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特許7590480流体サンプル内の分析対象物質を検出するための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】流体サンプル内の分析対象物質を検出するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20241119BHJP
   G01N 1/12 20060101ALI20241119BHJP
   G01N 33/52 20060101ALN20241119BHJP
【FI】
G01N1/10 N
G01N1/12 B
G01N1/10 V
G01N33/52 B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023039178
(22)【出願日】2023-03-14
(65)【公開番号】P2023172885
(43)【公開日】2023-12-06
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】202210564706.5
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210608530.9
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】63/352,036
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2208268.9
(32)【優先日】2022-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521107987
【氏名又は名称】浙江東方基因生物制品股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Orient Gene Biotech Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】方 剣秋
(72)【発明者】
【氏名】雷 似愚
(72)【発明者】
【氏名】張 華
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-508569(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0314792(US,A1)
【文献】特表2018-511803(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0220677(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0190663(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/10
G01N 1/12
G01N 33/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体サンプル内の分析対象物質を検出するための装置であって、流体サンプル内の分析対象物質を試験するための試験素子と、試験素子を収容するための筐体とを含み、前記筐体は、折り曲げた紙質材料で構成され、らに、試験素子の検出領域を読み取るためのウィンドウと、試験素子を収容するための試験領域を備える展開不能な領域と、試験素子のサンプル注入領域を備える展開可能な領域とを含む、装置。
【請求項2】
前記試験素子は、検出領域と、液体サンプルと接触するためのサンプル注入領域とを含み、検出領域及びサンプル注入領域は、流体流通する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記展開可能な領域が展開し、前記試験素子のサンプル注入領域が露出する場合、サンプル注入領域が流体サンプルと接触するように、サンプル注入領域を流体サンプルを収容する容器に挿入することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記展開可能な領域が展開する場合、展開した可動領域により、試験装置全体を直立させることができる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記展開可能な領域は、2つの展開可能な素子を含み、前記試験素子のサンプル注入領域は、2つの展開可能な素子の間に位置し、展開可能な素子が展開する場合、2つの展開可能な素子はそれぞれサンプル注入領域の両側に位置するので、試験装置全体を直立させる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
流体サンプルを収容する容器は、支持フレームに位置し、前記2つの展開可能な素子はそれぞれ支持フレームに支持されるので、試験装置全体を直立させる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記支持フレームは、試験管ラック、又はパッケージにおける挿入孔である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
検出終了後、前記展開可能な素子は、初期の結合状態に戻り、初期状態にある場合、2つの展開可能な素子は、接着素子によって接着される、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記接着素子は、2つの展開可能な素子にそれぞれ設けられる磁性材料又は係合構造を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記展開不能な領域は、上下の2層の紙質カードを含み、試験素子の試験領域は、前記上下の紙質カードの間にある、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
上下の両側の紙質カードの間には、溝体付きの紙質カード層が設けられ、前記試験素子の試験領域は、溝体内に位置し、試験素子のサンプル注入領域は、溝体内に位置しない、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
上下の両側の紙質カードの間に支持パッドが設けられ、前記試験素子の試験領域は、支持パッドの表面の上に位置し、上層の紙質カードの裏面と支持パッドの表面部分は接着され、下層の紙質カードと支持パッドの裏面は接着され、試験素子のサンプル注入領域は、支持パッドに位置しない、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記上層の紙質カードにウィンドウが設けられ、試験領域が該ウィンドウから露出するので、試験領域における試験結果を容易に読み取る、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記溝体付きの紙質カード、上下の両側の紙質カード、及び試験素子の試験領域の両側に位置する展開可能な素子はいずれも1枚の折り曲げられた紙片で作られる、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
上紙質カードと下紙質カードは、1枚の折り曲げられた紙片で作られ、前記上紙質カードは、結果を読み取るためのウィンドウと、展開可能な第1素子とを有し、前記下紙質カードは、前記支持パッドを支持するための領域と、展開可能な第2素子とを有する、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記展開可能な第1素子と第2素子は、閉合状態でも展開状態でもよく、第1素子は、折れ線によって上紙質カードに接続され、第2素子は、折れ線によって下紙質カードに接続される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記磁性材料は、2つの展開可能な素子にそれぞれ設けられる正極及び負極を含み、両極の引力によって展開する素子を閉合させ、又は、前記磁性材料は、2つの展開可能な素子にそれぞれ設けられる磁石及び鉄質材料を含み、相互の引力によって展開した素子を閉合させる、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年5月23に出願された第CN2022105647065号、2022年5月23に出願された第CN2022106085309号の中国特許出願の優先権、2022年6月14に出願された第US63/352,036号の米国仮出願の優先権、及び2022年6月6日に出願された第GB2208268.9号の英国特許出願の優先権を主張し、明細書、特許請求の範囲、選択図などのそれらの内容全体は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、液体サンプルを収集する装置及び検出装置、特に快速診断分野において、液体サンプル中の分析対象物質検出する装置、例えば、尿、唾液を収集及び検出する装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
以下の背景技術の紹介は、いくつかの背景常識の紹介に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0004】
目前、サンプルには分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための検出装置は、病院又は家に広く使用され、これらの快速診断用検出装置は、妊娠早期検出、薬物乱用などの1種以上の検出用試薬ストリップを含む。これらの快速診断用検出装置は非常に便利であり、検出結果は、検出用試薬ストリップで1分、又は最大約10分で取得できる。
【0005】
麻薬検出は広く使用され、常に麻薬管制部門、警察署、麻薬中毒患者治療所、健康診断センター、全国徴兵健康診断センターなどの機関に使用される。麻薬検出は、種類が多様であり、頻繁である。いいくつかはサンプルを収集する必要があり、次に専門検出機構又は試験所で検出する必要がある。リアルタイムに試験を完了するために、路傍などの現場試験が必要な場合もあり、例えば、麻薬を吸った運転者(麻薬等運転と略称する)は現場で検出し、リアルタイムに検出結果を得る必要がある。
【0006】
例えば、唾液サンプルへの検出は、サンプルを収集しやすいために、検出機構又は作業者にとって徐々に人気になっている。いくつかの文献では、臨床用又は家庭用のサンプル収集及び試験装置を取得又は説明する。例えば、米国特許出願のUS5,376,337は、唾液採取装置を開示し、そのうちの一枚の濾過紙は、検出対象の口から唾液を収集し、且つ唾液を指示薬に送るために使用される。米国特許出願のUS5,576,009及びUS5,352,410は、それぞれ注射器型流体採取装置を開示する。
【0007】
例えば、米国出願番号14/893,461号(授権公告番号US2016/0121322A1)の特許出願は、サンプル検出装置を開示し、該特許出願は、いくつかの基本的な検出スキームと原理のみを開示するが、特定の製品を実際に実現することは困難であり、それらは、例えば、カバー本体と検出組み合わせの協働方法、唾液を吸収するための洗浄ヘッドの圧縮方法、移動方法、及び液体との効果的な混合方法であり、従って、その実際の効果は理想的ではない。
【0008】
なお、以上のこれらの検出装置は、大量のプラスチックを試験素子のパッケージ又は支持体として使用し、それは、その後の環境処理に大きな課題をもたらし、また、製造や加工にかかるコストも高く、運用面でも実際の検出操作が煩雑であり、専門機関以外の担当者にとって操作が依然として面倒であり、医学的背景のない人でも簡単に操作できる場合、病気の管理はより一般的になり、人気がある。
【0009】
いくつかの上記従来製品の技術的問題に対して、それらを改善し、別の手段で従来技術の不足を補う。
【発明の概要】
【0010】
上記状況に対して、従来技術の不足を補うために、本発明の目的は、液体サンプル中の分析対象物質を検出する装置を提供することであり、該装置は、紙を検出用支持体として使用し、紙に試験素子が設けられ、該紙質支持体は、任意の形状であり得るので、検出の場合で使いやすくなり、検出終了後に回収処理も容易になる。
【0011】
一態様では、本発明は、試験素子を収容するための筐体を含む検出装置を提供し、前記筐体は、折り曲げによって作られる。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記筐体は、紙質材料で構成され、折り曲げられた紙質材料で作られたものである。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記折り曲げられた筐体は、検出が必要である場合、検出のために開放することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、筐体が開放する場合、試験素子のサンプル注入領域が露出し、サンプル注入領域が液体サンプルを受け入れる。いくつかの実施形態では、サンプルが受け入れられた後、開放した筐体を閉合させ、試験素子の受け入れ領域は、筐体内に位置することによって保護される。
【0015】
いくつかの実施形態では、折り曲げられた筐体が開放する場合、開放した構造によって直立し、試験素子は筐体が直立するにつれて直立する。いくつかの実施形態では、筐体が直立する場合、試験素子のサンプル注入領域は、液体サンプル内に位置することができる。いくつかの実施形態では、前記液体サンプルは、容器内に収容され、前記試験素子のサンプル注入領域は容器内に直立し、開放した構造は、容器の両側に直立する。
【0016】
いくつかの実施形態では、筐体又は支持体は、試験素子を含み、前記試験素子は、検出領域と、液体サンプルと接触するためのサンプル注入領域とを含み、検出領域及びサンプル注入領域は、流体流通する。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記筐体又は支持体は、試験素子の検出領域を読み取るためのウィンドウを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記筐体又は支持体は、試験素子を収容するための空間を有し、前記空間は、試験素子が占有するものであり、又は、試験素子を負荷するために使用される。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記折り曲げは、紙片全体1回以上を折り曲げることである。いくつかの実施形態では、折り曲げは、折れ目に基づくものである。いくつかの実施形態では、前記シートは、長方形であり、該シートは、折れ線を含み、折れ線によって筐体又は支持体を折り曲げる。
【0020】
いくつかの実施形態では、折れ線によって筐体を異なる状態に折り曲げるので、試験素子と液体サンプルとの接触を完了し、検出結果を取得し、又は、検出結果を読み取る。
【0021】
いくつかの実施形態では、筐体は、異なる状態を有し、筐体が異なる状態にある場合、試験素子と液体サンプルとの接触、検出結果の取得、又は検出結果の読み取りを実現することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記状態は、第1状態の閉合状態、第2状態の開放状態であり、第1状態にある場合、筐体全体は、試験素子を被覆し、筐体が第2状態にある場合、試験素子のサンプル注入領域の一部は露出する。そのため、それは、流体サンプルと接触することができ、流体サンプルと接触した後、開放状態から初期の閉合状態になることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、筐体は、閉合状態及び開放状態にある12又は2つの素子を含み、該素子は、閉合状態又は開放状態にあるので、筐体は、異なる閉合状態又は開放状態にある。
【0024】
いくつかの実施形態では、閉合状態又は開放状態にある前記素子は、試験素子のサンプル注入領域又はその周辺を被覆する。2つの素子が開放状態にある場合、サンプル注入領域は露出し、又はサンプル注入領域は完全に露出し、閉合状態にある場合、サンプル注入領域は、2つの素子間にあることによって保護又は被覆される。
【0025】
いくつかの実施形態では、素子が開放状態にある場合、2つの素子により、筐体又は支持体全体は、直立状態にある。
【0026】
いくつかの実施形態では、素子が閉合状態にある場合、2つの素子は、閉合構造若しくは装置、又はロック構造によって閉合する。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記閉合構造は、係合、挿着、ロック、スナップ、磁石によって素子を閉合させる。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記磁石は、正極及び負極の引力によって素子を閉合させ、又は、磁性のある磁石、又は磁石によって吸引された金属によって素子を閉合させることができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、流体サンプルが容器に収容される場合、開放するための2つの素子が容器の両側に直立するので、支持体も直立状態にあり、試験素子のサンプル注入領域は、流体サンプルと接触するように、容器内に挿入される。いくつかの実施形態では、接触した後、容器から試験素子のサンプル注入領域を取り出し、2つの素子を閉合させる。次に、試験領域の試験結果を読み取り、又は、試験素子のサンプル領域が流体サンプルと接触した後、ウィンドウによって試験領域の試験結果を読み取る。本明細書の読み取り方法では、肉眼で読み取ることもできるし、写真を撮るなどして読み取ることもできる。
【0030】
別の態様では、本発明は、検出装置を提供し、該装置は、折り曲げられたカードで作られ、前記カードは、係合溝付きの折り曲げ領域と、ウィンドウ付きのウィンドウ領域と、試験素子支持側を有する支持領域と、ウィンドウ領域及び支持領域に接続される可動領域とを含み、折り曲げた後、折り曲げ領域、ウィンドウ領域及び支持領域は接着され、可動領域は試験素子の両側に位置する。可動領域は、閉合でも展開状態でもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、本発明は、検出装置を提供し、該装置は、折り曲げられたカードで作られ、前記カードは、係合溝付きの領域と、ウィンドウ付きのウィンドウ領域と、試験素子支持側を有する支持領域と、ウィンドウ領域及び支持領域にそれぞれ接続される可動領域とを含み、折り曲げた後、係合溝領域は、支持領域に接着され、ウィンドウ領域は、係合溝領域に接着され、可動領域は、試験素子の両側に位置し、閉合可能又は展開可能な状態にある。
【0032】
いくつかの実施形態では、2つの可動領域には、可動領域を閉合又は展開構造が設けられ、いくつかの実施形態における該構造について、前記閉合構造は、係合、挿着、ロック、スナップ、及び磁石を含み、N極磁石により、素子を閉合させ、展開の必要がある場合、係合、挿着、ロック、スナップ構造を解除し、磁石を分けて閉合状態を解消する。いくつかの実施形態では、展開状態は、分けて可動素子を支持構造として使用し、試験装置を自立させることを含む。いくつかの実施形態では、可動領域の展開は、可動領域が反転してウィンドウ領域又は支持領域を被覆することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記カードは、紙質材料で製造される。
【0034】
いくつかの実施形態では、本発明は、検出装置を提供し、該装置は、ウィンドウ領域及び支持領域を含み、前記ウィンドウ領域と支持領域はヒンジ接続される。いくつかの実施形態では、支持領域には、試験素子を負荷するための接着領域が設けられ、前記接着領域に試験素子が接着される。いくつかの実施形態では、前記試験素子の検出領域は、支持素子に接着される。いくつかの実施形態では、支持領域における接着領域に乾燥剤が接着され、乾燥剤は、両面ペースト機能を有し、試験素子の検出素子は、乾燥剤に接着される。いくつかの実施形態では、ウィンドウ領域及び支持領域に接続されるものは、2つの可動領域であり、該可動領域は、閉合可能な状態又は展開可能な状態の2つの状態でもよく、2つの状態下で、閉合の場合、閉合領域は、試験素子のサンプル注入領域を被覆又は保護することができ、可動領域が展開する場合、この展開は、一定の夾角だけであり、支持作用を果たし、それは、例えば、図5における方法である。当然ながら、展開の別の方法は、可動領域は、反転して支持領域及びウィンドウ領域の裏面に接着されることであり、図13の方法を形成する。2つの展開した素子の接着は、係合、磁石による吸着などの方法によって実現されるものである。
【0035】
本発明の他の態様では、本発明は、サンプル中の分析対象物質を検出する方法を提供し、該方法は、
検出装置を提供し、該装置は、折り曲げられた紙質カードで作られた筐体を含み、筐体は、流体サンプルの分析対象物質を試験するための試験素子を備え、前記筐体は、試験素子を負荷するための領域と、試験素子のサンプル注入領域を負荷するための領域とを含み、ここで、サンプル注入領域を負荷するための前記領域は、開放状態でも閉合状態でもよい。
【0036】
該領域を開放状態にすると、サンプル注入領域が露出し、試験素子のサンプル注入領域が液体サンプルと接触する。
【0037】
いくつかの実施形態では、該領域が開放状態にあると、サンプル注入領域が露出し、試験素子のサンプル注入領域を液体サンプルを収容する容器内に挿入する。
【0038】
いくつかの実施形態では、該領域は、1つ以上の開放可能な素子を含み、前記素子は、前記試験素子のサンプル注入領域を包んで被覆し、前記素子を開放させる場合、試験素子のサンプル注入領域を液体サンプルを収容する容器内に挿入し、前記開けられた素子が容器の周辺に位置して筐体を垂直に直立させ、その結果、試験素子を容器内に垂直に挿入する。
【0039】
いくつかの実施形態では、容器から試験素子、又は試験素子のサンプル注入領域を取り出す。いくつかの実施形態では、取り出し方法は、筐体は、サンプル注入領域が液体サンプルを収容する容器から離れるように動かすことである。
【0040】
いくつかの実施形態では、試験素子のサンプル注入領域が液体サンプルを収容する容器から離れた後、開放した素子を閉合させ、素子を閉合させることによって形成される空間は再び試験素子のサンプル注入領域を包み又は被覆する。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記開放可能、又は開放してから閉合する素子は、2つであり、開放した場合、2つの素子はそれぞれサンプル注入領域の両側に位置する。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記2つの素子の末端に接着素子が設けられるので、2つの素子を容易に開放させることができ、結合の場合、容易に接着することができる。いくつかの実施形態では、前記接着素子は、係合、磁性吸着、磁石などを含む。
【発明の効果】
【0043】
上記構造を用いると、診断コストを迅速に低減し、紙質材料をサンプルを支持するための係合装置として使用すると、スポイトでサンプルを注入することではなく、支持体を直接開放させ、検出素子の領域が液体と接触すると、検出することができ、それは、面倒な手順を省略し、操作がより簡単で便利であるので、自宅検出に適している。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の1つの具体的な実施形態における検出装置の筐体の展開図である。
図2】本発明の1つの具体的な実施形態における筐体の折り曲げ概略図である。
図3】本発明の別の1つの具体的な実施例における筐体の折り曲げ概略図である。
図4】本発明の1つの具体的な実施形態における筐体を折り曲げた後、試験素子を有する構造概略図である。
図5】本発明の1つの具体的な実施例における検出装置の検出過程中の開放状態の概略図である。
図6】本発明の1つの具体な実施形態における筐体を開いた後に検出する場合の構造概略図である(試験管ラックに直立する)。
図7】本発明の1つの具体な実施形態における筐体を開いた後に検出する場合の構造概略図である(試験管ラックに直立する)。
図8】本発明の1つの具体な実施形態における筐体を開いた後に検出する場合の構造概略図である(パッケージに直立する)。
図9】本発明の1つの具体的な実施形態における筐体又は支持体の展開構造概略図である。
図10】本発明の1つの具体的な実施形態における支持体の折り曲げ過程の構造概略図である。
図11】本発明の1つの具体的な実施形態における筐体の折り曲げ過程において、試験素子を支持体に入れる場合の構造概略図である。
図12】本発明の1つの具体的な実施形態における検出装置の組み立て済みの構造概略図である。
図13】本発明の1つの具体前的な実施形態における検出装置の検出前の開放状態の概略図である(可動領域が反転してウィンドウ領域及び支持領域を被覆する)。
図14】本発明の1つの具体的な実施形態における受け入れ装置の検出中の構造状態図である。
図15】本発明の1つの具体的な実施形態における受け入れ装置の検出中の構造状態図である。
図16】本発明の1つの具体的な実施形態における検出装置の構造概略図である(展開)。
図17】本発明の別の1つの具体的な実施形態における検出装置の展開構造概略図である。
図18】本発明の別の1つの実施形態における検出装置の折り曲げ過程の構造概略図である。
図19】本発明の別の1つの実施形態折り曲げ可能な支持体の展開構造の概略図である。
図20】本発明の別の1つの実施形態における折り曲げ可能な支持体の展開構造概略図である。
図21】本発明の別の1つの実施形態における折り曲げ可能な支持体の展開構造概略図である。
図22】本発明の別の1つの実施形態における折り曲げ可能な支持体の展開構造概略図である。
図23】本発明の1つの実施例における試験素子付きの支持体の初期状態の概略図である。
図24図23に示される支持体の展開状態の概略図である。
図25図24における試験装置の展開状態の構造斜視図である。
図26】本発明の特定の実施形態におけるラテラルフロー用試験ストリップの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明による構造又はそれらが使用する技術的用語を更に説明し、特に明記しない限り、当技術分野で一般的に使用される一般的な用語に従って理解及び解釈する。
【0046】
(検出)
「検出」は、ある物質又は材料の有無について化学検査をし、又はある物質又は材料の有無を試験することを指し、例えば、化学物質、有機化合物、無機化合物、新陳代謝産物、薬物又は薬物代謝物、有機組織又は有機組織の代謝物、核酸、蛋白質又はポリマを含むが、それらに限定されない。また、「検出」は、物質又は材料の量を試験すること指す。更に、「化学検査」は、免疫検出、化学検出、酵素検出などを指す。
【0047】
(サンプル)
本発明の検出装置のサンプルは、生物学的液体(例えば、症例の液体又は臨床サンプル)を含む。それは、任意の液体サンプル又は流体サンプルであり得、排泄物、生物学的組織、食品サンプルなど、固体又は半固体のサンプルから採取できる。任意の適切な方法で固体又は半固体のサンプルを液体サンプルに変換することができ、それは、例えば、混合、スタンプ粉砕、浸軟、培養、溶解、又は適切な溶液(例えば、リン酸塩溶液又は他の緩衝液)に酵素分解作用で固体サンプルを消化することである。「生物学的サンプル」は、動物、植物及び食品サンプルを含み、例えば、ヒト又は動物の尿、唾液、血液及びその成分、脊髄液、膣分泌物、精子、糞便、汗、分泌物、組織、臓器、腫瘍、組織及び臓器培養物、細胞培養物及び媒体を含む。好ましい生物学的サンプルは尿であり、好ましくは、生物学的サンプルは唾液である。「食品サンプル」は、食品加工用の物質、完成品、チーズ、酒、牛乳及び飲み水を含む。「植物サンプル」は、任意の植物、植物組織、植物細胞培養物及び媒体を含む。「環境サンプル」は、環境から採取されるもの(例えば、湖や他の水体からの液体サンプル、汚水サンプル、土壌サンプル、地下水、海水及び廃液サンプル)である。「環境サンプル」は、汚水又は他の廃水を含み得る。
【0048】
本発明の適切な検出装置を利用すると、任意の分析対象物を検出することができる。好ましくは、本発明を利用して唾液、尿中の薬物小分子を検出する。当然ながら、本発明の検出装置を利用すると、液体又は液体サンプルが試験素子のサンプル注入領域によって吸収され得る限り、最初は固体であろうと液体であろうと、上記の任意形態のサンプルを検出することができる。本明細書で使用されるサンプル注入領域は一般的に吸水性材料で製造され、吸収素子の材料の毛管又は他の特性により、液体サンプル又は流体サンプルを吸収でき、それによって流体サンプルはサンプル注入領域で流れる。流体サンプル注入領域の材料は、液体を吸収できる任意の材料、例えば、スポンジ、濾過紙、ポリエステル繊維、ゲル、不織布、綿、ポリエステル薄膜、糸などであり得る。当然ながら、流体サンプル注入領域の材料は吸水性を有する材料で製造されなくてもよく、非吸水性材料で製造されてもよいが、吸収素子は孔、ねじ山、穴を有し、これらの構造でサンプルを収集することができ、これらのサンプルは一般的に固体又は半固体サンプルであり、これらのサンプルは、ねじ山の間、穴又は孔に充填され、サンプルを収集する。当然ながら、選択可能では、流体サンプル注入領域は、いくつかの非吸水性繊維、毛髪で構成され、これらの材料で固体、半固体又は液体サンプルを掻取する場合、これらのサンプルを流体サンプル注入領域に保持することができる。検出を必要とする場合、サンプル注入領域に緩衝溶液を加えることでサンプルを溶解し、それによって溶解したサンプルは試験素子又は検出素子に流れる。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明の試験素子のサンプル注入領域は、手動で流体サンプルを注入する必要がなく、サンプル注入領域を流体サンプル内に直接挿入することができ、挿入後、直接取り出し又は移すことができ、更に、サンプル注入領域が試験終了まで流体サンプルに保持することもでき、この過程において、それは、手動の必要がなく、自身構造によって直立することができる。以下では、具体的な実施例を参照して本発明を更に説明する。
【0050】
(下流及び上流)
下流及び上流は液体の流れ方向に応じて分けられ、一般的に、液体又は流体は上流から下流領域まで流れる。下流領域に位置して上流領域からの液体を受け、液体も上流領域に沿って下流領域まで流れることができる。ここで、一般的に、液体の流れ方向に応じて分けられ、例えば、毛管力を利用して液体の流れを促進するいくつかの材料に、液体は重力を克服して重力の反対方向へ流れることができ、この場合、液体の流れ方向に応じて上流及び下流を分ける。例えば、本発明の検出装置10において、試験素子20は流体サンプル又は液体サンプルを吸収した後、流体は試験素子のサンプル注入領域202から試験素子20の検出領域201まで流れることができ、この場合、液体がサンプル注入領域202から検出領域201まで流れることは上流から下流まで流れることであり、流れの過程において、試験領域201を経て、試験領域には検出領域及び検出結果制御領域を有する。検出領域は、ポリエステル繊維薄膜であり得、サンプル注入領域はガラス繊維であり得る。この場合、サンプル注入領域又は吸収領域202は試験素子のサンプル注入領域の上流に位置する。具体的な試験素子の構造は、図26に示される。
【0051】
(気体連通又は液体連通)
気体連通又は液体連通は、液体又は気体が1つの場所から他の1つの場所へ流れることができ、流れ過程においてガイド作用を果たす物理的構造を経ることを指す。いわゆる「物理的構造を経る」は、これらの物理的構造の表面、又はこれらの構造の内部空間を経て他の1つの場所に受動又は主動にガイドされることを指し、ここで、受動は、一般的に、毛管作用での流れ、気圧作用などの外力による流れである。本明細書で使用される「流れ」は、液体又は気体が自身の作用(重力又は圧力)であてもよく、受動の流れであってもよく、気圧作用の流体は、順方向の流れであってもよく、逆方向の流れであってもよく、気圧作用で流体が1つの位置から他の1つの位置へ流れるように促すことであってもよい。本明細書で使用される「連通」は、液体及び気体の存在を意味することではなく、場合によっては2つの物体間の接続関係又は状態を示すだけであり、液体が存在する場合、1つの物体から他の1つの物体へ流れることができる。本明細書では、2つの物体の接続状態を指し、逆に、2つの物体の間には気体連通又は液体連通状態がなく、液体が1つの物体中又はその上にある場合、液体は他の1つの物体中又はその上に流れることができず、この状態は非連通、非液体又は気体連通状態である。
【0052】
(試験素子)
いわゆる「試験素子」は、流体サンプル又は流体試料(液体サンプル又は液体試料)には興味のある分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための素子を指し、この検出は、免疫学、化学、電気学、光学、分子、核酸、物理学などの任意の技術的原理を基とすることができる。試験素子は、ラテラルフロー(Latteral flow)の検出用試験紙を選択でき、それは数種の分析対象物質を検出できる。もちろん、他の適切な試験素子も本発明で使用することができる。
【0053】
各種の試験素子を組み合わせて本発明で使用することができる。1つの形態は、検出用試験紙である。サンプル中の分析対象物(例えば、違法薬物又は病状を示す代謝物)を分析するための検出用試験紙は、免疫測定又は化学分析などの各種の形態であり得る。検出用試験紙は、非競合モード又は競合モードで分析できる。一般的に、検出用試験紙は、サンプル注入領域を備えた吸水性材料、試薬領域及び試験領域を含む。流体又は液体サンプルをサンプル注入領域に注入し、毛管作用で試薬領域に流れ込む。試薬領域において、分析対象物質がある場合、サンプルは試薬に結合する。次に、サンプルは、試験領域に流れ込む。分析対象物に特異的に結合する分子などの他の試薬は、検出領域に固定化される。これらの試薬は、サンプル中の分析対象物(存在する場合)と反応して該領域の分析対象物に結合するか、試薬領域の試薬の1つに結合する。検出シグナルを表示するためのマーカーは、試薬領域又は別のマーカー領域に存在する。
【0054】
典型的な非競合分析モードでは、サンプルには分析対象物が含まれる場合、シグナルを生成し、分析対象物が含まれない場合、シグナルを生成しない。競合モードでは、サンプルには分析対象物が含まれない場合、シグナルを生成し、分析物が含まれる場合、シグナルを生成しない。
【0055】
試験素子は、検出用試験紙であってもよく、吸水性又は非吸水性材料を選択することができる。検出用試験紙は、液体サンプルを輸送するための数種の材料を含み得る。そのうち1種の検出用試験紙の材料は、別の種類の材料に被覆することができ、例えば、濾過紙はニトロセルロースフィルター膜に被覆することができる。検出用試験紙の1つの領域は、1種以上の材料を選択することができ、他の1つの領域は、他の異なる1種以上の材料を選択することができる。検出用試験紙をつまむ強度を向上させるために、検出用試験紙をある支持物又は硬い表面に粘着させることができる。
【0056】
シグナル生成システムによって分析対象物を検出し、例えば、本分析対象物と特異反応が発生する1種以上の酵素、前述するように特異的結合物質を検出用試験紙に固定化する方法を利用し、1種以上のシグナル生成システムの合わせ物を検出用試験紙の分析対象物の検出領域に固定化する。シグナルを生成する物質は、サンプル注入領域、試薬領域、若しくは検出領域、又は検出用試験紙全体にあることができ、該物質は、検出用試験紙の1種以上の材料に十分に流れ込むことができる。シグナル物質を収容する溶液を試験紙の表面に注入し、又は試験紙の1種以上の材料をシグナル物質を収容する溶液に浸す。シグナル物質を収容する溶液が加えられる試験紙を乾燥させる。
【0057】
検出用試験紙の各領域は、サンプル注入領域202、試薬領域、検出領域201、制御領域、サンプル不純化の検査領域、液体サンプル吸収領域という順序に応じて並べられる。制御領域は、検出領域の後に位置する。全ての領域は、1種の材料のみを使用する1つの試験紙に配置されてもよい。異なる領域は異なる材料を使用してもよい。各領域は液体サンプルに直接接触することができ、又は異なる領域は液体サンプルの流れ方向に応じて並べられ、各領域の末端と他の1つの領域の前端を接続し且つ重ねる。使用した材料は、濾過紙、ガラス繊維、ニトロセルロースフィルター膜など、吸水性に優れた材料であってもよい。検出用試験紙は他の形態を使用することができる。
【0058】
一般的に、通常の試薬ストリップは、ニトロセルロースフィルター膜の試薬ストリップであり、即ち、検出領域はニトロセルロースフィルター膜(NC)を含み、ニトロセルロースフィルター膜に特異的結合分子を固定化することによって検出結果を示し、また、セルロースアセテート膜又はナイロン膜などであってもよい。例えば、以下の特許出願は試薬ストリップ又は試薬ストリップを備えた装置を説明する。US 4857453、US 5073484、US 5119831、US 5185127、US 5275785、US 5416000、US 5504013、US 5602040、US 5622871、US 5654162、US 5656503、US 5686315、US 5766961、US 5770460、US 5916815、US 5976895、US 6248598、US 6140136、US 6187269、US 6187598、US 6228660、US 6235241、US 6306642、US 6352862、US 6372515、US 6379620及びUS 6403383。以上の特許出願によって開示された試験ストリップ及び試験ストリップを備えた同様の装置は、サンプル中の分析対象物質の検出などの分析対象物質の検出を行うために、いずれも本発明の試験素子に適用できる。
【0059】
本発明が使用した検出用試薬ストリップは、通常のラテラルフロー用試薬ストリップ(Lateral flow test strip)であってもよく、これらの検出用試薬ストリップの具体的な構造及び検出原理は、従来技術の当業者によく知られている。通常の検出用試薬ストリップ(図26)は、サンプル収集領域又はサンプル注入領域202、マーカー領域(204)、検出領域201及び吸水領域203を含み、サンプル収集領域は、サンプル受取パッドを含み、マーカー領域はマーカーパッドを含み、吸水領域は吸水パッドを含み、ここで、検出領域は、免疫試薬や酵素化学試薬など、分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための必要な化学物質を含む。一般的に、通常の検出用試薬ストリップは、ニトロセルロースフィルター膜の試薬ストリップであり、即ち、検出領域201はニトロセルロースフィルター膜と、ニトロセルロースフィルター膜に特異的結合分子を固定化することによって検出結果を示す領域205(T-線)とを含み、また、セルロースアセテート膜又はナイロン膜などであってもよく、当然ながら、検出領域の下流は検出結果制御領域206(C-線)を更に含み、通常、制御領域及び検出領域に現れた横線は、検出線又は制御線である。このような検出用試薬ストリップは、従来の試薬ストリップであり、当然ながら、毛管作用を利用して検出する別の種類の試薬ストリップであってもよい。また、一般的な検出用試薬ストリップには、固定化された抗体や他の試薬などの乾燥した化学試薬成分を有し、液体があれば、液体は毛管作用で試薬ストリップに沿って流れ、その流れで、乾燥した試薬成分が液体に溶解し、従って、該領域における乾燥した試薬の反応を次の領域で処理し、必要な検出を行う。液体の流れは主に毛管作用で行われる。ここでは、それらはいずれも、本発明の検出装置に適用でき、又は液体サンプルと接触するための検出キャビティに配置され、又は検出キャビティに入った液体サンプル中の分析対象物質の有無又はその量を検出するために使用される。
【0060】
上記の試験ストリップ又はラテラルフロー用試験ストリップ自体を使用して液体サンプルに接触させ、液体サンプルには分析物が含まれるかどうかを試験することを除いて、本発明の試験素子自体は、サンプル中の分析対象物質を検出するための検出装置として使用することができるので、ここでの検出装置自体は、試験素子と同等である。例えば、流体サンプルと処理液を混合した後、試験素子で直接検出する。以下の具体的な説明では、受取装置が流体サンプルを処理する場合、試験素子は検出に独立して使用できる。
【0061】
(分析対象物質)
本発明による分析対象物質の例は、いくつかの低分子物質を含み、これらの低分子は、違法薬物(例えば、薬物乱用)を含む。「薬物乱用(DOA)」は、非医療目的での薬物の使用を指す(通常、神経を麻痺させるように作用する)。これらの薬物の乱用は、身体的及び精神的な損傷、強迫的な使用、依存症、及び/又は死につながる可能性がある。薬物乱用の例は、コカイン、アンフェタミンAMP(例えば、黒美人、白いアンフェタミン錠剤、右旋性アンフェタミン、デキストロアンフェタミン錠剤、Beans)、メタンフェタミンMET(crank、ヒロポン、crystal、speed)、バルビツール酸塩BAR(例えば、Valium、Roche Pharmaceuticals、Nutley、New Jersey)、鎮静薬(睡眠薬として利用される)、リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、抑制剤(downers、goofballs、barbs、blue devils、yellow jackets、メタカロン)、三環系抗うつ薬(TCA、即ち、イミプラミン、アミトリプチリン、ドクサピン)、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンMDMA、フェンサイクリジン(PCP)、テトラヒドロカンナビノール(THC、pot、dope、hash、weedなど)、アヘン剤(即ち、モルヒネMOP、又はアヘン、コカインCOC、ヘロイン、オキシコドン)、抗不安薬及び鎮静催眠薬を含み、抗不安薬は、主に不安、緊張、恐怖を軽減し、感情を安定させ、催眠及び鎮静効果を果たす薬物で、ベンゾジアゼピンBZO(benzodiazepines)、非定型BZ系薬、融合ジアゼピンNB23C系薬、ベンゾジアゼピン系薬、BZ受容体のリガンド系薬、開環BZ系薬、ジフェニルメタン誘導体、ピペラジンカルボキシレート系薬、ピペリジンカルボキシレート系薬、キナゾリノン系薬、チアジン及びチアゾール誘導体、他のヘテロ環系薬、イミダゾール系の鎮静・鎮痛剤(例えば、オキシコドンOXY、メタドンMTD)、プロピレングリコール誘導体(ウレタン系薬)、脂肪族化合物、アントラセン誘導体を含む。本発明の検出装置は、三環系抗うつ薬(イミプラミン又は類似物)及びアセトアミノフェンなど、医療用途に属するが服用しやすい薬物の過剰摂取の検出にも使用できる。これらの薬物は、人体に吸収された後、代謝されて低分子物質になり、これらの低分子物質は、血液、尿、唾液、汗などの体液に含まれ、又は体液の一部に上記低分子物質が含まれる。
【0062】
例えば、本発明で検出された分析対象物は、クレアチニン、ビリルビン、亜硝酸塩、蛋白質(非特異的)、ホルモン(例えば、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、プロゲステロン、卵胞成熟ホルモンなど)、血液、白血球、糖、重金属又は毒素、細菌物質(例えば、特異的細菌に対する蛋白質及び糖質など、大腸菌0157:H7、ブドウ状球菌、サルモネラ菌、クロストリジウム属、カンピロバクター属、L.monocytogenes、ビブリオ属、又はセレウス菌)、及び尿サンプル中のpHや比重などの生理学的特性に関連する物質を含むが、それらに限定されない。他の任意の臨床的尿化学分析は、いずれもラテラルフロー検出手段と本発明の装置との組み合わせによって検出することができる。
【0063】
(支持体素子又は筐体)
いくつかの実施形態では、試験素子はいくつかの支持体素子に設けられてもよく、このような支持体素子は試験素子を含み、流体サンプル中の分析対象物質の検出及び化学検査を完了させる。従って、いくつかの実施形態では、検出装置は、支持体を含み、支持体に試験素子が設けられる。いくつかの実施形態では、本発明の支持体は、試験素子を負荷して収容するためのものであり、支持体素子自身は、直接的検出の機能に関与しないが、負荷して収容された試験素子の支持体又は筐体として使用される。いくつかの実施形態では、本発明の筐体又は支持体は、溝体構造を含み、該構造は、支持体における試験素子の位置を画定するために使用される。本明細書の溝体構造は、1つ以上であり得る。各溝体内に試験素子が設けられ、試験素子は、サンプル内の分析対象物質の数又は有無を試験するために使用され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、検出装置10は、その内の試験素子20を含み、検出装置は、試験素子20の試験領域201が露出するためのウィンドウ領域102を含み、ウィンドウ領域が透明なので、ウィンドウ領域102によって試験領域201における試験結果を読み取ることができ、また、透明な薄膜でウィンドウ領域を被覆することができる。前記試験装置は、可動領域を更に含み得、該可動領域は、開放でも閉合状態でもよく、閉合の場合、筐体内の試験素子を被覆し、主に、試験素子のサンプル注入領域を被覆又は保護し、開放状態の場合、流体サンプルと接触して検出を完了するように、試験素子が露出し、特に、試験素子のサンプル注入領域が露出する。図4~5に示すように、図4は、閉合状態であり、図5は、開放状態である。いくつかの実施形態では、可動領域は、1つ又は2つの可動素子を含み、該可動素子は、折れ線2098又は2099を介して筐体の一部に可動に接続し又はヒンジ接続される。折れ面2098は、支持体又は筐体を2つの領域に分け、1つの領域は、可動領域で、試験素子のサンプル注入領域202を被覆し、他の1つは、不動領域で、主に試験結果を読み取るためのウィンドウ102を含み、ウィンドウに対応するのは、試験素子の試験領域201であり、一般に、試験領域が変位せず、又は開放できない。いくつかの実施形態では、図5に示すように、可動領域は、2つの可動素子104、108を含み、該2つの可動素子の間は試験素子で、特に試験素子のサンプル注入領域である。2つの可動素子が閉合する場合、試験素子のサンプル注入領域を保護し、開放の場合、サンプル注入領域が露出する。閉合の場合で2つの可動素子をより近づけるために、可動素子104、108の端部の内部に相互に接着するための素子が貼り付けられ、しかし、貼り付けられた素子は2つの可動素子を分離することができず、必要な場合で分離することができ、2つの可動素子を閉合させる必要がある場合で閉合することができる。検出の必要がある場合、試験素子の注入領域202が液体サンプルと直接接触し、例えば、図6に示すように、試験素子20の注入領域202を流体サンプルを収容する試験管40に直接挿入し、この場合、開放した可動素子104、108は、支持フレームの役割を果たし、試験素子全体を試験管の周辺に直立させ、図6に示すように、試験管は、試験管ラック30内に位置し、試験管ラックは、試験管40を有し、検出装置を試験管ラックに直立させ、サンプル注入領域は液体サンプルと直接接触し、液体も流れ、この検出方法は、直接検出することができ、検出終了後、試験素子の検出領域201に検出結果が示され、透明なウィンドウ領域102によって試験素子における検出結果を読み取る。試験結果を読み取った後、試験管から試験装置全体を取り出すことができ、例えば、手で筐体の試験領域の一部、例えば、107で示された位置を掴み、筐体を試験管から取り出すことができる。次に、分けられた可動素子104、108を結合するために、接着素子によって再び接着する。この利点は、支持体を直立させた後、自動的に検出することができ、また、分解可動な紙質材料なので、処理しやすく、環境を汚染せず、更に、自動的に検出できるので、それを直立させるための別の構造を必要とせずにその自身の構造によって直立することができ、専任者は必要がない。このように、1回だけで複数の異なるサンプルを検出することができる。また、従来技術では、スポイトでサンプルを吸引して液体注入孔付きの試験カードに滴下してサンプルを注入するというステップを省く。本発明の新規な試験は、自宅検出に適し、また、該試験カードが軽量であるので、自己検出のニーズを満たす。
【0065】
いくつかの実施形態では、試験管自身は、直立構造を有し、図7に示すように、該試験管は、管本体と、管本体を支持するための構造50、51とを含み、このように、試験管自身は、テーブルに直立することができ、検出過程において、図6に示すように、検出装置は、開放した素子の支持によって試験管に直接直立し、開放した素子104、108が試験管ラックに直接跨がり、支持の作用下で、試験装置は、直立の状態にあり、そのため、検出しやすくなり、試験結果も容易に読み取る。
【0066】
いくつかの実施形態では、パッケージ60を有し、該パッケージは、挿入孔70を有し、該挿入孔は、試験管40を挿入するために使用され、この場合、検出装置内の試験素子の注入領域202を試験管内に直接挿入し、検出装置は、開放した素子104、108によってパッケージ本体に直立し、本発明のパッケージ本体は、出願人が英国及び欧州で出願したパッケージでもよく、第6191823号の英国特許出願、第008867121号の欧州特許出願に開示された内容のように、そのパッケージは、本発明の検出装置10を収容することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明の検出装置の筐体は、従来のプラスチック筐体ではなく、従来のプラスチック筐体はいずれも上下の2つのパネルを含み、パネルには、溝体構造を有し、試験素子を筐体に置き、第EP2120048A1号の欧州特許出願、第US20070287198A1号の米国特許出願、及び第WO2013096804A2号のPCT特許出願に開示された検出装置は、射出成形された上下の2つのパネルを含み、試験素子を2つのパネル内に置き、それらを結合して筐体を形成する。本発明の筐体は、折り曲げられたカードで作られたものであり、まず、折り曲げ過程は非常に簡単であり、金型による射出成形を必要とせず、紙又は紙質カードで折り曲げる場合、射出成形を省き、生産コストを削減し、プラスチックの分解及び処理による環境汚染を大幅に低減し、また、折り曲げられたカードで作られた筐体は、軽量なので、輸送コストを削減し、プラスチックに比べて、分解可能な紙を使用すると、環境汚染を大幅に低減する。
【0068】
従って、いくつかの実施形態では、本発明の検出装置の筐体は、折り曲げられたカード全体で作られる。図1~4は、カード折り曲げ全過程を示し、以下では、詳細に紹介する。例えば、図1は、筐体の1つの展開形態であり、それは、複数の領域を含み、これらの領域は、折り曲げ又は折れ線によって接続され、折れ線によって折り曲げられる。具体的には、該カードは、可動領域108、104を含み、該可動領域は、カード10の両端に位置し、可動領域104を接続する1つの領域は、ウィンドウ領域107であり、該領域には、試験素子の試験領域201における試験結果を読み取るためのウィンドウ102が設けられる。ウィンドウ領域に接続されるものは、試験素子20を置くための溝体101であり、該溝体領域は、試験素子を置くための溝の構造に折り曲げられ、カードは、一定の厚さを有し、溝体領域101が折り曲げられた後、対応する厚さも有し、そのため、試験素子20を収容し、又は、試験素子の厚さと一致することができ、それは、例えば、1~3ミリメートルであり、単層の溝体領域は、1~3ミリメートルであり、二重層の溝体領域が折り曲げられると、2~6ミリメートルの厚さを有する。一般に、溝体領域の溝体101は、折り曲げの場合、筐体の内部に位置する。図2~3に示すように、溝体領域の折り曲げは、溝体101の中間位置において折れ線1017に沿って2つに折り曲げることであり、2つに折り曲げられた後、2つの面が形成され、1つの面1011は、面103と接触し、面103の上に位置し、他の1つの溝体領域1012が2つに折り曲げられて形成された面は面1011と接触し、又は面1011を被覆し、このように、溝体は、折り曲げによって溝体構造を形成し、溝体101又は2つの面1011、1012を折り曲げて試験素子の溝を形成し、それは、底面103として試験ストリップの裏面と接触し、その結果、試験ストリップは、筐体内に安定して位置する。折り曲げられた面1011と面103は、ゴムのりなどの接着剤などによって接着され、面107の裏面と面102も接着剤によって接着され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、該2つに折り曲げられた溝体101は主に試験素子の検出領域又は検出領域の下流の吸水領域を収容するために使用され、当然ながら、溝体101の長さが十分である場合、マーカー領域も収容される。試験素子全体では、試験領域及びマーカー領域はいずれも検出に必要な抗体、抗原試薬などを有し、好ましくは、この部分は、変位せずに保護される。このような折り曲げ過程において、ウィンドウ102付きの部分は、試験領域201を被覆し、試験領域201は露出する。2つに折り曲げられた溝体101は、2つの重なり合った溝体1013、1014に分けられる。溝体領域101は、折り曲げ後、面103に位置し、このように、面103及び溝体101の開口部により、試験素子を固定するための係合溝構造を形成する。支持面としての面103は、溝体と結合して試験素子を支持するために使用される。いくつかの実施形態では、溝体領域における溝体の開口部101の折り曲げ後の長さは、一般に、試験素子の試験領域よりも大きく、例えば、試験素子が吸収領域を有する場合、試験素子の試験領域201及び吸収領域は、溝体内に位置し、例えば、1014の長さは、試験素子20の試験領域201及び吸収領域又はマーカー領域を収容することができる。溝体に被覆されるウィンドウ102の長さが試験領域201のみを示すので、ウィンドウ領域(図4)は露出する。各領域の寸法の面では、カードは、一般に、長方形であり、各領域の幅は一致し、可動領域108、104の長さは等しくなり、支持面103の長さは、溝体領域の面の長さと等しく、ここで、溝体領域の折り曲げ後の長さは、面103の長さとほぼ等しく、溝体領域を折り曲げる必要がない場合、溝体領域の長さは、支持面の長さと等しい。このように、対称の試験装置を形成し、ウィンドウに接続される可動領域104及び面103に接続されるカード部分108は主に試験素子のサンプル注入領域を支持するために使用される。最初、第1状態の閉合状態及び第2状態の展開状態にあるので、試験素子のサンプル注入領域は、露出又は保護状態にあり、このように、それは、液体サンプルと接触し、検出を実現することができる。従って、可動領域には、試験素子の吸収領域、又は液体サンプルと接触する領域202を設ける必要がない。
【0070】
可動領域108又は104には、2つの可動素子を接着する機能構造が設けられ、該構造は、可動素子の閉合機能を達成でき、この閉合機能は取り外し可能であり、閉合が必要である場合で閉合させ、展開が必要である場合で可動領域108又は104を展開させ、その結果、流体サンプルと接触するように、試験素子のサンプル注入領域は露出する。例えば、図2~3では、可動領域108の末端は、接着領域106を有し、該領域によって2つの可動領域を接着することができ、例えば、一実施形態では、可動素子108の接着領域には磁性のある鉄塊があり、他の1つの可動素子104の対応する領域には鉄板が接着され、2つの素子が接近すると、相互の引力によって2つの素子を接着する。展開の必要がある場合、2つの素子を外向きに展開させて分離し、図5に示す状態が形成される。図5から分かるように、折り曲げ後、折れ線又は折れ目がある場所は、ウィンドウ領域と溝体領域1012の折れ面又は折れ線1016、支持面領域103と溝体領域の折り曲げ領域1015、及び溝体領域が2つに折り曲げられた折り曲げ領域1017(2つの可動素子の内側)である。2つの可動領域104、108は、折り曲げ領域2099、2098によってそれぞれ折り曲げられ、開放と閉合状態にある。なお、展開領域108、104の間は、試験素子のサンプル注入領域のみであり、他の領域はいずれも堅牢に接着されて全体的な構造が形成され、試験素子の試験領域、吸水領域及び/又はマーカー領域は、変位せずに露出しない状態にある。
【0071】
試験素子を完全な組み立て状態にするために、ウィンドウ領域107、溝体領域1012、1011及び支持領域103にゴムのりを塗布し、各領域の面を接触させて接着し、可動領域にゴムのりが塗布されない。当然ながら、試験素子をより効果的に固定するために、支持面にゴムのりを塗布し、試験素子を支持面に固定することができ、可動領域に位置する試験素子にゴムのりを塗布せず、このように、可動領域を容易に開閉して試験素子のサンプル注入領域202を露出させる。
【0072】
別のいくつかの実施形態では、紙質カードが提供され、カードには、複数の開口部又はウィンドウが設けられ、折り曲げによって試験素子を有する検出カード又は検出装置を形成する。例えば、図9は、紙質カードの展開図であり、3つのウィンドウ2031、2021、2017が設けられ、3つのウィンドウはそれぞれ異なる領域203、202、201に位置し、ここで、領域が分けられる3つの折れ線2032、2033、2034も有する。折り曲げ領域201は、係合溝2017を含み、それは図1と同様であり、更に、支持領域204及びウィンドウ領域202は、ウィンドウ2021を含み、それらも図1と同様であり、また、その違いは、そのうちの1つの可動領域203にもウィンドウ領域2031が開けられ、該ウィンドウの寸法は、ウィンドウ領域202のウィンドウ2021の寸法とほぼ等しい。可動領域205の寸法は、可動領域203の寸法とほぼ等しく、いわゆる寸法は、該領域の長さと幅が同じであることを意味し、このように、結合の場合、完全に重なり合って被覆することができる。溝体領域の折り曲げ方法は、図1~3に示された折り曲げ方法と同じであり、それらはいずれも折れ線2022に沿って内向きに折り曲げる(図10~11)ことであり、含まれたウィンドウ2017を対称の2つの部分に分け、そのうちの1つの部分2019は、下方の領域204を被覆し、他の1つの部分2118は、2019に示された面を被覆し、2つのウィンドウを含む領域2031、2021は、2118に示された領域の裏面(図11)を被覆し、試験素子20も2つの係合溝2018、2019の重なり合いによって組み合わせされた係合溝内に設けられる。それは、例えば、図10~11に示された折り曲げ方法である。折り曲げが終了した後、可動領域203におけるウィンドウ2031から試験素子のサンプル注入領域202が露出し、それは、例えば、図12に示された閉合状態であり、可動領域203にウィンドウ2031を開ける目的は、試験素子のサンプル注入領域の位置を見え、操作の場合、試験領域のウィンドウ2021とサンプル注入領域を逆にして混乱させるわけがない。
【0073】
開放状態の場合、前記可動領域203、205は反対方向に折り曲げられ、可動領域は、ウィンドウ領域202を被覆し、このように、可動領域203におけるウィンドウ2031は、ウィンドウ領域202におけるウィンドウ021と重なり合い、他の1つの可動領域205も反対方向に折り曲げられ、支持領域204と背中合わせし、可動領域205は、支持領域204を被覆し、図13に示された構造を形成し、この場合、試験素子のサンプル注入領域202は完全に露出し、複数の領域が折り曲げられることによって形成される一体化のものは、筐体200の一部として使用され、検出の必要がある場合、筐体を試験管又はサンプルを有する容器内に直接挿入し、試験素子のサンプル注入領域は、サンプルと接触し、検出を完了し、それは、図14~16に示される。同じ行の試験領域の長さは自由調整可能であり、前記試験素子はいずれも剛性裏地を有し、試験ストリップのみを流体サンプルを有する容器、例えば、試験管、試験管付きのボックス、又は試験管付きの試験管ラック内に挿入しても、試験装置は、軽量なので、反転して転がることができず、依然として試験素子のサンプル注入領域と同じ角度で直立する。この方式は、図6~7に示される方式と同じである。図16に示すように、試験管40自身は、試験管立て30内に挿入されるが、試験管立ては、傾斜角度を有し、試験素子のサンプル注入領域202が試験管内に挿入される場合、試験カード(試験素子における試験領域の結果の読み取るウィンドウ)全体は直立するが、傾斜角度を有し、このように、試験領域における試験結果を容易に読み取り、特に、携帯電話で検出結果を撮って記録することに適する。
【0074】
可動領域間の閉合又は展開は、別の構造を必要とせず、可動領域は、自由に閉合又は展開することができ、しかし、その中の試験素子をより効果的に保護するために、別の構造によって可動領域を閉合又は展開状態にすることができ、可動領域を閉合又は展開状態にする構造は、2つの面を結合できる任意の構造であり得、可動領域を展開させる必要がある場合、該構造を操作することによって展開を実現することができる。
【0075】
可動領域を閉合又は展開させる構造は、任意の実現可能な構造であり得、それは、例えば、係着の方式であり、可動領域108は孔を有し、他の1つの可動領域104にピンのようなものを作り、このように、閉合の必要がある場合、ピンを孔に挿入して閉合状態を形成し、このピンは、可動領域104に作られるものであり、使用しない場合、可動領域104の平面と同じ位置にあり、平板104内に隠れ、必要な場合、ピンは露出し、例えば、作られたピンを直立させ、ピンと孔との嵌合を実現し、その結果、閉合を実現する。当然ながら、可動領域にスナップを設けてもよく、スナップは、1つの孔を必要として、他の1つの可動面104にピンを設け、閉合の必要がある場合、ピンを孔内に直接挿入して閉合を実現し、展開の必要がある場合、ピンを孔から抜き出し、その結果、可動領域を展開させる。いくつかの実施形態では、可動領域108に磁性シート106が貼り付けられ、他の1つの可動領域105にバッチ又は磁性シートが貼り付けられ、可動領域を閉合させる必要がある場合、2つの辺を直接近づけ、引力によって閉合を実現し、展開の必要がある、2つの可動領域108、104を展開させる。いくつかの実施形態では、可動領域205が支持面204を被覆する場合、ウィンドウ領域2031付きの可動203は、ウィンドウ領域202を被覆し、このように、引力を有する2つの可動面を近づけ、引力のため、2つの面は密着sh、少なくとも各面が元に戻ることは困難であり、図13に示すように、後の操作過程において、常に被覆状態にあり、変形せず、例えば、展開状態に戻らない(図5)。
【0076】
いくつかの実施形態では、可動領域108と他の1つの可動面104には、N回使用可能なバッチが貼り付けられ、該N回使用可能なバッチは、自由に閉合又は展開することを実現できる。
【0077】
別の1つの具体的な実施形態では、図17~19に示すように、カード300も提供され、カードに可動領域309、301などの複数の領域が設けられ、また、ウィンドウ領域3011も設けられ、それは、試験素子20における検出領域201を読み取り又は示すための透明領域3011又はウィンドウ領域3011を有し、支持領域308に溝体付きの薄い紙片303が直接貼り付けられ、該紙片は、一定の厚さを有し、係合溝3012の厚さと試験素子の厚さは一致し、このように、試験素子を固定するための係合溝が形成される。本明細書の係合溝領域は折り曲げられず、支持領域308及び係合口3012を有する薄い紙片303を直接接着することによって形成される。試験素子20の試験領域は、係合溝領域に位置する。可動領域309、301の端部に磁性バッチ3021、3031が貼り付けられ、2つの可動シートは、閉合でも展開でもよく、又は、可動シート309は反転して支持面308の裏面を被覆することができ、可動面302は反転してウィンドウ領域3011を被覆し、この場合、可動面302には、ウィンドウが設けられてもよい。この配置は、実は、該カードに設けられた折れ線3014に沿って1回だけで2つに折り曲げると、図18に示される試験カードを形成することができる。前に述べられた数回の折り曲げに比べて、その方式はより簡単であり、しかし、紙質カードの厚さの増加を必要とするが、大規模な生産はより簡単であり、長さが同じな紙質カードに係合溝を有する複数の紙片を自動的に貼り付けることによって試験素子を固定することができ、次に、係合溝に試験素子を自動的に配置することができ、その後、機械によって複数の単一試験ユニットに分ける(図18の左側に示される)。前述の試験装置と同様に、係合溝は主に試験素子の試験領域、又は試験領域の下流の吸水領域903又はマーカー領域904を固定するために使用され、試験素子のサンプル注入領域は、係合溝に存在しないが、可動領域309、302の間に位置する。当然ながら、係合溝付きの紙片303は、ゴムのりによってウィンドウ領域3011及び支持領域3085に接着され、分離不能な領域が形成され、試験領域及びマーカー領域を固定位置にするのは、試験領域及びマーカー領域には、試験に必要な試薬が加えられ、該領域が変位しなと、試験結果の感度及び精度が向上するからである。折れ線3016、3015は試験カードを2つの部分に分け、1つは、試験領域を有する分離不能な部分であり、他の1つは、分離可能な領域であり、可動素子304、302は、折れ線3016、3015によって試験領域に接続されるが、折り曲げ可能である。検出の必要がある場合、試験カードの可動領域309、301を折れ線3016、3015に沿って外向きに直接折り曲げて分け、試験素子のサンプル注入領域は露出し、流体サンプルと接触し、ここでは、サンプル注入領域202又は注入領域の一部のみを露出させる必要があり、分けられた可動領域により、試験カード全体は直立することができる。
【0078】
別のいくつかの具体的な実施形態では、図20~25に示すように、検出カード500が提供され、該カードは、折り曲げ可能な上カード501及び下カード503を含み、上カード及び下カードは折れ線507によって接続される。上カード501には、試験結果を読み取るためのウィンドウ5011があり、下カードには、試験ストリップを負荷する支持パッド508が直接貼り付けられる。該支持パッドは、乾燥剤などであり得、両面ペースト機能を有し、1つの面は、下カード503に直接貼り付けられ、一定の厚さを有し、該厚さは、試験素子の厚さと一致し、上カードと下カードが閉合、展開する場合、試験素子を押さず、又はその上に圧力を与えず、それを自由状態にさせる。支持パッド508の他の1つの面は、上カード501に接着され、このように、上カードと下カードは、支持パッドの両面によって接着され、試験素子も支持パッドに接着され、特に、試験素子の検出領域201は、支持パッドに接着される。いくつかの実施形態では、上カード及び下カードには、可動カード504、502がそれぞれ接続され、該可動カードは、閉合でも開放でもよく、試験カードは、直立状態で試験することができる(図24~25)。該実施例から分かるように、上カード501、503及び支持パッド508は接着され、試験素子の検出領域の一部も一体に接着される。いくつかの実施形態では、読み取りウィンドウが検出領域を保護することを回避するために、上カード501の面に透明な薄膜層が貼り付けられ、試験素子の試験領域201を包み、組み立てられた後に湿けを防ぎ、このような設計では、支持パッドは、乾燥剤の機能を有し、試験素子の試験領域が乾燥環境に位置して湿けを防ぐことができる。可動カード504、502などの可動素子は、閉合でも展開でもよく、接着状態ではなく、異なる検出要件に応じて分けることができる。該部分は、試験素子のサンプル注入部分に対応し、試験素子を容器(例えば、サンプルと接触する試験管の一部)でもよく、このように、可動素子は、展開又は閉合して検出を完了する。別のいくつかの実施形態では、図19に示すように、上カード601、603の前にカード608が設けられ、該カードの厚さは、試験素子の厚さと一致し、カードは、ノッチ6081を有し、該ノッチの幅は、試験ストリップの幅よりも大きく、主な目的は、フラッド現象(flooding)を防止することであり、試験素子がサンプルを吸収した後、ノッチと試験素子との間の隙間が非常に小さい場合、液体は、隙間に沿って迅速に流れ、その結果、試験素子における下流領域を湿る。そうである場合、検出結果に影響を与える。いくつかの実施形態では、可動領域の閉合又は展開を実現するために、可動領域602、604には、相互に引き付ける磁性ストリップがあり、又は、面ファスナーを有する領域があり、このように、自動的に閉合又は展開することを実現できる。
【0079】
図23~25は、一実施形態の具体的な操作ステップである。図22~23は、組み立て済みの試験カードであり、検出の必要がある場合、可動素子は、磁性ストリップの相互の引力を克服し、次に、試験素子のサンプル注入領域202は露出し、可動素子502、504は、夾角をなす。サンプル注入領域202を試験管40内に挿入し(図25)、試験管内に液体サンプルがある場合、試験カードは、検出テーブルに直立して検出することができる。検出終了後、試験管から試験カードを取り出し、可動素子504、502を閉合させ、読み取りウィンドウ5011から試験領域の結果を読み取ってから、それを捨てる。それらは、紙質カードで組み立てられ、プラスチックを必要とせず、コストを節約し、環境汚染を低減する。例えば、紙は、好ましくは、分解可能な材料であり得る。また、紙質材料は、軽量で、輸送しやすい。
【0080】
(検出装置)
検出装置は、サンプルには分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための装置を意味し、それは、試験素子を含み、該試験素子は、液体サンプル内の分析対象物質を検出するための素子である。いくつかの実施形態では、本発明の検出装置は、流体サンプルを収容するためのよう容器を含み得、検出装置内の試験素子のサンプル注入領域は、容器に挿入し、流体サンプルと接触することができる。いくつかの実施形態では、流体サンプルを収容する容器は、試験管であり得、該試験管は、試験管ラックに保持することができ(図6~7)、当然ながら、試験管は、パッケージの孔に保持することもできる(図8)。パッケージは、検出装置、試験管を包装するためのものである。
【0081】
本発明の明細書に記載の全ての特許出願及び出版物はいずれも、これらが本技術分野に開示の技術であり、本発明が使用できることを示す。各出版物が具体的に独立して参照して引用されると同様に、本明細書に引用された全ての特許出願及び出版物は同様に参考文献に挙げられる。ここで説明する本発明は、1つ以上の要素、1つ以上の制限がない場合に実現でき、この制限はここでは具体的には説明されない。例えば、本明細書の各実施例の用語「含む」、「実質的に……で構成される」及び「……で構成される」のそれぞれは、それらの3つのうち残りの2つの用語に置き換えることができる。本明細書において、いわゆる「1つ」は、「1」を意味するだけであるが、1つしか含まないことは除外されず、2つ以上を含むことも示すことができる。本明細書で使用される用語及び表現は、説明を目的としたものであり、限定するものではなく、また、本明細書で説明されるこれらの用語と解釈が同等の特徴を除外することを示す意図もなく、しかし、本発明及び特許請求の範囲内で、任意の適切な変更又は修正を行うことができることが分かっている。なお、本発明によって説明された実施例は、好ましい実施例及び特徴であるため、当業者は、本発明の説明の本質に従って、いくつかの修正及び変更を行うことができ、また、それらの修正及び変更はまた、本発明の範囲内であり、独立請求項及び従属請求項によって限定されると見なされる。
図1
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