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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】音響出力装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023517986
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 CN2021132569
(87)【国際公開番号】W WO2022111485
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】202011328519.4
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 浩▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 江
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ ▲澤▼英
(72)【発明者】
【氏名】王 永根
(72)【発明者】
【氏名】王 力▲維▼
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-070468(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0164778(US,A1)
【文献】国際公開第2010/116510(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0261077(US,A1)
【文献】特表2011-525829(JP,A)
【文献】国際公開第2009/147370(WO,A1)
【文献】実開昭58-172292(JP,U)
【文献】特開2009-239580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H04R 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響装置であって、
フック状部と、接続部と、保持部と、を含み、
ユーザーが前記音響装置を装着している場合、前記フック状部は、ユーザーの耳の第1の側と頭部との間に掛けられ、前記保持部は、前記耳の第2の側に接触し、前記接続部は、前記フック状部と前記保持部を接続し、
前記フック状部は、前記接続部に接続される第1の部分と、前記第1の部分に接続される第2の部分と、を含み、
前記ユーザーの矢状面への前記第1の部分の投影および前記保持部の投影は、重なる部分を含み、
前記ユーザーが前記音響装置を装着している場合、前記第1の部分の前記耳の第1の側への押圧力は、前記第2の部分の前記耳の第1の側への押圧力より大きく、
前記第2の部分の表面摩擦係数は、前記第1の部分の表面摩擦係数より大きく、
前記第2の部分の前記耳の第1の側への摩擦力は、前記第1の部分の前記耳の第1の側への摩擦力より大きく、
記第1の部分のユーザーの矢状面への投影は、第1の曲線を有し、前記第2の部分のユーザーの矢状面への投影は、第2の曲線を有し、前記第1の曲線は、第1の方向に第1の極値点を有し、前記第2の曲線は、前記第1の方向に第2の極値点を有し、前記第1の方向は、ユーザーの横断面の方向に垂直であり、前記第1の曲線と前記第2の曲線との接続点は、前記保持部のユーザーの横断面に垂直な方向に沿って前記接続部から離れる底辺と、前記フック状部のユーザーの矢状面への投影との交点である、音響装置。
【請求項2】
前記第1の極値点は、前記第1の曲線の前記第1の方向の極大値点であり、前記第2の極値点は、前記第2の曲線の前記第1の方向の極小値点である、請求項1に記載の音響装置。
【請求項3】
前記フック状部における前記第1の極値点に対応する位置の、耳の第1の側へのユーザーの矢状面に垂直な方向の第1の押圧力は、0.05ニュートン~3ニュートンである、請求項1~のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項4】
前記フック状部における前記第1の曲線と前記第2の曲線との間の接続点に対応する位置の、耳の第1の側へのユーザーの冠状面に垂直な方向の第2の押圧力は、0.05ニュートン~3ニュートンである、請求項1~のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項5】
ユーザーの矢状面への投影において、前記保持部の前記第1の極値点に近い第1の側辺と、前記第1の極値点との距離は、5ミリメートル~15ミリメートルである、請求項1~のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項6】
前記第1の部分は、前記耳の第1の側に接触する1つ以上の接触領域と、前記耳の第1の側に接触しない1つ以上の非接触領域と、を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項7】
1つ以上の前記接触領域は、少なくとも、前記第1の極値点と重なる第1の接触点と、前記第1の曲線と前記第2の曲線との間の接続点と重なる第2の接触点と、前記第2の極値点と重なる第3の接触点と、を含む、請求項6に記載の音響装置。
【請求項8】
前記第2の部分の前記耳の第1の側に接触する接触領域は、前記第1の曲線と前記第2の曲線との間の接続点と、前記第2の極値点との間に位置する第4の接触点をさらに含む、請求項又はに記載の音響装置。
【請求項9】
前記接続部のユーザーの横断面に垂直な方向に沿ったサイズの範囲は、0.56ミリメートル~4.56ミリメートルである、請求項1~のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項10】
前記接続部のユーザーの矢状面に垂直な方向に沿ったサイズの範囲は、2.5ミリメートル~4.5ミリメートルである、請求項1~のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項11】
塑性変形してユーザーの耳と貼り合わせることができる塑性部をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項12】
前記塑性部は、前記フック状部の前記第1の部分に設置される、請求項11に記載の音響装置。
【請求項13】
ユーザーの矢状面に垂直な方向に、前記塑性部は、前記保持部と前記第1の部分との間に位置する、請求項12に記載の音響装置。
【請求項14】
前記塑性部は、塑性変形力を有し、前記塑性部が受けた力が前記塑性変形力を超えると、前記塑性部が塑性変形し、前記塑性変形の変形回復量は、20%より小さい、請求項1113のいずれか一項に記載の音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(参照による援用)
本願は、2020年11月24日に出願された中国特許出願第「202011328519.4」号の優先権を主張するものであり、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、音響の分野に関し、特に音響装置に関する。
【背景技術】
【0003】
音響出力技術の発展に伴い、音響出力装置(例えば、イヤホン)は、人々の日常生活に広く応用され、携帯電話、コンピュータなどの電子機器と共に使用することにより、ユーザーは、聴覚の饗宴を楽しむことができる。ユーザーの装着方式に応じて、音響装置は、一般的には、頭部装着式、耳掛け式、及びインナーイヤ式に分けることができる。音響装置を装着している場合の快適性及び安定性は、ユーザーの選択及び体験に大きな影響を与える。
したがって、ユーザーの装着快適さと音響装置の装着安定性を向上させる音響装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の一態様に係る音響装置は、フック状部と、接続部と、保持部と、を含み、ユーザーが前記音響装置を装着している場合、前記フック状部は、ユーザーの耳の第1の側と頭部との間に掛けられ、前記保持部は、前記耳の第2の側に接触し、前記接続部は、前記フック状部と前記保持部を接続し、前記フック状部は、前記接続部に接続される第1の部分と、前記第1の部分に接続される第2の部分と、を含み、前記第1の部分のユーザーの矢状面への投影は、第1の曲線を有し、前記第2の部分のユーザーの矢状面への投影は、第2の曲線を有し、前記第1の曲線は、第1の方向に第1の極値点を有し、前記第2の曲線は、前記第1の方向に第2の極値点を有し、前記第1の方向は、ユーザーの横断面の方向に垂直であり、前記第1の曲線と前記第2の曲線との接続点は、前記保持部のユーザーの横断面に垂直な方向に沿って前記接続部から離れる底辺と、前記フック状部のユーザーの矢状面への投影との交点である。
【0005】
いくつかの実施例では、前記第1の極値点は、前記第1の曲線の前記第1の方向の極大値点であり、前記第2の極値点は、前記第2の曲線の前記第1の方向の極小値点である。
【0006】
いくつかの実施例では、ユーザーが前記音響装置を装着している場合、前記第1の部分の前記耳の第1の側への押圧力は、前記第2の部分の前記耳の第1の側への押圧力より大きく、前記第2の部分の前記耳の第1の側への摩擦力は、前記第1の部分の前記耳の第1の側への摩擦力より大きい。
【0007】
いくつかの実施例では、前記フック状部における前記第1の極値点に対応する位置の、耳の第1の側へのユーザーの矢状面に垂直な方向の第1の押圧力は、0.05ニュートン~3ニュートンである。
【0008】
いくつかの実施例では、前記フック状部における前記第1の曲線と前記第2の曲線との間の接続点に対応する位置の、耳の第1の側へのユーザーの冠状面に垂直な方向の第2の押圧力は、0.05ニュートン~3ニュートンである。
【0009】
いくつかの実施例では、ユーザーの矢状面への投影において、前記保持部の前記第1の極値点に近い第1の側辺と、前記第1の極値点との距離は、5ミリメートル~15ミリメートルである。
【0010】
いくつかの実施例では、接触領域は、少なくとも、前記第1の極値点と重なる第1の接触点と、前記第1の曲線と前記第2の曲線との間の接続点と重なる第2の接触点と、前記第2の極値点と重なる第3の接触点と、を含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第1の部分は、前記耳の第1の側に接触する1つ以上の接触領域と、前記耳の第1の側に接触しない1つ以上の非接触領域と、を有する。
【0012】
いくつかの実施例では、前記非接触領域の前記耳の第1の側からの距離は、5ミリメートル以下である。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第2の部分の前記耳の第1の側に接触する接触領域は、前記第1の曲線と前記第2の曲線との間の接続点と、前記第2の極値点との間に位置する第4の接触点をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施例では、前記接続部のユーザーの横断面に垂直な方向に沿ったサイズの範囲は、0.56ミリメートル~4.56ミリメートルである。
【0015】
いくつかの実施例では、前記接続部のユーザーの矢状面に垂直な方向に沿ったサイズの範囲は、2.5ミリメートル~4.5ミリメートルである。
【0016】
いくつかの実施例では、前記音響装置は、塑性変形してユーザーの耳と貼り合わせることができる塑性部をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記塑性部は、前記フック状部の前記第1の部分に設置される。
【0018】
いくつかの実施例では、ユーザーの矢状面に垂直な方向に、前記塑性部は、前記保持部と前記第1の部分との間に位置する。
【0019】
いくつかの実施例では、前記塑性部は、塑性変形力を有し、前記塑性部が受けた力が前記塑性変形力を超えると、前記塑性部が塑性変形し、前記塑性変形の変形回復量は、20%より小さい。
【0020】
いくつかの実施例では、前記塑性変形力は、0.3ニュートン~10ニュートンの範囲内の第1の塑性変形力を含む。
【0021】
いくつかの実施例では、前記塑性変形力は、10ニュートン~100ニュートンの範囲内の第2の塑性変形力を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、前記塑性部が予め設定された条件を満たす場合、前記塑性変形力は、前記第2の塑性変形力から前記第1の塑性変形力に変換する。
【0023】
いくつかの実施例では、前記塑性部の材料は、熱可塑性高分子材料を含む。
【0024】
本願は、例示的な実施例の方式でさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面により詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例では、同じ符号は同じ構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本願のいくつかの実施例に係る例示的な耳の概略図である。
図2】本願のいくつかの実施例に係る、ユーザーが例示的な音響装置を装着している場合に前側から見た概略図である。
図3】本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置を耳の後ろ側から耳の前側へ観察するときの構造概略図である。
図4】本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置をユーザーの頭頂部側から見た構造概略図である。
図5】本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置のYZ平面への投影の曲線図である。
図6】本願のいくつかの実施例に係る、ユーザーが例示的な音響装置を装着している場合に後側から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明される図面は、単に本願のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに応用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ番号は、同じ構造又は操作を示す。
【0027】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」が、段階の異なる様々なアセンブリ、素子、部品、部分又は組立体を区別するための方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0028】
本願及び特許請求の範囲に示すように、文脈を通して明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は設備は、他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0029】
本願では、フローチャートを使用して本願の実施例に係るシステムが実行する操作を説明する。先行及び後続の操作が必ずしも順序に従って正確に実行されるとは限らないことを理解されたい。その代わりに、各ステップを、逆の順序で、又は同時に処理してもよい。また、他の操作をこれらのプロセスに追加してもよく、これらのプロセスから1つ以上の操作を除去してもよい。
【0030】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な耳の概略図である。
【0031】
図1に示すように、耳100は、外耳道101、耳甲介腔102、耳甲介舟103、三角窩104、対耳輪105、舟状窩106、耳輪107、耳たぶ108及び耳輪脚109を含んでもよい。いくつかの実施例では、耳100の1つ以上の部位により音響装置の装着及び安定性を実現することができる。いくつかの実施例では、外耳道101、耳甲介腔102、耳甲介舟103、及び三角窩104などの部位は、三次元空間において一定の深さ及び容積を有し、音響装置の装着ニーズを実現することができる。例えば、音響装置(例えば、インナーイヤ式イヤホン)は、外耳道101に装着されてもよい。いくつかの実施例では、耳100における外耳道101以外の部位により、音響装置の装着を実現することができる。例えば、耳甲介舟103、三角窩104、対耳輪105、舟状窩106、及び耳輪107などの部位又はそれらの組み合わせにより音響装置の装着を実現することができる。いくつかの実施例では、音響装置の装着快適さ及び信頼性を向上させるために、ユーザーの耳たぶ108などの部位をさらに利用してもよい。耳100における外耳道101以外の他の部位により、音響装置の装着及び音声の伝播を実現し、ユーザーの外耳道101を「解放」し、ユーザーの耳の健康に対する音響装置の影響を低減することができる。ユーザーが道路で音響装置を装着している場合、音響装置は、ユーザーの外耳道101を塞がず、ユーザーは、音響装置からの音声を聞き取るとともに、環境からの音声(例えば、クラクション音、自転車のベル音、周りの人の声、交通整理の声など)を聞き取ることができ、それにより交通事故の発生確率を低減することができる。例えば、ユーザーが音響装置を装着している場合、音響装置の全体又は一部の構造は、耳輪脚109の前側(例えば、図1における破線で囲まれた領域J)に位置してもよい。また、例えば、ユーザーが音響装置を装着している場合、音響装置の全体又は一部の構造は、外耳道101の上部(例えば、耳輪脚109、耳甲介舟103、三角窩104、対耳輪105、舟状窩106、及び耳輪107などの1つ以上の部位の位置)に接触してもよい。さらに、例えば、ユーザーが音響装置を装着している場合、音響装置の全体又は一部の構造は、耳の1つ以上の部位(例えば、耳甲介腔102、耳甲介舟103、及び三角窩104など)内(例えば、図1における破線で囲まれた領域M)に位置してもよい。
【0032】
上記耳100についての説明は、説明を目的としたものに過ぎず、本願の範囲を限定することを意図しない。当業者であれば、本願の説明に基づいて様々な変更及び修正を行うことができる。例えば、異なるユーザーによって、耳100における1つ以上の部位の構造、形状、大きさ、厚さなどは、異なってもよい。また、例えば、音響装置の一部の構造は、外耳道101の一部又は全部を遮蔽してもよい。これらの変化及び修正は、依然として本願の保護範囲内にある。
【0033】
図2は、本願のいくつかの実施例に係る、ユーザーが例示的な音響装置を装着している場合に前側から見た概略図である。理解されるように、図2に示した平面は、音響装置を装着するユーザーの矢状面に平行であるか又は略平行である。
【0034】
いくつかの実施例では、音響装置200は、フック状部210、保持部220及び接続部230を含んでもよい。いくつかの実施例では、図2に示すように、ユーザーが音響装置200を装着している場合、音響装置200のフック状部210は、ユーザーの耳100の第1の側(例えば、ユーザーの耳100のユーザーの頭部に向く側であり、耳100の後ろ側と呼ばれてもよい)に位置し、かつ少なくとも部分的に耳100に接触してもよい。保持部220は、ユーザーの耳100の第2の側(例えば、ユーザーの耳100のユーザーの頭部から離れる側であり、耳100の前側と呼ばれてもよい)に位置し、かつ少なくとも部分的に耳100に接触してもよい。接続部230は、フック状部210と保持部220との間に接続され、ユーザーの耳100と頭部との間から耳100の第2の側に延伸することができる。
【0035】
いくつかの実施例では、ユーザーが音響装置200を装着している場合、フック状部210に、ユーザーの耳に接触する1つ以上の接触領域(例えば、接触領域A)があり、保持部220にも、ユーザーの耳に接触する1つ以上の接触領域(例えば、接触領域B)があり、それにより、音響装置200をユーザーの耳に「挟持」する。いくつかの実施例では、ユーザーが音響装置200を装着している場合と比較して、ユーザーが音響装置200を装着しない場合、フック状部210の1つ以上の接触領域(例えば、接触領域A)と保持部220の1つ以上の接触領域(例えば、接触領域B)との間の(例えば、接続部230の延伸方向に沿った)距離は、より小さく、それによりユーザーが音響装置200を装着している場合、フック状部210と保持部220が互いに協働してそれぞれ耳100の第1の側と第2の側への押圧力を耳100に与え、音響装置200を耳100に「挟持」する。
【0036】
ユーザーが音響装置200を装着している場合の堅牢性を向上させるために、フック状部210と保持部220の耳100の第1の側と第2の側への押圧力を小さすぎるように設定することができないが、大きすぎる押圧力は、ユーザーが音響装置200を装着している場合に耳に不快感を与える。したがって、いくつかの実施例では、音響装置200の耳100への押圧力を耳の異なる接触位置に分散して作用させ、耳100への局所的な力(又は圧力)が大きいことによる不快感を軽減するように、フック状部210及び保持部220における耳100との接触領域を可能な限り多く設置してもよく、又は接触領域の総接触面積を可能な限り大きくしてもよい。いくつかの実施例では、耳100に対向する表面がユーザーの耳100に完全に貼り合わせるようにフック状部210と保持部220を設計してもよく、それによりフック状部210と保持部220のそれぞれの耳100との接触面積を可能な限り大きくし、耳100が受けた圧力を減少させる。しかしながら、異なるユーザーの耳の外形が異なるため、いずれかの(例えば、男性、女性又は子供)のユーザーの耳100に対向する表面が耳に完全に貼り合わせるようにフック状部210と保持部220を設計することが困難である。例えば、いくつかのユーザーの耳甲介舟103の深さが浅く、別のユーザーの耳甲介舟103の深さが深く、深さが浅いいくつかのユーザーの耳甲介舟103の背面(すなわち、第1の側)に貼り合わせられるようにフック状部210を設計すると、耳甲介舟103の深さが深い別のユーザーが音響装置200を装着している場合、深い耳甲介舟103が第1の側においてより大きい突起を有するため、フック状部210が該突起で持ち上げられ、耳100の他の領域がフック状部210に接触しにくく、このような状況で、フック状部210と耳100との接触面積がより小さくなる。したがって、いくつかの実施例では、フック状部210に、耳100に接触しない1つ以上の非接触領域を設置してもよく、これら1つ以上の非接触領域は、異なるユーザーの耳の特異領域又は突出した領域に対応することができ、異なるユーザーの耳の形状が異なることによりフック状部210と耳100との接触面積がより小さくなることを回避し、それにより異なるユーザーが音響装置200を装着している場合にいずれも良好な快適感を有することができる。
【0037】
いくつかの実施例では、音響装置200(特にフック状部210)をより多くのユーザーの耳の外形に一致させることができるために、独特な曲線を有するようにフック状部210を設計して、ユーザーが音響装置200を装着している場合に快適さに対するニーズを満たすことができる。いくつかの実施例では、フック状部210は、異なる曲線を有する第1の部分と第2の部分とを含んでもよく、曲線設計が異なるため第1の部分と第2の部分のユーザーの耳との貼り合わせ状況が異なり、それにより音響装置200のフック状部210をより多くのユーザーの耳の外形に一致させることができ、ユーザーが音響装置200を装着している場合の快適性を向上させる。
【0038】
いくつかの実施例では、フック状部210には、耳100に接触する1つ以上の接触領域と、耳100に接触しない非接触領域とを設置することにより、ユーザーが音響装置200を装着している場合の安定性を保証するとともに、異なるユーザーが音響装置200を装着している場合の快適さを向上させることができる。フック状部210における耳に接触する1つ以上の接触領域と、耳に接触しない非接触領域に関するより多くの説明は、本願の図6及びその関連説明を参照することができる。
【0039】
いくつかの実施例では、異なるユーザーが音響装置200を装着してもフック状部210を耳100に可能な限り多く接触させることができるように、音響装置200は、フック状部210に接続された塑性部をさらに含んでもよい。該塑性部は、フック状部210と耳100との間に設置され、外力作用を受ける場合に塑性変形することができ、それにより耳100の輪郭に一致する形状に変形し、さらに音響装置200と耳100との接触面積を増大させ、耳100が受けた音響装置200からの押圧力を分散させる。塑性部を設置することにより、さらに音響装置200をいずれかのユーザーの耳の外形に一致させることができ、音響装置200の汎用性を向上させる。
【0040】
音響装置(例えば、音響装置200)の各部分の相互関係及び音響装置とユーザーとの関係を容易に説明するために、本明細書において1つ以上の座標系を確立する。いくつかの実施例では、医学分野と同様に、体の矢状面(Sagittal Plane)、冠状面(Coronal Plane)及び横断面(Horizontal Plane)の3つの基本的な切断面と、矢状軸(Sagittal Axis)、冠状軸(Coronal Axis)及び垂直軸(Vertical Axis)の3つの基本的な軸とを定義することができる。図1及び図2における座標軸を参照すると、矢状面は、体の前後方向に沿って切った地面に垂直な切断面を指し、体を左右の2つの部分に分ける面であり、本明細書の実施例では、矢状面は、YZ平面であってもよく、即ち、X軸は、ユーザーの矢状面に垂直であり、冠状面は、体の左右方向に沿って切った地面に垂直な切断面を指し、体を前後の2つの部分に分ける面であり、本明細書の実施例では、冠状面は、XZ平面であってもよく、即ち、Y軸は、ユーザーの冠状面に垂直であり、横断面は、体の上下方向に沿って切った地面に平行な切断面であり、体を上下の2つの部分に分ける面であり、本明細書の実施例では、横断面は、XY平面であってもよく、即ち、Z軸は、ユーザーの横断面に垂直である。それに応じて、矢状軸は、体の前後方向に沿って冠状面を垂直に通過する軸を指し、本明細書の実施例では、矢状軸は、Y軸を指してもよく、冠状軸は、体の左右方向に沿って矢状面を垂直に通過する軸を指し、本明細書の実施例では、冠状軸は、X軸を指してもよく、垂直軸は、体の上下方向に沿って水平面を垂直に通過する軸を指し、本明細書の実施例では、垂直軸は、Z軸を指してもよい。
【0041】
なお、図2に示した音響装置200の装着状態は、正常な装着状態である。当然のことながら、ユーザーに個人差があるため、音響装置200の実際の装着状態は、前述した装着状態と比較して一定の差異が存在する可能性がある。いくつかの実施例では、異なるユーザー(例えば、成人男性、成人女性、未成年者、子供など)によって、耳100における1つ以上の部位の構造、形状、大きさ、厚さなどは、異なってもよい。例えば、音響装置の一部の構造は、外耳道101の一部又は全部を遮蔽してもよい。これらの変化及び修正は、依然として本願の保護範囲内にある。
【0042】
図3は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置を耳の後ろ側から耳の前側へ観察するときの構造概略図である。図4は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置をユーザーの頭頂部側から見た構造概略図である。図5は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置のYZ平面への投影の曲線図である。
【0043】
図3及び図4に示すように、いくつかの実施例では、音響装置300は、フック状部310、保持部320及び接続部330を含んでもよい。ユーザーが音響装置300を装着している場合、フック状部310は、ユーザーの耳の第1の側と頭部との間に掛けられてもよく、保持部320は、耳の第2の側に接触し、接続部330は、フック状部310と保持部320を接続する。耳の第1の側は、ユーザーの耳の後ろ側であってもよく、ユーザーの耳の第2の側は、ユーザーの耳の前側であってもよい。ユーザーの耳の前側は、ユーザーの耳の、耳甲介舟(例えば、耳甲介舟103)、三角窩(例えば、三角窩104)、対耳輪(例えば、対耳輪105)、舟状窩(例えば、舟状窩106)、及び耳輪(例えば、耳輪107)などの部位が位置する側である。ユーザーの耳の後ろ側は、ユーザーの耳の前側に背向する側であり、すなわち、前側とは反対側である。
【0044】
いくつかの実施例では、ユーザーが音響装置300を装着している場合、フック状部310は、少なくとも部分的に耳の第1の側に接触してもよい。いくつかの実施例では、フック状部310は、例えば、フック状、C字状などの、ユーザーへの装着に適する任意の形状を含んでもよい。いくつかの実施例では、フック状部310は、一定の弾性変形能力を有してもよいため、フック状部310は、外力作用で変形して、保持部320に対して変位することにより、フック状部310と保持部320が協働して耳を弾性的に挟持することができる。このように、ユーザーは、音響装置300を装着する過程において、耳を保持部320とフック状部310との間に挿入しやすいように、まず、少し力を入れてフック状部310を保持部320から離間させることができ、適切な位置に装着して手を放すと、音響装置300は、耳を弾性的に挟持することができ、当然のことながら、実際の装着状況に応じて音響装置300の耳での位置をさらに調整することができる。
【0045】
いくつかの実施例では、ユーザーは、音響装置300を装着する過程において、フック状部310が耳の第1の側に対して第1の押圧力を発生するように、ユーザーの矢状面に垂直な方向(例えば、図3に示したX軸方向)に沿ってフック状部310を保持部320から離間させることができる。いくつかの実施例では、第1の押圧力の主な作用方向は、ユーザーの矢状面に垂直な方向であってもよい。いくつかの実施例では、ユーザーは、音響装置300を装着する過程において、フック状部310が耳の第1の側に対して第2の押圧力を発生するように、ユーザーの矢状面に平行な平面(例えば、図3に示したZOY平面)内でフック状部310のユーザーの耳に対応する最高点(例えば、CP1位置)を支点としてフック状部310を保持部320に対して偏向させることができる。いくつかの実施例では、第2の押圧力は、フック状部310における接触領域(例えば、CP1位置以外の他の接触領域)によりユーザーの耳に作用してもよい。いくつかの実施例では、第2の押圧力の作用位置は、フック状部310のX軸の方向(すなわち、ユーザーの矢状面に垂直な方向)への投影と、保持部320のX軸の方向への投影とが重なる部分の中点CP0位置であってもよい。いくつかの実施例では、第2の押圧力の作用位置は、CP0位置の近傍のフック状部310の円弧に対応する位置であってもよく、該円弧は、フック状部310の1つの接触領域に対応する。いくつかの実施例では、第2の押圧力の作用位置は、フック状部310のX軸方向(すなわち、ユーザーの矢状面に垂直な方向)への投影と、保持部320のX軸方向への投影とが重なる部分に対応する円弧(例えば、図3に示したCP2~CP7部分の円弧)であってもよい。いくつかの実施例では、第2の押圧力の作用方向は、ユーザーの冠状面に垂直な方向(例えば、Y軸方向)であってもよい。いくつかの実施例では、第1の押圧力と第2の押圧力は、ユーザーが音響装置300を装着している場合に測定されてもよい。いくつかの実施例では、第1の押圧力と第2の押圧力は、装着中にユーザーの受力状況をシミュレーションすることにより測定されてもよい。例えば、ユーザーが音響装置300を装着している場合にユーザーの矢状面に垂直な方向に沿ってフック状部310が保持部320から離間した距離を測定した後、フック状部310を保持部320に対して同じ距離離間させた後に第1の押圧力を測定することができる。また、例えば、ユーザーが音響装置300を装着している場合にユーザーの冠状面に垂直な方向に沿ってフック状部310が保持部320から離間した距離を測定した後に、フック状部310を保持部320に対して同じ距離離間させた後に第2の押圧力を測定することができる。
【0046】
いくつかの実施例では、ユーザーが音響装置300を装着している場合の堅牢性及び快適性を両立させるために、フック状部310の耳の第1の側への第1の押圧力と第2の押圧力を適切な範囲内に設定してもよい。いくつかの実施例では、フック状部310における第1の押圧力の作用位置(例えば、CP1位置)と保持部320とのユーザーの矢状面に垂直な方向(例えば、X軸方向)に沿った距離を調整することで第1の押圧力を適切な範囲内に設定することができる。いくつかの実施例では、フック状部310における第2の押圧力の作用位置(例えば、CP0位置)と接続部330(例えば、CP3位置)とのユーザーの冠状面に垂直な方向(例えば、Y軸方向)に沿ったサイズを調整することで第2の押圧力を適切な範囲内に設定することができる。
【0047】
いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第1の押圧力は、0.05ニュートン~3ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第1の押圧力は、0.08ニュートン~2ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第1の押圧力は、0.1ニュートン~1ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第1の押圧力は、0.15ニュートン~0.8ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第1の押圧力は、0.2ニュートン~0.6ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第1の押圧力は、0.3ニュートン~0.4ニュートンであってもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第2の押圧力は、0.05ニュートン~3ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第2の押圧力は、0.1ニュートン~2ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第2の押圧力は、0.1ニュートン~1ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第2の押圧力は、0.2ニュートン~0.8ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第2の押圧力は、0.3ニュートン~0.7ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への第2の押圧力は、0.4ニュートン~0.6ニュートンであってもよい。
【0049】
いくつかの実施例では、フック状部310は、第1の部分311と、第2の部分312とを含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の部分311の始点(CP3)は、第1の部分311と接続部330との間の接続点であり、第1の部分311の終点(CP2)は、保持部320の接続部330から離れる底辺のX軸方向に沿ってのフック状部310への投影位置である。第2の部分312の始点(CP2)は、第1の部分311の終点であり、第2の部分312の終点(CP4)は、フック状部310の自由端(接続部330から離れる端)の端点である。
【0050】
いくつかの実施例では、フック状部310の耳の第1の側への押圧力(例えば、第1の押圧力と第2の押圧力)は、それぞれ第1の部分311と第2の部分312によりユーザーの耳に作用してもよい。いくつかの実施例では、第1の部分311と保持部320のユーザーの矢状面への投影には、重なる部分(例えば、図3に示したCP2~CP7に対応する円弧)があり、ユーザーが音響装置300を装着している場合、該重なる部分に対応するフック状部310と保持部320との間の距離変化が最も大きいため、ユーザーが音響装置300を装着している場合、該重なる部分は、ユーザーの耳に対してより大きな押圧力を発生させることができる。該設置により、保持部320が第1の部分311に与える押圧力を、保持部320が第2の部分312に与える押圧力より大きくすることができる。
【0051】
いくつかの実施例では、ユーザーが音響装置300を装着している場合、フック状部310は、耳に対してさらに摩擦力を発生させることで、装着操作により音響装置300が耳に対して回転する移動傾向を克服する。いくつかの実施例では、フック状部310における異なる部分の耳への摩擦力は、異なる。いくつかの実施例では、第1の部分311と第2の部分312の耳への摩擦力は、異なる。いくつかの実施例では、第1の部分311と比較して、第2の部分312は、より粗い表面を有する。いくつかの実施例では、第2の部分312の表面摩擦係数は、第1の部分311の表面摩擦係数の1.1~4倍であってもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312の表面摩擦係数は、第1の部分311の表面摩擦係数の1.5~4倍であってもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312の表面摩擦係数は、第1の部分311の表面摩擦係数の2~4倍であってもよい。フック状部310(例えば、第1の部分311、第2の部分312)とユーザーの耳が円弧状の接触表面を有するため、フック状部310と耳のとの接触面積が大きければ大きいほど、フック状部310と耳との間の摩擦力の総和が大きい。いくつかの実施例では、第1の部分311と比較して、第2の部分312と耳との間に、より大きな接触面積を有することができ、それにより第2の部分312の耳への摩擦力は、第1の部分311の耳への摩擦力より大きい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳との接触面積は、第1の部分311と耳との接触面積の1.1~4倍であってもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳との接触面積は、第1の部分311と耳との接触面積の1.2~3倍であってもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳との接触面積は、第1の部分311と耳との接触面積の1.5~3倍であってもよい。
【0052】
第1の部分311と第2の部分312をより明確に説明するために、図5に示すように、フック状部310のユーザーの矢状面への投影の曲線(すなわち、フック状部310のYZ平面への投影の曲線)を用いて第1の部分311と第2の部分312を説明することができる。
【0053】
図5に示すように、いくつかの実施例では、フック状部310の第1の部分311のユーザーの矢状面への投影は、第1の曲線、すなわち、図5に示した曲線CBADを有する。いくつかの実施例では、第1の曲線は、第1の部分311の軸線に対応する曲線であってもよい。第1の曲線CBADの始点Cの音響装置300における対応位置は、フック状部310の第1の部分311と接続部330との間の接続点(図3に示したCP3)であってもよい。第1の曲線CBADの終点Dの音響装置300における対応位置は、第1の部分311の終点(図3に示したCP2)であってもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、座標系YOZにおいて、第1の曲線CBADは、式(1)で表すことができる。
【0055】
f(y)=P×y+P×y+P×y+P×y+P×y+P×y+P、 式(1)
ここで、P=-1.393×10-5、P=-3.423×10-6、P=9.998×10-4、P=4.292×10-5、P=-9.172×10-2、P=8.412×10-2、P=9.038。
【0056】
いくつかの実施例では、Z(すなわち、f(y))とyとの間の関数関係に基づいて、式(1)を一次微分して、曲線f(y)の一次導関数がゼロになる点を求めることができ、該曲線の極値点とも呼ばれる。いくつかの実施例では、第1の曲線CBADに対応する近似曲線f(y)の極値点は、第1の極値点を含んでもよく、すなわち、第1の曲線CBADは、第1の極値点を有する。いくつかの実施例では、該曲線f(y)の第1の極値点は、点Bであり、すなわち、第1の曲線CBADは、第1の方向に第1の極値点Bを有する。第1の極値点Bは、式(1)の曲線Z=f(y)に基づいて求められるため、第1の極値点Bが該曲線の座標軸のZ方向の極値点であると考えられ、Z軸方向を第1の方向と記し、すなわち、第1の曲線CBADは、第1の方向に第1の極値点Bを有する。いくつかの実施例では、第1の方向は、保持部320の延伸方向に垂直な方向であってもよく、保持部320の延伸方向は、保持部320の自由端が指向する方向である。いくつかの実施例では、第1の方向は、音響装置300を装着しているユーザーの横断面に垂直な方向であってもよい。いくつかの実施例では、図5に示すように、第1の方向は、Z軸が位置する方向であってもよい。いくつかの実施例では、第1の極値点Bは、式(1)の曲線Z=f(y)のZ軸方向の極大値点であってもよい。いくつかの実施例では、第1の極値点Bは、フック状部310がユーザーの耳に掛けられている場合の位置に対応し、フック状部310の第1の方向の最高点(図3に示したCP1)であってもよい。いくつかの実施例では、第1の曲線CBADに対応する近似曲線f(y)は、第1の方向に1つのみの極値点Bを有し、このような設定により、極値点B及び極値点Bの近傍の曲線の曲率変化をより容易に設定することができ、フック状部310の曲線設計をより正確にする。
【0057】
いくつかの実施例では、ユーザーが音響装置300を装着している場合、第1の曲線CBADの極値点B(すなわち、音響装置300の第1の方向の最高点CP1)は、耳のZ軸方向に沿った最高点の近傍の領域(例えば、耳輪の最高点から耳の上方と頭部との接続位置までの領域)に接触してもよく、該接触位置に、耳は、さらに音響装置300にその重力をバランスさせる支持力を与えることができ、それにより音響装置300の装着安定性を提供することができる。
【0058】
なお、式(1)の近似関数及びその対応する係数P~Pは、第1の部分311が最高点CP1の近傍に第1の極値点を有する場合の曲線設計を実現する近似式に過ぎず、第1の部分311に対応する曲線CBADを限定するものでなく、当業者であれば、実際の状況に基づいて近似式の変数の次数、各次数の変数の係数、又は近似関数のタイプを変更することで、第1の部分311に対応する曲線には、CP1の近傍に極大値点を有させることができ、これらの近似結果は、いずれも本明細書の実施例の範囲内に含まれるべきである。
【0059】
いくつかの実施例では、第2の部分312の断面の外径は、第1の部分311の断面の外径より大きくてもよく、それにより第1の部分311と第2の部分312がネッキング(又は略ネッキング)の構造を形成し、第2の部分312と耳の第1の側との間の接触面積を増大させ、さらに第2の部分312と耳の第1の側との間の摩擦力を向上させ、音響装置300の装着の安定性を改善する。いくつかの実施例では、図5に示すように、第2の部分312のユーザーの矢状面への投影は、第2の曲線、すなわち、図5に示した曲線DFEを有する。いくつかの実施例では、第2の曲線は、第2の部分312の軸線に対応する曲線であってもよい。第2の曲線DFEの始点Dの音響装置300における対応位置は、フック状部310の第2の部分312の始点(図3に示したCP2)であってもよい。いくつかの実施例では、第2の曲線DFEの始点は、第1の曲線CBADと第2の曲線DFEとの接続点である。いくつかの実施例では、第1の曲線CBADと第2の曲線DFEとの接続点は、保持部320のユーザーの横断面に垂直な方向に沿って接続部330から離れる底辺と、フック状部310のユーザーの矢状面への投影との交点であってもよい。第2の曲線DFEの終点Eの音響装置300における対応位置は、フック状部310の自由端(接続部330から離れる端)の端点(例えば、図3に示したCP4)であってもよい。いくつかの実施例では、第2の曲線DFEの末端端点(すなわち、終点E)と第1の曲線CBADの第1の極値点(点B)との第1の方向(Z軸方向)に沿った投影は、ほぼ重なってもよく、ほぼ重なることは、両点が重なるか又は両点の間の距離が0.5mmより小さいことであってもよい。すなわち、第2の曲線DFEの末端端点Eと第1の曲線CBADの第1の極値点Bは、いずれも図3における第1の参照面RP1にあり、第1の参照面RP1は、第1の曲線CBADの第1の極値点Bを通過し、かつXZ平面に平行な参照面であってもよい。このような設置方式で、フック状部310のXY平面に対する対称性をより高くし、構造全体をより均衡させ、音響装置300と耳との一致度を向上させ、音響装置300の装着快適さ及び安定性を改善することができる。
【0060】
いくつかの実施例では、第2の曲線DFEは、式(2)で表すことができる。
【0061】
f(y)=Q×y+Q×y+Q×y+Q×y+Q 式(2)
ここで、Q=3.931×10-3、Q=5.546×10-2、Q=2.974×10-1、Q=9.822×10-2、Q=-25.41。
【0062】
いくつかの実施例では、Z(すなわち、f(y))とyとの間の関数関係に基づいて、式(2)を一次微分して、曲線f(y)の一次導関数が0になる点を求めることができ、該曲線の極値点とも呼ばれる。いくつかの実施例では、第2の曲線DFEに対応する近似曲線f(y)の極値点は、第2の極値点を含んでもよく、すなわち、第2の曲線DFEは、第2の極値点を有する。いくつかの実施例では、該曲線f(y)の第2の極値点は、点Fであり、すなわち、第2の曲線DFEは、第1の方向に第2の極値点Fを有する。第2の極値点Fは、式(2)の曲線Z=f(y)に基づいて求められるため、第2の極値点Fが該曲線の座標軸のZ方向の極値点であると考えられ、Z軸方向を第1の方向と記し、すなわち、第2の曲線DFEは、第1の方向に第2の極値点Fを有する。いくつかの実施例では、第2の極値点Fは、式(2)の曲線Z=f(y)のZ軸方向の極小値点であってもよい。いくつかの実施例では、第2の曲線DFEの第2の極値点Fは、第2の曲線DFEの終点Eに近くてもよい。いくつかの実施例では、Y軸方向に沿って、第2の曲線DFEの第2の極値点Fと終点Eとの間の距離は、0.01ミリメートル~5ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、Y軸方向に沿って、第2の曲線DFEの第2の極値点Fと終点Eとの間の距離は、0.02ミリメートル~4ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、Y軸方向に沿って、第2の曲線DFEの第2の極値点Fと終点Eとの間の距離は、0.03ミリメートル~3ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、Y軸方向に沿って、第2の曲線DFEの第2の極値点Fと終点Eとの間の距離は、0.04ミリメートル~2ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、第2の極値点Fの第2の部分312における位置は、音響装置300がユーザーの耳に掛けられている場合に耳たぶ108の近傍の凹み位置であってもよい。第2の極値点を第2の部分312の自由端Eの近傍のF位置に設置することにより、第2の部分312がFE部でフック状の構造を形成することができ、ユーザーが音響装置300を装着している場合、FE部で形成されたフック状の構造は、耳たぶの凹み部分に引っ掛けることができ、ユーザーが音響装置300を装着している場合の安定性を増加させることができる。いくつかの実施例では、第2の曲線DFEに対応する近似曲線f(y)は、第1の方向に1つのみの極値点Fを有し、このような設定により、極値点F及び極値点Fの近傍の曲線の曲率変化をより容易に設定することができ、フック状部310の曲線設計をより正確にする。
【0063】
なお、式(2)の近似関数及びその対応する係数Q~Qは、第2の部分312が自由端の近傍に極小値点を有する場合の曲線設計を実現する近似式に過ぎず、第2の部分312に対応する曲線DFEを限定するものでなく、当業者であれば、実際の状況に基づいて近似式の変数の次数、各次数の変数の係数、又は近似関数のタイプを変更することで、第2の部分312に対応する曲線には、自由端の近傍に極小値点を有させることができ、これらの近似結果は、いずれも本明細書の実施例の範囲内に含まれるべきである。
【0064】
いくつかの実施例では、フック状部310の第1の部分311と第2の部分312は、接続点CP2により接続されてフック状部310を形成し、これにより、第1の曲線CBADと第2の曲線DFEは、接続点Dによりフック状部310のユーザーの矢状面(例えば、YZ平面に平行な平面)への投影の曲線CDEを形成することができる。いくつかの実施例では、フック状部の接続点CP2における耳との接触面積を増加させるために、曲線CDEの接続点Dでの曲率を可能な限り小さく設定することにより、フック状部310が接続点CP2に対応する位置の近傍に、より緩やかな曲線変化を有することができ、それによりユーザーが音響装置300を装着している場合、耳が該位置の近傍で受ける第2の押圧力を分散させ、ユーザーの装着快適感を向上させる。いくつかの実施例では、接続点Dでの曲率は、0.1より小さくてもよい。いくつかの実施例では、接続点Dでの曲率は、0.08より小さくてもよい。いくつかの実施例では、接続点Dでの曲率は、0.06より小さくてもよい。いくつかの実施例では、接続点Dでの曲率は、0.04より小さくてもよい。
【0065】
いくつかの実施例では、ユーザーの耳の輪郭のユーザーの矢状面への投影の曲線は、常に滑らかな曲線ではなく、凹凸変化を有する不規則な曲線であるため、フック状部310と耳との接触面積を増大させるために、フック状部310に対応する曲線(例えば、第1の曲線CBAD及び/又は第2の曲線DFE)は、対応する凹凸変化を有してもよい。いくつかの実施例では、第1の曲線CBAD及び/又は第2の曲線DFEに、対応する変曲点を設計することにより、フック状部310にも、対応する凹凸変化を有させることができる。例えば、耳は、Z軸方向の最高点の近傍の軟骨にわずかな凹みが存在し、該凹みは、耳の輪郭のユーザーの矢状面への投影の曲線の該位置の近傍の凹凸性を変更し、すなわち、耳のユーザーの矢状面への投影の曲線は、ここに変曲点が存在する。フック状部310の曲線を設計することにより、フック状部310の第1の部分311の曲線CBADにも、該凹みに対応する位置に変曲点を有させることができ、それによりユーザーが音響装置300を装着している場合、フック状部310は、ユーザーの耳のZ軸方向の最高点位置の近傍に耳とより大きな接触面積を有し、さらに耳が受ける音響装置300の作用力(例えば、重力、第1の押圧力など)を分散させ、音響装置300の耳の局部接触領域(最高点CP1と耳の最高点の近傍の接触領域)に対する圧力を低下させ、ユーザーの装着快適性を向上させる。また、例えば、耳の耳たぶの近傍に凹みが存在し、該凹みは、耳たぶの近傍の耳の輪郭の凹凸性を変更し、すなわち、耳の輪郭線は、ここに変曲点が存在する。フック状部310の曲線を設計することにより、フック状部310の第2の部分312の曲線DFEにも、該凹みに対応する位置に変曲点を有させることができ、それによりユーザーが音響装置300を装着している場合、フック状部310の第2の部分312は、ユーザーの耳(特に耳たぶの近傍)に可能な限り多く接触し、第2の部分312と耳の第1の側との間の摩擦力を向上させる。
【0066】
いくつかの実施例では、図3及び図4に示すように、接続部330は、フック状部310と保持部320を接続し、かつユーザーの耳の第1の側からユーザーの耳の第2の側へ延伸する。接続部330は、フック状部310と保持部320に接続され、それにより保持部320は、フック状部310に耳の第1の側への押圧力を与え、フック状部310は、保持部320に耳100の第2の側への押圧力を与える。
【0067】
いくつかの実施例では、接続部330は、フック状部310と保持部320を接続することができる。具体的には、接続部330の第1の端部は、フック状部310に接続されてもよく、接続部330の第2の端部は、保持部320に接続されてもよい。いくつかの実施例では、フック状部310と接続部330との間の接続は、固定的な接続又は可動な接続を含んでもよく、接続部330と保持部320との間の接続は、固定的な接続又は可動な接続を含んでもよい。いくつかの実施例では、音響装置300が異なるユーザーに適用し、音響装置300の適用範囲を増加させるように、フック状部310と接続部330、接続部330と保持部320との三次元空間における相対的な位置関係を調整してもよい。例えば、接続部330は、軟鋼線などの変形可能な材料で製造されてもよく、ユーザーが接続部330を折り曲げてその一部を他の部分に対して回転させることにより、フック状部310、接続部330、及び/又は保持部320の三次元空間における相対的な位置を調整することができ、それによりユーザーの装着ニーズを満たす。いくつかの実施例では、異なる厚さ及び形状の耳に適応するように、接続部330のパラメータ(例えば、形状、長さ、厚さなど)は、具体的な状況に応じて設定されてもよい。
【0068】
いくつかの実施例では、接続部330(及び/又はフック状部310、保持部320)のユーザーの耳に接触する部位は、軟質材料、硬質材料など、またはそれらの組み合わせにより製造されてもよい。軟質材料は、硬度(例えば、ショア硬度)が第1の硬度閾値(例えば、15A、20A、30A、35A、40Aなど)よりも小さい材料である。例えば、軟質材料のショア硬度は、45~85A、30~60Dであってもよい。硬質材料は、硬度(例えば、ショア硬度)が第2の硬度閾値(例えば、65D、70D、80D、85D、90Dなど)よりも大きい材料である。軟質材料は、ポリウレタン(Polyurethanes、PU)(例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマーゴム(Thermoplastic polyurethanes、TPU))、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(Acrylonitrile Butadiene Styrene、ABS)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、高衝撃ポリスチレン(High Impact Polystyrene、HIPS)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、フェノール樹脂(Phenol Formaldehyde、PF)、尿素-ホルムアルデヒド樹脂(Urea-Formaldehyde、UF)、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂(Melamine-Formaldehyde、MF)、シリコーンゴムなど又は、それらの組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。硬質材料は、ポリエーテルスルホン樹脂(Poly(ester sulfones)、PES)、ポリ塩化ビニリデン(Polyvinylidene chloride、PVDC)、ポリメタクリル酸メチル(Polymethyl Methacrylate、PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(Poly-ether-ether-ketone、PEEK)など、又はそれらの組み合わせ、又はそれらとガラス繊維、炭素繊維などの強化剤との混合物を含んでもよいが、それらに限定されない。いくつかの実施例では、音響装置300の接続部330(及び/又はフック状部310、保持部320)のユーザーの耳に接触する部位の材質は、具体的な状況に応じて選択されてもよい。本実施例では、軟質材料は、ユーザーが音響装置300を装着している場合の快適さ、及び音響装置300とユーザーの耳との一致度を向上させることができ、硬質材料は、音響装置300の強度を向上させることができ、音響装置300の各部品の材質を合理的に組み合わせるにより、ユーザーの快適さを向上させるとともに、音響装置300の強度を向上させることができる。
【0069】
いくつかの実施例では、音響装置300の構造強度を向上させるために、音響装置300の接続部330(及び/又はフック状部310、保持部320)などの内部に弾性糸状構造が設置されてもよい。上記軟質材料、上記硬質材料は、いずれも上記弾性糸状構造に被覆されてもよい。いくつかの実施例では、弾性糸状構造は、金属線(例えば、ばね鋼、チタン合金、チタンニッケル合金、クロムモリブデン鋼、アルミニウム合金、銅合金など)、繊維糸(例えば、ガラス繊維、炭素繊維など)など又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、接続部330(及び/又はフック状部310、保持部320)の内部に設置された弾性糸状構造(例えば、金属線)は、接続部330(及び/又はフック状部310、保持部320)の強度を増加させることができる。いくつかの実施例では、金属線の数、形状、長さ、厚さ、直径などのパラメータは、実際のニーズ(例えば、音響装置の部品の直径、音響装置の部品に対する強度要件など)に応じて設定されてもよい。金属線の形状は、例えば、円柱体、立方体、直方体、角柱、及び楕円柱体などのいずれの適切な形状を含んでもよい。
【0070】
いくつかの実施例では、異なるユーザーの耳と音響装置300との一致度を向上させ、音響装置300の装着快適さ及び安定性をさらに向上させるために、接続部330のサイズを合理的に設定してもよい。いくつかの実施例では、接続部330のサイズは、接続部330のユーザーの横断面に垂直な方向(Z軸方向)に沿った高さサイズと、接続部330のユーザーの矢状面に垂直な方向(X軸方向)に沿った深さサイズと、を含んでもよい。いくつかの実施例では、接続部330のZ軸方向に沿った高さサイズは、接続部330がフック状部310に接続された接続点と、接続部330が保持部320に接続された接続点との間のZ軸方向の距離サイズであってもよい。いくつかの実施例では、接続部330のX軸方向に沿った深さサイズは、接続部330がフック状部310に接続された接続点と、接続部330が保持部320に接続された接続点との間のX軸方向の距離サイズであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの横断面に垂直な方向(Z軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、0.36ミリメートル~4.76ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの横断面に垂直な方向(Z軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、0.56ミリメートル~4.56ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの横断面に垂直な方向(Z軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、1.06ミリメートル~4.06ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの横断面に垂直な方向(Z軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、1.56ミリメートル~3.56ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの横断面に垂直な方向(Z軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、2.06ミリメートル~3.06ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの横断面に垂直な方向(Z軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、2.36ミリメートル~2.76ミリメートルであってもよい。
【0071】
いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの矢状面に垂直な方向(X軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、2ミリメートル~5ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの矢状面に垂直な方向(X軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、2.3ミリメートル~4.7ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの矢状面に垂直な方向(X軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、2.5ミリメートル~4.5ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの矢状面に垂直な方向(X軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、2.7ミリメートル~4.3ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの矢状面に垂直な方向(X軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、3ミリメートル~4ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、接続部330のユーザーの矢状面に垂直な方向(X軸方向)に沿ったサイズdの範囲は、3.3ミリメートル~3.7ミリメートルであってもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、図3及び図5に示すように、接続部330とフック状部310との接続点CP3は、YZ平面において第2の方向(Y軸方向)に沿ってフック状部310に第1の投影点CP5を有する。第1の投影点CP5は、図5における第1の曲線CBADにおける点Aに対応する。いくつかの実施例では、接続点CP3と第1の投影点CP5は、第1の参照面RP1に対して対称である。このとき、接続部330とフック状部310との接続点CP3(すなわち、図5における点C)と、第1の曲線CBADの第1の極値点Bとの第2の方向に沿った距離は、第1の投影点CP5(すなわち、図5における点A)と、第1の曲線CBADの第1の極値点Bとの第2の方向に沿った距離に等しくてもよい。すなわち、図5における曲線CBのY軸方向の投影長さは、曲線BAのY軸方向の投影長さに等しい。このような設置方式で、ユーザーが音響装置300を装着している場合、第1の部分311の最高点CP1は、耳の頂端(耳の最高点の近傍の領域、例えば、耳輪の最高点から耳の上方と頭部との接続位置までの領域)に接触することができ、接続部330とフック状部310との接続点CP3と、接続点CP3の第1の投影点CP5とは、CP1の第2の方向(Y軸方向)に沿った両側に対称的に分布し、フック状部310(第1の部分311)の第1の参照面RP1に対する対称性を向上させ、第1の部分311の構造全体をより均衡させ、それにより音響装置300と耳との一致度を向上させ、音響装置300の装着快適さ及び安定性を改善する。
【0073】
なお、曲線CBのY軸方向の投影長さと曲線BAのY軸方向の投影長さは、等しくなくてもよく、例えば、曲線CBのY軸方向の投影長さは、曲線BAのY軸方向の投影長さより僅かに大きいか又は小さい(例えば、両者の長さの差が±1ミリメートルの間にある)。いくつかの実施例では、曲線CBのY軸方向の投影長さと曲線BAのY軸方向の投影長さは、実際のニーズ(例えば、異なるユーザーの耳の形状)に応じて設定されてもよく、ここではさらに限定しない。
【0074】
いくつかの実施例では、音響装置300の適用性を向上させるために、接続部330とフック状部310との接続点CP3(図5における点C)と、第1の曲線CBADの第1の極値点Bとの第2の方向(Y軸方向)に沿った距離は、適切な範囲内に設定されてもよく、それによりユーザーが音響装置300を装着している場合の快適さ及び安定性を向上させる。いくつかの実施例では、接続部330とフック状部310との接続点CP3(図5における点C)と、第1の極値点Bとの第2の方向(Y軸方向)に沿った距離は、7ミリメートル~12ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、接続部330とフック状部310との接続点CP3(図5における点C)と、第1の極値点Bとの第2の方向(Y軸方向)に沿った距離は、7.5ミリメートル~11.5ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、接続部330とフック状部310との接続点CP3(図5における点C)と、第1の極値点Bとの第2の方向(Y軸方向)に沿った距離は、8ミリメートル~11ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、接続部330とフック状部310との接続点CP3(図5における点C)と、第1の極値点Bとの第2の方向(Y軸方向)に沿った距離は、8.5ミリメートル~10.5ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、接続部330とフック状部310との接続点CP3(図5における点C)と、第1の極値点Bとの第2の方向(Y軸方向)に沿った距離は、9ミリメートル~10ミリメートルであってもよい。
【0075】
いくつかの実施例では、図3及び図4に示すように、保持部320は、少なくとも部分的にユーザーの耳の第2の側に接触してもよい。いくつかの実施例では、保持部320は、フック状部310の作用で、ユーザーの耳の第2の側に押圧力を与えることができ、すなわち、フック状部310は、保持部320にユーザーの耳の第2の側への押圧力を与えることができる。保持部320は、押圧力の作用で、耳甲介舟(例えば、耳甲介舟103)、三角窩(例えば、三角窩104)、及び対耳輪(例えば、対耳輪105)などの部位が位置する領域に押し当てることができ、それにより、ユーザーが音響装置300を装着している場合、音響装置300は、耳の外耳道(例えば、外耳道101)を塞がない。
【0076】
いくつかの実施例では、保持部320は、押圧力の作用でユーザーの耳の第2の側に押し当てるだけでなく、さらに延伸して耳の耳甲介舟及び/又は三角窩内に保持することができる。いくつかの実施例では、保持部320の延伸方向は、Y軸方向であってもよい。このような設置方式で、保持部320は、少なくとも接続部330の延伸方向に耳の耳輪に受け止められて、音響装置300が装着状態にある場合に保持部320が外側へ反転することを回避し、音響装置300の装着安定性を向上させる。
【0077】
いくつかの実施例では、音響装置300は、コアアセンブリ340と、マザーボードアセンブリ350と、電池アセンブリ360と、をさらに含んでもよい。コアアセンブリ340、マザーボードアセンブリ350及び電池アセンブリ360のうちのいずれか2つは、例えば、有線接続、無線接続など、又はそれらの組み合わせの様々な方式で通信することができる。いくつかの実施例では、有線接続は、金属ケーブル、光ケーブル、又は金属光学ハイブリッドケーブルによる接続を含んでもよい。上述した例は、説明を容易にするためのものに過ぎず、有線接続の媒体は、他のタイプの媒体、例えば、他の電気信号又は光信号などの伝送キャリアであってもよい。無線接続は、無線通信、自由空間光通信、音声通信、及び電磁誘導などを含んでもよい。
【0078】
いくつかの実施例では、コアアセンブリ340は、オーディオ情報を含む信号(例えば、電気信号)を対応する機械的振動に変換して、音声信号を生成することができる。オーディオ情報は、特定のデータフォーマットを有するビデオファイル、オーディオファイル、又は特定の方法で音声に変換可能なデータ若しくはファイルを含んでもよい。上記オーディオ情報を含む信号は、電気信号、光信号、磁気信号、及び機械信号などのうちの1種又は複数種の組み合わせを含んでもよい。処理の過程は、分周、フィルタリング、ノイズ除去、増幅、及び平滑化など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。変換の過程において、複数種の異なるエネルギーの共存及び変換が含まれる可能性がある。例えば、電気信号は、コアアセンブリにより機械的振動に直接変換されて音声を生成することができる。さらに、例えば、オーディオ情報は、光信号に含まれてもよく、特定のイヤホンコアは、光信号を振動信号に変換する過程を実現することができる。いくつかの実施例では、コアアセンブリ340は、保持部320内に設置されてもよい。いくつかの実施例では、コアアセンブリ340は、押圧力の作用で、ユーザーの耳の耳輪脚(例えば、耳輪脚109)の前側(例えば、耳輪脚109、耳甲介舟103、三角窩104、対耳輪105、舟状窩106、及び耳輪107などの部位が位置する側)に近くてもよい。いくつかの実施例では、コアアセンブリ340は、ユーザーの耳の第2の側(例えば、耳輪脚109、耳甲介舟103、三角窩104、対耳輪105、舟状窩106、及び耳輪107などの部位が位置する側)に近くてもよい。例えば、コアアセンブリ340は、ユーザーの外耳道の1つ以上の部位(例えば、耳甲介舟103、三角窩104、対耳輪105、舟状窩106、及び耳輪107など)に接触してもよい。
【0079】
マザーボードアセンブリ350は、コアアセンブリ340による音声出力を制御することができる。いくつかの実施例では、マザーボードアセンブリ350は、ユーザーが入力した命令に基づいてコアアセンブリ340による音声出力を制御することができる。いくつかの実施例では、マザーボードアセンブリ350は、音響装置300の1つ以上のアセンブリの情報に基づいてコアアセンブリ340を制御するための命令を生成することができる。例えば、マザーボードアセンブリ350は、「歌を再生」のようなユーザーの音声信号を受信することができる。この音声信号を処理することにより、マザーボードアセンブリ350は、この音声信号に関連する制御命令を生成し、例えば、記憶モジュール(又は他の装置)から再生する必要がある歌の情報を取得するようにコアアセンブリ340を制御し、かつこれによりコアアセンブリ340の振動を制御する電気信号などを生成する。いくつかの実施例では、マザーボードアセンブリ350は、音響装置300の他のアセンブリを制御することができる。例えば、マザーボードアセンブリ350は、制御命令を生成して、音響装置300に音声を発生するための電気エネルギーを提供するように電池アセンブリ360を制御することができる。
【0080】
いくつかの実施例では、マザーボードアセンブリ350は、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、画像処理ユニット(GPU)、物理処理ユニット(PPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)、プログラム可能なロジックデバイス(PLD)、コントローラ、マイクロコントローラユニット、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、マイクロプロセッサなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0081】
いくつかの実施例では、マザーボードアセンブリ350は、音響装置300の任意の部位に設置されてもよい。例えば、マザーボードアセンブリ350は、保持部320に設置されてもよい。このような状況で、マザーボードアセンブリ350と保持部320に設置された他の部品(例えば、コアアセンブリ340、キースイッチなど)との間の配線距離を短縮することができ、それにより、配線間の信号干渉を低減し、配線間に短絡が発生する可能性を低減する。
【0082】
電池アセンブリ360は、音響装置300における他のアセンブリに電気エネルギーを提供することができる。いくつかの実施例では、電池アセンブリ360は、フレキシブル回路基板、電池などを含んでもよい。フレキシブル回路基板は、電池と、音響装置における他のアセンブリ(例えば、コアアセンブリ340)とを接続する。電池は、蓄電池、乾電池、リチウム電池、ダニエル電池、又は燃料電池、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、電池アセンブリ360は、自体の状態情報をマザーボードアセンブリ350に伝送し、マザーボードアセンブリ350の命令を受信して、対応する操作を実行することができる。電池アセンブリ360の状態情報は、オン/オフ状態、残量、残量の使用時間、充電時間など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0083】
いくつかの実施例では、電池アセンブリ360は、音響装置300の任意の部位に設置されてもよい。いくつかの実施例では、音響装置300の各部分の重量を均衡させ、音響装置300の装着安定性及び快適さを改善するように、音響装置300における1つ以上の部品の位置は、音響装置300の各部分の重量に基づいて設置されてもよい。例えば、コアアセンブリ340、マザーボードアセンブリ350、及びキースイッチなどは、保持部320に設置されてもよい。第2の部分312と保持部320との間にレバーバランスに達し、音響装置300の装着安定性を向上させるように、電池アセンブリ360は、フック状部310の第2の部分312に設置されてもよい。
【0084】
いくつかの実施例では、第2の部分312と保持部320との間にレバーバランスに達する場合、該レバーの支点は、第1の部分311のZ軸方向の最高点CP1であってもよい。保持部320の重心と最高点CP1との間の距離は、電池アセンブリ360の重心と最高点CP1との間の距離と異なるため、保持部320の総重量は、電池アセンブリ360の重量と異なってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の総重量と、フック状部310における電池アセンブリ360を含む部分(電池部とも呼ばれる)の重量との比は、4:1以内であってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の総重量と電池部の重量との比は、3:1以内であってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の総重量と電池部の重量との比は、2.5:1以内であってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の総重量と電池部の重量との比は、2:1以内であってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の総重量と電池部の重量との比は、1.5:1以内であってもよく、それにより音響装置300の重量を両端に均衡的に分布させることができ、ユーザーが音響装置300を装着している場合、ユーザーの耳は、支点として音響装置300を支持することができ、音響装置300がユーザーの耳から滑り落ちないようにする。
【0085】
いくつかの実施例では、音響装置300は、保持部320に設置された放音孔370と減圧孔380とをさらに含んでもよい。いくつかの実施例では、コアアセンブリ340から発した音声は、放音孔370を介してユーザーの耳に伝送することができる。いくつかの実施例では、保持部320は、コアアセンブリ340の背向する両側にそれぞれ音響装置300のフロントキャビティとバックキャビティを形成することができ、放音孔370は、フロントキャビティと連通し、かつ耳に音声を出力する。いくつかの実施例では、減圧孔380は、バックキャビティと連通し、減圧孔380は、放音孔370よりも耳道から離れる。このように、減圧孔380は、フロントキャビティ内の空気圧の変化がバックキャビティに阻害されることをできるだけ回避するように、空気が自由にバックキャビティに出入りすることを可能にし、さらに放音孔370を介して耳に出力された音声の品質を改善する。それだけでなく、放音孔370及び減圧孔380を介して音響装置300の外部に出力された音声の位相が逆であるため、耳から離れた遠方場で逆位相なので互いに相殺し、すなわち「音響双極子」となり、それにより、近接場(例えば、ユーザーの耳道の近傍)の音声音量を低下させない状況で、遠方場の音声(例えば、環境に伝導される音声)の音量を効果的に減少させ、音漏れを低減する。
【0086】
いくつかの実施例では、ユーザーの矢状面への投影において、保持部320の第1の曲線CBADの第1の極値点Bに近い第1の側辺321と第1の曲線CBADの第1の極値点Bとの距離を調整することにより、音響装置300とユーザーの耳との一致度を調整することができ、それにより音響装置300の装着快適さ及び安定性を改善する。いくつかの実施例では、保持部320の第1の側辺321と第1の極値点Bとの距離は、5ミリメートル~15ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の第1の側辺321と第1の極値点Bとの距離は、6ミリメートル~13ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の第1の側辺321と第1の極値点Bとの距離は、7ミリメートル~11ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の第1の側辺321と第1の極値点Bとの距離は、8ミリメートル~10ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の第1の側辺321と第1の極値点Bとの距離は、8.5ミリメートル~9.5ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、保持部320の第1の側辺321と第1の極値点Bとの距離は、8ミリメートル~9ミリメートルであってもよい。
【0087】
図6は、本願のいくつかの実施例に係る、ユーザーが例示的な音響装置を装着している場合に後側から見た概略図である。
【0088】
いくつかの実施例では、図6に示すように、ユーザーが音響装置300を装着している場合、フック状部310は、ユーザーの耳の輪郭に沿って耳の第1の側(例えば、耳の後ろ側)を囲む。フック状部310の第1の部分311の少なくとも一部は、耳の第1の側に接触するため、第1の部分311は、耳の第1の側に接触する1つ以上の接触領域(例えば、第1の接触領域B1、第2の接触領域B2など)と、耳の第1の側に接触しない1つ以上の非接触領域(例えば、第1の非接触領域D1、第2の非接触領域D2など)と、を有してもよい。
【0089】
いくつかの実施例では、第1の部分311は、第1の部分311と接続部330との間の接続点から第2の部分312の始点まで、X軸方向で耳の第1の側に折り曲げられ、それにより第1の部分311には、耳の第1の側に接触する1つ以上の接触領域が形成される。いくつかの実施例では、第1の部分311に形成された接触領域は、間隔をあけて設置された複数の接触領域を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の部分311の接触領域(例えば、第2の接触領域B2)は、第1の接触点を含んでもよく、第1の接触点は、ユーザーが音響装置300を装着している場合に第1の部分311の最高点(第1の極値点である)であってもよく、すなわち、第1の接触点は、第1の極値点と重なる。いくつかの実施例では、第1の部分311の接触領域は、第1の接触点が位置する領域、例えば、第1の接触点の近傍の円弧長さが3ミリメートルの円弧を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の部分311の接触領域(例えば、第1の接触領域B1)は、第2の接触点を含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の接触点は、第1の部分311と第2の部分312との接続点てあってもよい。いくつかの実施例では、第2の接触点は、第2の接触点が位置する領域、例えば、第2の接触点の近傍の円弧長さが5ミリメートルの円弧であってもよい。いくつかの実施例では、第1の部分311の接触領域は、第1の部分311の他の位置に設置された接触領域を含んでもよく、例えば、第1の部分311の接触領域は、音響装置300が耳に掛けられている場合に滑らかな位置に対応する。
【0090】
いくつかの実施例では、第1の部分311に形成された複数の接触領域のうちの各接触領域は、それぞれの接触面積を有してもよく、異なる接触領域の接触面積は同じであってもよく、異なってもよい。いくつかの実施例では、異なるユーザーに対して、第1の部分311の接触領域における同一の接触領域の接触面積は、異なってもよい。例えば、耳が厚くて大きい成人男性が音響装置300を装着している場合に、第1の部分311における第1の接触領域B1の接触面積は、耳が薄くて小さい未成年者が音響装置300を装着している場合に第1の部分311における第1の接触領域B1の接触面積より大きくてもよい。
【0091】
いくつかの実施例では、フック状部310における耳に接触する接触領域の数又は接触領域の総接触面積を調整することで、音響装置300の装着快適性を改善することができる。いくつかの実施例では、音響装置300の耳への押圧力を耳の異なる位置に分散して作用させ、耳への局所的な力(又は圧力)が大きいことによる不快感を軽減し、音響装置300の装着快適性を向上させるように、フック状部310の第1の部分311における耳との接触領域を可能な限り多く設置してもよく、又は総接触面積を可能な限り大きくしてもよい。
【0092】
いくつかの実施例では、異なるユーザーの耳の外形が異なるため、いずれかのユーザーの耳に対向する表面がユーザーの耳に完全に貼り合わせるようにフック状部310の第1の部分311を設計することは困難である。したがって、第1の部分311に、耳の第1の側に接触しない1つ以上の非接触領域を設置してもよく、これら1つ以上の非接触領域は、異なるユーザーの耳の特異領域に対応することができ、異なるユーザーの耳の形状が異なることにより第1の部分が耳から離れ、第1の部分311と耳との接触面積がより小さくなることを回避し、それにより異なるユーザーが音響装置300を装着している場合にいずれも良好な快適感を有することができる。いくつかの実施例では、第1の部分311に形成された非接触領域は、間隔をあけて設置された複数の非接触領域(例えば、第1の非接触領域D1、第2の非接触領域D2)を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の非接触領域D1は、ユーザーが音響装置300を装着している場合に三角窩104の後ろ側の突起に対応する位置であってもよい。いくつかの実施例では、第2の非接触領域D2は、ユーザーが音響装置300を装着している場合に耳甲介舟103の後ろ側の突起に対応する位置であってもよい。いくつかの実施例では、第1の部分311に形成された耳に接触する接触領域と耳に接触しない非接触領域とは、順に交互に分布してもよい。いくつかの実施例では、第1の部分311に接触領域と非接触領域を設置することにより、第1の部分311の耳の第1の側への押圧力を保証すると同時に、ユーザーの耳の特異領域への局所的な力(又は圧力)が大きいことによる不快感を回避することができる。
【0093】
いくつかの実施例では、フック状部310の第2の部分312は、始点から自由端の端点まで、X軸方向において耳の第1の側に折り曲げられ、それにより第2の部分312に耳の第1の側に接触する1つ以上の接触領域が形成される。いくつかの実施例では、第2の部分312の接触領域は、第3の接触点を含んでもよく、第3の接触点は、第2の部分312の第2の極値点Fに対応する位置であってもよく、すなわち、第3の接触点は、第2の極値点と重なる。いくつかの実施例では、第2の部分312の接触領域は、第3の接触点が位置する領域、すなわち、第2の部分312の自由端端点に近い位置点(例えば、第2の変曲点)が位置する領域を含んでもよい。第2の接触点が第1の部分311と第2の部分312との接続点であるため、第2の部分312の接触領域は、第2の接触点を含んでもよいことを理解されたい。いくつかの実施例では、第2の部分312がユーザーの耳に接触する場合の安定性を保証するために、第2の部分312の接触領域は、第2の接触点と第3の接触点との間に位置する第4の接触点をさらに含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312がユーザーの耳に接触する場合の安定性をさらに向上させるために、第4の接触点は、より第3の接触点に近い位置に設置されてもよく、すなわち、第4の接触点は、第2の部分312の中点と第3の接触点との間に設置されてもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312の接触領域は、第2の部分312の他の位置を含んでもよく、例えば、第2の部分312の接触領域は、音響装置300が耳に掛けられている場合に滑らかな位置に対応する。
【0094】
いくつかの実施例では、フック状部310の第2の部分312に、耳に接触しない1つ以上の非接触領域を設置してもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312における非接触領域は、ユーザーが音響装置300を装着している場合、第2の部分312の耳甲介腔の耳の第1の側での突起縁部に対応する位置に設置されてもよい。例示的な第2の部分312の非接触領域の位置は、図3に示した位置CP6が位置する領域であってもよい。いくつかの実施例では、ユーザーが音響装置300を装着している場合、耳甲介腔102の耳の第1の側での突起縁部に不快感が生じやすく、このような状況で、第2の部分312の耳甲介腔102の耳の第1の側での突起縁部に対応する位置に非接触領域を設置することで、音響装置300が上記突起縁部に接触することを回避することができ、それにより上記突起縁部に不快感が生じることを回避する。いくつかの実施例では、異なるユーザーの装着快適性を保証するために、第2の部分312の非接触領域(例えば、位置CP6が位置する領域)の第2の部分312の延伸方向に沿った円弧長さは、1ミリメートル~3ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312の非接触領域(例えば、位置CP6が位置する領域)の第2の部分312の延伸方向に沿った円弧長さは、1.5ミリメートル~2.5ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312の非接触領域(例えば、位置CP6が位置する領域)の第2の部分312の延伸方向に沿った円弧長さは、1.8ミリメートル~2.2ミリメートルであってもよい。
【0095】
いくつかの実施例では、第1の部分311及び/又は第2の部分312の非接触領域は、耳(特に厚くて大きい耳)に適切な空間を提供し、音響装置300を装着している場合に耳を押圧することを回避することができるが、非接触領域と耳の第1の側との距離が大きい場合に音響装置300の装着の安定性に影響を与える。これに基づいて、いくつかの実施例では、音響装置300を装着している場合の安定性を保証するために、非接触領域と耳の第1の側との距離は、5ミリメートル以下であってもよい。いくつかの実施例では、音響装置300を装着している場合の安定性を保証するために、非接触領域と耳の第1の側との距離は、4ミリメートル以下であってもよい。いくつかの実施例では、音響装置300を装着している場合の安定性及び快適性を保証するために、非接触領域と耳の第1の側との距離は、3ミリメートル以下であってもよい。いくつかの実施例では、音響装置300を装着している場合の安定性を保証し、かつ音響装置300のサイズを小さくするために、非接触領域と耳の第1の側との距離は、2ミリメートル以下であってもよい。いくつかの実施例では、音響装置300を装着している場合の安定性を保証するとともに、音響装置300のユーザーの頭部に対する影響を低減するために、非接触領域と耳の第1の側との距離は、1.5ミリメートル以下であってもよい。いくつかの実施例では、音響装置300を装着している場合の安定性をさらに向上させるために、非接触領域と耳の第1の側との距離は、1ミリメートル以下であってもよい。
【0096】
いくつかの実施例では、フック状部310には、耳に接触する1つ以上の接触領域と、耳に接触しない非接触領域とを設置することにより、ユーザーが音響装置300を装着している場合の安定性を保証すると同時に、異なるユーザーが音響装置300を装着している場合の快適さを向上させることができる。
【0097】
いくつかの実施例では、音響装置300の装着の安定性を向上させるために、第2の部分312とユーザーの耳は、大きな接触面積を有する。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の接触長さと、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の接触面積とは、比例関係にあってもよい。具体的には、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の接触長さが長ければ長いほど、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の接触面積が大きい。第2の部分とユーザーの耳は、円弧状の接触表面を有するため、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の接触面積が大きければ大きいほど、第2の部分312の耳の第1の側への摩擦力の総和が大きい。
【0098】
いくつかの実施例では、第2の部分312の耳の第1の側への摩擦力を増大させ、音響装置300を装着している場合の安定性を向上させるために、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の長さは、第2の部分312の全長の70%を超えてもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の長さは、第2の部分312の全長の75%を超えてもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の長さは、第2の部分312の全長の80%を超えてもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の長さは、第2の部分312の全長の85%を超えてもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の長さは、第2の部分312の全長の90%を超えてもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳の第1の側との接触部分の長さは、第2の部分312の全長の95%を超えてもよい。いくつかの実施例では、第2の部分312と耳の第1の側との接触長さは、第2の部分312の全長であってもよい。
【0099】
いくつかの実施例では、異なるヒトが音響装置を装着している場合に耳との貼り合わせ効果を改善し、音響装置を任意のヒトの耳の輪郭に一致させるために、音響装置300は、塑性部(図示せず)をさらに含んでもよい。塑性部は、外力の作用を受けるときに、塑性変形することができる構造であってもよい。いくつかの実施例では、塑性部を塑性変形させる外力は、30ニュートン以下の作用力であってもよい。いくつかの実施例では、塑性部を塑性変形させる外力は、20ニュートン以下の作用力であってもよい。いくつかの実施例では、塑性部を塑性変形させる外力は、10ニュートン以下の作用力であってもよい。いくつかの実施例では、塑性部を塑性変形させる外力は、5ニュートン以下の作用力であってもよい。いくつかの実施例では、塑性部を塑性変形させる外力は、1ニュートン以下の作用力であってもよい。いくつかの実施例では、塑性部を塑性変形させる外力は、0.5ニュートン以下の作用力であってもよい。
【0100】
いくつか実施例では、ユーザーが音響装置300を装着している場合、塑性部は、耳と音響装置300の他の構造との間に位置してもよい。例えば、塑性部は、耳の第1の側とフック状部との間に位置してもよい。また、例えば、塑性部は、耳の第2の側と保持部との間に位置してもよい。音響装置を装着している場合、ユーザーが外力を印加することにより、耳と音響装置300との間の押圧力は、直接塑性部に作用することができ、塑性部を塑性変形させ、それにより塑性部を耳の輪郭に一致する形状に変形させる。
【0101】
塑性変形は、回復不能な変形である。塑性部は、外力の作用で変形して形状が変わり、外力がなくなった後、塑性部の変形量は、回復することができないか又は部分的にしか回復することができず、回復できずに維持された部分の変形は、塑性部の塑性変形量である。
【0102】
いくつかの実施例では、塑性部は、音響装置300の他の構造(例えば、フック状部310)と同じ曲線を有するように設置されてもよく、ユーザーが音響装置を装着している場合、外力が印加されていない状況で、塑性部と耳との間にも、1つ以上の接触領域と、1つ以上の非接触領域とがあり、このときに音響装置は、ユーザーの耳とほぼ貼り合わせられ、すなわち、完全に貼り合わせられず、基本的な装着快適さ及び安定性を提供する。ユーザーが音響装置又は塑性部に外力を印加する(例えば、圧力を印加する)とき、塑性部の耳との接触領域は、まず押圧され、塑性部の耳との接触領域は、塑性部と耳との間の非接触領域が耳と貼り合わせるまで、音響装置300を実際に装着しているユーザーの耳の輪郭に応じて塑性変形することができ、それにより塑性部の外形を耳の輪郭に一致する弧度の曲線に調整し、対象ユーザーの耳に完全に貼り合わせられるか又はほぼ完全に貼り合わせられることを実現する。いくつかの実施例では、外力が印加された後、非接触領域から接触領域になる面積が、外力が印加されていない場合の非接触領域の面積に占める割合は、50%より大きくてもよい。いくつかの実施例では、外力が印加された後、非接触領域から接触領域になる面積が、外力が印加されていない場合の非接触領域の面積に占める割合は、70%より大きくてもよい。いくつかの実施例では、外力が印加された後、非接触領域から接触領域になる面積が、外力が印加されていない場合の非接触領域の面積に占める割合は、90%より大きくてもよい。いくつかの実施例では、外力が印加された後、非接触領域から接触領域になる面積が、外力が印加されていない場合の非接触領域の面積に占める割合は、100%であってもよい。該設置により、音響装置300の快適性及び安定性が大幅に向上し、ユーザーの体験を効果的に向上させる。
【0103】
いくつかの実施例では、塑性部を塑性変形させるために、塑性部に印加された外力は、塑性部の塑性変形力より大きい必要がある。塑性変形力は、塑性部を塑性変形させるのに必要な臨界力であり、塑性部に作用する力が該臨界力以上である場合、塑性部が塑性変形し、塑性部に作用する力が該臨界力より小さい場合、塑性部が弾性的に変形するか又は変形しない。いくつかの実施例では、塑性部の塑性変形力の範囲は、0.1ニュートン~20ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、塑性部の塑性変形力の範囲は、1ニュートン~15ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、塑性部の塑性変形力の範囲は、1ニュートン~10ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、塑性部の塑性変形力の範囲は、1ニュートン~5ニュートンであってもよい。
【0104】
いくつかの実施例では、塑性変形の変形回復量は、上記塑性部に用いられるプラスチック材料に関連する。プラスチック材料の塑性弾性率は、プラスチック材料が塑性変形した後の変形回復量に影響を与えることができる。一般的には、プラスチック材料の塑性弾性率が小さければ小さいほど、塑性変形能力が大きく、変形回復量が小さい。いくつかの実施例では、塑性部が塑性変形した後の変形回復量は、20%より小さくてもよい。いくつかの実施例では、塑性部が塑性変形した後の変形回復量は、15%より小さくてもよい。いくつかの実施例では、塑性部が塑性変形した後の変形回復量は、10%より小さくてもよい。いくつかの実施例では、塑性部が塑性変形した後の変形回復量は、5%より小さくてもよい。いくつかの実施例では、塑性部が塑性変形した後の変形回復量は、1%より小さくてもよい。
【0105】
いくつかの実施例では、塑性部の材料は、高分子材料、粘土材料などを含んでもよい。いくつかの実施例では、高分子材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0106】
いくつかの実施例では、塑性部は、音響装置300のフック状部310に設置されてもよい。いくつかの実施例では、塑性部は、フック状部310の第1の部分311及び/又は第2の部分312に設置されてもよい。好ましくは、いくつかの実施例では、塑性部は、フック状部310の第1の部分311に設置されてもよい。音響装置が装着状態にある場合、上記フック状部の第1の部分311が受けた押圧力の作用は、第2の部分312より大きく、かつ接触領域が少なく、耳の快適感は、第2の部分312より低い。塑性部が第1の部分311に設置される場合、塑性部に圧力を印加した後、塑性部は、音響装置300を実際に装着しているユーザーの耳の形状に応じて塑性変形し、耳の輪郭に一致する曲線形状に調整することができ、それにより第1の部分311における大きな割合の非接触領域が接触領域になり、対象ユーザーの耳に完全に貼り合わせられるか又はほぼ完全に貼り合わせられることを実現する。
【0107】
いくつかの実施例では、ユーザーの矢状面に垂直な方向に、塑性部は、保持部320と第1の部分311との間に設置されてもよい。いくつかの実施例では、第1の部分311の耳の第1の側への押圧力が直接塑性部に作用することができるように、塑性部は、第1の部分311の外表面の保持部に向く部分に設置されてもよい。
【0108】
いくつかの実施例では、塑性部は、様々な材料形態を有してもよく、異なる材料形態で、塑性部が塑性変形するのに必要な塑性変形力は、異なる。いくつかの実施例では、塑性部の塑性変形力は、それぞれ塑性部が異なる材料形態にあるときの塑性変形力である第1の塑性変形力と第2の塑性変形力とを含んでもよい。いくつかの実施例では、塑性部の材料形態は、変形しやすい軟質状態と、変形しにくい硬質状態と、を含んでもよい。いくつかの実施例では、軟質状態に対応する塑性部の塑性変形力は、第1の塑性変形力であってもよく、硬質状態に対応する塑性部の塑性変形力は、第2の塑性変形力であってもよい。いくつかの実施例では、塑性部が予め設定された条件を満たす場合、塑性部は、材料形態の変換を実現することができ、それによりプラスチック材料の塑性変形力を変更する。いくつかの実施例では、予め設定された条件を満たす場合、塑性部は、硬質状態から軟質状態に変換し、塑性部の塑性変形力は、第2の塑性変形力から第1の塑性変形力に変換する。いくつかの実施例では、上記第1の塑性変形力の範囲は、0.3ニュートン~10ニュートンであってもよい。好ましくは、いくつかの実施例では、上記第1の塑性変形力の範囲は、1ニュートン~5ニュートンであってもよい。さらに好ましくは、上記第1の塑性変形力の範囲は、3ニュートン~5ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、第2の塑性変形力の範囲は、10ニュートン~100ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、第2の塑性変形力の範囲は、15ニュートン~80ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、第2の塑性変形力の範囲は、20ニュートン~70ニュートンであってもよい。いくつかの実施例では、第2の塑性変形力の範囲は、30ニュートン~60ニュートンであってもよい。上述した予め設定された条件を満たさない場合、上記塑性部は、軟質状態から硬質状態に変換し、塑性部の塑性変形力は、第1の塑性変形力から第2の塑性変形力に変換する。
【0109】
いくつかの実施例では、予め設定された条件は、温度条件を含んでもよい。いくつかの実施例では、温度が閾値より高い場合、塑性部は、硬質状態から軟質状態に変換する。いくつかの実施例では、温度の閾値は、45°であってもよい。いくつかの実施例では、温度の閾値は、50°であってもよい。いくつかの実施例では、温度の閾値は、55°であってもよい。いくつかの実施例では、塑性部の材料は、熱可塑性高分子材料を含んでもよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ゴム、有機ガラス、ナイロンなどを含むが、それらに限定されない。いくつかの実施例では、塑性部の材料は、同様の性能を達成することができる他の単一材料又は複合材料を含んでもよい。
【0110】
いくつかの実施例では、音響装置の塑性部は、抵抗線をさらに含み、プラスチック材料は、抵抗線を包み、抵抗線は、通電の方式でプラスチック材料を加熱し、プラスチック材料の温度を閾値より高くし、硬質状態から軟質状態への変換を完了することができ、抵抗線による加熱を停止した後、プラスチック材料は、自然に冷却し、温度が閾値より低い場合、塑性部は、軟質状態から硬質状態に変換する。いくつかの実施例では、プラスチック材料は、直接抵抗線を包んでもよい。いくつかの実施例では、プラスチック材料が塑性変形の過程において変形が大きすぎるため、抵抗線を露出させる可能性を回避するように、プラスチック材料と抵抗線との間に追加の絶縁材料を設置して抵抗線を包んでもよい。
【0111】
いくつかの実施例では、音響装置の塑性部の外側に皮膚親和性材料を被覆してもよく、ユーザーが音響装置を装着している場合に皮膚親和性材料が皮膚に接触し、装着快適性を向上させる。いくつかの実施例では、皮膚親和性材料は、1種又は複数種の材料で製造されてもよい。皮膚親和性材料の構成は、例えば、綿、麻、毛織物、絹織物、シリコーンゴム又は手触りゴムなどの一定の吸着性及び可撓性を有する材料であってもよい。いくつかの実施例では、皮膚親和性材料は、同様の性能を達成することができる他の単一材料又は複合材料であってもよく、装着快適性を実現する。
【0112】
いくつかの実施例では、音響装置は、音響装置に対して様々な制御操作を実行する操作制御部をさらに含む。いくつかの実施例では、操作制御部の操作方式は、タッチ方式であってもよく、機械キー方式であってもよい。いくつかの実施例では、操作制御部は、抵抗線の制御スイッチを含み、制御スイッチがトリガされる場合、抵抗線の電源がオンになり、塑性部を加熱状態にさせ、温度の上昇を実現する。好ましくは、塑性部は、塑性部の温度を検出するための温度検出器をさらに含み、操作制御部は、温度検出器の温度情報を取得して制御スイッチの状態を自動的に制御することができる。温度が閾値より高い場合、操作制御部は、制御スイッチをオフ状態に切り替えることができ、このとき、抵抗線の電源がオフになり、塑性部の加熱を停止する。好ましくは、音響装置は、表示部をさらに含み、温度が閾値に達すると、表示部に指示信号(例えば、振動信号又は点灯信号)が生じ、ユーザーに塑性部の加熱完了を提示し、このときに、ユーザーは、音響装置を耳に装着して押圧変形により塑性部の塑性変形を完了することができる。
【0113】
なお、操作制御部は、例えば、音響装置内部の音声、音楽の再生及び/又は一時停止などの音響装置の他の操作制御機能をさらに含んでもよく、本明細書の実施例では、これを限定しない。
【0114】
以上は基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているものに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されるため、本願の例示的な実施例の趣旨及び範囲内にある。
【0115】
また、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0116】
また、当業者には理解されるように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本願の各態様は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0117】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを搬送するための、ベースバンド上で伝播されるか又は搬送波の一部として伝播される伝播データ信号を含んでもよい。該伝播信号は、電磁気信号、光信号又は適切な組み合わせ形態などの様々な形態を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよく、該媒体は、命令実行システム、装置又は設備に接続されることにより、使用されるプログラムの通信、伝播又は伝送を実現することができる。コンピュータ記憶媒体上のプログラムコードは、無線、ケーブル、光ファイバケーブル、RF若しくは類似の媒体、又は上記媒体の任意の組み合わせを含む任意の適切な媒体を介して伝播することができる。
【0118】
本願の各部分の操作に必要なコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、C言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby及びGroovyなどの動的プログラミング言語、又は他のプログラミング言語などを含む1つ以上のプログラミング言語でコーディングしてもよい。該プログラムコードは、完全にユーザーコンピュータ上で実行されてもよく、独立したソフトウェアパッケージとしてユーザーコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザーコンピュータ上で部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよく、完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意のネットワーク形態でユーザーコンピュータに接続されてもよく、(例えば、インターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよく、クラウドコンピューティング環境にあってもよく、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)などのサービスとして使用されてもよい。
【0119】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に係る処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明のためのものに過ぎず、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0120】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈すべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0121】
いくつかの実施例では、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字の±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例では、明細書及び特許請求の範囲に使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例では、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用すべきである。本願のいくつかの実施例では、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体的な実施例では、このような数値は、可能な限り正確に設定される。
【0122】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0123】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0124】
101 外耳道
102 耳甲介腔
103 耳甲介舟
104 三角窩
105 対耳輪
106 舟状窩
107 耳輪
108 耳たぶ
109 耳輪脚
図1
図2
図3
図4
図5
図6