(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】振動センサ
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20241119BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
H04R1/00 327Z
H04R1/02 108
(21)【出願番号】P 2023524771
(86)(22)【出願日】2021-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2021107978
(87)【国際公開番号】W WO2022142291
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/140180
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110445739.3
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 文俊
(72)【発明者】
【氏名】袁 永▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】周 文兵
(72)【発明者】
【氏名】黄 雨佳
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 金波
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲風▼云
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111131988(CN,A)
【文献】中国実用新案第211085470(CN,U)
【文献】特開2017-183859(JP,A)
【文献】特開2014-033301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00- 1/40
H04R 19/04
H04R 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティとに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、
を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記ハウジングの振動に応答して振動し、かつ前記振動を前記第1の音響キャビティにより前記音響トランスデューサに伝達して電気信号を発生させ、
前記振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含み、
前記弾性素子は、前記質量素子の側壁に周着され、前記弾性素子は、前記音響トランスデューサに向かって延在し、かつ前記音響トランスデューサに直接又は間接的に接続されており、
前記質量素子と前記第1の音響キャビティとの前記質量素子の振動方向に垂直な断面積の偏差は、25%よりも小さい、振動センサ。
【請求項2】
1000Hzよりも小さい周波数範囲内で、前記振動センサの感度は、-40dB以上である、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項3】
前記質量素子の振幅は、前記振動センサの共振周波数の二乗に反比例する、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項4】
前記振動センサの感度は、
前記第1の音響キャビティの気圧の変化と前記第1の音響キャビティの初期気圧との比に正比例するか、又は
前記第1の音響キャビティの体積の変化と前記第1の音響キャビティの初期体積との比に正比例するか、又は
前記質量素子の振幅と前記第1の音響キャビティの前記質量素子の振動方向に垂直な断面積との積と、前記第1の音響キャビティの初期体積と、の比に正比例し、前記第1の音響キャビティの初期体積、前記第1の音響キャビティの前記質量素子の振動方向に垂直な断面積、及び前記振動センサの共振周波数のうちの少なくとも1つを設定して前記振動センサの感度を閾値よりも大きくする、請求項3に記載の振動センサ。
【請求項5】
前記音響トランスデューサは、少なくとも1つの吸気口を含み、前記第1の音響キャビティの初期体積は、前記少なくとも1つの吸気口の体積を含む、請求項4に記載の振動センサ。
【請求項6】
前記弾性素子の、前記質量素子に近接する側から前記質量素子から離れる側までの、幅は、10~500umである、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項7】
前記弾性素子の前記質量素子に近接する側から、前記質量素子から離れる側までの幅は、変化し、前記変化の変化量は、300um以下である、
請求項1に記載の振動センサ。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記音響トランスデューサに接続されており、前記弾性素子の前記音響トランスデューサに向かって延在する一端は、前記音響トランスデューサに直接接続されている、
請求項1に記載の振動センサ。
【請求項9】
前記振動レシーバーは、前記音響トランスデューサに設置された基板をさらに含み、前記弾性素子の前記音響トランスデューサに向かって延在する一端は、前記基板に接続される、
請求項1に記載の振動センサ。
【請求項10】
前記基板は、前記音響トランスデューサに接続された底板と、内表面が前記弾性素子に接続された側壁と、を含む、請求項9に記載の振動センサ。
【請求項11】
前記振動センサの共振周波数は、1000Hz~5000Hzである、請求項1~10のいずれか一項に記載の振動センサ。
【請求項12】
前記弾性素子は、第1の弾性部、及び第2の弾性部を含み、前記第1の弾性部の両端はそれぞれ、前記質量素子の側壁と前記第2の弾性部とに接続されており、前記第2の弾性部は、前記音響トランスデューサに向かって延在し、かつ前記音響トランスデューサに直接又は間接的に接続されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の振動センサ。
【請求項13】
前記弾性素子の前記音響トランスデューサから離れる表面は、前記質量素子の前記音響トランスデューサから離れる表面より低い、請求項1~12のいずれか一項に記載の振動センサ。
【請求項14】
前記ハウジング及び前記質量素子のうちの少なくとも1つには、少なくとも1つの減圧孔が設置されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の振動センサ。
【請求項15】
前記第1の音響キャビティの体積は、前記第2の音響キャビティの体積よりも小さい、請求項1~14のいずれか一項に記載の振動センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、音響の分野に関し、特に振動センサに関する。
【0002】
[参照による援用]
本願は、2020年12月28日に出願された出願番号PCT/CN2020/140180の国際出願及び2021年4月23日に出願された出願番号202110445739.3の中国出願の優先権を主張するものであり、そのすべての内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
振動センサは、振動信号を電気信号に変換するエネルギー変換デバイスである。振動センサが骨伝導マイクロホンとして使用される場合、振動センサは、人が話すときに皮膚を介して伝達された振動信号を検出し、かつ人の皮膚から伝達された振動信号を電気信号に変換し、それにより音声を伝達する効果を達成することができる。振動センサの感度は、その音声伝達の品質に影響を与え、現在の振動センサは、一般的には感度が高くない。したがって、感度が向上した振動センサを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書の一態様に係る振動センサは、音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、を含み、前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記ハウジングの振動に応答して振動し、かつ前記振動を前記第1の音響キャビティにより前記音響トランスデューサに伝達して電気信号を発生させ、前記振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含み、前記質量素子と前記第1の音響キャビティとの前記質量素子の振動方向に垂直な断面積の偏差は、25%より小さい。
【0005】
いくつかの実施例では、1000Hzより小さい周波数範囲内で、前記振動センサの感度は、-40dB以上である。
【0006】
いくつかの実施例では、前記質量素子の振幅は、前記振動センサの共振周波数の二乗に反比例する。
【0007】
いくつかの実施例では、前記振動センサの感度は、前記第1の音響キャビティの気圧の変化と前記第1の音響キャビティの初期気圧との比に正比例するか、又は前記第1の音響キャビティの体積の変化と前記第1の音響キャビティの初期体積との比に正比例するか、又は前記質量素子の振幅と前記第1の音響キャビティの前記質量素子の振動方向に垂直な断面積との積と、前記第1の音響キャビティの初期体積と、の比に正比例し、前記第1の音響キャビティの初期体積、前記第1の音響キャビティの面積及び前記共振周波数のうちの少なくとも1つを設定して前記感度を閾値より大きくする。
【0008】
いくつかの実施例では、前記音響トランスデューサは、少なくとも1つの吸気口を含み、前記第1の音響キャビティの初期体積は、前記少なくとも1つの吸気口の体積を含む。
【0009】
いくつかの実施例では、前記弾性素子は、前記質量素子の側壁に周着され、前記弾性素子は、前記音響トランスデューサに向かって延在し、かつ前記音響トランスデューサに直接又は間接的に接続される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記弾性素子の前記質量素子に近接する側から、前記質量素子から離れる側までの幅は、10~500umである。
【0011】
いくつかの実施例では、前記弾性素子の前記質量素子に近接する側から、前記質量素子から離れる側までの幅は、変化し、前記変化の変化量は、300um以下である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記ハウジングは、前記音響トランスデューサに接続され、前記弾性素子の前記音響トランスデューサに向かって延在する一端は、前記音響トランスデューサに直接接続される。
【0013】
いくつかの実施例では、前記振動レシーバーは、前記音響トランスデューサに設置された基板をさらに含み、前記弾性素子の前記音響トランスデューサに向かって延在する一端は、前記基板に接続される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記基板は、前記音響トランスデューサに接続された底板と、内表面が前記弾性素子に接続された側壁とを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、前記底板の厚さは、50~150umであり、前記側壁の前記底板から離れる方向に沿った長さは、20~200umである。
【0016】
いくつかの実施例では、前記振動センサの共振周波数は、1000Hz~5000Hzである。
【0017】
いくつかの実施例では、前記振動センサの共振周波数は、1000Hz~4000Hzである。
【0018】
いくつかの実施例では、前記振動センサの共振周波数は、2000Hz~3500Hzである。
【0019】
いくつかの実施例では、前記弾性素子と前記ハウジングとは、直接接触するか、又はそれらの間に間隔が存在する。
【0020】
いくつかの実施例では、前記弾性素子は、第1の弾性部、及び第2の弾性部を含み、前記第1の弾性部の両端は、それぞれ前記質量素子の側壁と前記第2の弾性部に接続され、前記第2の弾性部は、前記音響トランスデューサに向かって延在し、かつ前記音響トランスデューサに直接又は間接的に接続される。
【0021】
いくつかの実施例では、前記弾性素子の材料は、シリコーンゴム、シリコーンゲル、シリコーンシーラントのうちの少なくとも1種を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、前記弾性素子のショア硬度は、1~50HAである。
【0023】
いくつかの実施例では、前記弾性素子の前記音響トランスデューサから離れる表面は、前記質量素子の前記音響トランスデューサから離れる表面より低い。
【0024】
いくつかの実施例では、前記ハウジングと質量素子とのうちの少なくとも1つには、少なくとも1つの減圧孔が設置される。
【0025】
いくつかの実施例では、前記第1の音響キャビティの体積は、前記第2の音響キャビティの体積より小さい。
【0026】
いくつかの実施例では、前記質量素子の振動方向に沿って、前記第1の音響キャビティの高さは、1~100umであり、前記第2の音響キャビティの高さは、50~200umである。
【0027】
いくつかの実施例では、前記質量素子の振動方向に沿って、前記質量素子の厚さは、50~1000umである。
【0028】
本願は、例示的な実施例の方式でさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面により詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例では、同じ符号は同じ構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例に係る質量素子と弾性素子との接続方式を示す概略図である。
【
図4A】本願のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略図である。
【
図4B】本願の他のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略図である。
【
図4C】本願の他のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略図である。
【
図5】本願のいくつかの実施例に係る振動レシーバーの概略図である。
【
図6】本願のいくつかの実施例に係る振動システムの簡略図である。
【
図7】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【
図8】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【
図9】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【
図10】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの周波数応答曲線図である。
【
図11】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【
図12】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの例示又は実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ番号は、同じ構造又は操作を示す。
【0031】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」が、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部材、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0032】
本願及び特許請求の範囲に示すように、文脈を通じて明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び素子を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0033】
本願では、フローチャートを用いて本願の実施例に係るシステムが実行する操作を説明する。先行又は後続の操作が必ずしも順序に従って正確に実行されるとは限らないことを理解されたい。その代わりに、各ステップを逆の順序で、又は同時に処理してもよい。また、他の操作をこれらのプロセスに追加してもよく、これらのプロセスから1つ以上の操作を除去してもよい。
【0034】
本明細書の実施例は、振動センサを提供する。該振動センサは、振動レシーバー及び音響トランスデューサを含んでもよい。振動レシーバーは、ハウジング及び振動ユニットを含んでもよい。ハウジングは、音響キャビティを形成することができる。振動ユニットは、音響キャビティ内に位置し、音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切ることができる。音響トランスデューサは、第1の音響キャビティと音響的に連通してもよい。ハウジングは、外部振動信号(例えば、ユーザーが話すときに骨格、皮膚などの振動により発生した信号)に基づいて振動を発生させるように構成されてもよい。振動ユニットは、ハウジングの振動に応答して振動し、かつ該振動を第1の音響キャビティにより音響トランスデューサに伝達して電気信号を発生させることができる。振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含んでもよい。質量素子と第1の音響キャビティとの質量素子の振動方向に垂直な断面積の偏差は、25%より小さく、これは、振動ユニットの振動中において、第1の音響キャビティ内の空気体積の圧縮比を向上させるため、振動センサの感度を向上させる。
【0035】
いくつかの実施例では、弾性素子は、質量素子の側壁に周着され、かつ音響トランスデューサに向かって延在して音響トランスデューサに直接又は間接的に接続されてもよく、それにより、振動ユニットの振動中において、弾性素子に剪断変形が発生する。引張変形及び圧縮変形と比較して、剪断変形は、弾性素子のバネ係数を低下させ、これにより、振動センサの共振周波数を低下させるため、振動ユニットの振動中において、質量素子の振幅を向上させ、振動センサの感度を向上させる。
【0036】
図1は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ100の概略構成図である。
図1に示すように、振動センサ100は、振動レシーバー110及び音響トランスデューサ120を含んでもよい。いくつかの実施例では、振動レシーバー110と音響トランスデューサ120とは、物理的な方式で接続されてもよい。本明細書における物理的な接続は、溶接、係止、接着又は一体成形など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施例では、振動センサ100は、骨伝導マイクロホンとして使用されてもよい。骨伝導マイクロホンとして使用される場合、振動センサ100は、ユーザーが話すときに発生した骨格、皮膚などの組織の振動信号を受信し、かつ該振動信号を音声情報を含む電気信号に変換することができる。空気中の音声(又は振動)をほとんど収集しないため、振動センサ100は、ある程度で周囲環境のノイズ(例えば、周囲の他人の発話音声、車両が走行するノイズ)の影響を受けず、ノイジーな環境で使用してユーザーが話すときの音声信号を収集することに適する。単なる例示として、ノイジーな環境は、ノイジーなレストラン、会場、大通り、道路付近、火災現場などの場合を含んでもよい。いくつかの実施例では、振動センサ100は、イヤホン(例えば、空気伝導イヤホン及び骨伝導イヤホン)、助聴器、補聴器、メガネ、ヘルメット、拡張現実(AR)装置、仮想現実(VR)装置など、又はそれらの任意の組み合わせに適用されてもよい。例えば、振動センサ100は、骨伝導マイクロホンとしてイヤホンに適用されてもよい。
【0038】
振動レシーバー110は、振動信号を受信し、かつ伝達するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、振動レシーバー110は、ハウジング及び振動ユニットを含む。ハウジングは、内部が中空の構造であってもよく、振動センサ100の一部の部材(例えば、振動ユニット)は、ハウジング内に位置してもよい。例えば、ハウジングは、音響キャビティを形成することができ、振動ユニットは、音響キャビティ内に位置してもよい。いくつかの実施例では、ハウジングの形状は、直方体、円柱体、円錐台などの規則的又は不規則的な形状の立体構造であってもよい。いくつかの実施例では、ハウジングの材料は、金属(例えば、銅、ステンレス鋼)、合金、プラスチックなど又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、ハウジングは、ハウジング内に設置された振動センサ100の部材(例えば、振動ユニット)をよりよく保護するように、一定の厚さを有することにより十分な強度を保証してもよい。いくつかの実施例では、振動ユニットは、ハウジングにより形成された音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切ることができる。第1の音響キャビティは、音響トランスデューサ120と音響的に連通してもよい。音響的な連通は、音圧、音波又は振動信号を伝達可能な連通形態であってもよい。
【0039】
音響トランスデューサ120は、振動信号を受信し、かつ受信された振動信号を音声情報を含む電気信号に変換することができる。いくつかの実施例では、振動信号は、振動レシーバー110により受信され、かつ第1の音響キャビティに伝達されてもよく、第1の音響キャビティは、音響的な連通により振動信号を音響トランスデューサ120に伝達することができる。いくつかの実施例では、振動センサ100が動作している場合、ハウジングは、外部振動信号(例えば、ユーザーが話すときに骨格、皮膚などの振動により発生した信号)に基づいて振動を発生させることができる。振動ユニットは、ハウジングの振動に応答して振動し、かつ該振動を第1の音響キャビティにより音響トランスデューサ120に伝達することができる。例えば、振動ユニットの振動は、第1の音響キャビティの体積を変化させ、さらに第1の音響キャビティ内の気圧を変化させ、かつキャビティ内の気圧の変化をキャビティ内の音圧の変化に変換することができる。音響トランスデューサ120は、第1の音響キャビティの音圧の変化を検出し、かつこれに基づいて電気信号を発生させることができる。例えば、音響トランスデューサ120は、振動膜を含んでもよく、第1の音響キャビティ内の音圧が変化して振動膜に作用すると、振動膜が振動(又は変形)し、これにより、音響トランスデューサ120は、振動膜の振動を電気信号に変換する。振動センサ100に関する詳細な説明については、
図2~
図12の詳細な説明を参照してもよい。
【0040】
なお、上記振動センサ100及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ100に対して様々な修正及び変更を行うことができる。いくつかの実施例では、振動センサ100は、例えば、音響トランスデューサ120に電気エネルギーを提供する電源などの他の部材をさらに含んでもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0041】
図2は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ200の概略構成図である。
図2に示すように、振動センサ200は、振動レシーバー210及び音響トランスデューサ220を含んでもよい。振動レシーバー210は、ハウジング211及び振動ユニット212を含んでもよい。いくつかの実施例では、ハウジング211は、音響キャビティ213を有する構造に取り囲むように、音響トランスデューサ220に接続されてもよい。ハウジング211と音響トランスデューサ120との間の接続方式は、物理的な接続であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212は、音響キャビティ213内に位置してもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212は、音響キャビティ213を第1の音響キャビティ2131と第2の音響キャビティ2132に仕切ることができる。例えば、振動ユニット212とハウジング211とは、第2の音響キャビティ2132を形成することができ、振動ユニット212と音響トランスデューサ220とは、第1の音響キャビティ2131を形成することができる。
【0042】
いくつかの実施例では、第1の音響キャビティ2131は、音響トランスデューサ220と音響的に連通してもよい。単なる例示として、第1の音響キャビティ2131は、吸気口221を含んでもよく、音響トランスデューサ220は、吸気口221により第1の音響キャビティ2131と音響的に連通してもよい。なお、
図2に示された単一の吸気口221の説明は、説明の目的のためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。振動センサ200は、1つ以上の吸気口を含んでもよいことを理解されたい。例えば、振動センサ200は、アレイのように配置された複数の吸気口を含んでもよい。
【0043】
いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向(
図2に示すように)に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~500umであり、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、質量素子2121の音響トランスデューサ220に近接する表面と、ハウジング211内の音響トランスデューサ220(又は基板)の質量素子2121に近接する表面との間の距離である。好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~450umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~400umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~350umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~300umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~250umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~200umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~150umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~100umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~80umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~60umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~40umである。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第1の音響キャビティ2131の高さH
1は、1~20umである。
【0044】
いくつかの実施例では、第2の音響キャビティ2132は、開放された構造を有してもよく、すなわち、外部と直接連通してもよく、例えば、第2の音響キャビティ2132は、ハウジング211に設置された孔構造又は開口構造により外部と連通してもよい。このような状況で、第2の音響キャビティ2132の気圧の変化は、振動ユニット212の振動にほとんど影響を与えないが、環境中の空気伝導音声は、振動センサ200の使用性能に影響を与える可能性がある。環境中の空気伝導音声による影響を低減するために、いくつかの実施例では、第2の音響キャビティ2132は、密閉されたキャビティ構造であってもよい。いくつかの実施例では、第2の音響キャビティ2132の体積は、第1の音響キャビティ2131の体積より大きくてもよく、それにより、振動ユニット212の振動中において、第2の音響キャビティ2132の気圧の変化の振動ユニット212の振動に対する影響を低減する。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~2000umであってもよく、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる表面と、ハウジング211内の質量素子2121に平行な内表面との間の距離である。好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~1000umであってもよい。好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~500umであってもよい。好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~450umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~400umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~350umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~300umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~250umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、1~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、10~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、20~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、30~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、40~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、50~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、60~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、70~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、80~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、90~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、100~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、120~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、140~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、160~200umであってもよい。より好ましくは、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2は、180~200umであってもよい。
【0045】
いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、10:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、9:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、8:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、8:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、7:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、6:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、4:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、3:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、2:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、1.5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、2.5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、3.5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、4.5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、5.5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、6.5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、7.5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、8.5:1であってもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212の振動方向に沿って、第2の音響キャビティ2132の高さH2と第1の音響キャビティ2131の高さH1との比は、9.5:1であってもよい。
【0046】
いくつかの実施例では、振動ユニット212は、質量素子2121及び弾性素子2122を含んでもよい。いくつかの実施例では、質量素子2121と弾性素子2122とは、物理的に接続さてもよく、例えば、接着されてもよい。単なる例示として、弾性素子2122は、質量素子2121に直接接着されるように、一定の粘着性を有する材料であってもよい。いくつかの実施例では、弾性素子2122は、弾性素子2122が振動センサ200の加工製造中において性能を維持するように、耐高温の材料であってもよい。いくつかの実施例では、弾性素子2122が200℃~300℃の環境にある場合、そのヤング率及び剪断弾性率は、変化しないか又は小さく変化し(例えば、変化量が5%以内である)、ヤング率は、弾性素子2122が引っ張られるか又は圧縮される場合の変形能力を特徴づけることができ、剪断弾性率は、弾性素子2122が剪断される場合の変形能力を特徴づけることができる。いくつかの実施例では、弾性素子2122は、振動ユニット212がハウジング211の振動に応答して振動することができるように、優れた弾性を有する(すなわち、弾性的に変形しやすい)材料であってもよい。単なる例示として、弾性素子2122の材料は、シリコーンゴム、シリコーンゲル、シリコーンシーラントなど又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、弾性素子2122のショア硬度は、1~50HAであってもよい。好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~45HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~40HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~35HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~30HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~25HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~20HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~15HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~10HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、1~5HAであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、15HAであってもよい。
【0047】
質量素子2121は、質量ブロックと呼ばれてもよい。いくつかの実施例では、質量素子2121の材料は、密度が一定の密度閾値(例えば、6g/cm3)より大きい材料、例えば、金属であってもよい。単なる例示として、質量素子2121の材料は、鉛、銅、銀、スズ、ステンレス鋼、合金など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。質量素子2121の材料の密度が高ければ高いほど、サイズが小さいため、密度が一定の密度閾値より大きい材料で質量素子2121を製造することにより、振動センサ200のサイズをある程度で小さくすることができる。いくつかの実施例では、質量素子2121の材料の密度は、振動センサ200の周波数応答曲線の共振ピーク及び感度に大きな影響を与える。同じ体積で、質量素子2121の密度が大きければ大きいほど、その質量が大きく、振動センサ200の共振ピークが低周波数へ移動し、感度が向上する。いくつかの実施例では、質量素子2121の材料の密度は、6~20g/cm3である。好ましくは、質量素子2121の材料の密度は、6~15g/cm3である。より好ましくは、質量素子2121の材料の密度は、6~10g/cm3である。より好ましくは、質量素子2121の材料の密度は、6~8g/cm3である。いくつかの実施例では、質量素子2121と弾性素子2122とは、異なる材料で構成されてもよく、さらに組立(例えば、接着)により振動ユニット212を形成する。いくつかの実施例では、質量素子2121と弾性素子2122とは、同じ材料で構成されてもよく、一体成形により振動ユニット212を形成する。
【0048】
いくつかの実施例では、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、50~1000umである。好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、60~900umである。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、70~800umである。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、80~700umである。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、90~600umである。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、100~500umである。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、100~400umである。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、100~300umである。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、100~200umである。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、100~150umである。
【0049】
いくつかの実施例では、弾性素子2122は、質量素子2121の側壁に周着されてもよい。
図3は、本明細書のいくつかの実施例に係る質量素子2121と弾性素子2122との接続方式を示す概略図である。
図2~
図4に示すように、弾性素子2122の内側2124は、質量素子2121の側壁に接続される。弾性素子2122の内側2124は、弾性素子2122により囲まれた空間が位置する側であってもよい。質量素子2121の側壁は、質量素子2121の振動方向に平行な側であってもよい。質量素子2121の上表面と下表面とは、振動方向に略垂直であり、それぞれ第2の音響キャビティ2132と第1の音響キャビティ2131を画定する。弾性素子2122が質量素子2121の側壁に周着されるため、振動ユニット212が振動方向に沿って振動する場合、質量素子2121の振動量は、弾性素子2122に対する作用力に変換され、弾性素子2122に剪断変形を発生させる。引張変形及び圧縮変形と比較して、剪断変形は、弾性素子2122のバネ係数を低下させ、これにより、振動センサ200の共振周波数を低下させるため、振動ユニット212の振動中において、質量素子2121の振幅を向上させ、振動センサ200の感度を向上させる。
【0050】
いくつかの実施例では、振動ユニット212における質量素子2121と弾性素子2122とは、音響トランスデューサ220の共振システム以外の追加共振システムと見なすことができる。いくつかの実施例では、追加共振システムは、振動センサ200の元の共振周波数(すなわち、音響トランスデューサ220の元の共振システムによる共振周波数)を変化させるように、振動センサ200の元の振動特性(すなわち、音響トランスデューサ220の元の共振システムによる振動特性)を調整することができる。同時に、この設定は、振動センサ200の元の共振システムに新たな共振システムを導入し、それにより新たな共振ピークを導入すると見なすことができ、新たな共振ピークの共振周波数は、音響トランスデューサ220の共振周波数より小さく、それにより振動センサ200が高い感度を有する。振動センサ200の感度に関する詳細な説明については、
図6~
図8の詳細な説明を参照してもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、振動センサ200の共振周波数は、1000Hz~5000Hzであってもよい。好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、1500Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、2000Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、2500Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、3000Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、3500Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、4000Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、4500Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、1000Hz~4500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、1000Hz~4000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、1500Hz~4500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、2000Hz~4000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、2000Hz~3500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、2000Hz~3000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ200の共振周波数は、2000Hz~2500Hzであってもよい。いくつかの実施例では、振動センサ200の共振周波数は、質量素子2121及び弾性素子2122のパラメータにより決定されてもよい。いくつかの実施例では、共振周波数を決定するためのパラメータは、質量素子2121の質量、弾性素子2122の質量、弾性素子2122の剛性、弾性素子2122のヤング率、弾性素子2122の剪断弾性率、弾性素子2122の等価剛性又は弾性素子2122のバネ係数などを含んでもよいが、それらに限定されない。いくつかの実施例では、質量素子2121及び弾性素子2122のパラメータを調整することにより、振動センサ200に異なる共振周波数を有させることができる。例えば、質量素子2121の質量が変化しない場合、弾性素子2122のバネ係数を小さく調整すると、振動センサ200の共振周波数が低下する。
【0052】
いくつかの実施例では、弾性素子2122の形状は、質量素子2121の形状に合わせてもよい。例えば、弾性素子2122は、管状構造であってもよく、該管状構造の開口端は、質量素子2121の振動方向に垂直な断面において質量素子2121と同じ断面形状を有する。弾性素子2122の開口端は、質量素子2121に接続された端であってもよい。
図3に示すように、質量素子2121の質量素子2121の振動方向に垂直な断面の形状は、四角形であり、弾性素子2122により囲まれた領域は、管状であり、該管状は、質量素子2121の振動方向に垂直な断面に四角形孔を有する。単なる例示として、質量素子2121の質量素子2121の振動方向に垂直な断面の形状は、規則的な形状(例えば、円形、楕円形、扇形、角丸矩形、多角形)及び不規則的な形状などをさらに含んでもよい。それに応じて、弾性素子2122により囲まれた管状の質量素子2121の振動方向に垂直な断面の形状は、規則的な形状又は不規則的な形状の孔径を有する管状を含んでもよい。本明細書では、管状の弾性素子2122の外側2125の形状を限定しない。弾性素子2122の外側2125は、弾性素子2122の内側2124と反対の側面であってもよい。例えば、管状の弾性素子2122の外側の形状は、円柱形、楕円柱形、円錐形、角丸矩形柱、矩形柱、多角形柱、不規則的な柱状など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
図3に示すように、管状の弾性素子2122の外側の形状は、四角形であってもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、
図3に示すように、質量素子2121の側壁に周着された弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、10~500umであってもよい。好ましくは、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、20~450umであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、30~400umであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、40~350umであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、50~300umであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、60~250umであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、70~200umであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、80~150umであってもよい。より好ましくは、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、90~100umであってもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、弾性素子2122の質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wは、振動方向に沿って変化する。すなわち、弾性素子2122は、振動方向に垂直な複数の断面を含んでもよく、各断面に対応する弾性素子2122の幅は、該断面において弾性素子2122の境界に垂直な方向に沿った長さであり、弾性素子2122の複数の断面における幅は、異なってもよい。
図4A~
図4Bに示すように、弾性素子2122は、質量素子2121に対して外向き及び/又は内向きに膨出してもよい。本明細書に記載のように、弾性素子2122が質量素子2121に対して外向きに膨出してもよいことは、弾性素子2122の外側2125の少なくとも一部の領域と第1の音響キャビティ2131の軸線(図に示されたZ軸)との間の距離が質量素子2121から音響トランスデューサへの方向に沿って徐々に大きくなることであり、弾性素子2122が質量素子2121に対して内向きに膨出してもよいことは、弾性素子2122の内側2124の少なくとも一部の領域と第1の音響キャビティ2131の軸線との間の距離が質量素子2121から音響トランスデューサへの方向に沿って徐々に小さくなることである。第1の音響キャビティ2131の軸線(図に示されたZ軸)は、第1の音響キャビティ2131の振動方向に平行な幾何学的中心線であってもよい。該外向き及び/又は内向きに膨出することにより、弾性素子2122の質量素子2121の振動方向に沿って質量素子2121に近接する側から、質量素子2121から離れる側までの幅Wを変化させることができる。例えば、
図4Bに示すように、内向きに膨出するため、弾性素子2122の質量素子2121から離れる部分の幅は、質量素子2121に近接する部分の幅より大きい。幅変化の変化量は、該幅の最小幅値と最大幅値との差により表すことができる。いくつかの実施例では、該幅変化の変化量は、300um以下であってもよい。いくつかの実施例では、該幅変化の変化量は、250um以下であってもよい。いくつかの実施例では、該幅変化の変化量は、200um以下であってもよい。いくつかの実施例では、該幅変化の変化量は、150um以下であってもよい。いくつかの実施例では、該幅変化の変化量は、100um以下であってもよい。いくつかの実施例では、該幅変化の変化量は、50um以下であってもよい。いくつかの実施例では、該幅変化の変化量は、30um以下であってもよい。いくつかの実施例では、該幅は、変化しなくてもよく、すなわち、該幅変化の変化量は、0であってもよい。いくつかの実施例では、
図4Cに示すように、弾性素子2122は、質量素子2121に対して外向き及び/又は内向きに凹んでもよい。本明細書に記載のように、弾性素子2122が質量素子2121に対して外向きに凹んでもよいことは、弾性素子2122の内側2124の少なくとも一部の領域と第1の音響キャビティ2131の軸線(図に示されたZ軸)との間の距離が質量素子2121から、音響トランスデューサへの方向に沿って徐々に小さくなった後、徐々に大きくなることであり、弾性素子2122が質量素子2121に対して内向きに凹んでもよいことは、弾性素子2122の外側2125の少なくとも一部の領域と第1の音響キャビティ2131の軸線との間の距離が質量素子2121から音響トランスデューサへの方向に沿って徐々に小さくなった後、徐々に大きくなることである。例えば、弾性素子2122の外側2125は、内向きに凹んでもよく、弾性素子2122の内側2124は、外向きに凹んでもよい。また例えば、弾性素子2122の外側2125は、内向きに凹んでもよく、弾性素子2122の内側2124は、内向きに膨出してもよい。
【0055】
いくつかの実施例では、
図2に示すように、弾性素子2122の音響トランスデューサ220から離れる表面A(すなわち、弾性素子2122の上表面であり、弾性素子2122の上表面は、弾性素子2122の音響トランスデューサ220から離れる表面である)は、質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる表面B(すなわち、質量素子2121の上表面であり、質量素子2121の上表面は、質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる表面である)より低くてもよい。通常には、弾性素子2122が弾性コロイドであるため、振動ユニット212の製造中において、操作の原因により、弾性素子2122が質量素子2121の表面Bに、はみ出す可能性があり、これは、ハウジング211のパッケージに影響を与え(ひいては、ハウジング211がパッケージ不能になる)、第2の音響キャビティ2132の体積を変化させ、弾性素子2122の等価剛性を増加させ、振動センサ200の性能(例えば、感度)を低下させる可能性がある。弾性素子2122の等価剛性は、弾性素子2122の総変形(例えば、引張圧縮変形及び剪断変形を含む)性質を反映することができるパラメータであってもよい。いくつかの実施例では、弾性素子2122の音響トランスデューサ220から離れる表面Aと質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる表面Bとの高さの差は、質量素子2121の厚さの2/3より小さくてもよい。好ましくは、弾性素子2122の音響トランスデューサ220から離れる表面Aと質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる表面Bとの高さの差は、質量素子2121の厚さの1/2より小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122の音響トランスデューサ220から離れる表面Aと質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる表面Bとの高さの差は、質量素子2121の厚さの1/3より小さくてもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、弾性素子2122は、音響トランスデューサ220に向かって延在し、かつ音響トランスデューサ220に直接又は間接的に接続されてもよい。例えば、
図2に示すように、弾性素子2121の音響トランスデューサ220に向かって延在する一端は、音響トランスデューサ220に直接接続されてもよい。弾性素子2121と音響トランスデューサ220との間の接続方式は、物理的な接続、例えば、接着であってもよい。いくつかの実施例では、弾性素子2121とハウジング211とは、直接接触してもよく、それらの間に間隔が存在してもよい。例えば、
図2に示すように、弾性素子2121とハウジング211との間には、間隔が存在してもよい。この間隔のサイズは、設計者により振動センサ200のサイズに応じて調整されてもよい。また例えば、
図5は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動レシーバー210の概略図である。
図5に示すように、弾性素子2121とハウジング211とは、直接接触してもよく、これにより、一方では、振動レシーバー210の製造中において、弾性素子2121の流れを低減して、弾性素子のサイズ及び形状をよりよく制御することができ、他方では、振動センサ200のサイズを低減することができる。弾性素子2121とハウジング211とが直接接触する場合と比較して、弾性素子2121とハウジング211との間に間隔が存在する場合に振動センサ200のサイズを増加させる可能性があるが、弾性素子2121の等価剛性を低下させ、弾性素子2121の弾性を向上させることができるため、振動ユニット212の振動中において、質量素子2121の振幅を向上させ、これにより振動センサ200の共振周波数を低下させ、振動センサ200の感度を向上させることができる。
【0057】
いくつかの実施例では、ハウジング211と質量素子2121とのうちの少なくとも1つには、少なくとも1つの減圧孔が設置されてもよい。
図2及び
図5に示すように、ハウジング211には、少なくとも1つの減圧孔2111が設置されてもよい。減圧孔2111は、ハウジング211を貫通してもよい。
図2~
図5に示すように、質量素子2121には、少なくとも1つの減圧孔2123が設置されてもよい。減圧孔2123は、質量素子2121を貫通してもよい。減圧孔2123は、第1の音響キャビティ2131と第2の音響キャビティ2132内の気体を流通させることができ、減圧孔2111は、第2の音響キャビティ2132と外部の間に気体を流通させることができるため、振動センサ200の製造中において(例えば、リフローはんだ付け中において)温度の変化による第1の音響キャビティ2131と第2の音響キャビティ2132の内部の気圧の変化をバランスさせ、該気圧の変化による振動センサ200の部材の損傷、例えば、割れ、変形などを減少させるか又は防止することができる。いくつかの実施例では、ハウジング211には、少なくとも1つの減圧孔2111が設置されてもよく、質量素子2121が振動するとき、減圧孔2111は、第2の音響キャビティ2132の内部の気体による減衰を小さくすることができる。
【0058】
いくつかの実施例では、減圧孔2111及び/又は減圧孔2123は、単孔であってもよい。いくつかの実施例では、該単孔の直径は、1~50umであってもよい。好ましくは、該単孔の直径は、2~45umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、3~40umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、4~35umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、5~30umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、5~25umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、5~20umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、6~15umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、7~10umであってもよい。いくつかの実施例では、減圧孔2111及び/又は減圧孔2123は、一定の数の微細孔で構成されたアレイであってもよい。単なる例示として、微細孔の数は、2~10個であってもよい。いくつかの実施例では、各微細孔の直径は、0.1~25umであってもよい。好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~20umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~25umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~20umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~15umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~10umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~5umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~4umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~3umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~2umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~1umであってもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、環境中の空気伝導音声は、振動センサ200の使用性能に影響を与える可能性がある。環境中の空気伝導音声による影響を低減するために、振動センサ200の製造が完了した後、例えば、リフローはんだ付け後に、密封材料によりハウジング211上の少なくとも1つの減圧孔2111を密封してもよい。単なる例示として、該密封材料は、エポキシ接着剤、シリコーンシーラントなど又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、ハウジング211と質量素子2121には、減圧孔が設置されなくてもよい。いくつかの実施例では、ハウジング211と質量素子2121に減圧孔が設置されない場合、振動センサ200の各部材の間の接続強度を向上させる(例えば、各部材を接続する接着剤の接続強度を向上させる)ことで、振動センサ200の部材が第1の音響キャビティ2131及び第2の音響キャビティ2132の内部の気圧の変化により損傷することを回避することができる。
【0061】
振動センサ200は、外部振動信号を電気信号に変換することができる。単なる例示として、外部振動信号は、人が話すときの振動信号、皮膚が人体運動又は皮膚に近接する他の装置(例えば、スピーカー)の動作などの原因で発生した振動信号、及び振動センサ200に接触する物体又は空気により発生した振動信号など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。振動センサ200が動作している場合、外部振動信号は、ハウジング211により振動ユニット212に伝達されてもよく、振動ユニット212の質量素子2121は、弾性素子2122によりハウジング211の振動に応答して振動する。質量素子2121の振動は、第1の音響キャビティ2131の体積を変化させ、さらに第1の音響キャビティ2131内の気圧を変化させ、キャビティ内の気圧の変化をキャビティ内の音圧の変化に変換することができる。音響トランスデューサ220は、第1の音響キャビティ2131の音圧の変化を検出し、電気信号に変換することができる。例えば、音響トランスデューサ220は、吸気口221を含んでもよく、第1の音響キャビティ2131内の音圧の変化は、振動膜が振動(又は変形)して電気信号を発生させるように、吸気口221により音響トランスデューサ220の振動膜に作用してもよい。さらに、音響トランスデューサ220が発生した電気信号は、外部の電子機器に伝達されてもよい。単なる例示として、
図2に示すように、音響トランスデューサ220は、インタフェース222を含んでもよい。インタフェース222は、外部の電子機器の内部素子(例えば、プロセッサ)に有線接続されるか(例えば、電気的に接続される)、又は無線接続されてもよい。音響トランスデューサ220が発生した電気信号は、インタフェース222を介して外部の電子機器に有線又は無線の方式で伝達されてもよい。いくつかの実施例では、外部の電子機器は、モバイル装置、ウェアラブル装置、仮想現実装置、拡張現実装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、モバイル装置は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ゲーム装置、ナビゲーション装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブル装置は、スマートブレスレット、イヤホン、助聴器、スマートヘルメット、スマートウォッチ、スマート衣類、スマートバックパック、スマートアクセサリなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、仮想現実ヘルメット、仮想現実メガネ、仮想現実パッチ、拡張現実ヘルメット、拡張現実メガネ、拡張現実パッチなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、Google Glass(登録商標)、Oculus Rift、Hololens(登録商標)、Gear VR(登録商標)などを含んでもよい。
【0062】
なお、上記振動センサ200及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ200に対して様々な修正及び変更を行うことができる。いくつかの実施例では、弾性素子2122には、少なくとも1つの減圧孔が設置されてもよい。該減圧孔は、弾性素子2122を貫通してもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0063】
図6は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動システム600の簡略図である。
図1~
図5に示された振動レシーバーは、振動システム600により説明されてもよい。
図6に示すように、振動システム600は、密閉キャビティに取り囲むハウジング611と、該密閉キャビティ内に位置する振動ユニット612とを含んでもよい。振動ユニット612は、質量素子6121及び弾性素子6122を含んでもよい。弾性素子6122は、質量素子6121とハウジング611との間に接続されてもよい。いくつかの実施例では、弾性素子6122は、バネであってもよい。説明を容易にするために、ハウジング611の質量は、mと示すことができ、質量素子6121の質量は、M
mと示すことができ、弾性素子6122の質量は、K
mと示すことができ、システムの減衰は、R
mと示すことができる。
【0064】
ハウジング611が振動するときの変位ξ1は、下式のように示すことができる。
【0065】
【0066】
ここで、ξ10は、ハウジング611が振動するときの振幅であり、iは、虚数単位であり、ωは、ハウジング611が振動するときの振動周波数であり、tは、ハウジング611が振動するときの振動時間である。質量素子6121の運動方程式は、下式のように示すことができる。
【0067】
【数2】
ここで、ξ
2は、質量素子6121が振動するときの変位である。
【0068】
質量素子6121とハウジング611との間の相対変位ξをξ=ξ1-ξ2にすると、該相対変位の幅ξaは、下式のように示すことができる。
【0069】
【0070】
ここで、a10は、ハウジング611の加速度振幅であり、機械インピーダンスのモジュール値
【0071】
【0072】
、機械リアクタンス
【0073】
【0074】
、Absは、絶対値関数である。
【0075】
単位加速度で質量素子6121のハウジング611に対する振幅Δhは、下式のように示すことができる。
【0076】
【0077】
Km=ω0
2*Mmであると、ここで、ω0は、振動システム600の共振周波数であり、下式を取得することができる。
【0078】
【0079】
振動システム600の周波数応答曲線の平坦な領域での感度については、ω≪ω0であり、計算を容易にするために、ω=1であると、質量素子6121の低周波数範囲内(例えば、周波数応答曲線の平坦な領域)での振幅は、下式のように示すことができる。
【0080】
【0081】
振動システム600の実際の応用において、ω≫1であると、振動システム600の実際の応用において質量素子6121の低周波数範囲内での振幅は、下式のように示すことができる。
【0082】
【0083】
品質係数
【0084】
【0085】
を式(7)に代入し、質量素子6121の低周波数範囲内での振幅は、下式のように示すことができる。
【0086】
【0087】
振動システム600の周波数応答曲線の平坦な領域での感度は、主に振動システム600の共振周波数ω0に関連し、品質係数Qmからの影響が少なく、ほとんど無視してもよい。したがって、単位加速度で質量素子6121の低周波数(例えば、周波数応答曲線の平坦な領域)でのハウジング611に対する振幅は、下式のように示すことができる。
【0088】
【0089】
式(9)から分かるように、質量素子6121の振幅は、振動システム600の共振周波数の二乗に反比例する。本明細書の他の実施例、例えば、
図2に示された振動センサ200に適用されると、質量素子2121の振幅は、振動センサ200の共振周波数の二乗に反比例する。さらに、式(9)から分かるように、機械システム(例えば、振動センサ100、振動センサ200、振動システム600)に対して、その共振周波数が低ければ低いほど、その質量素子(例えば、質量素子2121、質量素子6121)の重心の低周波数(例えば、該機械システムの周波数応答曲線の平坦な領域)での振幅が大きく、その感度が高い。いくつかの実施例では、低周波数は、2000Hz未満又は1000Hz未満又は800Hz未満又は600Hz未満又は500Hz未満の周波数帯域であってもよい。同様に、該機械システムの質量素子の重心の低周波数(例えば、該機械システムの周波数応答曲線の平坦な領域)での振幅が大きければ大きいほど、該機械システムの共振周波数が低く、感度が高い。
【0090】
したがって、本明細書では、
図2における説明に基づいて、弾性素子(例えば、弾性素子2122)は、質量素子(例えば、質量素子2121)の側壁に周着され、振動ユニット(例えば、振動ユニット212)の振動中において、弾性素子に剪断変形が発生する。引張変形及び圧縮変形と比較して、剪断変形は、弾性素子のバネ係数を低下させ、振動センサ(例えば、振動センサ200)の共振周波数を低下させるため、振動ユニットの振動中において、質量素子の振幅を向上させ、振動センサの感度を向上させる。
【0091】
さらに、本明細書では、
図2における説明に基づいて、弾性素子とハウジング(例えば、ハウジング211)との間には、間隔が存在し、これにより、弾性素子の剛性を低下させ、弾性素子の弾性を向上させることができるため、振動ユニットの振動中において、質量素子の振幅を向上させ、振動センサの共振周波数を低下させ、振動センサの感度を向上させる。
【0092】
振動システム600の共振周波数は、質量素子6121の質量M
m、弾性素子6122の質量K
m及びシステムの減衰R
mにより決定されてもよく、ここで、システムの減衰R
mは、振動システム600の共振周波数と正に相関し、質量素子6121の質量M
mと弾性素子6122の質量K
mとの和は、振動システム600の共振周波数と負に相関する。また、式(9)から分かるように、共振周波数が同じ機械システム(例えば、振動センサ100、振動センサ200、振動システム600)に対して、その質量素子(例えば、質量素子2121、質量素子6121)の重心の低周波数(例えば、該機械システムの周波数応答曲線の平坦な領域)での振幅がほぼ同じである。質量素子の重心の低周波数での振幅がほぼ同じの機械システムに対して、該機械システムの感度を向上させるように、該機械システムの各部材の構造及び/又はパラメータをどのように設定するかについては、具体的には以下の
図7~
図8の紹介を参照する。
【0093】
図7は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ700の概略構成図である。
図7に示すように、振動センサ700は、振動レシーバー710及び音響トランスデューサ720を含んでもよい。振動レシーバー710は、ハウジング711及び振動ユニット712を含んでもよい。ハウジング711は、音響キャビティ713を有するパッケージ構造に取り囲むように、音響トランスデューサ720に接続されてもよい。振動ユニット712は、該パッケージ構造の音響キャビティ713内に位置し、かつ音響キャビティ713を第1の音響キャビティ7131と第2の音響キャビティ7132に仕切ることができる。振動ユニット712は、質量素子7121、弾性フィルム7122及び支持部材7123を含んでもよい。
図7に示すように、質量素子7121は、弾性フィルム7122の上表面に設置されてもよい。いくつかの実施例では、弾性フィルム7122の材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、ポリジメチルシロキサン(PDMS)フィルムなどの高分子弾性フィルムを含んでもよく、複合フィルム(例えば、プラスチックフィルム(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びポリエステル(PET)など)、ガラスペーパー、紙及び/又は金属箔ALなどを複合して形成されたフィルム)であってもよい。支持部材7123は、弾性フィルム7122を支持することができる。
図7に示すように、弾性フィルム7122は、支持部材7123の一方の端面に固定される。支持部材7123の他方の端面は、音響トランスデューサ720に接続される。
【0094】
なお、
図7に示すように、質量素子7121は、弾性フィルム7122により第1の音響キャビティ7131の上方に設置され、質量素子7121の振動方向に垂直な断面積は、第1の音響キャビティ7131の質量素子7121の振動方向に垂直な断面積より小さい。単なる例示として、質量素子7121の振動方向に垂直な断面積は、第1の音響キャビティ7131の質量素子7121の振動方向に垂直な断面積の2/3以下である。また例えば、質量素子7121の振動方向に垂直な断面積は、第1の音響キャビティ7131の質量素子7121の振動方向に垂直な断面積の1/3以下である。
【0095】
振動センサ700の感度は、第1の音響キャビティ7131の気圧の変化と第1の音響キャビティ7131の初期気圧との比又は第1の音響キャビティ7131の体積の変化と前記第1の音響キャビティ7131の初期体積との比に正比例してもよい。換言すれば、振動センサ700の感度は、下式のように示すことができる。
【0096】
【0097】
ここで、Δpは、第1の音響キャビティ7131の気圧の変化であり、p0は、第1の音響キャビティ7131の初期気圧であり、ΔVは、第1の音響キャビティ7131の体積の変化であり、V0は、第1の音響キャビティ7131の初期体積である。いくつかの実施例では、音響トランスデューサ720は、少なくとも1つの吸気口721を含んでもよく、第1の音響キャビティ7131の初期体積V0は、少なくとも1つの吸気口721の体積を含む。
【0098】
図7に示すように、質量素子7121の振動方向に垂直な断面積は、第1の音響キャビティ7131の質量素子7121の振動方向に垂直な断面積より小さいため、質量素子7121が振動方向に沿って上下に振動すると、弾性フィルム7122が変形し、それにより第1の音響キャビティ7131の体積を変化させる。弾性フィルム7122の変形による第1の音響キャビティ7131の体積の変化の形状は、角錐台に近似してもよいため、第1の音響キャビティ7131の体積の変化ΔVは、下式のように示すことができる。
【0099】
【0100】
ここで、Δhは、質量素子7121の振幅であり、A1は、質量素子7121の振動方向に垂直な断面積であり、A0は、第1の音響キャビティ7131の質量素子7121の振動方向に垂直な断面積である。
【0101】
さらに、式(10)及び式(11)から分かるように、振動センサ700の感度は、下式のように示すことができる。
【0102】
【0103】
図8は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ800の概略構成図である。
図8に示すように、振動センサ800は、振動レシーバー810及び音響トランスデューサ820を含んでもよい。振動レシーバー810は、ハウジング811及び振動ユニット812を含んでもよい。ハウジング811は、音響キャビティ813を有するパッケージ構造に取り囲むように、音響トランスデューサ820に接続されてもよい。振動ユニット812は、該パッケージ構造の音響キャビティ813内に位置してもよい。振動ユニット812は、音響キャビティ813を第1の音響キャビティ8131と第2の音響キャビティ8132に仕切ることができる。振動ユニット812は、質量素子8121及び弾性素子8122を含んでもよい。弾性素子8122は、質量素子8121の側壁に周着され、かつ音響トランスデューサ820に向かって延在して音響トランスデューサ820に直接接続されてもよい。振動センサ800の構造及び部材は、
図2において説明された振動センサ200の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には
図2~
図5における説明を参照してもよく、ここではさらに説明しない。
【0104】
なお、
図8に示すように、弾性素子8122が質量素子8121の側壁に周着されるため、質量素子8121の振動方向に垂直な断面積は、第1の音響キャビティ8131の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積とほぼ同じである。いくつかの実施例では、質量素子8121と第1の音響キャビティ8131との質量素子8121の振動方向に垂直な断面積の偏差は、25%より小さくてもよい。いくつかの実施例では、該偏差は、質量素子8121と第1の音響キャビティ8131との質量素子8121の振動方向に垂直な断面積の差の絶対値と、質量素子8121の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積と、の比である。例えば、質量素子8121の振動方向に垂直な断面積は、第1の音響キャビティ8131の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積の3/4~5/4である。いくつかの実施例では、第1の音響キャビティ8131の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積は、第1の音響キャビティ8131の質量素子8121に近接する箇所での断面の面積であってもよい。近接とは、該断面と質量素子8121の下表面との間の距離が該断面と音響トランスデューサ820の上表面との間の距離より小さいことであってもよい。いくつかの実施例では、質量素子8121の下表面は、質量素子8121の音響トランスデューサ820に近接する表面であり、音響トランスデューサ820の上表面は、音響トランスデューサ820の質量素子8121に近接する表面である。いくつかの実施例では、第1の音響キャビティ8131の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積は、第1の音響キャビティ8131の振動方向に垂直な全ての断面の面積の平均値であってもよい。いくつかの実施例では、質量素子8121の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積は、質量素子8121の下表面の面積であってもよい。いくつかの実施例では、質量素子8121の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積は、質量素子8121の振動方向に垂直な全ての断面の面積の平均値であってもよい。いくつかの実施例では、質量素子8121の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積は、質量素子8121の上表面の面積であってもよい。いくつかの実施例では、質量素子8121の上表面は、質量素子8121の音響トランスデューサ820から離れる表面である。
【0105】
図8に示すように、質量素子8121の振動方向に垂直な断面積が第1の音響キャビティ8131の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積とほぼ同じであるため、質量素子8121が振動方向に沿って上下に振動すると、第1の音響キャビティ8131の体積を変化させる。質量素子8121による第1の音響キャビティ8131の体積の変化の形状は、筒状(又は直方体状)に近似してもよいため、第1の音響キャビティ8131の体積の変化ΔVは、下式のように示すことができる。
【0106】
【0107】
ここで、Δhは、質量素子8121の振幅であり、A0は、第1の音響キャビティ8131の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積である。
【0108】
さらに、式(10)及び式(13)から分かるように、振動センサ800の感度は、下式のように示すことができる。
【0109】
【0110】
ここで、Δpは、第1の音響キャビティ8131の気圧の変化であり、p0は、第1の音響キャビティ8131の初期気圧であり、V0は、第1の音響キャビティ8131の初期体積である。いくつかの実施例では、音響トランスデューサ820は、少なくとも1つの吸気口821を含んでもよく、第1の音響キャビティ8131の初期体積V0は、少なくとも1つの吸気口821の体積を含む。
【0111】
式(14)から分かるように、振動センサ800の感度は、質量素子8121の振幅Δhと第1の音響キャビティ8131の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積A0との積と、第1の音響キャビティ8131の初期体積V0と、の比に正比例してもよい。いくつかの実施例では、振動センサ800の構造パラメータを設計することにより振動センサ800の感度sを閾値より大きくすることができる。例えば、上記式(9)から分かるように、振動センサ800の構造パラメータを設計することで振動センサ800の共振周波数ω0を設計することができ、それにより質量素子8121の振幅Δhに影響を与え、振動センサ800の感度を需要に合わせる。いくつかの実施例では、第1の音響キャビティ8131の初期体積V0及び/又は第1の音響キャビティ8131の質量素子8121の振動方向に垂直な断面積A0を設定することで振動センサ800の感度sを閾値より大きくすることができる。該閾値は、設計者により実際の需要に応じて調整されてもよい。
【0112】
式(12)及び式(14)から分かるように、第1の音響キャビティ(例えば、第1の音響キャビティ7131、第1の音響キャビティ8131)の初期体積V0、質量素子(例えば、質量素子7121、質量素子8121)の振動方向に垂直な断面積A0及び該質量素子の振幅Δhが一定であるという前提で、該質量素子の振動方向に垂直な断面積A1が第1の音響キャビティの該質量素子の振動方向に垂直な断面積A0より小さい場合、同じ共振周波数で(すなわち、Δhが同じである)、
【0113】
【0114】
であり、すなわち、
図8に示された振動センサ800の感度は、
図7に示された振動センサの感度より大きい。
【0115】
以上より、本明細書では、質量素子(例えば、質量素子8121)の振動方向に垂直な断面積が第1の音響キャビティ(例えば、第1の音響キャビティ8131)の該質量素子の振動方向に垂直な断面積とほぼ同じであるように設定することで、振動センサ(例えば、振動センサ800)の感度を向上させることができる。
【0116】
いくつかの実施例では、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-40dB以上である。好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-38dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-36dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-34dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-32dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-30dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-28dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-27dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-26dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-24dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-22dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-20dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-18dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-16dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-14dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、12dB以上である。より好ましくは、100Hz~1000Hzの周波数範囲内で、振動センサ200の感度は、-10dB以上である。
【0117】
なお、上記
図6~
図8における振動センサ及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサに対して様々な修正及び変更を行うことができる。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0118】
図9は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ900の概略構成図である。
図9に示すように、振動センサ900は、振動レシーバー910及び音響トランスデューサ920を含む。振動レシーバー910は、ハウジング911及び振動ユニット912を含んでもよい。ハウジング911は、音響キャビティ913を形成することができる。振動ユニット912は、該音響キャビティ913内に位置して、音響キャビティ913を第1の音響キャビティ9131と第2の音響キャビティ9132に仕切ることができる。振動ユニット912は、質量素子9121及び弾性素子9122を含んでもよい。弾性素子9122は、質量素子9121の側壁に周着され、かつ音響トランスデューサ920に向かって延在して音響トランスデューサ920に間接的に接続されてもよい。振動センサ900の構造及び部材は、
図2において説明された振動センサ200の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には
図2~
図5における説明を参照してもよく、ここではさらに説明しない。
【0119】
いくつかの実施例では、振動レシーバー910は、基板914をさらに含んでもよい。基板914は、振動センサ900の他の部材を固定及び/又は支持することができる。例えば、ハウジング911は、音響キャビティ913に取り囲むように、基板914に物理的に接続されてもよい。基板914は、音響トランスデューサ920に設置されてもよい。弾性素子9122の音響トランスデューサ920に向かって延在する一端は、基板914に接続されてもよく、それにより基板は、振動ユニット912を固定支持することができる。基板の設置により、振動レシーバー910を独立した部材として加工、製造、販売することができる。基板を有する振動レシーバー910を従来の音響トランスデューサ920に直接物理的に接続(例えば、接着)して振動センサ900を形成することができ、これにより振動センサ900の製造プロセスを簡略化し、振動センサ900の製造プロセスの柔軟性を向上させる。いくつかの実施例では、基板の厚さは、10um~300umであってもよい。好ましくは、基板の厚さは、20um~250umであってもよい。より好ましくは、基板の厚さは、30um~200umであってもよい。より好ましくは、基板の厚さは、40um~150umであってもよい。より好ましくは、基板の厚さは、50um~150umであってもよい。より好ましくは、基板の厚さは、60um~130umであってもよい。より好ましくは、基板の厚さは、70um~110umであってもよい。より好ましくは、基板の厚さは、80um~90umであってもよい。いくつかの実施例では、基板の材料は、金属(例えば、鉄、銅、ステンレス鋼など)、合金、非金属(プラスチック、ゴム、樹脂)など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0120】
いくつかの実施例では、基板914は、排気口9141を含んでもよい。排気口9141と音響トランスデューサ920の吸気口921の、基板914と音響トランスデューサ920との接続面への投影が重なるか又は部分的に重なるため、第1の音響キャビティ9131内の音圧の変化は、排気口9141及び吸気口921により音響トランスデューサ920に作用して電気信号を発生させることができる。
【0121】
いくつかの実施例では、振動センサ900の共振周波数は、2500Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ900の共振周波数は、3000Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ900の共振周波数は、3500Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ900の共振周波数は、4000Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ900の共振周波数は、4500Hz~5000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ900の共振周波数は、2500Hz~4500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ900の共振周波数は、2500Hz~4000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ900の共振周波数は、2500Hz~3500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ900の共振周波数は、2500Hz~3000Hzであってもよい。いくつかの実施例では、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-27dB以上である。好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-26dB以上である。より好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-24dB以上である。より好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-22dB以上である。より好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-20dB以上である。より好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-18dB以上である。より好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-16dB以上である。より好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-14dB以上である。より好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、12dB以上である。より好ましくは、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、-10dB以上である。
【0122】
図10は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ900の周波数応答曲線図である。
図10に示すように、振動センサ900の共振周波数は、約4500Hzであり、1000Hzより小さい周波数範囲内で、振動センサ900の感度は、約-18dBである。
【0123】
なお、上記
図9~
図10における振動センサ900及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ900に対して様々な修正及び変更を行うことができる。例えば、弾性素子9121とハウジング911とは、直接接触してもよく、それらの間に間隔が存在してもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0124】
図11は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ1100の概略構成図である。
図11に示すように、振動センサ1100は、振動レシーバー1110及び音響トランスデューサ1120を含んでもよい。振動レシーバー1110は、ハウジング1111、振動ユニット1112、及び基板1114を含んでもよい。ハウジング1111は、音響キャビティ1113を有するパッケージ構造に取り囲むように、基板1114に接続されてもよい。振動ユニット1112は、音響キャビティ1113内に位置してもよい。振動ユニット1112は、音響キャビティ1113を第1の音響キャビティ11131と第2の音響キャビティ11132に仕切ることができる。振動ユニット1112は、質量素子11121と弾性素子11122を含んでもよい。弾性素子11122は、質量素子11121の側壁に周着され、かつ音響トランスデューサ1120に向かって延在して基板1114に直接接続されてもよい。振動レシーバー1110は、音響トランスデューサ1120に設置されてもよい。振動センサ1100の構造及び部材は、
図2において説明された振動センサ200の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には
図2~
図5における説明を参照してもよく、ここではさらに説明しない。
【0125】
いくつかの実施例では、
図11に示すように、基板1114は、底板11142及び側壁11143を含んでもよい。底板11142は、音響トランスデューサ1120に接続されてもよい。側壁11143の内表面には、弾性素子11122が接続されてもよい。いくつかの実施例では、側壁11143の外表面は、ハウジング1111に緊密に接触して、ハウジング1111とのパッケージを実現してもよい。いくつかの実施例では、側壁11143の外表面は、ハウジング1111に接触しなくてもよく、基板1114の底板11142は、ハウジング1111に向かって延在し、かつハウジング1111に緊密に接触してパッケージを実現してもよい。側壁11143の設置により振動センサ1100の製造中において弾性素子11122の流れを低減して、弾性素子11122の形状及び位置をよりよく制御することができる。いくつかの実施例では、底板11142の厚さは、50~150umである。好ましくは、底板11142の厚さは、60~140umである。より好ましくは、底板11142の厚さは、70~130umである。より好ましくは、底板11142の厚さは、80~120umである。より好ましくは、底板11142の厚さは、90~110umである。より好ましくは、底板11142の厚さは、95~105umである。いくつかの実施例では、側壁11143の底板11142から離れる方向に沿った長さは、20~200umである。好ましくは、側壁11143の底板11142から離れる方向に沿った長さは、30~180umである。より好ましくは、側壁11143の底板11142から離れる方向に沿った長さは、40~160umである。より好ましくは、側壁11143の底板11142から離れる方向に沿った長さは、50~140umである。より好ましくは、側壁11143の底板11142から離れる方向に沿った長さは、60~120umである。より好ましくは、側壁11143の底板11142から離れる方向に沿った長さは、70~110umである。より好ましくは、側壁11143の底板11142から離れる方向に沿った長さは、80~100umである。より好ましくは、側壁11143の底板11142から離れる方向に沿った長さは、85~95umである。
【0126】
なお、上記
図11における振動センサ1100及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ1100に対して様々な修正及び変更を行うことができる。例えば、ハウジング1111と音響トランスデューサ1120とは、接触してもよく(例えば、物理的に接続されてもよく)、それらの間に間隔が存在してもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0127】
図12は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ1200の概略構成図である。
図12に示すように、振動センサ1200は、振動レシーバー1210及び音響トランスデューサ1220を含んでもよい。振動レシーバー1210は、ハウジング1211及び振動ユニット1212を含んでもよい。ハウジング1211は、音響キャビティ1213を有するパッケージ構造に取り囲むように、音響トランスデューサ1220に接続されてもよい。振動ユニット1212は、該パッケージ構造の音響キャビティ1213内に位置してもよい。振動ユニット1212は、音響キャビティ1213を第1の音響キャビティ12131と第2の音響キャビティ12132に仕切ることができる。振動ユニット1212は、質量素子12121及び弾性素子12122を含んでもよい。弾性素子12122は、質量素子12121の側壁に周着され、かつ音響トランスデューサ1220に向かって延在して音響トランスデューサ1220に直接又は間接的に接続されてもよい。振動センサ1200の構造及び部材は、
図2において説明された振動センサ200の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には
図2~
図5における説明を参照してもよく、ここではさらに説明しない。
【0128】
いくつかの実施例では、弾性素子12122は、第1の弾性部122A及び第2の弾性部122Bを含んでもよい。第1の弾性部122Aの両端は、それぞれ質量素子12121の側壁と第2の弾性部122Bに接続される。第2の弾性部122Bは、音響トランスデューサ1220に向かって延在し、かつ音響トランスデューサ1220に直接又は間接的に接続される。例えば、第2の弾性部122Bの音響トランスデューサ1220に向かって延在する一端は、音響トランスデューサ1220に直接物理的に接続(例えば、接着)されてもよい。また例えば、振動レシーバー1210は、基板を含んでもよく、第2の弾性部122Bの音響トランスデューサ1220に向かって延在する一端は、基板により音響トランスデューサ1220に接続されてもよい。該基板は、
図9及び
図10において説明された基板914及び基板1114と同じであるか又は類似し、具体的には
図9及び
図10における説明を参照してもよく、ここではさらに説明しない。本実施例では、第1の弾性部122Aは、音響トランスデューサ1220又は基板に接続/接触せず、これにより、弾性素子12122の剛性を効果的に低下させることができるため、振動ユニット1212の振動中において、質量素子12121の振幅を向上させ、振動センサ1200の共振周波数を低下させ、振動センサ1200の感度を向上させる。いくつかの実施例では、振動センサ1200の共振周波数は、1000Hz~4000Hzであってもよい。好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、1000Hz~3500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、1000Hz~3000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、1000Hz~2500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、1000Hz~2000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、1000Hz~1500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、1500Hz~4000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、2000Hz~4000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、2500Hz~4000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、3000Hz~4000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、3500Hz~4000Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、2000Hz~3500Hzであってもよい。より好ましくは、振動センサ1200の共振周波数は、2500Hz~3000Hzであってもよい。
【0129】
いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、同じ材料で製造されてもよく、異なる材料で製造されてもよい。単なる例示として、第1の弾性部122A及び第2の弾性部122Bの材料は、シリコーンゴム、シリコーンゲル、シリコーンシーラントなど又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.1~100HAであってもよい。好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.2~95HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.3~90HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.4~85HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.5~80HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.6~75HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.7~70HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.8~65HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、0.9~60HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~55HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~50HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~45HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~40HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~35HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~30HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~25HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~20HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~15HAであってもよい。より好ましくは、第1の弾性部122Aと第2の弾性部122Bとは、ショア硬度が、1~10HAであってもよい。
【0130】
いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、10~300umである。好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、20~280umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、30~260umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、40~240umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、50~240umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、50~220umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、50~200umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、60~180umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、70~160umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、80~140umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、90~120umである。より好ましくは、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に沿った厚さは、100~110umである。
【0131】
いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121の振動方向に垂直な方向に沿った長さ(すなわち、質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅)は、10~300umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、20~280umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、30~260umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、40~240umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、50~240umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、50~220umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、50~200umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、60~180umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、70~160umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、80~140umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、90~120umである。いくつかの実施例では、第1の弾性部122Aの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、100~110umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、20~280umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、30~260umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、40~240umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、50~240umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、50~220umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、50~200umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、60~180umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、70~160umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、80~140umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、90~120umである。いくつかの実施例では、第2の弾性部122Bの質量素子12121に近接する側から、質量素子12121から離れる側までの幅は、100~110umである。
【0132】
なお、上記
図11における振動センサ1200及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ1200に対して様々な修正及び変更を行うことができる。例えば、ハウジング1211と音響トランスデューサ1220とは、接触してもよく(例えば、物理的に接続されてもよく)、それらの間に間隔が存在してもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0133】
以上は基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例示として提示されているものに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されるため、本願の例示的な実施例の趣旨及び範囲内にある。
【0134】
また、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」、「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0135】
また、当業者には理解されるように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本願の各態様は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0136】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを搬送するための、ベースバンド上で伝播されるか又は搬送波の一部として伝播される伝播データ信号を含んでもよい。該伝播信号は、電磁気信号、光信号又は適切な組み合わせ形態などの様々な形態を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよく、該媒体は、命令実行システム、装置又は設備に接続されることにより、使用されるプログラムの通信、伝播又は伝送を実現することができる。コンピュータ記憶媒体上のプログラムコードは、無線、ケーブル、光ファイバケーブル、RF若しくは類似の媒体、又は上記媒体の任意の組み合わせを含む任意の適切な媒体を介して伝播することができる。
【0137】
本願の各部分の操作に必要なコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、C言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby及びGroovyなどの動的プログラミング言語、又は他のプログラミング言語などを含む1つ以上のプログラミング言語でコーディングしてもよい。該プログラムコードは、完全にユーザーコンピュータ上で実行されてもよく、独立したソフトウェアパッケージとしてユーザーコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザーコンピュータ上で部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよく、完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意のネットワーク形態でユーザーコンピュータに接続されてもよく、(例えば、インターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよく、クラウドコンピューティング環境にあってもよく、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)などのサービスとして使用されてもよい。
【0138】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に係る処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明のためのものに過ぎず、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイル装置に説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0139】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0140】
いくつかの実施例では、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字が±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例では、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例では、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮するとともに、通常の丸め手法を適用すべきである。本願のいくつかの実施例では、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体的な実施例では、このような数値は、可能な限り正確に設定される。
【0141】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0142】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例示として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0143】
100 振動センサ
110 振動レシーバー
120 音響トランスデューサ
211 ハウジング
212 振動ユニット
213 音響キャビティ
221 吸気口
2121 質量素子
2122 弾性素子