(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】ユーザー構成可能なオーディオ・スピーカー
(51)【国際特許分類】
H04R 3/14 20060101AFI20241119BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20241119BHJP
H04R 5/04 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
H04R3/14
H04R1/00 310A
H04R5/04 A
(21)【出願番号】P 2023512253
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2021046747
(87)【国際公開番号】W WO2022040451
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-04-13
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,ジョエル エー.
(72)【発明者】
【氏名】サマーフェルド,ジェレミー デーヴィッド
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-152879(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0280501(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0090470(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00- 3/14
H04R 1/00- 1/02
H04R 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に囲まれた体積を形成するエンクロージャー内に取り付けられた少なくとも2つのドライバと;
一つまたは複数の増幅器を通じてオーディオ源に結合されるように構成されたオーディオ入力インターフェースと;
ルーティング・カードを受け入れるように構成されたコネクタ・インターフェースとを有する、
ユーザー構成可能なスピーカーであって、
前記ルーティング・カードは、ドライバ選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続に関して第1の動作モードで前記オーディオ入力インターフェースを前記オーディオ源に接続するための第1の配向と、ドライバ選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続に関して第2の動作モードで前記オーディオ入力インターフェースを前記オーディオ源に接続するための第2の配向とで挿入可能であり、
前記ルーティング・カードは、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの対応するセットへの接続のためのコネクタのセットを含むコネクタ側を有するプリント基板(PCB)を含み、
前記ルーティング・カードは、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットを一緒に結合する伝導性トレースのセットを有し、該結合は、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で挿入されると、前記
伝導性トレースは前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第1のルーティング方式で一緒に結合し、それにより当該スピーカーに前記第1の動作モードで動作させ、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で挿入されると、前記
伝導性トレースは前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第2のルーティング方式で一緒に結合し、それにより当該スピーカーに前記第2の動作モードで動作させるようなものであり、
前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記対応するセットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合されるようなものである、
スピーカー。
【請求項2】
前記PCBのコネクタの前記第1の列および第2の列が、前記コネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、前記PCBの対称の中心軸の反対側に配置されている、請求項1に記載のスピーカー。
【請求項3】
当該スピーカーは、前記エンクロージャーの表面に形成されたレセプタクルを有しており、該レセプタクルは、前記ルーティング・カードの前記コネクタ側を前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記対応するセットに結合するために前記コネクタ・インターフェースへのアクセスを提供し、さらに、前記レセプタクルは、前記コネクタ・インターフェース上の前記対応するコネクタ・セットへの挿入およびコネクタの前記対応するセットからの取り外しのために、ユーザーが手を入れて前記ルーティング・カードをつかむことを許容するのに好適なサイズであるように構成される、請求項1または2に記載のスピーカー。
【請求項4】
前記コネクタ・インターフェースは、前記オーディオ入力インターフェース、前記ドライバ、および当該スピーカーの一つまたは複数のオーディオ処理回路の間の接続の2つのセットを含み、前記ルーティング・カードを前記第1の配向で挿入すると、前記オーディオ入力インターフェース、前記ドライバ、および前記オーディオ処理回路の間のオーディオ信号のための接続の第1のセットが選択され、前記第2の配向で挿入すると、前記オーディオ入力インターフェース、前記ドライバ、および前記オーディオ処理回路の間の前記オーディオ信号のための接続の第2のセットが選択される、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
【請求項5】
前記ドライバは2つのウーファーを含み、前記オーディオ入力インターフェースは少なくとも2つの増幅器に結合されるように構成され、前記第1の
動作モードは前記2つのウーファーのそれぞれが単一の増幅器によって駆動されることを含み、前記第2の
動作モードは前記2つのウーファーのそれぞれがそれぞれの増幅器によって独立して駆動されることを含む、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
【請求項6】
前記ドライバはウーファーとツイーターを含み、前記オーディオ入力インターフェースは少なくとも2つの増幅器に結合されるように構成され、前記第1の
動作モードは前記ウーファーとツイーターがいずれも単一の増幅器によって駆動され、クロスオーバー回路が適切なオーディオ周波数信号を前記ウーファーと前記ツイーターに差し向けることを含み、前記第2の
動作モードは前記ウーファーとツイーターのそれぞれが前記クロスオーバー回路なしでそれぞれの増幅器によって独立して駆動されることを含む、請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
【請求項7】
前記第1の配向または前記第2の配向で取り外し可能な仕方で前記
コネクタ・インターフェースに挿入されている前記ルーティング・カードをさらに有する、請求項1ないし6のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
【請求項8】
少なくとも2つのドライバと、一つまたは複数の増幅器を通じてオーディオ源に結合されるように構成されたオーディオ・インターフェースと、ルーティング・カードを受け入れるように構成されたコネクタ・インターフェースとを有する構成可能なスピーカーの動作モードを変更する方法であって、前記ルーティング・カードは、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの対応するセットへの接続のためのコネクタのセットを含むコネクタ側を有するプリント基板(PCB)を含み、当該方法が:
前記PCBを第1の配向または第2の配向で前記コネクタ・インターフェースに挿入する段階を含み、前記PCBは伝導性トレースのセットを有しており、伝導性トレースの前記セットは、前記PCBを前記第1の配向で前記コネクタ・インターフェースに挿入することは、前記スピーカー内のオーディオ信号を、前記ドライバと前記一つまたは複数の増幅器との間の第1のルーティングにルーティングすることによって前記スピーカーを第1の
動作モードで動作させ、前記PCBを前記第2の配向で前記コネクタ・インターフェースに挿入することは、前記オーディオ信号を、前記ドライバと前記一つまたは複数の増幅器との間の第2のルーティングにルーティングすることによって前記スピーカーを第2の
動作モードで動作させるように構成されるようにレイアウトされており、
前記PCBがコネクタ側をもち、前記コネクタ側は、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの対応するセットへの接続のためのコネクタのセットを含み、さらに、前記PCBの伝導性トレースの前記セットが、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットを一緒に結合し、該結合は、前記PCBが前記第1の配向で前記コネクタ・インターフェースに接続されている場合、前記
伝導性トレースは、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第1のルーティング方式で一緒に結合して、前記スピーカーを前記第1の動作モードで動作させ、前記PCBが前記第2の配向で前記コネクタ・インターフェースに接続されている場合、前記
伝導性トレースは、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第2のルーティング方式で一緒に結合して、前記スピーカーを前記第2の動作モードで動作させるようなものであり、
前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記対応するセットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で接続されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で接続されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合されるようなものである、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、いずれも2020年8月19日に出願された米国仮出願第63/067,563号および欧州特許出願第20191732.5号に対する優先権を主張しており、それぞれの出願は参照によりその全体が組み込まれている。
【0002】
技術分野
一つまたは複数の実装は、概括的には構成可能なオーディオ・スピーカーに関し、より具体的には、スピーカーにおける複数の動作モードを切り換えるための、ユーザーが配向させることができる(user orientable)ルーティング・カードに関する。
【背景技術】
【0003】
異なる動作モードで構成されることができるスピーカーを設計することが望ましいことがよくある。そのようなモードは異なる増幅器駆動構成を許容する。たとえば、低周波デュアル・ウーファー・ラウドスピーカー・キャビネットでは、2つの駆動構成(または「モード」)が可能である:(1)単一の増幅器が両方のウーファーを駆動し、それらのウーファーが電気的に並列に接続されている、または(2)2つの増幅器がそれぞれのウーファーを独立して駆動する。構成可能なラウドスピーカーのもう一つの一般的な使用事例は、単一のキャビネット内に低/中周波トランスデューサと高周波トランスデューサを有する伝統的な2ウェイ・スピーカーである。このスピーカーについては、2つの可能なモードは:(1)単一の増幅器が両方のトランスデューサを駆動し、単一の駆動信号をそれぞれのトランスデューサを駆動するための低周波と高周波に分割するために受動クロスオーバー回路がラウドスピーカー・キャビネット内に含まれている受動モード、または(2)ラウドスピーカー・エンクロージャー内の内部受動クロスオーバーを使用せずに2つの増幅器がそれぞれのトランスデューサを独立して駆動するバイアンプまたは(能動)モードである。
【0004】
他のタイプまたはスピーカー構成は、同じスピーカーが、外部増幅器、内部ドライバ、および何らかの任意的な内部オーディオ処理回路の間の接続に基づいて異なる仕方で動作させられることを許容する異なる動作モードを有していてもよい。
【0005】
現在のシステムは、複雑な端子ブロック構成、ジャンパ線、ロータリースイッチ、またはその他の同様のパッチケーブル・タイプの解決策を使用して、スピーカーを、可能性としてはいくつかの異なる動作モードのうちのいずれかで動作するように構成する。さらに他のシステムは、ユーザーがシステムを開いて内部配線を切断して再接続することを必要とする一方、残りのシステムにはこの機能が全くない場合もある。わかるように、異なる増幅器接続のために受動ラウドスピーカーを構成することは、複雑、困難、または単に不可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態は、少なくとも部分的に囲まれた体積を形成するエンクロージャー内に取り付けられた一つまたは複数のドライバと、一つまたは複数の増幅器を通じてオーディオ源に結合されるように構成されたオーディオ入力インターフェースと、ルーティング・カードを受け入れるように構成されたコネクタ・インターフェースとを有するユーザー構成可能なスピーカーを含む。ルーティング・カードは、ドライバ選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続に関して第1の動作モードで前記オーディオ入力インターフェースを前記オーディオ源に接続するための第1の配向と、ドライバ選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続に関して第2の動作モードで前記オーディオ入力インターフェースを前記オーディオ源に接続するための第2の配向とで挿入可能である(たとえば、第2の動作モードは、ドライバ選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続に関して、第1の動作モードとは異なる)。よって、第1の動作モードは、第1のドライバの選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続を含んでいてもよく、第2の動作モードは、第2のドライバ選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続を含んでいてもよい。ルーティング・カードは、コネクタ・インターフェース上の対応するコネクタ・セットへの接続のためのコネクタのセットを含むコネクタ側を有するプリント基板(printed circuit board、PCB)であってもよい。ルーティング・カードは伝導性トレースのセットを有し、トレースの第1の方向は、コネクタの前記セットを、第1の動作モードのための第1のルーティング方式で一緒に結合し、トレースの第2の方向は、コネクタの前記セットを、第2の動作モードのための第2のルーティング方式で一緒に結合する。PCBのコネクタのセットは、コネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、PCBの対称の中心軸の反対側に配置された2列のコネクタを含んでいてもよい。第1の方向は、中心軸に対して第1の回転配向でルーティング・カードをコネクタ・インターフェースに接続することによって選択され、第2の方向は、中心軸に対して第2の回転配向でルーティング・カードをコネクタ・インターフェースに接続することによって選択される。スピーカーは、エンクロージャーの表面に形成されたレセプタクルを有していてもよい。該レセプタクルは、ルーティング・カードのコネクタ側をコネクタ・インターフェース上の対応するコネクタ・セットに結合するために、コネクタ・インターフェースへのアクセスを提供する。レセプタクルは、コネクタ・インターフェース上の対応するコネクタ・セットへの挿入および対応するコネクタ・セットからの取り外しのために、ユーザーが手を入れてルーティング・カードをつかむことを許容するのに好適なサイズであってもよい。コネクタ・インターフェースは、前記オーディオ・インターフェース、前記一つまたは複数のドライバ、およびスピーカーの一つまたは複数のオーディオ処理回路の間の接続の2つのセットを含んでいてもよい。ルーティング・カードを第1の配向で挿入すると、オーディオ・インターフェース、ドライバ、およびオーディオ処理回路の間のオーディオ信号のための接続の第1のセットが選択され、第2の配向で挿入すると、オーディオ・インターフェース、ドライバ、およびオーディオ処理回路の間のオーディオ信号のための接続の第2のセットが選択される。
【0007】
前記一つまたは複数のドライバは2つのウーファーを含んでいてもよく、オーディオ入力インターフェースは少なくとも2つの増幅器に結合され、第1のモードは2つのウーファーのそれぞれが単一の増幅器によって駆動されることを含み、第2のモードは2つのウーファーのそれぞれがそれぞれの増幅器によって独立して駆動されることを含む。
【0008】
前記一つまたは複数のドライバはウーファーとツイーターを含んでいてもよく、オーディオ入力インターフェースは少なくとも2つの増幅器に結合され、第1のモードはウーファーとツイーターがいずれも単一の増幅器によって駆動され、クロスオーバー回路が適切なオーディオ周波数信号をウーファーとツイーターに差し向けることを含み、第2のモードはウーファーとツイーターのそれぞれがクロスオーバー回路なしでそれぞれの増幅器によって独立して駆動されることを含む。
【0009】
ルーティング・カードが第1の配向でコネクタ・インターフェースに挿入される/受け入れられると、ネクタインターフェースおよびルーティング・カードを通じて、オーディオ入力インターフェースと前記一つまたは複数のドライバの間でオーディオ信号(たとえば、オーディオ入力インターフェースによって受領されるもの)の第1のルーティングを提供することによって、スピーカーは、第1の動作モードで動作させられることができる。ルーティング・カードが第2の配向でコネクタ・インターフェースに挿入される/受け入れられると、コネクタ・インターフェースとルーティング・カードを通じて、オーディオ入力インターフェースと前記一つまたは複数のドライバの間にオーディオ信号(たとえば、オーディオ入力インターフェースによって受領されるもの)の第2のルーティングを提供することによって、スピーカーは、第2の動作モードで動作させられることができる。言い換えれば、実施形態は、少なくとも部分的に囲まれた体積を形成するエンクロージャー内に取り付けられた一つまたは複数のドライバと;一つまたは複数の増幅器(たとえば、オーディオ信号を受領する)を通じてオーディオ源に結合されるように構成されたオーディオ入力インターフェースと;ルーティング・カードを受け入れるように構成されたコネクタ・インターフェースとを有する、ユーザー構成可能なスピーカーを含みうる。ここで、ルーティング・カードは、コネクタ・インターフェースとルーティング・カードを通じて、オーディオ入力インターフェースと前記一つまたは複数のドライバとの間でオーディオ信号(たとえば、オーディオ入力インターフェースによって受領されるもの)の第1のルーティングを提供することによって、スピーカーを第1の動作モードで動作させる第1の配向と、コネクタ・インターフェースとルーティング・カードを通じて、オーディオ入力インターフェースと前記一つまたは複数のドライバとの間でオーディオ信号(たとえば、オーディオ入力インターフェースによって受領されるもの)の第2のルーティングを提供することによって、スピーカーを第2の動作モードで動作させる第2の配向とで挿入可能である。コネクタ・インターフェースは、前記一つまたは複数のドライバと前記オーディオ入力インターフェースの間に結合されていてもよい。
【0010】
ルーティング・カードがPCBを含むか、またはPCBである実施形態では、PCBは、PCBのコネクタ側のコネクタのセットを一緒に結合する伝導性トレースのセットを含んでいてもよく、それにより、PCBがコネクタ・インターフェースに第1の配向で挿入されると、トレース(およびPCBのコネクタ側のコネクタのセット)は、コネクタ・インターフェース上のコネクタのセットを第1のルーティング方式で一緒に結合し、それによりスピーカーを第1の動作モードで動作させ、PCBがコネクタ・インターフェースに第2の配向で挿入されると、トレース(およびPCBのコネクタ側のコネクタのセット)は、コネクタ・インターフェース上のコネクタのセットを第2のルーティング方式で一緒に結合し、それによりスピーカーを第2の動作モードで動作させる。
【0011】
PCBのコネクタ側のコネクタのセットは、コネクタの第1の列および第2の列を含んでいてもよく、コネクタ・インターフェース上のコネクタの対応するセットは、コネクタの第1の列および第2の列を含んでいてもよい。ルーティング・カード/PCBがコネクタ・インターフェースに第1の配向で挿入すると、PCBのコネクタ側のコネクタの第1の列がコネクタ・インターフェース上のコネクタの第1の列に結合され、PCBのコネクタ側のコネクタの第2の列がコネクタ・インターフェース上のコネクタの第2の列に結合される(それにより、スピーカーを第1の動作モードで動作させる)。ルーティング・カード/PCBがコネクタ・インターフェースに第2の配向で挿入されると、PCBのコネクタ側のコネクタの第1の列がコネクタ・インターフェース上のコネクタの第2の列に結合され、PCBのコネクタ側のコネクタの第2の列がコネクタ・インターフェース上のコネクタの第1の列に結合される(それにより、スピーカーを第2の動作モードで動作させる)。PCBのコネクタ側のコネクタの第1の列および第2の列は、コネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、PCBの対称の中心軸の反対側に配置されてもよい。
【0012】
また、スピーカーにおいてオーディオ信号をルーティングするためのスピーカー構成器をも含みうる。前記スピーカーは一つまたは複数のドライバを含み、当該スピーカー構成器は、プリント基板(PCB)であって、該PCBが有するトレースのセットは、PCBの第1の配向が、スピーカー内のオーディオ信号を、ドライバとスピーカー外部の一つまたは複数の増幅器との間の第1のルーティングにルーティングすることによってスピーカーを第1のモードで動作させるように構成され、PCBの第2の配向が、前記オーディオ信号を、ドライバと前記一つまたは複数の増幅器との間の第2のルーティングにルーティングすることによってスピーカーを第2のモードで動作させるように構成されるようにレイアウトされている、PCBと、ドライバを第1のモードで前記一つまたは複数の増幅器に接続するよう第1の配向でPCBに接続し、ドライバを第2のモードで前記一つまたは複数の増幅器に接続するよう第2の配向でPCBに接続するように構成されたコネクタ・インターフェースとを有する。
【0013】
実施形態はさらに、一つまたは複数のドライバを有する構成可能なスピーカーの動作モードを変更する方法を含みうる。プリント基板(PCB)であって、該PCBが有するトレースのセットは、PCBの第1の配向が、スピーカー内のオーディオ信号を、ドライバとスピーカー外部の一つまたは複数の増幅器との間の第1のルーティングにルーティングすることによってスピーカーを第1のモードで動作させるように構成され、PCBの第2の配向が、前記オーディオ信号を、ドライバと前記一つまたは複数の増幅器との間の第2のルーティングにルーティングすることによってスピーカーを第2のモードで動作させるように構成されるようにレイアウトされている、PCBを提供し、ドライバを第1のモードで前記一つまたは複数の増幅器に接続するよう第1の配向でPCBに接続し、ドライバを第2のモードで前記一つまたは複数の増幅器に接続するよう第2の配向でPCBに接続するように構成されたコネクタ・インターフェースを提供することによる。
【0014】
実施形態はさらに、一つまたは複数のドライバと、一つまたは複数の増幅器を通じてオーディオ源に結合されるように構成されたオーディオ入力インターフェースと、ルーティング・カードを受け入れるように構成されたコネクタ・インターフェースとを有する構成可能なスピーカーの動作モードを変更する方法を含んでいてもよい。当該方法は以下を含む。
【0015】
第1の配向または第2の配向でコネクタ・インターフェースにプリント基板(PCB)を挿入する。該PCBが有する伝導性トレースのセットは、第1の配向でPCBをコネクタ・インターフェースに挿入することが、スピーカー内のオーディオ信号を、前記一つまたは複数のドライバと前記一つまたは複数の増幅器との間の第1のルーティングにルーティングすることによってスピーカーを第1のモードで動作させ、第2の配向でPCBをコネクタ・インターフェースに挿入することが、前記オーディオ信号を、前記ドライバと前記一つまたは複数の増幅器との間の第2のルーティングにルーティングすることによってスピーカーを第2のモードで動作させるようにレイアウトされている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下の図面では、同様の要素を参照するために同様の参照番号が使用されている。以下の図はさまざまな例を示しているが、一つまたは複数の実装は図に示されている例に限定されない。
【0017】
【
図1A】いくつかの実施形態の下で、ジャンプ動作モードと非ジャンプ動作モードの間で選択するルーティング・カードを備えた例示的な2ウーファー・ラウドスピーカーを示している。
【0018】
【
図1B】いくつかの実施形態の下で、受動クロスオーバー・モードと能動/バイアンプ・モードの間で選択するルーティング・カードを備えた例示的な2ウェイ・ラウドスピーカーを示している。
【0019】
【
図2】いくつかの実施形態の下で、構成可能なマルチウェイ・ラウドスピーカーと一緒に使用するためのルーティング・カードを示している。
【0020】
【
図3】いくつかの実施形態の下で、ラウドスピーカーを2つの異なるモードのいずれかで構成するための2つの異なる方向において、ルーティング・カードの配向を概略的に示している。
【0021】
【
図4】いくつかの実施形態の下で、スピーカー・レセプタクルへのルーティング・カードの挿入を示している。
【0022】
【
図5A】いくつかの実施形態の下で、
図1Aのデュアル・ウーファー・スピーカーのための非ジャンプ・モードとジャンプ・モードの間のルーティング・カードの配向を概略的に示している。
【0023】
【
図5B】いくつかの実施形態の下で、
図1Bの2ウェイ・スピーカーのための受動クロスオーバー・モードと能動/バイアンプ・モードの間のルーティング・カードの配向を概略的に示している。
【0024】
【
図6】いくつかの実施形態の下で、単一駆動ジャンプ・モードにおけるデュアル・ウーファー・スピーカーについての電気概略図を示している。
【0025】
【
図7】いくつかの実施形態の下で、デュアル駆動非ジャンプ・モードにおけるデュアル・ウーファー・スピーカーについての電気概略図を示している。
【0026】
【
図8】いくつかの実施形態の下で、受動モードにおける2ウェイ・スピーカーのための電気概略図を示している。
【0027】
【
図9】いくつかの実施形態の下で、バイアンプ能動モードにおける2ウェイ・スピーカーのための電気概略図を示している。
【0028】
【
図10A】諸実施形態の下で、
図6および
図7のジャンプ型および非ジャンプ型デュアル・ウーファー・モードのためのルーティング・カードの詳細な配線図を示している。
【0029】
【
図10B】諸実施形態の下で、
図8および
図9の受動および能動2ウェイ・スピーカー・モードのためのルーティング・カードの詳細な配線図を示している。
【0030】
【
図11】いくつかの実施形態の下で、2ウェイ・スピーカーにおける動作モードを受動モードとバイアンプ・モードの間で変更するルーティング・カードの等価なスイッチング機能を示している回路図である。
【0031】
【
図12】いくつかの実施形態の下で、デュアル・ウーファー・スピーカーの動作モードをジャンプ・モードと非ジャンプ・モードの間で変更するルーティング・カードの等価なスイッチング機能を示している回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施形態は、複数の電気駆動モードおよび/またはオーディオ処理構成のうちの1つを選択するための、ユーザーが配向させることができるルーティング・カードをもつ構成可能なオーディオ・スピーカーに向けられる。記載されている実施形態のいずれも、単独で使用されてもよく、または任意の組み合わせで互いと一緒に使用されてもよい。さまざまな実施形態は、本明細書で議論されるかもしれない現在および既知の解決策のさまざまな欠陥によって動機付けられた可能性があるが、実施形態は必ずしもこれらの欠陥のいずれかに対処するものではない。異なる実施形態は、異なる欠陥に対処する可能性があり、いくつかは部分的に対処されるだけである可能性がある。
【0033】
「スピーカー」または「ラウドスピーカー」という用語は、一つまたは複数のドライバを囲むキャビネットを有するオーディオ再生スピーカーを意味し、「ドライバ」という用語は、電気的なオーディオ信号を音波に変換する個々のオーディオ・トランスデューサーを意味し、コーン、ホーン、マイクロスピーカー、または平面ドライバとして実装されてもよく、フルレンジドライバであってもよく、あるいはツイーター、ミッドレンジ・ドライバ、ウーファー、サブウーファーなどの、ある種の周波数範囲を再生するように構成されていてもよい。ドライバは、キャビネット内に取り付けられてもよく、オープン・バック・バッフル(open backed baffle)に取り付けられてもよい。「キャビネット」という用語は、トランスデューサまたは諸トランスデューサ(または諸ドライバ)を収納するスピーカー・エンクロージャーまたはボックスを意味し、トランスデューサを音響的に隔離するよう全面的に囲まれてもよく、あるいはある種のオーディオ応答特性のために必要であればベントされ、または部分的に開放であってもよい。
【0034】
回転可能なルーティング・カードとともに使用されるラウドスピーカーは、さまざまなタイプのキャビネットの形状とサイズ、2ウェイもしくはマルチウェイ・スピーカーにおけるドライバ(ツイーター、ミッドレンジ、ウーファー)、受動/能動動作などで、種々の動作モードにおいて構成されることができる。
【0035】
スピーカーは、スピーカー内の種々のドライバの動作および/またはスピーカー内の種々のドライバを駆動する一つまたは複数の増幅器の動作に基づいて、いくつかの異なる駆動設定のうちの一つで動作するように構成可能でありうる。
図1Aは、2つのウーファー126と128を保持するキャビネット124を有する例示的なオーディオ・スピーカー122を示している。この直接駆動の実施形態については、2つの増幅器127と129がそれぞれ、それぞれのウーファー126と128を駆動する。この実施形態については、スピーカー・システム122は、内部増幅器や電源を含まない受動スピーカーである。これは、単に増幅器(単数または複数)から増幅されたオーディオ信号を、ウーファーを通じた再生のために受けるだけである。ウーファーはそれぞれ自分自身の増幅器によって直接駆動されてもよく、あるいは増幅器127のような単一の増幅器によって駆動されてもよい。この実施形態については、挿入可能なルーティング・カード120が、直接駆動モードまたは単一駆動モードに関して適切な増幅器とドライバの接続を設定するために使用されることができる。たとえば、ルーティング・カード120を第一の配向で挿入すること(「モード1」と記される)は、両方のウーファーを1つの増幅器に接続でき(単一駆動)、カードを第二の(回転した)配向で挿入すること(「モード2」と記される)は、各ウーファーを自分自身の増幅器に接続できる(デュアル駆動または直接駆動)。
【0036】
図1Bは、いくつかの実施形態の下で、回転可能なルーティング・カードを使用する異なる2ウェイ・スピーカーを示している。
図1Bに示されるように、2ウェイ・スピーカー102は、ツイーター108とウーファー110を保持するキャビネット104を備えている。示されている実施形態では、ドライバはキャビネット104の軸に沿って整列されており、たとえば、直立型スピーカーのためのキャビネットの垂直軸に沿って整列されている。スピーカー102のドライバ組成および構成は例として示されているだけであり、水平スピーカー、サウンドバー、キューブスピーカー、本棚またはテーブルトップスピーカーなど、スピーカー102の任意のサイズまたは配向が使用されうる。同様に、ツイーター、追加のミッドレンジ・ドライバなど、任意の数、配列、およびタイプのドライバが使用されうる。ある実施形態では、異なるオーディオ信号コンポーネントを適切なスピーカーにルーティングするために、受動クロスオーバー回路112が提供される。2ウェイ・スピーカー102では、低周波信号(たとえば1kHzないし2kHz未満)がウーファー110に送られることができ、より高い周波数はドライバ(たとえばツイーター)108に送られることができる。挿入可能なルーティング・カード116は、クロスオーバー112および/またはスピーカー102内の他の処理回路に関して適切なスピーカー接続を設定するために使用できる。たとえば、ルーティング・カード116を第一の配向で挿入することは(「モード1」と記される)、ドライバ108および110へのオーディオ経路にクロスオーバー112を含めることができ、カードを第2の(回転した)配向で挿入することは(「モード2」と記される)に、オーディオ経路からクロスオーバーを取り去り、各ドライバに個別に増幅された信号を提供することができる。
【0037】
前述のように、ルーティング・カードは、任意の適切に構成されたスピーカーについて、2つの動作モードの間で選択するように構成される。よって、
図1Aおよび
図1Bは、ルーティング・カードを2つの異なる可能な配向のいずれかでスピーカーに挿入することによって、それぞれ2つの動作モードの一方で動作するように構成されることができるスピーカーを示している。
【0038】
図1Aは、スピーカーが2つのウーファー126および128を囲むキャビネット124をもつデュアル・ウーファー・スピーカーである第1の使用事例122を示している。スピーカーのモード構成に依存して、ウーファーを駆動するために1つまたは2つの増幅器127および129が提供されうる。スピーカーは、2つのモードのいずれかを選択するために、回転可能なルーティング・カード120を2つの異なる配向の一方で接続するためのインターフェースも含んでいる。第1のモード(モード1)は、単一の増幅器127がウーファー126と128の両方を並列に駆動する構成である。これは、スピーカーについての単一駆動ジャンプ・モード(single drive jumped mode)と呼ばれ、ルーティング・カード120を第1の配向でインターフェースに挿入することによって選択される。第2のモード(モード2)は、増幅器127に加えて第2の増幅器129が設けられ、各ウーファー126、128がそれぞれ別個の増幅器によって駆動される構成である。このモードは、デュアル駆動(または直接駆動)非ジャンプ・モードと呼ばれ、ルーティング・カード120を第2の配向でインターフェースに挿入することによって選択される。
【0039】
図1Bは、スピーカーが、ミッドレンジまたはウーファー110とツイーター108のような2つの異なるドライバを囲むキャビネット104をもつ2ウェイ・スピーカーである第2の使用事例102を示している。スピーカーのモード構成に依存して、2つのドライバを駆動するために、1つまたは2つの増幅器107および109が設けられてもよい。スピーカーは、2つのモードのいずれかを選択するために、回転可能なルーティング・カード116を2つの異なる配向の一方で接続するためのインターフェースも含んでいる。第1のモード(モード1)は、単一の増幅器107がクロスオーバー回路112を通じてドライバ126と128の両方を並列に駆動する構成である。これは、2ウェイ・スピーカーについての受動モード(passive mode)と呼ばれ、ルーティング・カード116を第1の配向でインターフェースに挿入することによって選択される。第2のモード(モード2)は、増幅器107に加えて第2の増幅器109が提供され、各ドライバ110と108がそれぞれ別個の増幅器によって駆動される構成である。このモードはバイアンプ能動モード(bi-amp active mode)と呼ばれ、ルーティング・カード116を第2の配向でインターフェースに挿入することによって選択される。
【0040】
両方の使用事例(
図1Aおよび
図1B)は、一般に業務用のスピーカー設計における一般的な使用事例を表しているが、実施形態はそれに限定されない。任意の構成の増幅器とドライバ構成および接続性、および増幅器(単数または複数)から異なるドライバへのオーディオ信号ルーティングが使用されうる。
図1Aおよび
図1Bの例についての異なる使用事例およびモードのためのルーティング・カード・スピーカー・インターフェースについての詳細な配線接続は、以下で、より詳細に提供される。
【0041】
表1は、
図1Aおよび
図1Bの2つの使用事例を、対応する動作モードおよびルーティング・カード構成、および各モードについて使用される増幅器の数とともに、表形式で示している。スピーカー構成(ドライバの数、ドライバのタイプ)、関連するオーディオ処理(クロスオーバー、フィルタ、EQなど)、増幅器などに基づいて、使用されうる使用事例はいくらでもありうることに注意するべきである。それぞれの使用事例またはスピーカー構成について、2つの異なる動作モードの間で簡単に選択をするために、異なるルーティング・カードが提供されてもよい。
【表1】
【0042】
ルーティングカード(120または116)の使用は、一般に、異なる使用事例のために複数のスピーカー・システム・モードの間で切り換えるプロセスを簡単にし、容易に繰り返せるようにする。ある実施形態では、ルーティング・カードは、ユーザーが2つの異なる動作モードのうちの1つに対応する2つの異なる配向の一方で取り付けることができるプリント基板PCBとして実装される。異なる動作モードとは、たとえば、デュアル・ウーファー使用事例についての単一駆動かデュアル駆動、あるいは2ウェイ使用事例についての受動クロスオーバー・モードか能動/バイアンプ・モードなどである。スピーカーの動作モードを変更するために、PCBは、簡単に回転されて、再挿入されることができるため、増幅器およびオーディオ回路(たとえばクロスオーバー)に関して、スピーカーの電気的な駆動の迅速な再構成を許容する。
【0043】
図1Aおよび1Bは、一つまたは複数の増幅器に結合された1つのスピーカーを示しているが、全体的なオーディオシステムは、ステレオ、マルチチャネル、サラウンドサウンド、映画館または同様の環境における、任意の数のスピーカーを含みうることに注意するべきである。そのようなスピーカーの一部または全部が、スピーカー102または122に示されているような構成可能なスピーカーでありうる。
【0044】
図2は、いくつかの実施形態の下で、構成可能なマルチウェイ・スピーカーとともに使用するためのルーティング・カードを示している。
図2に示されるように、ルーティング・カード202は、コネクタの2つの別個の列204および206をもつPCBの形で提供される。PCB 202は、共通の中心(たとえば、垂直または水平)軸208のまわりに対称的であるように配線されている。ラウドスピーカーの内部では、ルーティングPCBカードのためのかみあうコネクタ(mating connector)を提供し、任意の必要な内部信号を提供するための別個のPCBインターフェース回路が存在する。内部PCBと外部ルーティングPCBは、ルーティングPCBが異なる回転角度で内部PCBにかみあわされることができるように、対称的なかみあうコネクタをもつように設計される。ユーザーは、ルーティングPCBカードを180度回転させ、スピーカーに再組み込みすることによって、2つの動作モードの間で切り換えることができる。
【0045】
適正なルーティング制御と電流処理を達成するために、ルーティングPCBカードは対称的なミラーリングされたレイアウトの銅層をもって設計されている。
図3は、いくつかの実施形態の下で、ラウドスピーカーを2つの異なるモードの一方に構成するために、2つの異なる配向のルーティング・カードの配向を概略的に示している。
図3は、カードがスピーカーに挿入されるまたは取り付けられるときに第1のモード(モード1)が選択される第1の配向302のカードを示している。回転または「反転」操作306の後、カードは180度回転され、モード1ではなくモード2が選択される。ルーティングPCBカードは、スピーカーにおけるかみあうコネクタの2つの列の間で信号ルーティングを変更するために、単に180度回転されている。
【0046】
図2の例に示されるように、カードは矢印210の方向において、スピーカー内のレセプタクルに挿入されるように構成されており、コネクタ列(またはセット)204および206は、レセプタクル内の対応するピンまたはソケットと接触する、またはそれに挿入される。
図4は、いくつかの実施形態の下での、スピーカー・レセプタクルへのルーティング・カードの挿入を示している。
図4に示されるように、ルーティング・カード202は、スピーカー内のドライバ接続に結合するインターフェース・カード404に取り付けられているレセプタクル402に挿入される。インターフェース・カード404は、スピーカーに接続された別個のPCBであってもよく、あるいはキャビネット・パネルに一体的に形成されていてもよい。レセプタクル402は、所望に応じて、背面パネル、上部パネル、前面パネルなど、任意の適切な位置においてスピーカーキャビネットに配置されるまたは形成されることができる。典型的には、レセプタクルは、ユーザーがキャビネット・パネルにおいてカード202を簡単につかみ、取り外し、挿入することを許容するのに十分な大きさのフォーマットである。
【0047】
インターフェース・カード404は、ルーティング・カード202の背面にある列204および206の対応するコネクタ203とかみあうコネクタ406のセットを有する。
図4に示されている実施形態については、インターフェース・カード404は2列のオスのピン・ヘッダ・コネクタ406(たとえば、第1の列のコネクタ406aと第2の列のコネクタ406b)を有しており、ルーティングPCBカードは2列のメスのピン・ソケット203(たとえば、第1の列204、第2の列206の)を有するが、かみあうコネクタまたは接触面の任意のタイプと構成が使用されうるため、実施形態はそれに限定されない。
図3に示されるように、2つのモード(モード1とモード2)の間で切り換えるために、ルーティング・カード202がレセプタクル402から取り外され、反転され(180度回転され)、レセプタクルに再挿入されて、反対側のコネクタのセット203がスピーカー内のコネクタのセット406に結合されるようにする(たとえば204が406bに、206が406aに)。
【0048】
ある実施形態では、ルーティング・カードは単に対称的な銅線の配置であり、内部インターフェース・カード404はルーティング・カードの回転挿入(302または304)との関連で、最終的に、何らかの特定の使用事例におけるスピーカーの動作モードを決定することができる。ある実施形態では、ルーティング・カードは伝導性トレースのセットを含み、トレースの第1の方向は、第1の動作モードのための第1のルーティング方式でコネクタのセットを一緒に結合し、トレースの第2の方向は、第2の動作モードのための第2のルーティング方式でコネクタのセットを一緒に結合する。
図2に示されるように、コネクタのセットは、PCBのコネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、PCBの対称の中心軸の反対側に配置された2列のコネクタを含む。
図3に示されるように、第1の方向は、中心軸に対して第1の回転配向でルーティング・カードをコネクタ・インターフェースに接続することによって選択され、第2の方向は、中心軸に対して第2の回転配向でルーティング・カードをコネクタ・インターフェースに接続することによって選択される。
【0049】
図2および
図4の実施形態については、ルーティング・カード202は長方形のPCBとして示されており、端子がPCBの同じ側に列をなして配列され、PCBのコネクタ側の長いエッジに沿って配置されている。これらの列は、最初にルーティング・カードのコネクタ側をレセプタクル402に挿入することによって、内部コネクタ・カード404上の対応するコネクタ列406にかみあうように構成されている。
【0050】
内部コネクタ・カードと同じ構成を前提として、任意のサイズおよび形状のルーティング・カードが使用されうることに注意するべきである。たとえば、ルーティング・カードは正方形であってもよく、向かい合うエッジではなく隣接するエッジに沿ってコネクタを有していてもよく、あるいは軸回転に関する対称性が維持され、内部コネクタ・カード上の対応するコネクタのセットと合っている限り、任意の他の構成でもよい。ルーティング・カード202と内部コネクタ・カード404の間のかみあうコネクタは、ピンおよびソケット・タイプの接続として示されている。ルーティング・カード上のトレースが内部コネクタ・カードの対応するスロット中にスライドするか、またはその逆の表面マウント接続など、他の接続手段が使用されてもよい。記述の目的のために、ルーティング・カードは、コネクタ側をもち、端末がルーティング・カードのその側の向かい合うエッジに配置され、それによりコネクタはカードを180度回転させることによって再挿入のために入れ替えることができるものとして説明されているが、他の構成も可能であることに注意するべきである。
【0051】
図3の異なるモード、モード1およびモード2は、構成可能なラウドスピーカーの任意の2つの異なる動作モードを表している。前述のように、スピーカー駆動の構成可能性が望まれる2つの主な使用事例がある:(1)マルチウーファー、低周波キャビネットを単一または複数増幅器(たとえばバイアンプ)駆動の間で切り換えること(
図1A)と、(2)2ウェイ・スピーカーを単一増幅器、受動クロスオーバー・モードと、複数増幅器能動駆動モードとの間で切り換えること(
図1B)。
図5Aは、ジャンプ・モード(単一増幅器)とデュアル・モード(デュアル増幅器)の間で構成されるデュアル・ウーファー使用事例についてのルーティング・カード120の配向を概略的に示している。
図5Aに示されるように、ルーティング・カード120の第1モード配向は、デュアル・ウーファー・スピーカーを1つの増幅器で使用するためのジャンプ・モード構成にする。第2モード配向は、カードを取り外して180度回転501の後に再挿入して、スピーカーを2つの別個の増幅器で使用するためのジャンプ・モード構成にすることによって達成される。
図5Bは、受動モード(クロスオーバーあり)と能動バイアンプ・モード(クロスオーバーなし)の間で構成される2ウェイ・スピーカーの使用事例のルーティング・カード116の配向を概略的に示している。
図5Bに示されるように、ルーティング・カード116の第1モード配向は、2ウェイ・スピーカーを、クロスオーバーありで1つの増幅器で使用するための受動モード構成にする。第2モード配向は、カードを取り外し、180度回転506の後に再挿入して、スピーカーを、クロスオーバーなしで2つの別個の増幅器で使用するための能動/バイアンプ・モード構成にすることによって達成される。
【0052】
図1Aに示されるように、ルーティング・カード120は、デュアル・ウーファー・スピーカーについての単一駆動ジャンプ・モードまたはデュアル駆動非ジャンプ・モードの間で選択するために使用できる。
図6および
図7は、
図1Aにおいてモード1およびモード2と記されている、これらの2つのモードのそれぞれについて、増幅器、ドライバ、インターフェース、およびルーティング・カードのための回路接続を示している。
【0053】
図6は、いくつかの実施形態の下で、単一駆動ジャンプ・モードにあるデュアル・ウーファー・スピーカーについての電気概略図を示している。
図6に示されるように、描画600は、スピーカー入力端子608を通じてデュアル・ウーファー604および606に結合された単一の増幅器602を示しており、スピーカー入力端子は典型的には、増幅器ケーブルをスピーカーに接続するための背面パネル・プラグ、ネジ、またはその他の同様の配線インターフェースである。スピーカー内では、導線601が増幅されたオーディオ信号をドライバ604および606に送信する。オーディオ信号はルーティング・カード610を通じてルーティングされ、スピーカー内で2つの仕方のうちの一方に配向されることができる。
図6の実施形態については、ルーティング・カード610は、端子608に接続された単一の増幅器602が両方のドライバ604および606を並列に駆動することを許容するようにルーティングされている。これは、デュアル・ウーファー・スピーカーについての単一駆動ジャンプ・モード(single drive jumped mode)である。
【0054】
ルーティング・カード610は、レセプタクルのインターフェース・カード404にかみあうためのコネクタの2つの別個の列をもつ。これらのコネクタ(列JP1およびJP2と記される)は、ルーティング・カードの異なる側(たとえば向かい合う側)に配置されたピンまたはその他の接点の列として提供されることができる。
図6の例については、ルーティング・カード610はコネクタJP1の上方にコネクタJP2がある配向で示されている。
【0055】
ルーティング・カード610が回転(反転)されて、逆の配向でスピーカーに挿入されると、単一駆動と2つのアンプを使うデュアル駆動のように、スピーカー・システム600の異なる動作モードが選択される。
図7は、いくつかの実施形態の下で、デュアル駆動の非ジャンプ・モードにおけるデュアル・ウーファー・スピーカーについての電気概略図を示している。
図7に示されるように、描画700は、スピーカー入力端子608を通じてデュアル・ウーファー604および606に結合された2つの増幅器602を示している。スピーカー内では、描画600のように、導線601が増幅されたオーディオ信号をドライバ604および606に送る。オーディオ信号は、描画600とは反対の配向で挿入されたルーティング・カード610を通じてルーティングされる。
図7の実施形態については、ルーティング・カード610は、端子608に接続された各増幅器602および603が別々に異なるそれぞれのドライバ604および606を駆動することを許容するようにルーティングされる。これは、デュアル・ウーファー・スピーカーのためのデュアル駆動の非ジャンプ・モードである(dual drive non-jumped mode)。
図7の例については、ルーティング・カード610はコネクタJP2の上方にコネクタJP1がある配向で示されている。
【0056】
図6と
図7のどちらの構成についても、スピーカー入力端子608と、ルーティング・カードのレセプタクルと、ドライバとの間の物理的な配線は同じであることがわかる。回転可能なルーティング・カード610の配向が、端子608に接続されたアンプ(単数または複数)とウーファー604および606との間の配線の実際の接続を決める。
【0057】
図1A、
図6および
図7は、2つのウーファーをもつスピーカーを示しているが、実施形態はそれに限定されない。任意の実用的な数のドライバ(たとえばウーファー)と増幅器が提供されうる。2つより多くのウーファーが提供される場合、
図7の独立した駆動動作を維持するために、対応する数の追加の増幅器も提供する必要がある。
図6のジャンプ・モード構成では、2つより多くのウーファーが提供される場合、増幅器602はそれらのウーファーも駆動するように端子608を通じて配線される。
【0058】
図1Bに示されるように、回転可能なルーティング・カードをもつスピーカーについての別のマルチモード使用事例は、または受動モードにおいてクロスオーバーを使用するか、またはバイアンプ能動モードにおいてドライバを直接駆動するように2ウェイ・スピーカーが構成される場合である。受動クロスオーバーの実装は、ルーティング・カードの向きに依存して、受動クロスオーバー・ネットワークが回路に含まれるか、または完全に取り除かれることを要求する。受動クロスオーバーが電気回路から適正に取り除かれることを保証するのは困難であることがあり、クロスオーバーを駆動および負荷回路から適正に切断するために複数の信号が「破られる(broken)」ことを要求する。
【0059】
図1Bに示されるように、ルーティング・カード120は、2ウェイ・スピーカーについての受動モードまたはバイアンプ能動モードを選択するために使用されることができる。
図8および
図9は、
図1Bにおいてモード1およびモード2と記される、これら2つのモードのそれぞれについて、増幅器、ドライバ、インターフェース、およびルーティング・カードについての回路接続を示している。
【0060】
図8は、いくつかの実施形態の下での受動モードにおける2ウェイ・スピーカーの電気概略図を示している。
図8に示されるように、描画800は、スピーカー入力端子808を通じてドライバ804および806に結合された単一の増幅器802を示しており、スピーカー入力端子はここでもまた、増幅器ケーブルをスピーカーに接続するための背面パネル・プラグ、ネジ、またはその他の同様の配線インターフェースでありうる。ドライバは、ウーファーまたはミッドレンジ・ドライバなどの低または中周波数ドライバ804と、ツイーターまたはハイ・ミッド・ドライバなどの高周波数ドライバ806とを含みうる。スピーカー内では、導線801が増幅されたオーディオ信号をドライバ804および806に送る。オーディオ信号は、スピーカー内で2つの仕方のうちの一方に配向されることができるルーティング・カード810を通じてルーティングされる。
図8の実施形態については、ルーティング・カード810は、端子808に接続された単一の増幅器802が、クロスオーバー回路812を通じてドライバ804と806の両方を並列に駆動することを許容するルーティングされる。これは、2ウェイ・スピーカーのための受動クロスオーバー・モードであり、増幅器からのフルバンド・オーディオ信号が、クロスオーバー812によって適切なサブバンドに分離されて適切なドライバに送信される、すなわち、高周波オーディオ信号はツイーター806に、中/低周波オーディオ信号はウーファー804に送信される。これは、2ウェイ・スピーカーのための受動モードであり、
図8の例については、ルーティング・カード810は、コネクタJP2の上方にコネクタJP1がある配向で示されている。
【0061】
ルーティング・カード810が回転(反転)されて逆の配向でスピーカーに挿入されると、受動モードに対するバイアンプ・モードなど、スピーカー・システム800の異なる動作モードが選択される。
図9は、いくつかの実施形態の下で、バイアンプ能動モードにおける2ウェイ・スピーカーについての電気概略図を示している。
図9に示されるように、描画900はスピーカー入力端子808を通じてドライバ804と806に結合された二つの増幅器802と803を示している。オーディオ信号は、描画800と反対の配向で挿入されたルーティング・カード810を通じてルーティングされる。
図9の実施形態については、ルーティング・カード810は、端子808に接続された各増幅器802および803が、クロスオーバー812を使用せずに別々に異なるそれぞれのドライバ804および806を駆動することを許容するようにルーティングされる。この構成については、適切なオーディオ信号周波数帯域が各増幅器によって適切なドライバに別々に送信され、よって、内部スピーカー・クロスオーバー機能は必要ない。
図9の例については、ルーティング・カード810はコネクタJP1の上方にコネクタJP2がある配向で示されている。
【0062】
図6と
図7に関して前述したように、
図8と
図9についても同様に、スピーカー入力端子808と、ルーティング・カードのレセプタクルと、ドライバとの間の物理的な配線は、
図8と
図9のどちらの構成でも同じであることがわかる。回転可能なルーティング・カード810の配向が、端子808に接続された増幅器(単数または複数)とドライバ804および806との間の配線の実際の接続を決定する。
【0063】
ある実施形態では、どのような使用事例(たとえば、
図1Aまたは
図1B)におけるルーティング・カードも、カードの異なる(たとえば向かい合う)側に沿って配列された二組の端子間に特定の配線接続をもつPCBである。したがって、
図4に示されるように、コネクタ203をもつルーティング・カード202は、スピーカーのレセプタクル402内の内部インターフェース・カード404の対応するかみあう端子406に挿入される。このように、ルーティング・カードは単に対称的な銅配線配置であり、異なる動作モードは、インターフェース・カード404の構成と、接続されたときのルーティング・カード202の配向によって決定される。
【0064】
図10Aは、諸実施形態の下で、
図6および
図7のジャンプ型および非ジャンプ型デュアル・ウーファー・モードについてのルーティング・カードの詳細な配線図を示している。
図10Aに示されるように、ルーティング・カード1000は、PCBの両側に列をなして配列された一連のコネクタを有する。この例では、内部インターフェース・カード接続に対応するように、コネクタは+1、-1、+2、-2などとラベル付けされている。これらのコネクタについてのラベル付けされた端子割り当ては、カードの特定の軸(たとえば垂直軸)に沿って対称になっている。2列のコネクタ間に異なる静的トレースが提供され、カードを対称軸のまわりに回転させて再挿入すると、2つの端子間の反対の接続セットが選択され、よって、ルーティング・カードがインターフェース・カードに接続されているとき、2つの異なる動作モードが発生する。
【0065】
表2は、いくつかの実施形態の下での、ルーティング・カード1000の各コネクタの例示的な機能を示している。
【表2】
【0066】
ルーティング・カードが非ジャンプ・モード1002になるような回転角度で内部コネクタ・カードとかみあわされる場合、信号は交差接続(cross connect)されず、1+は1+に、2+は2+に、1-は1-に、2-は2-に接続される。ウーファー1は常に1+と1-に、ウーファー2は常に2+と2-に接続されるため、各ウーファーは、2つの別個のオーディオ増幅器を用いて独立して駆動されることができる。ルーティング・カードがジャンプ・モード(jumped mode)(入力ピンが一緒に「ジャンプ」されるため、このように呼ばれる)1004になるような回転角度でかみあわされる場合、1+は2+にジャンプされ、1-は2-にジャンプされる。ウーファー1は常に1+と1-に接続され、ウーファー2は常に2+と2-に接続されるため、この場合には両方のウーファーが一緒にジャンプされ、単一のオーディオ増幅器が、スピーカー・システムを駆動するために使用できる。よって、ルーティングPCBカードの単純な回転により、ユーザーは内部スピーカー配線の電気構成を外部から設定することができる。
【0067】
図10Bは、諸実施形態の下で、
図8および
図9の受動およびバイアンプの2ウェイ・スピーカー・モードのためのルーティング・カードの詳細な配線図を示している。
図10Bに示されるように、ルーティング・カード1010は、PCBの両側に列をなして配列された一連のコネクタを有している。この例では、コネクタは内部インターフェース・カード接続に対応するように、図のようにXI、-2、MFなどとラベル付けされている。以前と同様に、これらのコネクタのラベル付けされた端子割り当ては、カードの特定の軸(たとえば垂直軸)に沿って対称になっている。2列のコネクタ間に異なる静的トレースが提供され、カードを対称軸のまわりに回転させて再挿入すると、2つの端子間の反対の接続セットが選択されるため、ルーティング・カードがインターフェース・カードに接続されているときに、2つの異なる動作モードが発生する。
【0068】
表3は、いくつかの実施形態の下での、ルーティング・カード1010の各コネクタの例示的な機能を示している。
【表3】
【0069】
ルーティング・カードが受動クロスオーバー・モード1014になるような回転角度でかみあわされると、次の信号が接続される:
XMがMFに:クロスオーバー・ミッドレンジ出力がミッドレンジ・ドライバ正端子に接続される。
XHがHFに:高周波数出力が高周波数ドライバ正端子に接続される。
1+がXIに:入力ピン1正がクロスオーバー入力正端子に接続される。
1-が2-に:入力ピン1負が入力ピン2負に接続される。
ルーティング・カードがバイアンプ・モード1012になるような回転角度でかみあわされると、次の信号が接続される。
XMがXIに:クロスオーバー・ミッドレンジ出力がクロスオーバー入力正(ここでは機能なし)に接続される。
1+がMFに:入力ピン1正がミッドレンジ・ドライバ正端子に接続される。
2+がHFに:入力ピン2正が高周波数ドライバ正端子に接続される。
【0070】
図10Aおよび
図10Bは例示の目的で提供されており、スピーカーの使用事例、可能な動作モード、増幅器/ドライバ構成、オーディオ再生要件などのシステム構成および要件に依存して、ルーティング・カードの他の任意の構成が使用されうる。
【0071】
構成可能なスピーカー・システムの実施形態は、本質的に2つのPCB回路を使用する。内部コネクタとしてのスピーカー内の1つの恒久的に取り付けられたPCB 404は、(a)スピーカーへのメイン入力コネクタ、(b)クロスオーバー入出力信号、(c)スピーカー駆動信号、(d)ルーティング・カードのためのレセプタクルを相互接続し;1つの外部の/回転可能なPCB 202は、主要スピーカー・エンクロージャーの外にあるが、さまざまな角度(0または180)で恒久的な内部PCBに接続されると、少なくとも2つの異なる信号ルーティング・オプション(モード)を提供する。ルーティング・カードPCBの配向の結果、スピーカー内の信号ルーティングが変更され、ルーティングPCBトレースの回転以外は、他の配線およびPCBトレースと回路はすべて固定されている。
【0072】
内部コネクタPCBをもつ回転可能なルーティング・カードを使用すると、カードの単純な反転で、スピーカー・システムの構成を2つの動作モードの間で便利かつ効果的に切り換えることができる。そのため、それは、ルーティング・カード・コネクタと内部コネクタ・カード端子の間の構成可能なインターフェースを通じて実際のスイッチおよびリレーを置き換える。
図11は、いくつかの実施形態の下での、2ウェイ・スピーカーの動作モードを受動モードとバイアンプ・モードの間で変更するための、ルーティング・カードの等価なスイッチング機能を示す回路図である。描画1100に示されるように、カードは、接続端子J1とスピーカー、ウーファー/ミッドレンジ1104およびツイーター1106のセットとの間に、S1、S2、S3、およびS4と示される4つのスイッチを設定するように動作する。描画1100は、ルーティング・カードを回転させることによって、いかにしてスイッチS1~S4が2つの状態のいずれかにされるかを示している。また、いかにしてルーティング・カードの使用が、実際の物理的なスイッチやパッチケーブルなどの他の接続方法をなくすことによって、スピーカーの内部回路を簡素化するかも示している。
【0073】
図12は、いくつかの実施形態の下での、デュアル・ウーファー・スピーカーの動作モードをジャンプ・モードと非ジャンプ・モードの間で変更するための、ルーティング・カードの等価なスイッチング機能を示す回路図である。描画1200に示されるように、カードは、接続端子J2と、並列なまたは独立して駆動されるウーファー1204および1206との間で、S1およびS2と示される2つのスイッチのセットとして機能する。描画1200は、いかにしてルーティング・カードの回転を介してスイッチS1およびS2が2つのモードのいずれかに投入されるかを示している。ここでもまた、これは、複雑なスイッチング回路が単純なPCBベースのルーティング・カードで置き換えることを示している。
【0074】
実施形態は、単一増幅器対マルチ増幅器、およびクロスオーバー入りまたは外しモード(crossover in or out mode)などのある種の動作モードに関して実施形態が説明されているが、実施形態はそれに限定されず、システム要件およびトランスデューサ/オーディオ処理回路構成に依存して、異なる動作モードをもつ他の任意の選択可能な使用事例が使用されうる。さらに、ルーティングPCBカード、および内部のかみあうPCBの別個のアセンブリに関して実施形態が説明されているが、実施形態は、統合されたスイッチング可能な回路を含んでいてもよく、あるいは入力コネクタ、ルーティングPCBカード、および内部のかみあうPCBを単一のサブアセンブリに組み込むこともできる。
【0075】
実施形態は、2つの異なる回転角度(たとえば、
図3に示されるように0度と180度)でスピーカー内にルーティング・カードをかみあわせることに関して論じられているが、他の配向角度も可能である。たとえば、スピーカーカードが2方向対称ではなく4方向対称になるように設計された4方向構成方式が提供されてもよい。この実施形態では、ルーティング・カードは水平(x)軸と垂直(y)軸に関して対称であってもよく、0度、90度、180度、270度の回転角度で4方向のいずれかで挿入されるできる。ある設定は、バイアンプのみ、バイアンプとクロスオーバー、クロスオーバーのみ、バイアンプもクロスオーバーもなしなど、4つの動作モードから1つを選択することができる。
【0076】
さらに、2つのウーファーをもつスピーカーや、ロー/ミッド・ドライバとツイーターをもつ2ウェイ・スピーカーに関して実施形態が説明されているが、実施形態はそれに限定されない。スピーカーには、内部のまたは付随するオーディオ処理回路をもつ単一のドライバを有していてもよく、ルーティング・カードは、スピーカーに関して、オーディオ処理機能の入れ外しを切り換えるために使用されてもよく、たとえば、スピーカーについて直接駆動またはフィルタ付き駆動を選択することができる。ここで、一方のモードは駆動信号を、単一の内部フィルタを通るようにルーティングする。同様に、スピーカーは、ルーティング・カード配向に基づいて異なる仕方で接続されうる一つまたは複数のドライバ・アレイにグループ化されうる複数のドライバを含みうる。よって、ドライバと内部処理回路の任意の実際的な組み合わせが、ここで説明するルーティング・カード・システムおよび方法を使用した選択のために使用されうる。
【0077】
文脈が明確に別の意味を要求するのでない限り、明細書および特許請求の範囲を通じて、「有する」、「含む」等の語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包含的な意味で解釈されるものとする。単数または複数を使用する語は、それぞれ複数または単数も含む。単語「または」が2つ以上の項目のリストに関して使用される場合、その単語は、その単語の以下の解釈のすべてをカバーする:リスト内の項目のいずれか、リスト内のすべての項目、およびリスト内の項目の任意の組み合わせ。
【0078】
一つまたは複数の実装が例として、個別的な実施形態を用いて説明されているが、一つまたは複数の実装はそれに限定されないことを理解すべきである。この説明は、当業者に明らかなように、さまざまな修正および類似の構成をカバーすることが意図されている。よって、添付された請求項の範囲は、そのような修正および類似の構成のすべてを包含するように、最も広い解釈を与えられるべきである。
【0079】
本発明のさまざまな側面は、以下の箇条書き例示的実施形態(enumerated example embodiment、EEE)から評価されうる。
〔EEE1〕
少なくとも部分的に囲まれた体積を形成するエンクロージャー内に取り付けられた一つまたは複数のドライバと;
一つまたは複数の増幅器を通じてオーディオ源に結合されるように構成されたオーディオ入力インターフェースと;
ルーティング・カードを受け入れるように構成されたコネクタ・インターフェースとを有する、
ユーザー構成可能なスピーカーであって、
前記ルーティング・カードは、ドライバ選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続に関して第1の動作モードで前記オーディオ入力インターフェースを前記オーディオ源に接続するための第1の配向と、ドライバ選択および前記一つまたは複数の増幅器への接続に関して第2の動作モードで前記オーディオ入力インターフェースを前記オーディオ源に接続するための第2の配向とで挿入可能である、
スピーカー。
〔EEE2〕
前記ルーティング・カードは、前記コネクタ・インターフェース上の対応するコネクタ・セットへの接続のためのコネクタのセットを含むコネクタ側を有するプリント基板(PCB)を含む、EEE1に記載のスピーカー。
〔EEE3〕
前記ルーティング・カードは伝導性トレースのセットを有し、さらに、前記トレースの第1の方向は、コネクタの前記セットを、第1の動作モードのための第1のルーティング方式で一緒に結合し、前記トレースの第2の方向は、コネクタの前記セットを、第2の動作モードのための第2のルーティング方式で一緒に結合する、EEE2に記載のスピーカー。
〔EEE4〕
コネクタの前記セットは、前記コネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、前記PCBの対称の中心軸の反対側に配置された2列のコネクタを含み、前記第1の方向は、前記中心軸に対して第1の回転配向で前記ルーティング・カードを前記コネクタ・インターフェースに接続することによって選択され、前記第2の方向は、前記中心軸に対して第2の回転配向で前記ルーティング・カードを前記コネクタ・インターフェースに接続することによって選択される、EEE3に記載のスピーカー。
〔EEE5〕
当該スピーカーは、前記エンクロージャーの表面に形成されたレセプタクルを有しており、該レセプタクルは、前記ルーティング・カードの前記コネクタ側を前記コネクタ・インターフェース上の前記対応するコネクタ・セットに結合するために前記コネクタ・インターフェースへのアクセスを提供する、EEE4に記載のスピーカー。
〔EEE6〕
前記レセプタクルは、前記コネクタ・インターフェース上の前記対応するコネクタ・セットへの挿入および前記対応するコネクタ・セットからの取り外しのために、ユーザーが手を入れて前記ルーティング・カードをつかむことを許容するのに好適なサイズであるように構成される、EEE5に記載のスピーカー。
〔EEE7〕
前記コネクタ・インターフェースは、前記オーディオ・インターフェース、前記一つまたは複数のドライバ、および当該スピーカーの一つまたは複数のオーディオ処理回路の間の接続の2つのセットを含み、前記ルーティング・カードを前記第1の配向で挿入すると、前記オーディオ・インターフェース、前記ドライバ、および前記オーディオ処理回路の間のオーディオ信号のための接続の第1のセットが選択され、前記第2の配向で挿入すると、前記オーディオ・インターフェース、前記ドライバ、および前記オーディオ処理回路の間の前記オーディオ信号のための接続の第2のセットが選択される、EEE1ないし6のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
〔EEE8〕
前記一つまたは複数のドライバは2つのウーファーを含み、前記オーディオ入力インターフェースは少なくとも2つの増幅器に結合され、前記第1のモードは前記2つのウーファーのそれぞれが単一の増幅器によって駆動されることを含み、前記第2のモードは前記2つのウーファーのそれぞれがそれぞれの増幅器によって独立して駆動されることを含む、EEE1ないし7のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
〔EEE9〕
前記一つまたは複数のドライバはウーファーとツイーターを含み、前記オーディオ入力インターフェースは少なくとも2つの増幅器に結合され、前記第1のモードは前記ウーファーとツイーターがいずれも単一の増幅器によって駆動され、クロスオーバー回路が適切なオーディオ周波数信号を前記ウーファーと前記ツイーターに差し向けることを含み、前記第2のモードは前記ウーファーとツイーターのそれぞれが前記クロスオーバー回路なしでそれぞれの増幅器によって独立して駆動されることを含む、EEE1ないし8のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
〔EEE10〕
スピーカーにおいてオーディオ信号をルーティングするためのスピーカー構成器であって、前記スピーカーは一つまたは複数のドライバを含み、当該スピーカー構成器は:
トレースのセットを有するプリント基板(PCB)であって、トレースの前記セットは、前記PCBの第1の配向が、前記スピーカー内のオーディオ信号を、前記ドライバと前記スピーカーの外部の一つまたは複数の増幅器との間の第1のルーティングにルーティングすることによってスピーカーを第1のモードで動作させるように構成され、前記PCBの第2の配向が、前記オーディオ信号を、前記ドライバと前記一つまたは複数の増幅器との間の第2のルーティングにルーティングすることによって前記スピーカーを第2のモードで動作させるように構成されるようにレイアウトされている、PCBと;
前記ドライバを前記第1のモードで前記一つまたは複数の増幅器に接続するよう前記第1の配向で前記PCBに接続し、前記ドライバを前記第2のモードで前記一つまたは複数の増幅器に接続するよう前記第2の配向で前記PCBに接続するように構成されたコネクタ・インターフェースとを有する、
スピーカー構成器。
〔EEE11〕
前記PCBは、コネクタ側を有し、前記コネクタ側は、前記コネクタ・インターフェース上の対応するコネクタ・セットへの接続のためのコネクタのセットを含む、EEE10に記載のスピーカー構成器。
〔EEE12〕
前記PCBは伝導性トレースのセットを有し、さらに、前記トレースの第1の方向は、コネクタの前記セットを、第1の動作モードのための第1のルーティング方式で一緒に結合し、前記トレースの第2の方向は、コネクタの前記セットを、第2の動作モードのための第2のルーティング方式で一緒に結合する、EEE11に記載のスピーカー構成器。
〔EEE13〕
コネクタの前記セットは、前記コネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、前記PCBの対称の中心軸の反対側に配置された2列のコネクタを含み、前記第1の方向は、前記中心軸に対して第1の回転配向で前記ルーティング・カードを前記コネクタ・インターフェースに接続することによって選択され、前記第2の方向は、前記中心軸に対して第2の回転配向で前記ルーティング・カードを前記コネクタ・インターフェースに接続することによって選択される、EEE12に記載のスピーカー構成器。
〔EEE14〕
前記一つまたは複数のドライバは2つのウーファーを含み、前記第1のモードは前記2つのウーファーのそれぞれが単一の増幅器によって駆動されることを含み、前記第2のモードは前記2つのウーファーのそれぞれが自分自身のそれぞれの増幅器によって駆動されることを含む、EEE10ないし13のうちいずれか一項に記載のスピーカー構成器。
〔EEE15〕
前記一つまたは複数のドライバはウーファーとツイーターを含み、前記スピーカーはさらに内部受動クロスオーバー回路を含み、前記第1のモードは前記ウーファーとツイーターがいずれも単一の増幅器によって駆動され、前記受動クロスオーバーが高周波数オーディオ信号を前記ツイーターに、低周波数オーディオ信号を前記ウーファーに渡す受動モードを含み、前記第2のモードは前記ウーファーとツイーターがそれぞれ自分自身のそれぞれの増幅器によって駆動され、前記受動クロスオーバー回路は使用されないバイアンプ・モードを含む、EEE10ないし14のうちいずれか一項に記載のスピーカー構成器。
〔EEE16〕
一つまたは複数のドライバを有する構成可能なスピーカーの動作モードを変更する方法であって、当該方法が:
トレースのセットを有するプリント基板(PCB)であって、トレースの前記セットは、前記PCBの第1の配向が、前記スピーカー内のオーディオ信号を、前記ドライバと前記スピーカーの外部の一つまたは複数の増幅器との間の第1のルーティングにルーティングすることによってスピーカーを第1のモードで動作させるように構成され、前記PCBの第2の配向が、前記オーディオ信号を、前記ドライバと前記一つまたは複数の増幅器との間の第2のルーティングにルーティングすることによって前記スピーカーを第2のモードで動作させるように構成されるようにレイアウトされている、PCBを提供し;
前記ドライバを前記第1のモードで前記一つまたは複数の増幅器に接続するよう前記第1の配向で前記PCBに接続し、前記ドライバを前記第2のモードで前記一つまたは複数の増幅器に接続するよう前記第2の配向で前記PCBに接続するように構成されたコネクタ・インターフェースを提供することを含む、
方法。
〔EEE17〕
前記PCBは伝導性トレースのセットを有し、さらに、前記トレースの第1の方向は、コネクタの前記セットを、第1の動作モードのための第1のルーティング方式で一緒に結合し、前記トレースの第2の方向は、コネクタの前記セットを、第2の動作モードのための第2のルーティング方式で一緒に結合する、EEE16に記載の方法。
〔EEE18〕
コネクタの前記セットは、前記コネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、前記PCBの対称の中心軸の反対側に配置された2列のコネクタを含み、前記第1の方向は、前記中心軸に対して第1の回転配向で前記ルーティング・カードを前記コネクタ・インターフェースに接続することによって選択され、前記第2の方向は、前記中心軸に対して第2の回転配向で前記ルーティング・カードを前記コネクタ・インターフェースに接続することによって選択される、EEE17に記載の方法。
〔EEE19〕
前記一つまたは複数のドライバは2つのウーファーを含み、前記第1のモードは前記2つのウーファーのそれぞれが単一の増幅器によって駆動されることを含み、前記第2のモードは前記2つのウーファーのそれぞれが自分自身のそれぞれの増幅器によって駆動されることを含む、EEE16ないし18のうちいずれか一項に記載の方法。
〔EEE20〕
前記一つまたは複数のドライバはウーファーとツイーターを含み、前記スピーカーはさらに内部受動クロスオーバー回路を含み、前記第1のモードは前記ウーファーとツイーターがいずれも単一の増幅器によって駆動され、前記受動クロスオーバーが高周波数オーディオ信号を前記ツイーターに、低周波数オーディオ信号を前記ウーファーに渡す受動モードを含み、前記第2のモードは前記ウーファーとツイーターがそれぞれ自分自身のそれぞれの増幅器によって駆動され、前記受動クロスオーバー回路は使用されないバイアンプ・モードを含む、EEE16ないし19のうちいずれか一項に記載のスピーカー構成器。
〔EEE21〕
前記ルーティング・カードは、前記コネクタ・インターフェース上の対応するコネクタ・セットへの接続のためのコネクタのセットを含むコネクタ側を有するプリント基板(PCB)を含む、EEE1または5ないし10のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
〔EEE22〕
前記ルーティング・カードは、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットを一緒に結合する伝導性トレースのセットを有し、該結合は、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で挿入されると、前記トレースは前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第1のルーティング方式で一緒に結合し、それにより前記スピーカーに前記第1の動作モードで動作させ、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で挿入されると、前記トレースは前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第2のルーティング方式で一緒に結合し、それにより前記スピーカーに前記第2の動作モードで動作させるようなものである、
EEE21に記載のスピーカー。
〔EEE23〕
前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記対応するセットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合されるようなものである、EEE22に記載のスピーカー。
〔EEE24〕
前記PCBのコネクタの前記第1の列および第2の列が、前記コネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、前記PCBの対称の中心軸の反対側に配置されている、EEE23に記載のスピーカー。
〔EEE25〕
前記PCBがコネクタ側をもち、前記コネクタ側は、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの対応するセットへの接続のためのコネクタのセットを含み、さらに、前記PCBの伝導性トレースの前記セットが、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットを一緒に結合し、前記PCBが前記第1の配向で前記コネクタ・インターフェースに接続されている場合、前記トレースは、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第1のルーティング方式で一緒に結合して、前記スピーカーを前記第1の動作モードで動作させ、前記PCBが前記第2の配向で前記コネクタ・インターフェースに接続されている場合、前記トレースは、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第2のルーティング方式で一緒に結合して、前記スピーカーを前記第2の動作モードで動作させる、EEE10または14ないし15のうちいずれか一項に記載のスピーカー。
〔EEE26〕
前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記対応するセットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合される、EEE25に記載のスピーカー構成器。
〔EEE27〕
前記PCBがコネクタ側をもち、前記コネクタ側は、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの対応するセットへの接続のためのコネクタのセットを含み、さらに、前記PCBの伝導性トレースの前記セットが、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットを一緒に結合し、前記PCBが前記第1の配向で前記コネクタ・インターフェースに接続されている場合、前記トレースは、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第1のルーティング方式で一緒に結合して、前記スピーカーを前記第1の動作モードで動作させ、前記PCBが前記第2の配向で前記コネクタ・インターフェースに接続されている場合、前記トレースは、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第2のルーティング方式で一緒に結合して、前記スピーカーを前記第2の動作モードで動作させる、EEE16または19ないし20のうちいずれか一項に記載の方法。
〔EEE28〕
前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記対応するセットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合される、EEE27に記載の方法。
〔EEE29〕
少なくとも部分的に囲まれた体積を形成するエンクロージャー内に取り付けられた一つまたは複数のドライバと;
一つまたは複数の増幅器を通じて(たとえばオーディオ信号を受信するよう)オーディオ源に結合されるように構成されたオーディオ入力インターフェースと;
ルーティング・カードを受け入れるように構成されたコネクタ・インターフェースとを有する、
ユーザー構成可能なスピーカーであって、
前記ルーティング・カードは、前記コネクタ・インターフェースおよび前記ルーティング・カードを通じて、前記オーディオ入力インターフェースと前記一つまたは複数のドライバとの間でのオーディオ信号(たとえば、オーディオ入力インターフェースによって受領されるもの)の第1のルーティングを提供することによって、当該スピーカーに、第1の動作モードで動作させる第1の配向と、
前記コネクタ・インターフェースおよび前記ルーティング・カードを通じて、前記オーディオ入力インターフェースと前記一つまたは複数のドライバとの間でのオーディオ信号(たとえば、オーディオ入力インターフェースによって受領されるもの)の第2のルーティングを提供することによって、当該スピーカーに、第2の動作モードで動作させる第2の配向とで挿入可能である、
スピーカー。
〔EEE30〕
前記コネクタ・インターフェースが前記一つまたは複数のドライバと前記オーディオ入力インターフェースの間に結合される、EEE29に記載のスピーカー。
〔EEE31〕
前記ルーティング・カードは、前記コネクタ・インターフェース上の対応するコネクタ・セットへの接続のためのコネクタのセットを含むコネクタ側を有するプリント基板(PCB)を含む、EEE30または31に記載のスピーカー。
〔EEE32〕
前記ルーティング・カードは、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットを一緒に結合する伝導性トレースのセットを有し、該結合は、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で挿入されると、前記トレースが前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第1のルーティング方式で一緒に結合し、それにより前記スピーカーに前記第1の動作モードで動作させ、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で挿入されると、前記トレースが前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記セットを第2のルーティング方式で一緒に結合し、それにより前記スピーカーに前記第2の動作モードで動作させるようなものである、EEE31に記載のスピーカー。
〔EEE33〕
前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記セットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記対応するセットがコネクタの第1の列および第2の列を含み、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第1の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBが前記コネクタ・インターフェースに前記第2の配向で挿入されると、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第1の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第2の列に結合され、前記PCBの前記コネクタ側のコネクタの前記第2の列が前記コネクタ・インターフェース上のコネクタの前記第1の列に結合される、EEE32に記載のスピーカー。
〔EEE34〕
前記PCBのコネクタの前記第1の列および第2の列が、前記コネクタ側の向かい合うエッジに近接して配置され、前記PCBの対称の中心軸の反対側に配置されている、EEE33に記載のスピーカー。
〔EEE35〕
前記第1の配向または前記第2の配向で取り外し可能な仕方で前記コネクション・インターフェースに挿入されている前記ルーティング・カードをさらに有する、EEE1ないし9、21ないし24または29ないし34のうちいずれか一項に記載のスピーカー。