(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】射出成形機の制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B29C 45/76 20060101AFI20241119BHJP
B29C 45/78 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/78
(21)【出願番号】P 2023552646
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 JP2021037284
(87)【国際公開番号】W WO2023058213
(87)【国際公開日】2023-04-13
【審査請求日】2024-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】並木 謙佑
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-076328(JP,A)
【文献】特開2001-225372(JP,A)
【文献】特開2012-091424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0295199(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/76
B29C 45/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダとその周辺に配置されるヒータと前記シリンダの内部に配置されるスクリューとを有し、所定時刻における、消費電力に対するエネルギー比を算出する射出成形機の制御装置であって、
前記射出成形機の消費電力を算出する消費電力算出部と、
前記ヒータのヒータ稼働率と前記スクリューの回転数とを含む動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記ヒータの容量と前記スクリューを駆動するモータトルクとを含む特性情報を取得する特性情報取得部と、
前記特性情報及び前記動作情報に基づいて、少なくとも前記ヒータから樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及び前記スクリューによるせん断エネルギー量を算出するエネルギー量算出部と、
前記伝熱エネルギー量、前記せん断エネルギー量、及び前記消費電力に基づいて、前記射出成形機のエネルギー比を算出するエネルギー比算出部と、
を備える射出成形機の制御装置。
【請求項2】
前記ヒータの発熱量と前記ヒータから前記シリンダに伝熱するエネルギー量との比を実績情報として取得する実績情報取得部をさらに備え、
前記エネルギー量算出部は、前記動作情報、前記特性情報、及び前記実績情報に基づいて、少なくとも前記ヒータから前記樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及び前記スクリューによるせん断エネルギー量を算出する請求項1に記載の射出成形機の制御装置。
【請求項3】
前記所定時刻の直前の所定期間における前記ヒータの表面温度を取得する表面温度取得部と、
前記所定時刻における前記ヒータの表面温度を推定する推定部と、
をさらに備え、
前記動作情報取得部は、前記動作情報として、前記所定期間における前記ヒータのヒータ稼働率と前記ヒータの設定温度をさらに取得し、
前記特性情報取得部は、前記特性情報として、前記ヒータの放熱の特性をさらに取得し、
前記実績情報取得部は、前記所定期間における前記ヒータのヒータ稼働率の推移に対する前記ヒータの表面温度と設定温度との比の推移の実績を実績情報として取得し、
前記推定部は、前記動作情報、前記実績情報、及び取得された前記表面温度に基づいて、前記所定時刻における前記ヒータの表面温度を推定し、
前記エネルギー量算出部は、推定された表面温度、前記特性情報、及び前記動作情報に基づいて、前記ヒータの表面から雰囲気への放熱量を算出するとともに、少なくとも前記ヒータから前記樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及び前記スクリューによるせん断エネルギー量を算出する請求項2に記載の射出成形機の制御装置。
【請求項4】
取得された前記動作情報と取得された前記表面温度とに基づいて、前記動作情報に含まれるヒータ稼働率の推移に対する前記表面温度と前記設定温度との比の推移を算出する推移算出部をさらに備え、
前記推定部は、前記実績情報に含まれる実績のうち、前記動作情報及び算出された前記表面温度と前記設定温度との比の推移に類似する又は一致する実績を用いて、前記所定時刻の表面温度を推定する請求項3に記載の射出成形機の制御装置。
【請求項5】
前記表面温度取得部は、前記設定温度に対する比の形式で前記ヒータの表面温度を取得し、
前記推定部は、前記実績情報に含まれる実績のうち、前記動作情報及び取得された比の形式の前記ヒータの表面温度の推移に類似又は一致する実績を用いて、前記所定時刻の表面温度を推定する請求項3に記載の射出成形機の制御装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記ヒータの表面温度の推移に類似又は一致する実績によって示される時刻の表面温度と設定温度との比から前記所定時刻の表面温度を推定する請求項4又は5に記載の射出成形機の制御装置。
【請求項7】
前記エネルギー量算出部は、前記表面温度から算出したパラメータを前記特性情報の一部に用いて前記伝熱エネルギー量及び前記せん断エネルギー量を算出する請求項3から6のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
【請求項8】
前記射出成形機の単位時間当たりに溶融可能な樹脂量を可塑化能力として算出する可塑化能力算出部をさらに備え、
前記動作情報取得部は、前記動作情報として、計量工程中において樹脂圧力と樹脂温度とを取得し、
前記実績情報取得部は、前記実績情報として、計量工程中における樹脂圧力と樹脂温度の実績を実績情報として取得し、
前記可塑化能力算出部は、前記動作情報及び前記実績情報に基づいて樹脂の密度を算出し、算出された前記樹脂の密度を用いて前記射出成形機の単位時間当たりに溶融可能な樹脂量を可塑化能力として算出する
請求項2から7のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
【請求項9】
前記エネルギー比及び前記可塑化能力を表示可能な出力部と、
表示された前記エネルギー比及び前記可塑化能力のうち指定された前記エネルギー比及び前記可塑化能力を取得する入力取得部と、
前記射出成形機の成形条件と前記成形条件を用いて動作した期間とを成形情報として取得する成形条件取得部と、
をさらに備え、
前記出力部は、指定された前記エネルギー比及び前記可塑化能力に対応する前記成形情報を表示する
請求項8に記載の射出成形機の制御装置。
【請求項10】
前記射出成形機に、指定された前記エネルギー比及び前記可塑化能力に対応する前記成形条件を設定する設定部をさらに備える
請求項9に記載の射出成形機の制御装置。
【請求項11】
前記エネルギー比算出部は、前記消費電力を分母とし、前記伝熱エネルギー量と前記せん断エネルギー量との和を分子とした比を算出する
請求項1から10のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
【請求項12】
前記エネルギー量算出部は、前記ヒータから前記樹脂に伝わる伝熱エネルギー量と前記スクリューによるせん断エネルギー量との比を算出する
請求項1から11のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
【請求項13】
前記消費電力算出部は、前記ヒータによる消費電力を算出し、
前記エネルギー比算出部は、前記ヒータによる消費電力と前記伝熱エネルギー量との比を算出する
請求項1から10のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
【請求項14】
シリンダとその周辺に配置されるヒータと前記シリンダの内部に配置されるスクリューとを有し、所定時刻における、消費電力に対するエネルギー比を算出する射出成形機の制御装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記射出成形機の消費電力を算出する消費電力算出部、
前記ヒータのヒータ稼働率と前記スクリューの回転数とを含む動作情報を取得する動作情報取得部、
前記ヒータの容量と前記スクリューを駆動するモータトルクとを含む特性情報を取得する特性情報取得部、
前記特性情報及び前記動作情報に基づいて、少なくとも前記ヒータから
樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及び前記スクリューによるせん断エネルギー量を算出するエネルギー量算出部、
前記伝熱エネルギー量、前記せん断エネルギー量、及び
前記消費電力に基づいて、前記射出成形機のエネルギー比を算出するエネルギー比算出部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、射出成形機の制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホッパに入れられたペレット(樹脂)をシリンダ内で溶融して、金型に注入する射出成形機が知られている。射出成形機のシリンダの外周には、ヒータが配置される。ヒータがシリンダを加熱することにより、ペレットが溶融される。
【0003】
射出成形機は、ヒータからの供給熱とスクリューの回転によって生じる摩擦熱で樹脂を溶融する。省エネルギーの観点から、ヒータやモータの消費電力を把握することが好ましい。このような技術として、ヒータの消費電力を測定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、消費電力が所定値又は最小となるような成形条件を算出する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5882848号公報
【文献】特許第5714838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、射出成形機において、ホッパ口から投入されたペレットは、ヒータからの伝熱とスクリューの回転によるせん断発熱により溶融される。一般的に、「伝熱」は、熱量の供給能力が比較的低いものの、ばらつきが比較的小さいという特徴をもつ。また、「せん断」は、熱量の供給能力が比較的高いものの、ばらつきが比較的大きいという特徴をもつ。「伝熱」と「せん断」との割合は、成形品に対する要求に応じて最適に配分されるのが好ましい。そして、消費電力に対して、射出成形機のエネルギー比まで把握することができれば好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示は、シリンダとその周辺に配置されるヒータと前記シリンダの内部に配置されるスクリューとを有し、所定時刻における、消費電力に対するエネルギー比を算出する射出成形機の制御装置であって、前記射出成形機の消費電力を算出する消費電力算出部と、前記ヒータのヒータ稼働率と前記スクリューの回転数とを含む動作情報を取得する動作情報取得部と、前記ヒータの容量と前記スクリューを駆動するモータトルクとを含む特性情報を取得する特性情報取得部と、前記特性情報及び前記動作情報に基づいて、少なくとも前記ヒータから前記樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及び前記スクリューによるせん断エネルギー量を算出するエネルギー量算出部と、前記伝熱エネルギー量、前記せん断エネルギー量、及び前記消費電力に基づいて、前記射出成形機のエネルギー比を算出するエネルギー比算出部と、を備える射出成形機の制御装置に関する。
【0007】
(2)また、本開示は、シリンダとその周辺に配置されるヒータと前記シリンダの内部に配置されるスクリューとを有し、所定時刻における、消費電力に対するエネルギー比を算出する射出成形機の制御装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記射出成形機の消費電力を算出する消費電力算出部、前記ヒータのヒータ稼働率と前記スクリューの回転数とを含む動作情報を取得する動作情報取得部、前記ヒータの容量と前記スクリューを駆動するモータトルクとを含む特性情報を取得する特性情報取得部、前記特性情報及び前記動作情報に基づいて、少なくとも前記ヒータから前記樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及び前記スクリューによるせん断エネルギー量を算出するエネルギー量算出部、前記伝熱エネルギー量、前記せん断エネルギー量、及び前記消費電力に基づいて、前記射出成形機のエネルギー比を算出するエネルギー比算出部、として機能させるプログラムに関する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、消費電力に対して、射出成形機のエネルギー比まで把握することが可能な射出成形機の制御装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る制御装置を含む射出成形機を示す概略図である。
【
図2】第1実施形態の制御装置を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態の制御装置の表示内容を示す概略図である。
【
図4】第1実施形態の制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】本開示の第2実施形態に係る制御装置を示すブロック図である。
【
図6】第2実施形態の制御装置の推定部の動作の概要を示す概略図である。
【
図7】第2実施形態の制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図8】本開示の第3実施形態に係る制御装置の表示内容を示す概略図である。
【
図9】本開示の第4実施形態に係る制御装置の表示内容を示す概略図である。
【
図10】本開示の第5実施形態に係る制御装置を示すブロック図である。
【
図11】第5実施形態の制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】本開示の第6実施形態に係る制御装置の表示内容を示す概略図である。
【
図13】第6実施形態の制御装置を示すブロック図である。
【
図14】第6実施形態の制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態に係る射出成形機10の制御装置1及びプログラムについて、
図1から
図14を参照して説明する。
まず、本実施形態により制御される射出成形機10について説明する。
射出成形機10は、ペレットを溶融して金型(図示せず)に注入することで成形する装置である。射出成形機10は、例えば、
図1に示すように、シリンダ101と、ヒータ102と、安全カバー103と、を備える。
【0011】
シリンダ101は、例えば、筒状体である。シリンダ101の軸方向一端部は、端部に向けて縮径する。シリンダ101は、軸方向に沿って、内部にスクリュー(図示せず)を有する。スクリューは、溶融したペレットを攪拌しつつシリンダ101の一端側に移動させる。
【0012】
ヒータ102は、シリンダ101の周囲に配置される。ヒータ102は、例えば、シリンダ101の軸方向に沿って、複数配置される。本実施形態において、ヒータ102はシリンダ101の外周を覆うように、軸方向に沿って3つ配置される。ヒータ102は、例えば、シリンダ101を200度以上に加熱する。
【0013】
安全カバー103は、ヒータ102の周囲に配置される凹状体である。安全カバー103は、比較的高温となるヒータ102への接触を回避するために配置される。
【0014】
以上の射出成形機10によれば、ヒータ102によって200度以上に加熱されたシリンダ101の内部において、ペレットが溶融される。スクリューは、溶融したペレットをシリンダ101の一端から金型に注入する。これにより、射出成形機10は、例えば、プラスチック製品を成形する。
【0015】
以下の実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、ヒータ102から樹脂に伝熱される伝熱エネルギー量と、スクリューの回転によるせん断エネルギー量とを算出する。また、以下の実施形態に係る射出成形機10の制御装置は、射出成形機10の消費電力と消費電力に対するエネルギー比(エネルギー効率と言われることもある)とを算出する。これにより、以下の実施形態では、射出成形機10の動作状態の良否を容易に判断可能にすることを図る。なお、以下の実施形態において、「動作中」とは、射出成形機10が現に動作している瞬間をいう。また、以下の実施形態において「所定時刻」とは、ヒータ102の表面温度の推定対象となる時刻をいう。
【0016】
[第1実施形態]
次に、本開示の第1実施形態に係る射出成形機10の制御装置1について、
図1から
図4を参照して説明する。
制御装置1は、射出成形機10を制御する装置である。具体的には、制御装置1は、射出成形機10の成形条件を制御する装置である。制御装置1は、例えば、
図1に示すように、射出成形機10に接続される。制御装置1は、射出成形の速度、圧力、シリンダ101の温度、金型温度、及び溶融されたペレットの射出量等の成形条件を指定して制御する。制御装置1は、
図2に示すように、動作情報格納部11と、動作情報取得部12と、特性情報格納部20と、特性情報取得部21と、実績情報格納部13と、実績情報取得部14と、消費電力算出部15と、エネルギー量算出部22と、エネルギー比算出部16と、出力部18と、出力制御部19と、を備える。
【0017】
動作情報格納部11は、例えば、ハードディスク等の記録媒体である。動作情報格納部11は、射出成形機10の設定値及び計測値を格納する。また、動作情報格納部11は、センサ類からの計測値を格納する。動作情報格納部11は、例えば、単位時間当たりのスクリュー回転率R、成形時の負荷電流率rM、ヒータ102の稼働率ri、流量Q、冷却水出口温度TOUT、及び冷却水入口温度TINを動作情報として格納する。
【0018】
動作情報取得部12は、例えば、CPUが動作することにより実現される。動作情報取得部12は、ヒータ102のヒータ稼働率とスクリューの回転数とを含む動作情報を取得する。本実施形態において、動作情報取得部12は、動作情報格納部11から動作情報を取得する。
【0019】
特性情報格納部20は、例えば、ハードディスク等の記録媒体である。特性情報格納部20は、射出成形機10に関する定数を特性情報として格納する。特性情報格納部20は、例えば、機械効率及び減速比を含むモータトルクT、空転時の負荷電流率rM0、ヒータ102の容量Wi、水の密度ρ、並びに水の比熱CWを特性情報として格納する。
【0020】
特性情報取得部21は、例えば、CPUが動作することにより実現される。特性情報取得部21は、ヒータ102の容量とスクリューを駆動するモータトルクとを含む特性情報を取得する。
【0021】
実績情報格納部13は、例えば、ハードディスク等の記録媒体である。実績情報格納部13は、射出成形機10の動作の実績を実績情報として格納する。実績情報格納部13は、例えば、ヒータ発熱量に対して、ヒータ102からシリンダ101に伝わる伝熱エネルギー量の割合の実績を実績情報として格納する。
【0022】
実績情報取得部14は、例えば、CPUが動作することにより実現される。実績情報取得部14は、実績情報格納部13から実績情報を取得する。本実施形態において、実績情報取得部14は、ヒータ102の発熱量とヒータ102からシリンダ101に伝熱するエネルギー量との割合を実績情報として取得する。実績情報取得部14は、ヒータ102の発熱量をEHi、ヒータ102からシリンダ101に伝わる伝熱エネルギー量をEEiとして、以下の数式1で示す比βの実績を取得する。ここで、i(i=1,2・・・,k)は、自然数であり、k個のヒータ102を識別するための数を表す。
【0023】
【0024】
消費電力算出部15は、例えば、CPUが動作することにより実現される。消費電力算出部15は、少なくとも射出成形機10全体の消費電力を算出する。消費電力算出部15は、例えば、射出成形機10全体の消費電力をサンプリング周期ごとに算出する。消費電力算出部15は、射出成形機10を流れる電力の電圧値及び電流値を測定することにより算出する。消費電力算出部15は、例えば、任意のタイミング(例えば、ショット)ごとに積算した消費電力を算出する。なお算出された消費電力は、任意のタイミング(例えばショット)ごとに出力部18で表示される。
【0025】
エネルギー量算出部22は、例えば、CPUが動作することにより実現される。エネルギー量算出部22は、特性情報及び動作情報に基づいて、少なくともヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及びスクリューによるせん断エネルギー量を算出する。エネルギー量算出部22は、例えば、スクリュー回転によるせん断エネルギー量(J)をES、機械効率及び減速比を含むモータトルク(N・m)をT、単位時間当たりのスクリュー回転量(rad/s)をR、成形時の負荷電流率をrM、空転時の負荷電流率をrM0として、以下の数式2を算出する。これにより、エネルギー量算出部22は、せん断エネルギー量(J)ESとして、スクリューの回転用モータの仕事量を算出する。モータトルクは、定格トルクであってもよく、最大トルクであってもよい。負荷電流率は、スクリューの回転用モータを制御するコントローラからの指令値であって、モータトルクに対する負荷トルクの割合を表している。
【0026】
【0027】
また、エネルギー量算出部22は、伝熱エネルギー量(J)をET、ヒータ102の発熱量(J)をEHi、ヒータ102の発熱量EHiに対する大気中に放熱せずヒータ102からシリンダ101に伝熱するエネルギー量EEiの割合β(0<β≦1)、冷却水に奪われる熱量(J)をEW、機械本体(ホッパ側)への伝熱量(J)をE0、ヒータ102の容量(W)をWi、ヒータ102のヒータ稼働率をri、水の密度(g/cm3)をρ、水の比熱(J/g・K)をCW、水の流量(cm3/s)をQ、冷却水出口温度(K)をTOUT、冷却水入口温度(K)をTINとして、以下の数式3を算出する。これにより、エネルギー量算出部22は、伝熱エネルギー量ETを算出する。ヒータ稼働率は、ヒータ102を制御するコントローラ(図示せず)からのヒータ102の操作量を指示する指令値として説明される。また、コントローラは、一例として、温度制御点における検出値に基づいて指令値を定める。
【0028】
【0029】
エネルギー比算出部16は、例えば、CPUが動作することにより実現される。エネルギー比算出部16は、消費電力を分母とし、伝熱エネルギー量とせん断エネルギー量との和を分子とした比を算出する。エネルギー比算出部16は、伝熱エネルギー量ET、せん断エネルギー量ES、及び消費電力EPに基づいて、射出成形機10のエネルギー比ηEを算出する。エネルギー比算出部16は、例えば、射出成形機10全体の消費電力をEPと、ヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量ETとスクリュー回転によるせん断エネルギー量ESの和である樹脂溶融に使用されたエネルギー量EMとの比であるエネルギー比ηEを以下の数式4を算出することで求める。
【0030】
【0031】
出力部18は、例えば、ディスプレイ等の表示部である。出力部18は、算出された放熱量を外部に出力する。出力部18は、例えば、
図3に示すように、射出成形機10の消費電力E
P、樹脂の溶融エネルギー量E
M、及びエネルギー比η
Eを出力する。
【0032】
出力制御部19は、例えば、CPUが動作することにより実現される。出力制御部19は、算出された射出成形機10の消費電力EP、樹脂の溶融エネルギー量EM、及びエネルギー比ηEηを出力させる。
【0033】
次に、制御装置1による処理の流れについて、
図4を参照して説明する。
まず、特性情報取得部21は、特性情報を取得する(ステップS1)。特性情報取得部21は、例えば、特性情報を特性情報格納部20から取得する。
【0034】
次いで、消費電力算出部15は、消費電力を算出する(ステップS2)。次いで、動作情報取得部12は、動作情報を取得する(ステップS3)。動作情報取得部12は、例えば、予め動作情報格納部11に格納されている動作情報を取得する。
【0035】
次いで、エネルギー量算出部22は、エネルギー量を算出する(ステップS4)。次いで、エネルギー比算出部16は、エネルギー比を算出する(ステップS5)。次いで、出力部18は、消費電力、エネルギー量、及びエネルギー比を出力する(ステップS6)。
【0036】
次いで、エネルギー量及びエネルギー比の算出を繰り返すか否かが判断される(ステップS7)。算出が繰り返される場合(ステップS7:YES)、処理は、ステップS2に戻る。一方、算出が終了される場合(ステップS7:NO)、本フローによる処理は、終了する。
【0037】
次に、本実施形態のプログラムについて説明する。
射出成形機10の制御装置1に含まれる各構成は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせによりそれぞれ実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0038】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、表示プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0039】
以上、第1実施形態に係る射出成形機10の制御装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(1)シリンダ101とその周辺に配置されるヒータ102とシリンダ101の内部に配置されるスクリューとを有し、所定時刻における、消費電力に対するエネルギー比を算出する射出成形機10の制御装置1であって、射出成形機10の消費電力を算出する消費電力算出部15と、ヒータ102のヒータ稼働率とスクリューの回転数とを含む動作情報を取得する動作情報取得部12と、ヒータ102の容量とスクリューを駆動するモータトルクとを含む特性情報を取得する特性情報取得部21と、特性情報及び動作情報に基づいて、少なくともヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及びスクリューによるせん断エネルギー量を算出するエネルギー量算出部22と、伝熱エネルギー量、せん断エネルギー量、及び消費電力に基づいて、射出成形機10のエネルギー比を算出するエネルギー比算出部16と、を備える。これにより、消費電力とともに、エネルギー量及びエネルギー比とを得ることができる。したがって、消費電力に対するエネルギー比の良否を容易に判断することができる。
【0040】
(2)射出成形機10の制御装置1は、ヒータ102の発熱量とヒータ102からシリンダ101に伝熱するエネルギー量との割合を実績情報として取得する実績情報取得部14をさらに備え、エネルギー量算出部22は、動作情報、特性情報、及び実績情報に基づいて、少なくともヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及びスクリューによるせん断エネルギー量を算出する。これにより、ヒータ102の発熱量とシリンダ101に伝熱するエネルギー量とから容易に伝熱エネルギー量及びせん断エネルギー量を算出することができる。
【0041】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態に係る射出成形機10の制御装置1について、
図5から
図8を参照して説明する。第2実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0042】
第2実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、第1実施形態に対して、ヒータ102の表面温度を用いることにより、より精度よく伝熱エネルギー量ETを算出することを目的とする。第2実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、ヒータ102の実際の表面温度と、ヒータ102に設定される設定温度と、ヒータ102のヒータ稼働率との間にある相関を用いて所定時刻の表面温度を推定する。
【0043】
第2実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、動作情報取得部12と、特性情報取得部21と、実績情報取得部14との取得する内容が第1実施形態と異なる。また、第2実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、
図5に示すように、表面温度取得部23と、推定部25と、推移算出部24と、を備える点で第1実施形態と異なる。
【0044】
動作情報取得部12は、動作情報として、所定期間におけるヒータ102のヒータ稼働率とヒータ102の設定温度をさらに取得する。動作情報取得部12は、例えば、ヒータ102の設定温度TSiと、ヒータ102近くの大気温度TRとをさらに取得する。
【0045】
特性情報取得部21は、特性情報として、ヒータ102の放熱の特性をさらに取得する。特性情報取得部21は、例えば、ヒータ表面積Aiと、熱伝達率hと、放射率εと、ステファン-ボルツマン係数σとをさらに取得する。
【0046】
実績情報取得部14は、所定期間におけるヒータ102のヒータ稼働率の推移に対するヒータ102の表面温度と設定温度との比の推移の実績を実績情報として取得する。実績情報取得部14は、例えば、ヒータ102のヒータ稼働率rjkの推移に対するヒータ102の表面温度THjkとヒータ102の設定温度TSjkとの比αjkの推移の実績をさらに取得する。具体的には、実績情報取得部14は、過去のヒータ102のヒータ稼働率rjkごとに、過去のヒータ102の設定温度と過去のヒータ102の表面温度との比αjk(表面温度/設定温度)を取得する。ここで、j(j=1,2・・・,m)は、自然数であり、m回分の測定実績を識別するための数を表す。ここで、k(k=0,1・・・,n)は、整数であり、nまでの各時刻を識別するための数を表す。
【0047】
表面温度取得部23は、例えば、CPUが動作することにより実現される。表面温度取得部23は、所定時刻の直前の所定期間におけるヒータ102の表面温度を取得する。表面温度取得部23は、例えば、取得された動作情報に含まれる期間におけるヒータ102の表面温度THをサンプリング周期ごとに取得する。
【0048】
推定部25は、例えば、CPUが動作することにより実現される。推定部25は、所定時刻におけるヒータ102の表面温度を推定する。推定部25は、実績情報に含まれる実績のうち、動作情報及び算出された表面温度と設定温度との比の推移に類似する又は一致する実績を用いて、所定時刻の表面温度を推定する。推定部25は、例えば、動作情報、実績情報、及び取得された表面温度に基づいて、所定時刻におけるヒータ102の表面温度T
HCを推定する。推定部25は、例えば、
図6に示すように、所定時刻の直前の所定期間の動作情報に含まれるヒータ102のヒータ稼働率r
kの推移と、ヒータ102の設定温度T
Sk及びヒータ102の表面温度T
Hkの比α
kの推移と類似又は一致する期間となる実績を実績情報から特定する。推定部25は、所定時刻のヒータ102のヒータ稼働率r
Cに対応する、所定時刻におけるヒータ102の設定温度T
SCとヒータ102の表面温度T
HCとの比α
Cを取得する。推定部25は、取得した比α
Cと動作情報に含まれるヒータ102の設定温度T
SCとを乗算することで、所定時刻におけるヒータ102の表面温度T
HCを推定する。推定部25は、例えば、推移に類似する実績として、推移との一致率(カッパ係数等)が最も高い実績を用いる。推定部25は、実績情報に含まれる実績のうち、動作情報及び取得されたヒータ102の表面温度の比の推移に類似又は一致する実績を用いて、所定時刻の表面温度を推定する。
【0049】
推移算出部24は、例えば、CPUが動作することにより実現される。推移算出部24は、取得された動作情報と取得された表面温度とに基づいて、動作情報に含まれるヒータ稼働率の推移に対する表面温度と設定温度との比の推移を算出する。推移算出部24は、例えば、動作情報に含まれるヒータ102のヒータ稼働率rkの推移に対するヒータ102の表面温度とヒータ102の設定温度との比αkの推移を算出する。推移算出部24は、例えば、ヒータ102のヒータ稼働率rkごとに、ヒータ102の表面温度THk/ヒータ102の設定温度TSkの値を算出する。
【0050】
エネルギー量算出部22は、推定された表面温度、特性情報、及び動作情報に基づいて、ヒータ102の表面から雰囲気への放熱量を算出する。また、エネルギー量算出部22は、少なくともヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及びスクリューによるせん断エネルギー量を算出する。エネルギー量算出部22は、例えば、ヒータ102から雰囲気への放熱量(J)をEAi、対流放熱量(J)をECi、放射放熱量(J)をERi、ヒータ102の表面温度(K)をTH、ヒータ102近くの大気温度(K)をTR、ヒータ102の表面積(m2)をAi、熱伝達率(W/m2K)をh、放射率をε、ステファン-ボルツマン係数(W/m2K4)をσ、k個のヒータ102を識別する数をi=1、2...kとして、以下の数式5を用いて放熱量EAiを算出する。
【0051】
【0052】
また、エネルギー量算出部22は、熱伝達率hとして、ヒータ102の表面温度と雰囲気温度との温度差の関数を用いて対流放熱量ECiを算出してもよい。このように、エネルギー量算出部22は、表面温度から算出したパラメータを特性情報の一部に用いて伝熱エネルギー量及びせん断エネルギー量を算出する。
【0053】
また、エネルギー量算出部22は、伝熱エネルギー量(J)をET、ヒータ102の発熱量(J)をEHi、ヒータ102及びシリンダ101の一部からの対流放熱量(J)をECi’、ヒータ102及びシリンダ101の一部からの放射放熱量(J)をERi’、冷却水に奪われる熱量(J)をEW、ホッパ側への伝熱量(J)をE0、ヒータ102の容量(W)をWi、ヒータ102のヒータ稼働率をri、ヒータ102が巻かれていない領域からの対流放熱量(J)をECNi、ヒータ102が巻かれていない領域からの放射放熱量(J)をERNi、水の密度(g/cm3)をρ、水の比熱(J/g・K)をCW、水の流量(cm3/s)をQ、冷却水出口温度(K)をTOUT、冷却水入口温度(K)をTINとして、以下の数式6を用いて伝熱エネルギー量ETを算出する。
【0054】
【0055】
次に、制御装置1による処理の流れについて、
図7を参照して説明する。
まず、特性情報取得部21は、特性情報を取得する(ステップS11)。特性情報取得部21は、例えば、特性情報を特性情報格納部20から取得する。
【0056】
次いで、消費電力算出部15は、消費電力を算出する(ステップS12)。次いで、動作情報取得部12は、動作情報を取得する(ステップS13)。動作情報取得部12は、例えば、予め動作情報格納部11に格納されている動作情報を取得する。
【0057】
次いで、表面温度取得部23は、射出成形機10の動作中の表面温度を取得する(ステップS14)。次いで、実績情報取得部14は、実績情報を取得する(ステップS15)。次いで、推移算出部24は、表面温度と設定温度との比の推移を算出する(ステップS16)。次いで、推定部25は、所定時刻における射出成形機10の表面温度を推定する(ステップS17)。
【0058】
次いで、エネルギー量算出部22は、エネルギー量を算出する(ステップS18)。また、エネルギー比算出部16は、エネルギー比を算出する。(ステップS19)次いで、出力部18は、消費電力、エネルギー量、及びエネルギー比を出力する(ステップS20)。
【0059】
次いで、エネルギー量及びエネルギー比の算出を繰り返すか否かが判断される(ステップS21)。算出が繰り返される場合(ステップS21:YES)、処理は、ステップS12に戻る。一方、算出が終了される場合(ステップS21:NO)、本フローによる処理は、終了する。
【0060】
以上、第2実施形態に係る射出成形機10の制御装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(3)射出成形機10の制御装置1は、所定時刻の直前の所定期間におけるヒータ102の表面温度を取得する表面温度取得部23と、所定時刻におけるヒータ102の表面温度を推定する推定部25と、をさらに備え、動作情報取得部12は、動作情報として、所定期間におけるヒータ102のヒータ稼働率とヒータ102の設定温度をさらに取得し、特性情報取得部21は、特性情報として、ヒータ102の放熱の特性をさらに取得し、実績情報取得部14は、所定期間におけるヒータ102のヒータ稼働率の推移に対するヒータ102の表面温度と設定温度との比の推移の実績を実績情報として取得し、推定部25は、動作情報、実績情報、及び取得された表面温度に基づいて、所定時刻におけるヒータ102の表面温度を推定し、エネルギー量算出部22は、推定された表面温度、特性情報、及び動作情報に基づいて、ヒータ102の表面から雰囲気への放熱量を算出するとともに、少なくともヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量及びスクリューによるせん断エネルギー量を算出する。推定したヒータ102の表面温度から放熱量を算出することにより、ヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量を精度良く算出することができる。また、エネルギー比についても精度良く算出することができる。
【0061】
(4)射出成形機10の制御装置1は、取得された動作情報と取得された表面温度とに基づいて、動作情報に含まれるヒータ稼働率の推移に対する表面温度と設定温度との比の推移を算出する推移算出部24をさらに備え、推定部25は、実績情報に含まれる実績のうち、動作情報及び算出された表面温度と設定温度との比の推移に類似する又は一致する実績を用いて、所定時刻の表面温度を推定する。これにより、伝熱エネルギー量及びエネルギー比をより精度良く算出することができる。
【0062】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態に係る射出成形機10の制御装置1について、
図8を参照して説明する。第3実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0063】
第3実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、
図8に示すように、エネルギー量算出部22が、伝熱エネルギー量とせん断エネルギー量との比を算出する点で、第1及び第2実施形態と異なる。また、出力部18は、
図8に示すように、エネルギー比を出力する。
【0064】
以上、第3実施形態に係る射出成形機10の制御装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(5)エネルギー量算出部22は、ヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量とスクリューによるせん断エネルギー量との比を算出する。これにより、伝熱エネルギー量及びせん断エネルギー量の比を容易に確認することができる。
【0065】
[第4実施形態]
次に、本開示の第4実施形態に係る射出成形機10の制御装置1について、
図9を参照して説明する。第4実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0066】
第4実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、消費電力算出部15が、ヒータ102による消費電力を算出する点で第1から第3実施形態と異なる。また、第4実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、エネルギー比算出部16が、ヒータ102による発熱量E
Hiとヒータ102から樹脂に伝わる伝熱エネルギー量E
Tとの比であるヒータ効率η
Hを以下の数式7で算出する点で、第1から第3実施形態と異なる。また、出力部18は、
図9に示すように、ヒータ効率を出力する。
【0067】
【0068】
以上、第4実施形態に係る射出成形機10の制御装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(6)消費電力算出部15は、ヒータ102による消費電力を算出し、エネルギー量算出部22は、ヒータ102による消費電力と伝熱エネルギー量との比を算出する。これにより、ヒータ102の効率を容易に把握することができる。したがって、ヒータ102から大気中、冷却水、及び機械本体への放熱がどの程度抑制できているかを容易に確認することができる。
【0069】
[第5実施形態]
次に、本開示の第5実施形態に係る射出成形機10の制御装置1について、
図10から
図11を参照して説明する。第5実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0070】
第5実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、さらに可塑化能力を算出するものである。第5実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、動作情報取得部12と、特性情報取得部21と、実績情報取得部14との取得する内容が第1から第4実施形態と異なる。また、第5実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、
図10に示すように、可塑化能力算出部26をさらに備える点で、第1から第4実施形態と異なる。
【0071】
動作情報取得部12は、動作情報として、計量工程中において樹脂圧力と樹脂温度とを取得する。また、動作情報取得部12は、計量ストロークSおよび計量時間TMをさらに取得する。
特性情報取得部21は、特性情報として、スクリュー直径をさらに取得する。
【0072】
実績情報取得部14は、実績情報として、計量工程中における樹脂圧力と樹脂温度の実績を実績情報としてさらに取得する。
【0073】
可塑化能力算出部26は、例えば、CPUが動作することにより実現される。可塑化能力算出部26は、動作情報及び実績情報に基づいて樹脂の密度を算出し、算出された樹脂の密度を用いて射出成形機10の単位時間当たりに溶融可能な樹脂量を可塑化能力として算出する。可塑化能力算出部26は、ショット数ごとに可塑化能力Pを算出する。すなわち、可塑化能力算出部26は、ショット数ごとに単位時間内に射出成形機10が溶融可能なプラスチック材料の重量を算出する。可塑化能力算出部26は、計量工程中においてシリンダ101前方部に計量されて溜まる樹脂の質量流量を算出する。すなわち可塑化能力(g/s)をP、スクリュー直径(mm)をD、樹脂の密度(g/mm3)をρR、計量ストローク(mm)をS、計量時間(s)をTMとして、以下の数式8を用いて可塑化能力を算出する。
【0074】
【0075】
次に、制御装置1による処理の流れについて、
図11を参照して説明する。
まず、特性情報取得部21は、特性情報を取得する(ステップS101)。特性情報取得部21は、例えば、特性情報を特性情報格納部20から取得する。
【0076】
次いで、消費電力算出部15は、消費電力を算出する(ステップS102)。次いで、動作情報取得部12は、動作情報を取得する(ステップS103)。動作情報取得部12は、例えば、予め動作情報格納部11に格納されている動作情報を取得する。
【0077】
次いで、表面温度取得部23は、射出成形機10の動作中の表面温度を取得する(ステップS104)。次いで、実績情報取得部14は、実績情報を取得する(ステップS105)。
【0078】
次いで、エネルギー量算出部22は、エネルギー量を算出する(ステップS106)。また、エネルギー比算出部16は、エネルギー比を算出する。(ステップS107)次いで、可塑化能力算出部26は、可塑化能力を算出する(ステップS108)。次いで、出力部18は、消費電力、エネルギー量、エネルギー比、及び可塑化能力を出力する(ステップS109)。
【0079】
次いで、エネルギー量、エネルギー比、及び可塑化能力の算出を繰り返すか否かが判断される(ステップS110)。算出が繰り返される場合(ステップS110:YES)、処理は、ステップS102に戻る。一方、算出が終了される場合(ステップS110:NO)、本フローによる処理は、終了する。
【0080】
以上、第5実施形態に係る射出成形機10の制御装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(7)動作情報取得部12は、動作情報として、計量工程中において樹脂圧力と樹脂温度とを取得し、実績情報取得部14は、実績情報として、計量工程中における樹脂圧力と樹脂温度の実績を実績情報として取得し、可塑化能力算出部26は、動作情報及び実績情報に基づいて樹脂の密度を算出し、算出された樹脂の密度を用いて射出成形機10の単位時間当たりに溶融可能な樹脂量を可塑化能力として算出する。これにより、エネルギー比に対して可塑化能力の状況についても確認することができる。したがって、エネルギー比と可塑化能力とのバランスを図った成形を実施することができる。
【0081】
[第6実施形態]
次に、本開示の第6実施形態に係る射出成形機10の制御装置1について、
図12から
図14を参照して説明する。第6実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0082】
第6実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、
図12に示すように、エネルギー比及び可塑化能力の変化について図表を用いて表示可能にするものである。また、第6実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、表示されたエネルギー比及び可塑化能力の選択を受け付けて、選択されたエネルギー比及び可塑化能力を成形条件として射出成形機10に設定可能にするものである。
【0083】
第6実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、出力部18がエネルギー比及び可塑化能力を表示可能な点で、第1から第4実施形態と異なる。また、第6実施形態に係る射出成形機10の制御装置1は、
図13に示すように、成形条件格納部27と、入力取得部28と、成形条件取得部29と、設定部30とをさらに備える点で、第1から第5実施形態と異なる。
【0084】
出力部18は、指定されたエネルギー比及び可塑化能力に対応する成形情報を表示する。出力部18は、例えば、
図12に示すように、エネルギー比及び可塑化能力を示す表を表示する。出力部18は、例えば、ショット数ごとにエネルギー比と可塑化能力とを表示する。また、出力部18は、エネルギー比と可塑化能力とを選択するためのカーソルを表示可能に構成される。出力部18は、表示されたカーソルに重なるエネルギー比と可塑化能力とに関する成形条件の詳細を表示可能に構成される。
【0085】
成形条件格納部27は、例えば、ハードディスク等の記録媒体である。成形条件格納部27は、射出成形機10に設定された成形条件を格納する。成形条件格納部27は、例えば、異なる成形条件ごとに、条件の開始ショット、条件の終了ショット、計量位置、及び射出速度を格納する。成形条件格納部27は、例えば、サイクル開始後のサイクル中に成形条件を記憶する。
【0086】
入力取得部28は、例えば、CPUが動作することにより実現される。入力取得部28は、表示されたエネルギー比及び可塑化能力のうち指定されたエネルギー比及び可塑化能力を取得する。入力取得部28は、例えば、カーソルの位置に重なる成形条件について、選択されたことを示す入力を取得する。
【0087】
成形条件取得部29は、例えば、CPUが動作することにより実現される。成形条件取得部29は、射出成形機10の成形条件と成形条件を用いて動作した期間とを成形情報として取得する。成形条件取得部29は、例えば、動作した期間をショット数として取得する。
【0088】
設定部30は、例えば、CPUが動作することにより実現される。設定部30は、射出成形機10に、指定されたエネルギー比及び可塑化能力に対応する成形条件を設定する。設定部30は、例えば、入力取得部28において射出成形機10に設定する指示を取得することにより、カーソルに重なる位置の成形条件を射出成形機10に設定する。
【0089】
次に、制御装置1による処理の流れについて、
図14を参照して説明する。
まず、特性情報取得部21は、特性情報を取得する(ステップS201)。特性情報取得部21は、例えば、特性情報を特性情報格納部20から取得する。
【0090】
次いで、消費電力算出部15は、消費電力を算出する(ステップS202)。次いで、動作情報取得部12は、動作情報を取得する(ステップS203)。動作情報取得部12は、例えば、予め動作情報格納部11に格納されている動作情報を取得する。
【0091】
次いで、表面温度取得部23は、射出成形機10の動作中の表面温度を取得する(ステップS204)。次いで、実績情報取得部14は、実績情報を取得する(ステップS205)。
【0092】
次いで、エネルギー量算出部22は、エネルギー量を算出する(ステップS206)。また、エネルギー比算出部16は、エネルギー比を算出する(ステップS207)。次いで、可塑化能力算出部26は、可塑化能力を算出する(ステップS208)。次いで、出力部18は、消費電力、エネルギー量、エネルギー比、及び可塑化能力を出力する(ステップS209)。
【0093】
次いで、成形条件の変更の有無が判断される(ステップS210)。変更されない場合(ステップS210:YES)、処理は、ステップS211に進む。一方、変更される場合(ステップS210:NO)、処理は、ステップS212へ進む。
【0094】
ステップS211において、エネルギー量、エネルギー比、及び可塑化能力の算出を繰り返すか否かが判断される。算出が繰り返される場合(ステップS211:YES)、処理は、ステップS202に戻る。一方、算出が終了される場合(ステップS211:NO)、本フローによる処理は、終了する。
【0095】
ステップS212において、成形条件格納部27は、変更された成形条件を記憶する。次いで、処理は、ステップS211に進む。
【0096】
以上、第6実施形態に係る射出成形機10の制御装置1及びプログラムによれば、以下の効果を奏する。
(8)射出成形機10の制御装置1は、エネルギー比及び可塑化能力を表示可能な出力部18と、表示されたエネルギー比及び可塑化能力のうち指定されたエネルギー比及び可塑化能力を取得する入力取得部28と、射出成形機10の成形条件と成形条件を用いて動作した期間とを成形情報として取得する成形条件取得部29と、をさらに備え、出力部18は、指定されたエネルギー比及び可塑化能力に対応する成形情報を表示する。これにより、動作中の射出成形機10に関して、エネルギー比及び可塑化能力の推移を容易に確認することができる。また、指定されたエネルギー比及び可塑化能力について、成形条件を容易に確認することができる。
【0097】
(9)成形条件格納部27は、成形条件が変更された場合、例えば、サイクル開始後のサイクル中に成形条件を格納する。これにより、成形に係る全ての成形条件を格納する場合に比べ、必要最小限の記憶領域を用いて成形条件を記憶することが可能である。
【0098】
(10)射出成形機10の制御装置1は、射出成形機10に、指定されたエネルギー比及び可塑化能力に対応する成形条件を設定する設定部30をさらに備える。これにより、過去のエネルギー比及び可塑化能力を発揮した成形条件を射出成形機10に再度容易に設定することができる。
【0099】
以上、本開示の射出成形機の制御装置及びプログラムの好ましい各実施形態につき説明したが、本開示は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、射出成形機10は、インラインスクリュ式・プランジャ式のいずれであってもよい。
【0100】
また、上記実施形態において、実績情報に含まれる表面温度に関する測定データは、直接的な方法である温度センサで測定してもよく、間接的な方法であるサーモグラフィ(放射温度計)で測定されてもよい。
【0101】
また、上記実施形態において、実績情報に含まれる表面温度に関する測定データは、各ヒータ102で少なくとも1点あればよく、測定点が多いほどエネルギー量計算時の精度を高めることができる。
【0102】
また、上記実施形態において、動作情報取得部12は、スクリュー回転量Rについて、射出成形機10上での設定値を取得してもよい。また、動作情報取得部12は、スクリュー回転用モータに備わっているエンコーダといった検出器からの値を取得してもよい。
【0103】
また、上記実施形態において、エネルギー量算出部22および消費電力算出部15は、単位時間当たり、サイクルタイム毎、等任意の区間で算出してよい。
【0104】
また、上記実施形態において、エネルギー量算出部22及び消費電力算出部15は、総エネルギー量および総消費電力を算出してもよい。また、エネルギー量算出部22及び消費電力算出部15は、任意の計算区間における単位時間当たりエネルギー量および消費電力を算出してもよい。
【0105】
また、上記実施形態において、エネルギー量算出部22は、せん断エネルギー量としてモータの仕事量を、スクリュー回転用モータに取り付けられた電力計に表示される値を用いてもよい。
【0106】
また、上記実施形態において、エネルギー量算出部22は、せん断エネルギー量をモータの仕事量を算出する以外の方法で算出してもよい。エネルギー量算出部22は、例えば、スクリューと樹脂との摩擦熱による樹脂の温度上昇分から算出してもよい。エネルギー量算出部22は、例えば、樹脂の粘度とひずみ速度から算出してもよい。
【0107】
また、上記実施形態において、エネルギー量算出部22又は消費電力算出部15は、ヒータ102の発熱量EHは、ヒータ102に流れる電流値とヒータ102の抵抗値から算出してもよい。
【0108】
また、上記実施形態において、出力部18は、エネルギー量、エネルギー比、及び可塑化能力について、一定時間毎の平均値を出力してもよい。また、出力部18は、特定のタイミングでのエネルギー量及びエネルギー比を出力してもよい。
【0109】
また、上記実施形態において、出力部18は、射出成形機10の画面でなく、射出成形機10とは離れた場所にあるPC等であってもよい。また、出力部18は、複数の射出成形機10を管理する集中管理装置でもよい。
【0110】
また、上記実施形態において、出力部18は、算出されるパラメータについて上記以外に全てを表示するようにしてもよい。
【0111】
また、上記実施形態において、表面温度取得部23は、設定温度に対する比としてヒータ102の表面温度を取得してもよい。すなわち、表面温度取得部23は、ヒータ102の表面温度に代えてヒータ102の表面温度とヒータ102の設定温度との比αkを取得してもよい。この場合、射出成形機10の制御装置1は、推移算出部24を備えなくてもよい。推定部25は、実績情報に含まれる実績のうち、動作情報及び取得されたヒータ102の表面温度の比の推移に類似又は一致する実績を用いて、所定時刻の表面温度を推定してもよい。
【0112】
また、上記実施形態において、消費電力算出部15は、少なくとも射出成形機10の駆動に使用される電力、ヒータ102に使用される電力、その他の射出成形機10の制御装置1等に使用される電力を区別して算出してもよい。消費電力算出部15は、射出成形機10の駆動に使用される電力は、さらに駆動用のモータ毎に区別して検出してもよい。消費電力算出部15は、モータによる消費電力として、機械効率とモータトルク、モータの回転数、モータの負荷電流率から算出してもよい。また、消費電力算出部15は、ヒータ102による消費電力として、ヒータ容量とヒータ稼働率から算出してもよい。消費電力算出部15は、ヒータ102の発熱量EHiを算出してもよい。
【0113】
また、上記実施形態において、エネルギー比算出部16は、エネルギー比ηEについて、射出成形機10全体の消費電力EPの代わりに、射出部における消費電力を使用して算出してもよい。すなわち、エネルギー比算出部16は、ヒータ102に使用される電力と、スクリュー駆動(回転+前後進)に使用される電力の和を消費電力としてエネルギー比を算出してもよい。なお、出力部18は、算出されたエネルギー量、エネルギー比は任意のタイミング(例えばショット数)ごとに表示される。その際、エネルギー量算出部22は、任意のタイミングごとに積算したエネルギー量、エネルギー比を算出してもよい。
【0114】
また、上記実施形態において、推定部25は、ヒータ102の設定温度TSとヒータ102の表面温度THkの比αkを算出してもよい。また、推定部25は、外部で算出された比を取得してもよ
【0115】
また、上記実施形態において、表面温度取得部23は、表面温度として、センサによる実測値又は外部から提供される値を用いてもよい。表面温度取得部23は、推定部25で推定された表面温度を取得してもよい。
【0116】
また、上記第1実施形態において、実績情報取得部14は、ヒータ発熱量EHiに対して、大気中に放熱せずヒータ102からシリンダ101に伝わる伝熱エネルギー量EEiの割合βを取得した。割合βは、定数(例えば、0.7)であってもよい。また、割合βは、変数であってもよい。割合βは、保温カバーがある場合、例えば、0.95であってもよい。割合βは、通常カバーがある場合、例えば、0.6であってもよい。また、割合βは、設定温度が250度以上である場合、例えば、上記の値を1.05倍してもよい。また、割合βは、以下の数式9を用いた回帰式で求められてもよい。なお、割合βが外部から入力される場合、射出成形機10の制御装置1は、実績情報取得部14を備えなくてもよい。
【0117】
【0118】
また、上記実施形態において、樹脂の密度ρRは、定数として外部から入力されてもよい。また、樹脂の密度ρRは、特性情報取得部21によって取得されてもよい。また、可塑化能力算出部は、樹脂の密度ρRを樹脂圧力と樹脂温度によって変化する変数として算出してもよい。この場合、予め樹脂の密度と樹脂温度とに起因する樹脂圧力の変化の関係を実績情報として取得してもよい。樹脂圧力はノズルもしくはシリンダ101に圧力センサを設置し、その計測値が取得されてもよい。また、樹脂圧力は、スクリュー制御用に取り付けられた圧力検出センサ(ロードセル)の値として取得されてもよい。また、樹脂温度は、ノズルもしくはシリンダ101に設置された温度センサからの計測値としてもよい。また、樹脂温度は、ヒータ制御用に設定された値を用いられてもよい。樹脂密度は、サンプリング周期ごとに算出されてもよい。また、樹脂密度は、任意のタイミング(例えばショット数)ごとに平均値として算出されてもよい。
【0119】
全ての実施形態は単体で実施されるのみでなく、組み合わせて実施されてもよい。例えば、実施形態1と実施形態3とは、組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 制御装置
10 射出成形機
12 動作情報取得部
14 実績情報取得部
15 消費電力算出部
16 エネルギー比算出部
21 特性情報取得部
22 エネルギー量算出部
23 表面温度取得部
24 推移算出部
25 推定部
26 可塑化能力算出部
28 入力取得部
29 成形条件取得部
30 設定部
101 シリンダ
102 ヒータ
103 安全カバー