(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】電気エネルギースケジューリング方法、車両コントローラ、電池管理システム、システム、装置及び媒体
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20241119BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20241119BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241119BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20241119BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J7/00 P
H02J3/46
H02J13/00 311R
(21)【出願番号】P 2023533223
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2021121920
(87)【国際公開番号】W WO2023050210
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】林▲龍▼珍
(72)【発明者】
【氏名】王▲シァォ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼▲ユー▼
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-093866(JP,A)
【文献】特開2011-172334(JP,A)
【文献】特開2014-087236(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110696643(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108631344(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109398149(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104158259(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0350764(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/32
H02J 3/38
H02J 7/00
H02J 3/46
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車両コントローラVCUに応用され、
電力網スケジューリングプラットフォームが、充放電装置を介して電力網と前記車両の電池との間で電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、電池管理システムBMSが送信した充放電完了情報を受信し、前記充放電完了情報は前記電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合に前記BMSが送信するものであるステップと、
前記充放電完了情報に基づいて、前記スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定し、前記目標スケジューリングモードは前記電力網と前記電池との間の双方向電気エネルギースケジューリングモードであるステップと、
前記スケジューリングモードが前記目標スケジューリングモードである場合、前記BMSが前記電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するステップと、を含む電気エネルギースケジューリング方法。
【請求項2】
前記充放電完了情報は、スケジューリングモード情報を含み、前記充放電完了情報に基づいて、前記スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定する前記ステップは、前記スケジューリングモード情報が示すスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判断するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充放電完了情報に基づいて、前記スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定する前記ステップは、
前記充放電完了情報に目標識別子が含まれるか否かを判断し、前記目標識別子は、前記BMSにより前記スケジューリングモードが前記目標スケジューリングモード以外の他のスケジューリングモードであると判定された場合に前記充放電完了情報に追加されるものであり、前記目標識別子は満充電識別子又は完全放電識別子であるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スケジューリングモードが前記目標スケジューリングモードである場合、前記BMSが前記電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可する前記ステップは、具体的に、
前記スケジューリングモードが前記目標スケジューリングモードである場合
、充放電終了コマンドは前記BMSに送信されないステップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
電力網スケジューリングプラットフォームが、充放電装置を介して電力網
と車両の電池との間で電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、電池管理システムBMSが送信した充放電完了情報を受信するために用いられ、前記充放電完了情報はスケジューリングモード情報を含み、前記充放電完了情報は前記電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合に前記BMSが送信するものである第1情報受信モジュールと、
前記スケジューリングモード情報に基づいて、前記スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定するために用いられ、前記目標スケジューリングモードは前記電力網と前記電池との間の双方向電気エネルギースケジューリングモードであるモード判定モジュールと、
前記スケジューリングモードが前記目標スケジューリングモードである場合、前記BMSが前記電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するステップに用いられる制御モジュールと、を含む車両コントローラVCU。
【請求項6】
請求項
5に記載の車両コントローラVCUと、
電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両の電池との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、前記電池の第1電気性能パラメータを取得するために用いられるパラメータ取得モジュールと、前記第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、前記車両の車両コントローラVCUに充放電完了情報を送信し、前記VCUは前記充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、前記電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定し、及び前記スケジューリングモードが前記目標スケジューリングモードである場合、前記BMSが前記電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するステップに用いられる情報送信モジュールと、を含む電池管理システムBMSと、を含む電気エネルギースケジューリングシステム。
【請求項7】
プロセッサと、コンピュータプログラムコマンドを記憶するメモリと、を含み、
前記プロセッサは前記コンピュータプログラムコマンドを読み取り且つ実行することにより、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気エネルギースケジューリング方法を実
現する電気エネルギースケジューリング装置。
【請求項8】
コンピュータプログラムコマンドが記憶され、前記コンピュータプログラムコマンドがプロセッサによって実行されると、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気エネルギースケジューリング方法を実
現するコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電力技術分野に関し、特に電気エネルギースケジューリング方法、車両コントローラ、電池管理システム、システム、装置及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー技術の発展に伴い、電池の応用分野はますます広くなっている。例えば、電池は電力消費装置に動力を供給するための動力源として使用され、それによって、再生できない資源の使用を削減することができる。電池の発展に伴い、電池の充電技術も急速に発展している。
【0003】
充電技術の発展に伴い、電力網スケジューリングプラットフォームは、ビークルトゥグリッド(Vehicle-to-grid、V2G)技術をサポートする充放電装置によって、電力網と車両との間の、電気エネルギーの双方向で柔軟なスケジューリングを実現することができる。例えば、電力網スケジューリングプラットフォームは、需要に応じて電力網の電気エネルギーを車両の動力電池にスケジューリングすることができ、又は、需要に応じて車両の動力電池の電気エネルギーを電力網にスケジューリングすることができる。
【0004】
現段階では、電力網と車両との間の、双方向の電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスを合理的に制御することができる手段が不足している。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、電力網と車両との間の、双方向の電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスを合理的に制御することができる、電気エネルギースケジューリング方法、車両コントローラ、電池管理システム、システム、装置及び媒体を提供する。
【0006】
第1態様によれば、本願の実施例は、車両のVCUに応用され、
電力網スケジューリングプラットフォームが、充放電装置を介して電力網と車両の電池との間で電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、電池管理システムBMSが送信した充放電完了情報を受信し、充放電完了情報は電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合にBMSが送信するものであるステップと、
充放電完了情報に基づいて、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定し、目標スケジューリングモードは電力網と電池との間の双方向電気エネルギースケジューリングモードであるステップと、
スケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するステップと、を含む電気エネルギースケジューリング方法を提供する。
【0007】
本願の実施例の電気エネルギースケジューリング方法は、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSは、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両のVCUに充放電完了情報を送信することができ、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが、電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0008】
好ましい実施形態において、充放電完了情報は、スケジューリングモード情報を含み、充放電完了情報に基づいて、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定するステップは、
スケジューリングモード情報が示すスケジューリングモードが、目標スケジューリングモードであるか否かを判断するステップを含む。
【0009】
本実施例によれば、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づいて電気エネルギースケジューリングモードを判定することができ、電気エネルギースケジューリングモードに基づいて、BMSを制御して電気エネルギースケジューリングを終了させるか否かを選択することができ、それにより今回の電気エネルギースケジューリングプロセスが電力網と電池との間の双方向電気エネルギースケジューリングプロセスであるか否かを正確に識別することができ、さらに異なるスケジューリングプロセスに基づいて異なる制御ポリシーを採用しやすい。
【0010】
好ましい実施形態において、充放電完了情報に基づいて、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定するステップは、
充放電完了情報に目標識別子が含まれるか否かを判断し、目標識別子は、BMSによりスケジューリングモードが目標スケジューリングモード以外の他のスケジューリングモードであると判定された場合に充放電完了情報に追加されるものであり、目標識別子は満充電識別子又は完全放電識別子であるステップを含む。
【0011】
本実施例によれば、VCUは充放電完了情報が目標識別子を含むか否かに基づいて電気エネルギースケジューリングモードを判定することができ、電気エネルギースケジューリングモードに基づいて、BMSを制御して電気エネルギースケジューリングを終了させるか否かを選択することができ、それにより今回の電気エネルギースケジューリングプロセスが電力網と電池との間の双方向電気エネルギースケジューリングプロセスであるか否かを正確に識別することができ、さらに異なるスケジューリングプロセスに基づいて異なる制御ポリシーを採用しやすい。
【0012】
好ましい実施形態において、スケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するステップは、具体的には、
スケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、充放電終了コマンドはBMSに送信されないステップを含む。
【0013】
本実施形態によれば、VCUが充放電終了コマンドを送信しない方式により、VCU側の通信ポリシーを変更するだけで電力網と電池との間の双方向の電気エネルギースケジューリングプロセスを合理的に制御することができ、制御の利便性を向上させる。
【0014】
第2態様によれば、本願の実施例は、BMSに応用され、
電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両の電池との間の電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、電池の第1電気性能パラメータを取得するステップと、
第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両の車両コントローラVCUに充放電完了情報を送信し、VCUは充放電完了情報に基づき、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定し、及びスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するステップと、を含む、電気エネルギースケジューリング方法を提供する。
【0015】
本願の実施例の電気エネルギースケジューリング方法は、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSは、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両のVCUに充放電完了情報を送信することができ、VCUは充放電完了情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが、電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0016】
好ましい実施形態において、車両のVCUに充放電完了情報を送信するステップの後、
電力網スケジューリングプラットフォームが送信した充放電終了情報を受信するステップと、
【0017】
VCUが送信した充放電終了情報に応答して、電気エネルギースケジューリングを終了するステップと、をさらに含む。
【0018】
本実施形態により、電力網スケジューリングプラットフォームの制御下で、電力網と電池との間の双方向スケジューリングモードを終了することができ、双方向スケジューリングの合理性を向上させる。
【0019】
好ましい実施形態において、充放電終了情報は、電力網スケジューリングプラットフォームが、リアルタイムで取得された電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たすと判定された場合に、電力網スケジューリングプラットフォームがBMSに送信するものである。
【0020】
電気エネルギースケジューリングパラメータは、スケジューリング時間パラメータ及び/又は電池の第2電気性能パラメータを含み、
電気エネルギースケジューリングパラメータがスケジューリング時間パラメータを含む場合、目標スケジューリング条件は、リアルタイムに取得されたスケジューリング時間パラメータが目標スケジューリング時間パラメータに達していることを含み、
電気エネルギースケジューリングパラメータが第2電気性能パラメータを含む場合、目標スケジューリング条件は、リアルタイムで取得された第2電気性能パラメータが目標電気性能パラメータに達していることを含む。
【0021】
本実施形態において、本実施例により、電力網スケジューリングプラットフォームは電気エネルギースケジューリングパラメータをリアルタイムに取得することができ、及び電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たす場合、VCUに電気エネルギースケジューリングの終了を指示するための充放電終了情報を送信する。電気エネルギースケジューリングパラメータはリアルタイムの電気エネルギースケジューリング状態を示すことができるため、電力網スケジューリングプラットフォームは、電気エネルギースケジューリング状態に基づいて電気エネルギースケジューリングプロセスを正確に制御することができる。
【0022】
好ましい実施形態において、VCUは、スケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、充放電完了情報に応答しない。
【0023】
本実施形態によれば、VCUが充放電終了コマンドを送信しない方式により、VCU側の通信ポリシーを変更するだけで電力網と電池との間の双方向の電気エネルギースケジューリングプロセスを合理的に制御することができ、制御の利便性を向上させる。
【0024】
第3態様において、本願の実施例は、
電力網スケジューリングプラットフォームが、充放電装置を介して電力網と車両の電池との間で電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、電池管理システムBMSが送信した充放電完了情報を受信するために用いられ、充放電完了情報はスケジューリングモード情報を含み、充放電完了情報は電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合にBMSが送信するものである第1情報受信モジュールと、
スケジューリングモード情報に基づいて、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定するために用いられ、目標スケジューリングモードは電力網と電池との間の双方向電気エネルギースケジューリングモードであるモード判定モジュールと、
スケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するステップに用いられる制御モジュールと、を含むVCUを提供する。
【0025】
本願の実施例のVCUは、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSは、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両のVCUに充放電完了情報を送信することができ、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが、電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0026】
第4態様によれば、本願の実施例は、
電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両の電池との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、電池の第1電気性能パラメータを取得するために用いられるパラメータ取得モジュールと、
第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両の車両コントローラVCUに充放電完了情報を送信し、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定し、及びスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するステップに用いられる情報送信モジュールと、を含むBMSを提供する。
【0027】
本願の実施例のBMSは、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSは、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両のVCUに充放電完了情報を送信することができ、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが、電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0028】
第5態様によれば、
第3態様又は第3態様のいずれかの好ましい実施形態によって提供されるVCUと、
第4態様又は第4態様のいずれかの好ましい実施形態によって提供されるBMSと、を含む電気エネルギースケジューリング装置を提供する。
【0029】
本願の実施例の電気エネルギースケジューリングシステムは、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSは、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両のVCUに充放電完了情報を送信することができ、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが、電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0030】
第6態様によれば、
プロセッサと、コンピュータプログラムコマンドを記憶するメモリと、を含み、
プロセッサはコンピュータプログラムコマンドを読み取り且つ実行することにより、第1態様又は第1態様のいずれかの好ましい実施形態によって提供される電気エネルギースケジューリング方法を実現し、又は第2態様又は第2態様のいずれかの好ましい実施形態によって提供される電気エネルギースケジューリング方法を実現する電気エネルギースケジューリング装置を提供する。
【0031】
本願の実施例の電気エネルギースケジューリング装置は、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSは、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両のVCUに充放電完了情報を送信することができ、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが、電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0032】
第7態様によれば、コンピュータプログラムコマンドが記憶され、コンピュータプログラムコマンドがプロセッサによって実行されると、第1態様又は第1態様のいずれかの好ましい実施形態によって提供される電気エネルギースケジューリング方法を実施し、又は、プロセッサによって実行されると、第2態様又は第2態様のいずれかの好ましい実施形態によって提供される電気エネルギースケジューリング方法を実施するコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0033】
本願の実施例のコンピュータ記憶媒体は、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSは、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両のVCUに充放電完了情報を送信することができ、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが、電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するめに、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、理解すべきことは、以下に示された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面をさらに取得することができる。
【0035】
【
図1】本願の実施例に係る例示的な電気エネルギースケジューリングシーンの概略図である。
【
図2】本願の実施例に係る電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。
【
図3】本願の実施例に係る別の電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。
【
図4】本願の実施例に係る別の電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。
【
図5】本願の実施例に係る別の電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。
【
図6】本願の実施例に示されるさらに別の電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。
【
図7】本願の一実施形態に係る例示的な電気エネルギースケジューリング方法の概略フローチャートである。
【
図8】本願の実施例に係るVCUの構造概略図である。
【
図9】本願の実施例に係るBMSの構造概略図である。
【
図10】本願の実施例に係る電力網スケジューリングシステムの構造概略図である。
【
図11】本願の実施例に係る電気エネルギースケジューリング装置のハードウェア構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を限定するものではなく、本願は記載された実施例に限定されない。
【0037】
なお、本明細書において、第1及び第2などの関係用語は、1つの実体又は操作を別の実体又は操作から区別するためにのみ使用され、これらの実体又は操作の間に任意のそのような実際の関係又は順序が存在することを必ずしも要求又は暗示するものではない。且つ、「含む」、「包含する」という用語、又はそれらの類語は排他的ではないものを意図しており、一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置はそれらの要素を含むだけでなく、さらに明確に列挙されていない他の要素を含み、又はさらにその過程、方法、物品又は装置に固有の要素を含む。より多くの制限がない場合、「……を含む」という語句により限定された要素は、要素を含む過程、方法、物品又は装置に他の同一要素が存在することを排除しない。
【0038】
ビークルトゥグリッド(Vehicle-to-grid、V2G)技術は、車両の電池と電力網との間に電気エネルギーを双方向に流すことができる技術である。電力網は、V2G技術をサポートする充放電装置を介して車両の電池に充電することができ、車両は、V2G技術をサポートする充放電装置を介して電池の電気エネルギーを電力網に伝送することができる。ここで、本願の実施例の車両はトラック、自動車、バス等の動力電池を動力源とする車両であってもよい。
【0039】
関連技術の電気エネルギースケジューリングポリシーにおいて、車両の電池管理システム(Battery Management System、BMS)は、車両の電池が満充電又は完全放電であることを判定した後、車両の車両制御ユニット(Vehicle Control Unit、VCU)に充放電完了情報を送信することができる。VCUは充放電完了情報を受信した後、BMSに充放電終了コマンドを送信する。BMSは充放電終了コマンドに応答し、電気エネルギースケジューリングプロセスから退出する。BMSが電気エネルギースケジューリングフローから退出した後、手動介入がなければ、車両の電池は充放電を継続することができず、対応して、電力網スケジューリングプラットフォームは、電力網と車両電池との間で電気エネルギースケジューリングを継続することができない。
【0040】
しかしながら、実際の電気エネルギースケジューリングシーンにおいて、電力網と車両電池との間で柔軟な双方向の電気エネルギースケジューリングを行う必要がある場合、まず車両の電池を満充電してから放電する状況、又は、又はまず車両の電池を完全放電してから再充電する状況が存在する可能性がある。これらの状況では、車両が満充電又は完全放電されると、VCUはBMSを制御してスケジューリングプロセスを終了させることから、後続プロセスにおいて、車両が電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け続けることができなくなる。
【0041】
1つの例示的なシーンにおいて、ある地域で毎日00:00~06:00が電力使用低下時間帯であり、毎日18:00~24:00が電力使用ピーク時間帯である場合、車両の所有者は1日目の14:00に電池の充電状態(State Of Charge、SOC)が40%の車両を充電ステーションに預け、且つ2日目の午前8:00に車両を使用することを選択し、且つ目標SOCを100%に設定し、且つ上記目標スケジューリングモードを選択する。
【0042】
該シーンにおいて、電力網スケジューリングプラットフォームは、1日目の電力使用ピーク時間帯、即ち1日目の18:00~24:00に車両のSOC40%の電池における全ての余剰電気量を電力網に伝送し、電力網に対する周波数変調、ピーク調整を行うことを意図する。次に翌日の電力使用低下時間帯、すなわち翌日の00:00~06:00に電力網を利用して車両の電池を100%まで充電し、車両の所有者の充電ニーズを満たす。
【0043】
しかしながら、上記関連技術を用いると、車両は1日目の18:00~24:00に車両のSOC40%の電池の全ての余剰電気量を電力網に伝送した後、BMSは電池が完全に放電されたと判定し且つVCUに充放電完了情報を送信し、次にVCUはBMSを制御して電気エネルギースケジューリングプロセスから退出するため、車両は電力網スケジューリングプラットフォームのスケジューリングを受け続けることができない。例えば、翌日00:00~06:00に車両の電池をSOC100%まで充電すべきであるが、車両は電気エネルギースケジューリングプロセスから退出しており、電池を充電することができない。車の所有者が設定した翌日の午前8:00に車を使用する時に車両の電池SOCは0%、すなわち車両の電池電気量は空である。従って、該関連技術における電気エネルギースケジューリング方法は、電力網と車両との間の電気エネルギーの双方向スケジューリングプロセスを合理的に制御することができない。
【0044】
このため、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングに適用可能な解決手段が必要である。
【0045】
これに基づき、本願は、充放電装置を利用して電力網と車両との間で電気エネルギースケジューリングを行うシーンに応用することができる、電気エネルギースケジューリング方法、デバイス、システム、装置及び媒体を提供する。具体的には、VCUはBMSの充放電完了情報を受信した後、現在の電気エネルギースケジューリングモードが双方向電気エネルギースケジューリングモードであると判定した場合、BMSが充放電モードから退出するように制御するフローを実行せず、それにより車両の電池は電力網スケジューリングプラットフォームのスケジューリングを受け続けることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0046】
本願の実施例が提供する電気エネルギースケジューリングの手段を説明しやすくするために、本願の実施例の以下の部分は、まず電気エネルギースケジューリングシーンを具体的に説明する。
【0047】
図1は、本願の実施例に係る例示的な電気エネルギースケジューリングシーンの概略図である。
図1に示すように、電気エネルギースケジューリングシーンは充放電装置10、車両20、電力網スケジューリングプラットフォーム30及び電力網40に関する。車両20は、電池P1と、BMS21と、VCU22とを含む。
図1において、白抜き矢印は通信インタラクションを示し、実線矢印はエネルギーインタラクションを示す。
【0048】
具体的には、電力網スケジューリングプラットフォーム30は、充放電装置10を介して電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングプロセスを制御することができる。充放電装置10は電力網スケジューリングプラットフォーム30と通信インタラクションを行うことができる。充放電装置10はBMS21と通信インタラクションを行い、BMS21はVCU22と通信インタラクションを行うことができる。いくつかの実施例において、上記各デバイス間の通信インタラクションはコントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)通信等の方式に基づいて有線通信インタラクションを行うことができ、又はブルートゥース(登録商標)、WiFi等の方式で無線通信インタラクションを行うことができ、ここでは具体的に限定されない。
【0049】
具体的なシーンにおいて、充放電装置10は充電スタンド内に設置される充電スタンドであってもよい。対応して、車両が充電ステーションに到着した後、電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングは、充電ステーション内の充電スタンドを介して行うことができる。充電ステーションは特定の場所又は移動充電車等の、車両に充放電サービスを提供できる場所であってもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0050】
別の具体的なシーンにおいて、充放電装置10は車載充電装置などのポータブル充放電装置であってもよく、対応して、電池P1と電力網40との間の電気エネルギーのスケジューリングは、商用電源などが提供される場所で行うことができる。例えば、電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングは、個人の車庫、駐車場などの充電コンセントが提供される場所で行うことができる。
【0051】
電気エネルギースケジューリングシーンを基本的に理解した後、本願をよりよく理解するために、以下に図面を参照しながら、本願の実施例に係る電気エネルギースケジューリング方法、デバイス、装置及び媒体を詳細に説明するが、なお、これらの実施例は本願の開示の範囲を限定するものではない。
【0052】
本願のいくつかの実施例によれば、
図2は、本願の実施例に係る電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。
図2に示すように、電気エネルギースケジューリング方法200は、ステップS210~S230を含む。電気エネルギースケジューリング方法の各ステップの実行主体はVCU22であってもよい。
【0053】
ステップS210では、電力網スケジューリングプラットフォーム30が、充放電装置10を介して電力網40と電池P1との間で電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、BMS21が送信した充放電完了情報を受信する。
【0054】
ステップS220では、充放電完了情報に基づいて、該スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定する。
【0055】
ステップS230では、該スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMS21が電力網スケジューリングプラットフォーム10の電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可する。
【0056】
電気エネルギースケジューリング方法200の具体的なステップS210~S230を最初に紹介した後、次にステップS210~S230に係る技術用語を具体的に説明する。
【0057】
充放電装置10はV2G機能をサポートする充放電装置10である。いくつかの実施例において、充放電装置は充電スタンド内に、又は例えば駐車場等の電力網に接続可能な状況に設置することができる。いくつかの実施例において、充放電装置10は充電スタンド、AC-AC電圧変換モジュール、AC-DC電圧変換モジュール、車載充電器等の、V2G機能をサポートし且つ電池P1の充電及び放電を行うことができる装置が含まれてもよく、具体的なタイプは限定されない。いくつかの実施例において、充放電装置10の充電コネクタが車両20の充電ソケットに接続される場合、電力網40と車両20の電池P1との間の電気エネルギーインタラクションは、充放電装置10を介して実現される。
【0058】
電池P1は車両20に設けられた電池である。電池P1は充放電装置10を介して電力網40と電気エネルギーインタラクションを行うことができる。本願の実施例における電池P1はリチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池等であってもよく、ここでは限定されない。規模から言えば、本願の実施例における電池P1はセル単体であってもよく、電池モジュール又は電池パックであってもよく、ここでは限定されない。応用シーンから言えば、電池P1は車両20内に応用され、車両20のモータに給電し、車両20の動力源とすることができる。数量について、電池P1の数は1つであってもよく、複数であってもよく、ここでは限定されない。
【0059】
BMS21は電池P1を管理することができる。BMS21は車両20内に設けられる。具体的には、BMS21は、電池P1の充放電プロセスにおいて電池P1の電圧データを監視し、充放電装置10、VCU22とそれぞれ通信するために使用することができる。いくつかの実施例において、BMS21は電池P1の充放電機能も制御することができる。例として、BMS21は、電池P1の電気エネルギー伝送回路上に設けられたリレーを制御することができる。具体的な例において、BMS21は、電気エネルギースケジューリングプロセスに入った後、電池P1の送電回路上のリレーを閉じるように制御し、及びBMS21は、電気エネルギースケジューリングプロセスから退出した後、電池P1の送電回路上のリレーを開くように制御することができる。電池P1の送電回路上のリレーはメイン正極リレー及び/又はメイン負極リレーを含んでもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0060】
VCU22は車両20内に設置され、電気エネルギースケジューリングを終了する必要があると判定した場合、BMS21を制御して充放電プロセスから退出することができる。
【0061】
電力網スケジューリングプラットフォーム30は、電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングプロセスを制御することができる装置又は機能モジュールであってもよい。いくつかの実施例において、電力網スケジューリングプラットフォームは充放電装置10内に統合されてもよく、又は充放電装置10の外部にあるサーバ等の、制御や通信機能を有するデバイス内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、電力網スケジューリングプラットフォーム30は、電気エネルギー伝送プロセスに対して課金してもよい。電力網スケジューリングプラットフォーム30の機能は実際のシーン及び具体的なニーズに応じて設定することができ、ここでは具体的に限定されない。
【0062】
電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングプロセスは、実行可能なスケジューリングモードが、目標スケジューリングモードが含まれていてもよい。目標スケジューリングモードは、充放電装置10を介して電力網40と電池P1との間で双方向の電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングモードである。具体的には、車両20が充放電装置10に電気的に接続された後、電力網スケジューリングプラットフォーム30は電力網負荷及び/又は電池P1の電気量の状況に基づいて、電池P1が電力網40に放電するように柔軟に制御し、又は電力網40が電池P1に充電するように制御することができる。
【0063】
いくつかの実施例において、目標スケジューリングモードは、少なくとも1つの充電段階及び1つの放電段階が含まれてもよい。充電段階は電力網40から電池P1に電気エネルギーを伝送する段階であり、放電段階は電池P1から電力網40に電気エネルギーを伝送する段階である。目標スケジューリングモードにより、電力網40が高負荷状態にある時、例えば電力使用ピーク時間帯にある時、電池P1の電気エネルギーを電力網40に補充することができ、それにより電力網40に対する周波数変調、ピーク調整を行う。また電力網40が低負荷状態にある時、例えば電力使用低下時間帯にある時、電力網40の電気エネルギーを電池P1に補充して、ユーザの電池P1の電気量に対する必要を満たし、それにより電気エネルギーの合理的で、柔軟なスケジューリングを実現する。
【0064】
いくつかの実施例において、実現可能なスケジューリングモードはさらに、第1スケジューリングモード及び/又は第2スケジューリングモードが含まれてもよい。第1スケジューリングモードは、充放電装置10を介して電力網40の電気エネルギーを利用して電池P1に充電する一方向スケジューリングモードである。第2スケジューリングモードは、充放電装置10を介して電池P1の電気エネルギーを電力網40に伝送する一方向スケジューリングモードである。例として、車両20が充電ステーション又は充電エリアに到着すると、充放電装置10を介して電池P1の電気エネルギーの一部又は全部を電力網40に伝送するか、又は充放電装置10を介して電力網40から電気エネルギーを取り出して電池P1に充電することができる。
【0065】
充放電完了情報は、BMS21が電池P1の充電又は放電が完了したと判定したことを示すために用いられる。充放電完了情報は、電池P1の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たすと判定された場合に、BMS21がVCUに送信するものである。
【0066】
電池P1の第1電気性能パラメータは電池電気量を反映するパラメータである。すなわち、第1電気性能パラメータは、電池P1の電気量の変化に応じて変化し得るパラメータである。好ましくは、第1電気性能パラメータは、充電状態(State Of Charge,SOC)、電池電気量、電圧値などであってもよい。
【0067】
予め設定された充放電カットオフ条件は、予め設定された充電カットオフ条件及び/又は予め設定された放電カットオフ条件を含む。いくつかの実施例において、第1電気性能パラメータが第1パラメータ閾値以上であるという条件で、第1電気性能パラメータが予め設定された充電カットオフ条件を満たしていると判定することができる。例として、第1電気性能パラメータが電池P1の電圧値である場合、第1パラメータ閾値は充電カットオフ電圧であってもよい。充電カットオフ電圧は、満充電電圧であってもよいし、第1目標電圧値であってもよい。満充電電圧は、電池P1が満充電された時の電圧値であってもよい。例えば、電池P1がSOC100%の時の電圧値である。第1目標電圧値は、実際のシーン及び特定の必要に従って設定されてもよいが、これに限定されない。別の実施例において、第1電気性能パラメータが第2パラメータ閾値以下である場合、第1電気性能パラメータが予め設定された放電カットオフ条件を満たしていると判定することができる。例として、第1電気性能パラメータが電池P1の電圧値である場合、第2パラメータ閾値は予め設定された放電カットオフ電圧であってもよい。予め設定された充電カットオフ電圧は、予め設定された満充電電圧又は第2目標電圧値であってもよい。完全放電電圧は、電池P1の電気量を完全に放電した時の電圧値であってもよい。例えば電池P1がSOC0%の時の電圧値である。第2目標電圧値は、実際のシーン及び特定の必要に従って設定されてもよいが、これに限定されない。
【0068】
いくつかの実施例において、現在のスケジューリングプロセスが電力網と車両との間の双方向スケジューリングプロセスであるかどうかを判定することができるように、充放電完了情報は、現在のスケジューリングのスケジューリングモードを識別するために使用することができる。例えば、充放電完了情報はスケジューリングモード情報及び/又は目標識別子を含んでもよい。
【0069】
ステップS210に関し、いくつかの実施例において、BMS21は、充放電装置10とのインタラクションにより、現在の電気エネルギースケジューリングプロセスのスケジューリングモードを判定することができる。電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たすと判定されると、現在の電気エネルギースケジューリングプロセスのスケジューリングモード情報を付帯した充放電完了情報がVCU22に送信される。なお、本願の実施例における現在の電気エネルギースケジューリングプロセスとは、電気エネルギースケジューリング方法を実行する際の、電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングモードを指す。
【0070】
S230に関し、説明すべき点として、該充放電完了情報を受信する前に、VCU11はBMS21が電力網スケジューリングプラットフォーム30のスケジューリングを受け入れることを許可し、該充放電完了情報を受信し、且つ充放電完了情報内のスケジューリングモード情報が、現在の電力網スケジューリングモードは目標スケジューリングモードであることを示す場合、VCU22はスケジューリングされたBMS21の状態を変更せず、つまり、VCU22はBMS21が電力網スケジューリングプラットフォーム30のスケジューリングを受け続けることを許可することができる。いくつかの実施例において、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードでない場合、例えば、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが上記第1スケジューリングモード又は第2スケジューリングモードである場合、VCU22はBMS21に充放電終了コマンドを送信して、BMS21が電気エネルギースケジューリングを終了するように制御することができる。好ましくは、充放電終了コマンドは、充電終了コマンド又は放電終了コマンドを含むことができ、スケジューリングモードが上記第1スケジューリングモードである場合、VCU22は、BMS21に充電終了コマンドを送信することができる。スケジューリングモードが上記第2スケジューリングモードである場合、VCU22は、BMS21に放電終了コマンドを送信することができる。
【0071】
上記ステップS210~S230に示される電気エネルギースケジューリング方法200により、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSが、車両の電池がVCUに充放電完了情報を送信したと判定した場合、VCUは充放電完了情報に基づき、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが、充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0072】
また、既存の通信プロトコルにおいて、VCU側の電気エネルギースケジューリングポリシーを変更することにより、ハードウェアを交換することなく上記ステップS210~S230に示された電気エネルギースケジューリング方法200を実現することができ、電力網と車両との間の双方向の電気エネルギースケジューリングプロセスを容易に実現することができる。
【0073】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、ステップS230は具体的に、
スケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、充放電終了コマンドはBMS21に送信されないステップを含む。つまり、充放電完了情報を受信した後、今回の電気エネルギースケジューリングプロセスが電力網40と電池P1との間の双方向電気エネルギースケジューリングであると判定した場合、充放電終了コマンドを送信せず、それによりBMS21は依然として電気エネルギースケジューリングプロセスにある。
【0074】
VCU22が充放電終了コマンドを送信しない方式により、VCU22側の通信ポリシーを変更するだけで電力網40とP1との間の双方向の電気エネルギースケジューリングプロセスを合理的に制御することができ、制御の利便性を向上させる。
【0075】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、
図3は、本願の実施例に係る別の電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。充放電完了情報は、スケジューリングモード情報を含む。
図3に示すように、電気エネルギースケジューリング方法300は、ステップS310~S330を含む。電気エネルギースケジューリング方法の各ステップの実行主体はVCU22であってもよい。
【0076】
ステップS310では、電力網スケジューリングプラットフォーム30が、充放電装置10を介して電力網40と電池P1との間で電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、BMS21が送信した充放電完了情報を受信する。ステップS310はステップS210と類似しており、ステップS310の具体的な実施形態は本願の実施例の上記部分のステップS210に関連する内容を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0077】
ステップS320では、スケジューリングモード情報が示すスケジューリングモードが、目標スケジューリングモードであるか否かを判断する。
【0078】
スケジューリングモード情報は、電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングモードを示す情報である。いくつかの実施例において、スケジューリングモード情報は、上記部分で説明した第1スケジューリングモード、第2スケジューリングモード、又は目標スケジューリングモードのうちの1つを示すことができる。具体的な例において、充放電完了情報内のあるフィールドの内容はスケジューリングモード情報を示すことができる。それに応じて、異なるスケジューリングモードに対応する該フィールドの内容は異なる。例えば、該フィールドの内容が01である場合、目標スケジューリングモードを示し、該フィールドの内容が10である場合、第1スケジューリングモードを示し、該フィールドの内容が11である場合、第2スケジューリングモードを示す。
【0079】
S320では、スケジューリングモード情報が目標スケジューリングモードのスケジューリングモード情報であるか否かを判断する方式により、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。具体的には、充放電完了情報内のスケジューリングモード情報が目標スケジューリングモードのスケジューリングモード情報である場合、進行中の電気エネルギースケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモード、即ち電力網40と電池P1との間の双方向電気エネルギースケジューリングを行うモードであると判定する。
【0080】
ステップS330では、該スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMS21が電力網スケジューリングプラットフォーム10の電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可する。ステップS330はステップS230と類似しており、ステップS330の具体的な実施形態は本願の実施例の上記部分のステップS230に関連する内容を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0081】
上記ステップS310~S330に示される電気エネルギースケジューリング方法300により、VCU22は充放電完了情報内のスケジューリングモード情報により電気エネルギースケジューリングモードを判定することができ、電気エネルギースケジューリングモードに基づいて、BMS21を制御して電気エネルギースケジューリングを終了させるか否かを選択することができ、それにより今回の電気エネルギースケジューリングプロセスが電力網40と電池P1との間の双方向電気エネルギースケジューリングプロセスであるか否かを正確に識別することができ、さらに異なるスケジューリングプロセスに基づいて異なる制御ポリシーを採用しやすい。
【0082】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、
図4は、本願の実施例に係る別の電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。
図4に示すように、電気エネルギースケジューリング方法400は、ステップS410~S430を含む。電気エネルギースケジューリング方法の各ステップの実行主体はVCU22であってもよい。
【0083】
ステップS410では、電力網スケジューリングプラットフォーム30が、充放電装置10を介して電力網40と電池P1との間で電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、BMS21が送信した充放電完了情報を受信する。ステップS410はステップS210と類似しており、ステップS410の具体的な実施形態は本願の実施例の上記部分のステップS210に関連する内容を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0084】
ステップS420では、充放電完了情報内に目標識別子が含まれるか否かを判断する。
【0085】
目標識別子は、BMSによりスケジューリングモードが目標スケジューリングモード以外の他のスケジューリングモードであると判定された場合に充放電完了情報に追加されるものである。いくつかの実施例において、他のスケジューリングモードは、上記の第1スケジューリングモード及び第2スケジューリングモードであってもよい。つまり、BMSが、現在のスケジューリングモードが第1スケジューリングモード又は第2スケジューリングモードであると判定した場合、充放電完了情報に目標識別子が追加され、即ち生成された充放電完了情報に目標識別子が付帯される。BMSが、現在のスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであると判定すると、充放電完了情報に目標識別子を追加せず、即ち生成された充放電完了情報は目標識別子を付帯しない。
【0086】
目標識別子は満充電識別子又は完全放電識別子である。具体的には、電池P1の第1電気性能パラメータが予め設定された充電カットオフ条件を満たす場合、充放電完了情報は満充電識別子を含んでもよい。電池P1の第1電気性能パラメータが予め設定された放電カットオフ条件を満たす場合、充放電完了情報は完全放電識別子を含んでもよい。
【0087】
好ましくは、充放電完了情報内の2つのフィールドをそれぞれ満充電識別子ビット及び完全放電識別子ビットとすることができ、対応して、満充電識別子ビットの割り当て値があるプリセット値C1である場合、満充電識別子ビットのC1はすなわち満充電識別子である。例えば、満充電識別子ビットの割り当て値が1であれば、充放電完了情報は満充電識別子を含み、満充電識別子ビットの割り当て値が0であれば、充放電完了情報は満充電識別子を含まない。同様に、完全放電識別子ビットの割り当て値があるプリセット値C2である場合、完全放電ビットのC2は完全放電識別子である。他の実施例において、充放電完了情報内の1つのフィールドを電池の満充電又は完全放電を示す識別子ビットとすることができ、対応して、該識別子ビットの割り当て値があるプリセット値D1である場合、該識別子ビットのD1はすなわち満充電識別子である。該識別子ビットの割り当て値があるプリセット値D2である場合、該識別子ビット上のD2はすなわち完全放電識別子である。例えば、該識別子ビットの割り当て値が01であれば、充放電完了情報は満充電識別子を含み、該識別子ビットの割り当て値が11であれば、充放電完了情報は満充電識別子を含む。
【0088】
ステップS420では、充放電完了情報が満充電識別子又は完全放電識別子を含む場合、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードではないことを示す。同様に、充放電完了情報が満充電識別子及び完全放電識別子を含まない場合、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであることを示す。
【0089】
ステップS430では、該スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMS21が電力網スケジューリングプラットフォーム10の電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可する。ステップS430はステップS230と類似しており、ステップS430の具体的な実施形態は本願の実施例の上記部分のステップS230に関連する内容を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0090】
上記ステップS410~S430に示される電気エネルギースケジューリング方法400により、VCU22は充放電完了情報が目標識別子を含むか否かによって電気エネルギースケジューリングモードを判定することができ、電気エネルギースケジューリングモードに基づいて、BMS21を制御して電気エネルギースケジューリングを終了させるか否かを選択することができ、それにより今回の電気エネルギースケジューリングプロセスが電力網40と電池P1との間の双方向電気エネルギースケジューリングプロセスであるか否かを正確に識別することができ、さらに異なるスケジューリングプロセスに基づいて異なる制御ポリシーを採用しやすい。
【0091】
本願のいくつかの実施例によれば、同じ出願の趣旨に基づいて、
図5は、本願の実施例に係る別の電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。
図5に示すように、電気エネルギースケジューリング方法500は、ステップS510及びステップS520を含む。電気エネルギースケジューリング方法の各ステップの実行主体は、BMS21であってもよい。
【0092】
ステップS510では、電力網スケジューリングプラットフォーム30が充放電装置10を介して電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、電池P1の第1電気性能パラメータを取得する。
【0093】
ステップS520では、第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両の車両コントローラVCU22に充放電完了情報を送信し、それによりVCUは充放電完了情報に基づき、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定し、及びスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMS21が電力網スケジューリングプラットフォーム30の電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可する。
【0094】
なお、ステップS510及びステップS520に係る技術用語及びステップの具体的な実施形態は、本願の上記部分の電気エネルギースケジューリング方法200~400に関連する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0095】
S540では、いくつかの実施例において、BMS21は、スケジューリングモード情報を付帯する充放電完了情報を生成し、且つ生成された充放電完了情報をVCU22に送信することができる。具体的な実施形態は本願の実施例のステップS221に関連する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0096】
他の実施例において、BMS21は充放電装置10との間のインタラクションメッセージに基づいて、現在のスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができ、及び現在のスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、目標識別子を付帯しない充放電完了情報を生成し、且つ生成された充放電完了情報をVCU22に送信する。具体的な実施形態は本願の実施例のステップS222に関連する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0097】
上記ステップS510及びステップS520に示される電気エネルギースケジューリング方法500により、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSは、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両のVCUに充放電完了情報を送信することができ、VCUは充放電完了情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが、電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0098】
本願の実施例に係る電気エネルギースケジューリング方法500の他の詳細は、上記の
図2~
図4に示す例を参照しながら説明した電気エネルギースケジューリング方法200~400と類似しており、対応する効果を達成することができ、簡潔に説明するために、ここでは説明を省略する。
【0099】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、
図6は、本願の実施例に示されるさらに別の電気エネルギースケジューリング方法のフローチャートである。電気エネルギースケジューリング方法600は、ステップS610~S640をさらに含む。
【0100】
ステップS610では、電力網スケジューリングプラットフォーム30が充放電装置10を介して電力網40と電池P1との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、電池P1の第1電気性能パラメータを取得する。ステップS610はステップS510と類似しており、ステップS610の具体的な実施形態は本願の実施例の上記部分のステップS510に関連する内容を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0101】
ステップS620では、第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両の車両コントローラVCU22に充放電完了情報を送信し、それによりVCUは充放電完了情報に基づき、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定し、及びスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMS21が電力網スケジューリングプラットフォーム30の電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可する。ステップS620はステップS520と類似しており、ステップS620の具体的な実施形態は本願の実施例の上記部分のステップS520に関連する内容を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0102】
ステップS630では、電力網スケジューリングプラットフォーム30が送信した充放電終了情報を受信する。
【0103】
ステップS640では、VCU22が送信した充放電終了情報に応答して、電気エネルギースケジューリングを終了する。
【0104】
充放電終了情報は、BMS21に電気エネルギースケジューリングの終了を指示するために用いられる。具体的には、充放電終了情報は電力網スケジューリングプラットフォーム30が現在のスケジューリングプロセスを終了してもよいと判定した後に送信することができる。具体的には、電力網スケジューリングプラットフォーム30は充放電終了情報を充放電装置10に送信し、充放電装置10は受信した充放電終了情報をBMS21に送信することができる。
【0105】
充放電情報の具体的な伝送経路に関し、いくつかの実施例において、電力網スケジューリングプラットフォーム30は充放電装置10を介して充放電終了情報をBMS21に送信することができる。すなわち、電力網スケジューリングプラットフォーム30は充放電完了情報を充放電装置10に送信し、充放電装置10は充放電完了情報をBMS21に転送する。他の実施例において、電力網スケジューリングプラットフォーム30は充放電終了情報をテレマティクスボックス(Telematics BOX、TBOX)又はRDB(車両のインターネットデバイスの一つ)等の車両のインターネットデバイスに送信することができる。なお、電力網スケジューリングプラットフォーム30はさらに他の方式で充放電終了情報をBMS21に直接又は間接的に送信してもよく、充放電終了情報の具体的な伝送経路は限定されない。
【0106】
S640では、説明すべき点として、BMS21が電気エネルギースケジューリングを終了した後、車両20は電気エネルギースケジューリングフローから退出することができる。
【0107】
ステップS610~S650に示される電気エネルギースケジューリング方法600により、電力網スケジューリングプラットフォーム30の制御下で、電力網40と電池P1との間の双方向スケジューリングモードを終了することができ、双方向スケジューリングの合理性を向上させる。
【0108】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、充放電終了情報は、電力網スケジューリングプラットフォームが、リアルタイムで取得された電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たすと判定した場合にBMSに送信するものである。
【0109】
電気エネルギースケジューリングパラメータは、スケジューリング時間パラメータ及び/又は電池P1の第2電気性能パラメータを含む。具体的には、電気エネルギースケジューリングパラメータがスケジューリング時間パラメータを含む場合、目標スケジューリング条件は、リアルタイムに取得されたスケジューリング時間パラメータが目標スケジューリング時間パラメータに達していることを含む。
【0110】
電気エネルギースケジューリングパラメータが第2電気性能パラメータを含む場合、目標スケジューリング条件は、リアルタイムで取得された第2電気性能パラメータが目標電気性能パラメータに達していることを含む。
【0111】
目標スケジューリング時間パラメータ及び目標電気性能パラメータについて、その取得方式から言えば、いくつかの実施例において、ユーザが充電スタンド、車載端末等の情報入力機能を有するデバイスに入力することができるものである。これに対応して、情報入力機能を有するデバイスは、ユーザが入力した目標スケジューリング時間パラメータ及び/又は目標電気性能パラメータを受信すると、受信した目標スケジューリング時間パラメータ及び/又は目標電気性能パラメータを電力網スケジューリングプラットフォーム30に送信する。又は、ユーザは電力網スケジューリングプラットフォーム30の関連アプリケーション(Application、APP)、関連プログラム、関連操作ウェブページに、目標スケジューリング時間パラメータ及び/又は目標電気性能パラメータを直接入力することができる。関連アプリケーション(Application、APP)、関連プログラムは、携帯電話、タブレットパソコン、コンピュータ、充電スタンド等のデバイス内に設定することができる。好ましくは、ユーザは、情報入力機能を有するデバイスを介して、選択された電気エネルギースケジューリングモードを入力することもできる。例えば、ユーザは、複数の選択可能なスケジューリングモードの中から目標スケジューリングモードを選択することができる。他の実施例において、目標スケジューリング時間パラメータ及び目標電気性能パラメータは、デフォルトで設定されてもよい。例えば、目標電気性能パラメータがSOCである場合、デフォルトで100%に設定することができる。又は、デフォルトで他の数値に設定してもよく、これに限定されない。
【0112】
具体的には、目標スケジューリング時間パラメータは具体的な時刻値であってもよく、又は持続時間であってもよい。一実施例において、目標スケジューリング時間パラメータが時刻値である場合、ユーザが電気エネルギースケジューリングを終了させたい時間値であってもよく、例えば、ユーザは、19:30:30秒に電気エネルギースケジューリングを終了するように設定してもよい。又は、ユーザが電池P1の充放電を終了したい時刻値であってもよい。別の実施例において、目標スケジューリング時間パラメータが持続時間である場合、ユーザが意図するスケジューリング持続時間であってもよい。例えば、4hなどである。
【0113】
目標電気性能パラメータは、目標SOC、目標電圧値、目標電気量などであってもよい。いくつかの実施例において、目標SOCは、電気エネルギースケジューリングの終了時に電池のSOCが到達する必要がある目標値であってもよい。好ましくは、目標SOCはユーザが入力した値であってもよく、又はデフォルト値であってもよく、又は電気エネルギースケジューリングの開始時の電池SOCとユーザが入力した目標SOC変化量との和であってもよい。例えば、電池P1が電気エネルギースケジューリングを開始する前のSOCが20%であり、ユーザがSOC50%まで充電したい場合(すなわち、ユーザが入力した目標SOC変化量が50%である場合)、目標SOCは70%であってもよい。他の例として、電池P1が電気エネルギースケジューリングを開始する前のSOCが100%であり、ユーザがSOC50%まで電気量を販売したい場合(すなわち、ユーザが入力した目標SOC変化量が-50%である)、目標SOCは50%であってもよい。
【0114】
いくつかの実施例において、スケジューリング時間パラメータは、具体的な時刻値又はスケジューリングプロセスの持続時間であってもよい。いくつかの実施例において、電力網スケジューリングプラットフォーム30は予め設定された時間間隔ごとにスケジューリング時間パラメータを取得してもよく、又はスケジューリング時間パラメータを不定期に取得してもよい。
【0115】
電池P1の第2電池性能パラメータは、電池電気量を示すパラメータであってもよい。すなわち、第2電気性能パラメータは、電池P1の電気量に応じて変化し得るパラメータである。好ましくは、第2電気性能パラメータは、SOC、電池電気量、電圧値などであってもよい。なお、第2電気性能パラメータ及び第1電気性能パラメータは、同じパラメータ、例えば両方ともSOCであってもよい。又は、異なる種類のパラメータ、例えば第1電気性能パラメータが電池電圧であり、第2電気性能パラメータがSOCであってもよく、これに限定されない。
【0116】
例として、車両が充電ステーションに到着すると、ユーザは目標時間、及び目標SOCを入力し、目標時刻の前に、電力網スケジューリングプラットフォーム30は電力網の状況、電池電気量等のパラメータに基づいて電力網と車両電池との間で電気エネルギーを柔軟にスケジューリングし、及び目標時刻の前に、車両電池の電気量を目標SOCに達させることができる。例えば、ユーザが目標時間を20:30、及び目標SOCを80%と入力した場合、20:30に近づくと、充電又は放電する方法で、車両電池のSOCを80%に等しくすることができる。
【0117】
本実施例により、電力網スケジューリングプラットフォーム30は電気エネルギースケジューリングパラメータをリアルタイムに取得することができ、及び電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たす場合、VCU22に電気エネルギースケジューリングを終了することを指示するための充放電終了情報を送信する。電気エネルギースケジューリングパラメータはリアルタイムの電気エネルギースケジューリング状態を反映することができるため、電力網スケジューリングプラットフォーム30は、電気エネルギースケジューリング状態に基づいて電気エネルギースケジューリングプロセスを正確に制御することができる。
【0118】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、VCU22はスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、充放電完了情報に応答しない。
【0119】
VCU22が充放電終了コマンドを送信しない方式により、VCU22側の通信ポリシーを変更するだけで電力網40と電池P1との間の双方向の電気エネルギースケジューリングプロセスを合理的に制御することができ、制御の利便性を向上させる。
【0120】
図2~
図6に示す電気エネルギースケジューリング方法200~600を用いて、本願の実施例に係る電気エネルギースケジューリング方式を最初に紹介した後、本願の実施例に係る電気エネルギースケジューリング手段を十分に理解するために、
図7に、本願の実施例に係る例示的な電気エネルギースケジューリング方法の概略フローチャートを示す。
【0121】
図7に示すように、電気エネルギースケジューリング方法700は、充放電装置10、車両20のBMS21、車両20のVCU22、電力網スケジューリングプラットフォーム30に関する。
【0122】
具体的には、電気エネルギースケジューリング手段は、ステップS701~S714を含む。
【0123】
ステップS701では、充放電装置10は、ユーザが入力した目標電気エネルギースケジューリングパラメータを受信する。
【0124】
ステップS702では、充放電装置10は目標電気エネルギースケジューリングパラメータを電力網スケジューリングプラットフォーム30に送信する。
【0125】
ステップS703では、電力網スケジューリングプラットフォーム30は目標電気エネルギースケジューリングパラメータを受信した後、充放電装置10に電力網スケジューリングコマンドを送信する。
【0126】
ステップS704では、充放電装置10は電力網スケジューリングコマンドに応答し、電力網スケジューリングコマンドが指示する現在の充放電段階に入る。
【0127】
ステップS705では、充放電装置10は現在の充放電段階の電気エネルギースケジューリング要求をBMS21に送信する。
【0128】
ステップS706では、BMS21は電気エネルギースケジューリング要求に基づき、電池P1を制御して充放電させる。
【0129】
ステップS707では、電気エネルギースケジューリングプロセスにおいて、BMS21はリアルタイムに取得した第2電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件に達したか否かを判断する。判断結果が、予め設定された充放電カットオフ条件に達していないであれば、第2電気性能パラメータをリアルタイムに取得し続け、且つ予め設定された充放電カットオフ条件に達したか否かを判断する。判断結果が、達しているであれば、続いてステップS708を実行する。
【0130】
ステップS708では、BMS21が、リアルタイムに取得した第2電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件に達したと判定した場合、VCU22に充放電完了情報を送信する。
【0131】
ステップS709では、VCU22は充放電完了情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判断する。判断結果が「No」であれば、続いてステップS710を実行し、判断結果が「Yes」であれば、続いてステップS711を実行する。
【0132】
ステップS710では、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードではない場合、VCU22はBMS21に充放電終了コマンドを送信する。
【0133】
ステップS711では、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、VCU22は、BMS21が電力網スケジューリングプラットフォーム30の電気エネルギースケジューリングを受け入れ続けることを許可する。
【0134】
ステップS712では、電力網スケジューリングプラットフォーム30は、リアルタイムに取得した電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たすか否かを判断する。判断結果が、目標スケジューリング条件を満たしていないであれば、電気エネルギースケジューリングパラメータを取得し続け、及び取得し続ける電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たすか否かを判断する。判断結果が、目標スケジューリング条件を満たしているであれば、続いてステップS713を実行する。
【0135】
ステップS713では、電力網スケジューリングプラットフォーム30は、リアルタイムに取得した電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たすか否かを判断した場合、BMS21に充放電終了情報を送信する。
【0136】
ステップS714では、BMS21は充放電終了情報に応答して、電気エネルギースケジューリングを終了する。
【0137】
電気エネルギースケジューリング方法700の具体的なステップS701~S714を最初に紹介した後、次に、ステップS701~S714に係る技術用語を具体的に説明する。
【0138】
目標電気エネルギースケジューリングパラメータは、ユーザが入力した目標スケジューリングモードが含まれてもよい。いくつかの実施例において、目標電気エネルギースケジューリングパラメータは、ユーザが入力した目標スケジューリング時間パラメータ及び/又は目標電気性能パラメータが含まれてもよい。目標スケジューリングモード、目標スケジューリング時間パラメータ及び目標電気性能パラメータの具体的な内容は、本願の実施例の上記部分の関連説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0139】
電力網スケジューリングコマンドに関し、目標スケジューリングモードは少なくとも1つの充電段階及び少なくとも1つの放電段階を含むことができるため、電力網スケジューリングコマンドは、目標スケジューリングモードに対応するスケジューリングプロセスにおいて、充放電装置10及びBMS21を制御して対応する充放電段階に入ることに用いられる。具体的には、電力網スケジューリングコマンドは、充放電装置10及びBMS21に充電段階に入るように指示するための第1電力網スケジューリングコマンド、及び/又は充放電装置10及びBMS21に放電段階に入るように指示するための第2電力網スケジューリングコマンドを含む。いくつかの実施例において、電力網スケジューリングプラットフォーム30は、電力網負荷及び/又は電池P1の電気量に基づいて、充放電装置10に上記第1電力網スケジューリングコマンド又は第2電力網スケジューリングコマンドを送信することができる。
【0140】
好ましくは、電力網スケジューリングコマンドは、現在の充放電段階の充放電方向、及び現在の充放電段階の電気エネルギーを伝送するための電力の必要を含むことができる。充放電方向はすなわち電気エネルギーの伝送方向であり、計算して得られた充放電方向が、車両の電池から電力網への電気エネルギー伝送方向であり、すなわち車両の電池の放電を行う場合、現在の充放電段階は放電段階である。同様に、充放電方向が電力網から車両の電池への電気エネルギー伝送方向であり、すなわち車両の電池に充電する場合、現在の充放電段階は充電段階である。一実施例において、電力網スケジューリングプラットフォーム30は電力網負荷及び/又は電池電気等に基づいて充放電方向及び電力の必要を計算することができる。
【0141】
好ましくは、電力網スケジューリングコマンドは、現在の充放電段階の充放電深度をさらに含むことができる。充電段階の充電深度は電池の今回の充電段階における充電対象の電気量と電池の定格電気量との比を示す。放電段階の放電深度は電池の今回の放電段階における放電対象の電気量と電池の定格電気量との比を示す。
【0142】
電力網スケジューリング要求は、現在の充放電段階の充放電方向及び現在の充放電段階で伝送される電気エネルギーの電力の必要を含むことができる。好ましくは、電力網スケジューリング要求は、現在の充放電段階の充放電深度など、BMS21が今回の充放電段階における電池の充放電パラメータを判定するためのデータをさらに含むことができる。
【0143】
ステップS701及びステップS702では、別の実施形態において、さらに電力網スケジューリングプラットフォームの関連APP、関連ウェブページに目標電気エネルギースケジューリングパラメータを入力することができる。
【0144】
ステップS703に関し、具体的な例を挙げると、電力網が高負荷状態にあり、電力網スケジューリングプラットフォーム30が電池を制御して電力網に送電する必要があると判定した場合、この時に充放電装置10に対して、放電段階に入ることを指示するための電気エネルギースケジューリングコマンドを送信することができる。一定時間の後、電力網が低負荷状態にある場合、電力網スケジューリングプラットフォーム30は電力網から電池に送電することを判定し、この時に充放電装置10に対して、充電段階に入ることを指示するための電気エネルギースケジューリングコマンドを送信することができる。
【0145】
ステップS706に関し、いくつかの実施例において、BMS21は、電池P1の充電放電プロセス中の電圧を監視することができる。さらに、目標スケジューリングモードの停止条件に達したと判定した後、電気エネルギースケジューリングプロセスから退出する。他の実施例において、BMS21は、電気エネルギースケジューリング要求に基づき充放電モード及び充放電要求パラメータを判定し、充放電モード及び充放電パラメータを充放電装置10に送信することができ、それにより充放電装置10は充放電モード及び充放電パラメータに基づき充放電プロセス中に充放電電圧及び/又は充放電電流を調整して、充放電プロセスの正常な実行を保証する。一実施例において、充放電要求パラメータは、電圧要求値、電流要求値などを含むことができる。充放電モードは、定電流充電モード、定電流放電モード、定電圧充電モード、又は定電圧放電モードを含むことができる。これに対応して、充放電装置10は充放電モードが定電流充電モードである場合、出力電流が電流要求値を超えないように制御する。さらに、充放電モードが定電流放電モードである場合、入力電流が電流要求値を超えないように制御する。また、充放電モードが定電圧充電モードである場合、出力電圧が電圧要求値を超えないように制御する。さらに、充放電モードが定電圧放電モードである場合、入力電圧が電圧要求値を超えないように制御する。
【0146】
一例として、BMS21は、電池充電要求メッセージ(例えばBCLメッセージ)を介して、電圧要求値、電流要求値及び充放電モードを送信することができる。
【0147】
同じ出願の趣旨に基づいて、本願の実施例は、
図2~
図4に示されるいずれかの好ましい実施例を参照して説明される電気エネルギースケジューリング方法200~400に加えて、それに対応するVCUを提供する。
【0148】
以下に図面を参照しながら、本願の実施例に係るVCUを詳細に説明する。
【0149】
図8は本願の実施例に係るVCUの構造概略図である。
図8に示すように、VCU80は、第1情報受信モジュール810と、モード判定モジュール820と、制御モジュール830と、を含む。
【0150】
第1情報受信モジュール810は、電力網スケジューリングプラットフォームが、充放電装置を介して電力網と車両の電池との間で電気エネルギースケジューリングを行うスケジューリングプロセスにおいて、電池管理システムBMSが送信した充放電完了情報を受信するために用いられる。充放電完了情報は、電池の第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合にBMSが送信するものである。
【0151】
モード判定モジュール820は、充放電完了情報に基づき、スケジューリングプロセスのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるかどうかを判定するために用いられる。目標スケジューリングモードは電力網と電池との間の双方向電気エネルギースケジューリングモードである。
【0152】
制御モジュール830は、スケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するために用いられる。
【0153】
図8に示すVCU80を組み合わせることにより、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSが、車両の電池がVCUに充放電完了情報を送信したと判定した場合、VCUは充放電完了情報に基づき、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが、充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0154】
また、既存の通信プロトコルにおいて、VCU側の電気エネルギースケジューリングポリシーを修正することにより、ハードウェアを変更することなく上記VCU80を実現することができ、電力網と車両との間の双方向の電気エネルギースケジューリングプロセスを容易に実現することができる。
【0155】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、モード判定モジュール820は具体的に、第2情報受信モジュールと、コマンド送信モジュールとに用いられる。
【0156】
第2情報受信モジュールは、電力網スケジューリングプラットフォームが送信した充放電終了情報を受信するために用いられる。
【0157】
コマンド送信モジュールは、充放電終了情報に応答し、BMSに対して充放電終了コマンドを送信し、BMSに電気エネルギースケジューリングを終了させる。
【0158】
本実施例に示されるVCU80により、電力網スケジューリングプラットフォームの制御下で、電力網と電池との間の双方向スケジューリングモードを終了することができ、双方向スケジューリングの合理性を向上させる。
【0159】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、充放電終了情報は、電力網スケジューリングプラットフォームが、リアルタイムで取得された電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たすと判定した場合に送信するものである。
【0160】
電気エネルギースケジューリングパラメータは、スケジューリング時間パラメータ及び/又は電池の第2電気性能パラメータを含む。具体的には、電気エネルギースケジューリングパラメータがスケジューリング時間パラメータを含む場合、目標スケジューリング条件は、リアルタイムに取得されたスケジューリング時間パラメータが目標スケジューリング時間パラメータに達していることを含む。
【0161】
電気エネルギースケジューリングパラメータが第2電気性能パラメータを含む場合、目標スケジューリング条件は、リアルタイムで取得された第2電気性能パラメータが目標電気性能パラメータに達していることを含む。
【0162】
本実施例により、電力網スケジューリングプラットフォームは電気エネルギースケジューリングパラメータをリアルタイムに取得することができ、及び電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たす場合、VCU80に電気エネルギースケジューリングを終了することを指示するための充放電終了情報を送信する。電気エネルギースケジューリングパラメータはリアルタイムの電気エネルギースケジューリング状態を示すことができるため、電力網スケジューリングプラットフォームは、電気エネルギースケジューリング状態に基づいて電気エネルギースケジューリングプロセスを正確に制御することができる。
【0163】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、制御モジュール830は、具体的には、
スケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、充放電終了コマンドはBMSに送信されないために用いられる。
【0164】
VCU80が充放電終了コマンドを送信しない方式により、VCU80側の通信ポリシーを変更するだけで電力網と電池との間の双方向の電気エネルギースケジューリングプロセスを合理的に制御することができ、制御の利便性を向上させる。
【0165】
本願の実施例に係るVCU80の他の詳細は、上記の
図2~
図4に示す例を参照しながら説明した電気エネルギースケジューリング方法200と類似しており、対応する効果を達成することができ、簡潔に説明するために、ここでは説明を省略する。
【0166】
同じ出願の趣旨に基づいて、本願の実施例は、
図5及び
図6に示されるいずれかの好ましい実施例を参照して説明される電気エネルギースケジューリング方法500~600に加えて、それに対応するBMSを提供する。
【0167】
以下に図面を参照しながら、本願の実施例に係るBMSを詳細に説明する。
【0168】
図9は、本願の実施例に係るBMSの構造概略図である。
図9に示すように、BMS90は、
電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両の電池との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、電池の第1電気性能パラメータを取得するために用いられるパラメータ取得モジュール910と、
第1電気性能パラメータが予め設定された充放電カットオフ条件を満たす場合、車両の車両コントローラVCUに充放電完了情報を送信し、VCUは充放電完了情報内のスケジューリングモード情報に基づき、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが目標スケジューリングモードであるか否かを判定し、及びスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを受け入れることを許可するために用いられる情報送信モジュール920と、を含む。
【0169】
図9に示すBMS90を組み合わせることにより、電力網スケジューリングプラットフォームが充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギースケジューリングを行うプロセスにおいて、BMSが、車両の電池がVCUに充放電完了情報を送信したと判定した場合、VCUは充放電完了情報に基づき、電気エネルギースケジューリングのスケジューリングモードが、充放電装置を介して電力網と車両との間の電気エネルギーに対して双方向スケジューリングを行う目標スケジューリングモードであるか否かを判定することができる。目標スケジューリングモードにある場合、VCUは、BMSが電力網スケジューリングプラットフォームの電気エネルギースケジューリングを継続して受け入れることを許可し、それにより車両は、電力網スケジューリングプラットフォームの柔軟なスケジューリングを継続して受け入れることができる。充放電完了情報を受信するとBMSを制御して充放電プロセスを終了させる方法に比べて、電力網と車両との間の双方向電気エネルギースケジューリングのスケジューリングプロセスでは、車両の充放電プロセスを合理的に制御することができる。
【0170】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、BMSは、情報受信モジュールと、情報送信モジュールと、、制御モジュールと、をさらに含む。
【0171】
情報受信モジュールは、電力網スケジューリングプラットフォームが送信した充放電終了情報を受信するために用いられる。
【0172】
情報送信モジュールは、充放電終了情報をVCUに送信し、VCUが充放電終了情報に応答してBMS90に充放電終了コマンドを送信するために用いられる。
【0173】
制御モジュールは、VCUが送信した充放電終了コマンドに応答し、電気エネルギースケジューリングを終了するために用いられる。
【0174】
本実施例により、電力網スケジューリングプラットフォームの制御下で、電力網と電池との間の双方向スケジューリングモードを終了することができ、双方向スケジューリングの合理性を向上させる。
【0175】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、充放電終了情報は、電力網スケジューリングプラットフォームが電気エネルギースケジューリングプロセスにおいて、リアルタイムに取得された時間パラメータがスケジューリング時間パラメータに達し及び/又は電池の第2電気性能パラメータが目標電気性能パラメータに達している判定した場合に、BMSを介してVCUに送信されるものである。
【0176】
本実施例により、電力網スケジューリングプラットフォームは電気エネルギースケジューリングパラメータをリアルタイムに取得することができ、及び電気エネルギースケジューリングパラメータが目標スケジューリング条件を満たす場合、VCUに電気エネルギースケジューリングを終了することを指示するための充放電終了情報を送信する。電気エネルギースケジューリングパラメータはリアルタイムの電気エネルギースケジューリング状態を示すことができるため、電力網スケジューリングプラットフォームは、電気エネルギースケジューリング状態に基づいて電気エネルギースケジューリングプロセスを正確に制御することができる。
【0177】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、VCUはスケジューリングモードが目標スケジューリングモードである場合、充放電完了情報に応答しない。
【0178】
VCUが充放電終了コマンドを送信しない方式により、VCU側の通信ポリシーを変更するだけで電力網と電池との間の双方向の電気エネルギースケジューリングプロセスを合理的に制御することができ、制御の利便性を向上させる。
【0179】
本願の実施例に係るBMS90の他の詳細は、
図5及び
図6に示す例を参照しながら説明した電気エネルギースケジューリング方法500~600と類似しており、対応する効果を達成することができ、簡潔に説明するために、ここでは説明を省略する。
【0180】
同じ出願の趣旨に基づいて、本願の実施例はBMS90及びVCU80に加えて、それに対応する電力網スケジューリングシステムを提供する。
【0181】
以下に図面を参照しながら、本願の実施例に係る電力網スケジューリングシステムを詳細に説明する。
【0182】
図10は本願の実施例に係る電力網スケジューリングシステムの構造概略図である。
図10に示すように、電力網スケジューリングシステム100は、BMS120と、VCU110と、を含む。
【0183】
VCU110の具体的な内容は、本願の実施例の上記部分のVCU80に関連する説明を参照することができ、BMS120の具体的な内容は、本願の実施例の上記部分のBMS90に関連する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0184】
好ましくは、電力網スケジューリングシステム100は、充放電装置をさらに含むことができる。
【0185】
好ましくは、電力網スケジューリングシステム100は、電力網スケジューリングプラットフォームをさらに含むことができる。
【0186】
電力網スケジューリングシステム100の各構成モジュール又はデバイスの具体的な内容は、本願の実施例の上記部分の関連内容を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0187】
本願の実施例に係る電力網スケジューリングシステムの他の詳細は、上記
図8及び
図9に示す例を参照しながら説明したBMS90及びVCU80と類似しており、その対応する効果を達成することができ、簡潔に説明するために、ここでは説明を省略する。
【0188】
図11は本願の実施例に係る電気エネルギースケジューリング装置のハードウェア構造概略図を示す。
【0189】
電気エネルギースケジューリング装置は、プロセッサ1101と、コンピュータプログラムコマンドを記憶するメモリ1102と、を含むことができる。
【0190】
具体的には、上記プロセッサ1101は中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、又は特定集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)を含んでもよく、又は本願の実施例を実行するように構成された1つ又は複数の集積回路であってもよい。
【0191】
メモリ1102は、データ又はコマンドのための大容量メモリが含まれてもよい。限定ではなく例として、メモリ1102は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive,HDD)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus,USB)ドライブ、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせが含まれてもよい。いくつかの例において、メモリ1102は、リムーバブル又は非リムーバブル(又は固定)媒体が含まれてもよく、又はメモリ1102は不揮発性ソリッドステートメモリである。いくつかの実施例において、メモリ1102は、電気エネルギースケジューリング装置の内部又は外部にあってもよい。
【0192】
いくつかの例では、メモリ1102は、リードオンリーメモリ(Read Only Memory,ROM)であってもよい。一例では、該ROMは、マスクROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的書き換え可能ROM(EAROM)、又はフラッシュメモリ、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0193】
メモリ1102は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体デバイス、光記憶媒体デバイス、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、又は他の物理的/有形のメモリ記憶デバイスが含まれてもよい。したがって、一般に、メモリは、コンピュータ実行可能コマンドがエンコードされたソフトウェアを含む1つ又は複数の有形(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体(たとえば、メモリデバイス)を含み、且つソフトウェアが(例えば、1つ又は複数のプロセッサによって)実行される時に、本開示の一態様に係る方法を参照して説明された動作を実行するように動作する。
【0194】
プロセッサ1101はメモリ1102に記憶されたコンピュータプログラムコマンドを読み取り且つ実行することにより、
図2~
図4に示された実施例における電気エネルギースケジューリング方法200~400を実現し、且つ
図2~
図4のいずれかの図面に示された例がその方法を実行することにより達成される対応する効果を達成し、又は
図5及び
図6に示された実施例における電気エネルギースケジューリング方法500~600を実現し、且つ
図5及び
図6のいずれかの図面に示された例の方法を実行することにより達成される対応する効果を奏するが、簡潔な説明のために、ここでは説明を省略する。
【0195】
一例では、電気エネルギースケジューリング装置は、通信インタフェース1103とバス1110と、をさらに含むことができる。
図11に示すように、プロセッサ1101、メモリ1102及び通信インタフェース1103は、バス1110を介して接続され、且つ相互の通信を完了する。
【0196】
通信インタフェース1103は、主に本願の実施例における各モジュール、デバイス、ユニット及び/又は装置間の通信を実現することに用いられる。
【0197】
バス1110は、電気エネルギースケジューリング装置の構成要素を互いに結合するハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。限定ではなく例として、バスは、アクセラレーテッドグラフィックスポート(Accelerated Graphics Port、AGP)又は他のグラフィックスバス、Extended Industry Standard Architecture(EISA)バス、フロントサイドバス(Front Side Bus、FSB)、ハイパートランスポート(Hyper Transport、HT)相互接続、Industry Standard Architecture(ISA)バス、InfiniBand相互接続、Low Pin Count(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、Peripheral Component Interconnect(PCI)バス、PCI-Express(PCI-X)バス、Serial Advanced Technology Attachment(SATA)バス、Video Electronics Standards Association Local(VLB)バスもしくは他の適切なバス、又は上記のうちの2つ以上の組み合わせが含まれてもよい。バス1110は、適切な場合、1つ又は複数のバスを含むことができる。本願の実施例は、特定のバスを説明及び図示するが、本願は、任意の好適なバス又は相互接続を意図している。
【0198】
該電気エネルギースケジューリング装置は、本願の実施例における電気エネルギースケジューリング方法を実行することができ、それにより
図2~
図9を参照して説明した電気エネルギースケジューリング方法及び装置を実現する。
【0199】
また、上記実施例における電気エネルギースケジューリング方法を参照し、本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供して実現することができる。該コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラムコマンドが記憶され、該コンピュータプログラムコマンドはプロセッサにより実行される時に、上記実施例におけるいずれかの電気エネルギースケジューリング方法を実現する。
【0200】
なお、本願は、上記で説明され且つ図面に示された特定の構成及び処理に限定されない。明確にするために、既知の方法の詳細な説明は、ここでは省略する。上記の実施例において、いくつかの特定のステップが例として説明及び図示されている。しかし、本願の方法プロセスは説明及び図示された具体的なステップに限定されず、当業者は本願の主旨を理解した後、各種の変更、修正及び追加を行うことができ、又はステップ間の順序を変更することができる。
【0201】
上記のブロック図に示された機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ハードウェアで実現される場合、それは、例えば、電子回路、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、適切なファームウェア、プラグイン、機能カードなどであってもよい。ソフトウェアで実現される場合、本願の要素は、必要なタスクを実行するために使用されるプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、機械可読媒体に記憶させることができ、又はスケジューリング媒体もしくは通信リンクを介して搬送波で搬送されるデータ信号によって送信することができる。「機械可読媒体」は、情報を記憶又はスケジューリングすることが可能な任意の媒体が含まれてもよい。機械可読媒体の例は、電子回路、半導体メモリデバイス、ROM、フラッシュメモリ、消去可能ROM(EROM)、フロッピーディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバ媒体、無線周波数(Radio Frequency,RF)リンクなどを含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネットなどのコンピュータネットワークを介してダウンロードすることができる。
【0202】
なお、本願で言及される例示的な実施例は、一連のステップ又はデバイスに基づいていくつかの方法又はシステムを説明している。しかし、本願は上記ステップの順序に限定されるものではなく、つまり、実施例に言及された順序に従ってステップを実行してもよく、実施例と異なる順序であってもよく、又はいくつかのステップを同時に実行してもよい。
【0203】
前述したように、本開示の各態様は、本開示の実施例に係る方法、デバイス、装置及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明されている。なお、フローチャート及び/又はブロック図における各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラムコマンドによって実現することができる。これらのコンピュータプログラムコマンドは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、それによりマシンが生成され、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行されるコマンドが、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおける指定された機能/動作の実現を可能にする。このようなプロセッサは汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特殊アプリケーションプロセッサ又はフィールドプログラマブル論理回路であってもよいがこれらに限定されない。なお、ブロック図及び/又はフローチャート図における各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせも、指定された機能もしくは動作を実行する専用ハードウェア、又は専用ハードウェアとコンピュータコマンドとの組み合わせによって実現することができる。
【0204】
以上は、本願の具体的な実施形態に過ぎず、当業者であれば、説明を容易かつ簡潔にするために、上記で説明したシステム、モジュール及びユニットの具体的な動作プロセスは、前記方法の実施例における対応するプロセスを参照することができ、ここでは説明を省略することを理解されたい。なお、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者は本願に開示された技術的範囲内で、様々な等価の修正又は置換を容易に想到することができ、それらの修正又は置換はいずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。