(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】サウンドボックス位置調整方法、オーディオレンダリング方法、および装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/32 20060101AFI20241119BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20241119BHJP
G10K 11/35 20060101ALI20241119BHJP
H04R 5/027 20060101ALI20241119BHJP
H04S 7/00 20060101ALI20241119BHJP
G10K 15/00 20060101ALI20241119BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
H04R1/32 310A
H04R3/00 310
G10K11/35 100
H04R5/027 A
H04S7/00 300
G10K15/00 L
H04R1/00 318A
(21)【出願番号】P 2023515026
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 CN2021116239
(87)【国際公開番号】W WO2022048599
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】202010923763.9
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】李 向宇
(72)【発明者】
【氏名】杜 旭浩
(72)【発明者】
【氏名】蔡 佳▲紋▼
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106817657(CN,A)
【文献】特開2016-122876(JP,A)
【文献】特開2009-033416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/32
H04R 3/00
G10K 11/35
H04R 5/027
H04S 7/00
G10K 15/00
H04R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器によって、第1の再生命令をサウンドボックスに送信するステップであって、前記第1の再生命令が、前記サウンドボックスに
、前記サウンドボックスの垂直回転軸の周りを第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、前記位置決めオーディオが再生されているとき、前記位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、ステップと、
前記電子機器によって、前記位置決めオーディオを受信するステップと、
前記電子機器によって、前記位置決めオーディオに基づいて指示情報を決定するステップであって、前記指示情報が、前記サウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、前記目標位置が、前記電子機器によって前記位置決めオーディオを受信する過程において、前記受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応する前記サウンドボックスの位置であり、前記目標位置が、前記サウンドボックスが前記第1の位置から前記第2の位置まで回転する過程における位置である、ステップと、
前記電子機器によって、前記指示情報を前記サウンドボックスに送信するステップと
を含む、サウンドボックス位置調整方法。
【請求項2】
前記第1の位置と前記第2の位置との間の角度差が、ユーザの両耳間距離に関連され、または、前記第1の位置と前記第2の位置との間の角度差が、予め設定された微調整範囲に関連される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指示情報が、前記サウンドボックスに前記第2の位置から前記目標位置まで回転するようにさらに指示する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記回転が、
前記垂
直回転軸の周りを一定の速度で回転することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
電子機器によって、第1の再生命令をサウンドボックスに送信する前記ステップの前に、前記方法が、
前記電子機器によって、前記サウンドボックスの中心の初期位置およびユーザの位置を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記初期位置および前記ユーザの前記位置に基づいて前記ユーザに対する前記サウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算するステップであって、前記サウンドボックスが前記理論的なスイートスポットに位置されるとき、前記ユーザの前記位置と前記サウンドボックスの前記中心との間の接続線が前記サウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、前記ラウドスピーカ表面が前記ユーザに面する、ステップと、
前記電子機器によって、微調整角度を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記理論的なスイートスポットおよび前記微調整角度に基づいて前記第1の位置および前記第2の位置を取得するステップと
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電子機器によって、前記サウンドボックスの中心の初期位置および前記ユーザの位置を取得する前記ステップが、
前記電子機器によって、部屋構成インターフェースを表示するステップであって、前記部屋構成インターフェースが、前記ユーザおよび前記サウンドボックスが位置される空間をシミュレートするために使用される、ステップと、
前記電子機器によって、前記部屋構成インターフェース上で前記ユーザによって入力された第1の仮想位置を受信するステップであって、前記第1の仮想位置が前記初期位置をシミュレートするために使用される、ステップと、
前記電子機器によって、前記第1の仮想位置に基づいて前記初期位置を計算するステップと、
前記電子機器によって、前記部屋構成インターフェース上で前記ユーザによって入力された第2の仮想位置を受信するステップであって、前記第2の仮想位置が前記ユーザの前記位置をシミュレートするために使用される、ステップと、
前記電子機器によって、前記第2の仮想位置に基づいて前記ユーザの前記位置を計算するステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電子機器によって、微調整角度を取得する前記ステップが、
前記電子機器によって、前記初期位置、前記ユーザの前記位置、および前記ユーザの両耳間距離に基づいて前記微調整角度を計算するステップ
を含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記電子機器によって、微調整角度を取得する前記ステップが、
前記電子機器によって、精密スイートスポット位置決めインターフェースを表示するステップであって、前記精密スイートスポット位置決めインターフェースが前記微調整角度を設定するためのポップアップウィンドウを含む、ステップと、
前記電子機器によって、前記ポップアップウィンドウ上で前記ユーザによって入力された予め設定された経験値を受信するステップと、
前記電子機器によって、前記微調整角度の値を前記予め設定された経験値に設定するステップと
を含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項9】
前記電子機器によって、前記位置決めオーディオに基づいて指示情報を決定する前記ステップが、
最大音量を取得するために、前記電子機器によって、前記位置決めオーディオを検出するステップ、
前記電子機器によって、前記最大音量に対応する時点と前記位置決めオーディオの受信開始時点との間の差を目標時間として決定するステップ、
前記電子機器によって、前記目標時間を前記指示情報として決定するステップ、
前記電子機器によって、前記目標時間および前記予め設定された方向の逆方向を前記指示情報として決定するステップ、
前記電子機器によって、前記目標時間、前記予め設定された方向の逆方向、および前記微調整角度を前記指示情報として決定するステップ、または
前記電子機器によって、前記予め設定された方向の逆方向および目標回転角度を前記指示情報として決定するステップであって、前記目標回転角度が、前記サウンドボックスに前記第2の位置から前記目標位置まで回転するように指示する、ステップ
を含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記電子機器によって、前記指示情報を前記サウンドボックスに送信する前記ステップの後に、前記方法が、
前記電子機器によって、第2の再生命令を前記サウンドボックスに送信するステップであって、前記第2の再生命令が、前記サウンドボックスにテストオーディオを再生するように命令するために使用される、ステップと、
前記電子機器によって、収集されたオーディオを受信するステップであって、前記収集されたオーディオが前記テストオーディオを再生する過程でユーザによって装着されたヘッドセットのマイクロフォンによって受信されたオーディオである、ステップと、
前記電子機器によって、前記収集されたオーディオおよび前記テストオーディオに基づいて両耳室内インパルス応答BRIRを計算するステップと、
前記電子機器によって、前記BRIRに基づいて前記サウンドボックスのフィルタ係数を取得するステップと
をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記電子機器によって、前記BRIRに基づいて前記サウンドボックスのフィルタ係数を取得する前記ステップの前に、前記方法が、
前記電子機器によって、仮想空間命令を受信するステップであって、前記仮想空間命令がリスニング空間を含む、ステップと、
前記電子機器によって、前記リスニング空間の伝達関数を取得するステップと
をさらに含み、
前記電子機器によって、前記BRIRに基づいて前記サウンドボックスのフィルタ係数を取得する前記ステップが、
前記電子機器によって、前記BRIRおよび前記リスニング空間の前記伝達関数に基づいて前記サウンドボックスの前記フィルタ係数を計算するステップ
を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
サウンドボックスによって、電子機器から第1の再生命令を受信するステップと、
前記サウンドボックスが、前記第1の再生命令に基づいて
、前記サウンドボックスの垂直回転軸の周りを第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するステップであって、前記位置決めオーディオが再生されているとき、前記位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、ステップと、
前記サウンドボックスによって、前記電子機器から指示情報を受信するステップであって、前記指示情報が、目標位置を決定するために使用され、前記目標位置が、前記電子機器によって前記位置決めオーディオを受信する過程において、前記受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応する前記サウンドボックスの位置であり、前記目標位置が、前記サウンドボックスが前記第1の位置から前記第2の位置まで回転する過程における位置である、ステップと、
前記サウンドボックスが、前記指示情報に基づいて前記第2の位置から前記目標位置まで回転するステップと
を含む、サウンドボックス位置調整方法。
【請求項13】
サウンドボックスによって、電子機器から第1の再生命令を受信する前記ステップの前に、前記方法が、
前記サウンドボックスによって、前記電子機器から理論的なスイートスポットおよび微調整角度を受信するステップであって、前記サウンドボックスが前記理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置と前記サウンドボックスの中心との間の接続線が前記サウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、前記ラウドスピーカ表面が前記ユーザに面する、ステップと、
前記サウンドボックスによって、前記理論的なスイートスポットおよび前記微調整角度に基づいて前記第1の位置を決定するステップと、
前記サウンドボックスが前記第1の位置まで回転するステップと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
電子機器によって、第1の再生命令をサウンドボックスに送信するステップであって、前記第1の再生命令が、前記サウンドボックスに
、前記サウンドボックスの垂直回転軸の周りを第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、前記位置決めオーディオが再生されているとき、前記位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、ステップと、
前記電子機器によって、複数の収集されたオーディオを受信するステップであって、前記複数の収集されたオーディオが、前記位置決めオーディオを再生する過程において複数のユーザの端末のマイクロフォンによってそれぞれ受信されたオーディオである、ステップと、
前記電子機器によって、前記複数の収集されたオーディオに基づいて指示情報を決定するステップであって、前記指示情報が、前記サウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、前記目標位置が、前記複数のユーザの端末によって前記位置決めオーディオを受信する過程において、前記受信されたオーディオの音量の和が最大である場合に対応する前記サウンドボックスの位置であり、前記目標位置が、前記第1の位置から前記第2の位置まで回転する過程における位置である、ステップと、
前記電子機器によって、前記指示情報を前記サウンドボックスに送信するステップと
を含む、サウンドボックス位置調整方法。
【請求項15】
電子機器によって、第1の再生命令をサウンドボックスに送信する前記ステップの前に、前記方法が、
前記電子機器によって、前記サウンドボックスの中心の初期位置および前記複数のユーザの位置を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記複数のユーザの前記位置に基づいて前記複数のユーザの中心位置を決定するステップと、
前記電子機器によって、前記初期位置および前記複数のユーザの前記中心位置に基づいて前記複数のユーザの前記中心位置に対する前記サウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算するステップであって、前記サウンドボックスが前記理論的なスイートスポットに位置されるとき、前記複数のユーザの前記中心位置と前記サウンドボックスの前記中心との間の接続線が前記サウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、前記ラウドスピーカ表面が前記ユーザに面する、ステップと、
前記電子機器によって、微調整角度を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記理論的なスイートスポットおよび前記微調整角度に基づいて前記第1の位置および前記第2の位置を取得するステップと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
電子機器によって、N個のサウンドボックスの数に基づいて空間を複数の部分空間に分割するステップであって、各部分空間が前記サウンドボックスのうちの1つに対応し、Nが1よりも大きい正の整数である、ステップと、
前記電子機器によって、第1の再生命令を前記N個のサウンドボックスのそれぞれに送信するステップであって、前記第1の再生命令が、前記対応するサウンドボックスに
、前記サウンドボックスの垂直回転軸の周りを第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、前記位置決めオーディオが再生されているとき、前記位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、ステップと、
前記電子機器によって、N個の指示情報を決定するステップであって、前記N個の指示情報が、前記N個のサウンドボックスに対応し、前記指示情報が、前記対応するサウンドボックスの目標位置を決定するために使用される、ステップと、
前記電子機器によって、前記N個の指示情報を前記対応するサウンドボックスにそれぞれ送信するステップと
を含む、サウンドボックス位置調整方法。
【請求項17】
前記電子機器によって、N個の指示情報を決定する前記ステップが、
前記電子機器によって、i番目のサウンドボックスによって再生された第1の位置決めオーディオを受信するステップであって、前記i番目のサウンドボックスが前記N個のサウンドボックスのうちの1つであり、1≦i≦Nであり、1人の第1のユーザのみが第1のサウンドボックスに対応する部分空間内にいる、ステップと、
前記電子機器によって、前記第1の位置決めオーディオに基づいて第1の指示情報を決定するステップであって、前記第1の指示情報が、前記i番目のサウンドボックスの第1の目標位置を決定するために使用され、前記第1の目標位置が、前記電子機器によって前記第1の位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応する前記i番目のサウンドボックスの位置である、ステップと
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電子機器によって、前記N個のサウンドボックスのそれぞれに第1の再生命令を送信する前記ステップの前に、前記方法が、
前記電子機器によって、前記i番目のサウンドボックスの中心の第1の初期位置および前記第1のユーザの位置を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記第1の初期位置および前記第1のユーザの前記位置に基づいて前記ユーザの前記位置に対する前記i番目のサウンドボックスの第1の理論的なスイートスポットを計算するステップであって、前記i番目のサウンドボックスが前記第1の理論的なスイートスポットに位置されるとき、前記第1のユーザの前記位置と前記i番目のサウンドボックスの前記中心との間の接続線が前記i番目のサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、前記ラウドスピーカ表面が前記第1のユーザに面する、ステップと、
前記電子機器によって、第1の微調整角度を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記第1の理論的なスイートスポットおよび前記第1の微調整角度に基づいて前記第1のサウンドボックスの前記第1の位置および前記第2の位置を取得するステップと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶するように構成されたメモリと、
を備え、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサが請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実施できるようにされる、
電子機器。
【請求項20】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶するように構成されたメモリと、
を備え、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサが請求項14から18のいずれか一項に記載の方法を実施できるようにされる、電子機器。
【請求項21】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶するように構成されたメモリと、
を備え、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサが請求項12から13のいずれか一項に記載の方法を実施できるようにされる、
サウンドボックス。
【請求項22】
コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実行できるようにされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、オーディオ処理技術の分野に関し、詳細には、サウンドボックス位置調整方法、オーディオレンダリング方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋内使用シナリオでは、人々は、5.1または5.1.2ホームシアターシステムを配置して、またはサウンドバー(soundbar)などのステレオ再生システムを使用して、映画館のような音像空間の感覚を得ることができる。
【0003】
実際の音像空間の感覚をシミュレートするためには、第1段階として、ユーザのスイートスポット(sweet point)を設計する必要がある。スイートスポットとは、最適な聴取位置を指す。一般に、2つのスイートスポット設計方法がある。1つは、頭部関連伝達関数および部屋の応答に基づいてサラウンドサウンドボックスを仮想化することによってクロストークキャンセル(cross-talk cancellation)を行う方法である。もう1つは、スピーカアレイを制御して指向性のある音波を構成した後、その音波を壁などの反射体を用いて一定角度から人間の耳に伝達することによってビームフォーミング(beam forming)を行い、サラウンド感を達成する方法である。
【0004】
しかしながら、2つの方法のいずれも、屋内使用シナリオにおいて優れた音響効果を達成することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、サウンドボックス位置調整方法、オーディオレンダリング方法、および装置を提供し、より正確なクロストークキャンセルを実施し、異なる部屋の影響を排除し、音像効果を高め、元の音響効果を真に復元する。
【0006】
第1の態様によると、本出願は、電子機器が第1の再生命令をサウンドボックスに送信するステップであって、第1の再生命令が、サウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、ステップと、電子機器が位置決めオーディオを受信するステップと、電子機器が位置決めオーディオに基づいて指示情報を決定するステップであって、指示情報が、サウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、目標位置が、電子機器によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するサウンドボックスの位置であり、目標位置が、サウンドボックスが第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置である、ステップと、電子機器が、指示情報をサウンドボックスに送信するステップと、を含む、サウンドボックス位置調整方法を提供する。
【0007】
それに対応して、サウンドボックスは、電子機器から第1の再生命令を受信し、サウンドボックスは、第1の再生命令に基づいて予め設定された方向に第1の位置から第2の位置まで回転し、回転の過程で位置決めオーディオを再生し、再生されているときの位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、サウンドボックスは、電子機器から指示情報を受信し、指示情報が、目標位置を決定するために使用され、目標位置が、電子機器によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大であるときのサウンドボックスの位置であり、目標位置が、サウンドボックスが第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置であり、サウンドボックスは、指示情報に基づいて第2の位置から目標位置まで回転する。
【0008】
任意選択で、第1の位置と第2の位置との間の角度差は、ユーザの両耳間距離に関連され、または、第1の位置と第2の位置との間の角度差は、予め設定された微調整範囲に関連される。
【0009】
任意選択で、指示情報は、サウンドボックスに第2の位置から目標位置まで回転するようにさらに指示する。
【0010】
任意選択で、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。
【0011】
任意選択で、回転は、垂直方向のサウンドボックスの回転軸の周りを一定の速度で回転することを含む。垂直方向のサウンドボックスの回転軸は、サウンドボックスを固定する垂直軸であってもよく、サウンドボックスは、軸の周りを水平時計方向または反時計方向に回転するか、または軸の駆動の下で水平時計方向または反時計方向に回転してもよい。任意選択で、垂直方向のサウンドボックスの回転軸は、サウンドボックスの中心を通過する軸、またはその延長線がサウンドボックスの中心を通過する軸であってもよい。例えば、サウンドボックスの中心とは、サウンドボックスの幾何学的中心を指す。
【0012】
任意選択で、サウンドボックスの形状は、棒形状、正方形形状、またはリング形状を含む。
【0013】
本出願におけるサウンドボックス位置調整方法は、スピーカを有する機器の位置調整にも適用可能であってもよく、すなわち、本出願におけるサウンドボックスは、スピーカを有するラウドスピーカ機器として理解されてもよい。
【0014】
サウンドボックス位置調整方法が開始する前に、ユーザは、電子機器にインストールされたアプリケーション(APP)によって提供される対話型インターフェースを使用することによってスイートスポット位置決め命令を送信することができる。命令に基づいて電子機器は、サウンドボックス位置調整方法のステップの実行を開始し、最初に、第1の再生命令をサウンドバーに送信する。第1の再生命令は、サウンドバーが第1の位置から第2の位置まで一定の速度で回転し、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用される。
【0015】
位置決めオーディオは、指定された条件を満たす全帯域オーディオである。例えば、位置決めオーディオは、ホワイト雑音、ピンク雑音、またはスイープ信号を含む、音圧レベルが65dB以上であり、信号対雑音比が20dB以上である全帯域オーディオであってもよい。任意選択で、位置決めオーディオの各フレームのエネルギーは同じである。再生されるときの位置決めオーディオの音量が安定しており変化しないということは、サウンドボックスがオーディオを再生するときに再生エネルギーが変化しないままの状態に維持されるように、位置決めオーディオが再生されるときに、各オーディオフレームのエネルギーが変化せず、サウンドボックスの再生パラメータも変化しないままの状態に維持される必要があるということとして理解されてもよい。任意選択で、位置決めオーディオは、サウンドボックスに予め記憶されたオーディオであってもよく、ユーザによって定義されたオーディオであってもよく、または電子機器によってサウンドボックスに送信されたオーディオであってもよい。サウンドボックスによって位置決めオーディオを取得するための方法は、本出願では特に限定されない。
【0016】
任意選択で、理解を容易にするために、
図12lに示されるように、サウンドバーの位置は、サウンドバーと垂直面との間の第1の挟角の角度aによって表されてもよく、垂直面は、例えば、サウンドバーの近くにある、またはサウンドバーが設置される壁を指してもよい。サウンドバーが垂直面に平行な場合、第1の夾角の角度は0°である。サウンドバーは、角度0°から反時計回りに回転し、サウンドバーが垂直面に対して垂直になるように回転すると、第1の夾角の角度は90°となり、第1の夾角の角度は、回転の過程で0°から90°に変化する。サウンドバーは、角度0°から時計回りに回転し、サウンドバーが垂直面に対して垂直になるように回転すると、第1の夾角の角度は-90°となり、第1の夾角の角度は、回転の過程で0°から-90°に変化する。第1の挟角の開口が左を向いている場合、第1の挟角の角度値は正であり、第1の挟角の開口が右を向いている場合、第1の挟角の角度値は負であることが知見され得る。
【0017】
任意選択で、理解を容易にするために、
図12mに示されるように、サウンドバーの位置は、代替として、サウンドバーの中心の垂直線と垂直面の垂直線との間の第2の挟角の角度bによって表されてもよい。サウンドバーが垂直面と平行な場合、サウンドバーの中心の垂直線は、垂直面の垂直線と平行であるか、または一致する。この場合、第2の夾角の角度は0°である。サウンドバーは、角度0°から反時計回りに回転し、サウンドバーが垂直面に対して垂直になるように回転すると、サウンドバーの中心の垂直線と垂直面の垂直線とが互いに垂直になる。この場合、第2の夾角の角度は90°であり、第2の夾角の角度は、回転の過程で0°から90°に変化する。サウンドバーは、角度0°から時計回りに回転し、サウンドバーが垂直面に対して垂直になるように回転すると、サウンドバーの中心の垂直線と垂直面の垂直線とが互いに垂直になる。この場合、第2の夾角の角度は-90°であり、第2の夾角の角度は回転の過程で0°から-90°に変化する。サウンドバーの中心の垂直線が垂直面の垂直線の右側に位置される場合、第2の挟角の角度値は正であり、サウンドバーの中心の垂直線が垂直面の垂直線の左側に位置される場合、第2の挟角の角度値は負であることが知見され得る。
【0018】
したがって、第1の位置および第2の位置は両方とも、第1の角度または第2の角度の角度値によって表されてもよく、サウンドバーが第1の位置から第2の位置まで一定の速度で回転することは、サウンドバーが第1の角度から第2の角度まで一定の速度で回転することとして説明されてもよく、第1の角度および第2の角度はそれぞれ、第1の挟角の2つの角度値であり、または第1の角度および第2の角度はそれぞれ、第2の挟角の2つの角度値である。
【0019】
可能な一実施態様において、第1の再生命令をサウンドバーに送信する前に、電子機器は、サウンドバーの中心の初期位置およびユーザの位置を最初に取得し、初期位置およびユーザの位置に基づいてユーザに対するサウンドバーの理論的なスイートスポットを計算し、微調整角度を取得し、次いで、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置および第2の位置を取得することができる。
【0020】
サウンドバーが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の接続線は、サウンドバーのラウドスピーカ表面に対して垂直であり、ラウドスピーカ表面は、ユーザに面する。サウンドバーのラウドスピーカ表面は、サウンドバーのラウドスピーカが位置される面の表面である。一般に、ラウドスピーカは、サウンドボックスの面に配置される。この場合、ラウドスピーカ表面がその面である。代替として、サウンドボックスのラウドスピーカは、サウンドボックスの複数の面に配置される。この場合、ラウドスピーカ表面は、ユーザに面するサウンドボックスの面である。
【0021】
第1の位置は、サウンドバーが理論的なスイートスポットから予め設定された方向に微調整角度だけ回転した位置であり、第2の位置は、サウンドバーが理論的なスイートスポットから予め設定された方向の逆方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0022】
本出願では、APPによって提供される対話型インターフェース(例えば、以下の
図11で説明されることがある部屋構成インターフェース)が使用されることがある。ユーザは、インターフェースに第1の仮想位置を入力し、第1の仮想位置は、室内のサウンドバーの中心の位置をシミュレートするために使用され、サウンドバーの中心の初期位置は、第1の仮想位置に基づいて計算されてもよい。初期位置は、座標の形態で表されてもよい。代替として、ユーザは、対話型インターフェースに第2の仮想位置を入力してもよい。第2の仮想位置は、室内のユーザの位置をシミュレートするために使用される。ユーザの位置は、第2の仮想位置に基づいて計算されてもよく、ユーザの位置は、座標の形態で表されてもよい。
【0023】
サウンドバーの理論的なスイートスポットは、以下の式(1)~(3)に従って得られることができる:
【数1】
ここで、dはユーザの位置とサウンドバーの中心との間の直線距離を表し、(x
c、y
c)はユーザの位置を表し、(x
s0、y
s0)はサウンドバーの中心の初期位置を表し、
h=|y
c-y
s0| (2)
ここで、hはユーザの位置とサウンドバーの中心との間の垂直距離を表し、
【数2】
ここで、Aはサウンドバーの理論的なスイートスポットに対応する角度値を表す。例えば、サウンドバーが回転する前、前述の第2の挟角に対応する角度はAである。スイートスポット位置決めの目的は、サウンドバーの中心とユーザの位置との間の接続線をサウンドバーのラウドスピーカ表面に対して垂直にすることであり、ラウドスピーカ表面はユーザに面する。したがって、サウンドバーは、目的を達成するために角度Aだけ水平かつ時計回りに回転する必要があり、角度Aは、サウンドバーに対応する理論的なスイートスポットである。
【0024】
しかしながら、ユーザの位置は、ユーザによって対話型インターフェースに入力されるため、その位置とユーザの実際の位置との間に誤差が生じる場合がある。したがって、サウンドバーの位置は、正確な目標位置を決定するために、理論的なスイートスポットに基づいて微調整される必要がある。
【0025】
微調整角度θに対応する夾角の一辺は、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の接続線である。微調整角度θは、式(4)に従って計算される:
【数3】
ここで、wは両耳間距離の2倍を表し、wは予め設定された固定値であってもよく、またはユーザによって予め設定されてもよい。
【0026】
任意選択で、微調整角度θは、対話型インターフェース(例えば、精密スイートスポット位置決めインターフェース)においてユーザによって直接入力されてもよい。
【0027】
任意選択で、第1の位置に対応する第1の角度はA-θであってもよく、第2の位置に対応する第2の角度はA+θであってもよく、または第1の位置に対応する第1の角度はA+θであってもよく、第2の位置に対応する第2の角度はA-θであってもよい。
【0028】
可能な一実施態様において、サウンドバーの中心の初期位置およびユーザの位置が、サウンドバーの中心とユーザの位置との間の接続線がサウンドバーに対して垂直であるという目的を満たしている場合、スイートスポット位置決めを行う必要はない。したがって、スイートスポット位置決めの前に、原理と、サウンドバーの中心の初期位置と、ユーザの位置とに基づいてスイートスポット位置決めが必要とされるかどうかが決定されてもよい。スイートスポット位置決めが必要とされる場合、スイートスポット位置決めのプロセスが開始する。
【0029】
第1の再生命令を受信した後、サウンドバーは、第1の再生命令から第1の位置および第2の位置を取得し、例えば、A-θからA+θへ、またはA+θからA-θへ、予め設定された回転方向に回転しながら、位置決めオーディオ、例えば、予め記録された雨音を再生する。
【0030】
サウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら回転する。したがって、電子機器のマイクロフォンによって受信された位置決めオーディオ間に音量差が存在する可能性がある。すなわち、サウンドバーが回転する位置が電子機器から遠く離れている場合、電子機器によって受信される位置決めオーディオの音量は減少し、一方、サウンドバーが回転する位置が電子機器に近い場合、電子機器によって受信される位置決めオーディオの音量は増加する。微調整の目的は、電子機器によって受信された位置決めオーディオの音量が最大である場合に対応するサウンドバーの位置を見つけることである。音量はユーザの電子機器によって検出されるため、サウンドバーがその位置にあるとき、サウンドバーのスイートスポットはユーザの位置に正確に収まっていると考えられてもよい。
【0031】
可能な一実施態様において、電子機器は、音量を取得するために、位置決めオーディオの受信開始時点から、指定された周波数で受信された位置決めオーディオを検出することができる。位置決めオーディオの受信終了時点が到来すると、電子機器は、複数の取得された音量のうちの最大音量に対応する時点と受信開始時点との間の差を目標時間として決定する。電子機器は、位置決めオーディオの受信と、音量の検出とを同期させることができる。
【0032】
可能な一実施態様において、電子機器は、最大音量を取得するために位置決めオーディオを検出し、次いで、最大音量に対応する時点と位置決めオーディオの受信開始時点との間の差を目標時間として決定することができる。代替として、電子機器は、すべての位置決めオーディオを受信した後に全区間の位置決めオーディオを検出することができる。
【0033】
任意選択で、サウンドバーが位置決めオーディオを再生するとき、位置決めオーディオの音量が変化する場合、電子機器は、受信された位置決めオーディオのエネルギーを予め記憶された位置決めオーディオのエネルギーと比較し、すなわち、受信された位置決めオーディオのi番目のフレームのエネルギーを予め記憶された位置決めオーディオのi番目のフレームのエネルギーと比較し、ここで、i=0、1、.、m-1であり、mは位置決めオーディオの総フレーム数を表し、次いで、エネルギー差が最大であるフレームに対応する時点を目標時間として決定してもよい。
【0034】
サウンドバーの目標位置に対応する角度値は、以下の式に基づいて計算されることができる:
【0035】
第1の角度がA-θ、第2の角度がA+θである場合、目標位置に対応する角度値Bは式(5)に従って計算される:
B=(A-θ)+vt (5)
【0036】
位置決めオーディオの再生が終了すると、サウンドバーは第2の位置(対応する第2の角度はA+θである)まで回転する。したがって、サウンドバーは、第2の位置から目標位置(対応する角度はBである)まで逆方向に、すなわち、角度A+θから角度Bに回転する必要がある。前述の式に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度は、β=2θ-vtとして計算されることができる。
【0037】
第1の角度がA+θであり、第2の角度がA-θである場合、目標位置に対応する角度値Bは、式(6)に従って計算される:
B=(A-θ)-vt (6)
ここで、vはサウンドバーの回転速度を表し、回転速度は予め設定されてもよく、tは目標時間を表す。
【0038】
位置決めオーディオの再生が終了すると、サウンドバーは第2の位置(対応する第2の角度はA-θである)まで回転する。したがって、サウンドバーは、第2の位置から目標位置(対応する角度はBである)まで逆方向に、すなわち、角度A-θから角度Bに回転する必要がある。式(6)に従って、サウンドバーが回転する必要のある角度は、β=2θ-vtとして計算されることができる。
【0039】
前述の方法を用いて得られた目標時間に基づいて電子機器が以下のいくつかのやり方で指示情報を決定し、次いでサウンドバーがその指示情報に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度β=2θ-vtを取得することができることが知見され得る。
【0040】
(1)電子機器は、目標時間を指示情報として決定する。
【0041】
前述の式における微調整角度θは、以前に電子機器と交換された情報から取得されてもよく、詳細は本明細書では再度説明されない。回転速度は、予め設定されていてもよい。目標時間は、指示情報から取得されてもよい。回転方向も、予め設定されていてもよい。したがって、サウンドバーは、これらの情報に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度βを計算することができる。
【0042】
(2)電子機器は、目標時間および予め設定された方向の逆方向を指示情報として決定する。
【0043】
前述の式における微調整角度θは、以前に電子機器と交換された情報から取得されてもよく、詳細は本明細書では再度説明されない。回転速度は、予め設定されていてもよい。目標時間および回転方向(予め設定された方向の逆方向)は、指示情報から取得されてもよい。したがって、サウンドバーは、これらの情報に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度βを計算することができる。
【0044】
(3)電子機器は、目標時間、予め設定された方向の逆方向、および微調整角度を指示情報として決定する。
【0045】
前述の式における微調整角度θおよび目標時間、ならびに回転方向(予め設定された方向の逆方向)はすべて、指示情報から取得されてもよい。回転速度は、予め設定されていてもよい。したがって、サウンドバーは、これらの情報に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度βを計算することができる。
【0046】
(4)電子機器は、予め設定された方向の逆方向および目標回転角度を指示情報として決定する。
【0047】
回転方向(予め設定された方向の逆方向)は、指示情報から取得されてもよい。この場合、サウンドバーは、前述の式に従って、サウンドバーが回転する必要がある角度βを計算する必要はなく、角度は、指示情報から取得されてもよい。
【0048】
位置決めオーディオの持続時間T、目標時間t、微調整角度θ、回転速度vは互いに制約され、すなわち、微調整結果を使用することによって目標位置に対応する角度値Bが得られ、目標位置に対応する角度値Bは角度範囲[A-θ、A+θ]内に入ることが必要であることに留意されたい。したがって、-θ≦vt≦θであり、t≦Tである。
【0049】
したがって、電子機器によって決定された指示情報は、目標位置に対応する角度値Bを含むことができ、または目標時間tを含むことができ、2つの値は両方とも、サウンドバーがサウンドバーの目標位置を決定することを可能にすることができる。
【0050】
指示情報は、サウンドバーが第2の位置から目標位置まで回転するように指示する機能をさらに有する。したがって、指示情報を受信した後、サウンドバーは、最初に目標位置を決定し、次いで、現在の位置から目標位置まで回転する。
【0051】
例えば、微調整の過程で、サウンドバーは、A-θに対応する位置からA+θに対応する位置まで回転する。指示情報を受信した後、サウンドバーは、A+θに対応する位置からBに対応する位置まで角度(2θ-vt)だけ逆方向に回転する。
【0052】
別の例では、微調整の過程で、サウンドバーは、A+θに対応する位置からA-θに対応する位置まで回転する。指示情報を受信した後、サウンドバーは、A-θに対応する位置からBに対応する位置まで角度(2θ-vt)だけ逆方向に回転する。
【0053】
本出願では、サウンドバーと電子機器とは互いに協働する。サウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら、一定の速度で第1の位置から第2の位置まで回転する。電子機器は、受信された位置決めオーディオに基づいて音量が最大である場合に対応するサウンドバーの位置を見つけ、サウンドバーがその位置まで回転するように制御する。このようにして、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0054】
可能な一実施態様において、電子機器は、第2の再生命令をサウンドバーに送信し、第2の再生命令が、サウンドバーがテストオーディオを再生するように命令するために使用され、電子機器によって、収集されたオーディオを受信し、収集されたオーディオが、テストオーディオを再生する過程でユーザによって装着されたヘッドセットのマイクロフォンによって受信されたオーディオであり、電子機器によって、収集されたオーディオおよびテストオーディオに基づいて両耳室内インパルス応答BRIRを計算し、電子機器は、BRIRに基づいてサウンドバーのフィルタ係数を取得する。
【0055】
BRIRは、式(7)に従って計算されてもよい:
【数4】
ここで、0≦p<Pであり、Pはユーザの数を表し、0≦k<Kであり、Kはスピーカユニットの数を表し、iが0の場合は左の耳に対応し、iが1の場合は右の耳に対応し、fは周波数を表し、H
2p+i、k(f)はk番目のスピーカユニットに対応するp番目のユーザのBRIRを表し、Y
i、p、k(f)はk番目のサウンドバーに対応するp番目のユーザのヘッドセットの記録されたオーディオを表し、T(f)はテストオーディオを表す。
【0056】
次いで、フィルタ係数は、式(8)に従って計算される:
C(f)=(H(f)
HH(f)+βI
k(f))
-1H(f)
HD(f) (8)
ここで、H(f)∈C
K×Kであり、H(f)は、式(7)に従って計算されたBRIRを要素として使用することによって構成された行列を表し、行列は、すべてのスピーカユニットに対応するすべてのユーザの部屋伝達関数をそれぞれカバーし、*
Hは、共役行列を表し、I
k(f)∈C
K×Kであり、I
k(f)は、単位行列を表し、D(f)∈R
2P×Rであり、D(f)は、理想的な伝達関数を表し、Rは、サウンドチャネルの数を表し、オーディオがステレオの場合、R=2であり、
【数5】
である。
【0057】
最後に、サウンドバーは、更新されたフィルタ係数に基づいて式(9)に従って、サウンドバーによって再生されたオーディオを処理する:
X(f)=C(f)S(f) (9)
ここで、X(f)は処理されたオーディオを表し、S(f)はサウンドバーによって再生されたオーディオを表し、C(f)はフィルタ係数を表す。
【0058】
フィルタ係数は、精密スイートスポット位置決めの後に得られる。したがって、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0059】
可能な一実施態様において、電子機器がBRIRに基づいてサウンドボックスのフィルタ係数を取得する前に、本方法は、電子機器が仮想空間命令を受信するステップであって、仮想空間命令がリスニング空間を含む、ステップと、電子機器がリスニング空間の伝達関数を取得するステップと、をさらに含み、電子機器がBRIRに基づいてサウンドバーのフィルタ係数を取得することが、電子機器がBRIRおよびリスニング空間の伝達関数に基づいてサウンドバーのフィルタ係数を計算することを含む。
【0060】
例えば、リスニング空間は「ゴールデンホール」である。電子機器は、式(10)に従ってフィルタ係数を計算する:
【数6】
ここで、H(f)∈C
K×Kであり、H(f)は、式(7)に従って計算されたBRIRを要素として使用することによって構成される行列を表し、行列は、すべてのサウンドバーに対応するすべてのユーザの部屋伝達関数をそれぞれカバーし、*
Hは、共役行列を表し、I
k(f)∈C
K×Kであり、I
k(f)は、単位行列を表し、
【数7】
、
【数8】
は、リスニング空間(例えば、ゴールデンホール)の伝達関数を表し、Rは、サウンドチャネルの数を表し、オーディオがステレオの場合、R=2であり、
【数9】
であり、
【数10】
は、p番目のユーザによって選択されたリスニング空間を表す。
【0061】
サウンドバーは、更新されたフィルタ係数に基づいて式(11)に従って、サウンドバーによって再生されたオーディオを処理する:
【数11】
ここで、
【数12】
は、処理されたオーディオを表し、S(f)は、サウンドバーによって再生されたオーディオを表し、
【数13】
は、フィルタ係数を表す。
【0062】
前述のフィルタ係数は、専用プライベート・カスタマイズ後に取得される。したがって、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。加えて、音場がユーザの位置にレンダリングされることができ、それによって、没入型体験をユーザに提供することができる。
【0063】
第2の態様によると、本出願は、電子機器が第1の再生命令をi番目のサウンドボックスに送信するステップであって、第1の再生命令が、i番目のサウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで一定の速度で予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、i番目のサウンドボックスがN個のサウンドボックスのうちの1つであり、1≦i≦Nであり、Nは1よりも大きい正の整数である、ステップと、電子機器が混合信号を受信するステップであって、混合信号が、N個のサウンドボックスによって再生された位置決めオーディオを混合することによって取得されるオーディオ信号である、ステップと、電子機器が混合信号に基づいてi番目の指示情報を決定するステップであって、i番目の指示情報が、i番目のサウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、i番目のサウンドボックスの目標位置が、電子機器によって混合信号を受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するi番目のサウンドボックスの対応する位置である、ステップと、電子機器がi番目の指示情報をi番目のサウンドボックスに送信するステップと、を含む、サウンドボックス位置調整方法を提供する。
【0064】
可能な一実施態様において、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。
【0065】
可能な一実施態様において、電子機器が第1の再生命令をi番目のサウンドボックスに送信する前に、本方法は、電子機器が、i番目のサウンドボックスの中心の初期位置およびユーザの位置を取得するステップと、電子機器が、初期位置およびユーザの位置に基づいてユーザの位置に対するi番目のサウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算するステップであって、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とi番目のサウンドボックスの中心との間の接続線がi番目のサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面がユーザに面する、ステップと、電子機器によって、微調整角度を取得するステップと、電子機器が、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいてi番目のサウンドボックスの第1の位置および第2の位置を取得するステップと、をさらに含む。
【0066】
可能な一実施態様において、i番目のサウンドボックスの第1の位置は、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットから予め設定された方向に微調整角度だけ回転した位置であり、i番目のサウンドボックスの第2の位置は、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットから予め設定された方向の逆方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0067】
本実施形態と第1の態様との違いは、室内のサウンドバーの数が1から複数に変化し、複数のサウンドバーが一列に配置され、ラウドスピーカ表面がすべてユーザに面することにある。この場合、室内の複数のサウンドバーは、位置決めオーディオを同時に再生し、ユーザ端末のマイクロフォンは、複数のサウンドバーによってそれぞれ再生された位置決めオーディオの混合信号を受信する。ユーザに対するサウンドバーの位置が異なるため、受信された位置決めオーディオの最大音量に対応するサウンドバーの位置も異なる。各サウンドバーの目標位置および指示情報を取得することが必要である。
【0068】
本出願では、複数のサウンドバーと電子機器とは互いに協働する。複数のサウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら、一定の速度で第1の位置から第2の位置まで回転する。電子機器は、受信された位置決めオーディオの混合信号に基づいて最大音量に対応するサウンドバーの位置を見つけ、サウンドバーをそれぞれの対応する位置まで回転させるように制御する。このようにして、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0069】
可能な一実施態様において、電子機器によって、第1の再生命令をサウンドボックスに送信するステップであって、第1の再生命令が、サウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、ステップと、電子機器によって、複数の収集されたオーディオを受信するステップであって、複数の収集されたオーディオが、位置決めオーディオを再生する過程において複数のユーザの端末のマイクロフォンによってそれぞれ受信されたオーディオである、ステップと、電子機器によって、複数の収集されたオーディオに基づいて指示情報を決定するステップであって、指示情報が、サウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、目標位置が、複数のユーザの端末によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量の和が最大である場合に対応するサウンドボックスの位置であり、目標位置が、第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置である、ステップと、電子機器によって、指示情報をサウンドボックスに送信するステップ。
【0070】
可能な一実施態様において、電子機器が第1の再生命令をサウンドボックスに送信する前に、本方法は、電子機器が、サウンドボックスの中心の初期位置および複数のユーザの位置を取得するステップと、電子機器が、複数のユーザの位置に基づいて複数のユーザの中心位置を決定するステップと、電子機器が、初期位置および複数のユーザの中心位置に基づいて複数のユーザの中心位置に対するサウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算するステップであって、サウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、複数のユーザの中心位置とサウンドボックスの中心との間の接続線がサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面が複数のユーザに面する、ステップと、電子機器が、微調整角度を取得するステップと、電子機器が、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置および第2の位置を取得するステップと、をさらに含む。
【0071】
本実施形態と第1の態様との違いは、室内のユーザの数が1から複数に変わっていることにある。この場合、室内の複数のユーザ端末のマイクロフォンがそれぞれ位置決めオーディオを受信する。ユーザ端末の位置が異なるため、受信された位置決めオーディオの最大音量に対応するサウンドバーの位置も異なる。この場合、サンプリングの時点にユーザ端末によって受信されたサウンドバーの音量の和を参照してサウンドバーの目標位置が見つけられる。理論的なスイートスポットは、ユーザの位置ではなく、複数のユーザの中心位置に基づいて取得される。
【0072】
本出願では、サウンドバーと電子機器とは互いに協働する。サウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら、一定の速度で第1の位置から第2の位置まで回転する。電子機器は、受信された複数のサンプリングされたオーディオに基づいて音量の和が最大である場合に対応するサウンドバーの位置を見つけ、サウンドバーがその位置まで回転するように制御する。このようにして、複数のユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0073】
可能な一実施態様において、電子機器によって、N個のサウンドボックスの数に基づいて空間を複数の部分空間に分割するステップであって、各部分空間がサウンドボックスのうちの1つに対応し、Nは1よりも大きい正の整数である、ステップと、電子機器によって、第1の再生命令をN個のサウンドボックスのそれぞれに送信するステップであって、第1の再生命令が、対応するサウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、ステップと、電子機器によって、N個の指示情報を決定するステップであって、N個の指示情報が、N個のサウンドボックスに対応し、指示情報が、対応するサウンドボックスの目標位置を決定するために使用される、ステップと、電子機器によって、N個の指示情報を対応するサウンドボックスにそれぞれ送信するステップ。
【0074】
可能な一実施態様において、電子機器によって、N個の指示情報を決定するステップは、電子機器によって、i番目のサウンドボックスによって再生された第1の位置決めオーディオを受信するステップであって、i番目のサウンドボックスがN個のサウンドボックスのうちの1つであり、1≦i≦Nであり、1人の第1のユーザのみが第1のサウンドボックスに対応する部分空間内にいる、ステップと、電子機器によって、第1の位置決めオーディオに基づいて第1の指示情報を決定するステップであって、第1の指示情報が、i番目のサウンドボックスの第1の目標位置を決定するために使用され、第1の目標位置が、電子機器によって第1の位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するi番目のサウンドボックスの位置である、ステップと、を含む。
【0075】
可能な一実施態様において、電子機器が第1の再生命令をN個のサウンドボックスのそれぞれに送信する前に、本方法は、電子機器が、i番目のサウンドボックスの中心の第1の初期位置および第1のユーザの位置を取得するステップと、電子機器が、第1の初期位置および第1のユーザの位置に基づいてユーザの位置に対するi番目のサウンドボックスの第1の理論的なスイートスポットを計算するステップであって、i番目のサウンドボックスが第1の理論的なスイートスポットに位置されるとき、第1のユーザの位置とi番目のサウンドボックスの中心との間の接続線がi番目のサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面が第1のユーザに面する、ステップと、電子機器が第1の微調整角度を取得するステップと、電子機器が、第1の理論的なスイートスポットおよび第1の微調整角度に基づいて第1のサウンドボックスの第1の位置および第2の位置を取得するステップと、をさらに含む。
【0076】
可能な一実施態様において、電子機器がN個の指示情報を決定するステップは、電子機器によって、複数の収集されたオーディオを受信するステップであって、複数の収集されたオーディオが、j番目のサウンドボックスによって第2の位置決めオーディオを再生する過程において複数の第2のユーザの電子機器のマイクロフォンによってそれぞれ受信されたオーディオであり、j番目のサウンドボックスがN個のサウンドボックスのうちの1つであり、1≦j≦Nであり、複数の第2のユーザが、j番目のサウンドボックスに対応する部分空間に位置される、ステップと、電子機器によって、複数の収集されたオーディオに基づいて第2の指示情報を決定するステップであって、第2の指示情報が、j番目のサウンドボックスの第2の目標位置を決定するために使用され、第2の目標位置が、複数の第2のユーザの電子機器によって第2の位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量の和が最大である場合に対応するj番目のサウンドボックスの位置であり、第2の目標位置が、第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置である、ステップと、を含む。
【0077】
可能な一実施態様において、電子機器が、N個のサウンドボックスのそれぞれに第1の再生命令を送信する前に、本方法は、電子機器が、j番目のサウンドボックスの中心の第2の初期位置および複数の第2のユーザの位置を取得するステップと、電子機器が、複数の第2のユーザの位置に基づいて複数の第2のユーザの中心位置を決定するステップと、電子機器が、第2の初期位置および複数の第2のユーザの中心位置に基づいて複数の第2のユーザの中心位置に対するj番目のサウンドボックスの第2の理論的なスイートスポットを計算するステップであって、j番目のサウンドボックスが第2の理論的なスイートスポットに位置されるとき、複数の第2のユーザの中心位置とj番目のサウンドボックスの中心との間の接続線がj番目のサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面が複数の第2のユーザに面する、ステップと、電子機器が、第2の微調整角度を取得するステップと、電子機器が、第2の理論的なスイートスポットおよび第2の微調整角度に基づいてj番目のサウンドボックスの第1の位置および第2の位置を取得するステップと、をさらに含む。
【0078】
可能な一実施態様において、電子機器がN個の指示情報を決定するステップは、電子機器によって、複数の収集されたオーディオを受信するステップであって、複数の収集されたオーディオが、k番目のサウンドボックスによって第3の位置決めオーディオを再生する過程において複数の第3のユーザの電子機器のマイクロフォンによってそれぞれ受信されたオーディオであり、k番目のサウンドボックスがN個のサウンドボックスのうちの1つであり、1≦k≦Nであり、k番目のサウンドボックスに対応する部分空間内にユーザはおらず、複数の第3のユーザがすべて空間内のユーザである、ステップと、電子機器によって、複数の収集されたオーディオに基づいて第3の指示情報を決定するステップであって、第3の指示情報が、k番目のサウンドボックスの第3の目標位置を決定するために使用され、第3の目標位置が、複数の第3のユーザの電子機器によって第3の位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量の和が最大である場合に対応するk番目のサウンドボックスの位置であり、第3の目標位置が、第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置である、ステップと、を含む。
【0079】
可能な一実施態様において、電子機器が、第1の再生命令をN個のサウンドボックスのそれぞれに送信する前に、本方法は、電子機器が、k番目のサウンドボックスの第3の初期位置および複数の第3のユーザの位置を取得するステップと、電子機器が、複数の第3のユーザの位置に基づいて複数の第3のユーザの中心位置を決定するステップと、電子機器が、第3の初期位置および複数の第3のユーザの中心位置に基づいて複数の第3のユーザの中心位置に対するk番目のサウンドボックスの第3の理論的なスイートスポットを計算するステップであって、k番目のサウンドボックスが第3の理論的なスイートスポットに位置されるとき、複数の第3のユーザの中心位置とk番目のサウンドボックスの中心との間の接続線がk番目のサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面が複数の第3のユーザに面する、ステップと、電子機器が、第3の微調整角度を取得するステップと、電子機器が、第3の理論的なスイートスポットおよび第3の微調整角度に基づいてk番目のサウンドボックスの第1の位置および第2の位置を取得するステップと、をさらに含む。
【0080】
電子機器は、サウンドバーの数に基づいて室内の空間を最初に分割し、各サウンドバーは部分空間に対応する。例えば、
図15に示されるように、3つのサウンドバーがあり、中央のサウンドバーの中心が頂点として使用される。サウンドバーの前方の水平方向の空間は、水平方向に180°の角度を均等に分割するやり方で3つのサブ空間に分割されてもよい。左部分空間は、サウンドバー1に対応し、ユーザが1人いて、中央部分空間は、サウンドバー2に対応し、ユーザが2人いて、右部分空間は、サウンドバー3に対応し、ユーザがいない。すなわち、
図15に示されるシナリオでは、3つのサウンドバーは3つの部分空間にそれぞれ対応し、部分空間内のユーザの数に基づいて、3つのサウンドバーとユーザの数との間の関係はそれぞれ、1対1の関係、1対多の関係、および1対ゼロの関係である。
【0081】
電子機器は、空間の分割結果および部分空間内のユーザの数に基づいて各サウンドバーの目標位置を決定する。
【0082】
例えば、1人のユーザのみがいる部分空間に対しては、対応するサウンドバーの目標位置は、第1の態様の方法を参照して決定されてもよく、次いで、サウンドバーの指示情報が、決定される。複数のユーザがいる部分空間に対しては、対応するサウンドバーの目標位置は、第2の態様の方法を参照して決定されてもよく、次いで、サウンドバーの指示情報が決定されるが、理論的なスイートスポットは、ユーザの位置の代わりに、部分空間内のすべてのユーザの中心位置に基づいて取得される。ユーザのいない部分空間に対しては、対応するサウンドバーの目標位置は、第2の態様の方法を参照して決定されてもよく、次いで、サウンドバーの指示情報が決定されるが、理論的なスイートスポットは、ユーザの位置の代わりに、室内のすべてのユーザの中心位置に基づいて取得される。
【0083】
本出願では、複数のサウンドバーと電子機器とは互いに協働する。複数のサウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら、一定の速度で第1の位置から第2の位置まで回転する。各サウンドバーに対して、電子機器は、対応する部分空間においてユーザの端末によって受信されたサンプリングされたオーディオの音量または音量の和が最大である場合に対応するサウンドバーの位置を見つけ、サウンドバーをその位置まで回転させるように制御する。このようにして、複数のユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0084】
第3の態様によると、本出願は、第1の再生命令をサウンドボックスに送信するように構成された送信モジュールであって、第1の再生命令が、サウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、送信モジュールと、位置決めオーディオを受信するように構成された受信モジュールと、位置決めオーディオに基づいて指示情報を決定するように構成された処理モジュールであって、指示情報が、サウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、目標位置が、電子機器によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するサウンドボックスの位置であり、目標位置が、サウンドボックスが第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置である、処理モジュールと、を含み、送信モジュールが指示情報をサウンドボックスに送信するようにさらに構成されている、制御装置を提供する。
【0085】
可能な一実施態様において、第1の位置と第2の位置との間の角度差は、ユーザの両耳間距離に関連され、または第1の位置と第2の位置との間の角度差は、予め設定された微調整範囲に関連される。
【0086】
可能な一実施態様において、指示情報は、サウンドボックスに第2の位置から目標位置まで回転するようにさらに指示する。
【0087】
可能な一実施態様において、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。
【0088】
可能な一実施態様において、回転は、垂直方向のサウンドボックスの回転軸の周りを一定の速度で回転することを含む。
【0089】
可能な一実施態様において、サウンドボックスの形状は、棒形状、正方形形状、またはリング形状を含む。
【0090】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、サウンドボックスの中心の初期位置およびユーザの位置を取得し、初期位置およびユーザの位置に基づいてユーザに対するサウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算し、サウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とサウンドボックスの中心との間の接続線がサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面がユーザに面し、微調整角度を取得し、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0091】
可能な一実施態様において、第1の位置は、サウンドボックスが理論的なスイートスポットから水平時計回り方向に微調整角度だけ回転した位置であり、第2の位置は、サウンドボックスが理論的なスイートスポットから水平反時計回り方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0092】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、部屋構成インターフェースを表示し、部屋構成インターフェースが、ユーザおよびサウンドボックスが位置される空間をシミュレートするために使用され、部屋構成インターフェース上でユーザによって入力された第1の仮想位置を受信し、第1の仮想位置が初期位置をシミュレートするために使用され、第1の仮想位置に基づいて初期位置を計算し、部屋構成インターフェース上でユーザによって入力された第2の仮想位置を受信し、第2の仮想位置がユーザの位置をシミュレートするために使用され、第2の仮想位置に基づいてユーザの位置を計算するように特に構成されている。
【0093】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、初期位置、ユーザの位置、およびユーザの両耳間距離に基づいて微調整角度を計算するように特に構成されている。
【0094】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、精密スイートスポット位置決めインターフェースを表示し、精密スイートスポット位置決めインターフェースが微調整角度を設定するためのポップアップウィンドウを含み、ポップアップウィンドウ上でユーザによって入力された予め設定された経験値を受信し、微調整角度の値を予め設定された経験値に設定するように特に構成されている。
【0095】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、音量を取得するために、位置決めオーディオの受信開始時点から、指定された周波数で受信された位置決めオーディオを検出し、位置決めオーディオの受信終了時点が到来すると、複数の取得された音量のうちの最大音量に対応する時点と受信開始時点との間の差を目標時間として決定し、目標時間を指示情報として決定し、目標時間および予め設定された方向の逆方向を指示情報として決定し、目標時間、予め設定された方向の逆方向、および微調整角度を指示情報として決定し、または予め設定された方向の逆方向および目標回転角度を指示情報として決定するように特に構成され、目標回転角度が、サウンドボックスに第2の位置から目標位置まで回転するように指示する。
【0096】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、最大音量を取得するために位置決めオーディオを検出し、最大音量に対応する時点と位置決めオーディオの受信開始時点との間の差を目標時間として決定し、目標時間を指示情報として決定し、目標時間および予め設定された方向の逆方向を指示情報として決定し、目標時間、予め設定された方向の逆方向、および微調整角度を指示情報として決定し、または予め設定された方向の逆方向および目標回転角度を指示情報として決定するように特に構成され、目標回転角度が、サウンドボックスに第2の位置から目標位置まで回転するように指示する。
【0097】
可能な一実施態様において、送信モジュールは、第2の再生命令をサウンドボックスに送信するようにさらに構成され、第2の再生命令が、サウンドボックスにテストオーディオを再生するように命令するために使用され、受信モジュールは、収集されたオーディオを受信するようにさらに構成され、収集されたオーディオがテストオーディオを再生する過程でユーザによって装着されたヘッドセットのマイクロフォンによって受信されたオーディオであり、処理モジュールは、収集されたオーディオおよびテストオーディオに基づいて両耳室内インパルス応答BRIRを計算し、BRIRに基づいてサウンドボックスのフィルタ係数を取得するようにさらに構成されている。
【0098】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、リスニング空間を含む仮想空間命令を受信し、リスニング空間の伝達関数を取得し、BRIRとリスニング空間の伝達関数とに基づいてサウンドボックスのフィルタ係数を計算するようにさらに構成されている。
【0099】
第4の態様によると、本出願は、電子機器から第1の再生命令を受信するように構成された受信モジュールと、第1の再生命令に基づいて第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転し、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように構成された処理モジュールであって、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、処理モジュールと、を含み、受信モジュールが、指示情報を電子機器から受信するようにさらに構成され、指示情報が、目標位置を決定するために使用され、目標位置が、電子機器によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するサウンドボックスの位置であり、目標位置が、サウンドボックスが第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置であり、処理モジュールが、指示情報に基づいて第2の位置から目標位置まで回転するようにさらに構成されている、オーディオ再生装置を提供する。
【0100】
可能な一実施態様において、第1の位置と第2の位置との間の角度差は、ユーザの両耳間距離に関連され、または第1の位置と第2の位置との間の角度差は、予め設定された微調整範囲に関連される。
【0101】
可能な一実施態様において、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。
【0102】
可能な一実施態様において、予め設定された方向に回転させることは、予め設定された方向に一定の速度で回転させることを含む。
【0103】
可能な一実施態様において、サウンドボックスの形状は、棒形状、正方形形状、またはリング形状を含む。
【0104】
可能な一実施態様において、受信モジュールは、電子機器から理論的なスイートスポットおよび微調整角度を受信するようにさらに構成され、サウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とサウンドボックスの中心との間の接続線がサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面がユーザに面し、処理モジュールは、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置を決定し、第1の位置まで回転するようにさらに構成されている。
【0105】
可能な一実施態様において、第1の位置は、サウンドボックスが理論的なスイートスポットから水平時計回り方向に微調整角度だけ回転した位置であり、第2の位置は、サウンドボックスが理論的なスイートスポットから水平反時計回り方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0106】
第5の態様によると、本出願は、第1の再生命令をi番目のサウンドボックスに送信するように構成された送信モジュールであって、第1の再生命令が、i番目のサウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで一定の速度で予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、i番目のサウンドボックスがN個のサウンドボックスのうちの1つであり、1≦i≦Nであり、Nは1よりも大きい正の整数である、送信モジュールと、混合信号を受信するように構成された受信モジュールであって、混合信号が、N個のサウンドボックスによって再生された位置決めオーディオを混合することによって取得されるオーディオ信号である、受信モジュールと、混合信号に基づいてi番目の指示情報を決定するように構成された処理モジュールであって、i番目の指示情報が、i番目のサウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、i番目のサウンドボックスの目標位置が、電子機器によって混合信号を受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するi番目のサウンドボックスの対応する位置である、処理モジュールと、を含み、送信モジュールがi番目の指示情報をi番目のサウンドボックスに送信するようにさらに構成されている、制御装置を提供する。
【0107】
可能な一実施態様において、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。
【0108】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、i番目のサウンドボックスの中心の初期位置およびユーザの位置を取得し、初期位置およびユーザの位置に基づいてユーザの位置に対するi番目のサウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算し、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とi番目のサウンドボックスの中心との間の接続線がi番目のサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面がユーザに面し、微調整角度を取得し、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいてi番目のサウンドボックスの第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0109】
可能な一実施態様において、i番目のサウンドボックスの第1の位置は、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットから予め設定された方向に微調整角度だけ回転した位置であり、i番目のサウンドボックスの第2の位置は、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットから予め設定された方向の逆方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0110】
可能な一実施態様において、送信モジュールは、第1の再生命令をサウンドボックスに送信するようにさらに構成され、第1の再生命令が、サウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、受信モジュールは、複数の収集されたオーディオを受信するようにさらに構成され、複数の収集されたオーディオが、位置決めオーディオを再生する過程において複数のユーザの端末のマイクロフォンによってそれぞれ受信されたオーディオであり、処理モジュールは、複数の収集されたオーディオに基づいて指示情報を決定するようにさらに構成され、指示情報が、サウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、目標位置が、複数のユーザの端末によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量の和が最大である場合に対応するサウンドボックスの位置であり、目標位置が、第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置であり、送信モジュールは、指示情報をサウンドボックスに送信するようにさらに構成されている。
【0111】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、サウンドボックスの中心の初期位置および複数のユーザの位置を取得し、複数のユーザの位置に基づいて複数のユーザの中心位置を決定し、初期位置および複数のユーザの中心位置に基づいて複数のユーザの中心位置に対するサウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算し、サウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、複数のユーザの中心位置とサウンドボックスの中心との間の接続線がサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、ラウドスピーカ表面がユーザに面し、微調整角度を取得し、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0112】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、N個のサウンドボックスの数に基づいて空間を複数の部分空間に分割するようにさらに構成され、各部分空間がサウンドボックスのうちの1つに対応し、Nは1よりも大きい正の整数であり、送信モジュールは、第1の再生命令をN個のサウンドボックスのそれぞれに送信するようにさらに構成され、第1の再生命令は、対応するサウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、処理モジュールは、N個の指示情報を決定するようにさらに構成され、N個の指示情報が、N個のサウンドボックスに対応し、指示情報が、対応するサウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、送信モジュールは、N個の指示情報を対応するサウンドボックスにそれぞれ送信するようにさらに構成されている。
【0113】
第6の態様によると、本出願は、1つまたは複数のプロセッサとメモリとを含む電子機器を提供する。メモリは、1つまたは複数のプログラムを記憶するように構成される。1つまたは複数のプログラムが1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサは、第1の態様から第2の態様のいずれか1つによる方法を実施できるようにされる。
【0114】
第7の態様によると、本出願は、1つまたは複数のプロセッサとメモリとを含む電子機器を提供する。メモリは、1つまたは複数のプログラムを記憶するように構成される。1つまたは複数のプログラムが1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサは、第1の態様の任意の可能な実施態様による方法を実施できるようにされる。
【0115】
第8の態様によると、本出願は、コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様から第2の態様のいずれか1つによる方法を実行できるようにされる。
【0116】
第9の態様によると、本出願は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラムコードがコンピュータまたはプロセッサ上で実行されると、コンピュータまたはプロセッサは、第1の態様から第2の態様のいずれか1つによる方法を実行できるようにされる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【
図1】本出願によるオーディオ再生装置の例示的な構造図である。
【
図2】本出願による制御装置の例示的な構造図である。
【
図3】本出願による電子機器の一例の概略図である。
【
図4】本出願によるサウンドボックス位置調整方法のプロセス400の一例のフローチャートである。
【
図5】本出願によるサウンドボックス位置調整方法のプロセス500の一例のフローチャートである。
【
図6】本出願によるサウンドボックス位置調整方法のプロセス600の一例のフローチャートである。
【
図7】本出願によるサウンドボックス位置調整方法のプロセス700の一例のフローチャートである。
【
図8】本出願によるレンダリング方法のプロセス800の一例のフローチャートである。
【
図9】本出願によるログインインターフェースの一例の概略図である。
【
図10】本出願による機能選択インターフェースの一例の概略図である。
【
図11】本出願による部屋構成インターフェースの一例の概略図である。
【
図12a】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12b】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12c】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12d】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12e】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12f】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12g】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12h】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12i】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12j】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12k】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12l】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図12m】本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースの一例の概略図である。
【
図13】本出願による初期水平角度の一例の概略図である。
【
図14】本出願による初期水平角度の別の例の概略図である。
【
図15】本出願による初期水平角度のさらに別の例の概略図である。
【
図16】本出願による初期水平角度のさらに別の例の概略図である。
【
図17a】本出願による専用プライベート・カスタマイズ・インターフェースの一例の概略図である。
【
図17b】本出願による専用プライベート・カスタマイズ・インターフェースの一例の概略図である。
【
図17c】本出願による専用プライベート・カスタマイズ・インターフェースの一例の概略図である。
【
図17d】本出願による専用プライベート・カスタマイズ・インターフェースの一例の概略図である。
【
図18a】本出願による仮想空間モードインターフェースの一例の概略図である。
【
図18b】本出願による仮想空間モードインターフェースの一例の概略図である。
【
図18c】本出願による仮想空間モードインターフェースの一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0118】
本出願の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、以下では、本出願における添付の図面を参照して、本出願の技術的解決策を明確かつ完全に説明する。説明される実施形態は、本出願のすべての実施形態ではなく、一部に過ぎないことは明らかである。創造的な努力を行うことなく本出願の実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【0119】
本出願の明細書、実施形態、特許請求の範囲、および添付の図面において、「第1の」、「第2の」などの用語は、区別して説明することが意図されているに過ぎず、相対的な重要性の表示もしくは暗示、または順序の表示もしくは暗示として理解されるべきではない。加えて、「含む(include)」、「有する(have)」という用語、およびそれらの任意の変形形態は、例えば、一連のステップまたはユニットを含む、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。方法、システム、製品、またはデバイスは、文字通り列挙されているステップまたはユニットに必ずしも限定されず、文字通りに列挙されていないか、またはそのようなプロセス、方法、製品、もしくはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含む場合がある。
【0120】
本出願では、「少なくとも1つの(項目)」は、1つまたは複数を指し、「複数の」は、2つ以上を指すことを理解されたい。「および/または」という用語は、関連付けられた対象間の関連付け関係を説明するために使用され、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、「Aおよび/またはB」は、以下の3つのケース、すなわち、Aのみが存在するケース、Bのみが存在するケース、およびAとBの両方が存在するケースを表すことができ、AおよびBは、単数または複数であってもよい。文字「/」は、一般に、関連付けられた対象間の「または」の関係を示す。「以下のうちの少なくとも1つ」またはこれと同様の表現は、以下の任意の組合せを示し、以下の1つまたは複数の任意の組合せを含む。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、またはa、b、およびcを示すことができ、ここで、a、b、およびcは、単数または複数であってもよい。
【0121】
図1は、本出願によるオーディオ再生装置の例示的な構造図である。
図1に示されるように、オーディオ再生装置は、台座と、ターンテーブルと、サウンドバー(soundbar)とを含む。サウンドバーは、磁気吸引構造またはインライン構造を使用することによってターンテーブル上に配置され、ターンテーブルは、台座に埋め込まれている。ターンテーブルは、サウンドバーを回転させるように駆動し、サウンドバーは、水平方向に左右に回転することができ、垂直方向に上下に回転することもできる。加えて、ターンテーブルは、信号および電力を供給することができる。
【0122】
オーディオ再生装置は、ビデオ再生装置(例えば、テレビまたはコンピュータ)から分離された独立した個体であり、サウンドバーが回転されたとき、ビデオ再生装置は移動しない。
【0123】
図1に示されるオーディオ再生装置は、本出願で使用されるオーディオ再生装置の可能な一実施態様を説明するための例として使用されているに過ぎず、オーディオ再生装置に対するいかなる限定も構成しないことに留意されたい。
【0124】
例えば、サウンドバーは、テレビの底部に配置され、回転可能な台座に取り付けられてもよい。サウンドバーが回転される必要がある場合、台座が回転するように制御されることができ、次いで、サウンドバーは、回転するように駆動されるが、テレビは回転する必要がない。別の例では、サウンドバーは、テレビの底部に配置され、テレビと共に回転可能な台座に取り付けられてもよい。サウンドバーが回転される必要がある場合、台座は、回転するように制御されることができ、次いで、サウンドバーとテレビが一緒に回転するように駆動される。
【0125】
回転可能なサウンドバーを有する前述のオーディオ再生装置に基づいて、本出願は、サウンドボックス位置調整方法およびオーディオレンダリング方法を提供し、サウンドバーによって再生されるオーディオの最適な聴取位置(スイートスポット)が正確にユーザの位置となるように、位置決めを通してユーザの位置を正確に決定し、次いで、サウンドバーの回転方向を制御する。
【0126】
前述のサウンドボックス位置調整方法およびオーディオレンダリング方法は、制御装置に適用されてもよい。制御装置は、サウンドバーと通信(例えば、ブルートゥース接続)され得る電子機器に配置されてもよく、電子機器は、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、またはスマートテレビであってもよい。
【0127】
図2は、本出願による制御装置の例示的な構造図である。
図2に示されるように、制御装置は、機能モジュールとデータベースモジュールとを含む。
【0128】
機能モジュールは、受信モジュールと、処理モジュールと、送信モジュールとを含む。受信モジュールは、電子機器によって取得されたオーディオデータおよび命令を受信するように構成されている。処理モジュールは、命令およびオーディオデータに基づいて計算および処理を実行して目標位置を取得し、次いで、オーディオフィルタ係数を計算してオーディオレンダリングを実施するように構成されている。送信モジュールは、サウンドバーに命令を送信して、サウンドバーが目標位置まで回転するように制御するように構成されている。
【0129】
データベースモジュールは、過去のスイートスポットに関する情報を記憶するように構成され、情報は、スイートスポットの座標と、スイートスポットに対応する目標水平角度およびオーディオフィルタ係数とを含む。ユーザの位置が、計算されたスイートスポットと一致する場合、スイートスポットに関する情報は、データベースモジュールから直接取得されてもよい。このようにして、計算量が低減されることができ、スイートスポット位置決めおよびオーディオレンダリングの効率が改善されることができる。
【0130】
図2に示される制御装置のフレームワークは一例に過ぎず、本出願の方法の実行主体に対するいかなる限定も構成しないことに留意されたい。
【0131】
図3は、本出願による電子機器の一例の概略図である。
図3は、電子機器が携帯電話である場合の構造の概略図である。
【0132】
図3に示されるように、携帯電話300は、プロセッサ310、外部メモリインターフェース320、内部メモリ321、ユニバーサル・シリアル・バス
(USB)インターフェース330、充電管理モジュール340、電源管理モジュール341、バッテリ
342、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール350、無線通信モジュール360、オーディオモジュール370、スピーカ370A、受話器370B、マイクロフォン370C、ヘッドセットジャック370D、センサモジュール380、ボタン390、モータ391、インジケータ392、カメラ393、ディスプレイ394、加入者識別モジュール
(SIM)カードインターフェース395などを含むことができる。センサモジュール380は、圧力センサ380A、ジャイロセンサ380B、気圧センサ380C、磁気センサ380D、加速度センサ380E、距離センサ380F、光学式近接センサ380G、指紋センサ380H、温度センサ380J、タッチセンサ380K、周囲光センサ380L、骨伝導センサ380Mなどを含むことができる。
【0133】
本実施形態に示される構造は、携帯電話300を具体的に限定するものではないことが理解され得る。本出願の一部の他の実施形態では、携帯電話300は、図に示される構成要素よりも多いまたは少ない構成要素を含んでもよく、一部の構成要素が組み合わされてもよく、一部の構成要素が分割されてもよく、または異なる構成要素の配置があってもよい。図に示される構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組合せによって実施されてもよい。
【0134】
プロセッサ310は、1つまたは複数の処理ユニットを含むことができる。例えば、プロセッサ310は、アプリケーションプロセッサ(AP)、モデムプロセッサ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、画像信号プロセッサ(ISP)、コントローラ、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ベースバンドプロセッサ、および/またはニューラルネットワーク処理ユニット(NPU)を含むことができる。異なる処理ユニットは、独立した構成要素であってもよく、または1つまたは複数のプロセッサに統合されていてもよい。
【0135】
コントローラは、命令動作コードおよび時系列信号に基づいて動作制御信号を生成して、命令の読み取りおよび命令の実行の制御を完了することができる。
【0136】
メモリは、プロセッサ310にさらに配置されてもよく、命令およびデータを記憶するように構成される。一部の実施形態では、プロセッサ310内のメモリはキャッシュである。メモリは、プロセッサ310によって使用されたばかりの、または周期的に使用される命令またはデータを記憶することができる。プロセッサ310が命令またはデータを再び使用する必要がある場合、プロセッサは、メモリから命令またはデータを直接呼び出すことができる。これは、繰り返しアクセスを回避し、プロセッサ310の待ち時間を低減する。したがって、システム効率が改善される。
【0137】
本出願では、プロセッサ310は、移動通信モジュール350または無線通信モジュール360と協働して、前述の制御装置の機能を実施することができる。任意選択で、プロセッサ310は、オーディオモジュール370およびマイクロフォン370Cとさらに協働して、サウンドバーによって再生されたオーディオを受信し、次いで、前述の制御装置の機能を実施することができる。
【0138】
一部の実施形態では、プロセッサ310は、1つまたは複数のインターフェースを含むことができる。インターフェースは、集積回路間(I2C)インターフェース、集積回路間サウンド(I2S)インターフェース、パルスコード変調(PCM)インターフェース、汎用非同期受信機/送信機(UART)インターフェース、モバイル・インダストリ・プロセッサ・インターフェース(MIPI)、汎用入力/出力(GPIO)インターフェース、加入者識別モジュール(SIM)インターフェース、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)インターフェースなどを含むことができる。
【0139】
I2Cインターフェースは、双方向の同期シリアルバスであり、1本のシリアルデータ線(SDA)と1本のシリアルクロック線(SCL)とを含む。一部の実施形態では、プロセッサ310は、I2Cバスの複数のグループを含むことができる。プロセッサ310は、異なるI2Cバスインターフェースを介して、タッチセンサ380K、充電器、フラッシュライト、カメラ393などに結合されてもよい。例えば、プロセッサ310は、I2Cインターフェースを介してタッチセンサ380Kに結合されてもよく、これにより、プロセッサ310は、I2Cバスインターフェースを介してタッチセンサ380Kと通信して、携帯電話300のタッチ機能を実施する。
【0140】
I2Sインターフェースは、オーディオ通信を行うように構成されてもよい。一部の実施形態では、プロセッサ310は、I2Sバスの複数のグループを含むことができる。プロセッサ310は、I2Sバスを介してオーディオモジュール370に結合されて、プロセッサ310とオーディオモジュール370との間の通信を実施することができる。一部の実施形態では、オーディオモジュール370は、I2Sインターフェースを介して無線通信モジュール360にオーディオ信号を送信して、Bluetoothヘッドセットを介して電話に応答する機能を実施することができる。
【0141】
PCMインターフェースも、オーディオ通信を行い、アナログ信号をサンプリングし、量子化し、符号化するように構成されてもよい。一部の実施形態では、オーディオモジュール370は、PCMバスインターフェースを介して無線通信モジュール360に結合されてもよい。一部の実施形態では、オーディオモジュール370はまた、PCMインターフェースを介して無線通信モジュール360にオーディオ信号を送信して、Bluetoothヘッドセットを介して電話に応答する機能を実施することができる。I2SインターフェースとPCMインターフェースは両方とも、オーディオ通信のために使用されてもよい。
【0142】
UARTインターフェースは、ユニバーサルシリアルデータバスであり、非同期通信を行うように構成されている。バスは、双方向通信バスであってもよい。バスは、送信対象データをシリアル通信とパラレル通信との間で変換する。一部の実施形態では、UARTインターフェースは、プロセッサ310を無線通信モジュール360に接続するように、通常、構成されている。例えば、プロセッサ310は、UARTインターフェースを介して無線通信モジュール360内のBluetoothと通信してBluetooth機能を実施する。一部の実施形態では、オーディオモジュール370は、UARTインターフェースを介して無線通信モジュール360にオーディオ信号を送信して、Bluetoothヘッドセットを介して音楽を再生する機能を実施してもよい。
【0143】
MIPIインターフェースは、プロセッサ310をディスプレイ394またはカメラ393などの周辺構成要素に接続するように構成されてよい。MIPIインターフェースは、カメラ・シリアル・インターフェース(CSI)、ディスプレイ・シリアル・インターフェース(DSI)などを含む。一部の実施形態では、プロセッサ310は、CSIインターフェースを介してカメラ393と通信して、携帯電話300の撮影機能を実施する。プロセッサ310は、DSIインターフェースを介してディスプレイ394と通信して、携帯電話300の表示機能を実施する。
【0144】
GPIOインターフェースは、ソフトウェアによって構成されてもよい。GPIOインターフェースは、制御信号またはデータ信号として構成されてもよい。一部の実施形態では、GPIOインターフェースは、プロセッサ310をカメラ393、ディスプレイ394、無線通信モジュール360、オーディオモジュール370、センサモジュール380などに接続するように構成されてもよい。GPIOインターフェースは、I2Cインターフェース、I2Sインターフェース、UARTインターフェース、MIPIインターフェースなどとして、代替として構成されてもよい。
【0145】
USBインターフェース330は、USB標準規格に準拠したインターフェースであり、具体的には、Mini USBインターフェース、Micro USBインターフェース、USB Type-Cインターフェースなどであってもよい。USBインターフェース330は、充電器に接続して携帯電話300を充電するように構成されてもよく、また、携帯電話300と周辺機器との間でデータを送信するように構成されてもよく、またはヘッドセットに接続してヘッドセットを通してオーディオを再生するように構成されてもよい。インターフェースは、別の携帯電話、例えば、AR機器に接続するように、代替として構成されてもよい。
【0146】
本実施形態に示されるモジュール間のインターフェース接続関係は、説明のための例に過ぎず、携帯電話300の構造に対するいかなる限定も構成しないことが理解され得る。本出願の一部の他の実施形態では、携帯電話300は、前述の実施形態とは異なるインターフェース接続方式を代替として使用してもよく、または複数のインターフェース接続方式の組合せを使用してもよい。
【0147】
充電管理モジュール340は、充電器から充電入力を受信するように構成される。充電器は、無線充電器または有線充電器であってもよい。有線充電の一部の実施形態では、充電管理モジュール340は、USBインターフェース330を介して有線充電器から充電入力を受信することができる。無線充電の一部の実施形態では、充電管理モジュール340は、携帯電話300の無線充電コイルを使用することによって無線充電入力を受信することができる。充電管理モジュール340は、バッテリ342を充電しながら、電源管理モジュール341を使用することによって携帯電話に電力を供給する。
【0148】
電源管理モジュール341は、バッテリ342と、充電管理モジュール340と、プロセッサ310とを接続するように構成されている。電源管理モジュール341は、バッテリ342および/または充電管理モジュール340の入力を受信して、プロセッサ310、内部メモリ321、ディスプレイ394、カメラ393、無線通信モジュール360などに電力を供給する。電源管理モジュール341は、バッテリ容量、バッテリ・サイクル・カウント、およびバッテリ健康状態(漏電またはインピーダンス)などのパラメータを監視するようにさらに構成されてもよい。一部の他の実施形態では、電源管理モジュール341は、プロセッサ310に代替として配置されてもよい。一部の他の実施形態では、電源管理モジュール341および充電管理モジュール340は、同一構成要素に代替として配置されてもよい。
【0149】
携帯電話300の無線通信機能は、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール350、無線通信モジュール360、モデムプロセッサ、ベースバンドプロセッサなどを用いて実施されてもよい。
【0150】
アンテナ1およびアンテナ2は、電磁波信号を送信および受信するように構成される。携帯電話300の各アンテナは、1つまたは複数の通信周波数帯域をカバーするように構成されてもよい。アンテナの利用率を改善するために、異なるアンテナがさらに多重化されてもよい。例えば、アンテナ1は、無線ローカルエリアネットワークのダイバーシティアンテナとして多重化されてもよい。一部の他の実施形態では、アンテナは、同調スイッチと組み合わせて使用されてもよい。
【0151】
移動通信モジュール350は、携帯電話300に適用される2G、3G、4G、5Gなどを含む無線通信に対するソリューションを提供することができる。移動通信モジュール350は、少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、低雑音増幅器(LNA)などを含むことができる。移動通信モジュール350は、アンテナ1を介して電磁波を受信し、受信された電磁波に対してフィルタリングまたは増幅などの処理を実行し、復調のために電磁波をモデムプロセッサに送信することができる。移動通信モジュール350は、モデムプロセッサによって変調された信号をさらに増幅し、その信号をアンテナ1を介して放射するための電磁波に変換することができる。一部の実施形態では、移動通信モジュール350内の少なくとも一部の機能モジュールは、プロセッサ310に配置されてもよい。一部の実施形態では、移動通信モジュール350内の少なくとも一部の機能モジュールおよびプロセッサ310内の少なくとも一部のモジュールは、同じ構成要素に配置されてもよい。
【0152】
モデムプロセッサは、変調器と復調器とを含むことができる。変調器は、送信対象低周波ベースバンド信号を中高周波信号に変調するように構成されている。復調器は、受信された電磁波信号を低周波ベースバンド信号に復調するように構成されている。次いで、復調器は、復調を通して取得された低周波数ベースバンド信号を処理のためにベースバンドプロセッサに送信する。低周波数ベースバンド信号は、ベースバンドプロセッサによって処理され、次いで、アプリケーションプロセッサに送信される。アプリケーションプロセッサは、オーディオ機器(スピーカ370A、受話器370Bなどに限定されない)を介して音声信号を出力し、またはディスプレイ394に画像もしくはビデオを表示する。一部の実施形態では、モデムプロセッサは、独立した構成要素であってもよい。一部の他の実施形態では、モデムプロセッサは、プロセッサ310から独立していてもよく、移動通信モジュール350または別の機能モジュールと同じ機器に配置される。
【0153】
無線通信モジュール360は、携帯電話300に適用され、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)(例えば、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)ネットワーク)、Bluetooth(BT)、全地球航法衛星システム(GNSS)、周波数変調(FM)、近距離無線通信(NFC)技術、および赤外線(IR)技術を含む無線通信ソリューションを提供することができる。無線通信モジュール360は、少なくとも1つの通信処理モジュールを統合する1つまたは複数の構成要素であってもよい。無線通信モジュール360は、アンテナ2を介して電磁波を受信し、電磁波信号に対して周波数変調およびフィルタリング処理を実行し、処理された信号をプロセッサ310に送信する。無線通信モジュール360は、送信対象信号をプロセッサ310からさらに受信し、その信号に対して周波数変調および増幅を行い、その信号をアンテナ2を介して放射するための電磁波に変換してもよい。
【0154】
一部の実施形態では、携帯電話300のアンテナ1は、移動通信モジュール350に結合され、アンテナ2は、無線通信モジュール360に結合され、それにより、携帯電話300は、無線通信技術を使用することによって、ネットワークおよび別のデバイスと通信することができる。無線通信技術は、移動通信用グローバルシステム(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、時分割符号分割多元接続(TD-SCDMA)、ロングタームエボリューション(LTE)、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM、IR技術などを含むことができる。GNSSは、全地球測位システム(GPS)、全地球航法衛星システム(GLONASS)、北斗航法衛星システム(BDS)、準天頂衛星システム(QZSS)、および/または衛星航法補強システム(SBAS)を含むことができる。
【0155】
携帯電話300は、GPU、ディスプレイ394、アプリケーションプロセッサなどを用いることによって表示機能を実施する。GPUは、画像処理用のマイクロプロセッサであり、ディスプレイ394およびアプリケーションプロセッサに接続されている。GPUは、数学的および幾何学的な計算を行い、画像をレンダリングするように構成されている。プロセッサ310は、表示情報を生成または変更するためのプログラム命令を実行する1つまたは複数のGPUを含んでもよい。
【0156】
ディスプレイ394は、画像またはビデオなどを表示するように構成されている。ディスプレイ394は、表示パネルを含む。表示パネルは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)、フレキシブル発光ダイオード(FLED)、Miniled、MicroLed、Micro-oLed、量子ドット発光ダイオード(QLED)などであってもよい。一部の実施形態では、携帯電話300は、1個またはN個のディスプレイ394を含むことができ、Nは、1よりも大きい正の整数である。
【0157】
携帯電話300は、ISP、カメラ393、ビデオコーデック、GPU、ディスプレイ394、アプリケーションプロセッサなどを用いて撮影機能を実施することができる。
【0158】
ISPは、カメラ393によってフィードバックされたデータを処理するように構成されている。例えば、撮影の間、シャッターが押され、光がレンズを通してカメラの感光素子に伝達される。光信号は電気信号に変換され、カメラの感光素子は、電気信号を処理するためのISPに送信し、電気信号を可視画像に変換する。ISPは、画像の雑音、明るさ、および肌色に対してアルゴリズム最適化をさらに実行することができる。ISPは、撮影シナリオの露出および色温度などのパラメータをさらに最適化することができる。一部の実施形態では、ISPは、カメラ393に配置されてもよい。
【0159】
カメラ393は、静止画像またはビデオをキャプチャするように構成されている。被写体の光学像は、レンズを通して生成され、感光素子上に投影される。感光素子は、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)フォトトランジスタであってもよい。感光素子は、光信号を電気信号に変換し、次いで、電気信号をISPに送信して、電気信号をデジタル画像信号に変換する。ISPは、デジタル画像信号を処理するためのDSPに出力する。DSPは、デジタル画像信号をRGBまたはYUVなどの標準フォーマットの画像信号に変換する。一部の実施形態では、携帯電話300は、1個またはN個のカメラ393を含むことができ、Nは、1よりも大きい正の整数である。
【0160】
デジタル信号プロセッサは、デジタル信号を処理するように構成され、デジタル画像信号に加えて別のデジタル信号を処理することができる。例えば、携帯電話300が周波数を選択するとき、デジタル信号プロセッサは、周波数エネルギーなどに対してフーリエ変換を実行するように構成されている。
【0161】
ビデオコーデックは、デジタルビデオを圧縮または解凍するように構成されている。携帯電話300は、1つまたは複数のタイプのビデオコーデックをサポートすることができる。このようにして、携帯電話300は、複数の符号化フォーマット、例えば、ムービング・ピクチャ・エキスパート・グループ(MPEG)-1、MPEG-2、MPEG-3、およびMPEG-4でビデオを再生または記録することができる。
【0162】
NPUは、ニューラルネットワーク(NN)コンピューティングプロセッサであり、生物のニューラルネットワークの構造を参考にすることによって、例えば、人間の脳神経細胞間の伝達のモードを参考にすることによって、入力情報を迅速に処理し、自己学習をさらに絶えず実行することができる。画像認識、顔認識、オーディオ認識、およびテキスト理解など、携帯電話300の知的認知などのアプリケーションは、NPUを使用することによって実施されることができる。
【0163】
外部メモリインターフェース320は、Micro SDカードなどの外部記憶カードに接続するように構成され、携帯電話300の記憶能力を拡張することができる。外部記憶カードは、外部メモリインターフェース320を介してプロセッサ310と通信して、データ記憶機能を実施する。例えば、音楽またはビデオなどのファイルは、外部記憶カードに記憶される。
【0164】
内部メモリ321は、コンピュータ実行可能プログラムコードを記憶するように構成されてもよい。実行可能プログラムコードは、命令を含む。内部メモリ321は、プログラム記憶領域およびデータ記憶領域を含んでもよい。プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能(例えば、音声再生機能または画像再生機能)によって必要とされるアプリケーションなどを記憶することができる。データ記憶領域は、携帯電話300の使用中に作成されたデータ(オーディオデータおよびアドレス帳など)などを記憶することができる。加えて、内部メモリ321は、高速ランダム・アクセス・メモリを含んでよく、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュ・メモリ・デバイス、またはユニバーサル・フラッシュ・ストレージ(UFS)をさらに含んでよい。プロセッサ310は、内部メモリ321に記憶された命令および/またはプロセッサに配置されたメモリに記憶された命令を実行して、携帯電話300の様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行する。
【0165】
携帯電話300は、オーディオモジュール370、スピーカ370A、受話器370B、マイクロフォン370C、ヘッドセットジャック370D、アプリケーションプロセッサなどを介して、音楽再生または記録などのオーディオ機能を実施することができる。
【0166】
オーディオモジュール370は、出力のためにデジタルオーディオ情報をアナログオーディオ信号に変換するように構成され、アナログオーディオ入力をデジタルオーディオ信号に変換するようにも構成されている。オーディオモジュール370は、オーディオ信号を符号化および復号するようにさらに構成されてもよい。一部の実施形態では、オーディオモジュール370は、プロセッサ310に配置されてもよく、またはオーディオモジュール370内の一部の機能モジュールは、プロセッサ310に配置される。
【0167】
「ラウドスピーカ」とも呼ばれるスピーカ370Aは、オーディオ電気信号を音声信号に変換するように構成されている。携帯電話300のスピーカ370Aを用いることによって、音楽が聴かれたり、またはハンズフリー通話が応答されたりすることができる。
【0168】
「イヤピース」とも呼ばれる受話器370Bは、オーディオ電気信号を音声信号に変換するように構成されている。携帯電話300を用いることによって電話が応答され、または音声情報が受信される場合、受話器370Bが人の耳に近づけられて音声を聴くことができる。
【0169】
マイクロフォン370Cは、「マイク(mike)」または「マイク(mic)」とも呼ばれ、音声信号を電気信号に変換するように構成される。電話をかけたり、または音声ッセージを送信したりする場合、ユーザは、ユーザの口をマイクロフォン370Cに近づけて音声を発し、マイクロフォン370Cに音声信号を入力することができる。少なくとも1つのマイクロフォン370Cが、携帯電話300に配置されてもよい。一部の他の実施形態では、2つのマイクロフォン370Cが携帯電話300に配置され、音声信号を収集し、雑音低減機能をさらに実施することができる。一部の他の実施形態では、3つ、4つ、またはそれを上回るマイクロフォン370Cが、音声信号を収集し、雑音を低減し、音源をさらに識別し、指向性記録機能を実施するなどのために携帯電話300に代替として配置されてもよい。
【0170】
ヘッドセットジャック370Dは、有線ヘッドセットに接続するように構成されている。ヘッドセットジャック370Dは、USBインターフェース330、3.5mmオープンモバイル端末プラットフォーム(OMTP)標準インターフェース、または米国セルラー電気通信産業協会(CTIA)標準インターフェースであってもよい。
【0171】
圧力センサ380Aは、圧力信号を感知するように構成され、圧力信号を電気信号に変換することができる。一部の実施形態では、圧力センサ380Aは、ディスプレイ394に配置されてもよい。多くのタイプの圧力センサ380A、例えば、抵抗式圧力センサ、誘導式圧力センサ、および静電容量式圧力センサが存在する。静電容量式圧力センサは、導電性材料で作られた少なくとも2つの平行なプレートを含むことができる。
【0172】
ジャイロセンサ380Bは、携帯電話300の移動姿勢を決定するように構成されてもよい。
【0173】
気圧センサ380Cは、気圧を測定するように構成されている。
【0174】
磁気センサ380Dは、ホールセンサを含む。
【0175】
加速度センサ380Eは、携帯電話300の様々な方向(通常は3軸)の加速度の値を検出することができる。
【0176】
距離センサ380Fは、距離を測定するように構成されている。
【0177】
光学式近接センサ380Gは、例えば、発光ダイオード(LED)と、フォトダイオードなどの光検出器とを含んでもよい。発光ダイオードは、赤外線発光ダイオードであってもよい。
【0178】
周囲光センサ380Lは、周囲光の明るさを感知するように構成されている。
【0179】
指紋センサ380Hは、指紋を採取するように構成されている。
【0180】
温度センサ380Jは、温度を検出するように構成されている。
【0181】
タッチセンサ380Kは、「タッチ部品」とも呼ばれる。タッチセンサ380Kは、ディスプレイ394に配置されてもよい。タッチセンサ380Kおよびディスプレイ394は、タッチスクリーンを構成し、「タッチスクリーン」とも呼ばれる。タッチセンサ380Kは、タッチセンサ380K上またはその近くでのタッチ操作を検出するように構成されている。タッチセンサは、検出されたタッチ操作をアプリケーションプロセッサに転送して、タッチイベントのタイプを決定することができる。タッチ操作に関連する視覚的出力は、ディスプレイ394を介して提供されてもよい。一部の他の実施形態では、タッチセンサ380Kは、ディスプレイ394の位置とは異なる位置で、携帯電話300の表面上に代替として配置されてもよい。
【0182】
骨伝導センサ380Mは、振動信号を取得することができる。
【0183】
ボタン390は、電源ボタン、音量ボタンなどを含む。ボタン390は、機械式ボタンまたはタッチボタンであってもよい。携帯電話300は、キー入力を受信し、携帯電話300のユーザ設定および機能制御に関連するキー信号入力を生成することができる。
【0184】
モータ391は、振動プロンプトを生成することができる。モータ391は、着信振動プロンプトおよびタッチ振動フィードバックを生成するように構成されてもよい。
【0185】
インジケータ392は、インジケータライトであってもよく、充電状態および電力変化を示すように構成されてもよく、またはメッセージ、不在着信、通知などを示すように構成されてもよい。
【0186】
SIMカードインターフェース395は、SIMカードに接続するように構成されている。SIMカードは、SIMカードインターフェース395に挿入され、またはSIMカードインターフェース395から取り外され、携帯電話300との接触または分離を実施することができる。携帯電話300は、1個またはN個のSIMカードインターフェースをサポートすることができ、Nは1よりも大きい正の整数である。SIMカードインターフェース395は、Nano SIMカード、Micro SIMカード、SIMカードなどをサポートすることができる。携帯電話300は、SIMカードを使用することによってネットワークと相互作用して、通話およびデータ通信などの機能を実施する。一部の実施形態では、携帯電話300は、eSIM、すなわち組み込まれたSIMカードを使用する。eSIMカードは、携帯電話300に組み込まれてもよく、携帯電話300と分離されることはできない。
【0187】
本実施形態に示される構造は、電子機器に対する特定の限定を構成しないことが理解され得る。本出願の一部の他の実施形態では、電子機器は、図に示されるものよりも多いまたは少ない構成要素を含んでもよく、一部の構成要素が組み合わされてもよく、一部の構成要素が分割されてもよく、または異なる構成要素の配置があってもよい。図に示される構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組合せによって実施されてもよい。
【0188】
図4は、本出願によるサウンドボックス位置調整方法のプロセス400の一例のフローチャートである。プロセス400は、
図3に示される電子機器とサウンドバーとによって一緒に実行されてもよい。プロセス400は、一連のステップまたは操作として説明される。プロセス400のステップまたは操作は、
図4に示される実行順序に限定されず、様々な順序でおよび/または同時に実行されてもよいことを理解されたい。プロセス400は、以下を含むことができる。
【0189】
S401.電子機器は、第1の再生命令をサウンドバーに送信する。
【0190】
サウンドボックス位置調整方法が開始する前に、ユーザは、電子機器にインストールされたアプリケーション(APP)によって提供される対話型インターフェースを使用することによってスイートスポット位置決め命令を送信することができる。命令に基づいて電子機器は、サウンドボックス位置調整方法のステップの実行を開始する。最初に、電子機器は、第1の再生命令をサウンドバーに送信する。第1の再生命令は、サウンドバーに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用される。任意選択で、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。任意選択で、予め設定された方向に回転させることは、予め設定された方向に一定の速度で回転させることを含む。
【0191】
任意選択で、サウンドボックスの形状は、棒形状、正方形形状、リング形状などを含む。サウンドボックスの形状は、本出願では特に限定されない。以下は、説明のための例としてサウンドバー(soundbar)を使用する。本出願において提供されるサウンドボックス位置調整方法は、正方形形状のサウンドボックスまたはリング形状のサウンドボックスなどのサウンドボックスの位置調整にさらに適用されてもよいことを理解されたい。
【0192】
位置決めオーディオは、指定された条件を満たす全帯域オーディオである。例えば、位置決めオーディオは、ホワイト雑音、ピンク雑音、またはスイープ信号を含む、音圧レベルが65dB以上であり、信号対雑音比が20dB以上である全帯域オーディオであってもよい。位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない。
【0193】
任意選択で、サウンドバーの位置は、サウンドバーと壁との間の第1の挟角の角度によって表されてもよい。サウンドバーが壁に平行な場合、第1の夾角の角度は0°である。サウンドバーは、角度0°から反時計回りに回転し、サウンドバーが壁に対して垂直になるように回転すると、第1の夾角の角度は90°となり、第1の夾角の角度は、回転の過程で0°から90°に変化する。サウンドバーは、角度0°から時計回りに回転し、サウンドバーが壁に対して垂直になるように回転すると、第1の夾角の角度は-90°となり、第1の夾角の角度は、回転の過程で0°から-90°に変化する。第1の挟角の開口が左を向いている場合、第1の挟角の角度値は正であり、第1の挟角の開口が右を向いている場合、第1の挟角の角度値は負であることが知見され得る。
【0194】
任意選択で、サウンドバーの位置は、サウンドバーの中心の垂直線と壁の垂直線との間の第2の挟角の角度によって代替として表されてもよい。サウンドバーが壁に平行な場合、サウンドバーの中心の垂直線は、壁の垂直線と平行であるか、または一致する。この場合、第2の夾角の角度は0°である。サウンドバーは、角度0°から反時計回りに回転し、サウンドバーが壁に対して垂直になるように回転すると、サウンドバーの中心の垂直線と壁の垂直線とが互いに垂直になる。この場合、第2の夾角の角度は90°であり、第2の夾角の角度は、回転の過程で0°から90°に変化する。サウンドバーは、角度0°から時計回りに回転し、サウンドバーが壁に対して垂直になるように回転すると、サウンドバーの中心の垂直線と壁の垂直線とが互いに垂直になる。この場合、第2の夾角の角度は-90°であり、第2の夾角の角度は回転の過程で0°から-90°に変化する。サウンドバーの中心の垂直線が壁の垂直線の右に位置される場合、第2の挟角の角度値は正であり、サウンドバーの中心の垂直線が壁の垂直線の左に位置される場合、第2の挟角の角度値は負であることが知見され得る。
【0195】
したがって、第1の位置および第2の位置は両方とも、第1の角度または第2の角度の角度値によって表されてもよく、サウンドバーが第1の位置から第2の位置まで一定の速度で回転することは、サウンドバーが第1の角度から第2の角度まで一定の速度で回転することとして説明されてもよく、第1の角度および第2の角度はそれぞれ、第1の挟角の2つの角度値であり、または第1の角度および第2の角度はそれぞれ、第2の挟角の2つの角度値である。
【0196】
可能な一実施態様において、第1の再生命令をサウンドバーに送信する前に、電子機器は、サウンドバーの中心の初期位置およびユーザの位置を最初に取得し、初期位置およびユーザの位置に基づいてユーザの位置に対するサウンドバーの理論的なスイートスポットを計算し、微調整角度を取得し、次いで、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置および第2の位置を取得することができる。
【0197】
サウンドバーが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の接続線は、サウンドバーのラウドスピーカ表面に対して垂直であり、ラウドスピーカ表面は、ユーザに面する。サウンドバーのラウドスピーカ表面は、サウンドバーのラウドスピーカが位置される面の表面である。一般に、ラウドスピーカは、サウンドボックスの面に配置される。この場合、ラウドスピーカ表面がその面である。代替として、サウンドボックスのラウドスピーカは、サウンドボックスの複数の面に配置される。この場合、ラウドスピーカ表面は、ユーザに面するサウンドボックスの面である。
【0198】
第1の位置は、サウンドバーが理論的なスイートスポットから予め設定された方向に微調整角度だけ回転した位置であり、第2の位置は、サウンドバーが理論的なスイートスポットから予め設定された方向の逆方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0199】
本出願では、APPによって提供される対話型インターフェース(例えば、以下の
図11で説明されることがある部屋構成インターフェース)が使用されることがある。ユーザは、インターフェースに第1の仮想位置を入力し、第1の仮想位置は、室内のサウンドバーの中心の位置をシミュレートするために使用され、サウンドバーの中心の初期位置は、第1の仮想位置に基づいて計算されてもよい。初期位置は、座標の形態で表されてもよい。代替として、ユーザは、対話型インターフェースに第2の仮想位置を入力してもよい。第2の仮想位置は、室内のユーザの位置をシミュレートするために使用される。ユーザの位置は、第2の仮想位置に基づいて計算されてもよく、ユーザの位置は、座標の形態で表されてもよい。
【0200】
例えば、サウンドバーの理論的なスイートスポットは、式(1)~(3)に従って取得されてもよい:
【数14】
ここで、dは、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の直線距離を表し、(x
c、y
c)は、ユーザの位置を表し、(x
s0、y
s0)は、サウンドバーの中心の初期位置を表し、
h=|y
c-y
s0| (2)
ここで、hは、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の垂直距離を表し、
【数15】
ここで、Aは、サウンドバーの理論的なスイートスポットに対応する角度値を表す。例えば、
図13に示されるように、サウンドバーが回転する前、前述の第2の挟角に対応する角度はAである。スイートスポット位置決めの目的は、サウンドバーの中心とユーザの位置との間の接続線をサウンドバーのラウドスピーカ表面に垂直にすることである。したがって、サウンドバーは、目的を達成するために角度Aだけ時計回りに回転する必要があり、角度Aは、サウンドバーに対応する理論的なスイートスポットである。
【0201】
しかしながら、ユーザの位置は、ユーザによって対話型インターフェースに入力されるため、その位置とユーザの実際の位置との間に誤差が生じる場合がある。したがって、サウンドバーの位置は、正確な目標位置を決定するために、理論的なスイートスポットに基づいて微調整される必要がある。
【0202】
図13に示されるように、微調整角度θに対応する夾角の一辺は、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の接続線である。微調整角度θは、式(4)に従って計算される:
【数16】
ここで、wは両耳間距離の2倍を表し、wは予め設定された固定値であってもよく、またはユーザによって予め設定されてもよい。
【0203】
任意選択で、微調整角度θは、ユーザによって対話型インターフェース(例えば、精密スイートスポット位置決めインターフェース、以下の
図12kを参照)に直接入力されてもよい。
【0204】
任意選択で、第1の位置に対応する第1の角度はA-θであってもよく、第2の位置に対応する第2の角度はA+θであってもよく、または第1の位置に対応する第1の角度はA+θであってもよく、第2の位置に対応する第2の角度はA-θであってもよい。
【0205】
可能な一実施態様において、サウンドバーの中心の初期位置およびユーザの位置が、サウンドバーの中心とユーザの位置との間の接続線がサウンドバーのラウドスピーカ表面に垂直であるという目的を満たしている場合、スイートスポット位置決めを行う必要はない。したがって、スイートスポット位置決めの前に、原理と、サウンドバーの中心の初期位置と、ユーザの位置とに基づいてスイートスポット位置決めが必要とされるかどうかが決定されてもよい。スイートスポット位置決めが必要とされる場合、スイートスポット位置決めのプロセスが開始する。
【0206】
S402.サウンドバーは、第1の再生命令に基づいて予め設定された方向に第1の位置から第2の位置まで回転し、回転の過程で位置決めオーディオを再生する。
【0207】
第1の再生命令を受信した後、サウンドバーは、第1の再生命令から第1の位置および第2の位置を取得し、例えば、A-θからA+θへ、またはA+θからA-θへ、予め設定された回転方向に回転しながら、位置決めオーディオ、例えば、予め記録された雨音を再生する。
【0208】
S403.電子機器は、位置決めオーディオを受信する。
【0209】
電子機器上のマイクロフォンが位置決めオーディオを受信する。
【0210】
S404.電子機器は、位置決めオーディオに基づいて指示情報を決定する。
【0211】
サウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら回転する。したがって、電子機器のマイクロフォンによって受信された位置決めオーディオ間に音量差が存在することがある。すなわち、サウンドバーが回転する位置が電子機器から遠く離れている場合、電子機器によって受信される位置決めオーディオの音量は減少し、一方、サウンドバーが回転する位置が電子機器に近い場合、電子機器によって受信される位置決めオーディオの音量は増加する。微調整の目的は、電子機器によって受信された位置決めオーディオの音量が最大である場合に対応するサウンドバーの位置を見つけることである。音量はユーザの電子機器によって検出されるため、サウンドバーがその位置にあるとき、サウンドバーのスイートスポットはユーザの位置に正確に収まっていると考えられてもよい。
【0212】
可能な一実施態様において、電子機器は、位置決めオーディオの受信開始時点から、指定された時間間隔で、指定された時間内に受信された位置決めオーディオを検出して、音量を取得してもよい。位置決めオーディオの受信終了時点が到来すると、電子機器は、複数の取得された音量のうちの最大音量に対応する指定された時間の終了時点と受信開始時点との間の差を目標時間として決定する。電子機器は、位置決めオーディオの受信と、音量の検出とを同期させることができる。
【0213】
可能な一実施態様において、電子機器は、最大音量を取得するために位置決めオーディオを検出し、次いで、最大音量に対応する時点と位置決めオーディオの受信開始時点との間の差を目標時間として決定することができる。代替として、電子機器は、すべての位置決めオーディオを受信した後に全区間の位置決めオーディオを検出することができる。
【0214】
サウンドバーの目標位置に対応する角度値は、式(5)または(6)に従って計算されてもよい。
【0215】
第1の角度がA-θ、第2の角度がA+θである場合、目標位置に対応する角度値Bは式(5)に従って計算される:
B=(A-θ)+vt (5)
【0216】
位置決めオーディオの再生が終了すると、サウンドバーは第2の位置(対応する第2の角度はA+θである)まで回転する。したがって、サウンドバーは、第2の位置から目標位置(対応する角度はBである)まで逆方向に、すなわち、角度A+θから角度Bに回転する必要がある。式(5)に従って、サウンドバーが回転する必要のある角度は、β=2θ-vtとして計算されてもよい。
【0217】
第1の角度がA+θであり、第2の角度がA-θである場合、目標位置に対応する角度値Bは、式(6)に従って計算される:
B=(A-θ)-vt (6)
ここで、vはサウンドバーの回転速度を表し、回転速度は予め設定されてもよく、tは目標時間を表す。
【0218】
位置決めオーディオの再生が終了すると、サウンドバーは第2の位置(対応する第2の角度はA-θである)まで回転する。したがって、サウンドバーは、第2の位置から目標位置(対応する角度はBである)まで逆方向に、すなわち、角度A-θから角度Bに回転する必要がある。式(6)に従って、サウンドバーが回転する必要のある角度は、β=2θ-vtとして計算されることができる。
【0219】
前述の方法を用いて得られた目標時間に基づいて電子機器が以下のいくつかのやり方で指示情報を決定し、次いでサウンドバーがその指示情報に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度β=2θ-vtを取得することができることが知見され得る。
【0220】
(1)電子機器は、目標時間を指示情報として決定する。
【0221】
サウンドバーにおいて、前述の式における微調整角度θは、電子機器と以前に交換された情報から取得されてもよく、詳細は本明細書では再度説明されない。回転速度は、予め設定されていてもよい。目標時間は、指示情報から取得されてもよい。回転方向も、予め設定されていてもよい。したがって、サウンドバーは、これらの情報に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度βを計算することができる。
【0222】
(2)電子機器は、目標時間および予め設定された方向の逆方向を指示情報として決定する。
【0223】
サウンドバーにおいて、前述の式における微調整角度θは、電子機器と以前に交換された情報から取得されてもよく、詳細は本明細書では再度説明されない。回転速度は、予め設定されていてもよい。目標時間および回転方向(予め設定された方向の逆方向)は、指示情報から取得されてもよい。したがって、サウンドバーは、これらの情報に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度βを計算することができる。
【0224】
(3)電子機器は、目標時間、予め設定された方向の逆方向、および微調整角度を指示情報として決定する。
【0225】
サウンドバーにおいて、前述の式における微調整角度θおよび目標時間、ならびに回転方向(予め設定された方向の逆方向)はすべて、指示情報から取得されてもよい。回転速度は、予め設定されていてもよい。したがって、サウンドバーは、これらの情報に基づいてサウンドバーが回転する必要がある角度βを計算することができる。
【0226】
(4)電子機器は、予め設定された方向の逆方向および目標回転角度を指示情報として決定する。
【0227】
サウンドバーにおいて、回転方向(予め設定された方向の逆方向)は、指示情報から取得されてもよい。この場合、サウンドバーは、前述の式に従って、サウンドバーが回転する必要がある角度βを計算する必要はなく、角度は、指示情報から取得されてもよい。
【0228】
位置決めオーディオの持続時間T、目標時間t、微調整角度θ、回転速度vは互いに制約され、すなわち、微調整結果を使用することによって目標位置に対応する角度値Bが得られ、目標位置に対応する角度値Bは角度範囲[A-θ、A+θ]内に入ることが必要であることに留意されたい。したがって、-θ≦vt≦θであり、t≦Tである。
【0229】
したがって、電子機器によって決定された指示情報は、目標位置に対応する角度値Bを含むことができ、または目標時間tを含むことができ、2つの値は両方とも、サウンドバーがサウンドバーの目標位置を決定することを可能にすることができる。
【0230】
S405.電子機器は、指示情報をサウンドバーに送信する。
【0231】
S406.サウンドバーは、指示情報に基づいて目標位置まで回転する。
【0232】
指示情報は、サウンドバーが第2の位置から目標位置まで回転するように指示する機能をさらに有する。したがって、指示情報を受信した後、サウンドバーは、最初に目標位置を決定し、次いで、現在の位置から目標位置まで回転する。
【0233】
例えば、微調整の過程で、サウンドバーは、A-θに対応する位置からA+θに対応する位置まで回転する。指示情報を受信した後、サウンドバーは、A+θに対応する位置からBに対応する位置まで角度(2θ-vt)だけ逆方向に回転する。
【0234】
別の例では、微調整の過程で、サウンドバーは、A+θに対応する位置からA-θに対応する位置まで回転する。指示情報を受信した後、サウンドバーは、A-θに対応する位置からBに対応する位置まで角度(2θ-vt)だけ逆方向に回転する。
【0235】
本出願では、サウンドバーと電子機器とは互いに協働する。サウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら、一定の速度で第1の位置から第2の位置まで回転する。電子機器は、受信された位置決めオーディオに基づいて音量が最大である場合に対応するサウンドバーの位置を見つけ、サウンドバーがその位置まで回転するように制御する。このようにして、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0236】
図5は、本出願によるサウンドボックス位置調整方法のプロセス500の一例のフローチャートである。プロセス500は、
図3に示される電子機器とサウンドバーとによって一緒に実行されてもよい。プロセス500は、一連のステップまたは操作として説明される。プロセス500のステップまたは操作は、
図5に示される実行順序に限定されず、様々な順序でおよび/または同時に実行されてもよいことを理解されたい。プロセス500は、以下を含むことができる:
【0237】
S501.電子機器は、第1の再生命令をサウンドバーに送信する。
【0238】
S501については、
図4に示される実施形態におけるS401を参照されたい。詳細は、本明細書では再度説明されない。
【0239】
S502.サウンドバーは、第1の再生命令に基づいて予め設定された方向に第1の位置から第2の位置まで回転し、回転の過程で位置決めオーディオを再生する。
【0240】
S501およびS502については、
図4に示される実施形態におけるS401およびS
402を参照されたい。詳細は、本明細書では再度説明されない。違いは、ユーザの位置の計算において、ユーザの位置が複数のユーザの中心位置に変更されていることにある。
【0241】
S503.ユーザ端末は、位置決めオーディオを受信する。
【0242】
本実施形態と
図4に示される実施形態との違いは、室内のユーザの数が1から複数に変わっていることにある。この場合、室内の複数のユーザ端末のマイクロフォンがそれぞれ位置決めオーディオを受信する。ユーザ端末の位置が異なるため、受信された位置決めオーディオの最大音量に対応するサウンドバーの位置も異なる。この場合、サンプリングの時点にユーザ端末によって受信されたサウンドバーの音量の和を参照してサウンドバーの目標位置が見つけられる。
【0243】
S504.電子機器は、複数の収集されたオーディオのデータを受信する。
【0244】
ユーザ端末は、受信された位置決めオーディオを記憶し、位置決めオーディオを受信した後、位置決めオーディオをオーディオデータの形態で電子機器に送信し、電子機器は計算を行う。
【0245】
S505.電子機器は、複数の収集されたオーディオに基づいて指示情報を決定する。
【0246】
S505については、
図4に示される実施形態におけるS404を参照されたい。違いは、目標時間が、最大音量に対応する時点ではなく、最大音量の和に対応する時点に基づいて決定されることにある。
【0247】
S506.電子機器は、指示情報をサウンドバーに送信する。
【0248】
S507.サウンドバーは、指示情報に基づいて目標位置まで回転する。
【0249】
S506およびS507については、
図4に示される実施形態におけるS405およびS406を参照されたい。詳細は、本明細書では再度説明されない。
【0250】
本出願では、サウンドバーと電子機器とは互いに協働する。サウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら、一定の速度で第1の位置から第2の位置まで回転する。電子機器は、受信された複数のサンプリングされたオーディオに基づいて音量の和が最大である場合に対応するサウンドバーの位置を見つけ、サウンドバーがその位置まで回転するように制御する。このようにして、複数のユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0251】
図6は、本出願によるサウンドボックス位置調整方法のプロセス600の一例のフローチャートである。プロセス600は、
図3に示される電子機器とサウンドバーとによって一緒に実行されてもよい。プロセス600は、一連のステップまたは操作として説明される。プロセス600は、
図6に示される実行順序に限定されず、様々な順序でおよび/または同時に実行されてもよいことを理解されたい。プロセス600は、以下を含むことができる:
【0252】
S601.電子機器が、複数のサウンドバーの数に基づいて空間を複数の部分空間に分割する。
【0253】
電子機器は、サウンドバーの数に基づいて室内の空間を最初に分割し、各サウンドバーは部分空間に対応する。例えば、
図15に示されるように、3つのサウンドバーがあり、中央のサウンドバーの中心が頂点として使用される。サウンドバーの前方の水平方向の空間は、水平方向に180°の角度を均等に分割するやり方で3つのサブ空間に分割されてもよい。左部分空間は、サウンドバー1に対応し、ユーザが1人いて、中央部分空間は、サウンドバー2に対応し、ユーザが2人いて、右部分空間は、サウンドバー3に対応し、ユーザがいない。すなわち、
図15に示されるシナリオでは、3つのサウンドバーは3つの部分空間にそれぞれ対応し、部分空間内のユーザの数に基づいて、3つのサウンドバーとユーザの数との間の関係はそれぞれ、1対1の関係、1対多の関係、および1対ゼロの関係である。
【0254】
S602.電子機器は、第1の再生命令を複数のサウンドバーのそれぞれに送信する。
【0255】
S603.電子機器は、複数の指示情報を決定し、複数の指示情報は、複数のサウンドバーに対応する。
【0256】
電子機器は、空間の分割結果および部分空間内のユーザの数に基づいて各サウンドバーの目標位置を決定する。
【0257】
例えば、
図15の左部分空間において、サウンドバー1の目標位置は、
図4に示される実施形態の
S402~S404を参照して決定されてもよく、次いで、サウンドバーの指示情報が決定されてもよい。
図15の中央部分空間では、サウンドバー2の目標位置は、
図5に示される実施形態のA502~S505を参照して決定されてもよく、次いで、サウンドバーの指示情報が、決定されてもよい。違いは、複数のユーザが中央部分空間内の2人のユーザのみに限定されることにある。
図15の右側の部分空間において、サウンドバー2の目標位置は、
図5に示される実施形態の
S502~S505を参照して決定されてもよく、次いで、サウンドバーの指示情報が決定されてもよい。違いは、複数のユーザが、左部分空間、中央部分空間、および右部分空間内のすべてのユーザを含むことにある。
【0258】
S604.電子機器は、複数の指示情報をそれぞれ対応するサウンドバーに送信する。
【0259】
S605.サウンドバーは、指示情報に基づいて目標位置まで回転する。
【0260】
S604およびS605については、
図4に示される実施形態におけるS405およびS406を参照されたい。詳細は、本明細書では再度説明されない。
【0261】
本出願では、複数のサウンドバーと電子機器とは互いに協働する。複数のサウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら、一定の速度で第1の位置から第2の位置まで回転する。各サウンドバーに対して、電子機器は、対応する部分空間においてユーザの端末によって受信されたサンプリングされたオーディオの音量または音量の和が最大である場合に対応するサウンドバーの位置を見つけ、サウンドバーをその位置まで回転させるように制御する。このようにして、複数のユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0262】
図7は、本出願によるサウンドボックス位置調整方法のプロセス700の一例のフローチャートである。プロセス700は、
図3に示される電子機器とサウンドバーとによって一緒に実行されてもよい。プロセス700は、一連のステップまたは操作として説明される。プロセス700のステップまたは操作は、
図7に示される実行順序に限定されず、様々な順序でおよび/または同時に実行されてもよいことを理解されたい。プロセス700は、以下を含むことができる:
【0263】
S701.電子機器は、第1の再生命令を複数のサウンドバーのそれぞれに送信する。
【0264】
任意選択で、複数のサウンドバーは一列に配置され、複数のサウンドバーのラウドスピーカ表面はユーザに面する。
【0265】
S702.電子機器は、混合信号を受信する。
【0266】
本実施形態では、複数のサウンドバーがあり、ユーザは1人しかいない。したがって、電子機器は、複数のサウンドバーによって再生された位置決めオーディオを混合することによって取得される混合信号を受信する。
【0267】
S703.電子機器は、混合信号に基づいて複数の指示情報を決定する。
【0268】
S703については、
図4に示される実施形態におけるS404を参照されたく、違いは、電子機器が複数のサウンドバーのそれぞれの指示情報を決定し、それぞれの計算における位置が単一のサウンドバーの中心の初期位置とユーザの位置とを含むことにある。
【0269】
S704.電子機器は、複数の指示情報を対応するサウンドバーにそれぞれ送信する。
【0270】
S705.サウンドバーは、指示情報に基づいて目標位置まで回転する。
【0271】
S704およびS705については、
図4に示される実施形態におけるS405およびS406を参照されたい。詳細は、本明細書では再度説明されない。
【0272】
本出願では、複数のサウンドバーと電子機器とは互いに協働する。複数のサウンドバーは、位置決めオーディオを再生しながら、一定の速度で第1の位置から第2の位置まで回転する。電子機器は、受信された位置決めオーディオの混合信号に基づいて最大音量に対応するサウンドバーの位置を見つけ、サウンドバーをそれぞれの対応する位置まで回転させるように制御する。このようにして、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0273】
図8は、本出願によるレンダリング方法のプロセス800の一例のフローチャートである。プロセス800は、
図3に示される電子機器とサウンドバーとによって一緒に実行されてもよい。プロセス800は、一連のステップまたは操作として説明される。プロセス800のステップまたは操作は、
図8に示される実行順序に限定されず、様々な順序でおよび/または同時に実行されてもよいことを理解されたい。プロセス800は、以下を含むことができる:
【0274】
S801.電子機器は、第2の再生命令をサウンドバーに送信する。
【0275】
テストオーディオは、指定された条件を満たす全帯域オーディオである。例えば、テストオーディオは、ホワイト雑音、ピンク雑音、またはスイープ信号を含む、音圧レベルが65dB以上であり、信号対雑音比が20dB以上である全帯域オーディオであってもよい。
【0276】
S802.サウンドバーは、第2の再生命令に基づいてテストオーディオを再生する。
【0277】
S803.ユーザによって装着されたヘッドセットのマイクロフォンがテストオーディオを受信する。
【0278】
本実施形態では、サウンドバーによって再生されたテストオーディオは、ユーザによって装着されたヘッドセットのマイクロフォンによって受信される。テストオーディオを受信した後、ヘッドセットは、テストオーディオを記憶し、テストオーディオをオーディオデータの形態で電子機器に送信する。
【0279】
S804.電子機器は、収集されたオーディオのデータを受信する。
【0280】
S805.電子機器は、収集されたオーディオおよびテストオーディオに基づいてBRIRを計算する。
【0281】
電子機器は、式(7)に従ってBRIRを計算することができる:
【数17】
ここで、0≦p<Pであり、Pはユーザの数を表し、0≦k<Kであり、Kはスピーカユニットの数を表し、iが0の場合は左の耳に対応し、iが1の場合は右の耳に対応し、fは周波数を表し、H
2p+i、k(f)はk番目のスピーカユニットに対応するp番目のユーザのBRIRを表し、Y
i、p、k(f)はk番目のスピーカユニットに対応するp番目のユーザのヘッドセットの記録されたオーディオを表し、T(f)はテストオーディオを表す。
【0282】
S806.電子機器は、BRIRに基づいてサウンドバーのフィルタ係数を取得する。
【0283】
電子機器は、式(8)に従ってフィルタ係数を計算する:
C(f)=(H(f)
HH(f)+βI
k(f))
-1H(f)
HD(f) (8)
ここで、H(f)∈C
K×Kであり、H(f)は、式(7)に従って計算されたBRIRを要素として使用することによって構成された行列を表し、行列は、すべてのスピーカユニットにそれぞれ対応するすべてのユーザの部屋伝達関数をカバーし、*
Hは、共役行列を表し、I
k(f)∈C
K×Kであり、I
k(f)は、単位行列を表し、D(f)∈R
2P×Rであり、D(f)は、理想的な伝達関数を表し、Rは、サウンドチャネルの数を表し、オーディオがステレオの場合、R=2であり、
【数18】
である。
【0284】
S807.電子機器は、フィルタ係数をサウンドバーに送信する。
【0285】
S808.サウンドバーは、フィルタ係数に基づいてオーディオを処理する。
【0286】
サウンドバーは、更新されたフィルタ係数に基づいて式(9)に従って、サウンドバーによって再生されたオーディオを処理する:
X(f)=C(f)S(f) (9)
ここで、X(f)は処理されたオーディオを表し、S(f)はサウンドバーによって再生されたオーディオを表し、C(f)はフィルタ係数を表す。
【0287】
フィルタ係数は、精密スイートスポット位置決めの後に得られる。したがって、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0288】
可能な一実施態様において、電子機器は、仮想空間モードインターフェースにおいてユーザによって選択されたリスニング空間を含む仮想空間命令を受信し、リスニング空間の伝達関数を取得し、次いで、BRIRに基づいてサウンドバーのフィルタ係数を取得することができる。
【0289】
例えば、リスニング空間は「ゴールデンホール」である。電子機器は、式(10)に従ってフィルタ係数を計算する:
【数19】
ここで、H(f)∈C
K×Kであり、H(f)は、式(7)に従って計算されたBRIRを要素として使用することによって構成された行列を表し、行列は、すべてのサウンドバーにそれぞれ対応するすべてのユーザの部屋伝達関数をカバーし、*
Hは、共役行列を表し、I
k(f)∈C
K×Kであり、I
k(f)は、単位行列を表し、
【数20】
、
【数21】
は、リスニング空間(例えば、ゴールデンホール)の伝達関数を表し、Rは、サウンドチャネルの数を表し、オーディオがステレオの場合、R=2であり、
【数22】
であり、
【数23】
は、p番目のユーザによって選択されたリスニング空間を表す。
【0290】
サウンドバーは、更新されたフィルタ係数に基づいて式(11)に従って、サウンドバーによって再生されたオーディオを処理する:
【数24】
ここで、
【数25】
は処理されたオーディオを表し、S(f)はサウンドバーによって再生されたオーディオを表し、
【数26】
はフィルタ係数を表す。
【0291】
前述のフィルタ係数は、専用プライベート・カスタマイズ後に取得される。したがって、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。加えて、音場がユーザの位置にレンダリングされることができ、それによって、没入型体験をユーザに提供することができる。
【0292】
以下は、具体的な実施形態を使用することによって、本出願において提供されるサウンドボックス位置調整方法およびオーディオレンダリング方法を説明する。
【0293】
実際の部屋には、1人または複数のユーザがおり、部屋は、例えば、リビングルーム、寝室、会議室、映画館、または劇場である。各ユーザは電子機器を保持し、電子機器は、例えば、携帯電話またはタブレットコンピュータであってもよい。加えて、管理者がいる。管理者は、複数のユーザのうちの1人であってもよく、その場合、管理者も、前述の電子機器を保持する。管理者は別の人であってもよく、その場合、管理者は制御装置を保持する。制御装置は、前述の電子機器であってよく、コンピュータであってよく、またはビデオ再生機器であってよく、ビデオ再生機器は、サウンドバーを含む。
【0294】
1.Login
アプリケーション
(APP)(Huawei Visionなど)は、すべての人(1人または複数のユーザおよび管理者を含む)によって保持される機器のそれぞれにインストールされる。APPには、「一般ユーザ」と「管理者」の2つのモードがある。すべての人は、ログインインターフェース上のコントロールを使用することによって、入力されるべきモードを選択することができる。
図9は、本出願によるログインインターフェースの一例の概略図である。
図9に示されるように、ユーザ名入力領域およびパスワード入力領域に加えて、ログインインターフェースは、「一般ユーザ」コントロールおよび「管理者」コントロールをさらに含む。実際の部屋にユーザが1人しかいない場合、そのユーザは管理者であり、「管理者」コントロールがクリックされる。実際の部屋に複数のユーザがいて、複数のユーザのうちの1人が管理者である場合、「管理者」コントロールがクリックされ、他のユーザが「一般ユーザ」コントロールをクリックし、または複数のユーザがすべて一般ユーザである場合、「一般ユーザ」コントロールがクリックされ、さらに管理者(管理者は異なる部屋にいてもよい)が「管理者」コントロールをクリックする。
【0295】
2.機能選択
すべての人がそれぞれ、登録されたユーザ名/パスワードを使用してAPPにログインした後、APPは、機能選択インターフェースに入る。APPは、部屋構成、精密スイートスポット位置決め、専用プライベート・カスタマイズ、および仮想空間モードを含む4つの機能を提供する。
図10は、本出願による機能選択インターフェースの一例の概略図である。
図10に示されるように、機能選択インターフェースには、「部屋構成」、「精密スイートスポット位置決め」、「専用プライベート・カスタマイズ」、および「仮想空間モード」の4つのコントロールが表示される。
【0296】
3.部屋構成
機能選択インターフェース上の「部屋構成」コントロールがクリックされる。APPは、部屋構成インターフェースを表示する。
図11は、本出願による部屋構成インターフェースの一例の概略図である。
図11に示されるように、部屋構成インターフェースは、シミュレートされる部屋領域と入力領域とを含む。
【0297】
任意選択で、
図11に示される部屋構成インターフェースは、「管理者」モードでのみAPPに表示されてもよい。管理者モードのみのAPPは、管理者がシミュレートされる部屋領域を配置し、部屋の長さおよび幅を入力することを可能にする。この場合、管理者が設定を完了した後、「管理者」モードのAPPは、部屋構成インターフェースを使用することによって取得された入力情報を「一般ユーザ」モードのAPPに送信することができ、それにより、「一般ユーザ」モードのAPPは、シミュレートされた部屋領域およびシミュレートされた部屋領域内の配置も表示することができる。「管理者」モードのAPPおよび「一般ユーザ」モードのAPPは、両方とも同じローカルエリアネットワーク上に位置される。
【0298】
任意選択で、
図11に示される部屋構成インターフェースは、「管理者」モードのAPPに表示されてもよく、「一般ユーザ」モードのAPPにも表示されてもよい。このようにして、APPを使用する任意の人が、シミュレートされた部屋領域を配置し、部屋の長さおよび幅を入力することができる。この場合、設定を完了した後、APPは、部屋構成インターフェースを使用することによって取得された入力情報を「管理者」モードのAPPに送信することができ、それにより、「管理者」モードのAPPは、入力情報を統合し、同一の家電(例えば、サウンドバー)の位置を決定して、異なる人の入力誤差を排除する。
【0299】
部屋構成インターフェースの入力領域は、実際の部屋の長さ(例えば、6m)および幅(例えば、4m)を入力するために使用される。シミュレートされた部屋領域は、領域内の実際の部屋の配置をシミュレートするために管理者またはユーザによって使用される。例えば、リビングルームでは、サウンドバーを備えたテレビがテレビの壁の隣に配置され、ソファーがテレビの真向かいに配置される。この配置に基づいて管理者またはユーザは、アイコンを使用して、シミュレートされた部屋領域の上側付近のテレビを識別する(サウンドバーも識別する)ことができる。このアイコンは、テレビの2Dまたは3Dモデル、概略図、または点(点はサウンドバーの中心に対応する)であってもよい。シミュレートされた部屋領域の下側付近の、テレビに正対する位置にあるソファーを識別するためにアイコンが使用される。このアイコンは、同様に、ソファーの2Dまたは3Dモデル、棒形状の概略図、または点(点はソファーの中心に対応する)であってもよい。例えば、ユーザがテレビをクリックすると、APPは、シミュレートされた部屋領域にテレビの概略図を表示し、ユーザは、テレビの概略図をテレビの実際の位置に対応するシミュレートされた部屋領域の位置にドラッグし、ユーザがソファーをクリックすると、APPは、シミュレートされた部屋領域にソファーの概略図を表示し、ユーザは、ソファーの概略図をソファーの実際の位置に対応するシミュレートされた部屋領域の位置にドラッグする。
【0300】
シミュレートされた部屋領域において実際の家具を識別するやり方は、本出願では特に限定されないことに留意されたい。加えて、シミュレートされた部屋領域では、サウンドバーのアイコンの数および位置が、実際の部屋のサウンドバーの数および位置と一致している必要があること以外は、シミュレートされた部屋領域にそれぞれの他の家具のアイコンが表示されるかどうかは、ユーザの操作に依存する。例えば、ユーザは、ソファーを識別するアイコンをシミュレートされた部屋領域に配置してもよく、またはソファーを識別するアイコンを配置しなくてもよい。
【0301】
4.精密スイートスポット位置決め
機能選択インターフェース上の「精密スイートスポット位置決め」コントロールがクリックされる。APPは、精密スイートスポット位置決めインターフェースを表示する。
図12a~
図12mは、本出願による精密スイートスポット位置決めインターフェースのいくつかの例の概略図である。精密スイートスポット位置決めインターフェースは、シミュレートされた部屋領域を含み、その領域に表示されるアイコンは、部屋構成インターフェースにおいてユーザによって設定される。
【0302】
シナリオ1:部屋に1つのサウンドバーおよび1人のユーザが存在する。
【0303】
上記ユーザは管理者であり、管理者は制御装置を保持している。制御装置は、例えば、携帯電話であり、携帯電話にインストールされたAPPは、「管理者」モードに入る。
【0304】
図12aに示されるように、ユーザは、室内のユーザの位置に基づいて、シミュレートされた部屋領域内の対応する位置をクリックし、APPは、対応する位置に識別子(例えば、笑顔)を表示し、ユーザがそこにいることを示す。
【0305】
実際の部屋の座標系は第1の座標系であり、シミュレートされた部屋の座標系は第2の座標系である。2つの座標系の比は100:1である。各原点(0、0)は、サウンドバー付近の壁(テレビ壁)の左端点である。原点から右に向かう方向がx軸正方向であり、原点から下に向かう方向がy軸正方向である。
【0306】
例えば、部屋の実際の長さおよび幅は、それぞれ6mおよび4mであり、シミュレートされた部屋の長さおよび幅は、それぞれ0.06mおよび0.04mである。サウンドバーの中心が上辺の中央にある場合、すなわち、第2の座標系において、サウンドバーの中心の座標が(0.03、0)である場合、第1の座標系におけるサウンドバーの中心の座標は(3、0)として計算されてもよい。ソファーの中心が下辺の中央にある場合、すなわち、第2の座標系において、ソファーの中心の座標が(0.03、0.04)である場合、第1の座標系におけるソファーの中心の座標は、(3、4)として計算されてもよい。
【0307】
したがって、シミュレートされた部屋領域内のサウンドバーの中心およびユーザの位置に基づいて、ならびにシミュレートされた部屋領域の辺の長さと部屋の実際の長さおよび幅との間の比例関係に基づいてAPPは、第1の座標系におけるユーザの位置の座標(xc、yc)およびサウンドバーの中心の座標(xs0、ys0)を取得することができる。
【0308】
APPは、ユーザの位置の座標(xc、yc)およびサウンドバーの中心の座標(xs0、ys0)に基づいて初期水平角度Aを計算し、初期水平角度Aに対応する夾角の頂点はサウンドバーの中心であり、夾角の一辺はサウンドバーに垂直であり、夾角のもう一辺はユーザの位置とサウンドバーの中心との間の接続線である。ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の接続線がサウンドバーに垂直な辺の右に位置されるとき、初期水平角度Aの値は正であり、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の接続線がサウンドバーに垂直な辺の左に位置されるとき、初期水平角度Aの値は負であることに留意されたい。
【0309】
例えば、
図13に示されるように、以下の方法に基づいて初期水平角度Aが計算されてもよい。
【0310】
ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の直線距離dは、式(1)に従って計算される:
【数27】
【0311】
次いで、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の垂直距離hは、式(2)に従って計算される:
h=|yc-ys0| (2)
【0312】
次いで、直線距離dおよび垂直距離hに基づいて式(3)に従って初期水平角度Aが計算される:
【数28】
【0313】
微調整角度θに対応する夾角の一辺は、ユーザの位置とサウンドバーの中心との間の接続線である。例えば、
図13に示されるように、微調整角度θは、式(4)に従って直線距離dおよび垂直距離hに基づいて計算されてもよい:
【数29】
ここで、wは両耳間距離の2倍を表し、wは予め設定された固定値であってもよく、またはユーザによって予め設定されてもよい。
【0314】
ユーザは、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「OK」コントロールをクリックし、APPは、計算された初期水平角度Aおよび微調整角度θを命令の形態でサウンドバーに送信する。
【0315】
命令を受信した後、サウンドバーは、角度A-θまたはA+θまで回転することができる。
【0316】
図12bに示されるように、ユーザは、携帯電話を保持して、室内の前述の位置(
図12aの笑顔に対応する位置)に静止しており、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「微調整」制御をクリックする。APPは、サウンドバーに、微調整を開始するように命令する再生命令を送信する。任意選択で、APPは、シミュレートされた部屋領域に、A-θまたはA+θだけ回転するサウンドバーを表示することができる。
【0317】
再生命令を受信した後、サウンドバーは、予め取得されて、ローカルに記憶された位置決めオーディオ(例えば、雨音)の再生を開始し、位置決めオーディオを再生する過程において、第1の角度から第2の角度まで一定の速度vで回転する。第1の角度および第2の角度は、それぞれA-θおよびA+θ、またはA+θおよびA-θである。具体的には、第1の角度はA-θであり、第2の角度はA+θであり、または第1の角度はA+θであり、第2の角度はA-θである。
【0318】
ユーザの携帯電話のマイクロフォンは、記録されたオーディオを受信する。
【0319】
可能な一実施態様において、APPは、記録されたオーディオの開始時点から、指定された時間間隔で、指定された時間内に受信された記録されたオーディオを検出して、音量を取得することができる。記録されたオーディオの終了時点が到来すると、APPは、複数の取得された音量のうちの最大音量に対応する指定された時間の終了時点と受信開始時点との間の差を目標時間として決定する。例えば、APPは、記録されたオーディオの開始時点を0msとして記録し、初期最大音量を0として記録し、指定された時間間隔(例えば、1ms)後の時点を1msとして記録し、1ms内に受信された記録されたオーディオを検出して、時点1msに対応する音量を取得し(例えば、1ms内に受信された記録されたオーディオに対してサンプリング検出を行って、複数の音量値を取得し、次いで、複数の音量値を平均する)、最大音量を時点1msにおける音量として記録し、1msの間隔後の時点を2msとして記録し、1ms内に受信された記録されたオーディオを検出して、時点2msに対応する音量を取得し、時点2msにおける音量を現在の最大音量と比較し、大きい方の音量を最大音量として選択する。類推によって、記録されたオーディオの終了時点(例えば、時点10ms)が到来すると、APPは、最大音量に対応する時点(例えば、時点3ms)を取得し、時点3msと受信開始時点0msとの間の差を計算し、その差を目標時間として決定する。
【0320】
可能な一実施態様において、APPは、記録されたオーディオを検出して最大音量を取得し、最大音量に対応する時点と記録されたオーディオの開始時点との間の差を目標時間として決定する。例えば、APPは、合計10msの記録されたオーディオを受信し、記録されたオーディオに対してサンプリング検出を行って、複数の時点における音量、例えば、1msにおける音量、2msにおける音量、...、10msにおける音量を取得し、これらの音量を比較して最大音量を取得し、次いで、最大音量に対応する時点(例えば、3ms)と受信開始時点0msとの間の差を目標時間として決定する。
【0321】
APPは、目標時間、初期水平角度A、および微調整角度θに基づいて目標水平角度Bを計算することができる。計算に使用される式は、サウンドバーの回転方向に関連される。
【0322】
第1の角度がA-θであり、第2の角度がA+θである場合、目標水平角度Bは、式(5)に従って計算される:
B=(A-θ)+vt (5)
【0323】
第1の角度がA+θであり、第2の角度がA-θである場合、目標水平角度Bは、式(6)に従って計算される:
B=(A-θ)-vt (6)
ここで、vは回転速度を表し、tは目標時間を表す。
【0324】
記録されたオーディオの持続時間T、目標時間t、微調整角度θ、および回転速度vは、互いに制約され、すなわち、微調整の目的は、目標水平角度Bを取得することであり、目標水平角度Bは、角度範囲[A-θ、A+θ]内に入る必要があることに留意されたい。したがって、-θ≦vt≦θであり、t≦Tである。
【0325】
図12cに示されるように、目標水平角度Bを取得した後、APPは、目標水平角度Bをサウンドバーに送信する。任意選択で、APPは、シミュレートされた部屋領域に、目標水平角度Bだけ回転するサウンドバーを表示し、精密スイートスポット位置決めインターフェース上にポップアップウィンドウを表示することができ、ポップアップウィンドウに「微調整完了」というテキストが表示される。
【0326】
目標水平角度Bを受信した後、サウンドバーは、目標水平角度Bに到達するように回転する。この場合、サウンドバーのスイートスポットは、ちょうどユーザの位置である。この目的を達成するために、サウンドバーは、回転前の角度に基づいて回転方向および回転角度を決定することができる。例えば、サウンドバーが微調整中にA-θからA+θに回転する場合、サウンドバーはA+θから逆方向に回転し、回転角は(A+θ)-B=2θ-vtであり、サウンドバーが微調整中にA+θからA-θに回転する場合、サウンドバーはA-θから逆方向に回転し、回転角はB-(A-θ)=2θ-vtである。
【0327】
以上で、精密スイートスポット位置決め機能が完了される。その後、ユーザが移動しない限り、サウンドバーによって再生されるステレオサウンド(例えば、テレビまたは映画のサウンド)は、ユーザの位置において最適なリスニング効果を形成する。
【0328】
シナリオ2:室内にサウンドバーおよび複数のユーザが存在する。
【0329】
上記複数のユーザの1人は管理者であり、管理者は制御装置を保持している。制御装置は、例えば、携帯電話である。管理者の携帯電話にインストールされたAPPは、「管理者」モードに入る。管理者以外の他のユーザは電子機器を所持しており、その電子機器も例えば携帯電話である。別のユーザの携帯電話にインストールされたAPPは、「一般ユーザ」モードに入る。
【0330】
図12aに示されるように、ユーザ(複数のユーザのうちの任意の1人)は、室内のユーザの位置に基づいて、シミュレートされた部屋領域内の対応する位置をクリックし、ユーザのAPPは、ユーザがそこにいることを示す識別子(例えば、笑顔)を対応する位置に表示する。ユーザは、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「OK」コントロールをクリックし、APPは、第2の座標系におけるユーザの識別子の位置の座標を管理者のAPPに送信する。
【0331】
前述の複数のユーザすべてが前述の操作を実行してもよい。したがって、複数のユーザのAPPはすべて、対応するユーザの位置を示すために、シミュレートされた部屋領域に識別子(例えば、笑顔)を表示し、管理者とは異なるすべての他のユーザのAPPは、第2の座標系におけるそれぞれの識別子の位置の座標を管理者のAPPに送信する。
【0332】
図12dに示されるように、管理者の識別子を表示することに加えて、管理者のAPPは、すべての他のユーザ(例えば、ユーザ1~ユーザ3)の識別子をさらに表示する。すなわち、すべての他のユーザのAPPによって送信された座標を受信した後、管理者のAPPは、シミュレートされた部屋領域内の前述の座標に対応する位置に識別子(例えば、笑顔)を表示する。
【0333】
管理者のAPPは、シナリオ1の式(1)~(4)に従って初期水平角度Aおよび微調整角度θを取得することができる。違いは、式(1)および(2)における座標(x
c、y
c)が、複数のユーザの中心位置を表していることにある。この場合、
【数30】
であり、ここで、Pは、複数のユーザの数を表し、(x
i、y
i)は、複数のユーザのうちのi番目のユーザの位置の座標であり、1≦i≦Pである。
【0334】
図14に示されるように、シナリオ2では、初期水平角度Aに対応する夾角の頂点はサウンドバーの中心であり、夾角の一辺はサウンドバーに垂直であり、夾角のもう一辺は複数のユーザの中心位置とサウンドバーの中心との間の接続線であることが知見され得る。
【0335】
管理者は、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「OK」コントロールをクリックし、管理者のAPPは、計算された初期水平角度Aおよび微調整角度θをサウンドバーに命令の形態で送信する。
【0336】
命令を受信した後、サウンドバーは、角度A-θまたはA+θまで回転することができる。
【0337】
複数のユーザが携帯電話を保持して、室内の選択された位置(
図12aの笑顔に対応する位置)に静止している。
図12bに示されるように、管理者は、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「微調整」コントロールをクリックし、管理者のAPPは、サウンドバーに、微調整を開始するように命令する再生命令を送信する。任意選択で、複数のユーザのAPPはそれぞれ、シミュレートされた部屋領域に、A-θまたはA+θだけ回転するサウンドバーを表示することができる。
【0338】
再生命令を受信した後、サウンドバーは、予め取得されて、ローカルに記憶された位置決めオーディオ(例えば、雨音)の再生を開始し、位置決めオーディオを再生する過程において、第1の角度から第2の角度まで一定の速度vで回転する。第1の角度および第2の角度は、それぞれA-θおよびA+θ、またはA+θおよびA-θである。具体的には、第1の角度はA-θであり、第2の角度はA+θであり、または第1の角度はA+θであり、第2の角度はA-θである。
【0339】
複数のユーザの携帯電話のマイクロフォンはすべて、記録されたオーディオを受信する。任意選択で、管理者とは異なるすべての他のユーザのAPPは、それぞれ取得された収集されたオーディオを管理者のAPPに送信する。管理者のAPPは、すべての他のユーザのAPPからの記録されたオーディオと管理者の携帯電話のマイクロフォンによって受信された記録されたオーディオとを検出し、各サンプリング時点における各記録されたオーディオの音量を取得し、各サンプリング時点における音量の和を計算し、次いで、最大音量の和に対応するサンプリング時点を決定して、目標時間を取得する。管理者のAPPは、シナリオ1の説明を参照して、記録されたオーディオの音量を検出し、取得することができる。任意選択で、複数のユーザのAPPは、受信された記録されたオーディオを別々に検出して、各サンプリング時点における音量を取得する。次いで、管理者とは異なるすべての他のユーザのAPPは、APPによってそれぞれ取得されたサンプリング時点における音量を管理者のAPPに送信する。管理者のAPPは、各サンプリング時点における音量の和を計算し、次いで、最大音量の和に対応するサンプリング時点を決定して、目標時間を取得する。複数のユーザのAPPも、シナリオ1の説明を参照して、記録されたオーディオの音量を検出し、取得することができる。
【0340】
管理者のAPPは、シナリオ1の式(5)~(6)に従って目標水平角度Bを計算することができる。
【0341】
図12cに示されるように、目標水平角度Bを取得した後、管理者のAPPは、目標水平角度Bをサウンドバーに送信する。任意選択で、管理者のAPPは、シミュレートされた部屋領域に、目標水平角度Bだけ回転するサウンドバーを表示し、精密スイートスポット位置決めインターフェース上にポップアップウィンドウを表示することができ、ポップアップウィンドウに「微調整完了」というテキストが表示される。
【0342】
任意選択で、管理者のAPPは、目標水平角度Bをすべての他のユーザのAPPに送信することもできる。このようにして、複数のユーザのAPPはそれぞれ、シミュレートされた部屋領域に、目標水平角度Bだけ回転するサウンドバーを表示し、精密スイートスポット位置決めインターフェース上にポップアップウィンドウを表示することができ、ポップアップウィンドウに「微調整完了」というテキストが表示される。
【0343】
目標水平角度Bを受信した後、サウンドバーは、目標水平角度Bに到達するように回転する。この場合、サウンドバーのスイートスポットは、複数のユーザの中心位置である。
【0344】
以上で、精密スイートスポット位置決め機能が完了される。その後、複数のユーザが移動しない限り、サウンドバーによって再生されるステレオ(例えば、テレビまたは映画のサウンド)は、複数のユーザの中心位置において最適なリスニング効果を形成する。
【0345】
シナリオ3:室内に複数のサウンドバーおよび複数のユーザが存在する。
【0346】
前述の複数のユーザは、電子機器を保持する。電子機器は、例えば、携帯電話である。複数のユーザの携帯電話にインストールされたAPPは、「一般ユーザ」モードに入る。加えて、管理者が存在し、管理者は制御装置を保持している。制御装置は、例えば、タブレットコンピュータである。管理者のタブレットコンピュータにインストールされたAPPは、「管理者」モードに入る。
【0347】
図12eに示されるように、ユーザ(複数のユーザのうちの任意の1人)は、室内のユーザの位置に基づいて、シミュレートされた部屋領域内の対応する位置をクリックし、ユーザのAPPは、ユーザがそこにいることを示す識別子(例えば、笑顔)を対応する位置に表示する。ユーザは、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「OK」コントロールをクリックし、APPは、第2の座標系におけるユーザの識別子の位置の座標を管理者のAPPに送信する。
【0348】
前述の複数のユーザすべてが前述の操作を実行してもよい。したがって、複数のユーザのAPPはすべて、対応するユーザの位置を示すために、シミュレートされた部屋領域に識別子(例えば、笑顔)を表示し、複数のユーザのAPPは、第2の座標系におけるそれぞれの識別子の位置の座標を管理者のAPPに送信する。
【0349】
図12fに示されるように、管理者のAPPは、複数のユーザ(例えば、ユーザ1~ユーザ3)の識別子をシミュレートされた部屋領域に表示する。すなわち、複数のユーザのAPPによって送信された座標を受信した後、管理者のAPPは、シミュレートされた部屋領域内の前述の座標に対応する位置に識別子(例えば、笑顔)を表示する。
【0350】
管理者のAPPは、サウンドバーの数に基づいて室内の空間を最初に分割し、各サウンドバーは部分空間に対応する。例えば、
図15に示されるように、3つのサウンドバーがあり、中央のサウンドバーの中心が頂点として使用される。サウンドバーの前方の水平方向の空間は、水平方向に180°の角度を均等に分割するやり方で3つのサブ空間に分割されてもよい。左部分空間は、サウンドバー1に対応し、ユーザが1人いて、中央部分空間は、サウンドバー2に対応し、ユーザが2人いて、右部分空間は、サウンドバー3に対応し、ユーザがいない。すなわち、
図15に示されるシナリオでは、3つのサウンドバーは3つの部分空間にそれぞれ対応し、部分空間内のユーザの数に基づいて、3つのサウンドバーとユーザの数との間の関係はそれぞれ、1対1の関係、1対多の関係、および1対ゼロの関係である。管理者のAPPは、3つのサウンドバーのスイートスポットを順番に決定する。
【0351】
管理者のAPPは、シナリオ1における式(1)~(4)に従って、サウンドバー1の初期水平角度A1および微調整角度θ1を取得することができる。違いは、式(1)および(2)における座標(x
s0、y
s0)がサウンドバー1の中心を表していることにある。管理者のAPPは、シナリオ2において説明された方法を使用することによって、サウンドバー2の初期水平角度A2および微調整角度θ2を取得することができる。違いは、式(1)および(2)における座標(x
s0、y
s0)がサウンドバー2の中心を表し、座標(x
c、y
c)がサウンドバー2に対応する中央部分空間内の2人のユーザの中心位置を表していることにある。この場合、
【数31】
であり、ここで、Pは2であり、(x
i、y
i)は、サウンドバー2に対応する中央部分空間内の2人のユーザのうちのi番目のユーザの位置の座標であり、1≦i≦Pである。管理者のAPPも、シナリオ2において説明された方法を使用することによって、サウンドバー3の初期水平角度A3および微調整角度θ3を取得することができる。違いは、式(1)および(2)における座標(x
s0、y
s0)がサウンドバー3の中心を表し、座標(x
c、y
c)が室内のすべてのユーザの中心位置を表していることにある。この場合、
【数32】
であり、ここで、Pは、すべてのユーザの数(P=3)を表し、(x
i、y
i)は、すべてのユーザのうちのi番目のユーザの位置の座標であり、1≦i≦Pである。
【0352】
管理者は、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「OK」コントロールをクリックし、管理者のAPPは、計算されたサウンドバー1の初期水平角度A1および微調整角度θ1をサウンドバー1に命令の形態で送信し、計算されたサウンドバー2の初期水平角度A2および微調整角度θ2をサウンドバー2に命令の形態で送信し、計算されたサウンドバー3の初期水平角度A3および微調整角度θ3をサウンドバー3に命令の形態で送信する。
【0353】
命令を受信した後、サウンドバー1は、角度A1-θ1またはA1+θ1まで回転することができる。
【0354】
命令を受信した後、サウンドバー2は、角度A2-θ2またはA2+θ2まで回転することができる。
【0355】
命令を受信した後、サウンドバー3は、角度A3-θ3またはA3+θ3まで回転することができる。
【0356】
複数のユーザが携帯電話を保持して、室内の選択された位置(
図12eの笑顔に対応する位置)に静止している。
図12gに示されるように、管理者は、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「微調整」コントロールをクリックし、管理者のAPPは、サウンドバー1~3に、微調整を開始するように命令する再生命令を送信する。任意選択で、複数のユーザのAPPはそれぞれ、シミュレートされた部屋領域に、A1-θ1またはA1+θ1だけ回転するサウンドバー1、A2-θ2またはA2+θ2だけ回転するサウンドバー2、およびA3-θ3またはA3+θ3だけ回転するサウンドバー3を表示することができる。
【0357】
再生命令を受信した後、サウンドバー1は、予め取得された、ローカルに記憶された位置決めオーディオ(例えば、雨音)の再生を開始し、位置決めオーディオを再生する過程において、第1の角度から第2の角度まで一定の速度vで回転する。第1の角度および第2の角度は、それぞれ、A1-θ1およびA1+θ1またはA1+θ1およびA1-θ1である。具体的には、第1の角度はA1-θ1であり、第2の角度はA1+θ1であり、または第1の角度はA1+θ1であり、第2の角度はA1-θ1である。
【0358】
左部分空間内のユーザの携帯電話のマイクロフォンは、記録されたオーディオを受信し、記録されたオーディオを管理者のAPPに送信する。管理者のAPPは、シナリオ2の説明を参照して、サウンドバー1の目標水平角度B1を取得することができる。
【0359】
再生命令を受信した後、サウンドバー2は、予め取得された、ローカルに記憶された位置決めオーディオ(例えば、雨音)の再生を開始し、位置決めオーディオを再生する過程において、第1の角度から第2の角度まで一定の速度vで回転する。第1の角度および第2の角度は、それぞれ、A2-θ2およびA2+θ2、またはA2+θ2およびA2-θ2である。具体的には、第1の角度はA2-θ2であり、第2の角度はA2+θ2であり、または第1の角度はA2+θ2であり、第2の角度はA2-θ2である。
【0360】
中央部分空間内のユーザの携帯電話のマイクロフォンは、記録されたオーディオを受信し、記録されたオーディオを管理者のAPPに送信する。管理者のAPPは、シナリオ2の説明を参照して、サウンドバー2の目標水平角度B2を取得することができる。
【0361】
再生命令を受信した後、サウンドバー3は、予め取得された、ローカルに記憶された位置決めオーディオ(例えば、雨音)の再生を開始し、位置決めオーディオを再生する過程において、第1の角度から第2の角度まで一定の速度vで回転する。第1の角度および第2の角度は、それぞれ、A3-θ3およびA3+θ3またはA3+θ3およびA3-θ3である。具体的には、第1の角度はA3-θ3であり、第2の角度はA3+θ3であり、または第1の角度はA3+θ3であり、第2の角度はA3-θ3である。
【0362】
室内のすべてのユーザの携帯電話のマイクロフォンは、記録されたオーディオを受信し、記録されたオーディオを管理者のAPPに送信する。管理者のAPPは、シナリオ2の説明を参照して、サウンドバー3の目標水平角度B3を取得することができる。
【0363】
図12gに示されるように、目標水平角度B1~B3を取得した後、管理者のAPPは、目標水平角度B1をサウンドバー1に送信し、目標水平角度B2をサウンドバー2に送信し、目標水平角度B3をサウンドバー3に送信する。任意選択で、管理者のAPPは、シミュレートされた部屋領域に、目標水平角度B1だけ回転するサウンドバー1、目標水平角度B2だけ回転するサウンドバー2、および目標水平角度B3だけ回転するサウンドバー3を表示し、精密スイートスポット位置決めインターフェース上にポップアップウィンドウを表示することができ、ポップアップウィンドウに「微調整完了」というテキストが表示される。
【0364】
サウンドバー1は、目標水平角度B1を受信した後、目標水平角度B1に到達するように回転する。この場合、サウンドバー1のスイートスポットは、左部分空間内のユーザの位置である。
【0365】
サウンドバー2は、目標水平角度B2を受信した後、目標水平角度B2に到達するように回転する。この場合、サウンドバー2のスイートスポットは、中央部分空間内の2人のユーザの中心位置である。
【0366】
サウンドバー3は、目標水平角度B3を受信した後、目標水平角度B3に到達するように回転する。この場合、サウンドバー3のスイートスポットは、室内のすべてのユーザの中心位置である。
【0367】
以上で、精密スイートスポット位置決め機能が完了される。その後、複数のユーザが移動しない限り、複数のサウンドバーによって再生されるステレオ音(例えば、テレビまたは映画のサウンド)は、それぞれ、それぞれの対応する部分空間内のユーザに関連付けられた位置において最適なリスニング効果を形成する。
【0368】
シナリオ4:室内に複数のサウンドバーおよび1人のユーザが存在する。
【0369】
上記ユーザは管理者であり、管理者は制御装置を保持している。制御装置は、例えば、携帯電話であり、携帯電話にインストールされたAPPは、「管理者」モードに入る。
【0370】
図12eに示されるように、ユーザは、室内のユーザの位置に基づいて、シミュレートされた部屋領域内の対応する位置をクリックし、APPは、ユーザがそこにいることを示す識別子(例えば、笑顔)を対応する位置に表示する。
【0371】
図16に示されるように、ユーザのAPPは、シナリオ1の式(1)~(4)に従って、サウンドバー1の初期水平角度A1および微調整角度θ1、サウンドバー2の初期水平角度A2および微調整角度θ2、ならびにサウンドバー3の初期水平角度A3および微調整角度θ3を別々に取得することができる。違いは、サウンドバー1については、式(1)および式(2)における座標(x
s0、y
s0)がサウンドバー1の中心を表し、サウンドバー2については、式(1)および式(2)における座標(x
s0、y
s0)がサウンドバー2の中心を表し、サウンドバー3については、式(1)および式(2)における座標(x
s0、y
s0)がサウンドバー3の中心を表すことにある。
【0372】
ユーザは、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「OK」コントロールをクリックし、ユーザのAPPは、計算されたサウンドバー1の初期水平角度A1および微調整角度θ1を命令の形態でサウンドバー1に送信し、計算されたサウンドバー2の初期水平角度A2および微調整角度θ2を命令の形態でサウンドバー2に送信し、計算されたサウンドバー3の初期水平角度A3および微調整角度θ3を命令の形態でサウンドバー3に送信する。
【0373】
命令を受信した後、サウンドバー1は、角度A1-θ1またはA1+θ1まで回転することができる。
【0374】
命令を受信した後、サウンドバー2は、角度A2-θ2またはA2+θ2まで回転することができる。
【0375】
命令を受信した後、サウンドバー3は、角度A3-θ3またはA3+θ3まで回転することができる。
【0376】
ユーザが携帯電話を保持して、室内の選択された位置(
図12eの笑顔に対応する位置)に静止している。
図12iに示されるように、ユーザは、精密スイートスポット位置決めインターフェース上の「微調整」コントロールをクリックし、ユーザのAPPは、サウンドバー1~3に、微調整を開始するように命令する再生命令を送信する。任意選択で、ユーザのAPPは、シミュレートされた部屋領域に、A1-θ1またはA1+θ1だけ回転するサウンドバー1、A2-θ2またはA2+θ2だけ回転するサウンドバー2、およびA3-θ3またはA3+θ3だけ回転するサウンドバー3を表示することができる。
【0377】
再生命令を受信した後、サウンドバー1は、予め取得された、ローカルに記憶された位置決めオーディオ(例えば、雨音)の再生を開始し、位置決めオーディオを再生する過程において、第1の角度から第2の角度まで一定の速度vで回転する。第1の角度および第2の角度は、それぞれ、A1-θ1およびA1+θ1またはA1+θ1およびA1-θ1である。具体的には、第1の角度はA1-θ1であり、第2の角度はA1+θ1であり、または第1の角度はA1+θ1であり、第2の角度はA1-θ1である。
【0378】
再生命令を受信した後、サウンドバー2は、予め取得された、ローカルに記憶された位置決めオーディオ(例えば、雨音)の再生を開始し、位置決めオーディオを再生する過程において、第1の角度から第2の角度まで一定の速度vで回転する。第1の角度および第2の角度は、それぞれ、A2-θ2およびA2+θ2、またはA2+θ2およびA2-θ2である。具体的には、第1の角度はA2-θ2であり、第2の角度はA2+θ2であり、または第1の角度はA2+θ2であり、第2の角度はA2-θ2である。
【0379】
再生命令を受信した後、サウンドバー3は、予め取得された、ローカルに記憶された位置決めオーディオ(例えば、雨音)の再生を開始し、位置決めオーディオを再生する過程において、第1の角度から第2の角度まで一定の速度vで回転する。第1の角度および第2の角度は、それぞれ、A3-θ3およびA3+θ3またはA3+θ3およびA3-θ3である。具体的には、第1の角度はA3-θ3であり、第2の角度はA3+θ3であり、または第1の角度はA3+θ3であり、第2の角度はA3-θ3である。
【0380】
前述の3つのサウンドバーは、位置決めオーディオを同時に再生し、同時に回転を開始する。
【0381】
ユーザの携帯電話のマイクロフォンは、記録されたオーディオを受信する。ユーザのAPPは、シナリオ1の説明を参照して、記録されたオーディオの音量を取得および検出し、最大音量に対応する時点を決定し、その時点と記録されたオーディオの開始時点との間の差を目標時間として決定し、次いで、シナリオ1の式(5)または(6)を使用することによって、3つのサウンドバーの目標水平角度B1~B3を別々に計算することができる。
【0382】
図12jに示されるように、目標水平角度B1~B3を取得した後、ユーザのAPPは、目標水平角度B1をサウンドバー1に送信し、目標水平角度B2をサウンドバー2に送信し、目標水平角度B3をサウンドバー3に送信する。任意選択で、ユーザのAPPは、シミュレートされた部屋領域に、目標水平角度B1だけ回転するサウンドバー1、目標水平角度B2だけ回転するサウンドバー2、および目標水平角度B3だけ回転するサウンドバー3を表示し、精密スイートスポット位置決めインターフェース上にポップアップウィンドウを表示することができ、ポップアップウィンドウに「微調整完了」というテキストが表示される。
【0383】
目標水平角度B1を受信した後、サウンドバー1は、目標水平角度B1に到達するように回転し、目標水平角度B2を受信した後、サウンドバー2は、目標水平角度B2に到達するように回転し、目標水平角度B3を受信した後、サウンドバー3は、目標水平角度B3に到達するように回転する。この場合、サウンドバー1、サウンドバー2、サウンドバー3の各スイートスポットがユーザの位置である。
【0384】
以上で、精密スイートスポット位置決め機能が完了される。その後、ユーザが移動しない限り、複数のサウンドバーによって再生されるステレオサウンド(例えば、テレビまたは映画のサウンド)は、ユーザの位置において最適なリスニング効果を形成する。
【0385】
任意選択で、精密スイートスポット位置決めインターフェースの右上に「設定」コントロールがある。
図12kに示されるように、ユーザは、「設定」コントロールをクリックする。操作によって生成された命令を受信した後、APPは、精密スイートスポット位置決めインターフェース上にドロップダウンメニューを表示する。ドロップダウンメニューは、2つの項目、すなわち「最大回転角度測定」および「ユーザ定義微調整角度」を有する。
【0386】
ユーザは、「最大回転角度測定」の項目をクリックする。操作によって生成された命令を受信した後、APPは、最大回転角測定命令をサウンドバーに送信する。サウンドバーは、最大回転角度測定命令に基づいて水平方向に回転し始め、壁に接触すると回転を停止し、回転の停止に対応する角度Mを最大回転角度として記録する。サウンドバーは、最大回転角度MをAPPに送信する。APPは、最大回転角度Mに基づいて初期水平角度Aを制限する。具体的には、計算された初期水平角度Aが最大回転角度Mよりも大きい場合、初期水平角度Aは最大回転角度Mに修正され、または、計算された初期水平角度Aが最大回転角度M以下である場合、初期水平角度Aは変更されないままである。さらに、APPは、最大回転角度Mに基づいて微調整角度θを制限する。具体的には、計算された微調整角度θがM-Aよりも大きい場合、微調整角度θはM-Aに修正され、または、計算された微調整角度θがM-A以下である場合、微調整角度θは変更されないままである。
【0387】
APPは、ユーザが部屋構成を実行するたびに1回、最大回転角度Mを取得するプロセスをさらに能動的に実行することができることに留意されたい。
【0388】
ユーザは、「ユーザ定義微調整角度」の項目をクリックし、その項目にユーザによって指定された微調整角度θの値を入力する。操作によって生成された命令を受信した後、APPは、ユーザによって入力された値を微調整角度θとして決定する。具体的には、本出願における微調整角度θは、式(4)に従って計算されてもよく、または「ユーザ定義微調整角度」の項目にユーザによって入力することによって取得されてもよい。
【0389】
5.専用プライベート・カスタマイズ
機能選択インターフェース上の「専用プライベート・カスタマイズ」コントロールがクリックされる。APPは、専用プライベート・カスタマイズ・インターフェースを表示する。
図17a~
図17dは、本出願による専用プライベート・カスタマイズ・インターフェースのいくつかの例の概略図である。専用プライベート・カスタマイズ・インターフェースは、シミュレートされた部屋領域を含み、その領域に表示される家具モデルは、部屋構成インターフェースにおいてユーザによって設定される。
【0390】
可能な一実施態様において、専用プライベート・カスタマイズ機能が有効にされる。APPは、精密スイートスポット位置決めのプロセスを最初に実行して、目標水平角度Bを取得し、シミュレートされた部屋領域内のサウンドバーの角度を目標水平角度Bまで回転させることができる。APPは、目標水平角度Bをサウンドバーに送信し、それにより、サウンドバーも目標水平角度Bまで回転する。
【0391】
可能な一実施態様において、専用プライベート/カスタマイゼーション機能を有効にする前に、APPは、精密スイートスポット位置決め機能を最初に完了する必要がある。例えば、ユーザが機能選択インターフェース上の「専用プライベート・カスタマイズ」コントロールをクリックした場合、APPは、機能選択インターフェース上の「専用プライベート・カスタマイズ」コントロールをクリックする前に、ユーザが機能選択インターフェース上の「精密スイートスポット位置決め」コントロールをクリックしたかどうかを最初に決定する。ユーザが「精密スイートスポット位置決め」コントロールをクリックしていない場合、APPは、専用プライベート・カスタマイズ・インターフェース上にポップアップウィンドウを表示し、ポップアップウィンドウは、
図17aに示されるように、「精密スイートスポット位置決めを最初に選択してください」というテキストを表示して、「精密スイートスポット位置決め」コントロールを最初にクリックし、次にポップアップウィンドウが精密スイートスポット位置決めインターフェース上に表示されて、ポップアップウィンドウ内に「微調整が完了しました」というテキストが表示された場合に、「専用プライベート・カスタマイズ」コントロールをクリックするようにユーザに注意を促す。同様に、ユーザが前述の操作を実行した後、専用プライベート・カスタマイズ・インターフェース上で、APPは、シミュレートされた部屋領域内のサウンドバーの角度を目標水平角度Bまで回転させる。精密スイートスポット位置決め機能が無効にされたとき、サウンドバーは、目標水平角度Bに達する角度まで回転している。
【0392】
図17bに示されるように、APPは、専用プライベート・カスタマイズ・インターフェース上にポップアップウィンドウをさらに表示し、ポップアップウィンドウは、「ヘッドセットを装着してください」というテキストを表示し、ユーザにヘッドセットを装着するように注意を促す。ヘッドセットを装着した後、ユーザは、専用プライベート・カスタマイズ・インターフェース上の「OK」コントロールをクリックし、APPは、第2の再生命令をサウンドバーに送信する。
【0393】
図17cに示されるように、APPが第2の再生命令を送信した後、APPは、専用プライベート・カスタマイズ・インターフェース上にポップアップウィンドウを表示し、ポップアップウィンドウは、「カスタマイズ中...」というテキストを表示する。
【0394】
第2の再生命令を受信した後、サウンドバーは、予め取得され、ローカルに記憶されたテストオーディオの再生を開始する。
【0395】
ヘッドセットは、テストオーディオを受信し、次いで、テストオーディオに対応する記録されたオーディオを携帯電話に送信する。
【0396】
携帯電話は、サウンドバーからのテストオーディオとヘッドセットからの記録されたオーディオとに基づいて両耳室内インパルス応答(binaural room impulse response、BRIR)を計算する。
【0397】
専用プライベート・カスタマイズ機能はまた、精密スイートスポット位置決め機能と同様に、複数のシナリオ、すなわち、1つのサウンドバーおよび1人のユーザ、1つのサウンドバーおよび複数のユーザ、複数のサウンドバーおよび複数のユーザ、ならびに複数のサウンドバーおよび1人のユーザに適用可能であってもよいことに留意されたい。
【0398】
例えば、BRIRは、式(7)に従って計算されてもよい:
【数33】
ここで、0≦p<Pであり、Pはユーザの数を表し、0≦k<Kであり、Kはスピーカユニットの数を表し、iが0の場合は左の耳に対応し、iが1の場合は右の耳に対応し、fは周波数を表し、H
2p+i、k(f)はk番目のスピーカユニットに対応するp番目のユーザのBRIRを表し、Y
i、p、k(f)はk番目のスピーカユニットに対応するp番目のユーザのヘッドセットの記録されたオーディオを表し、T(f)はテストオーディオを表す。
【0399】
次いで、式(8)に従ってフィルタ係数が計算される:
C(f)=(H(f)
HH(f)+βI
k(f))
-1H(f)
HD(f) (8)
ここで、H(f)∈C
K×Kであり、H(f)は、式(7)に従って計算されたBRIRを要素として使用することによって構成される行列を表し、行列は、すべてのスピーカユニットにそれぞれ対応するすべてのユーザの部屋伝達関数をカバーし、*
Hは、共役行列を表し、I
k(f)∈C
K×Kであり、I
k(f)は、単位行列を表し、D(f)∈R
2P×Rであり、D(f)は、理想的な伝達関数を表し、Rは、サウンドチャネルの数を表し、オーディオがステレオの場合、R=2であり、
【数34】
である。
【0400】
APPは、更新されたフィルタ係数に基づいて式(9)に従って、サウンドバーによって再生されたオーディオを処理する:
X(f)=C(f)S(f) (9)
ここで、X(f)は処理されたオーディオを表し、S(f)はサウンドバーによって再生されたオーディオを表し、C(f)はフィルタ係数を表す。
【0401】
フィルタ係数は、精密スイートスポット位置決めの後に得られる。したがって、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。
【0402】
図17dに示されるように、APPは、専用プライベート・カスタマイズ・インターフェース上にポップアップウィンドウを表示し、ポップアップウィンドウは、「カスタマイズ完了」というテキストを表示する。以上で、専用プライベート・カスタマイズ機能が完了される。その後、ユーザが移動しない限り、サウンドバーによって再生されるステレオサウンド(例えば、テレビまたは映画のサウンド)は、ユーザの位置において最適なリスニング効果を形成し、元のサウンド効果が高度に復元される。
【0403】
6.仮想空間モード
機能選択インターフェース上の「仮想空間モード」コントロールがクリックされる。APPは、仮想空間モードインターフェースを表示する。
図18a~
図18cは、本出願による仮想空間モードインターフェースのいくつかの例の概略図である。仮想空間モードインターフェースは、シミュレートされた部屋領域を含み、その領域に表示される家具モデルは、部屋構成インターフェースにおいてユーザによって設定される。
【0404】
可能な一実施態様において、仮想空間モード機能が有効にされる。APPは、目標水平角度Bを取得するために精密スイートスポット位置決めにおけるプロセスを最初に実行し、シミュレートされた部屋領域内のサウンドバーの角度を目標水平角度Bまで回転させ、次いで、BRIRを取得するために専用のプライベートカスタマイゼーションにおけるプロセスを実行することができる。APPは、目標水平角度Bをサウンドバーに送信し、それにより、サウンドバーも、目標水平角度Bに達する角度まで回転する。
【0405】
可能な一実施態様において、仮想空間モード機能を有効にする前に、APPは、精密スイートスポット位置決め機能および専用のプライベートカスタマイゼーション機能を最初に完了する必要がある。例えば、ユーザが機能選択インターフェース上の「仮想空間モード」コントロールをクリックした場合、APPは、ユーザが機能選択インターフェース上の「精密スイートスポット位置決め」コントロールおよび「専用プライベート・カスタマイズ」コントロールをクリックする前に、機能選択インターフェース上の「仮想空間モード」コントロールをクリックしたかどうかを最初に決定する。ユーザが「精密スイートスポット位置決め」コントロールおよび/または「専用プライベート・カスタマイズ」コントロールをクリックしていない場合、APPは、仮想空間モードインターフェース上にポップアップウィンドウを表示し、ポップアップウィンドウは、
図18aに示されるように、「精密スイートスポット位置決めおよび専用プライベート・カスタマイズを順番に選択してください」というテキストを表示して、「精密スイートスポット位置決め」コントロールを最初にクリックし、次にポップアップウィンドウが精密スイートスポット位置決めインターフェース上に表示されて、ポップアップウィンドウ内に「微調整完了」というテキストが表示された場合に、「専用プライベート・カスタマイズ」コントロールをクリックし、次いで、ポップアップウィンドウが専用プライベート・カスタマイズ・インターフェース上に表示されて、ポップアップウィンドウ内に「カスタマイズ完了」というテキストが表示された場合に、「仮想空間モード」コントロールをクリックするようにユーザに注意を促す。同様に、ユーザが仮想空間インターフェース上で前述の操作を実行した後、APPは、シミュレートされた部屋領域内のサウンドバーの角度を目標水平角度Bまで回転させる。精密スイートスポット位置決め機能が無効にされたとき、サウンドバーは、目標水平角度Bに達する角度まで回転している。
【0406】
図18bに示されるように、ユーザは、仮想空間モードインターフェース上の「空間」コントロールをクリックし、APPは、仮想空間モードインターフェース上にプルアップメニューを表示する。プルアップメニューは、「なし」、「ゴールデンホール」、「コンサート」、および「天安門広場」の4つの項目を含む。
【0407】
ユーザは、「ゴールデンホール」の項目をクリックし、仮想空間モードインターフェース上の「OK」コントロールをクリックする。
【0408】
APPは、「ゴールデンホール」に対応する部屋伝達関数を取得し、式(10)に従って、BRIRと「ゴールデンホール」に対応する部屋伝達関数とに基づいてフィルタ係数を計算する:
【数35】
ここで、H(f)∈C
K×Kであり、H(f)は、式(7)に従って計算されたBRIRを要素として使用することによって構成される行列を表し、行列は、すべてのサウンドバーにそれぞれ対応するすべてのユーザの部屋伝達関数をカバーし、*
Hは、共役行列を表し、I
k(f)∈C
K×Kであり、I
k(f)は、単位行列を表し、
【数36】
、
【数37】
は、リスニング空間(例えば、ゴールデンホール)の伝達関数を表し、Rは、サウンドチャネルの数を表し、オーディオがステレオの場合、R=2であり、
【数38】
であり、
【数39】
は、p番目のユーザによって選択されたリスニング空間を表す。
【0409】
APPは、更新されたフィルタ係数に基づいて式(11)に従って、サウンドバーによって再生されたオーディオを処理する:
【数40】
ここで、
【数41】
は処理されたオーディオを表し、S(f)はサウンドバーによって再生されたオーディオを表し、
【数42】
はフィルタ係数を表す。
【0410】
前述のフィルタ係数は、専用プライベート・カスタマイズ後に取得される。したがって、ユーザの位置に対して、より正確なクロストークキャンセルが実施されることができ、異なる部屋の影響が排除されることができ、音像効果が高められることができ、元の音響効果が真に復元されることができる。加えて、音場がユーザの位置にレンダリングされることができ、それによって、没入型体験をユーザに提供することができる。
【0411】
図18cに示されるように、APPは、仮想空間モードインターフェース上にポップアップウィンドウを表示し、ポップアップウィンドウは、「カスタマイズ完了」というテキストを表示する。以上で、仮想空間モード機能が完了される。その後、ユーザが移動しない限り、サウンドバーによって再生されるステレオサウンド(例えば、テレビまたは映画のサウンド)は、ユーザの位置において最適なリスニング効果を形成し、元のサウンド効果が高度に復元され、それによって、没入型体験をユーザに提供する。
【0412】
図2に示される制御装置を参照すると、部屋が1つのサウンドバーおよび1人のユーザを含む場合、送信モジュールは、第1の再生命令をサウンドボックスに送信するように構成され、第1の再生命令は、サウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、受信モジュールは、位置決めオーディオを受信するように構成され、処理モジュールは、位置決めオーディオに基づいて指示情報を決定するように構成され、指示情報は、サウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、目標位置が、電子機器によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するサウンドボックスの位置であり、目標位置が、サウンドボックスが第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置であり、送信モジュールは、指示情報をサウンドボックスに送信するようにさらに構成されている。
【0413】
可能な一実施態様において、第1の位置と第2の位置との間の角度差は、ユーザの両耳間距離に関連され、または第1の位置と第2の位置との間の角度差は、予め設定された微調整範囲に関連される。
【0414】
可能な一実施態様において、指示情報は、サウンドボックスに第2の位置から目標位置まで回転するようにさらに指示する。
【0415】
可能な一実施態様において、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。
【0416】
可能な一実施態様において、予め設定された方向に回転させることは、予め設定された方向に一定の速度で回転させることを含む。
【0417】
可能な一実施態様において、サウンドボックスの形状は、棒形状、正方形形状、またはリング形状を含む。
【0418】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、サウンドボックスの中心の初期位置およびユーザの位置を取得し、初期位置およびユーザの位置に基づいてユーザに対するサウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算し、サウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とサウンドボックスの中心との間の接続線がサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、微調整角度を取得し、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0419】
可能な一実施態様において、第1の位置は、サウンドボックスが理論的なスイートスポットから水平時計回り方向に微調整角度だけ回転した位置であり、第2の位置は、サウンドボックスが理論的なスイートスポットから水平反時計回り方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0420】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、部屋構成インターフェースを表示し、部屋構成インターフェースが、ユーザおよびサウンドボックスが位置される空間をシミュレートするために使用され、部屋構成インターフェース上でユーザによって入力された第1の仮想位置を受信し、第1の仮想位置が初期位置をシミュレートするために使用され、第1の仮想位置に基づいて初期位置を計算し、部屋構成インターフェース上でユーザによって入力された第2の仮想位置を受信し、第2の仮想位置がユーザの位置をシミュレートするために使用され、第2の仮想位置に基づいてユーザの位置を計算するように特に構成されている。
【0421】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、初期位置、ユーザの位置、およびユーザの両耳間距離に基づいて微調整角度を計算するように特に構成されている。
【0422】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、精密スイートスポット位置決めインターフェースを表示し、精密スイートスポット位置決めインターフェースが微調整角度を設定するためのポップアップウィンドウを含み、ポップアップウィンドウ上でユーザによって入力された予め設定された経験値を受信し、微調整角度の値を予め設定された経験値に設定するように特に構成されている。
【0423】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、音量を取得するために、位置決めオーディオの受信開始時点から、指定された周波数で受信された位置決めオーディオを検出し、位置決めオーディオの受信終了時点が到来すると、複数の取得された音量のうちの最大音量に対応する時点と受信開始時点との間の差を目標時間として決定し、目標時間を指示情報として決定し、目標時間および予め設定された方向の逆方向を指示情報として決定し、目標時間、予め設定された方向の逆方向、および微調整角度を指示情報として決定し、または予め設定された方向の逆方向および目標回転角度を指示情報として決定するように特に構成され、目標回転角度が、サウンドボックスに第2の位置から目標位置まで回転するように指示する。
【0424】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、最大音量を取得するために位置決めオーディオを検出し、最大音量に対応する時点と位置決めオーディオの受信開始時点との間の差を目標時間として決定し、目標時間を指示情報として決定し、目標時間および予め設定された方向の逆方向を指示情報として決定し、目標時間、予め設定された方向の逆方向、および微調整角度を指示情報として決定し、または予め設定された方向の逆方向および目標回転角度を指示情報として決定するように特に構成され、目標回転角度が、サウンドボックスに第2の位置から目標位置まで回転するように指示する。
【0425】
可能な一実施態様において、送信モジュールは、第2の再生命令をサウンドボックスに送信するようにさらに構成され、第2の再生命令が、サウンドボックスにテストオーディオを再生するように命令するために使用され、受信モジュールは、収集されたオーディオを受信するようにさらに構成され、収集されたオーディオがテストオーディオを再生する過程でユーザによって装着されたヘッドセットのマイクロフォンによって受信されたオーディオであり、処理モジュールは、収集されたオーディオおよびテストオーディオに基づいて両耳室内インパルス応答BRIRを計算し、BRIRに基づいてサウンドボックスのフィルタ係数を取得するようにさらに構成されている。
【0426】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、リスニング空間を含む仮想空間命令を受信し、リスニング空間の伝達関数を取得し、BRIRとリスニング空間の伝達関数とに基づいてサウンドボックスのフィルタ係数を計算するようにさらに構成されている。
【0427】
第4の態様によると、本出願は、電子機器から第1の再生命令を受信するように構成された受信モジュールと、第1の再生命令に基づいて第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように構成された処理モジュールであって、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化しない、処理モジュールと、を含み、受信モジュールが指示情報を電子機器から受信するようにさらに構成され、指示情報が、目標位置を決定するために使用され、目標位置が、電子機器によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するサウンドボックスの位置であり、目標位置が、サウンドボックスが第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置であり、処理モジュールが、指示情報に基づいて目標位置まで回転するようにさらに構成されている、オーディオ再生装置を提供する。
【0428】
可能な一実施態様において、第1の位置と第2の位置との間の角度差は、ユーザの両耳間距離に関連され、または第1の位置と第2の位置との間の角度差は、予め設定された微調整範囲に関連される。
【0429】
可能な一実施態様において、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。
【0430】
可能な一実施態様において、予め設定された方向に回転させることは、予め設定された方向に一定の速度で回転させることを含む。
【0431】
可能な一実施態様において、サウンドボックスの形状は、棒形状、正方形形状、またはリング形状を含む。
【0432】
可能な一実施態様において、受信モジュールは、電子機器から理論的なスイートスポットおよび微調整角度を受信するようにさらに構成され、サウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とサウンドボックスの中心との間の接続線がサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、処理モジュールは、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置および第2の位置を決定し、第1の位置まで回転するようにさらに構成されている。
【0433】
可能な一実施態様において、第1の位置は、サウンドボックスが理論的なスイートスポットから水平時計回り方向に微調整角度だけ回転した位置であり、第2の位置は、サウンドボックスが理論的なスイートスポットから水平反時計回り方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0434】
部屋が複数のサウンドバーおよび1人のユーザを含むとき、第1の再生命令をi番目のサウンドボックスに送信するように構成された送信モジュールであって、第1の再生命令が、i番目のサウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで一定の速度で予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、i番目のサウンドボックスがN個のサウンドボックスのうちの1つであり、1≦i≦Nであり、Nは1よりも大きい正の整数である、送信モジュールと、混合信号を受信するように構成された受信モジュールであって、混合信号が、N個のサウンドボックスによって再生された位置決めオーディオを混合することによって取得されるオーディオ信号である、受信モジュールと、混合信号に基づいてi番目の指示情報を決定するように構成された処理モジュールであって、i番目の指示情報が、i番目のサウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、i番目のサウンドボックスの目標位置が、電子機器によって混合信号を受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するi番目のサウンドボックスの対応する位置である、処理モジュールと、送信モジュールが、i番目の指示情報をi番目のサウンドボックスに送信するようにさらに構成されている。
【0435】
可能な一実施態様において、予め設定された方向は、水平時計回り方向または水平反時計回り方向を含む。
【0436】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、i番目のサウンドボックスの中心の初期位置およびユーザの位置を取得し、初期位置およびユーザの位置に基づいてユーザの位置に対するi番目のサウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算し、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、ユーザの位置とi番目のサウンドボックスの中心との間の接続線がi番目のサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、微調整角度を取得し、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいてi番目のサウンドボックスの第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0437】
可能な一実施態様において、第1の位置は、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットから予め設定された方向に微調整角度だけ回転した位置であり、第2の位置は、i番目のサウンドボックスが理論的なスイートスポットから予め設定された方向の逆方向に微調整角度だけ回転した位置である。
【0438】
部屋が1つのサウンドバーおよび複数のユーザを含むとき、送信モジュールは、第1の再生命令をサウンドボックスに送信するようにさらに構成され、第1の再生命令が、サウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、受信モジュールは、複数の収集されたオーディオを受信するようにさらに構成され、複数の収集されたオーディオが、位置決めオーディオを再生する過程において複数のユーザの端末のマイクロフォンによってそれぞれ受信されたオーディオであり、処理モジュールは、複数の収集されたオーディオに基づいて指示情報を決定するようにさらに構成され、指示情報が、サウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、目標位置が、複数のユーザの端末によって位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量の和が最大である場合に対応するサウンドボックスの位置であり、目標位置が、第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置であり、送信モジュールは、指示情報をサウンドボックスに送信するようにさらに構成されている。
【0439】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、サウンドボックスの中心の初期位置および複数のユーザの位置を取得し、複数のユーザの位置に基づいて複数のユーザの中心位置を決定し、初期位置および複数のユーザの中心位置に基づいて複数のユーザの中心位置に対するサウンドボックスの理論的なスイートスポットを計算し、サウンドボックスが理論的なスイートスポットに位置されるとき、複数のユーザの中心位置とサウンドボックスの中心との間の接続線がサウンドボックスのラウドスピーカ表面に垂直であり、微調整角度を取得し、理論的なスイートスポットおよび微調整角度に基づいて第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0440】
部屋が複数のサウンドバーおよび複数のユーザを含むとき、可能な一実施態様において、処理モジュールは、N個のサウンドボックスの数に基づいて空間を複数の部分空間に分割するようにさらに構成され、各部分空間がサウンドボックスのうちの1つに対応し、Nは1よりも大きい正の整数であり、送信モジュールは、第1の再生命令をN個のサウンドボックスのそれぞれに送信するようにさらに構成され、第1の再生命令が、対応するサウンドボックスに第1の位置から第2の位置まで予め設定された方向に回転して、回転の過程で位置決めオーディオを再生するように命令するために使用され、位置決めオーディオが再生されているとき、位置決めオーディオの音量は安定しており変化せず、処理モジュールは、N個の指示情報を決定するようにさらに構成され、N個の指示情報が、N個のサウンドボックスに対応し、指示情報が、対応するサウンドボックスの目標位置を決定するために使用され、送信モジュールは、N個の指示情報を対応するサウンドボックスにそれぞれ送信するようにさらに構成されている。
【0441】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、i番目のサウンドボックスによって再生された第1の位置決めオーディオを受信すし、i番目のサウンドバーが、N個のサウンドバーのうちの1つであり、1≦i≦Nであり、1人の第1のユーザのみが第1のサウンドバーに対応する部分空間内におり、第1の位置決めオーディオに基づいて第1の指示情報を決定し、第1の指示情報が、i番目のサウンドボックスの第1の目標位置を決定するために使用され、第1の目標位置が、電子機器によって第1の位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量が最大である場合に対応するi番目のサウンドボックスの位置であるように特に構成されている。
【0442】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、i番目のサウンドボックスの中心の第1の初期位置および第1のユーザの位置を取得し、第1の初期位置および第1のユーザの位置に基づいてユーザの位置に対するi番目のサウンドボックスの第1の理論的なスイートスポットを計算し、第1の微調整角度を取得し、第1の理論的なスイートスポットおよび第1の微調整角度に基づいて第1のサウンドバーの第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0443】
可能な一実施態様において、受信モジュールは、複数の収集されたオーディオを受信するようにさらに構成され、複数の収集されたオーディオがj番目のサウンドバーによって第2の位置決めオーディオを再生する過程において複数の第2のユーザの電子機器のマイクロフォンによってそれぞれ受信されたオーディオであり、j番目のサウンドバーがN個のサウンドバーのうちの1つであり、1≦j≦Nであり、複数の第2のユーザがj番目のサウンドバーに対応する部分空間内に位置され、処理モジュールは、複数の収集されたオーディオに基づいて第2の指示情報を決定するようにさらに構成され、第2の指示情報が、j番目のサウンドバーの第2の目標位置を決定するために使用され、第2の目標位置が、複数の第2のユーザの電子機器によって第2の位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量の和が最大である場合のj番目のサウンドバーの位置であり、第2の目標位置が、第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置である。
【0444】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、j番目のサウンドボックスの中心の第2の初期位置および複数の第2のユーザの位置を取得し、複数の第2のユーザの位置に基づいて複数の第2のユーザの中心位置を決定し、第2の初期位置および複数の第2のユーザの中心位置に基づいて複数のユーザの中心位置に対するj番目のサウンドボックスの第2の理論的なスイートスポットを計算し、第2の微調整角度を取得し、第2の理論的なスイートスポットおよび第2の微調整角度に基づいてj番目のサウンドバーの第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0445】
可能な一実施態様において、受信モジュールは、複数の収集されたオーディオを受信するようにさらに構成され、複数の収集されたオーディオがk番目のサウンドバーによって第3の位置決めオーディオを再生する過程において複数の第3のユーザの電子機器のマイクロフォンによってそれぞれ受信されたオーディオであり、k番目のサウンドバーがN個のサウンドバーのうちの1つであり、1≦k≦Nであり、k番目のサウンドバーに対応する部分空間内にユーザはおらず、複数の第3のユーザはすべて、空間内のユーザであり、処理モジュールは、複数の収集されたオーディオに基づいて第3の指示情報を決定するようにさらに構成され、第3の指示情報が、k番目のサウンドバーの第3の目標位置を決定するために使用され、第3の目標位置が、複数の第3のユーザの電子機器によって第3の位置決めオーディオを受信する過程において、受信されたオーディオの音量の和が最大である場合のk番目のサウンドバーの位置であり、第3の目標位置が、第1の位置から第2の位置まで回転する過程における位置である。
【0446】
可能な一実施態様において、処理モジュールは、k番目のサウンドバーの第3の初期位置および複数の第3のユーザの位置を取得し、複数の第3のユーザの位置に基づいて複数の第3のユーザの中心位置を決定し、第3の初期位置および複数の第3のユーザの中心位置に基づいて複数の第3のユーザの中心位置に対するk番目のサウンドバーの第3の理論的なスイートスポットを計算し、第3の微調整角度を取得し、第3の理論的なスイートスポットおよび第3の微調整角度に基づいてk番目のサウンドバーの第1の位置および第2の位置を取得するようにさらに構成されている。
【0447】
本実施形態における装置は、
図4~
図8に示される方法の実施形態の技術的解決策を実行するように構成されてもよい。装置の実施原理および技術的効果は、本方法の実施形態の実施原理および技術的効果と同様であり、詳細は本明細書では再度説明されない。
【0448】
実施過程において、前述の方法の実施形態におけるステップは、プロセッサ内のハードウェア集積論理回路を使用して、またはソフトウェアの形態の命令を使用して実施されることができる。プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは別のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、または個別ハードウェア構成要素であってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、またはプロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。本出願の実施形態で開示されている方法のステップは、ハードウェア符号化プロセッサによって行われて完遂され、または符号化プロセッサのハードウェアとソフトウェアモジュールとの組合せによって行われて完遂されるように直接的に与えられてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダム・アクセス・メモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ、電気的消去可能プログラム可能メモリ、またはレジスタなどの、当技術分野における成熟した記憶媒体内に位置されてもよい。記憶媒体は、メモリ内に位置され、プロセッサは、メモリ内の情報を読み取り、プロセッサのハードウェアと共同して前述の方法のステップを完遂する。
【0449】
前述の実施形態におけるメモリは、揮発性メモリまたは不揮発性メモリであってよく、あるいは揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含んでよい。不揮発性メモリは読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、またはフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュとして用いられるランダム・アクセス・メモリ(RAM)であってもよい。限定的な説明ではなく例として、多くの形態のRAM、例えば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)、ダブル・データ・レート・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DDR SDRAM)、拡張シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(ESDRAM)、シンクロナス・リンク・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DR RAM)が使用されてもよい。本明細書に記載されるシステムおよび方法のメモリは、これらおよび別の適切なタイプの任意のメモリを含むが、これらに限定されないことに留意されたい。
【0450】
当業者は、本明細書で開示された実施形態に記載された例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって実施され得ることを認識することができる。機能がハードウェアまたはソフトウェアによって実行されるかどうかは、技術的解決策の特定の適用例および設計制約条件に依存する。当業者は、記載された機能を実施するために特定の用途ごとに様々な方法を使用することができるが、その実施態様は、本出願の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0451】
簡便かつ簡潔な説明のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照することが、当業者によって明確に理解され得る。詳細は、本明細書では再度説明されない。
【0452】
本出願において提供されるいくつかの実施形態では、開示されるシステム、装置、および方法は、他のやり方で実施されてもよいことを理解されたい。例えば、記載された装置の実施形態は一例に過ぎない。例えば、ユニットへの分割は、単に論理的な機能分割に過ぎず、実際の実施態様では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素が組み合わされるか、または他のシステムに統合されてもよく、またはいくつかの機能は無視されてもよく、または実行されなくてもよい。加えて、表示され、または論じられた相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを介して実施されてもよい。装置間またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電気的形態、機械的形態、または別の形態で実施されてもよい。
【0453】
別個の部分として記載されるユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理ユニットであってもなくてもよく、1つの位置に位置されてもよく、または複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。ユニットの一部または全部が、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0454】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、ユニットのそれぞれが単独で物理的に存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0455】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実施され、独立した製品として販売され、または使用される場合、機能はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。こうした理解に基づいて本出願の技術的解決策は本質的に、または従来技術に寄与する部分は、または技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形態で実施されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本出願の実施形態における方法のステップの全部または一部を実行するようにコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスなど)に指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0456】
前述の説明は、本出願の特定の実施態様に過ぎず、本出願の保護範囲を限定することは意図されていない。本出願において開示される技術的範囲内で当業者によって容易に想到されるいかなる変形または置換も本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0457】
1 サウンドバー
2 サウンドバー
3 サウンドバー
300 携帯電話
310 プロセッサ
320 外部メモリインターフェース
321 内部メモリ
330 USBインターフェース
332 バッテリ
340 充電管理モジュール
341 電源管理モジュール
350 移動通信モジュール
360 無線通信モジュール
370 オーディオモジュール
370A スピーカ
370B レシーバ
370C マイクロフォン
370D ヘッドセットジャック
380 センサモジュール
380A 圧力センサ
380B ジャイロセンサ
380C 気圧センサ
380D 磁気センサ
380E 加速度センサ
380F 距離センサ
380G 光学式近接センサ
380H 指紋センサ
380J 温度センサ
380K タッチセンサ
380L 周囲光センサ
380M 骨伝導センサ
390 ボタン
391 モータ
392 インジケータ
393 カメラ
394 ディスプレイ
395 SIMカードインターフェース
400 プロセス
500 プロセス
600 プロセス
700 プロセス
800 プロセス