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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】加熱器及び加熱霧化装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20241119BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20241119BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241119BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F40/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023518030
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 CN2021130524
(87)【国際公開番号】W WO2022111318
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】202022783416.9
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】梁 峰
(72)【発明者】
【氏名】蒋 路生
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108618201(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0154765(US,A1)
【文献】特表2018-504134(JP,A)
【文献】国際公開第2016/162932(WO,A1)
【文献】中国実用新案第210581014(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱基質を加熱するための加熱器であって、
螺旋状の通路及び開口キャビティが設けられた支持アセンブリを備え、
前記螺旋状の通路の両端には、吸気口及び排気口が形成され、前記開口キャビティは、前記加熱基質を収容するために用いられ、前記開口キャビティの一端には、外部に連通する開口部が形成され、前記吸気口は、前記排気口よりも前記開口部に近い位置にあり、前記螺旋状の通路の少なくとも一部は、前記開口キャビティを取り囲んでおり、前記吸気口から前記螺旋状の通路内に導入された外気は、前記排気口を通って前記開口キャビティに排出され
前記支持アセンブリは、内側フレーム及び外側フレームを含み、前記開口キャビティは、前記内側フレームに設けられ、前記内側フレームは、頂端面、環状の内側壁面及び外側壁面を有し、前記吸気口は前記頂端面に設けられ、前記内側壁面は、前記外側壁面に取り囲まれるとともに、前記開口キャビティの境界の一部を画定し、前記外側壁面には、螺旋状の凹溝が陥没して形成され、前記外側フレームは、前記内側フレームに外嵌されて、前記螺旋状の凹溝を覆って前記螺旋状の通路を形成する、
加熱器。
【請求項2】
前記内側フレームは、内側底壁面をさらに有し、前記内側底壁面と前記頂端面とはその軸方向に間隔をあけて配置され、かつ同じ向きを有し、前記内側底壁面は、前記開口キャビティの境界の一部を画定し、前記開口部は、前記頂端面に設けられる、
請求項1に記載の加熱器。
【請求項3】
前記螺旋状の通路の数は、複数であり、複数の前記螺旋状の通路の吸気口は、周方向に間隔をあけて前記頂端面に設けられる、
請求項に記載の加熱器。
【請求項4】
前記支持アセンブリに接続された加熱アセンブリを更に備え、前記内側フレームは、底端面及び内側底壁面を更に有し、前記内側底壁面は、前記底端面とは反対向きであり、前記開口キャビティの境界の一部を画定し、前記内側フレームには、前記底端面及び内側底壁面を貫通する嵌合孔が更に設けられ、前記加熱アセンブリと前記底端面との間には、導気通路が形成され、前記排気口は、前記底端面に設けられ、前記排気口から排出される外気は、前記導気通路及び前記嵌合孔を順に通って前記開口キャビティ内に入る、
請求項に記載の加熱器。
【請求項5】
前記支持アセンブリの軸方向において、前記吸気口と前記排気口との間の距離は、前記開口キャビティの長さ以上である、
請求項に記載の加熱器。
【請求項6】
黒度係数が0.1未満の断熱層を更に備え、前記断熱層は、前記支持アセンブリの外面を覆う、
請求項1に記載の加熱器。
【請求項7】
前記支持アセンブリに接続された加熱アセンブリを更に備え、前記加熱アセンブリは、ベース及び加熱シートを備え、前記加熱シートの一端は、前記ベースに固定され、前記加熱シートの他端は、霧化媒体担体の内部に挿入可能である、
請求項1に記載の加熱器。
【請求項8】
電源アセンブリと、請求項1乃至のいずれか1項に記載の加熱器と、を備え、
前記加熱器は、前記電源アセンブリに取り外し可能に接続される、
加熱霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2020年11月26日に中国特許庁に出願された「加熱器及び加熱霧化装置」という名称の中国特許出願第202022783416.9号に基づき優先権を主張し、その内容全体を参照により本出願に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、加熱霧化の技術分野に関し、特に、加熱器及び当該加熱器を備える加熱霧化装置に関する。
【0003】
加熱霧化装置は、非燃焼加熱のベーキング方式で霧化媒体担体などのエアロゾル発生基質を加熱することで、ユーザの吸うためのエアロゾルを発生させるものであり、霧化媒体担体を直接燃焼させてエアロゾルを発生させるものと比較すると、当該ベーキング方式はエアロゾル中の有害成分を大幅に低減することができ、加熱霧化装置に広い市場需要がある。加熱霧化装置は、通常、加熱器と電源アセンブリとを備え、電源アセンブリは、加熱器に給電し、加熱器は電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、エアロゾル発生基質は熱を吸収して霧化し、エアロゾルを形成する。しかしながら、従来の加熱器は、外面に局所的な高温が発生するため、ユーザが加熱器を握っている時に、灼熱の不快感、更には火傷を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの例示的な実施例によると、加熱器及び当該加熱器を備える加熱霧化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
加熱基質を加熱するための加熱器であって、螺旋状の通路及び開口キャビティが設けられた支持アセンブリを備え、前記螺旋状の通路の両端には、吸気口及び排気口が形成され、前記開口キャビティは、前記加熱基質を収容するために用いられ、前記開口キャビティの一端には、外部に連通する開口部が形成され、前記吸気口は、前記排気口よりも前記開口部に近い位置にあり、前記螺旋状の通路の少なくとも一部は、前記開口キャビティを取り囲んでおり、前記吸気口から前記螺旋状の通路内に導入された外気は、前記排気口を通って前記開口キャビティに排出される。
【0006】
一実施例において、前記支持アセンブリは、その軸方向に間隔をあけて配置された、同じ向きの頂端面と内側底壁面とを有し、前記内側底壁面は、前記開口キャビティの境界の一部を画定し、前記開口部及び前記吸気口は、いずれも前記頂端面に設けられる。
【0007】
一実施例において、前記螺旋状の通路の数は、複数であり、複数の前記螺旋状の通路の吸気口は、周方向に間隔をあけて前記頂端面に設けられる。
【0008】
一実施例において、前記支持アセンブリは、内側フレーム及び外側フレームを含み、前記開口キャビティは、前記内側フレームに設けられ、前記内側フレームは、環状の内側壁面及び外側壁面を有し、前記内側壁面は、前記外側壁面に取り囲まれるとともに、前記開口キャビティの境界の一部を画定し、前記外側壁面には、螺旋状の凹溝が陥没して形成され、前記外側フレームは、前記内側フレームに外嵌されて、前記螺旋状の凹溝を覆って前記螺旋状の通路を形成する。
【0009】
一実施例において、前記加熱器は、前記支持アセンブリに接続された加熱アセンブリを更に備え、前記内側フレームは、底端面及び内側底壁面を更に有し、前記内側底壁面は、前記底端面とは反対向きであり、前記開口キャビティの境界の一部を画定し、前記内側フレームには、前記底端面及び内側底壁面を貫通する嵌合孔が更に設けられ、前記加熱アセンブリと前記底端面との間には、導気通路が形成され、前記排気口は、前記底端面に設けられ、前記排気口から排出される外気は、前記導気通路及び前記嵌合孔を順に通って前記開口キャビティ内に入る。
【0010】
一実施例において、前記支持アセンブリは、前記開口キャビティの境界を画定する内側底壁面及び内側壁面を有し、前記内側壁面は、前記内側底壁面周りに配置され、前記内側壁面には、螺旋状の凹溝が設けられ、前記螺旋状の凹溝の端部は、前記内側底壁面まで延在し、前記加熱基質は、前記内側壁面内に嵌合され、前記螺旋状の凹溝を覆って前記螺旋状の通路を形成する。
【0011】
一実施例において、前記支持アセンブリの軸方向において、前記吸気口と前記排気口との間の距離は、前記開口キャビティの長さ以上である。
【0012】
一実施例において、前記支持アセンブリは、突起部を更に備え、前記突起部は、前記内側底壁面に接続されるとともに、前記内側底壁面から突出するように配置され、前記加熱基質が前記突起部に当接すると、前記開口キャビティは、前記加熱基質と前記内側底壁面との間の空間に位置して前記螺旋状の通路に連通する導気通路を形成する。
【0013】
一実施例において、黒度係数が0.1未満の断熱層を更に備え、前記断熱層は、前記支持アセンブリの外面を覆う。
【0014】
一実施例において、前記加熱器は、前記支持アセンブリに接続された加熱アセンブリを更に備え、前記加熱アセンブリは、ベース及び加熱シートを備え、前記加熱シートの一端は、前記ベースに固定され、前記加熱シートの他端は、霧化媒体担体の内部に挿入可能である。
【0015】
加熱霧化装置であって、電源アセンブリと上記のいずれの加熱器とを備え、前記加熱器は、前記電源アセンブリに取り外し可能に接続される。
【0016】
開口キャビティが支持アセンブリに垂直な軸方向に正の投影を有するので、少なくとも一部の正の投影が螺旋状の通路が位置する領域内に位置する。これにより、螺旋状の通路内の外気が支持アセンブリから外部に伝導される熱と直接接触することができると同時に、外気の螺旋状の通路内の流路がより長いため、外気はできるだけ多くの熱を回収するのに十分な機会と時間を有し、それによりエネルギーの利用率を更に向上させ、支持アセンブリに局所的な高温が存在して灼熱の不快感を生じることを防止する。また、外気の螺旋状の通路内の各所の流速が同じであり、外気の渦流等の流れがスムーズでない現象の発生を効果的に防止し、支持アセンブリに伝導された熱が支持アセンブリの外面に均一に分布することを効果的に確保することができ、支持アセンブリに局所的な高温が発生することを更に回避することができる。
【0017】
以下、本発明の実施例又は従来技術における技術的解決策をより明確に説明するために、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下の説明中の図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、これらの図面に基づいて創造的な努力なしに他の図面を得ることができることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施例によって提供される加熱器の模式的な斜視図である。
図2図1に示す加熱器が霧化媒体担体に嵌合する時の模式的な斜視図である。
図3図2の模式的な斜視断面図である。
図4図1に示す加熱器の模式的な斜視断面図である。
図5図1に示す加熱器の模式的な分解図である。
図6図5の模式的な斜視断面図である。
図7】第2の実施例によって提供される加熱器の模式的な分解斜視断面図である。
図8図7に示す加熱器における支持アセンブリの模式的な斜視図である。
図9図7に示す加熱器における支持アセンブリの模式的な斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の理解を容易にするために、関連する図面を参照して本発明をより完全に説明する。図面では、本発明の好ましい実施形態が示される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実現することが可能であり、本明細書に説明される実施形態に限定されない。逆に、これらの実施形態は、本発明の開示内容の理解をより徹底的かつ包括的に理解することを目的として提供される。
【0020】
なお、一方の素子が他方の素子に「固定される」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「内」、「外」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0021】
図1及び図2を同時に参照すると、本発明によって提供される加熱器10は、加熱基質を加熱して霧化させてユーザの吸うためのエアロゾルを形成するために用いられる。加熱基質は、霧化媒体担体20などのエアロゾル発生基質である。
【0022】
第1の実施例
図2図3、及び図4を同時に参照すると、加熱器10は、支持アセンブリ100と、加熱アセンブリ200と、断熱層(図示せず)とを備え、支持アセンブリ100は加熱アセンブリ200に互いに接続される。加熱アセンブリ200は、ベース210と加熱シート220とを備え、加熱シート220の一端は、ベース210に固定された固定端であり、加熱シート220の他端は、霧化媒体担体20の内部に挿入可能な自由端である。加熱シート220が電気エネルギーを熱エネルギーに変換すると、霧化媒体担体20は加熱シート220の熱エネルギーを吸収して霧化し、エアロゾルを形成する。
【0023】
支持アセンブリ100は、内側フレーム110及び外側フレーム120を備え、内側フレーム110及び外側フレーム120の両者は、いずれも柱形の筒状構造であり得、外側フレーム120は、内側フレーム110の外部に外嵌され、断熱層は、ユーザに直接接触するように外側フレーム120の外面に付着する。断熱層は、黒度係数が0.1未満であり得るため、良好な断熱性能を有する。
【0024】
図4図5、及び図6を同時に参照すると、内側フレーム110は、頂端面151、外側壁面152、底端面153、内側壁面154、及び内側底壁面155を有する。頂端面151、底端面153、及び外側壁面152の三者は、内側フレーム110の外面を形成し、内側底壁面155及び内側壁面154の両者は、内側フレーム110の内面を形成し、内側底壁面155は、平面状であってもよく、内側壁面154は、円柱面であってもよく、内側壁面154は、内側底壁面155の周りに接続されて内側底壁面155周りに配置され、内側底壁面155は、水平方向に延在し、内側壁面154は、鉛直方向に延在する。内側フレーム110には、開口キャビティ130が設けられ、内側壁面154及び内側底壁面155の両者は、共に当該開口キャビティ130の境界を画定し、即ち、内側壁面154及び内側底壁面155は、共に当該開口キャビティ130を取り囲んで形成し、霧化媒体担体20は、当該開口キャビティ130内に収容される。頂端面151及び底端面153の両者は、いずれも水平方向に延在する平面であってもよく、頂端面151、底端面153、及び内側底壁面155の三者は、内側フレーム110の軸方向に間隔をあけて配置され、内側底壁面155は、頂端面151と底端面153との間に位置し、頂端面151及び内側底壁面155の両者は、上向きに配置され、底端面153は、下向きに配置される。それにより、底端面153はベース210に近く、内側底壁面155は底端面153よりもベース210から遠ざかり、頂端面151は底端面とは反対側でベース210から遠ざかる。外側壁面152は、同様に円柱面であり、外側壁面152の上端は、頂端面151に接続され、外側壁面152の下端は、底端面153に接続され、外側壁面152は、内側壁面154周りに配置される。
【0025】
外側壁面152には、螺旋状の凹溝143が設けられ、螺旋状の凹溝143の数は、複数であり得、例えば4つ又は3つ等である。4つの螺旋状の凹溝143の回転方向は、同じであり得、例えば、同時に左又は右に回転してもよい。各螺旋状の凹溝143の上端は、螺旋状の凹溝143の上端に吸気口141が形成されるように、内側フレーム110の頂端面151を貫通し、螺旋状の凹溝143の下端は、螺旋状の凹溝143の下端に排気口142が形成されるように、内側フレーム110の底端面153を貫通する。外側フレーム120が内側フレーム110に外嵌されると、外側フレーム120は外側壁面152に当接し、螺旋状の凹溝143が外側フレーム120に覆われて螺旋状の通路140を形成する。吸気口141から螺旋状の通路140内に導入された外気は、排気口142を通って排出され、言い換えれば、外気は、まず、吸気口141から螺旋状の通路140内に導入され、最後に、排気口142から螺旋状の通路140の外部に排出される。
【0026】
開口キャビティ130の端部は、内側フレーム110の頂端面151を貫通して開口部131を形成し、即ち、開口部131は当該頂端面151に設けられ、霧化媒体担体20は、当該開口部131を通って開口キャビティ130内に挿入可能であり、それにより開口部131は霧化媒体担体20に対して収容の役割を果たす。加熱シート220の一部は、当該開口キャビティ130内に収容され、霧化媒体担体20が開口キャビティ130に嵌合されると、加熱シート220は霧化媒体担体20の内部に貫通することができる。螺旋状の通路140の吸気口141は、同様に当該頂端面151に位置し、螺旋状の通路140の数が複数である場合、複数の吸気口141は開口部131周りに配置され、複数の吸気口141は内側フレーム110の周方向に間隔をあけて配置され、例えば、任意の隣接する2つの吸気口141からなる角度は等しく、即ち、複数の吸気口141は、周方向に均一に分布する。螺旋状の通路140の排気口142が当該底端面153に位置することに鑑みて、支持アセンブリ100全体の軸方向を基準方向とする場合、吸気口141と排気口142の両者の間の距離は、開口キャビティ130の長さよりも大きい。言い換えれば、開口キャビティ130の当該基準方向に垂直な正の投影は、当該螺旋状の通路140によって覆われる領域内に完全に位置する。吸気口141は、排気口142よりも開口部131に近いことは明らかである。当然ながら、吸気口141は、外側壁面152に位置してもよく、即ち、吸気口141は開口部131と基準方向において一定の距離があり、この場合、吸気口141と排気口142の両者の間の距離は、開口キャビティ130の長さよりも小さくてもよい。これにより、開口キャビティ130の当該基準方向に垂直な正の投影の一部が当該螺旋状の通路140によって覆われる領域内に位置し、もう一部が当該螺旋状の通路140によって覆われる領域の外部に位置する。要約すると、少なくとも一部の正の投影は、螺旋状の通路140によって覆われる領域内に位置する。
【0027】
ベース210と内側フレーム110の底端面153との間には、導気通路161が更に形成され、内側フレーム110には、嵌合孔162が更に設けられ、当該嵌合孔162は、貫通孔であり、嵌合孔162が開口キャビティ130及び導気通路161に同時に連通するように、内側底壁面155及び底端面153を貫通する。加熱シート220は、その一部が開口キャビティ130内に収容されるように、当該嵌合孔162を貫通する。ユーザが霧化媒体担体20を吸う際に、外気は吸気口141から螺旋状の通路140の内部に導入されて排気口142から導気通路161に排出された後、導気通路161から嵌合孔162を通って開口キャビティ130内に入り、外気によってエアロゾルが運ばれてユーザに吸われる。このため、外気は、螺旋状の通路140、導気通路161、及び嵌合孔162を順に通って開口キャビティ130内に入ってエアロゾルを運ぶ。
【0028】
当該螺旋状の通路140を設けることにより、ユーザが吸って加熱シート220が熱を発生する過程において、温度がより低い外気が当該螺旋状の通路140を流れている際に、外気は内側フレーム110の熱を吸収して導気通路161及び嵌合孔162から開口キャビティ130内に再度流入するため、外気は熱に対して一定の回收の役割を果たすことができる。一方では、外気によって回收された熱が霧化媒体担体20の加熱に再度使用可能となり、熱損失率をできるだけ減少して、加熱器10全体のエネルギーの利用率を向上させることができる。もう一方では、開口キャビティ130から外側フレーム120に伝導される熱を減少して、外側フレーム120上の温度を低下させ、ユーザが支持アセンブリ100を握っている時に灼熱の不快感、更には火傷を生じることを防止することができる。
【0029】
仮に螺旋状の通路140を直線状の通路に置き換える場合、外気の直線状の通路内の流路が螺旋状の通路140内の流路よりもはるかに小さいため、外気はより短い流路で十分な熱を吸収して開口キャビティ130内に入ることができず、即ち、外気は熱交換するのに十分な時間がないため、熱の回收利用率が低くなる。ほとんどの熱が依然として支持アセンブリ100の外面に伝導されるため、支持アセンブリ100の外面に灼熱の不快感を生じることになる。一方、当該実施例では、螺旋状の通路140を採用することにより、吸気口141と排気口142との間の軸方向の距離が開口キャビティ130の長さよりも大きいため、螺旋状の通路140内の外気は内側フレーム110上の各所から外部に伝導される熱と直接接触することができると同時に、外気の螺旋状の通路140内の流路がより長いため、外気はできるだけ多くの熱を回収するのに十分な機会と時間を有し、それによりエネルギーの利用率を更に向上させ、支持アセンブリ100に灼熱の不快感を生じることを防止することができる。
【0030】
仮に螺旋状の通路140を不規則な通路に置き換える場合、外気は不規則な通路内で渦と乱流(即ちタービュランス)を発生することになり、外気の当該不規則な通路内の各所における流速が異なる。外気は、渦では流れがより遅く、他の部位では流れがより速いため、外気が当該不規則な通路内のある箇所での流速がより速いと、外気が当該箇所でより短い時間により多くの熱を吸収することができず、当該箇所で吸収できない熱が支持アセンブリ100の外面に直接伝導され、更には、当該不規則な通路内のガスの流速がより速い箇所に対応する支持アセンブリ100の外面における位置で、局所的な高温が発生する。一方、当該実施例では、螺旋状の通路140を採用することにより、外気の螺旋状の通路140内の各所での流速が基本的に同じであり、外気の渦流等の流れがスムーズでない現象を効果的に防止し、ほとんどの熱が螺旋状の通路140内の外気によって開口キャビティ130内に回収されると、支持アセンブリ100上に伝導された熱が支持アセンブリ100の外面に均一に分布することを効果的に確保することができ、外面に局所的な高温が発生してユーザに不快感を与えることを回避することができる。
【0031】
それと同時に、外側フレーム120には、断熱層が付着し、当該断熱層は開口キャビティ130内の熱の外部への放射を更に防止し、加熱器10全体のエネルギーの利用率を向上させ、加熱器10の外面の温度が高くなりすぎることを防止する。
【0032】
第2の実施例
図7図8、及び図9を同時に参照すると、当該第2の実施例の加熱器10は、第1の実施例の加熱器10との主な相違点は、螺旋状の通路140内の外気によって形成される気流が霧化媒体担体20と直接接触できるように、螺旋状の通路140が支持アセンブリ100の内側壁面154に直接配置されることである。一方、第1の実施例における加熱器10では、螺旋状の通路140内の外気によって形成される気流が霧化媒体担体20と直接接触できないことは明らかである。
【0033】
具体的には、加熱器10は、支持アセンブリ100と、加熱アセンブリ200と、断熱層とを備え、支持アセンブリ100は加熱アセンブリ200に互いに接続される。加熱アセンブリ200は、ベース210と加熱シート220とを備え、加熱シート220の一端は、ベース210に固定された固定端であり、加熱シート220の他端は、霧化媒体担体20の内部に挿入可能な自由端である。加熱シート220が電気エネルギーを熱エネルギーに変換すると、霧化媒体担体20は加熱シート220の熱エネルギーを吸収して霧化し、エアロゾルを形成する。
【0034】
支持アセンブリ100は、柱形の筒状構造であり得、断熱層は、ユーザに直接接触するように支持アセンブリ100の外面に付着する。断熱層は、黒度係数が0.1未満であり得るため、良好な断熱性能を有する。
【0035】
支持アセンブリ100は、頂端面151、外側壁面152、底端面153、内側壁面154、及び内側底壁面155を有する。頂端面151、底端面153、及び外側壁面152の三者は、支持アセンブリ100の外面を形成し、内側底壁面155及び内側壁面154の両者は、支持アセンブリ100の内面を形成し、内側底壁面155は、平面状であってもよく、内側壁面154は、環状であってもよく、内側壁面154は、内側底壁面155の周りに接続されて内側底壁面155周りに配置され、内側底壁面155は、水平方向に延在し、内側壁面154は、鉛直方向に延在する。支持アセンブリ100には、開口キャビティ130が設けられ、内側壁面154及び内側底壁面155の両者は、共に当該開口キャビティ130の境界を画定し、即ち、内側壁面154及び内側底壁面155は、共に当該開口キャビティ130を取り囲んで形成し、霧化媒体担体20は、当該開口キャビティ130内に収容される。頂端面151及び底端面153の両者は、いずれも水平方向に延在する平面であってもよく、頂端面151、底端面153、及び内側底壁面155の三者は、支持アセンブリ100の軸方向に間隔をあけて配置され、内側底壁面155は、頂端面151と底端面153との間に位置し、頂端面151及び内側底壁面155の両者は、上向きに配置され、底端面153は、下向きに配置され。それにより、底端面153はベース210に近く、内側底壁面155は底端面153よりもベース210から遠ざかり、頂端面151は底端面とは反対側でベース210から遠ざかる。外側壁面152は、同様に環状であり、外側壁面152の上端は、頂端面151に接続され、外側壁面152の下端は、底端面153に接続され、外側壁面152は、内側壁面154周りに配置される。
【0036】
内側壁面154には、螺旋状の凹溝143が設けられ、螺旋状の凹溝143の数は、複数であり得、例えば4つ又は3つ等である。4つの螺旋状の凹溝143の回転方向は、同じであり得、例えば、同時に左又は右に回転してもよい。螺旋状の凹溝143の上端は、螺旋状の凹溝143の上端に吸気口141が形成されるように、支持アセンブリ100の頂端面151を貫通し、螺旋状の凹溝143の下端は、螺旋状の凹溝143の下端に排気口142が形成されるように、内側底壁面155まで延在する。霧化媒体担体20が開口キャビティ130内に収容されると、霧化媒体担体20は内側壁面154に当接し、螺旋状の凹溝143が霧化媒体担体20に覆われて螺旋状の通路140を形成する。吸気口141から螺旋状の通路140内に導入された外気は、排気口142を通って排出され、言い換えれば、外気は、まず、吸気口141から螺旋状の通路140内に導入され、最後に、排気口142から螺旋状の通路140の外部に排出される。
【0037】
開口キャビティ130の端部は、支持アセンブリ100の頂端面151を貫通して開口部131を形成し、即ち、開口部131は当該頂端面151に設けられ、霧化媒体担体20は、当該開口部131を通って開口キャビティ130内に挿入可能であり、それにより開口部131は霧化媒体担体20に対して収容の役割を果たす。加熱シート220の一部は、当該開口キャビティ130内に収容され、霧化媒体担体20が開口キャビティ130に嵌合されると、加熱シート220は霧化媒体担体20の内部に貫通することができる。螺旋状の通路140の吸気口141は、同様に当該頂端面151に位置し、螺旋状の通路140の数が複数である場合、複数の吸気口141は、支持アセンブリ100の周方向に間隔をあけて配置され、例えば、任意の隣接する2つの吸気口141からなる角度は等しく、即ち、複数の吸気口141は、周方向に均一に分布する。螺旋状の通路140の下端が内側底壁面155に延在して排気口142を形成することに鑑みて、支持アセンブリ100全体の軸方向を基準方向とする場合、吸気口141と排気口142の両者の間の距離は、開口キャビティ130の長さと等しい。言い換えれば、開口キャビティ130の当該基準方向に垂直な正の投影は、当該螺旋状の通路140によって覆われる領域内にちょうど完全に位置し、即ち、当該正の投影は、螺旋状の通路140が位置する領域全体を覆う。吸気口141は、排気口142よりも開口部131に近いことは明らかである。当然ながら、吸気口141は、外側壁面152に位置してもよく、即ち、吸気口141は開口部131と基準方向において一定の距離があり、この場合、吸気口141と排気口142の両者の間の距離は、開口キャビティ130の長さよりも小さくてもよい。これにより、開口キャビティ130の当該基準方向に垂直な正の投影の一部が当該螺旋状の通路140によって覆われる領域内に位置し、もう一部が当該螺旋状の通路140によって覆われる領域の外部に位置する。要約すると、少なくとも一部の正の投影は、螺旋状の通路140によって覆われる領域内に位置する。
【0038】
支持アセンブリ100は、突起部170を更に備え、突起部170は、当該内側底壁面155に設けられ、突起部170は、当該内側底壁面155よりも一定の高さだけ突出し、霧化媒体担体20の下端が突起部170に当接すると、開口キャビティ130は霧化媒体担体20と内側底壁面155との間の空間に位置して導気通路161を形成し、言い換えれば、霧化媒体担体20及び内側底壁面155の両者は、開口キャビティ130の一部を取り囲んで導気通路161を形成する。支持アセンブリ100には、嵌合孔162が更に設けられ、当該嵌合孔162は、貫通孔であり、嵌合孔162が導気通路161に連通するように、内側底壁面155及び底端面153を同時に貫通する。加熱シート220は、その一部が開口キャビティ130内に収容されるように、当該嵌合孔162を貫通する。当然ながら、嵌合孔162は、導気通路161内のガスが嵌合孔162から流出できないように、密封処理されてもよい。ユーザが霧化媒体担体20を吸う際に、外気は吸気口141から螺旋状の通路140の内部に導入されて排気口142から導気通路161に排出され、外気によってエアロゾルが運ばれてユーザに吸われる。このため、外気は螺旋状の通路140を通って導気通路161に入ってエアロゾルを運ぶ。
【0039】
当該螺旋状の通路140を設けることにより、ユーザが吸って加熱シート220が熱を発生する過程において、温度がより低い外気が当該螺旋状の通路140を流れている際に、外気は支持アセンブリ100の熱を吸収して導気通路161内に再度入るため、外気は熱に対して一定の回收の役割を果たすことができる。一方では、外気によって回收された熱が霧化媒体担体20の加熱に再度使用可能となり、熱損失率をできるだけ減少して、加熱器10全体のエネルギーの利用率を向上させることができる。もう一方では、開口キャビティ130から支持アセンブリ100上に伝導される熱を減少することにより、支持アセンブリ100の温度を低下させ、ユーザが支持アセンブリ100を握っている時に灼熱の不快感、更には火傷を生じることを防止することができる。
【0040】
仮に螺旋状の通路140を直線状の通路に置き換える場合、外気の直線状の通路内の流路が螺旋状の通路140内の流路よりもはるかに小さいため、外気はより短い流路で十分な熱を吸収して開口キャビティ130内に入ることができず、即ち、外気は熱交換するのに十分な時間がないため、熱の回收利用率が低くなる。ほとんどの熱が依然として支持アセンブリ100の外面に伝導されるため、支持アセンブリ100の外面に灼熱の不快感を生じることになる。一方、当該実施例では、螺旋状の通路140を採用することにより、吸気口141と排気口142との間の軸方向の距離が開口キャビティ130の長さと等しいため、螺旋状の通路内の外気は支持アセンブリ100上の各所から外部に伝導される熱と直接接触することができると同時に、外気の螺旋状の通路140内の流路がより長いため、外気はできるだけ多くの熱を回収するのに十分な機会と時間を有し、それによりエネルギーの利用率を更に向上させ、支持アセンブリ100に灼熱の不快感を生じることを防止することができる。
【0041】
仮に螺旋状の通路140を不規則な通路に置き換える場合、外気は不規則な通路内で渦と乱流(即ちタービュランス)を発生することになり、外気の当該不規則な通路内の各所における流速が異なる。外気は、渦では流れがより遅く、他の部位では流速がより速いため、外気が当該不規則な通路内のある箇所での流速がより速いと、外気が当該箇所でより短い時間により多くの熱を吸収することができず、当該箇所で吸収できない熱が支持アセンブリ100の外面に直接伝導され、更には、当該不規則な通路内のガスの流速がより速い箇所に対応する支持アセンブリ100の外面における位置で、局所的な高温が発生することになる。一方、当該実施例では、螺旋状の通路140を採用することにより、外気の螺旋状の通路140内の各所での流速が基本的に同じであり、外気の渦流等の流れがスムーズでない現象の発生を効果的に防止し、ほとんどの熱が螺旋状の通路140内の外気によって導気通路161内に回収されると、支持アセンブリ100上に伝導された熱が支持アセンブリ100の外面に均一に分布することを効果的に確保することができ、外面に局所的な高温が発生してユーザに不快感を与えることを回避することができる。
【0042】
それと同時に、支持アセンブリ100には、断熱層が付着し、当該断熱層は開口キャビティ130内の熱の外部への放射を更に防止し、加熱器10全体のエネルギーの利用率を向上させ、加熱器10の外面の温度が高くなりすぎることを防止する。
【0043】
本発明は、電子霧化装置を更に提供する。当該電子霧化装置は、電源アセンブリと加熱器10とを備え、加熱器10は、電源アセンブリに取り外し可能に接続され、電源アセンブリは、加熱器10中の加熱シート220に給電する。
【0044】
上記の実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0045】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
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