(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】熱交換器および冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
F28F 9/02 20060101AFI20241119BHJP
F25B 39/00 20060101ALI20241119BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20241119BHJP
F28F 9/22 20060101ALI20241119BHJP
F28F 19/06 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
F28F9/02 301J
F25B39/00 Z
F28D1/053 A
F28F9/22
F28F19/06 A
(21)【出願番号】P 2023145626
(22)【出願日】2023-09-07
(62)【分割の表示】P 2021566411の分割
【原出願日】2019-12-24
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】日本キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】是澤 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】畠田 崇史
(72)【発明者】
【氏名】岡田 成浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 誠
(72)【発明者】
【氏名】太田 諭
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 亜由美
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 祥太
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-299981(JP,A)
【文献】特開2001-221590(JP,A)
【文献】特開2016-217542(JP,A)
【文献】特開平11-159917(JP,A)
【文献】特開2006-010263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/00 - 19/06
F24F 13/00 - 13/078
F25B 31/00 - 41/48
F28D 1/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が流れる冷媒流路が形成された複数の熱交換チューブと、
前記熱交換チューブの端部に設けられたヘッダと、を備え、
前記複数の熱交換チューブは、第1方向にこの順で並列配置された第1および第2の上流側熱交換チューブと、前記第1方向にこの順で並列配置された第1および第2の下流側熱交換チューブと、
前記第1方向に並列配置された2つの第3熱交換チューブと、を含み、
少なくとも1つの前記ヘッダは、前記熱交換チューブが接続される内板体と、前記内板体と対向して配置される外板体と、前記内板体と前記外板体との間に設けられた複数の中間板体とを備え、
前記中間板体に、前記第1の上流側熱交換チューブの冷媒流路を前記第2の下流側熱交換チューブの冷媒流路と連通させる第1移行流路と、
2つの前記第3熱交換チューブの冷媒流路を連通させる第3移行流路と、が形成され、
前記第1移行流路は、前記第1の上流側熱交換チューブの冷媒流路と連通する第1領域と、前記第2の下流側熱交換チューブの冷媒流路と連通する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とを接続する接続領域と、を有
し、
前記中間板体と平行な面において前記第1方向と直交する方向を第2方向として、前記第1領域と前記第2領域とは前記第2方向の位置が異なる、
熱交換器。
【請求項2】
前記第1領域に流入する前記冷媒と前記第2領域から流出する前記冷媒とは逆向きに流れる、請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
前記中間板体に、前記第2の上流側熱交換チューブの冷媒流路を前記第1の下流側熱交換チューブの冷媒流路と連通させる第2移行流路が形成されている、
請求項1または2記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1移行流路に連通する冷媒流路を有する複数の
前記熱交換チューブにおける、前記第1方向の一方側に配置された熱交換チューブと、前記第1方向の他方側に配置された熱交換チューブとは同数であり、
前記第2移行流路に連通する冷媒流路を有する複数の
前記熱交換チューブにおける、前記第1方向の一方側に配置された熱交換チューブと、前記第1方向の他方側に配置された熱交換チューブとは同数である、請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
前記外板体は、前記内板体と対向する第1主面とは反対の第2主面に、Znを含む被覆層を備える、請求項1~4のうちいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記熱交換チューブの一方および他方の端部に設けられた前記ヘッダのうち1つに、前記熱交換器に前記冷媒を導入する導入口、および前記熱交換器から前記冷媒を導出する導出口が形成される、請求項1~5のうちいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記中間板体に、前記熱交換器に導入された
前記冷媒の分流を促進する凸部または凹部が形成されている、請求項1~6のうちいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか1項に記載の熱交換器を有する、冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、熱交換器および冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッダ型の熱交換器は、複数の熱交換チューブと、ヘッダとを持つ。熱交換チューブの内部には、冷媒流路が形成される。ヘッダは、熱交換チューブの端部に設けられている。熱交換器は、熱交換効率を高めることが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、熱交換効率を高めることができる熱交換器および冷凍サイクル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の熱交換器は、複数の熱交換チューブと、ヘッダと、を持つ。前記熱交換チューブは、冷媒が流れる冷媒流路が形成されている。前記ヘッダは、前記熱交換チューブの端部に設けられている。前記複数の熱交換チューブは、第1方向にこの順で並列配置された第1および第2の上流側熱交換チューブと、前記第1方向にこの順で並列配置された第1および第2の下流側熱交換チューブと、前記第1方向に並列配置された2つの第3熱交換チューブと、を含む。少なくとも1つの前記ヘッダは、前記熱交換チューブが接続される内板体と、前記内板体と対向して配置される外板体と、前記内板体と前記外板体との間に設けられた複数の中間板体とを備える。前記中間板体に、前記第1の上流側熱交換チューブの冷媒流路を前記第2の下流側熱交換チューブの冷媒流路と連通させる第1移行流路と、2つの前記第3熱交換チューブの冷媒流路を連通させる第3移行流路と、が形成されている。前記第1移行流路は、前記第1の上流側熱交換チューブの冷媒流路と連通する第1領域と、前記第2の下流側熱交換チューブの冷媒流路と連通する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とを接続する接続領域と、を有する。前記中間板体と平行な面において前記第1方向と直交する方向を第2方向として、前記第1領域と前記第2領域とは前記第2方向の位置が異なる。
【0006】
実施形態の熱交換器は、複数の熱交換チューブと、ヘッダとを持つ。前記複数の熱交換チューブは、冷媒が流れる冷媒流路が形成される。前記ヘッダは、前記熱交換チューブの端部に設けられる。前記複数の熱交換チューブは、第1方向にこの順で並列配置された第1および第2の上流側熱交換チューブと、前記第1方向にこの順で並列配置された第1および第2の下流側熱交換チューブと、を含む。少なくとも1つの前記ヘッダは、前記熱交換チューブが接続される内板体と、前記内板体と対向して配置される外板体と、前記内板体と前記外板体との間に設けられた複数の中間板体とを備える。前記中間板体に、第1移行流路と、第2移行流路と、が形成されている。前記第1移行流路は、前記第1の上流側熱交換チューブの冷媒流路を前記第2の下流側熱交換チューブの冷媒流路と連通させる。前記第2移行流路は、前記第2の上流側熱交換チューブの冷媒流路を前記第1の下流側熱交換チューブの冷媒流路と連通させる。少なくとも1つの前記第1移行流路と、少なくとも1つの前記第2移行流路とは、複数の前記中間板体のうち互いに異なる前記中間板体に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態における冷凍サイクル装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の熱交換器を、図面を参照して説明する。
本願において、X方向、Y方向およびZ方向は、以下のように定義される。Z方向は、第1ヘッダおよび第2ヘッダの長手方向(延在方向)である。例えば、Z方向は鉛直方向であり、+Z方向は上方向である。X方向は、熱交換チューブの中心軸方向(延在方向)である。例えば、X方向は水平方向であり、+X方向は第2ヘッダから第1ヘッダに向かう方向である。Y方向(第1方向)は、X方向およびZ方向に垂直な方向である。Y方向は、水平方向であることが望ましい。
【0009】
図1は、実施形態の冷凍サイクル装置の概略構成図である。
図1に示されるように、冷凍サイクル装置1は、圧縮機2と、四方弁3と、室外熱交換器(熱交換器)4と、膨張装置5と、室内熱交換器(熱交換器)6と、を有する。冷凍サイクル装置1の構成要素は、配管7によって順次接続されている。
図1では、冷房運転時の冷媒(熱媒体)の流通方向が実線矢印で示され、暖房運転時の冷媒の流通方向が破線矢印で示される。
【0010】
圧縮機2は、圧縮機本体2Aと、アキュムレータ2Bと、を有する。圧縮機本体2Aは、内部に取り込まれる低圧の気体冷媒を圧縮して高温・高圧の気体冷媒にする。アキュムレータ2Bは、気液二相冷媒を分離して、気体冷媒を圧縮機本体2Aに供給する。
【0011】
四方弁3は、冷媒の流通方向を逆転させ、冷房運転と暖房運転とを切り替える。冷房運転時に冷媒は、圧縮機2、四方弁3、室外熱交換器4、膨張装置5及び室内熱交換器6の順に流れる。このとき冷凍サイクル装置1は、室外熱交換器4を凝縮器として機能させ、室内熱交換器6を蒸発器として機能させ、室内を冷房する。暖房運転時に冷媒は、圧縮機2、四方弁3、室内熱交換器6、膨張装置5、室外熱交換器4の順に流れる。このとき冷凍サイクル装置1は、室内熱交換器6を凝縮器として機能させ、室外熱交換器4を蒸発器として機能させ、室内を暖房する。
【0012】
凝縮器は、圧縮機2から吐出される高温・高圧の気体冷媒を、外気へ放熱させて凝縮させることにより、高圧の液体冷媒にする。
膨張装置5は、凝縮器から送り込まれる高圧の液体冷媒の圧力を下げ、低温・低圧の気液二相冷媒にする。
蒸発器は、膨張装置5から送り込まれる低温・低圧の気液二相冷媒を、外気から吸熱させて気化させることにより、低圧の気体冷媒にする。
【0013】
このように、冷凍サイクル装置1では、作動流体である冷媒が気体冷媒と液体冷媒との間で相変化しながら循環する。冷媒は、気体冷媒から液体冷媒に相変化する過程で放熱し、液体冷媒から気体冷媒に相変化する過程で吸熱する。冷凍サイクル装置1は、冷媒の放熱または吸熱を利用して、暖房や冷房、除霜などを行う。
【0014】
図2は、実施形態の熱交換器の斜視図である。
図2に示されるように、実施形態の熱交換器4は、冷凍サイクル装置1の室外熱交換器4および室内熱交換器6のうち一方または両方に使用される。以下、熱交換器4が冷凍サイクル装置1(
図1参照)の室外熱交換器4として使用される場合を例にして説明する。
【0015】
熱交換器4は、第1ヘッダ10と、第2ヘッダ20と、熱交換チューブ(伝熱管)30と、を有する。
図3は、熱交換器4の分解斜視図である。
図4は、第1ヘッダ10のXZ平面に沿う断面図である。
【0016】
図3に示されるように、第1ヘッダ10は、第1内板体11と、第1中間板体13と、第2中間板体14と、第3中間板体15と、第1外板体12とがこの順で積層されて構成されている。
第1内板体11、第1~第3中間板体13~15、および第1外板体12は、アルミニウム、アルミニウム合金等の、熱伝導率が高く比重が小さい材料で形成される。第1内板体11、第1~第3中間板体13~15、および第1外板体12は、概略、YZ平面と平行とされる。第1外板体12は、第1内板体11の+X方向側の面(第1主面11a)に対向して配置される。第1~第3中間板体13~15は、第1内板体11と第1外板体12との間に設けられている。
【0017】
第1内板体11の第1主面11aは、第1内板体11の主面であって、第1外板体12に対向する面である。第2主面11bは、第1主面11aとは反対の面である。
第1内板体11には、複数の差込部41が形成されている。差込部41は、第1内板体11を厚さ方向に貫通する。差込部41は、Y方向に平行なスリット状に形成されている。差込部41には、熱交換チューブ30の端部が挿入される。これにより、第1内板体11に熱交換チューブ30が接続される。
【0018】
第1中間板体13には、複数の孔状流路16が形成されている。孔状流路16は、第1中間板体13を厚さ方向に貫通する。複数の孔状流路16は、第1孔状流路16A~第6孔状流路16Fを含む。
第1孔状流路16Aは、X方向から見て長円形状とされている。「長円形状」は、互いに平行かつ向かい合う2つの直線と、2つの直線の端部どうしをそれぞれ結ぶ湾曲凸状(例えば半円状、楕円弧状など)の曲線とで構成される形状である。第1孔状流路16Aは、Y方向に延びる長孔である。第1孔状流路16Aは、第1孔状流路16A~第6孔状流路16Fのなかで最も高い位置にある(すなわち、最も+Z方向側に位置する)。
【0019】
第2孔状流路16B(第2移行流路)は、上領域16B1と、接続領域16B2と、下領域16B3とを有する。上領域16B1は、第1孔状流路16Aに対して低い位置にある(すなわち、第1孔状流路16Aの-Z方向側に位置する)。上領域16B1は、Y方向に延びる長孔である。
【0020】
下領域16B3は、第3孔状流路16Cに対して低い位置にある(すなわち、第3孔状流路16Cの-Z方向側に位置する)。下領域16B3は、Y方向に延びる長孔である。下領域16B3は、上領域16B1に比べて+Y方向寄りに位置する。下領域16B3は、第4孔状流路16DとY方向に並ぶ位置にある。下領域16B3は、第4孔状流路16Dに対して+Y方向側に位置する。下領域16B3は、上領域16B1に比べて低い位置にある。
接続領域16B2は、上領域16B1の+Y方向の端部と、下領域16B3の-Y方向の端部とを接続する。接続領域16B2は、+Y方向に向かって下降するように傾斜して延びる長孔である。
【0021】
第3孔状流路16Cは、X方向から見て長円形状とされている。第3孔状流路16Cは、Y方向に延びる長孔である。第3孔状流路16Cは、第1孔状流路16Aに対して低い位置にある(すなわち、第1孔状流路16Aの-Z方向側に位置する)。第3孔状流路16Cは、上領域16B1とY方向に並ぶ位置にある。第3孔状流路16Cは、上領域16B1に対して+Y方向側に位置する。
【0022】
第4孔状流路16Dは、上領域16B1に対して低い位置にある(すなわち、上領域16B1の-Z方向側に位置する)。第4孔状流路16Dは、X方向から見て長円形状とされている。第4孔状流路16Dは、Y方向に延びる長孔である。
第5孔状流路16Eは、第4孔状流路16Dに対して低い位置にある(すなわち、第4孔状流路16Dの-Z方向側に位置する)。第5孔状流路16Eは、X方向から見て長円形状とされている。第5孔状流路16Eは、Y方向に延びる長孔である。
第6孔状流路16Fは、下領域16B3に対して低い位置にある(すなわち、下領域16B3の-Z方向側に位置する)。第6孔状流路16Fは、第5孔状流路16EとY方向に並ぶ位置にある。第6孔状流路16Fは、第5孔状流路16Eに対して+Y方向側に位置する。第5孔状流路16Eと第6孔状流路16Fとは、Y方向に間隔をおいて形成されている。
【0023】
第2中間板体14には、複数の孔状流路17が形成されている。孔状流路17は、第2中間板体14を厚さ方向に貫通する。複数の孔状流路17は、第1孔状流路17A~第5孔状流路17Eを含む。
第1孔状流路17Aは、第1孔状流路16Aと同一形状である。第1孔状流路17Aは、X方向から見て第1孔状流路16Aと一致する位置にある。第2孔状流路17Bは、第3孔状流路16Cと同一形状である。第2孔状流路17Bは、X方向から見て第3孔状流路16Cと一致する位置にある。第3孔状流路17Cは、第4孔状流路16Dと同一形状である。第3孔状流路17Cは、X方向から見て第4孔状流路16Dと一致する位置にある。第4孔状流路17Dは、第5孔状流路16Eと同一形状である。第4孔状流路17Dは、X方向から見て第5孔状流路16Eと一致する位置にある。第5孔状流路17Eは、第6孔状流路16Fと同一形状である。第5孔状流路17Eは、X方向から見て第6孔状流路16Fと一致する位置にある。第4孔状流路17Dと第5孔状流路17Eとは、Y方向に間隔をおいて形成されている。
【0024】
第3中間板体15には、複数の孔状流路18が形成されている。孔状流路18は、第3中間板体15を厚さ方向に貫通する。孔状流路16~18は、平板状の板体を打ち抜き加工することによって形成することができる。
【0025】
複数の孔状流路18は、第1孔状流路18A~第3孔状流路18Cを含む。
第1孔状流路18Aは、第1孔状流路17Aと同一形状である。第1孔状流路18Aは、X方向から見て第1孔状流路17Aと一致する位置にある。第2孔状流路18B(第1移行流路)は、下領域18B1と、接続領域18B2と、上領域18B3とを有する。下領域18B1は、第1孔状流路18Aに対して低い位置にある(すなわち、第1孔状流路18Aの-Z方向側に位置する)。下領域18B1は、Y方向に延びる長孔である。
【0026】
上領域18B3は、下領域18B1に比べて高い位置にある。上領域18B3は、第1孔状流路18Aに対して低い位置にある(すなわち、第1孔状流路18Aの-Z方向側に位置する)。上領域18B3は、Y方向に延びる長孔である。上領域18B3は、下領域18B1に比べて+Y方向寄りに位置する。
接続領域18B2は、下領域18B1の+Y方向の端部と、上領域18B3の-Y方向の端部とを接続する。接続領域18B2は、+Y方向に向かって上昇するように傾斜して延びる長孔である。
【0027】
第3孔状流路18Cは、X方向から見て長円形状とされている。第3孔状流路18Cは、Y方向に延びる長孔である。第3孔状流路18Cは、第1孔状流路18A~第3孔状流路18Cのなかで最も低い位置にある(すなわち、最も-Z方向側に位置する)。第3孔状流路18Cは、X方向から見て、第4孔状流路17Dおよび第5孔状流路17Eを一括的に包含する長さを有する。第3孔状流路18Cの-Y方向の端部は、X方向から見て、第4孔状流路17Dの-Y方向の端部と一致する。第3孔状流路18Cの+Y方向の端部は、X方向から見て、第5孔状流路17Eの+Y方向の端部と一致する。
【0028】
第1外板体12の第1主面12aは、第1外板体12の主面であって、第1内板体11に対向する面である。第2主面12bは、第1主面12aとは反対の面である。
【0029】
図4に示されるように、第1内板体11と、中間板体13~15の孔状流路16~18と、第1外板体12とは、ヘッド流路部19(空間)を形成する。
【0030】
第1外板体12には、差込部42,43が形成されている。例えば、差込部42,43は、円形状である。
差込部42には、管状の第1冷媒ポート51が挿入される。第1冷媒ポート51の端部は、第3孔状流路18Cの内部に開口する。この開口は、冷媒を熱交換器4に導入する導入口、または冷媒を熱交換器4から導出する導出口となる。
差込部43には、管状の第2冷媒ポート52が挿入される。第2冷媒ポート52の端部は、第1孔状流路18Aの内部に開口する。この開口は、冷媒を熱交換器4に導入する導入口、または冷媒を熱交換器4から導出する導出口となる。
【0031】
図5は、第2ヘッダ20の分解斜視図である。
図6は、第2ヘッダ20のXZ平面に沿う断面図である。
図5および
図6に示されるように、第2ヘッダ20は、第2内板体21と、第2中間板体23と、第2外板体22とがこの順で積層されて構成されている。第2内板体21、第2中間板体23、および第2外板体22は、アルミニウム、アルミニウム合金等の、熱伝導率が高く比重が小さい材料で形成される。第2内板体21、第2中間板体23、および第2外板体22は、概略、YZ平面と平行とされる。第2外板体22は、第2内板体21の-X方向側の面(第1主面21a)に対向して配置される。第2中間板体23は、第2内板体21と第2外板体22との間に設けられている。
【0032】
第1主面21aは、第2内板体21の主面であって、第2外板体22に対向する面である。第2主面21bは、第1主面21aとは反対の面である。
第2内板体21には、複数の差込部44が形成されている。差込部44は、第2内板体21を厚さ方向に貫通する。差込部44は、Y方向に平行なスリット状に形成されている。差込部44には、熱交換チューブ30の端部が挿入される。
【0033】
第2中間板体23には、複数の孔状流路24が形成されている。孔状流路24は、第2中間板体23を厚さ方向に貫通する。
【0034】
複数の孔状流路24は、第1孔状流路24A~第4孔状流路24Dを含む。第1孔状流路24A~第4孔状流路24Dは、X方向から見て矩形状とされている。第1孔状流路24Aと第2孔状流路24Bとは、Y方向に並んで形成されている。第3孔状流路24Cは、第1孔状流路24Aの-Z方向側に位置する。第4孔状流路24Dは、第2孔状流路24Bの-Z方向側に位置する。第3孔状流路24Cと第4孔状流路24Dとは、Y方向に並んで形成されている。
【0035】
図6に示されるように、第2内板体21と、第2中間板体23の孔状流路24と、第2外板体22とは、ヘッド流路部26(空間)を形成する。
図5に示されるように、第1孔状流路24Aが区画するヘッド流路部26を第1ヘッド流路部26Aという。第2孔状流路24Bが区画するヘッド流路部26を第2ヘッド流路部26Bという。第3孔状流路24Cが区画するヘッド流路部26を第3ヘッド流路部26Cという。第4孔状流路24Dが区画するヘッド流路部26を第4ヘッド流路部26Dという。
【0036】
図2に示されるように、第1ヘッダ10および第2ヘッダ20は、X方向に相互に離間して並んで配置される。
【0037】
熱交換チューブ30は、アルミニウム、アルミニウム合金等の、熱伝導率が高く比重が小さい材料で形成される。熱交換チューブ30は、偏平管状に形成される。すなわち、熱交換チューブ30は、Z方向の寸法に比べてY方向の寸法が大きい。熱交換チューブ30の、長さ方向に直交する断面(YZ断面)の形状は、長円形状である。熱交換チューブ30は、X方向に延在する。熱交換チューブ30の内部には、冷媒流路34(
図4参照)が形成される。冷媒流路34は、熱交換チューブ30の全長にわたって形成されている。
【0038】
複数の熱交換チューブ30の少なくとも一部は、Z方向に間隔をおいて並列配置される。熱交換チューブ30の+X方向の端部は、第1ヘッダ10に形成された差込部41に挿入される(
図4参照)。これにより、熱交換チューブ30の冷媒流路34の+X方向の端部は、第1ヘッダ10のヘッド流路部19の内部に開口する。そのため、ヘッド流路部19は、熱交換チューブ30の冷媒流路34と連通する。
【0039】
熱交換チューブ30の-X方向の端部は、第2ヘッダ20に形成された差込部44に挿入される(
図6参照)。これにより、熱交換チューブ30の冷媒流路34の-X方向の端部は、第2ヘッダ20のヘッド流路部26の内部に開口する。そのため、ヘッド流路部26は、熱交換チューブ30の冷媒流路34と連通する。
【0040】
例えば、複数の熱交換チューブ30は、4つの熱交換チューブ対31を構成している。1つの熱交換チューブ対31は、+Y方向に並列配置された一対の熱交換チューブ30,30によって構成される。4つの熱交換チューブ対31は、上下に間隔をおいて配置されている。
【0041】
4つの熱交換チューブ対31のうち上から1番目の熱交換チューブ対31Aは、+Y方向にこの順で並列配置された2つの熱交換チューブ30A、30Bを備える。
【0042】
上から2番目の熱交換チューブ対31Bは、第1の下流側熱交換チューブ30Cと、第2の下流側熱交換チューブ30Dとを備える。第1の下流側熱交換チューブ30Cと第2の下流側熱交換チューブ30Dとは、+Y方向にこの順で並列配置されている。すなわち、熱交換チューブ対31Bを構成する2つの熱交換チューブ30は、+Y方向に向けて、第1の下流側熱交換チューブ30C、第2の下流側熱交換チューブ30Dの順で配置されている。
【0043】
上から3番目の熱交換チューブ対31Cは、第1の上流側熱交換チューブ30Eと、第2の上流側熱交換チューブ30Fとを備える。第1の上流側熱交換チューブ30Eと第2の上流側熱交換チューブ30Fとは、+Y方向にこの順で並列配置されている。すなわち、熱交換チューブ対31Cを構成する2つの熱交換チューブ30は、+Y方向に向けて、第1の上流側熱交換チューブ30E、第2の上流側熱交換チューブ30Fの順で配置されている。
【0044】
上から4番目の熱交換チューブ対31Dは、+Y方向にこの順で並列配置された2つの熱交換チューブ30G、30Hを備える。
【0045】
熱交換チューブ30A,30C,30E,30Gは、Y方向の一方側(-Y方向側。すなわち、
図2において手前側)に配置されている。熱交換チューブ30B,30D,30F,30Hは、Y方向の他方側(+Y方向側。すなわち、
図2において奥側)に配置されている。
【0046】
第1の上流側熱交換チューブ30Eは、第2孔状流路18B(第1移行流路)(
図3参照)によって、第2の下流側熱交換チューブ30Dと連通されている。
第2の上流側熱交換チューブ30Fは、第2孔状流路16B(第2移行流路)(
図3参照)によって、第1の下流側熱交換チューブ30Cと連通されている。
【0047】
第1ヘッダ10および第2ヘッダ20と、熱交換チューブ30との隙間は、ロウ付け等により封止される。ロウ付けの具体的な手順は以下の通りである。第1ヘッダ10および第2ヘッダ20の内面にロウが塗布される。第1ヘッダ10および第2ヘッダ20に熱交換チューブ30が挿入されて、熱交換器4が組み立てられる。組み立てられた熱交換器4が、炉内で加熱される。加熱により、第1ヘッダ10および第2ヘッダ20の内面のロウが溶融する。溶融したロウは、第1ヘッダ10および第2ヘッダ20と熱交換チューブ30との隙間を塞ぐ。熱交換器4が冷却されて、ロウは固化する。これにより、第1ヘッダ10および第2ヘッダ20と、熱交換チューブ30とが固定される。
【0048】
上下に隣り合う熱交換チューブ30の間には、Y方向に沿う外気流路が形成される。熱交換器4は、送風ファン(不図示)等により外気流路に外気を流通させる。熱交換器4は、外気流路を流通する外気と、冷媒流路34を流通する冷媒との間で熱交換させる。熱交換は、熱交換チューブ30を介して、間接的に行われる。
【0049】
図1に示される冷凍サイクル装置1が冷房運転を行うとき、室外熱交換器4は凝縮器として機能する。この場合には、圧縮機2から流出した気体冷媒が、室外熱交換器4に流入する。
図2に示されるように、冷媒は、第1冷媒ポート51から、第1ヘッダ10の内部に流入する。第1冷媒ポート51から第3孔状流路18Cのヘッド流路部19(
図3参照)に流入した冷媒は、孔状流路17D,16Eと、孔状流路17E、16Fとに分配されて流れる。孔状流路17D,16Eに流れた冷媒を「第1の冷媒」という。孔状流路17E、16Fに流れた冷媒を「第2の冷媒」という。
【0050】
第1の冷媒は、孔状流路17D,16E(
図3参照)から、熱交換チューブ30(30G)を-X方向に流れ、第2ヘッダ20の第3ヘッド流路部26Cの下部に流入する。第1の冷媒は、第3ヘッド流路部26Cの上部から、熱交換チューブ30(30E)を+X方向に流れ、第1ヘッダ10の孔状流路16D,17Cを経て第2孔状流路18B(第1移行流路)に流入する(
図3参照)。第1の冷媒は、第2孔状流路18Bの下領域18B1から接続領域18B2、上領域18B3を通って孔状流路17B,16Cに至る。第1の冷媒は、孔状流路17B,16Cから、熱交換チューブ30(30D)を-X方向に流れ、第2ヘッダ20の第2ヘッド流路部26Bの下部に流入する。第1の冷媒は、第2ヘッド流路部26Bの上部から、熱交換チューブ30(30B)を+X方向に流れ、第1ヘッダ10の孔状流路16A,17A,18Aを経て、第2冷媒ポート52を通して流出する。
【0051】
第1の冷媒が通る熱交換チューブ30G,30E,30D,30Bのうち、Y方向の一方側(-Y方向側。
図2において手前側)に配置された熱交換チューブ30E,30Gの数は2である。Y方向の他方側(+Y方向側。すなわち、
図2において奥側)に配置された熱交換チューブ30B,30Dの数は2である。そのため、Y方向の一方側の熱交換チューブ30と他方側の熱交換チューブ30とは同数である。よって、熱交換効率のY方向の偏りを抑制できる。
【0052】
第2の冷媒は、孔状流路17E、16F(
図3参照)から、熱交換チューブ30(30H)を-X方向に流れ、第2ヘッダ20の第4ヘッド流路部26Dの下部に流入する。第2の冷媒は、第4ヘッド流路部26Dの上部から、熱交換チューブ30(30F)を+X方向に流れ、第1ヘッダ10の第2孔状流路16B(第2移行流路)に流入する(
図3参照)。第2の冷媒は、第2孔状流路16Bの下領域16B3から接続領域16B2を通って上領域16B1に至る。第2の冷媒は、上領域16B1から、熱交換チューブ30(30C)を-X方向に流れ、第2ヘッダ20の第1ヘッド流路部26Aの下部に流入する。第2の冷媒は、第1ヘッド流路部26Aの上部から、熱交換チューブ30(30A)を+X方向に流れ、第1ヘッダ10の孔状流路16A,17A,18Aを経て、第2冷媒ポート52を通して流出する。
【0053】
第2の冷媒が通る熱交換チューブ30H,30F,30C,30Aのうち、Y方向の一方側(-Y方向側。
図2において手前側)に配置された熱交換チューブ30C,30Aの数は2である。Y方向の他方側(+Y方向側。すなわち、
図2において奥側)に配置された熱交換チューブ30H,30Fの数は2である。そのため、Y方向の一方側の熱交換チューブ30と他方側の熱交換チューブ30とは同数である。よって、熱交換効率のY方向の偏りを抑制できる。
【0054】
気体冷媒は、熱交換チューブ30を流通する過程で外気に放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は液体冷媒となって、第2冷媒ポート52から熱交換器4の外部に流出する。
図1に示される冷凍サイクル装置1が暖房運転を行うとき、冷媒は上記と逆方向に流通する。つまり、液体冷媒は、第2冷媒ポート52から第1ヘッダ10に流入し、気液二相冷媒が第1冷媒ポート51から流出する。
【0055】
実施形態の熱交換器4では、中間板体13~15に、第2孔状流路18B(第1移行流路)および第2孔状流路16B(第2移行流路)が形成されている。そのため、第1の冷媒は、-Y方向側の上流側熱交換チューブ30Eから、+Y方向側の下流側熱交換チューブ30Dに流れる。第2の冷媒は、+Y方向側の上流側熱交換チューブ30Fから、-Y方向側の下流側熱交換チューブ30Cに流れる。これにより、Y方向に関する冷媒の偏流を抑制し、熱交換効率の低下を抑えることができる。
【0056】
実施形態の熱交換器4では、第1ヘッダ10に、冷媒の導入口を有する冷媒ポート51と、冷媒の導出口を有する冷媒ポート52とが設けられる(
図2参照)。熱交換器4は、冷媒ポート51,52がいずれも第1ヘッダ10に設けられるため、冷媒ポートが2つのヘッダに分散して設けられる場合に比べて、小型化が可能である。よって、熱交換器4は、筐体への収納性の点で優れている。
【0057】
実施形態の熱交換器4では、第1ヘッダ10および第2ヘッダ20が板体11~14で構成されているため、ヘッダの構造を簡略にできる。そのため、小型化および軽量化が可能である。よって、熱交換器4は、筐体への収納性の点で優れている。
比較形態として、ヘッダを備えていない熱交換器を想定する。この熱交換器は、ストレート部分と湾曲部分とが交互に形成された、蛇行形態の熱交換チューブが用いられる。扁平形状の熱交換チューブを用いる場合、湾曲部分では、座屈防止のため曲率半径を大きくする必要があり、熱交換器の小型化は難しい。湾曲部分にのみ円管状の熱交換チューブを用いれば曲率半径を小さくできる。しかし、その場合には、扁平形状の熱交換チューブと円管状の熱交換チューブとを接続する機構が必要となるため、小型化は容易でない。
【0058】
図7は、第1変形例の第1ヘッダ10AのXZ平面に沿う断面図である。既出の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
第1ヘッダ10Aは、第1内板体11(
図5参照)に代えて第1内板体111が用いられる。第1ヘッダ10Aでは、第1外板体12(
図5参照)に代えて第1外板体112が用いられる。
【0059】
第1内板体111は、板体主部113と、被覆層114とを備える。例えば、板体主部113は、アルミニウムを含む材料(アルミニウム、アルミニウム合金等)で構成される。被覆層114は、板体主部113の外面113b(第2主面)に設けられている。外面113bは、第1外板体112に対向する第1主面とは反対の面である。被覆層114は、Znを含む金属材料で構成される。例えば、被覆層114は、7000系のアルミニウム合金で構成される。被覆層114のZn含有量(含有率)は、板体主部113のZn含有量(含有率)より高い。
【0060】
第1外板体112は、板体主部115と、被覆層116とを備える。例えば、板体主部115は、アルミニウムを含む材料(アルミニウム、アルミニウム合金等)で構成される。被覆層116は、板体主部115の外面115b(第2主面)に設けられている。外面115bは、第1内板体111に対向する第1主面とは反対の面である。被覆層116は、Znを含む金属材料で構成される。例えば、被覆層116は、7000系のアルミニウム合金で構成される。被覆層116のZn含有量(含有率)は、板体主部115のZn含有量(含有率)より高い。
【0061】
第1内板体111および第1外板体112は、予めZnを含む被覆層を形成したクラッド材(積層板材)を用いて作製することができる。被覆層は、溶射により形成することもできる。
第2ヘッダについても、第1ヘッダ10Aと同様に、被覆層を有する板体を用いることができる。
【0062】
この熱交換器では、板体111,112が被覆層114,116を有するため、第1ヘッダ10Aの耐食性を高めることができる。
【0063】
図8は、第2変形例の第1ヘッダ10BのXZ平面に沿う断面図である。既出の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図8に示されるように、第1ヘッダ10Bは、第1内板体11、第1~第3中間板体13~15、および第1外板体12の主面のうち、他の板体に対向する主面に、低融点層214が設けられている。
例えば、板体11~15は、アルミニウムを含む材料(アルミニウム、アルミニウム合金等)で構成される。低融点層214は、Siを含む金属材料で構成される。例えば、低融点層214は、4000系のアルミニウム合金で構成される。低融点層214のSi含有量(含有率)は、板体11~15のSi含有量(含有率)より高い。低融点層214の構成材料の融点は、板体11~15の構成材料の融点より低い。
【0064】
低融点層214を有する板体は、予めSiを含む低融点層を形成したクラッド材(積層板材)を用いて作製することができる。低融点層は、板体に、低融点材料で構成されるクラッドシートを積層することにより形成してもよい。
第2ヘッダについても、第1ヘッダ10Bと同様に、低融点層を有する板体を用いることができる。
【0065】
この熱交換器では、低融点層214は、第1ヘッダ10および第2ヘッダ20と、熱交換チューブ30との隙間を封止するロウとして機能するため、ロウ付けの作業が容易となる。
【0066】
図9は、第3変形例の第1ヘッダ10Cの分解斜視図である。
図10は、第3変形例の第1ヘッダ10CのXZ平面に沿う断面図である。既出の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図9および
図10に示されるように、第1ヘッダ10Cは、第2中間板体14に、孔状流路18内に突出する凸部301が形成されている。凸部301は、突出方向に厚みを減じる壁状であってよい。なお、凸部の形状は、特に限定されず、角柱状、直方体状、半球状などであってもよい。
【0067】
第1ヘッダ10Cによれば、第1冷媒ポート51を通して孔状流路18に流入した冷媒は、凸部301によって2つに分流しやすくなる。
なお、図示例では、冷媒の分流を促進する構成として凸部を例示したが、第2中間板体14に形成された凹部も、冷媒の分流を促進する効果を奏する。
【0068】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、ヘッダの中間板体に、第1移行流路および第2移行流路が形成されているため、第1方向に関する冷媒の偏流を抑制し、熱交換効率を高めることができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
1 冷凍サイクル装置
4 室外熱交換器(熱交換器)
10 第1ヘッダ(ヘッダ)
11,111 第1内板体(内板体)
11a 第1主面
12,112 第1外板体(外板体)
12a 第1主面
13 第1中間板体(中間板体)
14 第2中間板体(中間板体)
15 第3中間板体(中間板体)
16B 第2孔状流路(第2移行流路)
18B 第2孔状流路(第1移行流路)
113b 外面(第2主面)
115b 外面(第2主面)
30 熱交換チューブ
30C 第1の下流側熱交換チューブ
30D 第2の下流側熱交換チューブ
30E 第1の上流側熱交換チューブ
30F 第2の上流側熱交換チューブ
34 冷媒流路
113b 外面(第2主面)
114,116 被覆層
115b 外面(第2主面)
301 凸部