末から前記見学ユーザ端末の位置を取得し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が判定値以下であるときに、前記公開車両の所有者である公開ユーザが有する公開ユーザ端末に信号を送信し、前記公開ユーザ端末に前記見学ユーザが前記公開車両の周囲に存在することを報知させるステップとを有する車両公開方法をコンピュータに実行させる。第3のプログラムは、公開車両の見学を希望する見学ユーザが有する見学ユーザ端末に前記公開車両の車種、駐車位置、駐車時刻を含む公開車両情報を送信するステップと、前記見学ユーザ端末と通信して前記見学ユーザ端末から前記見学ユーザ端末の位置を取得し、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が第1判定値以下であるか否かを判定するステップと、前記見学ユーザ端末の位置と前記駐車位置との距離が前記第1判定値以下であるときに、前記見学ユーザ端末に前記公開車両の撮影を促すための撮影レコメンド情報を報知させるステップとを有する車両公開方法をコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0084】
1 :車両公開情報管理装置
2 :管理サーバ
3 :公開ユーザ携帯端末
4 :車載端末
5 :通信ネットワーク
6 :見学ユーザ端末
7 :公開車両
11 :ナビゲーション装置
13 :振動センサ
21 :駐車情報作成部
22 :公開車両情報作成部
23 :見学ユーザ検知部
24 :公開ユーザ検知部
25 :行動管理部
26 :面会設定部
27 :車両情報データベース
28 :公開情報データベース
29 :ナビゲーション部
31 :充電コネクタ
32 :接続検出センサ
35 :充電予約サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10